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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040971
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】画像処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240318BHJP
   H04N 1/387 20060101ALI20240318BHJP
   H04N 1/04 20060101ALI20240318BHJP
   H04N 1/10 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
H04N1/00 Z
H04N1/387 200
H04N1/387
H04N1/00 L
H04N1/04 106A
H04N1/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145649
(22)【出願日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田村 茂朗
(72)【発明者】
【氏名】土樋 祐希
(72)【発明者】
【氏名】林 学
(72)【発明者】
【氏名】笠井 文仁
(72)【発明者】
【氏名】久保田 奏
(72)【発明者】
【氏名】井口 裕熙
(72)【発明者】
【氏名】塩野 優人
【テーマコード(参考)】
5C062
5C072
5C076
【Fターム(参考)】
5C062AA02
5C062AA05
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC24
5C062AC58
5C062AC66
5C062AE01
5C062AE15
5C072AA01
5C072BA10
5C072BA20
5C072CA05
5C072EA05
5C072LA02
5C072LA11
5C072RA02
5C072RA04
5C072RA20
5C072XA01
5C076AA02
5C076AA36
5C076CA10
(57)【要約】
【課題】複数の原稿が乱れた状態で行列状に載置された場合でも、正しくページ番号を設定することが可能な画像処理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】複数の原稿が撮影された全体画像の中から各原稿画像の位置座標を抽出し、全体画像に含まれる複数の原稿画像の中から、全体画像における原点を基準とする設定された原稿の並び方向と平行な第1の座標軸と、並び方向に沿った2辺のうち第1の座標軸から遠い方の辺である第1の辺との距離が最も短い原稿画像を抽出する第1の処理を実行し、抽出した原稿画像の第1の辺を並び方向に延長した線と重なる他の原稿画像を、同一グループの原稿画像として抽出する第2の処理を実行し、抽出された同一グループの原稿画像の各々に対して、原点から近い順にページ番号を設定する第3の処理を実行する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
複数の原稿が撮影された全体画像の中から各原稿画像の位置座標を抽出し、
全体画像に含まれる複数の原稿画像の中から、全体画像における原点を基準とする設定された原稿の並び方向と平行な第1の座標軸と、前記並び方向に沿った2辺のうち前記第1の座標軸から遠い方の辺である第1の辺との距離が最も短い原稿画像を抽出する第1の処理を実行し、
抽出した原稿画像の前記第1の辺を前記並び方向に延長した線と重なる他の原稿画像を、同一グループの原稿画像として抽出する第2の処理を実行し、
抽出された同一グループの原稿画像の各々に対して、原点から近い順にページ番号を設定する第3の処理を実行する
画像処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
全体画像に含まれる原稿画像のうち、ページ番号が設定された原稿画像を除外して、前記第1の処理、前記第2の処理、及び、前記第3の処理を順に実行する第4の処理を、ページ番号が設定されていない原稿画像がなくなるまで繰り返す
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
原稿画像が矩形であるが原稿画像において前記並び方向と平行な辺がない場合、又は、原稿画像が矩形でない場合、原稿画像の形状を、原稿画像の外周に接し、かつ、前記並び方向と平行な辺を有する矩形とみなす
請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
ユーザの指示に応じて、全体画像における原点の位置、及び、前記並び方向の少なくとも1つの設定を変更する
請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
ユーザの指示に応じて、
全体画像における原点の位置を、原稿が載置される平面に前記ユーザが向き合った際の左上とし、前記並び方向を全体画像における横方向とする第1の設定、
全体画像における原点の位置を、原稿が載置される平面に前記ユーザが向き合った際の左上とし、前記並び方向を全体画像における縦方向とする第2の設定、
全体画像における原点の位置を、原稿が載置される平面に前記ユーザが向き合った際の右上とし、前記並び方向を全体画像における横方向とする第3の設定、及び、
全体画像における原点の位置を、原稿が載置される平面に前記ユーザが向き合った際の右上とし、前記並び方向を全体画像における縦方向とする第4の設定の中のいずれかの設定に変更する
請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
全体画像において、各原稿画像に対して設定されたページ番号を合わせて表示する
請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
ユーザの指示に応じて、全体画像において各原稿画像を移動させることが可能であり、
各原稿画像の移動に応じて、各原稿画像のページ番号を設定しなおす
請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
各原稿画像を各原稿画像に対して設定されたページ番号順に並べた画像を表示する
請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項9】
複数の原稿が撮影された全体画像の中から各原稿画像の位置座標を抽出するステップと、
全体画像に含まれる複数の原稿画像の中から、全体画像における原点を基準とする設定された原稿の並び方向と平行な第1の座標軸と、前記並び方向に沿った2辺のうち前記第1の座標軸から遠い方の辺である第1の辺との距離が最も短い原稿画像を抽出する第1の処理を実行するステップと、
