IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ティーイー コネクティビティ ソリューソンズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンクの特許一覧

<>
  • 特開-編組フレアツール 図1
  • 特開-編組フレアツール 図2
  • 特開-編組フレアツール 図3
  • 特開-編組フレアツール 図4
  • 特開-編組フレアツール 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041059
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】編組フレアツール
(51)【国際特許分類】
   H02G 1/14 20060101AFI20240318BHJP
【FI】
H02G1/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023146768
(22)【出願日】2023-09-11
(31)【優先権主張番号】17/943441
(32)【優先日】2022-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518345815
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ソリューソンズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】クリスティン ビルストランド
(72)【発明者】
【氏名】マシュー スティーヴン ハウザー
(72)【発明者】
【氏名】マリッサ ジェイン フェインマン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス エメリー バッケンストーズ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ジョン ガブラク
【テーマコード(参考)】
5G355
【Fターム(参考)】
5G355BA04
5G355BA08
5G355CA06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】編組シールド層などのケーブルの1つまたは複数の層を手動でフレア加工するまたは広げるための編組フレアツールを提供する。
【解決手段】フレアリングツール10は、第1の把持部またはアーム20と、第1の把持部に一体ヒンジ24を介して互いにヒンジ接続された第2の把持部またはアーム30と、を有する。第1の把持部と第2の把持部とは、ケーブルを受け入れる大きさのケーブル空間25を間に画定する。第1のレバーアーム40および第2のレバーアーム50は、第1の把持部および第2の把持部のそれぞれから延びる。屈曲部60は、第1のレバーアームと第2のレバーアームとの間に配置され、第1のレバーアームと第2のレバーアームとを所定の位置に付勢する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレアリングツール(10)であって、
- フレア加工縁部(22)を画定する第1の把持アーム(20)と、
前記第1の把持アーム(20)にヒンジ接続され、フレア加工縁部(32)を画定する第2の把持アーム(30)と、
- 前記フレア加工縁部(22、32)同士の間に画定された、フレア加工されるケーブル(100)を受け入れる大きさのケーブル空間(25)と、
- 前記第1の把持アーム(20)から延びる第1のレバーアーム(40)と、
前記第2の把持アーム(30)から延びる第2のレバーアーム(50)と、
- 前記第1のレバーアーム(40)と前記第2のレバーアーム(50)との間に配置された接続要素(60)であって、前記第1のレバーアーム(40)および前記第2のレバーアーム(50)を互いから離れるように付勢する、前記接続要素(60)と、
を備える、
フレアリングツール(10)。
【請求項2】
前記フレア加工縁部(22、32)は、前記第1の把持アーム(20)の内側から前記第2の把持アーム(30)の方向に延びる第1のテーパ突出縁部(22)と、前記第2の把持アーム(30)の内側から前記第1の把持アーム(20)の方向に延びる第2のテーパ突出縁部(32)とを含む、
請求項1に記載のフレアリングツール(10)。
【請求項3】
前記第1のテーパ突出縁部(22)は、隣接する連続した第1の直線部分(22’)および第2の直線部分(22”)によって形成され、前記第2の直線部分(22”)は、前記第1の直線部分(22’)に対して斜めに配向されている、
請求項2に記載のフレアリングツール(10)。
【請求項4】
前記第1のテーパ突出縁部(22)および前記第2のテーパ突出縁部(32)は、前記ケーブル空間(25)を画定し、
前記ケーブル空間(25)は、ダイヤモンド形の断面を有する、
請求項3に記載のフレアリングツール(10)。
【請求項5】
