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特開2024-41032システム管理装置およびシステム管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041032
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】システム管理装置およびシステム管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/30 20060101AFI20240318BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20240318BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
G06F11/30
G07B15/00 L
G08G1/09 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091087
(22)【出願日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】P 2022145452
(32)【優先日】2022-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022198041
(32)【優先日】2022-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅田 英昭
(72)【発明者】
【氏名】八島 史彦
【テーマコード(参考)】
3E127
5B042
5H181
【Fターム(参考)】
3E127AA16
3E127BA39
3E127CA13
3E127CA14
3E127CA15
3E127CA16
3E127CA37
3E127CA43
3E127CA56
5B042KK13
5B042KK15
5B042MA08
5B042MA14
5B042MC15
5B042MC23
5B042MC27
5B042MC30
5B042MC35
5B042MC40
5B042NN08
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB12
5H181BB13
5H181BB18
5H181DD10
5H181EE10
5H181FF13
5H181FF27
5H181FF32
(57)【要約】
【課題】料金所事務所で、各料金所に設置された機器の監視結果、故障通知等を収集することができ、保守員が監視結果、故障通知等を直接見ることができる技術を提供すること。
【解決手段】実施形態に係るシステム管理装置サーバあって、料金所サーバが管轄する複数の料金所それぞれに配置された車線サーバから、車線サーバが接続される車線機器の各機器に対する制御結果および監視内容を含む車線機器情報を取得する取得部と、車線機器情報に基づいて車線機器のいずれかの機器が故障しているかどうかを解析する解析部と、車線機器情報および解析結果に基づいて車線機器の各状態を含む表示情報を生成する表示情報生成部と、表示情報を出力装置に出力する出力制御部と、を備える。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
料金所サーバが管轄する料金所それぞれに配置された車線サーバから、前記車線サーバが接続される車線機器の各機器に対する制御結果および監視内容を含む車線機器情報を取得する取得部と、
前記車線機器情報に基づいて前記車線機器のいずれかの機器が故障しているかどうかを解析する解析部と、
前記車線機器情報および解析結果に基づいて前記車線機器の各状態を含む表示情報を生成する表示情報生成部と、
前記表示情報を出力装置に出力する出力制御部と、
を備えるシステム管理装置。
【請求項2】
前記取得部は、事前設定された周期で、事前設定された料金所の車線サーバから、前記車線機器情報を取得する、
請求項1に記載のシステム管理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記システム管理装置の管理者により指定された料金所の車線サーバから、前記管理者により指定された期間の前記車線機器情報を取得する、
請求項1に記載のシステム管理装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記管理者により指定された前記制御結果および監視内容を含む車線機器情報を取得する、
請求項3に記載のシステム管理装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記料金所それぞれに対応する気象情報を取得し、
前記解析部は、前記車線機器情報および気象情報に基づいて前記車線機器のいずれかの機器が故障しているかどうか解析する、
請求項1に記載のシステム管理装置。
【請求項6】
前記解析部は、前記気象情報に含まれる気温が所定の閾値を超える場合、機器が故障しやすい状態であると判定する、
請求項5に記載のシステム管理装置。
【請求項7】
前記解析部は、前記車線機器情報に含まれる機器についてエラー動作をした回数が所定の閾値を超えるかどうかに基づいて前記機器が故障しているかどうか解析する、
請求項1に記載のシステム管理装置。
【請求項8】
前記表示情報生成部は、前記故障したとされた機器についてのマニュアルを含むように前記表示情報を生成する、
請求項1記載のシステム管理装置。
【請求項9】
料金所サーバが管轄する料金所それぞれに配置された車線サーバから、前記車線サーバが接続される車線機器の各機器に対する制御結果および監視内容を含む車線機器情報を取得する取得部と、
前記車線機器情報に基づいて前記車線機器の各機器の運用状況を表す運用状況情報を生成する運用状況情報生成部と、
前記運用状況情報の前記車線サーバに紐付けられた、前記車線機器の各機器の診断情報を生成する診断情報生成部と、
前記運用状況情報を出力装置に出力する出力制御部と、
を備えるシステム管理装置。
【請求項10】
前記取得部は、事前設定された周期で、事前設定された料金所の車線サーバから、前記車線機器情報を取得する、
請求項9に記載のシステム管理装置。
【請求項11】
前記取得部は、前記システム管理装置の管理者により指定された料金所の車線サーバから、前記管理者により指定された期間の前記車線機器情報を取得する、
請求項9に記載のシステム管理装置。
【請求項12】
前記取得部は、前記システム管理装置の管理者により指定された前記制御結果および監視内容を含む車線機器情報を取得する、
請求項9に記載のシステム管理装置。
【請求項13】
前記出力制御部は、前記システム管理装置を管理する係員からの指示に応じて、前記診断情報を表示する、
請求項9に記載のシステム管理装置。
【請求項14】
前記診断情報は、所定の期間の、前記車線機器に含まれる車両検知器が正常に車両を検知したかどうかをカウントした表と、前記車両検知器が正常に車両を検知したかどうかを時系列でプロットしたプロット図とを含む車検診断情報を含む、
請求項13に記載のシステム管理装置。
【請求項15】
