(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040819
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】環状製品の外観検査装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/88 20060101AFI20240318BHJP
【FI】
G01N21/88 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145418
(22)【出願日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】305021292
【氏名又は名称】第一実業ビスウィル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104662
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智司
(74)【代理人】
【識別番号】100184631
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 隆
(72)【発明者】
【氏名】松井 公児
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA07
2G051AB02
2G051BA02
2G051BA08
2G051BA20
2G051BB01
2G051CA03
2G051CB01
2G051DA08
(57)【要約】
【課題】鏡面状の環状製品の表面に存在する浅い凹みや傷といった不良を検出することが可能な外観検査装置を提供する。
【解決手段】環状製品Kを保持する保持部10と、環状製品Kを保持した保持部10を、環状製品Kの中心軸を中心として回転させる回転駆動部と、環状製品Kの半径方向に沿って配設されたライン状の投光部を有し、投光部から照射された膜状の照明光を環状製品Kの外表面に向けて照射する第1照明部50と、ライン状の受光部を有し、当該受光部が第1照明部50の投光部と平行に配設され、第1照明部50の照射方向と同じ方向から、第1照明部50によって照明される環状製品Kの外表面を被撮像部位として撮像するラインセンサカメラ65と、ライセンサカメラ65によって撮像された画像を処理して、環状製品Kの外観の良否を判定する判定装置70と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状製品の外観を検査する外観検査装置であって、
前記環状製品を保持する保持部と、
前記環状製品を保持した前記保持部を、前記環状製品の中心軸を中心として回転させる回転駆動部と、
前記環状製品の半径方向に沿って配設されたライン状の投光部を有し、該投光部から照射された膜状の照明光を前記環状製品の外表面に向けて照射して照明する第1照明部と、
ライン状の受光部を有し、該受光部が前記第1照明部の投光部と平行に配設され、前記第1照明部から前記環状製品に照射される照明光の照射方向と同じ方向から、前記照明光によって照明される前記環状製品の外表面の部位を被撮像部位として撮像するラインセンサカメラと、
前記ライセンサカメラによって撮像された画像を処理して、前記環状製品の外観の良否を判定する判定装置と、を備えていることを特徴とする外観検査装置。
【請求項2】
前記第1照明部及び前記ラインセンサカメラは、その前記投光部及び受光素子が前記環状製品の中心軸と直交するように配設されるとともに、
前記ラインセンサカメラは、その受光素子が少なくとも前記環状製品の被撮像部位として頂部表面からの反射光を受光するように配設されていることを特徴とする請求項1記載の外観検査装置。
【請求項3】
前記第1照明部及び前記ラインセンサカメラは、その前記投光部及び受光素子が前記環状製品の中心軸に対して20°以上40°以下の角度で交差するように配設されるとともに、
前記ラインセンサカメラは、その受光素子が少なくとも前記環状製品の被撮像部位として内周面からの反射光を受光するように配設されていることを特徴とする請求項1記載の外観検査装置。
【請求項4】
前記第1照明部及び前記ラインセンサカメラは、その前記投光部及び受光素子が前記環状製品の中心軸に対して20°以上40°以下の角度で交差するように配設されるとともに、
前記ラインセンサカメラは、その受光素子が少なくとも前記環状製品の被撮像部位として外周面からの反射光を受光するように配設されていることを特徴とする請求項1記載の外観検査装置。
【請求項5】
前記第1照明部から前記環状製品に照射される膜状の照明光を挟んだ両側にそれぞれ配設される第2照明部及び第3照明部を、更に有し、
前記第2照明部は、前記ラインセンサカメラが撮像する前記環状製品の被撮像部位に対して青色の照明光を照射するように構成され、
前記第3照明部は、前記環状製品の被撮像部位に対して赤色の照明光を照射するように構成され、
