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特開2024-41056プローブジョイント及びバネ式プローブ構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041056
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】プローブジョイント及びバネ式プローブ構造
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/067 20060101AFI20240318BHJP
【FI】
G01R1/067 C
G01R1/067 B
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023146582
(22)【出願日】2023-09-09
(31)【優先権主張番号】111134566
(32)【優先日】2022-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】523281076
【氏名又は名称】晝思有限公司
【氏名又は名称原語表記】AZOTH STUDIO LTD. CO.
(74)【代理人】
【識別番号】100228304
【弁理士】
【氏名又は名称】呂 勁毅
(72)【発明者】
【氏名】林卓儀
【テーマコード(参考)】
2G011
【Fターム(参考)】
2G011AA09
2G011AB01
2G011AB03
2G011AB04
2G011AB05
2G011AC21
2G011AC31
2G011AE03
2G011AF05
(57)【要約】
【課題】高硬度、長い測定寿命を有するのみならず、コストが低く、納期が短く、製造が容易なメリットを有し、測定時に高電流伝達効果及び低抵抗値の安定性を有するMEMSプローブヘッドを提供する。
【解決手段】プローブヘッド及び導電部材を含むプローブジョイントであって、プローブヘッドは、互いに接続されている接触部及びドッキング部を含み、プローブヘッドは、MEMSプロセスによって作成され、接触部は、ドッキング部の一端に位置し、サイズがドッキング部から離れるにつれて小さくなり、接触部は、測定対象と接触するように用いられ、ドッキング部は、径方向に延長する変形可能部を有し、導電部材は、接続セクションを有し、接続セクションの一端は、凸部及びノッチを有し、凸部は、キャリア空間を形成し、ノッチは、キャリア空間に連通し、組み合わせる際に、ドッキング部がキャリア空間に設置される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブヘッド及び導電部材を含むプローブジョイントであって、
前記プローブヘッドは、互いに接続されている接触部及びドッキング部を含み、
前記プローブヘッドは、MEMSプロセスによって作成され、
前記接触部は、前記ドッキング部の一端に位置し、サイズが前記ドッキング部から離れるにつれて小さくなり、
前記接触部は、測定対象と接触するように用いられ、
前記ドッキング部は、径方向に延長する変形可能部を有し、
前記導電部材は、接続セクションを有し、
前記接続セクションの一端は、凸部及びノッチを有し、
前記凸部は、キャリア空間を形成し、
前記ノッチは、前記キャリア空間に連通し、組み合わせる際に、前記ドッキング部が前記キャリア空間に設置され、
前記変形可能部は、前記ノッチを通じて前記接続セクションの外部に延長し、
前記変形可能部は、外力を受けて変形される場合、前記凸部に変形部を形成し、
前記変形部は、前記プローブヘッドと前記導電部材が分離できないように、前記凸部の外周面の少なくとも一部を部分的に囲むことを特徴とするプローブジョイント。
【請求項2】
前記ドッキング部は、ビッカース硬度(Hv)が500以下であることを特徴とする請求項1に記載のプローブジョイント。
【請求項3】
前記ドッキング部及び前記変形可能部の硬度は、前記接触部の硬度以下であることを特徴とする請求項1に記載のプローブジョイント。
【請求項4】
前記接触部の高さは、525μmよりも低く、
前記ドッキング部の高さは、1000μmよりも低いことを特徴とする請求項1に記載のプローブジョイント。
【請求項5】
前記ドッキング部及び前記変形可能部は、国際的に採択された焼鈍標準軟銅の30%以上の材料であることを特徴とする請求項1に記載のプローブジョイント。
【請求項6】
前記ドッキング部及び前記変形可能部の材料は、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、カーボン(C)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、錫(Sn)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、インジウム(In)及びルテニウム(Ru)から選択される少なくとも1種類の元素を含むことを特徴とする請求項5に記載のプローブジョイント。
【請求項7】
前記変形可能部は、少なくとも一部が前記接触部の外周及び前記ノッチの範囲を超えることを特徴とする請求項1に記載のプローブジョイント。
【請求項8】
前記ドッキング部及び前記変形可能部で形成された径方向サイズは、前記キャリア空間及び前記ノッチで形成された径方向サイズよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のプローブジョイント。
【請求項9】
前記変形可能部の幅は、前記ノッチの幅以下であることを特徴とする請求項1に記載のプローブジョイント。
【請求項10】
前記変形部の数は、複数であり、
複数の前記変形部の少なくとも1つの面積は、他の前記変形部の面積とは異なることを特徴とする請求項1に記載のプローブジョイント。
【請求項11】
前記変形可能部の外周面には、フランジを有し、
前記フランジは、前記凸部の外周面を部分的に囲むことを特徴とする請求項1に記載のプローブジョイント。
【請求項12】
前記導電部材の材料は、銅及び銅合金であり、
