IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アバゴ・テクノロジーズ・インターナショナル・セールス・プライベート・リミテッドの特許一覧

特開2024-41046アクセス・プロトコル用のシステム及びその方法
<>
  • 特開-アクセス・プロトコル用のシステム及びその方法 図1A
  • 特開-アクセス・プロトコル用のシステム及びその方法 図1B
  • 特開-アクセス・プロトコル用のシステム及びその方法 図1C
  • 特開-アクセス・プロトコル用のシステム及びその方法 図2
  • 特開-アクセス・プロトコル用のシステム及びその方法 図3
  • 特開-アクセス・プロトコル用のシステム及びその方法 図4
  • 特開-アクセス・プロトコル用のシステム及びその方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041046
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】アクセス・プロトコル用のシステム及びその方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/06 20090101AFI20240318BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20240318BHJP
   H04W 48/16 20090101ALI20240318BHJP
【FI】
H04W28/06 110
H04W84/12
H04W48/16 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023127657
(22)【出願日】2023-08-04
(31)【優先権主張番号】17/943,970
(32)【優先日】2022-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
2.FRAM
3.HDMI
4.リナックス
5.UNIX
(71)【出願人】
【識別番号】318015161
【氏名又は名称】アバゴ・テクノロジーズ・インターナショナル・セールス・プライベート・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Avago Technologies International Sales Pte.Limited
【住所又は居所原語表記】No.1 Yishun Avenue 7,Singapore 768923,Singapore
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】アシュウィニ シェカール ブハト
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ステーション(局)(STA)とアクセス・ポイント(AP)との間、又は他の通信装置間の通信用システム及び当該通信の方法を提供する。
【解決手段】方法は、アクセス・ポイント及びステーションのアソシエーション中に使用されるビーコン・フレーム又はプローブ応答フレームの拡張機能情報要素に少なくとも1つのビットを設けることを含む。少なくとも1つのビットは、サービスをステーションに提供するためにアクセス・ポイントが利用できること又は利用できないことを示す。また、方法は、ビーコン・フレーム又はプローブ応答フレームを受け取り、サービスをステーションに提供するためにアクセス・ポイントが利用できないことを示す少なくとも1つのビットに応答してアソシエーションをキャンセルすることを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセス・ポイント及びステーションのアソシエーションの前に使用されるビーコン・フレーム又はプローブ応答フレームの拡張機能情報要素に少なくとも1つのビットを設け、当該少なくとも1つのビットが、サービスを前記ステーションに提供するために前記アクセス・ポイントが利用できること又は利用できないことを示し、
前記ビーコン・フレーム又は前記プローブ応答フレームを受け取り、前記サービスを前記ステーションに提供するために前記アクセス・ポイントが利用できないことを示す前記少なくとも1つのビットに応答して前記アソシエーションをキャンセルことを含む、方法。
【請求項2】
前記ビーコン・フレーム又は前記プローブ応答フレームは、802.11プロトコルに従って、前記アクセス・ポイントにより提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記802.11プロトコルが802.11eプロトコルである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのビットが、BSSロード情報要素に設けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのビットが、RNR情報要素に設けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記キャンセルことは、認証動作およびアソシエーション動作が実施されないので、時間を節約する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記サービスを前記ステーションに提供するために前記アクセス・ポイントが利用できることを示す前記少なくとも1つのビットに応答して、前記アソシエーションを完了することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのビットが前記ビーコン・フレームに設けられ、前記アソシエーションは、プローブ要求が前記ステーションから前記アクセス・ポイントに提供される前にキャンセルされる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ステーションは、ノート型パソコン、デスクトップ・コンピュータ、携帯情報端末、別のアクセス・ポイント又は電話機を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
アクセス・ポイント及びステーションのアソシエーションの前に使用されるビーコン・フレーム又はプローブ応答フレームの少なくとも1つのビットを提供するように構成された回路を含み、当該少なくとも1つのビットが、サービスを前記ステーションに提供するために前記アクセス・ポイントが利用できること又は利用できないことを示す、装置。
【請求項11】
前記ビーコン・フレーム又は前記プローブ応答フレームは、802.11プロトコルに従って、前記アクセス・ポイントにより提供される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのビットが、前記ビーコン・フレーム又は前記プローブ応答フレームの拡張機能情報要素に設けられる、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つのビットが、前記ビーコン・フレーム又は前記プローブ応答フレームのBSSロード情報要素に設けられる、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つのビットが、前記ビーコン・フレーム又は前記プローブ応答フレームのRNR情報要素に設けられる、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記回路は、前記サービスを前記ステーションに提供するために前記アクセス・ポイントが利用できる又は利用できないことを判断し、前記アクセス・ポイントが利用できる際に前記少なくとも1つのビットをリセットするように構成されている、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記サービスは新たな接続である、請求項10に記載の装置。
【請求項17】