前記第1照明部は、前記環状製品の被撮像部位に対して緑色の照明光を照射するように構成されるとともに、
前記ラインセンサカメラは、青色光、赤色光及び緑色光をそれぞれ検知するライン状の3つの受光部を有し、
前記判定装置は、前記ライセンサカメラの各受光部によって撮像された青色、赤色及び緑色の3つ画像を処理して、前記環状製品の外観の良否を判定するように構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の外観検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラを用いて物品の外観を撮像し、得られた画像を処理して当該物品の外観の良否を判定する外観検査装置に関し、特に、環状をした製品であって、表面が鏡面状をした製品の外観を好適に検査することができる外観検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上述した環状製品の外観を検査する外観検査装置として、従来、特開2021-51032号公報(下記特許文献1参照)に開示された外観検査装置が知られている。
【0003】
この外観検査装置は、同公報に開示されるように、水平に配設された透明な円板状のガラス板を備え、該ガラス板を水平回転させて、該ガラス板上に供給された検査対象物である環状樹脂製品を該ガラス板の回転方向に搬送する搬送装置と、前記搬送装置によって搬送される前記検査対象物の表面を撮像する表面撮像装置と、前記検査対象物の裏面を撮像する裏面撮像装置と、前記検査対象物の外側面を撮像する外側面撮像装置と、前記検査対象物の内側面を撮像する内側面撮像装置と、前記各撮像装置によって撮像された画像を処理して、前記検査対象物の外観の良否を判定する判定装置と、を備えている。
【0004】
この外観検査装置によれば、検査対象物が搬送装置のガラス板上に供給されて、当該ガラス板の回転方向に搬送されている間に、前記表面撮像装置、裏面撮像装置、外側面撮像装置、及び内側面撮像装置によって、それぞれその表面、裏面、外側面及び内側面が撮像され、得られた画像が判定装置により処理されて、当該検査対象物の外観の良否が判定される。
【0005】
そして、この外観検査装置では、例えば、環状製品の表面を検査するための前記表面撮像装置は、表面撮像カメラとガラス板との間に配設され、青色の光を表面撮像位置に在る検査対象物の表面に照射する表面側青色照明部と、表面側青色照明部とガラス板との間に配設されるとともに、前記表面撮像カメラの撮像光軸と同軸に配置される環状の投光部を有し、該投光部から赤色の光を中心側に向けて照射して、表面撮像位置に在る検査対象物の表面側の外周面及び内周面を照明する表面側赤色照明部と、表面撮像位置において、ガラス板の下方に配設され、上方に向けて緑色の光を照射する表面検査用緑色照明部と、を備えている。
【0006】
そして、前記表面側青色照明部は、上側に配設される第1表面側青色照明部、及び下側に配設された第2表面側青色照明部からなり、第1表面側青色照明部は、表面撮像カメラの撮像光軸と同軸に配設された環状の投光部を有し、該投光部から下方の前記表面撮像位置に向けて青色の光を照射するように構成される。また、前記第2表面側青色照明部は、下端部が開口するとともに、上端部に、前記第1表面側青色照明部の投光部から照射された光が通過する開口を有するドーム状の反射部材であって、内面が拡散反射面となった反射部材と、該反射部材の下縁部に配設されて反射部材の内面に向けて青色の光を照射する環状の投光部とを有し、該投光部から照射され、前記拡散反射面で反射された光を表面撮像位置に向けて照射するように構成される。
【0007】
以上の構成を備えた従来の外観検査装置では、環状製品の表面側全体が、主として前記表面側青色照明部から照射される指向性の無い均質な拡散照明光によって照明される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、Oリングに代表される前記環状樹脂製品は、各種装置のシール部に使用されているが、近年、より高い気密性が求められている。このため、このようなOリングは、その表面粗さが精緻な鏡面状に仕上げられており、また、高度なシール性が求められることから、浅い凹みや傷であっても、品質上の問題となっている。そこで、従来、このような鏡面状の環状製品について、その表面に存在する極めて浅い凹みや傷を検出することが可能な外観検査装置が求められている。
【0010】
ところが、上述した従来の外観検査装置では、このような鏡面状の環状製品の表面に存在する浅い凹みや傷といった不良を検出することができないという問題があった。即ち、上記従来の外観検査装置では、環状製品を指向性の無い均質な拡散照明光によって照明するようにしているので、環状製品の正常部分から反射されて前記表面撮像カメラに入光される光量と、不良部分から反射されて表面撮像カメラに入光される光量とに有意差が得られず、この結果、表面撮像カメラによって撮像された画像から、不良部分を検出することができないのである。