抽出した原稿画像の前記第1の辺を前記並び方向に延長した線と重なる他の原稿画像を、同一グループの原稿画像として抽出する第2の処理を実行するステップと、
抽出された同一グループの原稿画像の各々に対して、原点から近い順にページ番号を設定する第3の処理を実行するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、原稿台の複数の原稿が載置された領域に対応する載置領域画像データを取得し、そこから、個々の原稿毎の原稿画像データを切り出すマルチクロップ機能において、原稿台に原稿を載置した順序をそのまま原稿画像データに付けることができる画像読取装置が記載されている。
【0003】
特許文献2には、スタンド型スキャナ等によって一度に複数枚の帳票をスキャンして各帳票の画像データを取得する際に、各帳票に順序の情報を付与して記録することができる複数帳票スキャン方法が記載されている。
【0004】
特許文献3には、同時に撮影された複数の原稿間の順序を特定し、さらに、特定した順序で原稿画像データを整理、保存、出力等を行う画像処理装置が記載されている。
【0005】
特許文献4には、原稿台に並べて載置された複数ページ1セットの原稿を読み、複数ページを1ファイルに変換したい場合、自動的に初期順序を提示し、その後ユーザが順序の変更をすることが可能な画像処理装置が記載されている。
【0006】
特許文献5には、原稿台上に配置された複数の原稿に対応する読取画像を、当該原稿台上に配置された順番に基づいて出力可能とした画像処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第6807630号公報
【特許文献2】特開2012-104986号公報
【特許文献3】特開2014-216953号公報
【特許文献4】特許第6849387号公報
【特許文献5】特開2008-034973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
複合機等の画像処理装置においては、原稿台等の載置部に載置された複数の原稿が撮影された全体画像の中から各原稿画像を抽出し、各原稿画像にページ番号を設定して、ページ番号順に並べることにより、複数の原稿画像を1つの文書として管理することができる。
【0009】
例えば、複数の原稿が、載置部の左上を基準として、横並びに行列状に載置された場合、全体画像の中から抽出した1行目の原稿画像について左側から順にページ番号を設定し、2行目以降についても同様に、各行の左側から順にページ番号を設定することが考えられる。
【0010】
しかしながら、行方向において各原稿画像の上辺又は下辺が揃っていなかったり、列方向において各原稿画像の左辺又は右辺が揃っていなかったりする等、複数の原稿が乱れた状態で載置された場合、正しくページ番号を設定することができないおそれがある。
【0011】
本発明の目的は、複数の原稿が乱れた状態で行列状に載置された場合でも、正しくページ番号を設定することが可能な画像処理装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1態様の画像処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、複数の原稿が撮影された全体画像の中から各原稿画像の位置座標を抽出し、全体画像に含まれる複数の原稿画像の中から、全体画像における原点を基準とする設定された原稿の並び方向と平行な第1の座標軸と、前記並び方向に沿った2辺のうち前記第1の座標軸から遠い方の辺である第1の辺との距離が最も短い原稿画像を抽出する第1の処理を実行し、抽出した原稿画像の前記第1の辺を前記並び方向に延長した線と重なる他の原稿画像を、同一グループの原稿画像として抽出する第2の処理を実行し、抽出された同一グループの原稿画像の各々に対して、原点から近い順にページ番号を設定する第3の処理を実行する。
【0013】
第2態様の画像処理装置は、第1態様の画像処理装置において、前記プロセッサは、全体画像に含まれる原稿画像のうち、ページ番号が設定された原稿画像を除外して、前記第1の処理、前記第2の処理、及び、前記第3の処理を順に実行する第4の処理を、ページ番号が設定されていない原稿画像がなくなるまで繰り返す。
【0014】
第3態様の画像処理装置は、第1態様又は第2態様の画像処理装置において、前記プロセッサは、原稿画像が矩形であるが原稿画像において前記並び方向と平行な辺がない場合、又は、原稿画像が矩形でない場合、原稿画像の形状を、原稿画像の外周に接し、かつ、前記並び方向と平行な辺を有する矩形とみなす。
【0015】
第4態様の画像処理装置は、第1態様又は第2態様の画像処理装置において、前記プロセッサは、ユーザの指示に応じて、全体画像における原点の位置、及び、前記並び方向の少なくとも1つの設定を変更する。
【0016】
第5態様の画像処理装置は、第4態様の画像処理装置において、前記プロセッサは、ユーザの指示に応じて、全体画像における原点の位置を、原稿が載置される平面に前記ユーザが向き合った際の左上とし、前記並び方向を全体画像における横方向とする第1の設定、全体画像における原点の位置を、原稿が載置される平面に前記ユーザが向き合った際の左上とし、前記並び方向を全体画像における縦方向とする第2の設定、全体画像における原点の位置を、原稿が載置される平面に前記ユーザが向き合った際の右上とし、前記並び方向を全体画像における横方向とする第3の設定、及び、全体画像における原点の位置を、原稿が載置される平面に前記ユーザが向き合った際の右上とし、前記並び方向を全体画像における縦方向とする第4の設定の中のいずれかの設定に変更する。
【0017】
第6態様の画像処理装置は、第1態様又は第2態様の画像処理装置において、前記プロセッサは、全体画像において、各原稿画像に対して設定されたページ番号を合わせて表示する。
【0018】
第7態様の画像処理装置は、第6態様の画像処理装置において、前記プロセッサは、ユーザの指示に応じて、全体画像において各原稿画像を移動させることが可能であり、各原稿画像の移動に応じて、各原稿画像のページ番号を設定しなおす。
【0019】
第8態様の画像処理装置は、第1態様又は第2態様の画像処理装置において、前記プロセッサは、各原稿画像を各原稿画像に対して設定されたページ番号順に並べた画像を表示する。
【0020】
第9態様のプログラムは、複数の原稿が撮影された全体画像の中から各原稿画像の位置座標を抽出するステップと、全体画像に含まれる複数の原稿画像の中から、全体画像における原点を基準とする設定された原稿の並び方向と平行な第1の座標軸と、前記並び方向に沿った2辺のうち前記第1の座標軸から遠い方の辺である第1の辺との距離が最も短い原稿画像を抽出する第1の処理を実行するステップと、抽出した原稿画像の前記第1の辺を前記並び方向に延長した線と重なる他の原稿画像を、同一グループの原稿画像として抽出する第2の処理を実行するステップと、抽出された同一グループの原稿画像の各々に対して、原点から近い順にページ番号を設定する第3の処理を実行するステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0021】
