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特開2024-40989情報処理装置、情報処理方法、および、情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040989
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、および、情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/36 20060101AFI20240318BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
G01C21/36
G06F3/16 690
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145675
(22)【出願日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(72)【発明者】
【氏名】新宅 貴行
(72)【発明者】
【氏名】河内 洋人
【テーマコード(参考)】
2F129
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB22
2F129BB26
2F129EE91
2F129FF02
2F129FF14
2F129HH20
(57)【要約】
【課題】利用者にとって有益な情報を提供すること。
【解決手段】本開示に係る情報処理装置は、移動体内に出力されるべきコンテンツ情報の種別が、前記移動体の乗員の現在の状況に応じた出力条件を満たす場合に、前記コンテンツ情報を出力させる情報処理装置であり、特定部と、出力制御部とを備える。特定部は、前記出力条件が満たされずに、前記コンテンツ情報に対応付けられた許容範囲内において出力されなかったコンテンツ情報を未出力コンテンツとして特定する。出力制御部は、前記許容範囲を超えた後に、前記出力条件が満たされた場合には、前記未出力コンテンツが出力されなかった理由を付加して、前記未出力コンテンツを出力させる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体内に出力されるべきコンテンツ情報の種別が、前記移動体の乗員の現在の状況に応じた出力条件を満たす場合に、前記コンテンツ情報を出力させる情報処理装置であって、
前記出力条件が満たされずに、前記コンテンツ情報に対応付けられた許容範囲内において出力されなかったコンテンツ情報を未出力コンテンツとして特定する特定部と、
前記許容範囲を超えた後に、前記出力条件が満たされた場合には、前記未出力コンテンツが出力されなかった理由を付加して、前記未出力コンテンツを出力させる出力制御部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記出力制御部は、前記許容範囲内での前記移動体の乗員の状況を前記理由として付加して、前記未出力コンテンツを出力させる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記出力制御部は、前記移動体の移動履歴と、前記許容範囲とに基づいて、前記未出力コンテンツが出力されるべきであった本来のタイミングを特定し、特定したタイミングを示す情報をさらに出力させる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記未出力コンテンツは、所定のスポットをレコメンドするレコメンド情報を含み、
前記許容範囲は、前記所定のスポットの位置に応じた所定のエリアを示す情報を含み、
前記出力制御部は、前記所定のスポットの位置と、前記未出力コンテンツを出力させるタイミングでの前記移動体の現在位置との位置関係を特定し、特定した位置関係を示す情報を前記未出力コンテンツに付加する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記出力制御部は、前記位置関係を示す情報として、前記移動体の現在位置を起点とした場合の前記所定のスポットまでの距離を示す情報を前記未出力コンテンツに付加する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記未出力コンテンツを出力させた場合の前記移動体の乗員の応答内容に応じて、前記出力条件の内容を更新する更新部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記出力制御部は、前記許容範囲内において前記未出力コンテンツが出力されなかった理由として、前記許容範囲内での前記移動体の乗員の状況に基づいて、当該状況でのコンテンツ情報の出力の可否を前記乗員に問い合わせる内容の質問情報を出力させ、
前記更新部は、前記質問情報に対する乗員の応答内容に応じて、前記未出力コンテンツの種別と、前記質問情報で対象となっている前記移動体の乗員の状況との関係性に基づき定義される前記出力条件を更新する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記更新部は、前記質問情報に対して前記移動体の乗員の状況でのコンテンツ情報の出力を前記乗員が許可した場合には、前記出力条件の内容を、前記移動体の乗員の状況では前記種別のコンテンツを出力する内容に更新する
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
移動体内に出力されるべきコンテンツ情報の種別が、前記移動体の乗員の現在の状況に応じた出力条件を満たす場合に、前記コンテンツ情報を出力させる情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記出力条件が満たされずに、前記コンテンツ情報に対応付けられた許容範囲内において出力されなかったコンテンツ情報を未出力コンテンツとして特定する特定工程と、
前記許容範囲を超えた後に、前記出力条件が満たされた場合には、前記未出力コンテンツが出力されなかった理由を付加して、前記未出力コンテンツを出力させる出力制御工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
移動体内に出力されるべきコンテンツ情報の種別が、前記移動体の乗員の現在の状況に応じた出力条件を満たす場合に、前記コンテンツ情報を出力させる情報処理装置によって実行される情報処理プログラムであって、
前記出力条件が満たされずに、前記コンテンツ情報に対応付けられた許容範囲内において出力されなかったコンテンツ情報を未出力コンテンツとして特定する特定手順と、
前記許容範囲を超えた後に、前記出力条件が満たされた場合には、前記未出力コンテンツが出力されなかった理由を付加して、前記未出力コンテンツを出力させる出力制御手順と
を前記情報処理装置に実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、および、情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザに不快感を与えることなく、音声による情報提供を行う技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-67852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、車両内のユーザの会話の終了を検知した後、待機時間の経過を待ってから音声情報の提供を開始するため、ユーザの会話を遮ることはない一方で、待機時間中に提示期限切れとなった情報は提示されない。このため、上記の従来技術では、利用者にとって有益な情報を提供する点で改善の余地がある。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者にとって有益な情報を提供することができる情報処理装置、情報処理方法、および、情報処理プログラムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の情報処理装置は、移動体内に出力されるべきコンテンツ情報の種別が、前記移動体の乗員の現在の状況に応じた出力条件を満たす場合に、前記コンテンツ情報を出力させる情報処理装置であって、前記出力条件が満たされずに、前記コンテンツ情報に対応付けられた許容範囲内において出力されなかったコンテンツ情報を未出力コンテンツとして特定する特定部と、前記許容範囲を超えた後に、前記出力条件が満たされた場合には、前記未出力コンテンツが出力されなかった理由を付加して、前記未出力コンテンツを出力させる出力制御部とを備える。
【0007】
請求項9に記載の情報処理方法は、移動体内に出力されるべきコンテンツ情報の種別が、前記移動体の乗員の現在の状況に応じた出力条件を満たす場合に、前記コンテンツ情報を出力させる情報処理装置が実行する情報処理方法であって、前記出力条件が満たされずに、前記コンテンツ情報に対応付けられた許容範囲内において出力されなかったコンテンツ情報を未出力コンテンツとして特定する特定工程と、前記許容範囲を超えた後に、前記出力条件が満たされた場合には、前記未出力コンテンツが出力されなかった理由を付加して、前記未出力コンテンツを出力させる出力制御工程とを含む。
【0008】
請求項10に記載の情報処理プログラムは、移動体内に出力されるべきコンテンツ情報の種別が、前記移動体の乗員の現在の状況に応じた出力条件を満たす場合に、前記コンテンツ情報を出力させる情報処理装置によって実行される情報処理プログラムであって、前記出力条件が満たされずに、前記コンテンツ情報に対応付けられた許容範囲内において出力されなかったコンテンツ情報を未出力コンテンツとして特定する特定手順と、前記許容範囲を超えた後に、前記出力条件が満たされた場合には、前記未出力コンテンツが出力されなかった理由を付加して、前記未出力コンテンツを出力させる出力制御手順とを前記情報処理装置に実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係るシステムの一例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る各装置の構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る出力判定テーブルの一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るコンテンツ情報記憶部の一例を示す図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る出力制御処理の手順を示すフローチャートである。
図6図6は、第1の実施形態の変形例に係るコンテンツ情報記憶部の一例を示す図である。
図7図7は、第2の実施形態に係る各装置の構成例を示す図である。
図8図8は、未出力コンテンツを出力させるための出力制御処理の手順を示すフローチャートである。
図9図9は、出力条件を更新するための更新処理の手順を示すフローチャートである。
図10図10は、第3の実施形態に係る各装置の構成例を示す図である。
図11図11は、第3の実施形態に係る出力制御処理の手順を示すフローチャートである。
図12図12は、車載装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示に係る情報処理装置、情報処理方法、および、情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0011】