【0011】
より具体的には、環状製品の正常部分では、拡散照明光が正反射されて、その正反射光の一部が表面撮像カメラに入光され、一方、不良部分では、拡散照明光の殆どが乱反射され、この乱反射光の一部が表面撮像カメラに入光される結果、正常部分から反射されて表面撮像カメラに入光される光量と、不良部分から反射されて表面撮像カメラに入光される光量とに有意差が生じないのである。
【0012】
本発明は以上の実情に鑑み成されたものであって、鏡面状の環状製品の表面に存在する浅い凹みや傷といった不良を検出することが可能な外観検査装置の提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するための本発明は、
環状製品の外観を検査する外観検査装置であって、
前記環状製品を保持する保持部と、
前記環状製品を保持した前記保持部を、前記環状製品の中心軸を中心として回転させる回転駆動部と、
前記環状製品の半径方向に沿って配設されたライン状の投光部を有し、該投光部から照射された膜状の照明光を前記環状製品の外表面に向けて照射して照明する第1照明部と、
ライン状の受光部を有し、該受光部が前記第1照明部の投光部と平行に配設され、前記第1照明部から前記環状製品に照射される照明光の照射方向と同じ方向から、前記照明光によって照明される前記環状製品の外表面の部位を被撮像部位として撮像するラインセンサカメラと、
前記ライセンサカメラによって撮像された画像を処理して、前記環状製品の外観の良否を判定する判定装置と、を備えた外観検査装置に係る。
【0014】
この外観検査装置によれば、まず、検査対象物である前記環状製品を前記保持部に保持させるとともに、前記第1照明部により、その前記投光部から、前記環状製品の半径方向に沿った膜状の照明光を前記環状製品の外表面に向けて照射して照明する。ついで、前記環状製品を保持した前記保持部を、前記回転駆動部により前記環状製品の中心軸を中心として回転させながら、前記ラインセンサカメラにより、前記照明光によって照明される前記環状製品の外表面の部位を被撮像部位として撮像する。そして、前記環状製品を、その中心軸を回転軸として1回転させることにより、前記ライセンサカメラによって撮像された画像を前記判定装置により処理して、前記環状製品の外観の良否を判定する。
【0015】
前記第1照明部により照射される膜状の照明光は、その膜状の幅方向への拡散性は多少有するものの、膜状の厚み方向への拡散性は少ない、ある程度指向性を有する照明光となっている。したがって、前記環状製品の外表面が鏡面状を備えている場合において、その表面が正常な場合には、その殆どが正反射されるため、前記ラインセンサカメラと第1照明部の位置関係を適宜調整することにより、前記被撮像部位から反射される反射光の多くをラインセンサカメラに入光させることができる。一方、前記環状製品の外表面に凹みや傷などの不良部位が存在する場合には、この不良部位において照明光が乱反射され、その多くがラインセンサカメラには入光されない状態となる。
【0016】
斯くして、このような現象により、鏡面状の環状製品の外表面に存在する不良が浅い凹みや傷といった不良であっても、環状製品の正常部分から反射されてラインセンサカメラに入光される光量と、不良部分から反射されてラインセンサカメラに入光される光量とに有意差を生じさせることができ、これにより、前記判定装置によって当該不良部位を検出することが可能になる。このように、この外観検査装置によれば、鏡面状の環状製品の表面に存在する浅い凹みや傷といった不良を検出することができる。
【0017】
この外観検査装置において、前記第1照明部及び前記ラインセンサカメラは、その前記投光部及び受光素子が前記環状製品の中心軸と直交するように配設されるとともに、
前記ラインセンサカメラは、その受光素子が少なくとも前記環状製品の被撮像部位として頂部表面からの反射光を受光するように配設された態様を採ることができる。この態様によれば、環状製品の外表面の内、主として頂部表面の外観を検査することができる。
【0018】
また、この外観検査装置において、前記第1照明部及び前記ラインセンサカメラは、その前記投光部及び受光素子が前記環状製品の中心軸に対して20°以上40°以下の角度で交差するように配設されるとともに、前記ラインセンサカメラは、その受光素子が少なくとも前記環状製品の被撮像部位として内周面からの反射光を受光するように配設された態様を採ることができる。この態様によれば、環状製品の外表面の内、主として内周面の外観を検査することができる。
【0019】
また、この外観検査装置において、前記第1照明部及び前記ラインセンサカメラは、その前記投光部及び受光素子が前記環状製品の中心軸に対して20°以上40°以下の角度で交差するように配設されるとともに、前記ラインセンサカメラは、その受光素子が少なくとも前記環状製品の被撮像部位として外周面からの反射光を受光するように配設された態様を採ることができる。この態様によれば、環状製品の外表面の内、主として外周面の外観を検査することができる。