アクセス・ポイント及びステーションのアソシエーションの前に、前記アクセス・ポイントからビーコン・フレーム又はプローブ応答フレームを受け取るように構成された回路を含み、前記回路は、サービスを前記ステーションに提供するために前記ビーコン・フレーム又は前記プローブ応答フレームにおける、前記アクセス・ポイントが利用できる又は利用できないことを示す少なくとも1つのビットを処理し、前記サービスを前記ステーションに提供するために前記アクセス・ポイントが利用できないことを示す前記少なくとも1つのビットに応答して、前記アソシエーションをキャンセルように構成されている、装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つのビットが、前記ビーコン・フレーム又は前記プローブ応答フレームの拡張機能情報要素で、前記ビーコン・フレーム又は前記プローブ応答フレームのBSSロード情報要素で、又は前記ビーコン・フレーム又は前記プローブ応答フレームのRNR情報要素で受け取られる、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記回路は、前記サービスを前記ステーションに提供するために前記アクセス・ポイントが利用できることを示す前記少なくとも1つのビットに応答して、プローブ要求または認証要求を提供するように構成されている、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記回路は、前記アクセス・ポイントが利用できること又は利用できないことを前記ビーコン・フレームにおいて示す少なくとも1つのビットを処理し、プローブ要求を前記アクセス・ポイントに提供する前に、前記サービスを前記ステーションに提供するために前記アクセス・ポイントが利用できないことを示す前記少なくとも1つのビットに応答して前記アソシエーションをキャンセルするように構成されている、請求項17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示の分野
本開示は概して、ステーション(局)(STA)とアクセス・ポイント(AP)との間、又は他の通信装置間の通信用システム及び当該通信の方法に関する。
【0002】
本開示の背景
過去20~30年間において、無線通信装置の市場は、桁違いで成長しており、携帯機器の使用によって支えられ、装置の全ての態様の間で接続性およびデータ転送が増大した。デジタル交換技術は、手頃な使いやすい無線通信ネットワークの大規模な配備を促進した。更に、デジタル及び無線周波数(RF)回路製作の改善、並びに回路集積化および他の態様の進歩は、無線機器をより小さく、より安価に且つより信頼できるものにした。無線通信は、IEEE802.11x、ブルートゥース、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM)、符号分割多重アクセス方式(CDMA)のような、様々な規格に従って動作することができる。より高いデータスループット及び他の変更が発展するにつれて、IEEE802.11nからIEEE802.11acまでの進歩のように、より新しい規格が採用のために絶えず開発されている。入来する接続は一般に、STAはAPにより、承認される又は認証されなければならない。接続を承認する又は認証するためのプロトコルは、通信オーバーヘッドの一因となる可能性がある。
【0003】
本開示の様々な目的、態様、特徴および利点は、添付図面に関連してなされる詳細な説明を参照することによって、より明らかになり且つより理解されるであろう。添付図面において、同様の参照符号は、全体にわたって、対応する要素を識別する。当該図面において、同様の参照符号は概して、同一の要素、機能的に類似する要素、及び/又は構造的に類似する要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1A】幾つかの実施形態による、1つ又は複数の装置またはステーションと通信する1つ又は複数のアクセス・ポイントを含むネットワーク環境を示すブロック図である。
【0005】
図1B】幾つかの実施形態による、本明細書で説明される方法およびシステムに関連して有用なコンピューティング装置を示すブロック図である。
図1C】幾つかの実施形態による、本明細書で説明される方法およびシステムに関連して有用なコンピューティング装置を示すブロック図である。
【0006】
図2】幾つかの実施形態による、アクセス・ポイント(AP)(複数)及びステーション(STA)(複数)を含むネットワークを示すブロック図である。
【0007】
図3】幾つかの実施形態による、新たな接続のためにAP又はSTAの利用可能性を示すビーコン・フレーム又はプローブ応答フレームにおけるフィールドを示すブロック図である。
【0008】
図4】幾つかの実施形態による、図3に示されたフィールドを使用する、図2に示されたネットワークの例示的なAPアクセス動作を示す流れ図である。
【0009】
図5】幾つかの実施形態による、図3に示されたフィールドを使用する、APアクセス動作の例示的なタイミング図である。
【0010】
方法およびシステムの様々な実施形態の詳細が、添付図面および以下の説明に記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
詳細な説明
IEEE規格(単数または複数)の任意の草案を含む、以下のIEEE規格(単数または複数)は、参照により全体として本明細書に組み込まれ、全ての目的のために本開示の一部をなし、ワイファイ(WiFi)アライアンス規格、及び以下に限定されないが、IEEE802.11a(登録商標)規格、IEEE802.11b(登録商標)規格、IEEE802.11g(登録商標)規格、IEEE802.11n(登録商標)規格、及びIEEE802.11ac(登録商標)規格を含むIEEE802.11規格である。本開示は、これら規格(単数または複数)の態様を参照することができるが、本開示は、これら規格(単数または複数)により全く制限されない。
【0012】
以下の様々な実施形態に関する説明を読むために、本明細書およびそれらの個々の内容に関する以下のセクションの説明は有用であることができる。即ち、
-セクションAは、本明細書で説明された実施形態を実施するために有用であることができるネットワーク環境およびコンピューティング環境を説明する。
-セクションBは、アクセス・プロトコル、及びアクセス・プロトコルを使用する方法と装置の実施形態を説明する。
【0013】
本明細書で開示された様々な実施形態は、新たな接続を認証または承認するためのプロトコルに関係する。接続は、通信装置の幾つかあるタイプの中で特に、STA又はAPに対する無線接続であることができる。STA又はAPは、1つ又は複数の集積回路(IC)からなる装置(デバイス)で具現化され得る。幾つかの実施形態において、APは、不必要なフレーム及び肯定応答がネットワーク上で送受信されないように、接続の加速された承認または拒否を提供するように構成される。幾つかの実施形態において、APは、入来する接続の拒絶が発生する際に、STA及びAPによる3つのフレーム及び3つの肯定応答の送信を排除するように構成される。
【0014】
システム及び方法は、新たな接続のために、AP又はSTAの利用可能性を示すために、フィールドにデータ単位(例えば、ビット)を有利に利用することができる。幾つかの実施形態において、データ単位は、拡張機能情報要素(extended capabilityinformation element:IE)におけるビット(単数)である。拡張機能情報要素(IE)は、新たな接続のためにAPの利用可能性を示すために使用され得るビット位置を含むビーコン・フレーム及びプローブ応答フレームにおけるフィールドである。幾つかの実施形態において、当該ビットは、ビーコン・フレーム又はプローブ応答フレームのビット位置に設けられ、新たなクライアントにサービスを提供するためにAP利用可能性を示す。新たなクライアントにサービスを提供することは、新たなクライアントのために、ネットワークに接続するためのノードとして動作するAPを意味する。新たなクライアントは、APにより提供されるサービスの一部として、APを介してネットワーク上の他の装置と通信することができる。幾つかの実施形態において、当該サービスは、認証状態およびアソシエーション(関連付け)状態がSTAにより達成された後で、ネットワーク上の移動局(移動ステーション)と他の装置との間でトラフィックをブリッジしている。幾つかの実施形態において、当該ビットは、STAの能力/構成と無関係であるAPにおける問題に起因して、APが任意の新たなクライアントにサービスを提供することができない際に設定される。新たな接続のためにAP又はSTAの利用可能性を示すデータ単位は、ビーコン・フレームに、855ロードIE(例えば、802.11eに関して)に、プローブ応答に、又はアソシエーション/再アソシエーション応答に設けられ得る。幾つかの実施形態において、利用可能性を示すデータ単位(例えば、ビット)は、ひとたびAPが新たなクライアント又は新たな接続にサービスを提供する準備が整えば、APによりリセットされる。
