(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004085
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】防災支援装置及び防災支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20240109BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103552
(22)【出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】長谷部 雅伸
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC35
(57)【要約】
【課題】操作対象物が複数存在する場合でも防災対策を的確に実施し得る防災支援装置及び防災支援方法を提供する。
【解決手段】防災対策に関する複数の操作対象物について、当該操作対象物の作動状態を取得する入力部と、各々の操作対象物について作動状態を示す防災支援画像を生成する画像生成部と、防災支援画像を表示する表示部とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
防災対策に関する複数の操作対象物について、当該操作対象物の作動状態を取得する入力部と、
各々の前記操作対象物について前記作動状態を示す防災支援画像を生成する画像生成部と、
前記防災支援画像を表示する表示部と
を備えることを特徴とする防災支援装置。
【請求項2】
前記防災支援画像は、防災対象施設における前記操作対象物の配置とともに前記作動状態を示すことを特徴とする請求項1に防災支援装置。
【請求項3】
前記操作対象物は、水害に関する止水板及び排水ポンプのいずれか一方または両方であることを特徴とする請求項1または2に防災支援装置。
【請求項4】
防災対策に関する複数の操作対象物について、当該操作対象物の作動状態を取得する第1工程と、
各々の前記操作対象物について前記作動状態を示す防災支援画像を生成する第2工程と、
前記防災支援画像を表示する第3工程と
を有することを特徴とする防災支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防災支援装置及び防災支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
市町村などの自治体や民間企業などにおける風水害対策では、一般に統括・指示などを行う管理層と実際に風水害対策作業を担当する現場層で構成される組織体(風水害対策組織)が常時もしくは臨時に編成される。一般に風水害対策組織では、気象情報をはじめとする災害に関係する情報を収集し(工程A)、得られた情報を分析し資源の配分や取るべき行動に関する意思決定を行い(工程B)、:管理層から現場層への指示(工程C)と現場層から管理層への報告(工程D)という双方向の情報のやり取りに基づき、実際の防災活動が実施される(工程E)。
【0003】
上記工程A、工程B及び工程Cについては、下記の特許文献1、特許文献2に開示されており、気象情報等の情報取得と分析・意思決定および指示にかかる手間を軽減させることは可能となっている。また、工程C及び工程Dについては、現状ではEメールや電話、メッセージングアプリなど多くの手段が用いられているほか、下記の特許文献3に一例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-164591号公報
【特許文献2】特開2019-107998号公報
【特許文献3】特開2021-038721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、施設保全を目的とした実際の水害対策では、例えば止水板や排水ポンプ等が水害対策の操作対象物となる。一般に事業所等の施設は敷地や建物との外部のアクセスには複数の出入口等が存在する。特に大きな敷地を有する施設ほど出入口等の数は多くなるため、止水板の配置が複雑になる。また、排水ポンプは、通常は敷地の各所に点在して配置される。
【0006】
