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特開2024-41061血液ポンプアセンブリのための血液ポンプ支持装置および血液ポンプ支持方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041061
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】血液ポンプアセンブリのための血液ポンプ支持装置および血液ポンプ支持方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 60/139 20210101AFI20240318BHJP
   A61M 60/497 20210101ALI20240318BHJP
   A61M 60/531 20210101ALI20240318BHJP
   A61M 60/843 20210101ALI20240318BHJP
   A61M 60/861 20210101ALI20240318BHJP
   A61M 60/867 20210101ALI20240318BHJP
   A61M 60/295 20210101ALN20240318BHJP
【FI】
A61M60/139
A61M60/497
A61M60/531
A61M60/843
A61M60/861
A61M60/867
A61M60/295
【審査請求】未請求
【請求項の数】60
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023147303
(22)【出願日】2023-09-12
(31)【優先権主張番号】17/944,125
(32)【優先日】2022-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516064091
【氏名又は名称】ニューパルスシーブイ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【弁理士】
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(74)【代理人】
【識別番号】100221741
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 直子
(74)【代理人】
【識別番号】100114926
【弁理士】
【氏名又は名称】枝松 義恵
(72)【発明者】
【氏名】ホール ロバート クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ウーリー ジョシュア ライアン
(72)【発明者】
【氏名】ギリドハラン グルプラサッド アナパトゥアー
(72)【発明者】
【氏名】ピント デュアン シドニー
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA04
4C077DD09
4C077DD21
4C077EE01
4C077EE05
4C077HH13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】血液ポンプアセンブリを提供する。
【解決手段】血液ポンプアセンブリは、遠位領域に配置されているバルーン(118)と、近位領域に配置されているドライブライン(120)とを有し、かつ機械的循環補助(例えば、カウンターパルセイション)を提供するために使用することができる。血液ポンプ支持装置は、血液ポンプアセンブリ内に取り外し可能に配置できる、頭部領域と尾部領域とを備える支持構造体を有する。支持構造体が血液ポンプアセンブリ内に配置されると、頭部領域はバルーン内に配置される。血液ポンプアセンブリが下行大動脈(110)に植え込まれ、かつ支持構造体が血液ポンプアセンブリ内に配置されると、バルーンの縦軸に対してある角度に沿って、バルーンがそれ自体の上に丸まるかまたは折り畳まれることになる力が、バルーンに対して作用する。支持構造体の頭部領域はこれらの力に対抗する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライブラインに連結されている拡張可能なバルーンを有する血液ポンプアセンブリのための血液ポンプ支持装置であって、
前記ドライブラインが、前記血液ポンプアセンブリが患者の下行大動脈に植え込まれたときに前記血液ポンプアセンブリが前記患者に循環補助を提供するように、作動中に前記拡張可能なバルーンを出入りして作動流体を往復させるように構成されており、
前記血液ポンプ支持装置が、
頭部領域と尾部領域とを有する支持構造体であって、
前記頭部領域が前記バルーン内に配置されるように、前記支持構造体が前記血液ポンプアセンブリ内に取り外し可能に配置できるように構成されており、かつ
前記血液ポンプアセンブリが前記下行大動脈に植え込まれ、かつ前記頭部領域が前記バルーン内に配置されたときに、前記頭部領域が、そうでないと前記バルーンが前記バルーンの縦軸に対してある角度に沿って前記バルーン自体の上に丸まるかまたは折り畳まれる原因になる力に対抗するように、構成されている、
支持構造体
を含む、血液ポンプ支持装置。
【請求項2】
前記支持構造体が、前記ドライブラインを通した植込みによって前記血液ポンプアセンブリ内に取り外し可能に配置できる、請求項1記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項3】
前記頭部領域が前記バルーン内に配置されたとき、前記尾部領域が前記ドライブライン内に配置される、請求項1記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項4】
前記血液ポンプアセンブリが前記下行大動脈に植え込まれ、かつ前記支持構造体が前記血液ポンプアセンブリ内に配置されたときに、前記頭部領域が、そうでないと前記バルーンが前記バルーンの横軸に対してある角度に沿って前記バルーン自体の上に丸まるかまたは折り畳まれる原因になる力に対抗するように、構成されている、請求項1記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項5】
前記支持構造体がワイヤーを含む、請求項1記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項6】
前記ワイヤーが、ニチノールおよびステンレス鋼の一方である、請求項5記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項7】
前記頭部領域が、ニチノールおよびステンレス鋼の一方を含む、請求項1記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項8】
前記支持構造体が放射線不透過性である、請求項1記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項9】
前記頭部領域が前記バルーン内に配置されたとき、前記尾部領域が前記ドライブライン内に配置され、かつ前記尾部領域の近位端が前記ドライブラインの近位端の外部にある、請求項1記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項10】
前記ドライブラインの近位端に取り外し可能に連結できる遠位端を有するコネクタをさらに含み、
前記コネクタが、前記支持構造体の前記尾部領域を固定するように構成されている、
請求項9記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項11】
前記コネクタが、
前記支持構造体の前記尾部領域の近位端を受けるように構成されているバックアウト防止ポートと、
前記支持構造体の前記尾部領域の前記近位端を固定するように構成されているクランプと
を含む、請求項10記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項12】
前記コネクタがキャップを含み、かつ前記尾部領域の近位端がキャップの内面に近接して終端して、それによって前記尾部領域の前記近位端を収容する、請求項10記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項13】
前記尾部領域の前記近位端がフランジを含む、請求項12記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項14】
前記キャップが、前記バックアウト防止ポートの近位端上に取り外し可能に配置されている、請求項10記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項15】
前記ドライブラインがルーメンを有し、かつ
前記コネクタが、前記ドライブラインルーメンと流体連通している空気圧ポートを含む、
請求項10記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項16】
前記頭部領域が前記血液ポンプアセンブリ内に配置されたとき、前記尾部領域が前記ドライブラインルーメン内に配置されるように構成されている、請求項15記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項17】
前記コネクタがyコネクタである、請求項16記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項18】
前記頭部領域が2つの近位端を有する連続した開放端ループとして構成されており、かつ前記尾部領域が2つのステム端として構成されており、各ステム端の遠位端が、前記頭部領域のそれぞれの近位端と連続しており、
前記ループの輪郭の幅が前記ドライブラインの幅よりも大きく、
前記頭部領域を前記ドライブラインを通して前記バルーン内に植え込むのに十分なほど、前記頭部領域を可逆的に変形させることができるように、前記頭部領域が弾性、超弾性、または形状記憶を呈する、
請求項1記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項19】
前記バルーン内に配置されたときの前記頭部領域の形状が、前記尾部領域で加えられる外部抜取り力の印加なしに前記頭部領域が前記バルーンから後退するのを防止する、請求項18記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項20】
前記2つのステム端間の距離が、前記ドライブラインの内部幅よりも小さい、請求項18記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項21】
前記頭部領域の遠位端が、ガイドワイヤーに通されるようなサイズおよび形状であるニップルを含む、請求項1記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項22】
前記頭部領域の輪郭が前記ニップルを形成するように前記頭部領域の前記遠位端に向かって遠位に先細になる、請求項21記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項23】
前記頭部領域が前記ニップルの基部においてそれ自体で交差している、請求項22記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項24】
各ステム端の近位端がフランジである、請求項18記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項25】
前記フランジが前記支持構造体の横軸に対してある角度をなす、請求項24記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項26】
前記頭部領域が前記血液ポンプアセンブリ内に配置されたときに、前記ステム端が前記ドライブラインの近位端の外部にあるように構成されている、請求項18記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項27】
1つまたは複数の放射線不透過性マーカが、前記支持構造体に沿って配置されている、請求項1記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項28】
1つまたは複数の放射線不透過性でない物質が前記ドライブラインの所定の位置と位置合わせされたときに、頭部領域が前記バルーン内に配置されていると判定されるように、前記1つまたは複数の放射線不透過性でない物質が、前記支持構造体上の位置に配置されている、請求項1記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項29】
前記1つまたは複数の放射線不透過性でない物質が視覚マーカであり、かつ前記ドライブラインの前記所定の位置が前記ドライブラインの近位端である、請求項28記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項30】
前記頭部領域が可撓性のある先端部分と可撓性のない本体部分とを含み、前記可撓性のある先端部分が前記頭部領域の遠位部分を含み、かつ前記可撓性のない本体部分が前記頭部領域の近位部分を含む、請求項1記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項31】
前記頭部領域が、
前記可撓性のない本体部分の遠位端が前記バルーンの遠位端に近接して配置することが可能であり、
前記可撓性のある先端部分の近位端が湾曲するように構成され、かつ
前記可撓性のある先端部分が、前記バルーンの前記遠位端から離れて後方にカールするように構成され、前記可撓性のある先端部分の遠位端が前記バルーンに沿った長手方向の位置に配置される
ように構成されている、請求項30記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項32】
