(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041015
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】地震予測方法及び火山活動予測方法
(51)【国際特許分類】
G01V 1/01 20240101AFI20240318BHJP
G01W 1/12 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
G01V1/00 E
G01W1/12 Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022159811
(22)【出願日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】521549763
【氏名又は名称】坂尾 正昭
(72)【発明者】
【氏名】坂尾 正昭
【テーマコード(参考)】
2G105
【Fターム(参考)】
2G105AA03
2G105BB17
2G105EE02
2G105GG01
2G105MM03
(57)【要約】
【課題】既存の宇宙地球電磁気学的地震予知は誰にでも実施が可能なものではなく、限られた者にしか実施できず、さらに、十分な成果を上げているとまではいえない。また火山活動については、地震計、傾斜計、空振計、GNSS観測装置、監視カメラ、電磁気観測及び地熱観測などにより火山監視が実施されているが、予知において噴火の見逃しが発生するなど、課題がある。誰にでも可能な方法で実施できる地震予測、火山活動予測方法の確立が必要である。
【解決手段】太陽光発電システムにおける太陽光起因以外の宇宙地球電磁気学的発電電力に注目した地震予測及び火山活動予測方法により、誰にでも可能な、数値による地震予測及び火山活動予測が可能となる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
日射計が併設されていない太陽光発電システムにおいて発電電力を計測し、発電電力が太陽光起因の標準発電電力を超過する場合、標準発電電力に対する超過発電電力の比率があらかじめ設定した第一基準値以上である場合に地震または火山活動が発生すると推定する地震予測方法及び火山活動予測方法。
【請求項2】
日射計が併設されている太陽光発電システムにおいて発電電力及び日射強度を計測し、日射強度1kW/m2の場合の数値に比例換算した発電電力が太陽光起因の標準発電電力を超過する場合、標準発電電力に対する超過発電電力の比率があらかじめ設定した第二基準値以上である場合に地震または火山活動が発生すると推定する地震予測方法及び火山活動予測方法。
【請求項3】
日射計が併設されている太陽光発電システムを広範囲に複数設置し、標準発電電力に対する超過発電電力の比率があらかじめ設定した第三基準値以上である計測地点が存在し、かつ第四基準値以上の計測地点の数の全計測地点数に占める割合が第五基準値以上である場合に、巨大地震または大地震または大規模火山活動が発生すると推定する地震予測方法及び火山活動予測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は太陽光発電システムにおける太陽光以外に起因する発電電力に注目した地震予測方法及び火山活動予測方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下名出願の特許文献1、特願2021-204639は太陽光発電システムを利用した地震予測方法であり、異常に高い発電電力の出現をもって地震の前兆であるとするものである。この方法により地震予測が可能であるが、課題が4点あり、これらの課題の解決により、さらに精度の高い地震予測が可能となる。第一は、異常に高い発電電力の基準が太陽電池容量との比較であり、太陽光発電システム設置場所における晴天時の日時別の標準発電電力との比較ではないことである。太陽電池モジュールへの太陽光照射角度が90°に近いほど発電電力は大となること、及び太陽電池モジュール表面の温度が低いほど温度上昇による損失が少なく発電電力が大となることを反映した標準発電電力との比較による予測精度向上が必要である。第二は、異常に高い発電電力の出現が太陽光起因によるものかその他の宇宙地球電磁気学的起因によるものかについての記載がないことである。第三は、異常に高い発電電力の出現は地震前兆だけではなく火山活動の前兆でもあることについての記載がないことである。第四は、前兆に対応する感度が太陽光発電システム設置場所により異なる可能性があることについての記載がないことである。本発明は、これらの点に注目して、新たな視点により地震予測及び火山活動予測を行うものである。
【0003】
非特許文献1は、送電線を利用し微弱な地電流を検出する方法であり、宇宙地球電磁気学的現象による地震予知方法である。送電線は全国をカバーしており観測網の構築が可能であるが、誰にでも可能な方法ではなく、この方法による地震予知を実施できるのは電力会社や研究機関、一部の研究者、専門家などに限定される。
