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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040734
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/241 20180101AFI20240318BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20240318BHJP
   F21S 43/245 20180101ALI20240318BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20240318BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240318BHJP
【FI】
F21S43/241
F21S43/14
F21S43/245
F21W103:00
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145275
(22)【出願日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000143639
【氏名又は名称】株式会社今仙電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】近藤 松生
(72)【発明者】
【氏名】遠山 卓男
(72)【発明者】
【氏名】徳永 駿
(57)【要約】
【課題】 車両用灯具の厚み以上に奥行き感を感じさせる車両用灯具を提供する。
【解決手段】 第1レンズセグメント22、第2レンズセグメント24、第3レンズセグメント26の中央縦レンズセグメントが点透視図法により車両中央側に消失点X1を有するように形成され、奥行き感を感じさせる。更に、レンズセグメントが、奥に行くに従い均等な割合で細くなり、奥行き感を感じさせる。また更に、レンズセグメントが、奥に行くに従い均等な割合で暗くなり、奥行き感を感じさせる。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用灯具であって、
縦方向平板状の中央縦レンズセグメントと、該中央縦レンズセグメントの上端から車両中央側に延在する横方向平板状の上横レンズセグメントと、該中央縦レンズセグメントの下端から車両中央側に延在する横方向平板状の下横レンズセグメントとからなる第1レンズセグメントと、
前記第1レンズセグメントと略相似形で、中央縦レンズセグメントを備え、前記第1レンズセグメントの内側に設けられる第2レンズセグメントと、
前記第2レンズセグメントと略相似形で、中央縦レンズセグメントを備え、前記第2レンズセグメントの内側に設けられる第3レンズセグメントと、をレンズが備え、
前記第1レンズセグメントの前記中央縦レンズセグメントと、前記第2レンズセグメントの中央縦レンズセグメントと、前記第3レンズセグメントの中央縦レンズセグメントと、が点透視図法により車両中央側に消失点を有するように形成され、
前記第1レンズセグメントの幅よりも前記第2レンズセグメントの幅が細く、前記第2レンズセグメントの幅よりも前記第3レンズセグメントの幅が細く、
前記第1レンズセグメントの明度よりも前記第2レンズセグメントの明度が低く、前記第2レンズセグメントの明度よりも前記第3レンズセグメントの明度が低い、ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
請求項1の車両用灯具であって、
前記レンズは、前記第1レンズセグメントと、前記第2レンズセグメントと、前記第3レンズセグメントとを備える一体構造であることを特徴とする車両用灯具。
【請求項3】
請求項1の車両用灯具であって、
前記レンズは、階段状に形成された前記第1レンズセグメントと、前記第2レンズセグメントと、前記第3レンズセグメントとを備える一体構造であることを特徴とする車両用灯具。
【請求項4】
請求項3の車両用灯具であって、
前記第1レンズセグメントの側面には前記第2レンズセグメント側に光を反射させる第1斜壁が設けられ、前記第2レンズセグメントの側面には前記第3レンズセグメント側に光を反射させる第2斜壁が設けられ、