<実施形態の全体像>
〔1.システム構成〕
まず、図1を用いて、実施形態に係るシステムの構成を説明する。図1は、実施形態に係るシステムの一例を示す図である。図1には、実施形態に係るシステムの一例として、システム1が示される。実施形態に係る各種の出力制御処理は、システム1において実現されてよい。
【0012】
図1に示すように、システム1は、車載装置100と、サーバ装置200とを備えてよい。また、車載装置100と、サーバ装置200とは、ネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続されてよい。また、図1に示す情報処理システム1には、任意の数の車載装置100と、任意の数のサーバ装置200とが含まれてよい。
【0013】
〔2.システムに含まれる各装置の概要〕
(車載装置100について)
車載装置100は、本開示の実施形態に係る情報処理装置の一例であり、実施形態に係る出力制御処理を担う中心的な装置である。図1に示すように、車載装置100は、車両VExに内蔵あるいは積載される専用のナビゲーション装置であってよい。
【0014】
例えば、車載装置100は、ナビゲーション装置と、録画装置とで構成されてもよい。この一例として、車載装置100は、互いに独立したナビゲーション装置および録画装置が通信可能に接続された複合的な装置であってよい。他の例として、車載装置100は、ナビゲーション機能と、録画機能とを有する1つの装置であってもよい。
【0015】
また、車載装置100は、各種のセンサを備えていてよい。例えば、車載装置100は、カメラ、加速度センサ、ジャイロセンサ、GPS(Global Positioning System)センサ、気圧センサ等の各種センサを備えていてよい。このようなことから、車載装置100は、各種センサによって取得されたセンサ情報に基づいて、利用者(例えば、車両VExの乗員)の運転を支援するための対話や情報提供を行う機能も有してよい。
【0016】
また、車載装置100は、自装置に備えられるセンサだけでなく、安全走行システムとして、車両VEx自体に備えられるセンサが検知したセンサ情報も用いることができる。
【0017】
また、利用者は、日常的に使用している携帯型端末装置(例えば、スマートフォン、タブレット型端末、ノート型PC、PDA等)に所定のアプリケーションソフトウェアを導入することで、この携帯型端末装置を車載装置100と同様に動作させることができる。
【0018】
ここで、車載装置100が実行する出力制御処理の概要を示す。例えば、車載装置100は、車両VExの乗員CWxの現在の状況に応じた出力条件を満たす場合に、コンテンツ情報を出力させる。
【0019】
例えば、車載装置100は、マイクによって集音された音声情報、カメラによって撮像された画像、センサによって検出された車両VExの挙動、センサによって検出された車両VExが走行中の道路の属性等に基づいて、車両VExの車内の状況すなわち乗員CWxの現在の状況を特定する。そして、車載装置100は、特定した乗員CWxの状況と、サーバ装置200から提供されたコンテンツ情報の種別との組を、後述する出力判定テーブルに当て嵌めることで、このコンテンツ情報の出力を控えることが好ましい状況であるか否かを判定する。
【0020】
例えば、車載装置100は、コンテンツ情報の出力を控えなくともよいと判定した場合(出力条件が満たされる場合)には、コンテンツ情報を音声により出力させる。この時、車載装置100は、音声に加えてコンテンツ情報を示す画像を表示させてもよい。一方、車載装置100は、コンテンツ情報の出力を控えるべきと判定した場合(出力条件が満たされない場合)には、コンテンツ情報の出力を保留する。
【0021】
コンテンツ情報の出力を控えることが好ましい状況としては、乗員CWxが負荷の大きい運転を行っている最中、乗員CWxが会話中、乗員CWxが通話中、乗員CWxがお気に入りの音楽に集中している最中等が挙げられる。
【0022】
また、車載装置100は、上記のような出力制御処理を前提として、以下に示す各種の出力制御も実行する。
【0023】
第1の実施形態では、車載装置100(後述する車載装置100a)は、出力条件が満たされずコンテンツ情報を出力させなかった場合には、コンテンツ情報の出力が許容される許容範囲内において、乗員CWxに対して呼び掛けを行い、呼び掛けに対応する乗員CWxの応答に応じてコンテンツ情報の出力を制御する。
【0024】
車載装置100による呼び掛けに用いられる呼掛け情報には、目的に応じた複数の意味合いが含まれる。具体的には、呼掛け情報は、コンテンツ情報の出力の許可を得る目的や、コンテンツ情報への注意を促す目的で出力されるものであり、これらの目的に応じた適切な表現で構成される。呼掛け情報は、これらの目的に適合する限り、映像出力、インジケータ点灯などを含む各種態様の出力形態で出力されてよいが、典型的には音声出力されるものとする。また、詳細については後述するが、車載装置100は、呼掛け情報とともに、コンテンツ情報の概要を示す概要情報も出力させる場合がある。
【0025】
第2の実施形態では、車載装置100(後述する車載装置100b)は、出力条件が満たされず、許容範囲内において出力されなかったコンテンツ情報が存在する状態で、許容範囲を超えた後に、出力条件が満たされた場合には、出力されなかったコンテンツ情報を改めて出力させる。この際、車載装置100は、コンテンツ情報が出力されなかった理由、すなわちコンテンツ情報の出力を保留していた理由も併せて出力させる。さらに、第2の実施形態では、車載装置100は、改めてコンテンツ情報が出力されたことによる乗員CWxの応答に応じて、出力条件の内容を更新する処理も行う。
【0026】
第3の実施形態では、車載装置100(後述する車載装置100c)は、車両VExが乗員CWxの生活圏外を移動中であるか否かを判定し、生活圏外を移動中であると判定した場合には、出力条件が満たされておらずとも、所定の種別のコンテンツ情報(例えば、生活圏外に存在するスポットをレコメンドする内容のコンテンツ情報)については許容範囲内において出力させる。
【0027】
なお、ここでいう許容範囲とは、コンテンツ情報を出力させるべき地理的範囲、時刻範囲、車両VExの走行距離範囲、車両VExの通過エリア範囲、車両の速度範囲等のいずれであってもよい。また、許容範囲の限界(境界)を示す限界値は、コンテンツ情報の出力期限と解することができる。
【0028】
例えば、許容範囲が地理的範囲を示す情報である場合には、限界値は、地理的範囲におけるエリア限界に相当する。また、許容範囲が時間的範囲を示す情報である場合には、限界値は、時間的範囲における時刻限界に相当する。
【0029】
また、許容範囲は、サーバ装置200により提供される各コンテンツ情報に関連付けて付加される。
【0030】
(サーバ装置200について)
サーバ装置200は、利用者の属性情報(例えば、性別、年齢、趣味、嗜好等)や、各種履歴情報(例えば、訪問先履歴、検索履歴等)を利用者情報として記録しておき、利用者情報に基づいて、音声により車両VEx内に出力されるべきコンテンツ情報を特定する。そして、サーバ装置200は、特定したコンテンツ情報を出力するよう車載装置100に送信する。例えば、サーバ装置200は、許容範囲を示す情報が付加されたコンテンツ情報を提供してよい。
【0031】
サーバ装置200によって提供されるコンテンツ情報としては、レコメンド情報(例えば、周辺に存在する各種スポットの情報など)、ニュース、天候情報、メール情報(例えば、着信、送信者、タイトル、本文の情報など)、スケジュール、経路誘導情報、交通情報(例えば、渋滞、通行止めの情報など)等が挙げられる。
【0032】
<第1の実施形態>
〔1.車載装置の機能構成〕
ここからは、第1の実施形態について説明する。図2は、第1の実施形態に係る各装置の構成例を示す図である。図2には、第1の実施形態に係る車載装置100aの構成例と、実施形態に係るサーバ装置200の構成例とが示される。まず、車載装置100aの構成例について説明する。
【0033】
図2に示すように、第1の実施形態に係る車載装置100aは、マイクMCと、スピーカーSPと、センサSCと、通信部110と、記憶部120と、制御部130aとを有する。
【0034】
(マイクMCについて)
マイクMCは、車両VEx内で発生した音を集音する集音装置である。例えば、マイクMCは、車両VExの乗員CWxが発話したことによる発話音声を集音する。
【0035】
(スピーカーSP)
スピーカーSPは、音声により各種情報を出力する出力装置に相当する。例えば、スピーカーSPは、制御部130aによる出力制御に応じて、コンテンツ情報を出力する。
【0036】
(センサSCについて)
センサSCは、車両VExに関する各種情報を検出し、検出した情報に基づいて、車両VExに関する状況を特定する。例えば、センサSCは、車両VEx内の音声、様子、車両VExの挙動等を検出することで、車両VExの状況を特定する。例えば、センサSCは、車両VExの乗員CWxの現在の状況を特定する。そして、センサSCは、特定した状況を示す状況情報を出力制御部133aに出力する。
【0037】
このようなことから、センサSCは、例えば、マイク、カメラ、加速度センサ、ジャイロセンサ、GPSセンサ、気圧センサ等の各種センサであってよい。
【0038】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば、サーバ装置200との間で情報の送受信を行う。
【0039】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、例えば、実施形態に係る出力制御処理に関するデータやプログラムが記憶されてよい。また、図2の例によれば、記憶部120は、地図情報記憶部121と、出力判定テーブル122と、コンテンツ情報記憶部123とを有する。
【0040】
(地図情報記憶部121について)
地図情報記憶部121は、車両VExの現在位置CPTxが属するエリアに対応する地図情報を記憶する。例えば、車載装置100aは、車両VExの現在位置情報をサーバ装置200に送信することで、現在位置CPTxが属するエリアに対応する地図情報をサーバ装置200から受け取り、地図情報記憶部121に格納する。また、車載装置100aは、この地図情報に基づいて、ナビゲーションサービスを提供する。
【0041】
(出力判定テーブル122について)
出力判定テーブル122は、車両VExにおける乗員CWxの現在の状況SAyが、音声によるコンテンツ情報の出力を控えることが好ましいか否かを判定するための判定テーブルを記憶される。出力判定テーブル122では、乗員CWxの状況SAyと、コンテンツ情報との種別との関係性に基づいて、コンテンツ情報の出力条件が定義される。
【0042】
ここで、図3に、実施形態に係る出力判定テーブル122の一例を示す。出力判定テーブル122は、第1の実施形態に係る出力制御処理に拘わらず、利用されるものである。
【0043】
図3の例によれば、出力判定テーブル122には、コンテンツ情報の種別の一例として、「衝突警告」、「経路誘導情報」、「交通情報」、「ニュース・天気情報」、「メール情報」、「レコメンド情報」等が含まれる。係る例は、サーバ装置200は、「衝突警告」、「経路誘導情報」、「交通情報」、「ニュース・天気情報」、「メール情報」、「レコメンド情報」等のカテゴリに属するコンテンツ情報を提供する可能性があることを示す。