前記接続要素(60)は、前記第1のレバーアーム(40)および前記第2のレバーアーム(50)のそれぞれの自由端間に形成されている、
請求項1に記載のフレアリングツール(10)。
【請求項6】
前記第1のレバーアーム(40)および前記第2のレバーアーム(50)、および、前記接続要素(60)のうちの少なくとも一方は、対向する凹部(42、52)を前記フレアリングツール(10)の内面に画定する、
請求項5に記載のフレアリングツール(10)。
【請求項7】
前記第1の把持アーム(20)と前記第2の把持アーム(30)とは、一体ヒンジ(24)によって接続されている、
請求項1に記載のフレアリングツール(10)。
【請求項8】
前記第1のレバーアーム(40)および前記第2のレバーアーム(50)は、前記一体ヒンジ(24)の、前記第1の把持アーム(20)および前記第2の把持アーム(30)のそれぞれとは反対側に配置されている、
請求項7に記載のフレアリングツール(10)。
【請求項9】
前記フレアリングツール(10)の非変形状態において、前記接続要素(60)は、前記第1のレバーアーム(40)と前記第2のレバーアーム(50)との間で非直線状に延びる、
請求項1に記載のフレアリングツール(10)。
【請求項10】
前記第1の把持アーム(20)および前記第2の把持アーム(30)、前記第1のレバーアーム(40)および前記第2のレバーアーム(50)、ならびに前記接続要素(60)は、互いに一体に形成されている、
請求項1に記載のフレアリングツール(10)。
【請求項11】
編組ケーブル(100)のためのフレアリングツール(10)であって、
一体構造の本体(12)を備え、前記本体(12)は、
一対の対向するクランプジョー(20、30)であって、前記クランプジョー(20、30)のそれぞれがフレア加工縁部(22、32)を内面に画定する、前記クランプジョー(20、30)と、
前記クランプジョー(20)の前記フレア加工縁部(22)と前記クランプジョー(30)の前記フレア加工縁部(32)との間に画定されたケーブル空間(25)と、
前記クランプジョー(20、30)同士の間に画定され、前記クランプジョー(20、30)の相対運動を可能にする一体ヒンジ(24)と、
一対のレバーアーム(40、50)であって、各レバーアーム(40、50)は、前記一体ヒンジ(24)の反対側で前記クランプジョー(20、30)のうちの一方に固定接続されている、前記一対のレバーアーム(40、50)と、
を備える、
フレアリングツール(10)。
【請求項12】
前記一対のレバーアーム(40、50)間に配置された弾性要素(60)をさらに備える、
請求項11に記載のフレアリングツール(10)。
【請求項13】
前記フレア加工縁部(22、32)は互いに対向している、
請求項12に記載のフレアリングツール(10)。
【請求項14】
前記フレア加工縁部(22、32)のそれぞれは、少なくとも2つの隣接する直線縁部セグメント(22’、22”、32’、32”)を含み、前記隣接する直線縁部セグメントは、互いに対して斜めに延びる、
請求項13に記載のフレアリングツール(10)。
【請求項15】
前記フレアリングツール(10)の非変形状態において、前記レバーアーム(40、50)は、互いに対して斜めに配向され、前記弾性要素(60)は、前記レバーアーム(40、50)間で非直線状に延びる、
請求項14に記載のフレアリングツール(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本主題は、ケーブルの準備の分野に関し、より詳細には、電気ケーブルの編組シールド層の端部をフレア加工するまたは広げるためのツールに関する。
【背景技術】
【0002】
コネクタ化のためにシールドケーブルを準備するとき、多くの場合、コネクタを収容するために、編組シールド層などのケーブルの1つまたは複数の層の端部をフレア加工するまたは広げる必要がある。このようなフレア加工動作を行うための従来技術の解決策は、手動ツールを含む。一実施形態によれば、従来技術のツールは、互いに回転可能に接続され、かつねじりばねによって閉位置に付勢される2つのハウジング部を含む多部品アセンブリを含む。ハウジング部に取り付けられた回転ホイールが、ばねによって加えられる圧縮力により、シールドをフレア加工するように動作する。このようなツールは、有効ではあるが、非常に複雑であるため、製造に費用がかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ケーブルの1つまたは複数の層を手動でフレア加工するまたは広げるための、改良された解決策が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施形態によれば、ケーブル編組フレアツールは、第1の把持部またはアームと、第1の把持部にヒンジ接続された第2の把持部またはアームとを有する。第1の把持部と第2の把持部とは、ケーブルを受け入れる大きさのケーブル空間を間に画定する。第1のレバーアームおよび第2のレバーアームが、第1の把持部および第2の把持部のそれぞれから延びる。屈曲部が、第1のレバーアームと第2のレバーアームとの間に配置され、第1のレバーアームと第2のレバーアームとを所定の位置に付勢する。