【0015】
幾つかの実施形態において、APをスキャンする装置は、ビーコン/プローブ応答メッセージにおいて、新たな接続のためのAP又はSTAの利用可能性を示すデータ単位(例えば、ビット)を構文解析(パーズ)し、当該ビットが設定されている際に、当該APを実行可能なターゲットとみなさず、それにより当該装置が利用可能でないAPとのアソシエーションの試みをスキップすることを可能にし、アソシエーションの試みを利用可能なターゲットAPに向けることを可能にする。利用可能でないAPとの接続を試みようとしてAPに及びAPから送信されているフレームの数が低減されるので、システム及び方法は有利に、媒体の混雑状態(ふくそう)を低減することができる。幾つかの実施形態において、システム及び方法は有利に、成功した接続の可能性を増大させることができ(失敗した接続動作が大幅に低減されるので)、電力消費量を低減することができ(送信されているフレームの数が低減されるので)、且つ帯域幅利用を増大させることができる(不必要に送信されるフレームの低減に起因して、媒体の利用可能性が増大するので)。
【0016】
幾つかの実施形態において、新たな接続のためにAP又はSTAの利用可能性を示すデータ単位(例えば、ビット)は、低減された近隣報告(Reduced Neighbor Report:RNR)IEまで拡張されることもでき、それにより新たなクライアントを承認するために6G APの利用可能性が通知される。
【0017】
幾つかの実施形態は、方法に関係する。方法は、アクセス・ポイント及びステーション(局)のアソシエーション中に使用されるビーコン・フレーム又はプローブ応答フレームの拡張機能情報要素(extended capabilityinformation element)に、少なくとも1つのビットを提供することを含む。少なくとも1つのビットは、ステーションにサービスを提供するためのアクセス・ポイントの利用できること又は利用できないことを示す。また、方法は、ビーコン・フレーム又はプローブ応答フレームを受け取り、ステーションにサービスを提供するためのアクセス・ポイントの利用できないことを示す少なくとも1つのビットに応答して、アソシエーションをキャンセルことも含む。
【0018】
幾つかの実施形態において、ビーコン・フレーム又はプローブ応答フレームは、802.11プロトコルに従って、アクセス・ポイントにより提供される。幾つかの実施形態において、ビーコン・フレーム又はプローブ応答フレームは、802.11eプロトコルに従って、アクセス・ポイントにより提供される。幾つかの実施形態において、少なくとも1つのビットは、BSSロード情報要素に設けられる。幾つかの実施形態において、少なくとも1つのビットは、RNR情報要素に設けられる。幾つかの実施形態において、アソシエーションをキャンセルすることは、別のアクセス・ポイントに対するアソシエーションを完了するために40ミリ秒以上の時間を節約する。
【0019】
幾つかの実施形態において、方法は、ステーションにサービスを提供するためのアクセス・ポイントの利用できることを示す少なくとも1つのビットに応答して、アソシエーションを完了することも含む。幾つかの実施形態において、少なくとも1つのビットは、ビーコン・フレームに設けられ、アソシエーションは、プローブ要求がステーションからアクセス・ポイントに提供される前に、キャンセルされる。幾つかの実施形態において、ステーションは、ノート型パソコン、デスクトップ・コンピュータ、携帯情報端末、別のアクセス・ポイント又はワイファイ電話機を含む。
【0020】
幾つかの実施形態はアクセス・ポイントに関係する。アクセス・ポイントは、アクセス・ポイント及びステーションのアソシエーション中に使用されるビーコン・フレーム又はプローブ応答フレームの少なくとも1つのビットを提供するように構成された回路を含む。少なくとも1つのビットは、ステーションにサービスを提供するためのアクセス・ポイントの利用できること又は利用できないことを示す。
【0021】
幾つかの実施形態において、ビーコン・フレーム又はプローブ応答フレームは、802.11プロトコルに従って、アクセス・ポイントにより提供される。幾つかの実施形態において、少なくとも1つのビットは、ビーコン・フレーム又はプローブ応答フレームの拡張機能情報要素に設けられる。幾つかの実施形態において、少なくとも1つのビットは、ビーコン・フレーム又はプローブ応答フレームのBSSロード情報要素に設けられる。幾つかの実施形態において、少なくとも1つのビットは、ビーコン・フレーム又はプローブ応答フレームのRNR情報要素に設けられる。幾つかの実施形態において、回路は、サービスをステーションに提供するために、及びアクセス・ポイントが利用できる際に少なくとも1つのビットをリセットするためにアクセス・ポイントの利用できること又は利用できないことを判断するように構成される。幾つかの実施形態において、サービスは、新たな接続である。
【0022】
幾つかの実施形態は、ステーションに関係する。ステーションは、アクセス・ポイント及びステーションのアソシエーション中にアクセス・ポイントからビーコン・フレーム又はプローブ応答フレームを受け取るように構成された回路を含む。回路は、ステーションにサービスを提供するためのアクセス・ポイントの利用できること又は利用できないことをビーコン・フレーム又はプローブ応答フレームに示す少なくとも1つのビットを処理し、ステーションにサービスを提供するためのアクセス・ポイントの利用できないことを示す少なくとも1つのビットに応答して、アソシエーションをキャンセルするように構成される。
【0023】
幾つかの実施形態において、少なくとも1つのビットは、ビーコン・フレーム又はプローブ応答フレームの拡張機能情報要素で、ビーコン・フレーム又はプローブ応答フレームのBSSロード情報要素で、又はビーコン・フレーム又はプローブ応答フレームのRNR情報要素で受け取られる。幾つかの実施形態において、回路は、サービスを提供するためのアクセス・ポイントの利用できることを示す少なくとも1つのビットに応答して、プローブ要求または認証要求を提供するように構成される。幾つかの実施形態において、回路は、ビーコン・フレームにおいてアクセス・ポイントの利用できること又は利用できないことを示す少なくとも1つのビットを処理し、アクセス・ポイントにプローブ要求を供給する前に、ステーションにサービスを提供するためのアクセス・ポイントの利用できないことを示す少なくとも1つのビットに応答して、アソシエーションをキャンセルように構成される。
【0024】
基本サービスセット(BasicService Set:BSS)ロード情報要素は、チャネル利用情報を提供するフィールドを意味する。チャネル利用の規定により、アソシエーションされていないSTAは、チャネル利用に基づいて適切なAPを選択することが可能になる。拡張BSSロード情報要素は、MU-MIMO能力を有するアソシエーションされていないSTAが適切なAPを選択することができるように、使用中チャネルに空間ストリームの不十分な活用(underutilization:低利用)をもたらす。BSSロード情報要素は、802.11e規格からQoS基本サービス・セット(QBSS)ロード要素であることができる。幾つかの実施形態において、QBSSロード要素は、QBSSのビーコン毎に及びプローブ応答フレーム毎に通知される。
【0025】
低減された近隣報告(RNR)ロード情報要素は、APのインターフェースに関する情報を提供するフィールドを意味する。幾つかの実施形態において、低減された近隣報告(RNR)ロード情報要素は、アソシエーションされていないSTAが適切なAPを選択することができるように、RNR情報を提供する。
【0026】
A.コンピューティング及びネットワーク環境
