(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040953
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240318BHJP
H04N 1/387 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
H04N1/00 127Z
H04N1/387
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145628
(22)【出願日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】東城 昂広
【テーマコード(参考)】
5C062
5C076
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AB38
5C062AB41
5C062AB42
5C062AC22
5C062AC24
5C062AC38
5C062AF14
5C076AA26
5C076BA07
(57)【要約】
【課題】情報処理装置及び他の情報処理装置の両方に、同一の識別情報に係る色変換情報が登録されていても、関連付けられた色変換情報を適用してジョブ情報を出力することができる。
【解決手段】情報処理装置は、プロセッサを備え、プロセッサは、自装置と異なる他の情報処理装置に登録されたジョブ情報、及び、当該ジョブ情報に関連付けられた色変換情報を識別する識別情報を取得し、自装置及び他の情報処理装置の両方に、当該識別情報に係る色変換情報が登録されている場合は、予め定められた装置に登録された色変換情報を適用してジョブ情報を出力する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
自装置と異なる他の情報処理装置に登録されたジョブ情報、及び、当該ジョブ情報に関連付けられた色変換情報を識別する識別情報を取得し、
自装置及び前記他の情報処理装置の両方に、前記識別情報に係る前記色変換情報が登録されている場合は、予め定められた装置に登録された前記色変換情報を適用して前記ジョブ情報を出力する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記予め定められた装置として自装置が登録されている場合は、自装置に登録された前記色変換情報を適用して前記ジョブ情報を出力する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記予め定められた装置として前記他の情報処理装置が登録されている場合は、前記他の情報処理装置に登録された前記色変換情報を適用して前記ジョブ情報を出力する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、自装置及び前記他の情報処理装置のうち片方のみに、前記識別情報に係る前記色変換情報が登録されている場合であって、前記予め定められた装置と前記識別情報に係る前記色変換情報を登録している装置とが一致する場合は、前記色変換情報を適用して前記ジョブ情報を出力する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記予め定められた装置と前記色変換情報を登録している装置とが一致しない場合は、前記色変換情報を適用せずに前記ジョブ情報を出力する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記予め定められた装置は、前記ジョブ情報を前記他の情報処理装置に登録したユーザによって定められた装置である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記予め定められた装置は、前記ユーザが前記ジョブ情報を前記他の情報処理装置に登録する前に定めた装置である、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
自装置と異なる他の情報処理装置に登録されたジョブ情報、及び、当該ジョブ情報に関連付けられた色変換情報を識別する識別情報を取得し、
自装置及び前記他の情報処理装置の両方に、前記識別情報に係る前記色変換情報が登録されている場合は、予め定められた装置に登録された前記色変換情報を適用して前記ジョブ情報を出力する、
処理をコンピュータに実行させる、
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像形成装置が開示されている。この画像形成装置は、ネットワークに接続される通信装置と、色変換処理部と、プリント装置と、プリント装置用のカラープロファイルを記憶する記憶装置と、を備える。また、この画像形成装置は、通信装置を使用して、ネットワークに接続されている他の色変換デバイスから、他の色変換デバイスに記憶されているカラープロファイルの名称を取得するプロファイル管理部を備える。また、この画像形成装置は、プリント装置を使用するジョブのジョブ要求を受け付けると、プロファイル管理部により取得されたカラープロファイルの名称および記憶装置に記憶されているカラープロファイルの名称を含むプロファイルリストを所定のユーザーインターフェイスに表示させ、ユーザによりプロファイルリストから選択されたカラープロファイルを特定するジョブ管理部を備える。色変換処理部においては、ジョブ管理部により特定されたカラープロファイルに従って、プリントすべき画像の色変換を実行する。また、ジョブ管理部においては、ジョブ要求に従って、色変換後のプリントすべき画像をプリント装置にプリントさせる。
【0003】