【0004】
非特許文献2は、ギリシャにおいて成果を上げているとされる宇宙地球電磁気学的地震予知方法であるVAN法について記載されたものである。VAN法は、地電流の連続観測記録に現れる特異な変化を判別し地震予知に役立てるものであるが、特異な変化と多数の雑音信号との判別が容易でないこと、及び、地震予知が可能である計測地点が限定されることが地震予知の制約となっていることが記載されており、十分な地震予知成果を上げているとまではいえないと考えられる。
【0005】
非特許文献3は気象庁ホームページであり、気象庁は50の火山について噴火の前兆を捉えるために地震計、傾斜計、空振計、GNSS観測装置、監視カメラ等により火山の監視を実施しており、さらに、電磁気観測や地熱観測も実施していることが記載されているが、2014年9月27日に発生した御嶽山噴火時には噴火警戒レベル1のままで、従来の観測では火山活動に関する予測が十分とはいえない場合があることを示している。
【0006】
非特許文献4は気象庁地磁気観測所のホームページであり、地震について記載されているものではないが、電離層や磁気圏に電流が流れると地磁気が変動し地中には地磁気変化を打ち消す方向に地電流が誘導されるとの記載がある。また、地表で観測される地電流の変化は観測する地域の局所的な地質や地下構造に大きく影響されるとの記載がある。
【0007】
非特許文献5には、地震の直前に微小破壊が起きた岩石から電磁波が発生するとの記載がある。
【0008】
非特許文献6には、地殻に圧力が生じると微細な亀裂が生じラドンが放出され、空気中に放出されると放射壊変し鉛イオンへと変化し、イオンに小さなチリや埃が付着し、大きくなるとの記載がある。大規模な地震の前に大気中のプラスイオン濃度が、通常の5倍以上に上昇する現象が観測されており、現在最も有効な地震予知方法であるとしている。
【0009】
非特許文献7には非特許文献6と同様の記載があり、地表の亀裂からイオンが発生するとの記載がある。地表の亀裂とはプレート境界または断層等であると考えられる。東北地方太平洋沖地震前に特に反応したのは正規測定点6地点のうちプレート境界に近い金沢、松本であったとの記載があり、計測に適した地点が存在することが推測される。
【0010】
非特許文献8には、地震の前兆として地中から大気イオンが放出され、それが電気機器に触れると静電気が発生するとの記載がある。
【0011】
以上より、太陽光発電システムにおける異常に高い発電電力の出現の原因は、次のいずれかである可能性がある。第一は、地震の前に地中から発生する電磁波が直接太陽光発電システムに影響を与えている可能性である。第二は、地震前の地中からの電磁波発生またはその他の現象が電離層や磁気圏に影響を与え、その結果地電流が誘導され、それが太陽光発電システムに影響を与えている可能性である。第三は、地震の前兆として地中から放出される大気イオンが太陽光発電システムに影響を与えている可能性である。住戸外からの影響による家電製品等への影響は日常生活においても発生しており、太陽光発電システムにおける異常に高い発電電力の出現についても、上記の3例のいずれかである可能性、または原因が複合している可能性がある。異常に高い発電電力の出現が宇宙地球電磁気学的起因であるとすると、非特許文献4及び非特許文献7より、前兆に対応する感度が太陽光発電システム設置場所により異なる可能性があるため、計測に適した場所を選定する必要がある。火山活動は地震と同様に地殻変動であり、地震に類似した前兆現象が出現するものと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】特開2010-249848
【非特許文献2】自然電位観測によるギリシャ式地震予知法の基礎と日本への適用 1994年3月 研究代表者 河野芳輝(国立情報学研究所ホームページより)
【非特許文献3】気象庁ホームページ 「火山の監視」
【非特許文献4】気象庁地磁気観測所ホームページ 「地電流の基礎知識」及び「地球電磁気のQ&A」
【非特許文献5】「地震は予知できる!」早川正士 KKベストセラーズ p.85~88
【非特許文献6】大気イオン地震予測研究会ホームページ 地震前に大気イオンが発生するメカニズム
【非特許文献7】高知工科大学 川原村敏幸教授のホームページ 大気イオン発生メカニズム
【非特許文献8】「地震の前兆150」 宝島社 p.138~145
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明が解決しようとする課題は、計測に適した場所を選定し計測機器である太陽光発電システムを設置し、簡易な方法で数値により、短期的地震予測及び短期的火山活動予測を可能にすることである。観測網構築により、発生時期・場所・規模の予知が実現できる可能性がある。今後の研究により異常に高い発電電力の出現の科学的根拠が明らかになれば、前兆現象を数値としてさらに正確に計測する方法の確立につながり、高精度予知の実現が期待される。地震においても火山活動においても、予知とは発生時期、場所、規模を事前に明らかにすることであり、予測とはこれらのうち一部が不十分であるとの意味である。巨大地震とはマグニチュード(以下Mという)8.0以上、大地震とはM7.0以上M8.0未満、中地震とはM5.0以上M7.0未満、小地震とはM5.0未満の地震のことである。また、大規模火山活動とは爆発的噴火を伴う火山活動を指すものとする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