【0044】
また、図3の例によれば、出力判定テーブル122には、状況SAyのうち、コンテンツ情報の出力を控えることが好ましいものの一例として、「乗員が通話中」(状況SA1)、「乗員が会話中」(状況SA2)、「乗員が負荷の大きい運転を行っている最中」(状況SA3)、「乗員がお気に入りの音楽に集中している最中」(状況SA4)等が示されている。
【0045】
ここで、状況SA2を例に、出力条件について具体的に説明する。図3の例によれば、状況SA2「乗員が会話中」と、コンテンツ情報の種別「衝突警告」との組合せに対して、「〇」が対応付けられている。係る例は、車両VExにおいて乗員CWxが「会話中」であっても、「衝突警告」に属するコンテンツ情報については出力するよう条件付けられていることを意味する。
【0046】
すなわち、状況SA2「乗員が会話中」と、コンテンツ情報の種別「衝突警告」との組合せで定義される情報(図3の例では「〇」)は、係る組合せに対応する出力条件である。このため、車載装置100は、出力されるべきコンテンツ情報として、「衝突警告」に属するコンテンツ情報が存在する状態で、「乗員が会話中」であれば、種別「衝突警告」について出力条件を満たすと判定できる。換言すると、車載装置100は、出力されるべきコンテンツ情報として、「衝突警告」に属するコンテンツ情報が存在する状態で、「乗員が会話中」であれば、出力を控えなくともよいと判定する。
【0047】
また、図3の例によれば、状況SA2「乗員が会話中」と、コンテンツ情報の種別「経路誘導情報」との組合せに対して、「〇」が対応付けられている。係る例は、車両VExにおいて乗員CWxが「会話中」であっても、「経路誘導情報」に属するコンテンツ情報については出力するよう条件付けられていることを意味する。
【0048】
すなわち、状況SA2「乗員が会話中」と、コンテンツ情報の種別「経路誘導情報」との組合せで定義される情報(図3の例では「〇」)は、係る組合せに対応する出力条件である。このため、車載装置100は、出力されるべきコンテンツ情報として、「経路誘導情報」に属するコンテンツ情報が存在する状態で、「乗員が会話中」であれば、種別「経路誘導情報」について出力条件を満たすと判定できる。換言すると、車載装置100は、出力されるべきコンテンツ情報として、「経路誘導情報」に属するコンテンツ情報が存在する状態で、「乗員が会話中」であれば、出力を控えなくともよいと判定する。
【0049】
また、図3の例によれば、状況SA2「乗員が会話中」と、コンテンツ情報の種別「レコメンド情報」との組合せに対して、「×」が対応付けられている。係る例は、車両VExにおいて乗員CWxが「会話中」であれば、「レコメンド情報」に属するコンテンツ情報を出力しないよう条件付けられていることを意味する。
【0050】
すなわち、状況SA2「乗員が会話中」と、コンテンツ情報の種別「レコメンド情報」との組合せで定義される情報(図3の例では「×」)は、係る組合せに対応する出力条件である。このため、車載装置100は、出力されるべきコンテンツ情報として、「レコメンド情報」に属するコンテンツ情報が存在する状態で、「乗員が会話中」であれば、種別「レコメンド情報」について出力条件を満たさないと判定できる。換言すると、車載装置100は、出力されるべきコンテンツ情報として、「レコメンド情報」に属するコンテンツ情報が存在する状態で、「乗員が会話中」であれば、出力を控えるべきと判定する。
【0051】
(コンテンツ情報記憶部123について)
コンテンツ情報記憶部123は、サーバ装置200から提供されたコンテンツ情報Cxを記憶する。ここで、図4に、実施形態に係るコンテンツ情報記憶部123の一例を示す。図4には、コンテンツ情報記憶部123の一例として、コンテンツ情報記憶部123-1が示される。図4の例では、コンテンツ情報記憶部123-1は、「コンテンツID」(Cx)、「カテゴリ」、「位置情報」(SPTx)、「コンテンツデータ」、「許容範囲」(RAx)、「呼掛け情報」(CF)といった項目を有する。
【0052】
「コンテンツID」は、コンテンツ情報を識別する識別情報である。「カテゴリ」は、コンテンツ情報の種別を示す情報である。「位置情報」は、コンテンツ情報で対象となっているスポットが存在する位置を示す情報である。「コンテンツデータ」は、コンテンツ情報の実体となるデータである。「コンテンツデータ」は、音声出力の基となるデータとして、例えばテキストデータであることが好ましい。
【0053】
「許容範囲」は、コンテンツ情報の出力が許容される範囲を示す情報であり、地理的範囲、時刻範囲、車両VExの走行距離範囲、車両VExの通過エリア範囲、車両の速度範囲等のいずれを示す情報であってもよい。また、「許容範囲」は、コンテンツ情報ごとに設定されるが、1つのコンテンツ情報につき複数の「許容範囲」が設定されてもよい。
【0054】
「呼掛け情報」は、車両VExの乗員CWxへの呼びかけに用いられる情報であり、コンテンツ情報の出力の許可を問い合わせる内容、あるいは、コンテンツ情報への注意を促す内容を示すテキストデータをはじめとする各種データで構成されてよい。「呼掛け情報」は、サーバ装置200によってコンテンツ情報とともに提供されてよい。このため、サーバ装置200は、コンテンツ情報に応じた呼掛け情報を自動的に生成してもよいし、人手によってコンテンツ情報ごとに作成された呼掛け情報がサーバ装置200に対して入稿されてもよい。
【0055】
図4には、コンテンツID「C1」と、カテゴリ「施設レコメンド」と、位置情報「SPT1」と、コンテンツデータ「チーズケーキが評判の〇〇カフェが...にあります!」と、許容範囲「1,000m~30m」と、呼掛け情報「今、よろしいですか?」とが対応付けられた例が示される。
【0056】
係る例は、「チーズケーキが評判の〇〇カフェが...にあります!」という内容であることに応じて、カテゴリ「施設レコメンド」に属されたコンテンツ情報C1が、サーバ装置200から提供されたことで、車載装置100aが、これをコンテンツ情報記憶部123に格納している例を示す。
【0057】
また、係る例は、コンテンツ情報C1でレコメンドされる施設(〇〇カフェ)は、位置「SPT1」に存在する例を示す。そして、位置「SPT1」に対して、車両VExが「1,000m」手前から「30m」手前までの範囲内を走行している間において、コンテンツ情報C1の出力が許可されている例を示す。
【0058】
(制御部130aについて)
図2に戻り、制御部130aは、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、車載装置100a内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(例えば、実施形態に係る情報処理プログラム)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130aは、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0059】
図2に示すように、制御部130aは、情報整合エンジン131と、取得部132と、出力制御部133aとを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130aの内部構成は、図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130aが有する各処理部の接続関係は、図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0060】
(情報整合エンジン131)
例えば、情報整合エンジン131は、車両VExの走行に関するセンサ情報から車両VExの走行状況を推定し、推定結果に基づいて、出力を予約されている複数のコンテンツ情報それぞれに対して出力の優先度を算出する。そして、情報整合エンジン131は、算出した優先度に応じて、複数のコンテンツ情報を出力させる際の出力順を決定する。
【0061】
例えば、情報整合エンジン131は、コンテンツ情報の間で許容範囲の重なりが検出された場合には、検出された重なりに対応する範囲での車両VExの走行状況に基づいて、出力順を決定してよい。例えば、情報整合エンジン131は、重なりが検出された場合には、検出された重なりに対応する範囲での車両VExの走行速度であって、センサ情報から推定された所定のタイミングでの走行速度と、検出された重なりに対応する範囲で出力させるべきコンテンツ情報それぞれの再生時間とに基づき、コンテンツ情報の再生時間に応じて車両VExが進む距離を算出する。そして情報整合エンジン131は、算出した距離と重なりの関係性とに基づいて、出力順を決定してよい。
【0062】
より詳細には、情報整合エンジン131は、距離および関係性に基づいて、所定のタイミングとなった場合において複数のコンテンツ情報を互いに干渉させないよう順に出力させることのできる組合せを複数のコンテンツ情報の中から抽出し、抽出した組合せについて出力順を決定する。例えば、情報整合エンジン131は、複数のコンテンツ情報それぞれについて算出した優先度をさらに用いて、複数のコンテンツ情報の中から適切な組合せを抽出し、抽出した組合せについて優先度に応じた出力順を決定し、出力順に従ってスピーカーSPからコンテンツ情報が出力されるよう制御してよい。
【0063】
(取得部132について)
取得部132は、車両VEx内に出力されるべきコンテンツ情報Cxを取得する。例えば、コンテンツ情報Cxは、許容範囲を示す情報が付加された状態で、許容範囲に達するまでのタイミングにおいて予めサーバ装置200から提供される。つまり、コンテンツ情報Cxは、許容範囲に基づき予約するかたちでサーバ装置200から提供される。取得部132は、このようにして提供されたコンテンツ情報Cxを取得する。また、取得部132は、取得したコンテンツ情報Cxをコンテンツ情報記憶部123に格納する。
【0064】
(出力制御部133aについて)
出力制御部133aは、取得部132によりコンテンツ情報Cxが取得された場合に、乗員CWxの現在の状況SAyを示す状況情報を取得する。状況情報は、センサSCによって提供されてよい。そして、出力制御部133aは、乗員CWxの状況SAyおよびコンテンツ情報Cxの種別との組合せと、出力判定テーブル122とを照らし合わせることで、出力条件が満たされているか否かを判定する。つまり、出力制御部133aは、乗員CWxの状況SAyが、コンテンツ情報Cxの出力を控えるべき状況であるか否かを判定する。
【0065】
第1の実施形態では、出力制御部133aは、出力条件が満たされずコンテンツ情報Cxを出力させなかった場合には、コンテンツ情報Cxの出力が許容される許容範囲RAx内において、乗員CWxからコンテンツ情報Cxの出力の許可を得るための呼掛け情報CFを出力させる。
【0066】
出力制御部133aは、許容範囲RAxの限界値である許容限界までに残されている現時点での余裕値が第1閾値以上であるか否かを判定する。そして、出力制御部133aは、余裕値が第1の閾値以上である場合(つまり、期限までには余裕あると判断できる場合)には、呼掛け情報CFを出力させず、出力条件が満たされたか否かを再度判定してよい。このように再判定が行われる場合、この時点での最新の状況情報が用いられる。
【0067】
