IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サーモス株式会社の特許一覧

特開2024-4083キャップユニット及びキャップ付き容器
<>
  • 特開-キャップユニット及びキャップ付き容器 図1
  • 特開-キャップユニット及びキャップ付き容器 図2
  • 特開-キャップユニット及びキャップ付き容器 図3
  • 特開-キャップユニット及びキャップ付き容器 図4
  • 特開-キャップユニット及びキャップ付き容器 図5
  • 特開-キャップユニット及びキャップ付き容器 図6
  • 特開-キャップユニット及びキャップ付き容器 図7
  • 特開-キャップユニット及びキャップ付き容器 図8
  • 特開-キャップユニット及びキャップ付き容器 図9
  • 特開-キャップユニット及びキャップ付き容器 図10
  • 特開-キャップユニット及びキャップ付き容器 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004083
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】キャップユニット及びキャップ付き容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 43/16 20060101AFI20240109BHJP
   B65D 43/22 20060101ALN20240109BHJP
【FI】
B65D43/16
B65D43/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103550
(22)【出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】591261602
【氏名又は名称】サーモス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢部 晋太郎
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA12
3E084AB01
3E084BA02
3E084DA01
3E084DB12
3E084EA02
3E084EB02
3E084FA06
3E084FB09
3E084FC05
3E084GA10
3E084GB12
3E084KB01
3E084LB02
3E084LC01
3E084LD01
(57)【要約】
【課題】容器本体内が減圧された場合でも、蓋体を確実に開くことができ、かつ、使用感がよく外観デザインの美観性も高められること。
【解決手段】キャップ本体10と、通液口11を開放可能に閉塞する蓋体20と、止水パッキン35と、蓋体20を固定する蓋ロック機構40と、蓋体20の固定状態を解除する操作にともない、閉塞位置の蓋体20を押し上げて通液口11を開放可能な蓋開放機構60と、を備え、蓋ロック機構40は、ロック部材42と、ロック部材42を回動自在に支持する回動軸47と、を有し、蓋開放機構60は、ロック部材42と一体に設けられるレバー部61を有し、レバー部61は、ロック部材42とともに回動軸47回りのロック解除方向に回動され、ロック部材42から後側に延びるレバー本体61aと、レバー本体61aから少なくとも上側に向けて突出し、レバー部61の回動によって蓋体20を押し上げ可能な押上げ部61cと、を有する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開口した容器本体に着脱自在に取り付けられるキャップユニットであって、
前記容器本体の口頸部に取り付けられ、前記容器本体の内部と外部とを連通する通液口を有するキャップ本体と、
前記キャップ本体にヒンジを介して回動自在に取り付けられ、前記ヒンジ回りの開方向に付勢された状態で、前記通液口を開放可能に閉塞する蓋体と、
前記キャップ本体と前記容器本体との間を密閉する止水パッキンと、
前記蓋体が前記通液口を閉塞する閉塞位置において、前記蓋体を前記キャップ本体に対して固定する蓋ロック機構と、
前記蓋ロック機構による前記蓋体の固定状態を解除する操作にともない、前記閉塞位置の前記蓋体を押し上げて前記通液口を開放可能な蓋開放機構と、を備え、
前記蓋ロック機構は、
前記蓋体に係止されることで、前記蓋体を前記閉塞位置に固定するロック部材と、
前記ロック部材を回動自在に支持する回動軸と、を有し、
前記蓋開放機構は、前記ロック部材と一体に設けられるレバー部を有し、
前記レバー部は、前記回動軸よりも後側に位置し、前記ロック部材とともに前記回動軸回りのロック解除方向に回動され、
前記レバー部は、前記ロック部材から後側に延びるレバー本体と、前記レバー本体から少なくとも上側に向けて突出し、前記レバー部の回動によって前記蓋体を押し上げ可能な押上げ部と、を有するキャップユニット。
【請求項2】
前記ロック部材が前記ロック解除方向に回動し、前記蓋体に対する前記ロック部材の係止が解除された状態で、前記押上げ部が前記蓋体に接触するように構成される、
請求項1に記載のキャップユニット。
【請求項3】
前記蓋体は、前記押上げ部が接触する被押上げ面を有し、
前記被押上げ面は、後側へ向かうに従い上側に向けて傾斜する傾斜面状である、
請求項1に記載のキャップユニット。
【請求項4】
前記ロック部材が前記ロック解除方向に回動することで、前記押上げ部が前記蓋体に接触した状態から、前記蓋体が前記通液口を開放する位置まで前記蓋体を押し上げる、
請求項1に記載のキャップユニット。
【請求項5】
前記ロック部材が前記ロック解除方向に回動し、前記押上げ部が前記蓋体に接触した状態から、さらに前記ロック部材は前記ロック解除方向に回動可能である、
請求項1に記載のキャップユニット。
【請求項6】
前記レバー部は、前記蓋体の前端部の一部から離れる方向に窪む凹部を有し、
前記凹部には、前記レバー部が回動したときに前記一部が挿入され、かつ前記一部が接触しない、
請求項1に記載のキャップユニット。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載のキャップユニットと、
前記キャップユニットが取り付けられた前記容器本体と、を備えるキャップ付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップユニット及びキャップ付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上部が開口した容器本体の口頸部に着脱自在に取り付けられるキャップユニットが知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1のキャップユニットは、通液口を有するキャップ本体と、キャップ本体にヒンジを介して回動自在に取り付けられ、通液口を開放する方向(開方向)に付勢された状態で、通液口を蓋パッキンにより閉塞する蓋体と、蓋体が通液口を閉塞する閉塞位置において、蓋体をキャップ本体に対して固定する蓋ロック機構と、を備える。
【0003】
例えば、容器本体に熱い飲料を入れて蓋体を閉じ、時間が経った場合などに、飲料が冷めることによって容器本体内が減圧されることがある。このような場合に使用者が、蓋ロック機構による蓋体の固定状態を解除する操作を行っても、蓋体の蓋パッキンが通液口に張り付いて、蓋体が開かないことがある。
【0004】