太陽光発電システムにおける発電電力は最大でも太陽電池容量の70%~80%であるとされているが、自宅太陽光発電システム(以下自宅システムという)においてはこれを大幅に上回る発電電力が出現しており、太陽電池容量の90%以上の発電電力出現時に、2020年には70.0%、2021年には85.7%の高確率で、日本付近で翌々日までにM4.5以上の地震が発生している。これについては、下名の特願2021-204639に記載のとおりである。
【0016】
また火山活動についても、火山活動活発化前に、異常に高い発電電力の出現が認められる。第一の例として、2022年2月24日の阿蘇山噴火警戒レベル2から3への引上げ前に、同年2月3日から異常に高い発電電力が継続して出現したことがあげられる。第二の例として、2022年7月24日の桜島の爆発的噴火前に、同年7月12日から異常に高い発電電力が継続して出現したことがあげられる。
【0017】
太陽電池容量の90%以上もの発電電力は、好条件が重なったとしても通常出現するものではないと考えられる。発電電力に影響を与えるものとして、太陽光起因としては、日射強度、及び太陽光の波長分布がある。これらにより異常に高い発電電力の出現が説明できなければ、太陽光起因ではないと考えられる。
【0018】
また、異常に高い発電電力が太陽光起因で出現しているとは考えられないことを示す現象があれば、異常に高い発電電力は太陽光起因ではないことがさらに明らかとなる。
【0019】
日射強度は日本付近では最大1kW/m2前後であるとされており、また、発電電力は日射強度にほぼ比例するとされている。太陽電池容量3.7kWの自宅システムにおけるある晴天の日の最大発電電力が3.0kWであり、同様に晴天である翌日の同一時間帯における最大発電電力が3.9kWである現象が出現しているが、ほぼ同一であると考えられる天候において日射強度が前日同一時間帯比で翌日に30%も増加することはあり得ないと考えられる。
【0020】
波長分布は発電電力に影響を与え、また、太陽高度により波長分布は異なるとされている。しかし、同一時期同一時間帯の晴天時の発電電力に大きな変化を与えるほどの波長分布の変動があるとは考えられない。
【0021】
太陽活動に関して研究する研究機関や研究者は多数存在するが、太陽フレア発生時を除けば、同一時期同一時間帯の日射強度や波長分布に大幅な変動が存在するとの研究報告は調査範囲内では存在しない。
【0022】
異常に高い発電電力が太陽光起因ではないことを示す現象を二例示す。第一に、太陽光発電システムの設置場所、太陽、震源または火山活動の位置関係を挙げることができる。太陽電池容量3.7kWの自宅システムにおいては、2011年3月11日に発生したM9.0の東北地方太平洋沖地震発生前の当日正午前後に、4.1kWもの異常に高い発電電力が出現した。震源は自宅の北東方向であるが、太陽は南方向にあり、異なる方向であるが、異常に高い発電電力が出現しており、太陽光起因であるとは考えにくい。2014年9月27日発生の御嶽山噴火前にも異常に高い発電電力が出現しているが、これについても自宅を基準とした噴火の方向と太陽の方向は異なる。
【0023】
第二に、標準的な発電量に対し実際の発電量が大であることを挙げることができる。太陽光発電システムメーカーはシステム設置者に対し、設置場所における標準的な年間発電量を太陽電池容量、設置方向、及び設置傾斜角度に基づいて算出し提示している。自宅システムにおいては、年間発電量は3,830kWhであるとされているが、実際には設置後11年8か月の発電量は約55,000kWhであり、これは年間約4,700kWhの発電量となり、メーカー算出値を20%以上も上回っている。1年2年の短期間ではなく10年を超える期間での発電量比較における大幅な差異の存在は、太陽光以外に起因する発電電力が存在する可能性がきわめて高いことを示している。
【0024】
ホームページにおいてデータが公開されているメガソーラーのデータによると、自宅システムと同様に異常に高い発電電力が出現しているメガソーラーがあり、かつ異常に高い発電電力の出現後には一定規模以上の地震または火山活動が日本付近において高確率で発生していることから、異常に高い発電電力の出現は自宅システムの不具合によるものではなく、他の太陽光発電システムにおいても出現していることがわかる。自宅システムもこのメガソーラーも多結晶シリコンタイプである。
【0025】