ここで、許容範囲RAxが時間的範囲である場合には、余裕値は、許容範囲RAxの限界値である時刻限界までに残されている現時点での猶予期間と解することができる。係る場合には、出力制御部133aは、猶予期間が第1閾値以上であるか否かを判定することとなる。
【0068】
一方、許容範囲RAxが地理的範囲である場合には、余裕値は、許容範囲RAxの限界値であるエリア限界までに残されている現時点での猶予距離と解することができる。係る場合には、出力制御部133aは、猶予距離が第1閾値以上であるか否かを判定することとなる。
【0069】
なお、余裕値の具体例とともに、余裕値と第1閾値との比較による判定処理を説明したが、後述するその他の閾値(例えば、第2閾値)でも同様のことがいえる。
【0070】
また、出力制御部133aは、出力条件が満たされない状態で、余裕値が第1閾値未満となったと判定した場合には、呼掛け情報CFを出力させる。このとき、呼掛け情報CFに対して乗員CWxがコンテンツ情報Cxの出力を許可しなかった場合には、出力制御部133aは、コンテンツ情報Cxの出力を保留し、出力条件が満たされたか否かを再度判定する。このように再判定が行われる場合、この時点での最新の状況情報が用いられる。
【0071】
そして、出力制御部133aは、出力条件が満たされず、かつ、呼掛け情報CFに対して乗員CWxがコンテンツ情報Cxの出力を許可しない間は、余裕値の減少に応じた所定のタイミングごとに、呼掛け情報CFを出力させる。例えば、出力制御部133aは、余裕値が第1閾値より低い第2閾値を下回ったか否かを判定し、第2閾値を下回ったと判定した場合には、呼掛け情報CFを再度出力させる。
【0072】
このように、許容範囲RAxに対応付けて、複数段階に分けて、限界値に近づけるように複数の閾値が設定されてよい。そうすると、出力制御部133aは、呼掛け情報CFの出力済の回数に応じた新たな閾値と、現在の余裕値とを用いて、余裕値が閾値以上であるか否かを判定する。
【0073】
出力制御部133aは、出力条件が満たされた場合、または、呼掛け情報CFに対して乗員CWxがコンテンツ情報Cxの出力を許可した場合には、許容範囲が満たされているか否かを判定する。そして、出力制御部133aは、許容範囲が満たされていると判定した場合には、コンテンツ情報Cxを出力させる。
【0074】
〔2.サーバ装置の機能構成〕
引き続き図2を用いて、サーバ装置200の構成例について説明する。サーバ装置200の構成は、各実施形態で共通であってよい。図2に示すように、サーバ装置200は、通信部211と、記憶部220と、制御部230とを有する。
【0075】
(通信部210)
通信部210は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部210は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば、車載装置100との間で情報の送受信を行う。
【0076】
(記憶部220について)
記憶部220は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部220は、利用者情報記憶部221と、地図情報記憶部222と、コンテンツ情報記憶部223とを有してよい。
【0077】
(利用者情報記憶部221について)
利用者情報記憶部221は、利用者の属性情報(例えば、性別、年齢、趣味、嗜好等)や、各種履歴情報(例えば、訪問先履歴、検索履歴等)を利用者情報として記憶する。例えば、サーバ装置200は、車載装置100を介して利用者情報を取得してもよいし、利用者情報の一部は利用者自身によって登録されてもよい。
【0078】
(地図情報記憶部222について)
地図情報記憶部222は、全国の道路リンク情報が網羅された地図情報を記憶する。地図情報は、定期的に更新されてよい。
【0079】
(コンテンツ情報記憶部223について)
コンテンツ情報記憶部223は、車載装置100aに提供される候補のコンテンツ情報を記憶する。コンテンツ情報は、外部のサーバ装置から入力される場合がある。また、サーバ装置200が、利用者情報に基づきコンテンツ情報を生成する場合もある。
【0080】
(制御部230について)
制御部230は、CPUやMPU等によって、サーバ装置200内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部230は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0081】
図2に示すように、制御部230は、取得部231と、特定部232と、提供部233とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部230の内部構成は、図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部230が有する各処理部の接続関係は、図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0082】
(取得部231について)
取得部231は、利用者情報を取得し、これを利用者情報記憶部221に格納する。例えば、取得部231は、車載装置100から利用者情報を取得することができる。
【0083】
(特定部232について)
特定部232は、利用者情報に基づいて、音声により車両VEx内に出力されるべきコンテンツ情報Cxを特定する。また、特定部232は、特定したコンテンツ情報Cxに付加される付加情報も特定してよい。例えば、特定部232は、付加情報として、コンテンツ情報Cxの種別を示す情報、コンテンツ情報Cxの出力が許容される許容範囲を示す情報、呼掛け情報、コンテンツ情報Cxの概要を示す概要情報を特定してよい。
【0084】
なお、特定部232は、コンテンツ情報Cxの内容と、車両VExの現在位置CPTxとに基づいて、適切な許容範囲を設定してよい。また、特定部232は、コンテンツ情報Cxの内容と、車両VExが走行している現在時刻とに基づいて、適切な許容範囲を設定してよい。さらに、特定部232は、コンテンツ情報Cxの内容と、車両VExの挙動とに基づいて、適切な許容範囲を設定してよい。一方で、許容範囲は、コンテンツ情報Cxの入稿において予め設定されている場合もある。
【0085】
なお、特定部232は、車両VExそれぞれに応じた個別のコンテンツ情報Cxを特定する。このため、車両VExごとに、当該車両VExに積載される車載装置100aが取得するコンテンツ情報Cxの内容は異なる。
【0086】
(提供部233について)
提供部233は、特定部232により特定されたコンテンツ情報Cxを車両VExの乗員に提供する。具体的には、提供部233は、コンテンツ情報Cxを車載装置100aに送信する。なお、提供部233は、特定部232により特定された付加情報を付加した状態でコンテンツ情報Cxを提供してよい。
【0087】
〔3.処理手順〕
ここからは、図5を用いて、第1の実施形態に係る出力制御処理の具体例を説明する。図5は、第1の実施形態に係る出力制御処理の手順を示すフローチャートである。図5では、車両VE1に積載される車載装置100aが出力制御処理を行う場面を示す。なお、図5に示す出力制御処理は、例えば、車両VE1のエンジンが始動された時点で開始され、車両VE1のエンジンが停止された時点で終了されてよい。
【0088】
まず、取得部132は、出力すべきコンテンツ情報Cxを取得できたか否かを判定する(ステップS501)。つまり、取得部132は、サーバ装置200によるコンテンツ情報Cxの提供に応じて、コンテンツ情報Cxを取得できたか否かを判定する。
【0089】
取得部132は、出力すべきコンテンツ情報Cxを取得できていない間は(ステップS501;No)、出力すべきコンテンツ情報Cxを取得できるまで待機する。
【0090】
出力制御部133aは、取得部132によりコンテンツ情報Cxを取得された場合には(ステップS501;Yes)、出力判定テーブル122を参照し、出力条件が満たされているか否かを判定する(ステップS502)。具体的には、出力制御部133aは、車両VE1の乗員CW1の現在の状況SAyを示す状況情報を取得し、状況SAyおよびコンテンツ情報Cxの種別との組合せと、出力判定テーブル122とを照らし合わせることで、出力条件が満たされているか否かを判定する。
【0091】
出力制御部133aは、出力条件が満たされていると判定した場合には(ステップS502;Yes)、乗員CW1の状況SAyが、コンテンツ情報Cxの出力を控える必要のない状況であることを認識する。そして、出力制御部133aは、コンテンツ情報Cxに対応する許容範囲RAxを超えているか否かを判定する(ステップS503)。
【0092】
出力制御部133aは、許容範囲RAxを超えていないと判定した場合には(ステップS503;No)、コンテンツ情報CxがスピーカーSPから出力されるよう出力制御する(ステップS504)。
【0093】
例えば、コンテンツ情報Cxを「チーズケーキが評判の〇〇カフェが...にあります!」といった内容のレコメンド情報であるとする。係る場合、出力制御部133aは、コンテンツ情報Cxで対象となっているスポット(〇〇カフェ)の位置SPTxと、車両VE1の現在位置CPT1とに基づき、現在位置CPT1を起点とする位置SPTxの位置関係(例えば、距離と方向)を算出してよい。そして、出力制御部133aは、算出結果に基づきコンテンツ情報Cxの内容を加工し、加工後のコンテンツ情報Cxを読み上げる音声を合成し、この音声をスピーカーSPから出力させてよい。
【0094】
図5には、スピーカーSPが、加工後のコンテンツ情報Cxとして、「200m前方左側に、チーズケーキが評判の〇〇カフェがあります!」を出力している例が示される。
【0095】
一方、出力制御部133aが、許容範囲RAxを超えていると判定した場合には(ステップS503;Yes)、ステップAへと移行される。ステップA以下で実行される出力制御処理については第2の実施形態として説明する。
【0096】
ステップS502に戻り、出力制御部133aは、出力条件が満たされていないと判定した場合には(ステップS502;No)、乗員CW1の状況SAyが、コンテンツ情報Cxの出力を控えるべき状況であることを認識する。図3に示す出力判定テーブル122の例によれば、出力制御部133aは、乗員CW1が状況SA2「会話中」であり、コンテンツ情報Cxの種別が「レコメンド」であったとすると、会話中の現在はコンテンツ情報Cxの出力を控えるべきであることを認識する。
【0097】
このような状態において、まず、出力制御部133aは、許容範囲RAxの限界値である許容限界に向けて段階的に複数設定される閾値の全てが消化されたか否かを判定する(ステップS505)。
【0098】
例えば、許容範囲RAxが地理的範囲「1,000m~30m」であるとすると、第1閾値「500m」、第2閾値「250m」、第3閾値「100m」といったかたちで複数の閾値が設定される場合がある。係る例では、出力制御部133aは、出力条件が満たされず、かつ、呼掛け情報CFに対して乗員CW1がコンテンツ情報Cxの出力を許可しない間は、許容範囲RAxの限界値であるエリア限界(許容限界)までに残されている現時点での猶予距離(余裕値)が第1閾値を超えたか否か、第2閾値を超えたか否か、第3閾値を超えたか否かの判定を、呼掛け情報CFの出力回数に応じて順に行ってゆくこととなる。
【0099】
