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特開2024-40804情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040804
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240318BHJP
   G06Q 10/101 20230101ALI20240318BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/10 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145399
(22)【出願日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】514020389
【氏名又は名称】TIS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】吉村 宗敏
(72)【発明者】
【氏名】生熊 佑司
(72)【発明者】
【氏名】早坂 涼
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA11
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】アプリケーションに新たな機能を容易に追加することが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】キット提供装置40は、情報取得部431と、キット作成部432と、を備える。情報取得部431は、ネイティブアプリケーション内の機能の一部として動作させることが可能なアプリケーションであるミニアプリケーションについて、ミニアプリケーションの仕様を決定するための複数のカスタマイズ項目のそれぞれにおいて選択された選択内容の情報を取得する。キット作成部432は、情報取得部431により取得された選択内容に対応したミニアプリケーションの開発キットを作成する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネイティブアプリケーション内の機能の一部として動作させることが可能なアプリケーションであるミニアプリケーションについて、前記ミニアプリケーションの仕様を決定するための複数のカスタマイズ項目のそれぞれにおいて選択された選択内容の情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部により取得された選択内容に対応したミニアプリケーションの開発キットを作成するキット作成部と、を備える
情報処理装置。
【請求項2】
前記複数のカスタマイズ項目は、前記ネイティブアプリケーションに対応した開発ツールを選択可能な項目、及び前記ネイティブアプリケーションに対応した開発言語を選択可能な項目のうちの少なくとも一方を含む
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ミニアプリケーションは、金融機能に関連付けられたアプリケーションである
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ミニアプリケーションは、ペイメントカードに関連付けられた決済機能を有するアプリケーションである
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ネイティブアプリケーションは、前記ペイメントカードに対応したバーチャルカードの画像を利用者の端末装置に表示するように構成されており、
前記複数のカスタマイズ項目は、前記バーチャルカードの券面デザインの画像を選択可能な項目を含む
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報取得部は、前記バーチャルカードの券面デザインの画像を選択可能な項目の前記選択内容の情報として、予め作成されている券面デザインの画像とは別のオリジナルの券面デザインの画像を選択するという情報を取得する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記複数のカスタマイズ項目は、前記バーチャルカードのレイアウトを選択可能な項目を含む
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記複数のカスタマイズ項目は、前記ミニアプリケーションにおける入金機能及び出金機能の少なくとも一方に関連する項目を含む
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項9】
ネイティブアプリケーション内の機能の一部として動作させることが可能なアプリケーションであるミニアプリケーションについて、前記ミニアプリケーションの仕様を決定するための複数のカスタマイズ項目のそれぞれにおいて選択された選択内容の情報を取得し、
取得された選択内容に対応したミニアプリケーションの開発キットを作成する
情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
ネイティブアプリケーション内の機能の一部として動作させることが可能なアプリケーションであるミニアプリケーションについて、前記ミニアプリケーションの仕様を決定するための複数のカスタマイズ項目のそれぞれにおいて選択された選択内容の情報を取得させ、
取得された選択内容に対応したミニアプリケーションの開発キットを作成させる
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記の特許文献1に記載の発行システムがある。この発行システムは、利用者の要求に基づいてペイメントカードを発行するだけでなく、そのペイメントカードに対応したバーチャルカードを発行する。発行されたバーチャルカードは、利用者の端末装置にインストールされているアプリケーション上で表示させることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-163383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の発行システムにおいて、利用者の要求に基づいてペイメントカードを発行しようとする場合、発行システムの事業者は、ライセンスの取得やシステムの準備等、ペイメントカードの導入に必要な数多くの事項に対応する必要がある。しかしながら、そのようなシステムを準備するためには多くの資金が必要となるため、例えば中小企業等の事業者では、そのシステムの導入が難しいという実情がある。これが、ペイメントカードに関連したアプリケーションを中小企業等の事業者が利用し難い要因になっている。