したがって、異常に高い発電電力の出現は太陽光以外に起因するものと考えられる。標準発電電力に対する超過発電電力の比率は地震の前兆または火山活動の前兆の大小を示しており、この比率により地震の予測または火山活動の予測が可能となる。ただし、すべての種類の太陽電池モジュールにおいてこの予測方法が有効であるかどうかは確認していない。自宅システムの太陽電池モジュールは多結晶シリコンであり、多結晶シリコンにおける異常に高い発電電力の出現は地震または火山活動の前兆であるといえ、単結晶シリコンも同じくシリコン系であるため予測に使える可能性が高いと考えられるが、その他の非シリコン系太陽電池モジュールが予測に使えるかどうかについては確認していない。
【0026】
地震または火山活動の前兆としての異常な発電電力の出現については、研究機関、研究者、専門家、一般の方々がそのことに気付いているはずであるが、そうではない。その理由は次の三点であると考えられ、これらを考慮した上で、予測のための太陽光発電システムの設置場所及び仕様を決定する必要がある。
【0027】
第一は、パワーコンディショナによる発電電力の制約である。自宅システムは太陽電池容量3.7kWに対しパワーコンディショナの定格出力電力は4.0kW(実力値4.1kW)であり、最大4.1kWまで発電する。投資に対する効果を最大にするために、家庭用太陽光発電システムにおいては、太陽電池容量と同等程度、またはそれ未満の定格出力電力のパワーコンディショナを設置している場合があるものと推測される。仮に太陽電池容量3.7kW、パワーコンディショナの定格出力電力3.0kWであれば、最大でも3.0kWまでしか発電しないため、異常な発電電力に気付きにくい。
【0028】
メガソーラーにおいても投資に対する効果が重視されるため、多くのメガソーラーはパワーコンディショナの定格出力電力が太陽電池容量と同等程度、またはそれ未満となっている。日射計が併設されているとはいえ、異常に高い発電電力に気付きにくいものと考えられる。
【0029】
第二は、家庭用太陽光発電システムの場合、太陽電池モジュールは寄棟屋根の2方向または3方向に設置されている場合があり、この場合、同じ太陽電池容量であっても最大発電電力は一方向設置に比べ小さくなるため、異常に高い発電電力に気付きにくいものと考えられる。
【0030】
第三は、地震または火山活動の前兆としての異常に高い発電電力の出現が太陽光以外に起因する宇宙地球電磁気学的起因によるものであるとすれば、太陽光発電システム設置場所の地質や地下構造などによって前兆の大小に差が生じる可能性がある。自宅は砂浜海岸から約600mの砂丘造成地に立地しており、砂の飛散が多い地域である。15Km圏内には警固断層、宇美断層、西山断層が存在する。また、地域の中心市街地から約15km離れている。この立地条件が、前兆としての異常な発電電力が出現しやすい場所となっている可能性がある。仮に砂質土壌に設置された太陽光発電システムにおいては地震または火山活動の前兆としての宇宙地球電磁気学的現象に対応する感度が大であるとすれば、太陽光発電システムによる計測地点を、石狩砂丘、庄内砂丘、浜岡砂丘、内灘砂丘、鳥取砂丘、虹の松原、吹上浜などの砂浜海岸または砂浜海岸に近い場所に設置することにより、効果的な地震予測が可能となる。断層に近い場所が前兆に対応する感度が大であるとすれば、近くに断層が存在する場所を計測地点とすればよい。地震の震源または火山と太陽光発電システム設置場所の2地点間の地質や地下構造によっても前兆に差が出る可能性がある。
【0031】
現代においては様々なノイズ発生源が存在し、具体的には電車、自動車、その他の設備などはノイズ発生源となり得る。これらが太陽光以外に起因する発電電力の部分的な原因となっている可能性があるため、できるだけノイズの影響の少ない場所で計測することが望ましいと考えられる。
【0032】
以上より、地震または火山活動予測のための太陽光発電システム設置場所については、前兆としての宇宙地球電磁気学的現象に対応する感度が大である場所である必要があり、かつノイズの影響の少ない場所であることが望ましいが、さらに、地震の規模予測高精度化と震源絞り込みのためには観測網の構築が必要であり、観測の空白域をできるだけ少なくするため、利尻島、礼文島、飛島、佐渡島、舳倉島、隠岐、伊豆諸島、小笠原諸島、壱岐、対馬、五島列島、天草諸島、奄美群島、南西諸島、南大東島、北大東島などの島嶼部で、かつ計測に適した場所に広範囲に計測地点を設けることが必要である。火山活動の予測については、50の火山が常時観測火山に指定されているため、これらの火山の周囲において前兆としての宇宙地球電磁気学的現象に対応する感度が大であり、かつ火山灰が計測に影響を与えない場所を選定し太陽光発電システムの設置を行う。
【0033】
家庭用太陽光発電システムには通常日射計が併設されておらず、日射強度と発電電力との関連による正確な分析が困難であるが、目視による天候の把握により、晴天であれば十分予測は可能である。また、日射計が併設され日射強度の計測が可能であるメガソーラーなどでは、より正確な予測が可能となる。
【0034】
発電電力に影響を与えるものとして、日射強度と波長分布以外にもさまざまな要因があるが、影響が大であるのは太陽電池モジュールへの太陽光の照射角度及び太陽電池モジュールの表面温度である。照射角度が90°に近いほど発電電力は大となり、また表面温度が1℃上昇すると発電電力が約0.4%程度低下するとされている。