前記第1斜壁の角度により前記第2レンズセグメントの明度が調整され、前記第2斜壁の角度により前記第3レンズセグメントの明度が調整されることを特徴とする車両用灯具。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1の車両用灯具であって、
前記第3レンズセグメントと略相似形で、中央縦レンズセグメントを備え、前記第3レンズセグメントの内側に設けられる第4レンズセグメントを前記レンズが備え、
前記第1レンズセグメントの前記中央縦レンズセグメントと、前記第2レンズセグメントの中央縦レンズセグメントと、前記第3レンズセグメントの中央縦レンズセグメントと、前記第4レンズセグメントの中央縦レンズセグメントと、が点透視図法により車両中央側に消失点を有するように形成されていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項6】
車両用灯具であって、
縦方向平板状の中央縦レンズセグメントと、該中央縦レンズセグメントの上端から車両中央側に延在する横方向平板状の上横レンズセグメントと、該中央縦レンズセグメントの下端から車両中央側に延在する横方向平板状の下横レンズセグメントとからなる第1レンズセグメントと、
前記第1レンズセグメントと略相似形で、中央縦レンズセグメントを備え、前記第1レンズセグメントの内側に設けられる第2レンズセグメントと、
前記第2レンズセグメントと略相似形で、中央縦レンズセグメントを備え、前記第2レンズセグメントの内側に設けられる第3レンズセグメントを前記レンズが備え、
前記第1レンズセグメントと、前記第2レンズセグメントと、前記第3レンズセグメントとの表面に凸レンズ状のR形状が設けられ、
前記第1レンズセグメントと、前記第2レンズセグメントと、前記第3レンズセグメントとは、光源からの光が周囲に比べて強く光る点光りを生じるよう形成されていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項7】
請求項6の車両用灯具であって、
前記第1レンズセグメントの前記中央縦レンズセグメントと、前記第2レンズセグメントの中央縦レンズセグメントと、前記第3レンズセグメントの中央縦レンズセグメントと、が点透視図法により車両中央側に消失点を有するように形成され、
前記第1レンズセグメントの幅よりも前記第2レンズセグメントの幅が細く、前記第2レンズセグメントの幅よりも前記第3レンズセグメントの幅が細く、
前記第1レンズセグメントの明度よりも前記第2レンズセグメントの明度が低く、前記第2レンズセグメントの明度よりも前記第3レンズセグメントの明度が低い、ことを特徴とする車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テールランプに用いられる車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より車両に搭載される車両用灯具として、光源とレンズとを組み合わせたものが知られている。このような車両用灯具では、デザインの多様化によって、色々な形態のものが開発されている。
【0003】
特許文献1には、車両用灯具の前面を均一に発行させるため、複数のLEDから出射された光と、ハーフミラー処理が施されたインナーレンズと、反射面との間で反射を繰り返しながら、インナーレンズから前方に向けて透過させる構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-25310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1で、複数のLEDから出射される光の光源象を増やして車両用灯具の前面を均一に発光させるだけでは、インナーレンズの前面側から出射される光によって、奥行き感のある光の演出を行うことは困難である。
【0006】