前記バルーンおよび前記ドライブラインの一方に沿った位置に配置された相補的放射線不透過性マーカに対応する少なくとも1つの放射線不透過性マーカが、前記放射線不透過性マーカが位置合わせされたときに、頭部領域が前記バルーン内に配置されていると判定されるように、前記頭部領域および前記尾部領域の一方に沿って配置されている、請求項31記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項33】
1つまたは複数の放射線不透過性でない物質が前記ドライブラインの所定の位置と位置合わせされたときに、頭部領域が前記バルーン内に配置されていると判定されるように、前記1つまたは複数の放射線不透過性でない物質が、前記支持構造体上の位置に配置されている、請求項1記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項34】
前記1つまたは複数の放射線不透過性でない物質が視覚マーカであり、かつ前記ドライブラインの前記所定の位置が前記ドライブラインの近位端である、請求項33記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項35】
前記可撓性のある先端部分が非侵襲的であり、かつ前記可撓性のある先端部分の少なくともコアが、前記可撓性のない本体部分および前記尾部領域の少なくとも一方に対して先細になっている、請求項31記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項36】
前記支持構造体が、前記頭部領域の遠位端に配置されている鈍い表面を有する、請求項1記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項37】
ドライブラインに連結されている拡張可能なバルーンを有する血液ポンプアセンブリのための血液ポンプ支持方法であって、
前記ドライブラインが、前記血液ポンプアセンブリが患者の下行大動脈に植え込まれたときに前記血液ポンプアセンブリが前記患者に循環補助を提供するように、作動中に前記拡張可能なバルーンを出入りして作動流体を往復させるように構成されており、
前記血液ポンプ支持方法が、
前記支持構造体の頭部領域が前記バルーン内に配置され、かつ前記支持構造体の尾部領域が前記ドライブライン内に配置されるように、支持構造体を前記血液ポンプアセンブリ内に植え込む段階であって、
前記血液ポンプアセンブリが前記下行大動脈に植え込まれ、かつ前記頭部領域が前記バルーン内に配置されたときに、前記頭部領域が、そうでないと前記バルーンが前記バルーンの縦軸および横軸の少なくとも一方に対してある角度に沿って前記バルーン自体の上に丸まるかまたは折り畳まれる原因になる力に対抗するように、構成されている、段階
を含む、方法。
【請求項38】
前記血液ポンプアセンブリを前記下行大動脈内に植え込む段階をさらに含む、請求項37記載の血液ポンプ支持方法。
【請求項39】
前記支持構造体を植え込む段階の前に前記バルーンを少なくとも部分的に拡張させる段階をさらに含む、請求項37記載の血液ポンプ支持方法。
【請求項40】
前記支持構造体を植え込む段階が、前記ドライブラインを通して前記支持構造体を植え込むことを含む、請求項37記載の血液ポンプ支持方法。
【請求項41】
前記支持構造体がワイヤーを含む、請求項37記載の血液ポンプ支持方法。
【請求項42】
前記ワイヤーが、ニチノールおよびステンレス鋼の一方である、請求項41記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項43】
前記支持構造体を前記血液ポンプアセンブリ内に植え込む段階が、前記尾部領域の近位端を前記ドライブラインの近位端に対して外に出すことを含む、請求項37記載の血液ポンプ支持方法。
【請求項44】
前記ドライブラインの近位端にコネクタを設置する段階、および
前記コネクタを使用して前記支持構造体の前記尾部領域を固定する段階
をさらに含む、請求項43記載の血液ポンプ支持方法。
【請求項45】
前記コネクタがバックアウト防止ポートを含み、かつ
前記尾部領域を固定する段階が、前記支持構造体の前記尾部領域の前記近位端を前記バックアウト防止ポートに受けることを含む、
請求項44記載の血液ポンプ支持方法。
【請求項46】
前記コネクタがクランプを含み、かつ
前記尾部領域を固定する段階が、前記クランプを使用して前記尾部領域の前記近位端を締め付けることを含む、
請求項44記載の血液ポンプ支持方法。
【請求項47】
前記コネクタが前記バックアウト防止ポートの近位端に配置されているキャップを含み、かつ
前記尾部領域を固定する段階が、前記キャップの内面に近接して前記支持構造体の前記尾部領域の前記近位端を受けることを含む、
請求項45記載の血液ポンプ支持方法。
【請求項48】
前記コネクタが、前記バックアウト防止ポートの近位端に配置されている取り外し可能なキャップを含む、請求項45記載の血液ポンプ支持方法。
【請求項49】
前記頭部領域が2つの近位端を有する連続した開放端ループとして構成されており、かつ前記尾部領域が2つのステム端として構成されており、各ステム端の遠位端が、前記頭部領域のそれぞれの近位端と連続しており、
前記ループの輪郭の幅が前記ドライブラインの幅よりも大きく、
前記頭部領域が、弾性、超弾性、または形状記憶を呈し、
前記支持構造体を前記血液ポンプアセンブリ内に植え込む段階が、前記ドライブラインを通して前記バルーン内に前記頭部領域を前進させるために前記頭部領域を可逆的に変形させることを含む、
請求項37記載の血液ポンプ支持方法。
【請求項50】
前記バルーン内に配置されているときの前記頭部領域の形状が、前記尾部領域で加えられる外部抜取り力の印加なしに前記頭部領域が前記バルーンから後退するのを防止する、請求項49記載の血液ポンプ支持方法。
【請求項51】
前記頭部領域の遠位端が、ガイドワイヤーに通されるようなサイズおよび形状であるニップルを含み、かつ
前記支持構造体を前記血液ポンプアセンブリ内に植え込む段階が、
前記ガイドワイヤーを前記血液ポンプアセンブリに挿入すること、
前記ニップルを前記ガイドワイヤーに通すこと、および
前記ガイドワイヤーに被せて前記支持構造体を前記血液ポンプアセンブリに挿入すること
を含む、
請求項37記載の血液ポンプ支持方法。
【請求項52】
前記頭部領域の輪郭が前記ニップルを形成するように前記頭部領域の前記遠位端に向かって遠位に先細になる、請求項51記載の血液ポンプ支持方法。
【請求項53】
前記頭部領域が前記ニップルの基部においてそれ自体で交差している、請求項52記載の血液ポンプ支持方法。
【請求項54】
1つまたは複数の放射線不透過性マーカが、前記支持構造体に沿って配置されており、かつ
前記支持構造体を前記血液ポンプアセンブリ内に植え込む段階が、前記1つまたは複数の放射線不透過性マーカのうちの少なくとも1つが前記血液ポンプアセンブリ上の1つまたは複数の対応する放射線不透過性マーカと位置合わせされるまで前記支持構造体を前進させることを含む、
請求項37記載の血液ポンプ支持方法。
【請求項55】
放射線不透過性でない物質が、前記支持構造体上の位置に配置されており、かつ
前記支持構造体を前記血液ポンプアセンブリ内に植え込む段階が、前記放射線不透過性でない物質が前記ドライブラインの所定の位置と位置合わせされるまで前記支持構造体を前進させることを含む、
請求項37記載の血液ポンプ支持方法。
【請求項56】
前記放射線不透過性でない物質が視覚マーカであり、かつ前記ドライブラインの前記所定の位置が前記ドライブラインの近位端である、請求項55記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項57】
前記頭部領域が可撓性のある先端部分と可撓性のない本体部分とを含み、前記可撓性のある先端部分が前記頭部領域の遠位部分を含み、かつ前記可撓性のない本体部分が前記頭部領域の近位部分を含み、かつ
前記支持構造体を前記血液ポンプアセンブリ内に植え込む段階が、
前記可撓性のない本体部分の遠位端が前記バルーンの前記遠位端に近接して配置され、かつ
前記可撓性のある先端部分が前記バルーンの前記遠位端から離れて後方にカールする尾部を含み、前記可撓性のある先端部分の遠位端が前記バルーンに沿った長手方向の位置に配置されるように、前記可撓性のある先端部分の近位端が湾曲するまで、前記頭部領域を前記バルーン内に前進させることを含む、
請求項37記載の血液ポンプ支持方法。
【請求項58】
前記頭部領域および前記尾部領域の一方に沿って少なくとも1つの放射線不透過性マーカが配置されており、かつ
前記支持構造体を前記血液ポンプアセンブリ内に植え込む段階が、前記少なくとも1つの放射線不透過性マーカが前記血液ポンプアセンブリ上に配置されている少なくとも1つの相補的放射線不透過性マーカと位置合わせされるまで前記支持構造体を前進させることを含む、
請求項57記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項59】
前記可撓性のある先端部分が非侵襲的であり、かつ前記可撓性のある先端部分の少なくともコアが、前記可撓性のない本体部分および前記尾部領域の少なくとも一方に対して先細になっている、請求項57記載の血液ポンプ支持装置。
【請求項60】
前記支持構造体が、前記頭部領域の遠位端に配置された鈍い表面を有し、かつ
前記支持構造体を前記血液ポンプアセンブリ内に植え込む段階が、前記鈍い表面が前記バルーンの遠位端の内面に近接するまで前記支持構造体を前進させることを含む、
請求項37記載の血液ポンプ支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、機械的循環補助装置、特に、血液ポンプアセンブリならびに関連した装置、システムおよび方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
背景
心不全(HF)の有病率は世界中で増加しており、医療提供者にかかる高価な負担である。医療の進歩にもかかわらず、HFの予後は、特に進行期では依然として不良である。心臓移植は、ドナー臓器の供給によって依然として制限されている。左心室補助装置(LVAD)の使用は、中でも特に、大きな手術介入の必要および心肺バイパス(CPB)の使用のために、年間約5,000例の植込みで停滞している。さらに、これらの装置の高コストは、潜在的大市場での採用を妨げており、いくつかの国は長期的なLVADの使用に資金供給しないことを決定している。
【0003】
世界的には、急性心不全の最も一般的な補助装置は大動脈内バルーンポンプ(IABP)であり、IABPは数時間から数日の限られた期間にわたって臨床的に使用される。IABP(本明細書では「血液ポンプ」、「バルーン」、または「拡張可能部材」とも呼ぶ)は、2つの端を有するドライブラインを含むIABPアセンブリの一部である。一端はIABPに連結可能であり、他端は外部駆動ユニットに間接的に連結可能であることが多い。駆動ユニットは作動流体(例えば、周囲空気やヘリウム)の供給源であり、作動流体は拡張のためにドライブラインを介してIABPに運ばれる。駆動ユニットはまた、やはりドライブラインを介した、IABPからの作動流体を収縮させる役割も担う。毎年、世界中で15万人を超える患者がIABP療法を受ける。IABPは現在のLVADよりもはるかに単純であり、カウンターパルセイション療法の治療有効性は十分に確立されている。カウンターパルセイションは、心臓の直接的なカニューレ挿入を必要とせず、より容易な植込みおよび抜去につながる。カウンターパルセイション療法はまたLVAD療法と比較して安価である。
【0004】
カウンターパルセイション療法は、大動脈弁閉鎖(重拍切痕)直後にバルーンを急速に拡張させ、収縮期の開始直前にバルーンを急速に収縮させることによって達成される。重拍切痕は、IABPの先端に配置された圧力センサを使用して検出されてもよく、収縮期の開始は、心電図(ECG)を使用して検出されてもよい。しかしながら、拡張および収縮が両方とも、圧力センサまたはECGデータのいずれかによってトリガされてもよい。バルーンの急速な拡張は、拡張期大動脈圧を20~70%増加させ、末端臓器および冠動脈灌流を改善する。バルーンの急速な収縮は、自己心室の駆出圧を低下させ、後負荷および左室の外的仕事を減少させる。カウンターパルセイション療法は、収縮期大動脈圧が40~70mmHgであり、自己心拍数が80~110bpmであり、カウンターパルセイション量(すなわち、バルーン体積)が自己左室の一回拍出量に等しいときに患者において最も効果的であることが示されている。
【0005】
IABPは、移植を待っているHF患者および冠動脈バイパス術を受けている患者に使用されてきた。バルーンは、一般に、大腿動脈を通って延在するドライブラインと共に下行大動脈に植え込まれる。この植込みを、本明細書では「大腿植込み」と呼ぶこともあり、大腿植込みをもたらす過程を、本明細書では「大腿法」と呼ぶこともある。大腿法は、植込みを行う臨床医が対処すべき著しい動脈の蛇行または動脈の湾曲がないため、単純なものである。しかしながら、大腿法によって植え込まれたIABPは、患者が治療期間中に脚を固定されて仰臥位のままであることを必要とし、その理由は、(1)向きの変化が治療の有効性を低下させることが示されており、(2)歩行が脚の動きに起因してバルーンまたはバルーンドライブラインをキンクさせ、周期性の疲労および最終的にはバルーンアセンブリの故障につながる可能性があり、(3)歩行が大腿動脈の動脈アクセスでの出血のリスクを増加させるからである。その結果、患者は歩行することができなくなるか、または心筋補助のための長期治療としてIABPから利益を得ることができなくなる。歩行の欠如は、より不良な転帰をもたらし、患者の回復および入院を長引かせることが実証されている。動脈アクセスに加えて、生体適合性、および耐久性の問題も、IABPの適用を短期間(典型的には2~4日間)に制限する。IABP補助は長期間使用されてきたが、血管の合併症、感染症および出血の頻度は高い。
【0006】