【0020】
また、上記の各態様の外観検査装置において、前記第1照明部から前記環状製品に照射される膜状の照明光を挟んだ両側にそれぞれ配設される第2照明部及び第3照明部を、更に有し、
前記第2照明部は、前記ラインセンサカメラが撮像する前記環状製品の被撮像部位に対して青色の照明光を照射するように構成され、
前記第3照明部は、前記環状製品の被撮像部位に対して赤色の照明光を照射するように構成され、
前記第1照明部は、前記環状製品の被撮像部位に対して緑色の照明光を照射するように構成されるとともに、
前記ラインセンサカメラは、青色光、赤色光及び緑色光をそれぞれ検知するライン状の3つの受光部を有し、
前記判定装置は、前記ライセンサカメラの各受光部によって撮像された青色、赤色及び緑色の3つ画像を処理して、前記環状製品の外観の良否を判定するように構成された態様を採ることができる。
【0021】
この態様の外観検査装置では、上述と同様にして、前記第1照明部から照射される膜状の照明光によって、浅い凹みや傷といった不良であっても、これを検出することができる。
【0022】
そして、これに加えて、前記第1照明部から照射される膜状の照明光を挟んだ両側に配設された第2照明部及び第3照明部から、前記被撮像部位に対して、それぞれその斜め方向から青色照明光及び赤色照明光が照射され、凹みや傷などの不良がある場合には、その縁部(壁部)がこれら青色照明光及び赤色照明光によって照明され、この縁部からの反射光が前記ラインセンサカメラに入光される。一方、環状製品の鏡面状の正常部では、斜め方向から入射される青色照明光及び赤色照明光は正反射されるため、その殆どは、ラインセンサカメラに入光されることはない。
【0023】
斯くして、この態様の外観検査装置によれば、凹みや傷が存在する場合に、その縁部を際立たせた画像を得ることができるので、当該不良をより確実に検出することができる。また、第1照明部、第2照明部及び第3照明部から照射される照明光を、それぞれ波長が異なる緑色照明光、青色照明光及び赤色照明光としているので、相互に影響を与えることなく、目的とする不良を確実に検出することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明に係る外観検査装置によれば、鏡面状の環状製品の外表面に存在する不良が浅い凹みや傷といった不良であっても、当該不良を確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る外観検査装置の概略構成を示した正面図である。
【
図2】
図1に示した外観検査装置の矢視A方向の側面図である。
【
図3】
図2に示した外観検査装置の矢視B方向の背面図である。
【
図4】本実施形態に係る保持機構部を拡大して示した正面図である。
【
図6】本実施形態に係るラインセンサカメラ、第1照明部、第2照明部及び第3照明部の構成及び位置関係を示した説明図である。
【
図7】本実施形態に係る第1照明部の特徴を説明するための説明図である。
【
図8】本実施形態の外観検査装置における第1検査位置での検査態様を説明するための説明図である。
【
図9】
図8に示した外観検査装置を拡大して示した説明図である。
【
図10】本実施形態の外観検査装置における第2検査位置での検査態様を説明するための説明図である。
【
図11】
図10に示した外観検査装置を拡大して示した説明図である。
【
図12】本実施形態の外観検査装置における第3検査位置での検査態様を説明するための説明図である。
【
図13】
図12に示した外観検査装置を拡大して示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る外観検査装置1は、外表面が鏡面状をした環状製品の外観を好適に検査することができるが、検査対象物としては、このような鏡面状をした製品に限られるものではなく、鏡面状を有しない環状製品も好適にその外観を検査することができる。
【0027】
図1から
図3に示すように、本例の外観検査装置1は、検査対象物である環状製品Kを保持する保持機構10の他、駆動モータ20、揺動機構25、昇降機構35、移動機構40、第1照明部50、第2照明部55、第3照明部60、ラインセンサカメラ65及び判定装置70などから構成される。
【0028】
前記保持機構10は、
図1から
図4に示すように、円筒状を有し、前記環状製品Kを保持する保持台11と、この保持台11をその中心軸を中心として回転可能に支持する保持フレーム15とから構成される。前記保持台11は、円筒状をした基台12と、この基台12の上面に同軸上に設けられた円筒状の支持部13、及びこの支持部13の上面に同軸上に設けられた円筒状の位置決め部14を備えている。
【0029】