【0035】
太陽光以外に起因する発電電力は、太陽光の照射がない状態では単独では出現せず、太陽光による発電時にのみ出現している。また、日射強度が変動した場合には、太陽光以外に起因する発電電力は太陽光起因の発電電力に比例して出現している可能性がある。たとえば発電電力が4.0kWで、うち通常の太陽光起因の発電電力が3.0kWである場合は、太陽光以外に起因する発電電力は1.0kWであるが、日射強度の変化により太陽光起因の発電電力が1割減少し3.0kWから2.7kWになると、太陽光以外に起因する発電電力も1割減少して1.0kWから0.9kWに減少し、合計の発電電力は3.6kWとなる可能性がある。太陽光起因の発電電力とその他起因の発電電力の分割測定が可能になれば、より正確な予測が可能となる。
【0036】
以上より、パワーコンディショナの定格出力電力が十分である太陽光発電システムを、地震または火山活動の前兆としての宇宙地球電磁気学的現象に対応する感度が大かつノイズの影響の少ない場所に設置すること、予測精度向上のために日射計を併設すること、さらに観測網を構築できるような計測場所配置とすることにより、精度の高い地震予測が可能となる。
【発明の効果】
【0037】
太陽電池容量が把握されている太陽光発電システムにおいて発電電力に関するデータが入手できれば、専門家でなくても誰でも、簡易な方法で数値により、太陽光発電システムの設置場所ごとに、近日中に日本付近において一定規模以上の地震が発生するかどうか、または一定規模以上の火山活動が発生するかどうかについての短期的予測が可能となる。日射強度についてのデータが入手できれば、さらに予測精度が高くなる。また、観測網の構築により、異常であると判定された計測地点の分布と計測値から、地震の場合は近日中に発生する地震の震源及び規模についてのある程度の予測が可能となり、火山活動の場合はどの火山における活動の前兆であるのか、そしてどの程度の規模の火山活動であるのかの予測が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0038】
請求項1に記載の地震予測方法、火山活動予測方法の実施にあたって必要とされる主な条件は次のとおりである。第一の条件は、請求項1は主として家庭用太陽光発電システムを想定しており、太陽電池容量を大きく超える定格出力電力のパワーコンディショナ設置は現実的ではないが、地震については巨大地震または大地震の前兆であるのか、中地震または小地震の前兆であるのかの区別のため、火山活動については大規模火山活動の前兆であるのか火山活動活発化の前兆であるのかの区別のため、パワーコンディショナの定格出力電力は太陽電池容量の1.3倍以上程度であることが望ましい。
【0039】
第二の条件は、太陽電池モジュールを南または南に近い向きに、同一方向に、日本付近においては30°程度の標準的な同一傾斜角度で設置することである。この条件を満たせば、季節を問わず大きな発電電力が出現し、異常な発電電力であるかどうかがわかりやすく、また、同一方向同一角度での太陽電池モジュール設置であるため、異なる条件下での発電の混在を防ぐことが可能である。家庭用太陽光発電システムにおいては現実的ではないが、太陽光追尾式太陽光発電システムの設置が可能であれば、さらに予測精度の向上が期待でき、これは日射計を併設した太陽光発電システムにおいても同様である。
【0040】
第三の条件は、前兆としての宇宙地球電磁気学的現象に対応する感度が大であり、かつノイズの影響の少ない場所に太陽光発電システムを設置することである。感度が高い地域であるかどうかの判定のため、例として、同一仕様同一設置条件の太陽光発電システムを多数設置し、大きな発電電力が出現している場所や一定発電電力以上の出現頻度が大である場所を選定して、予測対象太陽光発電システムとすることが考えられる。たとえば、太陽電池容量5.0kW、パワーコンディショナ定格出力電力6.5kW、多結晶シリコンの太陽光発電システムを全国各地の二階建て切妻屋根家屋の南向き四寸勾配の屋根に設置し、地域による緯度及び気象の差異、震源や火山活動の分布を考慮する必要はあるが、同一期間内の最大発電電力の値、5.0kW以上の発電電力出現頻度を集計し、前兆に対応する感度に有意な差がなければ予測用の太陽光発電システム設置場所に制約はないことになり、有意な差があれば、感度の高い地点での計測が予測に効果的であることになる。
【0041】