より最近では、IABPは、腋窩動脈または鎖骨下動脈を通って延在するドライブラインを用いて下行大動脈に植え込まれている。この植込みを、本明細書では「腋窩植込み」と呼ぶこともあり、腋窩植込みをもたらす過程を、本明細書では「腋窩法」と呼ぶこともある。IABPが腋窩法を使用して植え込まれる場合、大腿植込みに関連する特定の可動性の問題が軽減され、患者の歩行が容易になる。しかしながら、腋窩植込みでは、拡張されたときのバルーンの自然浮力によりバルーンが屈曲する可能性があり、バルーンは周期的な疲労を受けて破損する場合もある。腋窩植込みは、典型的には、胸部に入り、腋窩/鎖骨下動脈まで切開することによって外科的に行われている。
【0007】
ノースカロライナ州ローリーの出願人/譲受人のNuPulseCV,Inc.は、特許文献1に一般的に記載されているように、長期的なカウンターパルセイション装置として機能する経皮送達血管内心室補助システム(PiVAS)を開発しており、この出願の内容は全体として参照により本明細書に組み入れられる。PiVASは、低侵襲の外科的手法を使用した改善された腋窩法を介して下行大動脈に植え込まれる拡張可能部材を含む。植え込まれたとき、PiVASのドライブラインは、腋窩動脈または鎖骨下動脈を通って延在する。PiVASは、胸部に入ることなく低侵襲的に植え込まれ、心肺バイパス(CPB)または血液製剤を必要としない部分的循環補助を提供することによってHF患者のための代替療法を提供する。
【0008】
1つの態様では、PiVASは、長期の生体適合性および安全性のために設計された空気圧駆動の拡張可能部材を含む。拡張可能部材の近位端は、ドライブラインの遠位端に連結され得る。1つの態様では、拡張可能部材の近位端は、ドライブラインの遠位端に嵌合するようなサイズおよび形状の係合領域を含んでもよい。係合領域とドライブラインとの間に気密接続/空気圧シールを提供する圧縮リングや他の適切な要素などの取付け機構が、拡張可能部材をドライブラインに連結するために使用されてもよい。ドライブラインの近位端は、駆動ユニット(例えば、外部ドライバ)に連結され得る。
【0009】
PiVASで採用されるIABPは、生体適合性の非血栓形成性エラストマー材料(例えば、Biospan(登録商標)-S)または他の適切な材料から構成されてもよく、特許文献2に記載されている特徴を有してもよく、この特許の開示は全体として参照により本明細書に組み入れられる。いくつかの態様では、最大装置変位量は、心臓の一回拍出量に厳密に一致してもよく、有効なカウンターパルセイション療法を提供するために変更され得るパラメータである。拡張可能部材は、約20ml~約60mlの変位量を有してもよい。いくつかの態様では、変位量は約50mlである。IABPは、約15cm~約30cmの長さを有し得る。
【0010】
拡張可能部材は、胸部に入る必要なく大腿動脈を介して植え込まれ、腋窩/鎖骨下動脈を介して抜去され得る。挿入に関して、大腿動脈と腋窩/鎖骨下動脈の両方でイントロデューサシースを使用することが望ましい場合がある。細長い送達拡張器が、(例えば、ガイドワイヤーレールを設置し、次いでガイドワイヤー上で細長い送達拡張器を前進させ、その後にガイドワイヤーを取り外すことによって)2つのイントロデューサシース間の血管系内に配置されてもよい。拡張可能部材は、関連付けられたイントロデューサシースにおいて大腿動脈に導入され得る。特に、細長い送達拡張器の遠位端は、ドライブラインの近位端に取り外し可能に連結されてもよく、細長い送達拡張器の近位端は、拡張可能部材を定位置に移動させるために引っ張られてもよい。細長い送達拡張器は、腋窩/鎖骨下動脈から外に出され、ドライブラインの近位端から切り離されてもよく、ドライブラインの近位端も外に出されてもよい。拡張可能部材は、拡張可能部材を大腿動脈でイントロデューサシースに導入する間、挿入前に折り畳まれ得るかまたは丸められ得る。挿入前の拡張可能部材の寸法を小さくするために送達シース(例えば、漏斗や折り畳み式チューブ)が利用されてもよい。血液ポンプは、非閉塞性であってもよく、収縮したときに折り目またはクレバスなしに下行大動脈内に少なくとも実質的に平坦に置かれ得る。これにより、装置を長期間にわたってオフにすることが可能になる。患者は、有害な結果を伴わずに装置を60分間以上の間、日常的に停止させ得る。血液ポンプは、2.5年以上の使用にわたって耐久性を有することが実証されている。
【0011】
ドライブラインは、血液ポンプと駆動ユニットとの間で作動流体(例えば、空気、ガスなど)を往復させる細い(例えば、外径4.2mm)ドライブラインであってもよい。ドライブラインは、内側ドライブラインおよび外側ドライブラインを含んでもよい。内側ドライブラインは、拡張可能部材との間で作動流体を送達するために貫通して延在するルーメンを有する細長い支持構造体であってもよい。内側ドライブラインは、患者の血管系内(例えば、大動脈と腋窩/鎖骨下動脈との間)に少なくとも部分的に位置決めされてもよい。植込み後、内側ドライブラインは、拡張可能部材に連結され、患者の血管系(例えば、下行大動脈)内に位置決めされた遠位端部分と、外側ドライブラインの遠位端に連結され、例えば、腋窩/鎖骨下動脈、または他の適切な血管の動脈切開部で患者の血管系の外部に位置決めされる近位端部分とを有し得る。内側ドライブラインの近位端部分は、任意の適切な技法(例えば、圧縮リング、縫合(suturing)、接着、縫合(stitching)など)を使用して外側ドライブラインの遠位端に連結されてもよい。内側ドライブラインが血管系存在する動脈切開部で止血を提供するために、動脈インターフェース装置またはストッパ装置(「AID」)が使用されてもよい。AIDは、低侵襲の外科的手法を使用した長期植込みを可能にし得る。AIDは、装置を所望の向きまたは位置に固定するために使用される1つまたは複数の固定要素と、1つまたは複数のポートとを含んでもよい。例えば、1つのポートは、患者の血管系にワイヤー軸を提供してもよい。AIDは、特許文献3に記載されているのと同様の特徴を有してもよく、この特許の開示は全体として参照により本明細書に組み入れられる。AIDは、ルーメンを画定するAID内のシャフトを通して内側ドライブライン(例えば、血管系から外に出される部分)上に展開するか、または前進させ得る。内側ドライブラインは、シャフトに挿入され、シャフトを通って延在してもよい。外側ドライブラインは、AIDに近接した位置で内側ドライブラインに連結されてもよい。
【0012】
外側ドライブラインはまた、貫通して延在するルーメンを有する細長い支持構造体であってもよい。外側ドライブラインは、少なくとも部分的に皮下に、ただし患者の血管系の外側に位置決めされ得る。植込み後、外側ドライブラインの近位端部分は、(後述する)皮膚インターフェース装置に連結されてもよい。ドライブライン(例えば、内側ドライブラインおよび外側ドライブライン)のルーメンは、拡張可能部材との間で作動流体を輸送するために、拡張可能部材のルーメンに連結され得る。比較的大きい腋窩/鎖骨下動脈と比較して比較的小さいドライブラインの直径は、肢虚血のリスクを軽減する。
【0013】
駆動ユニットは、ドライブラインを介して拡張可能部材に出入りする作動流体(例えば、ガス、または周囲空気やヘリウムなどの他の流体)の流れを発生させることによってバルーンポンプを作動させる小型の携帯型装置であり得る。例えば、駆動ユニットは、陽圧を発生させて作動流体を加速して拡張可能部材内に入れ、それによって拡張可能部材を拡張させてもよく、陰圧を誘発して作動流体を拡張可能部材から引き出し、それによって拡張可能部材を収縮させてもよい。駆動ユニットは、ベローズ、送風機、圧縮機、加速器、または他の同様の機構を利用して、拡張可能部材に出入りする作動流体の流れを導いてもよい。駆動ユニットは、バルーンの過拡張を防止するための機構を有してもよい。
【0014】
皮膚インターフェース装置(「SID」)は、駆動ユニットが拡張可能部材の動作を駆動することを可能にする経皮的装置であり得る。SIDは、ドライブライン(例えば、外側ドライブライン)のための安定したかつ/または安全な出口部位を提供し得る。ドライブラインが内側ドライブラインおよび外側ドライブラインを含む一態様では、外側ドライブラインの近位端はSIDの内側向き部分に連結されてもよく、駆動ユニットはSIDの外側向き部分に連結されてもよい。よって、SIDは、拡張可能部材に送達するために、駆動ユニットから受け取ったガスを外側ドライブラインに導き得る。SIDは、特許文献4に記載されたインターフェース装置と同様であってもよく、この特許の開示は全体として参照により本明細書に組み入れられる。
【0015】
IABPは、少なくとも部分的に、圧力センサデータ(IABPの遠位先端に位置する圧力センサ要素から)および/または表面ECGセンサを介した患者のECGによってトリガされてもよい。関連付けられたECGセンサは、ECGリードを介してSIDに連結されてもよく、それは、センサから受信した測定値を、有線または無線接続を介して駆動ユニットに中継する。他の態様では、ECGセンサは、駆動ユニットに無線で接続されてもよく、感知した測定値を、SIDを使用せずに駆動ユニットに直接送信してもよい。ECGセンサは、植込み型、外付け型、または植込み型と外付け型の両方であってもよい。例えば、ECGセンサは、例えば左室が収縮または弛緩しているときを判定するために、心臓もしくは他の適切な組織にかつ/または心臓もしくは他の適切な組織に近接して、位置決めされた植込み型双極電極であってもよい。カウンターパルセイション療法は、大動脈弁閉鎖(重拍切痕)直後に大動脈内でバルーンを急速に拡張させ、駆動ユニットを使用して収縮期の開始直前にバルーンを急速に収縮させることによって達成される。重拍切痕は圧力センサによって感知されてもよく、収縮期の開始は、ECG信号を使用して予測または感知されてもよい。
【0016】
バルーンの急速な拡張は、拡張期大動脈圧を増加させ、末端臓器灌流および冠動脈灌流を改善し得る。バルーンの急速な収縮は、自己心室の駆出圧を低下させ、後負荷および左室の外的仕事を減少させる。PiVASのこの態様は、より大きな変位量のために40mlのIABP装置よりも効果的な患者におけるカウンターパルセイション療法を提供する。PiVASは、耐久性が高く、血栓形成性および/または閉塞性であるリスクが低減または排除されており、胸部に入る必要なく、総合的に低コストで、低侵襲的な装置植込み/抜去手技である。PiVASはまた、重篤有害事象(AE)負荷が低く、病状が軽い心不全集団に対する非義務的な補助を可能にする(装置は必要に応じて「オンまたはオフ」にし得る)。
【0017】
大腿法が使用されるか腋窩法(例えば、外科手術やPiVAS)が使用されるかにかかわらず、所望の変位量(例えば、50ml)を保持しながらIABPの厚さを減少させることが望ましいことが多い。バルーンの厚さが減少するにつれて、IABPは(例えば、PiVASに関しては、イントロデューサシースまたは送達シースを介して)適用可能な動脈内により容易に配置され得、かつより小さい動脈切開により血管への損傷が最小限に抑えられる。さらに、少なくともブロー成形によって製造されたバルーンでは、バルーンの厚さは、製造要件によって少なくとも部分的に決定され得る。特に、そのようなIABPは、とりわけ、バルーンがカウンターパルセイション中に部分的に収縮しているとき、またはカウンターパルセイションを提供するシステムがオフになっているときに、下行大動脈内に「垂直」のままに保たれるための構造的完全性を欠き、ねじれやすく、さらに(例えば、その縦軸および横軸のどちらかもしくは両方に沿って、またはどちらかもしくは両方の軸に対して1つもしくは複数の角度で)それ自体の上に丸まりやすいかまたは折り畳まれやすいか、またはそうでなくても全体にわたってクレバスを生じさせやすい場合がある。バルーンはまた、バルーンが血液中で拡張されたときに浮力に起因して周期的にねじれるかまたは反転して、バルーンの耐久性を低下させ、バルーン破損の可能性を高める場合もある。バルーン破損はまた、血流中への空気/ヘリウムの漏出につながる場合があり、これは脳卒中、死亡、または末端臓器虚血を引き起こし得る。さらに、バルーン破損は、バルーンの除去および交換を余儀なくし、コストを増加させ、血管損傷、出血、および死亡率を含む処置上のリスクを増加させる。そして、IABPが完全にまたは拡張されたときに下行大動脈に配置されたときにそれ自体の上に丸まるかまたは折り畳まれるか、またはそうでなくてもクレバスを生じさせると、IABPが閉塞性になる可能性があり、これにより心仕事量が増加して心不全または死亡の増加につながる可能性があり、バルーンを除去するための緊急外科手技が必要になる可能性がある。
【0018】
したがって、下行大動脈に配置されたときにIABPがそれ自体の上に丸まるかまたは折り畳まれる(またはそうでなくてもクレバスを生じさせる)のを防ぐ必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】米国特許出願第16/876,110号
【特許文献2】米国特許第8,066,628号
【特許文献3】米国特許第7,892,162号
【特許文献4】米国特許第10,137,230号
【発明の概要】
【0020】
より具体的には、本発明は以下を提供する:
[1]
ドライブラインに連結されている拡張可能なバルーンを有する血液ポンプアセンブリのための血液ポンプ支持装置であって、
前記ドライブラインが、前記血液ポンプアセンブリが患者の下行大動脈に植え込まれたときに前記血液ポンプアセンブリが前記患者に循環補助を提供するように、作動中に前記拡張可能なバルーンを出入りして作動流体を往復させるように構成されており、
前記血液ポンプ支持装置が、
頭部領域と尾部領域とを有する支持構造体であって、
前記頭部領域が前記バルーン内に配置されるように、前記支持構造体が前記血液ポンプアセンブリ内に取り外し可能に配置できるように構成されており、かつ
前記血液ポンプアセンブリが前記下行大動脈に植え込まれ、かつ前記頭部領域が前記バルーン内に配置されたときに、前記頭部領域が、そうでないと前記バルーンが前記バルーンの縦軸に対してある角度に沿って前記バルーン自体の上に丸まるかまたは折り畳まれる原因になる力に対抗するように、構成されている、