前記銅合金は、銅(Cu)、並びに銀(Ag)、金(Au)、カーボン(C)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、錫(Sn)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、インジウム(In)ホウ素(B)、リン(P)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)及びルテニウム(Ru)から選択される少なくとも1種類の合金元素を含むことを特徴とする請求項1に記載のプローブジョイント。
【請求項13】
前記凸部の数は、複数であり、
複数の前記凸部の少なくとも1つの形状は、他の前記凸部の形状とは異なることを特徴とする請求項1に記載のプローブジョイント。
【請求項14】
前記ノッチの数は、複数であり、
複数の前記ノッチの少なくとも1つの幅は、他の前記ノッチの幅とは異なることを特徴とする請求項1に記載のプローブジョイント。
【請求項15】
プローブジョイントと、パイプと、プランジャーと、弾性部材とを備えるバネ式プローブ構造であって、
前記プローブジョイントは、プローブヘッド及び導電部材を含み、
前記プローブヘッドは、互いに接続されている接触部及びドッキング部を含み、
前記プローブヘッドは、MEMSプロセスによって作成され、
前記接触部は、前記ドッキング部の一端に位置し、サイズが前記ドッキング部から離れるにつれて小さくなり、
前記接触部は、測定対象と接触するように用いられ、
前記ドッキング部は、径方向に延長する変形可能部を有し、
前記導電部材は、接続セクションを有し、
前記接続セクションの一端は、凸部及びノッチを有し、
前記凸部は、キャリア空間を形成し、前記ノッチは、前記キャリア空間に連通し、組み合わせる際に、前記ドッキング部が前記キャリア空間に設置され、
前記変形可能部は、前記ノッチを通じて前記接続セクションの外部に延長し、
前記変形可能部は、外力を受けて変形される場合、前記凸部に変形部を形成し、
前記変形部は、前記プローブヘッドと前記導電部材が分離できないように、前記凸部の外周面の少なくとも一部を部分的に覆い、
前記接続セクションは、前記キャリア空間から離れた他のセクションにおいて、さらに第1ネックセクション、第2ネックセクション及び第3ネックセクションを含み、
前記第2ネックセクションは、前記第1ネックセクションと前記第3ネックセクションとの間に位置するとともに、径方向サイズが前記第1ネックセクション及び前記第3ネックセクションのそれぞれの径方向サイズよりも小さく、
前記パイプは、放置空間を有し、
前記導電部材は、前記第3ネックセクションで前記放置空間内に挿入した後、前記パイプの外壁が外力を受けて前記パイプ内に突出するキャッチ部が形成され、
前記キャッチ部は、前記パイプと前記導電部材との分離を防止するように、前記第2ネックセクションに固定されており、
前記プランジャーは、移動可能に前記パイプの前記放置空間内に設置され、
前記プランジャーは、サイズの小さいピン部が前記パイプの外部に延長することができ、
前記プランジャーは、離脱しないように、前記パイプ内に移動でき、
前記弾性部材は、圧縮可能なバネであり、
前記弾性部材は、前記放置空間内に設置され、両端が前記プランジャー及び前記プローブヘッドにそれぞれ接触されることを特徴とするバネ式プローブ構造。
【請求項16】
前記接続セクションの外径は、前記パイプの内径以上であることを特徴とする請求項15に記載のバネ式プローブ構造。
【請求項17】
前記第3ネックセクションの外径は、前記パイプの内径以下であることを特徴とする請求項15に記載のバネ式プローブ構造。
【請求項18】
前記キャッチ部は、前記第2ネックセクションの一部の外周面の少なくとも一部に部分的に固定されていることを特徴とする請求項15に記載のバネ式プローブ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的測定に用いられるプローブに係る技術分野に属し、特にコストが低く、納期が短く、製造が容易なMEMSジョイントであって、組み合わせた安定性が優れ、高電流伝達特性を有するプローブジョイント及びバネ式プローブ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェハは、半導体製造工程によって製造された後、多数のダイの品質をチェックするために、電気的接触を介して信号伝達が正常に動作し、又は演算することができるかを測定する必要がある。一般には、ダイ回線の電気的接続が確実であるか、又は信号伝達に問題があるかを測定するために、プローブを測定装置と測定対象であるチップとの間における測定媒介として、信号伝達及び電気信号分析により、測定対象であるダイの測定結果を取得する。
【0003】
プローブ装置は、測定時に、場合によって、例えば、接触パッドのような平面の構造を測定するのではなく、三次元の接触構造、例えば、導体材料からなるボール形状を測定することもある。このような三次元の接触構造について、ボールである場合はバンプと呼ばれ、金属柱(特に銅である)である場合はボスと呼ばれる。当該ボールやボスは、測定対象の表面から突出した。上記測定作業に適用されるものは、バネ式プローブが好ましい。
【0004】
図1は、従来のバネ式プローブを示す模式図である。当該バネ式プローブは、長筒状のケース90の両端にプローブヘッド91とプランジャー92がそれぞれ設置される。前記プローブヘッド91は、前記ケース90の上部に固定されるとともに、前記プランジャー92が前記ケース90から離脱しないように短距離で線的に移動することができる。前記ケース90には、バネ93がさらに設けられる。前記バネ93の両端は、接触時にクッションのある弾性を確保するために、前記プローブヘッド91と前記プランジャー92にそれぞれ接触される。測定時に、前記プランジャー92がプローブ測定装置の回路に接触し、前記プローブヘッド91が測定対象に接触する。前記測定対象は、例えば、ウェハに散在されるダイである。
【0005】
