IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ紡織株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-サーバ 図1
  • 特開-サーバ 図2
  • 特開-サーバ 図3
  • 特開-サーバ 図4
  • 特開-サーバ 図5
  • 特開-サーバ 図6
  • 特開-サーバ 図7
  • 特開-サーバ 図8
  • 特開-サーバ 図9
  • 特開-サーバ 図10
  • 特開-サーバ 図11
  • 特開-サーバ 図12
  • 特開-サーバ 図13
  • 特開-サーバ 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040795
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】サーバ
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/90 20180101AFI20240318BHJP
   B60N 2/02 20060101ALI20240318BHJP
   B60N 2/806 20180101ALI20240318BHJP
【FI】
B60N2/90
B60N2/02
B60N2/806
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145381
(22)【出願日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮地 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 綱治
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087AA02
3B087AA04
3B087BA01
3B087BA15
3B087BD02
3B087DC06
3B087DE10
(57)【要約】
【課題】車両のシートの位置調整が完了するまで予約ユーザが待機する時間を短縮しつつ、予約ユーザが乗車しやすいようにシート位置を調整する。
【解決手段】サーバ20は、処理装置202と、記憶装置206とを備える。記憶装置206は、車両10を利用可能な複数のユーザの各々に対して、車両10の利用時におけるシート170の位置として設定されるユーザ設定位置を示す情報を記憶する。ユーザ設定位置は、リクライニング設定位置と、スライド設定位置とを含む。複数のユーザのうちのユーザUが車両10の利用を予約した場合に、処理装置204は、複数のユーザのうちのユーザUの乗車前にシート170のリクライニング位置がユーザUのリクライニング設定位置に調整され、かつ、ユーザUの乗車後にシート170のスライド位置がユーザUのスライド設定位置に調整されるように、位置調整指令CVを生成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両と通信するように構成されたサーバであって、
前記車両は、
シートと、
前記シートの位置を調整するように構成された調整装置とを含み、
前記調整装置は、前記車両のフロアに対して前記シートをスライド可能であるとともに前記シートをリクライニング可能に構成されており、
前記シートの位置は、前記シートのスライド位置とリクライニング位置とを含み、
前記サーバは、
前記調整装置が前記シートの位置を調整するための位置調整指令を生成する処理装置と、
前記車両を利用可能な複数のユーザの各々に対して、前記車両の利用時における前記シートの位置として設定されるユーザ設定位置を示す情報を記憶する記憶装置とを備え、
前記ユーザ設定位置は、
前記リクライニング位置として設定されるリクライニング設定位置と、
前記スライド位置として設定されるスライド設定位置とを含み、
前記複数のユーザのうちの予約ユーザが前記車両の利用を予約した場合に、前記処理装置は、前記予約ユーザの乗車前に前記リクライニング位置が前記予約ユーザの前記リクライニング設定位置に調整され、かつ、前記予約ユーザの乗車後に前記スライド位置が前記予約ユーザの前記スライド設定位置に調整されるように、前記位置調整指令を生成する、サーバ。
【請求項2】
前記処理装置は、前記予約ユーザの乗車前に前記スライド位置が所定の後方端に移動するように前記位置調整指令を生成する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記スライド位置が前記後方端に移動するときの前記シートのスライド速度は、前記予約ユーザの乗車後に前記スライド位置が前記スライド設定位置に調整されるときの前記シートのスライド速度よりも速い、請求項2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記処理装置は、前記車両が前記予約ユーザの目的地に到着した場合に、前記スライド位置が前記車両の後方向に移動するように前記位置調整指令を生成する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項5】
前記車両は、前記車両の側方または後方を映すミラーを含み、
前記記憶装置は、前記複数のユーザの各々に対して、前記車両の利用時における前記ミラーの位置として設定されるミラー設定位置をさらに記憶しており、
前記処理装置は、さらに、
前記ミラーの位置を調整するためのミラー位置調整指令を生成するように構成されており、
前記予約ユーザが前記車両の利用を予約した場合に、前記予約ユーザの乗車前に前記ミラーの位置が前記予約ユーザの前記ミラー設定位置に調整されるように、前記ミラー位置調整指令を生成する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項6】
前記処理装置は、前記予約ユーザの乗車前の前記車両の停車中に前記リクライニング位置が前記予約ユーザの前記リクライニング設定位置に調整されるように、前記位置調整指令を生成する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項7】
前記車両は、蓄電装置を含み、
前記調整装置は、前記蓄電装置の電力を消費することによって作動し、
前記車両は、前記車両の外部の電力設備から供給される電力を用いて前記蓄電装置を充電する外部充電を実行可能に構成されており、
前記処理装置は、前記外部充電中に前記リクライニング位置が前記予約ユーザの前記リクライニング設定位置に調整されるように、前記位置調整指令を生成する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項8】
前記処理装置は、前記車両が所定速度以上の速度で走行している時の前記リクライニング位置および前記スライド位置を、それぞれ、前記リクライニング設定位置および前記スライド設定位置として設定する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項9】
前記処理装置は、前記予約ユーザの乗車が検知されるための条件を、前記車両の予約時に前記予約ユーザに問い合わせる、請求項1に記載のサーバ。
【請求項10】
前記処理装置は、
前記車両の予約時の前記予約ユーザの服装を表す画像を前記予約ユーザの端末装置から取得し、
前記リクライニング設定位置または前記スライド設定位置の少なくとも1つを前記画像に従って補正する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項11】
前記シートは、シートクッションを含み、
前記調整装置は、前記フロアに対する前記シートクッションの高さ方向における前記シートクッションの位置を調整可能に構成されており、
前記ユーザ設定位置は、前記車両の利用時の、前記高さ方向における前記シートクッションの位置として設定される高さ設定位置を含み、
前記予約ユーザが前記車両の利用を予約した場合に、前記処理装置は、前記予約ユーザの乗車前に前記シートクッションの位置が前記予約ユーザの前記高さ設定位置に調整されるように、前記位置調整指令を生成する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項12】
前記シートは、前端部および後端部を有するシートクッションを含み、
前記調整装置は、前記後端部に対して前記前端部をチルトアップ可能に構成されるとともに前記前端部のチルトアップ方向における前記前端部の位置を調整可能に構成されており、
前記ユーザ設定位置は、前記車両の利用時の、前記チルトアップ方向における前記前端部の位置として設定されるチルト設定位置を含み、
前記予約ユーザが前記車両の利用を予約した場合に、前記処理装置は、前記予約ユーザの乗車前に前記前端部の位置が前記予約ユーザの前記チルト設定位置に調整されるように、前記位置調整指令を生成する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項13】
前記シートは、
シートバックと、
前記シートバックに接続されるヘッドレストとを含み、
前記調整装置は、前記シートバックから前記ヘッドレストに延びる方向において前記ヘッドレストを移動可能に構成されるとともに前記ヘッドレストの移動方向における前記ヘッドレストの位置を調整可能に構成されており、
前記ユーザ設定位置は、前記車両の利用時の、前記移動方向における前記ヘッドレストの位置として設定されるヘッドレスト設定位置を含み、
前記予約ユーザが前記車両の利用を予約した場合に、前記処理装置は、前記予約ユーザの乗車前に前記ヘッドレストの位置が前記予約ユーザの前記ヘッドレスト設定位置に調整されるように、前記位置調整指令を生成する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項14】
前記車両は、各々が前記シートである第1シートおよび第2シートを含み、
前記複数のユーザは、前記予約ユーザとしての第1ユーザと、前記予約ユーザとは異なるユーザとしての第2ユーザとを含み、
