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特開2024-40838入出場装置、入出場方法、および改札機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040838
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】入出場装置、入出場方法、および改札機
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20240318BHJP
【FI】
G07B15/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145458
(22)【出願日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 直哉
【テーマコード(参考)】
3E127
【Fターム(参考)】
3E127AA02
3E127AA03
3E127BA31
3E127CA02
3E127CA06
3E127CA35
3E127CA56
3E127DA02
3E127DA07
3E127DA17
3E127EA02
3E127EA05
3E127FA16
3E127FA24
(57)【要約】
【課題】利用者の流動性を確保すること。
【解決手段】実施形態に係る入出場装置であって、入出場装置の通路を通行しようとする利用者が所持する媒体から読み取った媒体情報を取得する取得部と、媒体情報に基づいて利用者が通行可能かどうかを認証し、認証可能であると判定した後、媒体情報に基づいて利用者が顔認証を必要とするかどうか判定する媒体認証部と、顔認証が必要ない場合、ドアを開けて利用者の通行を許可する通行制御部と、を備える。
【選択図】 図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入出場装置であって、
前記入出場装置の通路を通行しようとする利用者が所持する媒体から読み取った媒体情報を取得する取得部と、
前記媒体情報に基づいて利用者が通行可能かどうかを認証し、認証可能であると判定した後、前記媒体情報に基づいて前記利用者が顔認証を必要とするかどうか判定する媒体認証部と、
前記顔認証が必要ない場合、ドアを開けて利用者の通行を許可する通行制御部と、
を備える、入出場装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記通路を撮影するカメラで撮影された撮影画像をさらに取得し、
前記利用者の顔認証が必要な場合、前記取得部は、前記撮影画像から前記利用者の顔データを取得し、
前記入出場装置は、
前記顔認証を必要とする利用者の顔データを含む顔データベースを記憶する記憶部と、
前記取得された顔データおよび前記顔データベースに基づいて前記利用者の顔認証を実行する顔認証部と、
をさらに備え、
前記通行制御部は、顔認証部により利用者の顔が認証承認された場合、前記ドアを開けて前記利用者の通行を許可する、請求項1に記載の入出場装置。
【請求項3】
前記取得部は、通行を許可された前記利用者の顔データを取得し、
前記記憶部は、前記通行を許可された前記利用者の顔データを含む利用者顔データベースをさらに記憶し、
前記顔認証部は、前記利用者の顔データが前記利用者顔データベースに登録されていない場合に、前記利用者の顔認証を行う、請求項2に記載の入出場装置。
【請求項4】
前記利用者の顔データが前記利用者顔データベースに登録済みである場合、前記顔認証部は、前記利用者の顔データが前記媒体を所持する利用者と異なると判定する判定部をさらに備える、
請求項3に記載の入出場装置。
【請求項5】
前記利用者の顔データが前記利用者顔データベースに含まれている場合、前記取得部は、前記カメラで撮影された撮影画像を再度取得して利用者の顔データを取得し、前記判定部は、再度取得した前記利用者の顔データが前記利用者顔データベースに含まれていないかどうかを判定する、請求項4に記載の入出場装置。
【請求項6】
前記利用者を検出するセンサからの情報に基づいて前記利用者の位置を検出する位置検出部と、
前記利用者の顔データが前記利用者顔データベースに含まれている場合、前記利用者に顔データが取得できてないことを通知し、前記利用者の位置が無札検知位置を超えている場合、前記通知と異なる異常通知を通知する通知部と、
をさらに備える、請求項3に記載の入出場装置。
【請求項7】
前記媒体認証部は、前記媒体情報に含まれる顔認証判定ビットに基づいて前記利用者が顔認証を必要とするかどうか判定する、請求項1に記載の入出場装置。
【請求項8】
入出場装置のプロセッサが実行する入出場方法であって、
前記入出場装置の通路を通行しようとする利用者が所持する媒体から読み取った媒体情報を取得することと、
前記媒体情報に基づいて利用者が通行可能かどうかを認証することと、
