(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040950
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】接地極の施工方法
(51)【国際特許分類】
H01R 43/00 20060101AFI20240318BHJP
H01R 4/66 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
H01R43/00 D
H01R4/66 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145625
(22)【出願日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】307038724
【氏名又は名称】君岡 誠治
(74)【代理人】
【識別番号】100085316
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 三雄
(74)【代理人】
【識別番号】100171572
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100213425
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 正憲
(74)【代理人】
【識別番号】100221707
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100104259
【弁理士】
【氏名又は名称】寒川 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100224915
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 茉友
(74)【代理人】
【識別番号】100229116
【弁理士】
【氏名又は名称】日笠 竜斗
(72)【発明者】
【氏名】君岡 誠治
【テーマコード(参考)】
5E051
【Fターム(参考)】
5E051EA02
5E051EA03
(57)【要約】
【課題】 本発明は、高所作業を行うことなく、地上作業で接地極杭を地中に埋設できる接地極の施工方法を提供する。
【解決手段】 本発明は、地面Eから凹深さH1を有する凹穴25を形成する掘削工程S1と、円形下穴26を凹底面25Aから接地極杭1の杭長さLより短い下穴長さLUを有して凹穴25より下層の土層Rに形成する下穴形成工程S2と、接地極杭1を、一方の杭端が円形穴26の穴底26Aに達するまで円形下穴26に挿入する杭挿入工程S3と、接地極杭1の他方の杭端1Bを打撃して、接地極杭1を円形下穴26より下層の土層Rに打ち込む杭打込み工程S4を含んで成る。接地極杭1は、凹穴25の凹深さH1と、円形下穴26の下穴長さLUと、0mmを超え2000mm未満の長さとを加算した杭長さLを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電金属材で形成され、杭長さ方向の一方の杭端側に尖端部を有すると共に、杭長さ方向に直交する断面を円形にした接地極杭を備える接地極の施工方法であって、
地面から土層を掘削して、地面から凹深さを有する凹穴を形成する掘削工程と、
前記接地極杭の最大直径より大きい直径を有する円形下穴を、前記凹穴の凹底面に円形に開口すると共に、前記凹底面から前記接地極杭の杭長さより短い下穴長さを有して、前記凹穴より下層の土層に形成する下穴形成工程と、
前記接地極杭を前記円形下穴に挿入する杭挿入工程と、
前記円形下穴に挿入した前記接地極杭の他方の杭端を打撃して、前記尖端部及び前記尖端部に続く前記接地極杭を、前記円形下穴より下層の土層に打ち込むと共に、前記接地極杭の他方の杭端側を前記凹穴内に配置する杭打込み工程と、を含んでなり、
前記杭挿入工程は、前記凹穴の凹深さと、前記円形下穴の下穴長さと、0mmを超えて2000mm未満の長さと、を加算した杭長さを有する接地極杭を、一方の杭端から前記凹穴及び前記円形下穴の順に挿入すると共に、前記接地極杭を、一方の杭端が前記円形下穴の穴底に達するまで挿入する
ことを特徴とする接地極の施工方法。
【請求項2】
前記凹穴内に配置した前記接地極杭の他方の杭端に電気導線の一方の線端を電気的に接続すると共に、前記電気導線の他方の線端側を前記凹穴から地上に引き出す導線引出工程と、
掘削した土を前記凹穴に埋め戻して、前記凹穴内に配置した前記接地極杭の他方の杭端側及び前記電気導線の一方の線端側を地中に埋設する埋戻し工程と、
を含んでなることを特徴とする請求項1に記載の接地極の施工方法。
【請求項3】
前記接地極杭は、
杭長さL=3000mm~5000mmの範囲の任意の1の杭長さを有し、
前記掘削工程は、
地面から土層を掘削して、地面から750mm~1000mmの範囲の任意の1の凹深さを有る凹穴を形成し、
前記下穴形成工程は、
前記円形下穴を、前記凹底面から前記接地極杭の杭長さの略半分の下穴長さを有して、前記凹穴より下層の土層に形成する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の接地極の施工方法。
【請求項4】
導電金属材で形成され、杭長さ方向の一方の杭端側に尖端部を有すると共に、杭長さ方向に直交する断面を円形にした接地極杭を備える接地極の施工方法であって、
地面から土層を掘削して、地面から凹深さを有する凹穴を形成する掘削工程と、
前記接地極杭の最大直径より大きい直径を有する円形下穴を、前記凹穴の凹底面に円形に開口すると共に、前記凹底面から前記接地極杭の杭長さより短い下穴長さを有して、前記凹穴より下層の土層に形成する下穴形成工程と、
前記接地極杭を前記円形下穴に挿入する杭挿入工程と、
前記円形下穴に挿入した前記接地極杭の他方の杭端を打撃して、前記尖端部及び前記尖端部に続く前記接地極杭を、前記円形下穴より下層の土層に打ち込むと共に、前記接地極杭の他方の杭端側を前記凹穴内に配置する杭打込み工程と、
杭埋設工程と、を含んでなり、
前記杭挿入工程は、前記凹穴の凹深さと、前記円形下穴の下穴長さと、0mmを超え2000mm未満の長さと、を加算した杭長さを有する接地極杭を、一方の杭端から前記凹穴及び前記円形下穴の順に挿入すると共に、前記接地極杭を、一方の杭端が前記円形下穴の穴底まで達するまで挿入し、
前記杭埋設工程は、
前記掘削工程、前記下穴形成工程、前記杭挿入工程、及び前記杭打込み工程を含む工程群を、N回(N=2,3,4,…:正の整数)実施して、前記凹穴より下層の土層にN本の接地極杭を埋設することにより、前記土層に埋設したN本の接地極杭を電気的に並列接続した接地合成抵抗値を、目標値以下にする
ことを特徴とする接地極の施工方法。
【請求項5】
導電金属材で形成され、杭長さ方向の一方の杭端側に尖端部を有すると共に、杭長さ方向に直交する断面を円形にした接地極杭を備える接地極の施工方法であって、
地面から土層を掘削して、地面から凹深さを有する凹穴を形成する掘削工程と、
前記接地極杭の最大直径より大きい直径を有する円形下穴を、前記凹穴の凹底面に円形に開口すると共に、前記凹底面から前記接地極杭の杭長さより短い下穴長さを有して、前記凹穴より下層の土層に形成する下穴形成工程と、
前記接地極杭を前記円形下穴に挿入する杭挿入工程と、
前記円形下穴に挿入した前記接地極杭の他方の杭端を打撃して、前記尖端部及び前記尖端部に続く前記接地極杭を、前記円形下穴より下層の土層に打ち込むと共に、前記接地極杭の他方の杭端側を前記凹穴内に配置する杭打込み工程と、
第1杭埋設工程と、
第2杭埋設工程と、を含んでなり、
前記杭挿入工程は、前記凹穴の凹深さと、前記円形下穴の穴長さと、0mmを超え2000mm未満の長さと、を加算した杭長さを有する接地極杭を、一方の杭端から前記凹穴及び前記円形下穴の順に挿入すると共に、前記接地極杭を、一方の杭端が前記円形下穴の穴底まで達するまで挿入し、
前記第1杭埋設工程は、
前記掘削工程、前記下穴形成工程、前記杭挿入工程、及び前記杭打込み工程を含む工程群を、2回実施して、前記凹穴より下層の土層に2本の接地極杭を埋設し、
前記第2杭埋設工程は、
前記土層に埋設した2本の接地極杭を電気的に並列接続した接地合成抵抗値が、第1目標値を超え第2目標値以下であると、前記工程群を、n回(n=1,2,3,…:正の整数)実施して、前記凹穴より下層の土層にn本の接地極杭を埋設することにより、前記土層に埋設したn+2本の接地極杭を電気的に並列接続した接地合成抵抗値を、前記第1目標値以下にする
ことを特徴とする接地極の施工方法。
【請求項6】
前記第2杭埋設工程は、
前記工程群を、n回(n=1,2,3,4:正の整数)実施する
ことを特徴とする請求項5に記載の接地極の施工方法。
【請求項7】
前記接地極杭は、
杭長さL=3000mm~5000mmの範囲の任意の1の杭長さを有し、
前記掘削工程は、
地面から土層を掘削して、地面から750mm~1000mmの範囲の任意の1の凹深さを有る凹穴を形成し、
前記下穴形成工程は、
前記円形下穴を、前記凹底面から前記接地極杭の杭長さの略半分の下穴長さを有して、前記凹穴より下層の土層に形成する
ことを特徴とする請求項4乃至請求項6の何れかに記載の接地極の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接地極杭を地中(土層)に埋設して、地中に埋設した接地極杭を接地極とする接地極の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力設備について、電気設備に関する技術基準を定める省令(電気事業法)は、電柱に接地された変圧器、避雷器、高圧機器等の電力設備を落雷や漏電から保護するために、電力設備を接地することを義務付けている。接地工事(接地抵抗値)は、電気設備に関する技術基準を定める省令により、電力設備の種類毎に「A種接地工事(接地抵抗値:10(Ω)以下)」、「B種接地工事」、「C種接地工事」及び「D種接地工事」に区分して規定されており、接地極は地面(地表)から750mm以上の深さに埋設しなければならない。
【0003】
また、労働安全衛生法は、墜落による労働者の危険を防止する措置として、地面(地表)から2000mm以上(2m以上)の高さで作業(高所作業)を行う場合には、足場等の作業床を設けることを義務付けている。
【0004】
接地極を地中に埋設する技術として、特許文献1は、接地極の施工方法を開示する。接地極の施工方法(特許文献1)は、掘削工程、及び打込み工程を含んでなる。掘削工程は、地面を掘削して、地面から750mm(75cm)以上の穴深さを有する埋設穴を形成する。打込み工程は、接地極棒の一端(先端部)を埋設穴の穴底面に当てて、接地極棒の他端を打撃して、接地極棒を埋設穴より下層の地中に打込んで埋設する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の接地極の施工方法(特許文献1)では、打込み工程を実施する前において、接地極棒の一端(先端部)を埋設穴の穴底面に当接した際に、埋設穴から地上に突出する接地極棒の他端側の突出量が2000mm以上(2m以上)となると、労働安全衛生法に基づいて、足場等の作業床を用いた高所作業を行う必要がある。