前記車検診断情報は、前記プロット図と同じ時系列で、前記車線機器が配置された車線に進入している台数を示す車両管理台数を示した図を含む、
請求項14に記載のシステム管理装置。
【請求項16】
前記診断情報は、所定の期間の前記車線機器の軸数計に含まれる複数の踏板が正常に車軸をカウントしたかどうかを示す表と、前記複数の踏板のカウントが不一致となった割合を時系列でプロットしたプロット図とを含む軸数診断情報を含む、
請求項13に記載のシステム管理装置。
【請求項17】
前記診断情報は、所定の期間の前記車線機器のアンテナが前記車線を通過する車両に配置された車載器と通信を開始しようとしてから開始するまでの開始時間、前記アンテナが前記車載器と前記通信を確立するまでに必要としたリトライ回数、前記アンテナが前記車載器と通信した通信時間を表す表と、前記開始時間、前記リトライ回数、および通信時間それぞれを時系列でプロットしたプロット図を含む、
請求項15に記載のシステム管理装置。
【請求項18】
システム管理装置の取得部が、料金所サーバが管轄する料金所それぞれに配置された車線サーバから、前記車線サーバが接続される車線機器の各機器に対する制御結果および監視内容を含む車線機器情報を取得することと、
前記システム管理装置の解析部が、前記車線機器情報に基づいて前記車線機器のいずれかの機器が故障しているかどうかを解析することと、
前記システム管理装置の表示情報生成部が、前記車線機器情報および解析結果に基づいて前記車線機器の各状態を含む表示情報を生成することと、
前記システム管理装置の出力制御部が、前記表示情報を出力装置に出力することと、
を備えるシステム管理方法。
【請求項19】
システム管理装置の取得部が、料金所サーバが管轄する料金所それぞれに配置された車線サーバから、前記車線サーバが接続される車線機器の各機器に対する制御結果および監視内容を含む車線機器情報を取得することと、
前記システム管理装置の運用状況情報生成部が、前記車線機器情報に基づいて前記車線機器の各機器の運用状況を表す運用状況情報を生成することと、
前記システム管理装置の診断情報生成部が、前記運用状況情報の前記車線サーバに紐付けられた、前記車線機器の各機器の診断情報を生成することと、
前記システム管理装置の出力制御部が、前記運用状況情報を出力装置に出力することと、
を備えるシステム管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、システム管理装置およびシステム管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有料道路において、車両に搭載された車載器との通信を利用して通行料金の収受を行うETCシステムがある。ETCシステムを利用するために、料金所では、様々な機器が設置されている。機器が故障すると、正しく料金収受をすることができなくなるため、料金所において機器の監視をしている。機器が故障した場合、料金所に設置された車線監視制御装置に表示され、料金所にいる係員が確認する。
【0003】
機器が故障した場合、料金所にいる係員は、電話などにより、複数の料金所を管轄する料金所事務所に配置された保守員に通知する。そして、通知を受けた保守員は、料金所に赴き、故障した機器への対応を行う。
【0004】
また、例えば、特許文献4では、故障発生時までに取得したログからの傾向と、現在取得しているログからの傾向とに基づいて故障を予測する発明が開示されている。
【0005】
さらに、特許文献5では、車両台数等の情報を予め設定した閾値と比較し、閾値を超えた場合、保守点検を促す発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-012475号公報
【特許文献2】特開2019-117602号公報
【特許文献3】特開2020-194388号公報
【特許文献4】特開2015-164005号公報
【特許文献5】特開2006-243786号公報
【特許文献6】特開2020-135704号公報
【特許文献7】特開2019-012475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
保守員は、車線監視制御装置の監視結果および故障通知を料金所に行かないと見ることができず、手間であるという問題がある。すなわち、遠隔地で車線監視制御装置の監視結果等を収集する具体的な手法がないという問題がある。
【0008】
さらに、実際に故障した機器を見た結果、保守員が修理に必要な道具を持ち合わせておらず、故障した機器を修理することができない場合もある。この場合、保守員は、料金所事務所に修理に必要な道具を取りに戻る必要があり、修理に時間が掛かるという問題がある。
【0009】
また、例えば、特許文献4に開示される発明では、現在取得しているログからの傾向が故障発生時までに取得したログからの傾向と一致しない場合があり、誤った予測をする可能性があるという問題がある。
【0010】
さらに、特許文献4および特許文献5に開示される発明では故障になりそうな状態までの傾向等を可視化しておらず、誤った予測をした場合に係員が修正した判断を行うことができないという問題がある。
【0011】
この発明は、上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、料金所事務所で、各料金所に設置された機器の監視結果、故障通知等を収集することができ、保守員が監視結果、故障通知等を直接見ることができる技術を提供することにある。
【0012】
さらに、この発明の目的とするところは、正常な状態から故障状態に至るまでの過程を視覚化し、係員が正確に故障予測または故障を判断することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
実施形態に係る、システム管理装置は、料金所サーバが管轄する複数の料金所それぞれに配置された車線サーバから、前記車線サーバが接続される車線機器の各機器に対する制御結果および監視内容を含む車線機器情報を取得する取得部と、前記車線機器情報に基づいて前記車線機器のいずれかの機器が故障しているかどうかを解析する解析部と、前記車線機器情報および解析結果に基づいて前記車線機器の各状態を含む表示情報を生成する表示情報生成部と、前記表示情報を出力装置に出力する出力制御部と、を備えるものである。
【0014】
他の実施形態に係るシステム管理装置は、料金所サーバが管轄する複数の料金所それぞれに配置された車線サーバから、前記車線サーバが接続される車線機器の各機器に対する制御結果および監視内容を含む車線機器情報を取得する取得部と、前記車線機器情報に基づいて前記車線機器の各機器の運用状況を表す運用状況情報を生成する運用状況情報生成部と、前記運用状況情報の前記車線サーバに紐付けられた、前記車線機器の各機器の診断情報を生成する診断情報生成部と、前記運用状況情報を出力装置に出力する出力制御部と、を備えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、第1の実施形態に係る有料道路における料金所システムの概略構成の一例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係るシステム管理装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、自動で車線機器情報を取得する際にシステム管理装置の出力装置に表示される設定画面の一例を示した図である。
