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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040858
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】コイルの配置方法およびコイル置き場
(51)【国際特許分類】
   B65G 63/00 20060101AFI20240318BHJP
   B66F 9/18 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
B65G63/00 B
B66F9/18 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145488
(22)【出願日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100168985
【弁理士】
【氏名又は名称】蜂谷 浩久
(72)【発明者】
【氏名】尾花 勲
(72)【発明者】
【氏名】小山 輝
(72)【発明者】
【氏名】大石 典生
【テーマコード(参考)】
3F333
【Fターム(参考)】
3F333AA02
3F333AE15
(57)【要約】
【課題】フォークリフトを用いてコイルを運搬しやすいコイルの配置方法およびコイル置き場を提供する。
【解決手段】帯状物が巻かれて形成されたコイル2を、平面状のコイル置き場31のラインパターン41の上に配置する。ラインパターン41は、コイル置き場31を平面視したときに、H字状であり、コイル2の径方向7とラインパターン41の線方向45とが一致する向きで、コイル2を配置する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状物が巻かれて形成されたコイルを、平面状のコイル置き場のラインパターン上に配置する方法であって、
前記ラインパターンは、前記コイル置き場を平面視したときに、H字状であり、
前記コイルの径方向と前記ラインパターンの線方向とが一致する向きで、前記コイルを配置する、コイルの配置方法。
【請求項2】
前記コイル置き場を平面視したときに、
2個の前記ラインパターンが横方向に隣接して存在し、
左側の前記ラインパターンの右縦線と、右側の前記ラインパターンの左縦線とが一体化している、請求項1に記載のコイルの配置方法。
【請求項3】
前記コイル置き場を平面視したときに、
2個の前記ラインパターンが横方向に隣接して存在し、
左側の前記ラインパターンの右縦線と、右側の前記ラインパターンの左縦線とが離間している、請求項1に記載のコイルの配置方法。
【請求項4】
前記コイル置き場を平面視したときに、
前記コイル置き場は、縦方向に短辺、横方向に長辺を有する長方形状であり、
前記コイル置き場の縦方向には、前記ラインパターンが1個だけ存在する、請求項2または3に記載のコイルの配置方法。
【請求項5】
前記帯状物が金属帯である、請求項1~3のいずれか1項に記載のコイルの配置方法。
【請求項6】
前記帯状物が鋼帯である、請求項1~3のいずれか1項に記載のコイルの配置方法。
【請求項7】
前記ラインパターン上には、前記コイルを支持するコイル架台が設置されており、
前記コイルを、前記コイル架台に支持させる、請求項1~3のいずれか1項に記載のコイルの配置方法。
【請求項8】
ラインパターンを有し、
前記ラインパターン上に、帯状物が巻かれて形成されたコイルを支持するコイル架台が設置された、平面状のコイル置き場であって、
前記ラインパターンは、前記コイル置き場を平面視したときに、H字状であり、
前記コイルの径方向と前記ラインパターンの線方向とが一致する向きで前記コイルが支持されるように、前記コイル架台が設置されている、コイル置き場。
【請求項9】
前記コイル置き場を平面視したときに、
2個の前記ラインパターンが横方向に隣接して存在し、
左側の前記ラインパターンの右縦線と、右側の前記ラインパターンの左縦線とが一体化している、請求項8に記載のコイル置き場。
【請求項10】
前記コイル置き場を平面視したときに、
2個の前記ラインパターンが横方向に隣接して存在し、
左側の前記ラインパターンの右縦線と、右側の前記ラインパターンの左縦線とが離間している、請求項8に記載のコイル置き場。
【請求項11】
前記コイル置き場を平面視したときに、
前記コイル置き場は、縦方向に短辺、横方向に長辺を有する長方形状であり、