図1に係る実施例では、前記プローブヘッド91は、MEMSプロセスによって製造された。プローブヘッド91は、先端が突出している接触部911、第1本体部912、第2本体部913、及び第3本体部914を有する。しかし、このようなMEMSプロセスによって製造されたプローブヘッド91は、複数の平面が積層されてなる構造であって、半導体プロセスを用いて垂直方向に順に積層されたものである。金属ケース90、バネ93、及びプランジャー92等の構造と組み合わせてバネ式プローブを構成する難易度を軽減するために、一定の高さまで積層されなければならない。詳しく言えば、プローブヘッド91における各部品は、パターン転写工程、パターン現像工程、金属蒸着工程、研削・平坦化工程、エッチング工程等の複数の工程により製造される必要がある。また、各部品の厚さや高さが異なるから、複数の平面構造を積層して部品を製造するために、上記複数の工程を繰り返して行う必要がある。よって、全てMEMSプロセスによってプローブヘッドを製造する場合、コストが高く、製造期間が長くなるため、市場価格及び納期の要求を満たすことが困難となる。なお、製造コスト及び製造期間を減少するために、MEMSプロセスによるプローブヘッド91の平面構造の数を減少させることができるが、バネ式プローブを構成するために、微小なプローブヘッド91をさらに金属ケース90、バネ93、プランジャー92等の構造と組み合わせる必要がある。プローブヘッド91のサイズが微小化になるほど、加工や組合いの困難性が高くなる。その原因として、プローブは、MEMSプロセスによって製造された高硬度の接触端を備えるのみならず、電気的接触及び電気的分離を繰り返して測定を行う作業中では、部品間の剛性を維持しなければならないためである。よって、本発明は、測定寿命が長く、製造コストが低く、納期が短く、製造が容易なMEMSプローブヘッドを備えるバネ式プローブを製造することを課題としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】台湾出願第109143333号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、プローブジョイント及びバネ式プローブを提供することを目的としている。前記プローブジョイントは、MEMSプローブヘッド及び導電部材で構成される。両者は、それぞれ最適な製造手法で同時に製造された後、部品をリベットで固定することで、組み合わせた後の剛性を確保することができる。MEMSプローブヘッドの高硬度を有するのみならず、全体として製造コストが低く、納期が短く、製造が容易なメリットも有する。続いて、バネ式プローブを完成した後、プローブが長時間の測定に用いられる場合、部品が分離することもないため、高い測定寿命、優れた剛性、高電流伝達効果、及び低抵抗値の安定性の要求を満たす。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を実現するために、本発明は、下記手段を採用する。
【0009】
本発明は、プローブヘッド及び導電部材を含むプローブジョイントであって、前記プローブヘッドは、互いに接続されている接触部及びドッキング部を含み、前記プローブヘッドは、MEMSプロセスによって作成され、前記接触部は、前記ドッキング部の一端に位置し、サイズが前記ドッキング部から離れるにつれて小さくなり、前記接触部は、測定対象と接触するように用いられ、前記ドッキング部は、径方向に延長する変形可能部を有し、前記導電部材は、接続セクションを有し、前記接続セクションの一端は、凸部及びノッチを有し、前記凸部は、キャリア空間を形成し、前記ノッチは、前記キャリア空間に連通し、組み合わせる際に、前記ドッキング部が前記キャリア空間に設置され、前記変形可能部は、前記ノッチを通じて前記接続セクションの外部に延長し、前記変形可能部は、外力を受けて変形される場合、前記凸部に変形部を形成し、前記変形部は、前記プローブヘッドと前記導電部材が分離できないように、前記凸部の外周面の少なくとも一部を部分的に囲むことを特徴とするプローブジョイントを提供する。
【0010】
好ましい実施形態として、前記ドッキング部は、ビッカース硬度(Hv)が500以下である。
【0011】
好ましい実施形態として、前記ドッキング部及び前記変形可能部の硬度は、前記接触部の硬度以下である。
【0012】
好ましい実施形態として、前記接触部の高さは、525μmよりも低く、前記ドッキング部の高さは、1000μmよりも低い。
【0013】
好ましい実施形態として、前記ドッキング部及び前記変形可能部は、国際的に採択された焼鈍標準軟銅の30%以上の材料である。
【0014】
好ましい実施形態として、前記ドッキング部及び前記変形可能部は、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、カーボン(C)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、錫(Sn)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、インジウム(In)及びルテニウム(Ru)から選択される少なくとも1種類の元素を含む。
【0015】
好ましい実施形態として、前記変形可能部は、少なくとも一部が前記接触部の外周及び前記ノッチの範囲を超える。
【0016】
好ましい実施形態として、前記ドッキング部及び前記変形可能部で形成された径方向サイズは、前記キャリア空間及び前記ノッチで形成された径方向サイズよりも大きい。
【0017】
好ましい実施形態として、前記変形可能部の幅は、前記ノッチの幅以下である。
【0018】
好ましい実施形態として、前記変形部の数は、複数であり、複数の前記変形部の少なくとも1つの面積は、他の前記変形部の面積とは異なる。
【0019】
好ましい実施形態として、前記変形可能部の外周面には、フランジを有し、前記フランジは、前記凸部の外周面を部分的に囲む。
【0020】
好ましい実施形態として、前記導電部材の材料は、銅及び銅合金であり、前記銅合金は、銅(Cu)、並びに銀(Ag)、金(Au)、カーボン(C)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、錫(Sn)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、インジウム(In)ホウ素(B)、リン(P)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)及びルテニウム(Ru)から選択される少なくとも1種類の合金元素を含む。
