IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 山東科技大学の特許一覧

特開2024-41026切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法
<>
  • 特開-切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法 図1
  • 特開-切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法 図2
  • 特開-切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法 図3
  • 特開-切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法 図4
  • 特開-切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法 図5
  • 特開-切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法 図6
  • 特開-切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法 図7
  • 特開-切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法 図8
  • 特開-切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法 図9
  • 特開-切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法 図10
  • 特開-切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法 図11
  • 特開-切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法 図12
  • 特開-切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法 図13
  • 特開-切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法 図14
  • 特開-切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法 図15
  • 特開-切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法 図16
  • 特開-切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法 図17
  • 特開-切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法 図18
  • 特開-切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041026
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 15/00 20060101AFI20240318BHJP
   E21C 41/00 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
G01C15/00 104Z
E21C41/00
G01C15/00 103Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023062009
(22)【出願日】2023-04-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-08
(31)【優先権主張番号】202211107584.3
(32)【優先日】2022-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518411338
【氏名又は名称】山東科技大学
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】孟 昭勝
(72)【発明者】
【氏名】曽 慶良
(72)【発明者】
【氏名】馬 晨
(72)【発明者】
【氏名】万 麗栄
(72)【発明者】
【氏名】高 魁東
(72)【発明者】
【氏名】張 ▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】李 青海
(72)【発明者】
【氏名】趙 金海
(57)【要約】      (修正有)
【課題】液圧支保に対する位置記述の正確性を高め、切羽面液圧支保群の位置の直線度を確保できる切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法を提供する。
【解決手段】切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法は、端部の液圧支保を全体基準とし、先行の隣接する液圧支保に対して後続液圧支保を対象支保とするステップと、液圧支保架台における、先行の隣接する液圧支保のカメラを向く側において、D1とD2とD3との3つの監視点を設置し、前記D1とD2とD3とは共線ではなく、二等辺三角形を形成することができず、D1とD2とを結ぶ線が架台のエッジラインに平行であるステップと、カメラによって後続の隣接する液圧支保の監視点を撮像し、撮像した画像をプロセッサに伝送するステップと、プロセッサによって各監視点の座標を解析し、対象液圧支保架台空間状態を得るステップと、を含む。