本解決策の特定の実施形態を検討する前に、本明細書で説明される方法およびシステムに関連して、動作環境および関連したシステム構成要素(例えば、ハードウェア要素)の態様を説明することは、有益であることができる。図1Aを参照すると、ネットワーク環境の実施形態が示される。概要において、ネットワーク環境は、1つ又は複数のアクセス・ポイント(AP)又はネットワーク装置106、1つ又は複数のステーション又は無線通信装置102、及びネットワーク・ハードウェア構成要素またはネットワーク・ハードウェア192を含む無線通信システムを含む。無線通信装置102は例えば、ノート型パソコン、タブレット、パソコン、及び/又は携帯電話装置を含むことができる。各ステーション又は無線通信装置102、及びAP又はネットワーク装置106の実施形態の詳細は、図1B及び図1Cに関連して、より詳細に説明される。一実施形態において、ネットワーク環境は、アドホック・ネットワーク環境、インフラストラクチャ無線ネットワーク環境、サブネット環境などであることができる。ネットワーク装置106又はAPは、ローカル・エリア・ネットワーク接続を介して、ネットワーク・ハードウェア192に動作可能に結合され得る。幾つかの実施形態において、ネットワーク装置106は5G基地局である。ルータ、ゲートウェイ、スイッチ、ブリッジ、モデム、システム・コントローラ、電化製品などを含むことができるネットワーク・ハードウェア192は、通信システムにローカル・エリア・ネットワーク接続を提供することができる。ネットワーク装置106又はAPのそれぞれは、その領域において無線通信装置と通信するための関連したアンテナ又はアンテナ・アレイを有することができる。無線通信装置102は、(例えば、SU-MIMO又はMU-MIMO構成を介して)通信システムからサービスを受け取るために、特定のネットワーク装置106又はAPに登録することができる。直接接続(例えば、2地点間通信)の場合、幾つかの無線通信装置は、割り当てられたチャネル及び通信プロトコルを介して、直接的に通信することができる。無線通信装置102の幾つかは、ネットワーク装置106又はAPに対して動ける又は比較的静止していることができる。
【0027】
幾つかの実施形態において、ネットワーク装置106又はAPは、無線通信装置102がワイヤレス・フィディリティー(登録商標)(WiFi)又は他の規格を用いて、有線ネットワークに接続することを可能にする装置またはモジュール(ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせを含む)を含む。ネットワーク装置106又はAPは、時として無線アクセス・ポイント(WAP)と呼ばれ得る。ネットワーク装置106又はAPは、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)で動作するように実現され得る(例えば、構成される、設計される及び/又は構築される)。幾つかの実施形態において、ネットワーク装置106又はAPは、独立型装置としてルータ(例えば、有線ネットワークを介して)に接続することができる。他の実施形態において、ネットワーク装置106又はAPは、ルータの構成要素であることができる。ネットワーク装置106又はAPは、ネットワークへの複数の装置アクセスを提供することができる。ネットワーク装置106又はAPは例えば、有線イーサネット(登録商標)接続に接続することができ、その有線接続を利用するために、無線周波数リンクを用いる無線接続を他の装置102に提供することができる。ネットワーク装置106又はAPは、1つ又は複数の無線周波数を用いてデータを送受信するための規格をサポートするように実現され得る。それらが使用するこれら規格および周波数は、IEEE(例えば、IEEE802.11規格)により、定義され得る。ネットワーク装置106又はAPは、公衆インターネット・ホットスポットをサポートするように、及び/又はネットワーク上でネットワークのWi-Fi信号レンジを拡張するように構成および/または使用され得る。
【0028】
幾つかの実施形態において、アクセス・ポイント又はネットワーク装置106は、(例えば、家庭内、車内または建物内)無線ネットワーク(例えば、IEEE802.11、ブルートゥース、ジグビー(登録商標)、ネットワーク・プロトコル及び/又はその変化形に基づいた任意の他のタイプの無線周波数)に使用され得る。無線通信装置102のそれぞれは、組み込み式無線機を含むことができる及び/又は無線機に結合される。係る無線通信装置102、及び/又はアクセス・ポイント又はネットワーク装置106は、性能を強化するために、コスト及び/又はサイズを低減するために、及び/又はブロードバンドの応用形態を強化するために、本明細書で提示されるような本開示の様々な態様に従って動作することができる。各無線通信装置102は、1つ又は複数のアクセス・ポイント又はネットワーク装置106を介して、リソース(例えば、データ、及びサーバのようなネットワーク化されたノードへの接続)に対するアクセスを捜索するクライアント・ノードとして機能するための能力を有することができる。
【0029】
ネットワーク接続は、任意のタイプ及び/又は形態のネットワークを含むことができ、以下の何れかを含むことができる、即ち、ポイント・ツー・ポイント・ネットワーク、放送網、電気通信網、データ通信ネットワーク、コンピュータ・ネットワークである。ネットワークのトポロジーは、バス型、スター型、又はリング型ネットワーク・トポロジーであることができる。ネットワークは、本明細書で説明される動作をサポートすることができる、当業者に知られているような任意の係るネットワーク・トポロジーからなることができる。幾つかの実施形態において、異なるタイプのデータは、異なるプロトコルを介して伝送され得る。他の実施形態において、同じタイプのデータは、異なるプロトコルを介して伝送され得る。
【0030】
通信装置(単数または複数)102、及びアクセス・ポイント(単数または複数)又はネットワーク装置106は、任意のタイプ及び形態のネットワークで通信する及び本明細書で説明される動作を実行することができるコンピュータ、ネットワーク装置または電化製品のような、任意のタイプ及び形態のコンピューティング装置として配置され得る及び/又は当該コンピューティング装置で実行され得る。図1B及び図1Cは、無線通信装置102又はネットワーク装置106の実施形態を実施するのに有用なコンピューティング装置100のブロック図を示す。図1B及び図1Cに示されるように、各コンピューティング装置100は、プロセッサ121(例えば、中央処理装置)、及び主記憶装置122を含む。図1Bに示されるように、コンピューティング装置100は、記憶装置128、インストール装置116、ネットワーク・インターフェース118、I/Oコントローラ123、ディスプレイ装置124a~124n、キーボード126、マウスのようなポインティング・デバイス127を含むことができる。記憶装置128は、オペレーティング・システム及び/又はソフトウェアを含むことができる。図1Cに示されるように、各コンピューティング装置100は、メモリ・ポート103、ブリッジ170、1つ又は複数の入力/出力装置130a~130n、中央処理装置またはプロセッサ121と通信するキャッシュ・メモリ140のような、追加の随意的な要素も含むことができる。
【0031】
中央処理装置またはプロセッサ121は、主記憶装置122からフェッチされた命令に応答する及び当該命令を処理する任意の論理回路である。多くの実施形態において、中央処理装置またはプロセッサ121は、カリフォルニア州サンタ・クララのインテル・コーポレーションにより製造されている、ニューヨーク州ホワイト・プレーンズのInternational BusinessMachinesにより製造されている、又はカリフォルニア州サニーベールのAdvanced Micro Devicesにより製造されているような、マイクロプロセッサ装置により提供される。コンピューティング装置100は、これらプロセッサの何れか、又は本明細書で説明されるように動作することができる任意の他のプロセッサに基づくことができる。
【0032】
主記憶装置122は、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、強誘電体メモリ(FRAM)、NAND型フラッシュメモリ、NOR型フラッシュメモリ及び半導体ドライブ(SSD)の任意のタイプ又は変種のような、データを格納することができ且つ任意の記憶場所がマイクロプロセッサ又はプロセッサ121により直接的にアクセスされることを可能にする1つ又は複数のメモリチップであることができる。主記憶装置122は、上述されたメモリチップの何れか、又は本明細書で説明されるように動作することができる任意の他の利用可能なメモリチップに基づくことができる。図1Bに示された実施形態において、プロセッサ121は、システムバス150を介して主記憶装置122と通信する(より詳細に後述される)。図1Cは、プロセッサが、メモリポート103を介して、主記憶装置122と直接的に通信するコンピューティング装置100の実施形態を示す。例えば、図1Cにおいて、主記憶装置122は、DRDRAMであることができる。
【0033】
