特開 2024-40974 画像処理装置及びプログラム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024040974

(43)【公開日】2024-03-26

(54)【発明の名称】画像処理装置及びプログラム

(51)【国際特許分類】

   H04N 1/10 20060101AFI20240318BHJP

   H04N 1/00 20060101ALI20240318BHJP

   H04N 5/222 20060101ALI20240318BHJP

   H04N 23/60 20230101ALI20240318BHJP

   H04N 23/63 20230101ALI20240318BHJP

【ＦＩ】

H04N1/10

H04N1/00 350

H04N5/222 300

H04N5/232 220

H04N5/232 939

【審査請求】未請求

【請求項の数】13

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022145652

(22)【出願日】2022-09-13

(71)【出願人】

【識別番号】000005496

【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110001519

【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】一ノ渡 靖

(72)【発明者】

【氏名】神谷 香帆

(72)【発明者】

【氏名】伊藤 光晴

(72)【発明者】

【氏名】片山 茂樹

(72)【発明者】

【氏名】高岸 恒一郎

【テーマコード（参考）】

5C062

5C072

5C122

【Ｆターム（参考）】

5C062AA05

5C062AB02

5C062AB17

5C062AB23

5C062AB49

5C062AC02

5C062AC05

5C062AC58

5C062AE07

5C062AE15

5C062AF06

5C062AF12

5C062AF15

5C072AA01

5C072CA02

5C072EA04

5C072FB23

5C072RA02

5C122DA28

5C122EA42

5C122FK33

5C122FK37

5C122FL08

5C122HB05

(57)【要約】

【課題】ユーザに対して載置部に原稿を置くことを認識させることが可能な画像処理装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】撮影部に撮影させる原稿を載置部に載置することを示す案内情報を表示部に表示する。
【選択図】図６

【特許請求の範囲】

【請求項1】

筐体の上面に設けられ、原稿を載置する載置部と、
前記載置部を上側から撮影する撮影部と、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記撮影部に撮影させる原稿を前記載置部に載置することを示す案内情報を表示部に表示する
画像処理装置。

【請求項2】

案内情報は、原稿を載置する際の向きの情報を含む
請求項１に記載の画像処理装置。

【請求項3】

前記プロセッサは、
前記撮影部を用いる機能、原稿読取部を用いる機能、原稿出力部を用いる機能、自装置の設定を行う機能、及び、宛先表を編集する機能のうちの少なくとも１つを含む機能の中から、利用する機能を選択させるための選択画面に遷移させるための操作子を、案内情報と併せて前記表示部に表示する
請求項１に記載の画像処理装置。

【請求項4】

選択画面で選択可能な機能は、前記撮影部を用いる機能を含み、
前記プロセッサは、
選択画面において前記撮影部を用いる機能が選択された場合に、案内情報を表示部に表示する
請求項３に記載の画像処理装置。

【請求項5】

前記プロセッサは、
前記載置部に載置された原稿の位置が設定された時間以上変化しなかった場合、ユーザからの指示を受けることなく、前記撮影部に対して原稿を撮影するように制御する
請求項１に記載の画像処理装置。

【請求項6】

前記プロセッサは、
前記載置部に原稿が載置されてから当該原稿を撮影するまでの時間を、ユーザの指示に応じて変更する
請求項５に記載の画像処理装置。

【請求項7】

前記プロセッサは、
案内情報を前記表示部に表示している際に、前記撮影部により撮影された画像を用いて、前記載置部に原稿が載置されたか否かを検知する
請求項１に記載の画像処理装置。

【請求項8】

前記プロセッサは、
前記載置部に原稿が載置された場合、前記表示部における案内情報の表示を停止し、前記撮影部により撮影された現在の状態を表した画像を前記表示部に表示する
請求項７に記載の画像処理装置。

【請求項9】

前記プロセッサは、
利用する機能を選択させるための選択画面が前記表示部に表示されている場合、前記載置部に原稿が載置されたか否かの検知を停止する
請求項７に記載の画像処理装置。

【請求項10】

前記プロセッサは、
前記検知を停止している間は、前記撮影部の動作を停止する
請求項９に記載の画像処理装置。

【請求項11】

前記プロセッサは、
機能を実行するための操作子を、案内情報と併せて前記表示部に表示する
請求項１に記載の画像処理装置。

【請求項12】

前記プロセッサは、
自装置の起動後、自装置の節電状態からの復帰後、及び、自装置を利用するユーザの認証後の少なくとも１つの状況において、案内情報、又は、利用する機能を選択させるための選択画面を前記表示部に最初に表示する
請求項１記載の画像処理装置。