本発明の目的は、車両用灯具の厚み以上に奥行き感を感じさせる車両用灯具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る車両用灯具は、縦方向平板状の中央縦レンズセグメントと、該中央縦レンズセグメントの上端から車両中央側に延在する横方向平板状の上横レンズセグメントと、該中央縦レンズセグメントの下端から車両中央側に延在する横方向平板状の下横レンズセグメントとからなる第1レンズセグメントと、前記第1レンズセグメントと略相似形で、中央縦レンズセグメントを備え、前記第1レンズセグメントの内側に設けられる第2レンズセグメントと、前記第2レンズセグメントと略相似形で、中央縦レンズセグメントを備え、前記第2レンズセグメントの内側に設けられる第3レンズセグメントと、をレンズが備え、前記第1レンズセグメントの前記中央縦レンズセグメントと、前記第2レンズセグメントの中央縦レンズセグメントと、前記第3レンズセグメントの中央縦レンズセグメントと、が点透視図法により車両中央側に消失点を有するように形成され、前記第1レンズセグメントの幅よりも前記第2レンズセグメントの幅が細く、前記第2レンズセグメントの幅よりも前記第3レンズセグメントの幅が細く、前記第1レンズセグメントの明度よりも前記第2レンズセグメントの明度が低く、前記第2レンズセグメントの明度よりも前記第3レンズセグメントの明度が低い、ことを特徴とする。
【0008】
請求項6に係る車両用灯具は、縦方向平板状の中央縦レンズセグメントと、該中央縦レンズセグメントの上端から車両中央側に延在する横方向平板状の上横レンズセグメントと、該中央縦レンズセグメントの下端から車両中央側に延在する横方向平板状の下横レンズセグメントとからなる第1レンズセグメントと、前記第1レンズセグメントと略相似形で、中央縦レンズセグメントを備え、前記第1レンズセグメントの内側に設けられる第2レンズセグメントと、前記第2レンズセグメントと略相似形で、中央縦レンズセグメントを備え、前記第2レンズセグメントの内側に設けられる第3レンズセグメントを前記レンズが備え、前記第1レンズセグメントと、前記第2レンズセグメントと、前記第3レンズセグメントとの表面に凸レンズ状のR形状が設けられ、前記第1レンズセグメントと、前記第2レンズセグメントと、前記第3レンズセグメントとは、光源からの光が周囲に比べて強く光る点光りを生じるよう形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の車両用灯具は、レンズが第1レンズセグメントと、第2レンズセグメントと、第3レンズセグメントと、を備える。第1レンズセグメント、第2レンズセグメント、第3レンズセグメントの中央縦レンズセグメントが点透視図法により車両中央側に消失点を有するように形成され、奥行き感を感じさせる。更に、第1レンズセグメントの幅よりも第2レンズセグメントの幅が細く、第2レンズセグメントの幅よりも第3レンズセグメントの幅が細くすることで、奥に行くに従いレンズセグメントが均等な割合で細くなり、奥行き感を感じさせる。更に、第1レンズセグメントの明度よりも第2レンズセグメントの明度が低く、第2レンズセグメントの明度よりも第3レンズセグメントの明度が低く、奥に行くに従い均等な割合でレンズセグメントが暗くなり、奥行き感を感じさせる。点透視図法、レンズセグメントの幅、レンズセグメントの明度設定を相乗させることで、車両用灯具の厚み以上に奥行き感を感じさせることができる。
【0010】
請求項6の車両用灯具は、レンズが、縦方向平板状の中央縦レンズセグメントと横方向平板状の上横レンズセグメント及び下横レンズセグメントとからなる略コ字形状の第1レンズセグメントと、第1レンズセグメントと略相似形で、第1レンズセグメントの内側に設けられる第2レンズセグメントと、第2レンズセグメントと略相似形で、第2レンズセグメントの内側に設けられる第3レンズセグメントとを備えることで、奥行き感を感じさせることができる。そして、第1レンズセグメントと、第2レンズセグメントと、第3レンズセグメントの表面に凸レンズ状のR形状が設けられることで、視線移動によるキラキラ感が増大する。第1レンズセグメントと、第2レンズセグメントと、第3レンズセグメントは、光源からの光が周囲に比べて強く光る点光りを生じるよう形成されていることで、奥行き感にアクセントを持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係る車両用灯具の斜視図
図2図2(A)は第1実施形態の車両用灯具の正面図であり、図2(B)は、図2(A)のb矢視側面図であり、図2(C)は、図2(A)のc矢視側面図である。
図3図1(A)の車両用灯具のA-A断面図
図4図4(A)は、第1実施形態の車両用灯具の点透視図法による消失点の説明図であり、図4(B)は、第1実施形態のセグメントの厚み(幅)の説明図であり、図4(C)は、第1実施形態のセグメントの明るさの説明図である。