図1Cは、メインプロセッサ121が、時としてバックサイドバスと呼ばれる二次側バスを介して、キャッシュメモリ140と直接的に通信する。他の実施形態において、メインプロセッサ121は、システムバス150を用いて、キャッシュメモリ140と通信する。キャッシュメモリ140は一般に、主記憶装置122より速い応答時間を有し、例えばSRAM、BSRAM、又はEDRAMにより提供される。図1Cに示された実施形態において、プロセッサ121は、ローカル・システムバス150を介して様々なI/O装置130と通信する。様々なバスは、中央処理装置またはプロセッサ121をI/O装置130の何れかに接続するために使用されることができ、例えば、VESA VLバス、ISAバス、EISAバス、マイクロ・チャネル・アーキテクチャ(MCA)バス、PCIバス、PCI-Xバス、PCI-Expressバス、又はNuBusである。I/O装置がビデオディスプレイ124である実施形態に関して、プロセッサ121は、ディスプレイ124と通信するためにAGP(advanced graphics port)を使用することができる。図1Cは、メインプロセッサ121が、例えばHyperTransport、RapidIO、又はInfiniBand通信技術を介して、I/O装置130bと直接的に通信することができる。また、図1Cは、ローカルバスと直接通信が混合されている実施形態を示し、即ち、プロセッサ121は、I/O装置130bと直接的に通信すると同時に、ローカル相互接続バスを用いてI/O装置130aと通信する。
【0034】
多種多様のI/O装置130a~130nがコンピューティング装置100に存在することができる。入力装置は、キーボード、マウス、トラックパッド、トラックボール、マイクロホン、ダイヤル、タッチパッド、タッチスクリーン、及び作画タブレットを含む。出力装置は、ビデオディスプレイ、スピーカ、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ、プロジェクタ、及び昇華型プリンタを含む。I/O装置は、図1Bに示されたように、I/Oコントローラ123により制御され得る。I/Oコントローラは、キーボード126及びポインティング・デバイス127(例えば、マウス又は光学ペン)のような1つ又は複数のI/O装置を制御することができる。更に、I/O装置は、記憶装置および/またはインストール媒体をコンピューティング装置100に提供することもできる。更に他の実施形態において、コンピューティング装置100は、カリフォルニア州ロスアラミトスのTwintech Industry, Incにより製造されているデバイスのUSBフラッシュドライブ製品群のような、携帯用USB記憶装置を承認するためのUSB接続(図示せず)も提供することができる。
【0035】
再び図1Bを参照すると、コンピューティング装置100は、ディスク・ドライブ、CD-ROMドライブ、CD-R/RWドライブ、DVD-ROMドライブ、フラッシュメモリ・ドライブ、様々なフォーマットのテープ・ドライブ、USB装置、ハード・ドライブ、ネットワーク・インターフェース、又はソフトウェア及びプログラムをインストールするのに適切な任意の他の装置のような、任意の適切なインストール装置116をサポートすることができる。コンピューティング装置100は更に、オペレーティングシステム及び他の関連したソフトウェアを格納するために、及び本明細書で説明されたシステム及び方法を実現するための(例えば、当該システム及び方法のために構成された及び/又は設計された)任意のプログラム又はソフトウェア120のような、アプリケーション・ソフトウェア・プログラムを格納するために、1つ又は複数のハードディスク・ドライブ又は独立ディスクの冗長なアレイのような、記憶装置を含むことができる。必要に応じて、インストール装置116の何れかは、記憶装置としても使用され得る。更に、オペレーティングシステム及びソフトウェアは、ブート可能媒体から実行され得る。
【0036】
更に、コンピューティング装置100は、様々な接続を通じてネットワークに結び付けるためのネットワーク・インターフェース118を含むことができ、当該様々な接続は、以下に限定されないが、標準電話線、LAN又はWANリンク(例えば、802.11、T1、T3、56kb、X.25、SNA、DECnet)、ブロードバンド接続(例えば、ISDN、フレームリレー、ATM、ギガビット・イーサネット、イーサネットオーバーソネット)、無線接続、又は上記の何れか又は全ての幾つかの組み合わせを含む。接続は、様々な通信プロトコル(例えば、TCP/IP、IPX、SPX、NetBIOS、イーサネット、アークネット、SONET、SDH、FDDI(Fiber Distributed Data Interface)、RS232、IEEE802.11、IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11n、IEEE802.11ac、IEEE802.11ad、CDMA、GSM、WiMax及び直接非同期接続)を用いて確立され得る。一実施形態において、コンピューティング装置100は、SSL(Secure Sockets Layer)又はTLS(Transport Layer Security)のような、任意のタイプ及び/又は形態のゲートウェイ又はトンネリングプロトコルを介して、他のコンピューティング装置100’と通信する。ネットワーク・インターフェース118は、通信する及び本明細書で説明された動作を実行することができる任意のタイプのネットワークにコンピューティング装置100を結び付けるのに適した、内蔵式ネットワーク・アダプター、ネットワーク・インターフェース・カード、PCMCIAネットワーク・カード、カード・バス・ネットワーク・アダプター、無線ネットワーク・アダプター、USBネットワーク・アダプター、モデム、又は任意の他の装置を含むことができる。
【0037】
幾つかの実施形態において、コンピューティング装置100は、1つ又は複数のディスプレイ装置124a~124nを含むことができる、又はそれらに接続され得る。それ故に、I/O装置130a~130nの何れか及び/又はI/Oコントローラ123は、コンピューティング装置100によるディスプレイ装置(単数または複数)124a~124nの接続および使用をサポートする、可能にする又は行うための、任意のタイプ及び/又は形態の適切なハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせを含むことができる。例えば、コンピューティング装置100は、ディスプレイ装置(単数または複数)124a~124nに仲介して結び付ける、通信する、接続する又は別な方法で使用するための、任意のタイプ及び/又は形態のビデオアダプター、ビデオカード、ドライバー及び/又はライブラリを含むことができる。一実施形態において、ビデオアダプターは、ディスプレイ装置(単数または複数)124a~124nにインターフェース接続するための複数のコネクターを含むことができる。他の実施形態において、コンピューティング装置100は、複数のビデオアダプターを含むことができ、この場合、各ビデオアダプターがディスプレイ装置(単数または複数)124a~124nに接続される。幾つかの実施形態において、コンピューティング装置100のオペレーティングシステムの何らかの部分は、複数のディスプレイ装置124a~124nを用いるように構成され得る。更なる実施形態において、I/O装置130は、システムバス150と外部接続バスとの間のブリッジになることができ、当該外部接続バスは例えば、USBバス、アップル・デスクトップ・バス、RS-232シリアル接続、SCSIバス、ファイアワイア・バス、ファイアワイア800バス、イーサネット・バス、アップルトーク・バス、ギガビット・イーサネット・バス、非同期転送モード・バス、ファイバチャネル・バス、光ファイバ・バス、SAS(Serial Attached SCSI)バス、USB接続、又はHDMIバスである。
【0038】