図4図4は、手動で車線機器情報を取得する際にシステム管理装置の出力装置に表示される設定画面の一例を示した図である。
図5図5は、図1に示されるシステム管理装置における機器状態表示手順の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、出力装置のディスプレイに表示された表示情報の一例を示す図である。
図7図7は、第2の実施形態に係るシステム管理装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
図8図8は、図7に示されるシステム管理装置における運用状況表示手順の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、出力装置のディスプレイに表示される運用状況情報の一例を示した図である。
図10図11は、ステップST203の動作をより詳細に説明したフローチャートである。
図11図11は、出力装置のディスプレイに表示される車検診断情報の一例を示す図である。
図12図12は、出力装置のディスプレイに表示される軸数診断情報の一例を示す図である。
図13図13は、出力装置のディスプレイに表示される無線応答診断情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながらシステム管理装置およびシステム管理方法について詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。例えば、複数の同一または類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあるし、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて枝番号を用いることもある。
【0017】
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態について説明する。
(構成)
図1は、第1の実施形態に係る有料道路における料金所システムの概略構成の一例を示す図である。
図1に示すように、第1の実施形態に係る料金所システムは、事務所に設けられている料金所サーバ1と、システム管理装置2と、料金所に設けられる車線サーバ3と、車線監視制御装置4と、保守用端末5と、車線機器6と、を備えて、通行車両から料金収受を行うシステムである。
【0018】
ここで、料金所サーバ1、車線サーバ3、および車線監視制御装置4は、ネットワークを通じて、互いに通信可能である。さらに、料金所サーバ1とシステム管理装置2は、互いに通信可能である。
【0019】
なお、料金所システムは、図1が示すような構成の他に必要に応じた構成を備える、または特定の構成が除外されることが可能であって良い。
【0020】
料金所サーバ1およびシステム管理装置2は、複数の料金所を管理する事務所に配置される装置である。ここで、図1では簡単化のため、1つの料金所のみを示しているが、料金所サーバ1は、複数の料金所にある車線サーバ3および車線監視制御装置4それぞれと接続されているのは勿論である。
【0021】
料金所サーバ1は、料金所内の各レーンで処理された料金収受に関する処理データを管理する装置である。また、料金所サーバ1は、図示しない料金中央サーバ等の上位サーバと各種のデータを交換する。
【0022】
システム管理装置2は、料金所サーバを介して、後述する車線サーバ3から各種情報を収集する管理装置である。そして、システム管理装置2は、収集した情報を解析することで、料金所サーバ2や車線サーバ3の保守管理が可能である。また、図1では、料金所サーバ1とシステム管理装置2は、別の装置として示しているが、システム管理装置2は、料金所サーバ1の一部であっても良い。すなわち、料金所サーバ1がシステム管理装置2であっても良い。
【0023】
車線サーバ3は、各料金所に設置されたレーン毎に配置される装置である。そして、車線サーバ3は、料金所のレーン毎の料金収受に関する処理を行う。具体的には、各レーンに設置された車線機器と通過車両に搭載された車載器との通信結果に基づき、料金処理に必要な入口料金明細、または出口料金明細を作成して、料金所サーバ1に送信する。ここで、図1では、車線サーバ3、車線監視制御装置4、保守用端末5および車線機器6を1つのみ示しているが、料金所に複数のレーンが存在する場合、当該レーンに対応した数だけこれらの機器が設置されるのは勿論である。
【0024】
さらに、車線サーバ3は、後述する車線機器の各機器を制御および監視し、制御結果および監視内容を車線機器情報(ログ)として記憶部に記憶している。なお、車線機器情報の詳細は後述する。また、車線サーバ3は、料金所サーバを通じて、当該ログをシステム管理装置2に送信することが可能である。
【0025】
車線監視制御装置4は、車線サーバ3に接続され、料金所内に配置された係員(収受員)が料金所の各レーンの設けられた車線機器の動作を監視するための装置である。
【0026】
保守用端末5は、車線サーバ3および後述するインタフェース集約部61を介して車線サーバ3に接続されている。保守用端末5は、各機器の運用状況を管理し、保守するために係員が使用する。
【0027】
各レーンに設けられる車線機器6は、インタフェース集約部61を備える。そして、インタフェース集約部は、簡易操作盤62、ナンバープレート読み取り装置・車種判別装置・走行車両重量測定装置63、路側表示器64、ETC車線表示板65、発進制御機66、車両検知器67、アンテナ68が接続される。
【0028】
簡易操作盤62は、レーン上で係員が直接操作する操作器であり、遠隔遮断器621と接続されている。例えば、簡易操作盤62を用いて、係員は、料金所のアイランド上でETC車線表示板65に表示される情報を手動で切り替えることが可能である。
【0029】
遠隔遮断器621は、各レーンの最初にある遮断器である。遠隔遮断器621は、レーン閉鎖時の車両の誤進入を防ぐことで、収受員の道路横断時における安全確保や、車線機器の保守/点検等が可能となる。
【0030】
ETC車線表示板65は、レーンの入り口に設置され、レーンの運用状態を表示する表示板である。具体的には、ETC車線表示板65は、レーンが一般、一般/ETC、ETC専用、運用停止のいずれのレーンであるかを表示する。
【0031】
ナンバープレート読み取り装置・車種判別装置・走行車両重量測定装置63は、車高計631、軸重計632、軸数計633が接続される。そして、ナンバープレート読み取り装置・車種判別装置・走行車両重量測定装置63は、車高計631、軸重計632、軸数計633、ナンバープレート読み取りカメラ等を用いて、ナンバープレートを読み取り、車種を判別し、車両の軸重から車両の重量を計測する。
【0032】