第1態様の画像処理装置によれば、複数の原稿が乱れた状態で行列状に載置された場合でも、正しくページ番号を設定することができる。
【0022】
第2態様の画像処理装置によれば、第1の処理、第2の処理、及び、第3の処理を1回しか行わない場合と比較して、より正しくページ番号を設定することができる。
【0023】
第3態様の画像処理装置によれば、矩形の原稿が並び方向に対して傾いて載置された場合、又は、矩形以外の形状の原稿の場合でも、ページ番号を設定することができる。
【0024】
第4態様の画像処理装置によれば、ユーザが複数の原稿を載置する場合の態様に合わせて、ページ番号の設定方法を変更することができる。
【0025】
第5態様の画像処理装置によれば、ユーザが一般的に複数の原稿を載置する場合の態様に対応することができる。
【0026】
第6態様の画像処理装置によれば、設定されたページ番号をユーザに把握させることができる。
【0027】
第7態様の画像処理装置によれば、ページ番号が正しく設定されないくらい原稿の載置状態が乱れている場合でも、全体画像上でユーザに原稿位置を調整させることができる。
【0028】
第8態様の画像処理装置によれば、設定されたページ番号をユーザに把握させることができる。
【0029】
第9態様のプログラムによれば、複数の原稿が乱れた状態で行列状に載置された場合でも、正しくページ番号を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の一実施形態の画像形成装置の外観を示す図であって、(A)は画像形成装置の側面図であり、(B)は画像形成装置の正面図である。
図2】画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。
図4】第1の設定において、各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理を説明するための図(1)である。
図5】第1の設定において、各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理を説明するための図(2)である。
図6】第1の設定において、各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理を説明するための図(3)である。
図7】第1の設定において、各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理を説明するための図(4)である。
図8】第1の設定において、各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理を説明するための図(5)である。
図9】第1の設定において、各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理を説明するための図(6)である。
図10】第1の設定において、各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理を説明するための図(7)である。
図11】第1の設定において、各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理を説明するための図(8)である。
図12】第1の設定において、各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理を説明するための図(9)である。
図13】第1の設定において、各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理を説明するための図(10)である。
図14】原稿画像が矩形であるが、原稿画像において並び方向と平行な辺がない場合の例を示す図である。
図15】原稿画像が矩形でない場合の例を示す図である。
図16】第2の設定において、各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理を説明するための図(1)である。
図17】第2の設定において、各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理を説明するための図(2)である。
図18】第2の設定において、各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理を説明するための図(3)である。
図19】第2の設定において、各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理を説明するための図(4)である。
図20】第2の設定において、各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理を説明するための図(5)である。
図21】第2の設定において、各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理を説明するための図(6)である。
図22】第2の設定において、各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理を説明するための図(7)である。
図23】第2の設定において、各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理を説明するための図(8)である。
図24】第2の設定において、各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理を説明するための図(9)である。
図25】第2の設定において、各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理を説明するための図(10)である。
図26】第3の設定における全体画像及びページ番号の設定態様を説明するための図である。
図27】第4の設定における全体画像及びページ番号の設定態様を説明するための図である。
図28】全体画像における各原稿画像に対してページ番号を合わせて表示した例を示す図である。
図29】全体画像における各原稿画像に対してページ番号を合わせて表示した例を示す図であり、図28に示す状態から一部の原稿画像が移動された後の状態を示す図である。
図30】各原稿画像を各原稿画像に対して設定されたページ番号順に並べた集合画像の一例を示す図(1)である。
図31】各原稿画像を各原稿画像に対して設定されたページ番号順に並べた集合画像の一例を示す図(2)である。
図32】全体画像における各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像処理装置の一例としての画像形成装置10の外観を示す図であって、(A)は画像形成装置10の側面図であり、(B)は画像形成装置10の正面図である。画像形成装置10は、複合機等のようなオフィスに設置される装置である。