このような複数の止水板や排水ポンプを備える災害保全対象設備では、仮に特許文献3に開示された風水害対策報告システムを用いた場合、設置すべき止水板の個所数が膨大で配置も複雑であるために、システムで提示される止水板が複数の止水板のどれに該当するのかを判別することが困難である。また、止水板の設置状況を確実に管理するためには、例えば別途図面等を用意する必要があるなど煩雑さを伴う。
なお、このような問題点は、例えば強風対策における扉や窓の施錠や、大雪対策における屋外設置の機器や設備の保全など他の種類の風水害対策にも共通するものである。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、操作対象物が複数存在する場合でも防災対策を的確に実施し得る防災支援装置及び防災支援方法の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では、防災支援装置に係る第1の解決手段として、防災対策に関する複数の操作対象物について、当該操作対象物の作動状態を取得する入力部と、各々の前記操作対象物について前記作動状態を示す防災支援画像を生成する画像生成部と、前記防災支援画像を表示する表示部とを備える、という手段を採用する。
【0009】
本発明では、防災支援装置に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記防災支援画像は、防災対象施設における前記操作対象物の配置とともに前記作動状態を示す、という手段を採用する。
【0010】
本発明では、防災支援装置に係る第3の解決手段として、上記第1又は第2の解決手段において、前記操作対象物は、水害に関する止水板及び排水ポンプのいずれか一方または両方である、という手段を採用する。
【0011】
本発明では、防災支援方法に係る解決手段として、防災対策に関する複数の操作対象物について、当該操作対象物の作動状態を取得する第1工程と、各々の前記操作対象物について前記作動状態を示す防災支援画像を生成する第2工程と、前記防災支援画像を表示する第3工程とを有する、という手段を採用する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、操作対象物が複数存在する場合でも防災対策を的確に実施し得る防災支援装置及び防災支援方法を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態における防災支援画像G(初期支援画像Ga)を示す模式図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る防災支援装置Cの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る防災支援装置Cの動作を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の一実施形態における防災支援画像G(第1通常支援画像Gb)を示す模式図である。
【
図5】本発明の一実施形態における防災支援画像G(第2通常支援画像Gb)を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態は、防災対策の1つである水害対策に関するものである。本実施形態では、
図1に防災支援画像G(初期支援画像Ga)として示す施設(防災対象施設)の水害対策の支援について説明する。
【0015】
この防災対象施設は、複数の建屋が設けられており、建屋の周囲が所定高さを有する施設壁Aによって囲まれている。この施設壁Aの複数箇所(7箇所)には出入口が設けられている。また、各々の出入口には止水板W1~W7が設けられている。
【0016】
止水板W1~W7は、防災対象施設の所定箇所の地表面に後付け設置されるとともに地表面から所定高さまで上下動自在な可動板である。これら止水板W1~W7は、本実施形態における複数の操作対象物であり、各々に専用の駆動部によって上下駆動される。7つの止水板W1~W7のうち、第1止水板W1は、
図2に示す第1板駆動部D1によって上下駆動される。
【0017】
また、第2止水板W2は
図2に示す第2板駆動部D2によって上下駆動され、第3止水板W3は
図2に示す第3板駆動部D3によって上下駆動される。第4止水板W4は
図2に示す第4板駆動部D4によって上下駆動され、第5止水板W5は
図2に示す第5板駆動部D5によって上下駆動される。第6止水板W6は
図2に示す第6板駆動部D6によって上下駆動され、第7止水板W7は