従来の接地極の施工方法(特許文献1)では、埋設穴の穴深さと、2000mm以上の長さとを加算した棒長さを有する接地極棒を埋設穴より下層の地盤に打ち込む際には、
足場等の作業床を用いた高所作業を行う必要がある。
【0007】
本発明は、高所作業を行う必要がなく、地上作業で接地極杭を地中(土層)に埋設できる接地極の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る請求項1は、導電金属材で形成され、杭長さ方向の一方の杭端側に尖端部を有すると共に、杭長さ方向に直交する断面を円形にした接地極杭を備える接地極の施工方法であって、地面から土層を掘削して、地面から凹深さを有する凹穴を形成する掘削工程と、前記接地極杭の最大直径より大きい直径を有する円形下穴を、前記凹穴の凹底面に円形に開口すると共に、前記凹底面から前記接地極杭の杭長さより短い下穴長さを有して、前記凹穴より下層の土層に形成する下穴形成工程と、前記接地極杭を前記円形下穴に挿入する杭挿入工程と、前記円形下穴に挿入した前記接地極杭の他方の杭端を打撃して、前記尖端部及び前記尖端部に続く前記接地極杭を、前記円形下穴より下層の土層に打ち込むと共に、前記接地極杭の他方の杭端側を前記凹穴内に配置する杭打込み工程と、を含んでなり、前記杭挿入工程は、前記凹穴の凹深さと、前記円形下穴の下穴長さと、0mmを超えて2000mm未満の長さと、を加算した杭長さを有する接地極杭を、一方の杭端から前記凹穴及び前記円形下穴の順に挿入すると共に、前記接地極杭を、一方の杭端が前記円形下穴の穴底に達するまで挿入することを特徴とする接地極の施工方法である。
【0009】
本発明に係る請求項2は、前記凹穴内に配置した前記接地極杭の他方の杭端に電気導線の一方の線端を電気的に接続すると共に、前記電気導線の他方の線端側を前記凹穴から地上に引き出す導線引出工程と、掘削した土を前記凹穴に埋め戻して、前記凹穴内に配置した前記接地極杭の他方の杭端側及び前記電気導線の一方の線端側を地中に埋設する埋戻し工程と、を含んでなることを特徴とする請求項1に記載の接地極の施工方法である。
【0010】
本発明に係る請求項3は、前記接地極杭は、杭長さL=3000mm~5000mmの範囲の任意の1の杭長さを有し、前記掘削工程は、地面から土層を掘削して、地面から750mm~1000mmの範囲の任意の1の凹深さを有する凹穴を形成し、前記下穴形成工程は、前記円形下穴を、前記凹底面から前記接地極杭の杭長さの略半分の下穴長さを有して、前記凹穴より下層の土層に形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の接地極の施工方法である。
【0011】
本発明に係る請求項4は、導電金属材で形成され、杭長さ方向の一方の杭端側に尖端部を有すると共に、杭長さ方向に直交する断面を円形にした接地極杭を備える接地極の施工方法であって、地面から土層を掘削して、地面から凹深さを有する凹穴を形成する掘削工程と、前記接地極杭の最大直径より大きい直径を有する円形下穴を、前記凹穴の凹底面に円形に開口すると共に、前記凹底面から前記接地極杭の杭長さより短い下穴長さを有して、前記凹穴より下層の土層に形成する下穴形成工程と、前記接地極杭を前記円形下穴に挿入する杭挿入工程と、前記円形下穴に挿入した前記接地極杭の他方の杭端を打撃して、前記尖端部及び前記尖端部に続く前記接地極杭を、前記円形下穴より下層の土層に打ち込むと共に、前記接地極杭の他方の杭端側を前記凹穴内に配置する杭打込み工程と、杭埋設工程と、を含んでなり、前記杭挿入工程は、前記凹穴の凹深さと、前記円形下穴の下穴長さと、0mmを超え2000mm未満の長さと、を加算した杭長さを有する接地極杭を、一方の杭端から前記凹穴及び前記円形下穴の順に挿入すると共に、前記接地極杭を、一方の杭端が前記円形下穴の穴底に達するまで挿入し、前記杭埋設工程は、前記掘削工程、前記下穴形成工程、前記杭挿入工程、及び前記杭打込みを含む工程群を、N回(N=2,3,4,…:正の整数)実施して、前記凹穴より下層の土層にN本の接地極杭を埋設することにより、前記土層に埋設したN本の接地極杭を電気的に並列接続した接地合成抵抗値を、目標値以下にすることを特徴とする接地極の施工方法である。
【0012】
本発明に係る請求項5は、導電金属材で形成され、杭長さ方向に一方の杭端側に尖端部を有すると共に、杭長さ方向に直交する断面を円形にした接地極杭を備える接地極の施工方法であって、地面から土層を掘削して、地面から凹深さを有する凹穴を形成する掘削工程と、前記接地極杭の最大直径より大きい直径を有する円形下穴を、前記凹穴の穴底面に円形に開口すると共に、前記凹底面から前記接地極杭の杭長さより短い下穴長さを有して、前記凹底面より下層の土層に形成する下穴形成工程と、前記接地極杭を前記円形下穴に挿入する杭挿入工程と、前記円形下穴に挿入した前記接地極杭の他方の杭端を打撃して、前記尖端部及び前記尖端部に続く前記接地極杭を、前記円形下穴より下層の土層に打ち込むと共に、前記接地極杭の他方の杭端側を前記凹穴内に配置する杭打込み工程と、第1杭埋設工程と、第2杭埋設工程と、を含んでなり、前記杭挿入工程は、前記凹穴の凹深さと、前記円形下穴の下穴長さと、0mmを超え2000mm未満の長さと、を加算した杭長さを有する接地極杭を、一方の杭端から前記凹穴及び前記円形下穴の順に挿入すると共に、前記接地極杭を、一方の杭端が前記円形下穴の穴底に達するまで挿入し、前記第1杭埋設工程は、前記掘削工程、前記下穴形成工程、前記杭挿入工程、及び前記杭打込み工程を含む工程群を、2回実施して、前記凹穴より下層の土層に2本の接地極杭を埋設し、前記第2杭埋設工程は、前記土層に埋設した2本の接地極杭を電気的に並列接続した接地合成抵抗値が、第1目標値を超え第2目標値以下であると、前記工程群を、n回(n=1,2,3,4,…:正の整数)実施して、前記凹穴より下層の土層にn本の接地極杭を埋設することにより、前記土層に埋設したn+2本の接地極杭を電気的に並列接続した接地合成抵抗値を、第1目標値以下にすることを特徴とする接地極の施工方法である。
【0013】
本発明に係る請求項6は、前記第2杭埋設工程は、前記工程群を、n回(n=1,2,3,4:正の整数)実施することを特徴とする請求項5に記載の接地極の施工方法である。
【0014】
本発明に係る請求項7は、前記接地極杭は、杭長さL=3000mm~5000mmの範囲の任意の1の杭長さを有し、前記掘削工程は、地面から土層を掘削して、地面から750mm~1000mmの範囲の任意の1の凹深さを有する凹穴を形成し、前記下穴形成工程は、前記円形下穴を、前記凹底面から前記接地極杭の杭長さの略半分の下穴長さを有して、前記凹穴より下層の土層に形成することを特徴とする請求項4乃至請求項6の何れかに記載の接地極の施工方法である。
【0015】
本発明に係る請求項1乃至請求項7では、下穴形成工程は、接地極杭の杭長さより短いチゼル長さを有すると共に、チゼル長さ方向に直交する断面を接地極杭の最大直径と同一又は異なる直径(接地極杭の最大直径より大きい直径)を有する円形に形成したチゼルの一方のチゼル軸端を、前記凹穴の凹底面に向けて配置し、前記チゼルの他方のチゼル軸端を打撃して、チゼルを凹穴より下層の土層に打ち込むと共に、打込んだチゼルを凹穴より下層の土層から引き抜いて、円形下穴を形成する構成も採用できる。
本発明に係る請求項1乃至請求項7では、チゼルは、チゼル長さ方向に直交する断面を接地極杭の最大直径より大きい直径を有する円形に形成され、下穴形成工程は、チゼルの他方のチゼル軸端を打撃して、チゼルを、凹底面から接地極杭の杭長さの略半分(又は半分)の長さを有して、凹穴より下層の土層に打ち込む構成も採用できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、凹穴の凹深さと円形下穴の下穴長さと0mmを超え2000mm未満の長さを加算した杭長さを有する接地極杭とし、掘削工程、下穴形成工程、杭挿入工程及び杭打込み工程の順に実施することで、足場等の作業床を用いる高所作業を行う必要がなく(高所作業を行うことなく)、地上作業によって接地極杭を凹穴より下層の土層に打ち込んで、埋設することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態の接地極の施工方法を説明するための図(フロー図)である。
【
図2】掘削工程(S1)において、地面を掘削して凹穴(凹底面)を形成した断面図である。
【
図3】掘削工程(S1)において、地面を掘削して凹穴(凹底面)を形成した平面図(上面図)である。
【
図4】下穴形成工程(S2)において、凹穴(凹底面)より下層(下側)の土層に円形下穴を形成した断面図である。
【
図5】下穴形成工程(S2)において、凹穴(凹底面)より下層(下側)の土層に円形下穴を形成した平面図(上面図)である。
【
図6】下穴形成工程(S2)において、チゼル及び打撃機を使用して、凹穴(凹底面)より下層(下側)の土層に円形下穴を形成した断面図である。
【
図8】注入工程(S3)において、接地抵抗低減剤を円形下穴に注入した断面図である。
【
図9】杭挿入工程(S4)において、接地極杭を接地抵抗低減剤の注入した円形下穴に挿入した断面図である。
【
図10】杭挿入工程(S4)において、接地極杭を接地抵抗低減剤の注入した円形下穴に挿入した平面図(上面図)である。
【
図11】(a)は、
図9のB部分拡大図、(b)は、
図9のC部分拡大図である。
【
図12】杭打込み工程(S5)において、接地極杭を円形下穴より下層(下側)の土層に打ち込んだ断面図である。
【
図16】杭打込み工程(S5)において、打撃ソケット及び打撃機を使用して、接地極杭を円形下穴より下層の土層に打ち込む断面図である。
【
図18】導線引出工程(S6)において、凹穴内に配置した接地極杭の他方の杭端に電気導線の一方の線端(コネクタ端子)を電気的に接続し、電気導線の他方の線端側を凹穴から地上に引き出した断面図である。
【
図20】導線引出工程(S6)において、凹穴内に配置した接地極杭の他方の杭端に電気導線の一方の線端(コネクタ端子)を電気的に接続し、電気導線の他方の線端側を凹穴から地上に引き出した平面図(上面図)である。
【
図23】埋戻し工程(S7)において、掘削した土を凹穴に埋め戻した断面図である。
【
図26】(a)は、接地極杭を示す平面図(上面図)、(b)は、接地極杭を示す底面図(下面図)である。
【
図28】(a)は、コネクタ端子及び電気導線を示す斜視図、(b)は、コネクタ端子及び電気導線を示す平面図(上面図)である。
【
図29】(a)は、コネクタ端子及び電気導線を示す正面図、(b)は、
図29(a)のM-M断面図である。
【
図30】(a)は、チゼルを示す正面図、(b)は、チゼルを示す平面図(上面図)である。
【
図31】第2実施形態の接地極の施工方法を説明するための図(フロー図)である。
【