【請求項13】

筐体の上面に設けられ、原稿を載置する載置部と、
前記載置部を上側から撮影する撮影部と、
プロセッサと、を備えた画像処理装置の制御を行うためのプログラムであって、
前記撮影部に撮影させる原稿を前記載置部に載置することを示す案内情報を表示部に表示するステップ
をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、画像処理装置及びプログラムに関する。

【背景技術】

【0002】

特許文献１には、原稿台に載置された原稿を撮像手段により撮像する書画カメラが記載されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２００３－０１８３６９号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

複合機等の画像処理装置においては、例えば筐体の天板等の載置部に載置された原稿を、載置部の上部に配置された撮影部により撮影するものが提案されている。

【0005】

このように、筐体の外面の一部が原稿の載置部になっている場合、ユーザは載置部に原稿を置いたらよいかが分からない場合がある。

【0006】

本発明の目的は、ユーザに対して載置部に原稿を置くことを認識させることが可能な画像処理装置およびプログラムを提供することである。

【課題を解決するための手段】

【0007】

第１態様の画像処理装置は、筐体の上面に設けられ、原稿を載置する載置部と、前記載置部を上側から撮影する撮影部と、プロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記撮影部に撮影させる原稿を前記載置部に載置することを示す案内情報を表示部に表示する。

【0008】

第２態様の画像処理装置は、第１態様の画像処理装置において、案内情報は、原稿を載置する際の向きの情報を含む。

【0009】

第３態様の画像処理装置は、第１態様の画像処理装置において、前記プロセッサは、前記撮影部を用いる機能、原稿読取部を用いる機能、原稿出力部を用いる機能、自装置の設定を行う機能、及び、宛先表を編集する機能のうちの少なくとも１つを含む機能の中から、利用する機能を選択させるための選択画面に遷移させるための操作子を、案内情報と併せて前記表示部に表示する。

【0010】

第４態様の画像処理装置は、第３態様の画像処理装置において、選択画面で選択可能な機能は、前記撮影部を用いる機能を含み、前記プロセッサは、選択画面において前記撮影部を用いる機能が選択された場合に、案内情報を表示部に表示する。

【0011】

第５態様の画像処理装置は、第１態様の画像処理装置において、前記プロセッサは、前記載置部に載置された原稿の位置が設定された時間以上変化しなかった場合、ユーザからの指示を受けることなく、前記撮影部に対して原稿を撮影するように制御する。

【0012】

第６態様の画像処理装置は、第５態様の画像処理装置において、前記プロセッサは、前記載置部に原稿が載置されてから当該原稿を撮影するまでの時間を、ユーザの指示に応じて変更する。

【0013】

第７態様の画像処理装置は、第１態様の画像処理装置において、前記プロセッサは、案内情報を前記表示部に表示している際に、前記撮影部により撮影された画像を用いて、前記載置部に原稿が載置されたか否かを検知する。

【0014】

第８態様の画像処理装置は、第７態様の画像処理装置において、前記プロセッサは、前記載置部に原稿が載置された場合、前記表示部における案内情報の表示を停止し、前記撮影部により撮影された現在の状態を表した画像を前記表示部に表示する。

【0015】

第９態様の画像処理装置は、第７態様の画像処理装置において、前記プロセッサは、利用する機能を選択させるための選択画面が前記表示部に表示されている場合、前記載置部に原稿が載置されたか否かの検知を停止する。

【0016】

第１０態様の画像処理装置は、第９態様の画像処理装置において、前記プロセッサは、 前記検知を停止している間は、前記撮影部の動作を停止する。

【0017】

第１１態様の画像処理装置は、第１態様の画像処理装置において、前記プロセッサは、 機能を実行するための操作子を、案内情報と併せて前記表示部に表示する。

【0018】

第１２態様の画像処理装置は、第１態様の画像処理装置において、前記プロセッサは、 自装置の起動後、自装置の節電状態からの復帰後、及び、自装置を利用するユーザの認証後の少なくとも１つの状況において、案内情報、又は、利用する機能を選択させるための選択画面を前記表示部に最初に表示する。