図2に示す第7板駆動部D7によって上下駆動される。
【0018】
すなわち、本実施形態の防災対象施設は、複数の操作対象物として、7つの止水板W1~W7を備える。このような7つの止水板W1~W7は、水害対策の一環として第1~第7板駆動部D1~D7によって駆動されることにより、地表面から所定高さまで上方に突出する。このような止水板W1~W7によれば、防災対象施設内への水の流入を防ぐことができる。
【0019】
また、本実施形態における防災対象施設の敷地内には、
図1に示すように複数(4台)の排水ポンプP1~P4が設けられている。これら排水ポンプP1~P4は、上述した7つの止水板W1~W7と同様に本実施形態における複数の操作対象物であり、各々に専用の駆動部によって回転駆動される。
【0020】
4台の排水ポンプP1~P4のうち、第1排水ポンプP1は、
図2に示す第1ポンプ駆動部H1によって回転駆動される。また、第2排水ポンプP2は
図2に示す第2ポンプ駆動部H2によって回転駆動され、第3排水ポンプP3は
図2に示す第3ポンプ駆動部H3によって回転駆動され、さらに第4排水ポンプP4は
図2に示す第4ポンプ駆動部H4によって回転駆動される。
【0021】
すなわち、本実施形態の防災対象施設は、複数の操作対象物として、7つの止水板W1~W7に加え、4台の排水ポンプP1~P4を備える。このような4台の排水ポンプP1~P4は、防災対象施設が浸水した場合に敷地内の水を敷地外に配する。このような排水ポンプP1~P4によれば、防災対象施設における浸水高さを抑制することができる。
【0022】
本実施形態に係る防災支援装置Cは、このような防災対象施設に備えられ、複数の操作対象物(7つの止水板W1~W7及び4台の排水ポンプP1~P4)の操作を支援する装置である。この防災支援装置Cは、
図1に示すように入力部1、制御部2及び表示部3を構成要素として備えている。
【0023】
入力部1は、上述した第1~第7板駆動部D1~D7及び第1~第4ポンプ駆動部H1~H4から当該第1~第7板駆動部D1~D7及び第1~第4ポンプ駆動部H1~H4の状態信号を各々取り込む。この状態信号は、第1~第7板駆動部D1~D7及び第1~第4ポンプ駆動部H1~H4の動作状態、つまり7つの止水板W1~W7及び4台の排水ポンプP1~P4の作動状態を示す信号である。入力部1は、このような合計11の状態信号を制御部2に出力する。
【0024】
例えば、第1~第7板駆動部D1~D7に関する状態信号(止水板状態信号)は、7つの止水板W1~W7が作動して地表面から突出した場合にハイ(Hi)レベルとなり、7つの止水板W1~W7が作動することなく地表に埋没している場合にはロー(Low)レベルとなるステップ信号である。
【0025】
また、第1~第4ポンプ駆動部H1~H4に関する状態信号(排水ポンプ状態信号)は、4台の排水ポンプP1~P4が作動して水を排水している場合にハイ(Hi)レベルとなり、4台の排水ポンプP1~P4が作動することなく水を排水していない場合にはロー(Low)レベルとなるステップ信号である。
【0026】
制御部2は、上記止水板状態信号及び排水ポンプ状態信号を入力部1から取り込むことにより表示部3を制御する。すなわち、この制御部2は、止水板状態信号及び排水ポンプ状態信号に基づいて複数の操作対象物(7つの止水板W1~W7及び4台の排水ポンプP1~P4)の作動状態を示す防災支援画像Gを生成する画像生成部である。
【0027】
詳細については後述するが、上記防災支援画像Gは、操作対象物(7つの止水板W1~W7及び4台の排水ポンプP1~P4)の防災対象施設における配置とともに当該操作対象物の作動状態を示す白黒またはカラー画像である。制御部2は、このような防災支援画像Gの生成に加えて、時間の経過とともに変化し得る操作対象物の作動状態に応じて防災支援画像Gを適宜更新する。
【0028】
表示部3は、制御部2から入力される画像信号に基づいて上記防災支援画像Gを画面表示する。この表示部3は、防災対象施設の防災担当者が視認可能な場所に設置されている。防災担当者は、表示部3に表示される防災支援画像Gを視認することにより、複数の操作対象物(7つの止水板W1~W7及び4台の排水ポンプP1~P4)の作動状態を確認することができる。
【0029】
次に、本実施形態に係る防災支援装置Cの動作について、
図1及び
図3を参照して詳しく説明する。
【0030】