支持構造体
を含む、血液ポンプ支持装置;
[2]前記支持構造体が、前記ドライブラインを通した植込みによって前記血液ポンプアセンブリ内に取り外し可能に配置できる、[1]の血液ポンプ支持装置;
[3]前記頭部領域が前記バルーン内に配置されたとき、前記尾部領域が前記ドライブライン内に配置される、[1]の血液ポンプ支持装置;
[4]前記血液ポンプアセンブリが前記下行大動脈に植え込まれ、かつ前記支持構造体が前記血液ポンプアセンブリ内に配置されたときに、前記頭部領域が、そうでないと前記バルーンが前記バルーンの横軸に対してある角度に沿って前記バルーン自体の上に丸まるかまたは折り畳まれる原因になる力に対抗するように、構成されている、[1]の血液ポンプ支持装置;
[5]前記支持構造体がワイヤーを含む、[1]の血液ポンプ支持装置;
[6]前記ワイヤーが、ニチノールおよびステンレス鋼の一方である、[5]の血液ポンプ支持装置;
[7]前記頭部領域が、ニチノールおよびステンレス鋼の一方を含む、[1]の血液ポンプ支持装置;
[8]前記支持構造体が放射線不透過性である、[1]の血液ポンプ支持装置;
[9]前記頭部領域が前記バルーン内に配置されたとき、前記尾部領域が前記ドライブライン内に配置され、かつ前記尾部領域の近位端が前記ドライブラインの近位端の外部にある、[1]の血液ポンプ支持装置;
[10]前記ドライブラインの近位端に取り外し可能に連結できる遠位端を有するコネクタをさらに含み、
前記コネクタが、前記支持構造体の前記尾部領域を固定するように構成されている、
[9]の血液ポンプ支持装置;
[11]前記コネクタが、
前記支持構造体の前記尾部領域の近位端を受けるように構成されているバックアウト防止ポートと、
前記支持構造体の前記尾部領域の前記近位端を固定するように構成されているクランプと
を含む、[10]の血液ポンプ支持装置;
[12]前記コネクタがキャップを含み、かつ前記尾部領域の近位端がキャップの内面に近接して終端して、それによって前記尾部領域の前記近位端を収容する、[10]の血液ポンプ支持装置;
[13]前記尾部領域の前記近位端がフランジを含む、[12]の血液ポンプ支持装置;
[14]前記キャップが、前記バックアウト防止ポートの近位端上に取り外し可能に配置されている、[10]の血液ポンプ支持装置;
[15]
前記ドライブラインがルーメンを有し、かつ
前記コネクタが、前記ドライブラインルーメンと流体連通している空気圧ポートを含む、
[10]の血液ポンプ支持装置;
[16]前記頭部領域が前記血液ポンプアセンブリ内に配置されたとき、前記尾部領域が前記ドライブラインルーメン内に配置されるように構成されている、[15]の血液ポンプ支持装置;
[17]前記コネクタがyコネクタである、[16]記載の血液ポンプ支持装置;
[18]
前記頭部領域が2つの近位端を有する連続した開放端ループとして構成されており、かつ前記尾部領域が2つのステム端として構成されており、各ステム端の遠位端が、前記頭部領域のそれぞれの近位端と連続しており、
前記ループの輪郭の幅が前記ドライブラインの幅よりも大きく、
前記頭部領域を前記ドライブラインを通して前記バルーン内に植え込むのに十分なほど、前記頭部領域を可逆的に変形させることができるように、前記頭部領域が弾性、超弾性、または形状記憶を呈する、
[1]の血液ポンプ支持装置;
[19]前記バルーン内に配置されたときの前記頭部領域の形状が、前記尾部領域で加えられる外部抜取り力の印加なしに前記頭部領域が前記バルーンから後退するのを防止する、[18]の血液ポンプ支持装置;
[20]前記2つのステム端間の距離が、前記ドライブラインの内部幅よりも小さい、[18]の血液ポンプ支持装置;
[21]前記頭部領域の遠位端が、ガイドワイヤーに通されるようなサイズおよび形状であるニップルを含む、[1]の血液ポンプ支持装置;
[22]前記頭部領域の輪郭が前記ニップルを形成するように前記頭部領域の前記遠位端に向かって遠位に先細になる、[21]の血液ポンプ支持装置;
[23]前記頭部領域が前記ニップルの基部においてそれ自体で交差している、[22]の血液ポンプ支持装置;
[24]各ステム端の近位端がフランジである、[18]の血液ポンプ支持装置;
[25]前記フランジが前記支持構造体の横軸に対してある角度をなす、[24]の血液ポンプ支持装置;
[26]前記頭部領域が前記血液ポンプアセンブリ内に配置されたときに、前記ステム端が前記ドライブラインの近位端の外部にあるように構成されている、[18]の血液ポンプ支持装置;
[27]1つまたは複数の放射線不透過性マーカが、前記支持構造体に沿って配置されている、[1]の血液ポンプ支持装置;
[28]1つまたは複数の放射線不透過性でない物質が前記ドライブラインの所定の位置と位置合わせされたときに、頭部領域が前記バルーン内に配置されていると判定されるように、前記1つまたは複数の放射線不透過性でない物質が、前記支持構造体上の位置に配置されている、[1]の血液ポンプ支持装置;
[29]前記1つまたは複数の放射線不透過性でない物質が視覚マーカであり、かつ前記ドライブラインの前記所定の位置が前記ドライブラインの近位端である、[28]の血液ポンプ支持装置;
[30]前記頭部領域が可撓性のある先端部分と可撓性のない本体部分とを含み、前記可撓性のある先端部分が前記頭部領域の遠位部分を含み、かつ前記可撓性のない本体部分が前記頭部領域の近位部分を含む、[1]の血液ポンプ支持装置;
[31]
前記頭部領域が、
前記可撓性のない本体部分の遠位端が前記バルーンの遠位端に近接して配置することが可能であり、
前記可撓性のある先端部分の近位端が湾曲するように構成され、かつ
前記可撓性のある先端部分が、前記バルーンの前記遠位端から離れて後方にカールするように構成され、前記可撓性のある先端部分の遠位端が前記バルーンに沿った長手方向の位置に配置される
ように構成されている、[30]の血液ポンプ支持装置;
[32]前記バルーンおよび前記ドライブラインの一方に沿った位置に配置された相補的放射線不透過性マーカに対応する少なくとも1つの放射線不透過性マーカが、前記放射線不透過性マーカが位置合わせされたときに、頭部領域が前記バルーン内に配置されていると判定されるように、前記頭部領域および前記尾部領域の一方に沿って配置されている、[31]の血液ポンプ支持装置;
[33]1つまたは複数の放射線不透過性でない物質が前記ドライブラインの所定の位置と位置合わせされたときに、頭部領域が前記バルーン内に配置されていると判定されるように、前記1つまたは複数の放射線不透過性でない物質が、前記支持構造体上の位置に配置されている、[1]の血液ポンプ支持装置;
[34]前記1つまたは複数の放射線不透過性でない物質が視覚マーカであり、かつ前記ドライブラインの前記所定の位置が前記ドライブラインの近位端である、[33]の血液ポンプ支持装置;
[35]前記可撓性のある先端部分が非侵襲的であり、かつ前記可撓性のある先端部分の少なくともコアが、前記可撓性のない本体部分および前記尾部領域の少なくとも一方に対して先細になっている、[31]の血液ポンプ支持装置;
[36]前記支持構造体が、前記頭部領域の遠位端に配置されている鈍い表面を有する、[1]の血液ポンプ支持装置;
[37]
ドライブラインに連結されている拡張可能なバルーンを有する血液ポンプアセンブリのための血液ポンプ支持方法であって、
前記ドライブラインが、前記血液ポンプアセンブリが患者の下行大動脈に植え込まれたときに前記血液ポンプアセンブリが前記患者に循環補助を提供するように、作動中に前記拡張可能なバルーンを出入りして作動流体を往復させるように構成されており、
前記血液ポンプ支持方法が、
前記支持構造体の頭部領域が前記バルーン内に配置され、かつ前記支持構造体の尾部領域が前記ドライブライン内に配置されるように、支持構造体を前記血液ポンプアセンブリ内に植え込む段階であって、
前記血液ポンプアセンブリが前記下行大動脈に植え込まれ、かつ前記頭部領域が前記バルーン内に配置されたときに、前記頭部領域が、そうでないと前記バルーンが前記バルーンの縦軸および横軸の少なくとも一方に対してある角度に沿って前記バルーン自体の上に丸まるかまたは折り畳まれる原因になる力に対抗するように、構成されている、段階
を含む、方法;
[38]前記血液ポンプアセンブリを前記下行大動脈内に植え込む段階をさらに含む、[37]の血液ポンプ支持方法;
[39]前記支持構造体を植え込む段階の前に前記バルーンを少なくとも部分的に拡張させる段階をさらに含む、[37]の血液ポンプ支持方法;
[40]前記支持構造体を植え込む段階が、前記ドライブラインを通して前記支持構造体を植え込むことを含む、[37]の血液ポンプ支持方法;
[41]前記支持構造体がワイヤーを含む、[37]の血液ポンプ支持方法;
[42]前記ワイヤーが、ニチノールおよびステンレス鋼の一方である、[41]の血液ポンプ支持装置;
[43]前記支持構造体を前記血液ポンプアセンブリ内に植え込む段階が、前記尾部領域の近位端を前記ドライブラインの近位端に対して外に出すことを含む、[37]の血液ポンプ支持方法;
[44]前記ドライブラインの近位端にコネクタを設置する段階、および
前記コネクタを使用して前記支持構造体の前記尾部領域を固定する段階
をさらに含む、[43]の血液ポンプ支持方法;
[45]
前記コネクタがバックアウト防止ポートを含み、かつ
前記尾部領域を固定する段階が、前記支持構造体の前記尾部領域の前記近位端を前記バックアウト防止ポートに受けることを含む、
[44]の血液ポンプ支持方法;
[46]
前記コネクタがクランプを含み、かつ
前記尾部領域を固定する段階が、前記クランプを使用して前記尾部領域の前記近位端を締め付けることを含む、
[44]の血液ポンプ支持方法;
[47]
前記コネクタが前記バックアウト防止ポートの近位端に配置されているキャップを含み、かつ
前記尾部領域を固定する段階が、前記キャップの内面に近接して前記支持構造体の前記尾部領域の前記近位端を受けることを含む、
[45]の血液ポンプ支持方法;
[48]前記コネクタが、前記バックアウト防止ポートの近位端に配置されている取り外し可能なキャップを含む、[45]の血液ポンプ支持方法;
[49]
前記頭部領域が2つの近位端を有する連続した開放端ループとして構成されており、かつ前記尾部領域が2つのステム端として構成されており、各ステム端の遠位端が、前記頭部領域のそれぞれの近位端と連続しており、
前記ループの輪郭の幅が前記ドライブラインの幅よりも大きく、
前記頭部領域が、弾性、超弾性、または形状記憶を呈し、
前記支持構造体を前記血液ポンプアセンブリ内に植え込む段階が、前記ドライブラインを通して前記バルーン内に前記頭部領域を前進させるために前記頭部領域を可逆的に変形させることを含む、
[37]の血液ポンプ支持方法;
[50]前記バルーン内に配置されているときの前記頭部領域の形状が、前記尾部領域で加えられる外部抜取り力の印加なしに前記頭部領域が前記バルーンから後退するのを防止する、[49]の血液ポンプ支持方法;
[51]
前記頭部領域の遠位端が、ガイドワイヤーに通されるようなサイズおよび形状であるニップルを含み、かつ
前記支持構造体を前記血液ポンプアセンブリ内に植え込む段階が、
前記ガイドワイヤーを前記血液ポンプアセンブリに挿入すること、
前記ニップルを前記ガイドワイヤーに通すこと、および
前記ガイドワイヤーに被せて前記支持構造体を前記血液ポンプアセンブリに挿入すること
を含む、
[37]の血液ポンプ支持方法;
[52]前記頭部領域の輪郭が前記ニップルを形成するように前記頭部領域の前記遠位端に向かって遠位に先細になる、[51]の血液ポンプ支持方法;
[53]前記頭部領域が前記ニップルの基部においてそれ自体で交差している、[52]の血液ポンプ支持方法;
[54]
1つまたは複数の放射線不透過性マーカが、前記支持構造体に沿って配置されており、かつ
前記支持構造体を前記血液ポンプアセンブリ内に植え込む段階が、前記1つまたは複数の放射線不透過性マーカのうちの少なくとも1つが前記血液ポンプアセンブリ上の1つまたは複数の対応する放射線不透過性マーカと位置合わせされるまで前記支持構造体を前進させることを含む、
[37]の血液ポンプ支持方法;
[55]
放射線不透過性でない物質が、前記支持構造体上の位置に配置されており、かつ
前記支持構造体を前記血液ポンプアセンブリ内に植え込む段階が、前記放射線不透過性でない物質が前記ドライブラインの所定の位置と位置合わせされるまで前記支持構造体を前進させることを含む、
[37]の血液ポンプ支持方法;
[56]前記放射線不透過性でない物質が視覚マーカであり、かつ前記ドライブラインの前記所定の位置が前記ドライブラインの近位端である、[55]の血液ポンプ支持装置;
[57]
前記頭部領域が可撓性のある先端部分と可撓性のない本体部分とを含み、前記可撓性のある先端部分が前記頭部領域の遠位部分を含み、かつ前記可撓性のない本体部分が前記頭部領域の近位部分を含み、かつ
前記支持構造体を前記血液ポンプアセンブリ内に植え込む段階が、
前記可撓性のない本体部分の遠位端が前記バルーンの前記遠位端に近接して配置され、かつ
前記可撓性のある先端部分が前記バルーンの前記遠位端から離れて後方にカールする尾部を含み、前記可撓性のある先端部分の遠位端が前記バルーンに沿った長手方向の位置に配置されるように、前記可撓性のある先端部分の近位端が湾曲するまで、前記頭部領域を前記バルーン内に前進させることを含む、
[37]の血液ポンプ支持方法;
[58]
前記頭部領域および前記尾部領域の一方に沿って少なくとも1つの放射線不透過性マーカが配置されており、かつ
前記支持構造体を前記血液ポンプアセンブリ内に植え込む段階が、前記少なくとも1つの放射線不透過性マーカが前記血液ポンプアセンブリ上に配置されている少なくとも1つの相補的放射線不透過性マーカと位置合わせされるまで前記支持構造体を前進させることを含む、
[57]の血液ポンプ支持装置;
[59]前記可撓性のある先端部分が非侵襲的であり、かつ前記可撓性のある先端部分の少なくともコアが、前記可撓性のない本体部分および前記尾部領域の少なくとも一方に対して先細になっている、[57]の血液ポンプ支持装置;ならびに