前記位置決め部14は、前記環状製品Kが前記支持部13上に載置された状態で外嵌されると、その外周面が前記環状製品Kの内周面に当接するように構成されており、これにより、環状製品Kが前記支持部13上に位置決めされる(特に
図4参照)。尚、特に図示していないが、本例では、支持部13の上面に負圧が作用する開口が形成されており、前記環状製品Kは支持部13上に載置されると、この負圧によって支持部13の上面に吸着されるようになっている。
【0030】
前記保持フレーム15は、筐体状に組付けられた上板16、側板17,18及び底板19から構成される。具体的には、前記底板19上の一対の側縁部に、相互に対向するように前記側板17,18を立設し、この側板17,18上に前記上板16を固設している。そして、この上板16に設けられた軸受を介して、当該上板16上に、前記保持台11が回転可能に設けられている。
【0031】
前記駆動モータ20は、前記上板16の下面に固設されており、その出力軸が、前記上板16に設けられた前記保持台11に連結されて、当該保持台11をその中心軸を中心に回転させるように構成されている。
【0032】
前記揺動機構25は、
図2及び
図3に示すように、揺動シリンダ26、支持部材27、リンク板28、連結軸29、揺動部材30及びフォークエンド31などから構成される。前記揺動部材30は、水平部30aと、この水平部30aの下面の中央から下方に垂下する垂直部30bを有し、水平部30aの上面が前記底板19の下面に連結されている。
【0033】
前記フォークエンド31は、水平部31cと、この水平部31cから所定の間隔をあけて上方に延設された2つ支持部31a,31bからなり、この支持部31a,31b間に前記揺動部材30の垂直部30bが挿入された状態で、これら支持部材31a,31b及び垂直部30bが前記連結軸29によって軸通されている。尚、連結軸29と垂直部30bとの間にはキー32が設けられており、当該連結軸29と垂直部30bとは、このキー32によって結合され、連結軸29の中心軸を中心として共に回転する。また、フォークエンド31の水平部31cの下面には、詳しくは後述する昇降シリンダ36のピストンロッド36aが連結されている。
【0034】
前記揺動シリンダ26は、そのピストンロッド26aが前記連結軸29と直交するように水平に配設され、アングル状の部材である支持部材27を介して、前記フォークエンド31の水平部31cに固設されている。また、前記ピストンロッド26aの先端部は、連結軸33を介して前記リンク板28の下部に接続されている。そして、前記連結軸33は、リンク板28の下部に、その長手方向に沿って形成された長穴に挿通された状態で、リンク板28に連結されている。また、リンク板28の上部には、前記連結軸29の端部が固設されている。
【0035】
斯くして、前記ピストンロッド26aがその軸方向、即ち、
図3における矢示D-E方向に進退すると、リンク板28が前記連結軸29の中心軸を中心として、垂直面内で矢示F-G方向に揺動するとともに、前記連結軸29がその軸中心に回転し、この結果、前記揺動部材30及びこれに連結された前記保持機構10が前記連結軸29の中心軸を中心として、垂直面内で矢示H-I方向に揺動する。本例では、ピストンロッド26aがE方向の後退端にあるときに、前記保持台11は、その中心軸が鉛直軸と平行になり、ピストンロッド26aがD方向の前進端にあるときに、前記保持台11は、その中心軸が鉛直軸に対して角度θaだけ傾斜した状態となる。尚、角度θaは、50°から70°の範囲で適宜設定される。
【0036】
前記昇降機構35は、ピストンロッド36aが上下方向に沿うように配設された昇降シリンダ36を備えて構成される。前記ピストンロッド36aの先端部は前記フォークエンド31を構成する水平部31cの下面に連結されている。また、昇降シリンダ36はピストンロッド36aを挟んでこれと平行に設けられたガイドロッド37,38を備えている。斯くして、ピストンロッド36aが昇降すると、これに伴って、前記揺動機構25及び保持機構10が昇降する。その際、前記ガイドロッド37,38のガイド作用によって、揺動機構25及び保持機構10安定した姿勢で昇降する。
【0037】
前記移動機構40は、長手方向に沿って移動する移動台41aを有し、長手方向が水平となるように配設されて、前記移動台41aが水平方向(
図1における矢示J-K方向)に移動するように設けられたロッドレスの移動シリンダ41と、断面がL字状をした部材であって、その水平部が前記移動台41aの上面に固設され、垂直部に前記昇降シリンダ36が固設された連結部材42と、前記移動シリンダ41を水平に支持する2つの支持台43,44とから構成される。
【0038】
本例の移動機構40は、前記移動台41を予め設定した任意の複数位置に位置決めすることができ、これにより、連結部材42を介してこの移動台41に連結された昇降機構35、昇降機構35に連結された揺動機構25、及び揺動機構25に連結された保持機構10を、前記複数位置に位置決めすることができる。本例では、これらを、
図1に示した待機位置、