図1B及び図1Cに示された部類のコンピューティング装置100は、タスクのスケジューリング及びシステム・リソースへのアクセスを制御するオペレーティングシステムの制御下で動作することができる。コンピューティング装置100は、任意のオペレーティングシステムを実行していることができ、当該オペレーティングシステムは例えば、任意のバージョンのマイクロソフト・ウィンドウズ(登録商標)オペレーティングシステム、様々な公開のユニックス(登録商標)及びリナックス・オペレーティングシステム、マッキントッシュ・コンピュータ用の任意のバージョンのMAC OS、任意の組み込み式オペレーティングシステム、任意のリアルタイム・オペレーティングシステム、任意のオープンソース・オペレーティングシステム、任意の独自仕様のオペレーティングシステム、モバイル・コンピューティング装置用の任意のオペレーティングシステム、又はコンピューティング装置上で実行され且つ本明細書で説明された動作を実行することができる任意の他のオペレーティングシステムである。代表的なオペレーティングシステムは数ある中でも、以下に限定されないが、Google Inc.より製作されているアンドロイド(登録商標);ワシントン州レドモンドのMicrosoft Corporationにより製作されているウィンドウズ(登録商標)7、8及び10;カリフォルニア州クパチーノのApple Computerにより製作されているMAC OS;ResearchIn Motion(RIM)により製作されているWebOS;ニューヨーク州アーモンクのInternationalBusiness Machinesにより製作されているOS/2;及びユタ州ソルトレイクシティのCaldera Corp.により配布されている無償で利用可能なオペレーティングシステムのLinux、又は任意のタイプ及び/又は形態のUnixオペレーティングシステムである。
【0039】
コンピュータ・システム又はコンピューティング装置100は、任意のワークステーション、電話機、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ型またはノート型コンピュータ、サーバ、携帯用コンピュータ、携帯電話機または他の携帯用通信機器、メディア再生装置、ゲーム機、モバイル・コンピューティング装置、又は通信することができる任意の他のタイプ及び/又は形態のコンピューティング装置、通信機器またはメディア装置であることができる。幾つかの実施形態において、コンピューティング装置100は、様々なプロセッサ、オペレーティングシステム、及び当該装置と適合する入力装置を有することができる。例えば、一実施形態において、コンピューティング装置100は、スマートフォン、モバイル機器、タブレット又は携帯情報端末である。更に、コンピューティング装置100は、任意のワークステーション、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ型またはノート型コンピュータ、サーバ、携帯用コンピュータ、携帯電話機、任意の他のコンピュータ、又は通信することができ且つ本明細書で説明された動作を実行するのに十分なプロセッサ能力およびメモリ容量を有する他の形態のコンピューティング装置または通信機器であることができる。
【0040】
上述された動作環境および構成要素の態様は、本明細書で開示されたシステム及び方法との関連で明らかになるであろう。
【0041】
B.ステーション(局)及びAP通信
幾つかの実施形態による、装置間(例えば、STA(例えば、無線クライアント)とAP)の通信を確立するためのシステム及び方法が、本明細書で開示される。幾つかの実施形態において、フレームには、APがサービス(例えば、新たな接続)に関して利用できるか又は利用できないかの指示(indication:表示、しるし)が設けられる。AP及びSTAは、データを伝えるために無線接続を確立する。幾つかの実施形態において、接続を確立することは、プロービング、アソシエーション及び認証を含む3ステップのプロセスを必要とする。一般に、STAが無線AP又はアドホック・モードを使用する場合に他の無線装置の無線周波数をスキャンニングし始める際に、プロービング・プロセスが始まる。プロービング・プロセス中、STAはプローブ要求を送信する。幾つかの実施形態において、プローブ要求は、どのネットワークであるか、又は特定のネットワークが特定のチャネルで利用可能であるかを尋ねるWiFi管理フレームの一種であり、ブロードキャスト・アドレスを用いて送信される。幾つかの実施形態において、プローブ要求は、ビーコン・メッセージ又はビーコン・フレームがAPから受信された後に、送信され得る。幾つかの実施形態において、プローブ要求は、特定のネットワーク名またはサービスセット識別子(SSID)を含む。プロービング・プロセスは更に、AP及びSTAが互換性のあるデータレートを有する場合に、プローブ要求に応答してAPからプローブ応答を供給することを含む。プローブ応答は、プローブ要求に応答して供給されるWiFi管理フレームの一種である。幾つかの実施形態において、プローブ応答は、SSID(無線ネットワーク名)、サポートされるデータレート、暗号化タイプ、及びAPの他の能力を含む。プローブ応答が受信された後、STAは、プローブ応答およびもしあれば、他のAPからの他の受信したプローブ応答の情報を用いてAPを選択し、プロービング・プロセスが完了する。
【0042】
プロービング・プロセスが完了後、認証された状態が達成され得るように、認証プロセスが始まる。一般に、認証プロセスは、STAが認証要求を送信する際に始まる。認証プロセスは更に、認証要求に応答して、APから認証フレームを供給することを含む。認証プロセスは、STAが認証フレームを受信した後に完了する。この時点で、STAは、認証された状態であるが、まだアソシエーションされた状態に到達していない。
【0043】
アソシエーション・プロセスは、STAがAPとアソシエーションされた状態に到達するプロセスであり、オープン又は鍵付きアソシエーション・プロセスであることができる。幾つかの実施形態において、アソシエーション・プロセスは、STAがどのAPをアソシエーションするために選択するかをSTAが決定する際の認証プロセス後に、始まる。STAは、SSID、信号強度、及びAPとの通信に関連したフレームエラー率特性に基づいて、APを選択することができる。一般に、アソシエーション・プロセスは、STAが、選択されたAPにアソシエーション要求を送信する際に始まる。幾つかの実施形態において、アソシエーション要求は、必要に応じて選択された暗号化タイプ、及び他の互換性のある802.11能力を含む管理フレームである。アソシエーション・プロセスは更に、当該APにおけるAPのアソシエーションIDを提供すること、及びアソシエーション要求に応答してAPからアソシエーション応答を送信することを含む。アソシエーション応答は、STAへのネットワーク・アクセスを許可する成功メッセージを含む管理フレームである。アソシエーション・プロセスは、STAがアソシエーション応答を受け取り且つSTAがアソシエーションされた状態に到達した後で、完了する。
【0044】
STAは、APの割り当てられたチャネルであり、ポートの使用を処理(交渉)する。通信が当該接続で行われ得るように、鍵付きセキュリティ対策が適用される。セキュリティ要件が満たされた後、確立されたIPレベルの通信接続が達成され、ネットワーク規格およびプロトコルを用いる通信が実行される。STAは一般に、APがSTAとネットワーク上の他の装置との間のトラフィックをブリッジする前に、認証されてアソシエーションされた状態になければならない。アソシエーション及び認証が上述されたが、システム及び方法は、アソシエーション又は認証を使用しないアクセス・プロセスを含む、他のアクセス・プロセス及びプロトコルと共に使用され得る。例えば、システム及び方法は、認証プロトコルが後続しないアソシエーション・プロトコルと共に使用され得る。
【0045】
APは、多種多様な理由で新たな接続を拒否する可能性がある。例えば、IEEE802.11規格は、拒否に関して以下の理由コードを提供する、即ち
5:現在アソシエーションされているステーションの全てを、APが処理できないため、アソシエーションが解除されました
32:サービス品質(QoS)関連の不明な理由により、アソシエーションが解除されました
33:このQoSSTAに必要な帯域帯域幅(BW)がQoS APで確保できないため、アソシエーションが解除されました。
【0046】
これら理由コードは、アソシエーション解除/認証解除フレームで提供される。IEEE802.11規格の8.4.1.7項を参照。ステータスコードは、無線クライアントがAPと交渉することを可能にするために、IEEE802.11規格により使用されるブロードキャスト・フレームである管理フレームに応答して提供され得る。例えば、IEEE802.11規格は、アソシエーションに関連した以下のステータスコードを提供する、即ち
12:この規格の範囲外の理由により、アソシエーションが拒否されました
17:追加のアソシエーションされたステーションをAPが処理できないため、アソシエーションが拒否されました(非QOS強化基本サービスセット(QBSS)APに適用可能)
30:アソシエーションは一時的に拒否されたため、しばらくしてから再試行して下さい。