【0021】
好ましい実施形態として、前記ノッチの数は、複数であり、複数の前記ノッチの少なくとも1つの幅は、他の前記ノッチの幅とは異なる。
【0022】
好ましい実施形態として、前記凸部の数は、複数であり、複数の前記凸部の少なくとも1つの形状は、他の前記凸部の形状とは異なる。
【0023】
本発明は、プローブジョイントと、パイプと、プランジャーと、弾性部材とを備えるバネ式プローブ構造であって、前記プローブジョイントは、プローブヘッド及び導電部材を含み、前記プローブヘッドは、互いに接続されている接触部及びドッキング部を含み、前記プローブヘッドは、MEMSプロセスによって作成され、前記接触部は、前記ドッキング部の一端に位置し、サイズが前記ドッキング部から離れるにつれて小さくなり、前記接触部は、測定対象と接触するように用いられ、前記ドッキング部は、径方向に延長する変形可能部を有し、前記導電部材は、接続セクションを有し、前記接続セクションの一端は、凸部及びノッチを有し、前記凸部は、キャリア空間を形成し、前記ノッチは、前記キャリア空間に連通し、組み合わせる際に、前記ドッキング部が前記キャリア空間に設置され、前記変形可能部は、前記ノッチを通じて前記接続セクションの外部に延長し、前記変形可能部は、外力を受けて変形される場合、前記凸部に変形部を形成し、前記変形部は、前記プローブヘッドと前記導電部材が分離できないように、前記凸部の外周面の少なくとも一部を部分的に覆い、前記接続セクションは、前記キャリア空間から離れた他のセクションにおいて、さらに第1ネックセクション、第2ネックセクション及び第3ネックセクションを含み、前記第2ネックセクションは、前記第1ネックセクションと前記第3ネックセクションとの間に位置するとともに、径方向サイズが前記第1ネックセクション及び前記第3ネックセクションのそれぞれの径方向サイズよりも小さく、前記パイプは、放置空間を有し、前記導電部材は、前記第3ネックセクションで前記放置空間内に挿入した後、前記パイプの外壁が外力を受けて前記パイプ内に突出するキャッチ部が形成され、前記キャッチ部は、前記パイプと前記導電部材との分離を防止するように、前記第2ネックセクションに固定されており、前記プランジャーは、移動可能に前記パイプの前記放置空間内に設置され、前記プランジャーは、サイズの小さいピン部が前記パイプの外部に延長することができ、前記プランジャーは、離脱しないように、前記パイプ内に移動でき、前記弾性部材は、圧縮可能なバネであり、前記弾性部材は、前記放置空間内に設置され、両端が前記プランジャー及び前記プローブヘッドにそれぞれ接触されることを特徴とするバネ式プローブ構造を提供する。
【0024】
好ましい実施形態として、前記接続セクションの外径は、前記パイプの内径以上である。
【0025】
好ましい実施形態として、前記第3ネックセクションの外径は、前記パイプの内径以下である。
【0026】
好ましい実施形態として、前記キャッチ部は、前記第2ネックセクションの一部の外周面の少なくとも一部に部分的に固定されている。
【0027】
従来技術と比べて、本発明は、MEMESプロセス及び機械加工によりMEMSプローブジョイントが製造される。前記プローブジョイントは、高硬度の接触部及び高導電率の接続セクション等を有するのみならず、大量製造の場合、全てMEMESプロセスにより製造されたプローブヘッドと比べて、本発明は、MEMSプロセスにより製造されたプローブヘッドの部品の数を減少することができる。例えば、公知の4層のMEMSプローブヘッドと比べて、2層に減縮されたMEMSプローブヘッドである本発明は、全てMEMSプロセスにより製造されたプローブヘッドの工程数及び製造コストを減少することができる。また、前記導電部材は、機械加工により製造された中実の円柱であるため、ドッキング部を有するMEMSプローブヘッドが前記導電部材の一端と組み合わせて剛性のあるプローブジョイントを容易かつ迅速に形成できる。これにより、MEMESプロセスにより製造された接合部の数を減少し、プローブヘッドとパイプを組み合わせる歩留まりを向上させることができる。さらに、前記導電部材の他端と前記パイプがリベットされることにより、MEMSプローブジョイントを有するバネ式プローブを形成することができる。本発明に係るMEMSプローブジョイントは、前記導電部材に係る製造コストが増加するが、全てMEMSプローブヘッドを採用する製造コスト及び製造期間を大幅に減少することができる。当該導電部材に係るコストは、MEMSプロセスを採用する製造コスト及び時間コストよりもはるかに低くなるのみならず、少構造層数のMEMSプローブヘッドを組み合わせるときに歩留まりが悪くなる課題も改善することができる。さらにまた、前記MEMSプローブヘッドと前記導電部材は、それぞれ前期工程で同時に製造されることができるため、製造期間を減縮させることができる。その後、接合してリベットすることにより、整合コストが低く、納期が短く、容易に製造なMEMSプローブヘッドを形成することで、プローブヘッドの製造コストを節約することができる。最後、パイプと組み合わせてMEMSプローブジョイントを備えるバネ式プローブを形成することで、測定時に、高硬度、長い測定寿命、高電流伝達効果及び低抵抗値の安定性を有するため、現在プローブの微小化という要求を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、従来のバネ式プローブの分解模式図である。
図2図2は、本発明に係る第1実施例の分解模式図である。
図3図3は、本発明に係る第1実施例の組み合わせた後の立体図である。
図4A図4Aは、本発明に係る他の実施例の接触部の図である。
図4B図4Bは、本発明に係るさらに他の実施例の接触部の図である。
図5図5は、本発明に係る第1実施例の断面拡大図である。
図6A図6Aは、本発明に係る第2実施例の分解図である。
図6B図6Bは、本発明に係る第2実施例の断面模式図である。
図7図7は、本発明に係る第3実施例の分解図である。
図8図8は、本発明に係る第4実施例の分解図である。
図9図9は、本発明に係る第5実施例の分解図である。
図10図10は、本発明に係る第6実施例の分解図である。