図8に示した第1検査位置、
図10に示した第2検査位置、及び
図12に示した第3検査位置に位置決めすることができるようになっている。
【0039】
尚、前記駆動モータ20は、適宜電力供給源から電力が供給され、適宜制御装置によって電力の供給が制御される。また、前記揺動シリンダ26、昇降シリンダ36及び移動シリンダ41は、それぞれ圧力流体、本例では適宜圧縮空気供給源から供給される圧縮空気によって動作し、前記制御装置による制御の下で動作する制御弁によってその動作が制御される。
【0040】
前記第1照明部50は、
図5及び
図6に示すように、長尺の筐体51と、この筐体51内に配設されたライン状の投光部52と、同じく筐体51内で、前記投光部52の照射方向前方に配設された長尺のハーフミラー53とから構成される。投光部52は、ライン状に配設された緑色光を照射する複数のLEDランプから構成され、この投光部52から膜状の照明光が照射される。また、ハーフミラー53は、投光部52から照射される膜状の照明光に対して45°の角度で傾いた状態で配設されている。
【0041】
斯くして、この第1照明部50によれば、前記投光部52から照射された光は、前記ハーフミラー53により90°反射されて、筐体51に形成された一方の長尺の開口51aから外方に照射される。一方、この開口51aから入射される光は、前記ハーフミラー53を透過して、前記開口51aとは反対側に形成された他方の長尺の開口51bから外方に照射される。
【0042】
また、この第1照明部50は、
図1に示すように、前記保持台11が前記待機位置にあるときに、正面から見て右側であり、且つ前記移動シリンダ41の上方に配設されている。そして、この第1照明部50は、前記ハーフミラー53により反射された膜状の照明光の中心平面(膜の厚み方向の中心に当たる平面)が、前記揺動機構25によって前記保持台11の中心軸が前記矢示H-I方向に揺動する平面と一致するように、その位置が調整されている。
【0043】
斯くして、例えば、前記保持機構10が、
図8に示した第1検査位置にあるときに、第1照明部50から照射された膜状の照明光は、環状製品Kの中心軸を含む半径方向に沿って、膜の厚さ(
図7に示すT)に対応する所定の幅で当該環状製品Kを照明する(
図5、
図6及び
図7参照)。尚、この膜状の照明光によって照明される環状製品Kの部位が被撮像部位(被検査部位)Ipとなる。また、第1照明部50は、
図1に示すように、その長手方向が鉛直軸に対してθbの角度で傾斜しており、この角度θbは、20°から40°の範囲で設定され、上記角度θaとの間で、θb=90°-θaを満足するように設定される。
【0044】
前記第2照明部55及び前記第3照明部60は、第1照明部50と同様に長尺の照明部であり、
図5及び
図6に示すように、前記第1照明部50から照射される膜状の照明光を挟んだ両側に、当該第1照明部50と平行になるようにそれぞれ配設される。
【0045】
第2照明部55は、
図5及び
図6に示すように、長尺の筐体56と、この筐体56内に配設されたライン状の投光部57とから構成される。投光部57は、ライン状に配設された青色光を照射する複数のLEDランプから構成され、この投光部57から照射された膜状の照明光が、筐体56に形成された長尺の開口56aを通して外方に照射される。尚、この第2照明部55は前記第1照明部50側から前記環状製品Kの被撮像部位Ipを照明するように配置されている(
図6参照)。
【0046】
同様に、前記第3照明部60は、長尺の筐体61と、この筐体61内に配設されたライン状の投光部62とから構成される。投光部62は、ライン状に配設された赤色光を照射する複数のLEDランプから構成され、この投光部62から照射された膜状の照明光が、筐体61に形成された長尺の開口61aを通して外方に照射される。尚、この第3照明部60も同様に、前記第1照明部50側から前記環状製品Kの被撮像部位Ipを照明するように配置されている(
図6参照)。
【0047】
前記ラインセンサカメラ65は、
図6に示すように、検査位置にある環状製品Kに対し、前記第1照明部50を挟んで、これよりも後方に位置するように配設される。このラインセンサカメラ65は、青色光、赤色光及び緑色光をそれぞれ検知するように構成されたライン状の3つの受光部を有し、この受光部が前記第1照明部50の投光部52と平行になり、且つ、前記第1照明部50の前記ハーフミラー53を通して、検査位置にある環状製品Kの前記被撮像部位Ipを撮像可能に配設されている。
【0048】
前記判定装置70は、CPU、RAM、ROMなどを含むコンピュータから構成され、前記ラインセンサカメラ65によって撮像された青色、赤色及び緑色の3色の各画像を処理して、その輝度レベルから、環状製品Kに凹みや傷といった不良が存在するか否かを判別する。
【0049】
以上の構成を備えた本例の外観検査装置1によれば、以下のようにして検査対象物である環状製品Kの外観が検査される。
【0050】