前記コイル置き場の縦方向には、前記ラインパターンが1個だけ存在する、請求項9または10に記載のコイル置き場。
【請求項12】
前記帯状物が金属帯である、請求項8~10のいずれか1項に記載のコイル置き場。
【請求項13】
前記帯状物が鋼帯である、請求項8~10のいずれか1項に記載のコイル置き場。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイルの配置方法およびコイル置き場に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、帯状物(例えば、鋼帯などの金属帯)が、ロール状に一方向に巻かれて形成されたコイルが知られている。コイルは、一方の側面から他方の側面に貫通する穴を、中心部に有する。
【0003】
鉄鋼製品などを製造する際に、コイルを、屋外等に設けられた平面状のコイル置き場に一時的に保管(配置)して、その前後の工程で処理するコイル数を制御することがある。
通常、後工程の方が一度に処理できるコイル数が少ないため、コイル置き場には、常時一定数のコイルが配置される。
【0004】
コイル置き場には、通常、コイルを支持するパレット(コイル架台)が設置されている。コイルは、その側面(中心部に穴が開いた面)が垂直面となる向きで、コイル架台に支持される。このとき、コイルの外周面の一部が、コイル架台に接する。
【0005】
コイル架台に支持されたコイルを、コイル置き場から他の場所(または、他の場所からコイル置き場)に運搬する場合、フォークリフトを使用する。
特許文献1には、フォークリフトのフォークから吊り下がるフックを用いて、コイルを運搬する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10-218593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された技術は、径が大きいコイルには、適用できない場合がある。
そこで、フォークを1本の太い丸棒に交換したフォークリフトを使用する。具体的には、丸棒をコイル架台に支持されたコイルの穴に差し込み、丸棒をコイルごと持ち上げる。
コイルを置く(コイル架台に支持させる)場合には、同じフォークリフトを使用して、逆の動作を実行する。
こうして、径が大きいコイルであっても、フォークリフトを使用して運搬できる。
したがって、コイル置き場において、コイルの側面(穴が開いた面)側には、フォークリフトが入れる空間が必要である。
【0008】
本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであり、フォークリフトを用いてコイルを運搬しやすいコイルの配置方法およびコイル置き場を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、下記構成を採用することにより、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
すなわち、本発明は、以下の[1]~[13]を提供する。
[1]帯状物が巻かれて形成されたコイルを、平面状のコイル置き場のラインパターン上に配置する方法であって、上記ラインパターンは、上記コイル置き場を平面視したときに、H字状であり、上記コイルの径方向と上記ラインパターンの線方向とが一致する向きで、上記コイルを配置する、コイルの配置方法。
[2]上記コイル置き場を平面視したときに、2個の上記ラインパターンが横方向に隣接して存在し、左側の上記ラインパターンの右縦線と、右側の上記ラインパターンの左縦線とが一体化している、上記[1]に記載のコイルの配置方法。
[3]上記コイル置き場を平面視したときに、2個の上記ラインパターンが横方向に隣接して存在し、左側の上記ラインパターンの右縦線と、右側の上記ラインパターンの左縦線とが離間している、上記[1]または[2]に記載のコイルの配置方法。
[4]上記コイル置き場を平面視したときに、上記コイル置き場は、縦方向に短辺、横方向に長辺を有する長方形状であり、上記コイル置き場の縦方向には、上記ラインパターンが1個だけ存在する、上記[2]または[3]に記載のコイルの配置方法。
[5]上記帯状物が金属帯である、上記[1]~[4]のいずれかに記載のコイルの配置方法。
[6]上記帯状物が鋼帯である、上記[1]~[5]のいずれかに記載のコイルの配置方法。
[7]上記ラインパターン上には、上記コイルを支持するコイル架台が設置されており、上記コイルを、上記コイル架台に支持させる、上記[1]~[6]のいずれかに記載のコイルの配置方法。