[60]
前記支持構造体が、前記頭部領域の遠位端に配置された鈍い表面を有し、かつ
前記支持構造体を前記血液ポンプアセンブリ内に植え込む段階が、前記鈍い表面が前記バルーンの遠位端の内面に近接するまで前記支持構造体を前進させることを含む、
[37]記載の血液ポンプ支持装置。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本技術の多くの局面は、以下の図面を参照すればよりよく理解され得る。図面の構成要素は必ずしも縮尺通りではなく、代わりに本開示の原理を明確に示すことに重点が置かれている。
【0022】
図1A図1Aは、2つの異なる技法、すなわち大腿法(図1A)と腋窩法(図1B)とを使用して下行大動脈に配置されているIABPを示す。
図1B図1Bは、2つの異なる技法、すなわち大腿法(図1A)と腋窩法(図1B)とを使用して下行大動脈に配置されているIABPを示す。
図2図2は、本開示の一態様による、第1のタイプのニップル先端を有する、血液ポンプアセンブリ内に取り外し可能に配置されるように構成されている支持構造体の側面図を示す。
図3図3は、本開示の一態様による、バルーンとドライブラインとを含む例示的な血液ポンプアセンブリ内への、弾性または超弾性材料を含む図2の支持構造体の植込みを示す。
図4図4は、本開示の一態様による、バルーンとドライブラインとを含む例示的な血液ポンプアセンブリ内への、形状記憶または擬似弾性材料を含む図2の支持構造体の植込みを示す。
図5図5は、本開示の一態様による、バルーンとドライブラインとを含む例示的な血液ポンプアセンブリからの、図3または図4の支持構造体の抜去を示す。
図6図6は、本開示の第1の態様によるコネクタを示す。
図7図7は、本開示の第2の態様によるコネクタを示す。
図8図8は、本開示の一態様による、図3の支持構造体のドライブラインの近位端上への図6のコネクタの設置を示す。
図9図9は、本開示の一態様による、図4の支持構造体のドライブラインの近位端上への図7のコネクタの設置を示す。
図10図10は、本開示の一態様による、第2のタイプのニップル先端を有する、血液ポンプアセンブリ内に取り外し可能に配置されるように構成されている支持構造体の側面図を示す。
図11図11は、図2および図10の支持構造体上の放射線不透過性物質の例示的な配置を示す。
図12図12は、本開示の一態様による、図3の血液ポンプアセンブリ内への図3の支持構造体の植込み中のバディガイドワイヤーの使用を示す。
図13図13は、本開示の一態様による、図4の血液ポンプアセンブリ内への図4の支持構造体の植込み中のバディガイドワイヤーの使用を示す。
図14図14は、本開示の一態様による、図3または図4の血液ポンプアセンブリ内からの図3または図4の支持構造体の抜去中のバディガイドワイヤーの使用を示す。
図15図15は、本開示の一態様による、可撓性のある先端部分と可撓性のない本体部分とを備える頭部領域を有する、血液ポンプアセンブリ内に取り外し可能に配置されるように構成されている支持構造体の側面図を示す。
図16図16は、本開示の一態様による、バルーンとドライブラインとを含む血液ポンプアセンブリ内への図15の支持構造体の植込みを示す。
図17図17は、本開示の一態様による、図16の血液ポンプアセンブリからの図16の支持構造体の抜去を示す。
図18図18は、本開示の一態様による、バルーンとドライブラインとを含む血液ポンプアセンブリ内に配置されている図15の支持構造体を示し、ドライブラインの近位端に連結されているコネクタをさらに示す。
図19図19は、本開示の一態様による、鈍い先端を備える頭部領域を有する、血液ポンプアセンブリ内に取り外し可能に配置されるように構成されている支持構造体の側面図を示す。
図20図20は、本開示の一態様による、バルーンとドライブラインとを含む血液ポンプアセンブリ内への図19の支持構造体の植込みを示す。
図21図21は、本開示の一態様による、図20の血液ポンプアセンブリからの図20の支持構造体の抜去を示す。
図22図22は、本開示の一態様による、バルーンとドライブラインとを含む血液ポンプアセンブリ内に配置されている図19の支持構造体を示し、ドライブラインの近位端に連結されているコネクタをさらに示す。
図23図23は、腋窩/鎖骨下植込み法を使用して植え込まれたバルーンと関連付けられた動脈切開部位において止血を提供するストッパ装置の動脈インターフェースを示す。
図24図24は、本開示の1つまたは複数の態様による血液ポンプ支持方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
詳細な説明
NuPulseCVは、以下を開発している:(1)発明者としてJoshua Ryan Woolley、Sonna Manubhai Patel-Raman、Guruprasad Anapathur Giridharanを認め、代理人整理番号8018US00/236533-30034を有する、「Intra-Aortic Balloon Pump Assembly with Pressure Sensor」という名称の、本開示と同日に出願された米国特許出願に一般的に記載されている、1つまたは複数のセンサを有するIABPアセンブリ(「センサ技術」)、ならびに(2)発明者としてJoshua Ryan Woolley、Robert Christopher Hall、Duane Sidney Pinto、およびGuruprasad Anapathur Giridharanを認め、代理人整理番号8019.US00/236533-30037を有する、「Intra-Aortic Balloon Pump Assembly」という名称の、本開示と同日に出願された米国特許出願に一般的に記載されている、より大きな補助、改善された補強、新しいマーカ、および他の改善点のために構成されたバルーンを有する大動脈内バルーンポンプアセンブリ(「改善されたバルーンポンプアセンブリ技術」)、両出願の内容は全体として参照により本明細書に組み入れられる。センサ技術は、中でも特に、IABPの先端(または遠位端)に配置された圧力センサを使用したIABPアセンブリの腋窩植込みと関連付けられる特定の問題を解決し、改善されたバルーンポンプアセンブリ技術は、中でも特に、現在のIABPおよびそれらのドライブラインの設計と関連付けられる特定の問題を解決する。上記で開示し組み入れた、改善されたバルーンポンプアセンブリ技術を対象とする米国特許出願に記載されているように、バルーンは、約0.025~0.035インチ(0.635~0.889mm)、約0.010~0.014インチ(0.254~0.356mm)、約0.003~0.012インチ(0.076~0.305mm)、または約0.003~0.016インチ(0.076~0.406mm)の壁厚を有することが望ましい場合がある。約0.025~0.035インチ、0.010~0.014インチ、0.003~0.012インチ、または0.003~0.016インチの壁厚を有するIABPは、大腿動脈または腋窩/鎖骨下動脈への進入を容易にし得るが、比較的薄い壁を有するそのようなIABPは、構造的完全性の欠如の影響を受けやすくする。本明細書で説明するように、本開示は、機械的循環補助装置(例えば、カウンターパルセイション)のための薄壁IABPの使用と関連付けられる様々な問題を解決する。
【0024】
本技術のいくつかの態様の具体的な詳細が、図1図24を参照して本明細書で説明される。本明細書に記載されるもの以外の他の用途および他の態様が本技術の範囲内にある。本明細書に開示するもの以外の他の態様も本技術の範囲内にあることに留意されたい。さらに、本技術の態様が、本明細書に図示または記載される以外の構成、構成要素、および/または手順を有し得ること、ならびにこれらおよびその他の態様が、本技術から逸脱することなく、本明細書に図示または記載される構成、構成要素、および/または手順のいくつかなしであり得ることを、当業者は理解するであろう。本明細書全体を通して、「1つの態様(one embodiment)」、「一態様(an embodiment)」、「1つまたは複数の態様(one or more embodiments)」、「第nの態様(nth embodiment)」、または「いくつかの態様(some embodiments)」への言及は、その態様に関連して説明される特定の特徴、支持構造体または特性が本開示の少なくとも1つの態様に含まれることを意味する。よって、そのような用語の使用は、必ずしも同じ態様を指しているとは限らない。例えば、本明細書に記載される特徴は、1つまたは複数の態様において任意の適切なやり方で組み合わされてもよいことが明示的に企図されている。
【0025】
図1Aおよび図1Bは、2つの異なる技法、すなわち大腿法(図1A)と腋窩法(図1B)とを使用して大動脈弓血管系104に、より詳細には下行大動脈110に配置されているIABP118を示している。大動脈弓血管系104は、心臓106、大動脈弓108、腋窩/鎖骨下動脈112、下行大動脈110、腎動脈114の2つの分枝および総腸骨動脈116の2つの分枝を含む。図1Aの大腿植込みでは、ドライブライン120は大腿動脈(図示せず)を通って延在する。図1Bの腋窩植込みでは、ドライブライン120は、腋窩または鎖骨下動脈112を通って延在する。図1Aおよび図1Bの各々のIABP118は縮尺通りに描かれていない。改善されたバルーンポンプアセンブリ技術を対象とする上記で開示し、組み入れた米国特許出願に記載されているように、IABP118は、腎動脈114を越えて尾側に延在し得る。
【0026】
図2は、本開示の一態様による、血液ポンプアセンブリ(図示せず)内に配置されるように構成されている支持構造体200の形態の例示的な血液ポンプ支持装置の側面図2A、2Bを示している。例示的な支持構造体200は、頭部領域202と尾部領域204とを有する。頭部領域202の輪郭は、頭部領域202の先細りと関連付けられたピンチポイントとして画定された基部208を有するニップル206を形成するように、頭部領域202の遠位端に向かって遠位に先細になっていてもよい。
【0027】
構造体200は、ワイヤーまたは任意のワイヤー状材料で作られてもよい。例示的な支持構造体200は、尾部領域204の近位端に配置されている開口部分210を有するループの形状で構成されている。1つの態様では、尾部領域204は2つのステム端212を有し、頭部領域202は、2つの近位端を有する連続した開放端ループである。1つの態様では、ステム端212は実質的に平行である。実質的に平行とは、各ステム端212が例示的な支持構造体200の縦軸から10度を超えて逸脱しないことを意味し得る。ステム端212の各遠位端は、連続した頭部領域202のそれぞれの近位端と連続しており、ステム端212の近位端は開いて開口部分210を画定する。1つの態様では、ステム端212の近位端は外側に広がり、フランジ214を形成する。1つの態様では、フランジ214は、支持構造体200の横軸と実質的に整列している。この態様では、実質的に整列しているとは、基準横軸から10度以内を意味する。他の態様では、フランジは、横軸と実質的に整列していない。1つの態様では、フランジ214は、横軸に対してある角度で広がっている。1つの態様では、ループの形状は、短剣形であってもよい。別の態様では、ループの形状は、その中に配置されるように設計されている血液ポンプアセンブリと関連付けられたバルーンの形状に実質的に一致していてもよい。形状がバルーンの形状に実質的に一致するとは、角度または曲率の逸脱が、バルーンの内壁と関連付けられたそのような角度および/または曲率の値の10%未満であることを意味する。他の形状が利用されてもよい。
【0028】
ニップル206は、ループ状の頭部領域の対向する側を先細にすることによって形成され得る。頭部領域の対向する側は、基部208で接触して隣接してもよいし、基部208で接触せずに隣接してもよい。後者は図2に図示されている。
【0029】
頭部領域202は、尾部領域204と同じかまたは異なる材料で構成され得る。頭部領域202および尾部領域204は、弾性もしくは超弾性を呈する材料、または形状記憶を呈する材料(擬似弾性としても知られる)を含んでもよい。弾性材料および超弾性材料は、静止状態および負荷状態を有し得る。初期静止状態にあるとき、材料は、製造中に決定される形状をとり得る。弾性または超弾性材料は、閾値量以上の機械的負荷が加えられた状態で負荷状態に移行し得る。加えられた機械的負荷が閾値量に未満である場合、材料はその静止状態のままである。閾値量以上の機械的負荷が加えられる限り、弾性または超弾性材料は負荷状態にあり得、機械的負荷の程度に基づいて1つまたは複数の異なる形状をとり得る。すなわち、第1の機械的負荷の存在下での材料の形状は、第2の機械的負荷の存在下での材料の形状と異なり得る。負荷状態にあるとき、構造体200は変形されており、変形形状を有すると言える。
【0030】
加えられたすべての機械的負荷が除去された場合、またはそのときに加えられている機械的負荷が少なくとも閾値量ほど大きくない場合、材料は静止状態に移行する。負荷状態からの移行後の静止状態の形状は、以前に加えられた機械的負荷が、材料の公称永久変形を引き起こす材料固有の負荷量(「公称変形負荷量」)を超えない限り、製造中に決定されたものと同じである。以前に加えられた機械的負荷が材料の公称変形負荷量を超えるが、有意な永久変形を引き起こす材料固有の負荷量(「有意な変形負荷量」)を超えない場合には、その後の静止形状の材料は、製造中に決定された形状に実質的に一致する形状に戻る。形状は、角度または曲率の逸脱が製造中に確立されたそのような角度および/または曲率の値の10%未満である場合、製造中に決定されたその形状に実質的に一致する。以前に加えられた機械的負荷が有意な変形負荷量を超える場合には、その後の静止形状の材料は、負荷状態中にその形状を保持する(すなわち、材料は新しい形状をとらない)か、または製造中に決定された形状に実質的に一致しない形状に戻る(すなわち、角度および曲率の値は、製造中に確立されたそのような角度および/または曲率の値と比較して、10%を超えて変化し得る)。
