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特開2024-41049情報処理方法、情報処理装置、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041049
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20240101AFI20240318BHJP
【FI】
G06Q50/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023133586
(22)【出願日】2023-08-18
(62)【分割の表示】P 2022145480の分割
【原出願日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】522364044
【氏名又は名称】菊地 英晃
(74)【代理人】
【識別番号】110001885
【氏名又は名称】弁理士法人IPRコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】菊地 英晃
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC27
(57)【要約】
【課題】映像コンテンツによる不動産物件の紹介内容の品質を向上させて、契約希望者及びオーナーを含むユーザの顧客満足度を高めることが可能な情報処理方法等を提供する。
【解決手段】コンピュータは、複数の不動産物件に関する物件情報及び映像コンテンツを出力する。そして、コンピュータは、物件情報及び映像コンテンツを出力した不動産物件に対する契約が成立した場合に、当該不動産物件の映像コンテンツのクリエータに対してインセンティブを付与する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の不動産物件に関する物件情報及び映像コンテンツを出力し、
前記不動産物件に対する契約が成立した場合に、前記映像コンテンツのクリエータに対してインセンティブを付与する
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項2】
前記映像コンテンツは、クリエータにより撮影された不動産物件を紹介する動画像及び静止画像を含む
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記映像コンテンツに対する閲覧履歴を取得し、
前記閲覧履歴に応じて、各映像コンテンツのクリエータを評価する
処理を前記コンピュータが実行する請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記不動産物件に対する契約成立の有無に応じて、前記映像コンテンツのクリエータを評価する
処理を前記コンピュータが実行する請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記クリエータの評価内容に応じて、前記不動産物件の物件情報及び映像コンテンツの出力順序を決定する
処理を前記コンピュータが実行する請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記不動産物件の物件情報及び映像コンテンツに対応付けて、前記映像コンテンツのクリエータの情報を出力する
処理を前記コンピュータが実行する請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項7】
クリエータに関する検索用キーワードを取得し、
前記検索用キーワードに基づいて、前記複数の不動産物件から、前記クリエータが制作した映像コンテンツの不動産物件を検索する
処理を前記コンピュータが実行する請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項8】
複数の不動産物件に関する物件情報及び映像コンテンツを出力する出力部と、
前記不動産物件に対する契約が成立した場合に、前記映像コンテンツのクリエータに対してインセンティブを付与する付与部と
を備える情報処理装置。
【請求項9】
複数の不動産物件に関する物件情報及び映像コンテンツを出力し、
前記不動産物件に対する契約が成立した場合に、前記映像コンテンツのクリエータに対してインセンティブを付与する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、情報処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、インターネット等のネットワークを介して不動産物件の情報が公開されており、ネットワーク経由で契約希望者の希望条件に合致する物件を検索する処理が行われている。物件の検索は、物件の所在地、価格、広さ、間取り、築年数、設備機器、駅からの距離等の条件に基づいて行われる。例えば特許文献1では、上述したような物件の条件に加えて、特殊物件の内容も考慮した検索結果を提供するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-194222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
不動産物件の検索結果として、検索された物件に関する情報に加えて、物件内を撮影した写真が提示されることが多い。契約希望者によっては、現地に行って物件を実際に見ることなく、検索結果の情報のみで契約を締結する場合があり、このような契約希望者においては、写真から受ける物件の印象が契約締結の決め手となることが考えられる。また、契約希望者は、現地に行く前に、検索結果の情報から内見対象の物件を絞り込む場合があり、このような場合においても、検索結果として提示される写真は重要である。しかし、物件の写真は営業担当者等が撮影している場合が多く、契約希望者の目に留まり、契約又は内見につながるような魅力的な写真を掲載することは難しいという問題がある。物件の写真をみて、わざわざ当該物件にまで出向いて内見しても、気に入らない場合があったり、また、他国や遠方に居住している等して時間に余裕の無い契約希望者にとっては、十分に満足はできないけれども時間節約のために必要に迫られて契約をし、結局は直ぐに解約して退去するという場合もある。つまり、物件の契約希望者にとってもオーナーにとっても、不動産(賃貸・譲渡)取引における顧客満足度は不十分であった。