図11図11は、本発明に係る第7実施例の分解図である。
図12図12は、本発明に係る第8実施例の分解図である。
図13図13は、本発明を備えるバネ式プローブの立体図である。
図14図14は、本発明を備えるバネ式プローブの断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、具体的な実施例及び図面を参照しながら、本発明に係る技術を詳細に説明する。また、特に説明するものとして、一方の要素が他方の要素に「取り付けされ、又は固定される」と記載する場合は、一方の要素が他の要素に直接に設置され、又はさらなる要素を介して設置されることを意味する。さらに、一方の要素が他方の要素に「接続する」と記載する場合は、一方の要素が他の要素に直接に接続され、又はさらなる要素を介して接続されることを意味する。「軸方向」とは、要素の中心軸の方向を意味する。「径方向」とは、要素の中心軸に垂直である方向を意味する。実施例では、上、下、左、右、前、後等の方向は相対的であって、本願における異なる要素の構造及び動きが相対的であることを意味する。図面に示される位置に要素が設置される場合は、このような表現が正しい。しかし、要素の位置に関する説明が変わる場合、このような表現がそれに応じて変わる。
【0030】
特別な定義がない限り、本明細書に記載されている技術的用語及び科学的用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が一般に理解できる意味と同一の意味を持つ。本明細書に記載されている技術的用語は、具体的な実施例を説明するために用いられるものであるから、本発明を制限するものではない。本明細書に記載されている「及び/又は」は、1つ又は複数の関連要素を任意に組み合わせ、又はその全部を組み合わせることを意味する。
【0031】
図2及び図3には、本発明に係る第1実施例の分解図及び組み合わせた後の立体図を示す。本発明に係るプローブジョイントは、プローブヘッド10及び導電部材20を含む。前記プローブヘッド10は、互いに接続されている接触部11及びドッキング部12を含む。前記プローブヘッド10は、MEMSプロセスによって作成された多層の平面構造が垂直方向に積層されて作成された。前記接触部11は、前記ドッキング部の一端に位置し、サイズが前記ドッキング部12から離れるにつれて小さくなる。前記接触部11は、測定対象と接触するように用いられる。前記ドッキング部12は、周辺に変形可能部12を有する。前記変形可能部12は、径方向から外部へと延長する。前記導電部材20は、導電性を有する金属柱状であり、接続セクションを有する。前記接続セクション21の一端は、凸部211及びノッチ212を有する。前記凸部211は、キャリア空間213を形成する。前記ノッチ212は、前記キャリア空間213に連通し、組み合わせる際に、前記ドッキング部12が前記キャリア空間213に設置される。前記変形可能部121は、前記ノッチ212を通じて前記接続セクションの外部に延長する。前記変形可能部121は、外力を受けて変形される場合、前記凸部211の外周面に変形部122を形成する。前記変形部122は、前記プローブヘッド10と前記導電部材20が分離しないように、前記凸部211の外周面の少なくとも一部を部分的に覆う。このように構成されたプローブジョイントは、MEMSプロセスによって製造された高硬度の接触部、及び機械加工された導電部材を有する。詳しく言えば、このように構成されたプローブジョイントは、MEMSプロセスによる平面構造の数を減少し、MEMSプローブヘッドの製造期間を減縮することができるとともに、機械加工された導電部材で補強されることができる。同様な製造工程により製造された場合、本発明は、全てMEMSプロセスによって製造されたプローブヘッドと比べると、製造された各部品をより迅速に組み合わせてプローブジョイントを製造することができるため、生産性を向上し、納期を短縮し、製造コストを低減することができる。さらに、部品がリベット留めされた後、依然として、MEMSプローブヘッドの機能を保有し、その後に、組み合わせることにより、バネ式プローブの構造を容易に完成することができる。
【0032】
続いて、各部品の構造を詳しく説明する。
【0033】
本発明に係るプローブヘッド10は、順に積層された接触部11とドッキング部12を有する。本発明に係るプローブヘッド10は、MEMS(microelectromechanical systems)プロセスによって製造される。まず、前記接触部11を形成し、前記接触部11に前記ドッキング部12と変形可能部121を一体として形成した後、形成する時間を調整することにより、前記ドッキング部12と前記変形可能部121の軸方向のサイズを調整する。この製造方法は、半導体製造工程において、まず基板に一定のパターンをエッチングし、対応の導電材料を順に積層した後、残る材料を除去することで、本発明に係るプローブヘッド10を形成することができる。
【0034】
前記接触部11及び前記ドッキング部12は、優れた導電性を有する材料で構成されるが、構成材料が完全に同一である必要がない。前記接触部11は、電気的測定を行う際に検出対象に繰り返して接触するために用いられるため、優れた摩耗性及び高硬度の材料、例えば、ニッケル及びニッケル合金で構成される。そこで、前記ニッケル合金は、ニッケル及び鉄(Fe)、タングステン(W)、銅(Cu)、ホウ素(B)、炭素(C)、コバルト(Co)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)から選択される少なくとも1種類の合金元素を含む。前記接触部11の形状は、サイズが前記ドッキング部12から離れるにつれて小さくなる。その形状は、円錐形、四角錐形、又は多角形の立体斜円錐形であってもよい。また、接触部11は、中摩耗性、低抵抗値の材料、例えば、パラジウム、又はパラジウム合金を使用することができる。当該パラジウム合金は、パラジウム(Pd)、並びにニッケル(Ni)、銅(Cu)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、インジウム(In)、マンガン(Mn)、及びカーボン(C)から選択される少なくとも1種類の合金元素を含んでもよい。本実施例では、前記接触部11は、前記ドッキング部12の所在する箇所に接続する。前記ドッキング部12が前記キャリア空間213内に位置するとき、前記変形可能部121は、前記ノッチ212に対応し、一部が前記ノッチ212を超える。前記変形可能部121と前記ノッチ212は、互いに対応する。本実施例において、前記接触部11の数が1つである例を示すが、これに限定されない。図4A及び図4Bを参照し、図4Aは、前記接触部11が複数の円錐形状を有するものを示し、図4Bは、前記接触部11が四角錐の形状を有するものを示す。前記接触部11の数が1つ又は複数である場合、高さが525μmよりも小さく、尖端の最大径方向のサイズが25μmよりも小さい。また、前記接触部11の数が複数である場合、接触部11同士の距離は少なくとも10μmである。