前記第1ユーザおよび前記第2ユーザの双方が前記車両を利用し、前記第1ユーザが前記第1シートに座る予定であり、かつ、前記第2ユーザが前記第2シートに座る予定である場合に、前記処理装置は、前記第2ユーザの乗車前に前記第2シートの前記リクライニング位置が前記第2ユーザの前記リクライニング設定位置に調整され、かつ、前記第2ユーザの乗車後に前記第2シートの前記スライド位置が前記第2ユーザの前記スライド設定位置に調整されるように、前記位置調整指令を生成する、請求項1に記載のサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバに関し、特に、車両と通信するように構成されたサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2020-55503号公報(特許文献1)は、車両用シート調整装置を開示する。車両は、複数のユーザにより利用され得る。上記のシート調整装置は、スライドモータと、リクライニングモータとを含む複数のシートモータに接続されている。スライドモータは、シートをスライドさせる。リクライニングモータは、シートのリクライニング位置を変更する。シート調整装置は、ユーザによる車両の予約を管理する予約管理サーバからユーザごとのシート設定データを取得可能に構成されている。シート設定データは、シート位置(スライド位置、リクライニング位置など)に対するユーザの設定値を含む。シート調整装置は、シート設定データにより示される目標位置(ユーザ設定位置)にシート位置を調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-55503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シートの位置調整が実施されるタイミングによっては、車両の利用を予約したユーザ(予約ユーザ)が乗車後にシートの位置調整の完了まで不必要に待機することを要したり、予約ユーザが乗車しにくかったりすることがある。特許文献1においては、そのような問題について検討されていない。
【0005】
本開示は、上記のような問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、車両のシートの位置調整が完了するまで予約ユーザが待機する時間を短縮しつつ、予約ユーザが乗車しやすいようにシート位置を調整するためのサーバを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のサーバは、車両と通信するように構成される。車両は、シートと、調整装置とを含む。調整装置は、シートの位置を調整するように構成されている。調整装置は、車両のフロアに対してシートをスライド可能であるとともにシートをリクライニング可能に構成されている。シートの位置は、シートのスライド位置とリクライニング位置とを含む。サーバは、処理装置と、記憶装置とを備える。処理装置は、調整装置がシートの位置を調整するための位置調整指令を生成する。記憶装置は、車両を利用可能な複数のユーザの各々に対して、車両の利用時におけるシートの位置として設定されるユーザ設定位置を示す情報を記憶する。ユーザ設定位置は、リクライニング位置として設定されるリクライニング設定位置と、スライド位置として設定されるスライド設定位置とを含む。複数のユーザのうちの予約ユーザが車両の利用を予約した場合に、処理装置は、予約ユーザの乗車前にリクライニング位置が予約ユーザのリクライニング設定位置に調整され、かつ、予約ユーザの乗車後にスライド位置が予約ユーザのスライド設定位置に調整されるように、位置調整指令を生成する。
【0007】
上記の構成とすることにより、予約ユーザの乗車前にリクライニング位置が予約ユーザのリクライニング設定位置に調整される。これにより、乗車時にリクライニング位置の調整が既に完了している。その結果、乗車後にリクライニング位置の調整が完了するまで予約ユーザが不必要に待機する事態を回避できる。加えて、上記の構成によれば、予約ユーザの乗車後にスライド位置が予約ユーザのスライド設定位置に調整される。これにより、乗車時にスライド位置の調整が既に完了している事態を回避できる。その結果、予約ユーザが乗車しやすくできる。以上から、シートの位置調整が完了するまで予約ユーザが待機する時間を短縮しつつ、予約ユーザが乗車しやすくできる。
【0008】
好ましくは、処理装置は、予約ユーザの乗車前にスライド位置が所定の後方端に移動するように位置調整指令を生成する。
【0009】
上記の構成とすることにより、乗車時にスライド位置が既に後方端に移動している。これにより、予約ユーザが乗車動作において用いることができるスペースが広げられる。その結果、予約ユーザが特に乗車しやすくできる。
【0010】
好ましくは、スライド位置が後方端に移動するときのシートのスライド速度は、予約ユーザの乗車後にスライド位置がスライド設定位置に調整されるときのシートのスライド速度よりも速い。
【0011】
上記の構成とすることにより、第2スライド速度は、第1スライド速度よりも緩やかである。よって、予約ユーザが乗車している時(例えば、シートに座っている時)にシートが緩やかにスライドする。これにより、予約ユーザの快適性を損なうことなくスライド位置を調整できる。
【0012】
好ましくは、処理装置は、車両が予約ユーザの目的地に到着した場合に、スライド位置が車両の後方向に移動するように位置調整指令を生成する。
【0013】
上記の構成とすることにより、予約ユーザが降車動作において用いることができるスペースが広げられる。これにより、予約ユーザが特に降車しやすくできる。
【0014】
好ましくは、車両は、車両の側方または後方を映すミラーを含む。記憶装置は、複数のユーザの各々に対して、車両の利用時におけるミラーの位置として設定されるミラー設定位置をさらに記憶している。処理装置は、さらに、ミラーの位置を調整するためのミラー位置調整指令を生成するように構成されており、予約ユーザが車両の利用を予約した場合に、予約ユーザの乗車前にミラーの位置が予約ユーザのミラー設定位置に調整されるように、ミラー位置調整指令を生成している。
【0015】
上記の構成とすることにより、予約ユーザの乗車前にミラーの位置が予約ユーザのミラー設定位置に調整される。これにより、乗車時にミラーの位置の調整が既に完了している。その結果、乗車後にミラーの位置の調整が完了するまで予約ユーザが不必要に待機する事態を回避できる。
【0016】
好ましくは、処理装置は、予約ユーザの乗車前の車両の停車中にリクライニング位置が予約ユーザのリクライニング設定位置に調整されるように、位置調整指令を生成する。
【0017】
上記の構成とすることにより、予約ユーザの乗車前の車両の走行時にリクライニング位置が調整される事態が回避される。これにより、リクライニング位置の調整に起因して電力消費量が一時的に増大することを防止できる。
【0018】
好ましくは、車両は、蓄電装置を含む。調整装置は、蓄電装置の電力を消費することによって作動する。車両は、車両の外部の電力設備から供給される電力を用いて蓄電装置を充電する外部充電を実行可能に構成されている。処理装置は、外部充電中にリクライニング位置が予約ユーザのリクライニング設定位置に調整されるように、位置調整指令を生成する。
【0019】
上記の構成とすることにより、外部充電終了後にリクライニング位置の調整のために調整装置が作動する事態が回避される。これにより、外部充電終了後にリクライニングの調整のために蓄電装置の電力が減少することを防止できる。その結果、乗車時の蓄電装置の蓄電量を可能な限り多くできる。
【0020】
好ましくは、処理装置は、車両が所定速度以上の速度で走行している時のリクライニング位置およびスライド位置を、それぞれ、リクライニング設定位置およびスライド設定位置として設定する。
【0021】
上記の構成とすることにより、車両が所定速度以上の速度で走行している時に、ユーザのリクライニング設定位置およびスライド設定位置が自動的に設定される。これにより、ユーザが初めて車両を利用する時にリクライニング設定位置およびスライド設定位置を定めるためのユーザ操作を不要にできる。
【0022】
好ましくは、処理装置は、予約ユーザの乗車が検知されるための条件を、車両の予約時に予約ユーザに問い合わせる。
【0023】
上記の構成とすることにより、予約ユーザは、スライド位置の調整の開始のためのトリガを決めることができる。これにより、予約ユーザの利便性を向上させることができる。
【0024】
好ましくは、処理装置は、車両の予約時の予約ユーザの服装を表す画像を予約ユーザの端末装置から取得し、リクライニング設定位置またはスライド設定位置の少なくとも1つを画像に従って補正する。
【0025】
上記の構成とすることにより、予約ユーザの服装に依存してリクライニング設定位置またはスライド設定位置の少なくとも1つが補正される。これにより、予約ユーザの服装が変化した場合であってもユーザ操作によるシート位置の微調整を要することなくシート位置を適切に微調整できる。その結果、予約ユーザの利便性を向上させることができる。
【0026】
好ましくは、シートは、シートクッションを含む。調整装置は、フロアに対するシートクッションの高さ方向におけるシートクッションの位置を調整可能に構成されている。ユーザ設定位置は、車両の利用時の、高さ方向におけるシートクッションの位置として設定される高さ設定位置を含む。予約ユーザが車両の利用を予約した場合に、処理装置は、予約ユーザの乗車前にシートクッションの位置が予約ユーザの高さ設定位置に調整されるように、位置調整指令を生成する。
【0027】
上記の構成とすることにより、予約ユーザの乗車前にシートクッションの位置が予約ユーザの高さ設定位置に調整される。これにより、乗車時にシートクッションの高さの調整が既に完了している。その結果、乗車後にシートクッションの高さの調整が完了するまで予約ユーザが不必要に待機する事態を回避できる。
【0028】
好ましくは、シートは、前端部および後端部を有するシートクッションを含む。調整装置は、後端部に対して前端部をチルトアップ可能に構成されるとともに前端部のチルトアップ方向における前端部の位置を調整可能に構成されている。ユーザ設定位置は、車両の利用時の、チルトアップ方向における前端部の位置として設定されるチルト設定位置を含む。予約ユーザが車両の利用を予約した場合に、処理装置は、予約ユーザの乗車前に前端部の位置が予約ユーザのチルト設定位置に調整されるように、位置調整指令を生成する。
【0029】
上記の構成とすることにより、予約ユーザの乗車前に前端部の位置が予約ユーザのチルト設定位置に調整される。これにより、乗車時にチルトアップ方向における前端部の位置の調整が既に完了している。その結果、乗車後にこの位置の調整が完了するまで予約ユーザが不必要に待機する事態を回避できる。