防災支援装置Cが起動すると、制御部2は、初期支援画像Gaを生成する(ステップS1)。そして、制御部2は、初期支援画像Gaを表示部3に出力することにより表示させる(ステップS2)。なお、防災支援装置Cは、水害対策が必要になると、防災担当者によって起動される。
【0031】
初期支援画像Gaは、防災支援装置Cが起動した直後に制御部2が生成する防災支援画像Gであり、防災対象施設における操作対象物(7つの止水板W1~W7及び4台の排水ポンプP1~P4)の配置のみを示している。すなわち、防災支援装置Cが起動した直後では、入力部1が第1~第7板駆動部D1~D7及び第1~第4ポンプ駆動部H1~H4から状態信号を取得していないので、制御部2は予め記憶している操作対象物の配置情報に基づいて初期支援画像Gaを生成する。
【0032】
ここで、防災対象施設の水害対策において、防災担当者は、浸水の虞がある場合に第1~第7板駆動部D1~D7を順次操作して7つの止水板W1~W7を作動させ、以って防災対象施設の止水を防止させる。しかしながら、防災対象施設には合計で7つもの止水板W1~W7が備えられているので、防災担当者は、作動済みの止水板W1~W7と未作動の止水板W1~W7とを的確に把握し得ないことがある。
【0033】
防災担当者が作動させ忘れた止水板W1~W7が1つでもあると、防災対象施設に水が流入して浸水する虞がある。したがって、7つの止水板W1~W7を確実に作動させることは、防災対象施設の水害対策において極めて重要な事項である。
【0034】
また、7つ全ての止水板W1~W7を作動させても防災対象施設が浸水する場合がある。この浸水に対して、防災担当者は、第1~第4ポンプ駆動部H1~H4を順次操作して4台の排水ポンプP1~P4を作動させる。これによって、防災対象施設内の水を外部に排水して、防災対象施設における浸水高さを抑制させる。
【0035】
この場合、4台の排水ポンプP1~P4を全て作動させることによって防災対象施設内の水を効率よく外部に排水することができるが、一部の排水ポンプP1~P4が作動していない場合には、防災対象施設内の水を効率よく外部に排水することができない。この結果、防災対象施設における浸水高さを十分に抑制することができず、浸水被害を増大させることになる。
【0036】
このような防災対象施設の水害対策の実施過程において、防災支援装置Cの入力部1は、第1~第7板駆動部D1~D7及び第1~第4ポンプ駆動部H1~H4から状態信号を順次受け付ける。すなわち、第1~第7板駆動部D1~D7及び第1~第4ポンプ駆動部H1~H4のいずれかが防災担当者によって操作されて7つの止水板W1~W7及び4台の排水ポンプP1~P4のいずれかが作動すると、当該作動は入力部1において状態信号として取得される。
【0037】
防災支援装置Cの制御部2は、入力部1から状態信号を取得し(ステップS3)、当該状態信号に基づいて操作対象物の作動を判断する(ステップS4)。上記ステップS3は、本発明における第1工程である。そして、制御部2は、状態信号に基づいて第1通常支援画像Gbを生成する(ステップS5)。このステップS5は、本発明における第2工程である。
【0038】
この第1通常支援画像Gbは、
図4に示すように操作対象物の作動を示すように初期支援画像Gaを更新したものである。制御部2は、このような第1通常支援画像Gbを表示部3に出力することにより表示させる(ステップS6)。このステップS6は、本発明における第3工程である。
【0039】
図4は、第1通常支援画像Gbの一例を示す模式図である。この第1通常支援画像Gbは、4台の排水ポンプP1~P4がみ作動、かつ第1~第3止水板W1~W3のみが作動した状態を示している。すなわち、第1通常支援画像Gbでは、作動済みの止水板W1~W3がクロスハッチが施された態様で表示され、未作動の止水板W4~W7が白抜きされた態様で表示されている。
【0040】
防災担当者は、このような第1通常支援画像Gbを視認することにより、第4~第7板駆動部D4~D7をさらに操作して4つの止水板W4~W7を作動させる必要があることを容易に認識することができる。したがって、防災担当者は、7つの止水板W1~W7及び4台の排水ポンプP1~P4というように操作対象物が複数存在する場合でも防災対策を的確に実施することができる。
【0041】