特許文献2には、ネットワークに接続されたユーザ端末及び複数の画像形成装置を具備し、ユーザ端末が、複数の画像形成装置のうちの、親機として設定された画像形成装置の識別情報に基づいて印刷ジョブを親機に送信し、親機が、ユーザ端末からの印刷ジョブを保存し、複数の画像形成装置のうちの、子機として設定された画像形成装置が、親機に保存された印刷ジョブを実行するプリントサービスを利用可能な印刷システムに適用される、子機として設定された画像形成装置が開示されている。この画像形成装置は、親機の識別情報を記憶する識別情報設定記憶部と、プリントサービスの利用時に、識別情報設定記憶部に記憶された識別情報をユーザ端末に送信する識別情報送信制御部と、を具備する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-016966号公報
【特許文献2】特開2018-018318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
情報処理装置が、当該情報処理装置と異なる他の情報処理装置に登録されたジョブ情報に色変換情報を適用して出力する技術がある。この技術では、色変換情報を登録している装置が異なると、色変換情報を識別する識別情報が同一であっても、異なる色変換情報を示す場合がある。したがって、情報処理装置及び上記他の情報処理装置の両方に、同一の識別情報に係る色変換情報が登録されていると、出力するジョブ情報に関連付けられた色変換情報が適用されない場合があるという課題があった。
【0006】
本開示は、情報処理装置及び他の情報処理装置の両方に、同一の識別情報に係る色変換情報が登録されていても、関連付けられた色変換情報を適用してジョブ情報を出力することができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、自装置と異なる他の情報処理装置に登録されたジョブ情報、及び、当該ジョブ情報に関連付けられた色変換情報を識別する識別情報を取得し、自装置及び前記他の情報処理装置の両方に、前記識別情報に係る前記色変換情報が登録されている場合は、予め定められた装置に登録された前記色変換情報を適用して前記ジョブ情報を出力する。
【0008】
また、第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記予め定められた装置として自装置が登録されている場合は、自装置に登録された前記色変換情報を適用して前記ジョブ情報を出力する。
【0009】
また、第3態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記予め定められた装置として前記他の情報処理装置が登録されている場合は、前記他の情報処理装置に登録された前記色変換情報を適用して前記ジョブ情報を出力する。
【0010】
また、第4態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、自装置及び前記他の情報処理装置のうち片方のみに、前記識別情報に係る前記色変換情報が登録されている場合であって、前記予め定められた装置と前記識別情報に係る前記色変換情報を登録している装置とが一致する場合は、前記色変換情報を適用して前記ジョブ情報を出力する。
【0011】
また、第5態様に係る情報処理装置は、第4態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記予め定められた装置と前記色変換情報を登録している装置とが一致しない場合は、前記色変換情報を適用せずに前記ジョブ情報を出力する。
【0012】
また、第6態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記予め定められた装置は、前記ジョブ情報を前記他の情報処理装置に登録したユーザによって定められた装置である。
【0013】
また、第7態様に係る情報処理装置は、第6態様に係る情報処理装置において、前記予め定められた装置は、前記ユーザが前記ジョブ情報を前記他の情報処理装置に登録する前に定めた装置である。
【0014】
また、第8態様に係る情報処理プログラムは、自装置と異なる他の情報処理装置に登録されたジョブ情報、及び、当該ジョブ情報に関連付けられた色変換情報を識別する識別情報を取得し、自装置及び前記他の情報処理装置の両方に、前記識別情報に係る前記色変換情報が登録されている場合は、予め定められた装置に登録された前記色変換情報を適用して前記ジョブ情報を出力する、処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0015】
第1態様、及び第8態様によれば、情報処理装置及び他の情報処理装置の両方に、同一の識別情報に係る色変換情報が登録されていても、関連付けられた色変換情報を適用してジョブ情報を出力することができる。
【0016】
第2態様によれば、情報処理装置に登録された色変換情報を適用してジョブ情報を出力することができる。
【0017】
第3態様によれば、他の情報処理装置に登録された色変換情報を適用してジョブ情報を出力することができる。
【0018】
第4態様によれば、予め定められた装置と色変換情報を登録している装置とが一致すれば、色変換情報を適用してジョブ情報を出力することができる。
【0019】
第5態様によれば、予め定められた装置と色変換情報を登録している装置とが一致しない場合であっても、ジョブ情報を出力できる。
【0020】
第6態様によれば、ジョブ情報を登録したユーザが、当該ジョブ情報に適用する色変換情報を定めることができる。
【0021】
第7態様によれば、ユーザがジョブ情報を登録する前に、当該ジョブ情報に適用する色変換情報を定めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施形態に係る情報処理システムのハードウェア構成の一例を示す模式図である。
【
図2】実施形態に係るユーザ端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る子機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】実施形態に係る子機における情報処理の流れの一例をフローチャートである。