【0030】
好ましくは、シートは、シートバックと、シートバックに接続されるヘッドレストとを含む。調整装置は、シートバックからヘッドレストに延びる方向においてヘッドレストを移動可能に構成されるとともにヘッドレストの移動方向におけるヘッドレストの位置を調整可能に構成されている。ユーザ設定位置は、車両の利用時の、移動方向におけるヘッドレストの位置として設定されるヘッドレスト設定位置を含む。予約ユーザが車両の利用を予約した場合に、処理装置は、予約ユーザの乗車前にヘッドレストの位置が予約ユーザのヘッドレスト設定位置に調整されるように、位置調整指令を生成する。
【0031】
上記の構成とすることにより、予約ユーザの乗車前にヘッドレストの位置が予約ユーザのヘッドレスト設定位置に調整される。これにより、乗車時にヘッドレストの移動方向におけるヘッドレストの位置の調整が既に完了している。その結果、乗車後にこの位置の調整が完了するまで予約ユーザが不必要に待機する事態を回避できる。
【0032】
好ましくは、車両は、各々がシートである第1シートおよび第2シートを含む。複数のユーザは、予約ユーザとしての第1ユーザと、予約ユーザとは異なるユーザとしての第2ユーザとを含む。第1ユーザおよび第2ユーザの双方が車両を利用し、第1ユーザが第1シートに座る予定であり、かつ、第2ユーザが第2シートに座る予定である場合に、処理装置は、第2ユーザの乗車前に第2シートのリクライニング位置が第2ユーザのリクライニング設定位置に調整され、かつ、第2ユーザの乗車後に第2シートのスライド位置が第2ユーザのスライド設定位置に調整されるように、位置調整指令を生成する。
【0033】
上記の構成とすることにより、対応するシートの位置調整が完了するまで各ユーザが待機する時間を短縮できる(第1ユーザおよび第2ユーザの各々の待機時間を短縮できる。)さらに、各ユーザが乗車しやすくできる。
【発明の効果】
【0034】
本開示によれば、車両のシートの位置調整が完了するまで予約ユーザが待機する時間を短縮しつつ、予約ユーザが乗車しやすいようにシート位置を調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】実施の形態におけるシート調整システムの構成を示す図である。
図2】車両の詳細な構成を示す図である。
図3】車両の上方から車両を平面視したときの図である。
図4】シートの構成を詳細に示す図である。
図5】サーバの記憶装置に記憶されるユーザ設定位置データの一例を示す図である。
図6】実施の形態に従うサーバにより実行される処理を例示するフローチャートである。
図7】実施の形態において車両により実行される処理を例示するフローチャートである。
図8】変形例1においてリクライニング位置およびスライド位置の設定に関連して実行される処理を例示するフローチャートである。
図9】車両の予約時に携帯端末のHMI(Human Machine Interface)装置に表示される画面を例示する図である。
図10】変形例3に従うサーバにより実行される処理を例示するフローチャートである。
図11】変形例3において車両により実行される処理を例示するフローチャートである。
図12】ユーザが車両を予約する時にユーザの携帯端末のHMI装置に表示される画面を示す図である。
図13】ユーザの服装に依存してシートに対するユーザ設定位置が補正されることを説明する図である。
図14】ユーザ設定位置の補正に関連して実行される処理を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明を繰り返さない。
【0037】
図1は、実施の形態におけるシート調整システムの構成を示す図である。図1を参照して、シート調整システム1は、車両10と、サーバ20と、携帯端末30とを備える。
【0038】
車両10は、シート170と、シートアジャスタ180とを含む。シート170は、車両10の車室内に設けられる。シートアジャスタ180は、車両10におけるシート170の位置であるシート位置を調整するように構成されているシート位置調整装置である。車両10は、各々がカーシェアリングサービスの会員である複数のユーザにより利用され得る。車両10は、自動運転を実行可能に構成される電動車両である。車両10の構成については後ほど詳しく説明する。
【0039】
サーバ20は、処理装置202と、通信装置204と、記憶装置206とを含む。
【0040】
処理装置202は、CPU(Central Processing Unit)およびメモリを含む(いずれも図示せず)。CPUは、各種の演算処理を実行する。メモリは、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random access memory)を含む。ROMは、CPUにより実行されるプログラムを記憶する。
【0041】
処理装置202は、シートアジャスタ180がシート位置を自動的に調整するための位置調整指令CVを生成するように構成される。通信装置204は、車両10および携帯端末30の各々と通信するように構成される。通信装置204は、例えば、位置調整指令CVを車両10に送信したり、携帯端末30から予約情報RI(後述)を受信したりする。記憶装置206は、処理装置202により用いられるプログラムおよび各種データ(例えば、後述するユーザ設定位置データ)を記憶している。記憶装置206は、クラウドサービスの一部として提供されてもよい。
【0042】
携帯端末30は、その所有者であるユーザUにより携帯される端末装置であって、この例ではスマートフォンである。携帯端末30は、タブレット端末またはウェアラブル端末であってもよい。携帯端末30は、処理装置302と、記憶装置303と、通信装置304と、HMI装置307と、カメラ308とを含む。携帯端末30は、その傾きを検出する傾きセンサ(図示せず)をさらに含んでもよい。このセンサの検出値は、携帯端末30の外部機器(例えば、車両10)に通信装置304により送信されてもよい。
【0043】
処理装置302は、携帯端末30の各種装置を制御するための処理を実行する。記憶装置303は、処理装置302により用いられる各種プログラムおよびデータを記憶する。
【0044】
通信装置304は、サーバ20と通信するように構成される。通信装置304は、例えば、予約情報RIをサーバ20に送信する。予約情報RIは、ユーザUが車両10の利用を予約するために必要な情報である。予約情報RIは、ユーザID(Identification)と、車両10(予約対象の車両)の車種を示す情報と、着座予定シート情報と、ユーザUの現在位置を示す情報(位置情報)とを含む。
【0045】
ユーザIDは、ユーザUを識別するための識別子である。着座予定シート情報は、ユーザUが車両10において座る予定のシート170の情報である。この例では、着座予定シート情報は、ユーザUが運転席のシート170に座る予定であることを示すものとするが、助手席のシート170に座る予定であることを示すものであってもよい。ユーザUは、車両10を用いたカーシェアリングサービスの会員であり、近距離通信可能な会員カードを所持している。ユーザUは、本開示における「予約ユーザ」に相当する。通信装置304は、携帯端末30の外部の機器と近接通信を行うようにも構成される。
【0046】
HMI装置307は、例えばタッチスクリーンであって、各種ユーザ操作を受けたり、各種画面を表示したりする。当該ユーザ操作は、ユーザUが車両10の利用を予約するための予約操作を含む。HMI装置307は、ユーザが予約情報RIを入力するために用いられる。カメラ308は、ユーザUを撮影することによって、ユーザUの服装を表す画像(ユーザ画像)を生成する。
【0047】
ユーザUがHMI装置307を用いて車両10に対する予約操作を行うと、予約情報RIが生成されて携帯端末30からサーバ20に送信される。予約情報RIがサーバ20により受信されると車両10の予約が完了する。その後、サーバ20は、車両10の予約が完了したことを示す通知(予約完了通知)を車両10に送信する。この通知は、ユーザUのユーザIDと、ユーザUの位置情報とを含む。
【0048】
車両10は、予約完了通知の受信に応答して、車両10の現在位置(例えば、車両10のための駐車場)から自動運転によりユーザUの現在位置に移動する。
【0049】
図2は、車両10の詳細な構成を示す図である。図2を参照して、車両10は、シフトレバー105と、アクセル110と、スタート/ストップボタン115と、車速センサ120と、サイドミラー125と、リアミラー130と、GPS(Global Positioning System)システム132とを含む。車両10は、インレット135と、メインバッテリ140と、電力変換装置145と、補機バッテリ150と、ミラーアジャスタ155とをさらに含む。車両10は、通信装置160と、シート170と、シートアジャスタ180と、HMI装置190と、自動運転システム192と、ECU195とをさらに含む。
【0050】
シフトレバー105は、ユーザ操作に従って車両10のシフトレンジを切り替え可能に構成される。シフトレンジは、N(ニュートラル)レンジ、R(リバース)レンジ、D(ドライブ)レンジ、およびB(ブレーキ)レンジを含む。アクセル110は、車両10を加速するためにユーザにより踏まれ得る。
【0051】
スタート/ストップボタン115は、車両10の走行用システムに対するオン操作またはオフ操作を受ける。スタート/ストップボタン115が押下されると(オン操作が行なわれると)、車両10の状態が走行可能状態(Ready-ON状態)に切り替わる。他方、スタート/ストップボタン115の押下が解除されると(オフ操作が行なわれると)、車両10の状態が走行不可能状態(Ready-OFF状態)に切り替わる。
【0052】
車速センサ120は、車両10の走行速度を検出する。サイドミラー125およびリアミラー130は、それぞれ、車両10の側方(サイドビュー)および車両10の後方(リアビュー)を映す。GPSシステム132は、車両10の現在位置を検出する。
【0053】
インレット135は、車両10の外部の電力設備40に接続するように構成されている。インレット135は、電力設備40から供給される電力を受電する。電力設備40は、例えば、車両10のための駐車場に設置されている。
【0054】