【0005】
一方、中小企業等の事業者の中には、例えば自社が開発したアプリケーションの中に、ペイメントカード等を活用した決済機能を新たに導入したいと考えている事業者が存在する。しかしながら、上述のようなペイメントカードに関連したシステムの導入が難しいため、結果的に自社のアプリケーションへの決済機能の導入を諦めてしまうという実情がある。
【0006】
なお、このような課題は、所定のアプリケーションの中に決済機能を導入する場合に限らず、専用のシステムの構築や準備等が必要な任意の機能を所定のアプリケーションに導入する際にも共通する課題である。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、アプリケーションに新たな機能を容易に追加することが可能な情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する情報処理装置は、情報取得部と、キット作成部と、を備える。情報取得部は、ネイティブアプリケーション内の機能の一部として動作させることが可能なアプリケーションであるミニアプリケーションについて、ミニアプリケーションの仕様を決定するための複数のカスタマイズ項目のそれぞれにおいて選択された選択内容の情報を取得する。キット作成部は、情報取得部により取得された選択内容に対応したミニアプリケーションの開発キットを作成する。
【0008】
上記課題を解決する情報処理方法は、ネイティブアプリケーション内の機能の一部として動作させることが可能なアプリケーションであるミニアプリケーションについて、ミニアプリケーションの仕様を決定するための複数のカスタマイズ項目のそれぞれにおいて選択された選択内容の情報を取得し、取得された選択内容に対応したミニアプリケーションの開発キットを作成する。
【0009】
上記課題を解決する情報処理プログラムは、コンピュータに、ネイティブアプリケーション内の機能の一部として動作させることが可能なアプリケーションであるミニアプリケーションについて、ミニアプリケーションの仕様を決定するための複数のカスタマイズ項目のそれぞれにおいて選択された選択内容の情報を取得させ、取得された選択内容に対応したミニアプリケーションの開発キットを作成させる。
【0010】
これらの構成によれば、例えばネイティブアプリケーションの提供者は複数のカスタマイズ項目において選択するだけで、自身の要求通りのミニアプリケーションを作成することができる。これにより、ネイティブアプリケーションの提供者はミニアプリケーションの機能を実現するために必要な様々な準備を行うことなく、ミニアプリケーションを作成することができる。このミニアプリケーションをネイティブアプリケーションに組み込むことにより、ネイティブアプリケーションに新たな機能を用意に追加することが可能である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムによれば、アプリケーションに新たな機能を容易に追加することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態の情報処理システムの概略構成を示すブロック図。
図2】実施形態の利用者端末装置の機能的な構成を示すブロック図。
図3】実施形態の利用者端末装置に表示される画面例を模式的に示す図。
図4】実施形態の利用者端末装置に表示される画面例を模式的に示す図。
図5】実施形態のキット提供装置の機能的な構成を示すブロック図。
図6】実施形態のキット提供装置のWebサイトに表示される画面例を模式的に示す図。
図7】実施形態のキット提供装置のWebサイトに表示される画面例を模式的に示す図。
図8】実施形態のキット提供装置のWebサイトに表示される画面例を模式的に示す図。
図9】実施形態のアプリケーション作成装置の機能的な構成を示すブロック図。
図10】実施形態の情報処理システムの動作例を示すシーケンスチャート。
図11】実施形態のアプリケーション作成装置、利用者端末装置、キット提供装置、及びアプリケーション提供サーバのそれぞれのハードウェア的な構成を示すブロック図。
図12】他の実施形態のキット提供装置のWebサイトに表示される画面例を模式的に示す図。
図13】他の実施形態のキット提供装置のWebサイトに表示される画面例を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムの一実施形態について図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
<実施形態>
(情報処理システムの概要)
図1に示されるように、情報処理システム10は、アプリケーション作成装置20と、利用者端末装置30と、キット提供装置40と、アプリケーション提供サーバ50とを備えている。これらの装置20,30,40,50はネットワーク回線Nを介して互いに通信可能に接続されている。
【0014】
アプリケーション作成装置20は、利用者に提供可能な所定のアプリケーションを作成する装置である。利用者は、例えば事業者の会社に勤務する社員である。所定のアプリケーションは例えば事業者専用のアプリケーションである、このアプリケーションでは、例えば出勤管理や有給休暇申請、経費申請等、事業者の会社に関連する各種操作を行うことが可能である。アプリケーション作成装置20は所定の事業者により所有されている。以下では、アプリケーション作成装置20により提供される所定のアプリケーションを「ネイティブアプリケーション」と称し、当該ネイティブアプリケーションを作成する事業者を「アプリケーション作成事業者」と称する。アプリケーション作成装置20は、作成したネイティブアプリケーションをアプリケーション提供サーバ50にアップロードする。
【0015】
アプリケーション提供サーバ50は、例えばAppStore(登録商標)やGooglePlay(登録商標)等を介して各種アプリケーションの管理及び配信を行う装置である。アプリケーション提供サーバ50は、アプリケーション作成装置20からアップロードされたネイティブアプリケーションをダウンロード可能に管理している。