アンテナ68は、車両に搭載される車載器との無線通信を行う。また、アンテナ68は複数のアンテナで構成されていて良い。各アンテナ68は、アンテナ68が配置されたレーンのみを通信範囲とする狭域無線通信(DSRC)を利用した無線通信によって、他のレーンを通行する車両の車載器とは通信しないように構成される。
【0033】
車両検知器67は、複数の車両検知器で構成される検知器である。車両検知器67のうちの1つは、レーン内に進入してきた車両を検知する検知器である。車両検知器67のうちの別の1つは、レーンに進入した車両が無線通信による料金収受処理が可能なETC車両として取扱できるかを判定する。また、車両検知器67のさらに別の1つは、レーンから退出する車両を検知する。また、車両検知器67は、レーン内のいずれに車両がいるか、および車両がバックしている等も検知することが可能である。車両検知器67は、長尺計671および軸数計672と接続される。
【0034】
長尺計671は、車両検知器67が検知可能な高さよりも高い車両(例えば、クレーン車等を積んだ車両)の退出を検知するために配置される計測器である。なお、車線機器6は、長尺計671を備えていなくとも良い。すなわち、長尺計671は、オプションで各レーンに設置される。
【0035】
軸数計672は、車両の車軸を検知する計測器である。軸数計672は、レーンの道路上に配置された4つの踏板で構成され、それぞれの踏板が車両に踏まれることにより車両の車軸を検知する。
【0036】
発進制御機66は、レーンの出口側に設置されるバーを開閉させる制御機である。例えば、発進制御機66は、車線サーバ3からの制御信号に応じてバーを開閉することにより車両のレーンの通過(レーンからの退出)を制御する。例えば、バーは、閉鎖した状態において車両の通過を物理的に阻止し、開放した状態において車両の通過を許可する。
【0037】
路側表示器64は、レーン内の車両に乗車している人に対して、料金収受の結果、または通行の可否等の案内を表示する表示器である。また、路側表示器64は、レーンを走行する車両の運転手に対し、徐行、停止、発進などの走行案内を案内(表示)しても良い。
【0038】
図2は、第1の実施形態に係るシステム管理装置2の概略構成の一例を示すブロック図である。
システム管理装置2は、1台または複数台のコンピュータであり、制御部21、プログラム記憶部22、データ記憶部23、通信インタフェース24、入出力インタフェース25、入力装置26、および出力装置27を備える。
【0039】
制御部21は、システム管理装置2を制御する制御部である。制御部21は、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサを備える。例えば、制御部21は、様々なプログラムを実行することが可能な集積回路であっても良い。
【0040】
プログラム記憶部22は、制御部21が各種処理を実行するために必要なプログラムを格納している記憶部である。記憶媒体として、例えば、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリとを組み合わせて使用することができる。例えば、制御部21は、プログラム記憶部22に格納されたプログラムを読み出して実行することにより各種制御および動作を実現し得る。
【0041】
データ記憶部23は、制御部21がプログラムを実行して各種処理を行う過程で取得および生成されたデータを記憶するための記憶部である。データ記憶部23は、記憶媒体として、例えば、HDD、メモリカード等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリとを組み合わせて使用したストレージである。
【0042】
通信インタフェース24は、1つ以上の有線または無線の通信モジュールを含むインタフェース部である。例えば、通信インタフェース24は、料金所サーバ1と有線または無線接続する通信モジュールを含む。また、通信インタフェース24は、ネットワークを通じて、各料金所付近の気象データ等が取得可能な外部装置と通信可能な通信モジュールを含む。すなわち、通信インタフェース24は、制御部21の制御の下、料金所サーバ1および外部装置との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0043】
入出力インタフェース25は、入力装置26および出力装置27との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。入出力インタフェース25は、通信インタフェース24と一体であってもよい。例えば、入力装置26または出力装置27の少なくとも1つとは、近距離無線技術等を使用して無線接続されており、当該近距離無線技術を用いて各種情報の送受信を実行しても良い。
【0044】
入力装置26は、システム管理装置2を管理する管理者(保守員)がシステム管理装置2に対して各種指示を入力するための入力装置である。入力装置26は、キーボードやポインティングデバイス等を含む。また、入力装置26は、プログラム記憶部22またはデータ記憶部23に格納するべきデータを、USBメモリ等のメモリ媒体から読み出すためのリーダや、そのようなデータをディスク媒体から読み出すためのディスク装置を含んでも良い。
【0045】
出力装置27は、システム管理装置2から管理者に提示するべき出力データを表示するディスプレイや、それを印刷するプリンタ等を含む。
【0046】
続いて、制御部21のソフトウェア構成をさらに詳細に説明する。
制御部21は、取得部211と、解析部212と、表示情報生成部213と、出力制御部214と、を備える。
【0047】
取得部211は、料金所サーバ1が管轄する複数の料金所に配置された車線サーバ3から車線機器情報(ログ)を、通信インタフェース24を介して取得する取得部である。取得部211が車線機器情報を取得する際に設定可能な情報の詳細は、後述する。取得部211は、取得したログを後述する取得情報記憶部231に記憶させる。
【0048】
ここで、車線機器情報(ログ)は、例えば、料金所サーバ1が管轄する料金所名(料金所ID)、料金所で監視している車線ID、車線サーバ3が機器の状態を取得した日時、車両検知器67の軸数累積回数、発進制御機66の動作回数、遠隔遮断器621の制御情報(制御送信、応答受信やタイムアウト)、稼働開始日等を含む。
【0049】
ここで、軸数累積回数は、車両検知器67の軸数計672で検出した軸数の累積回数であり、動作回数は、発進制御機66のバーの開閉の回数を表す。なお、車線機器情報は、これらの情報に限られず、車線サーバ3が車線機器6から収集した機器についての情報であれば任意の情報であって良い。例えば、車線機器情報は、軸重計632、軸数計633、または長尺計671が計測エラーとなった回数、路側表示器64の無応答回数等を含んで良いのは勿論である。
【0050】
さらに、取得部211は、料金所サーバ1が管轄する料金所に対応する気象情報を取得する。例えば、取得部211は、設定された情報の期間における気象情報を取得して良い。取得部211は、取得した気象データを取得情報記憶部231に記憶させる。ここで、気象情報は、天候、気温、降水量(降雪量)、風速、湿度、および気圧等のうちの少なくとも1つを含む。
【0051】
解析部212は、取得情報記憶部231に記憶された車線機器情報および気象情報を読み取り、解析を行う解析部である。