他の例として、許容範囲RAxが時間的範囲「2022年7月12日11時~2022年7月12日12時」であるとすると、第1閾値「11時30分」、第2閾値「11時40分」、第3閾値「11時50分」といったかたちで複数の閾値が設定される場合がある。係る例では、出力制御部133aは、出力条件が満たされず、かつ、呼掛け情報CFに対して乗員CW1がコンテンツ情報Cxの出力を許可しない間は、許容範囲RAxの限界値である時刻限界(許容限界)までに残されている現時点での猶予期間(余裕値)が第1閾値を超えたか否か、第2閾値を超えたか否か、第3閾値を超えたか否かの判定を、呼掛け情報CFの出力回数に応じて順に行ってゆくこととなる。
【0100】
上記例によれば、出力制御部133aは、例えば、許容限界までに残されている現時点での余裕値が第3閾値未満であり、3つの閾値に応じてこれまでに呼掛け情報CFを3回出力させてしまっている場合には、全ての閾値が消化されたと判定することができる。
【0101】
出力制御部133aは、許容限界に向けて段階的に複数設定される閾値の全てが消化されたと判定した場合には(ステップS505;Yes)、ステップS502へと処理を移行し、出力条件が満たされたか否か再度判定する。
【0102】
一方、出力制御部133aは、許容限界に向けて段階的に複数設定される閾値の全てが消化されていないと判定した場合には(ステップS505;No)、今回で、呼掛け情報CFの出力が何回目であるか、その回数nを特定する(ステップS506)。
【0103】
閾値に基づく呼掛け情報CFの出力手法の一例についてより具体的に説明する。例えば、出力制御部133aは、余裕値が第1閾値以上でありコンテンツ情報Cxが取得されてから呼掛け情報CFを未だ出力させていない場合には、回数n=1(出力回数_1回目)であると特定する。一方、出力制御部133aは、第1閾値を過ぎたことで出力された1回目の呼掛け情報CFに対して乗員CW1がコンテンツ情報Cxの出力を許可せず、かつ、出力条件が未だ満たされない場合には、回数n=2(出力回数_2回目)であると特定する。また、出力制御部133aは、第2閾値を過ぎたことで出力された2回目の呼掛け情報CFに対して乗員CW1がコンテンツ情報Cxの出力を許可せず、かつ、出力条件が未だ満たされない場合には、回数n=3(出力回数_3回目)であると特定する。このような特定のループについては以下の手順で実現される。
【0104】
具体的には、出力制御部133aは、余裕値が回数n(n回目)に対応する閾値以上であるか否かを判定する(ステップS507)。例えば、出力制御部133aは、回数n=1(出力回数_1回目)であることを特定した場合には、1回目に対応する第1閾値以上であるか否かを判定する。また、出力制御部133aは、回数n=2(出力回数_2回目)であることを特定した場合には、2回目に対応する第2閾値以上であるか否かを判定する。また、出力制御部133aは、回数n=3(出力回数_3回目)であることを特定した場合には、3回目に対応する第3閾値以上であるか否かを判定する。
【0105】
出力制御部133aは、余裕値が回数nに対応する閾値以上であると判定した場合には(ステップS507;Yes)、呼掛け情報CFを出力させるタイミングまで余裕があることを認識する。この場合、出力制御部133aは、一旦、コンテンツ情報Cxの出力を保留し(ステップS508)、ステップS502へと処理を移行し、出力条件が満たされたか否か再度判定する。
【0106】
出力制御部133aは、余裕値が回数nに対応する閾値未満であると判定した場合には(ステップS507;No)、呼掛け情報CFを出力させるタイミングを超えて(過ぎて)余裕がなくなったことを認識する。この場合、出力制御部133aは、呼掛け情報CFがスピーカーSPから出力されるよう出力制御する(ステップS509)。
【0107】
例えば、出力制御部133aは、呼掛け情報CFを読み上げる音声を合成し、この音声をスピーカーSPから出力させてよい。
【0108】
図5には、スピーカーSPが、呼掛け情報CFとして、「今、よろしいですか?」を出力している例が示される。
【0109】
次に、出力制御部133aは、呼掛け情報CFに対して乗員CW1がコンテンツ情報Cxの出力を許可したか否かを判定する(ステップS510)。例えば、出力制御部133aは、マイクMCによって集音された発話音声データから解析された発話内容に基づいて、乗員CW1がコンテンツ情報Cxの出力を許可したか否かを判定することができる。または、出力制御部133aは、車載装置100aに設けられた肯定ボタン、または否定ボタンの対する操作で入力された入力内容に基づいて、乗員CW1がコンテンツ情報Cxの出力を許可したか否かを判定してもよい。
【0110】
出力制御部133aは、乗員CW1がコンテンツ情報Cxの出力を許可したと判定した場合には(ステップS510;Yes)、ステップS503へと処理を移行し、コンテンツ情報Cxに対応する許容範囲RAxを超えているか否かを判定する。
【0111】
一方、出力制御部133aは、乗員CW1がコンテンツ情報Cxの出力を拒否したと判定した場合には(ステップS510;No)、一旦、コンテンツ情報Cxの出力を保留し、ステップS502へと処理を移行する。
【0112】
〔4.第1の実施形態に係る出力制御のまとめ〕
図5で説明した第1の実施形態に係る出力制御処理によれば、乗員CWxの状況SAyが、コンテンツ情報Cxの出力を控えるべき状況であったとしても、コンテンツ情報Cxの出力期限内において、コンテンツ情報Cxの可否を問い合わせる呼掛け情報CFが出力される。そして、呼掛け情報CFに対する乗員CWxの応答内容に応じて、コンテンツ情報Cxの出力が制御される。このような出力制御処理によれば、乗員CWxの心証を損なうことなく、コンテンツ情報Cxの出力機会を伺うことができるため、利用者にとって有益な情報を提供できる機会を増やすことができる。
【0113】
また、第1の実施形態に係る出力制御処理によれば、余裕値が閾値未満となったタイミングでのみ呼掛け情報CFが出力されるため、例えば、出力条件が満たされない限り連続的に呼掛け情報CFが出力されてしまうことによる利用者の不快感の蓄積を抑制することができる。
【0114】
〔5.第1の実施形態に係る変形例〕
第1の実施形態に係る車載装置100aは、第1の実施形態として説明した出力制御処理とは異なる態様で実施されてもよい。そこで、以下では、第1の実施形態に係る出力制御処理の変形例について説明する。
【0115】
(変形例に係る出力制御部133aについて)
上記第1の実施形態では、出力制御部133aが、出力条件が満たされずコンテンツ情報Cxを出力させなかった場合には、許容範囲RAx内において、コンテンツ情報Cxの出力の許可を乗員CWxから得るための呼掛け情報CFを出力させる例を示した。
【0116】
しかしながら、出力制御部133aは、出力条件が満たされずコンテンツ情報Cxを出力させなかった場合には、許容範囲RAx内において、乗員CWxにコンテンツ情報Cxへの注意を促すための呼掛け情報CFn(CF1、CF2・・・)、および、コンテンツ情報の概要を示す概要情報OVn(OV1、OV2・・・)を出力させてよい。
【0117】
例えば、出力制御部133aは、コンテンツ情報Cxを出力させない間は、許容範囲RAx内において所定のタイミングごとに、呼掛け情報CFn、および、呼掛け情報CFnに対応付けられる概要情報OVnを出力させ、かつ、当該出力の回数の増加に応じて、呼掛け情報CFnおよび概要情報OVnのうちの少なくとも一方の内容を変化させる。
【0118】
具体的には、出力制御部133aは、許容範囲RAxの限界値である許容限界までに残されている現時点での余裕値が第1閾値以上である場合には、呼掛け情報CFnおよび概要情報OVnを出力させず、出力条件が満たされたか否かを再度判定する。そして、出力制御部133aは、出力条件が満たされない状態で、余裕値が第1閾値未満となった場合には、呼掛け情報CFnおよび概要情報OVnを出力させる。例えば、出力制御部133aは、概要情報OVnが付加された呼掛け情報CFnを出力させてよい。
【0119】
出力制御部133aは、概要情報OVnが付加された呼掛け情報CFnに対して乗員CWxが負の応答(ネガティブな応答)を示した場合には、コンテンツ情報Cxを出力せずに、出力条件が満たされたか否かを再度判定する。
【0120】
このように、出力制御部133aは、出力条件が満たされず、かつ、呼掛け情報CFnに対して乗員CWnが負の応答を示す間は、余裕値の減少に応じた所定のタイミングごとに、呼掛け情報CFnおよび概要情報OVnを出力させる。例えば、出力制御部133aは、概要情報OVnが付加された呼掛け情報CFnを出力させ、この出力の回数の増加に応じて、呼掛け情報CFnおよび概要情報OVnのうちの少なくとも一方の内容を変化させる。
【0121】
例えば、出力制御部133aは、出力回数の増加に応じて、これまでに出力された呼掛け情報CFn(例えば、CF1)と比較して注目度がより高められた内容の呼掛け情報CFn(例えば、CF2)を出力させてよい。また、出力制御部133aは、出力回数の増加に応じて、これまでに出力された概要情報OVn(例えば、OV1)と比較してより簡略化された内容の概要情報OVn(例えば、OV2)を出力させてよい。前記出力制御部は、現在の出力回数(何回目の呼掛けであるか)に対応付けられた呼掛け情報CFnを出力させ、現在の出力回数に対応付けられた概要情報OVnを出力させてよい。
【0122】
なお、車載装置100aは、出力の回数の増加に応じて、呼掛け情報CFnおよび概要情報OVnのうちの少なくとも一方の内容を変化させるという変形例に係る出力制御処理を実現可能なデータ構造を記憶するコンテンツ情報記憶部123を有してよい。そこで、以下では、第1の実施形態の変形例に係るコンテンツ情報記憶部123について図6を用いて説明する。
【0123】
(変形例に係るコンテンツ情報記憶部123について)
図6は、第1の実施形態の変形例に係る出力制御処理を実現可能なデータ構造がコンテンツ情報記憶部123に記憶された場合の一例を示す図である。図6には、第1の実施形態の変形例に係るコンテンツ情報記憶部123の一例として、コンテンツ情報記憶部123-2が示される。
【0124】
図6の例では、コンテンツ情報記憶部123-2は、「コンテンツID」(Cx)、「カテゴリ」、「位置情報」(SPTx)、「コンテンツデータ」、「許容範囲」(RAx)、「呼掛け情報」(CF)といった項目を有する。これらの項目については、コンテンツ情報記憶部123-1と同一であるため説明を省略する。
【0125】
また、図6の例では、コンテンツ情報記憶部123-2は、「出力回数_n回目」といった項目を有する。例えば、コンテンツ情報記憶部123-2は、図6に示すように、「出力回数_1回目」、「出力回数_2回目」等のように、出力回数n回分の項目を有してよい。
【0126】
「出力回数_n回目」とは、概要情報OVnが付加された呼掛け情報CFnが出力された回数に応じて特定される、今回の出力回数目に相当する。
【0127】
また、図6の例によれば、「出力回数_n回目」に対して、呼掛け情報CFnと、概要情報OVnとが対応付けられた状態で登録されている。例えば、コンテンツID「C1」(コンテンツ情報C1)で特定される項目「出力回数_1回目」に対しては、呼掛け情報CF1「今、よろしいですか?」と、概要情報OV1「あなたにおすすめのカフェに関する情報があります。」とが対応付けられた状態で登録されている。また、コンテンツID「C1」で特定される項目「出力回数_2回目」に対しては、呼掛け情報CF2「あなたにおすすめの情報があります!」と、概要情報OV2「カフェの情報です。」とが対応付けられた状態で登録されている。