【0005】
そこで、本開示は、映像コンテンツによる不動産物件の紹介内容の品質を向上させて、契約希望者及びオーナーを含む顧客満足度を高めることが可能な情報処理方法等を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、複数の不動産物件に関する物件情報及び映像コンテンツを出力し、前記不動産物件に対する契約が成立した場合に、前記映像コンテンツのクリエータに対してインセンティブを付与する処理をコンピュータが実行する。
【発明の効果】
【0007】
本開示による本発明によれば、映像コンテンツによる不動産物件の紹介内容やマッチングの質を向上させて、契約希望者及びオーナーを含むユーザの顧客満足度を高めることができ、また、映像コンテンツを提供するクリエータを有効利用できる。したがって、本発明によれば、少なくとも不動産業界及びクリエータ業界の両方の活性化に繋がる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報処理システムの構成例を示す模式図である。
図2】サーバ及びユーザ端末の構成例を示すブロック図である。
図3】物件情報DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図4】状況DB及びクリエータDBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図5】物件の検索処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6】物件の検索処理手順の一例を示すフローチャートである。
図7】ユーザ端末の画面例を示す模式図である。
図8】ユーザ端末の画面例を示す模式図である。
図9】クリエータの評価処理手順の一例を示すフローチャートである。
図10】実施形態2の物件の検索処理手順の一例を示すフローチャートである。
図11】ユーザ端末の画面例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示の情報処理方法、情報処理装置、及びプログラムについて、その実施形態を示す図面に基づいて詳述する。以下の実施形態では、ネットワーク経由で不動産物件を検索し、検索した物件の情報を提供する情報処理システムに適用した例について説明する。しかし、本開示の技術は、不動産物件だけでなく、ネットワークを介して各種の対象を検索し、検索結果として検索対象の写真や映像を提示する情報処理システムに適用できる。
【0010】
(実施形態1)
不動産物件を検索した検索結果をネットワーク経由で提供する情報処理システムについて説明する。本実施形態における不動産物件は、販売対象の物件及び賃貸対象の物件を含む。図1は、情報処理システムの構成例を示す模式図である。本実施形態の情報処理システムは、サーバ10及び複数のユーザ端末20等を含み、各機器はネットワークNを介して通信接続されている。ネットワークNは、インターネットであってもよく、サーバ10を管理する本情報処理システムの運営者(個人でも法人でもよく、また、不動産会社でもよいが不動産会社に限らない。)等の施設内に構築されたLAN(Local Area Network)であってもよい。サーバ10は、種々の情報処理及び情報の送受信が可能な情報処理装置であり、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ等である。サーバ10は、複数のコンピュータからなるマルチコンピュータであってもよく、ソフトウェアによって1台の装置内に仮想的に構築された仮想マシンであってもよい。また、サーバ10は、施設内に設置されたローカルサーバであってもよく、インターネットを介して通信接続されたクラウドサーバであってもよい。サーバ10は、ウェブサーバの機能を有し、不動産物件の情報を提供する物件検索サイト12S(図2参照)をネットワークNを介して公開している。サーバ10は、物件検索サイト12Sを介してユーザ端末20から受け付けた検索用の情報に基づいて、不動産物件を検索する処理、検索した物件の情報を提供する処理等を行う。ユーザ端末20は、ウェブサイトを利用するユーザの端末であり、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。ユーザ端末20は、ネットワークN経由でウェブサイトにアクセスする処理等を行う。
【0011】
図2は、サーバ10及びユーザ端末20の構成例を示すブロック図である。サーバ10は、制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14、表示部15、読み取り部16等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)等の1又は複数のプロセッサを含む。制御部11は、記憶部12に記憶してあるプログラム12Pを適宜実行することにより、サーバ10が行うべき種々の情報処理、制御処理等を行う。
【0012】
記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等を含む。記憶部12は、制御部11が実行するプログラム12P(プログラム製品)及びプログラム12Pの実行に必要な各種のデータ等を予め記憶している。また記憶部12は、制御部11がプログラム12Pを実行する際に発生するデータ等を一時的に記憶する。また記憶部12は、不動産物件の情報を提供するための物件検索サイト12S、後述する物件情報DB12a、状況DB12b、クリエータDB12c等を記憶する。物件情報DB12a、状況DB12b、及びクリエータDB12cの少なくとも1つは、サーバ10に接続された他の記憶装置に記憶されてもよく、サーバ10が通信可能な他の記憶装置に記憶されてもよい。
【0013】