【選択図】図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法であって、ここで、液圧支保架台(11)に撮像装置が設けられており、前記撮像装置は隣接する液圧支保に向くカメラ(24)を含み、
前記切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法は、
端部の液圧支保を全体基準とし、先行の隣接する液圧支保に対して後続液圧支保を対象支保とし、後続の隣接する液圧支保に対して先行液圧支保を基準支保とし、X方向を基準支保の幅方向と、Y方向を基準支保の長さ方向と、Z方向を基準支保の作業高さ方向とそれぞれ定義するステップS1と、
液圧支保架台(11)における、先行の隣接する液圧支保のカメラ(24)を向く側において、D1とD2とD3との3つの監視点を設置するステップであって、前記D1とD2とD3とは共線ではなく、二等辺三角形を形成することができず、D1とD2とを結ぶ線が架台(11)のエッジラインに平行であるステップS2と、
カメラ(24)によって後続の隣接する液圧支保の監視点を撮像し、撮像した画像をプロセッサに伝送するステップS3と、
プロセッサによって各監視点の座標を解析し、対象液圧支保架台空間状態を得るステップS4と、を含む、切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法。
【請求項2】
前記ステップS4において各監視点を解析することは、
01(D01x, D01y, D01z)、D02(D02x, D02y, D02z)、D03(D03x, D03y, D03z)が、基準支保におけるD1とD2とD3との3つの点の基準支保座標系Xでの座標であり、D11(D11x, D11y, D11z)、D12(D12x, D12y, D12z)、D13(D13x, D13y, D13z)が、対象支保におけるD1とD2とD3との3つの点のXでの座標であると想定して、ベクトルD0102、D0203の基準支保座標系Xでの法線ベクトルnを構築する場合、n0=0102×D0203となり、ベクトルD1112、D1213の基準支保座標系Xでの法線ベクトルnを構築する場合、n1=1112×D1213となるステップS4-1と、
01を通りnをベクトル方向としてD4の点を構築する場合、基準支保座標系XでのベクトルはD04=n+D01となり、D11を通りnをベクトル方向としてD4’の点を構築する場合、基準支保座標系XでのベクトルはD14=n+D11となるステップS4-2と、
基準支保におけるD1、D2、D3、D4の点が回転してから並進し、対象支保における対応する点に変換可能であると定義し、ここで、回転の場合に、回転マトリックスRとし、回転軸をユーザの選択に応じてカスタマイズすると、Rは3×3マトリックスとなり、9つの未知量を含み、並進の場合に、並進マトリックスSとし、Sは3×1マトリックスとなり、3つの未知量を含み、基準支保におけるD1、D2、D3、D4の点と対象支保におけるD1、D2、D3、D4’の点との座標に基づいて、式(1)に示すマトリックスPとPを構築するステップS4-3と、
式(2)のようにするステップであって、ここで、式(3)に示すようにTは4次マトリックスである場合に、対象支保における任意の点の座標D0mは、変換マトリックスTによって、その基準支保での座標D1mを、式(4)に示すように得るステップS4-4と、
後続の各対象支保の架台状態を順次検知し、n番目支保におけるD0pの点とすると、その1番目支保におけるマッピング座標D (n-1)pは、式(5)に示すようになるステップS4-5と、を含む、請求項1に記載の切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法。
【請求項3】
端部の液圧支保を記述基準とし、端部の液圧支保架台(11)の重心Dg1を中心とし、切羽面要件Ly及びLzを辺長とし、YOZ平面において記述平面を作成し、後続の各対象支保の座標を式(5)に従って記述平面にマッピングさせ、液圧支保架台空間の記述空間を形成し、各液圧支保のY方向及びZ方向の整列度合を観察するステップS5をさらに含む、請求項2に記載の切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法。
【請求項4】
カメラ(24)のY方向における撮像範囲は、対象支保推移ステップLpをカバーすると共に、Y方向における動き閾値±Δyを含み、カメラ(24)のX方向における撮像範囲は、X方向における動き閾値-Δx1と+Δx2とを含み、カメラ(24)のZ方向における撮像範囲は、Z方向における動き閾値±Δzを含む、請求項1に記載の切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法。
【請求項5】
カメラ(24)の裏面にマークポイント(25)が設けられており、基準支保のカメラ(24)によって対象支保におけるマークポイント(25)を撮像した後、マークポイント(25)の座標を解析したうえ、監視点の座標を解析する、請求項1に記載の切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法。
【請求項6】