【0019】

第１３態様のプログラムは、筐体の上面に設けられ、原稿を載置する載置部と、前記載置部を上側から撮影する撮影部と、プロセッサと、を備えた画像処理装置の制御を行うためのプログラムであって、前記撮影部に撮影させる原稿を前記載置部に載置することを示す案内情報を表示部に表示するステップをコンピュータに実行させる。

【発明の効果】

【0020】

第１態様の画像処理装置によれば、ユーザに対して載置部に原稿を置くことを認識させることができる。

【0021】

第２態様の画像処理装置によれば、ユーザに対して原稿を載置する際の向きを認識させることができる。

【0022】

第３態様の画像処理装置によれば、案内情報と併せて選択画面に遷移させるための操作子が表示されない場合と比較して、ユーザの利便性を向上させることができる。

【0023】

第４態様の画像処理装置によれば、ユーザが選択画面において撮影部を用いる機能を選択することで、案内情報の表示に戻すことができる。

【0024】

第５態様の画像処理装置によれば、ユーザが載置部に原稿を載置した後に手動で撮影指示を入力する場合と比較して、ユーザの利便性を向上させることができる。

【0025】

第６態様の画像処理装置によれば、ユーザの好みのタイミングで原稿の撮影を行うことができる。

【0026】

第７態様の画像処理装置によれば、原稿を検出するセンサを別途設けることなく、載置部に原稿が載置されたか否かを検知することができる。

【0027】

第８態様の画像処理装置によれば、載置部に原稿が載置された後も案内情報を表示し続ける場合と比較して、ユーザの利便性を向上させることができる。

【0028】

第９態様の画像処理装置によれば、選択画面が表示部に表示されている場合に載置部に原稿が載置されたか否かの検知を停止しない場合と比較して、処理を軽減することができる。

【0029】

第１０態様の画像処理装置によれば、常に撮影部を動作させ続ける場合と比較して、撮影部の寿命を延ばすことができる。

【0030】

第１１態様の画像処理装置によれば、案内情報と併せて機能を実行するための操作子が表示されない場合と比較して、ユーザの利便性を向上させることができる。

【0031】

第１２態様の画像処理装置によれば、自装置の起動後等において案内情報又は選択画面以外の画面が最初に表示される場合と比較して、ユーザの利便性を向上させることができる。

【0032】

第１３態様のプログラムによれば、ユーザに対して載置部に原稿を置くことを認識させることができる。

【図面の簡単な説明】

【0033】

【図1】本発明の一実施形態の画像形成装置の外観を示す図であって、（Ａ）は画像形成装置の側面図であり、（Ｂ）は画像形成装置の正面図である。

【図2】載置部の外観を示す上面図であり、原稿読取装置を使用しない状態を示す図である。

【図3】載置部の外観を示す上面図であり、原稿読取装置を使用可能な状態を示す図である。

【図4】画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。

【図5】画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。

【図6】案内画面の一例を示す図である。

【図7】選択画面の一例を示す図である。

【図8】ライブビュー画面の一例を示す図である。

【図9】カウントダウン画面の一例を示す図（１）である。

【図10】カウントダウン画面の一例を示す図（２）である。

【図11】カウントダウン画面の一例を示す図（３）である。

【図12】プレビュー画面の一例を示す図である。

【図13】案内画面の他の例を示す図である。

【発明を実施するための形態】

【0034】

以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図１は、本発明の実施形態に係る画像処理装置の一例としての画像形成装置１０の外観を示す図であって、（Ａ）は画像形成装置１０の側面図であり、（Ｂ）は画像形成装置１０の正面図である。図２は、載置部１６の外観を示す上面図であり、原稿読取装置２４を使用しない状態を示す図である。図３は、載置部１６の外観を示す上面図であり、原稿読取装置２４を使用可能な状態を示す図である。なお、画像形成装置１０は、複合機等のようなオフィスに設置される装置である。

【0035】

図１に示すように、画像形成装置１０は、装置本体１２、媒体排出部としての排出トレイ１４、載置部１６、撮影装置１８、四つの光源２０ａ、２０ｂ、２０ｃ、及び、２０ｄで構成された照射装置２０、操作パネル２２、及び、原稿読取装置２４等から構成されている。

【0036】

排出トレイ１４は、媒体の一例である用紙が排出されるところである。また、排出トレイ１４は、立った状態のユーザによって媒体が取り出される位置に設けられている。

【0037】

載置部１６は、装置本体１２の天面であって、装置本体１２の上部に配置されている。また、載置部１６は、排出トレイ１４よりも鉛直方向において上方に設置されている。また、載置部１６の天板１６ａ下方の装置本体１２内には、原稿読取装置２４が設けられている。