認証可能であると判定した後、前記媒体情報に基づいて前記利用者が顔認証を必要とするかどうか判定することと、
前記顔認証が必要ない場合、ドアを開けて利用者の通行を許可することと、
を備える、入出場方法。
【請求項9】
改札機であって、
前記改札機の通路を通行しようとする利用者が所持する媒体から読み取った媒体情報を取得する取得部と、
前記媒体情報に基づいて利用者が通行可能かどうかを認証し、認証可能であると判定した後、前記媒体情報に基づいて前記利用者が顔認証を必要とするかどうか判定する媒体認証部と、
前記顔認証が必要ない場合、ドアを開けて利用者の通行を許可する通行制御部と、
を備える、改札機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、入出場装置、入出場方法、および改札機に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の利用者が使用可能な割引券等の譲渡対策として、顔認証機能を有する入出場装置がある。入出場装置では、割引券を有する特定の利用者に対して、媒体判定に加えて顔認証判定を行い、入出場の許可または不許可を判定する。
【0003】
例えば、特許文献1では、認証していない利用者の不正な通行を防止するため、生体情報を取得し、生体情報による認証が成功し、且つ、入出場装置に進入してきた利用者と認証対象者が同一人物である際に利用者の通行を許可する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開2021/186628号公報
【特許文献2】特開2005-135059号公報
【特許文献3】特開2021-149854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
顔認証を行う際、1人目の利用者の陰に2人目の利用者がいるために2人目の利用者の顔をカメラで撮影できない場合がある。例えば、利用者の顔がカメラで撮影できないまま入出場の許可または不許可を判定すると、判定結果は不許可と判定され、次の利用者(例えば3人目の利用者)の受付が停止されることになる。
【0006】
しかしながら、顔認証を必要としない利用者と顔認証を必要とする利用者が混在して利用される入出場装置において、顔認証を必要としない利用者の顔をカメラで撮影できるまで次の利用者の受付を停止すると、利用者流動阻害が発生するという問題がある。
【0007】
この発明は、上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、利用者の顔を撮影できなかった場合に、顔認証を必要とする利用者である場合にのみ顔が撮影できていないことを案内することにより、利用者の流動性を確保することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る入出場装置は、前記入出場装置の通路を通行しようとする利用者が所持する媒体から読み取った媒体情報を取得する取得部と、前記媒体情報に基づいて利用者が通行可能かどうかを認証し、認証可能であると判定した後、前記媒体情報に基づいて前記利用者が顔認証を必要とするかどうか判定する媒体認証部と、前記顔認証が必要ない場合、ドアを開けて利用者の通行を許可する通行制御部と、を備えるようにしたものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る入出場システムの構成例を示す概念図である。
図2図2は、実施形態に係る入出場装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る中央サーバの構成例を示すブロック図である。
図4図4は、図1に示される入出場システムでの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら入出場装置、入出場方法、および改札機について詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。例えば、複数の同一または類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあるし、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて枝番号を用いることもある。
【0011】
図1は、実施形態に係る入出場システム10の構成例を示す概念図である。
入出場システム10は例えば、鉄道またはバス等の交通機関における改札機での入出場の制御を行うためのシステムである。また、入出場システム10は、ライブ会場等の入出場等にも適用可能なのは勿論である。
【0012】
図1に示すように、入出場システム10は、入出場装置20、カメラ21、媒体検知部22、ドア23、センサ24、および中央サーバ30等を有する。
【0013】