図5】第1実施形態の車両用灯具のレンズ内での光の透過を示す説明図
図6】第1実施形態のセグメントの明度を示す図表
図7図7(A)は、第2実施形態の車両用灯具の点透視図法による消失点の説明図であり、図7(B)は、第2実施形態のセグメントでの点光りの説明図であり、図7(C)は、第2実施形態のセグメントの明るさの説明図である。
図8】第2実施形態の車両用灯具のレンズ内での光の透過を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係る車両用灯具の斜視図であり、図2(A)は第1実施形態の車両用灯具の正面図であり、図2(B)は、図2(A)のb矢視側面図であり、図2(C)は、図2(A)のc矢視側面図である。図3は、図1(A)の車両用灯具のA-A断面図である。
図1図2中では、車両用灯具10が展示用のボックスケース50に収容された状態を示す。車両用灯具10は、一対で車両後方の車両テールランプとして用いられるもので、図1図2中では、図4中に示されるように車両左側に取り付けられる側のテールランプ(車両用灯具)を表している。
【0013】
図3中に示されるように、車両用灯具10は、LED60、LED基板40、LEDから照射された光で発光するレンズ20、レンズ20上に設けられるパネル30とから成る。車両用灯具10は、前面が開放したボックスケース50に収容されている。ボックスケース50には、LEDからの光漏れを防ぐための遮光板52が設けられている。
【0014】
図5は、第1実施形態の車両用灯具のレンズ内での光の透過を示す説明図である。図5及び図3中で、上方が車両の後方方向で、下方が車両の前方方向である。そして、図中右側が車両の内側で、左側が車両の外側である。
図5中に示されるようにレンズ20は、LED60からの光を後方へ導出する第1縦壁部211と、階段状に設けられ横方向へ延在する第1レンズセグメント横板22Hと、第2レンズセグメント横板24Hと、第3レンズセグメント横板26H、第4レンズセグメント横板28Hとを有する。第1レンズセグメント横板22Hと第2レンズセグメント横板24Hとの間には光を前方へ導出する第2縦壁212が、第2レンズセグメント横板24Hと第3レンズセグメント横板26Hの間には光を前方へ導出する第3縦壁213が、第3レンズセグメント横板26Hと第4レンズセグメント横板28Hの間には光を前方へ導出する第4縦壁214が設けられている。
【0015】
第1レンズセグメント横板22Hの外側の側面には、第1縦壁部211からの光を第1レンズセグメント横板22H側に反射させる第1外斜壁22slが設けられ、第1レンズセグメント横板22Hの内側の側面には第2縦壁212側に光を反射させる第1内斜壁22srが設けられている。第2レンズセグメント横板24Hの外側の側面には、第2縦壁212からの光を第2レンズセグメント横板24H側に反射させる第2外斜壁24slが設けられ、第2レンズセグメント横板24Hの内側の側面には第3縦壁213側に光を反射させる第2内斜壁24srが設けられている。第3レンズセグメント横板26Hの外側の側面には、第3縦壁213からの光を第3レンズセグメント横板26H側に反射させる第3外斜壁26slが設けられ、第3レンズセグメント横板26Hの内側の側面には第4縦壁214側に光を反射させる第3内斜壁26srが設けられている。第4レンズセグメント横板28Hの外側の側面には、第4縦壁214からの光を第4レンズセグメント横板28H側に反射させる第4外斜壁28slが設けられている。
【0016】
図4(A)は第1実施形態の車両用灯具の説明図である。
図3中に示される第1レンズセグメント22の上に設けられたパネル30の第1スリット32により第1レンズセグメント横板22Hの露出される部位が図4(A)中の第1エリアE1(第1レンズセグメント22)を形成する。第2レンズセグメント横板24Hの上に設けられたパネル30の第2スリット34により露出される部位が第2エリアE2(第2レンズセグメント24)を形成する。第3レンズセグメント横板26Hの上に設けられたパネル30の第3スリット36により露出される部位が第3エリアE3(第3レンズセグメント26)を形成する。第4レンズセグメント28の上に設けられたパネル30の第4スリット38により露出される部位が第4エリアE4(第4レンズセグメント28)を形成する。第4スリット38は、第4レンズセグメント横板28Hの外側のみに設けられている。