【0032】
図1に示すように、画像形成装置10は、装置本体12、媒体排出部としての排出トレイ14、載置部16、撮影装置18、四つの光源20a、20b、20c、及び、20dで構成された照射装置20、及び、操作パネル22等から構成されている。
【0033】
排出トレイ14は、媒体の一例である用紙が排出されるところである。また、排出トレイ14は、立った状態のユーザによって媒体が取り出される位置に設けられている。
【0034】
載置部16は、詳細には後述するが、装置本体12の天面であって、装置本体12の上部に配置されている。また、載置部16は、排出トレイ14よりも鉛直方向において上方に設置されている。また、載置部16は、用紙、名刺、及び、レシート等の原稿が載置できるように構成されている。
【0035】
撮影装置18は、例えばCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子を備え、原稿等の被写体を撮影して画像データを取得する。撮影装置18は、載置部16よりも上方に設置され、載置部16に載置された原稿を上方から撮影するよう構成されている。ここで、載置部16よりも上方とは、載置部16の上面を基準面とした場合に、基準面の垂直上方に限らず、鉛直方向において上方であって、基準面よりも高い位置にあることをいう。
【0036】
また、装置本体12の天面であって、載置部16の上面奥側には支柱24が設けられている。支柱24は、載置部16の上面に対して、略垂直に上方向に延び、端部が載置部16の上方に屈曲して設けられている。支柱24の端部には、撮影装置18が装着されている。
【0037】
排出トレイ14と載置部16との間には、載置部16に載せた被写体の画像を形成する画像形成部が設けられている。つまり、排出トレイ14上方には、この排出トレイ14に排出される用紙に画像を形成する画像形成部が設けられている。
【0038】
照射装置20は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の1つ以上の光源で構成され、例えば光源20a、20b、20c、20dから構成される。光源20a、20b、20c、20dは、支柱24に設けられている。つまり、光源20a、20b、20c、20dは、載置部16の上方に設けられている。
【0039】
具体的には、光源20a、20bは、撮影装置18の近傍であって、支柱24の撮影装置18の両側に下向きに設けられている。光源20c、20dは、操作パネル22の近傍であって、操作パネル22の下端の支柱24の両側に斜め下向きに設けられている。
【0040】
つまり、光源20a、20bと光源20c、20dは、載置部16からの高さが異なる位置に配置されている。すなわち、光源20a、20b、20c、20dは、それぞれ被写体にあたる光の角度が異なる位置に配置され、原稿に向かってそれぞれ異なる方向から光を照射するように構成されている。これにより、原稿と載置部16との判別性を向上させている。
【0041】
操作パネル22は、表示画面を備え、画像形成装置10の設定を行うように構成されている。この操作パネル22は、装置本体12の奥側において、載置部16と撮影装置18との間の支柱24に設置されている。
【0042】
載置部16の天板下方の装置本体12内には、両面同時読取機能を有する原稿送り装置が設けられている。載置部16の天板の一部を平面方向にスライドすることにより、原稿送り装置を用いることができるように構成されている。
【0043】
次に、本実施形態の画像形成装置10のハードウェア構成について説明する。図2は、画像形成装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0044】
図2に示すように、画像形成装置10は、CPU31、メモリ32、ハードディスクドライブ等の記憶装置33、ネットワークを介して外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IFと略す。)34、タッチパネル又は液晶ディスプレイ並びにキーボードを含むユーザインタフェース(UIと略す。)装置35、スキャナ36、プリントエンジン37、撮影装置18、及び、照射装置20を有する。これらの構成要素は、制御バス40を介して互いに接続されている。
【0045】
通信IF34は、外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う。UI装置35は、ユーザからの指示入力を受け付ける。スキャナ36は、画像形成装置10に装填された原稿を、画像データとして読み取る。プリントエンジン37は、帯電、露光、現像、転写、定着などの工程を経て印刷用紙等の記録媒体上に画像を印刷する。
【0046】
CPU31は、メモリ32又は記憶装置33に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、画像形成装置10の動作を制御するプロセッサである。なお、本実施形態では、CPU31は、メモリ32又は記憶装置33内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明したが、これに限定されるものではない。この制御プログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体に記録した形態で提供してもよい。例えば、このプログラムをCD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)及びDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等の光ディスクに記録した形態、若しくは、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカード等の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。また、この制御プログラムを、通信IF34に接続された通信回線を介して外部装置から取得するようにしてもよい。
【0047】
次に、本実施形態の画像形成装置10の機能構成について説明する。図3は、画像形成装置10の機能構成を示すブロック図である。
【0048】
図3に示すように、画像形成装置10は、制御部41、通信部42、表示入力部43、記憶部44、画像読取部45、画像形成部46、画像出力部47、撮影部48、及び、照射部49を有する。
【0049】
制御部41は、画像形成装置10の全体動作を制御しており、例えば、ユーザからの指示入力に基づいて、撮影部48により原稿を撮影する制御、画像出力部47により原稿画像等の印刷データを出力する制御等を行う。
【0050】