【
図5】実施形態に係る情報処理システムにおける事前処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本開示の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0024】
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム100は、情報処理装置の一例としての子機10A、10B、・・・と、子機10と異なる他の情報処理装置の一例としての親機20と、ユーザが所有するユーザ端末30と、を備えている。以下では、子機10A、10B、・・・を区別することなく説明する場合は単に「子機10」と総称する。
【0025】
子機10と、親機20とは、通信手段N2を介して相互に通信可能とされている。本実施形態では、1つの親機20に対して複数の子機10が、サーバを介さずに通信手段N2を介して接続されている。なお、子機10と、親機20との数は、
図1に示す数に限られない。また、本実施形態では、通信手段N2としてLAN又はWAN等の企業内の通信回線を適用している。しかし、この例に限られない。例えば、通信手段N2として、インターネット又は電話回線等の公共の通信回線を適用してもよいし、企業内の通信回線及び公共の通信回線を組み合わせて適用してもよい。また、本実施形態では、通信手段N2として無線の通信回線を適用している。しかし、通信手段N2として、有線の通信回線を適用してもよいし、有線及び無線の各通信回線を組み合わせて適用してもよい。
【0026】
また、親機20と、ユーザ端末30とは、通信手段N1を介して相互に通信可能とされている。なお、本実施形態では、通信手段N1としてインターネット又は電話回線等の公共の通信回線を適用している。しかし、この例に限られない。例えば、通信手段N1として、LAN(Local Area Network)、又はWAN(Wide Area Network)等の企業内の通信回線を適用してもよいし、企業内の通信回線及び公共の通信回線を組み合わせて適用してもよい。また、本実施形態では、通信手段N1として無線の通信回線を適用している。しかし、通信手段N1として、有線の通信回線を適用してもよいし、有線及び無線の各通信回線を組み合わせて適用してもよい。
【0027】
ユーザ端末30の一例としては、スマートフォン等の携帯電話、又はノートPC(Personal computer)等が適用される。
【0028】
図2に示すように、ユーザ端末30は、CPU(Central Processing Unit)31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33、ストレージ34、入力部35、表示部36、及び通信I/F(Interface)37の各構成を有する。各構成は、バス39を介して相互に通信可能に接続されている。
【0029】
CPU31は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU31は、ROM32又はストレージ34からプログラムを読み出し、RAM33を作業領域としてプログラムを実行する。CPU31は、ROM32又はストレージ34に記憶されているプログラムに従って、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM32又はストレージ34には、事前処理プログラム32Aが格納されている。
【0030】
ROM32は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM33は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ34は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0031】
入力部35は、マウス等のポインティングデバイス、およびキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。
【0032】
表示部36は、たとえば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。表示部16は、タッチパネル方式を採用して、入力部15として機能しても良い。
【0033】
通信I/F37は、親機20等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0034】
子機10及び親機20の一例としては、画像形成装置が適用される。しかし、この例に限られない。子機10及び親機20は、いかなる情報処理を行なう装置であっても良い。ここで、情報処理とは、例えば、文字データ又は画像データ等から印刷を実行する処理、子機10及び親機20が備える設備を用いてデータを生成又は加工等する処理、子機10及び親機20との間でデータを授受する処理等を含む。
【0035】
図3に示すように、子機10は、CPU11、ROM12、RAM13、ストレージ14、入力部15、表示部16、通信I/F17、画像処理部41、及び印刷制御部42の各構成を有する。各構成は、バス19を介して相互に通信可能に接続されている。なお、子機10及び親機20は一般的な画像形成装置の構成とされているので、子機10を代表して説明して、親機20の説明は省略し、対応する符号のみを
図3に示す。
【0036】
CPU11は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU11は、ROM12又はストレージ14からプログラムを読み出し、RAM13を作業領域としてプログラムを実行する。CPU11は、ROM12又はストレージ14に記憶されているプログラムに従って、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM12又はストレージ14には、情報処理プログラム12Aが格納されている。