【0017】
図4(A)は第1実施形態の車両用灯具の点透視図法による消失点の説明図である。
略コ字形状の第1レンズセグメント22は、縦方向平板状の中央縦レンズセグメント22vと、該中央縦レンズセグメント22vの上端から車両中央側に延在する横方向平板状の上横レンズセグメント22h1と、該中央縦レンズセグメント22vの下端から車両中央側に延在する横方向平板状の下横レンズセグメント22h2とからなる。中央縦レンズセグメント22vは、上端側が車両中央側にやや傾斜している。図中では、車両左側に取り付けられるテールランプを示すが、図示しない車両右側に取り付けられる側のテールランプでは、中央縦レンズセグメントは反対方向に傾斜する。中央縦レンズセグメント22vと上横レンズセグメント22h1との間の角度は鈍角で、上横レンズセグメント22h1は垂直方向に対して約45度程度傾斜している。中央縦レンズセグメント22vと下横レンズセグメント22h2との間の角度は鈍角で、上横レンズセグメント22h1は垂直方向に対して約135度程度傾斜している。第1レンズセグメント22がパネル30の第1スリット32により露出され第1エリアE1を形成する。
【0018】
第2レンズセグメント24は、第1レンズセグメント22と略相似形で、中央縦レンズセグメント24v、上横レンズセグメント24h1、下横レンズセグメント24h2を備え、第1レンズセグメント22の内側に設けられる。第2レンズセグメント24がパネル30の第2スリット34により露出され第2エリアE2を形成する。
【0019】
第3レンズセグメント26は、第2レンズセグメント24と略相似形で、中央縦レンズセグメント26v、上横レンズセグメント26h1、下横レンズセグメント26h2を備え、第2レンズセグメント24の内側に設けられる。第3レンズセグメント26がパネル30の第3スリット36により露出され第3エリアE3を形成する。
【0020】
第4レンズセグメント28は、第3レンズセグメント26と略相似形で、中央縦レンズセグメント28v、上横レンズセグメント28h1、下横レンズセグメント28h2を備え、第3レンズセグメント26の内側に設けられる。第4レンズセグメント28がパネル30の第4スリット38により露出され第4エリアE4を形成する。
【0021】
第1レンズセグメント22の中央縦レンズセグメント22vと、第2レンズセグメント24の中央縦レンズセグメント24vと、第3レンズセグメント26の中央縦レンズセグメント26vと、第4レンズセグメント28の中央縦レンズセグメント28vとが点透視図法により車両中央側に消失点X1を有するように形成されている。
【0022】
即ち、第1レンズセグメント22の中央縦レンズセグメント22vと上横レンズセグメント22h1との外周辺側の角A1lと内周辺側の角A1sを結ぶ線分LI1と、第1レンズセグメント22の中央縦レンズセグメント22vと下横レンズセグメント22h2との外周辺側の角A1Lと内周辺側の角A1Sを結ぶ線分LI2とは、消失点X1で交差する。
【0023】
更に、線分LI1は、第2レンズセグメント24の中央縦レンズセグメント24vと上横レンズセグメント24h1との外周辺側の角A2lと内周辺側の角A2s、第3レンズセグメント26の中央縦レンズセグメント26vと上横レンズセグメント26h1との外周辺側の角A3lと内周辺側の角A3s、第4レンズセグメント28の中央縦レンズセグメント28vと上横レンズセグメント28h1との外周辺側の角A4lと内周辺側の角A4sとを結ぶ。
【0024】
線分LI2は、第2レンズセグメント24の中央縦レンズセグメント24vと下横レンズセグメント24h2との外周辺側の角A2Lと内周辺側の角A2S、第3レンズセグメント26の中央縦レンズセグメント26vと下横レンズセグメント26h2との外周辺側の角A3Lと内周辺側の角A3S、第4レンズセグメント28の中央縦レンズセグメント28vと下横レンズセグメント28h2との外周辺側の角A4Lと内周辺側の角A4Sとを結ぶ。
【0025】
第1実施形態の車両用灯具では、レンズ20を構成する第1レンズセグメント22、第2レンズセグメント24、第3レンズセグメント26、第4レンズセグメント28の中央縦レンズセグメント22v、24v、26v、28vが点透視図法により車両中央側に消失点X1を有するように形成されているので、奥行き感を感じさせることができる。