【0128】
ここで、呼掛け情報CF1「今、よろしいですか?」と、呼掛け情報CF2「あなたにおすすめの情報がありますが。」との間で双方の内容を比較すると、呼掛け情報CF2の内容の方が、より注目度を高め得る詳細な内容となっている。この結果、出力制御部133aは、出力回数nの増加に応じて、これまでに出力された呼掛け情報と比較して注目度がより高められた内容の呼掛け情報を出力させることができる。
【0129】
また、概要情報OV1「あなたにおすすめのカフェに関する情報があります。」と、概要情報OV2「カフェの情報です。」との間で双方の内容を比較すると、概要情報OV2の内容の方が、より簡略化されている。この結果、出力制御部133aは、出力回数nの増加に応じて、これまでに出力された概要情報と比較してより簡略化された内容の概要情報を出力させることができる。
【0130】
〔6.変形例での動作例〕
続いて、第1の実施形態の変形例に係る出力制御処理として実現される動作例を説明する。具体的には、コンテンツ情報記憶部123-2が図6のようなデータ構造であることに応じて動作する車載装置100aの具体的動作例について説明する。
【0131】
例えば、図5では、出力制御部133aが、呼掛け情報CFを出力させた回数に応じて特定される、今回の出力回数目に応じた閾値と、現在の余裕値とに基づいて、呼掛け情報CFを出力させる例を示した。係る例に倣って、変形例では、出力制御部133aは、呼掛け情報を出力させた回数に応じて特定される、今回の出力回数目に応じた閾値と、現在の余裕値とに基づいて、概要情報OVnが付加された呼掛け情報CFnを出力させてよい。
【0132】
例えば、出力制御部133aは、出力条件が満たされず、かつ、概要情報OVnが付加された呼掛け情報CFnに対して乗員CWxがコンテンツ情報Cxの出力を許可しない間は、許容限界までに残されている現時点での余裕値に対応する閾値を超えたか否かの判定を、呼掛け情報の出力回数に応じて順に行ってゆく。つまり、図5の例を用いると、出力制御部133aは、呼掛け情報CFの代わりに、概要情報OVnが付加された呼掛け情報CFnを段階的に出力させることができる。
【0133】
図5の例によれば、より具体的には、出力制御部133aは、出力条件が満たされない状態で余裕値が第1閾値以上である場合には、回数n=1(出力回数_1回目)であると特定する。この結果、出力制御部133aは、概要情報OV1が付加された呼掛け情報CF1を出力させる。例えば、スピーカーSPは、出力制御部133aによる制御に応じて、概要情報OV1が付加された呼掛け情報CF1として、「今、よろしいですか?(呼掛け情報)、あなたにおすすめのカフェに関する情報があります。(概要情報)」を出力する。
【0134】
出力制御部133aは、呼掛け情報CF1に対して乗員CW1がネガティブな応答を示したと判定し、また、再度の条件判定でも出力条件が満たされないままと判定した場合には、今回は回数n=2(出力回数_2回目)であると特定する。この結果、出力制御部133aは、概要情報OV2が付加された呼掛け情報CF2を出力させる。例えば、スピーカーSPは、出力制御部133aによる制御に応じて、概要情報OV2が付加された呼掛け情報CF2として、「あなたにおすすめの情報がありますが。(呼掛け情報)、カフェの情報です。(概要情報)」を出力する。
【0135】
〔7.第1の実施形態に係る変形例のまとめ〕
第1の実施形態の変形例に係る出力制御処理によれば、コンテンツ情報の出力期限に対する猶予の減少に応じて呼掛け情報CFnが出力されるが、猶予が無くなるほど、呼掛け情報CFnの内容がより注意を惹きやすい内容に変更される。この結果、同じ内容で呼び掛けが繰り返される状態を抑制でき、自然な呼び掛けを実現することができる。さらに、呼び掛けを繰り返す際に概要情報を付加する場合には、呼び掛け回数が増えるほど概要情報を簡略化することで、同じ概要情報を繰り返すことなく、短い言葉でコンテンツ情報の概要を伝達することができる。
【0136】
<第2の実施形態>
〔1.車載装置の機能構成〕
ここからは、第2の実施形態について説明する。図7は、第2の実施形態に係る各装置の構成例を示す図である。図7には、第2の実施形態に係る車載装置100bの構成例と、実施形態に係るサーバ装置200の構成例とが示される。第1の実施形態と、第2の実施形態との間で、サーバ装置200の構成は同一であってよく、説明を省略する。
【0137】
また、第1の実施形態に係る車載装置100aと、第2の実施形態に係る車載装置100bとの間で符号が共通する処理部についても詳細な説明を省略し、以下では、第2の実施形態に係る車載装置100bが有する新たな処理部にフォーカスして説明する。
【0138】
図7に示すように、第2の実施形態に係る車載装置100bは、マイクMCと、スピーカーSPと、センサSCと、通信部110と、記憶部120と、制御部130bとを有する。
【0139】
(制御部130bについて)
制御部130bは、CPUやMPU等によって、車載装置100b内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(例えば、実施形態に係る情報処理プログラム)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130bは、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0140】
図7に示すように、制御部130bは、情報整合エンジン131と、取得部132と、出力制御部133bと、特定部134bと、更新部135bとを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130bの内部構成は、図7に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130bが有する各処理部の接続関係は、図7に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0141】
(特定部134bについて)
特定部134bは、コンテンツ情報Cxに対応付けられた許容範囲RAx内において、出力条件が満たされずに出力されなかったこのコンテンツ情報Cxを未出力コンテンツNCxとして特定する。
【0142】
(出力制御部133bについて)
出力制御部133bは、特定部134bにより未出力コンテンツNCxが特定された場合に、未出力コンテンツNCxに関する出力制御を行う。
【0143】
具体的には、出力制御部133bは、未出力コンテンツNCxについて出力条件が満たされた場合には、未出力コンテンツNCxが本来のタイミングで出力されなかった理由とともに未出力コンテンツNCxを出力させる。例えば、出力制御部133bは、許容範囲RAx内での乗員CWxの当時の状況SAyを理由として付加して、未出力コンテンツNCxを出力させてよい。
【0144】
また、出力制御部133bは、車両VExの移動履歴と、未出力コンテンツNCxに対応付けられる許容範囲RAxとに基づいて、未出力コンテンツNCxが出力されるべきであった本来のタイミングを特定し、特定したタイミングを示す情報をさらに出力させてよい。
【0145】
ここで、未出力コンテンツNCxは、所定のスポットをレコメンドするレコメンド情報であるとすると、対応付けられる許容範囲RAxは、この所定のスポットの位置SPTxに応じたエリア情報として定められる場合がある。係る例では、出力制御部133bは、所定のスポットの位置SPTxと、未出力コンテンツNCxを出力させるタイミングでの車両VExの現在位置CPTxとの位置関係を特定し、特定した位置関係を示す情報を未出力コンテンツNCxとともに出力させてよい。例えば、出力制御部133bは、位置関係を示す情報として、車両VExの現在位置CPTxを起点とした場合の所定のスポットまでの距離を示す情報を未出力コンテンツNCxに付加した状態で出力させてよい。
【0146】
なお、出力制御部133bは、第1の実施形態に係る出力制御部133aと実質同一の処理部であり、出力制御部133aとしての機能も有するものとする。
【0147】
(更新部135bについて)
更新部135bは、未出力コンテンツNCxが出力された場合の乗員CWxの応答内容に応じて、出力条件の内容(すなわち出力判定テーブル122の内容)を更新する。
【0148】
更新部135bの機能の前提として、まず、出力制御部133bは、次のような処理を行う。具体的には、出力制御部133bは、許容範囲RAx内において未出力コンテンツNCxが出力されなかった理由に基づいて、コンテンツ情報の出力の可否を乗員CWxに問い合わせる内容の質問情報Qを出力させる。より具体的には、出力制御部133bは、許容範囲RAx内での乗員CWxの当時の状況SAyに基づいて、状況SAyである場合にコンテンツ情報が出力されてよいかどうかを乗員CWxに問い合わせる内容の質問情報Qを出力させる。
【0149】
更新部135bは、質問情報Qに対する乗員CWxの応答内容に応じて、未出力コンテンツNCxの種別と、質問情報Qで対象となっている状況SAy(具体的には、許容範囲RAx内での乗員CWxの当時の状況SAy)との関係性に基づき定義される出力条件を更新する。具体的には、更新部135bは、質問情報Qで対象となっている状況SAyでのコンテンツ情報の出力を乗員CWxが許可した場合には、出力判定テーブル122における出力条件の内容を、以後は、対象となっている状況SAyにおいて上記種別のコンテンツを出力する内容に更新する。
【0150】
〔2.処理手順〕
次に、図8および図9を用いて、第2の実施形態に係る出力制御処理の具体例を説明する。図8では、未出力コンテンツNCxの出力制御手順を説明する。図9では、未出力コンテンツNCxに対する乗員CWxの応答に応じた更新処理手順を説明する。
【0151】
〔2-1.処理手順(1)〕
図8は、未出力コンテンツNCxを出力させるための出力制御処理の手順を示すフローチャートである。未出力コンテンツNCxを出力させるための出力制御処理は、図5で説明したように、ステップAへと移行された際に開始されてよい。具体的には、未出力コンテンツNCxを出力させるための出力制御処理は、図5のステップS503において、許容範囲RAxを超えていると判定された場合に開始されてよい。このため、図5の例を引き続き採用し、図8に示す出力制御処理手順を説明する。
【0152】
まず、特定部134bは、許容範囲RAx内で出力されなかったコンテンツ情報Cxを、未出力コンテンツNCxとして特定する(ステップS801)。
【0153】
次に、出力制御部133bは、未出力コンテンツNCxが出力されなかった理由として、出力されなかった当時の乗員CW1の状況SAyを特定する(ステップS802)。ここで、出力されなかった当時の乗員CW1の状況SAyとは、出力条件を満たさないうちに許容範囲RAxは超えてしまった当時の乗員CW1の状況SAyであり、実質、許容範囲RAxにあるときの当時の状況SAyを指し示す。以下では、車両VE1の乗員CW1の当時の状況SAyを「状況SAy(P)」と表記する。図5の例を用いると、出力制御部133bは、出力条件を満たしたが(ステップS502;Yes)、許容範囲RAxを超えたと判定したタイミング(ステップS503;Yes)よりも以前の状況SAy(P)を特定する。
【0154】