【0038】

図２に示すように、載置部１６の天板１６ａは、用紙、名刺、及び、レシート等の原稿が載置できるように構成されている。また、図３に示すように、載置部１６の天板１６ａの一部のスライド部１６ｂを平面方向外側に向けてスライドすることにより、原稿読取装置２４を使用することができるように構成されている。

【0039】

原稿読取装置２４は、原稿送り機構及びスキャナ等を備える。原稿読取装置２４は、スライド部１６ｂを平面方向外側に向けてスライドすることにより露出した原稿載置部２４ａに載置された原稿を装置内部に取り込み、原稿の読み取りを行う。また、原稿読取装置２４は、原稿の両面を同時に読み取ることも可能である。

【0040】

撮影装置１８は、例えばＣＣＤ（Charge Coupled Device）等の撮像素子を備え、原稿等の被写体を撮影して画像データを取得する。撮影装置１８は、載置部１６よりも上方に設置され、載置部１６に載置された原稿を上方から撮影するよう構成されている。ここで、載置部１６よりも上方とは、載置部１６の上面を基準面とした場合に、基準面の垂直上方に限らず、鉛直方向において上方であって、基準面よりも高い位置にあることをいう。

【0041】

また、装置本体１２の天面であって、載置部１６の上面奥側には支柱２６が設けられている。支柱２６は、載置部１６の上面に対して、略垂直に上方向に延び、端部が載置部１６の上方に屈曲して設けられている。支柱２６の端部には、撮影装置１８が装着されている。

【0042】

排出トレイ１４と載置部１６との間には、載置部１６に載せた被写体の画像を形成する画像形成部が設けられている。つまり、排出トレイ１４上方には、この排出トレイ１４に排出される用紙に画像を形成する画像形成部が設けられている。

【0043】

照射装置２０は、例えばＬＥＤ（Light Emitting Diode）等の１つ以上の光源で構成され、例えば光源２０ａ、２０ｂ、２０ｃ、２０ｄから構成される。光源２０ａ、２０ｂ、２０ｃ、２０ｄは、支柱２６に設けられている。つまり、光源２０ａ、２０ｂ、２０ｃ、２０ｄは、載置部１６の上方に設けられている。

【0044】

具体的には、光源２０ａ、２０ｂは、撮影装置１８の近傍であって、支柱２６の撮影装置１８の両側に下向きに設けられている。光源２０ｃ、２０ｄは、操作パネル２２の近傍であって、操作パネル２２の下端の支柱２６の両側に斜め下向きに設けられている。

【0045】

つまり、光源２０ａ、２０ｂと光源２０ｃ、２０ｄは、載置部１６からの高さが異なる位置に配置されている。すなわち、光源２０ａ、２０ｂ、２０ｃ、２０ｄは、それぞれ被写体にあたる光の角度が異なる位置に配置され、原稿に向かってそれぞれ異なる方向から光を照射するように構成されている。これにより、原稿と載置部１６との判別性を向上させている。

【0046】

操作パネル２２は、表示画面を備え、画像形成装置１０の設定を行うように構成されている。この操作パネル２２は、装置本体１２の奥側において、載置部１６と撮影装置１８との間の支柱２６に設置されている。

【0047】

次に、本実施形態の画像形成装置１０のハードウェア構成について説明する。図４は、画像形成装置１０のハードウェア構成を示すブロック図である。

【0048】

図４に示すように、画像形成装置１０は、ＣＰＵ３１、メモリ３２、ハードディスクドライブ等の記憶装置３３、ネットワークを介して外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース（ＩＦと略す。）３４、タッチパネル又は液晶ディスプレイ並びにキーボードを含むユーザインタフェース（ＵＩと略す。）装置３５、スキャナ３６、プリントエンジン３７、撮影装置１８、照射装置２０、及び、原稿読取装置２４を有する。これらの構成要素は、制御バス４０を介して互いに接続されている。

【0049】

通信ＩＦ３４は、外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う。ＵＩ装置３５は、ユーザからの指示入力を受け付ける。スキャナ３６は、画像形成装置１０に装填された原稿を、画像データとして読み取る。プリントエンジン３７は、帯電、露光、現像、転写、定着などの工程を経て印刷用紙等の記録媒体上に画像を印刷する。