【0026】
図4(B)は、第1実施形態のセグメントの厚み(幅)の説明図である。
第1レンズセグメント22の幅W1よりも第2レンズセグメント24の幅W2が細い。第2レンズセグメント24の幅W2よりも第3レンズセグメント26の幅W3が細い。第3レンズセグメント26の幅W3よりも第4レンズセグメント28の幅W4が細い。ここで、幅W1に対して幅W2が、1:0.7の場合、幅W2に対して幅W3が、幅W3に対して幅W4が1:0.7に設定される。幅W1に対して幅W2が、1:0.6の場合、幅W2に対して幅W3が、幅W3に対して幅W4が1:0.6に設定される。即ち、奥に行くに従い均等な割合でレンズセグメントが細くなる。
【0027】
第1実施形態の車両用灯具10では、第1レンズセグメント22の幅W1よりも第2レンズセグメント24の幅W2が細く、第2レンズセグメント24の幅W2よりも第3レンズセグメント26の幅W3が細く、第3レンズセグメント26の幅W3よりも第4レンズセグメント28の幅W4が細い。このため、第1実施形態の車両用灯具10では、奥に行くに従い均等な割合でレンズセグメントが細くなり、奥行き感を感じさせる。
【0028】
図4(C)は第1実施形態のセグメントの明るさの説明図である。
第1レンズセグメント22の明度よりも第2レンズセグメント24の明度が低く、第2レンズセグメント24の明度よりも第3レンズセグメント26の明度が低く、第3レンズセグメント26の明度よりも第4レンズセグメント28の明度が低い。
【0029】
図6は第1実施形態のセグメントの明度を示す図表である。
第1レンズセグメント(エリアE1)22の明度が56cdで、第2レンズセグメント(エリアE2)24の明度は38cdで、第3レンズセグメント(エリアE3)26の明度が21cdで、第4レンズセグメント(エリアE4)28の明度が9cdである。即ち、奥に行くに従い均等な割合でレンズセグメントが暗くなるように設定されている。
【0030】
この第2レンズセグメント(エリアE2)24の明度調整は、図5中に示される第1レンズセグメント横板22Hの内側の側面の第1内斜壁22srの角度によって、第2縦壁212側に反射させる光量が調整されることで行われる。第3レンズセグメント(エリアE3)26の明度調整は、図5中に示される第2レンズセグメント横板24Hの内側の側面の第2内斜壁24srの角度によって、第3縦壁213側に反射させる光量が調整されることで行われる。第4レンズセグメント(エリアE4)28の明度調整は、図5中に示される第3レンズセグメント横板26Hの内側の側面の第3内斜壁26srの角度によって、第4縦壁214側に反射させる光量が調整されることで行われる。
【0031】
第1実施形態の車両用灯具10では、第1レンズセグメント22の明度よりも第2レンズセグメント24の明度が低く、第2レンズセグメント24の明度よりも第3レンズセグメント26の明度が低く、第3レンズセグメント26の明度よりも第4レンズセグメント28の明度が低く、奥に行くに従いレンズセグメントが均等な割合で暗くなり、奥行き感を感じさせる。
【0032】
第1実施形態の車両用灯具10では、図4(A)に示される点透視図法、図4(B)に示されるレンズセグメントの幅、図4(C)に示されるレンズセグメントの明度設定を相乗させることで、車両用灯具の厚み以上に奥行き感を感じさせることができる。
【0033】
[第2実施形態]
第2実施形態の車両用灯具は、レンズの形状を除き、図1図3を参照して上述した第1実施形態と同様の構造を有する。
図7(A)は、第2実施形態の車両用灯具の点透視図法による消失点の説明図である。第2実施形態の車両用灯具のレンズ20は、第1実施形態と同様に、略コ字形状の第1レンズセグメント22、第2レンズセグメント24、第3レンズセグメント26、第4レンズセグメント28から成り、各レンズセグメントは、中央縦レンズセグメント22v、24v、26v、28vと、上横レンズセグメント22h1、24h1、26h1、28h1と、下横レンズセグメント22h2、24h2、26h2、28h2とからなる。第2レンズセグメント24は、第1レンズセグメント22と略相似形で、第1レンズセグメント22の内側に設けられる。第3レンズセグメント26は、第2レンズセグメント24と略相似形で、第2レンズセグメント24の内側に設けられる。第4レンズセグメント28は、第3レンズセグメント26と略相似形で、第3レンズセグメント26の内側に設けられる。