図32】第2及び第3実施形態の接地極の施工方法において、1回目の工程群SX[掘削工程~杭打込み工程(S1~S5)]、及び2回目の掘削工程(S1)を示す断面図である。
【
図33】第2及び第3実施形態の接地極の施工方法において、1回目の工程群SX[掘削工程~杭打込み工程(S1~S5)]、及び2回目の掘削工程(S1)を示す平面図(上面図)である。
【
図34】第2及び第3実施形態の接地極の施工方法において、1回目の工程群SX[掘削工程~杭打込み工程(S1~S5)]、及び2回目の下穴形成工程(S2)を示す断面図である。
【
図35】第2及び第3実施形態の接地極の施工方法において、1回目の工程群SX[掘削工程~杭打込み工程(S1~S5)]、及び2回目の注入工程(S3)を示す断面図である。
【
図36】第2及び第3実施形態の接地極の施工方法において、1回目の工程群SX[掘削工程~杭打込み工程(S1~S5)]、及び2回目の杭挿入工程(S4)を示す断面図である。
【
図37】第2及び第3実施形態の接地極の施工方法において、1回目の工程群SX[掘削工程~杭打込み工程(S1~S5)]、及び2回目の杭打込み工程(S5)を示す断面図である。
【
図38】導線引出工程(S6)、導線接続工程(S7)、埋戻し工程(S8)及び埋設工程(S9)を示す断面図である。
【
図41】第3実施形態の接地極の施工方法を説明するための図(フロー図)である。
【
図42】第3実施形態の接地極の施工方法において、工程群を説明するための図(フロー図)である。
【
図43】第3実施形態の接地極の施工方法において、各工程(S1~S9)を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る接地極の施工方法について、
図1乃至
図43を参照して説明する。
以下、第1実施形態乃至第3実施形態の接地極の施工方法について、
図1乃至
図43を参照して説明する。
【0019】
第1実施形態の接地極の施工方法について、
図1乃至
図30を参照して説明する。
【0020】
第1実施形態の接地極の施工方法は、接地極杭1と、コネクタ端子2と、電気導線3(引出導線)と、を備え、接地極杭1を地中(土層)に埋設して、地中に埋設した接地極杭1を接地極とする。
【0021】
接地極杭1は、
図25乃至
図27に示すように、導電金属材(導電金属材料)で形成される。接地極杭1は、例えば、鉄、鋼(炭素鋼)で形成される。
接地極杭1は、杭長さ方向Xの一方の杭端1A側に尖端部4を有する。接地極杭1は、杭長さ方向Xに直交する断面を円形にした杭(円形杭)である。
【0022】
接地極杭1は、
図25に示すように、杭長さ方向Xにおいて、一方の杭端1A及び他方の杭端1Bの間に杭長さL(全杭長)を有する。杭長さLは、3000mm~5000mm(3000mm以上5000mm以下)の範囲の任意の1の杭長さを有し、例えば、杭長さL=4000mmである。接地極杭1の杭長さLは、3000mm(L=3000mm)、又は5000mm(L=5000mm)であっても良い。
【0023】
接地極杭1は、
図25乃至
図27に示すように、例えば、杭本体5、杭尖部材6及び杭頭部材7を有する。
【0024】
杭本体5は、
図25乃至
図27に示すように、導電金属材(鉄、鋼等)で円管(円筒管)に形成される。杭本体5は、杭長さ方向Xにおいて、各本体杭端5A,5Bの間に杭長さLより短い本体杭長さL1(本体杭長さL1<杭長さL)を有する。杭本体5は、円管部9(円筒管部)、円錐台部10(下端側の円錐台部)、及び円錐台部11(上端側の円錐台部)を有する。
【0025】
円管部9は、外直径D(外径)の円管(円筒管)に形成される。円管部9の外直径Dは、例えば、34mm(D=34mm)である。
【0026】
円錐台部10は、
図25乃至
図27に示すように、杭長さ方向Xにおいて、円管部9の一方の管端から一方の本体杭端5Aに向けて段々に縮径しつつ、円管部9の一方の管端及び本体杭端5Aの間に形成される。円錐台部11は、杭長さ方向Xにおいて、円管部9の他方の管端から他方の本体杭端5Bに向けて段々に縮径しつつ、円管部9の他方の管端及び本体杭端5Bの間に形成される。
【0027】
杭尖部材6は、導電金属材(鉄、鋼等)で円錐状に形成される。杭尖部材6は、
図25乃至
図27に示すように、杭本体5と同心に配置される。杭尖部材6は、円錐底面を杭本体5の一方の本体杭端5Aに当接して、杭本体5に固定される。杭尖部材6は、杭長さ方向Xにおいて、本体杭端5Aから杭端1Aに向かって段々に縮径しつつ、円錐台部10(杭本体5)に連続して配置される。杭尖部材6は、円錐底面を一方の本体杭端5Aに当接することで、杭本体5に電気的に接続される。
【0028】
杭頭部材7は、導電金属材(鉄、鋼等)で形成される。杭頭部材7は、
図25乃至
図27に示すように、杭頭円板12(杭頭円盤)、及び杭頭軸13、及びコネクタ円形穴14を有する。
【0029】
杭頭円板12は、
図25乃至
図27に示すように、円管部9の外直径Dより小さい板直径D1(直径)の円形状に形成される。杭頭円板12は、板厚さ方向に円板表面12A及び円板裏面12Bを有する。
【0030】
杭頭軸13は、
図27に示すように、杭長さ方向Xに直交する方向の断面を円形にして形成される。杭頭軸13は、杭頭円板12の板直径D1より小さい軸直径を有する。杭頭軸13は、杭頭円板12に同心に配置される。杭頭軸13は、一方の杭頭軸端13Aを杭頭円板12の円板裏面12Bに当接して、杭頭円板12と一体に形成される。杭頭軸13は、円板表面12A及び円板裏面12Bから離間しつつ、円板裏面12Bから突出される。
【0031】
コネクタ円形穴14は、
図26(a)及び
図27に示すように、杭頭円板12、及び杭頭軸13と同心に配置される。コネクタ円形穴14は、杭頭円板12、及び杭頭軸13を貫通して、杭頭円板12の円板表面12A、及び杭頭軸13の他方の杭頭軸端13B(杭本体5内)に開口される。
【0032】
杭頭部材7は、
図25乃至
図27に示すように、杭頭軸13を、他方の本体杭端5Bから杭本体5内に挿入(圧入)して、杭本体5に取付けられる。杭頭部材7は、杭頭軸13を、杭頭軸13の他方の杭頭軸端13Bから杭本体5内に圧入(挿入)しつつ、杭頭円板12の円板裏面12Bを杭本体5(円錐台部11)の他方の本体杭端5Bに当接して、杭本体5(円錐台部11)に取付けられる。杭頭部材7は、杭本体5の一方の本体杭端5B(杭本体5)に固定される。杭頭部材7は、杭頭軸13を杭本体5内に圧入し、杭頭円板12の円板裏面12Bを他方の本体杭端5Bに当接することで、杭本体5に電気的に接続される。
【0033】
接地極杭1において、尖端部4は、
図25乃至
図27に示すように、一方の杭端1A側の円錐台部10及び杭尖部材6で構成(形成)される。
杭尖部材6の円錐頂点は、
図25乃至
図27に示すように、接地極杭1の一方の杭端1Aとなる。一方の杭端1Aは、杭尖部材6によって尖端に形成される。
杭頭円板12(杭頭部材7)の円板表面12Aは、
図25乃至
図27に示すように、接地極杭1の他方の杭端1Bとなる。
円管部9(杭本体5)の外直径D(外径)は、接地極杭1の最大直径(最大外直径/最大外径)となる。接地極杭1の最大直径Dは、例えば、34mm(D=34mm)である。
【0034】
コネクタ端子2は、
図28及び
図29に示すように、導電金属材(鉄、鋼等)で形成される。コネクタ端子2は、コネクタ板17、導線用円形穴18(円形穴)及びコネクタ軸19を有する。
【0035】
コネクタ板17は、
図28及び
図29に示すように、例えば、導電金属材(鉄、鋼)で板厚さTを有する矩形状(矩形平板)に形成される。コネクタ板17は、板厚さ方向に板表面17A及び板裏面17Bを有する。
【0036】
導線用円形穴18は、
図28及び
図29に示すように、コネクタ板17(矩形平板)の長手方向の一方の長手板端側に配置される。導線用円形穴18は、コネクタ板17の板表面17A及び板裏面17Bに直交して、コネクタ板17を貫通して形成される。導線用円形穴18は、コネクタ板17の板表面17A及び板裏面17Bに開口される。コネクタ板17は、導線用円形穴18を有する。
【0037】
コネクタ軸19は、
図28及び
図29に示すように、例えば、導電金属材(鉄、鋼等)で形成される。コネクタ軸19は、コネクタ板17(矩形平板)の長手方向の他方の長手板端側に配置される。コネクタ軸19は、コネクタ軸中心線aを導線用円形穴18の穴中心線bと直交して、コネクタ板17の短手方向の各板端から突出して配置される。コネクタ軸19は、コネクタ軸19の外周面19aをコネクタ板17の板裏面17Bに当接して、コネクタ板17に固定される。コネクタ軸19は、外周面19aをコネクタ板17の板裏面17Bに当接することで、コネクタ板17に電気的に接続される。
【0038】
電気導線3(引出導線、接続導線)は、
図28及び
図29に示すように、導電金属材で形成される。電気導線3は、例えば、複数の銅線で形成される。電気導線3は、
図28及び
図29に示すように、複数の銅線を拠って形成される。電気導線3は、コネクタ端子2の導線用円形穴18(コネクタ板17)に挿入されて、コネクタ板17に配置される。電気導線3は、一方の線端3Aから導線用円形穴18内に挿入して、コネクタ板17に配置される。電気導線3は、導線用円形穴18(板表面17A及び板裏面17B)から突出して配置される。電気導線3(導線)は、一方の線端3A側を導線用円形穴18の内周面18aに当接(圧接)して、コネクタ板17に固定される。
電気導線3(一方の線端3A)は、一方の線端3A側を導線用円形穴18の内周面18aに当接(圧接)することで、コネクタ板17に電気的に接続される。
【0039】
第1実施形態の接地極の施工方法は、
図1に示すように、掘削工程S1、下穴形成工程S2、注入工程S3(低減剤注入工程)、杭挿入工程S4及び杭打込み工程S5を含み、更に導線引出工程S6及び埋戻し工程S7を含んでなる。
【0040】
掘削工程S1は、
図2及び
図3に示すように、地面Eから土層R(土壌/土)を掘削して、地面Eから凹深さH1の凹穴25を形成する。掘削工程S1では、作業者がバックホウ等の重機を使用し、又は作業者がスコップを使用して、地面Eから土層R(地盤)を掘削して凹穴25を形成する。
【0041】
掘削工程S1において、凹穴25は、
図2及び
図3に示すように、地面Eに直交する方向Y(以下、「第1方向Y」という。)に凹深さH1を有して形成される。凹穴25は、第1方向Yにおいて、地面Eから凹深さH1を隔てる凹底面25A(凹穴底面)を有する。凹穴25は、地面Eに開口される。凹穴25は、例えば、逆円錐台状の穴(すり鉢状の穴)に形成される。凹穴25の凹深さH1は、750mm~1000mm(750mm以上1000mm以下)の範囲の任意の1の深さである。凹穴25の凹深さH1は、例えば、750mm(H1=750mm)の深さ、又は900mm(H1=900mm)の深さ、又は1000mmの深さ(H=1000mm)である。
掘削工程S1は、地面Eから土層Rを掘削して、地面Eから750mm~1000mmの範囲の任意の1の凹深さH1を有する凹穴25を形成する。
【0042】