【0016】
利用者端末装置30は、利用者である事業者の社員により所有される装置である。利用者端末装置30では、ネットワーク回線Nを介してアプリケーション作成装置20からネイティブアプリケーションをダウンロードして、それをインストールすることにより、ネイティブアプリケーションを操作及び使用することができるようになる。
【0017】
キット提供装置40は、ネイティブアプリケーションに組み込むことが可能なアプリケーション、換言すればネイティブアプリケーションの機能の一部として動作することが可能なアプリケーションの開発キットを事業者に提供する装置である。以下では、ネイティブアプリケーションに組み込み可能なアプリケーションを「ミニアプリケーション」と称する。本実施形態のミニアプリケーションは、ペイメントカードに対応した決済機能を有するアプリケーションである。ペイメントカードは、例えばクレジットカード、プリペイドカード、デビットカード等、支払い機能を有するカード全般を示す。以下では、ペイメントカードがプリペイドカードである場合について説明する。
【0018】
キット提供装置40は、ミニアプリケーションの開発キットを提供する所定の事業者により所有される。以下では、ミニアプリケーションの開発キットを提供する所定の事業者を「キット提供事業者」と称する。キット提供装置40は、アプリケーション作成事業者がミニアプリケーションに対して要求する機能を専用のWebサイト等を介して取得するとともに、取得した情報に基づいてミニアプリケーションの開発キットを作成する。開発キットは、ミニアプリケーションのソフトウェアプログラムや、ミニアプリケーションのソフトウェア開発に用いられる開発ツール等が一つのパッケージとしてまとめられたものである。キット提供装置40は、作成したミニアプリケーションの開発キットをアプリケーション作成装置20にネットワーク回線Nを介して送信する。これにより、アプリケーション作成事業者は、アプリケーション作成装置20において例えばXcodeやAndroid Studio等のソフトウェア開発ツールを用いてネイティブアプリケーションにミニアプリケーションを組み込むことができる。なお、Xcode及びAndroidは登録商標である。
【0019】
(利用者端末装置の構成)
利用者端末装置30は、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末である。図2に示されるように、利用者端末装置30は、その機能的な構成として、記憶部31、表示部32、入力部33、通信部34、及び制御部35等を備えている。
【0020】
記憶部31には、利用者端末装置30を動作させるための各種プログラムの他、ネイティブアプリケーションが記憶されている。ネイティブアプリケーションには、上述の通り、その機能の一部としてミニアプリケーションが組み込まれている。
表示部32は、利用者により視認可能な各種画面を表示する。表示部32は、例えばネイティブアプリケーションの操作画面を表示する。
【0021】
入力部33は、利用者の入力操作を受け付ける。利用者は、入力部33に対して各種入力を行うことにより、利用者端末装置30を操作することができる。
通信部34は、ネットワーク回線Nを介してアプリケーション提供サーバ50と各種通信を行う。例えば、通信部34は、入力部33に対する利用者の入力操作等に基づいてアプリケーション提供サーバ50からネイティブアプリケーションをダウンロードするとともに、ダウンロードしたネイティブアプリケーションを記憶部31に記憶させる。
【0022】
制御部35は利用者端末装置30を統括的に制御する。制御部35は、記憶部31に記憶されているプログラムが実行されることにより実現される機能的な構成として、アプリケーション実行部350、及び表示制御部351を備えている。
アプリケーション実行部350は、入力部33に対する利用者の入力操作等に基づいて、記憶部31に記憶されているネイティブアプリケーションを実行する。
【0023】
表示制御部351は表示部32の表示制御を実行する。表示制御部351は、例えばアプリケーション実行部350によりネイティブアプリケーションが実行された場合、その操作画面を表示部32に表示する。
図3及び図4は、表示部32に表示されるネイティブアプリケーションの操作画面の例を示したものである。なお、図3及び図4では、表示部32及び入力部33が、各種画面の表示及びタッチ操作が可能なタッチパネルにより実現されている場合について例示している。
【0024】
表示制御部351は、アプリケーション実行部350によりネイティブアプリケーションが実行された場合、図3に示されるようなトップ画面50を表示部32に表示する。図3に示されるように、トップ画面50には、複数のアイコン500~505が表示される。アイコン500~504は、出勤管理や有給休暇申請等、利用者である社員が会社に関連する各種操作を行う際に利用される。アイコン505は、ミニアプリケーションにより提供される決済機能を利用する際に操作される。
【0025】
トップ画面50において利用者がアイコン505をタッチ操作すると、プリペイドカードを発行するための画面に移行する。本実施形態のプリペイドカードは、実物のカードを発行することなく、カード番号や有効期限等の決済に必要な情報のみが発行される、いわゆるバーチャルカードである。プリペイドカードが一旦発行されると、それ以降、トップ画面50において利用者がアイコン505をタッチ操作すると、表示制御部351は、図4に示されるようなカード情報画面51を表示する。
【0026】
図4に示されるように、カード情報画面51には、カード画像表示部510と、詳細情報表示部511と、切り換え部512とが設けられている。
カード画像表示部510には、利用者が契約しているプリペイドカードに対応したバーチャルカードの画像Ivが表示される。なお、図4では、アプリケーション作成事業者が「株式会社X」であり、プリペイドカードの発行事業者のブランドロゴが「YYY」である場合について例示している。なお、ブランドロゴの部分には、プリペイドカードの発行事業者に限らず、決済ブランドのロゴマーク、例えばVISA(登録商標)やJCB(登録商標)等が表示されていてもよい。
【0027】