【0050】

ＣＰＵ３１は、メモリ３２又は記憶装置３３に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、画像形成装置１０の動作を制御するプロセッサである。なお、本実施形態では、ＣＰＵ３１は、メモリ３２又は記憶装置３３内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明したが、これに限定されるものではない。この制御プログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体に記録した形態で提供してもよい。例えば、このプログラムをＣＤ（Compact Disc）－ＲＯＭ（Read Only Memory）及びＤＶＤ（Digital Versatile Disc）－ＲＯＭ等の光ディスクに記録した形態、若しくは、ＵＳＢ（Universal Serial Bus）メモリ及びメモリカード等の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。また、この制御プログラムを、通信ＩＦ３４に接続された通信回線を介して外部装置から取得するようにしてもよい。

【0051】

次に、本実施形態の画像形成装置１０の機能構成について説明する。図５は、画像形成装置１０の機能構成を示すブロック図である。

【0052】

図５に示すように、画像形成装置１０は、制御部４１、通信部４２、表示入力部４３、記憶部４４、画像読取部４５、画像形成部４６、画像出力部４７、撮影部４８、照射部４９、及び、原稿読取部５０有する。

【0053】

制御部４１は、画像形成装置１０の全体動作を制御しており、原稿読取装置２４の発光の制御の他、例えば、ユーザからの指示入力に基づいて、撮影装置１８により原稿を撮影する制御、画像出力部４７により原稿画像等の印刷データを出力する制御等を行う。

【0054】

通信部４２は、外部の装置との間でデータの送受信を行う。表示入力部４３は、制御部４１による制御に基づいて、操作パネル２２の表示画面に各種情報を表示する。また、表示入力部４３は、操作パネル２２においてユーザにより行われた各種操作情報を入力する。表示入力部４３を構成する操作パネル２２は、本開示の技術における表示部の一例である。記憶部４４は、制御プログラムの他、制御部４１により生成された画像データ等の各種データを格納する。

【0055】

画像読取部４５は、制御部４１による制御に基づいて、各種原稿を読み取るスキャン動作を行う。画像形成部４６は、制御部４１による制御に基づいて、画像出力部４７から出力するための画像を形成する。画像出力部４７は、制御部４１による制御に基づいて、画像形成部４６において形成された画像を、印刷用紙等の記録媒体上に出力する。画像出力部４７は、本開示の技術における原稿出力部の一例である。

【0056】

撮影部４８は、撮影装置１８を用いて載置部１６に載置された原稿の撮影を行う。照射部４９は、照射装置２０を用いて載置部１６の照明を行う。原稿読取部５０は、原稿読取装置２４を用いて載置部１６に載置された原稿の自動読み取りを行う。

【0057】

本実施形態の制御部４１は、ユーザに対して載置部１６に原稿を置くことを認識させるため、撮影装置１８に撮影させる原稿を載置部１６に載置することを示す案内情報６０を操作パネル２２に表示する。

【0058】

図６は、操作パネル２２に表示する案内情報６０の一例を示す図である。案内情報６０は、原稿を載置部１６に載置することを示す情報を含んでいれば、どのような態様としてもよい。一例として図６に示す例では、「原稿を置くと自動でスキャンされます。」といった文字による案内情報６０、及び、載置部１６に原稿を載置することを示す図形による案内情報６０を示している。

【0059】

なお、本実施形態において、案内情報６０は、原稿を載置する際の向きの情報を含んでもよい。ここで、「原稿を載置する際の向き」とは、原稿の撮像される面の向き、及び、原稿を撮像した画像において上側となる向き等の情報を含む。

【0060】

これらの情報は、文章又はイラストのいずれかのみで表示してもよいし、両者を組み合わせて表示してもよい。図６に示す例では、撮像面を表側に向け、原稿の上側を装置奥側にして載置することを示す図形を示している。すなわち、原稿の撮像される面が表側であり、原稿を撮像した画像において上側となる向きが装置奥側であることを示している。

【0061】

また、制御部４１は、撮影部４８を用いる機能、原稿読取部５０を用いる機能、画像出力部４７を用いる機能、自装置の設定を行う機能、及び、宛先表を編集する機能のうちの少なくとも１つを含む機能の中から、利用する機能を選択させるための選択画面に遷移させるための操作子であるボタン６１を、案内情報６０と併せて操作パネル２２に表示してもよい。