通信部13は、有線通信又は無線通信によってネットワークNに接続するための通信モジュールであり、ネットワークNを介して他の装置との間で情報の送受信を行う。入力部14は、ユーザによる操作入力を受け付け、操作内容に対応した制御信号を制御部11へ送出する。表示部15は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、制御部11からの指示に従って各種の情報を表示する。入力部14及び表示部15は一体として構成されたタッチパネルであってもよい。なお、入力部14及び表示部15は必須ではなく、サーバ10は、接続された端末装置を通じて操作を受け付け、表示すべき情報を外部の表示装置へ出力する構成でもよい。
【0014】
読み取り部16は、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード等を含む可搬型記憶媒体10aに記憶された情報を読み取る。記憶部12に記憶されるプログラム12P及び各種のデータは、制御部11が読み取り部16を介して可搬型記憶媒体10aから読み取って記憶部12に記憶してもよい。また、記憶部12に記憶されるプログラム12P及び各種のデータは、制御部11が通信部13を介して他の装置からダウンロードして記憶部12に記憶してもよい。
【0015】
上述した構成のサーバ10において、プログラム12Pは、単一のコンピュータ上で、又は1つのサイトにおいて配置されて実行されてもよく、もしくは複数のサイトにわたって分散され、ネットワークNによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することができる。
【0016】
ユーザ端末20は、制御部21、記憶部22、通信部23、入力部24、表示部25等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。ユーザ端末20の制御部21、記憶部22、通信部23、入力部24、表示部25は、サーバ10の制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14、表示部15と同様の構成であるので説明を省略する。なお、ユーザ端末20の記憶部22は、プログラム22Pのほかに、ネットワークN経由で公開されているウェブサイトを閲覧するためのブラウザ22Bを記憶している。
【0017】
図3は、物件情報DB12aのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。物件情報DB12aは、サーバ10に登録され、物件検索サイト12Sで検索可能な不動産物件の情報を格納するデータベースである。図3に示す物件情報DB12aは、物件ID列、地方情報列、所在地列、建物名列、立地情報列、建物情報列、価格列、コンテンツ情報列等を含み、物件IDに対応付けて、物件に関する物件情報を記憶する。物件ID列は、物件検索サイト12Sで検索可能な不動産物件のそれぞれに割り当てられた識別情報(物件ID)を記憶する。地方情報列、所在地列、及び建物名列はそれぞれ、不動産物件の所在地の地方(関西、関東、東海等)、所在地の住所、及び建物名を記憶する。立地情報列、建物情報列、及び価格列はそれぞれ、不動産物件の立地に関する情報、建物に関する情報、及び価格(賃貸料、販売価格等)を記憶する。立地情報は、例えば不動産物件の最寄り駅の沿線名及び駅名、最寄り駅からの移動手段及び移動時間、小学校及び中学校の学校区(学区)、最寄りの公園及び商業施設の情報等を含む。建物情報は、例えば不動産物件の広さ、間取り、築年数、ベランダ又はバルコニーの向き、建物の階数及び物件の階数、設置済みの設備の情報等を含む。コンテンツ情報列は、不動産物件の映像コンテンツを記憶する。映像コンテンツは、クリエータにより撮影(制作)された不動産物件を紹介する動画像及び静止画像を含み、例えば、不動産物件の周辺の道路、公園、商業施設等を撮影したコンテンツ、物件内を撮影したコンテンツを含む。また、映像コンテンツは、例えば物件の玄関から物件内に入り、物件内の各部屋を移動しながら撮影し、物件の各箇所を順番に紹介するメイン動画の映像コンテンツを含む。また映像コンテンツは、コンテンツデータ(映像データ)と、当該コンテンツを制作したクリエータの情報とを含む。クリエータの情報は、クリエータの氏名及び名称、クリエータが所属する組織の名称等を含む。なお、クリエータは、プロ又はアマチュアの個人の写真家(カメラマン)であってもよく、写真家、アートディレクタ、イラストレータ、コピーライタ等を含む複数人でコンテンツの制作を行う法人又はグループであってもよい。映像コンテンツのデータは、物件情報DB12aに記憶されるほかに、記憶部12の所定領域又は他の記憶装置に記憶されてもよく、この場合、コンテンツ情報列は、コンテンツのデータを読み出すための情報(例えばデータの記憶場所を示すファイル名)を記憶する。物件情報DB12aの記憶内容は図3に示す例に限定されない。例えば、不動産物件に関する問合せ及び契約を担当する不動産会社及び担当者の情報が記憶されてもよい。
【0018】
図4は、状況DB12b及びクリエータDB12cのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。図4Aは状況DB12bを示し、図4BはクリエータDB12cを示す。状況DB12bは、物件検索サイト12Sで検索可能な不動産物件について、映像コンテンツの閲覧状況、問合せ状況、契約状況等に関する情報を格納するデータベースである。図4Aに示す状況DB12bは、物件ID列、掲載開始日列、閲覧回数列、閲覧履歴列、問合せ回数列、問合せ履歴列、契約状況列等を含み、物件IDに対応付けて、物件に対する契約希望者のアクセス状況を記憶する。物件ID列は、物件情報DB12aに登録されている物件IDを記憶する。掲載開始日列は、物件検索サイト12Sに物件情報が掲載され、検索可能となった日付を記憶する。閲覧回数列は、物件の各映像コンテンツが閲覧された回数を記憶し、閲覧履歴列は、各映像コンテンツが閲覧された日時を記憶する。問合せ回数列は、物件及び契約に関して受け付けた問合せ回数を記憶し、問合せ履歴列は、問合せを受け付けた日時を記憶する。物件及び契約に関する問合せは、例えば物件検索サイト12Sの問合せフォームを介して行われるが、物件検索サイト12Sを閲覧したユーザが電話又は電子メール等で行った問合せを含んでもよい。契約状況列は、物件に対する契約が成立したか否か(売約又は成約の有無)を示す情報を記憶する。図4Aに示す例では、契約が成立した場合に「契約済」が記憶される。状況DB12bの記憶内容は図4Aに示す例に限定されない。例えば、物件検索サイト12Sを閲覧するユーザが予め会員登録を行っている場合、各物件の映像コンテンツを閲覧したユーザの情報、問合せを行ったユーザの情報、契約を行ったユーザの情報等が記憶されてもよい。