下穴形成工程S2は、
図1に示すように、掘削工程S1に続いて実施(実行)される。下穴形成工程S2は、
図4乃至
図7に示すように、円形下穴26(円形状の杭案内穴)を、凹穴25より下層(下側)の土層Rに形成する。
【0043】
下穴形成工程S2は、
図4及び
図5に示すように、接地極杭1(円管部9)の最大直径Dより大きい直径d(穴直径)を有する円形下穴26を、凹穴25(凹底面25A)より下層(下側)の土層Rに形成する。円形下穴26の穴直径dは、例えば、接地極杭1の最大直径の1.10~1.12倍の範囲の任意の1の倍率の穴直径であって、例えば、38mm(d=38mm)である。
【0044】
下穴形成工程S2は、
図4及び
図5に示すように、円形下穴26を、凹穴25の凹底面25Aに円形に開口して形成する。下穴形成工程S2において、円形下穴26は、下穴中心線cを第1方向Yに向けて、地面E(凹底面25A)に直交して、凹底面25A(凹穴25)に円形に開口される。円形下穴26は、凹底面25Aに円形に開口して、凹穴25内に連通される。円形下穴26は、凹底面25Aに円形開口26Bを有して形成される。
【0045】
下穴形成工程S2は、
図4及び
図5に示すように、円形下穴26を、凹底面25Aから接地極杭1の杭長さLより短い下穴長さLUを有して、凹穴25(凹底面25A)の下層(下側)の土層Rに形成する。下穴形成工程S2は、円形下穴26を、凹穴25の凹底面25Aから第1方向Yに下穴長さLUを有して、凹穴25(凹底面25A)より下層(下側)の土層に円形下穴26を形成する。
下穴形成工程S2では、円形下穴26を、凹底面25Aから接地極杭1の杭長さLの略半分(又は半分)の下穴長さLU(穴深さ)を有して、凹穴25(凹底面25A)より下層の土層Rに形成する。
【0046】
下穴形成工程S2において、円形下穴26は、接地極杭1の杭長さL=3000mmであると、凹底面25Aから杭長さL1=3000mmの略半分(又は半分)の下穴長さLU=略1500mm(LU=1500mm)を有して形成される。円形下穴26は、接地極杭1の杭長さL=4000mmであると、凹底面25Aから杭長さL=4000mmの略半分(又は半分)の下穴長さLU=略2000mm(略2000mm)を有して形成される。円形下穴26は、接地極杭1の杭長さL=5000mmであると、凹底面25Aから杭長さL=5000mmの略半分(又は半分)の下穴長さLU=略2500mm(LU=2500mm)を有して形成される。
【0047】
下穴形成工程S2は、
図6、
図7及び
図30に示すように、チゼル27及び打撃機28を使用して、円形下穴26を凹穴25(凹底面25A)より下層(下側)の土層Rに形成する。
【0048】
チゼル27は、
図30に示すように、鉄、鋼(炭素鋼)等の金属で軸状に形成される。チゼル27は、チゼル長さ方向Zに直交する断面を円形にして形成される。チゼル27は、
図30に示すように、例えば、チゼル本体軸29、及びチゼル連結軸30を有する。
【0049】
チゼル本体軸29は、
図30に示すように、チゼル長さ方向Zに直交する断面を接地極杭1の最大直径Dより大きい軸直径d(穴直径dと同一直径)を有して形成される。
チゼル本体軸29の軸直径d(最大軸直径)は、例えば、接地極杭1の最大直径D=34mmに対して、38mm(d=38mm)である。
チゼル本体軸29は、チゼル長さ方向Zの一方の本体軸端29Aを尖端にして形成される。
【0050】
チゼル連結軸30は、
図30に示すように、チゼル長さ方向Zに直交する断面を円形にして形成される。チゼル連結軸30は、チゼル本体軸29と同心に配置される。チゼル連結軸30は、チゼル長さ方向Zにおいて、チゼル本体軸29の他方の本体軸端29Bに連続して形成される。チゼル連結軸30は、チゼル本体軸29の他方の本体軸端29Bから縮径して、他方の本体軸端29Bから突出される。
チゼル連結軸30は、一方のチゼル連結軸端30Aを他方の本体軸端29Bに当接して、チゼル本体軸29と一体に形成される。
【0051】
チゼル本体軸29の一方の本体軸端29Aは、
図30に示すように、チゼル長さ方向Zにおいて、チゼル27の一方のチゼル軸端27Aとなる。
チゼル連結軸30の他方のチゼル連結軸端30Bは、
図30に示すように、チゼル長さ方向Zにおいて、チゼル27の他方のチゼル軸端27Bとなる。
【0052】
チゼル27は、
図30に示すように、チゼル長さ方向Zにおいて、チゼル本体軸29の一方の本体軸端29A(一方のチゼル軸端27A)及び他方の本体軸端29Bの間にチゼル長さLCを有する。
チゼル27は、チゼル長さ方向Zにおいて、接地極杭1の杭長さLより短いチゼル長さLC(円形下穴26と同一長さ)を有する。チゼル27のチゼル長さLCは、例えば、接地極杭1の杭長さLの略半分(又は半分)のチゼル長さを有する。
チゼル27は、接地極杭1の杭長さL=3000mmであると、杭長さL1=3000mmの略半分(又は半分)のチゼル長さLC=略1500mm(LC=1500mm)を有して形成される。チゼル27は、接地極杭1の杭長さL=4000mmであると、杭長さL=4000mmの略半分(又は半分)のチゼル長さLC=略2000mm(LC=2000mm)を有して形成される。チゼル27は、接地極杭1の杭長さL=5000mmであると、杭長さL=5000mmの略半分(又は半分)のチゼル長さLC=略2500mm(LC=2500mm)を有して形成される。
【0053】
打撃機28は、
図6及び
図7に示すように、例えば、電動ブレーカーや電動ハンマーである。
なお、打撃機28は、電動ブレーカーや電動ハンマーに限定されず、流体打撃機(空圧打撃機、油圧打撃機)であっても良い。
【0054】
下穴形成工程S2は、
図6及び
図7に示すように、チゼル27の他方のチゼル軸端27Aを、凹穴25の凹底面25Aに向けて配置する。下穴形成工程S2は、チゼル27の軸中心線fを第1方向Yに向けて、チゼル27を凹穴25内に挿入(配置)する。下穴形成工程S2は、一方のチゼル軸端27A(一方の本体軸端29A)からチゼル27を凹穴25内に挿入(配置)する。
下穴形成工程S2において、チゼル27は、
図6に示すように、チゼル27の軸中心線fを第1方向Yに向けて、一方のチゼル軸端27A(一方の本体軸端29A)から凹穴25内に挿入される。
【0055】
下穴形成工程S2は、
図6及び
図7に示すように、チゼル27の軸中心線fを第1方向Yに向けた状態において、チゼル連結軸30を打撃機28内に装着して、チゼル27を打撃機28に連結する。
下穴形成工程S2において、チゼル27は、軸中心線fを第1方向Yに向け、一方のチゼル軸端27A(一方の本体軸端29A)を凹穴25の凹底面25Aに当接して、チゼル連結軸30を打撃機28内に装着して、打撃機28(電動ブレーカー又は電動ハンマー)に連結される。
【0056】
下穴形成工程S2は、
図6及び
図7に示すように、チゼル27(チゼル連結軸30)を打撃機28に連結すると、打撃機28を駆動して、チゼル27の他方のチゼル軸端27B(他方のチゼル連結軸端30B)を打撃する。
電動ブレーカーは、駆動によって、ピストン(図示しない)を往復動して、ピストンによってチゼル27の他方のチゼル軸端27B(他方のチゼル連結軸端30B)を打撃する。
電動ハンマーは、駆動によって、ピストン(図示しない)を往復動して、ピストンによってチゼル27の他方のチゼル軸端27B(他方のチゼル連結軸端30B)を振動し、振動によって他方のチゼル軸端27Bを打撃する。
【0057】
下穴形成工程S2は、
図6及び
図7に示すように、チゼル27の他方のチゼル軸端27B(他方のチゼル連結軸端30B)を打撃機28(電動ブレーカー又は電動ハンマー)によって打撃して、チゼル27を凹穴25(凹底面25A)の下層(下側)の土層Rに打ち込む。
下穴形成工程S2は、チゼル27の他方のチゼル軸端27Bを打撃機28(電動ブレーカー又は電動ハンマー)によって打撃して、チゼル27を、凹底面25Aからチゼル長さLC(例えば、接地極杭1の杭長さの半分のチゼル長さLC)を有して、凹穴25(凹底面25A)より下層(下側)の土層Rに打ち込む。
下穴形成工程S2において、チゼル27は、打撃機28(電動ブレーカー又は電動ハンマー)の打撃によって、一方のチゼル軸端27A(一方の本体軸端29A)から凹穴25(凹底面25A)より下層(下側)の土層Rに打ち込まれる。
下穴形成工程S2において、チゼル27は、打撃機28(電動ブレーカー又は電動ハンマー)の打撃によって、凹底面25Aから第1方向Yに打ち込まれ、凹底面25Aからチゼル長さLC(円形下穴26の穴長さLU)を有して、凹穴25(凹底面25A)より下層(下側)の土層Rに打ち込まれる。
【0058】
下穴形成工程S2は、
図6及び
図7に示すように、チゼル27(チゼル本体軸29)の他方のチゼル軸端27Bを打撃して、チゼル27を凹底面25Aから凹穴25(凹底面25A)より下層(下側)の土層Rに打ち込むと共に、土層Rに打込んだチゼル27(チゼル本体軸29)を凹穴25より下層(下側)の土層Rから引き抜いて、円形下穴26を形成する。
下穴形成工程S2は、
図4乃至
図7に示すように、打撃機28(電動ブレーカー又は電動ハンマー)と共に打撃機28に連結したチゼル27を、第1方向Yに引き上げて、土層Rに打ち込んだチゼル27を凹穴25(凹底面25A)より下層の土層Rから引き抜く。
下穴形成工程S2において、打撃機28(電動ブレーカー又は電動ハンマー)及びチゼル27は、第1方向Yにおいて、凹穴25の凹底面25Aから離間する方向に引き上げられて、チゼル27を凹穴25(凹底面25A)より下層の土層Rから引き抜く。
下穴形成工程S2において、土層Rに打ち込んだチゼル27は、凹穴25(凹底面25A)より下層の土層Rから引き抜かれて、凹穴25(凹底面25A)より下層の土層Rに円形下穴26を形成する。
【0059】
下穴形成工程S2では、作業者がハンマーを使用して、チゼル27の他方のチゼル軸端27Bを打撃して、チゼル27を凹穴25(凹底面25A)より下層(下側)の土層Rに打ち込んでも良い。
【0060】
注入工程S3(低減剤注入工程)は、
図1に示すように、下穴形成工程S2に続いて実施(実行)される。注入工程S3は、
図8に示すように、接地抵抗低減剤RGを円形下穴26に注入(充填)する。
接地抵抗低減剤RGは、導電性及び流動性を有するジェル状の低減剤である。接地抵抗低減剤RGは、例えば、セメントおよびカーボンファイバ(炭素繊維材料)を主成分とする。
【0061】
注入工程S3は、
図8に示すように、接地抵抗低減剤RGを凹穴25の凹底面25Aから円形下穴26に注入する。接地抵抗低減剤RGは、円形開口26Bから円形下穴26に注入される。
接地抵抗低減剤RGを円形下穴26に注入する量λ(接地抵抗低減剤RGの注入量λ)は、例えば、円形下穴26の穴直径d、接地極杭1の最大直径D、及び円形下穴26の下穴長さLUとすると、λ=(円形下穴26の断面積-接地極杭1の断面積)×円形下穴26の下穴長さLUであって、λ=[(d
2-D
2)/4]×LUである。
【0062】
杭挿入工程S4は、
図1に示すように、注入工程S3(低減剤注入工程)に続いて実施(実行)される。杭挿入工程S4は、