請求項1は日射計が併設されていない太陽光発電システムによる予測であり、晴天で条件の良い場合の太陽光起因の標準発電電力と実際の発電電力との比較により予測するものである。研究機関や太陽光発電システムメーカーにより、地域別、日時別、設置方位別、設置傾斜角度別に太陽電池容量1kW当たりの標準発電電力データを設定し、太陽電池容量がわかれば標準発電電力の算出が可能である仕組みを準備する。日時別のデータは気温及びエアマスを考慮したものとする。これを提供することにより、標準発電電力と実際の発電電力とを比較する。太陽光発電システムにより特性の差異があるものと考えられるため、厳密には製品ごとに設定する必要がある。また、超過発電電力比率、すなわち((発電電力-標準発電電力)/標準発電電力)×100の数値と日本付近におけるその後の発生地震との関係を分析し、たとえば15.0%以上の超過発電電力比率を異常値とし、近日中に日本付近において発生するM4.5以上の地震の前兆であるとする。また、25.0%以上を著しい異常値とし、日本付近において近日中に巨大地震、大地震が発生する前兆であるとする。ただし、著しい異常値であっても、震源が計測場所に比較的近い小地震の前兆である可能性があり、請求項3に関連するが、精度の高い地震予測のためには観測網の構築が必要である。15.0%または25.0%が、請求項1における第一基準値である。
【0042】
火山活動については地震に比べ発生頻度が少ないため、第一基準値の設定のためには地震の場合に比べさらに長期間にわたるデータの蓄積が必要であるが、暫定的に、超過発電電力比率15.0%以上を日本付近における火山活動活発化の前兆、25.0%以上を日本付近における大規模火山活動の前兆であるとし、データを積み重ねて改訂を行う。
【0043】
たとえば福岡県福岡地域、6月15日12時00分、設置方向真南向き、設置傾斜角度21.8°(4寸勾配屋根)、太陽電池容量5.0kWの場合の太陽光起因の標準発電電力が4.0kWであり、この日時が晴天で計測に適しており実際の発電電力が4.8kWであった場合、超過発電電力比率は((4.8-4.0)/4.0)×100=20.0%となり、既述の第一基準値を適用すれば、20.0%≧15.0%となり、これは翌々日までに日本付近におけるM4.5以上の地震発生の前兆、または日本付近における火山活動活発化の前兆であるとし、また、5.5kWの発電電力が出現すれば、((5.5-4.0)/4.0)×100=37.5%となり、37.5%≧25.0%であるため、これは巨大地震または大地震または大規模火山活動の前兆であるとする。
【0044】
これらの基準値が第一基準値であり、この基準値は、過去の超過発電電力比率と発生地震、発生火山活動との関連のデータ蓄積により設定し改訂するものとする。
【0045】
自宅システムは太陽電池容量3.7kWであり、設置方向南南東向き、設置傾斜角度24.2°である。自宅の緯度より、南中時刻における太陽電池モジュールへの太陽光照射角度は、4月及び8月が90°に近く最大となり、12月が最小となる。また、発電電力に影響を与える気温は、8月が最も高く1月が最も低い場合が多い。自宅システムにおいては、気温が低く発電効率の良い時期には太陽高度が発電に適しておらず、気温が高く発電効率が悪い時期には太陽高度が発電に適している傾向にあり、正確には研究機関や太陽光発電システムメーカーにより日時別に標準発電電力を設定する必要があるが、仮に年間を通じて概ね晴天時の最大発電電力は3.0kW前後でほぼ同一であるとし、これを自宅システムにおける南中時刻前後の標準発電電力とする。
【0046】
過去の発生地震と発電電力との関連において4例挙げると、地震発生日、震源、地震の規模、自宅システムにおける最大発電電力、超過発電電力比率の順に次のとおりとなる。
2011年3月11日 東北地方太平洋沖 M9.0 最大4.1kW 36.7%
2022年1月22日 宮崎県沖 日向灘 M6.6 最大4.0kW 33.3%
2022年6月21日 小笠原諸島父島近海M6.2 最大3.6kW 20.0%
2022年6月26日 熊本県 熊本地方 M4.7 最大3.9kW 30.0%
東北地方太平洋沖地震においては、自宅システムのパワーコンディショナの定格出力電力の実力値が4.1kWであり、これと同じ発電電力が出現しており、パワーコンディショナの制約がなければさらに高い発電電力となっていた可能性がある。超過発電電力比率が25.0%以上になると巨大地震または大地震など、被害が発生する地震発生の可能性がある例である。2022年6月の熊本地方でのM4.7の地震の前兆が地震の規模に対して大であるのは、自宅から震源までの距離が約120Kmであり、比較的近いためであると考えられる。巨大地震または大地震の前兆であるかどうかの判定精度向上のためには、日射強度データの入手と観測網の構築が必要となる。
【0047】
地震、火山活動、いずれの前兆であるのかの区別については、1か所での発電電力計測では困難が多い。傾向として、火山活動の場合は前兆の出現時期が早く、前兆出現期間が長い傾向にある。例を二例示す。第一は2022年2月24日の阿蘇山噴火警戒レベル2から3への引き上げ時の例であり、同年2月3日から前兆が出現し、最大発電電力は4.0kW、超過発電電力比率は33.3%である。第二は2022年7月24日の桜島の爆発的噴火時の例であり、同年7月12日から前兆が出現し、最大発電電力3.9kW、超過発電電力比率は30.0%である。標準発電電力はいずれも3.0kWとして算出した。
【0048】