特許文献1では、蓋ロック機構のロック部材(開閉操作部材)に脚部が設けられている。蓋体の固定状態を解除する操作時に、ロック部材を回動軸(揺動軸)回りに回動させると、ロック部材とともに脚部が回動する。容器本体内が減圧された場合でも、脚部が蓋体を蹴り上げることで、蓋体を強制的に開くようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-125965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のような脚部を設けた場合には、下記の問題が生じる。
ロック部材を押し込んで回動軸回りに回動させたときに、蓋体に対するロック部材の係止が解除されるよりも前に、脚部が蓋体に当たってしまうと、蓋体が開かなくなる。
【0007】
このような不具合を防止するには、例えば、ロック部材のうち回動軸から上側に延びる部分の寸法を大きくして、ロック部材の回動範囲を大きく確保することが有効であるが、この場合、使用者が飲料を飲む際に、ロック部材が唇や顎等に当たって邪魔になったり、容器の外観デザインの美観性が損なわれたりするおそれがある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、容器本体内が減圧された場合でも、蓋体を確実に開くことができ、かつ、使用感がよく外観デザインの美観性も高められるキャップユニット、及びキャップ付き容器を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
〔本発明の態様1〕
上部が開口した容器本体に着脱自在に取り付けられるキャップユニットであって、前記容器本体の口頸部に取り付けられ、前記容器本体の内部と外部とを連通する通液口を有するキャップ本体と、前記キャップ本体にヒンジを介して回動自在に取り付けられ、前記ヒンジ回りの開方向に付勢された状態で、前記通液口を開放可能に閉塞する蓋体と、前記キャップ本体と前記容器本体との間を密閉する止水パッキンと、前記蓋体が前記通液口を閉塞する閉塞位置において、前記蓋体を前記キャップ本体に対して固定する蓋ロック機構と、前記蓋ロック機構による前記蓋体の固定状態を解除する操作にともない、前記閉塞位置の前記蓋体を押し上げて前記通液口を開放可能な蓋開放機構と、を備え、前記蓋ロック機構は、前記蓋体に係止されることで、前記蓋体を前記閉塞位置に固定するロック部材と、前記ロック部材を回動自在に支持する回動軸と、を有し、前記蓋開放機構は、前記ロック部材と一体に設けられるレバー部を有し、前記レバー部は、前記回動軸よりも後側に位置し、前記ロック部材とともに前記回動軸回りのロック解除方向に回動され、前記レバー部は、前記ロック部材から後側に延びるレバー本体と、前記レバー本体から少なくとも上側に向けて突出し、前記レバー部の回動によって前記蓋体を押し上げ可能な押上げ部と、を有するキャップユニット。
【0010】
〔本発明の態様2〕
前記ロック部材が前記ロック解除方向に回動し、前記蓋体に対する前記ロック部材の係止が解除された状態で、前記押上げ部が前記蓋体に接触するように構成される、態様1に記載のキャップユニット。
【0011】
〔本発明の態様3〕
前記蓋体は、前記押上げ部が接触する被押上げ面を有し、前記被押上げ面は、後側へ向かうに従い上側に向けて傾斜する傾斜面状である、態様1または2に記載のキャップユニット。
【0012】
〔本発明の態様4〕
前記ロック部材が前記ロック解除方向に回動することで、前記押上げ部が前記蓋体に接触した状態から、前記蓋体が前記通液口を開放する位置まで前記蓋体を押し上げる、態様1から3のいずれか1つに記載のキャップユニット。
【0013】
〔本発明の態様5〕
前記ロック部材が前記ロック解除方向に回動し、前記押上げ部が前記蓋体に接触した状態から、さらに前記ロック部材は前記ロック解除方向に回動可能である、態様1から4のいずれか1つに記載のキャップユニット。
【0014】
〔本発明の態様6〕
前記レバー部は、前記蓋体の前端部の一部から離れる方向に窪む凹部を有し、前記凹部には、前記レバー部が回動したときに前記一部が挿入され、かつ前記一部が接触しない、態様1から5のいずれか1つに記載のキャップユニット。
【0015】
〔本発明の態様7〕
態様1から6のいずれか1つに記載のキャップユニットと、前記キャップユニットが取り付けられた前記容器本体と、を備えるキャップ付き容器。
【発明の効果】
【0016】
本発明の前記態様のキャップユニット及びキャップ付き容器によれば、容器本体内が減圧された場合でも、蓋体を確実に開くことができ、かつ、使用感がよく外観デザインの美観性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本実施形態のキャップ付き容器を示す斜視図である。
図2図2は、キャップ付き容器を示す断面図である。
図3図3は、キャップ付き容器の一部を示す断面図であり、蓋体の閉状態(閉塞位置)かつ蓋ロック機構のロック状態を表す。
図4図4は、キャップ付き容器の一部を示す分解斜視図である。
図5図5は、キャップ付き容器の一部を示す分解斜視図である。
図6図6は、キャップ付き容器の一部を示す断面図であり、蓋体の閉状態(閉塞位置)において、蓋ロック機構のロックを解除している過程を表す。
図7図7は、キャップ付き容器の一部を示す断面図であり、蓋体の閉状態(閉塞位置)において、蓋ロック機構のロックを解除している過程を表す。
図8図8は、キャップ付き容器の一部を示す断面図であり、蓋体が閉状態(閉塞位置)から開状態(開放位置)へと変化する過程を表す。
図9図9は、キャップ付き容器の一部を示す断面図であり、蓋体の開状態(開放位置)かつ蓋ロック機構のロック解除状態を表す。
図10図10は、蓋ロック機構及び蓋開放機構の一部を示す分解斜視図である。
図11図11は、蓋ロック機構及び蓋開放機構の一部を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態のキャップユニット3及びこれを備えたキャップ付き容器1について、図面を参照して説明する。なお本実施形態では、キャップユニット3を単にキャップと呼んだり、キャップ付き容器1を単に容器と呼んだりする場合がある。
【0019】
図1及び図2に示すように、本実施形態のキャップ付き容器1は、キャップユニット3と、キャップユニット3が取り付けられた有底筒状の容器本体2と、を備える。キャップユニット3は、上部が開口した容器本体2の口頸部2cに着脱自在に取り付けられる。キャップユニット3は、容器本体2の上部開口部2dを閉塞する栓体を構成するものである。キャップユニット3の構成部材は、主に樹脂製であり、容器本体2の構成部材は、主に金属製である。
【0020】
図3に示すように、キャップユニット3は、頂壁(天壁)を有する筒状つまり有頂筒状をなし、容器本体2の口頸部2cに取り付けられ、容器本体2の内部と外部とを連通する通液口11を有するキャップ本体10と、有頂筒状をなし、キャップ本体10の上側に配置され、通液口11を塞ぐ蓋体20と、キャップ本体10に対して蓋体20を回動自在に連結するヒンジ31と、キャップ本体10と容器本体2との間を密閉する止水パッキン35と、蓋体20をキャップ本体10に対して固定する蓋ロック機構40と、蓋開放機構60と、を備える。
キャップユニット3及び容器本体2は、中心軸Cを中心として互いに同軸に配置される。
【0021】
本実施形態では、中心軸Cが延びる方向を上下方向と呼ぶ。上下方向のうち、容器本体2の底面部2aから蓋体20の蓋頂壁部20bへ向かう方向を上側と呼び、蓋頂壁部20bから底面部2aへ向かう方向を下側と呼ぶ。