【0019】
クリエータDB12cは、物件検索サイト12Sに掲載される映像コンテンツを撮影(制作)したクリエータの情報を格納するデータベースである。図4Bに示すクリエータDB12cは、クリエータID列、氏名列、所属列、物件ID列、評価情報列、インセンティブ情報列等を含み、クリエータIDに対応付けて、クリエータの各情報を記憶する。クリエータID列は、クリエータのそれぞれに割り当てられた識別情報(クリエータID)を記憶する。氏名列は、クリエータの氏名又は名称を記憶し、所属列は、クリエータが所属する組織の名称等の情報を記憶する。物件ID列は、クリエータが映像コンテンツを撮影(制作)した物件の物件IDを記憶する。評価情報列は、クリエータに対する評価を示す評価スコアを記憶する。評価スコアは、物件検索サイト12Sにおいて、クリエータが撮影した映像コンテンツの閲覧状況、クリエータが映像コンテンツを撮影した物件の問合せ状況及び契約状況に基づいて算出される。インセンティブ情報列は、クリエータが撮影した映像コンテンツの閲覧状況、クリエータが映像コンテンツを撮影した物件の問合せ状況及び契約状況に応じてクリエータに付与されたインセンティブに関する情報を記憶する。インセンティブは、金銭又はクーポンであってもよく、各種の料金の支払いに使用できるポイント、各種のグッズの交換に使用できるポイント等の特典であってもよい。インセンティブの量は、映像コンテンツの閲覧回数又は閲覧時間、あるいは、物件に対する問合せ回数又は契約成立の有無に応じて予め設定されている。例えば映像コンテンツの閲覧回数が多いほど高く、閲覧時間が長いほど高く、物件に対する問合せ回数が多いほど高いインセンティブが設定され、また、物件に対する契約の成立に対して所定量のインセンティブが設定されている。クリエータDB12cの記憶内容は図4Bに示す例に限定されない。例えば、クリエータが映像コンテンツを撮影した物件の契約状況、映像コンテンツの閲覧状況、物件に対する問合せ状況等の情報が記憶されてもよい。
【0020】
以下に、本実施形態の情報処理システムにおいて、ユーザがユーザ端末20を用いて物件検索サイト12Sにアクセスして物件情報を検索する際に各装置が行う処理について説明する。図5及び図6は、物件の検索処理手順の一例を示すフローチャート、図7及び図8は、ユーザ端末20の画面例を示す模式図である。以下の処理は、ユーザ端末20の制御部21が、記憶部22に記憶してあるプログラム22Pに従って行うと共に、サーバ10の制御部11が、記憶部12に記憶してあるプログラム12Pに従って行う。
【0021】
本実施形態の情報処理システムにおいて、物件を検索したいユーザは、ユーザ端末20を用いてサーバ10にアクセスし、物件検索サイト12Sを介して、閲覧したい物件を検索する。なお、ユーザは、ブラウザ22Bをユーザ端末20に起動させることによってサーバ10にアクセスするが、物件検索サイト12Sにアクセスするためのアプリケーションプログラムがユーザ端末20にインストールされている場合、ユーザは、このアプリケーションプログラムをユーザ端末20に起動させることによってサーバ10にアクセスしてもよい。
【0022】
ユーザ端末20の制御部21は、入力部24を介して、サーバ10(物件検索サイト12S)へのアクセス指示を受け付けた場合、物件検索サイト12Sにアクセスする(S11)。サーバ10の制御部11は、ユーザ端末20からの要求に応じたウェブページ、ここでは物件検索サイト12Sの条件入力画面をユーザ端末20へ送信する(S12)。ユーザ端末20の制御部21は、サーバ10が送信したウェブページを受信し、受信したウェブページに基づいて、例えば図7Aに示すような条件入力画面を表示部25に表示する(S13)。図7Aに示す画面は、条件入力画面の初期画面であり、物件を検索する際のカテゴリの選択を受け付ける画面である。図7Aに示す例では、カテゴリとして、住所、沿線名及び駅名、建物名、学校区、映像コンテンツのクリエータが選択可能となっている。なお、図7Aに示す画面は、物件を検索するための任意の検索用キーワードを入力するための入力欄25aを有しており、住所の一部、駅名、建物名、学校名等の検索用キーワードに基づく物件検索が実行可能に構成されている。
【0023】
図7Aに示す画面において、いずれかのカテゴリが選択された場合、選択されたカテゴリに関する検索条件の入力を受け付ける画面がユーザ端末20に表示され、制御部21は、この画面を介して検索条件の入力を受け付ける。例えば、図7Aに示す画面において「住所からさがす」ボタンが選択された場合、ユーザ端末20の制御部21は、住所に関する検索条件を入力するための条件入力画面(図示せず)をサーバ10から取得して表示部25に表示し、この画面を介して住所に関する検索条件の入力を受け付ける。同様に、「沿線・駅からさがす」ボタンが選択された場合、制御部21は、沿線及び駅に関する検索条件を入力するための条件入力画面(図示せず)をサーバ10から取得して表示し、この画面を介して沿線及び駅に関する検索条件の入力を受け付ける。また「建物名からさがす」ボタンが選択された場合、制御部21は、建物名に関する検索条件を入力するための条件入力画面(図示せず)をサーバ10から取得して表示し、この画面を介して建物名に関する検索条件の入力を受け付ける。また「学校区からさがす」ボタンが選択された場合、制御部21は、学校区に関する検索条件を入力するための条件入力画面(図示せず)をサーバ10から取得して表示し、この画面を介して学校区に関する検索条件の入力を受け付ける。
【0024】
「映像コンテンツのクリエータからさがす」ボタンが選択された場合、制御部21は、例えば図7Bに示すような、クリエータに関する検索条件を入力するための条件入力画面をサーバ10から取得して表示する。図7Bに示す画面は、サーバ10に登録されているクリエータから任意のクリエータを選択するためのチェックボックスを有しており、チェックボックスを介して任意のクリエータの選択を受け付けることができる。これにより、クリエータ毎に物件検索の実行が可能であり、クリエータ毎の検索結果を提供することができる。また、図7Bに示す画面は、クリエータに関する任意の検索用キーワードを入力するための入力欄25bを有しており、クリエータの氏名の一部、所属する組織の名称の一部等の検索用キーワードに基づく物件検索が実行可能に構成されている。