図9乃至
図11に示すように、接地抵抗低減剤RGが固化する前に、接地極杭1を円形下穴26に挿入して接地抵抗低減剤RGに浸漬する。杭挿入工程S4は、接地極杭1を、一方の杭端1A(杭尖部材6)から凹穴25、及び接地抵抗低減剤RGを注入した円形下穴26の順に挿入して接地抵抗低減剤RGに浸漬する。
杭挿入工程S4は、接地極杭1の杭中心線gを第1方向Yに向け、及び一方の杭端1Aを凹底面25Aに向けて接地極杭1を配置して、一方の杭端1Aから凹穴25、及び接地抵抗低減剤RGを注入した円形下穴26の順に接地極杭1を挿入する。
杭挿入工程S4において、接地極杭1は、杭中心線gを第1方向Yに向け、及び一方の杭端1Aを凹底面25Aに向けて、円形下穴26と同心に配置される。杭挿入工程S4において、接地極杭1は、一方の杭端1Aから凹穴25、及び接地低減剤RGを注入した円形下穴26の順に挿入される。杭挿入工程S4において、接地極杭1は、凹底面25Aに開口する円形開口26Bから円形下穴26(接地抵抗低減剤RG)に挿入される。
【0063】
杭挿入工程S4は、
図9乃至
図10に示すように、接地極杭1を、一方の杭端1A(杭尖部材6)が円形下穴26の穴底26A(又は穴底26A側、又は穴底26A近傍)に達するまで円形下穴26に挿入して接地抵抗低減剤RGに浸漬する。杭挿入工程S4は、接地極杭1を、凹底面25Aから下穴長さLUと略同一(又は同一)となる杭長さ〔杭長さLの略半分(又は半分)〕の長さを有して円形下穴26に挿入する。
杭挿入工程S4において、接地極杭1は、一方の杭端1Aが円形下穴26の穴底26A(又は穴底26A側、又は穴底26A近傍)に達するまで、円形下穴26に挿入される。杭挿入工程S4において、接地極杭1の他方の杭端1B側は、凹穴25内、及び凹穴25から地上に突出して配置される。
【0064】
杭挿入工程S4において、円形下穴26を接地極杭1の最大直径Dより大きい直径d(穴直径)にすると、接地極杭1は、
図11に示すように、円形下穴26との間(接地極杭1の外周及び円形下穴26の内周の間)に隙間を有して円形下穴26に挿入され、及び円形下穴26との間(接地極杭1の外周及び円形下穴26の内周の間)の隙間に接地抵抗低減剤RGを充填して、円形下穴26に挿入される。杭挿入工程S4において、接地極杭1を円形下穴26に挿入すると、接地極杭1は、凹底面25A及び円形下穴26の穴底26Aの間(下穴長さLU)において、円形下穴26に注入された接地抵抗低減剤RGに浸漬(接触)される。
【0065】
掘削工程S1(凹穴25の凹深さH1)、及び下穴形成工程S2(円形下穴26の下穴長さLU)から、接地極杭1は、凹穴25の凹深さH1と、円形下穴26の下穴長さLU(チゼル長さLC)と、0mmを超え2000mm未満の範囲の長さLXと、を加算した杭長さLを有する。
【0066】
接地極杭1は、例えば、750mm~1000mmの範囲の任意の1の凹深さH1と、下穴長さLU=1500mm(杭長さLの半分)と、500mm~750mm(500mm以上750mm以下)の範囲の任意の1の長さLX(突出長さ)と、を加算した杭長さL=3000mmを有する。接地極杭1は、例えば、凹深さH1=750mmと、下穴長さLU=1500mmと、長さLX=750mmとを加算した杭長さL=3000mmを有する。接地極杭1は、例えば、凹深さH1=900mmと、下穴長さLU=1500mmと、長さLX=600mmとを加算した杭長さL=3000mmを有する。接地極杭1は、例えば、凹深さH1=1000mmと、下穴長さLU=1500mm、長さLX=500mmとを加算した杭長さL=3000mmを有する。
【0067】
接地極杭1は、例えば、750mm~1000mmの範囲の任意の1の凹深さH1と、下穴長さLU=2000mm(杭長さLの半分)と、1000mm~1250mm(1100mm以上1250mm以下)の範囲の任意の1の長さLX(突出長さ)と、を加算した杭長さL=4000mmを有する。接地極杭1は、例えば、凹深さH1=750mmと、下穴長さLU=2000mmと、長さLX=1250mmとを加算した杭長さL=4000mmを有する。接地極杭1は、例えば、凹深さH1=900mmと、下穴長さLU=2000mmと、長さLX=1100mmとを加算した杭長さL=4000mmを有する。接地極杭1は、例えば、凹深さH1=1000mmと、下穴長さLU=2000mmと、長さLX=1000mmとを加算した杭長さL=4000mmを有する。
【0068】
接地極杭1は、例えば、750mm~900mmの範囲の任意の1の凹深さH1と、下穴長さLU=2500mm(杭長さLの半分)と、1600mm~1750mm(1600mm以上1750mm以下)の範囲の任意の1の長さLX(突出長さ)と、を加算した杭長さL=5000mmを有する。接地極杭1は、例えば、凹深さH1=750mmと、下穴長さLU=2500mmと、長さLX=1750mmとを加算した杭長さL=5000mmを有する。接地極杭1は、例えば、凹深さH1=900mmと、下穴長さLU=2500mmと、長さLX=1600mmとを加算した杭長さL=5000mmを有する。接地極杭1は、例えば、凹深さH1=1000mmと、下穴長さLU=2500mmと、長さLX=1500mmとを加算した杭長さL=5000mmを有する。
【0069】
杭挿入工程S4は、
図9及び
図11に示すように、凹穴25の凹深さH1と、円形下穴26の下穴長さLUと、0mmを超えて2000mm未満の長さと、を加算した杭長さL(L=H1+LU+0mmを超え2000mm未満の長さ)を有する接地極杭1を、一方の杭端1Aから凹穴25、及び接地抵抗低減剤RGを注入した円形下穴26の順に挿入すると共に、接地極杭1を、一方の杭端1Aが円形下穴26の穴底26Aに達するまで挿入して接地抵抗低減剤RG(円形下穴26に注入した接地抵抗低減剤RG)に浸漬(接触)
する。
【0070】
杭挿入工程S4において、接地極杭1を、凹穴25及び円形下穴26の順に挿入すると共に、接地極杭1を、一方の杭端1Aが円形下穴26の穴底26Aに達するまで円形下穴26に挿入して接地抵抗低減剤RGに浸漬すると、接地極杭1の他方の杭端1B側は、
図8に示すように、凹穴25から地上に、地面Eから0mmを超え2000mm未満の突出量LX〔長さLX(突出長さ)〕を有して突出される。
接地極杭の杭長さL=3000mm、凹深さH1=750mm~1000mmの範囲、及び下穴長さLU=1500mmであると、接地極杭1の他方の杭端1B側は、地面Eから500mm~750mm(500mm以上750mm以下)の範囲の突出量LX(突出長さ)を有して突出される。
接地極杭の杭長さL=4000mm、凹深さH1=750mm~1000mmの範囲、及び下穴長さLU=2000mmであると、接地極杭1の他方の杭端1B側は、地面Eから1000mm~1250mm(1000mm以上1250mm以下)の範囲の突出量LX(突出長さ)を有して突出される。
接地極杭の杭長さL=5000mm、凹深さH1=750mm~1000mmの範囲、及び下穴長さLU=2500mmであると、接地極杭1の他方の杭端1B側は、地面Eから1500mm~1750mm(1500mm以上1750mm以下)の範囲の突出量LX(突出長さ)を有して突出される。
【0071】
杭打込み工程S5は、
図1に示すように、杭挿入工程S4に続いて実施(実行)される。杭打込み工程S5では、杭挿入工程S4において、地面Eからの接地極杭1の他方の杭端1B側の突出量LXが0mmを超え2000mm未満であるので、労働安全衛生法に基づく、足場等の作業床を用いた高所作業を行うことなく、地上作業で杭打込み工程S5を実施(実行)できる。
【0072】
杭打込み工程S5は、
図12乃至
図17に示すように、接地抵抗低減剤RGが固化する前に、円形下穴26に挿入した接地極杭1(円形下穴26に挿入して接地抵抗低減剤RGに浸漬した接地極杭1)の他方の杭端1B(杭頭部材7)を打撃して、尖端部4及び尖端部4に続く接地極杭1(杭本体5/円管部9)を、円形下穴26より下層(下側)の土層Rに打ち込むと共に、接地極杭1の他方の杭端1B側(又は他方の杭端1B)を凹穴25内に配置する。
【0073】
杭打込み工程S5は、
図12乃至
図15に示すように、円形下穴26に挿入した接地極杭1の他方の杭端1Bを打撃して、接地極杭1(尖端部4及び尖端部4に続く円管部9)を、円形下穴26の穴底26Aから円形下穴26より下層(下側)の土層Rに打ち込む。杭打込み工程S5は、円形下穴26に挿入した接地極杭1の他方の杭端1Bを打撃して、接地極杭1(尖端部4及び円管部9)を、第1方向Yにおいて、円形下穴26より下層(下側)の土層Rに打ち込む。
【0074】
杭打込み工程S5は、
図12に示すように、第1方向Yにおいて、地面E及び他方の杭端1Bの間に杭端間隔HAを隔てるまで、接地極杭1を円形下穴26より下層の土層Rに打ち込んで、他方の杭端1B側(他方の杭端1B)を凹穴25内に配置する。
杭端間隔HAは、750mm(75cm)であって、電気設備に関する技術基準の省令により、HA=750mmと規定されている。
【0075】
杭打込み工程S5において、円形下穴26に挿入された接地極杭1は、
図12乃至
図15に示すように、他方の杭端1Bの打撃によって、尖端部4(一方の杭端1A)及び尖端部4に続く接地極杭1(杭本体5/円管部9)を円形下穴26より下層(下側)の土層Rに打ち込むと共に、他方の杭端1B側(又は他方の杭端1B)を凹穴25内に位置して配置される。
杭打込み工程S5において、円形下穴26に挿入された接地極杭1は、他方の杭端1Bの打撃によって、円形下穴26にて案内されつつ第1方向Aに向けて、円形下穴26より下層の土層Rに打ち込まれる。
杭打込み工程S5において、円形下穴26より下層の土層Rに打ち込まれた接地極杭1(尖端部4及び尖端部4に続く円管部9)は、土層Rの土(土壌)に圧接される。円形下穴26より下層の土層Rに打ち込まれた接地極杭1(尖端部4及び尖端部4に続く円管部9)は、杭外周面を土層Rの土に圧接して、土層Rに埋設される。
【0076】
杭打込み工程S5において、円形下穴26に挿入された接地極杭1は、
図12に示すように、地面E及び他方の杭端1Bの間に杭端間隔HAを隔てるまで、円形下穴26より下層の土層Rに打ち込まれて、他方の杭端1B側(他方の杭端1B)を凹穴25内に配置する。
【0077】
杭打込み工程S5は、
図16及び
図17に示すように、打撃ソケット35(打撃キャップ)及び打撃機28を使用して、円形下穴26に挿入した接地極杭1を円形下穴26より下層(下側)の土層Rに打ち込む。
【0078】
打撃ソケット35は、
図17に示すように、鉄、鋼(炭素鋼)等の金属で形成される。打撃ソケット35は、円筒部材36、閉塞板37及びソケット連結軸38を有する。
【0079】
閉塞板37は、
図17に示すように、円形状(円形板)に形成される。閉塞板37は、板厚さ方向に閉塞板表面37A及び閉塞板裏面37Bを有する。閉塞板37は、円筒部材36と同心に配置される。閉塞板37は、閉塞板裏面37Bを円筒部材36の一方の円筒端36Aに当接して、円筒部材36の一方の円筒端36Aを閉塞する。閉塞板37は、円筒部材36に固定される。