【0062】

図７は、操作パネル２２に表示する選択画面の一例を示す図である。選択画面は、利用する機能を選択させるための複数のボタン６２を含む。一例として図７に示す例では、「おくだけスキャン＆プリント」、「コピー」、「スキャン通信」、「外部アクセス」、「ボックス保存」、「メール通信」、「ファックス」、「ジョブフロー」、「インターネット」、「アプリ」、「クィック」、「アドレス帳」等のボタン６２を含む。また、設定ボタン６３等、各種の機能が割り当てられたボタンを含む。

【0063】

ここで、「おくだけスキャン＆プリント」は、載置部１６に載置された原稿を自動で撮影してプリントする機能であって、撮影部４８及び画像出力部４７を用いる機能である。また、「コピー」は、載置部１６に載置された原稿を原稿読取装置２４により読み取ってプリントする機能であって、原稿読取部５０及び画像出力部４７を用いる機能である。また、「アドレス帳」は、宛先表を編集する機能である。また、設定ボタン６３は、自装置の設定を行う機能を選択させるためのボタンである。

【0064】

なお、選択画面に撮影部４８を用いる機能が含まれている場合、制御部４１は、選択画面において撮影部４８を用いる機能（図６に示す例では、「おくだけスキャン＆プリント」）が選択された場合に、案内情報６０を表示部に表示してもよい。

【0065】

また、制御部４１は、載置部１６に載置された原稿の位置が設定された時間以上変化しなかった場合、ユーザからの指示を受けることなく、撮影部４８に対して原稿を撮影するように制御してもよい。

【0066】

なお、載置部１６に載置された原稿の位置が設定された時間以上変化しなかった場合に自動的に撮影を行う態様としては、下記の態様とすることができる。例えば、載置部１６に載置された原稿の位置が設定された時間以上変化しなかった場合にカウントダウンを行ってから撮影を行うようにしてもよい。また、載置部１６に載置された原稿の位置が設定された時間以上変化しなかった場合に即座に撮影を行うようにしてもよい。

【0067】

本実施形態では、このような撮影を行う機能の一例として、図７の選択画面に示すように、「おくだけスキャン＆プリント」を例示している。ここで、「おくだけスキャン＆プリント」の処理について、詳細に説明する。図８は、操作パネル２２に表示するライブビュー画面の一例を示す図である。図９から図１１は、操作パネル２２に表示するカウントダウン画面の一例を示す図である。図１２は、操作パネル２２に表示するプレビュー画面の一例を示す図である。

【0068】

「おくだけスキャン＆プリント」が選択された場合、制御部４１は、図６に示すように、操作パネル２２に案内情報６０を表示する。この状態で、載置部１６に原稿が載置されたことを検知した場合、制御部４１は、図８に示すように、操作パネル２２にライブビュー画面を表示する。ライブビュー画面は、撮影部４８により撮影された現在の状態を表した画像であるライブビュー画像６４を表示した画面である。

【0069】

載置部１６に載置された原稿の位置が設定された時間以上変化しなかった場合、制御部４１は、図９に示すように、操作パネル２２にカウントダウン画面を表示する。本例では、カウントダウン画面は、ライブビュー画像６４の横側に、カウントダウンタイマ６５を併せて表示したものである。

【0070】

また、本例では、図９に示すように、カウントダウンは３秒に設定されており、制御部４１は、図１０及び図１１に示すように、１秒ずつカウントダウンを行い、０秒になった時点で撮影を行う。

【0071】

制御部４１は、撮影を行った後、図１２に示すように、操作パネル２２にプレビュー画面を表示する。プレビュー画面は、撮影部４８により撮影された原稿の画像６６を表示した画面である。また、プレビュー画面は、メール送信を指示するための操作子、設定してプリントを指示するための操作子、及び、このままプリントを指示するための操作子である各種ボタン６７を含む。プレビュー画面において各種ボタン６７が選択された場合、制御部４１は、選択されたボタンの処理を行う。

【0072】

なお、制御部４１は、載置部１６に原稿が載置されてから当該原稿を撮影するまでの時間を、ユーザの指示に応じて変更してもよい。ここで、「載置部１６に原稿が載置されてから当該原稿を撮影するまでの時間」について説明する。

【0073】

上記のように、載置部１６に載置された原稿の位置が設定された時間以上変化しなかった場合にカウントダウンを行ってから撮影を行う場合には、載置部１６に載置された原稿の位置が固定されてからカウントダウンを開始するまでの時間、及び、カウントダウンの時間のいずれか一方の時間を変更するようにしてもよいし、両方の時間を変更するようにしてもよい。