【0037】
ROM12は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ14は、HDD又はSSD等の記憶装置により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0038】
入力部15は、マウス等のポインティングデバイス、およびキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。
【0039】
表示部16は、たとえば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。表示部16は、タッチパネル方式を採用して、入力部15として機能しても良い。
【0040】
通信I/F17は、親機20等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0041】
画像処理部41は各種画像処理を行う。印刷制御部42は、画像形成処理、トレイに給紙された用紙を検知する検知処理、及び用紙を搬送する搬送処理等を行う。
【0042】
次に、
図4を参照して、本実施形態の子機10における情報処理の流れについて説明する。情報処理は、CPU11がROM12又はストレージ14から情報処理プログラム12Aを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、行なわれる。
【0043】
図4のステップS100において、CPU11は、親機20に登録されたジョブ情報を、自装置である子機10で出力する指示を、入力部15を介して受け付けるまで待機する。CPU11が親機20に登録されたジョブ情報を自装置である子機10で出力する指示を受け付けると(ステップS100:YES)、ステップS102に移行する。
【0044】
ステップS102において、CPU11は、親機20に対して、ユーザが予め親機20に登録したジョブ情報、及び、当該ジョブ情報に関連付けられた色変換情報を識別する識別情報である蓄積ジョブ情報を送信する指示を送信する。
【0045】
ここで、色変換情報とは、関連付けられたジョブ情報の色味を調整して出力する場合に適用する色空間を示す情報である。また、色変換情報を識別する識別情報とは、色変換情報の名称、又は色変換情報のID(Identification)等である。
【0046】
ステップS104において、CPU11は、親機20から受信した蓄積ジョブ情報の一覧である蓄積ジョブリストを表示部16に表示する。なお、ステップS104において、CPU11は、親機20から受信した蓄積ジョブ情報のうちジョブ情報のみを一覧で表示してもよい。
【0047】
ステップS106において、CPU11は、蓄積ジョブリストに表示された蓄積ジョブ情報のうち、何れかの蓄積ジョブ情報の選択を、入力部15を介して受け付けるまで待機する。CPU11が何れかの蓄積ジョブ情報の選択を受け付けると(ステップS106:YES)、ステップS108に移行する。
【0048】
ステップS108において、CPU11は、ステップS106において選択を受け付けた蓄積ジョブ情報におけるジョブ情報(以下、「選択ジョブ」という)に色変換情報が関連付けられているか否かを判定する。言い換えると、CPU11は、選択ジョブと共に識別情報が登録されているか否かを判定する。CPU11は、選択ジョブに色変換情報が関連付けられている場合(ステップS108:YES)、ステップS110に移行する。一方、CPU11は、選択ジョブに色変換情報が関連付けられていない場合(ステップS108:NO)、ステップS128に移行する。
【0049】
ステップS110において、CPU11は、親機20に対して、選択ジョブと関連付けられた識別情報に係る色変換情報が親機20に登録されているか否かを問い合わせる。
【0050】
ステップS112において、CPU11は、自装置である子機10及び親機20の両方に、選択ジョブと関連付けられた識別情報に係る色変換情報が登録されているか否かを判定する。具体的に、CPU11は、選択ジョブと関連付けられた識別情報に係る色変換情報が自装置のストレージ14に登録されており、かつ当該色変換情報が親機20にも登録されているか否かを判定する。CPU11は、自装置である子機10及び親機20の両方に、選択ジョブと関連付けられた識別情報に係る色変換情報が登録されている場合(ステップS112:YES)、ステップS114に移行する。
【0051】
ステップS114において、CPU11は、ストレージ14から、予め定められた適用装置(以下、単に「適用装置」という)が子機10であるか否かを判定する。CPU11は適用装置が子機10である場合(ステップS114:YES)、ステップS116に移行する。適用装置をストレージ14に登録する処理については詳細を後述する。
【0052】
ステップS116において、CPU11は、子機10に登録され、かつ選択ジョブと関連付けられた識別情報に係る色変換情報を適用して選択ジョブを出力し、本情報処理を終了する。
【0053】
ステップS114に戻って、CPU11は適用装置が子機10でない、すなわち適用装置が親機20である場合(ステップS114:NO)、ステップS118に移行する。ステップS118において、CPU11は、親機20に登録され、かつ選択ジョブと関連付けられた識別情報に係る色変換情報を適用して選択ジョブを出力し、本情報処理を終了する。
【0054】
ステップS112に戻って、CPU11は、子機10及び親機20の両方には、選択ジョブと関連付けられた識別情報に係る色変換情報が登録されていない場合(ステップS112:NO)、ステップS120に移行する。ステップS120において、CPU11は、自装置である子機10のみに、選択ジョブと関連付けられた識別情報に係る色変換情報が登録されているか否かを判定する。具体的に、CPU11は、選択ジョブと関連付けられた識別情報に係る色変換情報が自装置のストレージ14に登録されており、かつ当該色変換情報が親機20に登録されていないか否かを判定する。CPU11は、自装置である子機10のみに、選択ジョブと関連付けられた識別情報に係る色変換情報が登録されている場合(ステップS120:YES)、ステップS122に移行する。