このような第1通常支援画像Gbは、7つの止水板W1~W7の作動状態が変化することにより時系列的に順次更新される。すなわち、防災担当者が第4板駆動部D4を新たに操作して第4止水板W4が作動すると、第1通常支援画像Gbにおける第4止水板W4は、白抜きの表示態様からクロスハッチの表示態様に更新される。
【0042】
また、
図4は、第2通常支援画像Gbの一例を示す模式図である。この第2通常支援画像Gbは、浸水した防災対象施設から水を外部に排水する状況における防災支援画像Gであり、4台の排水ポンプP1~P4のうち、第1~第3排水ポンプP1~P3がクロスハッチの表示態様になっており、第4排水ポンプP4が白抜きの表示態様である。
【0043】
すなわち、この第2通常支援画像Gbは、第1~第3排水ポンプP1~P3は作動しているものの、第4排水ポンプP4が未作動であることを示している。この状態では、第4排水ポンプP4が未作動なので、防災対象施設から水を効率よく排水することができない。防災担当者は、第2通常支援画像Gbを視認することによって、第4排水ポンプP4の作動の必要を容易かつ迅速に判断することができる。
【0044】
ここで、複数の操作対象物(7つの止水板W1~W7及び4台の排水ポンプP1~P4)いずれかが作動を停止すると、この作動停止は状態信号として防災支援装置Cの入力部1に入力される。制御部2は、入力部1から入力される状態信号に基づいて操作対象物の作動停止を判断すると(ステップS7)、防災支援画像Gの表示を変更する(ステップS8)。
【0045】
すなわち、制御部2は、作動停止した操作対象物をクロスハッチの表示態様から白抜きの表示態様に変更した防災支援画像Gを生成して表示部3に出力する。この結果、表示部3に表示される防災支援画像Gが変更される。そして、制御部2は、ステップS3の処理を再度行うことにより、操作対象物(7つの止水板W1~W7及び4台の排水ポンプP1~P4)の作動/未作動に応じて内容が時系列的に順次変化する防災支援画像Gを表示部3に表示させる。
【0046】
このような本実施形態によれば、防災対策に関する複数の操作対象物(7つの止水板W1~W7及び4台の排水ポンプP1~P4)について、当該操作対象物の作動状態を取得する入力部1と、各々の操作対象物について作動状態を示す防災支援画像Gを生成する制御部2(画像生成部)と、防災支援画像Gを表示する表示部3とを備えるので、防災担当者は水害に対する防災対策を的確に実施することができる。
【0047】
すなわち、本実施形態によれば、操作対象物が複数存在する場合でも防災対策を的確に実施し得る防災支援装置C及び当該防災支援装置Cを用いた防災支援方法を提供することができる。
【0048】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では、水害に対する防災対策について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、強風対策における扉や窓の施錠、大雪対策における屋外設置の機器や設備は、防災対策に関する複数の操作対象物である。したがって、本発明は、風害や風水害等、水害以外の防災対策にも適用可能である。
【0049】
(2)上記実施形態では、未作動の操作対象物を白抜きの表示態様とし、作動中の操作対象物をクロスハッチの表示態様としたが、本発明はこれに限定されない。操作対象物の表示態様は、未作動の操作対象物と作動中の操作対象物との識別が容易となるように設定すればよく、例えば色の違いによって未作動の操作対象物と作動中の操作対象物とを表示してもよい。
【0050】
(3)上記実施形態では、排水ポンプP1~P4及び止水板W1~W7を操作対象物としたが、本発明はこれに限定されない。操作対象物としては、排水ポンプP1~P4及び止水板W1~W7の他に土のうの設置、下水道の逆流防止のためのバルブ等の閉鎖、マンホールの固定、扉の施錠、用水路のゲート閉鎖、低いところの車両や物品の移動等、様々な作業が考えられる。
【0051】
(4)
図2のブロック図に示した防災支援装置Cの構成はあくまでも一例である。また、
図3のフローチャートに示した防災支援装置Cの動作はあくまでも一例である。本発明は
図2の構成や
図3の動作に限定されない。
【符号の説明】
【0052】
A 施設壁
C 防災支援装置
D1~D7 第1~第7板駆動部
H1~H4 第1~第4ポンプ駆動部
G 防災支援画像
P1~P4 排水ポンプ
W1~W7 止水板
1 入力部
2 制御部
3 表示部