【0025】
制御部21は、条件入力画面を介して検索条件の入力を受け付けたか否かを判断する(S14)。ここでは、制御部21は、図7Aに示す画面中の入力欄25aを介して検索用キーワードの入力を受け付けたか否か、図7Aに示す画面を介して選択されたカテゴリの条件入力画面を介して当該カテゴリに関する検索条件の入力を受け付けたか否かを判断する。なお、各カテゴリの条件入力画面を介した検索条件の入力は、画面中の入力欄(図7Bでは入力欄25b)を介して検索用キーワードの入力を受け付けたか否か、画面中のチェックボックス(図7Bではクリエータのチェックボックス)を介して検索条件(図7Bではクリエータ)が選択されたか否かを判断する。
【0026】
制御部21は、検索条件の入力を受け付けたと判断した場合(S14:YES)、受け付けた検索条件を表示する(S15)。例えば入力欄25a,25bに検索用キーワードが入力された場合、制御部21は、入力された検索用キーワードを入力欄25a,25bに表示する。また各カテゴリの条件入力画面中のチェックボックスを介して検索条件が選択された場合、制御部21は、選択された検索条件のチェックボックスにチェックマークを表示する。検索条件の入力を受け付けていないと判断した場合(S14:NO)、制御部21は、ステップS15の処理をスキップし、条件入力画面中の検索ボタンが操作されたか否かを判断する(S16)。検索ボタンが操作されていないと判断した場合(S16:NO)、制御部21は、ステップS14の処理に戻り、検索条件の入力受付を継続する。
【0027】
検索ボタンが操作されたと判断した場合(S16:YES)、制御部21は、条件入力画面を介して入力された検索条件をサーバ10へ送信し(S17)、検索条件に基づく検索処理の実行を要求する。サーバ10の制御部11は、ユーザ端末20から検索処理の実行を要求された場合、ユーザ端末20から取得した検索条件での検索処理を実行する(S18)。具体的には、制御部11は、ユーザ端末20から、任意の検索用キーワード又は各カテゴリに関する検索条件を取得し、取得した検索条件の情報が、物件情報DB12aに記憶してある各物件の情報に含まれる物件があるか否かを検索する。例えば制御部11は、任意の検索用キーワードを取得した場合、取得した検索用キーワードを、物件情報DB12aに記憶してあるいずれかの情報に含む物件を検索する。また制御部11は、住所に関する検索条件を取得した場合、検索条件の住所に合致する物件を検索し、沿線及び駅に関する検索条件を取得した場合、検索条件の沿線及び駅に合致する物件を検索する。また制御部11は、建物名に関する検索条件を取得した場合、検索条件の建物名に合致する物件を検索し、学校区に関する検索条件を取得した場合、検索条件の学校区に合致する物件を検索する。また制御部11は、クリエータに関する検索条件を取得した場合、検索条件のクリエータに合致する物件、即ち、当該クリエータが映像コンテンツを撮影した物件を検索する。
【0028】
制御部11は、検索した物件の情報を表示する検索結果画面(図示せず)を生成し(S19)、生成した検索結果画面をユーザ端末20へ送信する(S20)。検索結果画面は、検索された物件の情報を一覧表示する画面であり、各物件について、所在地、建物名、価格等の簡易情報のみを表示する。検索結果画面に表示される各物件の表示順序は、どのような順序でもよく、例えば、検索条件に合致する項目が多いほど上位の順序としてもよく、最寄り駅からの移動時間が短いほど上位の順序としてもよい。また、検索条件の各項目に予め、又は閲覧者からの指示に従って優先度を設定し、優先度の高い項目が合致する物件を上位の順序としてもよい。
【0029】
ユーザ端末20の制御部21は、サーバ10が送信した検索結果画面を取得して表示部25に表示する(S21)。検索結果画面は、検索された物件のいずれかに対する選択を受け付けるように構成されており、制御部21は、検索結果画面において、いずれかの物件が選択されたか否かを判断する(S22)。制御部21は、物件が選択されていないと判断した場合(S22:NO)、選択されるまで待機し、いずれかの物件が選択されたと判断した場合(S22:YES)、選択された物件の情報をサーバ10に要求する(S23)。
【0030】
サーバ10の制御部11は、ユーザ端末20からの要求に応じた物件の情報を物件情報DB12aから読み出し、図8に示すような物件画面を生成する(S24)。具体的には、制御部11は、物件情報DB12aから、当該物件の所在地、建物名、立地情報、建物情報、価格、及び映像コンテンツを読み出し、読み出した各情報を表示する物件画面を生成する。図8に示す画面は、例えば物件の玄関から物件内に入り、物件内の各部屋を撮影したメイン動画の映像コンテンツが表示される映像領域25cと、メイン動画以外の映像コンテンツのサムネイル画像が表示されるサムネイル領域25dとを有する。映像領域25cには、録画時間(図8では20秒)に対して再生位置を示すインジケータが表示されており、メイン動画の再生及び停止を指示するための再生停止ボタンB1、早送りを指示するための早送りボタンB2、早戻しを指示するための早戻しボタンB3が設けられている。サムネイル領域25dにサムネイル画像が表示される映像コンテンツは、静止画であっても動画であってもよく、動画の場合、最初の画像がサムネイル画像として表示されてもよい。映像コンテンツは、物件の外観の画像、物件の周辺の道路、公園、商業施設等の画像、建物の敷地内の自転車置場及び駐車場、建物の玄関、集合ポスト、エントランスホール、エレベータホール等建物の画像、玄関ポーチ、玄関扉、洗面所、お風呂、洗濯機用防水パン、キッチン、トイレ、各部屋等物件内部の画像を含む。また図8に示す画面は、映像コンテンツに対応付けて、当該映像コンテンツを撮影(制作)したクリエータの情報を表示する。
【0031】