入出場装置20は、通路を通過(入場または出場)しようとする利用者(旅客)に対して通行を許可するかどうかを制御する。入出場装置20は、例えば、駅等の改札口に設置されている1つまたは複数の改札機であって良い。例えば、改札機はそれぞれ、利用者を通行させる通路を形成する。また、入出場装置20は、ネットワークを介してまたは有線で中央サーバ30と接続可能であり、中央サーバ30との間で各種情報を送受信する。
【0014】
入出場装置20を利用する利用者は、媒体のみで通行することができる利用者と、媒体および顔認証を必要とする特定の利用者のいずれかである。特定の利用者は、例えば、通行料、入場料等の料金の割引を受ける利用者であって良い。そして、特定の利用者は、顔データが入出場装置20および中央サーバ30に事前に登録されているものとする。
【0015】
カメラ21は、入出場装置20に対応して設置される。例えば、カメラ21は、通路内を通過する利用者の顔が撮影可能になるような撮影範囲を確保できるように設置される。そのため、カメラ21は、入出場装置20上に設置されていても良いし、入出場装置20とは別の場所に設置されていても良い。ここで、図1に示す例では、カメラ21は、入出場装置20とは別の場所に設置されている例を示している。
【0016】
媒体検知部22は、例えば、利用者が所持する媒体(例えば、ICカード乗車券、2次元コード、バーコード等)を用いて入出場処理を実行する入出場装置20上に設置される。そして、媒体検知部22は、利用者の媒体を検知し、媒体に記憶された情報を読み取る。ここで、媒体は、顔認証を必要とするかどうかを示す顔認証判定ビットを記憶していて良い。顔認証判定ビットは、例えば、ビット値が1である場合、料金の割引等が適用される特定の利用者であり、顔認証を必要であることを示す一方、ビット値が0である場合、媒体認証のみを必要とする利用者であることを示す。
【0017】
例えば、通常の媒体の認証のみで、利用者がICカード乗車券を媒体検知部22に翳した場合、媒体検知部22は、ICカード乗車券を検知し、ICカード乗車券との間で顔認証判定ビットを含む各種情報を送受信することができる。
【0018】
ドア23は、入出場装置20に設置され、利用者の通行を許可しない場合、物理的に利用者の通行を阻止する。
【0019】
センサ24は、入出場装置20の通路に向けて設置され、入出場装置20の通路に進入してくる利用者を検知する。また、センサ24は、検知した利用者の位置についての情報を含むセンサ情報を生成して良い。
【0020】
中央サーバ30は、入出場装置20と有線または無線により接続される。そして、中央サーバ30は、駅の構内、駅の管理室等に設置される。また、中央サーバ30は、入出場装置20から受信した各種情報により、顔認証等の各種認証を行うことができる。
【0021】
(構成)
次に、実施形態に係る入出場システム10における入出場装置20の構成について説明する。
【0022】
図2は、実施形態に係る入出場装置20の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、入出場装置20は、制御部201と、記憶部202と、通信インタフェース203と、インタフェース204と、を備える。
【0023】
制御部201は、入出場装置20における各種動作を制御する。制御部201は、中央処理ユニット(CPU)などのハードウェアプロセッサを備える。
【0024】
記憶部202は、記憶媒体である。記憶部202は、例えばHDDまたはSSD等の随時書き込みおよび読出し可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて構成される。記憶部202は、記憶領域に、プログラム記憶領域と、データ記憶領域とを備える。プログラム記憶領域は、OSやミドルウェアに加えて、各種処理を実行するために必要なアプリケーションプログラムを格納する。また、記憶部202は、入出場装置20が取得した各種情報を記憶してもよい。
【0025】
通信インタフェース203は、1つ以上の有線または無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース203は、ネットワークを通じて、中央サーバ30または入出場装置20を管理する管理者の管理端末等を含む外部装置と有線または無線接続する通信モジュールを含む。通信インタフェース203は、制御部201の制御の下、中央サーバ30および外部装置との間で通信を行い、各種情報を送受信することができる一般的な通信モジュールを含んでよい。
【0026】
インタフェース204は、カメラ21、媒体検知部22、ドア23、センサ24、および出力部25との間で各種情報を送受信可能にするインタフェースである。インタフェース204は、通信インタフェース203と一体であっても良い。
【0027】
カメラ21は、入出場装置20が起動、すなわち、利用者を通行させるかどうか判断が可能な状態になると、撮影を開始する。カメラ21は、撮影した撮影画像を制御部201に出力して良い。
【0028】