メインバッテリ140は、車両10の走行用の電力を蓄える。メインバッテリ140は、インレット135により受電された電力により充電される。このように、車両10は、電力設備40から供給される電力を用いてメインバッテリ140を充電する外部充電を実行可能に構成されている。外部充電は、駐車場において実行される。
【0055】
電力変換装置145は、メインバッテリ140から供給される電力を変換して変換後の電力を補機バッテリ150に供給する。これにより、補機バッテリ150が充電される。補機バッテリ150は、その蓄電量が減少すると電力変換装置145によりメインバッテリ140の電力を用いて充電される。補機バッテリ150は、外部充電中に充電されてもよい。メインバッテリ140または補機バッテリ150は、本開示の「蓄電装置」の一例を形成する。
【0056】
ミラーアジャスタ155は、サイドミラー調整部157と、リアミラー調整部159とを含む。サイドミラー調整部157は、サイドミラー125の位置であるサイドミラー位置を自動的に調整する。リアミラー調整部159は、リアミラー130の位置であるリアミラー位置を自動的に調整する。サイドミラー位置およびリアミラー位置の各々を示す情報は、ECU195に伝達される。
【0057】
通信装置160は、車両10の外部の機器(例えば、サーバ20)と通信するように構成される。通信装置160は、例えば、位置調整指令CV(図1)をサーバ20から受信する。通信装置160は、携帯端末30と近距離通信するようにも構成される。
【0058】
シートアジャスタ180は、補機バッテリ150の電力を消費することによって作動する。補機バッテリ150が、その蓄電量が減少するとメインバッテリ140の電力を用いて充電されるため、シートアジャスタ180は、メインバッテリ140の電力を消費することによって作動すると考えることもできる。
【0059】
シートアジャスタ180は、リクライニング調整部181と、スライド調整部182と、高さ調整部184と、チルト調整部186と、ヘッドレスト調整部188とを含む。これらの調整部の具体的な動作については、後ほど詳しく説明する。
【0060】
HMI装置190は、例えばタッチスクリーンであって、各種ユーザ操作を受けたり、各種画面を表示したりする。当該ユーザ操作は、例えば、シート位置を調整する操作と、そのように調整されたシート位置をユーザ設定位置として登録する操作とを含む。これらの操作は、HMI装置190に代えて携帯端末30を用いて行われてもよい。例えば、これらの操作を可能にするアプリケーションを携帯端末30にインストールすることによって、HMI装置190と同様の機能を携帯端末30に行わせてもよい。この場合、携帯端末30は、車両10と近距離通信することによって上記機能を行うことができる。HMI装置190は、ユーザUの目的地を入力する操作を受けるようにも構成されている。
【0061】
自動運転システム192は、車両10の外部状況を検出するレーダなどの各種センサ群(図示せず)を含む。自動運転システム192は、当該センサ群の検出結果に基づいて、車両10の自動運転を可能するための各種制御をECU195と協調して実行する。当該制御は、車線維持制御、航行制御、および停車制御を含む。
【0062】
ECU195は、CPUおよびメモリを含む(いずれも図示せず)。CPUは、各種の演算処理を実行する。メモリは、ROM、RAMおよび補助記憶装置を含む。ROMは、CPUにより実行されるプログラムを記憶する。補助記憶装置は、車両10のIDおよび車種を表す情報を記憶している。
【0063】
ECU195は、シフトレバー105の操作結果(シフトレンジ)と、アクセル110の開度と、スタート/ストップボタン115の押下/非押下と、車速センサ120の検出値と、GPSシステム132の検出結果とを示す情報を受ける。
【0064】
ECU195は、電力変換装置145、ミラーアジャスタ155、通信装置160、シートアジャスタ180、HMI装置190などの、車両10の各機器を制御する。ECU195は、例えば、位置調整指令CV(図1)に従ってシートアジャスタ180を制御することによってシート位置を自動的に調整可能に構成されている。
【0065】
ECU195は、サーバ20から予約完了通知を受信すると、車両10が自動運転によりユーザUの現在位置まで走行するように(ユーザUを迎えに行くように)、自動運転システム192と協働して作動する。
【0066】
図3は、車両10の上方から車両10を平面視したときの図である。図3を参照して、車両10は、運転席シート170Aと、助手席シート170Bとを含む。運転席シート170Aおよび助手席シート170Bの各々は、シート170に相当する。
【0067】
載置台185Aは、運転者の携帯端末30を置くために車両10において設けられる。載置台185Bは、運転者の同伴者(運転助手)の携帯端末(同伴者端末)を置くために車両10において設けられる。載置台185Aは、運転席シート170Aの近傍に設けられる。載置台185Bは、助手席シート170Bの近傍に設けられる。載置台185A,185Bは、それぞれ、携帯端末30および同伴者端末が置かれたことを検知する検知ユニット(図示せず)を内部に含む。
【0068】
前述のように、この例では、ユーザUが運転席のシート170に座る予定である。載置台185Aは、ユーザUの携帯端末30が置かれたことを検知することによって、ユーザUが車両10に乗車したことを検知する。
【0069】
載置台185A,185Bに代えて、または加えて、NFC(Near Field Communication)チップを搭載する機器(NFCチップ搭載機器)が設けられてもよい。NFCチップ搭載機器は、ユーザUの携帯端末30(または会員カード)と近接通信する。載置台185A,185Bに代えて、または加えて、ユーザUの指紋を認証する機器(指紋認証機器)が設けられてもよい。NFCチップ搭載機器および指紋認証機器の各々は、ユーザUによる乗車を検知するために用いられる。
【0070】
図4は、シート170の構成を詳細に示す図である。図4を参照して、シート170は、シートクッション171と、シートバック172と、ヘッドレスト173とを含む。
【0071】
シートクッション171は、前端部FEPおよび後端部REPを有する。シートクッション171の側面には、リクライニングレバー175が取り付けられている。シートクッション171の前方には、パネルPが設けられている。
【0072】
シートクッション171は、その内部に着座センサ187および距離センサ189を内蔵している。着座センサ187は、シートクッション171の表面の沈み込み(荷重)を検知することによって、ユーザによるシートクッション171への着座を検知する。着座センサ187は、着座を検知することによってユーザUによる乗車を検知する。距離センサ189は、ユーザUによる乗車時に携帯端末30と近距離通信することによって携帯端末30との距離を検出する。この距離が所定距離未満である場合、距離センサ189は、ユーザUによる乗車を検知する。そうでない場合、距離センサ189は、乗車を検知しない。着座センサ187の検知結果を示す信号および距離センサ189の検知結果を示す信号は、ECU195に伝達される。
【0073】
シートバック172は、シートクッション171に接続される。ヘッドレスト173は、シートバック172に接続される。
【0074】
スライドレール176は、車両10のフロアFR上に配置される。スライドレール176には、スライドレバー177が取り付けられている。
【0075】
シートアジャスタ180(スライド調整部182)は、スライドレール176に沿ってスライド方向にシート170をフロアFRに対してスライド可能に構成されている。シート170のスライド方向は、+X軸方向、または-X軸方向である。+X軸方向は、車両10の前方向に相当する。-X軸方向は、車両10の後方向に相当する。スライド方向におけるシート170の位置を「スライド位置」とも表す。この例では、スライド位置は、シートクッション171の後端部REPのX座標として表されるものとする。スライド方向は、フロアFRに平行な水平面においてX軸方向と直交する方向(+Y方向または-Y方向)をさらに含んでもよい。
【0076】
シートアジャスタ180は、-X軸方向におけるシート170のスライド限界位置LMPまでシート170をスライドさせることができる(後端部REPがスライド限界位置LMPまで後退するようにシート170をスライドさせることができる)。スライド限界位置LMPを示す情報は、ECU195に内蔵されるメモリに記憶されている。
【0077】
シートアジャスタ180(リクライニング調整部181)は、シート170(より詳細には、シートバック172)を方向RDにリクライニング可能に構成される。角度θは、シートバック172が方向RDにおいて基準位置RPから傾斜する角度であり、シート170のリクライニング位置として用いられる。
【0078】
シートアジャスタ180(高さ調整部184)は、+Z方向におけるシートクッション171の位置である高さ位置を調整可能に構成されている。高さ位置は、フロアFRに対するシートクッション171(より詳細には、その底面)の高さに相当する。+Z方向は、フロアFRに対するシートクッション171の高さ方向に相当する。
【0079】
シートアジャスタ180(チルト調整部186)は、シートクッション171の後端部REPに対して前端部FEPをチルトアップ可能に構成される。シートアジャスタ180は、前端部FEPのチルトアップ方向(方向TUD)における前端部FEPの位置であるチルトアップ位置を調整可能に構成されている。
【0080】
シートアジャスタ180(ヘッドレスト調整部188)は、シートバック172からヘッドレスト173に延びる方向HRDにおいてヘッドレスト173を移動可能に構成されている。シートアジャスタ180は、ヘッドレスト173の移動方向(方向HRD)におけるヘッドレスト173の位置であるヘッドレスト位置を調整可能に構成されている。
【0081】
前述のシート位置は、スライド位置と、リクライニング位置(角度θ)と、高さ位置と、チルトアップ位置と、ヘッドレスト位置とを含む概念である。シート位置は、リクライニングレバー175およびスライドレバー177などを用いた手動操作(またはHMI装置190を用いたユーザ操作)により調整され得る。シート位置(シート170の状態)を示す情報は、ECU195に伝達される。
【0082】