制御部11は、生成した物件画面をユーザ端末20へ送信し(S25)、ユーザ端末20の制御部21は、サーバ10が送信した物件画面を取得して表示部25に表示する(S26)。図8に示す物件画面は、各サムネイル画像に対する選択を受け付けるように構成されており、ユーザは、閲覧したい映像コンテンツのサムネイル画像を選択する。制御部21は、物件画面において、いずれかの映像コンテンツ(サムネイル画像)が選択されたか否かを判断しており(S27)、選択されていないと判断した場合(S27:NO)、選択されるまで待機する。いずれかの映像コンテンツが選択されたと判断した場合(S27:YES)、制御部21は、選択された映像コンテンツをサーバ10に要求する(S28)。サーバ10の制御部11(出力部)は、ユーザ端末20から要求された映像コンテンツを物件情報DB12aから読み出し(S29)、読み出した映像コンテンツをユーザ端末20へ送信する(S30)。そして、制御部11は、状況DB12bにおいて、送信した映像コンテンツの閲覧回数に1を加算し、閲覧履歴にこのときの日時を記憶することにより、当該映像コンテンツの閲覧回数及び閲覧履歴を更新する(S31)。なお、物件画面は、映像領域25cに表示されるメイン動画の映像コンテンツに対して再生指示を受け付けるように構成されている。ユーザ端末20の制御部21は、メイン動画の再生指示を受け付けた場合、メイン動画の再生処理を開始し、当該メイン動画が再生されたことをサーバ10に通知する。この場合、サーバ10の制御部11は、状況DB12bにおいて、再生されたメイン動画の映像コンテンツの閲覧回数に1を加算し、閲覧履歴にこのときの日時を記憶することにより、メイン動画の閲覧回数及び閲覧履歴を更新する。なお、動画の映像コンテンツが再生された場合、ユーザ端末20の制御部21は、映像コンテンツが再生されたことに加えて、閲覧者が閲覧した時間(例えば再生開始から10秒等)を計測し、計測した閲覧時間をサーバ10に通知してもよい。この場合、サーバ10の制御部11は、動画の映像コンテンツに対して再生された箇所(時間)を取得して状況DB12bに記憶しておくことができる。
【0032】
ユーザ端末20の制御部21は、サーバ10が送信した映像コンテンツを取得して物件画面に表示する(S32)。例えば制御部21は、取得した映像コンテンツを、物件画面の上に重ねて表示する。これにより、サムネイル画像を介して選択された映像コンテンツを拡大して表示することができ、ユーザは、任意の映像コンテンツを閲覧することができる。なお、サムネイル画像を介して選択される映像コンテンツは、静止画であっても動画であってもよく、動画である場合、制御部21は、サーバ10から取得した映像コンテンツの再生を行う。制御部21は、上述した処理を終了するか否かを判断する(S33)。例えば制御部21は、物件画面に設けられた終了ボタン(図示せず)が操作された場合、ユーザによる処理の終了指示を受け付け、上述した処理を終了すると判断する。
【0033】
制御部21は、処理を終了しないと判断した場合(S33:NO)、例えばステップS27の処理に戻り、物件画面において、いずれかの映像コンテンツが選択される都度(S27:YES)、制御部21及びサーバ10の制御部11は、ステップS28~S32の処理を行う。処理を終了すると判断した場合(S33:YES)、制御部21は一連の処理を終了する。なお、図8に示す物件画面は、表示中の物件に対する問合せが可能に構成された問合せフォームへの移動を指示するための「問合せフォームへ」ボタンと、表示中の物件に対する契約に関する手続きが可能に構成された契約フォームへの移動を指示するための「契約フォームへ」ボタンとを有する。物件画面において「問合せフォームへ」ボタンが操作された場合、制御部21は、問合せフォームをサーバ10から取得して表示部25に表示する。問合せフォームは、物件に関する質問の入力欄と、問合せを行うユーザ(閲覧者)の情報の入力欄とを有し、制御部21は、問合せフォームを介して入力された問合せ情報をサーバ10へ送信する。これにより、物件情報を閲覧していたユーザは、閲覧していた物件に関する問合せを行うことができる。サーバ10の制御部11は、問合せフォームを介して問合せ情報を受け付けた場合、物件を管理する不動産会社、又は不動産会社の担当者宛に、問合せ情報を送信(転送)する。また、制御部11は、状況DB12bにおいて、問合せ情報を受け付けた物件に対応する問合せ回数に1を加算し、問合せ履歴にこのときの日時を記憶することにより、当該物件に対する問合せ回数及び問合せ履歴を更新しておく。
【0034】
また、物件画面において「契約フォームへ」ボタンが操作された場合、制御部21は、契約フォームをサーバ10から取得して表示部25に表示する。契約フォームは、物件の契約手続きに関する情報を表示し、契約に必要な契約情報の入力欄を有する。なお、ここでの契約は、不動産物件の購入契約であってもよく、賃貸契約であってもよい。制御部21は、契約フォームを介して入力された契約情報をサーバ10へ送信する。これにより、物件情報を閲覧していたユーザは、閲覧していた物件に対する契約の申し込みを行うことができる。サーバ10の制御部11は、契約フォームを介して契約情報を受け付けた場合、物件を管理する不動産会社、又は不動産会社の担当者宛に、契約情報を送信(転送)する。なお、サーバ10は、受信した契約情報に基づいて、契約成立が可能であるかを自動で判定するように構成されていてもよく、この場合、サーバ10で契約成立が可能であると判断した時点で契約成立としてもよい。契約が成立した場合、制御部11は、状況DB12bにおいて、契約が成立した物件に対応する契約状況を「契約済」に更新する。
【0035】
上述した処理により、サーバ10は、物件検索サイト12Sを介して物件の情報を提供することができ、閲覧者による各物件の映像コンテンツの閲覧状況、閲覧者による各物件に関する問合せ状況、各物件に対する契約状況を収集することができる。サーバ10は、上述した処理によって収集した各物件の映像コンテンツの閲覧状況、各物件に関する問合せ状況、各物件に対する契約状況に基づいて、各クリエータを評価する評価スコアを算出する処理を行うように構成されている。
【0036】
図9はクリエータの評価処理手順の一例を示すフローチャートである。以下の処理は、サーバ10の制御部11が、記憶部12に記憶してあるプログラム12Pに従って行う。本実施形態の情報処理システムにおいて、サーバ10は、例えば1週間に1回、1カ月に1回等、定期的に各クリエータに対する評価スコアを算出する処理を行う。よって、サーバ10の制御部11は、1週間に1回又は1カ月に1回等の所定のタイミングが到来した場合に以下の処理を実行し、各クリエータの評価を行う。なお、制御部11は、入力部14を介したユーザからの操作指示に従って以下の処理を実行してもよい。