【0055】
ステップS122において、CPU11は、ストレージ14に登録された適用装置が自装置である子機10であるか否かを判定する。CPU11は適用装置が自装置である子機10である場合(ステップS122:YES)、ステップS116に移行する。一方、CPU11は適用装置が自装置である子機10でない、すなわち適用装置が親機20である場合(ステップS122:NO)、ステップS128に移行する。
【0056】
ステップS120に戻って、CPU11は、子機10に選択ジョブと関連付けられた識別情報に係る色変換情報が登録されていない場合(ステップS120:NO)、ステップS124に移行する。ステップS124において、CPU11は、親機20のみに、選択ジョブと関連付けられた識別情報に係る色変換情報が登録されているか否かを判定する。具体的に、CPU11は、選択ジョブと関連付けられた識別情報に係る色変換情報が自装置のストレージ14に登録されておらず、かつ当該色変換情報が親機20に登録されているか否かを判定する。CPU11は、親機20のみに、選択ジョブと関連付けられた識別情報に係る色変換情報が登録されている場合(ステップS124:YES)、ステップS126に移行する。一方、CPU11は、親機20に選択ジョブと関連付けられた識別情報に係る色変換情報が登録されていない場合、すなわち子機10及び親機20の両方に、選択ジョブと関連付けられた識別情報に係る色変換情報が登録されていない場合(ステップS124:NO)、ステップS128に移行する。
【0057】
ステップS126において、CPU11は、ストレージ14に登録された適用装置が親機20であるか否かを判定する。CPU11は適用装置が親機20である場合(ステップS126:YES)、ステップS118に移行する。一方、CPU11は適用装置が親機20でない、すなわち適用装置が子機10である場合(ステップS126:NO)、ステップS128に移行する。
【0058】
ステップS128において、CPU11は、色変換情報を適用せずに選択ジョブを出力し、本情報処理を終了する。
【0059】
次に、
図5を参照して、本実施形態の情報処理システム100における事前処理の流れについて説明する。事前処理は、ユーザ端末30のCPU31がROM32又はストレージ34から事前処理プログラム32Aを読み出して、RAM33に展開して実行することにより、行なわれる。
【0060】
図5のステップS200において、ユーザ端末30のCPU31は、子機10に対して、適用装置として、子機10又は親機20を登録する指示を送信する。
【0061】
一方、ステップS202において、子機10のCPU11は、ユーザ端末30から受信した適用装置をストレージ14に登録する。
【0062】
ステップS204において、ユーザ端末30のCPU31は、親機20に対して、ジョブ情報、及び、当該ジョブ情報に関連付けられた色変換情報を識別する識別情報(すなわち、蓄積ジョブ情報)を親機20に登録する指示を送信する。
【0063】
一方、ステップS206において、親機20のCPU21は、ユーザ端末30から受信した蓄積ジョブ情報をストレージ24に登録する。
【0064】
以上、実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0065】
また、上記実施の形態は、請求項にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の組み合わせにより種々の発明が抽出される。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0066】
例えば、本実施形態では、CPU11は、適用装置、及び、選択ジョブと関連付けられた識別情報に係る色変換情報を登録している装置が一致しない場合は、当該色変換情報を適用せずに選択ジョブを出力していた。しかし、この例に限られない。この場合、CPU11は、選択ジョブを出力しなくてもよいし、当該色変換情報を適用して選択ジョブを出力してもよい。
【0067】
また、本実施形態では、ユーザ端末30によってジョブ情報が親機20に登録される前に、適用装置が定められていた。しかし、この例に限られない。ユーザ端末30によってジョブ情報が親機20に登録された後に、適用装置が定められてもよい。
【0068】
また、適用装置は、ユーザ端末30ではなく、親機20の入力部25等を介してユーザによって定められてもよい。或いは、適用装置は、親機20の管理者等によって定められてもよい。
【0069】
また、上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0070】
また、上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0071】
本実施形態では、情報処理プログラム12AがROM12又はストレージ14にインストールされている形態を説明したが、これに限定されるものではない。本実施形態に係る情報処理プログラム12Aを、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記録した形態で提供してもよい。例えば、本実施形態に係る情報処理プログラム12Aを、CD(Compact Disc)-ROM及びDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等の光ディスクに記録した形態、若しくはUSB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカード等の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。また、本実施形態に係る情報処理プログラム12Aを、通信I/F17を介して外部の装置から取得するようにしてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、情報処理システム100における処理を、プログラムを実行することにより、コンピュータを利用してソフトウェア構成により実現する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、情報処理システム100における処理を、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成の組み合わせによって実現する形態としてもよい。