リアミラー130は、車両10のフロントグラスFGの付近に設けられている。サイドミラー位置およびリアミラー位置の各々は、ユーザにより手動操作により調整され得る。
【0083】
図5は、サーバ20の記憶装置206に記憶されるユーザ設定位置データの一例を示す図である。以下の説明において、図4を適宜参照する。
【0084】
図5を参照して、ユーザ設定位置データ260は、ユーザIDデータ261と、シート設定位置データ262と、ミラー設定位置データ268とを含む。
【0085】
ユーザIDデータ261は、車両10を利用可能な各ユーザ(カーシェアリングサービスの各会員)の識別情報を示す。
【0086】
シート設定位置データ262は、車両10を利用可能な各ユーザに対して、車両10の利用時におけるシート位置として設定されるユーザ設定位置を示す。このユーザ設定位置は、リクライニング設定位置263と、スライド設定位置264と、高さ設定位置265と、チルト設定位置266と、ヘッドレスト設定位置267とを含む。
【0087】
リクライニング設定位置263は、対応するユーザによる車両10の利用時におけるリクライニング位置として設定される。スライド設定位置264は、対応するユーザによる車両10の利用時におけるスライド位置として設定される。高さ設定位置265は、対応するユーザによる車両10の利用時における高さ位置として設定される。チルト設定位置266は、対応するユーザによる車両10の利用時におけるチルトアップ位置として設定される。ヘッドレスト設定位置267は、対応するユーザによる車両10の利用時におけるヘッドレスト位置として設定される。
【0088】
リクライニング設定位置263、スライド設定位置264、高さ設定位置265、チルト設定位置266、およびヘッドレスト設定位置267の各々は、ユーザ(カーシェアリングサービスの会員)ごとに異なる。
【0089】
ミラー設定位置データ268は、車両10を利用可能な各ユーザに対して、車両10の利用時におけるミラーの位置として設定されるミラー設定位置を示す。このミラー設定位置は、サイドミラー設定位置269Aと、リアミラー設定位置269Bとを含む。
【0090】
サイドミラー設定位置269Aは、対応するユーザによる車両10の利用時におけるサイドミラー位置として設定される。リアミラー設定位置269Bは、対応するユーザによる車両10の利用時におけるリアミラー位置として設定される。サイドミラー設定位置269Aおよびリアミラー設定位置269Bの各々は、ユーザごとに異なる。ミラーアジャスタ155がサイドミラー125およびリアミラー130の各々の位置を調整するためのミラー位置調整指令は、サーバ20の処理装置202により生成される。
【0091】
ユーザ設定位置データ260は、車両10の車種に対して生成されている。カーシェアリングサービスにおいて予約可能な車両の車種ごとにユーザ設定位置データ260と同様のデータが生成されており、記憶装置206に記憶されている。
【0092】
ユーザ設定位置データ260は、サーバ20の記憶装置206に記憶される。よって、ユーザ設定位置データ260のデータサイズが増大したとしても(例えば、車両10を利用するユーザの数が多い場合であっても)、記憶装置206のデータ記憶容量が大きくなるように設計される限り、ユーザ設定位置データ260の記憶のためのデータ記憶容量が不足する事態を回避できる。例えば、記憶装置206がクラウドサービスの一部として提供される場合、大きなデータ記憶容量を容易に達成できる。
【0093】
各ユーザに対するシート設定位置データ262およびミラー設定位置データ268は、そのユーザが初めて車両10を利用する時にユーザ操作により定められる。例えば、このユーザは、車両10を初めて利用した時に、リクライニングレバー175およびスライドレバー177などを用いてシート位置およびミラー位置を手動で調整する操作を行う。そして、このユーザは、調整後のシート位置およびミラー位置を、それぞれ、シート設定位置およびミラー設定位置として設定するためのユーザ操作を行う。このユーザは、例えば、これらの設定位置を示す情報と、そのユーザIDとをECU195のメモリに記憶させるための操作を行う。その後、ECU195は、これらの設定位置、ユーザIDおよび車両10の車種を示す情報をサーバ20に送信する。これにより、このユーザおよび車両10の車種に対するシート設定位置データ262およびミラー設定位置データ268がユーザ設定位置データ260に登録(追加)される。
【0094】
シート170の位置調整が実施されるタイミングによっては、ユーザUが乗車後にシート170の位置調整の完了まで不必要に待機することを要することがある。例えば、シート170のリクライニング位置およびスライド位置の双方が、ユーザUの乗車後に調整され始める場合、ユーザUは、これらの位置の双方の調整が完了するまで不必要に待機することを要する。あるいは、これらの位置の調整の双方が、ユーザUの乗車前に既に完了している場合、乗車時にスライド位置の調整が完了しているため、ユーザUが乗車動作において用いることができるスペース(前端部FEPとパネルPとの間のスペース)が狭い可能性がある。その結果、ユーザUは、乗車しにくいことがある。
【0095】
実施の形態に従うサーバ20は、上記の問題に対処するための構成を備える。具体的には、処理装置202は、車両10を利用可能な複数のユーザ(すなわち、カーシェアリングサービスの複数の会員)のうちのユーザUが車両10の利用を予約した場合に、ユーザUの乗車前にシート170のリクライニング位置がユーザUのリクライニング設定位置263に調整され、かつ、ユーザUの乗車後にシート170のスライド位置がユーザUのスライド設定位置264に調整されるように、位置調整指令CVを生成する。
【0096】
このような構成とすることにより、ユーザUの乗車前にリクライニング位置がユーザUのリクライニング設定位置263(図4)に調整される(例えば、ユーザUのIDが001である場合にはリクライニング位置がRSP1に調整される)。これにより、乗車時にリクライニング位置の調整が既に完了している。その結果、乗車後にリクライニング位置の調整が完了するまでユーザUが不必要に待機する事態を回避できる。加えて、上記の構成によれば、ユーザUの乗車後にスライド位置がユーザUのスライド設定位置264に調整される(例えば、ユーザUのIDが001である場合にはスライド位置がSSP1に調整される)。これにより、乗車時にスライド位置の調整が既に完了している事態(ユーザUが乗車動作において用いることができるスペースが狭められている事態)を回避できる。その結果、ユーザUが乗車しやすくできる。
【0097】
実施の形態では、処理装置202は、ユーザUの乗車前にスライド位置が所定の後方端RE(図4)に移動するように位置調整指令CVを生成する。具体的には、後方端REは、スライド限界位置LMP、またはスライド限界位置LMPの近傍に相当する。スライド限界位置LMPの近傍とは、スライド限界位置LMPから+X方向において所定距離PD未満の位置である。所定距離PDは、スライド位置が上記近傍にある限りユーザが容易に乗車できる距離として適宜予め定められる。
【0098】
このように位置調整指令CVが生成されると、乗車時にスライド位置が既に後方端REに移動している。これにより、ユーザUが乗車動作において用いることができるスペースが広げられる。その結果、ユーザUが特に乗車しやすくできる。
【0099】
処理装置202は、第1スライド速度が第2スライド速度よりも速くなるように位置調整指令CVを生成することが好ましい。第1スライド速度は、ユーザUの乗車前にスライド位置が後方端REに移動するときのシート170のスライド速度である。第2スライド速度は、ユーザUの乗車後にスライド位置がユーザUのスライド設定位置264に調整されるときのシート170のスライド速度である。
【0100】
第1スライド速度が第2スライド速度よりも速い場合、第2スライド速度は、第1スライド速度よりも緩やかである。よって、ユーザUが乗車している時(例えば、シート170に座っている時)にシート170が緩やかにスライドする。これにより、ユーザUの快適性を損なうことなくスライド位置を調整できる。
【0101】
処理装置202は、ユーザUが車両10の利用を予約した場合に、ユーザUの乗車前にサイドミラー位置およびリアミラー位置が、それぞれ、ユーザUのサイドミラー設定位置269Aおよびリアミラー設定位置269Bに調整されるように、前述のミラー位置調整指令を生成することが好ましい。
【0102】
このようにミラー位置調整指令が生成されると、ユーザUの乗車前にサイドミラー位置およびリアミラー位置が、それぞれ、ユーザUのサイドミラー設定位置269Aおよびリアミラー設定位置269Bに調整される(例えば、ユーザUのIDが001である場合には、サイドミラー位置およびリアミラー位置が、それぞれ、SMP1およびRMP1に調整される)。これにより、乗車時にサイドミラー125およびリアミラー130の位置の調整が既に完了している。その結果、乗車後にこれらのミラーの位置の調整が完了するまでユーザUが不必要に待機する事態を回避できる。処理装置202は、これらのミラーの位置が、ユーザUの乗車後に調整されるように、ミラー位置調整指令を生成してもよい。
【0103】
処理装置202は、ユーザUの乗車前の車両10の停車中にリクライニング位置がユーザUのリクライニング設定位置263に調整されるように、位置調整指令CVを生成することが好ましい。
【0104】
ユーザUの乗車前の車両10の停車中とは、例えば、ユーザUとは異なるカーシェアリングサービスの会員が車両10を利用した後にユーザUが直ちに車両10を利用するケースにおいて、当該会員の降車場所からユーザUの乗車場所へ車両10が自動運転により走行する経路の途中で信号待ちなどのために静止している状況をいう。乗車前の車両10の停車中は、車両10が駐車場において静止している状態であってもよい。
【0105】
上記のように停車中にリクライニング位置が調整されると、ユーザUの乗車前の車両10の走行時にリクライニング位置が調整される事態が回避される。すなわち、車両10の走行と、リクライニング位置の調整とが同時に実施されることが回避される。これにより、リクライニング位置の調整に起因して車両10における電力消費量が一時的に増大することを防止できる。
【0106】
処理装置202は、車両10の外部充電中にリクライニング位置がユーザUのリクライニング設定位置263に調整されるように、位置調整指令CVを生成してもよい。