次に、出力制御部133bは、車両VE1の移動履歴LG1と、許容範囲RAxとに基づいて、コンテンツ情報Cxを出力させるべきであった本来のタイミングTMを特定する(ステップS803)。例えば、出力制御部133bは、移動履歴LG1と、許容範囲RAxとに基づいて、車両VE1が許容範囲RAxにおいて走行していた当時の日時のうち、コンテンツ情報Cxが取得された日時(つまり、ステップS501の時点での日時)をタイミングTMとして特定してよい。また、出力制御部133bは、移動履歴LG1に基づいて、タイミングTMでの車両VE1の位置情報も特定してよい。
【0155】
また、出力制御部133bは、状況SAy(P)と、タイミングTMとに基づいて、前置き情報PFを生成する(ステップS804)。例えば、出力制御部133bは、前置き情報PFとして、「先ほどはお話し中だったため出力を控えましたが、時刻TMの時点でご提供する情報がございました。」といった内容のテキスト情報を生成することができる。係る例によれば、前置き情報PFに含まれる「お話し中」が状況SAy(P)に相当し、「時刻TM」がタイミングTMに相当する。
【0156】
次に、出力制御部133bは、コンテンツ情報Cxで対象となっているスポットの位置SPTxと、車両VE1の現在位置CPT1とに基づいて、現在位置CPT1を起点とする位置SPTxの位置関係(例えば、距離と方向)を算出する(ステップS805)。
【0157】
例えば、コンテンツ情報Cxを「チーズケーキが評判の〇〇カフェが...にあります!」といった内容のレコメンド情報であるとする。係る場合、出力制御部133bは、コンテンツ情報Cxで対象となっているスポット(〇〇カフェ)の位置SPTxと、車両VE1の現在位置CPT1とに基づき、現在位置CPT1を起点とする位置SPTxの位置関係(例えば、距離と方向)を算出する。
【0158】
そして、出力制御部133aは、算出した位置関係を示す情報をコンテンツ情報Cxに付加することで、コンテンツ情報Cxの内容を加工する(ステップS806)。例えば、出力制御部133bは、S805において、位置関係「300m後方左側」を算出している場合には、これを用いてコンテンツ情報Cxを加工することで、「300m後方左側に、チーズケーキが評判の〇〇カフェがありました。」といった内容のコンテンツ情報TCxを生成することができる。
【0159】
このような状態において、出力制御部133bは、まず、前置き情報PFがスピーカーSPから出力されるよう出力制御する(ステップS807)。例えば、出力制御部133bは、前置き情報PFを読み上げる音声を合成し、この音声をスピーカーSPから出力させてよい。
【0160】
図8には、スピーカーSPが、前置き情報PFとして、「先ほどはお話し中だったため出力を控えましたが、時刻TMの時点でご提供する情報がございました。」を出力している例が示される。
【0161】
また、出力制御部133bは、加工後のコンテンツ情報TCxがスピーカーSPから出力されるよう出力制御する(ステップS808)。例えば、出力制御部133bは、コンテンツ情報TCxを読み上げる音声を合成し、この音声をスピーカーSPから出力させてよい。
【0162】
図8には、スピーカーSPが、コンテンツ情報TCxとして、「300m後方左側に、チーズケーキが評判の〇〇カフェがありました。」を出力している例が示される。
【0163】
また、この後、処理はステップBへと移行される。ステップB以下で実行される出力制御処理については図9で説明する。
【0164】
〔2-2.処理手順(2)〕
図9は、出力条件を更新するための更新処理の手順を示すフローチャートである。出力条件を更新するための更新処理は、図8のステップS808において、加工後のコンテンツ情報TCxが出力された場合に開始されてよい。このため、図8の例を引き続き採用し、図9に示す更新処理手順を説明する。
【0165】
まず、出力制御部133bは、コンテンツ情報TCxに対して乗員CW1が何らかの応答を示したか否かを判定する(ステップS901)。例えば、出力制御部133aは、マイクMCによって集音された発話音声データや、車載装置100bに対する操作で入力された入力内容に基づいて、コンテンツ情報TCxに対して乗員CW1が何らかの応答を示したか否かを判定することができる。
【0166】
出力制御部133bは、コンテンツ情報TCxに対して乗員CW1が応答を示したと判定した場合には(ステップS901;Yes)、応答内容が肯定的な内容であるか否かを判定する(ステップS902)。例えば、出力制御部133bは、マイクMCによって集音された発話音声データから解析された発話内容や、車載装置100bに対する操作で入力された入力内容に基づいて、応答内容が肯定的な内容であるか否かを判定することができる。
【0167】
一例として、出力制御部133bは、乗員CW1が「ありがとう!大丈夫ですよ。」等と発話した場合、あるいは、車載装置100bの画面に設けられる「肯定」ボタンが押下された場合には、応答内容が肯定的な内容であると判定することができる。一方、出力制御部133bは、乗員CW1が「今さら教えてくれても遅いよ!」と発話した場合、あるいは、車載装置100bの画面に設けられる「否定」ボタンが押下された場合には、応答内容が否定的な内容であると判定することができる。
【0168】
出力制御部133bは、応答内容が肯定的な内容ではないと判定した場合には(ステップS902;No)、出力条件を満たさないうちに許容範囲RAxが超えてしまった当時の乗員CW1の状況SAy(P)に基づいて、コンテンツ情報の出力の可否を乗員CW1に問い合わせる内容の質問情報Qを出力させる(ステップS903)。
【0169】
具体的には、出力制御部133bは、状況SAy(P)である場合にコンテンツ情報が出力されてよいかどうかを乗員CW1に問い合わせる内容の質問情報Qを生成し、質問情報QがスピーカーSPから出力されるよう出力制御する。例えば、出力制御部133bは、質問情報Qを読み上げる音声を合成し、この音声をスピーカーSPから出力させてよい。
【0170】
例えば、出力制御部133bは、「次回以降はお話し中でも、待たずにお知らせした方がよいですか?」といった内容の質問情報Qを生成することができる。係る例によれば、質問情報Qに含まれる「お話し中」が状況SAy(P)に相当する。
【0171】
図9には、スピーカーSPが、質問情報Qとして、「次回以降はお話し中でも、待たずにお知らせした方がよいですか?」を出力している例が示される。
【0172】
次に、出力制御部133bは、質問情報Qに対して状況SA(y)でのコンテンツ情報の出力を乗員CW1が許可したか否かを判定する(ステップS904)。例えば、出力制御部133bは、マイクMCによって集音された発話音声データから解析された発話内容や、車載装置100bに対する操作で入力された入力内容に基づいて、状況SA(y)でのコンテンツ情報の出力を乗員CW1が許可したか否かを判定することができる。
【0173】
更新部135bは、状況SA(y)の最中であってもコンテンツ情報が出力されてよいことを乗員CW1が許可した場合には(ステップS904;Yes)、未出力コンテンツNCxの種別と、状況SAy(P)との関係性に基づき定義される出力条件を更新する(ステップS905)。具体的には、更新部135bは、出力判定テーブル122における出力条件の内容を、状況SAy(P)では未出力コンテンツNCxの種別のコンテンツを出力する内容に更新する。
【0174】
ここで、状況SAy(P)が状況SA2、すなわち「乗員が会話中」であり、未出力コンテンツNCxの種別「レコメンド情報」であった場合を例に挙げると、更新部135bは、図9に示すように、出力判定テーブル122における出力条件の内容を更新する。つまり、更新部135bは、状況SA2「乗員が会話中」と、コンテンツ情報の種別「レコメンド情報」との組合せで定義される条件情報「×」を「〇」へと更新する。
【0175】
説明を戻し、更新部135bは、コンテンツ情報TCxに対して乗員CW1が応答しなかった場合(ステップS901;No)、応答内容が肯定的な内容であると判定した場合(ステップS902;Yes)、状況SA(y)でのコンテンツ情報の出力を乗員CW1が許可しなかった場合(ステップS904;No)には、更新処理を行わず終了する。
【0176】
〔3.第2の実施形態に係る出力制御のまとめ〕
図8で説明した第2の実施形態に係る出力制御処理によれば、出力期限を超えた後に、乗員CWxの状況SAyが、コンテンツ情報Cxの出力を控えなくともよい状況に変化した場合には、出力期限内で出力させなかったコンテンツ情報Cxとともに、出力されなかった理由が出力される。このような出力制御処理によれば、乗員CWxの心証を損なうことなく、利用者にとって有益な情報を提供できる機会を増やすことができる。
【0177】
また、図9で説明した第2の実施形態に係る出力制御処理によれば、乗員CWxの状況SAyが、コンテンツ情報Cxの出力を控えるべき状況である場合には、コンテンツ情報Cxは出力されない。一方で、コンテンツ情報Cxの出力を控えられた状況SAyにおいて、コンテンツ情報Cxを出力させてよいか乗員CWxの意向を伺い、今後はその意向に応じてコンテンツ情報Cxが出力されるよう条件情報の内容が更新される。このような出力制御処理によれば、乗員CWxの心証を損なうことなく、利用者にとって有益な情報を提供できる機会を増やすことができる。
【0178】
<第3の実施形態>
〔1.車載装置の機能構成〕
ここからは、第3の実施形態について説明する。図10は、第3の実施形態に係る各装置の構成例を示す図である。図10には、第3の実施形態に係る車載装置100cの構成例と、実施形態に係るサーバ装置200の構成例とが示される。第1の実施形態と、第3の実施形態との間で、サーバ装置200に構成は同一であってよく、説明を省略する。
【0179】
また、第1の実施形態に係る車載装置100aと、第3の実施形態に係る車載装置100cとの間で符号が共通する処理部についても詳細な説明を省略し、以下では、第3の実施形態に係る車載装置100cが有する新たな処理部にフォーカスして説明する。
【0180】
図10に示すように、第3の実施形態に係る車載装置100cは、マイクMCと、スピーカーSPと、センサSCと、通信部110と、記憶部120と、制御部130cとを有する。
【0181】
(制御部130cについて)
制御部130cは、CPUやMPU等によって、車載装置100c内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(例えば、実施形態に係る情報処理プログラム)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130cは、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0182】
図10に示すように、制御部130cは、情報整合エンジン131と、取得部132と、出力制御部133cと、生活圏情報取得部136cと、判定部137cとを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130cの内部構成は、図10に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130cが有する各処理部の接続関係は、図10に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0183】
(出力制御部133cについて)