【0031】
弾性材料は、その公称変形負荷量およびその有意な変形負荷量が、超弾性材料と関連付けられた対応する量よりも小さくなり得るという点で、超弾性材料とは異なる。弾性を呈する材料の一例がステンレス鋼である。超弾性を呈する材料の一例がニチノールであり、ただし、(後述するように)ニチノールがその記憶転写温度を下回る温度にないことを条件とする。
【0032】
形状記憶材料はまた、静止状態および負荷状態を有し得る。初期静止状態にあるとき、材料は、製造中に決定される形状をとり得る。形状記憶材料は、材料固有の変形温度範囲(例えば、ニチノールのいくつかの組成物では0~4°C)内の温度に冷却されると、負荷状態に移行し得、そのような形状記憶材料が変形温度範囲に留まる間、閾値量以上の機械的負荷が加えられる。加えられた機械的負荷が閾値量未満である場合、材料は、少なくともその形状に関しては、その静止状態のままである。しかし、形状記憶材料の温度が変形温度範囲内にあるときに加えられた機械的負荷が閾値量にあるか、または閾値量を超える場合、加えられた負荷は、機械的負荷の程度に基づいて形状記憶材料に1つまたは複数の異なる形状をとらせる(すなわち、変形させる)。すなわち、形状記憶材料が変形温度範囲内にある間は、各例において、第1の機械的負荷の存在下での形状記憶材料の形状は、第2の機械的負荷の存在下でのその材料の形状と異なり得る。負荷状態にあるとき、構造体200は変形されて変形形状を有すると言える。
【0033】
形状記憶材料の温度が変形温度範囲を超えるが、材料固有の記憶転写温度範囲(またはその範囲内の最低温度)を下回ったままであるとき、形状記憶材料は、形状記憶材料が変形温度範囲内にあったときに加えられた機械的負荷によって引き起こされた変形形状を保持する。すなわち、形状記憶材料は負荷状態のままである。しかしながら、形状記憶材料がその記憶転写温度範囲(例えば、ニチノールでは30~34C)以上の温度に加熱されると、形状記憶材料は、変形中の以前に加えられた機械的負荷が材料固有の公称変形負荷量を超えない限り、製造中に決定された静止状態と形状とに移行する。変形中の以前に加えられた機械的負荷が公称変形負荷量を超えたが、形状記憶材料の有意な変形負荷量を超えない場合には、その後の静止状態にある形状記憶材料は、製造中に決定された形状に実質的に一致する形状に戻る。形状は、角度または曲率の逸脱が製造中に確立されたそのような角度および/または曲率の値の10%未満である場合、製造中に決定されたその形状に実質的に一致する。変形中の以前に加えられた機械的負荷が有意な変形負荷量を超えた場合には、その後の静止形状の材料は、負荷状態中に変形形状を保持する(すなわち、材料は新しい形状をとらない)か、または製造中に決定された形状に実質的に一致しない形状に戻る(すなわち、角度および曲率の値は、製造中に確立されたそのような角度および/または曲率の値と比較して、10%を超えて変化し得る)。
【0034】
図2に戻って、2Aの支持構造体200は(例えば、製造によって決定されるような)例示的な静止状態にあり、2Bの支持構造体200は例示的な負荷状態(例えば、変形形状を引き起こした加えられた機械的負荷が公称変形負荷量を超えない負荷状態)にある。
【0035】
支持構造体200は、バルーンとドライブラインとを有する血液ポンプアセンブリ内に配置されるように構成されている。収縮したバルーンの幅は、ドライブラインの内径よりも大きくてもよい。頭部領域202は、(例えば、2Aに図示するように)その静止状態にあるときに、収縮したバルーンまたは実質的に収縮したバルーン(例えば、図3の3Aに示すバルーン302)に関して、頭部領域202が収縮したバルーンまたは実質的に収縮したバルーン302の内壁の平面的な外周の形状およびサイズをとるような形状およびサイズであってもよい。他の態様では、頭部領域202は、収縮したバルーンまたは実質的に収縮したバルーン302の内壁の平面的な外周の形状をとるが、より小さいサイズである。他の形状も明示的に企図されている。そのような静止状態における頭部領域202の輪郭の幅は、ドライブライン(例えば、図3の3Bに示すドライブライン304)の内径より大きくてもよい。よって、バルーン302内に完全に配置されたときの頭部領域202の形状および/またはサイズは、例示的な支持構造体200を潰すのに十分なほどの尾部領域204における外部抜取り力の印加なしに頭部領域202がバルーン302から後退するのを防止し得るか、またはこれに対抗し得る(後述する)。1つの態様では、静止状態にあるときの尾部領域204の2つのステム端212の間の距離は、ドライブライン304の内径と等しいか、それよりも大きいか、またはそれよりも小さい。
【0036】
図3の3Aは、バルーン302とドライブライン304とを有する例示的な血液ポンプアセンブリ300を示している。血液ポンプアセンブリ300は、PiVASに関して上述した通りであり得る。すなわち、血液ポンプアセンブリ300は、同じかまたは類似の材料を含み、同じかまたは類似のサイズを有し、同じかまたは類似の技法を使用して下行大動脈に配置され得る。収縮したバルーン302の輪郭の幅は、ドライブライン304の内径よりも大きくてもよい。バルーン302は、血液ポンプアセンブリ300の遠位領域に配置され、ドライブライン304は、血液ポンプアセンブリ300の近位領域に配置される。血液ポンプアセンブリ300は、カウンターパルセイションなどの機械的循環補助を提供するために使用され得る。
【0037】
図3の3B~3Dは、弾性または超弾性材料を含む例示的な支持構造体200の例示的な血液ポンプアセンブリ300への例示的な植込みを示している。特に、頭部領域202は、頭部領域202がバルーン202内に取り外し可能に配置され、尾部領域204がドライブライン304内に取り外し可能に配置されるように、ドライブライン304を通って前進するように構成されている。図3の3Bを最初に参照すると、支持構造体200を血液ポンプアセンブリ300内に前進させるために、ドライブライン304の近位端の外部の位置で、頭部領域202に手で(例えば、医療専門家によって)機械的負荷306(上下矢印)が加えられ得る。負荷306に加えて、支持構造体200をアセンブリ300内に図示の方向に押し込むかまたは前進させるための前進力も加えられ得る。加えられた機械的負荷306により、支持構造体200の少なくとも一部分308、特に頭部領域202が、図2の2Bに示す負荷形状に似た負荷形状をとり得る。ドライブライン304の内側に入ると、支持構造体200、特に頭部領域202は、もはや機械的負荷306を受けないが、ドライブライン304の内壁によって加えられる機械的負荷を受ける可能性がある。このドライブライン負荷により、支持構造体300の少なくとも別の部分309、特に頭部領域302が、ドライブラインの機械的負荷と関連付けられる異なる負荷形状をとり得る。上記のように、負荷形状は変形形状であり得る。
【0038】
図3の3Cを参照すると、頭部領域202は、頭部領域202の遠位端がバルーン302内に配置され、頭部領域202の近位端がドライブライン304内に配置され、尾部領域204の一部分がドライブライン304内に配置され、尾部領域204の一部分がドライブライン304の近位端から外に出るように、アセンブリ内に前進している。頭部領域202の遠位端には、頭部領域202のこの部分313が(例えば、図2の2Aに一般的に図示するような)その静止形状をとるように、機械的負荷も公称機械的負荷もかからない可能性がある。ドライブライン304内に配置されたままの頭部領域202の近位端は、ドライブラインの機械的負荷を受ける可能性があり、植込みのこの段階でのドライブラインの機械的負荷と関連付けられる負荷形状をとる支持構造体の部分309を画定し得る。
【0039】
支持構造体200を血液ポンプアセンブリ300内に引き続き前進させるために、ドライブライン304の近位端のすぐ外側の位置で、尾部領域204の外に出た部分に手で(例えば、医療専門家によって)別の機械的負荷310(上下矢印)が加えられ得る。支持構造体200をアセンブリ300内に前進させるための継続的な前進力が、図示の方向に加えられ得る。加えられた機械的負荷310により、支持構造体200の少なくとも一部分311、特に尾部領域204が、図2の2Bに示す負荷形状に似た負荷形状をとり得る。ドライブライン304の内側に入ると、支持構造体200、特に尾部領域204は、もはや機械的負荷310を受けなくなり得るが、ドライブライン304の内壁によって加えられる機械的負荷を受けて、少なくとも別の部分312に、負荷形状(ドライブラインが尾部領域204に力を及ぼす場合)をとらせるか、または静止形状(ドライブラインが尾部領域204に力を及ぼさない場合)をとらせる可能性がある。図示の例では、部分312でドライブライン304によって発生する機械的負荷はなく、部分312の尾部領域204の形状は、例えば、図2の2Aに一般的に図示するように、静止形状である。
【0040】
図3の3Dを参照すると、支持構造体200は、アセンブリ300内に完全に配置されており、支持構造体200の全体がその静止状態にあるものとして示されている。上記で示唆したように、バルーン302および/またはドライブライン304によって頭部領域202および尾部領域204に機械的負荷をそれぞれ加えて、わずかに負荷がかかった形状を生じさせることができることが企図されている。尾部領域204の近位端は、支持構造体200がアセンブリ300内に完全に配置されたときに、近位端がドライブライン304の近位端から所定の距離または所定の距離内で終端するようなサイズとし得る。あるいは、尾部領域204の近位端は、現場でサイズに切断することもできる。フランジ214は、ドライブライン304の近位端と接触してもよい。フランジ214は、尾部領域がドライブライン304内でさらに前進するのを防止するように働き得る。フランジ214は、遠位先端206がバルーン302の遠位端の内壁と接触しないように働き得る。最後に、上記のように、頭部領域202の近位端は、そうでないと頭部領域をバルーン302から押し出すように作用する可能性のある、作動中に(例えば、バルーン302のカウンターパルセイション中に)加えられる機械的負荷に抵抗するか、または対抗するような形状であり得る。特に、バルーン302の近位端の形状は、予測される操作的機械的負荷が、支持構造体200を負荷状態にして支持構造体200を抜去するには不十分であるような形状であり得る。
【0041】
支持構造体200の血液ポンプアセンブリ300内への前進を容易にするために、摩擦を低減する潤滑剤(例えば、NuSilシリコーン潤滑剤、Surgilube、Viperslideなどのような親水性潤滑剤および疎水性潤滑剤)が使用されてもよい。バルーン302は、支持構造体200の血液ポンプアセンブリ300内への前進を容易にするために部分的に拡張されてもよい(例えば、50%)。支持構造体200がアセンブリ300内に完全に配置されると、バルーン302は、拡張され、かつ/またはカウンターパルセイションの目的で周期的に拡張/収縮され得る。
【0042】
図4は、例示的な血液ポンプアセンブリ300への形状記憶材料を含む例示的な支持構造体200の例示的な植込みを示している。図4の4Aは、図3の3Aと同一である。この過程は、図2の2Bに図示するように、支持構造体200を負荷状態に置くことによって開始し得る。理想的には、支持構造体200は、植込み過程全体を通してその負荷形状を保持する。したがって、負荷形状を維持するために機械的負荷が加えられる必要はなく、支持構造体200は、単に、前進力を加えることによって4B~4Dに図示するようにアセンブリ300内に前進するだけである。図4の4Dは、図3の3Dと同一である。しかしながら、アセンブリ300は植込み中に人体の血管系内に位置し得るので、人体の内部温度により支持構造体200をその記憶転写温度以上の温度まで加熱される可能性がある。支持構造体200(またはその一部分)は、その記憶転写温度まで加熱された場合、その静止形状に移行し、図3に関して一般的に説明したように、支持構造体200をアセンブリ300内に前進させるために1つまたは複数の機械的負荷が加えられる必要があり得る。
【0043】
図3に関連して上述したように、植込み中に潤滑剤が使用されてもよく、前進を容易にするためにバルーン302が部分的に拡張されてもよい。支持構造体200がアセンブリ300内に完全に配置されると、バルーン302は、拡張され、かつ/またはカウンターパルセイションの目的で周期的に拡張/収縮され得る。
【0044】
図示していないが、支持構造体200のアセンブリ300内への実装は、材料のタイプにかかわらず、支持構造体200の送達スリーブ(図示せず)内への植込みによって容易になり得る。送達スリーブ内に挿入されると、送達スリーブはその中の支持構造体200と共にアセンブリ300内に植え込まれてもよく、次いでスリーブが抜去されてもよく、支持構造体200はアセンブリ300内に配置されたままである。送達スリーブ内への支持構造体200の植込み、アセンブリ300内への送達スリーブの植込み、および支持構造体からの送達スリーブの抜去を容易にするために、送達スリーブの内側および/または外側で潤滑剤が使用されてもよい。送達スリーブは、支持構造体200を植込みのために十分な負荷がかかった状態に保持するのに十分な機械的負荷を加え得る。
【0045】
図5は、図3の血液ポンプアセンブリ300からの図2の支持構造体200の例示的な抜取り5A~5Dを示している。図は、弾性材料または超弾性材料で構成されている支持構造体200、および形状記憶材料で構成されている支持構造体に適用可能である。ある場合には、支持構造体は、形状記憶と超弾性の両方を呈し得るニチノールなどの材料から構成されてもよい。図5の5Bおよび5Cで、外部抜取り力が、例えば医療専門家から、尾部領域204の近位端に加えられ得る。外部抜取り力が増加するにつれて、支持構造体200(すなわち、特に頭部領域202)は潰れてドライブライン302内に入り、よって、挿入に関連して図3で説明した過程の反対の過程を開始し得る。図5の5Bおよび5Cに図示するように、抜去中には、植込み中に加えられたのと全く同様に、ドライブライン機械力が加えられ、頭部領域の部分309に、ドライブライン304内に配置されたときの負荷状態および形状をとらせる。尾部領域204の部分312は、ドライブラインの機械的負荷を若干受ける場合もあり、全く受けない場合もある。1つの態様では、尾部領域204に外部抜取り力を加える前に、送達スリーブ(図示せず)が、(例えば、潤滑剤を使用して)支持構造体200に被せてアセンブリ300内に最初に挿入され得る。