【0005】
以下で、添付図面を参照しながら、本発明を例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本開示の例示的な実施形態による編組フレアツールの正面斜視図である。
図2】部分的に剥離されたケーブル上に配置された、図1の編組フレアツールの斜視図である。
図3図1の編組フレアツールの動作を示す斜視図である。
図4図1の編組フレアツールの動作を示す別の斜視図である。
図5】ケーブルの編組シールド層がフレア加工された後の、図2図4のケーブルの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、本開示の実施形態による編組フレアリングツール10であり、本体12を備える。一実施形態において、本体12は、概ね可撓性の一体構造を含む。本体12を、例として、ポリマー材料から形成(例えば、成形)することができる。一実施形態において、本体12は、左右および前後の両方で(すなわち、図示の向きに対して少なくとも2つの直交面/垂直面について)対称であってよい。
【0008】
本体12は、第1の把持部またはアーム20と、第2の把持部またはアーム30とを画定する。本明細書において、把持アーム20、30をクランプアームまたはクランプジョーと称することもある。把持アーム20、30は、互いに対向する内面を画定し、間にケーブル空間25を画定する。例示的な実施形態において、把持アーム20、30は、一体ヒンジ24を介して互いにヒンジ接続または旋回接続されている。ヒンジ24は、ツール10に力を選択的に加えることによって、把持アーム20、30を互いに向けて、かつ互いから離れるように付勢することを可能にする。図示するように、ヒンジ24は、把持アーム20、30間に配置された本体12の薄いまたは細い部分によって画定される。
詳細には、ヒンジの曲げ軸に対して半径方向における一体ヒンジ24の厚さは、把持アーム20、30の残りの部分の厚さよりも小さい。このようにして、把持アーム20、30のいずれかに力を加えることは、ヒンジ24の曲げ軸の周りで把持アームを曲げてまたは回転させて、ケーブル空間25の大きさを変えるように作用する。
【0009】
本体12は、第1のレバーアーム40と第2のレバーアーム50とをさらに画定する。一実施形態において、レバーアーム40、50は、第1の把持アーム20および第2の把持アーム30のそれぞれから直線状に延びる。各レバーアーム40、50は、ヒンジ24の、関連する把持アーム20、30とは反対側に配置されている。その結果、レバーアーム40、50の一方または両方をヒンジ24のいずれかの曲げ方向に付勢すると、関連する把持アーム20、30は反対方向に動く。例えば、レバーアーム40、50を互いに向く方向に付勢することは、把持アーム20、30を開くように作用し、ケーブルを受け入れるためのケーブル空間25の直径または大きさを増加させる。図示するように、ツール10の非変形状態または静止状態において、レバーアーム40、50は互いに対して斜めに配向されている。
【0010】
前述したように、ケーブル空間25は、把持アーム20、30の内面間に画定される。より詳細には、第1の把持アーム20および第2の把持アーム30は、内面に形成されたそれぞれの突出縁部22、32をさらに含む。突出縁部22、32は、互いに向かって延びて、ケーブル空間25を画定する。例示的な実施形態において、各突出縁部22、32は、第1の直線縁部セグメント22’、32’および第2の直線縁部セグメント22”、32”を含む。各対の縁部セグメント22’、22”および32’、32”は、互いに連続して、途切れのない縁部を画定する。それぞれの縁部セグメント22’、22”、32’、32”は、互いに対して斜めに配向されている。
このようにして、各突出縁部22、32は、凹んだ楔状のカットアウト23、33を画定する。把持アーム20、30を内方に付勢することによってカットアウト23、33が接近すると、ケーブル空間25は、菱形またはダイヤモンド形の開口部の形状になる。
【0011】
突出縁部22、32は、断面がテーパ状(例えば、三角形)であり、幅広の底辺が把持アーム20、30に直接隣接して画定されている。各縁部22、32の底辺は、ケーブル空間25に近付く頂点または自由縁部までテーパ状になっている。各突出縁部22、32の自由縁部は、フレア加工動作を行うためにケーブルの層の外面に係合するように作用する。一実施形態において、突出縁部22、32を、本体12の残りの部分と一体構造に形成することができる。他の実施形態において、インサート(すなわち、金属インサート)を本体12内、より詳細には突出縁部22、32内に埋め込んで、縁部を剛化および/または強化することができる。同様のインサートが、把持アーム20、30とそれぞれのレバーアーム40、50との間に存在してもよい。
【0012】