架台(11)には、レーザ照射装置とレーザ受光装置とが設けられており、前記レーザ照射装置は、対象支保に向かって設けられたレーザ照射器(34)を含み、前記レーザ照射器(34)の円心位置において中心強光源(341)が設けられ、中心強光源(341)の外側において環状弱光源(342)が周方向に沿って均等に配置され、前記中心強光源(341)の半径がr1とし、環状弱光源(342)のエッジ包絡線の包絡半径がr2とし、レーザ受光装置は、基準支保に向かって設けられた第1レーザ受光器(51)を含み、前記第1レーザ受光器(51)の円心位置において中心受光領域(511)が設けられ、第1レーザ受光器(51)の残りの領域においてレーザ受光モジュール(512)が埋められ、前記中心受光領域(511)の半径がr3とし、第1レーザ受光器(51)の半径がr4とし、中心強光源(341)のレーザを受光する際に、照射された中心受光領域(511)及び/又はレーザ受光モジュール(512)はハイレベル信号を発生し、環状弱光源(342)のレーザを受光する際に、照射された中心受光領域(511)及び/又はレーザ受光モジュール(512)はローレベル信号を発生し、レーザが照射されていない際に、中心受光領域(511)及びレーザ受光モジュール(512)はレベル信号を発生しない、請求項1に記載の切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法。
【請求項7】
対象支保空間状態を得た後、対象支保姿勢検出精度に対して誤差水準分類を行い、ここで、誤差水準分類を行うことは、
対象支保に対する位置検出誤差Δと、L1水準閾値δ1(δ1=r1+r3)と、L2水準閾値δ2(δ2=r1+r4)と、L3水準閾値δ3(δ3=r2+r4)とをそれぞれ定義するステップS6-1と、
(1)連続的な複数の対象支保の間で、Δ≦δ1の場合に、検出結果がL1水準であると判定し、
(2)対象支保がδ1<Δ≦δ2の場合に、検出結果がL2水準であると判定し、
(3)対象支保がδ2<Δ≦δ3の場合に、検出結果がL3水準であると判定し、
(4)対象支保がΔ>δ3の場合に、検出結果がL4水準であると判定する、ステップS6-2と、を含む、請求項6に記載の切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法。
【請求項8】
前記レーザ照射装置は、支持ベース(31)と、第1モータ(32)と、支持台(33)と、レーザ照射器(34)と、第2モータ(35)と、をさらに含み、前記支持ベース(31)が架台(11)に固定して連結され、第1モータ(32)が垂直方向に沿って支持ベース(31)に設けられ、支持台(33)が第1モータ(32)の上方に連結されると共に、第1モータ(32)の駆動によって水平方向に回動可能であり、レーザ照射器(34)が支持台(33)に回動可能に設けられると共に、第2モータ(35)が水平方向に沿って支持台(33)に取り付けられ、第2モータ(35)がレーザ照射器(34)を回動駆動し、
架台(11)には、第3モータ(41)と、伸長軸(42)と、第2レーザ受光器(43)とを含む累積誤差検査装置をさらに設けられており、前記第3モータ(41)が水平方向に沿って架台(11)に設けられると共に、伸長軸(42)を回動駆動し、第2レーザ受光器(43)が伸長軸(42)に固定して連結され、前記第2レーザ受光器(43)が、第1レーザ受光器(51)と同じ構成を有する、請求項7に記載の切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法。
【請求項9】
誤差水準分類を行った後、累積誤差検査を行い、ここで、累積誤差検査を行うことは、
第2レーザ受光器(43)の中心座標をD1j(D1jx, D1jy, D1jz)と定義する場合、式(6)によって得られた2つの結果のうち、対象支保架台(11)から明らかに外れた座標を排除することで、第2レーザ受光器(43)の中心座標D1j(D1jx, D1jy, D1jz)を得、レーザ照射器(34)の基準支保座標系での座標をD0c(D0cx, D0cy, D0cz)と定義し、第2レーザ受光器(43)の中心強光源を中心受光領域(511)に合わせる際に、第1モータ(32)及び第2モータ(35)の回転の角度がそれぞれA及びAとなる必要があり、A及びAは式(7)に示すようになるステップS7を含む、請求項8に記載の切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法。
【請求項10】
最大許容誤差をΔ1と定義し、Δ1値を予め設定しておき、
(1)L1水準誤差結果については、検出結果が十分に正確であり、誤差検査を行う必要がないと判定し、
(2)L2水準誤差結果に対しては、検出結果が比較的に正確であり、X1台の液圧支保おきに累積誤差検査を行い、X1=[Δ1/δ2]となると判定し、
(3)L3水準誤差結果については、検出結果が比較的粗く、X2台の液圧支保おきに累積誤差検査を行い、X2=[Δ1/δ3]となると判定し、