通信部42は、外部の装置との間でデータの送受信を行う。表示入力部43は、制御部41による制御に基づいて、操作パネル22の表示画面に各種情報を表示する。また、表示入力部43は、操作パネル22においてユーザにより行われた各種操作情報を入力する。表示入力部43は、本開示の技術における表示部の一例である。記憶部44は、制御プログラムの他、制御部41により生成された画像データ等の各種データを格納する。
【0051】
画像読取部45は、制御部41による制御に基づいて、各種原稿を読み取るスキャン動作を行う。画像形成部46は、制御部41による制御に基づいて、画像出力部47から出力するための画像を形成する。画像出力部47は、制御部41による制御に基づいて、画像形成部46において形成された画像を、印刷用紙等の記録媒体上に出力する。
【0052】
撮影部48は、制御部41による制御に基づいて、載置部16に載置された原稿を撮影する。照射部49は、制御部41による制御に基づいて、載置部16に載置された原稿に対して光を照射する。
【0053】
本実施形態の画像形成装置10は、載置部16に載置された複数の原稿が撮影された全体画像の中から各原稿画像を抽出し、各原稿画像にページ番号を設定して、ページ番号順に並べることにより、複数の原稿画像を1つの文書として管理する。
【0054】
ページ番号の設定の際に、制御部41は、複数の原稿が撮影された全体画像の中から各原稿画像の位置座標を抽出し、全体画像に含まれる複数の原稿画像の中から、全体画像における原点を基準とする設定された原稿の並び方向と平行な第1の座標軸と、前記並び方向に沿った2辺のうち前記第1の座標軸から遠い方の辺である第1の辺との距離が最も短い原稿画像を抽出する第1の処理を実行し、抽出した原稿画像の前記第1の辺を前記並び方向に延長した線と重なる他の原稿画像を、同一グループの原稿画像として抽出する第2の処理を実行し、抽出された同一グループの原稿画像の各々に対して、原点から近い順にページ番号を設定する第3の処理を実行する。
【0055】
なお、本実施形態において、制御部41は、全体画像に含まれる原稿画像のうち、ページ番号が設定された原稿画像を除外して、前記第1の処理、前記第2の処理、及び、前記第3の処理を順に実行する第4の処理を、ページ番号が設定されていない原稿画像がなくなるまで繰り返すようにしてもよい。
【0056】
以下、本実施形態の画像形成装置10において、全体画像における各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理について、詳細に説明する。図4から図13は、各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理を説明するための図である。
【0057】
本例では、全体画像Iにおける原点の位置を、原稿が載置される平面にユーザが向き合った際の左上とし、並び方向を全体画像Iにおける横方向とした場合の例について説明する。
【0058】
一例として、原稿aから原稿lの12枚の原稿が、全体画像Iにおける左上を原点とし、並び方向を横方向として、6枚ずつ2行にわたって載置部16に載置された場合に、これらの原稿を撮影した全体画像Iは、図4に示すようなものとなる。図4に示すように、全体画像Iには、原稿aの原稿画像Iaから原稿lの原稿画像Ilの12枚の原稿画像が含まれる。
【0059】
制御部41は、第1の処理の一部として、先ず、全体画像Iの中から、各原稿画像Iaから原稿画像Ilの位置座標を抽出する。次に、制御部41は、各原稿画像の情報をリスト化する。このリストは、全体画像Iに含まれる原稿画像の枚数及び各原稿画像の位置座標を管理するものである。
【0060】
次に、制御部41は、図5に示すように、第1の処理の一部として、全体画像Iに含まれる複数の原稿画像Iaから原稿画像Ilの中から、全体画像Iにおける原点を基準とする設定された原稿の並び方向と平行なX座標軸と、並び方向に沿った2辺(ここでは、上辺及び下辺)のうちX座標軸から遠い方の辺である下辺との距離が最も短い原稿画像Icを抽出する。なお、X座標軸は、本開示の技術における第1の座標軸の一例である。また、下辺は、本開示の技術における第1の辺の一例である。
【0061】
次に、制御部41は、図6に示すように、抽出した原稿画像Icの下辺を並び方向である横方向に延長した線と重なる他の原稿画像Ia、原稿画像Ib、原稿画像Id、原稿画像Ie、及び、原稿画像Ifを、同一グループGの原稿画像として抽出する第2の処理を実行する。
【0062】
次に、制御部41は、図7に示すように、抽出された同一グループの原稿画像の各々に対して、原点から近い順にページ番号を設定する第3の処理を実行する。ここでは、原稿画像Iaに対して1ページ目が設定され、原稿画像Ibに対して2ページ目が設定され、原稿画像Icに対して3ページ目が設定され、原稿画像Idに対して4ページ目が設定され、原稿画像Ieに対して5ページ目が設定され、原稿画像Ifに対して6ページ目が設定される。
【0063】
次に、制御部41は、図8に示すように、第4の処理の一部として、全体画像Iに含まれる原稿画像Iaから原稿画像Ilのうち、ページ番号が設定された原稿画像Iaから原稿画像Ifを除外する。また、制御部41は、ページ番号が設定された原稿画像の情報をリストから削除する。
【0064】
次に、制御部41は、第4の処理の一部として、第1の処理、第2の処理、及び、第3の処理を順に実行する。
【0065】
具体的には、制御部41は、図9に示すように、全体画像Iに含まれる残りの複数の原稿画像Igから原稿画像Ilの中から、全体画像Iにおける原点を基準とする設定された原稿の並び方向と平行なX座標軸と、並び方向に沿った2辺(ここでは、上辺及び下辺)のうちX座標軸から遠い方の辺である下辺との距離が最も短い原稿画像Ihを抽出する第1の処理を実行する。
【0066】
次に、制御部41は、図10に示すように、抽出した原稿画像Ihの下辺を並び方向である横方向に延長した線と重なる他の原稿画像Ig、原稿画像Ii、原稿画像Ij、原稿画像Ik、及び、原稿画像Ilを、同一グループGの原稿画像として抽出する第2の処理を実行する。
【0067】
次に、制御部41は、図11に示すように、抽出された同一グループの原稿画像の各々に対して、原点から近い順にページ番号を設定する第3の処理を実行する。ここでは、原稿画像Igに対して7ページ目が設定され、原稿画像Ihに対して8ページ目が設定され、原稿画像Iiに対して9ページ目が設定され、原稿画像Ijに対して10ページ目が設定され、原稿画像Ikに対して11ページ目が設定され、原稿画像Ilに対して12ページ目が設定される。
【0068】
制御部41は、上記の第4の処理を、ページ番号が設定されていない原稿画像がなくなるまで、すなわち、リストに登録されている原稿画像の情報がなくなるまで繰り返す。本例では、図12に示すように、原稿画像Ilに対してページ番号が設定したことにより、ページ番号が設定されていない原稿画像がなくなったため、ここで処理を終了する。
【0069】
以上の処理により、複数の原稿が乱れた状態で載置部16に載置された場合でも、図13に示すように、全ての原稿画像Iaから原稿画像Ilに対して、設定された並び方向に従って、正しくページ番号が設定される。