[8]ラインパターンを有し、上記ラインパターン上に、帯状物が巻かれて形成されたコイルを支持するコイル架台が設置された、平面状のコイル置き場であって、上記ラインパターンは、上記コイル置き場を平面視したときに、H字状であり、上記コイルの径方向と上記ラインパターンの線方向とが一致する向きで上記コイルが支持されるように、上記コイル架台が設置されている、コイル置き場。
[9]上記コイル置き場を平面視したときに、2個の上記ラインパターンが横方向に隣接して存在し、左側の上記ラインパターンの右縦線と、右側の上記ラインパターンの左縦線とが一体化している、上記[8]に記載のコイル置き場。
[10]上記コイル置き場を平面視したときに、2個の上記ラインパターンが横方向に隣接して存在し、左側の上記ラインパターンの右縦線と、右側の上記ラインパターンの左縦線とが離間している、上記[8]または[9]に記載のコイル置き場。
[11]上記コイル置き場を平面視したときに、上記コイル置き場は、縦方向に短辺、横方向に長辺を有する長方形状であり、上記コイル置き場の縦方向には、上記ラインパターンが1個だけ存在する、上記[9]または[10]に記載のコイル置き場。
[12]上記帯状物が金属帯である、上記[8]~[11]のいずれかに記載のコイル置き場。
[13]上記帯状物が鋼帯である、上記[8]~[12]のいずれかに記載のコイル置き場。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、フォークリフトを用いてコイルを運搬しやすいコイルの配置方法およびコイル置き場を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】コイルを示す斜視図である。
図2】コイル架台に支持されたコイルを示す側面図である。
図3】フォークリフトを示す側面図である。
図4】第1実施形態のコイル置き場を示す平面図である。
図5】第2実施形態のコイル置き場を示す平面図である。
図6】比較形態のコイル置き場を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〈コイルおよびコイル架台〉
図1は、コイル2を示す斜視図である。
コイル2は、帯状物1が一方向に何周も巻かれて形成されたロール体である。
帯状物1の素材としては、特に限定されず、例えば、金属、樹脂、紙などが挙げられ、なかでも、アルミニウム、鋼などの金属が好ましく、鋼がより好ましい。すなわち、帯状物1としては、金属帯が好ましく、鋼帯がより好ましい。
【0014】
コイル2の中心部には、一方の側面3aから他方の側面3b(図1には図示せず)に貫通する穴4が設けられている。コイル2の側面3aおよび側面3bをまとめて「側面3」と表記する。つまり、コイル2の側面3に、穴4が開いている。
コイル2の外周面5は、帯状物1がほどけないように、バンド6で拘束されている。
【0015】
図2は、コイル架台11に支持されたコイル2を示す側面図である。図2では、バンド6の図示は省略している(他の図においても同様)。
図2に示すように、コイル2は、側面3が垂直面となる向きで、コイル架台11に支持される。つまり、コイル2は、例えば、側面3(側面3aまたは側面3b)が水平面となる向きでは、支持されない。
図2に示すコイル架台11は、一例として、コイル2の外周面5の一部が嵌まる凹部形状を有する部材である。この凹部に嵌まることにより、コイル2は、コイル架台11に支持(位置保持)される。
ただし、コイル架台11は、コイル2が転がらないように位置保持できる構造であれば、特に限定されず、その素材も特に限定されない。
【0016】
通常、帯状物1の幅よりも、コイル2の直径の方が大きい。
このため、コイル2を支持するコイル架台11は、後述する図4に示すように、上方から見たとき(コイル置き場31を平面視したとき)に、長方形である。
【0017】
〈フォークリフト〉
図3は、フォークリフト21を示す側面図である。
図3に示すフォークリフト21は、カウンタバランス型であり、車体22の後部にバランスウェイト23が設けられ、更に、ヘッドガード24、マスト25、リフトシリンダ26およびティルトシリンダ27を備える。マスト25には、バックレスト28が昇降自在に取り付けられている。
通常は、バックレスト28には、一対のフォーク(図示せず)が取り付けられているが、図3に示すフォークリフト21においては、これに代えて、1本の太い丸棒29が取り付けられている。