中心軸Cと直交する方向を径方向と呼ぶ。径方向のうち、中心軸Cに近づく方向を径方向内側または単に内側と呼び、中心軸Cから離れる方向を径方向外側または単に外側と呼ぶ。
【0022】
また径方向のうち、ヒンジ31と中心軸Cとを通る方向を前後方向と呼ぶ。前後方向のうち、ヒンジ31から中心軸Cへ向かう方向を前側と呼び、中心軸Cからヒンジ31へ向かう方向を後側と呼ぶ。
【0023】
また径方向のうち、前後方向と直交する方向を左右方向と呼ぶ。図2に示すように、蓋体20の蓋頂壁部20bが鉛直方向の上方を向く正立姿勢とされたキャップ付き容器1を、前側から見たときに、左右方向のうち、左へ向かう方向を左側と呼び、右へ向かう方向を右側と呼ぶ。
また、中心軸Cを中心に周回する方向を周方向と呼ぶ。
【0024】
なお、中心軸Cは、後述するヒンジ中心軸A1及びロックヒンジ中心軸A2と区別して、キャップ中心軸Cや容器中心軸Cなどと言い換えてもよい。
【0025】
図2に示すように、キャップ付き容器1は、真空断熱構造を有する容器本体2によって、この容器本体2に収容される図示しない飲料等の内容物を、保温又は保冷することが可能である。容器本体2は、上部が開口した有底筒状である。なお容器本体2には、飲料以外の内容物が収容されてもよい。
【0026】
具体的に、この容器本体2は、例えばステンレス等からなる有底筒状の外容器4及び内容器5を有し、外容器4の内側に内容器5を収容した状態で互いの口元部を接合した二重構造の容器により構成されている。
【0027】
また、外容器4と内容器5との間には、真空断熱層6が設けられている。真空断熱層6は、例えば、高真空に減圧(真空引き)されたチャンバー内で、外容器4の底面中央部に設けられた脱気孔を塞ぐことによって形成することができる。
【0028】
容器本体2は、略円板状の底面部2aと、略円筒状をなし、下端部が底面部2aの外周部に接続される胴部2bと、胴部2bの上側に配置され、胴部2bよりも縮径された口頸部2cと、を有する。
【0029】
口頸部2cの内周部は、胴部2bの内周面よりも縮径されている。口頸部2cの上端部は、容器本体2の上部開口部2dとして、円形状に開口している。図3に示すように、口頸部2cは、雄ネジ部7と、張出部8と、肩部2eと、を有する。
【0030】
雄ネジ部7は、口頸部2cの外周部に配置される。
張出部8は、口頸部2cの内周部に配置される。張出部8は、口頸部2cの内周面から径方向内側に突出し、周方向の全周にわたって延びる。張出部8は、中心軸Cを中心とする環状であり、口頸部2cにおいて最も内側に位置する。
【0031】
肩部2eは、口頸部2cの下端外周部に配置される。肩部2eは、上側へ向かうに従い縮径するテーパ状である。口頸部2cのうち肩部2eの上側に隣接する部分は、上下方向に延びる略円筒状である。口頸部2cのうち肩部2eの上側に隣接する部分には、雄ネジ部7が配置される。
【0032】
なお、本実施形態のキャップ付き容器1は、図1に示すように全体として略円筒状の外観形状を有しているが、キャップ付き容器1の外観形状については、特に限定されるものではなく、サイズやデザイン等に合わせて、適宜変更を加えることが可能である。また、容器本体2、キャップ本体10及び蓋体20の各外面(表面)には、塗装や印刷等が施されていてもよい。
【0033】
図3に示すように、キャップ本体10は、容器本体2の胴部2bと連続するように略円筒状に形成された周壁部10aと、周壁部10aの上端部に接続される頂壁部10bと、を有する。また、頂壁部10bは、頂壁部10bを上下方向に貫通する開口部10cを有する。
【0034】
周壁部10aの内周面には、雌ネジ部12が設けられている。雌ネジ部12は、口頸部2cの雄ネジ部7と螺合する。これによりキャップ本体10は、容器本体2の口頸部2cに螺合によって着脱自在に取り付けられている。
【0035】
図4に示すように、周壁部10aの外周面には、軸受部15が設けられている。軸受部15は、周壁部10aの前端部から前側に突設される。軸受部15は、左右方向に互いに間隔をあけて一対設けられる。各軸受部15は、後述するロックヒンジ中心軸A2と垂直な方向に広がる板状である(図1参照)。
【0036】
また、周壁部10aの外周面には、付勢部収容壁16が設けられている。付勢部収容壁16は、周壁部10aの前端部から前側に突設される。付勢部収容壁16は、前側から見て、上側に開口するU字状をなしている。付勢部収容壁16の一対の上端部は、各軸受部15に接続されている。
【0037】
図3及び図9に示すように、キャップ本体10は、キャップ本体10の開口部10cに取り付けられ、通液口11が配置される口形成部材13と、口形成部材13を開口部10cに着脱自在に固定する口脱着機構14と、を有する。
【0038】
口形成部材13は、開口部10cに着脱自在に取り付けられ、飲み口又は注ぎ口(本実施形態では飲み口)を形成する。口形成部材13は、通液口11が形成された底壁部13aと、底壁部13aの周囲から上方に向かって立ち上がる筒状の周壁部13bと、底壁部13aの下端部から径方向外側に広がる下側フランジ部13cと、周壁部13bの外周面から前側に突出する爪部13eと、周壁部13bの外周面から左側と右側とにそれぞれ突出し、前後方向に延びる一対の上側フランジ部(図示省略)と、周壁部13bの上端開口縁に配置され、この上端開口縁の前端部から後側へ向かうに従い下側に向けて延びる斜めカット状の飲み口部13dと、を有する。
【0039】
爪部13eは、キャップ本体10の頂壁部10bの上面から下側に窪む係止凹部10dに対して、上側から係止される。特に図示しないが、一対の上側フランジ部は、上下方向において爪部13eよりも下側に位置しており、頂壁部10bの下面に対して、下側から接触する。これにより口形成部材13は、開口部10c内に上下方向に位置決めされた状態で配置される。
【0040】
口脱着機構14は、キャップ本体10の開口部10cに口形成部材13を着脱自在に取り付けるための部材である。口脱着機構14は、前後方向において、口形成部材13とヒンジ31との間に配置される。詳しくは、口脱着機構14は、開口部10cの内周部の後端部と、口形成部材13の周壁部13bの後端部と、の間に設けられる。
口脱着機構14は、脱着軸17を介して口形成部材13に連結されている。脱着軸17は、左右方向に延びており、口脱着機構14は、脱着軸17の中心軸回りに回動可能である。
【0041】
口脱着機構14は、弾性変形可能な弾性部(弾性片)14aを有している。弾性部14aは、口脱着機構14の本体壁部と、口形成部材13の周壁部13bの後端部との間に挟まれている。
【0042】
キャップユニット3の組み立て時においては、弾性部14aが前後方向に収縮するように弾性変形させられることで、口形成部材13及び口脱着機構14が開口部10c内に嵌め入れ可能となる。また、この嵌め入れ後、弾性変形した弾性部14aが前後方向に伸長するように復元変形することで、口形成部材13及び口脱着機構14は、開口部10cの内周部に押し付けられるようにして嵌合し、開口部10cに固定される。
【0043】
なお口形成部材13は、本実施形態のようにキャップ本体10の頂壁部10bから着脱自在に構成されていてもよいし、もしくは、頂壁部10bと一体化して形成されていてもよい。
【0044】