【0074】

また、載置部１６に載置された原稿の位置が設定された時間以上変化しなかった場合に即座に撮影を行う場合には、載置部１６に載置された原稿の位置が固定されてから撮影を開始するまでの時間を変更するようにしてもよい。

【0075】

また、制御部４１は、図６に示すような案内情報６０を操作パネル２２に表示している際に、撮影部４８により撮影された画像、すなわちライブビュー画像を用いて、載置部１６に原稿が載置されたか否かを検知してもよい。

【0076】

この場合において、制御部４１は、載置部１６に原稿が載置された場合、操作パネル２２における案内情報６０の表示を停止し、図８に示すようなライブビュー画面を操作パネル２２に表示してもよい。

【0077】

また、制御部４１は、図７に示すような選択画面が操作パネル２２に表示されている場合、載置部１６に原稿が載置されたか否かの検知を停止してもよい。この場合、制御部４１は、検知を停止している間は、撮影部４８の動作を停止してもよい。

【0078】

また、制御部４１は、図１３に示すように、機能を実行するための操作子を、案内情報６０と併せて操作パネル２２に表示してもよい。図１３に示す例では、機能を実行するための操作子である各種ボタン６８を表示している。

【0079】

また、制御部４１は、自装置の起動後、自装置の節電状態からの復帰後、及び、自装置を利用するユーザの認証後の少なくとも１つの状況において、案内情報６０、又は、上記の選択画面を操作パネル２２に最初に表示してもよい。

【0080】

［変形例］

【0081】

以上、本発明の一実施形態の画像形成装置について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されず、適宜変更することもできる。

【0082】

上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ（例えばＣＰＵ：Central Processing Unit、等）や、専用のプロセッサ（例えばＧＰＵ：Graphics Processing Unit、ＡＳＩＣ：Application Specific Integrated Circuit、ＦＰＧＡ：Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等）を含むものである。

【0083】

また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、１つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。

【0084】

また、上記実施形態では、画像形成装置として複合機に対して本発明を適用した場合を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばスキャナ等の種々の画像処理装置に対しても適用することができる。

【0085】

［付記］
以下に、本開示の好ましい形態について付記する。

【0086】

（（（１）））
筐体の上面に設けられ、原稿を載置する載置部と、
前記載置部を上側から撮影する撮影部と、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記撮影部に撮影させる原稿を前記載置部に載置することを示す案内情報を表示部に表示する
画像処理装置。

【0087】

（（（２）））
案内情報は、原稿を載置する際の向きの情報を含む
（（（１）））に記載の画像処理装置。

【0088】

（（（３）））
前記プロセッサは、
前記撮影部を用いる機能、原稿読取部を用いる機能、原稿出力部を用いる機能、自装置の設定を行う機能、及び、宛先表を編集する機能のうちの少なくとも１つを含む機能の中から、利用する機能を選択させるための選択画面に遷移させるための操作子を、案内情報と併せて前記表示部に表示する
（（（１）））又は（（（２）））に記載の画像処理装置。

【0089】

（（（４）））
選択画面で選択可能な機能は、前記撮影部を用いる機能を含み、
前記プロセッサは、
選択画面において前記撮影部を用いる機能が選択された場合に、案内情報を表示部に表示する
（（（３）））に記載の画像処理装置。

【0090】

（（（５）））
前記プロセッサは、
前記載置部に載置された原稿の位置が設定された時間以上変化しなかった場合、ユーザからの指示を受けることなく、前記撮影部に対して原稿を撮影するように制御する
（（（１）））から（（（４）））のいずれか１項に記載の画像処理装置。

【0091】

（（（６）））
前記プロセッサは、
前記載置部に原稿が載置されてから当該原稿を撮影するまでの時間を、ユーザの指示に応じて変更する
（（（５）））に記載の画像処理装置。

【0092】

（（（７）））
前記プロセッサは、
案内情報を前記表示部に表示している際に、前記撮影部により撮影された画像を用いて、前記載置部に原稿が載置されたか否かを検知する
（（（１）））から（（（６）））のいずれか１項に記載の画像処理装置。

【0093】

（（（８）））
前記プロセッサは、
前記載置部に原稿が載置された場合、前記表示部における案内情報の表示を停止し、前記撮影部により撮影された現在の状態を表した画像を前記表示部に表示する
（（（７）））に記載の画像処理装置。