解析部212は、車線機器情報に基づいて、車両検知器67の軸数不一致回数、遠隔遮断器621の無応答回数等の解析データを算出する。ここで、軸数不一致回数は、車両検知器67の軸数計672それぞれで検出した軸数の数が不一致となった回数であり、無応答回数は、遠隔遮断器621を制御した際の無応答になった回数を示す。
【0052】
また、解析部212は、車線機器情報、車線機器情報を元にした解析データおよび気象情報に基づいて、各機器に故障がないかまたは故障しやすい状態にあるかを解析する。
【0053】
さらに、解析部212は、解析結果、機器情報、および気象情報を含む機器状態情報を表示情報生成部213に出力する。また、解析部212は、これらの情報を表示情報記憶部232に記憶させる。
【0054】
表示情報生成部213は、解析結果、車線機器情報、および気象情報に基づいて表示情報(機器状態情報)を生成し、出力制御部214に出力する。
【0055】
出力制御部214は、表示情報生成部213によって生成された表示情報を出力装置27に表示させるように制御する制御部である。
【0056】
データ記憶部23は、取得情報記憶部231および表示情報記憶部232を備える記憶部である。
【0057】
取得情報記憶部231は、取得部211が取得した車線機器情報および気象情報を記憶するために用いられる。表示情報記憶部232は、取得部211が車線機器情報を取得するための設定画面を記憶するために用いられる。さらに、表示情報記憶部232は、解析部212が解析した解析結果、車線機器情報、および気象情報等を記憶するために用いられる。
【0058】
(車線機器情報取得設定動作)
最初に、システム管理装置2が車線機器情報(ログ)を取得する動作について詳細に説明する。
図3は、自動で車線機器情報を取得する際にシステム管理装置2の出力装置27に表示される設定画面の一例を示した図である。
図3の(a)は、情報取得モードの設定画面である。最初に、出力制御部214は、表示情報記憶部232に記憶された設定画面を取得すると図3の(a)で示した情報取得モードの設定画面のみが出力装置27に表示される。
ここで、システム管理装置2を管理する管理者が自動のボタンを押下したとする。出力制御部214は、自動のボタンが押下されたことを検知すると、表示情報記憶部232に記憶された自動取得設定の画面を表示するための情報を取得する。
ここで、図3の(b)は、自動取得設定の画面例である。
【0059】
管理者は、図3の(b)に示すように、車線機器情報を取得したい料金所および車線を選択することが可能である。ここで、車線の選択は、設置された料金所が選択されるまでは選択できないように制御しても良い。なお、管理者は、車線サーバのうち、稼働していない車線サーバの車線機器情報を取得しないために、必要のない車線サーバに対してチェックを外しても良い。
【0060】
さらに、図3(b)では、ログ取得の取得周期も選択可能である。取得周期は、選択された車線に対して、取得部211が何日毎に車線機器情報を取得するかを示す周期である。
【0061】
管理者は、どの車線の車線機器情報を取得するか選択し、さらに、どのような周期で車線機器情報を取得するのかを決定する。これらの設定結果に基づいて、取得部211は、事前設定された周期で、事前設定された料金所の車線サーバ3から車線機器情報を取得する。
【0062】
図4は、手動で車線機器情報を取得する際にシステム管理装置2の出力装置27に表示される設定画面の一例を示した図である。
図3と同様に、最初に、出力制御部214は、表示情報記憶部232に記憶された設定画面を取得し、図4の(a)で示した情報取得モードの画面のみが出力装置27に表示されるように制御する。
そして、管理者が手動のボタンを押下したとする。出力制御部214は、手動のボタンが押下されたことを検知すると、表示情報記憶部232から料金所選択の設定画面を取得する。
【0063】
図4の(b)は、料金所選択の画面例である。管理者は、出力装置27に表示された料金所のうちどの料金所の車線機器情報を取得するのかを選択する。当該選択を検知した出力制御部214は、車線選択の画面を出力装置27に表示させるように制御する。
【0064】
図4の(c)は、車線選択の画面例である。次に、管理者は、出力装置27に表示された車線のうちどの車線の車線機器情報を取得するのかを選択する。当該選択を検知した出力制御部214は、期間選択を出力装置27に表示させるように制御する。
【0065】
図4の(d)は、期間選択の画面例である。管理者は、選択した料金所および車線機器において、どのような期間の車線機器情報を取得するのかを決定する。そして、管理者が完了ボタンを押すことにより、システム管理装置2は、選択された料金所の車線サーバ3から選択された期間の車線機器情報を取得することになる。
【0066】
更に、オプションとして、情報選択を出力装置27に表示させるように制御して良い。
図4の(e)は、情報選択の画面例である。情報選択の画面では、例えば、車線サーバログ、無線通信ログ、気象情報について、それぞれ取得するかしないかを選択することが可能である。ここで、例えば、車線サーバログは、車両検知器67等が検知した軸数、発進制御機66の動作回数等を含む。無線通信ログは、アンテナ、遠隔遮断器621の応答回数等を含む。そして、気象情報は、外部装置から取得した平均気温等の情報を含む。
【0067】
図4を参照して説明した設定が完了すると、取得部211は、管理者により指定された料金所の車線サーバ3から車線機器情報と、オプションの情報選択により、管理者により指定された制御結果および監視内容を含む車線機器情報を取得する。
【0068】
(機器状態取得および解析動作)
図5は、図1に示されるシステム管理装置2における機器状態表示手順の一例を示すフローチャートである。
システム管理装置2の制御部21がプログラム記憶部22に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。このフローチャートは、上述した車線機器情報取得設定に応じて自動でまたは手動で設定されたことを示す指示に応じて開始する。或いは、このフローチャートは、上述した車線機器情報取得設定をした後、システム管理装置2の管理者(保守員)によって各機器の状態を示す表示情報を出力装置27に表示させるための指示を受信することで開始する。
【0069】
ステップST101で、取得部211は、車線機器情報を取得する。取得部211は、通信インタフェース24および料金所サーバ1を通じて、料金所サーバが管轄する複数の料金所それぞれに配置された車線サーバ3に対して、車線機器情報取得要求を送信する。ここで、車線機器情報取得要求は、上述した車線機器情報取得設定で自動が選択されていた場合は、指定された周期で、手動が選択されていた場合は、手動で設定された期間を要求する情報を含む。そして、車線サーバ3それぞれから、車線機器情報を取得する。そして、取得部211は、取得した車線機器情報を取得情報記憶部231に記憶させる。
【0070】