(4)L4水準誤差結果については、検出が故障したと判定し、プロセッサは、操作者が手動で修復するように指導するために故障信号を送信する、請求項9に記載の切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液圧支保位置姿勢検出分野に関し、特に切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭鉱総合採掘の自動化は無人化、省力化に進んでおり、より安全な採掘を実現するために、液圧支保の姿勢を監視し、軽微の場合は作業の進度に悪影響を与え作業効率を下げてしまい、深刻な場合は液圧支保が損壊し作業者の死傷を引き起こしてしまうなどの、液圧支保の誤動作による採掘への重大な安全上の事故や経済的損失を回避する必要がある。現在、液圧支保の天板、底板の姿勢検出にはすでに多くの監視方法が知られており、多くの場合、傾斜角センサやストラップダウン慣性航法などの方式が使用されているが、傾斜角センサを用いて天板、底板で液圧支保の姿勢や角度を検出する場合に、その傾斜角誤差が累積して増大し、さらに、傾斜角センサによる液圧支保の姿勢検出には、角度の急激な変化に対してひずみが生じ、かつ、精度が一般的に高くないなど、いくつかの課題が存在している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記の問題を解決し、切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法を提供することを目的とし、採用される技術的方案は以下のとおりである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法であって、ここで、液圧支保架台に撮像装置が設けられており、前記撮像装置は隣接する液圧支保に向くカメラを含み、
【0005】
切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法は、
端部の液圧支保を全体基準とし、先行の隣接する液圧支保に対して後続液圧支保を対象支保とし、後続の隣接する液圧支保に対して先行液圧支保を基準支保とし、X方向を基準支保の幅方向と、Y方向を基準支保の長さ方向と、Z方向を基準支保の作業高さ方向とそれぞれ定義するステップS1と、
【0006】
液圧支保架台(11)における、先行の隣接する液圧支保のカメラを向く側において、D1とD2とD3との3つの監視点を設置するステップであって、前記D1とD2とD3とは共線ではなく、二等辺三角形を形成することができず、D1とD2とを結ぶ線が架台のエッジラインに平行であるステップS2と、
【0007】
カメラによって後続の隣接する液圧支保の監視点を撮像し、撮像した画像をプロセッサに伝送するステップS3と、
【0008】
プロセッサによって各監視点の座標を解析し、対象液圧支保架台空間状態を得るステップS4と、を含む。
【0009】
上記の方案に基づいて、前記ステップS4において各監視点を解析することは、
01(D01x, D01y, D01z)、D02(D02x, D02y, D02z)、D03(D03x, D03y, D03z)が、基準支保におけるD1とD2とD3との3つの点の基準支保座標系Xでの座標であり、D11(D11x, D11y, D11z)、D12(D12x, D12y, D12z)、D13(D13x, D13y, D13z)が、対象支保におけるD1とD2とD3との3つの点のXでの座標であると想定して、ベクトルD0102、D0203の基準支保座標系Xでの法線ベクトルnを構築する場合、n0=0102×D0203となり、ベクトルD1112、D1213の基準支保座標系Xでの法線ベクトルnを構築する場合、n1=1112×D1213となるステップS4-1と、
【0010】
01を通りnをベクトル方向としてD4の点を構築する場合、基準支保座標系XでのベクトルはD04=n+D01となり、D11を通りnをベクトル方向としてD4’の点を構築する場合、基準支保座標系XでのベクトルはD14=n+D11となるステップS4-2と、
【0011】
基準支保におけるD1、D2、D3、D4の点が回転(回転マトリックスRとし、回転軸をユーザの選択に応じてカスタマイズすると、Rは3×3マトリックスとなり、9つの未知量を含む。)してから並進(並進マトリックスSとし、Sは3×1マトリックスとなり、3つの未知量を含む。)し、対象支保における対応する点に変換可能であると定義し、基準支保におけるD1、D2、D3、D4の点と対象支保におけるD1、D2、D3、D4’の点との座標に基づいて、式(1)に示すマトリックスPとPを構築するステップS4-3と、
【0012】
式(2)のようにするステップであって、ここで、式(3)に示すようにTは4次マトリックスである場合に、対象支保における任意の点の座標D0mは、変換マトリックスTによって、その基準支保での座標D1mを、式(4)に示すように得るステップS4-4と、
【0013】
後続の各対象支保の架台状態を順次検知し、n番目支保におけるD0pの点とすると、その1番目支保におけるマッピング座標D (n-1)pは、式(5)に示すようになるステップS4-5と、を含む。
【0014】
上記の方案に基づいて、切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法は、
端部の液圧支保を記述基準とし、端部の液圧支保架台の重心Dg1を中心とし、切羽面要件Ly及びLzを辺長とし、YOZ平面において記述平面を作成し、後続の各対象支保の座標を式(5)に従って記述平面にマッピングさせ、液圧支保架台空間の記述空間を形成し、各液圧支保のY方向及びZ方向の整列度合を観察するステップS5をさらに含む。
【0015】
好ましくは、カメラのY方向における撮像範囲は、対象支保推移ステップLpをカバーすると共に、Y方向における動き閾値±Δyを含み、カメラのX方向における撮像範囲は、X方向における動き閾値-Δx1と+Δx2とを含み、カメラのZ方向における撮像範囲は、Z方向における動き閾値±Δzを含む。
【0016】
好ましくは、カメラの裏面にマークポイントが設けられており、基準支保のカメラによって対象支保におけるマークポイントを撮像した後、マークポイントの座標を解析したうえ、監視点の座標を解析する。