【0073】
その他、上記実施形態で説明した子機10と、親機20と、ユーザ端末30と、の構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりしてもよいことは言うまでもない。
【0074】
また、上記実施の形態で説明した情報処理システム100における処理の流れ(
図4、5参照)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【0075】
また、本開示は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0076】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
自装置と異なる他の情報処理装置に登録されたジョブ情報、及び、当該ジョブ情報に関連付けられた色変換情報を識別する識別情報を取得し、
自装置及び前記他の情報処理装置の両方に、前記識別情報に係る前記色変換情報が登録されている場合は、予め定められた装置に登録された前記色変換情報を適用して前記ジョブ情報を出力する、
情報処理装置。
【0077】
(((2)))
前記プロセッサは、前記予め定められた装置として自装置が登録されている場合は、自装置に登録された前記色変換情報を適用して前記ジョブ情報を出力する、(((1)))に記載の情報処理装置。
【0078】
(((3)))
前記プロセッサは、前記予め定められた装置として前記他の情報処理装置が登録されている場合は、前記他の情報処理装置に登録された前記色変換情報を適用して前記ジョブ情報を出力する、(((1)))又は(((2)))に記載の情報処理装置。
【0079】
(((4)))
前記プロセッサは、自装置及び前記他の情報処理装置のうち片方のみに、前記識別情報に係る前記色変換情報が登録されている場合であって、前記予め定められた装置と前記識別情報に係る前記色変換情報を登録している装置とが一致する場合は、前記色変換情報を適用して前記ジョブ情報を出力する、(((1)))~(((3)))の何れか1つに記載の情報処理装置。
【0080】
(((5)))
前記プロセッサは、前記予め定められた装置と前記色変換情報を登録している装置とが一致しない場合は、前記色変換情報を適用せずに前記ジョブ情報を出力する、(((4)))に記載の情報処理装置。
【0081】
(((6)))
前記予め定められた装置は、前記ジョブ情報を前記他の情報処理装置に登録したユーザによって定められた装置である、(((1)))に記載の情報処理装置。
【0082】
(((7)))
前記予め定められた装置は、前記ユーザが前記ジョブ情報を前記他の情報処理装置に登録する前に定めた装置である、(((6)))に記載の情報処理装置。
【0083】
(((8)))
自装置と異なる他の情報処理装置に登録されたジョブ情報、及び、当該ジョブ情報に関連付けられた色変換情報を識別する識別情報を取得し、
自装置及び前記他の情報処理装置の両方に、前記識別情報に係る前記色変換情報が登録されている場合は、予め定められた装置に登録された前記色変換情報を適用して前記ジョブ情報を出力する、
処理をコンピュータに実行させる、
情報処理プログラム。
【0084】
(((1)))及び(((8)))によれば、情報処理装置及び他の情報処理装置の両方に、同一の識別情報に係る色変換情報が登録されていても、関連付けられた色変換情報を適用してジョブ情報を出力することができる。
【0085】
(((2)))によれば、情報処理装置に登録された色変換情報を適用してジョブ情報を出力することができる。
【0086】
(((3)))によれば、他の情報処理装置に登録された色変換情報を適用してジョブ情報を出力することができる。
【0087】
(((4)))によれば、予め定められた装置と色変換情報を登録している装置とが一致すれば、色変換情報を適用してジョブ情報を出力することができる。
【0088】
(((5)))によれば、予め定められた装置と色変換情報を登録している装置とが一致しない場合であっても、ジョブ情報を出力できる。
【0089】
(((6)))によれば、ジョブ情報を登録したユーザが、当該ジョブ情報に適用する色変換情報を登録している装置を定めることができる。
【0090】
(((7)))によれば、ユーザがジョブ情報を登録する前に、当該ジョブ情報に適用する色変換情報を登録している装置を定めることができる。
【符号の説明】
【0091】
10 子機
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 ストレージ
15 入力部
16 表示部
17 通信I/F
19 バス
20 親機
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 ストレージ
25 入力部
26 表示部
27 通信I/F
29 バス
30 ユーザ端末
31 CPU
32 ROM
33 RAM
34 ストレージ
35 入力部
36 表示部
37 通信I/F
39 バス
41 画像処理部
42 印刷制御部
51 画像処理部
52 印刷制御部
100 情報処理システム
N1 通信手段
N2 通信手段