【0094】

（（（９）））
前記プロセッサは、
利用する機能を選択させるための選択画面が前記表示部に表示されている場合、前記載置部に原稿が載置されたか否かの検知を停止する
（（（７）））又は（（（８）））に記載の画像処理装置。

【0095】

（（（１０）））
前記プロセッサは、
前記検知を停止している間は、前記撮影部の動作を停止する
（（（９）））に記載の画像処理装置。

【0096】

（（（１１）））
前記プロセッサは、
機能を実行するための操作子を、案内情報と併せて前記表示部に表示する
（（（１）））から（（（１０）））のいずれか１項に記載の画像処理装置。

【0097】

（（（１２）））
前記プロセッサは、
自装置の起動後、自装置の節電状態からの復帰後、及び、自装置を利用するユーザの認証後の少なくとも１つの状況において、案内情報、又は、利用する機能を選択させるための選択画面を前記表示部に最初に表示する
（（（１）））から（（（１１）））のいずれか１項に記載の画像処理装置。

【0098】

（（（１３）））
筐体の上面に設けられ、原稿を載置する載置部と、
前記載置部を上側から撮影する撮影部と、
プロセッサと、を備えた画像処理装置の制御を行うためのプログラムであって、
前記撮影部に撮影させる原稿を前記載置部に載置することを示す案内情報を表示部に表示するステップ
をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【0099】

以下に、付記の構成による効果について記載する。

【0100】

（（（１）））の画像処理装置によれば、ユーザに対して載置部に原稿を置くことを認識させることができる。

【0101】

（（（２）））の画像処理装置によれば、ユーザに対して原稿を載置する際の向きを認識させることができる。

【0102】

（（（３）））の画像処理装置によれば、案内情報と併せて選択画面に遷移させるための操作子が表示されない場合と比較して、ユーザの利便性を向上させることができる。

【0103】

（（（４）））の画像処理装置によれば、ユーザが選択画面において撮影部を用いる機能を選択することで、案内情報の表示に戻すことができる。

【0104】

（（（５）））の画像処理装置によれば、ユーザが載置部に原稿を載置した後に手動で撮影指示を入力する場合と比較して、ユーザの利便性を向上させることができる。

【0105】

（（（６）））の画像処理装置によれば、ユーザの好みのタイミングで原稿の撮影を行うことができる。

【0106】

（（（７）））の画像処理装置によれば、原稿を検出するセンサを別途設けることなく、載置部に原稿が載置されたか否かを検知することができる。

【0107】

（（（８）））の画像処理装置によれば、載置部に原稿が載置された後も案内情報を表示し続ける場合と比較して、ユーザの利便性を向上させることができる。

【0108】

（（（９）））の画像処理装置によれば、選択画面が表示部に表示されている場合に載置部に原稿が載置されたか否かの検知を停止しない場合と比較して、処理を軽減することができる。

【0109】

（（（１０）））の画像処理装置によれば、常に撮影部を動作させ続ける場合と比較して、撮影部の寿命を延ばすことができる。

【0110】

（（（１１）））の画像処理装置によれば、案内情報と併せて機能を実行するための操作子が表示されない場合と比較して、ユーザの利便性を向上させることができる。

【0111】

（（（１２）））の画像処理装置によれば、自装置の起動後等において案内情報又は選択画面以外の画面が最初に表示される場合と比較して、ユーザの利便性を向上させることができる。

【0112】

（（（１３）））のプログラムによれば、ユーザに対して載置部に原稿を置くことを認識させることができる。

【符号の説明】

【0113】

１０ 画像形成装置
１２ 装置本体
１４ 排出トレイ
１６ 載置部
１６ａ 天板
１６ｂ スライド部
１８ 撮影装置
２０ 照射装置
２２ 操作パネル
２４ 原稿読取装置
２６ 支柱
３１ ＣＰＵ
３２ メモリ
３３ 記憶装置
３４ 通信インタフェース
３５ ユーザインタフェース装置
３６ スキャナ
３７ プリントエンジン
４０ 制御バス
４１ 制御部
４２ 通信部
４３ 表示入力部
４４ 記憶部
４５ 画像読取部
４６ 画像形成部
４７ 画像出力部
４８ 撮影部
４９ 照射部
５０ 原稿読取部
６０ 案内情報
６１ ボタン
６２ ボタン
６３ 設定ボタン
６４ ライブビュー画像
６５ カウントダウンタイマ
６６ 画像
６７ ボタン
６８ ボタン

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】