媒体検知部22は、入出場装置20が起動すると同時に起動する。媒体検知部22は、媒体を検知可能な場合、緑または青などの色で点灯し、認証可能であることを利用者に通知しても良い。一方、媒体の認証を中止する場合、消灯または赤で点灯し、利用者に認証ができないことを通知しても良い。
【0029】
ドア23は、入出場装置20の通路側の側面に配置される。ドア23は、制御部201の指示に応じて、開閉する。例えば、ドア23が閉じることにより、利用者の通行を物理的に阻止する。
【0030】
出力部25は、利用者に各種情報を伝えるために配置される。例えば、出力部25は、出力部25に配置されたディスプレイ、スピーカ、ランプ等を含んで良い。例えば、利用者の通行を許可する場合、出力部25に含まれるディスプレイに通行を許可する旨の情報を表示し、ランプを緑または青色に点灯させて良い。
【0031】
制御部201は、取得部2011、顔データ取得部2012、媒体認証部2013、通行制御部2014、顔判定部2015、顔認証部2016、出力制御部2017、および位置検出部2018を備える。
【0032】
取得部2011は、インタフェース204を通じて、媒体検知部22から顔認証判定ビットを含む媒体情報を取得する。そして、取得部2011は、取得した情報を記憶部202に記憶させても良い。また、取得部2011は、通信インタフェース203を通じて、取得した各種情報を中央サーバ30に送信しても良い。
【0033】
顔データ取得部2012は、インタフェース204を通じて、カメラ21から撮影画像を取得する。そして、顔データ取得部2012は、取得した撮影画像から利用者の顔データを取得して良い。顔データ取得部2012は、取得した情報を記憶部202に記憶させても良い。また、顔データ取得部2012は、通信インタフェース203を通じて、取得した各種情報を中央サーバ30に送信しても良い。
【0034】
媒体認証部2013は、媒体情報に基づいて媒体認証を行う。媒体認証部2013は、媒体情報に基づいて利用者が通行可能かどうかを判定する。さらに、媒体認証部2013は、利用者が顔認証を必要とするかどうかを判定する。判定部として動作する媒体認証部2013は、媒体情報に含まれる顔認証判定ビットを読み取る。そして、媒体認証部2013は、読み取った顔認証判定ビットに基づいて利用者の顔認証が必要かどうかを判定する。
【0035】
通行制御部2014は、ドア23の開閉を制御する。例えば、利用者の通行を許可することを示す信号を受信した場合、ドア23を開けるように制御し利用者を通行させる。一方、利用者の通行を許可しない場合、ドア23を閉めるように制御し、利用者の通行を物理的に阻止する。
【0036】
さらに、制御部201は、媒体検知部22から受信した顔認証判定ビットに基づいて、顔認証を必要とするかどうかを判定する判定部として動作する。さらに、制御部201は、カメラ21からの撮影画像から利用者の顔を検知する。ここで、制御部201は、撮影画像から利用者の顔を検知するのみに限られず、利用者の体および荷物を検知することも可能である。
【0037】
顔判定部2015は、利用者の顔データが後述する利用者顔データベース2022に登録済みの顔データのみであるかどうかを判定する。顔判定部2015は、顔データ取得部2012が取得した顔データのすべてが利用者顔データベース2022に登録済みかどうかを判定して良い。
【0038】
顔認証部2016は、利用者の顔データに基づいて認証可能かどうかを判定する。例えば、顔認証部2016は、顔データ取得部2012が取得した顔データと後述する顔データベース2021に記憶されたデータとを比較することにより顔認証を実行して良い。
【0039】
出力制御部2017は、利用者に対して案内通知を知らせる。例えば、出力制御部2017は、ディスプレイに利用者に対する認証結果に基づく通行の可否を示す情報等を表示するように制御する。出力制御部2017は、スピーカに利用者が認識できるような音量で音声を出力するように制御する。また、出力制御部2017は、スピーカに通行が不可と判定された利用者に対するアラート等の音声を出力するように制御しても良い。出力制御部2017は、利用者の通行が許可された場合、ランプに青色を点灯させるように制御しても良いし、点灯させないように制御しても良い。一方、出力制御部2017は、利用者の通行が不可と判定された場合、ランプに赤色を点灯させ、利用者に対して通行ができないことを知らせるように制御して良い。
【0040】
位置検出部2018は、通路内にいる利用者の位置を検出し、検出した位置が無札検知位置に到達したかどうかを判定する。位置検出部2018は、センサ24からのセンサ情報を取得する。そして、位置検出部2018は、センサ情報に基づいて通路内にいる利用者の位置を検出する。
【0041】
また、記憶部202は、顔データベース2021および利用者顔データベース2022を備える。
【0042】