請求項1の課題として、3点挙げることができる。第一に、日射計が併設されていないため、日射強度と発電電力の関係が把握できず、予測精度に課題がある。これについては請求項2に記載の、日射計を併設した太陽光発電システムによる予測により解決が可能である。第二に、主として家庭用太陽光発電システムを想定しており、観測網が構築されていないため、地震の場合は震源及び規模、火山活動の場合は該当火山及び火山活動の規模についての予測精度に課題がある。これについては、請求項3に記載の、観測網の構築により解決が可能である。第三に、第一基準値以上の超過発電電力比率の出現が、地震、火山活動、いずれの前兆であるかの区別が難しいことである。これについても第二の課題同様、請求項3に記載の、観測網の構築により解決が可能である。
【0049】
以上が請求項1についての内容であるが、以下に、請求項2の内容、すなわち日射計が併設されている太陽光発電システムを活用した地震及び火山活動の予測方法について記載する。この方法は日射計で計測される日射強度を活用するもので、請求項1に比べ、予測精度が向上する。
【0050】
予測に適した太陽光発電システムであるための条件は、日射計を併設すること以外に、パワーコンディショナの定格出力電力が十分であること、前兆としての宇宙地球電磁気学的現象に対応する感度が高い場所に設置されていること、及び発電電力と日射強度とを同一タイミングで計測できることが必要である。また、ノイズの影響の少ない場所への設置であることが望ましい。メガソーラーは、投資に対する効果の重視、すなわち太陽光発電による売電収益が最大となるよう設計されている場合が多く、予測のためにはパワーコンディショナの定格出力電力が不足していることになる。たとえば太陽電池容量1,000kWの太陽光発電システムにおいて、諸損失により800kWを超える発電電力の出現は少ないと考えて、定格出力電力800kWのパワーコンディショナを設置した場合、パワーコンディショナの制約がなければ1,200kWの発電電力となる場合でも800kWまでしか発電されず、巨大地震、大地震、大規模火山活動の前兆を見逃す恐れがある。請求項2による予測においては、太陽光により発電されている時間であってもパワーコンディショナによる発電電力の制約があれば計測データが予測に使えないことがあるため、予測可能時間帯が短縮される。具体的には、パワーコンディショナの定格出力電力は、請求項1同様、太陽電池容量の1.3倍以上程度であることが望ましい。
【0051】
請求項2の実施はメガソーラーである必要はないが、精度の高い計測及び売電収入を伴う経済的な計測のためには、メガソーラーによる計測が望ましい。
【0052】
太陽光発電システムにおいては、発電電力は日射強度にほぼ比例するとされている。太陽電池モジュールの公称最大出力は、エアマス1.5、放射照度1kW/m2、モジュール温度25℃での値である。たとえば、太陽電池容量1,000kWの太陽光発電システムにおいて、発電電力700kW、日射強度0.8kW/m2であれば、発電電力は日射強度にほぼ比例するため、これを日射強度1kW/m2時に換算すれば700/0.8=875kWの発電電力となる。これと標準発電電力との比較により、太陽光発電システムが正常に作動しているかどうかの判定が可能であり、かつ、地震または火山活動の前兆の有無判定にも使用できる。
【0053】
研究機関や太陽光発電システムメーカーにおいては、気温及びエアマスを考慮した地域別、日時別の標準発電電力設定が可能である。この標準発電電力と実際の発電電力の比較を行う。たとえば、福岡地域、2月10日12時30分には、温度及びエアマスによる補正はほぼ不要であるとし、日射強度1kW/m2時の太陽電池容量1kW当たりの標準発電電力を0.8kWであると設定したとする。太陽電池容量1,000kWでは標準発電電力は800kWとなる。太陽電池容量1,000kWの太陽光発電システムにおいて、ある年の2月10日12時30分の計測値が、発電電力990kW、日射強度0.9kWであれば、日射強度1kW/m2時に換算した場合の発電電力は990/0.9=1,100kWであり超過発電電力比率は((1,100-800)/800)×100=37.5%となり、これは著しい異常値となる。
【0054】
超過発電電力比率は、既述のとおり((発電電力-標準発電電力)/標準発電電力)×100で算出される。例として、15.0%以上を異常値とし、近日中に日本付近におけるM4.5以上の地震発生または火山活動活発化の前兆であるとする。また、25.0%以上を巨大地震、大地震、または大規模火山活動発生の前兆であるとする。15.0%、25.0%が第二基準値である。
【0055】
請求項2の方法では、日射計が併設されていない場合と比較し、日射強度1kW/m2あたりの発電電力が正確に算出されるため、予測精度が向上する利点があるが、1箇所での計測のため震源の絞り込みや活動が活発化する火山の特定は不可能であり、また地震の規模や火山活動の規模についての予測精度にも課題がある。
【0056】