詳細情報表示部511には、カード番号やカード名義人等、プリペイドカードに対応した各種情報が表示される。切り換え部512には、カード情報画面51におけるカードの各種情報の表示及び非表示を切り換えることが可能な操作ボタンBa、並びにカードの使用及び不使用を切り換えることが可能な操作ボタンBb等が設けられている。
【0028】
このように、利用者は、ネイティブアプリケーションを用いることにより、出勤管理や有給休暇申請等だけでなく、プリペイドカードの発行、及びプリペイドカードの各種情報の確認等を行うことが可能である。
(キット提供装置の構成)
キット提供装置40は、例えばサーバコンピュータやパーソナルコンピュータである。本実施形態では、キット提供装置40が情報処理装置に相当する。図5に示されるように、キット提供装置40は、その機能的な構成として、記憶部41、通信部42、及び制御部43等を備えている。
【0029】
記憶部41には、キット提供装置40を動作させるための各種プログラムの他、利用者データベース410、及びミニアプリケーションデータベース411が記憶されている。利用者データベース410には、キット提供事業者に対してミニアプリケーションの作成を依頼したアプリケーション作成事業者毎に、アプリケーション作成事業者の名称や、アプリケーション作成事業者に割り振られている識別番号等が対応付けられて記憶されている。ミニアプリケーションデータベース411には、アプリケーション作成事業者毎に、キット提供装置40により作成されたミニアプリケーションの開発キットが対応付けられて記憶されている。
【0030】
通信部42は、ネットワーク回線Nを介してアプリケーション作成装置20と各種通信を行う。例えば、通信部42は、アプリケーション作成装置20からの要求に基づいて、ミニアプリケーションデータベース411に記憶されているミニアプリケーションの開発キットをアプリケーション作成装置20に送信する。
【0031】
制御部43はキット提供装置40を統括的に制御する。制御部43は、記憶部41に記憶されているプログラムが実行されることにより実現される機能的な構成として、サイト表示部430、情報取得部431、キット作成部432、及びキット提供部433を備えている。
【0032】
サイト表示部430は、ミニアプリケーションの作成に必要な情報を入力可能な専用のWebサイトをアプリケーション作成装置20に通信部42を介して表示させる。
図6図8は、アプリケーション作成装置20に表示される専用のWebサイトの画面例を示したものである。
【0033】
アプリケーション作成事業者は、Webサイト等を介してキット提供事業者にミニアプリケーションの作成を申し込むことができる。申し込み手続きが完了すると、アプリケーション作成事業者は、ミニアプリケーションの仕様を入力することが可能な専用のWebサイトにアクセスすることが可能となる。サイト表示部430は、このような専用のWebサイトの画面として、例えば図6に示されるようなセットアップ初期画面60をアプリケーション作成装置20に表示させる。
【0034】
図6に示されるように、セットアップ初期画面60には、表示欄600,601、及び選択部602~605が設けられている。
表示欄600,601には、専用のWebサイトに現在アクセスしているアプリケーション作成事業者に対応した各種の識別番号が表示される。
【0035】
選択部602は、オリジナルのカード券面のデザインをカスタマイズする際に操作されるボタンである。カード券面のデザインとは、図4に示されるカード情報画面51のカード画像表示部510に表示されるバーチャルカードの画像Ivのデザインを示す。アプリケーション作成事業者は、例えば選択部602を操作した後に表示されるWebサイトにおいて、自身で作成したカード券面のデザインの画像ファイルをアップロードすることができる。オリジナルのカード券面のデザインの画像ファイルがアップロードされた場合、プリペイドカードの発行事業者によりそのカード券面のデザインが審査される。この発行事業者の審査によりオリジナルのカード券面のデザインが承認された場合、図4に示されるカード情報画面51のカード画像表示部510に表示されるバーチャルカードの画像Ivとしてオリジナルのカード券面のデザインを選択することが可能となる。一方、発行事業者の審査によりオリジナルのカード券面のデザインが承認されなかった場合、カード情報画面51のカード画像表示部510に表示されるバーチャルカードの画像Ivとしてオリジナルのカード券面のデザインを選択することはできない。
【0036】
選択部603は、図4に示されるカード情報画面51のデザインをカスタマイズする際に操作されるボタンである。選択部603が操作された場合、サイト表示部430は、図7に示される第1カスタマイズ画面61をアプリケーション作成装置20に表示させる。第1カスタマイズ画面61は、図4に示されるカード情報画面51のうち、特にカード画像表示部510に表示されるバーチャルカードの画像Ivをカスタマイズするための画面である。
【0037】
図7に示されるように、第1カスタマイズ画面61には、アプリケーション作成事業者に対応した各種識別番号が表示される表示欄610,611の他、選択部612~614、チェック実施ボタン615、及び画像表示部616が設けられている。
選択部612では、カード情報画面51のカード画像表示部510に表示されるバーチャルカードの画像Ivとして、オリジナルのカード券面のデザインを用いるか、キット提供事業者により予め作成されている既存のカード券面のデザインを用いるかを選択することができる。なお、既存のカード券面のデザインとしては、プリペイドカードの発行事業者による審査を事前に通過しているものが用いられる。したがって、既存のカード券面のデザインを選択した場合、上述したプリペイドカードの発行事業者による審査が不要であるため、審査に要する期間を短縮してプリペイドカードの使用を開始することが可能である。
【0038】
選択部612の下方には、オリジナルのカード券面が登録されているか否かの情報が表示される登録状況表示欄617が設けられている。登録状況表示欄617には、オリジナルのカード券面が登録されている場合には「登録済」の文字が表示され、オリジナルのカード券面が登録されていない場合には「未登録」の文字が表示される。
【0039】