【0080】
ソケット連結軸38は、
図17に示すように、円筒部材36と同心に配置される。ソケット連結軸38は、一方のソケット軸端38Aを閉塞板37の閉塞板表面37Aに当接して、閉塞板37に固定される。ソケット連結軸38は、閉塞板37の閉塞板表面37Aから円筒部材36の筒中心線の方向に突出される。
【0081】
杭打込み工程S5は、
図16及び
図17に示すように、打撃ソケット35のソケット連結軸38を打撃機28内(電動ブレーカー内又は電動ハンマー内)に装着して、打撃ソケット35を打撃機28(電動ブレーカー又は電動ハンマー)に連結する。
杭打込み工程S5において、打撃ソケット35は、ソケット連結軸38の他方のソケット連結軸端38Bから打撃機28内に装着して、打撃機28に連結される。
【0082】
杭打込み工程S5は、
図16及び
図17に示すように、打撃機28に連結した打撃ソケット35の円筒部材36を、円形下穴26に挿入した接地極杭1の他方の杭端1B側(杭頭部材7及び円錐台部11)に外嵌して、接地極杭1の他方の杭端1B側(杭頭部材7及び円錐台部11)に配置される。
杭打込み工程S5は、打撃機28に連結した打撃ソケット35の円筒部材36を、円形下穴26の挿入した接地極杭1の他方の杭端1Bから杭頭部材7及び円錐台部11(他方の杭端1B側)に外嵌し、及び閉塞板37の閉塞板裏面37Bを接地極杭1の他方の杭端1B(杭頭円板12の円板表面12A)に当接して、接地極杭1の他方の杭端1B側に配置する。
【0083】
杭打込み工程S5において、打撃ソケット35は、
図16及び
図17に示すように、円形下穴26に挿入した接地極杭1の他方の杭端1Bから杭頭部材7及び円錐台部11に外嵌され、及び閉塞板37の閉塞板裏面37Bを他方の杭端1B(杭頭円板12の円板表面12A)に当接して、接地極杭1の他方の杭端1B側に配置される。
杭打込み工程S5において、円形下穴26に挿入した接地極杭1は、他方の杭端1B側(杭頭部材7及び円錐台部11)を、円筒端36Bから円筒部材36内に挿入されて、他方の杭端1B(杭頭円板12の円板表面12A)を閉塞板37の閉塞板裏面37Bに当接して配置される。
【0084】
杭打込み工程S5は、
図16及び
図17に示すように、打撃ソケット35を打撃機28に連結し、打撃ソケット35の円筒部材36を円形下穴26に挿入した接地極杭1の他方の杭端1B側に外嵌すると、打撃機28(電動ブレーカー又は電動ハンマー)を駆動して、往復動するピストンでソケット連結軸38の他方のソケット連結軸端38Bを打撃する。杭打込み工程S4は、打撃機28によってソケット連結軸38の他方のソケット連結軸端38Bを打撃することで、円形下穴26に挿入した接地極杭1の他方の杭端1Bを打撃する。
【0085】
杭打込み工程S5は、
図16及び
図17に示すように、ソケット連結軸38の他方のソケット連結軸端38B(接地極杭1の他方の杭端1B)を打撃機28(電動ブレーカー又は電動ハンマー)によって打撃して、尖端部4及び尖端部4に連続する接地極杭1(円管部9/杭本体5)を円形下穴26より下層の土層Rに打ち込む。
【0086】
杭打込み工程S5は、接地極杭1を円形下穴26より下層の土層Rに打ち込むと、打撃ソケット35を接地極杭1の他方の杭端1B側から外して、打撃機28を接地極杭1から取り外す。
【0087】
杭打込み工程S5は、作業者がハンマーを使用して、接地極杭1の他方の杭端1Bを打撃して、接地極杭1を円形下穴26より下層(下側)の土層Rに打ち込んでも良い。
【0088】
導線引出工程S6は、
図1に示すように、杭打込み工程S5に続いて実施(実行)される。導線引出工程S6は、
図18乃至
図22に示すように、杭打込み工程S5において、凹穴25内に配置した接地極杭1の他方の杭端1Bに、電気導線3(引出導線)の一方の線端3Aを電気的に接続する。
【0089】
導線引出工程S6は、
図18乃至
図22に示すように、電気導線3(引出導線)の他方の線端3B側(他方の線端)を凹穴25から地上に引き出す。
【0090】
導線引出工程S6は、
図18乃至
図22に示すように、コネクタ端子2のコネクタ軸19を、他方の杭端1Bから杭頭部材7のコネクタ円形穴14に圧入して、凹穴25内に配置した接地極杭1(杭頭円板12及び杭頭軸13)に電気的に接続して、電気導線3(引出導線)の一方の線端3Aを接地極杭1の他方の杭端1Bに電気的に接続する。
導線引出工程S6において、電気導線3(引出導線)の一方の線端3A(一方の線端3A側)は、コネクタ端子2(コネクタ板17及びコネクタ軸19)を通して、接地極杭1に電気的に接続される。
【0091】
埋戻し工程S7は、
図1に示すように、導線引出工程S5に続いて実施(実行)される。埋戻し工程S7は、
図23及び
図24に示すように、掘削工程S1において、掘削した土(土壌)を凹穴25に埋戻して、杭打込み工程S5において、凹穴25内に配置した接地極杭1の他方の杭端1B側(他方の杭端)、接地極杭1に電気的に接続した電気導線3(引出導線)の一方の線端3A側及びコネクタ端子2を地中(土層R)に埋設する。
【0092】
埋戻し工程S7は、
図23に示すように、電気導線3の他方の線端3B側を凹穴25から地上に引出した状態で掘削した土を凹穴25に埋め戻す。
【0093】
接地極杭1の他方の杭端1Bに電気的に接続した電気導線3(引出導線)の他方の線端3Bは、例えば、電柱に架設された電力設備(変圧器、避雷器、高圧機器等)に電気的に接続される。
【0094】
第1実施形態の接地極の施工方法では、掘削工程S1、下穴形成工程S2、注入工程S3、杭挿入工程S4、杭打込み工程S5、導線引出工程S6及び埋戻し工程S7の一連の工程を連続して実施して、接地極杭1を地中(土層R)に埋設(設置)することで、地中(土層R)に埋設した接地極杭1を接地極Pとして用いることができる。
【0095】
第1実施形態の接地極の施工方法では、凹穴の凹深さと円形下穴の下穴長さと0mmを超え2000mm未満の長さを加算した杭長さを有する接地極杭とし、掘削工程S1、下穴形成工程S2、注入工程S3、杭挿入工程S4及び杭打込み工程S5の順に実施(実行)することで、足場等の作業床を用いる高所作業を行う必要がなく(足場等の作業床を設置して杭打込み工程S5の作業を行う必要がなく)、地上作業によって、接地極杭1(杭長さL=3000mm~5000mmの範囲の1の杭長さを有る接地極杭1)を、凹穴25より下層(下側)の土層R(地中)に打込んで埋設(設置)できる。
【0096】
第1実施形態の接地極の施工方法では、杭打込み工程S5を実施する前に、円形下穴26を形成して、接地極杭1を接地抵抗低減剤RGの注入した円形下穴26に挿入することで、杭打込み工程S5において、接地極杭1を土層R(地中)に打込む量を少なくでき(打込む杭長さを短くでき)、接地極杭1の打込みによる座屈を抑えることが可能となる。
【0097】
第1実施形態の接地極の施工方法では、注入工程S3を実施(実行)することなく、掘削工程S1、下穴形成工程S2、杭挿入工程S4及び杭打込み工程S5を実施(実行)しても良い。
第1実施形態の接地極の施工方法では、掘削工程S1と、下穴形成工程S2と、接地極杭1を円形下穴26に挿入する杭挿入工程S4と、杭打込み工程S5と、を含み、杭挿入工程S4は、凹穴25の凹深さH1と、円形下穴26の下穴長さLUと、0mmを超えて2000mm未満の長さと、を加算した杭長さを有する接地極杭1を、一方の杭端1Aから凹穴25及び円形下穴26(接地抵抗低減剤RGを注入していない円形下穴26)の順に挿入すると共に、接地極杭1を、一方の杭端1Aが円形下穴26の穴底26Aに達するまで挿入する構成も採用できる。
【0098】
第2実施形態の接地極の施工方法について、
図1乃至
図40を参照して説明する。
なお、
図31乃至
図40において、
図1乃至
図30と同一の符号は、同一工程、同一部材、同一構成であるので、その詳細な説明は省略する。
【0099】
第2実施形態の接地極の施工方法は、複数の接地極杭1、複数のコネクタ端子2、及び複数の電気導線3と、を備え、複数の接地極杭1を地中(土層)に埋設して、地中に埋設した各接地極杭1を接地極Pとする。
【0100】
第2実施形態の接地極の施工方法において、各電気導線3は、
図28及び
図29で説明したと同様に、一方の線端3A側を導線用円形穴18の内周面18aに当接(圧接)することで、各コネクタ端子2に電気的に接続される。
【0101】
第2実施形態の接地極の施工方法は、
図31に示すように、掘削工程S1、下穴形成工程S2、注入工程S3、杭挿入工程S4、杭打込み工程S5、杭埋設工程SQを含み、更に導線引出工程S6、導線接続工程S7、埋戻し工程S8及び埋設工程S9を含んでなる。
【0102】
第2実施形態の接地極の施工方法は、
図31に示すように、掘削工程S1、下穴形成工程S2、注入工程S3、杭挿入工程S4、杭打込み工程S5、及び杭埋設工程SQを含み、掘削工程S1、下穴形成工程S2、注入工程S3、杭挿入工程S4及び杭打込み工程S5含む工程群SXを、N回実施して(N回繰り返して)、凹穴25より下層の土層RにN本の接地極杭1を埋設(設置)することにより、土層Rに埋設したN本の接地極杭1を電気的に並列接続した接地合成抵抗値r(合成抵抗値)を、目標値rx(目標抵抗値)以下にする。
N(N回)は、N=2,3,4,…の正の整数、又は2以上の自然数(正の整数)である。
目標値rx(第1目標値)は、電気設備に関する技術基準の省令に規定されている「A種接地工事」の「接地抵抗値rx=10(Ω)」である。なお、目標値rx(目標抵抗値)は、電気設備に関する技術基準の省令に規定されている「B種接地工事」の接地抵抗値、又は「C種接地工事」の接地抵抗値、又は「D種接地工事」の接地抵抗値であっても良い。
【0103】
第2実施形態の接地極の施工方法において、掘削工程S1は、N回実施(実行)されて、
図2及び
図3で説明したと同様に、複数の凹穴25を形成する(
図2、
図3、
図32及び
図33参照)。
N回(複数回)の掘削工程S1の実施によって、複数(N個)の凹穴25は、
図33に示すように、各凹穴25の間に凹間隔LPを隔てて形成される。なお、各凹穴25は、一の凹穴25の凹側面から掘削して、他の一の凹穴25を一の凹穴25に連続して形成しても良い。
【0104】
第2実施形態の接地極の施工方法において、下穴形成工程S2は、N回実施(実行)されて、
図4乃至
図7で説明したと同様に、複数(N個)の円形下穴26を各凹穴25より下層(下側)の土層Rに形成する(
図4乃至
図7、及び
図34参照)。下穴形成工程S2は、各掘削工程S1に続いて実施される。
N回(複数回)の下穴形成工程S2の実施によって、複数(N個)の円形下穴26は、
図34に示すように、各円形下穴26の間に穴間隔LYを隔てて平行に配置されて、各凹穴25の凹底面25Aから第1方向Yに延在して各凹穴25より下層の土層Rに形成される。
【0105】
第2実施形態の接地極の施工方法において、注入工程S3は、N回実施(実行)されて、
図8で説明したと同様に、接地抵抗低減剤RGを各円形下穴26に注入する(
図8及び