顔データベース2021は、顔認証の必要のある媒体を有する利用者の顔データを記憶したデータベースである。例えば、制御部201は、券売機に設置されたカメラ21によって撮影された顔画像に基づいて顔データを取得し、記憶部202の顔データベース2021に記憶させる。或いは、制御部201は、利用者が持つ携帯端末等で利用者自身の顔を撮影した顔画像を受信し、受信した顔画像に基づいて顔データを取得し、顔データベース2021に記憶させても良い。
【0043】
利用者顔データベース2022は、入出場装置20の通行を許可された利用者の顔データを記憶するために用いられる。そのため、利用者顔データベース2022は、カメラ21が撮影した撮影画像から取得した顔データのデータベースとなる。利用者顔データベース2022に記憶された顔データは、一定の時間が経過した後、削除されて良い。
【0044】
図3は、実施形態に係る中央サーバ30の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、中央サーバ30は、制御部301と、記憶部302と、通信インタフェース303と、表示部304と、を備える。
【0045】
制御部301は、中央サーバ30における各種動作を制御する。制御部301は、中央処理ユニット(CPU)などのハードウェアプロセッサを備える。
【0046】
例えば、制御部301は、入出場装置20の制御部201で説明した動作と同じ動作を実行することが可能である。例えば、制御部301は、後述する通信インタフェース303を通じて、入出場装置20が取得した各種情報を取得して良い。そして、制御部301は、入出場装置20の制御部201が備える各部を備えていて良い。
【0047】
例えば、制御部301は、取得部3011、顔データ取得部3012、媒体認証部3013、通行制御部3014、顔判定部3015、顔認証部3016、出力制御部3017、および位置検出部3018を備える。これらの各部は、入出場装置20の制御部201が備える各部と同様の動作をすることが可能である。
【0048】
記憶部302は、記憶媒体である。記憶部302は、例えばHDDまたはSSD等の随時書き込みおよび読出し可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて構成される。記憶部302は、記憶領域に、プログラム記憶領域と、データ記憶領域とを備える。プログラム記憶領域は、OSやミドルウェアに加えて、各種処理を実行するために必要なアプリケーションプログラムを格納する。また、記憶部302は、中央サーバ30が取得した各種情報を記憶してもよい。
【0049】
通信インタフェース303は、1つ以上の有線または無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース303は、ネットワークを通じて、入出場装置20または中央サーバ30を管理する管理者の管理端末等を含む外部装置と有線または無線接続する通信モジュールを含む。通信インタフェース303は、制御部301の制御の下、入出場装置20および外部装置との間で通信を行い、各種情報を送受信することができる一般的な通信モジュールを含んでよい。
【0050】
表示部304は、例えば液晶、有機EL等を使用した表示デバイスであり、制御部301の制御の下、音声、文字、および画像等を表示する。すなわち、表示部304は、中央サーバ30を管理する管理者に各種情報を表示することが可能である。
【0051】
記憶部302は、顔データベース3021および利用者顔データベース3022を備える。これらのデータベースは、入出場装置20の記憶部202に記憶された各データベースと同様のデータを記憶するために用いられる。そのため、ここでの再度の詳細な説明を省略する。
【0052】
(動作)
図4は、図1に示される入出場システム10での処理手順の一例を示すフローチャートである。
入出場装置20の制御部201が記憶部202に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。なお、中央サーバ30の制御部301が記憶部302に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの一部の動作を実現しても良い。
【0053】
最初に、入出場装置20に進入してくる利用者を、センサ24等が検知し、センサ情報を制御部201に出力すると、このフローチャートが開始される。さらに、このフローチャートは、媒体検知部22が媒体を検知し、媒体検知部22が制御部201に検知情報を出力することにより開始しても良い。或いは、カメラ21が撮影した撮影画像を受信した制御部201が入出場装置20に進入してくる利用者を検出することによりこのフローチャートが開始されても良い。
【0054】
ステップST101で、取得部2011は、媒体情報を取得する。取得部2011は、インタフェース204を通じて媒体検知部22が取得した媒体情報を取得する。取得部2011は、取得した媒体情報を媒体認証部2013に出力する。
【0055】