選択部613では、カード情報画面51のカード画像表示部510に表示されるバーチャルカードの画像Iv全体のレイアウトを選択することができる。バーチャルカードの画像Iv全体のレイアウトには、例えばバーチャルカードの画像Iv全体の色や、バーチャルカードの画像Ivにおける文字の配置等が含まれる。選択部613では、例えば既存の複数のレイアウトの中から一つのレイアウトを選択することができる。
【0040】
選択部614では、カード情報画面51のカード画像表示部510に表示されるプリペイドカードの発行事業者のブランドロゴの表示態様、具体的には「YYY」の色や枠の有無等を選択することができる。選択部614では、例えば既存の複数の表示態様の中から一つの表示態様を選択することができる。
【0041】
チェック実施ボタン615は、バーチャルカードの画像Ivのデザインを確認する際に操作されるボタンである。チェック実施ボタン615が操作された場合、選択部612~614の選択内容に対応したバーチャルカードの画像例が画像表示部616に表示される。アプリケーション作成事業者は、画像表示部616に表示されるバーチャルカードの画像Ivを確認しつつ選択部612~614を操作することにより、所望のバーチャルカードの画像Ivを作成することができる。アプリケーション作成事業者が、要求通りのバーチャルカードの画像Ivを作成した後、その画像を確定する操作を行うと、サイト表示部430は、次に、図8に示される第2カスタマイズ画面62を表示する。第2カスタマイズ画面62は、図4に示されるカード情報画面51のうち、バーチャルカードの画像Iv以外の部分、すなわちミニアプリケーションの全体のデザインをカスタマイズするための画面である。
【0042】
図8に示されるように、第2カスタマイズ画面62には、アプリケーション作成事業者に対応した各種識別番号が表示される表示欄620,621の他、選択部622~625、及び画像表示部626が設けられている。
選択部622では、図4に示されるカード情報画面51においてカード画像表示部510の上方に表示されるヘッダ部513の背景の色、並びにヘッダ部513に表示される文字のフォント、サイズ、及び色等を選択することができる。
【0043】
選択部623では、図4に示されるカード画像表示部510においてバーチャルカードの画像Ivが表示される部分の背景の色等を選択することができる。
選択部624では、図4に示される詳細情報表示部511の背景の色、並びに詳細情報表示部511に表示される文字のフォント、サイズ、及び色等を選択することができる。
【0044】
選択部625では、図4に示される切り換え部512の操作ボタンBa,Bbの形状等を選択することができる。
画像表示部626には、選択部622~625の選択内容に対応したカード情報画面の画面例が表示される。なお、画像表示部626には、図7に示される第1カスタマイズ画面61により作成されたバーチャルカードの画像例も表示される。第1カスタマイズ画面61においてバーチャルカードの画像の作成を実施していない場合には、図7に示されるように、バーチャルカードの作成が未実施である旨のメッセージが表示される。
【0045】
アプリケーション作成事業者は、画像表示部626に表示されるカード情報画面の画面例を確認しつつ選択部612~614を操作することにより、所望のカード情報画面を作成することができる。
【0046】
図6に示される選択部604,605は、アプリケーション作成事業者の開発環境を選択する際に操作されるボタンである。アプリケーション作成事業者は、選択部604,605を操作することにより、自身のネイティブアプリケーションのプラットフォームに対応した開発ツール及び開発言語を選択することができる。プラットフォームは、例えばネイティブアプリケーションが動作するOSであり、iOS(登録商標)やAndroid(登録商標)等である。開発ツールは、アプリケーション作成事業者がネイティブアプリケーションの開発に用いているソフトウェアツールであり、例えばXocdeやAndroid Studio等である。開発言語は、ネイティブアプリケーションのプログラミング言語であり、例えばSwift(登録商標)やJava(登録商標)等である。
【0047】
図5に示される情報取得部431は、図6図8に示される画面60~62において入力された情報を取得する。例えば、情報取得部431は、図7に示される第1カスタマイズ画面61の選択部612~614において選択された情報をカード券面情報として取得する。カード券面情報には、例えば企業の識別番号、利用者の識別番号、バーチャルカードのデザイン、データ登録状況、バーチャルカードのレイアウト、及びバーチャルカードに表示される発行事業者又は決済ブランドのロゴ等が含まれる。また、情報取得部431は、図8に示される第2カスタマイズ画面62の選択部622~625において選択された情報をアプリケーションデザイン情報として取得する。アプリケーションデザイン情報には、背景色、文字のフォント、文字のスタイル、文字のサイズ、文字の色、及びボタン形状等が含まれる。文字のスタイルには、太字、斜体、白抜き等が含まれる。さらに、情報取得部431は、図6に示される選択部604,605において選択された情報を開発環境情報として取得する。開発環境情報には、開発ツールや、プログラミング言語等が含まれる。
【0048】
本実施形態では、図6図8に示される画面60~62等においてカスタマイズ可能な項目が、ミニアプリケーションの仕様を決定するためのカスタマイズ項目に相当する。例えば、図7であれば、選択部612~614のそれぞれにおいてカスタマイズ可能な「カードデザイン」、「レイアウト」、及び「ブランドロゴ」のそれぞれの項目がカスタマイズ項目に相当する。また、図6図9に示される画面60~62等に表示されるカスタマイズ項目においてアプリケーション作成事業者により実際に選択された内容が選択内容に相当する。例えば、図7であれば、選択部613の「レイアウト」の項目で選択された「ブラック/標準レイアウト」が選択内容に相当する。
【0049】
キット作成部432は、情報取得部431により取得されたカード券面情報、アプリケーションデザイン情報、及び開発環境情報等に基づいてミニアプリケーションの開発キットを作成する。開発キットには、上述の通り、ミニアプリケーションのソフトウェアプログラム等が含まれている。
【0050】