図3に示すように、止水パッキン35は、口形成部材13の下側フランジ部13cに、着脱自在に取り付けられている。止水パッキン35は、張出部8と口形成部材13との間を密閉するためのリング状のシール部材である。止水パッキン35は、例えばシリコーンゴム等の耐熱性を有するゴムやエラストマーなどの弾性部材からなる。
【0045】
止水パッキン35の内周部には、径方向外側に向けて窪む内周凹部35aが周方向の全周にわたって設けられている。止水パッキン35は、下側フランジ部13cに内周凹部35aが嵌め付けられることで口形成部材13に取り付けられる。
【0046】
止水パッキン35の外周面には、弾性フランジ部35bが径方向外側に突出して設けられている。弾性フランジ部35bは、止水パッキン35の外周部に配置され、周方向の全周にわたって延びる。本実施形態では弾性フランジ部35bが、上下方向に並んで2つ設けられる。
【0047】
容器本体2にキャップユニット3が取り付けられた際に、弾性フランジ部35bは、弾性変形しながら容器本体2の張出部8に周方向の全周にわたって密着した状態となる。これにより、止水パッキン35は、口形成部材13(キャップ本体10)と張出部8(容器本体2)との間を液密に密閉することが可能となっている。
【0048】
止水パッキン35は、それ自体を引っ張り伸ばすことによって弾性変形させられ、下側フランジ部13cから取り外すことが可能である。これにより、口形成部材13と止水パッキン35を別々に洗浄することができ、口形成部材13と止水パッキン35の間などを衛生的に保つことができる。
【0049】
なお、例えば弾性フランジ部35bの数については、上述した2つに限らず、1つ又は3つ以上の複数とすることも可能である。また、止水パッキン35は、上述した弾性フランジ部35bが設けられた構成に限定されるものではなく、その形状等について適宜変更を加えることが可能である。
【0050】
図3及び図9に示すように、蓋体20は、口形成部材13の飲み口又は注ぎ口である通液口11を開閉する。
具体的に、蓋体20は、ヒンジ31を介してキャップ本体10に接続されることにより、図3に示す閉状態(閉塞位置)と、図9に示す開状態(開放位置)との間で、ヒンジ31回りに回動可能である。図3に示す蓋体20の閉状態(閉塞位置)は、蓋体20が通液口11を閉塞する位置であり、図9に示す蓋体20の開状態(開放位置)は、蓋体20が通液口11を開放する位置である。また、図8は、蓋体20が閉状態から開状態に移行する過程(途中段階)を表している。
【0051】
蓋体20は、ヒンジ31に設けられたトーションバネ(図示省略)によって、ヒンジ31の中心軸A1(以下、ヒンジ中心軸A1と呼ぶ)回りのうち、通液口11を開放する方向、つまり開方向に向かって付勢されている。すなわち、蓋体20は、キャップ本体10にヒンジ31を介して回動自在に取り付けられ、ヒンジ31回りの開方向に付勢された状態で、通液口11を開放可能に閉塞する。
【0052】
図3図5に示すように、蓋体20は、キャップ本体10の周壁部10aと連続するように略円筒状に形成された蓋周壁部20aと、蓋周壁部20aの上端部に接続される蓋頂壁部20bと、蓋頂壁部20bから下側に突設される筒状の内壁部20cと、を有する。
【0053】
また、蓋体20の内側には、口形成部材13の通液口11を閉塞する蓋パッキン21が設けられている。すなわち蓋体20は、蓋パッキン21を有する。蓋パッキン21は、通液口11を密閉するための栓状のシール部材である。蓋パッキン21は、弾性部材からなり、例えば上記止水パッキン35と同じ材質のものを用いることができる。
【0054】
蓋パッキン21は、略有底筒状であり、その内部に内壁部20cが嵌め込まれた状態で、内壁部20cに着脱自在に取り付けられている。蓋パッキン21の底面(下面)は、下側に向けて凸となるドーム状に形成されている。
【0055】
このキャップユニット3では、蓋体20がキャップ本体10の上部を閉塞したときに、蓋パッキン21が弾性変形しながら、通液口11の周囲に密着した状態となる。これにより、口形成部材13の通液口11を閉塞することができる。
【0056】
蓋パッキン21は、内壁部20cへの取り付け時に、拡径するように弾性変形させられつつ、その内側に内壁部20cがきつく嵌め込まれることによって、内壁部20cに密着固定されている。このため、蓋体20の閉塞位置において、容器本体2内が負圧となり、蓋パッキン21に容器本体2内へ向けた引張力が作用した場合でも、蓋体20を開けた際に、蓋パッキン21が内壁部20cから外れてしまうようなことは抑制される。したがって、蓋体20を開状態としたときに、通液口11を安定して開栓できる。
【0057】
蓋頂壁部20bは、蓋頂壁部20bの上面から下側に窪む蓋凹部20dを有する。蓋凹部20dには、内壁部20cを上側から覆うカバー部材22が取り付けられる。すなわち、蓋体20は、カバー部材22を有する。カバー部材22は、略円板状に形成されている。
【0058】
カバー部材22については、蓋体20の蓋頂壁部20bと同じ材質のものを用いてもよいし、もしくは、材質や色等が異なるものを用いてもよい。例えば、カバー部材22として、透明な材質からなるものを用いてもよい。また、カバー部材22の上部に立体的な構造物を配置したり、上面に刻印を施したりしてもよい。これにより、意匠的に優れたキャップユニット3とすることが可能である。
【0059】
図3に示すように、蓋体20は、被押上げ面20eを有する。被押上げ面20eは、蓋体20の前端部に配置される。具体的に、被押上げ面20eは、蓋周壁部20aの前方下端部に配置される。被押上げ面20eは、後側へ向かうに従い上側に向けて傾斜する傾斜面状である。本実施形態では被押上げ面20eが、平面により形成される。
【0060】
ヒンジ31は、このキャップユニット3の後部に配置される。ヒンジ31は、キャップ本体10の後方上端部と蓋体20の後部とを、ヒンジ中心軸A1回りに相対回動自在に連結する。ヒンジ中心軸A1は、左右方向に延びている。ヒンジ中心軸A1は、中心軸Cよりも後側に配置される。ヒンジ中心軸A1と中心軸Cとは、互いにねじれの位置にある。
【0061】
ヒンジ31は、図示しないトーションバネ(付勢部)を有する。トーションバネは、ヒンジ中心軸A1を中心として螺旋状に延びるねじりコイルバネである。トーションバネは、キャップ本体10に対して蓋体20を、ヒンジ31回り(ヒンジ中心軸A1回り)の開方向に付勢する。
【0062】
蓋ロック機構40は、このキャップユニット3の前部に配置される。蓋ロック機構40は、蓋体20が通液口11を閉塞する閉塞位置において、この蓋体20をヒンジ31のトーションバネの付勢力に抗してキャップ本体10に対して固定する。蓋ロック機構40は、キャップ本体10の前端部と蓋体20の前端部とを固定する。
【0063】
具体的に、図3は、閉状態(閉塞位置)とされた蓋体20が、蓋ロック機構40によりキャップ本体10に固定された状態(すなわち、蓋ロック機構40のロック状態)を表している。また、図9は、蓋ロック機構40による蓋体20のロックが解除された状態(すなわち、蓋ロック機構40のロック解除状態)を表している。また、図6は、蓋体20の閉状態において、蓋ロック機構40を操作してロックを解除する過程(途中段階)を表している。
【0064】
図3図5に示すように、蓋ロック機構40は、ロックヒンジ41と、キャップ本体10にロックヒンジ41を介して回動自在に取り付けられたロック部材42と、ロック部材42を付勢するロック付勢部43と、キャップ本体10にロックヒンジ41を介して回動自在に取り付けられたリングストッパー44と、ロック部材42が係止されるロック受部45と、リングストッパー44が掛け止めされるストッパー受部46と、を有する。