丸棒29の直径は、コイル2の穴4の直径よりも小さい。このため、丸棒29をコイル2の穴4に差し込みできる。丸棒29の素材は、特に限定されず、例えば、フォークと同様の素材が挙げられる。
【0018】
〈コイル置き場〉
以下では、図4に基づいて第1実施形態を説明し、次いで、図5に基づいて第2実施形態を説明する。
【0019】
《第1実施形態》
図4は、第1実施形態のコイル置き場31を示す平面図である。
平面状のコイル置き場31には、複数のコイル2が配置されている。コイル置き場31は、屋外に設けられているが、屋内であってもよい。
より詳細には、コイル2は、コイル置き場31のラインパターン41の上に配置されている。すなわち、複数のコイル2が、ラインパターン41に沿って配置されている。
ラインパターン41は、コイル置き場31に実際に描画された実線である必要はなく、仮想線でよい。図4に破線で示すラインパターン41は、仮想線である。
ラインパターン41は、図4に示すように、コイル置き場31を平面視したときに、H字状である。より詳細には、H字状であるラインパターン41は、左縦線42、右縦線43および横線44からなる。
コイル置き場31においては、H字状であるラインパターン41の左縦線42、右縦線43および横線44によって、フォークリフト21が入り込める凹部領域34が形成されている。
【0020】
コイル2は、コイル2の径方向7とラインパターン41の線方向45とが一致する向きで、配置される。径方向7および線方向45は、図4中において、矢印で示している(他の図においても同様)。
ラインパターン41の線方向45は、左縦線42または右縦線43であれば縦方向(図4中の上下方向)であり、横線44であれば横方向(図4中の左右方向)である。
【0021】
コイル置き場31のラインパターン41の上には、実際には、コイル架台11が設置されており、コイル2は、コイル架台11に配置されて、支持される。
コイル架台11は、支持するコイル2の径方向7とラインパターン41の線方向45とが一致する向きで設置されている。すなわち、コイル置き場31を平面視したときに、長方形であるコイル架台11は、その短辺側が、隣接する別のコイル架台11の短辺側と対面する向きで、設置されている。
【0022】
このように配置されたコイル2の両方の側面3(側面3aまたは側面3b)と対面する領域には、障害物等は無い。
このため、側面3aおよび側面3bのどちら側からでも、フォークリフト21はコイル2に近接して、丸棒29を穴4に差し込み、コイル2を持ち上げることができる。
また、フォークリフト21がコイル架台11に近接して、逆の動作を実行して、コイル2をコイル架台11に置く(支持させる)ことができる。
すなわち、フォークリフト21を用いてコイル2を運搬しやすい。
【0023】
ところで、帯状物1が一方向に巻かれて形成されたコイル2には、巻き向きがある。
通常、コイル2は、その巻き向きが考慮されずに、コイル置き場31の空いている箇所(コイル架台11)に置かれる。このため、コイル置き場31に配置されたコイル2の巻き向きは、ランダムである。
このようなコイル2を、フォークリフト21を使用して、コイル置き場31から搬出する際に、需要家の要求により、特定の巻き向きに揃えて搬出することがある。
その場合、搬出するコイル2の一方の側面3aと対面する領域にフォークリフト21を近接させる。そして、コイル2の側面3aから見た巻き向きが、希望する巻き向き(例えば「左回り」)である場合は、そのまま、フォークリフト21の丸棒29を、側面3aから穴4に差し込み、コイル2を搬出する。
一方で、コイル2の側面3aから見た巻き向きが「右回り」であり、希望する「左回り」ではない場合もある。その場合は、フォークリフト21を、コイル2の他方の側面3bと対面する領域に移動させる。側面3bから見た巻き向きは、希望する「左回り」であるため、丸棒29を、側面3bから穴4に差し込み、コイル2を搬出する。
こうして、コイル2を特定の巻き向きに揃えてコイル置き場31から搬出できる。
第1実施形態においては、コイル2の側面3aおよび側面3bのどちら側にもフォークリフト21は近接できるため、希望する巻き向きでコイル2を搬出しやすい。
【0024】
《第2実施形態》
図5は、第2実施形態のコイル置き場31を示す平面図である。上述した第1実施形態と同じ部分については同じ符号で示し、説明を省略する。
第2実施形態では、図5に示すように、コイル置き場31を平面視したときに、4個のラインパターン41が横方向(図5中の左右方向)に互いに隣接して存在している。