具体的には、キット作成部432は、カード券面情報及びアプリケーションデザイン情報に基づいて所定のプログラム作成処理を実行することにより、図4に示されるようなカード情報画面51を表示するミニアプリケーションの開発キットを作成する。その際、キット作成部432は、情報取得部431により取得されたアプリケーション作成事業者の開発環境情報に基づいて、その開発環境情報に対応したミニアプリケーションの開発キットを作成する。例えば、キット作成部432は、アプリケーション作成事業者がネイティブアプリケーションの開発ツールとしてXcodeを用いており、且つ開発言語としてSwiftを用いている場合には、それらに対応したiOS用のミニアプリケーションの開発キットを作成する。また、キット作成部432は、アプリケーション作成事業者が開発ツールとしてAndroid Studioを用いており、且つ開発言語としてJavaを用いている場合には、それらに対応したAndroid用のミニアプリケーションの開発キットを作成する。なお、キット作成部432は、アプリケーション作成事業者の開発環境によっては、iOS用のミニアプリケーションの開発キット及びAndroid用のミニアプリケーションの開発キットのいずれか一方を作成してもよいし、それらの両方を作成してもよい。また、キット作成部432は、アプリケーション作成事業者毎に割り振られている識別番号をミニアプリケーションの開発キットに含めてもよい。キット作成部432は、作成したミニアプリケーションの開発キットを、提供対象であるアプリケーション作成事業者の識別番号と対応付けてミニアプリケーションデータベース411に記憶させる。
【0051】
キット提供部433は、専用のWebサイトにおいてアプリケーション作成事業者がミニアプリケーションの開発キットをダウンロードする操作を行った場合には、そのアプリケーション作成事業者の識別番号に対応したミニアプリケーションの開発キットをミニアプリケーションデータベース411から取得するとともに、取得したミニアプリケーションの開発キットをアプリケーション作成装置20に通信部42を介して送信する。
【0052】
(アプリケーション作成装置の構成)
アプリケーション作成装置20は、例えばサーバコンピュータやパーソナルコンピュータである。図9に示されるように、アプリケーション作成装置20は、その機能的な構成として、記憶部21、表示部22、入力部23、通信部24、及び制御部25等を備えている。
【0053】
記憶部21には、アプリケーション作成装置20を動作させるための各種プログラムの他、組み込み前ネイティブアプリケーション、ミニアプリケーション開発キット、提供用ネイティブアプリケーション、及び開発ツール等が記憶されている。組み込み前ネイティブアプリケーションは、ミニアプリケーションが組み込まれる前のネイティブアプリケーションのソフトウェアプログラムである。ミニアプリケーション開発キットは、キット提供装置40により作成されたものである。提供用ネイティブアプリケーションは、組み込み前のネイティブアプリケーションに対してミニアプリケーションが組み込まれた後のネイティブアプリケーションのソフトウェアプログラムであって、利用者に実際に提供されるアプリケーションである。開発ツールは、ネイティブアプリケーションの作成に用いられるソフトウェアツールであって、例えばXcodeやAndroid Studio等のソフトウェア開発ツールである。
【0054】
表示部22は、アプリケーション作成事業者の社員等により視認可能な各種画面を表示する。表示部22は、例えばキット提供装置40により提供される、ミニアプリケーションの開発キットを作成するためのWebサイトの画面、例えば図6図8にそれぞれ示されるような画面60~62を表示する。
【0055】
入力部23は、例えばアプリケーション作成事業者の社員の入力操作を受け付ける。入力部23は、例えば表示部22により表示される、図6図8にそれぞれ示される画面60~62における入力操作を受け付ける。
通信部24は、ネットワーク回線Nを介してキット提供装置40及びアプリケーション提供サーバ50と各種通信を行う。例えば、通信部24は、アプリケーション作成事業者の社員による入力部23の操作に基づいて、記憶部21に記憶されている提供用ネイティブアプリケーションをアプリケーション提供サーバ50にアップロードする。また、専用のWebサイトでミニアプリケーションの開発キットのダウンロード操作が行われることによりキット提供装置40からアプリケーション作成装置20にミニアプリケーションの開発キットが送信された場合、通信部24は、送信されたミニアプリケーションの開発キットを受信するとともに、受信したミニアプリケーションの開発キットを記憶部21に記憶させる。
【0056】
制御部25はアプリケーション作成装置20を統括的に制御する。制御部25は、記憶部21に記憶されているプログラムが実行されることにより実現される機能的な構成として、アプリケーション作成部250、アプリケーションアップロード部251、及び表示制御部252を備えている。
【0057】
アプリケーション作成部250は、アプリケーション作成事業者の社員による入力部23の操作に基づいてネイティブアプリケーションを作成する。アプリケーション作成部250は、例えばアプリケーション作成事業者により用いられているXcodeやAndroid Studio等のソフトウェア開発ツールにより実現可能である。アプリケーション作成部250は、組み込み前ネイティブアプリケーションのソフトウェアプログラムにミニアプリケーションのソフトウェアを組み込む操作が行われた場合、それらを組み合わせて、ミニアプリケーションが組み込まれたネイティブアプリケーションを作成する。その際、上述の通り、ミニアプリケーションのソフトウェアプログラムはネイティブアプリケーションの開発環境に対応して作成されているため、組み込み前ネイティブアプリケーションのソフトウェアプログラムにミニアプリケーションのソフトウェアを容易に組み込むことができる。アプリケーション作成部250は、ミニアプリケーションが組み込まれたネイティブアプリケーションを記憶部21に記憶させる。
【0058】
アプリケーションアップロード部251は、記憶部21に記憶されているネイティブアプリケーションをアプリケーション提供サーバ50に通信部24を介してアップロードする。これにより、利用者端末20がアプリケーション提供サーバ50からネイティブアプリケーションをダウンロードしてインストールすることが可能となる。
表示制御部252は表示部22の表示制御を実行する。表示制御部252は、例えばミニアプリケーションの作成に必要な情報を入力可能な専用のWebサイトを表示部22に表示させる。