【0035】
前記ドッキング部12は、国際的に採択された焼鈍標準軟銅(IACS)の30%以上の導電率を有する材料で構成される。前記材料は、下記銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、カーボン(C)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、錫(Sn)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、インジウム(In)及びルテニウム(Ru)から選択される少なくとも1種類の元素を含む。前記ドッキング部12及び前記変形可能部121の硬度は、前記接触部11の硬度以下である。本実施例において、前記ドッキング部12及び前記変形可能部121は、ビッカース硬度(Hv)が500以下である。前記ドッキング部12は、前記キャリア空間213内に取り付けられるように用いられるため、径方向サイズが700μmよりも小さく、高さが1000μmよりも小さい。前記ドッキング部12は、円柱状又は多角柱状であり、径方向に延長して前記変形可能部121を形成する。前記変形可能部121は、前記ドッキング部12から突出するため、自動光学検査(AOI)により図形識別の画像認識を容易に行い、設備により物体を自動的にピック及び放置することが容易に行うことができる。これにより、ピッキング、放置、位置合わせを正確かつ迅速に行われることができるため、本発明に係る自動生産の需要を満たす。
【0036】
前記導電部材20は、機械加工により製造され、例えば、機械的切断により希望の形状になるように製造された。この製造技術は、周知の技術であるため、製造時間及びコストを大幅に減縮することができる。前記導電部材20の材料は、銅及び銅合金であってもよく、前記銅合金は、銅(Cu)、並びに銀(Ag)、金(Au)、カーボン(C)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、錫(Sn)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、インジウム(In)ホウ素(B)、リン(P)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)及びルテニウム(Ru)から選択される少なくとも1種類の合金元素を含む。前記導電部材20は、中実の円柱であり、前記プローブヘッド10に対応する一端には、前記凸部211及びこれに連通する前記ノッチ212を有する。前記凸部211は、前記キャリア空間213を形成する。前記キャリア空間213内の空間は、前記ドッキング部12が前記キャリア空間213に設置されるように、前記ドッキング部12の形状に対応する。前記ノッチ212の幅L1が前記変形可能部121の幅L2以上であり、径方向の長さが前記変形可能部121の径方向の長さよりも小さいため、前記変形可能部が前記ノッチ212に取り付けされる場合、突出した径方向の長さが前記接続セクション21径の方向サイズの50%以下となる。
【0037】
本発明は、機械加工により製造された前記導電部材20とMEMSプロセスにより製造されたプローブヘッド10を組み合わせてプローブジョイントを形成することを設計ポイントとする。したがって、前記プローブヘッド10のサイズを薄くすることで、MEMESプロセスにかかる必要な製造期間及びコストを節約することができる。容易かつ迅速に加工し、低いコストの前記導電部材20に配合することにより、前記プローブヘッド10と前記導電部材20をリベットしてMEMSプローブヘッドを備えるプローブジョイントを形成することができる。このようなMEMSプローブジョイントは、生産性のコストが低く、納期が短く、容易にバネ式プローブを製造できるメリットを有するため、測定時に、高硬度、長い測定寿命、高電流伝達効果、及び低抵抗値の安定性を有するとともに、現在のプローブを微小化にする需要を満たすことができる。図5に示すように、接合する際に、前記ドッキング部12は、前記キャリア空間213内に設置される。そして、前記変形可能部121は、前記ノッチ212を通じて外部へと延長する。機械的な補助手段(例えば、機械的なクランプでクランプする)によって外力を与えることで、前記変形可能部121は、外力を受けて前記凸部211の外部に変形部121を形成する。前記変形部122は、前記変形可能部121の一部の材料が延長して前記凸部211の外周面の少なくとも一部を覆うことにより、両者の間で良好なリベット止め効果を得ることができる。また、前記変形部122の数が複数である場合、複数の前記変形部122のうちの少なくとも1つの面積は、他の前記変形部122の面積と異なる。
【0038】
上記実施例において、本発明に係るプローブジョイントについては、前記プローブヘッド10を用いて前記変形可能部121と前記導電部材20における前記ノッチ212に配合するものであるが、これに限定されない。以下、様々な実施例を挙げて説明する。
【0039】