【0046】
図6は、本開示の1つの態様によるコネクタ602の形態の血液ポンプ支持装置を示している。コネクタ602は、バックアウト防止ポート604と、バックアウト防止ポート604の近位端に取り外し可能に連結することができる取り外し可能なキャップ608とを含み得る。バックアウト防止ポート604の遠位端は、ドライブライン304の近位端に設置される(例えば、連結されるか、または別の方法で固定される)ように構成されている。1つの態様では、コネクタ602の遠位端は、気密接続シールが形成されるようにドライブライン304の近位端に締め付けるように構成されている。他の態様では、コネクタ602の遠位端は、ねじ接続、ハウスバーブ接続、ツーイボースト弁(tuohy borst valve)、または任意の適切な接続もしくは締結技法を使用してドライブライン304の近位端に固定される。バックアウト防止ポート603は、コネクタ602がドライブライン304の近位端に設置されたときに尾部領域204の一部分(例えば、尾部領域204の(1つまたは複数の)近位端)を受けるように構成され得る。
【0047】
取り外し可能なキャップ608およびバックアウト防止ポート604の近位端は、キャップ608のポート604への取り外し可能な連結を可能にするために相補的なねじ面(図示せず)を有してもよい。キャップ608をポート604に機械的に連結する他の手段、例えば様々なロックやロック機構が企図されている。
【0048】
コネクタ602は、尾部領域204を(例えば、尾部領域204の(1つまたは複数の)近位端で)締め付けるかまたはロックし、それによって固定するクランプ(図示せず)を含んでもよい。代替の態様では、キャップ608の内面607が尾部領域204の(1つまたは複数の)近位端を収容し、それによって尾部領域204を固定してもよい。そのような態様では、尾部領域の(1つまたは複数の)近位端はキャップ608を越えて延在しない。1つの態様では、尾部領域204の近位端は、キャップ704の内面607上または内面607に近接して載置されるようなサイズである。尾部領域204の近位端がフランジ214を有する一態様では、支持体200は、フランジ214がキャップ704の内面607上または内面607に近接して載置されるように構成され得る。尾部領域204を固定することによって、締め付けるか、ロックするか、収容するか、または他の方法によるかにかかわらず、支持構造体200自体およびその構成部品は、操作的な力(例えば、浮力)が作動中に(例えば、カウンターパルセイション中に)支持構造体200をアセンブリ300から追い出さないように固定され得る。
【0049】
コネクタ602は、コネクタ602がドライブライン304の近位端に連結されたときに、(例えば、カウンターパルセイションの目的で)ドライブライン304ルーメンおよびバルーン302の内部容積との流体接続を提供するように構成されている空気圧ポート606を含んでもよい。1つの態様では、空気圧ポート606の近位端は、駆動ユニット(図示せず)の出力に連結可能であるように構成されている。例えば、空気圧ポート606の近位端は、ホースバーブコネクタ(図示せず)として構成されてもよく、駆動ユニットに接続するチューブは、駆動ユニットからのガスがバルーン302を拡張および収縮させるために使用され得るように、ホースバーブコネクタに取り外し可能に連結されてもよい。
【0050】
図7は、本開示の別の態様によるコネクタ702の形態の血液ポンプ支持装置を示している。コネクタ702は、キャップ704が(例えば、製造中に)バックアウト防止ポート604の近位端に固定され、取り外し不能であることを除いて、コネクタ602と同一であってもよい。キャップ704の内面706は、図6に関連して説明したように、尾部領域204の(1つまたは複数の)近位端を収容し、それによって尾部領域204を固定してもよい。
【0051】
コネクタ602、702は、yコネクタとして示されている。しかしながら、他のタイプの三方向コネクタ(例えば、他のタイプの三方向コネクタ)が利用されてもよい。例えば、バックアウト防止ポート604は、空気圧ポート606と同じポートであってもよい。他のポートが同じコネクタ602、702に含まれてもよい。
【0052】
コネクタ602がドライブライン304の近位端に設置されている例が図8に図示されている。この態様では、尾部領域202は、8Aに一般的に図示するように、支持構造体200がアセンブリ300内に完全に配置されたときにドライブライン304の近位端を越えて延在する。コネクタ602のバックアウト防止ポート604は、8A~8Bに一般的に図示するように、フランジ214がバックアウト防止ポート604の近位端の外側にあるように、尾部領域202のステム端212上を摺動され得る。8Bで、コネクタ602の遠位端がドライブラインの近位端に固定され、8Cで、キャップ608がコネクタ602の近位端に配置されている間に尾部領域202の近位端が締め付けられて、固定される。この態様におけるキャップ608は、クランプを含む。クランプは、コネクタ602内の他の場所に(例えば、バックアウト防止ポート604内に)配置されてもよい。
【0053】
コネクタ702がドライブライン304の近位端に設置されている例が図9に図示されている。過程は概して同じであるが、キャップはポート604に固定されている。ポート604の遠位端が9Aでドライブライン304の近位端に固定されると、尾部領域204の近位端は、8Bに図示するようにキャップ704の内面706に近接して位置する。ここでは、フランジ214は、キャップ704の内面706に近接して位置する。
【0054】
コネクタ602、702の設置後のアセンブリ300からの支持構造体200の抜取りは、図5に関連して説明したのと実質的に同様の方法で進み得るが、尾部領域204の近位端で外部抜取り力が加えられる前に、ドライブライン304の近位端からコネクタ602、702が最初に取り外される(すなわち、連結解除もしくは固定解除される)か、またはコネクタ602が設置されている場合には、支持構造体200にアクセスするためにキャップ608も取り外す場合がある。コネクタ602、702がクランプまたはロックを含む場合、尾部領域205もクランプまたはロックから解放され得る。バルーンは、支持構造体200の抜取りを容易にするために部分的または完全に拡張されてもよい。
【0055】
図10は、支持構造体1000の形態の例示的な血液ポンプ支持装置の側面図10A、10Bを示している。支持構造体1000は、支持構造体1000が異なるニップルを含むことを除いて、図2と実質的に同一である。支持構造体1000は、頭部領域1002と尾部領域1004とを含む。頭部領域1002の輪郭は、頭部領域1002の遠位端に向かって遠位に先細になり、頭部領域1002は、基部1008においてそれ自体で交差して(例えば、それ自体の上にねじれて)ニップル1006を形成している。構造体1000は、ステム端1012、フランジ1014、および開口部1010を含んでもよく、これらはステム212、フランジ214、および開口部210と同じかまたは実質的に同様であってもよい。図10の10Aは、例示的な静止状態および静止形状における支持構造体1000を図示している。図10の10Bは、例示的な負荷状態および負荷形状における支持構造体1000を図示している。
【0056】
支持構造体1000は、図3図5に関連して一般的に説明したように、支持構造体200と同じ方法でアセンブリ300に植込み、抜去することができる。植え込まれると、コネクタ602、702は、図8図9に関連して説明したのと同じ方法でドライブライン304に設置され得る。また、コネクタ602、702が設置されているアセンブリからの支持構造体1000の抜取りは、上記に関連して説明したのと同じであってもよい。
【0057】
放射線介入(例えば、X線や蛍光透視法)または他の撮像法中に支持構造体200、1000の位置を追跡するために、支持構造体200、1000上に放射線不透過性物質が配置されてもよい。図11は、図2および図10の支持構造体200、1000上の放射線不透過性物質1102~1110の例示的な配置を示している。放射線不透過性物質1102~1110は、医療専門家が患者内での適切な配置を確実にするのを支援するために、支持構造体200、1000の本体全体にわたって戦略的に表示され得る。物質1102は、頭部領域の遠位端(例えば、ニップル先端206、1006付近またはニップル先端206、1006)に配置されてもよく、物質1104は、頭部領域202、1002の中間点に配置されてもよく、物質1106は、頭部領域202、1002の近位端または尾部領域204、1004の遠位端に配置されてもよく、物質1108、1110は、尾部領域204、1004の第1の中間点および第2の中間点に配置されてもよい。1つの態様では、放射線不透過性物質1104~1110は、図示のように、支持構造体200、1000の両側に対で配置され得る。他の態様では、放射線不透過性物質1104~1110は、支持構造体200、1000の一方または他方の側に配置され得る。1つの態様では、放射線不透過性物質1102~1110の一部または全部が、支持構造体200、1000上に展開されている。例えば、図11は、複数の放射線不透過性物質1102~1110が構造体200、1000上に置かれる例を図示しているが、他の例は、より少ないかまたはより多い放射線不透過性物質を使用してもよい。いくつかの態様は、単一の放射線不透過性物質を展開し得る。そのような放射線不透過性物質(例えば、1102~1110)のうちの1つまたは複数が、放射線介入(例えば、X線や蛍光透視法)または他の撮像法中に支持構造体200、1000を位置合わせするために使用されてもよい。任意で、適切な配置の視覚標識を与えるために、相補的放射線不透過性物質が、血液ポンプアセンブリ300上またはその(1つまたは複数の)部分に、例えばドライブライン304上に配置される(図3図5または図8図9には図示していないが、図16図18に関連して要素1602として一般的に図示および説明している)。別の態様では、相補的放射線不透過性物質は、バルーン302上に配置され得る。支持構造体200、1000自体が放射線不透過性物質を含んでもよいこと、および放射線不透過性物質1102~1110が放射線不透過性物質の追加の付着物であってもよいことを、当業者は理解するであろう。
【0058】
別の態様では、放射線不透過性でない物質1112が、支持構造体200、1000上の位置、例えば尾部領域204、1004上の位置に追加され得る。一例では、放射線不透過性でない物質は、尾部領域204、1004の近位端に配置される。放射線不透過性でない物質1112は、放射線不透過性でない物質1112がドライブライン304の所定の位置と位置合わせされた(またはドライブライン304の外部の位置もしくはその位置に近接して見える)ときに、支持構造体200、1000または頭部領域202、1002がバルーン302内に適切かつ完全に挿入されているという表示が提供されるように、視覚マーカとして機能し得る。例えば、放射線不透過性でない物質1112は、支持構造体200、1000がバルーン302内に適切かつ完全に挿入され展開されたときにドライブライン304の近位端に対応する尾部領域202、1004の位置に配置されてもよい。別の例では、ドライブライン304の近位端は、支持構造体200、1000または頭部領域202、1002がバルーン302内に適切かつ完全に挿入され展開されたときに、放射線不透過性でない物質1112が切取り位置または切取り位置に近接して位置し得る(例えば、放射線不透過性でない物質が切取り位置と位置合わせされる)ように、腋窩/鎖骨下動脈112またはその外部の位置で切取り可能であり得る。放射線不透過性でない物質1112は、構造体200、1000または尾部領域204、1004上の任意の位置に配置され得る。
【0059】
図12図14は、ガイドワイヤー1202(例えば、バディガイドワイヤー)を使用した血液ポンプアセンブリ300内への支持構造体1000の例示的な植込みおよび抜去を図示している。ガイドワイヤーは、非侵襲的先端を有し得る。この過程は、図3図5に関して説明した過程と同一であってもよいが、ここでは、支持構造体200の代わりに支持構造体1000が使用され、支持構造体1000の植込みおよび抜去を容易にするためにガイドワイヤー1202が使用される。以下で説明する植込みおよび抜去の過程は、ガイドワイヤー1202を使用した支持構造体200の植込みおよび抜去にも等しく適用される。ガイドワイヤー1202の使用に関して、支持構造体1000の植込み中、ガイドワイヤー1202は、図12の12Aおよび図13の13Aに一般的に図示するように、最初に挿入され得る。ニップル1006は、ガイドワイヤー1302の近位端に通されてもよく、支持構造体1000は、12B~Cおよび13B~Cに図示するように、ガイドワイヤー1202に被せて血液ポンプアセンブリ300内に前進させてもよい。支持構造体1000がアセンブリ300内に完全に配置されると、ガイドワイヤー1302は、12Dおよび13Dに一般的に図示するように、取り外され得る。図示していないが、図8図9に関して上述したように、次いで、コネクタ602、702が設置され得る。
【0060】