【0059】
(情報処理システムの動作例)
次に、図10を参照して、本実施形態の情報処理システムの動作例について説明する。
図10に示されるように、アプリケーション作成事業者の社員がアプリケーション作成装置20を操作して、キット提供装置40が提供する専用のWebサイトにアクセスしたとする(ステップS10)。この専用のWebサイトにおいて、アプリケーション作成事業者の社員が、図6図8に示されるような画面60~62においてカード券面情報、アプリケーションデザイン情報、及び開発環境情報等を入力すると、それらの情報がキット提供装置40により取得される(ステップS20)。
【0060】
なお、この際、アプリケーション作成事業者がオリジナルのカード券面の使用を望んでいる場合には、図中に破線で示されるように、オリジナルのカード券面の情報がアプリケーション作成装置20からキット提供装置40にアップロードされる(ステップS21)。この場合、キット提供装置40は、アップロードされたオリジナルのカード券面の審査をカードの発行事業者に要求する(ステップS22)。
【0061】
その後、キット提供装置40は、取得したカード券面情報、アプリケーションデザイン情報、及び開発環境情報に基づいてミニアプリケーションの開発キットを作成する(ステップS23)。以降、キット提供装置40は、アプリケーション作成事業者からミニアプリケーションの開発キットのダウンロード要求があった場合には(ステップS24)、ミニアプリケーションの開発キットをアプリケーション作成装置20に送信する(ステップS25)。アプリケーション作成装置20は、キット提供装置40から送信されるミニアプリケーションの開発キットを受信すると(ステップS11)、この開発キットに含まれるミニアプリケーションのソフトウェアプログラムをネイティブアプリケーションのソフトウェアプログラムに組み込むことにより、ミニアプリケーションが組み込まれたネイティブアプリケーションを作成する(ステップS12)。アプリケーション作成装置20は、作成したネイティブアプリケーションをアプリケーション提供サーバ50にアップロードする(ステップS13)。
【0062】
その後、アプリケーション提供サーバ50は、利用者端末装置30からネイティブアプリケーションのダウンロードが要求された場合には(ステップS40)、ミニアプリケーションが組み込まれたネイティブアプリケーションを利用者端末装置30に送信する(ステップS41)。これにより、利用者端末装置30では、ネイティブアプリケーションを受信するとともに(ステップS30)、受信したネイティブアプリケーションをインストールする(ステップS31)。以降、利用者端末装置30では、図3及び図4に示されるような、ミニアプリケーションが組み込まれたネイティブアプリケーションの使用が可能となる。
【0063】
(各装置のハードウェア的な構成)
次に、図11を参照して、アプリケーション作成装置20、利用者端末装置30、キット提供装置40、及びアプリケーション提供サーバ50をコンピュータ100により実現する場合のハードウェア構成の一例について説明する。なお、アプリケーション作成装置20、利用者端末装置30、キット提供装置40、及びアプリケーション提供サーバ50の各種機能は複数台の装置に分けて実現することができる。
【0064】
図11に示されるように、コンピュータ100は、例えばプロセッサ101、メモリ102、記憶装置103、入力装置104、通信装置105、及び表示装置106を含んでいる。
プロセッサ101は、メモリ102に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ100における各種の処理を制御する制御部である。
【0065】
メモリ102は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ102は、プロセッサ101によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
記憶装置103は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置103は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。
【0066】
入力装置104は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力装置104の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等である。入力装置104は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してコンピュータ100に接続されてもよい。
【0067】
通信装置105は、コンピュータ100の外部の装置と有線又は無線により、ネットワーク回線Nを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信装置105は、コンピュータ100の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信装置105は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ100に接続される。
【0068】
表示装置106は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置106の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示装置106は、コンピュータ100の外部に設けられてもよい。その場合、表示装置106は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ100に接続される。また、入力装置104としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置106は、入力装置104と一体化して構成することが可能である。
【0069】
(作用及び効果)