図6Aは、本発明の第2実施例の分解図を示す。本実施例において、プローブジョイントは、プローブヘッド10A及び前記導電部材20Aで構成されるが、前記プローブヘッド10Aは、前記接触部11、前記ドッキング部12、及びその径方向に延長する2つの変形可能部121で構成される。前記導電部材20Aの前記接続セクション21は、前記キャリア空間213及びこれに連通する2つの前記ノッチ212を有する。そこで、2つの前記変形可能部121と2つの前記ノッチ212は、それぞれ180度の間隔で対応して設置される。図6Bに示すように、前記プローブヘッド10Aが前記導電部材20Aに設置された後、2つの前記変形可能部121は、異なる箇所に位置する前記ノッチ212を通じて外部へと延長する。機械的外力を受けて複数の前記変形部122を形成することで、前記変形部122で前記凸部211を覆う面積が増加し、異なる箇所で前記凸部211の外周面の一部を覆うため、より強い剛性を得ることができる。
【0040】
図7は、本発明に係る第3実施例の分解図である。上記第2実施例において、前記キャリア空間213の内壁から前記接続セクション21の外壁までの距離は同一であるが、これに限定されない。本実施例では、径方向における前記キャリア空間213の内壁から前記接続セクション21の外壁までの距離は一部の箇所で異なり、例えば、2つの前記ノッチ212を境界として、両側の壁の厚さが異なる。これは、前記プローブヘッド10Bと前記導電部材20Bとの接合に影響しないが、前記導電部材20Bの形状が対称ではないため、光学的画像によって角度及び位置を識別するとともに、機械アームによって自動的にピック、放置、位置合わせをすることができる。これにより、組み合わせ及び製造を正確かつ迅速に行うことができる。
【0041】
図8は、本発明に係る第4実施例の分解図である。本実施例において、プローブジョイントは、プローブヘッド10C及び前記導電部材20Cで構成されるが、ドッキング部12は、径方向に延長する2つの前記変形可能部121の幅が同一であるため、全体として細長い帯状となる。これに応じて、前記接続セクション21の前記キャリア空間213及びこれに連通する2つの前記ノッチ212の幅も同一になる。前記ドッキング部12と前記変形可能部121は、その幅が前記キャリア空間213及び前記ノッチ212の幅以下であり、前記キャリア空間213内に設置されることができる。前記ドッキング部12と前記変形可能部121の両方の径方向の長さは、前記キャリア空間213と前記ノッチ212の両方の径方向の長さよりも長い。これにより、前記導電部材20Cの構造が簡易になるため、便利かつ迅速に製造、加工することができるとともに、コストも低くなる。
【0042】
図9は、本発明に係る第5実施例の分解図である。第5実施例に係る構造は、第4実施例に係る構造に類似するが、前記プローブヘッド10Dの形状が異なる。本実施例において、前記変形可能部121は、前記ドッキング部12から離れた一端の側壁に、フランジ123を有する。組み合わせた後、前記フランジ123は、前記凸部211の外周面を部分的に覆い、外力を受けることにより容易に前記変形部122を形成する。前記プローブヘッド10Dは、軸方向に前記導電部材20Dに設置された後、180度で対向する位置にそれぞれ前記フランジ123を有するため、両者が回転するときの移動幅が小さくなる。その後、外力を与えると、前記フランジ123により、前記変形部122が容易に前記凸部211の外周面の少なくとも一部を部分的に覆うことで、より優れた剛性を得ることができる。また、本実施例に係る前記フランジ123の構造は、各実施例に広く適用されることができる。
【0043】
図10は、本発明に係る第6実施例の分解図である。本実施例において、プローブジョイントは、同様にプローブヘッド10E及び前記導電部材20Eで構成される。前記プローブヘッド10Eは、前記接触部11、前記ドッキング部12、及び径方向に延長する4つの前記変形可能部121を含む。前記導電部材20Eの前記接続セクション21は、前記キャリア空間213及びこれに連通する4つの前記ノッチ212で構成される。そこで、前記変形可能部121及び前記ノッチ212と、それぞれに隣接する前記変形可能部121及び前記ノッチ212とは、90度の間隔で設置される。さらに、機械的にリベットすると、前記変形部122が前記凸部211の外周面の少なくとも一部を部分的に覆う部分が多くなることで、前記プローブヘッド10Eと前記導電部材20Eとの剛性を強化することができる。
【0044】
図11は、本発明に係る第7実施例の分解図である。第7実施例の構造は、第6実施例の構造に類似する。前記変形可能部121は、前記ドッキング部12から離れた一端の側壁にフランジ123を有する点で異なる。組み合わせるとき、前記フランジ123は、前記凸部211の外周面を部分的に覆い、外力を受けて容易に前記変形部122を形成する。複数の前記フランジ123は、外力を受けて複数の前記変形部122を形成する場合、前記プローブヘッド10Fと前記導電部材20Fの剛性を強化するのみならず、リベット工程の歩留まりも向上させることができる。
【0045】
図12は、本発明に係る第8実施例の分解図である。本実施例において、プローブジョイントは、依然として、プローブヘッド10G及び前記導電部材20Gで構成されるが、前記ドッキング部12の軸方向の長さは、前記変形可能部121の軸方向の長さよりも長く、隣接する2つの変形可能部121の間に径方向のサイズが小さいドッキング領域124が形成される。前記導電部材20Gは、複数の凸部211で囲まれる前記キャリア空間213が深く、前記ドッキング部12に対応する。前記ノッチ212は、前記キャリア空間213に連通する。組み合わせた後、前記変形可能部121が前記ノッチ212の外部へと延長することもできる。前記変形可能部121は、外力を受けると、前記変形部122が前記凸部211の外周面の少なくとも一部を覆うように変形する。
【0046】
上記実施例において、前記ノッチ212及び前記凸部211の数が複数である場合、形状がほぼ同一であるが、これに限定されない。例えば、前記ノッチ212の数が複数である場合、複数の前記変形部212のうちの少なくとも1つの幅は、他の前記ノッチ212の幅と異なる。同様に、前記凸部211の数が複数である場合、複数の前記凸部211のうちの少なくとも1つの形状は、他の前記凸部211の形状と異なる。
【0047】