【0107】
外部充電中にリクライニング位置の調整が完了すると、外部充電終了後にリクライニング位置の調整のためにシートアジャスタ180が作動する事態が回避される。これにより、外部充電終了後にリクライニングの調整のために補機バッテリ150およびその充電のために用いられるメインバッテリ140の電力が減少することを防止できる。その結果、乗車時のメインバッテリ140および補機バッテリ150の蓄電量を可能な限り多くできる。
【0108】
処理装置202は、ユーザUの乗車後に車両10がユーザUの目的地に到着した場合に、スライド位置が-X方向に移動するように(シート170が後退するように)位置調整指令CVを生成してもよい。後退後のスライド位置は、スライド位置が当該後退後のスライド位置にある限りユーザが容易に降車できる位置として適宜予め定められる。
【0109】
このように位置調整指令CVが生成されると、目的地への到着後に、ECU195は、ユーザUが降車動作において用いることができるスペース(前端部FEPとパネルPとの間のスペース)を広げるようにシートアジャスタ180を制御する(スライド位置を調整する)。これにより、ユーザUが特に降車しやすくできる。ECU195は、例えば、GPSシステム132により検出される車両10の位置がユーザUの目的地(HMI装置190を用いて定められる)にあり、かつ、スタート/ストップボタン115を用いて車両10の走行用システムに対するオフ操作が行われると車両10が目的地に到着したと判定する。
【0110】
この例では、ユーザUが乗車した後、車両10は、ユーザUによる手動運転により目的地まで走行するが、自動運転により目的地まで走行してもよい。目的地への到着後、車両10は、自動運転により元々の位置(例えば、車両10のための駐車場)に戻る。
【0111】
図6は、実施の形態に従うサーバ20(より詳細には、処理装置202)により実行される処理を例示するフローチャートである。このフローチャートは、サーバ20が携帯端末30から予約情報RIを受信すると開始する。
【0112】
図6を参照して、サーバ20は、予約情報RIに含まれるユーザIDと、ユーザ設定位置データ260(図5)とに従って、ユーザUに対応するシート設定位置データ262およびミラー設定位置データ268を記憶装置206から読み込む(ステップS102)。サーバ20は、読み込んだデータに従って位置調整指令CVを生成する(ステップS105)。位置調整指令CVは、指令CV1~CV4を含む。
【0113】
指令CV1は、ユーザUのリクライニング設定位置263を示す情報を含み、乗車前(好ましくは、停車中または外部充電中)にリクライニング位置をユーザUのリクライニング設定位置263に調整するために生成される。
【0114】
指令CV2は、前述の第1スライド速度に相当する速度V1を示す情報を含み、乗車前にスライド位置を後方端REに速度V1で移動するために生成される。
【0115】
指令CV3は、ユーザUのスライド設定位置264と前述の第2スライド速度に相当する速度V2(<V1)とを示す情報を含み、乗車後にスライド位置をユーザUのスライド設定位置264に速度V2で調整するために生成される。
【0116】
指令CV4は、目的地への到着後にスライド位置を後方向(-X方向)に移動するために生成され、後退後のスライド位置を示す情報を含む。ステップS105の後、処理は、ステップS110に進む。
【0117】
サーバ20は、指令MCV1,MCV2を含むミラー位置調整指令MCVを生成する(ステップS110)。
【0118】
指令MCV1は、ユーザUのサイドミラー設定位置269Aを示す情報を含み、サイドミラー位置をユーザUのサイドミラー設定位置269Aに調整するために生成される。指令MCV2は、ユーザUのリアミラー設定位置269Bを示す情報を含み、リアミラー位置をユーザUのリアミラー設定位置269Bに調整するために生成される。ステップS110の後、処理は、ステップS115に進む。
【0119】
サーバ20は、位置調整指令CVおよびミラー位置調整指令MCVを、通信装置204を通じて車両10に送信する(ステップS115)。その後、図6の処理が終了する。
【0120】
図7は、実施の形態において車両10により実行される処理を例示するフローチャートである。このフローチャートは、車両10が位置調整指令CVおよびミラー位置調整指令MCVを受信すると開始する。
【0121】
図7を参照して、車両10は、停車中に(または外部充電中に)指令CV1に従ってリクライニング位置を調整する(ステップS205)。
【0122】
車両10は、指令MCV1に従ってサイドミラー位置を調整する(ステップS210)。車両10は、指令MCV2に従ってリアミラー位置を調整する(ステップS215)。
【0123】
車両10は、指令CV2に従ってスライド位置を後方端REに移動する(ステップS220)。
【0124】
車両10は、自動運転によりユーザU(予約ユーザ)の位置へ移動する(ステップS225)。その後、車両10は、ユーザUの携帯端末30が載置台185Aに置かれたこと検知することによって、ユーザUによる乗車を検知する(ステップS230)。
【0125】
車両10は、乗車検知の後、指令CV3に従ってシート170のスライド位置を調整する(ステップS235)。その後、車両10は、目的地への走行を開始する。
【0126】
車両10は、目的地に到着すると(ステップS240)、指令CV4に従ってスライド位置を-X方向に移動する(後退させる)(ステップS245)。その後、ユーザUが降車すると、車両10は、自動運転により駐車場に戻る。
【0127】
ステップS205~S220の順番は、図示された順番に限定されず、適宜変更されてもよい。あるいは、これらのステップは、同時に実行されてもよい。
【0128】
ステップS230における乗車検知は、着座センサ187、距離センサ189、携帯端末30の傾きセンサ、スタート/ストップボタン115、NFCチップ搭載機器、または指紋認証機器を用いて実施されてもよい。ECU195は、例えば、通信装置160と携帯端末30との近距離通信が確立しており、かつ、携帯端末30の傾きの検出値を携帯端末30から近距離通信により受信してその傾きが所定の傾きよりも大きい場合に乗車を検知してもよい。あるいは、ECU195は、スタート/ストップボタン115の押下に応答して乗車を検知してもよい。
【0129】
図6および図7の一連の処理において、サーバ20は、スライド位置を調整するための指令CV3を乗車検知(ステップS230)の前に車両10に送信するものとしたが、乗車検知の後に指令CV3を車両10に送信してもよい。この場合、ステップS105において生成される位置調整指令CVは、指令CV3を含まない。ユーザUによる乗車が検知されると(ステップS230)、ECU195は、その旨を示す通知をサーバ20に送信する。サーバ20は、この通知に応答して指令CV3を車両10に送信する。これにより、指令CV3が車両10により受信され、その後、ステップS235が実行される。
【0130】
以上のように、サーバ20は、ユーザUの乗車前にリクライニング位置がユーザUのリクライニング設定位置263に調整され、かつ、ユーザUの乗車後にスライド位置がユーザUのスライド設定位置264に調整されるように、位置調整指令CVを生成する。これにより、乗車後にリクライニング位置の調整が完了するまでユーザUが不必要に待機する事態を回避できる。ユーザUは、乗車後にスライド位置の調整が完了するまで待機しさえすればよく、スライド位置の調整の完了後に直ちに運転を開始できる。さらに、乗車後にリクライニング位置の調整が開始するため、乗車時にスライド位置の調整が完了している事態を回避できる。その結果、乗車時にユーザUが乗車動作において用いることができるスペースが狭められている事態を回避できる。以上から、シート170の位置調整が完了するまでユーザUが待機する時間を短縮しつつ、ユーザUが乗車しやすくできる。
【0131】
以下、実施の形態の他の利点を説明する。複数のユーザの各々が同一の車両(車両10)を利用可能である場合、ユーザUが車両10を利用する前に車両10を利用した他のユーザ(前回予約ユーザ)は、シート位置およびミラー位置を、それぞれ、このユーザに適するシート位置およびミラー位置に調整する。前回予約ユーザに適するシート位置およびミラー位置は、ユーザUに適するシート位置およびミラー位置と一般的に異なる。そのため、ユーザUは、車両10を利用する度に、シート位置およびミラー位置を、それぞれ、自身に適するシート位置およびミラー位置に変更する操作を行うことを要することがある。例えば、ユーザUは、車両10を利用する度にリクライニングレバー175およびスライドレバー177を操作することを要する。実施の形態では、シート位置およびミラー位置が、ユーザUに適するシート位置およびミラー位置に自動的に調整される。これにより、上記の変更操作を不要にできる。さらに、ユーザUが車両10を利用する時の安全性を向上させることができる。
【0132】
[変形例1]
実施の形態では、各ユーザに対するシート設定位置データ262およびミラー設定位置データ268(図5)は、ユーザ操作により定められるものとした。これに対して、各ユーザに対するシート設定位置データ262およびミラー設定位置データ268は、ユーザ操作を要することなく定められてもよい。
【0133】
この変形例1では、ECU195は、ユーザUにより利用される車両10が所定速度(例えば、10km/h)以上の速度で走行している時の、リクライニング位置およびスライド位置を示す情報をサーバ20に送信する。そして、サーバ20は、当該リクライニング位置およびスライド位置を、それぞれ、ユーザUのリクライニング設定位置263およびスライド設定位置264として設定する設定処理を実行する。
【0134】
車両10が所定速度以上の速度で走行している時、ユーザUは、リクライニング位置およびスライド設定位置の各々がユーザUに適するように既に調整されているためにアクセル110を踏んでいると考えられる。よって、この時のリクライニング位置およびスライド設定位置は、ユーザUのリクライニング設定位置263およびスライド設定位置264に好適であると考えられる。
【0135】
上記の設定処理によれば、ユーザUのリクライニング設定位置263およびスライド設定位置264が自動的に設定(登録)される。その結果、ユーザUが初めて車両10を利用する時にリクライニング設定位置263およびスライド設定位置264を定めるためのユーザ操作を不要にできる。