【0070】
また、制御部41は、全ての原稿画像Iaから原稿画像Ilに対してページ番号を設定した後、設定したページ順に原稿画像を並べて文書を作成してもよい。
【0071】
なお、本実施形態において、制御部41は、図14に示すように、原稿画像Imが矩形であるが原稿画像において並び方向と平行な辺がない場合、並び方向と平行な辺を有する矩形Rとみなすようにしてもよい。
【0072】
また、制御部41は、図15に示すように、原稿画像Inが矩形でない場合、原稿画像の形状を、原稿画像の外周に接し、かつ、並び方向と平行な辺を有する矩形Rとみなすようにしてもよい。
【0073】
また、制御部41は、ユーザの指示に応じて、全体画像Iにおける原点の位置、及び、並び方向の少なくとも1つの設定を変更するようにしてもよい。
【0074】
この場合、制御部41は、ユーザの指示に応じて、全体画像Iにおける原点の位置を、原稿が載置される平面にユーザが向き合った際の左上とし、並び方向を全体画像Iにおける横方向とする第1の設定、全体画像Iにおける原点の位置を、原稿が載置される平面にユーザが向き合った際の左上とし、並び方向を全体画像Iにおける縦方向とする第2の設定、全体画像Iにおける原点の位置を、原稿が載置される平面にユーザが向き合った際の右上とし、並び方向を全体画像Iにおける横方向とする第3の設定、及び、全体画像Iにおける原点の位置を、原稿が載置される平面にユーザが向き合った際の右上とし、並び方向を全体画像Iにおける縦方向とする第4の設定の中のいずれかの設定に変更するようにしてもよい。
【0075】
第1の設定、すなわち左上開始横並びの態様とした場合の、全体画像Iにおける各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理については、上記で説明した通りである。
【0076】
第2の設定、すなわち左上開始縦並びの態様とした場合の、各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理について、詳細に説明する。図16から図25は、全体画像Iにおける各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理を説明するための図である。
【0077】
一例として、原稿aから原稿lの12枚の原稿が、全体画像Iにおける左上を原点とし、並び方向を縦方向として、2枚ずつ6列にわたって載置部16に載置された場合に、これらの原稿を撮影した全体画像Iは、図16に示すようなものとなる。
【0078】
制御部41は、第1の処理の一部として、先ず、全体画像Iの中から、各原稿画像Iaから原稿画像Ilの位置座標を抽出する。次に、制御部41は、各原稿画像の情報をリスト化する。次に、制御部41は、図17に示すように、第1の処理の一部として、全体画像Iに含まれる複数の原稿画像Iaから原稿画像Ilの中から、全体画像Iにおける原点を基準とする設定された原稿の並び方向と平行なY座標軸と、並び方向に沿った2辺(ここでは、左辺及び右辺)のうちY座標軸から遠い方の辺である右辺との距離が最も短い原稿画像Iaを抽出する。なお、Y座標軸は、本開示の技術における第1の座標軸の一例である。また、右辺は、本開示の技術における第1の辺の一例である。
【0079】
次に、制御部41は、図18に示すように、抽出した原稿画像Iaの右辺を並び方向である縦方向に延長した線と重なる他の原稿画像Ibを、同一グループGの原稿画像として抽出する第2の処理を実行する。
【0080】
次に、制御部41は、図19に示すように、抽出された同一グループの原稿画像の各々に対して、原点から近い順にページ番号を設定する第3の処理を実行する。ここでは、原稿画像Iaに対して1ページ目が設定され、原稿画像Ibに対して2ページ目が設定される。
【0081】
次に、制御部41は、図20に示すように、第4の処理の一部として、全体画像Iに含まれる原稿画像Iaから原稿画像Ilのうち、ページ番号が設定された原稿画像Ia及び原稿画像Ibを除外する。また、制御部41は、ページ番号が設定された原稿画像の情報をリストから削除する。
【0082】
次に、制御部41は、第4の処理の一部として、第1の処理、第2の処理、及び、第3の処理を順に実行する。
【0083】
具体的には、制御部41は、図21に示すように、全体画像Iに含まれる残りの複数の原稿画像Icから原稿画像Ilの中から、全体画像Iにおける原点を基準とする設定された原稿の並び方向と平行なY座標軸と、並び方向に沿った2辺(ここでは、左辺及び右辺)のうちY座標軸から遠い方の辺である右辺との距離が最も短い原稿画像Idを抽出する第1の処理を実行する。
【0084】
次に、制御部41は、図22に示すように、抽出した原稿画像Idの右辺を並び方向である縦方向に延長した線と重なる他の原稿画像Icを、同一グループGの原稿画像として抽出する第2の処理を実行する。
【0085】
次に、制御部41は、図23に示すように、抽出された同一グループの原稿画像の各々に対して、原点から近い順にページ番号を設定する第3の処理を実行する。ここでは、原稿画像Icに対して3ページ目が設定され、原稿画像Idに対して4ページ目が設定される。
【0086】
制御部41は、上記の第4の処理を、ページ番号が設定されていない原稿画像がなくなるまで、すなわち、リストに登録されている原稿画像の情報がなくなるまで繰り返す。本例では、図24に示すように、原稿画像Idに対してページ番号が設定された段階で、ページ番号が設定されていない原稿画像Ieから原稿画像Ilが残っている。そのため、制御部41は、上記の第4の処理を、ページ番号が設定されていない原稿画像がなくなるまで繰り返した後、処理を終了する。
【0087】
以上の処理により、複数の原稿が乱れた状態で載置部16に載置された場合でも、図25に示すように、全ての原稿画像Iaから原稿画像Ilに対して、設定された並び方向に従って、正しくページ番号が設定される。
【0088】
第3の設定、すなわち右上開始横並びの態様とした場合の、全体画像Iにおける各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理について、詳細に説明する。図26は、第3の設定における全体画像I及びページ番号の設定態様を説明するための図である。
【0089】
一例として、原稿aから原稿lの12枚の原稿が、全体画像Iにおける右上を原点とし、並び方向を横方向として、2行にわたって載置部16に載置された場合に、これらの原稿を撮影した全体画像Iは、図26に示すようなものとなる。なお、図26では、ページ番号まで合わせて表示している。
【0090】
第3の設定におけるページ番号を設定する際の処理は、第1の設定の処理と基本的に同じである。第3の設定の処理と第1の設定の処理とを比較すると、抽出された同一グループの原稿画像の各々に対して、原点から近い順にページ番号を設定する際に、右側からページ番号を設定する点のみが異なる。
【0091】
第3の設定においては、図26に示すように、右上から順に、横方向にページ番号が設定される。