図13は、本発明に係るプローブジョイントを備えるバネ式プローブ構造の分解図である。前記バネ式プローブは、前記プローブヘッド10、前記導電部材20、パイプ30、弾性部材40、及び移動可能なプランジャー50を含む。前記プローブヘッド10と前記導電部材20の接合手段については、上記実施例に説明されたため、ここで説明を省略し、他の要素の間の構造を説明する。前記導電部材20の前記接続セクション21は、前記キャリア空間213から離れた他のセクションに、第1ネックセクション22、第2ネックセクション23、及び第3ネックセクション24をさらに含む。前記第2ネックセクション23は、前記第1ネックセクション22と前記第3ネックセクション24との間に位置し、径方向のサイズが前記第1ネックセクション22及び前記第3ネックセクション24のそれぞれの径方向のサイズよりも小さい。前記パイプ30は、放置空間31を有する中空のパイプでる。前記放置空間31は、前記プランジャー50を放置し、前記プランジャー50におけるサイズの小さいピン部51が前記パイプ30の外部へと延長できるように用いられる。しかし、前記プランジャー50は、前記パイプ30内に移動することができるが、下方で前記放置空間31から離脱することができない。前記弾性部材40は、圧縮可能なバネである。前記放置空間31内に設置される場合、前記弾性部材40は、両端が前記プランジャー50及び前記導電部材20にそれぞれ接触する。
【0048】
図14を併せて参照し、組み合わせる際に、前記プランジャー50は、上から下へと前記パイプ30の前記放置空間31内に放置される。その後、前記弾性部材40は、上から下へと前記放置空間31内に放置される。前記プローブヘッド10は、予め前記導電部材20とリベットして接合しておく。その後、前記第3ネックセクション24は、前記放置空間31内に放置されてから、前記パイプ30の外壁に外力を与えることにより、パイプ内に突出するキャッチ部32を形成する。前記キャッチ部32は、前記第2ネックセクション23の位置に固定されることにより、前記パイプ30と前記導電部材20が分離できなくなる。それに加え、全ての要素が互いに固定することで、前記バネ式プローブを形成することができる。測定するとき、複数の前記バネ式プローブは、測定座(図示しない)に取り付けられ、両端で前記プローブヘッド10が測定対象にそれぞれ接触し、前記プランジャー50が回路基板における対応の回線に電気的に接続することにより、必要な測定を行う。なお、上記各実施例は、このような構成に応用されるから、説明を省略する。
【0049】
さらに、上記実施例において、前記接続セクション21の外径が前記パイプ30の内径以上であり、前記第3ネックセクション24の外径が前記パイプ30の内径以下である。したがって、前記パイプ30と導電部材20が接合して固定した後、外径が同一又は類似となるプローブアセンブリを形成することで、プローブ測定装置として取り付ける場合、各プローブの間の距離を同一にし、又は精密に調整することができる。
【0050】
以上により、本発明は、MEMESプロセス及び機械加工により製造されたMEMSプローブジョイントを提供する。前記プローブジョイントは、高硬度の接触部及び高導電率の接続セクション等を有するのみならず、大量製造の場合、MEMESプロセスにより製造されたプローブヘッドと比べて、本発明は、MEMSプロセスにより製造されるプローブヘッドの部分の数を減少する。例えば、公知の4層のMEMSプローブヘッドと比べて、本発明は、2層に減縮するMEMSプローブヘッドを提供するから、全てMEMSプロセスにより製造されたプローブヘッドの工程数及び製造コストを減少することができる。また、前記導電部材は、機械加工により製造された中実の円柱であるため、前記ドッキング部の構造形状を有するように設計されたMEMSプローブヘッドは、前記導電部材の一端と容易かつ迅速に剛性のある前記プローブジョイントを形成できる結果、MEMESプロセスにより製造された接合部の数を減少し、プローブヘッドとパイプを組み合わせる歩留まりを向上させることができる。さらに、前記導電部材の他端と前記パイプをさらにリベットすることにより、MEMSプローブジョイントを有するバネ式プローブを形成することができる。本発明に係るMEMSプローブジョイントは、前記導電部材にかかる製造コストが増加するが、全てMEMSプローブヘッドを採用する製造コスト及び製造期間を大幅に減少することができる。当該導電部材にかかる製造コストは、MEMSプロセスを採用する製造コスト及び時間コストよりもはるかに低くなるのみならず、少ない構造層数のMEMSプローブヘッドを組み合わせるときの歩留まりが悪い課題を改善することができる。さらにまた、前記MEMSプローブヘッド及び前記導電部材は、それぞれ前段工程で同時に製造されることができるため、製造期間を減縮することができる。その後の接合してリベットすることにより、製造コストが低く、納期が短く、製造が容易なMEMSプローブヘッドを形成することで、プローブヘッドの製造コストを節約することができる。最後、パイプと組み合わせてMEMSプローブジョイントを備えるバネ式プローブを形成することで、測定時に、高硬度、長い測定寿命、高電流伝達効果及び低抵抗値の安定性を有するため、現在プローブの微小化の要求を満たす。
【0051】
上記は、あくまでも本発明の好ましい実施例を説明するもので、本発明に係る実施例の範囲を限定するものではない。本発明の特許請求の範囲と均等に変更、修正されるものは、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
10:プローブヘッド
11:接触部
12:ドッキング部
121:変形可能部
122:変形部
123:フランジ
124:ドッキング領域
20:導電部材
21:接続セクション
211:凸部
212:ノッチ
213:キャリア空間
22:第1ネックセクション
23:第2ネックセクション
24:第3ネックセクション
L1:幅
L2:幅
10A、10B、10C、10D、10E、10F、10G:プローブヘッド
20A、20B、20C、20D、20E、20F、20G:導電部材
30:パイプ
31:放置空間
32:キャッチ部
40:弾性部材
50:プランジャー
51:ピン部
90:ケース
91:プローブヘッド
911:接触部
912:第1本体部
913:第2本体部
914:第3本体部
92:プランジャー
93:バネ
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【外国語明細書】