尚、外観検査装置1は、その移動シリンダ41の移動台41aが矢示K方向の移動端に位置し、前記保持機構10、揺動機構25及び昇降機構35が
図1に示した待機位置に位置しているものとする。また、前記揺動シリンダ26のピストンロッド26aは矢示E方向端にあり、前記保持機構10は、その保持台11の中心軸が鉛直方向に沿った状態にあるものとする。また、昇降シリンダ36は、そのピストンロッド36aが下方端に位置しているものとする。
【0051】
まず、手動、若しくはロボットなどの適宜供給装置を用いて、検査対象物である環状製品Kを前記保持機構10の位置決め部14に外嵌させた状態で、支持部13上に載置させるとともに、負圧により当該環状製品Kを当該支持部材13上に吸着する。
【0052】
次に、移動台41aを矢示J方向に移動させて、保持機構10、揺動機構25及び昇降機構35を、
図8に示した第1検査位置に位置決めした後、第1照明部50、第2照明部55及び第3照明部60によって環状製品Kの被撮像部位Ipを照明する。ついで、前記ラインセンサカメラ65によって環状製品Kの被撮像部位Ipを撮像しながら、前記駆動モータ20により前記保持台11を回転させて、当該保持台11に保持させた環状製品Kを、その中心軸を中心に1回転させる。尚、
図9に示すように、第1検査位置では、前記ラインセンサカメラ65は、環状製品Kの上側の内周面を撮像する姿勢となっており、前記ラインセンサカメラ65は、環状製品Kが1回転する間に、環状製品Kの上側の内周面を連続して撮像する。
【0053】
そして、前記ラインセンサカメラ65によって撮像された画像は前記判定装置70に送信され、この判定装置70によって画像が処理され、その輝度レベルから、環状製品Kに凹みや傷といった不良が存在するか否かが判別される。
【0054】
前記第1照明部50から照射される膜状をした緑色の照明光Lgは、その膜状の幅方向(
図7におけるW方向)への拡散性は多少有するものの、膜状の厚み方向(
図7におけるT方向)への拡散性は少ない、ある程度指向性を有する照明光Lgとなっている。したがって、前記環状製品Kの外表面が鏡面状を備えている場合において、その表面が正常な場合には、その殆どが正反射されるため、前記ラインセンサカメラ65と第1照明部50の位置関係を適宜調整することにより、前記被撮像部位Ipから反射される反射光の多くをラインセンサカメラ65に入光させることができる。一方、前記環状製品Kの外表面に凹みや傷などの不良部位が存在する場合には、この不良部位において照明光Lgが乱反射されるため、その多くはラインセンサカメラ65には入光されない。
【0055】
このような現象により、鏡面状の環状製品Kの外表面に存在する不良が浅い凹みや傷といった不良であっても、環状製品Kの正常部分から反射されてラインセンサカメラ65に入光される光量と、不良部分から反射されてラインセンサカメラ65に入光される光量とに有意差を生じさせることができ、これにより、前記判定装置70によって当該不良部位を検出することが可能になる。斯くして、この外観検査装置1によれば、第1照明部50から膜状をした緑色照明光Lgを照射して環状製品Kを照明するようにしているので、鏡面状をした環状製品Kであっても、その表面に存在する浅い凹みや傷といった不良を検出することができる。
【0056】
また、本例の外観検査装置1では、前記第1照明部50から照射される膜状の照明光Lgを挟んだ両側から、第2照明部55及び第3照明部60により、前記被撮像部位Ipに対して、それぞれその斜め方向から膜状の青色照明光Lb及び赤色照明光Lrが照射される。これにより、環状製品Kに凹みや傷などの不良がある場合には、その縁部(壁部)がこれら青色照明光Lb及び赤色照明光Lrによって照明され、この縁部からの反射光が前記ラインセンサカメラ65に入光される。一方、環状製品Kの鏡面状の正常部では、斜め方向から入射される青色照明光Lb及び赤色照明光Lrは正反射されるため、その殆どは、ラインセンサカメラ65に入光されることはない。斯くして、この外観検査装置1によれば、第2照明部55及び第3照明部60により、被撮像部位に対して、それぞれその斜め方向から青色照明光Lb及び赤色照明光Lrによって環状製品Kを照明するようにしているので、鏡面状をした環状製品Kであっても、その表面に存在する浅い凹みや傷といった不良を検出することができる。
【0057】
このように、本例の外観検査装置1によれば、鏡面状をした環状製品Kであっても、その表面に存在する浅い凹みや傷といった不良を好適に検出することができる。
【0058】
以上のようにして、第1検査位置において、環状製品Kの上側の内周面の検査を終えると、移動台41aを矢示K方向に移動させて、保持機構10、揺動機構25及び昇降機構35を、
図10に示した第2検査位置に位置決めする。
図11に示すように、この第2検査位置では、環状製品Kの上側の外周面が被撮像部位Ipとなる。したがって、この第2検査位置において、上述した第1検査位置における動作と同じ動作を実行することにより、環状製品Kの上側の外周面の外観が検査される。