図35参照)。注入工程S3は、各下穴形成工程S2に続いて実施される。
【0106】
第2実施形態の接地極の施工方法において、杭挿入工程S4は、N回実施(実行)されて、
図9乃至
図12で説明したと同様に、複数(N本)の各接地極杭1を接地抵抗低減剤RGの注入した各円形下穴26に挿入する(
図8乃至
図12、及び
図36参照)。杭挿入工程S4は、各下穴形成工程S2に続いて実施される。
N回(複数回)の杭挿入工程S4の実施によって、各接地極杭1は、一方の杭端1Aが各円形下穴26の穴底26A(又は穴底26A側、又は穴底26A近傍)に達するまで各円形下穴26に挿入される。
【0107】
第2実施形態の接地極の施工方法において、杭打込み工程S5は、N回実施(実行)されて、
図12乃至
図17で説明したと同様に、各円形下穴26に挿入したN本(複数)の各接地極杭1を各円形下穴26より下層(下側)の土層Rに打ち込むと共に、各接地極杭1の他方の杭端1B側を各凹穴25内に配置する(
図12乃至
図17、及び
図37参照)。杭打込み工程S5は、各杭挿入工程S4に続いて実施される。
N回(複数回)の杭打込み工程S5の実施によって、N本の各接地極杭1は、各接地極杭1の間に杭間隔(穴間隔)を隔てて平行に並設されて、各凹穴25の凹底面25Aから第1方向Yに延在して各円形下穴26より下層の土層Rに打ち込まれる。
【0108】
杭埋設工程SQは、掘削工程S1、下穴形成工程S2、注入工程S3、杭挿入工程S4及び杭打込み工程S5含む工程群SXを、N回実施して(N回繰り返して)、凹穴25より下層の土層RにN本の接地極杭1を埋設(設置)することにより、土層Rに埋設したN本の接地極杭1を電気的に並列接続した接地合成抵抗値r(合成抵抗値)を、目標値rx(目標抵抗値)以下にする。
【0109】
第2実施形態の接地極の施工方法において、杭埋設工程SQは、工程群SX(掘削工程S1、下穴形成工程S2、注入工程S3、杭挿入工程S4及び杭打込み工程S5)をN回実施(実行)する毎に、各凹穴25より下層の土層Rに打ち込んだN本(N=2,3,4,…の正の整数)の接地極杭1を電気的に並列接続して、電気的に並列接続したN本(複数)の接地極杭1の接地合成抵抗値r(合成抵抗値)を接地抵抗計で測定する。
接地抵抗計で測定したN本の接地極杭1の接地合成抵抗値rが目標値rx(第1目標値)以下[例えば、目標値rx≦10(Ω)以下]であると、導線引出工程S6、導線接続工程S7、埋戻し工程S8及び埋設工程S9を実施(実行)する。
接地抵抗計で測定したN本の接地極杭1の接地合成抵抗値rが目標値rx(第1目標値)を超えると、更に工程群SX(掘削工程S1、下穴形成工程S2、注入工程S3,杭挿入工程S4及び杭打込み工程S5)を実施(実行)する。
N本の接地極杭1の接地合成抵抗値rを測定した後に、N本の接地極杭1の電気的な並列接続を解除して、導線引出工程S6、導線接続工程S7、埋戻し工程S8及び埋設工程S9を実施(実行)し、又は工程群SX(掘削工程S1、下穴形成工程S2、注入工程S3、杭挿入工程S4及び杭打込み工程S5)を実施(実行)する。
【0110】
導線引出工程S6は、
図31に示すように、N回の工程群SXの実施に続いて実施(実行)される。導線引出工程S6は、工程群SXのN回(複数回)の実施によって、接地抵抗計で測定したN本の接地極杭1の接地合成抵抗値rが目標値rx(第1目標値)以下になった時に実施(実行)される。
【0111】
導線引出工程S6は、
図38、
図39(a)に示すように、複数の凹穴25のうち、杭打込み工程S5において、一の凹穴25内に配置した接地極杭1の他方の杭端1Bに電気導線3(引出導線)の一方の線端3Aを電気的に接続すると共に、電気導線3の他方の線端3B側を一の凹穴25から地上に引き出す。
導線引出工程S6は、
図18乃至
図22で説明したと同様に、コネクタ端子2のコネクタ軸19を、接地極杭1のコネクタ円形穴14に圧入して、電気導線3の一方の線端3Aを接地極杭1に電気的に接続する[
図18乃至
図22、及び
図39(a)参照]。
導線引出工程S6において、電気導線3の一方の線端3Aは、コネクタ端子2(コネクタ板17及びコネクタ軸19)を通して、一の凹穴25内に配置した接地極杭1の他方の杭端1Bに電気的に接続される。
【0112】
導線接続工程S7は、
図31に示すように、N回の工程群SXの実施(実行)に続いて実施(実行)される。導線接続工程S7は、工程群SXのN回(複数回)の実施によって、接地抵抗計で測定したN本の接地極杭1の接地合成抵抗値rが目標値rx(第1目標値)以下になった時に実施(実行)される。
【0113】
導線接続工程S7は、
図38、
図39(b)及び
図40に示すように、杭打込み工程S5において、各凹穴25内に配置した各接地極杭1の他方の杭端1Bを、電気導線3(接続導線)によって電気的に並列接続する。導線接続工程S7は、複数の凹穴25のうち、一の凹穴25を除く残りの凹穴25において、残りの凹穴25内に配置した接地極杭1の他方の杭端1Bに、電気導線3の一方の線端3Aを電気的に接続する。
導線接続工程S7は、コネクタ端子2のコネクタ軸19を、他方の杭端1Bから杭頭部材7のコネクタ円形穴14に圧入して、残りの凹穴25内に配置した接地極杭1(杭頭円板12及び杭頭軸13)に電気的に接続して、電気導線3(引出導線)の一方の線端3Aを接地極杭1の他方の杭端1Bに電気的に接続する。
導線接続工程S7において、電気導線3(引出導線)の一方の線端3A(一方の線端3A側)は、コネクタ端子2(コネクタ板17及びコネクタ軸19)を通して、接地極杭1に電気的に接続される。
【0114】
導線接続工程S7は、
図38乃至
図40に示すように、各凹穴25に配置した各接地極杭1の他方の杭端1Bに、一方の線端3Aを電気的に接続した各電気導線3によって、各接地極杭1(N本の接地極杭1)の他方の杭端1B(各接地極杭1)を電気的に並列接続する。
【0115】
埋戻し工程S8は、
図31に示すように、導線引出工程S6及び導線接続工程S7に続いて実施(実行)される。埋戻し工程S8は、
図38及び
図39(a)に示すように、掘削工程S1において、掘削した土(土壌)を一の凹穴25に埋め戻して、一の凹穴25内に配置した接地極杭1の他方の杭端1B側、一の凹穴25内に配置した接地極杭1に電気的に接続した電気導線3(引出導線)の一方の線端3A側及びコネクタ端子2を地中(土層)に埋設する。
【0116】
埋戻し工程S8は、電気導線3の他方の線端3B側を一の凹穴25から地上に引き出した状態で掘削した土(土壌)を一の凹穴25に埋め戻す。
【0117】
埋設工程S9は、
図31に示すように、導線引出工程S7及び導線接続工程S8に続いて実施(実行)される。
【0118】
埋設工程S9は、
図38、
図39(b)及び
図40に示すように、掘削工程S1において、掘削した土(土壌)を一の凹穴25を除く残りの凹穴25に埋め戻して、残りの凹穴25内に配置した接地極杭1の他方の杭端1B側、残りの凹穴25内に配置した接地極杭の他方の杭端1Bに電気的に接続した電気導線3、及びコネクタ端子2を地中(土層R)に埋設する。
埋設工程S9は、
図38及び
図40に示すように、各凹穴25内に配置した各接地極杭1を電気的に並列接続する電気導線3を地中(土層R)に埋設する。
【0119】
第2実施形態の接地極の施工方法では、
図31に示すように、掘削工程S1、下穴形成工程S2、注入工程S3、杭挿入工程S4、杭打込み工程S5、第1杭埋設工程SA、第2杭埋設工程SBを含む工程群SXを、N回実施して、N回の工程群SXの実施に続いて、導線引出工程S6、導線接続工程S7、埋戻し工程S8及び埋設工程S9を実施して、N本の接地極杭1を地中(土層R)に埋設(設置)することで、地中(土層R)に埋設したN本の接地極杭1を接地極Pとして用いることができる。
【0120】
第2実施形態の接地極の施工方法では、凹穴の凹深さと円形下穴の下穴長さと0mmを超え2000mm未満の長さを加算した杭長さを有する接地極杭とし、掘削工程S1、下穴形成工程S2、注入工程S3、杭挿入工程S4及び杭打込み工程S5を含む工程群SXを、N回実施することで、足場等の作業床を用いる高所作業を行う必要がなく(足場等の作業床を設置して杭打込み工程S4の作業を行う必要がなく)、地上作業によって、N本(複数)の接地極杭1(杭長さL=3000mm~5000mmの範囲の1の杭長さを有る接地極杭1)を、凹穴25より下層(下側)の土層R(地中)に打込んで埋設(設置)できる。
【0121】
第2実施形態の接地極の施工方法では、N本(複数)の接地極杭1を地中に埋設することで、N本の接地極杭1を電気的に並列接続した接地合成抵抗値rを目標値rx以下[例えば、rx=10(Ω)以下]にすることができる。
【0122】
第2実施形態の接地極の施工方法では、杭打込み工程S5を実施する前に、円形下穴26を形成して、接地極杭1を接地抵抗低減剤RGの注入した円形下穴26に挿入することで、杭打込み工程S5において、接地極杭1を土層R(地中)に打込む量を少なくでき(打込む杭長さを短くでき)、接地極杭1の打込みによる座屈を抑えることが可能となる。
【0123】
第2実施形態の接地極の施工方法では、注入工程S3を実施(実行)することなく、掘削工程S1、下穴形成工程S2、杭挿入工程S4及び杭打込み工程S5を実施(実行)しても良い。
第2実施形態の接地極の施工方法では、掘削工程S1と、下穴形成工程S2と、接地極杭1を円形下穴26に挿入する杭挿入工程S4と、杭打込み工程S5と、杭埋設工程SQを含み、杭挿入工程S4は、凹穴25の凹深さH1と、円形下穴26の下穴長さLUと、0mmを超えて2000mm未満の長さと、を加算した杭長さを有する接地極杭1を、一方の杭端1Aから凹穴25及び円形下穴26(接地抵抗低減剤RGを注入していない円形下穴26)の順に挿入すると共に、接地極杭1を、一方の杭端1Aが円形下穴26の穴底26Aに達するまで挿入し、杭埋設工程は、掘削工程S1、下穴形成工程S2、杭挿入工程S4、及び杭打込み工程S5を含む工程群を、N回実施して、凹穴25より下層(下側)の土層RにN本の接地極杭1を埋設することにより、土層Rに埋設したN本の接地極杭1を電気的に並列接続した接地合成抵抗値rを、目標値rx以下にする構成も採用できる。
【0124】
第3実施形態の接地極の施工方法について、
図1乃至
図43を参照して説明する。
なお、
図41及び
図43において、
図1乃至
図40と同一の符号は、同一工程、同一部材、同一構成であるので、その詳細な説明は省略する。
【0125】
第3実施形態の接地極の施工方法は、複数の接地極杭1、複数のコネクタ端子2、及び複数の電気導線3と、を備え、複数の接地極杭1を地中(土層)に埋設して、地中に埋設した各接地極杭1を接地極Pとする。
【0126】
第3実施形態の接地極の施工方法は、
図41及び