ステップST102で、取得部211は、通信インタフェース24を通じて、外部装置から料金所サーバ1が管轄する料金所に対応する地点の気象情報を取得する。なお、料金所に対応する地点は、事前に決められた地点であって良い。取得部211は、取得情報記憶部231に記憶された車線機器情報における各料金所に対応付けて当該気象情報を記憶させる。また、ステップST102は、所定の周期、例えば、1時間周期で取得すれば良く、当該周期の時刻以外では、このステップはスキップして良い。
【0071】
ステップST103で、解析部212は、車線機器情報および気象情報に基づいて、車線機器のいずれかが故障しているかどうかを解析する。例えば、解析部212は、車線機器情報がエラー動作した回数が所定の閾値を超えているかに基づいて当該機器が故障しているかどうかを解析する。或いは、解析部212は、車線機器情報から算出した無応答回数、軸数不一致回数等の解析データが所定の閾値を超えているかに基づいて、当該機器が故障しているかどうかを解析する。例えば、エラー動作した回数が所定の閾値を超える場合、解析部212は、当該機器が故障したと判定して良い。
【0072】
また、解析部212は、気象情報に含まれる気温が所定の閾値よりも高い、或いは降水量が所定の閾値よりも多い場合に、機器が故障しやすい状態であると判定する。解析部212は、解析結果、車線機器情報、および気象情報を表示情報生成部213に出力する。
【0073】
ステップST104で、表示情報生成部213は、解析結果、車線機器情報、および気象情報に基づいて、車線機器の各状態を含む表示情報(機器状態情報)を生成する。例えば、表示情報生成部213は、解析結果から故障したと判定された機器についての情報にハイライトされるように表示情報を生成して良い。また、故障したと判定された機器が故障した際のマニュアルを含むように表示情報を生成して良い。表示情報生成部213は、生成した表示情報を出力制御部214に出力する。また、表示情報生成部213は、生成した表示情報を表示情報記憶部232に記憶させて良い。
【0074】
ステップST105で、出力制御部214は、表示情報生成部213から受信した表示情報を出力装置27に出力し、出力装置27のディスプレイに当該表示情報を表示するように制御する。
【0075】
図6は、出力装置27のディスプレイに表示された表示情報の一例を示す図である。
図6に示すように、各料金所の車線毎に、取得したログの日時、車両検知機軸数累積回数、車両検知器軸数不一致回数、発進制御機動作回数、遠隔遮断機無反応回数、稼働開始日、平均気温が一覧表示されている。
この中で、出力制御部214は、A料金所の車線2の車両検知器67について、車両検知器軸数不一致回数が1000回と多いため、解析部212により故障と判定しハイライト(図6の例では斜線で示される)して表示している。更に、出力制御部214は、出力装置27のディスプレイ上に吹き出しで車両検知器67が故障した際のマニュアルが表示されるように制御する。
【0076】
また、図6では示していないが、気象情報が所定の条件を満たす際に、故障の可能性が高まっていることを表示するように制御してもよい。
【0077】
システム管理装置2の管理者は、これらの情報に基づいてどの機器が故障したのかを料金所事務所で確認することが可能となる。またマニュアルが表示されることにより、保守を行うために、どのような修理道具を持って料金所に行けばよいかも分かるため、保守員が修理に必要とする時間を低減することができる。
【0078】
なお、図6で示した例では、制御部21は、全ての料金所に設置された車線機器から車線機器情報を取得し、出力装置27に表示している。しかしながら、制御部21は、車線機器情報取得設定動作により設定された車線からのみ車線機器情報を取得し、出力装置27に表示させても良いし、車線機器情報のうち指定された情報(制御結果および監視内容)のみを取得し、表示させても良いのは勿論である。
【0079】
(第1の実施形態の作用効果)
以上説明した第1の実施形態によれば、システム管理装置2が料金所サーバ1により管轄される料金所の各車線の車線機器6についての情報から車線機器6の各機器の状態を保守員に通知することができる。さらに、システム管理装置2は、各機器の状態から、機器が故障したかどうかを判定し、故障を保守員に通知することができる。料金所事務所に配置された保守員(管理者)がこの情報を確認することにより、保守員は、料金所に行かずとも各車線機器6の状態、故障通知等を把握することができる。
【0080】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、システム管理装置に、運用状況情報生成部および診断情報生成部を備える点で第1の実施形態と異なる。
(構成)
第2の実施形態における料金所システムは、第1の実施形態と同様であるため、ここでの重複した説明を省略する。
【0081】
図7は、第2の実施形態に係るシステム管理装置2の概略構成の一例を示すブロック図である。
システム管理装置2は、運用状況情報生成部215および診断情報生成部216を備える点で、図2で示す第1の実施形態とは異なる。
【0082】
運用状況情報生成部215は、運用状況情報を生成する生成部である。運用状況情報生成部215は、取得部211から車線機器情報を取得したことを示す信号を受信すると、取得情報記憶部231に記憶された車線機器情報を取得する。運用状況情報生成部215は、車線機器情報に基づいて運用状況情報を生成する。なお、運用状況情報の詳細は、後述する。
【0083】
診断情報生成部216は、診断情報を生成する生成部である。診断情報生成部216は、受信した車線機器情報に基づいて車線サーバ3毎に診断情報を生成する。そして、生成した診断情報と運用状況情報に示される車線サーバ3とを紐付けて、生成した診断情報および運用状況情報を表示情報記憶部232に記憶させる。なお、診断情報の詳細は、後述する。
【0084】
診断情報生成部216は、車検診断情報生成部2161と、軸数診断情報生成部2162と、無線応答診断情報生成部2163と、を備える。
【0085】
車検診断情報生成部2161は、診断情報に含まれる車検診断情報を生成する生成部である。車検診断情報生成部2161は、車線機器情報から車両検知器67に関連する情報を取得し、車検診断情報を生成する。なお、車検診断情報の詳細は、図11を用いて、後述する。
【0086】
軸数診断情報生成部2162は、診断情報に含まれる軸数診断情報を生成する生成部である。軸数診断情報生成部2162は、車線機器情報から、軸数に関連する情報を取得し、軸数診断情報を生成する。なお、軸数診断情報の詳細は、図12を用いて、後述する。
【0087】
無線応答診断情報生成部2163は、診断情報に含まれる無線応答診断情報を生成する生成部である。無線応答診断情報生成部2163は、車線機器情報から無線応答に関連する情報を取得し、無線応答診断情報を生成する。なお、無線応答診断情報の詳細は、図13を用いて、後述する。
【0088】
(動作)
第2の実施形態において、第1の実施形態で説明したのと同様に、車線機器情報動作取得設定動作を実施する。そして、車線機器情報取得設定動作は、第1の実施形態で説明した動作と同じで良いため、ここでの重複した説明を省略する。
【0089】
図8は、図7に示されるシステム管理装置2における運用状況表示手順の一例を示すフローチャートである。