【0092】
第4の設定、すなわち右上開始縦並びの態様とした場合の、全体画像Iにおける各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理について、詳細に説明する。図27は、第4の設定における全体画像I及びページ番号の設定態様を説明するための図である。
【0093】
一例として、原稿aから原稿lの12枚の原稿が、全体画像Iにおける右上を原点とし、並び方向を縦方向として、6列にわたって載置部16に載置された場合に、これらの原稿を撮影した全体画像Iは、図27に示すようなものとなる。なお、図27では、ページ番号まで合わせて表示している。
【0094】
第4の設定におけるページ番号を設定する際の処理は、第2の設定の処理と基本的に同じである。第4の設定の処理と第2の設定の処理とを比較すると、同一グループGの原稿画像を抽出する際に、右側から抽出する点のみが異なる。
【0095】
第4の設定においては、図27に示すように、右上から順に、縦方向にページ番号が設定される。
【0096】
また、制御部41は、図13等に示すように、全体画像Iにおいて、各原稿画像に対して設定されたページ番号を合わせて表示するようにしてもよい。
【0097】
この場合、制御部41は、ユーザの指示に応じて、全体画像Iにおいて各原稿画像を移動させることが可能であり、各原稿画像の移動に応じて、各原稿画像のページ番号を設定しなおすようにしてもよい。
【0098】
例えば、ユーザが、原稿aから原稿lの12枚の原稿を、図28に示すように、全体画像Iにおける左上を原点とし、並び方向を横方向として、2行にわたって載置部16に載置したとする。
【0099】
このとき、原稿dが、原稿a、原稿b、原稿c、原稿e、及び、原稿fに対して大きくずれているため、制御部41は、12枚の原稿が3行にわたって載置されたとみなして、図28に示すようにページ番号を設定する。
【0100】
すなわち、原稿画像Iaに対して1ページ目が設定され、原稿画像Ibに対して2ページ目が設定され、原稿画像Icに対して3ページ目が設定され原稿画像Ieに対して4ページ目が設定され、原稿画像Ifに対して5ページ目が設定される。また、原稿画像Idに対して6ページ目が設定される。また、原稿画像Igに対して7ページ目が設定され、原稿画像Ihに対して8ページ目が設定され、原稿画像Iiに対して9ページ目が設定され、原稿画像Ijに対して10ページ目が設定され、原稿画像Ikに対して11ページ目が設定され、原稿画像Ilに対して12ページ目が設定される。
【0101】
このような全体画像Iにおいて、図29に示すように、ユーザの指示により、原稿画像IdがY座標軸方向において原稿a等と重なるように上方に移動されたとする。なお、全体画像Iにおける各原稿画像の移動の指示の取得については、例えば、表示入力部43としての操作パネル22に全体画像Iを表示し、操作パネル22上でユーザから各原稿画像の移動の指示を受け付ける等、どのような態様としてもよい。
【0102】
制御部41は、原稿画像Idの移動を検知した場合、各原稿画像のページ番号の設定処理を再実行し、ページ番号を設定しなおす。その結果、図29に示すように、原稿画像Iaに対して1ページ目が設定され、原稿画像Ibに対して2ページ目が設定され、原稿画像Icに対して3ページ目が設定され、原稿画像Idに対して4ページ目が設定され、原稿画像Ieに対して5ページ目が設定され、原稿画像Ifに対して6ページ目が設定される。
【0103】
また、制御部41は、一例として図30に示すように、各原稿画像を各原稿画像に対して設定されたページ番号順に並べた集合画像Isを表示するようにしてもよい。ここで、「各原稿画像を各原稿画像に対して設定されたページ番号順に並べた画像」とは、各原稿画像をページ番号順に並べて配置して1枚の画像としたものを意味し、このような画像であればどのような態様としてもよい。
【0104】
集合画像Isは、例えば、図30に示すように、集合画像Isにおける原稿画像の行数及び列数を、原稿の載置態様に合わせたものであってもよい。また、集合画像Isは、図31に示すように、ページ番号順に1行に原稿画像を配置したものであってもよい。
【0105】
次に、全体画像における各原稿画像に対してページ番号を設定する際の処理について、図32のフローチャートを参照して説明する。ここでは、全体画像における原点の位置を、原稿が載置される平面にユーザが向き合った際の左上とし、並び方向を全体画像における横方向とした場合の例について説明する。
【0106】
最初に、制御部41は、ステップS11において、行列状に載置された複数の原稿を撮影し、全体画像を取得する。
【0107】
次に、制御部41は、ステップS12において、全体画像の中から、各原稿画像の位置座標を抽出する。
【0108】
次に、制御部41は、ステップS13において、矩形であるが並び方向と平行な辺がない原稿画像、又は、矩形でない原稿画像がある場合に、原稿画像の外周に接し、かつ、並び方向と平行な辺を有する矩形(すなわち、外接矩形)の座標を抽出する。
【0109】
次に、制御部41は、ステップS14において、各原稿画像の情報をリスト化する。
【0110】
次に、制御部41は、ステップS15において、全体画像における原点を基準とする設定された原稿の並び方向と平行なX座標軸と、並び方向に沿った2辺(ここでは、上辺及び下辺)のうちX座標軸から遠い方の辺である下辺との距離が最も短い原稿画像を抽出する。
【0111】
次に、制御部41は、ステップS16において、抽出した原稿画像の下辺を並び方向である横方向に延長した線と重なる他の原稿画像を抽出し、ステップS17において、抽出した原稿画像を同一グループの原稿画像として設定する。
【0112】
次に、制御部41は、ステップS18において、同一グループの原稿画像の各々に対して、原点から近い順にページ番号を設定する。
【0113】
次に、制御部41は、ステップS19において、リストから同一グループの原稿画像、すなわち、ページ番号が設定された原稿画像を削除する。
【0114】
次に、制御部41は、ステップS20において、リストに原稿画像が残っているか否かの判定を行う。
【0115】
ステップS20において、リストに原稿画像が残っていると判定された場合、制御部41は、ステップS15に遷移し、ステップS15からステップS19までの処理を再実行する。
【0116】
ステップS20において、リストに原稿画像が残っていないと判定された場合、制御部41は、ステップS21において、設定したページ順に原稿画像を並べて文書を作成し、処理を終了する。
【0117】
[変形例]
以上、本発明の一実施形態の画像形成装置について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されず、適宜変更することもできる。
【0118】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0119】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0120】