【0017】
好ましくは、架台には、レーザ照射装置とレーザ受光装置とが設けられており、前記レーザ照射装置は、対象支保に向かって設けられたレーザ照射器を含み、前記レーザ照射器の円心位置において中心強光源が設けられ、中心強光源の外側において環状弱光源が周方向に沿って均等に配置され、前記中心強光源の半径がr1とし、環状弱光源のエッジ包絡線の包絡半径がr2とし、レーザ受光装置は、基準支保に向かって設けられた第1レーザ受光器を含み、前記第1レーザ受光器の円心位置において中心受光領域が設けられ、第1レーザ受光器の残りの領域においてレーザ受光モジュールが埋められ、前記中心受光領域の半径がr3とし、第1レーザ受光器の半径がr4とし、中心強光源のレーザを受光する際に、照射された中心受光領域及び/又はレーザ受光モジュールはハイレベル信号を発生し、環状弱光源のレーザを受光する際に、照射された中心受光領域及び/又はレーザ受光モジュールはローレベル信号を発生し、レーザが照射されていない際に、中心受光領域及びレーザ受光モジュールはレベル信号を発生しない。
【0018】
上記の方案に基づいて、対象支保空間状態を得た後、対象支保姿勢検出精度に対して誤差水準分類を行い、ここで、誤差水準分類を行うことは、
【0019】
対象支保に対する位置検出誤差Δと、L1水準閾値δ1(δ1=r1+r3)と、L2水準閾値δ2(δ2=r1+r4)と、L3水準閾値δ3(δ3=r2+r4)と、それぞれ定義するステップS6-1と、
【0020】
(1)連続的な複数の対象支保の間で、Δ≦δ1の場合に、検出結果がL1水準であると判定し、
(2)対象支保がδ1<Δ≦δ2の場合に、検出結果がL2水準であると判定し、
【0021】
(3)対象支保がδ2<Δ≦δ3の場合に、検出結果がL3水準であると判定し、
(4)対象支保がΔ>δ3の場合に、検出結果がL4水準であると判定する、ステップS6-2と、を含む。
【0022】
上記の方案に基づいて、前記レーザ照射装置は、支持ベースと、第1モータと、支持台と、レーザ照射器と、第2モータと、をさらに含み、前記支持ベースが架台に固定して連結され、第1モータが垂直方向に沿って支持ベースに設けられ、支持台が第1モータの上方に連結されると共に、第1モータの駆動によって水平方向に回動可能であり、レーザ照射器が支持台に回動可能に設けられると共に、第2モータが水平方向に沿って支持台に取り付けられ、第2モータがレーザ照射器を回動駆動し、架台には、第3モータと、伸長軸と、第2レーザ受光器と、を含む累積誤差検査装置がさらに設けられており、前記第3モータが水平方向に沿って架台に設けられると共に、伸長軸を回動駆動し、第2レーザ受光器が伸長軸に固定して連結され、前記第2レーザ受光器が、第1レーザ受光器と同じ構成を有する。
【0023】
上記の方案に基づいて、誤差水準分類を行った後、累積誤差検査を行い、ここで、累積誤差検査を行うことは、
【0024】
第2レーザ受光器の中心座標をD1j(D1jx, D1jy, D1jz)と定義する場合、
式(6)によって得られた2つの結果のうち、対象支保架台から明らかに外れた座標を排除することで、第2レーザ受光器の中心座標D1j(D1jx, D1jy, D1jz)を得、レーザ照射器の基準支保座標系での座標をD0c(D0cx, D0cy, D0cz)と定義し、中心強光源を第2レーザ受光器の中心受光領域に合わせる際に、第1モータ及び第2モータの回転の角度がそれぞれA及びAとなる必要があり、A及びAは式(7)に示すようになるステップS7を含む。
【0025】
【0026】
上記の方案に基づいて、最大許容誤差をΔ1と定義し、Δ1値を予め設定しておき、
(1)L1水準誤差結果については、検出結果が十分に正確であり、誤差検査を行う必要がないと判定し、
(2)L2水準誤差結果に対しては、検出結果が比較的に正確であり、X1台の液圧支保おきに累積誤差検査を行い、X1=[Δ1/δ2]となると判定し、
【0027】
(3)L3水準誤差結果については、検出結果が比較的粗く、X2台の液圧支保おきに累積誤差検査を行い、X2=[Δ1/δ3]となると判定し、
(4)L4水準誤差結果については、検出が故障したと判定し、プロセッサは、操作者が手動で修復するように指導するために故障信号を送信する。
【発明の効果】
【0028】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。隣接する液圧支保架台における監視点の座標を解析することによって、各支保架台の位置を順次取得し、各方向での整列度合を直感的に観察することができ、ひな型及び機械の構成が簡単であり、記述結果の信頼性が高く、液圧支保の取り付け数や空間による限制を受けない。レーザ照射装置、レーザ受光装置及び累積誤差検査装置を利用して、状態記述結果に対して精度チェックを2回行うことによって、液圧支保に対する位置記述の正確性を高め、切羽面液圧支保群の位置の直線度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明に係る液圧支保の側面図である。
図2】本発明の撮像装置の構成を示す模式図である。
図3】本発明の撮像装置のマークポイントを示す模式図である。
図4】本発明の撮像装置の撮像範囲の側面図である。
図5】本発明の撮像装置の撮像範囲の上面図である。
図6】本発明の液圧支保架台群の状態記述平面図である。
図7】本発明の液圧支保架台群の状態記述斜視図である。
図8】本発明の液圧支保架台群の状態記述マッピング図である。
図9】本発明に係る液圧支保架台の上面図である。
図10】本発明のレーザ照射装置の構成を示す模式図である。