システム管理装置2の制御部21がプログラム記憶部22に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。このフローチャートは、周期的に、またはシステム管理装置2の管理者(保守員)によって各機器の状態を示す表示情報を出力装置27に表示させるための指示を受信することで開始する。ここで、周期は、一日、又は所定の期間であり、事前に管理者が決定して良い。
【0090】
ステップST201で、取得部211は、通信インタフェース24および料金所サーバ1を通じて、料金所サーバが管轄する複数の料金所それぞれに配置された車線サーバ3に対して、車線機器情報取得要求を送信する。これに対して、それぞれの車線サーバ3から、車線機器情報(ログ)を取得する。そして、取得部211は、取得した車線機器情報を取得情報記憶部231に記憶させる。また、車線機器情報が暗号化されている場合、取得部211は、復号した後、取得情報記憶部231に記憶させて良い。また、取得部211は、車線機器情報が取得情報記憶部231に記憶されたことを示す信号を運用状況情報生成部215に出力する。
【0091】
ステップST202で、運用状況情報生成部215は、取得情報記憶部231に記憶された車線機器情報を取得し、運用状況情報を生成する。そして、運用状況情報生成部215は、車線機器情報および生成した運用状況情報を診断情報生成部216に出力する。
【0092】
ステップST203で、診断情報生成部216は、受信した車線機器情報に基づいて車線サーバ3毎に診断情報を生成する。そして、生成した診断情報と運用状況情報に示される車線サーバ3とを紐付けて、生成した診断情報および運用状況情報を表示情報記憶部232に記憶させる。そして、診断情報生成部216は、運用状況情報を出力制御部214に出力する。
【0093】
ステップST204で、出力制御部214は、入出力インタフェース25を介して、出力装置27のディスプレイに当該運用状況情報を表示するように制御する。
【0094】
図9は、出力装置27のディスプレイに表示される運用状況情報の一例を示した図である。
図9に示すように、運用状況情報は、料金所名、車線番号、診断日時、一連番号、軸数計踏板の情報、発進制御装置の開閉回数、軸数計踏板の不一致回数、車両管理対象外の回数、接点接続機器の指示に対する無応答回数等を含む。
【0095】
診断日時の開始は、運用状況情報生成部215が運用情報を生成するために用いた車線機器情報のうち、最も古い時刻を表す。同様に、診断日時の終了は、運用状況情報生成部215が運用情報を生成するために用いた車線機器情報のうち、最も新しい時刻を表す。一連番号は、車線サーバ3を通過した車両台数を表す。
【0096】
車両管理対象外とは、車両検知器67が正常に車両を検知できなかった場合の数を表す。
【0097】
係員は、これらの情報を料金所/車線毎に横並びで比較することができるため、異常値の出ている料金所/車線を簡単に見出すことができる。これにより、係員は、故障が発生している料金所/車線を従来よりも簡単に判断することができる。
【0098】
図9に示すように、係員が所定の料金所の車線サーバ3をクリックすると、出力制御部214は、係員からのクリックされた場所の情報を取得し、図9-Aのような情報を出力するように制御する。
【0099】
図9-Aの例では、車検診断(車両検知器)、軸数診断(軸数計)、無線応答診断(無線応答)の釦が表示される。係員が釦をクリックしたことを示す信号を受信すると、出力制御部214は、釦に対応した診断情報を表示情報記憶部232から読み出し、読み出した診断情報を出力装置27のディスプレイに表示するよう制御する。
【0100】
図10は、ステップST203の動作をより詳細に説明したフローチャートである。
ステップST301で、診断情報生成部216の車検診断情報生成部2161は、車検診断情報を生成する。車検診断情報生成部2161は、車線機器情報から車両検知器67に関連する情報を取得する。そして、車検診断情報生成部2161は、取得した情報に基づいて車検診断情報を生成する。
【0101】
図11は、出力装置27のディスプレイに表示される車検診断情報の一例を示す図である。
図11に示す例では、図9―Aで示した車検診断を係員がクリックした際に出力装置27のディスプレイに表示される車検診断情報の一例を示している。
【0102】
図11の上に示した表では、車両検知器67が車両を正常に検知した回数、および車両検知器67でも無効と判定した回数(無効回数)を表示している。
【0103】
例えば、図11―Aでは、車両検知器67のうちの検知器S2および検知器S4の進入と退出の車両検知回数と無効と判定した回数を表示している。
【0104】
図11の真ん中の図は、車両検知器67毎の無効回数を時系列で表示した図である。縦軸は、図11の上の図で示した各機器の判定結果を示す。例えば、0に点がプロットされる場合、すべての機器が正常に検知したことを示し、1に点がプロットされる場合、機器S1で無効と判定したことを示す。
【0105】
図11-Bでは、図11-Aの各機器が数多く無効と判定した箇所を示している。図11の真ん中の図ように、各機器がいつ無効と判定したかを時系列で表示することにより、無効回数がどのように発生したのか、また、無効回数が発生したとしても発生し続けていない等の情報を可視化することができる。
【0106】
図11の下の図は、車両管理台数を時系列で示した図である。すなわち、縦軸は、車線上に車両が何台いたかを示している。図11-Cで示した個所では、図11-Bで無効と判定した際に、車両管理台数も異常となっていることが確認できる。
【0107】
図11の真ん中と下の図を並べることにより、車両検知器67が無効と判定している際の車両管理状態を同時に確認することが可能となる。
【0108】
すなわち、図11の例では、車検診断情報は、所定の期間(図9の診断日時の開始から終了までの間)の、車両検知器67が正常に車両を検知したかどうかをカウントした表と、車両検知器が正常に車両を検知したかどうかを時系列でプロットしたプロット図と、車線に進入している台数を示す車両管理台数をプロット図と同じ時系列で示した図と、を含む。なお、車検診断情報は、車線に進入している台数を示す車両管理台数をプロット図と同じ時系列で示した図を必ず含んでいなくても良い。
【0109】
図10に戻り、ステップST302で、診断情報生成部216の軸数診断情報生成部2162は、軸数診断情報を生成する。軸数診断情報生成部2162は、車線機器情報から、軸数に関連する情報を取得する。そして、軸数診断情報生成部2162は、取得した情報に基づいて軸数診断情報を生成する。
【0110】
図12は、出力装置27のディスプレイに表示される軸数診断情報の一例を示す図である。
図12に示す例では、図9―Aで示した軸数診断を係員がクリックした際に出力装置27のディスプレイに表示される軸数診断情報の一例を示している。
【0111】
図12-Aは、各軸数計633の各踏板1~踏板4でカウントし始めてから(交換されてから)の総カウント数を表示し、例えば、係員は、踏板でカウント可能な限界値までの状態を確認することができる。
【0112】