第3の実施形態に係る出力制御処理は、乗員CWxの生活圏外(例えば、旅先)を走行中において、サーバ装置200提供されたコンテンツ情報Cxが、許容範囲RAxに存在する所定のスポットをレコメンドする内容のものであれば、このスポットを逃してしまわないよう(通り過ぎてしまうと今後いつ訪れることができるかわからない)、強制的に出力させることを目的としている。
【0184】
つまり、出力制御部133cは、後述する判定部137cにより車両VExが乗員CWxの生活圏外を移動中であると判定された場合には、出力条件が満たされない状態であっても、所定の種別のコンテンツ情報については、当該コンテンツ情報に対応付けられた許容範囲RAx内において出力させる。
【0185】
具体的には、出力制御部133cは、車両VExが乗員CWxの生活圏外を移動中であると判定された場合には、出力条件が満たされない状態であっても、車両VExの周辺の所定のスポットをレコメンドするレコメンド情報については、当該レコメンド情報に対応付けられた許容範囲RAx内において出力させる。
【0186】
例えば、出力制御部は133c、レコメンド情報の出力が許容される許容範囲RAxの限界値である許容限界までに残されている現時点での余裕値が閾値未満となった際に、車両VExが生活圏外を移動中である場合には、このレコメンド情報を出力させる。
【0187】
例えば、出力制御部133cは、所定のスポットの位置SPTxと、レコメンド情報を出力させるタイミングでの車両VExの現在位置CPTxとの位置関係を特定し、特定した位置関係を示す情報をレコメンド情報とともに出力させてよい。例えば、出力制御部133cは、位置関係を示す情報として、車両VExの現在位置CPTxを起点とした場合の所定のスポットまでの距離を示す情報をレコメンド情報に付加した状態で出力させてよい。
【0188】
なお、出力制御部133cは、第1の実施形態に係る出力制御部133aと実質同一の処理部であり、出力制御部133aとしての機能も有するものとする。
【0189】
(生活圏情報取得部136cについて)
生活圏情報取得部136cは、乗員CWxの移動履歴に基づいて特定された乗員CWxの生活圏に関する生活圏情報を取得する。例えば、車載装置100cは、車両VExの移動履歴に基づき定期的に生活圏を判定し、生活圏の情報を最新の状態に更新しておく機能を有してよい。係る機能によれば、例えば、車両VExが走行した位置、および停車された位置の分布状況に基づいて生活圏が判定されてよい。
【0190】
(判定部137cについて)
判定部137cは、車両VExが乗員CWxの生活圏外を移動中であるか否かを判定する。具体的には、判定部137cは、車両VExの現在位置CPTxと、生活圏情報とに基づいて、車両VExが乗員CWxの生活圏外を移動中であるか否かを判定する。
【0191】
〔2.処理手順〕
ここからは、図11を用いて、第3の実施形態に係る出力制御処理の具体例を説明する。図11は、第3の実施形態に係る出力制御処理の手順を示すフローチャートである。図11では、車両VE1に積載される車載装置100cが出力制御処理を行う場面を示す。
【0192】
なお、第3の実施形態に係る出力制御処理は、第1の実施形態に係る出力制御処理とともに実行されてよい。このため、図11に示すフローチャートは、図5に示すフローチャートの一部を変更する内容となっている。具体的には、図11に示すステップS1101~ステップS1104が第3の実施形態に係る出力制御処理の手順を示すものである。図11ではこのステップに着目して第3の実施形態に係る出力制御処理手順を説明する。
【0193】
出力制御部133cは、余裕値が回数n(n回目)に対応する閾値以上であるか否かを判定する(ステップS507)。出力制御部133cは、余裕値が回数nに対応する閾値以上であると判定した場合には(ステップS507;Yes)、呼掛け情報CFを出力させるタイミングまで余裕があることを認識する。
【0194】
このような状態において、生活圏情報取得部136cは、乗員CW1の生活圏情報を取得する(ステップS1101)。車載装置100cは、乗員CW1の最新の生活圏情報を記憶部120に有していてよく、生活圏情報取得部136cは、ここから乗員CW1の最新の生活圏情報を取得してよい。
【0195】
判定部137cは、車両VExの現在位置CPTxと、生活圏情報とに基づいて、車両VE1が乗員CW1の生活圏を移動中であるか否かを判定する(ステップS1102)。
【0196】
出力制御部133cは、車両VE1が乗員CW1の生活圏を移動中であると判定された場合には(ステップS1102;Yes)、呼掛け情報CFがスピーカーSPから出力されるよう出力制御する(ステップS509)。
【0197】
一方、出力制御部133cは、車両VE1が乗員CW1の生活圏を移動中でない(すなわち、車両VE1が乗員CW1の生活圏外を移動中である)と判定された場合には(ステップS1102;No)、ステップS501で取得されたコンテンツ情報Cxの種別がレコメンドであり、且つコンテンツ情報Cxの出力が許容される許容範囲RAxの限界値である許容限界までに残されている現時点での余裕値が所定の閾値未満であるか否かを判定する(ステップS1103)。
【0198】
出力制御部133cは、コンテンツ情報Cxの種別がレコメンドでないか、またはコンテンツ情報Cxの許容限界までに残されている現時点での余裕値が所定の閾値未満ではないと判定した場合には(ステップS1103;No)、ステップS509へと処理を移行する。
【0199】
このように、コンテンツ情報Cxの種別がレコメンドであることと、コンテンツ情報Cxの出力の許容限界までに残されている現時点での余裕値が所定の閾値未満であることを併せて判定することにより、コンテンツ情報Cxの種別がレコメンドであっても、コンテンツ情報Cxの出力の許容限界までに余裕が多く残っている場合には、ステップS509において、一旦、呼掛け情報CFを出力させることができる。
【0200】
一方、出力制御部133cは、コンテンツ情報Cxの種別がレコメンドであり、且つコンテンツ情報Cxの出力の許容限界までに残されている現時点での余裕値が所定の閾値未満であると判定した場合には(ステップS1103;Yes)、この時点で出力条件は満たされていないが、生活圏外に存在するスポットをレコメンドする内容の今回のコンテンツ情報Cxについては、出力すべきタイミングとなったことを認識する。
【0201】
そして、出力制御部133cは、コンテンツ情報CxがスピーカーSPから出力されるよう出力制御する(ステップS1104)。
【0202】
例えば、コンテンツ情報Cxを「チーズケーキが評判の〇〇カフェが...にあります!」といった内容のレコメンド情報であるとする。係る場合、出力制御部133cは、コンテンツ情報Cxで対象となっているスポット(〇〇カフェ)の位置SPTxと、車両VE1の現在位置CPT1とに基づき、現在位置CPT1を起点とする位置SPTxの位置関係(例えば、距離と方向)を算出してよい。そして、出力制御部133cは、算出結果に基づきコンテンツ情報Cxの内容を加工し、加工後のコンテンツ情報Cxを読み上げる音声を合成し、この音声をスピーカーSPから出力させてよい。
【0203】
図11には、スピーカーSPが、加工後のコンテンツ情報Cxとして、「200m前方左側に、チーズケーキが評判の〇〇カフェがあります!」を出力している例が示される。
【0204】
なお、ステップS1103で、ステップS501で取得されたコンテンツ情報Cxの種別がレコメンドであるか否かのみの判定を行い、コンテンツ情報Cxの種別がレコメンドであると判定された場合は、即時、コンテンツ情報Cxを出力させることとしてもよい。
【0205】
〔3.第3の実施形態に係る出力制御のまとめ〕
図11で説明した第3の実施形態に係る出力制御処理によれば、乗員CWxの状況SAyが、コンテンツ情報Cxの出力を控えるべき状況であったとしても、このとき乗員CWxの生活圏外(例えば、旅先)を走行中であれば、生活圏外のエリアに存在するスポットをレコメンドするコンテンツ情報Cxだけはコンテンツ情報Cxの許容範囲RAxにおいて出力させる。このような出力制御処理によれば、訪問の機会が限られるスポットに関する情報は漏らさず提供することができるため、利用者にとって有益な情報を提供できる機会を増やすことができる。
【0206】
<その他>
〔1.ハードウェア構成〕
また、上述してきた車載装置100(車載装置100a、100b、100c)は、例えば、図12に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図12は、車載装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0207】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0208】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
【0209】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイ等の出力装置、及び、キーボード等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0210】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0211】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る車載装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130(130a、130b、130c)の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0212】
〔2.その他〕
また、上記各実施形態において説明した処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0213】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、上述した第1~第3の実施形態において、車載装置100が中心的に担うものとして説明した実施形態に係る出力制御処理の少なくとも一部を、サーバ装置200が処理するようにしてもよい。
【0214】
また、上記各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0215】
<まとめ>
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、本開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本開示を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0216】
1 システム
100 車載装置
120 記憶部
121 地図情報記憶部
122 出力判定テーブル
123 コンテンツ情報記憶部
131 情報整合エンジン
132 取得部
100a 車載装置
133a 出力制御部
100b 車載装置
133b 出力制御部
134b 特定部
135b 更新部
100c 車載装置
133c 出力制御部
136c 生活圏情報取得部
137c 判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
図12