【0065】
ロックヒンジ41は、キャップ本体10の周壁部10aの前端部に設けられる。ロックヒンジ41は、キャップ本体10の前端部とロック部材42とを、ロックヒンジ41の中心軸A2(以下、ロックヒンジ中心軸A2と呼ぶ)回りに相対回動自在に連結する。またロックヒンジ41は、キャップ本体10の前端部とリングストッパー44の左右方向の両端部とを、ロックヒンジ中心軸A2回りに相対回動自在に連結する。
【0066】
ロックヒンジ中心軸A2は、左右方向に延びている。本実施形態では、ロックヒンジ中心軸A2とヒンジ中心軸A1とが、互いに平行に延びる。ロックヒンジ中心軸A2は、中心軸Cよりも前側に配置される。ロックヒンジ中心軸A2と中心軸Cとは、互いにねじれの位置にある。
【0067】
ロックヒンジ41は、回動軸47を有する。すなわち、蓋ロック機構40は、回動軸47を有する。回動軸47は、ロックヒンジ中心軸A2を中心とする円柱状であり、左右方向に延びる。回動軸47は、キャップ本体10の一対の軸受部15を左右方向に貫通して設けられており、一対の軸受部15により支持される。また、回動軸47は、ロック部材42及びリングストッパー44を、ロックヒンジ中心軸A2回りに回動自在に支持する。
【0068】
ここで、本実施形態では、図3に示すように、ロックヒンジ中心軸A2が延びる方向に沿ってキャップユニット3を右側から見て、ロックヒンジ中心軸A2を中心とする回転方向(回動軸47回り)のうち、時計回りの方向をロック方向と呼び、前記回転方向のうち、反時計回りの方向をロック解除方向と呼ぶ。
ロック方向は、蓋ロック機構40(のロック部材42)が蓋体20を固定する方向である。また、ロック解除方向は、蓋ロック機構40(のロック部材42)による蓋体20の固定状態を解除する方向である。
【0069】
ロック部材42は、蓋体20に係止されることで、蓋体20を閉塞位置に固定する部材である。またロック部材42は、蓋体20の閉塞位置への固定状態を解除する際に、使用者によって操作される。本実施形態ではロック部材42が、全体として、上下方向に延びる柱状をなす。
【0070】
図3図10及び図11に示すように、ロック部材42は、回動軸47(ロックヒンジ41)に支持されるロック軸受部42cと、ロック軸受部42cから上側に延長された第1延長部42aと、ロック軸受部42cから下側に延長された第2延長部42bと、ロックカバー51と、を有する。
ロック軸受部42c、第1延長部42a及び第2延長部42bは、例えば樹脂製である。ロックカバー51は、例えば、ステンレス等の金属製である。
【0071】
ロック軸受部42cは、ロック部材42の上下方向における略中央部に配置されており、第1延長部42a及び第2延長部42bよりも後側へ向けて突設される。ロック軸受部42cは、ロック軸受部42cを左右方向に貫通する挿通孔42dを有する。挿通孔42dには、回動軸47が挿通される。
【0072】
第1延長部42aは、ロック軸受部42cの前側部分から上側に延びる柱状または板状をなしている。第1延長部42aの上端部には、フック部48が後側に向けて突出して設けられている。図3に示すように、フック部48は、蓋体20のロック受部45に着脱自在に係止される。すなわちロック部材42は、蓋体20に着脱自在に係止される。
【0073】
図10及び図11に示すように、第2延長部42bは、ロック軸受部42cの前側部分から下側に延びる柱状または板状をなしている。第2延長部42bは、第2延長部42bを前後方向に貫通する付勢部挿入孔42eを有する。
【0074】
ロックカバー51は、前カバー51aと、一対の側カバー51bと、を有する。
前カバー51aは、前後方向と垂直な方向に拡がる板状である。本実施形態では前カバー51aが、上下方向に延びる略長円形板状または略長方形板状である。前カバー51aは、ロック軸受部42c、第1延長部42a及び第2延長部42bの前側を覆うように配置される。
【0075】
側カバー51bは、ロックヒンジ中心軸A2と垂直な方向に拡がる板状であり、本実施形態では略四角形板状である。一対の側カバー51bは、左右方向に互いに間隔をあけて配置される。一対の側カバー51bは、前カバー51aの左右方向の両端部に接続される。一対の側カバー51b間には、ロック軸受部42cが挟まれる。一対の側カバー51bは、ロック軸受部42cを左右方向の両側から覆う。
また、ロック軸受部42c及び一対の側カバー51bは、左右方向において、一対の軸受部15間に配置される(図1及び4を参照)。
【0076】
一対の側カバー51bは、それぞれ、カバー孔51cを有する。各カバー孔51cは、各側カバー51bを左右方向に貫通する。一対のカバー孔51cは、左右方向から見て、挿通孔42dと重なる。一対のカバー孔51cには、回動軸47が挿通される。
【0077】
本実施形態では、ロック部材42がロックカバー51を備えることで、キャップユニット3の外観デザインの美観性を高めることができる。また、ロック部材42の強度を向上することができる。
【0078】
ロック付勢部43は、例えばシリコーンゴム等の耐熱性を有するゴムやエラストマーなどの弾性部材からなる。すなわち、ロック付勢部43は、弾性変形可能である。図3図5に示すように、ロック付勢部43は、キャップ本体10の周壁部10aの前端部と、ロック部材42の第2延長部42bと、の間に配置される。また、ロック付勢部43の少なくとも後端部は、付勢部収容壁16の内側に収容される。
【0079】
図6図9に示すように、使用者がロック部材42の第2延長部42bを後側へ向けて押し込んだときに、ロック付勢部43は、周壁部10aと第2延長部42bとの間で前後方向に収縮させられるように弾性変形する。これによりロック付勢部43は、第2延長部42bを前側に向けて付勢する。言い換えると、ロック部材42は、ロック付勢部43により、回動軸47回り(ロックヒンジ中心軸A2回り)のロック方向に付勢される。
【0080】
なお本実施形態では、図3に示すように、使用者がロック部材42の第2延長部42bを後側へ向けて押し込んでいない状態においても、ロック付勢部43が前後方向に僅かに弾性変形させられており、ロック付勢部43によってロック部材42が回動軸47回りのロック方向に付勢されている。
【0081】
図10及び図11に示すように、ロック付勢部43は、弾性変形部43aと、挿入突部43bと、を有する。
弾性変形部43aは、前後方向に延びる柱状である。弾性変形部43aは、前後方向において、周壁部10aと第2延長部42bとの間に挟まれる。弾性変形部43aは、中空孔43cを有する。中空孔43cは、弾性変形部43aを左右方向に貫通する。中空孔43cが設けられることにより、弾性変形部43aの弾性変形量が大きく確保されている。
【0082】
挿入突部43bは、弾性変形部43aから前側に突出する柱状である。挿入突部43bの外径寸法(前後方向と直交する方向の寸法)は、弾性変形部43aの外径寸法よりも小さい。言い換えると、弾性変形部43aは、挿入突部43bよりも外径寸法が大きい。挿入突部43bは、第2延長部42bの付勢部挿入孔42eに挿入される。
【0083】
図1図4及び図5に示すように、リングストッパー44は、ロック部材42の上側部分の周囲を略円弧状に湾曲して延びる部材であり、その両端が回動軸47(ロックヒンジ41)に回動自在に支持されている。これにより、リングストッパー44は、ロックヒンジ41を中心として上下方向に回動可能となっており、具体的には、回動軸47回りのロック方向及びロック解除方向に回動可能である。