また、顔データ取得部2012は、カメラ21が撮影した撮影画像を取得し、取得した撮影画像から利用者の顔データを取得して良い。
【0056】
ステップST102で、媒体認証部2013は、取得した媒体情報に基づいて媒体認証を行う。媒体認証部2013は、媒体情報に基づいて利用者が通行可能かどうかを判定する。通行可能であると判定した場合、処理は、ステップST103に進む。一方、通行できないと判定した場合、媒体認証部2013は、通行制御部2014に認証不承認信号を出力する。そして、処理はステップST111に進む。
【0057】
ステップST103で、媒体認証部2013は、利用者が顔認証を必要とするかどうかを判定する。判定部として動作する媒体認証部2013は、媒体情報に含まれる顔認証判定ビットを読み取る。そして、媒体認証部2013は、読み取った顔認証判定ビットに基づいて利用者の顔認証が必要かどうかを判定する。すなわち、媒体認証部2013は、利用者が特定の利用者であるかどうかを判定する。例えば、顔認証判定ビットが「0」である場合、媒体認証部2013は、利用者が媒体認証のみで通行可能な通常の利用者であると判定する。この場合、媒体認証部2013は、認証承認信号を顔データ取得部2012、通行制御部2014、および出力制御部2017に出力して良い。
【0058】
一方、顔認証判定ビットが「1」である場合、媒体認証部2013は、利用者が顔認証も必要とする特定の利用者であると判定する。この場合、媒体認証部2013は、顔判定部2015に顔認証開始信号を出力して良い。なお、顔認証判定ビットの値は、逆であっても良いのは勿論である。
【0059】
顔認証が必要ないと判定された、すなわち通常の利用者であると判定された場合、処理は、ステップST104に進む。一方、顔認証を必要とする、すなわち特定の利用者であると判定された場合、処理は、ステップST106に進む。
【0060】
ステップST104で、通行制御部2014は、ドア23を開けるように制御する。認証承諾信号を受信した通行制御部2014は、ドア23を開けるように制御し、利用者を通行させて良い。また、出力制御部2017は、出力部25に含まれるディスプレイに利用者の通行が許可された旨等を表示し、さらに出力部25に含まれるランプの色を青または緑等に点灯させるようにして良い。
【0061】
ステップST105で、顔データ取得部2012は、認証された利用者の顔データを利用者顔データベース2022に記憶させる。認証承諾信号を受信した顔データ取得部2012は、ステップST101で取得した顔データを利用者顔データベース2022に記憶させる。すなわち、入出場装置20の通行許可された利用者の顔データが一時的に利用者顔データベース2022に記憶されることになる。
【0062】
ステップST106で、顔判定部2015は、利用者の顔データが利用者顔データベース2022に登録済みの顔データのみであるかどうかを判定する。顔認証開始信号を受信した顔判定部2015は、顔データ取得部2012から顔データを受信する。そして、顔判定部2015は、顔データ取得部2012から取得した顔データが利用者顔データベース2022に登録されているかどうかを判定する。
【0063】
顔データが利用者顔データベース2022に登録されていない場合、顔判定部2015は、利用者顔データベース2022に登録されていない顔データが媒体検知部22に媒体を翳した利用者、すなわち特定の利用者であると判定する。この場合、顔判定部2015は、顔認証部2016に顔データを出力する。そして、処理は、ステップST107に進む。
【0064】
一方、すべての顔データが利用者顔データベース2022に登録されている場合、顔認証が必要な媒体が媒体検知部22に翳されているにも拘らず、認証済みの利用者に隠れてしまい、当該媒体を翳した利用者の顔が撮影画像に写っていないことになる。この場合、顔判定部2015は、顔不検出信号を出力制御部2017に出力する。そして、処理は、ステップST108に進む。
【0065】
ステップST107で、顔認証部2016は、利用者の顔データに基づいて認証可能かどうかを判定する。例えば、顔認証部2016は、顔判定部2015から受信した顔データと顔データベース2021に記憶されたデータとを比較する。顔データに対応したデータが顔データベース2021に登録されていた場合、顔認証部2016は、利用者が認証可能であると判定する。この場合、顔認証部2016は、利用者を認証したことを示す認証承諾信号を通行制御部2014および出力制御部2017に出力する。そして、処理は、ステップST104に進む。
【0066】
一方、顔データが顔データベース2021に登録されていない場合、顔認証部2016は、利用者が認証不承認であると判定する。この場合、顔認証部2016は、通行制御部2014および出力制御部2017に認証不承認信号を出力する。そして、処理は、ステップST111に進む。
【0067】