【0136】
ECU195は、車両10が所定速度以上の速度で走行している時の、高さ位置、チルトアップ位置およびヘッドレスト位置を示す情報をサーバ20に送信してもよい。そして、サーバ20は、これらの位置を、それぞれ、ユーザUの高さ設定位置265、チルト設定位置266およびヘッドレスト設定位置267として設定してもよい。
【0137】
ECU195は、車両10が所定速度以上の速度で走行している時の、サイドミラー位置およびリアミラー位置を示す情報をサーバ20に送信してもよい。そして、サーバ20は、これらの位置を、それぞれ、ユーザUのサイドミラー設定位置269Aおよびリアミラー設定位置269Bとして設定してもよい。
【0138】
図8は、この変形例1においてリクライニング位置およびスライド位置の設定に関連して実行される処理を例示するフローチャートである。このフローチャートは、ユーザUがシフトレバー105を用いてシフトレンジをDレンジに切り替えると開始される。
【0139】
図8を参照して、車両10(より詳細には、ECU195)は、車速が所定速度以上であるか否かを車速センサ120の検出値に従って判定する(ステップS305)。車速が所定速度未満である場合(ステップS305においてNO)、車速が所定速度以上になるまでこの判定処理が繰り返される。他方、車速が所定速度以上である場合(ステップS305においてYES)、処理は、ステップS310に進む。
【0140】
車両10は、現在のスライド位置およびリクライニング位置を示す情報をサーバ20に送信する(ステップS310)。車両10は、ユーザUのユーザIDと、車両10の車種とを示す情報をさらにサーバ20に送信する。このユーザIDは、車両10により受信される前述の予約完了通知に含まれている。その後、車両10の処理は終了する。
【0141】
サーバ20は、車両10から受信した情報により示されるスライド位置およびリクライニング位置を、それぞれ、ユーザUのリクライニング設定位置263およびスライド設定位置264として設定する(ステップS315)。
【0142】
サーバ20は、設定されたリクライニング設定位置263およびスライド設定位置264を、車両10から送信されるユーザIDに関連付けて記憶装置206(ユーザ設定位置データ260)に登録する。
【0143】
この変形例1によれば、ユーザUが初めて車両10を利用する時にリクライニング設定位置263およびスライド設定位置264を定めるためのユーザ操作を不要にできる。その結果、ユーザUの利便性を向上させることができる。
【0144】
[変形例2]
サーバ20は、ユーザUの乗車が検知されるための条件(スライド位置の調整の開始のためのトリガ)を、車両10の予約時にユーザUに問い合わせてユーザUに選択させてもよい。
【0145】
図9は、車両10の予約時に携帯端末30のHMI装置307に表示される画面を例示する図である。図9を参照して、画面370は、メッセージ372と、モード選択部分374とを含む。
【0146】
メッセージ372は、乗車検知モードを選択するようにユーザUに促す。乗車検知モードは、乗車検知のための手法を定める車両10のモードである。
【0147】
モード選択部分374は、ユーザUが複数の乗車検知モードのうちの好みのモードを選択することを可能にする。モード選択部分374に含まれる数字(この例では、1~7のいずれか)がユーザUによりタッチされると、その数字に対応するモードが選択される。
【0148】
着座モード376Aは、着座センサ187を用いた乗車検知モードである。着座モード376Aは、例えば、携帯端末30がユーザUの身体付近にないケース、ユーザUがポケット無しのズボンまたはスカートを着用しているケース、携帯端末30がユーザUの服の胸ポケットに入っているケース、携帯端末30がウェアラブル端末であってユーザUの腕に装着されているケース、または、携帯端末30がユーザUの鞄の中にあるケースにおいて効果的である。
【0149】
距離モード376Bは、距離センサ189を用いた乗車検知モードである。距離モード376Bは、例えば、ユーザUにより着用されるズボンまたはスカートがポケットを有していないケースにおいて効果的である。
【0150】
三軸モード376Cは、通信装置160と携帯端末30との近距離通信が確立している時に携帯端末30の傾きセンサを用いた乗車検知モードである。三軸モード376Cは、距離モード376Bと同様に、例えば、ユーザUにより着用されるズボンまたはスカートがポケットを有していないケースにおいて効果的である。
【0151】
ボタン押下モード376Dは、スタート/ストップボタン115を用いた乗車検知モードである。ボタン押下モード376Dは、ユーザUが乗車後にスライド位置の調整をユーザ操作に応答して開始させることを希望するケースにおいて効果的である。
【0152】
載置モード376Eは、載置台185Aを用いた乗車検知モードである。NFC認証モード376Fは、NFCチップ搭載機器を用いた乗車検知モードである。指紋認証モード376Gは、指紋認証機器を用いた乗車検知モードである。これらの認証モードは、ユーザUが着座モード376A~載置モード376E以外の乗車検知モードを希望するケースにおいて効果的である。指紋認証モードは、携帯端末30のバッテリが既に使い果たされているケースにおいても効果的である。
【0153】
着座モード376A~指紋認証モード376Gのうちボタン押下モード376D以外のモードは、ユーザUが複雑なユーザ操作を要することなくスライド位置の調整が自動的に開始することを希望するケースにおいて効果的である。
【0154】
サーバ20は、予約情報RIを受信すると、画面370を表示するように要求する信号を携帯端末30に送信する。これにより、携帯端末30に画面370が表示される。
【0155】
この変形例2によれば、ユーザUは、乗車検知(図7のステップS230)のための手法を決めることができる。これにより、ユーザUは、スライド位置の調整(図7のステップS235)の開始のためのトリガを決めることができる。その結果、ユーザUの利便性および快適性を向上させることができる。
【0156】
[変形例3]
サーバ20は、ユーザUの乗車前に、高さ位置、チルトアップ位置およびヘッドレスト位置が調整されるように、位置調整指令CVを生成してもよい。以下、詳しく説明する。
【0157】
ユーザUが車両10の利用を予約した場合に、サーバ20は、ユーザUの乗車前に高さ位置がユーザUの高さ設定位置265(図5)に調整されるように、位置調整指令CVを生成してもよい。
【0158】
これにより、ユーザUの乗車前に高さ位置がユーザUの高さ設定位置265に調整される(例えば、ユーザUのIDが001である場合には高さ位置がHSP1に調整される)。その結果、乗車時にシートクッション171の高さの調整が既に完了している。したがって、乗車後にこの高さの調整が完了するまでユーザUが不必要に待機する事態を回避できる。
【0159】
同様に、ユーザUが車両10の利用を予約した場合に、サーバ20は、ユーザUの乗車前にチルトアップ位置がユーザUのチルト設定位置266に調整されるように、位置調整指令CVを生成してもよい。
【0160】
これにより、ユーザUの乗車前にチルトアップ位置がユーザUのチルト設定位置266に調整される(例えば、ユーザUのIDが001である場合にはチルトアップ位置がTSP1に調整される)。その結果、乗車時に前端部FEPの位置の調整が既に完了している。したがって、乗車後にこの位置の調整が完了するまでユーザUが不必要に待機する事態を回避できる。
【0161】
同様に、ユーザUが車両10の利用を予約した場合に、サーバ20は、ユーザUの乗車前にヘッドレスト位置がユーザUのヘッドレスト設定位置267に調整されるように、位置調整指令CVを生成してもよい。
【0162】
これにより、ユーザUの乗車前にヘッドレスト位置がユーザUのヘッドレスト設定位置267に調整される(例えば、ユーザUのIDが001である場合にはヘッドレスト位置がHSP1に調整される)。その結果、乗車時にヘッドレスト173の位置の調整が既に完了している。したがって、乗車後にこの位置の調整が完了するまでユーザUが不必要に待機する事態を回避できる。
【0163】
処理装置202は、ユーザUの乗車前の車両10の停車中または外部給電中に、リクライニング位置に加えて、高さ位置、チルトアップ位置およびヘッドレスト位置が、それぞれ、ユーザUのリクライニング設定位置263、高さ設定位置265、チルト設定位置266およびヘッドレスト設定位置267に調整されるように、位置調整指令CVを生成することが好ましい。
【0164】
図10は、この変形例3に従うサーバ20(より詳細には、処理装置202)により実行される処理を例示するフローチャートである。このフローチャートは、サーバ20が携帯端末30から予約情報RIを受信すると開始する。
【0165】
図10を参照して、このフローチャートは、ステップS105A,S115AがステップS105,S115に代えて実行される点において、図6のフローチャートとは異なる。ステップS102,S110の各々は、図6において示されたものと同様である。
【0166】
サーバ20は、S102において読み込んだデータに従って位置調整指令CVAを生成する(ステップS105A)。位置調整指令CVAは、指令CV1~CV4を含む。位置調整指令CVAは、指令CV1A~CV1Cをさらに含む点において位置調整指令CV(図6)とは異なる。
【0167】
指令CV1Aは、ユーザUの高さ設定位置265を示す情報を含み、乗車前に高さ位置をユーザUの高さ設定位置265に調整するために生成される。
【0168】
指令CV1Bは、ユーザUのチルト設定位置266を示す情報を含み、乗車前にチルトアップ位置をユーザUのチルト設定位置266に調整するために生成される。
【0169】
指令CV1Cは、ユーザUのヘッドレスト設定位置267を示す情報を含み、乗車前にヘッドレスト位置をユーザUのヘッドレスト設定位置267に調整するために生成される。
【0170】
サーバ20は、位置調整指令CVAおよびミラー位置調整指令MCVを車両10に送信する(ステップS115A)。その後、図10の処理が終了する。
【0171】
図11は、この変形例3において車両10により実行される処理を例示するフローチャートである。このフローチャートは、車両10が位置調整指令CVAおよびミラー位置調整指令MCVを受信すると開始する。