図11】本発明のレーザ照射器の光源分布を示す模式図である。
図12】本発明のレーザ受光装置の構成を示す模式図である。
図13】本発明のレーザ受光装置の各取り付け状態図である。
図14】本発明の第1レーザ受光器の構成を示す模式図である。
図15】本発明のレーザ照射装置のモータの回転角度を示す模式図である。
図16】本発明のレーザチェック閾値δ1の結果を示す模式図である。
図17】本発明のレーザチェック閾値δ2の結果を示す模式図である。
図18】本発明のレーザチェック閾値δ3の結果を示す模式図である。
図19】本発明の状態記述のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面及び実施例を参照して本発明についてさらに説明する。
【0031】
本発明では、別に明確な規定や限定がない限り、「取り付ける」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は広義に理解すべきであり、例えば、固定接続、取り外し可能な接続、又は一体化であってもよく、直接連結、中間部品を介した間接的な連結、2つの構成要素の内部連通又は2つの構成要素の相互作用関係であってもよい。当業者にとっては、具体的な状況に応じて上記の用語の本発明での具体的な意味を理解することができる。
【0032】
なお、本発明の説明において、「中心」、「長さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」などの用語により示される方位又は位置関係は図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、本発明を説明しやすくし、説明を簡潔にするために過ぎず、係る装置又は構成要素が必ずしも特定の方位を有したり、特定の方位で構成、操作されたりすることを指示又は示唆するものではなく、よって、本発明を制限するものとして理解すべきではない。さらに、「第1」、「第2」という用語は説明するために過ぎず、相対重要性を指示又は示唆したり、係る技術的特徴の数を暗黙的に示すものとして理解すべきではない。よって、「第1」、「第2」により限定される特徴は、1つ又は複数の当該特徴を明示的又は暗黙的に含んでもよい。本発明の説明においては、特に断らない限り、「複数」とは2つ以上を意味する。
【0033】
本発明では、特に明確な規定や限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあるとは、第1特徴と第2特徴が直接接触していてもよいし、第1特徴と第2特徴が直接接触せずにこれらの別の特徴を介して接触していてもよい。さらに、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあるとは、第1特徴が第2特徴の真上や斜め上にあるか、単に第1特徴の水平方向の高さが第2特徴よりも高いことを意味する。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあるとは、第1特徴が第2特徴の真下や斜め下にあるか、単に第1特徴の水平方向の高さが第2特徴よりも低いことを意味する。
【0034】
図1図3及び図9に示すように、切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法では、液圧支保架台11に撮像装置が設けられ、前記撮像装置は隣接する液圧支保に向くカメラ24を含み、撮像装置の取り付け位置は、立柱12に遮断されず、また液圧支保の昇降動作の妨げにならないようにすべきである。撮像装置は、順次接続された位置決めベース21、位置決めロッド22及び取り付けベース23を含み、位置決めベース21は、架台11の両側に設けられ、撮像方向に応じて相応の側に取り付けられ(右方を撮像する場合、架台11の右側に取り付けられ、左方を撮像する場合、架台11の左側に取り付けられる)、カメラ24は取り付けベース23に取り付けられ、複数組みの単眼カメラを組み合わせたものであってもよく、双眼カメラや三眼カメラを使用してもよい。カメラ24の裏面にマークポイント25が設けられ、具体的には、マークポイント25は、取り付け座23における、カメラ24から離れた側に設けられる。図4及び図5に示すように、カメラ24のY方向における撮像範囲は、対象支保の推移ステップLpをカバーすると共に、Y方向における動き閾値±Δyを含み、カメラ24のX方向における撮像範囲は、X方向における動き閾値-Δx1及び+Δx2をカバーし、Z方向における撮像範囲は、Z方向における動き閾値±Δzをカバーし、これによって、対象支保が移動する前後、又は架台が相対的に偏向した場合にも、対象支保がカメラ24で撮像されることを確保する。
【0035】
切羽面液圧支保架台群状態検知記述方法は、図19に示すように、以下のステップS1~S7を含む。
【0036】
S1において、端部の液圧支保を全体基準とし、先行の隣接する液圧支保に対して後続液圧支保を対象支保とし、後続の隣接する液圧支保に対して先行液圧支保を基準支保とし、X方向を基準支保の幅方向と、Y方向を基準支保の長さ方向と、Z方向を基準支保の作業高さ方向とそれぞれ定義する。
【0037】
S2において、液圧支保架台(11)における、先行の隣接する液圧支保のカメラ(24)を向く側において、D1とD2とD3との3つの監視点を設置するステップであって、前記D1とD2とD3とは共線ではなく、二等辺三角形を形成することができず、D1とD2とを結ぶ線が架台(11)のエッジラインに平行である。
【0038】