【0084】
リングストッパー44は、リング軸受部44aと、リング挿通孔44bと、を有する。
リング軸受部44aは、リングストッパー44の両端部に一対設けられる。一対のリング軸受部44aは、左右方向に互いに間隔をあけて配置される。一対のリング軸受部44a間には、一対の軸受部15が配置される。
【0085】
リング挿通孔44bは、一対のリング軸受部44aにそれぞれ設けられる。各リング挿通孔44bは、各リング軸受部44aを左右方向に貫通する。一対のリング挿通孔44bには、回動軸47が挿通される。
【0086】
図3に示すように、ロック受部45は、蓋体20の蓋周壁部20aの前方下端部から前側に突設された爪状をなす。ロック受部45は、蓋体20の閉塞位置において、ロック部材42の第1延長部42aの後側に配置され、第1延長部42aと対向する。
【0087】
図4に示すように、ストッパー受部46は、リングストッパー44の内周部に嵌まり合う形状を有し、蓋周壁部20aの前端部のうちロック受部45の周囲を囲む位置から前側に突設されている。ストッパー受部46は、前側から見て、下側に開口する略U字状の壁部である。
図3に示すように、フック部48がロック受部45に係止される際、フック部48は、ストッパー受部46とロック受部45との間に挿入される。
【0088】
蓋ロック機構40では、図3に示すように蓋体20がキャップ本体10の上部を閉塞したときに、ロック部材42のフック部48がロック受部45に係止されることによって、蓋体20がキャップ本体10の上部を閉塞した状態、つまり蓋体20の閉塞位置が保持される。この状態から、使用者がリングストッパー44とストッパー受部46との係止状態を解除し、ロック付勢部43の付勢力に抗して、ロック部材42の第2延長部42bを後側へ押圧操作することによって、図6に示すように、ロック部材42がロックヒンジ41を中心に回動するとともに第1延長部42aが前側に変位して、ロック受部45に対するフック部48の係止状態が解除される。すなわち、使用者がロック部材42を回動軸47回りのロック解除方向に回動させる操作を行うことによって、蓋ロック機構40による蓋体20の固定状態(ロック状態)が解除される。これにより、ヒンジ31内のトーションバネの付勢力によって、図9に示すように、蓋体20を開方向に回動させることが可能となる。
【0089】
また図1及び図3に示すように、蓋ロック機構40では、蓋体20がキャップ本体10の上部を閉塞したときに、リングストッパー44が、回動軸47回りのロック方向に回動させられてストッパー受部46に掛け止めされることによって、蓋体20の開方向への回動が阻止される。これにより、蓋ロック機構40では、ロック部材42の不要な(意図しない)操作等によって蓋体20が開くことを防止できる。また、図6に示すように、リングストッパー44を回動軸47回りのロック解除方向に回動させることによって、ストッパー受部46に対するリングストッパー44の係止状態が解除される。
【0090】
図3に示すように、蓋開放機構60は、このキャップユニット3の前部に配置される。蓋開放機構60は、ロック部材42と一体に設けられるレバー部61を有する。レバー部61は、回動軸47よりも後側に位置している。図6図8に示すように、レバー部61は、ロック部材42とともに回動軸47回りのロック解除方向またはロック方向に回動される。
【0091】
図10及び図11に示すように、レバー部61は、レバー本体61aと、凹部61bと、押上げ部61cと、を有する。
レバー本体61aは、ロック部材42から後側に延びる柱状または板状である。本実施形態ではレバー本体61aが、ロック部材42のうちロック軸受部42cの後方上端部から、後側に向けて突出する。
【0092】
凹部61bは、レバー本体61aの上面から下側に窪む。本実施形態では凹部61bが、左右方向に延びる溝状である。凹部61bの左右方向の両端部は、レバー本体61aの左右方向の両端面に開口されている。凹部61bは、回動軸47よりも後側かつ上側に配置されている。
【0093】
図3に示すように、凹部61bは、蓋体20の前端部の一部から離れる方向に窪んでいる。詳しくは、凹部61bは、蓋体20の蓋周壁部20aの前方下端部のうち、ロック受部45の下面と被押上げ面20eとの接続部分に位置する角部(前記一部に相当)から離れる方向、すなわち下側に窪んでいる。
【0094】
図6及び図7に示すように、蓋体20の閉塞位置において、ロック部材42とともにレバー部61が回動軸47回りのロック解除方向に回動されたときに、凹部61bには、蓋周壁部20aの前方下端部のうち前記角部がレバー部61と当接しないように収容される。詳しくは、レバー部61がロックヒンジ中心軸A2を中心にロック解除方向に回動したときに、凹部61bには、前記角部(一部)が挿入され、かつ前記角部が接触しない。すなわち、凹部61bは、蓋体20の前端部の一部を非接触で受け入れ可能に構成されている。
【0095】
図10及び図11に示すように、押上げ部61cは、レバー本体61aから少なくとも上側に向けて突出する。本実施形態では押上げ部61cが、レバー本体61aの後端部から、上側かつ後側へ向けて(斜め上方に向けて)突出している。ただしこれに限らず、特に図示しないが、押上げ部61cは、レバー本体61aから上側に向けて、上下方向に沿って真っ直ぐに(直立して)突出していてもよい。
【0096】
本実施形態では押上げ部61cが、左右方向に延びるリブ状の突起である。押上げ部61cは、凹部61bの後側に、凹部61bと隣接して配置される。図3に示すように、押上げ部61cは、蓋体20の被押上げ面20eと対向する。
【0097】
押上げ部61cの少なくとも一部は、上側から見て、蓋体20の前端部と重なって配置される。具体的に本実施形態では、押上げ部61cのうち少なくとも前側部分が、上側から見て、蓋周壁部20aの前端部(特に被押上げ面20e)と重なって配置されている。レバー部61がロック部材42とともに回動軸47回りのロック解除方向に回動されることで、押上げ部61cは、被押上げ面20eに接触可能である。
【0098】
詳しくは、図3に示す蓋体20の閉塞位置から、使用者がリングストッパー44とストッパー受部46との係止状態を解除し、ロック部材42の第2延長部42bを後側へ押し込むと、まず、図6に示すように、ロック受部45に対するフック部48の係止状態が解除される。詳しくは、図3に示すようにロック部材42が押し込まれていない状態を0°(レバー部61が水平とされた基準の角度。以下、基準角と呼ぶ)として、図6に示すようにロック受部45とフック部48との係止状態が解除されるときの角度(ロックヒンジ中心軸A2を中心とする基準角からの回転角度)は、例えば10°以下であり、本実施形態の例では約8°である。このとき、容器本体2の内圧が減圧状態であると、蓋パッキン21が通液口11に張り付いて、蓋体20が開かない場合がある。
【0099】