【0037】
制御部11は、クリエータDB12cに登録されているクリエータのうちの1人を選択し(S41)、選択したクリエータが撮影(制作)した映像コンテンツを特定する(S42)。例えば制御部11は、物件情報DB12aに記憶してある各物件のコンテンツ情報から、選択したクリエータの情報(例えばクリエータID、氏名等)を検索し、選択したクリエータが撮影した映像コンテンツを特定する。なお、1つの物件の映像コンテンツを全て1人のクリエータが撮影する場合、制御部11は、選択したクリエータが映像コンテンツを撮影した物件を特定してもよい。
【0038】
制御部11は、特定した各映像コンテンツの閲覧回数を状況DB12bから取得する(S43)。なお、状況DB12bに記憶してある各映像コンテンツの閲覧履歴から、各映像コンテンツに対する各閲覧者の閲覧時間を算出できる場合、制御部11は、各映像コンテンツの閲覧回数に加えて、閲覧時間の合計を算出してもよい。また制御部11は、特定した各映像コンテンツの物件に対する問合せ回数を状況DB12bから取得する(S44)。更に制御部11は、特定した各映像コンテンツの物件に対する契約状況(契約成立の有無)を状況DB12bから取得する(S45)。
【0039】
次に制御部11は、各映像コンテンツの閲覧回数、問合せ回数、及び契約状況に応じて、各クリエータに対する評価スコアを算出する(S46)。例えば制御部11は、閲覧回数に応じた閲覧スコアと、問合せ回数に応じた問合せスコアと、契約状況に応じた契約スコアとを算出し、これらの合計を評価スコアとする。閲覧スコアは、例えば1回の閲覧に対して設定されているスコアに、閲覧回数を乗算することによって算出され、問合せスコアは、例えば1回の問合せに対して設定されているスコアに、問合せ回数を乗算することによって算出される。また、契約スコアは、契約が成立した場合に所定スコアが加算される。なお、閲覧スコアは、1回の閲覧に対して所定スコアを加算するほかに、各閲覧に対して閲覧時期に応じた重み付けを行って加算してもよい。例えば、閲覧時期が現在に近いほど重い重み付けを行うことにより、直近の時期に閲覧された映像コンテンツに対して高い評価スコアを算出することができる。また、閲覧時期が掲載開始日に近いほど重い重み付けを行ってもよく、この場合、掲載開始日の直後に閲覧された映像コンテンツに対して高い評価スコアを算出できる。また、各映像コンテンツに対する閲覧時間の合計を算出できる場合、閲覧スコアは、単位時間当たりのスコアに、算出された閲覧時間の合計を乗算することによって算出されてもよい。同様に、問合せスコアも、1回の問合せに対して所定スコアを加算するほかに、各問合せに対して問合せ時期に応じた重み付けを行って加算してもよい。
【0040】
制御部11は、算出した評価スコアを、ステップS41で選択したクリエータのクリエータIDに対応付けてクリエータDB12cに記憶する(S47)。そして、制御部11は、評価スコアを算出していないクリエータ(未処理のクリエータ)がいるか否かを判断し(S48)、いると判断した場合(S48:YES)、ステップS41に戻り、未処理のクリエータについて、ステップS41~S47の処理を実行する。
【0041】
未処理のクリエータがいないと判断した場合(S48:NO)、制御部11は、クリエータDB12cに記憶した各クリエータの評価スコアに基づいて、各クリエータに付与すべきインセンティブを特定する。そして、制御部11は、特定したインセンティブの内容をクリエータIDに対応付けてクリエータDB12cに記憶する(S49)。これにより、制御部11(付与部)は、評価スコアに応じたインセンティブ、物件の契約成立に応じたインセンティブをクリエータに付与することができる。なお、評価スコア及び契約成立に応じたインセンティブの内容は予め記憶部12に記憶されており、制御部11は、記憶部12の記憶内容に基づいて、各クリエータに付与すべきインセンティブを特定できる。上述した処理では、クリエータの評価スコアに契約状況に応じた契約スコアが加算され、最終的に算出された評価スコアに応じてインセンティブの内容が特定される。この構成のほかに、クリエータの評価スコアは閲覧スコア及び問合せスコアの合計値とし、この合計値の評価スコアに応じたインセンティブと、契約状況に応じたインセンティブとがクリエータに付与される構成でもよい。この場合でも、物件の契約状況に応じて、当該物件の映像コンテンツを制作したクリエータにインセンティブを付与することができる。
【0042】
本実施形態では、ネットワークN経由で物件情報を提供する情報処理システムにおいて、各物件の映像コンテンツに対する閲覧状況、各物件に対する問合せ状況及び契約状況に基づいて、当該物件の映像コンテンツを制作したクリエータを評価することができる。また、各クリエータに評価内容に応じたインセンティブを付与することができるので、クリエータのモチベーションの向上が期待できる。その結果、契約希望者の目に留まり、契約又は内見につながるような魅力的な映像コンテンツを集めることが可能となり、物件検索サイト12Sで提供される物件の映像コンテンツの価値を高めることができる。よって、物件情報として高品質の映像コンテンツの提供が可能となる。
【0043】
本実施形態の構成は、ネットワークN経由で不動産物件の映像コンテンツを提供する情報処理システムだけでなく、ネットワークNを介して種々の対象物を検索し、検索結果として対象物の映像コンテンツを提供する情報処理システムにも適用できる。このような情報処理システムに適用した場合でも、サーバ10は、ユーザ端末20から取得した検索条件に応じた対象物を検索して検索結果を提供できると共に、閲覧者による各対象物の映像コンテンツの閲覧状況、閲覧者による各対象物に関する問合せ状況、各対象物に対する契約状況(例えば購入状況等)を収集することができる。よって、サーバ10は、収集した各対象物の映像コンテンツの閲覧状況、各対象物に関する問合せ状況、各対象物に対する契約状況に基づいて、各クリエータを評価する評価スコアを算出することができ、評価スコアに応じたインセンティブを各クリエータに付与することができる。