並列する4個のラインパターン41について、それぞれ、左側から順に、ラインパターン41a、ラインパターン41b、ラインパターン41c、および、ラインパターン41dと呼ぶ。
【0025】
H字状のラインパターン41aの右縦線43と、H字状のラインパターン41bの左縦線42とは、一体化しており、一体化縦線46となっている。
同様に、H字状のラインパターン41cの右縦線43と、H字状のラインパターン41dの左縦線42とについても、一体化しており、一体化縦線46となっている。
【0026】
一方で、ラインパターン41bの右縦線43と、ラインパターン41cの左縦線42とは離間しており、両者の間には、フォークリフト21が通行自在な通路(内部通路32)が形成されている。内部通路32の幅(図5中の左右方向の距離)は、例えば、フォークリフト21が1台分である。
更に、コイル置き場31においては、4個のラインパターン41も周囲にも、フォークリフト21が通行自在な通路(外部通路33)が確保されている。
【0027】
コイル置き場31を平面視したときに、コイル置き場31は、縦方向(図5中の上下方向)に短辺、横方向(図5中の左右方向)に長辺を有する長方形状である。
第2実施形態においては、4個のラインパターン41が存在するが、コイル置き場31の縦方向には、ラインパターン41は1個だけ存在する。
【0028】
第2実施形態においても、コイル2は、コイル2の径方向7とラインパターン41の線方向45とが一致する向きで、配置される。
このため、コイル2の側面3と対面する領域には障害物等は無く、側面3aおよび側面3bのどちら側からでも、フォークリフト21はコイル2に近接して、丸棒29を穴4に差し込み、コイル2を持ち上げることができる。すなわち、フォークリフト21を用いてコイル2を運搬しやすい。
また、第2実施形態においても、コイル2の側面3aおよび側面3bのどちら側にもフォークリフト21は近接できるため、希望する巻き向きでコイル2を搬出しやすい。
【0029】
第2実施形態では、2個のラインパターン41が一体化して一体化縦線46を形成しているが、一体化するラインパターン41の数は、2個に限定されない。
例えば、3個のラインパターン41(例えば、ラインパターン41a、ラインパターン41bおよびラインパターン41c)が一体化していてもよい。
もっとも、一体化するラインパターン41の数が多すぎると、フォークリフト21が通行できる内部通路32の数も少なくなり、1つのラインパターン41から別のラインパターン41に移動しにくい場合がある。
このため、一体化するラインパターン41の数は、3個以下が好ましく、2個以下がより好ましい。
【0030】
《比較形態》
図6は、比較形態のコイル置き場51を示す平面図である。上述した第1~第2実施形態と同じ部分については同じ符号で示し、説明を省略する。
比較形態のコイル置き場51の形状およびサイズは、第2実施形態のコイル置き場31(図5参照)と同じである。
【0031】
比較形態においても、上述した第1~第2実施形態と同様に、コイル2は、コイル置き場51のラインパターン61に沿って配置される。より詳細には、ラインパターン61の上には、コイル架台11(図6では図示せず)が設置されており、コイル2は、コイル架台11に支持される。
ただし、図6に示すように、比較形態のラインパターン61は、コイル置き場51を平面視したときに、コの字状(U字状)であり、2本の縦線62および縦線63と、それらの端部どうしを連結する横線64とからなる。
コイル置き場51においては、コの字状(U字状)のラインパターン61によって、フォークリフト21が入り込める凹部領域53が形成されている。
【0032】
コイル置き場51には、10個のラインパターン61が存在する。より詳細には、5個のラインパターン61からなる上段部と、別の5個のラインパターン61からなる下段部とが存在する。上段部と下段部との間は、フォークリフト21の通路(中央通路52)である。フォークリフト21は、中央通路52の両端の開口(開口54および開口55)からしか、コイル置き場51には入れない。
【0033】
代表的に、図6中の左上に存在し、横方向に隣接する2個のラインパターン61を、左側から順に、ラインパターン61aおよびラインパターン61bと呼ぶ。
ラインパターン61aの縦線63と、ラインパターン61bの縦線62とは、一体化しておらず、並存している。他の隣接する2個のラインパターン61どうしも同様である。
【0034】
《第1~第2実施形態と比較形態との対比》