このような場合に、使用者がさらにロック部材42の第2延長部42bを後側へ押し込んでいくと、図7に示すように、押上げ部61cが被押上げ面20eに接触し、さらに図8に示すように、押上げ部61cが被押上げ面20eを上側へ押し上げる。これにより、蓋体20を強制的に開く(通液口11を開栓する)ことができる。詳しくは、図7に示すように、押上げ部61cと被押上げ面20e(蓋体20)とが接触する角度(ロックヒンジ中心軸A2を中心とする基準角からの回転角度)は、例えば15°以下であり、かつ、上述のロック受部45とフック部48との係止状態が解除されるときの角度よりも大きく、本実施形態の例では約10°である。また、蓋パッキン21が通液口11に張り付いていた場合、図8に示すように、押上げ部61cが被押上げ面20e(蓋体20)を押し上げる角度(ロックヒンジ中心軸A2を中心とする基準角からの回転角度)は、例えば25°以下であり、容器本体2内の減圧の状態にもよるが、本実施形態の例では概ね13~18°程度において蓋パッキン21が通液口11から離れ、通液口11が開栓される。このように、押上げ部61cは、レバー部61の回動によって蓋体20を押し上げ可能に構成されている。
【0100】
すなわち、ロック部材42が回動軸47回りのロック解除方向に回動し、押上げ部61cが蓋体20に接触した状態から、さらにロック部材42は、ロック解除方向に回動可能である。言い換えれば、押上げ部61cが蓋体20に接触した状態から、蓋体20が通液口11を開放する位置までロック部材42がロック解除方向に回動し、蓋体20を押し上げることが可能である。
なお、押上げ部61cのうち被押上げ面20eと対向する面は、凸曲面状をなしている。このため、押上げ部61cと被押上げ面20eとは、互いに点接触または線接触する。
【0101】
また本実施形態では、図6及び図7に示すように、ロック部材42が回動軸47回りのロック解除方向に回動し、蓋体20に対するロック部材42の係止が先に解除された状態で、押上げ部61cが蓋体20に接触するように構成されている。すなわち、フック部48とロック受部45との係止が解除されてから、押上げ部61cが被押上げ面20eに接触する。言い換えると、フック部48とロック受部45との係止が解除されるまでは、押上げ部61cは被押上げ面20eに接触しない。
【0102】
このように本実施形態では、蓋ロック機構40による蓋体20の固定状態を解除する操作にともない、レバー部61が回動軸47回りに回動して、閉塞位置の蓋体20を下側から押し上げる。つまり蓋開放機構60は、蓋ロック機構40による蓋体20の固定状態を解除する操作にともない、閉塞位置の蓋体20を押し上げて通液口11を開放可能である。
【0103】
なお、図9のように開放された蓋体20は、ヒンジ31内のトーションバネの付勢力に抗して開方向と反対方向(閉方向)へ回動させ、ロック部材42のフック部48がロック受部45に係止されることによって、再び蓋体20がキャップ本体10の上部を閉塞した状態、つまり蓋体20の閉塞位置となる。
【0104】
以上説明した本実施形態のキャップユニット3及びキャップ付き容器1によれば、下記の作用効果が得られる。
例えば、熱い飲料等の内容物が冷めることによって容器本体2内が減圧されると、蓋体20の蓋パッキン21が通液口11に張り付き、ロック部材42と蓋体20との係止状態を解除しても、蓋体20が開かなくなる場合がある。このような場合であっても、本実施形態では、蓋開放機構60がレバー部61を有するため、使用者がロック部材42の第2延長部42bを後側に押し込む操作にともなって、ロック部材42とともにレバー部61が回動軸47回りのロック解除方向に回動し、レバー部61の押上げ部61cが、閉塞位置の蓋体20を押し上げる。これにより、蓋体20を確実に開いて通液口11を開放することができる。
【0105】
すなわち、蓋ロック機構40のロック状態を解除する一操作(ワンアクション)によって、ロック解除とともに蓋体20を押し上げて確実に開くことができる。また、蓋開放機構60をシンプルに構成することができる。
【0106】
そして本実施形態では、レバー部61の押上げ部61cが、レバー本体61aから少なくとも上側に向けて突出し、レバー部61の回動によって蓋体20を押し上げる。このため、使用者がロック部材42の第2延長部42bを後側に押し込み、ロック部材42とともにレバー部61を回動軸47回りに回動させたときに、押上げ部61cが確実に蓋体20と接触させられる。詳しくは、押上げ部61cの突出形状や突出量などを適切に設定することで、蓋体20に対するロック部材42の係止が解除されるまでの間、蓋体20とレバー部61との接触を避けつつ、ロック部材42の係止解除後には、押上げ部61cを積極的に蓋体20に接触させて、蓋体20を押し上げることができる。また、押上げ部61cが上側に向けて突出することで、蓋体20を押し上げる押上げ寸法(押上げ量)も大きく確保しやすいため、押上げ部61cにより蓋体20を確実に押し上げて、開くことができる。
【0107】
詳しくは、ロック部材42のフック部48と蓋体20のロック受部45との係止が解除されるよりも以前に、レバー部61が蓋体20に当たってしまうと、フック部48とレバー部61との間に蓋体20の前端部におけるロック受部45近傍が挟まれて、蓋体20が開かなくなるおそれがある。このような不具合を、本実施形態のようにレバー部61に突起状の押上げ部61cを設けることで、回避可能である。
【0108】
また、押上げ部61cがレバー本体61aから上側に突出することで、レバー部61の前後方向の全長を短く抑えることができる。レバー部61の全長が小さく抑えられるため、口形成部材13の飲み口部13dをより前側へ配置することが可能になり、使用者が飲料を飲む際の飲みやすさ(使用感)が向上する。また、キャップユニット3内部のスペースを有効に活用し、キャップユニット3(キャップ付き容器1)の小型化に寄与することができ、その結果外観デザインの美観性を高めることが可能である。
【0109】
以上より本実施形態のキャップユニット3及びキャップ付き容器1によれば、容器本体2内が減圧された場合でも、蓋体20を確実に開くことができ、かつ、使用感がよく外観デザインの美観性も向上する。
【0110】
また本実施形態では、使用者がロック部材42の第2延長部42bを押し込んでロック解除方向に回動させ、蓋体20に対するロック部材42の係止が解除された状態から、押上げ部61cが蓋体20に接触させられる(接触可能となる)。
したがって、容器本体2内が減圧されていない場合には、蓋体20へのロック部材42の係止が解除された時点で、蓋体20がトーションバネ(付勢部)の付勢力によって開いて、通液口11が開放される。一方、容器本体2内が減圧されている場合には、蓋体20へのロック部材42の係止が解除された時点では、蓋体20が通液口11に張り付いて上記付勢力のみでは開かないが、さらに押上げ部61cが蓋体20を押し上げることで、蓋体20が開いて通液口11が開放される。
【0111】
すなわち、容器本体2内が減圧されている場合にのみ、押上げ部61cが蓋体20を押し上げるように構成されているため、押上げ部61cの損耗等が抑制され、レバー部61(蓋開放機構60)による機能が長期にわたり良好に維持される。また、容器本体2内が減圧でない場合には、押上げ部61cが蓋体20に接触することなく蓋体20が開くため、使用者は不要な操作抵抗を感じることはない。
【0112】
また本実施形態では、レバー部61の押上げ部61cが、蓋体20の被押上げ面20eに接触する。被押上げ面20eは、後側へ向かうに従い上側に向けて傾斜する傾斜面であり、このような被押上げ面20eによって、回動軸47回りに回動する押上げ部61cが摺動する接触領域を大きく確保できる。したがって、押上げ部61cが回動しながら被押上げ面20eと摺動し、蓋体20を押し上げるため、蓋体20の押上げ機能がより安定する。また、傾斜した被押上げ面20eを形成することにより、押上げ部61cを被押上げ面20eと対向配置しやすくすることができる。また、レバー部61周辺に有効な空きスペースを設けやすくなるため、押上げ部61cの形状の自由度を高めたり、キャップユニット3のさらなるコンパクト化を図ったりすることができる。