以上のように、本実施形態のキット提供装置40は、ネイティブアプリケーションに組み込むことが可能であって、ネイティブアプリケーション内の機能の一部として動作させることが可能なミニアプリケーションの開発キットを提供する。情報処理システム10及びキット提供装置40は、情報取得部431と、キット作成部432とを備える。情報取得部431は、図6図8に示されるようなWebサイトの画面60~62を利用することで、ミニアプリケーションの仕様を決定するための複数のカスタマイズ項目のそれぞれにおいて選択された選択内容の情報を取得する。キット作成部432は、情報取得部431により取得された選択内容に対応したミニアプリケーションの開発キットを作成する。
【0070】
この構成によれば、アプリケーション作成事業者は複数のカスタマイズ項目において選択するだけで、自身の要求通りのミニアプリケーションを作成することができる。これにより、アプリケーション作成事業者は、ミニアプリケーションの機能を実現するために必要な準備等を行うことなく、例えば本実施形態であればプリペイドカードの機能を実現するためのライセンスの取得やシステムの準備等を行うことなく、ミニアプリケーションを作成することができる。このミニアプリケーションをネイティブアプリケーションに組み込むことにより、ネイティブアプリケーションに新たな機能を容易に追加することが可能である。
【0071】
複数のカスタマイズ項目は、図6に示されるようなネイティブアプリケーションの開発ツールを選択可能な項目、及びネイティブアプリケーションの開発言語を選択可能な項目を含む。
この構成によれば、アプリケーション作成事業者の開発環境に対応した、より適切なミニアプリケーションの開発キットをアプリケーション事業者に提供することが可能となる。
【0072】
ミニアプリケーションは、プリペイドカードに関連付けられた決済機能を有するアプリケーションである。
この構成によれば、導入が難しいプリペイドカードの機能をネイティブアプリケーションに容易に組み込むことが可能である。
【0073】
ネイティブアプリケーションは、プリペイドカードに対応したバーチャルカードの画像Ivを利用者端末装置30に表示するように構成されている。複数のカスタマイズ項目は、バーチャルカードの券面デザインの画像を選択可能な項目、及びバーチャルカードのレイアウトを選択可能な項目を含む。
この構成によれば、アプリケーション作成事業者の要求通りのバーチャルカードの画像Ivを実現し易くなる。
【0074】
情報取得部431は、バーチャルカードの券面デザインの画像を選択可能な項目の選択内容の情報として、予め作成されている券面デザインの画像とは別のオリジナルの券面デザインの画像を選択するという情報を取得する。
この構成によれば、オリジナルの画像をバーチャルカードの画像に用いることができるため、より自由度の高いバーチャルカードを実現することが可能となる。また、アプリケーション作成事業者のブランドイメージを反映させることもできるため、ネイティブアプリケーションの価値が向上する。
【0075】
<他の実施形態>
なお、上記実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
図6図8に示される画面60~62を通じて選択可能なカスタマイズ項目は適宜変更可能である。例えば図12に示されるように、第2カスタマイズ画面62には、ミニアプリケーションに各種の機能を選択するためのタブT11が設けられていてもよい。タブT11としては、例えば入金機能及び出金機能のそれぞれの追加の有無を決定することが可能な画面を別途表示するものを用いることが可能である。入金機能とは、プリペイドカードに金銭を入金するための入金先、例えば銀行口座を選択することが可能な機能である。出金機能とは、プリペイドカードに実際に入金されている金銭を銀行口座に出金することが可能な機能である。さらに、第2カスタマイズ画面62には、後払いの機能を追加するか否かを選択可能な項目を表示してもよい。このような構成によれば、各種の利用機能を選択可能とすることができるため、特に組み込みの困難な決済機能等をネイティブアプリケーションに容易に組み込むことが可能となる。
なお、タブT11を通じて追加可能な機能としては、例えば送金機能、ローン機能、保険商品提供機能、及び投資商品提供機能等、決済機能以外の任意の金融機能を用いてもよい。
【0076】
図13に示されるように、ミニアプリケーションのカード情報画面51では、例えばバーチャルカードの画像Ivに企業ロゴの画像Icが表示可能であってもよい。この場合、例えば図12に示されるように、第2カスタマイズ画面62には、企業ロゴの画像Icに関する各種操作を行うことが可能な画面を別途表示するタブT12が設けられていてもよい。企業ロゴの画像Icに関する各種操作とは、例えば企業ロゴの画像Icのアップロードや、企業ロゴの画像Icの変更等である。
【0077】
キット提供装置40が備える機能的な要素は、異なる複数の装置(システム)に搭載されていてもよい。例えば、キット提供装置40は、利用者向けウェブシステム、ミニアプリ生成システム、及びインシュイングシステムの3つにより構成されていてもよい。利用者向けウェブシステムは、主に上記実施形態のサイト表示部430、情報取得部431、及びキット提供部433として機能する部分である。ミニアプリ生成システムは、主に上記実施形態のキット作成部432として機能する部分である。インシュイングシステムは、主に、プリペイドカードの発行を事業者に対して要求したり、オリジナルのカード券面のデザインの審査を事業者に要求したりする等、カード発行に関する処理を司る部分である。なお、アプリケーション作成装置20、利用者端末装置30、及びアプリケーション提供サーバ50に関しても、同様に、異なる複数の装置(システム)により構成されていてもよい。
【0078】
ミニアプリケーションは、ペイメントカード等に対応付けられた支払い機能を有するものに限らず、それとは別の任意の機能を有するものであってもよい。
本開示は上記の具体例に限定されるものではない。上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素、及びその配置、条件、形状等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【符号の説明】
【0079】
40:キット提供装置(情報処理装置)、431:情報取得部、432:キット作成部、100:コンピュータ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13