さらに図1を参照すると、接続要素または屈曲部60が、レバーアーム40、50の自由端間に形成されている。例示的な接続要素60は、ツール10の非変形状態または静止状態において、レバーアーム40、50間の長さに沿って非直線状である。例示的な実施形態において、接続要素60は、ツール10の非変形状態において、互いに対して斜めに配向された2つの直線セグメント60’、60”を含む。他の実施形態において、接続要素60は、非変形状態において湾曲していてよい。このようにして、接続要素60により、把持アーム20、30を互いに向けてさらに付勢することができる。より詳細には、外力により把持アーム20、30が接近すると、接続要素60はまっすぐになり、把持アーム20、30がさらに閉じることに対する抵抗を高める。
したがって、接続要素60を使用して、最小の大きさのケーブル空間25を限定または設定することができる。一実施形態において、接続要素60は、弾性または可撓性であり、ツール10の非変形状態において、ヒンジ24と共に、レバーアーム40、50を図示の位置に向けて付勢する。
【0013】
接続要素60または第1のレバーアーム40および第2のレバーアーム50のうちの少なくとも一方は、対向する凹部42、52を内部に画定する。より詳細には、凹部42、52は、各レバーアーム40、50および/または接続要素60の内面に形成される。凹部42、52は、例として、ツール10のユーザの指が収まる大きさである。フレア加工動作の実行中、ユーザが、凹部42、52のうちの少なくとも一方に少なくとも1本の指を置くことによって、ツール10を回転させることができる。凹部42、52および凹部42、52に直接隣接して配置された接続要素60は、ツール10を回転させるときにユーザの指がツール10から滑り落ちることを防ぐ。これは、ユーザがツール10を操作することのできる精度、速度、および効率を高める。
【0014】
次に図2を参照すると、本開示の実施形態によるツール10は、例示的なケーブル100上に配置された状態で示されている。ケーブル100は外側絶縁層110(図4および図5参照)を含み、外側絶縁層110は、図1に示すように、ケーブルから少なくとも部分的に除去されている。絶縁体110を除去することにより、編組シールドまたはシールド層120が見えている。編組シールド120の端部を広げるまたはフレア加工するために、ケーブル100は、ツール10のケーブル空間25内に受け入れられ、突出縁部22、32(図3参照)が、ケーブルの自由端に近接した編組シールドに当接するようになっている。例示的な実施形態において、編組シールド120の直径は、ツール10の静止状態におけるケーブル空間25の対応する寸法よりも大きい。
このようにして、一体ヒンジ24および/または接続要素60によって生じる弾性戻り力は、ユーザが把持アーム20、30を直接またはレバーアーム40、50を介して手動で圧縮する必要なく、ケーブル100に圧縮力を加えるように作用する。
【0015】
図3に示すように、編組シールド120のフレア加工を、ケーブル100の周りでツール10を回転させることによって実現することができる。前述したように、これは、ユーザが凹部42、52のうちの一方に指を入れ、ツール10に横方向の力を加えて、ケーブル100の周りで回転を生じさせることによって実現することができる。突出縁部22、32は、編組シールド120を接触領域で内方に変形させる。これにより、編組シールド120の編組線の自由端が半径方向外方に偏向する。図4を参照すると、別の使用方法において、ユーザが、把持アーム20、30を互いに向けて手動で圧縮して、突出縁部22、32を介して編組シールド120に追加の圧縮力を生じさせることができる。この方法により、追加のフレア加工が行われる。
図5に示すように、ユーザがツール10を回転させると、編組シールド120は、その周囲で概ね均一にフレア加工される。編組シールド120が端部でフレア加工された状態で、コネクタ化プロセスを続けることができる。
【0016】
本開示の実施形態が、編組シールドフレア加工動作を行うための簡単で確実なツールを提供することを理解すべきである。本開示の実施形態によるツールは、可動部分を含まず、単一構成で実現することができるため、従来技術の装置と比較して、信頼性が向上し、製造コストが低くなる。
【0017】
加えて、記載された本発明を不必要に曖昧にしないために、当業者が精通していると考えられる分野については本明細書で説明していない。したがって、本発明は、特定の例示的な実施形態によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものと理解されたい。
【0018】
上記の実施形態は例示的なものであり、限定的なものではないことを、当業者には理解されたい。例えば、当業者であれば、構成上または原理上矛盾することなく、上記の実施形態に多くの修正を加えることができ、異なる実施形態に記載する様々な機構を互いに自由に組み合わせることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】