【0113】
また本実施形態では、ロック部材42がロック解除方向に回動し、押上げ部61cが蓋体20に接触した状態から、さらにロック部材42はロック解除方向に回動可能である。言い換えると、ロック部材42がロック解除方向に回動することで、押上げ部61cが蓋体20に接触した状態から、蓋体20が通液口11を開放する位置まで蓋体20を押し上げる。
この場合、押上げ部61cが蓋体20に接触した状態から、使用者がさらにロック部材42を押し込むことにより、レバー部61(蓋開放機構60)が確実に蓋体20を押し上げるため、蓋体20を安定して開くことができる。
【0114】
また本実施形態では、レバー部61が凹部61bを有する。使用者が蓋体20を開ける際に、ロック部材42の第2延長部42bを後側へ押し込むと、ロック部材42とともにレバー部61がロック解除方向に回動し、このとき、蓋体20の前端部の一部が凹部61bに接触することなく、受け入れられる(収容される)。このため、蓋体20に対するロック部材42の係止が解除されるまでの間、蓋体20とレバー部61との接触をより確実に抑えることができる。
【0115】
詳しくは、ロック部材42のフック部48と蓋体20のロック受部45との係止が解除されるよりも以前に、レバー部61が蓋体20に当たってしまうと、フック部48とレバー部61との間に蓋体20の前端部におけるロック受部45近傍が挟まれて、蓋体20が開かなくなる。このような不具合を、本実施形態のようにレバー部61に凹部61bを設けることで回避できる。
【0116】
さらにレバー部61に凹部61bを設けることで、ロック部材42の第1延長部42aの長さ(上下方向の寸法)を小さく抑えつつ、ロック部材42を回動軸47回りに回動させる回動範囲(可動範囲)を大きく確保することができる。ロック部材42の回動範囲が大きくなるので、フック部48とロック受部45との引掛け寸法(引掛け代)を大きく確保することができる。このため、例えば容器外部からの衝撃等により、意図せずロックが外れて蓋体20が開いてしまうような不具合を防止できる。
【0117】
また、蓋体20を開放位置から閉塞位置へと回動させ、蓋ロック機構40によって蓋体20を固定状態に保持させる際、蓋体20を上から押し込むことになる。その際、蓋パッキン21が口形成部材13の底壁部13aに当接することで弾性変形するため、押し込む量によっては、蓋体20の下端側がロック部材42のレバー部61に当接してしまう可能性がある。このような不具合を、本実施形態のようにレバー部61に凹部61bを設けることで回避できる。
【0118】
また、第1延長部42aの長さが小さく抑えられるため、使用者が内容物を飲む際に、ロック部材42が唇や顎等に当たって邪魔になるような不具合が抑えられる。また、第1延長部42aの長さが小さく抑えられることで、容器の外観デザインの美観性が高められる。
【0119】
また本実施形態では、レバー部61の凹部61bが、レバー本体61aの上面から下側に窪んで形成されている。凹部61bによって上述の優れた作用効果が得られつつ、凹部61bをシンプルに構成できる。
【0120】
また本実施形態では、押上げ部61cの少なくとも一部が、上側から見て、蓋体20の前端部と重なって配置される。
この場合、押上げ部61cの少なくとも一部が、蓋体20の前端部の直下に配置されるため、レバー部61がロック部材42から後側へ突出する突出量がより小さく抑えられる。すなわち、レバー部61の前後方向の全長が小さく抑えられており、その分、口形成部材13の飲み口部13dをより前側に配置することが可能となって、使用者が飲料を飲む際の飲みやすさ(使用感)が向上する。また、キャップユニット3内部のスペースを有効に活用し、キャップユニット3(キャップ付き容器1)の小型化に寄与することができる。
【0121】
また本実施形態では、図3に示すようにロック部材42の第2延長部42bが押し込まれていない状態を0°(基準角)として、図6に示すようにロック受部45とフック部48との係止状態が解除されるときの角度(ロックヒンジ中心軸A2を中心とする基準角からの回転角度)が10°以下であり、図7に示すように押上げ部61cと被押上げ面20e(蓋体20)とが接触する角度(ロックヒンジ中心軸A2を中心とする基準角からの回転角度)が、上述のロック受部45とフック部48との係止状態が解除されるときの角度よりも大きくかつ15°以下であり、図8に示すように押上げ部61cが被押上げ面20e(蓋体20)を押し上げて通液口11を開栓する角度(ロックヒンジ中心軸A2を中心とする基準角からの回転角度)が25°以下である。
この場合、ロック部材42の押し込み量を小さく抑えつつ通液口11を確実に開放することができ、操作性がよい。
【0122】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、例えば下記に説明するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の変更等が可能である。
【0123】
前述の実施形態では、蓋体20の被押上げ面20eが、平面状をなしており、レバー部61の押上げ部61cのうち、被押上げ面20eと対向する部分が、凸曲面状をなしている例を挙げたが、これに限らない。例えば、被押上げ面20eが凸曲面状であり、押上げ部61cのうち被押上げ面20eと対向する部分が平面状であってもよい。あるいは、被押上げ面20e、及び、押上げ部61cのうち被押上げ面20eと対向する部分が、両方ともに凸曲面状等であってもよい。
【0124】
前述の実施形態では、レバー部61の凹部61bが、左右方向に延びる溝状である例を挙げたが、これに限らない。凹部61bは、例えば穴状等でもよい。また、レバー部61のレバー本体61aの上面側には、凹部61bがなく、平面状であってもよい。すなわち、ロック部材42がロック解除方向に回動した際に、レバー部61の押上げ部61cが被押上げ面20eと接触する前に、レバー本体61aの他の部分が被押上げ面20eと接触しなければよい。
【0125】
前述の実施形態では、真空断熱構造を有する容器本体2によって保温・保冷機能を持たせたキャップ付き容器1に本発明を適用した例を挙げたが、これに限らない。すなわち、本発明は、キャップユニットが容器本体の口頸部に着脱自在に取り付けられるキャップ付き容器に対して、幅広く適用することが可能である。
【0126】
本発明は、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態及び変形例等で説明した各構成を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態等によって限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0127】
1…キャップ付き容器、2…容器本体、2c…口頸部、3…キャップユニット、10…キャップ本体、11…通液口、20…蓋体、20e…被押上げ面、31…ヒンジ、35…止水パッキン、40…蓋ロック機構、42…ロック部材、47…回動軸、60…蓋開放機構、61…レバー部、61a…レバー本体、61b…凹部、61c…押上げ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11