(対比その1)
比較形態のコイル置き場51において、例えば、ラインパターン61aの縦線63の上に配置された1個のコイル2(便宜的に「コイル2i」とも呼ぶ)に着目する。
コイル2iの側面3bと対面する領域には、別のコイル2(またはコイル架台11)が存在するので、フォークリフト21が近接できない。
このため、コイル置き場51からコイル2iを搬出するためには、反対側の側面3aと対面する領域にフォークリフト21を近接させることを要する。
このとき、上述したように、コイル2iの側面3aから見た巻き向きが、希望する巻き向きではない場合もある。その場合は、反対(側面3b)側の領域にはフォークリフト21が近接できないので、一旦、側面3aから穴4に丸棒29を差し込み、コイル2iを持ち上げて運搬し、別の場所に一時的に置く。そして、一時的に置いたコイル2iの反対(側面3b)側に回り、改めて、側面3bから穴4に丸棒29を差し込み、コイル2iを搬出する。
このように、比較形態においては、希望する巻き向きでコイル2を搬出することが、非常に煩雑となる場合がある。
これに対して、第1~第2実施形態においては、上述したように、コイル2の側面3aおよび側面3bのどちら側にもフォークリフト21は近接できるため、希望する巻き向きでコイル2を搬出しやすい。
【0035】
(対比その2)
比較形態のコイル置き場51において、中央通路52の幅(図6中の上下方向の距離)は、フォークリフト21が1台分である。このため、複数台のフォークリフト21が中央通路52をすれ違えないので、1台での運用しかできない。
また、中央通路52の幅として、複数台のフォークリフト21がすれ違える距離を確保しても、フォークリフト21が通行できる通路としては、中央通路52のみであるため、フォークリフト21どうしの動線が重なりやすい。
例えば、2台のフォークリフト21の動線が重なる場合、そのうち1台は、近くの凹部領域53に入り込み、別の1台が通過するまで退避することを要する。
これに対して、第2実施形態では、フォークリフト21が通行できる通路としては、内部通路32だけでなく、外部通路33も設けられているため、フォークリフト21が複数台であっても、各々の動線は重なりにくい。
【0036】
(対比その3)
比較形態のコイル置き場51において、フォークリフト21が通行できる通路は、中央通路52のみである。このため、凹部領域53から別のコイル置き場(図示せず)に移動する場合には、中央通路52を経由して、開口54または開口55から出る必要がある。すなわち、中央通路52を必ず通るので、フォークリフト21の移動距離が長くなり、コイル2の運搬に無駄な時間がかかりやすい。
これに対して、第2実施形態においては、凹部領域34から別のコイル置き場(図示せず)に移動する場合には、凹部領域34から周囲の外部通路33に出るだけでよい。このため、フォークリフト21の移動距離も短くなり、効率良くコイル2を運搬できる。
【0037】
(対比その4)
コイル置き場31(第2実施形態)に配置できるコイル2の個数は、同じサイズのコイル置き場51(比較形態)に配置できるコイル2の個数よりも少ない。
しかし、コイル置き場31に配置されているコイル2は、在庫に相当する。在庫管理の観点からは、在庫が少ない方がよい。したがって、コイル置き場31に配置できるコイル2の個数は、少なくてもよい。
搬入されるコイル2と搬出されるコイル2との個数を調整する一時置き場としては、古いコイル2が溜まらずに、容易にコイル2を取り出せることが好ましい。
上述したように、コイル置き場31(第2実施形態)は、コイル置き場51(比較形態)よりも容易にコイル2を搬出できるので、配置できるコイル2の個数が少なくても、一時置きとしての能力は低減しない。
【符号の説明】
【0038】
1:帯状物
2、2i:コイル
3、3a、3b:側面
4:穴
5:外周面
6:バンド
7:径方向
11:コイル架台
21:フォークリフト
22:車体
23:バランスウェイト
24:ヘッドガード
25:マスト
26:リフトシリンダ
27:ティルトシリンダ
28:バックレスト
31:コイル置き場
32:内部通路
33:外部通路
34:凹部領域
41、41a、41b、41c、41d:ラインパターン
42:左縦線
43:右縦線
44:横線
45:線方向
46:一体化縦線
51:コイル置き場(比較形態)
52:中央通路
53:凹部領域
54:開口
55:開口
61、62a、62b:ラインパターン(比較形態)
62:縦線
63:縦線
64:横線
図1
図2
図3
図4
図5
図6