ステップST108で、出力制御部2017は、利用者に対して案内通知を知らせる。例えば、出力制御部2017は、出力部25に含まれる、ディスプレイに顔認証ができていないことを表示し、スピーカ等で顔認証ができていないことを音声で知らせるように制御する。さらに出力制御部2017は、出力部25に含まれるランプを赤または黄等の色で点灯させるように制御して良い。このように、入出場装置20は、顔認証が必要な利用者に顔がカメラ21に映っておらず、顔認証ができていないことを知らせる。
【0068】
ステップST109で、位置検出部2018は、通路内にいる利用者の位置を検出し、検出した位置が無札検知位置に到達したかどうかを判定する。位置検出部2018は、センサ24からのセンサ情報に基づいて通路内にいる利用者の位置を検出する。そして、位置検出部2018は、利用者の位置が無札検知位置に到達しているかどうかを判定する。ここで、無札検知位置は、例えばドア23が閉まる位置より手前の任意の位置に設定されて良い。
【0069】
利用者の位置が無札検知位置より手前であった場合、処理は、ステップST106に戻る。すなわち、再度新たな撮影画像から顔データを取得し、検出された顔データが顔認証を必要とする利用者であるかどうかを判定することになる。一方、無札検知位置に到達していた場合、位置検出部2018は、異常な状態であると判定する。位置検出部2018は、異常信号を通行制御部2014および出力制御部2017に出力する。そして、処理は、ステップST110に進む。
【0070】
ステップST110で、出力制御部2017は、利用者に異常を通知する。異常信号を受信した出力制御部2017は、出力部25に含まれる、ディスプレイに顔が検出できなかった旨を表示し、後ろに下がるように促す情報を表示するように制御する。また、出力制御部2017は、スピーカにより、ディスプレイに表示した内容と同様の事項を音声で利用者に伝えるように制御してもよい。さらに、出力制御部2017は、出力部25に含まれるランプの色を赤で点灯させると共に点滅させるように制御しても良い。すなわち、ステップST108で通知した内容と異なる内容で利用者に通知して良い。
【0071】
或いは、出力制御部2017は、ディスプレイに入出場装置20の管理者、(例えば、入出場装置20が改札機である場合、駅係員)がいるところに行くように促す内容を表示するように制御しても良い。さらに、制御部201は、通信インタフェース203を通じて、管理者が所持する管理端末に異常を知らせる情報を送信して良い。そして、利用者は、係員による対応を受けることになっても良い。
【0072】
ステップST111で、通行制御部2014は、ドア23を閉じるように制御する。ステップST102またはステップST107で、認証不承認信号を受信する、またはステップST109で、異常信号を受信した場合、通行制御部2014は、ドア23を閉じるように制御し、利用者の通行を物理的に阻止することになる。
【0073】
(実施形態の作用効果)
以上説明した実施形態によれば、1人目に隠れて2人目の利用者の顔が映っていなくとも、媒体認証のみで通行可能な2人目の利用者は、通行することができる。そのため、利用者の流動性を確保することができる。
【0074】
また、1人目に隠れて2人目の利用者が映っていない場合に、1人目の利用者の顔を判定せずに顔認証を必要としている利用者の顔データを取得して顔認証することができる。これにより、誤った利用者による顔認証をすることがなくなり、利用者の流動性を確保することができる。
【0075】
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、ステップST110とステップST111を入れ替える、または同時に処理しても良い。例えば、ドア23を最初に閉めた後、出力制御部2017が出力部25に含まれるディスプレイなどを用いて利用者に異常を通知しても良い。
【0076】
要するに、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施しても良く、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。
【符号の説明】
【0077】
10…入出場システム
20…入出場装置
201…制御部
2011…取得部
2012…顔データ取得部
2013…媒体認証部
2014…通行制御部
2015…顔判定部
2016…顔認証部
2017…出力制御部
2018…位置検出部
202…記憶部
2021…顔データベース
2022…利用者顔データベース
203…通信インタフェース
204…インタフェース
21…カメラ
22…媒体検知部
23…ドア
24…センサ
25…出力部
30…中央サーバ
301…制御部
3011…取得部
3012…顔データ取得部
3013…媒体認証部
3014…通行制御部
3015…顔判定部
3016…顔認証部
3017…出力制御部
3018…位置検出部
302…記憶部
3021…顔データベース
3022…利用者顔データベース
303…通信インタフェース
304…表示部


図1
図2
図3
図4