S3において、基準支保のカメラ24によって対象支保のマークポイント25を撮像した後、対象支保架台11がスライドなどの要因により基準支保架台11に近つきすぎた(距離は-Δx1未満)場合に、カメラ24が対象支保架台11の監視点を撮像できず、マークポイントが消失してしまうことを回避するために、マークポイント25の座標を解析する。プロセッサによって、対象支保におけるマークポイント25の、基準支保に対する座標を解析し、対象支保と基準支保架台とのリアルタイムな距離を取得し、この距離と支保間の所定の中心距離との差を比較することにより、対象支保架台11の位置について自己調整が必要であるか否か、又は手動で調整するように作業者に通知するか否かを判断する。カメラ24によって後続の隣接する液圧支保の監視点を撮像し、撮像した画像をプロセッサに伝送する。
【0039】
S4において、プロセッサによって各監視点の座標を解析し、対象液圧支保架台空間状態を得、解析することは、ステップS4-1~ステップS4-5を含む。
S4-1において、D01(D01x, D01y, D01z)、D02(D02x, D02y, D02z)、D03(D03x, D03y, D03z)が、基準支保におけるD1とD2とD3との3つの点の基準支保座標系Xでの座標であり、D11(D11x, D11y, D11z)、D12(D12x, D12y, D12z)、D13(D13x, D13y, D13z)が、対象支保におけるD1とD2とD3との3つの点のXでの座標であると想定して、ベクトルD0102、D0203の基準支保座標系Xでの法線ベクトルnを構築する場合、n0=0102×D0203となり、ベクトルD1112、D1213の基準支保座標系Xでの法線ベクトルnを構築する場合、n1=1112×D1213となる。
S4-2において、D01を通りnをベクトル方向としてD4の点を構築する場合、基準支保座標系XでのベクトルはD04=n+D01となり、D11を通りnをベクトル方向としてD4’の点を構築する場合、基準支保座標系XでのベクトルはD14=n+D11となる。
【0040】
S4-3において、基準支保におけるD1、D2、D3、D4の点が回転(回転マトリックスRとし、回転軸をユーザの選択に応じてカスタマイズすると、Rは3×3マトリックスとなり、9つの未知量を含む。)してから並進(並進マトリックスSとし、Sは3×1マトリックスとなり、3つの未知量を含む。)し、対象支保における対応する点に変換可能であると定義し、基準支保におけるD1、D2、D3、D4の点と対象支保におけるD1、D2、D3、D4’の点との座標に基づいて、式(1)に示すマトリックスPとPを構築する。
【0041】
S4-4において、式(2)のようにし、ここで、式(3)に示すようにTは4次マトリックスである。
【0042】
式(2)中、Pは既知の基準支保において予め設定されたマークポイント座標であり、Pはカメラによって取得された対象支保におけるマークポイント座標であり、式(2)により構築された12個の方程は12個の未知量を含み、Tは補間アルゴリズムを利用して求解して得ることができる。すると、対象支保における任意の点の座標D0mは、変換マトリックスTによって、その基準支保での座標D1mを、式(4)に示すように得る。
【0043】
S4-5において、後続の各対象支保の架台状態を順次検知し、n番目支保におけるD0pの点とすると、その1番目支保におけるマッピング座標D (n-1)pは、式(5)に示すようになる。
【0044】
【0045】
S5において、図6~8に示すように、端部の液圧支保を記述基準とし、端部の液圧支保架台(11)の重心Dg1を中心とし、切羽面要件Ly及びLzを辺長(LyとLzの具体値は操作のニーズ及び測定精度の要件に応じてユーザによって決定される)とし、YOZ平面において記述平面を作成し、後続の各対象支保の座標を式(5)に従って記述平面にマッピングさせ、液圧支保架台空間の記述空間を形成し、このとき、全ての支保群の重心位置の好ましい位置(破線円心)と実際の位置(実線円心)とを直観的に観察することができ、各液圧支保のY方向及びZ方向の整列度合を評価する。
【0046】
基準支保と対象支保との相対的な空間関係を取得した後、撮像結果及び処理結果として得られるマークポイント座標の正確性を確保するために、図19に示すように、リングアレイ型レーザ変位チェックシステムを用いて対象支保の姿勢検出精度を検査する。レーザ変位チェックシステムと撮像装置を配置する際には、作業中に両方が互いに干渉しないことを確保しなければならない。
【0047】
図9図12に示すように、レーザ変位チェックシステムは、架台11にレーザ照射装置とレーザ受光装置とが設けられており、前記レーザ照射装置は、対象支保に向かって設けられたレーザ照射器34を含み、前記レーザ照射器34の円心位置において中心強光源341が設けられ、中心強光源341の外側において環状弱光源342が周方向に沿って均等に配置され、前記中心強光源341の半径がr1とし、環状弱光源342のエッジ包絡線の包絡半径がr2とし、レーザ受光装置は、基準支保に向かって設けられた第1レーザ受光器51を含み、前記第1レーザ受光器51の円心位置において中心受光領域511が設けられ、第1レーザ受光器51の残りの領域においてレーザ受光モジュール512が埋められ、前記中心受光領域511の半径がr3とし、第1レーザ受光器51の半径がr4とし、レーザ受光モジュール512は面積が小さいほど、分布密度が高く、検出結果が正確である。