図42に示すように、掘削工程S1、下穴形成工程S2、注入工程S3、杭挿入工程S4、杭打込み工程S5、第1杭埋設工程SA及び第2杭埋設工程SBを含み、掘削工程S1、下穴形成工程S2、注入工程S3、杭挿入工程S4及び杭打込み工程S5を含む工程群SXを2回又はn+2回実施して(複数回繰り返して)、凹穴25より下層(下側)の土層Rに2本又はn+2本の接地極杭1を埋設(設置)することにより、土層Rに埋設した2本又はn+2本の接地極杭1を電気的に並列接続した接地合成抵抗値yy(合成抵抗値)を、第1目標値rx(目標値rx)以下にする。第1目標値rx(第1目標抵抗値)は、目標値rxと同一であって、例えば、10Ω以下である。
n(n回)は、n=1,2,3,4,…の正の整数、又は1以上の自然数(正の整数)である。
【0127】
第3実施形態の接地極の施工方法において、掘削工程S1は、2回又はn+2回実施(実行)されて、
図2及び
図3で説明したと同様に、複数の凹穴25を形成する(
図2、
図3、
図43参照)。
2回又はn+2回の掘削工程S1の実施によって、2又はn+2の凹穴25は、
図43に示すように、各凹穴25の間に凹間隔LPを隔てて形成される。なお、各凹穴25は、一の凹穴25の凹側面から掘削して、他の一の凹穴25を一の凹穴25に連続して形成しても良い。
【0128】
第3実施形態の接地極の施工方法において、下穴形成工程S2は、2回又はn+2回実施(実行)されて、
図4乃至
図7で説明したと同様に、2又はn+2の円形下穴26を各凹穴25より下層(下側)の土層Rに形成する(
図4乃至
図7、及び
図43参照)。下穴形成工程S2は、各掘削工程S1に続いて実施される。
2回又はn+2回の下穴形成工程S2の実施によって、2又はn+2の円形下穴26は、
図43に示すように、各円形下穴26の間に穴間隔LYを隔てて平行に配置されて、各凹穴25の凹底面25Aから第1方向Yに延在して各凹穴25より下層の土層Rに形成される。
【0129】
第3実施形態の接地極の施工方法において、注入工程S3は、2回又はn+2回実施(実行)されて、
図8で説明したと同様に、接地抵抗低減剤RGを各円形下穴26に注入する(
図8及び
図43参照)。注入工程S3は、各下穴形成工程S2に続いて実施される。
【0130】
第3実施形態の接地極の施工方法において、杭挿入工程S4は、2回又はn+2回実施(実行)されて、
図9乃至
図12で説明したと同様に、2本又はn+2本の各接地極杭1を接地抵抗低減剤RGの注入した各円形下穴26に挿入する(
図8乃至
図12、及び
図43参照)。杭挿入工程S4は、各下穴形成工程S2に続いて実施される。
2回又はn+2回の杭挿入工程S4の実施によって、各接地極杭1は、一方の杭端1Aが各円形下穴26の穴底26A(又は穴底26A側、又は穴底26A近傍)に達するまで各円形下穴26に挿入される。
【0131】
第3実施形態の接地極の施工方法において、杭打込み工程S5は、2回又はn+2回実施(実行)されて、
図12乃至
図17で説明したと同様に、各円形下穴26に挿入した2本又はn+2本の各接地極杭1を各円形下穴26より下層(下側)の土層Rに打ち込むと共に、各接地極杭1の他方の杭端1B側を各凹穴25内に配置する(
図12乃至
図17、及び
図43参照)。杭打込み工程S5は、各杭挿入工程S4に続いて実施される。
2回又はn+2回の杭打込み工程S5の実施によって、2本又はn+2本の各接地極杭1は、各接地極杭1の間に杭間隔(穴間隔)を隔てて平行に並設されて、各凹穴25の凹底面25Aから第1方向Yに延在して各円形下穴26より下層の土層Rに打ち込まれる。
【0132】
第3実施形態の接地極の施工方法において、第1杭埋設工程SAは、
図41及び
図42に示すように、工程群SX(掘削工程S1、下穴形成工程S2、注入工程S3、杭挿入工程S4及び杭打込み工程S5)を、2回実施して、各凹穴25より下層(下側)の土層Rに2本の接地極杭1を埋設する(
図32乃至
図37参照)。
【0133】
2本の接地極杭1を地中(土層R)に埋設する(打込む)と、土層Rに打込んだ2本の接地極杭1を電気的に並列接続して、電気的に並列接続した2本の接地極杭1の接地合成抵抗値raを接地抵抗計で測定する。
【0134】
第2杭埋設工程SBは、土層R(地中)に埋設した2本の接地極杭1を電気的に並列接続した接地合成抵抗値ra(合成抵抗値)が、第1目標値yx(目標値)を超え第2目標値rz以下であると、
図43に示すように、更に、工程群SXを、n回実施(実行)して、各凹穴25より下層(下側)の土層Rにn本の接地極杭1を埋設する(打込む)ことにより、土層R(地中)に埋設したn+2本の接地極杭1を電気的に並列接続した接地合成抵抗値rb(合成抵抗値)を、第1目標値rx(第1目標抵抗値)以下にする。
第2目標値rz(第2目標抵抗値)は、「日本産業規格「JIS A 4201:1992(建築物等の避雷設備)」に規定される「単独接地抵抗:50Ω以下」とする。第2目標値rzは、例えば、46Ω以下とする。
【0135】
第2杭埋設工程SBは、工程群SX(掘削工程S1、下穴形成工程S2、注入工程S3、杭挿入工程S4及び杭打込み工程S5)をn回実施(実行)する毎に、各凹穴25より下層の土層Rに打ち込んだn+2本(n=1,2,3,4,…:正の整数)の接地極杭1を電気的に並列接続して、電気的に並列接続したn+2本(複数)の接地極杭1の接地合成抵抗値rb(合成抵抗値)を接地抵抗計で測定する。
接地抵抗計で測定したn+2本の接地極杭1の接地合成抵抗値raが第1目標値rx(第1目標抵抗値)を超え第2目標値rb(第2目標抵抗値)以下であると、更に工程群SX(掘削工程S1、下穴形成工程S2、注入工程S3,杭挿入工程S4及び杭打込み工程S5)を実施(実行)する。
n+2本の接地極杭1の接地合成抵抗値rbを測定した後に、n+2本の接地極杭1の電気的な並列接続を解除して、更に工程群SX(掘削工程S1、下穴形成工程S2、注入工程S3,杭挿入工程S4及び杭打込み工程S5)を実施(実行)する。
【0136】
第2杭埋設工程SBでは、土層R(地中)に埋設した2本の接地極杭1を電気的に並列接続した接地合成抵抗値ra(合成抵抗値)が、第1目標値yx(目標値)以下であると、
図38及び
図39で説明したと同様に、導線引出工程S6、導線接続工程S7、埋戻し工程S8及び埋設工程S9を実施して、2本の接地極杭1を地中(土層R)に埋設(設置)する。
【0137】
第2杭埋設工程SBでは、土層R(地中)に埋設した2本の接地極杭1を電気的に並列接続した接地合成抵抗値ra(合成抵抗値)が、第2目標値rzを超えると、接地極杭1の埋設(打込み)を終了(完了)する。
土層R(地中)に打込んだ2本の接地極杭1を、地中(土層R)から引き抜いて、各凹穴25及び各円形下穴26から2本の接地極杭1を取り除く。
【0138】
第2杭埋設工程SBでは、土層R(地中)に埋設したn+2本の接地極杭1を電気的に並列接続した接地合成抵抗値ra(合成抵抗値)が、第1目標値rx以下であると、
図38及び
図39で説明したと同様に、導線引出工程S6、導線接続工程S7、埋戻し工程S8及び埋設工程S9を実施して、n+2本の接地極杭1を地中(土層R)に埋設(設置)する。
【0139】
第3実施形態の接地極の施工方法では、
図41及び
図42に示すように、掘削工程S1、下穴形成工程S2、注入工程S3、杭挿入工程S4、杭打込み工程S5を含む工程群SXを、n+2回実施して、n+2回の工程群SXの実施に続いて、導線引出工程S6、導線接続工程S7、埋戻し工程S8及び埋設工程S9を実施して、n+2本の接地極杭1を地中(土層R)に埋設(設置)することで、地中(土層R)に埋設したN本の接地極杭1を接地極Pとして用いることができる。
【0140】
第3実施形態の接地極の施工方法では、凹穴の凹深さと円形下穴の下穴長さと0mmを超え2000mm未満の長さを加算した杭長さを有する接地極杭とし、掘削工程S1、下穴形成工程S2、注入工程S3、杭挿入工程S4及び杭打込み工程S5を含む工程群SXを、N回実施することで、足場等の作業床を用いる高所作業を行う必要がなく(足場等の作業床を設置して杭打込み工程S4の作業を行う必要がなく)、地上作業によって、N本(複数)の接地極杭1(杭長さL=3000mm~5000mmの範囲の1の杭長さを有る接地極杭1)を、凹穴25より下層(下側)の土層R(地中)に打込んで埋設(設置)できる。
【0141】
第3実施形態の接地極の施工方法では、n+2本の接地極杭1を地中に埋設することで、n+1本の接地極杭1を電気的に並列接続した接地合成抵抗値rbを第1目標値rx以下[例えば、rx=10(Ω)以下]にすることができる。
【0142】
第3実施形態の接地極の施工方法では、杭打込み工程S5を実施する前に、円形下穴26を形成して、接地極杭1を接地抵抗低減剤RGの注入した円形下穴26に挿入することで、杭打込み工程S5において、接地極杭1を土層R(地中)に打込む量を少なくでき(打込む杭長さを短くでき)、接地極杭1の打込みによる座屈を抑えることが可能となる。
【0143】
第3実施形態の接地極の施工方法において、第2杭埋設工程SBは、工程群SXを、n回(n=1,2,3,4:正の整数)実施して、2本以上の接地極杭1であって、2本~6本の任意の本数の接地極杭1を、地中(土層R)に埋設する(打込む)ことで、土層R(地中)に埋設したn+2本の接地極杭1を電気的に並列接続した接地合成抵抗値rbを、第1目標値rx以下にする構成も採用できる。
なお、n+2本(n=1,2,3,4:正の整数)の接地極杭1は、1日で地中(土層R)に埋設することのできる本数である。
【0144】
第3実施形態の接地極の施工方法では、注入工程S3を実施(実行)することなく、掘削工程S1、下穴形成工程S2、杭挿入工程S4及び杭打込み工程S5を実施(実行)しても良い。
第3実施形態の接地極の施工方法では、掘削工程S1と、下穴形成工程S2と、接地極杭1を円形下穴26に挿入する杭挿入工程S4と、杭打込み工程S5と、杭埋設工程SQを含み、杭挿入工程S4は、凹穴25の凹深さH1と、円形下穴26の下穴長さLUと、0mmを超えて2000mm未満の長さと、を加算した杭長さを有する接地極杭1を、一方の杭端1Aから凹穴25及び円形下穴26(接地抵抗低減剤RGを注入していない円形下穴26)の順に挿入すると共に、接地極杭1を、一方の杭端1Aが円形下穴26の穴底26Aに達するまで挿入し、第1杭埋設工程は、掘削工程S1、下穴形成工程S2、杭挿入工程S4、及び杭打込み工程S5を含む工程群を、2回実施して、凹穴25より下層(下側)の土層Rに2本の接地極杭1を埋設し、第2杭埋設工程は、土層Rに埋設した2本の接地極杭1を電気的に並列接続した接地合成抵抗値raが、第1目標値rxを超えて第2目標値以下であると、工程群を、n回実施して、凹穴25より下層(下側)土層Rにn本の接地極杭1を埋設することにより、土層Rに埋設したn+2本の接地極杭1を電気的に並列接続した接地合成抵抗値rbを、第1目標値rx以下にする構成も採用できる。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本発明は、長尺(例えば、杭長さL=3000mm~5000mmの範囲)の接地極杭を地中(土層)に打ち込んで埋設するのに最適である。
【符号の説明】
【0146】
P 接地極
1 接地極杭
D 接地極杭の最大直径D(円管部の直径)
L 接地極杭の杭長さ
25 凹穴
26 円形下穴
RG 接地抵抗低減剤
LU 下穴長さ