図12-Bのグラフでは、踏板1~踏板4で検知した軸数の不一致であった回数を時系列で示した図である。軸数検知がどの時間帯で発生したかを視覚化することにより、時間を追うごとに不一致回数が増加している、或いは、特定の時間で不一致回数が増加することが視覚的に確認することが可能となる。
【0113】
すなわち、図12の例では、軸数診断情報は、所定の期間(図9の診断日時の開始から終了までの間)の、車線機器の軸数計672に含まれる複数の踏板(踏板1~踏板4)が正常に車両を検知したかどうかを示す表と、複数の踏板のカウントが不一致となった割合を時系列でプロットしたプロット図と、を含む。
【0114】
この情報をもとにすることにより、係員は、軸数計633の故障が発生している、または故障が発生しそうであるとより確実に判定することができる。
【0115】
図10に戻り、ステップST303で、無線応答診断情報生成部2163は、無線応答診断情報を生成する。無線応答診断情報生成部2163は、車線機器情報から無線応答に関連する情報を取得する。そして、無線応答診断情報生成部2163は、取得した情報に基づいて無線応答診断情報を生成する。
【0116】
図13は、出力装置27のディスプレイに表示される無線応答診断情報の一例を示す図である。
図13に示す例では、図9-Aで示した無線応答診断を係員がクリックした際に出力装置27のディスプレイに表示される無線応答診断情報の一例を示している。
【0117】
図13の上の表は、車線機器のアンテナが車線を通過する車両に配置された車載器と通信を開始しようとしてから開始するまでの開始時間、アンテナが車載器と通信を確立するまでに必要としたリトライ回数、アンテナが車載器と通信した通信時間を表す。
【0118】
図13の右下の図は、無線通信開始時間、リトライ回数、および通信時間を時系列で示した図である。図13-A~図13-Cで囲った部分にプロットされた点は、通常状態であり、通信が開始されるまでの時間も凡そ一定であり、リトライ回数が発生する回数も少なく、通信時間も凡そ一定であることが示されている。
【0119】
一方、図13-(1)~図13-(3)で囲った部分にプロットされた点は、図13-A~図13-Cと比較して、通信が開始されるまでの時間がバラついており、且つ図13-Aと比較しても長く、リトライ回数も何度も発生し、且つ図13-Bと比較しても多く、通信時間もバラついており、且つ図13-Cと比較しても長くなっていることが示されている。
【0120】
図13-Dは、図13の表を円グラフで示したものであり、例えば、図13-Dの上の円グラフは、アンテナ68の通信が開始されるまでの時間を所定の期間で区切って円グラフにしたものである。また、図13-Dの下の円グラフは、正常に無線通信した車両、通信を打ち切った車両、無線通信のできなかった車両等を円グラフにしたものである。正常に無線通信した車両の割合が減少するなどした場合、係員は、アンテナの故障と判断することが可能となる。
【0121】
すなわち、図13の例では、無線応答診断情報は、所定の期間(図9の診断日時の開始から終了までの間)の、アンテナ68が車線を通過する車両に配置された車載器と通信を開始しようとしてから開始するまでの開始時間、アンテナが車載器と通信を確立するまでに必要としたリトライ回数、アンテナが車載器と通信した通信時間を表す表と、当該開始時間リトライ回数、および通信時間それぞれを時系列でプロットしたプロット図と、を含む。
【0122】
図13に示すように、無線通信応答診断により時系列で、通信時間等を示すことにより、係員は、アンテナの故障をより正確に判定することが可能となる。
【0123】
図10に戻って、ステップST304で、診断情報生成部216は、全ての車線サーバについて診断情報を生成したか判定する。全ての車線サーバの車線機器情報に対して診断情報を生成していたと判定した場合、処理は図8に示すステップST204に進むことになる。一方、全ての車線サーバの車線機器情報に対して診断情報を生成していないと判定した場合、処理はステップST301に戻る。この際、診断情報生成部216は、診断情報を生成していない車線機器情報を取得情報記憶部231から取得して良い。
【0124】
なお、図9図9-Aに表示される釦は、上述したものに限られない。例えば、処理応答診断(接点接続機器)等の釦が表示されても良い。例えば、処理応答診断は、発進制御機66の開閉異常、路側表示器64の表示異常、ETC車線表示板65の表示異常等の情報を時系列で示した図を表示させる釦が表示されても良い。例えば、時系列で表示される図は、図11図13と同様の図であって良い。
【0125】
すなわち、図9図9-Aに表示される釦は、診断情報生成部216が車線機器情報に基づいて機器の診断情報を作成可能な情報を表示させる釦で良い。
【0126】
(第2の実施形態の作用効果)
以上説明した第2の実施形態によれば、システム管理装置2は、車線サーバ3が記憶している車線機器6の車線機器情報を取得し、取得した車線機器情報に基づいて、運用状況情報を出力装置27のディスプレイに表示させる。また、係員の指示に応じて運用状況情報に紐づけられた診断情報を出力装置27のディスプレイに表示させる。これらの情報から、係員は、各車線サーバに配置された機器の故障または故障の予測を行うことができる。
【0127】
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、システム管理装置2は、保守員からの表示指示を受信した場合、ステップST101~ステップST104の動作をスキップし、出力制御部214は、表示情報記憶部232に記憶された表示情報を表示するようにして良い。これにより、保守員は、すぐに機器の状態を把握することができる。
【0128】
また、図8のステップST203(図10のステップST301~ステップST303)は、係員による表示の指示を受信してから行っても良い。すなわち、図9-Aに示すいずれかの釦をクリックした後に必要な車線サーバに対してこれらの処理を実行しても良い。
【0129】
要するに、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。
【符号の説明】
【0130】
1…料金所サーバ
2…システム管理装置
21…制御部
211…取得部
212…解析部
213…表示情報生成部
214…出力制御部
215…運用状況情報生成部
216…診断情報生成部
2161…車検診断情報生成部
2162…軸数診断情報生成部
2163…無線応答診断情報生成部
22…プログラム記憶部
23…データ記憶部
231…取得情報記憶部
232…表示情報記憶部
24…通信インタフェース
25…入出力インタフェース
26…入力装置
27…出力装置
3…車線サーバ
4…車線監視制御装置
5…保守用端末
6…車線機器
61…インタフェース集約部
62…簡易操作盤
621…遠隔遮断器
63…ナンバープレート読み取り装置・車種判別装置・走行車両重量測定装置
631…車高計
632…軸重計
633…軸数計
64…路側表示器
65…ETC車線表示板
66…発進制御機
67…車両検知器
671…長尺計
672…軸数計
68…アンテナ
図1
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