【0034】
第1レンズセグメント22の中央縦レンズセグメント22vと、第2レンズセグメント24の中央縦レンズセグメント24vと、第3レンズセグメント26の中央縦レンズセグメント26vと、第4レンズセグメント28の中央縦レンズセグメント28vとが点透視図法により車両中央側に消失点X1を有するように形成されている。第2実施形態の車両用灯具では、レンズセグメントの中央縦レンズセグメント22v、24v、26v、28vが点透視図法により車両中央側に消失点X1を有するように形成されているので、奥行き感を感じさせれる。
【0035】
図7(B)は第2実施形態のセグメントの幅、及び、点光りの説明図である。
第2実施形態の車両用灯具では、第1実施形態と同様に、第1レンズセグメント22の幅W1よりも第2レンズセグメント24の幅W2が細く、第2レンズセグメント24の幅W2よりも第3レンズセグメント26の幅W3が細く、第3レンズセグメント26の幅W3よりも第4レンズセグメント28の幅W4が細い。このため、第2実施形態の車両用灯具10では、奥に行くに従い均等な割合でレンズセグメントが細くなり、奥行き感を感じさせれる。
【0036】
図7(C)は第2実施形態のセグメントの明るさの説明図である。
第1レンズセグメント22の明度よりも第2レンズセグメント24の明度が低く、第2レンズセグメント24の明度よりも第3レンズセグメント26の明度が低く、第3レンズセグメント26の明度よりも第4レンズセグメント28の明度が低い。第2実施形態の車両用灯具は、第1実施形態と同様に、奥に行くに従いレンズセグメントが均等な割合で暗くなり、奥行き感を感じさせる。
【0037】
第2実施形態の車両用灯具10では、図7(A)に示される点透視図法、図7(B)に示されるレンズセグメントの幅、図7(C)に示されるレンズセグメントの明度設定を相乗させることで、車両用灯具の厚み以上に奥行き感を感じさせることができる。
【0038】
第2実施形態の車両用灯具では、図7(B)に示されるように第1レンズセグメント22、第2レンズセグメント24、第3レンズセグメント26、第4レンズセグメント28で、配置されたLEDに対応して点光りBRが生じる。ここで、点光りとは、光源(LED)からの光の一部がそのまま出射され、周囲に比べて強く光ることを言う。
図8は、第2実施形態の車両用灯具のレンズ内での光の透過を示す説明図である。
LED60からの光が、第1縦壁部211から第1レンズセグメント横板22H側へ反射される第1外斜壁22slにおいて点光りBRが生じる。更に、第2縦壁212からの光を第2レンズセグメント横板24H側に反射させる第2外斜壁24slにおいて点光りBRが生じる。第3縦壁213からの光を第3レンズセグメント横板26H側に反射させる第3外斜壁26slにおいて点光りBRが生じる。第4縦壁214からの光を第4レンズセグメント横板28H側に反射させる第4外斜壁28slにおいて点光りBRが生じる。
【0039】
多くの車両用灯具において、点光りは目立たないように、レンズにステップを付けたり、レンズに絞りを設けたりすることで、光源自体を隠すようにしている。第2実施形態では、点光りをあえて目立たせてある。
【0040】
更に、第2実施形態では、第1レンズセグメント22、第2レンズセグメント24、第3レンズセグメント26、第4レンズセグメント28に、表面に凸レンズ状(蒲鉾状)のR形状が設けられ、視線が移動することで、輝度が変化して、キラキラ感が生じるように構成されている。
【0041】
第2実施形態の車両用灯具では、点光りをあえて目立たせ、且つ、視線が移動することで、輝度が変化して、キラキラ感が生じるように構成されているため、奥行き感にアクセントを持たせることが可能になる。
【符号の説明】
【0042】
10 車両用灯具
20 レンズ
22 第1レンズセグメント
22h1 上横レンズセグメント
22h2 下横レンズセグメント
22sr 第1内斜壁
22v 中央縦レンズセグメント
24 第2レンズセグメント
24v 中央縦レンズセグメント
26 第3レンズセグメント
26v 中央縦レンズセグメント
30 パネル
60 LED
BR 点点り
X1 消失点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8