32:不明なQoS関連のエラー
33:QoSAPに別のQoS STAを処理できる十分なBWがないため、アソシエーションが拒否されました
34:フレーム損失率の高さ/現在動作しているチャネル状態の不調により、アソシエーションが拒否されました
92:外部原因により、再(アソシエーション)が拒否されました
93:APのメモリ制限により、再(アソシエーション)が拒否されました
IEEE802.11規格の8.4.1.7項を参照。
【0047】
図2を参照すると、無線通信ネットワーク又はシステム200は、STA202、204、206及び208、及びAP212、214及び216を含む。STA202、204、206及び208、及びAP212、214及び216は、図1A図1Cに関連して考察されたシステムで使用され得る。任意の数のSTA202、204、206及び208、及びAP212、214及び216が、ネットワーク又はシステム200で使用され得る。
【0048】
STAは、通信システム200で通信するための任意の装置であり、以下に限定されないが、固定、携帯型または可動性のラップトップ型コンピュータ、デスクトップ型パソコン、携帯情報端末、アクセス・ポイント、ワークステーション、ウェアラブルデバイス、スマートフォン、又はWiFiフォンを含む。本明細書で使用される限り、「アクセス・ポイント」(AP)は、1つ又は複数の「非AP」装置(例えば、クライアント装置)をネットワークに通信可能に結合するための装置(デバイス)を意味する。より具体的には、APにより、非AP装置がネットワークと接続および通信することを可能にする場合がある。幾つかの実施形態において、APは、非AP装置間で無線通信を可能にするように構成された「無線アクセス・ポイント」(WAP)である場合がある。APは、以下に限定されないが、可動性、携帯型または固定のホットスポット、ルータ、ブリッジ、又は他の通信装置を含む。APは、別のネットワークに対する接続ポイントとしてサービスするように、サービスをSTAに提供することができる。STA202、204、206及び208、及びAP212、214及び216はそれぞれ、無線トランシーバ及び接続を介して通信するための様々なモジュールを含むことができる。モジュールは、ソフトウェア(例えば、ファームウェア)及び/又はハードウェアの構成要素であることができる。幾つかの実施形態において、STA202、204、及び206、及びAP212、214及び216のそれぞれは、無線媒体に対するIEEE802.11準拠の媒体アクセス制御(MAC)回路および物理層(PHY)インターフェースを含み、より大きな装置またはシステムの一部であることができる。幾つかの実施形態において、STA202、204、206及び208、及びAP212、214及び216のそれぞれは、IEEE802.11以外の規格に従って、動作する。
【0049】
無線通信のための接続は、STA202、204、206及び208の少なくとも1つとAP212、214及び216との間に確立され得る。例えば、STA202は、AP212に対する接続218を有する。STA202、204、206及び208はそれぞれ、回路(例えば、プロセッサ220)を含み、AP212、214及び216はそれぞれ、回路(例えば、プロセッサ230)を含む。幾つかの実施形態において、接続218は、アソシエーション及び認証の動作を用いて形成された無線接続である。
【0050】
STA208のプロセッサ220は、ビーコン・メッセージ又はビーコン・フレームを処理するように構成されたビーコン・モジュール222、プローブ又はプローブ要求メッセージ又はプローブ要求フレームを提供するように構成されたプローブ・モジュール224、及び接続218のような接続を確立するためのアソシエーション動作を実施するためのアソシエーション・モジュール226を含む。ビーコン・モジュール222、プローブ・モジュール224及びアソシエーション・モジュール226は、ソフトウェア(例えば、ファームウェア)及び/又はハードウェアの構成要素であることができる。
【0051】
プロセッサ230は、ビーコン・メッセージ又はビーコン・フレームを提供するように構成されたビーコン・モジュール232、プローブ応答メッセージ又はプローブ応答フレームを提供するように構成されたプローブ応答モジュール234、AP212が新たなサービス(例えば、新たな接続)に関して利用できるか又は利用できないかを判断するように構成された利用可能性モジュール236、及び接続218のような接続を確立するためのアソシエーション動作を実施するためのアソシエーション・モジュール238を含む。アソシエーション・モジュール238及び226は、接続を確立するために及び/又はアソシエーションを完了するためにデータを交換する。ビーコン・モジュール232、プローブ応答モジュール234、及び利用可能性モジュール236は、ソフトウェア(例えば、ファームウェア)及び/又はハードウェアの構成要素であることができる。幾つかの実施形態において、新たなサービスは、新たな通信オーバーヘッド又はタスクを意味し、新たな接続を含むことができる。
【0052】
図2及び図3を参照すると、プロセッサ230は、AP(例えば、AP212)が新たなサービス又は接続を引き受けるために利用できるか又は利用できないかを示す、ビット302のようなデータ単位をフィールド300に提供するように構成される。フィールド300のビット302は、AP(例えば、AP212)が新たなサービス又は接続を引き受けるために利用できるか又は利用できないか(例えば、新たなクライアントを承認することができる)を、利用可能性モジュール236により判断することに応答して、ビーコン・モジュール232又はプローブ応答モジュール234により提供される。フィールド300のビット302は、APが新たなサービスを引き受けるために利用できない際に設定され、APが新たなサービスを引き受けるために利用できる際にリセットされる。幾つかの実施形態において、フィールド300のビット302は、以下のフレーム、即ち、ビーコン・フレーム、プローブ応答フレーム、及びアソシエーション/再アソシエーション応答フレームの拡張機能IE内にあることができる。幾つかの実施形態において、フィールド300のビット302は、IEEE802.11n規格の下で855ロードIE内にあることができる。代案として、幾つかの実施形態において、ビット302は、様々な管理フレーム又はアクション・フレームの様々なIEへ組み込まれ得る。
【0053】
モジュール232、234、236及び238は、APソフトウェア(例えば、MAC層ソフトウェア)で実現され得る。モジュール222、224及び226は、STAソフトウェア(例えば、MAC層ソフトウェア)で実現され得る。プロセッサ220及び230は、ロジック及び通信処理を行うことができる任意の回路または構成要素である。幾つかの実施形態において、プロセッサ220及び230は、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、特定用途向け集積回路、ハードウェア、ソフトウェア実行プロセッサ、又はステート・マシンとして実現される。幾つかの実施形態において、プロセッサ220及び230は、IEEE802.11規格の装置の層(例えば、MAC層、ネットワーク層、PHY層)の一部である。幾つかの実施形態において、プロセッサ220及び230は、通信動作、フレーム構築および処理、アソシエーション動作、認証動作、及び接続セットアップを実行すうように構成され得る。幾つかの実施形態において、プロセッサ220及び230用の命令は、メモリのような持続性媒体に格納される。
【0054】
図2図4を参照すると、流れ400は、STA202、204及び206の少なくとも1つとAP212、214及び216の少なくとも1つとの間の接続を確立するために、又はSTA202、204及び206の少なくとも1つとAP212、214及び216の少なくとも1つをアソシエーションするために使用される。動作402において、AP212は、それが新たなサービス又は新たな接続を引き受けるために利用できるか又は利用できないかを判断する。幾つかの実施形態において、動作402は、利用可能性モジュール236により実行される。利用可能性モジュール236は、どれぐらいの数のポートが利用できるかを判断することにより、又はどれぐらいの帯域幅が利用できるかを判断することにより、新たなサービスが利用できるか否かを判断することができる。幾つかの実施形態において、上述された拒否コード及びステータスコードに関する理由コードに使用されるデータは、AP212が新たなサービス又は接続を引き受けるために利用できるか又は利用できないかを判断するために使用され得る。例えば、AP212が別のSTAを取り扱うための帯域幅が不十分であると判断する、又は現在アソシエーションされている全てのステーションを取り扱うことができないと判断する場合、利用可能性モジュール236は、新たなサービスが利用できないと判断することができる。