請求項3は、日射計を併設した太陽光発電システムを広範囲に複数設置し、地震及び火山活動について予測を行うものである。パワーコンディショナの定格出力電力が十分である太陽光発電システムを、前兆としての宇宙地球電磁気学的現象に対応する感度が高い場所、及びノイズの影響の少ない場所への設置については、請求項1・請求項2と同様である。火山活動予測のためには、50の常時観測火山の周囲において火山灰が計測に影響を与えない場所を選定し複数の太陽光発電システムを設置するものとする。
【0057】
計測結果をディスプレイの地図上または紙面の地図上に、計測場所と超過発電電力比率がわかるように表示する。計測値により色別表示を行うとわかりやすい。
【0058】
超過発電電力比率が30.0%以上の甚だしく著しい異常値が出現した計測地点が存在する場合、まず、地震、火山活動、いずれの前兆であるかの判定を行う。頻度的には地震の前兆である場合が多いが、火山周辺に超過発電電力比率の高い地点が存在している場合は火山活動の前兆である可能性があると考えられ、該当火山の特定が可能である。
【0059】
超過発電電力比率が30.0%以上の甚だしく著しい異常値が出現した計測地点が存在する場合は、全計測地点数に占める超過発電電力比率25.0%以上の計測地点数の割合により、地震の規模、または火山活動の規模の予測を行う。超過発電電力比率の最大値が30.0%以上であり、かつ超過発電電力比率25.0%以上の計測地点数が全計測地点数の75.0%以上を占める場合には、巨大地震または大地震または大規模火山活動の前兆であるとする。数値としての前兆が大でありかつ広がりが大である場合には、巨大地震または大地震または大規模火山活動の前兆である可能性が高い。30.0%が第三基準値、25.0%が第四基準値、75.0%が第五基準値である。被害発生が想定される巨大地震または大地震または大規模火山活動の予測が重要であるが、この条件を満たさない場合でも、たとえば超過発電電力比率25.0%以上の計測地点数が全計測地点数の50.0%以上となる場合は、被害が発生する中地震または火山活動活発化の前兆である可能性がある、とする。自宅から震源域まで1,000Km以上離れた東北地方太平洋沖地震発生前に自宅システムにおいて著しく高い発電電力を計測したこと、及び、自宅から700Km以上離れた御嶽山における噴火前に自宅システムにおいて著しく高い発電電力を計測したことから、震源や火山から離れた場所であっても巨大地震または大地震または大規模火山活動の前兆が及ぶことは明らかであり、上記数値を設定した。これらの基準値は観測データを蓄積してデータを整備し運用を行う必要がある。
【0060】
請求項1、請求項2においては、超過発電電力比率25.0%以上を巨大地震または大地震または大規模火山活動の前兆であるとしたが、請求項3においては30.0%以上とした理由は、観測網を構築し多数の計測地点を設けることにより、巨大地震または大地震または大規模火山活動の前兆として30.0%以上の計測地点が出現する可能性が高いと考えるからである。
【0061】
地震においても火山活動においても、震源や火山に距離的に最も近い計測地点における前兆が最大であるとは限らないが、本発明においては前兆としての宇宙地球電磁気学的現象に関しての感度が高い場所を計測地点として選定するため、観測網の構築により、火山活動については該当火山の特定が可能であり、地震については超過発電電力比率の数値が大である地点の集中しているエリアが震源に近いと考えられ、ある程度の震源の絞り込みが可能である。プレート型の巨大地震、大地震については、北海道東方沖地震、南海トラフ地震など、発生の可能性が高い場所が想定されているため、観測網の構築による超過発電電力比率の数値及び分布により、地震予知に近い精度での地震予測が期待できる。発生時期については、自宅システムにおける計測より、地震の場合は前兆出現の2日以内に発生する場合が多いが、巨大地震、大地震の場合はかなり以前から前兆が出現する可能性がある。火山については例が少ないが、地震に比べ、前兆が長く続く傾向がある。本発明は地震予測方法及び火山活動予測方法に関するものであるが、データの蓄積により、時期、場所、規模についての精度が向上し、予測から予知へと高めることができる可能性がある。
【0062】
請求項2、請求項3については、計測データの公開により、誰でもそれぞれの基準で地震及び火山活動の予測が可能となる。自宅システムにおいては請求項2及び請求項3の予測方法が実施できないため、本発明では予測の考え方を記載しており、この考え方で理論的に予測が可能であることを示している。
【産業上の利用可能性】
【0063】
異常に高い超過発電電力比率出現時に、地震または火山活動の前兆の可能性があるとのアラームが出る太陽光発電システムの開発が可能である。また、地震及び火山活動予測に関する公的情報サービス、民間気象情報会社による地震および火山活動予測サービスが可能となる。電気電子工学、宇宙地球電磁気学など関連研究領域の連携により、太陽光発電システムにおける異常に高い超過発電電力比率出現についての科学的根拠が解明されれば、地震予測、火山活動予測に特化した高精度予測機器の開発が可能となり、さらに精度の高い地震予測サービス、火山活動予測サービスの提供が可能となる。