【0044】
(実施形態2)
ユーザ端末20で入力された検索条件に基づく検索結果を表示する際に、高評価のクリエータが映像コンテンツを制作した物件を上位に表示する情報処理システムについて説明する。本実施形態の情報処理システムは、実施形態1の情報処理システムと同様の装置にて実現可能であるので、構成についての説明は省略する。
【0045】
図10は、実施形態2の物件の検索処理手順の一例を示すフローチャート、図11は、ユーザ端末20の画面例を示す模式図である。図10に示す処理は、図5及び図6に示す処理において、ステップS18,S19の間にステップS51~S53を追加したものである。図5及び図6と同じステップについては説明を省略する。また、図10では、図5中のステップS11~S16及び図6中の各ステップの図示を省略している。
【0046】
本実施形態の情報処理システムにおいて、ユーザ端末20及びサーバ10は、図5中のステップS11~S18と同様の処理を行う。そして、制御部11は、検索した各物件について、物件の映像コンテンツを制作したクリエータを、物件情報DB12aに記憶してあるコンテンツ情報に基づいて特定する(S51)。なお、1つの物件の全ての映像コンテンツを1人のクリエータが制作した場合、1人のクリエータが特定されるが、各映像コンテンツを異なるクリエータが制作した場合、各映像コンテンツのクリエータを特定してもよく、例えばメイン動画の映像コンテンツを制作したクリエータを代表クリエータとして特定してもよい。
【0047】
制御部11は、各物件について特定したクリエータの評価スコアをクリエータDB12cから取得する(S52)。そして、制御部11は、検索した各物件の表示順序(出力順序)を、クリエータの評価スコアが高いほど上位となるように決定する(S53)。制御部11は、決定した各物件の表示順序に従って、各物件の情報を表示する検索結果画面を生成し(S19)、生成した検索結果画面をユーザ端末20へ送信する(S20)。図11は検索結果画面例を示しており、図11に示す検索結果画面は、検索された物件の簡易情報を、各物件の映像コンテンツを制作したクリエータの評価スコアが高い順に表示する。図11に示す例では、各物件の所在地、建物名、価格、最寄り駅の沿線名及び駅名等に加えて、メイン動画を撮影(制作)した映像コンテンツと、当該映像コンテンツを制作したクリエータの情報及び当該クリエータの評価情報とが表示されている。クリエータの評価情報は、例えば評価スコアに応じた星の数で表現されており、第1閾値以上の評価スコアの場合、5つの黒い星で、第2閾値(第2閾値<第1閾値)以上第1閾値未満の評価スコアの場合、4つの黒い星で、第3閾値(第3閾値<第2閾値)以上第2閾値未満の評価スコアの場合、3つの黒い星で、第4閾値(第4閾値<第3閾値)以上第3閾値未満の評価スコアの場合、2つの黒い星で、第4閾値未満の評価スコアの場合、1つの黒い星でそれぞれ表現される。なお、クリエータの評価情報は、評価スコアがそのまま表示されてもよい。これにより、閲覧者は、物件の情報に加えて、物件の映像コンテンツを制作したクリエータを把握することができ、クリエータに応じて、映像コンテンツの閲覧回数の上昇、及び物件に対する問合せ回数の上昇が期待される。
【0048】
本実施形態では、上述した実施形態1と同様の効果が得られる。また本実施形態では、検索結果の物件の情報を、各物件の映像コンテンツを制作したクリエータの評価が高い順に提示することができる。よって、高評価のクリエータが映像コンテンツを制作した物件の物件情報を優先的に提示することが可能となるので、高評価されたクリエータへの仕事依頼が増加し、クリエータのモチベーションの向上が期待できる。
【0049】
本実施形態の構成は、上述した実施形態1の情報処理システムに適用可能であり、実施形態1の情報処理システムに適用した場合であっても同様の処理の実行が可能であり、同様の効果が得られる。また、本実施形態においても、上述した実施形態1で適宜説明した変形例の適用が可能である。
【0050】
各実施形態に記載した事項は相互に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載しても良い。
【0051】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。したがって、本発明には種々の設計変更が可能であり、それら設計変更したものも全て本発明に含まれる。
【0052】
例えば、上記実施形態においてクリエータが撮影する映像コンテンツについては、物件ごとに、必ず撮影しなければならないポイント(例えば、玄関、靴箱、廊下、トイレ、キッチン、ダイニング、リビング、ベッドルーム、書斎、ベランダ等)を指定して撮影させてもよい。これにより、閲覧状況において、どのポイントでユーザが閲覧を中止したか等を分析することができる。
【0053】
また、低評価のクリエータが映像コンテンツを制作した物件や、成約又は売約がなかなか決まらない物件については、例えば所定の割合範囲で価格を下げることにより、上位に表示するように構成してもよい。これにより物件の成約又は売約の回転率を挙げることができる。クリエータのモチベーションを上げるために、高評価のクリエータについては表彰制度を設けて表彰する等してもよい。
【0054】
以上のように、本発明によれば、映像コンテンツによる不動産物件の紹介内容やマッチングの質を向上させて、契約希望者及びオーナーを含むユーザの顧客満足度を高めることができ、また、映像コンテンツを提供するクリエータを有効利用できる。したがって、本発明によれば、少なくとも不動産業界及びクリエータ業界の両方の活性化に繋がる。本情報処理システムの運営者は、不動産会社に限られないため、不動産会社を通さずとも、契約希望者とオーナーとの間での個別の不動産(賃貸・譲渡)取引も可能となる。
【符号の説明】
【0055】
10 サーバ
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
20 ユーザ端末
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
12S 物件検索サイト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図11