また、上記実施形態では、画像形成装置として複合機に対して本発明を適用した場合を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばスキャナ等の種々の画像処理装置に対しても適用することができる。
【0121】
[付記]
以下に、本開示の好ましい形態について付記する。
【0122】
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
複数の原稿が撮影された全体画像の中から各原稿画像の位置座標を抽出し、
全体画像に含まれる複数の原稿画像の中から、全体画像における原点を基準とする設定された原稿の並び方向と平行な第1の座標軸と、前記並び方向に沿った2辺のうち前記第1の座標軸から遠い方の辺である第1の辺との距離が最も短い原稿画像を抽出する第1の処理を実行し、
抽出した原稿画像の前記第1の辺を前記並び方向に延長した線と重なる他の原稿画像を、同一グループの原稿画像として抽出する第2の処理を実行し、
抽出された同一グループの原稿画像の各々に対して、原点から近い順にページ番号を設定する第3の処理を実行する
画像処理装置。
【0123】
(((2)))
前記プロセッサは、
全体画像に含まれる原稿画像のうち、ページ番号が設定された原稿画像を除外して、前記第1の処理、前記第2の処理、及び、前記第3の処理を順に実行する第4の処理を、ページ番号が設定されていない原稿画像がなくなるまで繰り返す
(((1)))に記載の画像処理装置。
【0124】
(((3)))
前記プロセッサは、
原稿画像が矩形であるが原稿画像において前記並び方向と平行な辺がない場合、又は、原稿画像が矩形でない場合、原稿画像の形状を、原稿画像の外周に接し、かつ、前記並び方向と平行な辺を有する矩形とみなす
(((1)))又は(((2)))に記載の画像処理装置。
【0125】
(((4)))
前記プロセッサは、
ユーザの指示に応じて、全体画像における原点の位置、及び、前記並び方向の少なくとも1つの設定を変更する
(((1)))から(((3)))のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【0126】
(((5)))
前記プロセッサは、
ユーザの指示に応じて、
全体画像における原点の位置を、原稿が載置される平面に前記ユーザが向き合った際の左上とし、前記並び方向を全体画像における横方向とする第1の設定、
全体画像における原点の位置を、原稿が載置される平面に前記ユーザが向き合った際の左上とし、前記並び方向を全体画像における縦方向とする第2の設定、
全体画像における原点の位置を、原稿が載置される平面に前記ユーザが向き合った際の右上とし、前記並び方向を全体画像における横方向とする第3の設定、及び、
全体画像における原点の位置を、原稿が載置される平面に前記ユーザが向き合った際の右上とし、前記並び方向を全体画像における縦方向とする第4の設定の中のいずれかの設定に変更する
(((4)))に記載の画像処理装置。
【0127】
(((6)))
前記プロセッサは、
全体画像において、各原稿画像に対して設定されたページ番号を合わせて表示する
(((1)))から(((5)))のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【0128】
(((7)))
前記プロセッサは、
ユーザの指示に応じて、全体画像において各原稿画像を移動させることが可能であり、
各原稿画像の移動に応じて、各原稿画像のページ番号を設定しなおす
(((6)))に記載の画像処理装置。
【0129】
(((8)))
前記プロセッサは、
各原稿画像を各原稿画像に対して設定されたページ番号順に並べた画像を表示する
(((1)))から(((5)))のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【0130】
(((9)))
複数の原稿が撮影された全体画像の中から各原稿画像の位置座標を抽出するステップと、
全体画像に含まれる複数の原稿画像の中から、全体画像における原点を基準とする設定された原稿の並び方向と平行な第1の座標軸と、前記並び方向に沿った2辺のうち前記第1の座標軸から遠い方の辺である第1の辺との距離が最も短い原稿画像を抽出する第1の処理を実行するステップと、
抽出した原稿画像の前記第1の辺を前記並び方向に延長した線と重なる他の原稿画像を、同一グループの原稿画像として抽出する第2の処理を実行するステップと、
抽出された同一グループの原稿画像の各々に対して、原点から近い順にページ番号を設定する第3の処理を実行するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0131】
以下に、付記の構成による効果について記載する。
【0132】
(((1)))の画像処理装置によれば、複数の原稿が乱れた状態で行列状に載置された場合でも、正しくページ番号を設定することができる。
【0133】
(((2)))の画像処理装置によれば、第1の処理、第2の処理、及び、第3の処理を1回しか行わない場合と比較して、より正しくページ番号を設定することができる。
【0134】
(((3)))の画像処理装置によれば、矩形の原稿が並び方向に対して傾いて載置された場合、又は、矩形以外の形状の原稿の場合でも、ページ番号を設定することができる。
【0135】
(((4)))の画像処理装置によれば、ユーザが複数の原稿を載置する場合の態様に合わせて、ページ番号の設定方法を変更することができる。
【0136】
(((5)))の画像処理装置によれば、ユーザが一般的に複数の原稿を載置する場合の態様に対応することができる。
【0137】
(((6)))の画像処理装置によれば、設定されたページ番号をユーザに把握させることができる。
【0138】
(((7)))の画像処理装置によれば、ページ番号が正しく設定されないくらい原稿の載置状態が乱れている場合でも、全体画像上でユーザに原稿位置を調整させることができる。
【0139】
(((8)))の画像処理装置によれば、設定されたページ番号をユーザに把握させることができる。
【0140】
(((9)))のプログラムによれば、複数の原稿が乱れた状態で行列状に載置された場合でも、正しくページ番号を設定することができる。
【符号の説明】
【0141】
10 画像形成装置
12 装置本体
14 排出トレイ
16 載置部
18 撮影装置
20 照射装置
22 操作パネル
24 支柱
31 CPU
32 メモリ
33 記憶装置
34 通信インタフェース
35 ユーザインタフェース装置
36 スキャナ
37 プリントエンジン
40 制御バス
41 制御部
42 通信部
43 表示入力部
44 記憶部
45 画像読取部
46 画像形成部
47 画像出力部
48 撮影部
49 照射部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32