【0172】
図11を参照して、このフローチャートは、ステップS206~S208が追加されている点において図7のフローチャートとは異なる。ステップS205,S210~S245の各々は、図7において示されたものと同様である。
【0173】
車両10は、指令CV1Aに従って高さ位置を調整する(ステップS206)。車両10は、指令CV1Bに従ってチルトアップ位置を調整する(ステップS207)。車両10は、指令CV1Cに従ってヘッドレスト位置を調整する(ステップS208)。
【0174】
ステップS205~S220の順番は、図示された順番に限定されず、適宜変更されてもよい。あるいは、これらのステップは、同時に実行されてもよい。
【0175】
この変形例3によれば、ユーザUの乗車前に、高さ位置、チルトアップ位置、およびヘッドレスト位置がさらに調整される(これらの位置の調整が完了している)。そして、乗車後にスライド位置のみが調整される。このようにシート位置が調整されると、ユーザUは、乗車後に、高さ位置、チルトアップ位置、およびヘッドレスト位置の調整が完了するまで待機する必要がない。その結果、ユーザUは、乗車後にスライド位置の調整が完了するまで待機しさえすればよく、スライド位置の調整の完了後に直ちに運転を開始できる。よって、シート170の位置調整が完了するまでユーザUが待機する時間を短縮できる。
【0176】
[変形例4]
この変形例4では、ユーザU(第1ユーザ)およびその同伴者(第2ユーザ)の双方が車両10を利用する。同伴者は、ユーザUとは異なる車両10のユーザであって、ユーザUと同様に、車両10を利用可能なカーシェアリングサービスの会員である。同伴者に対するシート設定位置データ262およびミラー設定位置データ268は、ユーザ設定位置データ260に登録されている。同伴者は、前述の同伴者端末を所持している。
【0177】
図12は、ユーザUが車両10を予約する時にユーザUの携帯端末30のHMI装置307に表示される画面を示す図である。図12を参照して、画面375は、メッセージ377と、入力欄378,379とを含む。
【0178】
メッセージ377は、ユーザUが座る予定のシート170と、同伴者が座る予定のシート170とを決めるようにユーザUに促す。入力欄378,379は、それぞれ、ユーザUおよび同伴者が座る予定のシート170を決めるユーザ入力を受ける。入力欄378,379へのユーザ入力の結果を示す情報は、着座予定シート情報として、携帯端末30からサーバ20に送信される。以下、ユーザUが運転席シート170A(図3)に座る予定であり、かつ、同伴者が助手席シート170Bに座る予定であるケースを説明する。
【0179】
このケースにおいて、サーバ20は、ユーザUの乗車前に運転席シート170Aのリクライニング位置がユーザUのリクライニング設定位置263に調整され、かつ、ユーザUの乗車後に運転席シート170Aのスライド位置がユーザUのスライド設定位置264に調整されるように、位置調整指令CVを生成する。
【0180】
加えて、サーバ20は、同伴者の乗車前に助手席シート170Bのリクライニング位置が同伴者のリクライニング設定位置263に調整され、かつ、同伴者の乗車後に助手席シート170Bのスライド位置が同伴者のスライド設定位置264に調整されるように、位置調整指令CVを生成する。例えば、同伴者のユーザIDが002(図5)である場合には、同伴者の乗車前に助手席シート170Bのリクライニング位置がRSP2に調整され、かつ、同伴者の乗車後に助手席シート170Bのスライド位置がSSP2に調整される。
【0181】
同伴者による乗車を検知する手法は、ユーザU乗車を検知する手法と同様に、適宜定められる。例えば、同伴者の携帯端末が載置台185Bに置かれたときに、同伴者による乗車が検知されて、助手席シート170Bのスライド位置の調整が開始される。
【0182】
上記のように、運転席シート170Aの位置に加えて助手席シート170Bの位置が調整されると、対応するシートの位置調整が完了するまでユーザUおよび同伴者の各々が待機する時間を短縮できる。すなわち、ユーザUが運転席シート170Aの位置調整のために待機する時間と、同伴者が助手席シート170Bの位置調整のために待機する時間との双方を短縮できる。さらに、ユーザUおよび同伴者の各々が乗車しやすくできる。
【0183】
[変形例5]
サーバ20は、車両10の予約時のユーザUの服装を表すユーザ画像を携帯端末30から取得し、ユーザUのリクライニング設定位置263またはスライド設定位置264の少なくとも1つを上記ユーザ画像に従って補正してもよい。
【0184】
これにより、ユーザUの服装に依存してリクライニング設定位置263またはスライド設定位置264の少なくとも1つが補正される。これにより、ユーザUの服装が変化した場合であってもユーザ操作によるシート位置の微調整を要することなくシート位置を適切に微調整できる。例えば、ユーザUは、シート位置を微調整するために、リクライニングレバー175およびスライドレバー177を手動で操作する必要がない。その結果、ユーザUの利便性を向上させることができる。
【0185】
図13は、ユーザUの服装に依存してシート170に対するユーザ設定位置が補正されることを説明する図である。
【0186】
図13を参照して、ユーザ画像UIは、ユーザUが車両10を予約する時に携帯端末30のカメラ308により生成される。ユーザ画像UIは、携帯端末30からサーバ20に予約情報RIとともに送信される。画像502,504は、それぞれ、ケースA,Bにおいて生成されるユーザ画像UIである。
【0187】
ケースAでは、ユーザUは、通常の服を着用しており、シート170に対するユーザ設定位置が補正されることを要しないものとする。
【0188】
ケースBでは、ユーザUは、フード付きパーカーを着用しており、シート170に対するユーザ設定位置が補正されることを要するものとする。ケースBでは、ケースAよりも角度θ(図2)が大きくなるように(シートバック172がより傾斜するように)、ユーザ設定位置としてのリクライニング設定位置263が画像504に従って補正される。サイドミラー設定位置269Aおよびリアミラー設定位置269Bの各々が画像504に従ってさらに補正されてもよい。スライド位置が画像504に従ってさらに補正されてもよい。
【0189】
上記の例では、ユーザUがフード付きパーカーを着用している場合にリクライニング設定位置263が補正されるものとしたが、ユーザUが厚着している場合(例えば、スキーウェアを着用している場合)にスライド設定位置264が補正されてもよい。具体的には、ユーザUが厚着をしている場合に、そうでない場合よりもスライド設定位置264が-X方向に移動するようにスライド設定位置264が補正されてもよい。
【0190】
あるいは、ユーザUが女性であってハイヒールを履いているケースでは、そうでないケースよりも高さ設定位置265が+Z方向に上昇するように高さ設定位置265がサーバ20により補正されてもよい。これにより、ユーザUがハイヒールを履いている場合であってもアクセル110を踏みやすくできる。
【0191】
サーバ20は、補正後のスライド設定位置264または高さ設定位置265を示す情報を位置調整指令CVに含めて車両10に送信する。
【0192】
ユーザUの服装(例えば、ユーザUが、通常の服を着用しているか、フード付きパーカーを着用しているか、厚着しているか、または、ハイヒールを履いているか)は、ユーザ画像UIに従って公知の画像認識技術を用いてサーバ20により判定される。
【0193】
図14は、ユーザ設定位置の補正に関連して実行される処理を例示するフローチャートである。このフローチャートは、ユーザUが携帯端末30のHMI装置190を用いて予約情報RIを入力すると開始される。
【0194】
図14を参照して、携帯端末30は、ユーザUの服装を表すユーザ画像UIを生成するようにユーザUに促す画面をHMI装置307に表示させる(ステップS405)。
【0195】
ユーザUは、この画面の表示に応答して、カメラ308を用いて自分自身を撮影する。携帯端末30は、撮影の結果に従ってユーザ画像UIを生成し(ステップS410)、ユーザ画像UIをサーバ20に送信する(ステップS415)。この例では、ユーザ画像UIは、画像504であるものとする(図13のケースB)。その後、携帯端末30の処理は終了する。
【0196】
サーバ20は、携帯端末30からユーザ画像UIを取得すると(ステップS420)、ユーザ画像UIに従ってユーザUに対するユーザ設定位置を補正する(ステップS425)。この例では、サーバ20は、ユーザ画像UIが画像502である場合(図13のケースA)よりもシートバック172がより傾斜するように、ユーザ設定位置としてのリクライニング設定位置263を補正する。
【0197】
サーバ20は、補正後のユーザ設定位置(リクライニング設定位置263)を示す情報を含む位置調整指令CVを車両10に送信し(ステップS430)、処理を終了する。
【0198】
この変形例5によれば、ユーザUの服装に依存してシート位置を適切に微調整できる。その結果、ユーザUの利便性を向上させることができる。
【0199】
[その他の変形例]
車両10を利用可能な各ユーザは、車両10を用いたカーシェアリングサービスの会員に限定されない。車両10がレンタカーサービスのために用いられるケースでは、各ユーザは、当該サービスの会員であってもよい。あるいは、車両10が事業者の車両(例えば、タクシー、パトカー、救急車または営業車)として用いられるケースでは、各ユーザは、当該事業者のスタッフであってもよい。
【0200】
車両10の利用を予約するための端末装置は、携帯端末30に限定されず、デスクトップまたはラップトップコンピュータなどの他のコンピュータであってもよい。
【0201】
前述の実施の形態およびその変形例1~5の各々は、適宜組み合わせられてもよい。
【0202】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0203】
1 シート調整システム、10 車両、20 サーバ、30 携帯端末、170 シート、180 シートアジャスタ、202,302 処理装置、206,303 記憶装置、160,204,304 通信装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14