【0059】
具体的には、第1照明部50、第2照明部55及び第3照明部60によって環状製品Kの被撮像部位Ipを照明した状態で、前記ラインセンサカメラ65によって環状製品Kの被撮像部位Ipを撮像しながら、前記駆動モータ20により前記保持台11を回転させて、当該保持台11に保持させた環状製品Kを、その中心軸を中心に1回転させる。以上により、前記ラインセンサカメラ65によって、環状製品Kの上側の外周面が撮像され、判定装置70により、環状製品Kの上側外周面の外観の良否が判定される。
【0060】
このようにして、第2検査位置において、環状製品Kの上側の外周面の検査を終えると、次に、移動台41aを更に矢示K方向に移動させて、保持機構10、揺動機構25及び昇降機構35を、
図12に示した第3検査位置に位置決めした後、前記昇降シリンダ36のピストンロッド36aを上昇端まで上昇させるとともに、前記揺動シリンダ26を駆動してそのピストンロッド26aを矢示D方向の移動端まで移動させる。これにより、
図12に示すように、保持機構10が上昇端位置に位置するとともに、矢示H方向に角度θaだけ傾斜した状態となり、ラインセンサカメラ65の撮像光軸と、保持台11の中心軸、即ち、環状製品Kの中心軸とが平行な状態となるとともに、環状製品Kの被撮像部位Ipがその頂部を含む上面に設定された状態となる。斯くして、この状態で、上述した第1検査位置における動作と同じ動作を実行することにより、環状製品Kの頂部を含む上面の外観が検査される。
【0061】
具体的には、第1照明部50、第2照明部55及び第3照明部60によって環状製品Kの被撮像部位Ipを照明した状態で、前記ラインセンサカメラ65によって環状製品Kの被撮像部位Ipを撮像しながら、前記駆動モータ20により前記保持台11を回転させて、当該保持台11に保持させた環状製品Kを、その中心軸を中心に1回転させる。以上により、前記ラインセンサカメラ65によって、環状製品Kの上面が撮像され、判定装置70により、環状製品Kの上面の外観の良否が判定される。
【0062】
そして、以上のようにして、環状製品Kの上側の外表面の外観検査を終えると、移動台41aを更に矢示K方向に移動端(待機位置)に移動させるとともに、前記昇降シリンダ36のピストンロッド36aを下降端に降下させる。また、揺動シリンダ26のピストンロッド26aを矢示E方向の移動端まで移動させて、保持機構10を矢示I方向に角度θaだけ揺動させ、
図3に示すように、保持台11の中心軸が垂直軸と平行になる状態にする。
【0063】
以降、手動、若しくはロボットなどの適宜供給装置を用いて、環状製品Kを上下反転して保持機構10の位置決め部14に外嵌させるとともに、支持部材13上に吸着させ、この後、上述した動作と同じ動作を繰り返すことにより、環状製品Kの反対側の外表面の外観検査が実行され、これにより、環状製品Kの全外表面の外観が検査される。
【0064】
以上のように、本例の外観検査装置1によれば、外表面が鏡面状をした環状製品Kであっても、当該外表面に存在する浅い凹みや傷といった不良を確実に検出することができる。
【0065】
以上、本発明の一具体的な実施の形態について説明したが、上述した実施形態はあくまでも一例であって、本発明が採り得る態様は、何らこの実施形態に限られるものではない。
【0066】
例えば、上述した例では、前記第1照明部50に加えて、第2照明部55及び第3照明部60を設けたが、このような態様に限られるものではなく、第1照明部50のみを備えた態様としてもよい。この場合、第1照明部50の照明光の色はどのような色であってもよく、また、前記ラインセンサカメラ65は、当該照明光を検知することができるものであればよい。
【0067】
また、上例では、第2照明部55及び第3照明部60を、第1照明部50と同様に、膜状の照明光を照射するように構成したが、これに限られるものではなく、拡散光を照射する点光源としてもよい。
【0068】
また、上例では、環状製品Kの頂部を含む外表面、内周面及び外周面を検査するようにしたが、この内のいずれかを検査する態様としてもよい。
【0069】
また、上例では、環状製品Kを負圧によって支持部材13上に吸着するようにしたが、環状製品Kを安定して支持部材13上に保持できる場合には、このような吸着機構を設ける必要はない。
【符号の説明】
【0070】
1 外観検査措置
10 保持機構
11 保持台
14 位置決め部
15 保持フレーム
20 駆動モータ
25 揺動機構
26 揺動シリンダ
26a ピストンロッド
27 支持部材
28 リンク板
29 連結軸
30 揺動部材
31 フォークエンド
35 昇降機構
36 昇降シリンダ
36a ピストンロッド
40 移動機構
41 移動シリンダ
42 連結部材
50 第1照明部
51 筐体
52 投光部
53 ハーフミラー
55 第2照明部
56 筐体
60 第3照明部
61 筐体
65 ラインセンサカメラ
70 判定装置