【0055】
AP212が利用できる場合、動作404において、データ単位またはビット302は、フィールド300においてゼロにリセットされる。フィールド300は、モジュール232又はモジュール234により、動作404において、ビーコン・フレーム又はプローブ応答フレームに設けられる。ビーコン・フレーム又はビーコン・メッセージは、メッセージ・フレームの類である。幾つかの実施形態において、ビーコン・フレームは、IEEE802.11規格に従って、AP212により送信される周期的なビーコン・メッセージのデータ・フォーマットである。プローブ応答フレームは、管理フレームの類である。幾つかの実施形態において、プローブ応答フレームは、IEEE802.11規格に従って、STA202からのプローブ・メッセージに応答して、AP212により送信されるメッセージのデータ・フォーマットである。
【0056】
動作406において、ビーコン・メッセージ又はプローブ応答メッセージは、AP212により送信され、STA202により受信される。幾つかの実施形態において、STA202は、ビーコン・モジュール222を用いてビーコン・メッセージを処理し、又はプローブ・モジュール224を用いてプローブ応答メッセージを処理し、ビット302がゼロであることに応答して、新たな接続を確立するためにアソシエーション・モジュール238及び226を用いて、アソシエーション及び認証を完了する。
【0057】
AP212が利用できない場合、動作408において、データ単位またはビット302は、フィールド300において1に設定される。フィールド300は、モジュール232又はモジュール234により、動作408において、ビーコン・フレーム又はプローブ応答フレームに設けられる。動作410において、ビーコン・メッセージ又はプローブ応答メッセージは、AP212により送信され、STA202により受信される。STA202は、ビーコン・モジュール232を用いてビーコン・メッセージを処理し、又はプローブ・モジュール224を用いてプローブ応答メッセージを処理し、アソシエーション・モジュール238及び226を用いて、アソシエーション及び認証をキャンセルする。幾つかの実施形態において、アソシエーション動作をキャンセルことは、APとアソシエーションするための或る時間期間にわたる試みを中止することを含む。幾つかの実施形態において、当該時間期間は、設定時間期間である、又は次のメッセージ(例えば、次のビーコン・メッセージが受信される時)までであることができる。幾つかの実施形態において、動作412において、STA202は、流れ400を用いて、他のAP(例えば、AP214及び216)との接続を捜す。動作406、410及び/又は412の後、AP212は動作402に戻る。
【0058】
幾つかの実施形態において、流れ400の多数の具現化形態は、通信システム200において同時に動作することができる。流れ400は、STA202、204及び206並びにAP212、214及び216のハードウェアで実行されているファームウェアにおいて、実施され得る。ファームウェアは、プロトコル・スタックの層、又はSTA202、204及び206並びにAP212、214及び216の少なくとも1つのMAC層で動作することができる。
【0059】
図5を参照すると、STA502(例えば、STA202、204及び206)とAP504(例えば、AP212、214及び216)との間の管理通信に関するタイミング図500は、ビーコン又はプローブ応答メッセージ506を含む。当該ビーコン又はプローブ応答メッセージは、フィールド300においてビット302を含む(図3)。AP504は、時間tにおいて、ビーコン、或いはビーコン又はプローブ応答メッセージ506を提供する。時間tの後の時間tにおいて、STA502は、ビーコン又はプローブ応答メッセージを受け取り、当該メッセージを処理して、フィールド300のビット302が設定されているか否かを判断し、それによりAP504が新たな接続のために利用できるか否かが示される。そうでない場合、STA502は、AP504との接続を試みること(例えば、認証動作およびアソシエーション動作)をキャンセルし、プローブ要求メッセージ508を他のAPに送出する。そうである場合、STA502は、認証動作およびアソシエーション動作を続け、プローブ要求メッセージ508を他のAPに提供しない。幾つかの実施形態において、キャンセルは、認証動作およびアソシエーション動作が始まる前に行われ、又はプローブ動作の時間中に行われる。
【0060】
有利な点は、STA502が、フィールド300のビット302を用いることにより、媒体アクティビティに依存して少なくとも10~200ミリ秒以上(例えば、少なくとも40~50ミリ秒)だけ、接続(例えば、APとアソシエーションする又はつながる)を確立するための時間を低減することができる。フィールド300のビット302が使用されない場合、STA502及びAPは、アソシエーション解除/認証解除メッセージがAP504により提供されるまで、アソシエーション・メッセージ及び認証メッセージ(認証要求メッセージ、認証肯定応答メッセージ、アソシエーション要求メッセージ、及びアソシエーション肯定応答メッセージ)を送受信し続ける。これらメッセージは概して、時間tの後に提供される。アソシエーション・メッセージ及び認証メッセージを待つと同時にアソシエーション・メッセージ及び認証メッセージを提供することは、時間および通信オーバーヘッドを浪費する。幾つかの実施形態において、プローブ要求メッセージ、プローブ要求メッセージの肯定応答、プローブ応答メッセージ、及びプローブ応答の肯定応答メッセージも、時間tの後で送受信され、時間損失およびオーバーヘッド損失の更なる一因となる。幾つかの実施形態において、STA502は、新たな接続が利用できないことの指示をSTA502が受け取ったことを示すビーコン又はプローブ応答メッセージ506に対する肯定応答メッセージをAP504に送ることができる。
【0061】
留意されるべきは、本開示の特定の一節は、あるものを他のもの(単数または複数)と識別する又は区別するために、空間ストリームの送信、サウンディング・フレーム、応答、及び装置のサブセットに関連して、「第1」及び「第2」のような用語を参照する。これら用語は、一時的に又はシーケンスに従って、単にエンティティを関係付ける(例えば、第1の装置および第2の装置)ことは意図されてないが、場合によっては、これらエンティティは係る関係を含むことができる。これら用語は、システム又は環境内で動作することができる考えられるエンティティ(例えば、STA、AP、ビームフォーマ及び/又はビームフォーミー)の数を制限しない。理解されるべきは、上述されたシステムは、これら構成要素の何れか又はそれぞれの複数のものを提供することができ、これら構成要素は、独立型マシンで、又は幾つかの実施形態において、分散型システムにおける複数のマシンで提供され得る。更に、ビットフィールド位置は変更されることができ、マルチビット・ワードが使用され得る。更に、上述されたシステム及び方法は、1つ又は複数の製品(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、CD-ROM、フラッシュメモリ・カード、PROM、RAM、ROM又は磁気テープ)で具体化された1つ又は複数のコンピュータ可読プログラム又は実行可能命令として提供され得る。プログラムは、LISP、PERL、C、C++、C#のような任意のプログラミング言語で、又はJAVA(登録商標)のような任意のバイトコード言語で実現され得る。ソフトウェア・プログラム又は実行可能命令は、オブジェクトコードとして1つ又は複数の製品に格納され得る。
【0062】
方法およびシステムの前述の説明により、当業者がその実施形態を作成および使用することを可能にするが、当業者は、本明細書の特定の実施形態、方法、及び例の変形態様、組み合わせ、及び等価物の存在を理解および認識するであろう。従って、本方法およびシステムは、上述された実施形態、方法および例により制限されない筈であるが、本開示の範囲内および思想内にある全ての実施形態および方法により制限される。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】