中心強光源341のレーザを受光する際に、照射された中心受光領域511及び/又はレーザ受光モジュール512はハイレベル信号を発生し、環状弱光源342のレーザを受光する際に、照射された中心受光領域511及び/又はレーザ受光モジュール512はローレベル信号を発生し、レーザが照射されていない際に、中心受光領域511及びレーザ受光モジュール512はレベル信号を発生しない。具体的には、前記レーザ照射装置は、支持ベース(31と、第1モータ32と、支持台33と、レーザ照射器34と、第2モータ35と、をさらに含み、前記支持ベース31が架台11に固定して連結され、第1モータ32が垂直方向に沿って支持ベース31に設けられ、支持台33が第1モータ32の上方に連結されると共に、第1モータ32の駆動によって水平方向に回動可能であり、レーザ照射器34が支持台33に回動可能に設けられると共に、第2モータ35が水平方向に沿って支持台33に取り付けられ、第2モータ35がレーザ照射器34を回動駆動する。レーザ照射装置と撮像装置とは架台11の同側に設けられ、レーザ受光装置と撮像装置とは架台11の対向側に設けられる。
【0048】
対象支保空間状態を得た後、対象支保姿勢検出精度に対して、以下のステップを含む誤差水準分類を行う。
【0049】
S6-1において、対象支保に対する位置検出誤差Δと、図14に示すように、L1水準閾値δ1(δ1=r1+r3)と、図15に示すように、L2水準閾値はδ2(δ2=r1+r4)と、図16に示すように、L3水準閾値δ3(δ3=r2+r4)とそれぞれ定義する。
【0050】
S6-2において、(1)連続的な複数の対象支保の間で、Δ≦δ1の場合、レーザ受光装置の中心受光領域511はレーザ照射装置の中心強光源341からのレーザを受光し、プロセッサにハイレベル信号を送信し、検出結果がL1水準であると判定する。
【0051】
(2)対象支保がδ1<Δ≦δ2の場合に、レーザ受光装置の中心受光領域511以外の環状受光モジュール512は中心強光源341からのレーザを受光し、プロセッサにハイレベル信号を送信し、検出結果がL2水準であると判定し、後続の結果に下記のL3水準結果及びL4水準結果が存在しない場合に、後後の結果をL2水準に合わせて処理する。
【0052】
(3)対象支保がδ2<Δ≦δ3の場合に、レーザ受光装置の環状受光モジュール512は環状弱光源342からのレーザを受光し、プロセッサにローレベル信号を送信し、検出結果がL3水準であると判定する。
【0053】
(4)対象支保がΔ>δ3の場合に、第1レーザ受光器51はレーザ照射器34からのレーザ信号を受光しておらず、検出結果がL4水準であると判定する。
【0054】
上記のチェックが隣接する液圧支保について行われるので、切羽面液圧支保全体の直線度を確保するために、誤差水準分類を行った後、累積誤差検査をさらに行う。図17に示すように、架台11には、第3モータ41と、伸長軸42と、第2レーザ受光器43とを含む累積誤差検査装置が設けられており、前記第3モータ41が水平方向に沿って架台11に設けられると共に、伸長軸42を回動駆動し、第2レーザ受光器43が伸長軸42に固定して連結され、前記第2レーザ受光器43が、第1レーザ受光器51と同じ構成を有する。図18に示すように、第2レーザ受光器43が干渉を及ぼすことを防止するために、デフォルト状態では伸長軸が水平状態であり、累積誤差検査を行う際に、レーザ照射器34と第2レーザ受光器43とを連携して使用するために、第3モータ41によって伸長軸42を垂直(又は略垂直)状態となるまで回動駆動する。
【0055】
累積誤差検査のステップは次のとおりである。
【0056】
S7において、第2レーザ受光器(43)の中心座標をD1j(D1jx, D1jy, D1jz)と定義する場合、
【0057】
式(6)によって得られた2つの結果のうち、対象支保架台(11)から明らかに外れた座標を排除することで、第2レーザ受光器(43)の中心座標D1j(D1jx, D1jy, D1jz)を得、レーザ照射器(34)の基準支保座標系での座標をD0c(D0cx, D0cy, D0cz)と定義し、中心強光源を第2レーザ受光器(43)の中心受光領域に合わせる際に、第1モータ(32)及び第2モータ(35)の回転の角度はそれぞれA及びAとなる必要があり、図13に示すように、A及びAは式(7)に示すようになる。
【0058】
最大許容誤差をΔ1と定義し、切羽面液圧支保の直線度に応じてΔ1値を予め設定しておき、
(1)L1水準誤差結果については、検出結果が十分に正確であり、誤差検査を行う必要がないと判定し、
(2)L2水準誤差結果に対しては、検出結果が比較的に正確であり、X1台の液圧支保おきに累積誤差検査を行い、チェック結果が累積誤差閾値以上である場合に、直線度が合格していないことを示しており、手動でゆがみ矯正を行って誤差をクリアする必要があり、X1=[Δ1/δ2]となり。
【0059】
(3)L3水準誤差結果については、検出結果が比較的粗く、X2台の液圧支保おきに累積誤差検査を行い、チェック結果が累積誤差閾値以上である場合に、直線度が合格していないことを示しており、手動でゆがみ矯正を行って誤差をクリアする必要があり、X2=[Δ1/δ3]となり、先行支保にL2水準結果がすでに存在する場合、先行のL2水準結果をL3水準に一括して処理する。
(4)L4水準誤差結果については、検出が故障したと判定し、プロセッサは、操作者が手動で修復するように指導するために故障信号を送信する。
【0060】
以上は本発明を例示的に説明したが、本発明は上記の具体的な実施例に限定されず、本発明に基づいて行われる全ての変更や変形は本発明の特許範囲に属する。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19