いくつかの態様では、支持構造体1000を血液ポンプアセンブリ300内に前進させるためにスリーブ(図示せず)が使用され得る。スリーブを使用する過程は、図3図4に関して説明した通りであり、ガイドワイヤー1202が血液ポンプアセンブリ300に挿入される前または後のいずれに行われてもよい。潤滑剤は、内側面、外側面、または内側面と外側面の両方でスリーブに関連して使用され得る。支持構造体1000が適所に配置されると、スリーブは、ガイドワイヤー1202の抜取りの前または後に取り外され得る。
【0061】
ガイドワイヤー1202を使用して支持構造体1000を抜き取るためには、逆の過程が行われ得る。任意で、妥当な場合、コネクタ602、702が取り外されてもよい。これは、図4を参照して一般的に説明したように、キャップ608を取り外すこと、および/または尾部領域1006をクランプまたはロックから解放することを含み得る。次いで、14Aでガイドワイヤー1202が挿入され、ガイドワイヤー1202の遠位端がニップル1006を通り得る。尾部領域1004の近位端で外部抜取り力が加えられてもよく、支持構造体1000は、14Dでガイドワイヤー1202を取り外す前に14B~Cで抜去され得る。図示していないが、抜去は、ガイドワイヤーが挿入される前または後に、(例えば、潤滑剤を使用して)支持構造体100に被せてアセンブリ300内に最初に挿入され得るスリーブ(図示せず)を利用してもよい。支持構造体1000が抜去された後、スリーブは、ガイドワイヤー1202が抜き取られる前または後に取り外され得る。
【0062】
よって、ガイドワイヤー1202は、構造体200、1000の血液ポンプアセンブリ300内への植込みおよび抜去を容易にするように機能し得る。植込み中および抜去中に、ガイドワイヤー1202は、構造体200、1000を支持し得る。
【0063】
アセンブリ300内に配置されると、支持構造体200、1000は、作動中(例えば、カウンターパルセイション中)に、そうでないとバルーン302がバルーンの縦軸、バルーン302の横軸、またはどちらかもしくは両方の軸に対してある角度に沿ってそれ自体の上に丸まるかまたは折り畳まれる原因になり得る、下行大動脈110内で支持構造体200、1000に作用する力に対抗し得る。
【0064】
図15は、支持構造体1500が頭部領域1501と尾部領域1506とを有し、頭部領域1501が、可撓性のある先端部分1502と可撓性のない本体部分1504とを有する、血液ポンプアセンブリ内に取り外し可能に配置されるように構成されている支持構造体1500の形態の例示的な血液ポンプ支持装置の側面図を示している。可撓性のある先端部分1502は頭部領域1501の遠位部分であってもよく、可撓性のない本体部分1504は頭部領域1501の近位部分であってもよい。可撓性のある先端領域1502は、可撓性かつ非侵襲的であり得る。可撓性のある先端領域1502は、第1の位置1502Aおよび第2の代替位置1502Bに図示されている。他の位置も企図されている。尾部領域1506は、頭部領域1501の近位端に連結されている。可撓性のある先端部分1502(または少なくともそのコア)は、本明細書に記載の可撓性を提供するために、可撓性のない本体部分1504に対して先細になっていてもよい。例えば、可撓性のある先端部分1504は、その遠位端から約1.5cm~8cmにわたって先細になっていてもよい。支持構造体1500は、ニチノールまたはステンレス鋼から構成されてもよい。いくつかの態様では、ニチノールまたはステンレス鋼は支持構造体1500のコアであり、ワイヤー、ジャケット、および/またはコーティングが、1つまたは複数の層としてコアに適用され得る。例えば、フラットワイヤーまたはラウンドワイヤーがコアの周りに巻き付けられてもよいし、親水性コーティングを有するポリマージャケットが適用されてもよい。PTFEコーティングが(例えば、摩擦を最小限に抑えるために)適用されてもよい。他の態様では、他の材料が使用され得る。1つの態様では、可撓性のある先端部分1502のコア(例えば、金属または金属合金コア)のみが可撓性のない本体部分1504のコアに対して先細になっており、コアを覆って施されたワイヤー、ジャケット、および/または他のコーティングは、頭部領域1501または頭部領域1501および尾部領域1506が同じかまたは実質的に同じ外形およびサイズを有するようなものであり得る。例えば、支持構造体1500が円形断面を有する場合、支持構造体1500を横切る断面の直径は実質的に同じである、すなわち、10%を超えて変化しない。可撓性のある先端領域1502の遠位先端は、傾斜していてもよく、直線状であってもよく、j字形であってもよく、または小型のJ字形であってもよい。
【0065】
1つの態様では、支持構造体1500の全部または一部分が、放射線不透過性である。1つの態様では、放射線不透過性物質1508(例えば、追加の放射線不透過性物質)が、支持構造体1500上に(例えば、尾部領域1506の遠位端に)配置される。あるいは、放射線不透過性物質1508は、頭部領域1501および尾部領域1506に沿った他の場所に配置されてもよい。放射線不透過性物質1508は、(例えば、適切な挿入を確実にするために/支持構造体1500の過剰挿入を防止するために)支持構造体1500が植え込まれるバルーンまたはアセンブリに支持構造体1500を位置合わせするために使用され得る。例えば、対応する放射線不透過性物質がバルーンまたは血液ポンプアセンブリ上に配置されてもよく、支持構造体上の放射線不透過性物質をバルーン/アセンブリ上の対応する放射線不透過性物質と位置合わせすることが望ましい場合もある。
【0066】
図11に関連して説明したように、放射線不透過性でない物質1112は、支持構造体1500上の位置、例えば尾部領域1506上の位置に追加されてもよい。一例では、放射線不透過性でない物質は、尾部領域1506の近位端に配置される。放射線不透過性でない物質1112は、放射線不透過性でない物質1112がドライブライン304の所定の位置と位置合わせされた(またはドライブライン304の外部の位置もしくはその位置に近接して見える)ときに、支持構造体1500または頭部領域1501がバルーン302内に適切かつ完全に挿入されているという表示が提供されるように、視覚マーカとして機能し得る。例えば、放射線不透過性でない物質1112は、支持構造体1500がバルーン302内に適切かつ完全に挿入され展開されたときにドライブライン304の近位端に対応する尾部領域1506の位置に配置されてもよい。別の例では、ドライブライン304の近位端は、支持構造体1500または頭部領域1501がバルーン302内に適切かつ完全に挿入され展開されたときに、放射線不透過性でない物質1112が切取り位置または切取り位置の近位に位置し得る(例えば、放射線不透過性でない物質が切取り位置と位置合わせされる)ように、腋窩/鎖骨下動脈112またはその外部の位置で切取り可能であり得る。放射線不透過性でない物質1112は、構造体1500または尾部領域1506上の任意の位置に配置され得る。
【0067】
図16は、本開示の一態様による、バルーン302とドライブライン304とを含む血液ポンプアセンブリ1600内への図15の支持構造体1500の植込み16-Bを示している。血液ポンプアセンブリ1600は、血液ポンプアセンブリ300と同一であってもよいが、(例えば、ドライブライン304の遠位端または他の場所に配置されている)1つまたは複数の放射線不透過性マーカ1602を含み得る。潤滑剤が使用されてもよく、かつ/またはバルーン302は、支持構造体1500の血液ポンプアセンブリ1800内への植込みを容易にするために部分的に拡張されてもよい(例えば、20%)。支持構造体1500の頭部領域1501がドライブライン304を通って前進するにつれて、可撓性のある先端部分1502の遠位端がバルーン302の遠位端と接触して、可撓性のある先端部分1502がそれ自体の上にカールし得る。可撓性のある先端部分1502は、そのように接触したときに可撓性のある先端部分1502がバルーン302(例えば、バルーン302の内面)を損傷しないように十分に可撓性であり得る。
【0068】
頭部領域1501がバルーン302内に完全に配置されたときに(放射線不透過性マーカ1608、1602が位置合わせされたときに決定され得る)、可撓性のある先端部分1502の近位端1503は、可撓性のある先端部分1502がバルーン302の遠位端から離れて後方にカールし、可撓性のある先端部分1502の遠位端1505がバルーン302の遠位端から離れたバルーン302に沿った長手方向の位置に配置されるように、(例えば、約180度)湾曲し得る。この位置では、可撓性のある先端部分1502は尾部に似ている場合もある。可撓性のある先端部分1502は、上述のようにそれをカールさせる挿入力に対して可撓性であり得、少なくとも1つの態様では、そうでないとバルーン302の横軸に沿ってまたはそのような横軸に対してある角度で、バルーン302がそれ自体の上に丸まるかまたは折り畳まれる原因になり得る、作動中(例えば、カウンターパルセイション中)に下行大動脈110内で可撓性のある先端部分1502に作用する力を最小化するかまたは力に対抗するのに、十分に剛性であり得る。可撓性のない本体部分1504は、そうでないとバルーン302の縦軸に沿ってまたはそのような縦軸に対してある角度で、バルーン302がそれ自体の上に丸まるかまたは折り畳まれる原因になり得る、作動中(例えば、カウンターパルセイション中)に下行大動脈110内で可撓性のない本体部分1504に作用する力に、少なくとも部分的に、抵抗し得るかまたは対抗し得る。
【0069】
図17は、血液ポンプアセンブリ1600からの支持構造体1500の例示的な抜去を示している。この過程は、図16に関連して説明した挿入過程の逆である。
【0070】
図18は、本開示の一態様による、コネクタ602、702がドライブライン304の近位端に連結されたアセンブリ1600内に配置されている支持構造体1500を示している。コネクタ602、702は、支持構造体200、1000に関して上述したように設置され、取り外されてもよく、操作的な力が支持構造体1500をアセンブリ1600から追い出すのを防止するように働き得る(例えば、コネクタ602、702は、構造体1500がアセンブリ1600から後退するのを防止し得る)。コネクタ602と関連付けられたクランプが支持構造体1500を(例えば、尾部領域1506の近位端で)締め付けてもよいし、取り外し可能なキャップの内面607もしくは固定式キャップの内面706が、上述のようにアセンブリ300内に支持構造体1500を収容してもよい。
【0071】
図19は、本開示の一態様による、支持構造体1900が、鈍い先端1904を備える頭部領域1902と尾部領域1906とを有する、血液ポンプアセンブリ内に配置されるように構成されている支持構造体1900の形態の例示的な血液ポンプ支持装置の側面図を示している。1つの態様では、鈍い先端1902は、ボール状の表面である。支持構造体1900は、ニチノールで構成され得る。他の態様では、支持構造体1900は、ステンレス鋼で構成され得る。支持構造体1900は、構造体1900をアセンブリ300内に位置合わせする目的で、図11または図15に関連して上述したような放射線不透過性物質を含んでもよい。同様に、支持構造体1900は、構造体1900をアセンブリ300内に位置合わせする目的で、図11に関連して説明したような放射線不透過性でない物質を含んでもよい。
【0072】
図20は、本開示の一態様による、バルーン302とドライブライン302とを含むアセンブリ300内への支持構造体1900の植込みを示している。植込み中、頭部領域1902はバルーン203内に挿入され得、鈍い先端1904はバルーン302の遠位端に配置される。
【0073】
図21は、血液ポンプアセンブリ300からの支持構造体1900の例示的な抜去を示している。抜去は、植込みの逆の過程であり得る。
【0074】
図22は、バルーン302とドライブライン304とを含む血液ポンプアセンブリ300内に配置されている例示的な支持構造体1900を示している。コネクタ602、702は、支持構造体200、1000に関して上述したように設置され、取り外されてもよく、操作的な力が支持構造体1900をアセンブリ300から追い出すのを防止するように働き得る(例えば、コネクタ602、702は、構造体2200がアセンブリ300から後退するのを防止し得る)。コネクタ602と関連付けられたクランプが支持構造体1900を(例えば、尾部領域1906の近位端で)締め付けてもよいし、取り外し可能なキャップの内面607もしくは固定式キャップの内面706が、上述のようにアセンブリ300内に支持構造体1900を収容してもよい。
【0075】
図23は、腋窩植込み法を使用して植え込まれたバルーンと関連付けられた動脈切開部位において止血を提供するストッパ装置2502の例示的な動脈インターフェースの使用を示している。バルーン108は、ドライブライン110が腋窩/鎖骨下動脈112を通って延在するように、腋窩植込み法を使用して下行大動脈110に配置され得る。バルーン108およびドライブライン110は、本明細書に記載するタイプの血液ポンプアセンブリの一部であってもよい。動脈インターフェース装置または(上述のような)ストッパ装置2502は、ドライブライン110が腋窩/鎖骨下動脈112存在する動脈切開部で止血を提供し得る。動脈インターフェースまたはストッパ装置2502は、ルーメンを画定する装置2502内のシャフトを通してドライブライン120(例えば、血管系から外に出される部分)上に展開されるか、または前進させ得る。ドライブライン120は、シャフトに挿入され、シャフトを通って延在してもよい。コネクタ602、702は、ドライブライン120の近位端に連結されてもよい。
【0076】
図24は、例示的な血液ポンプ支持方法を示している。方法の任意の要素は破線ボックスに表されている。方法の特徴は、図に提示された順序で行われ得る。あるいは、特徴は異なる順序で行われてもよい。例えば、少なくともブロック2406~2414は、それらが実装される限りにおいて、任意の順序で行われてもよい。同様に、少なくともブロック2418およびブロック2420は、それらが実装される限りにおいて、任意の順序で行われてもよい。
【0077】
方法は、ブロック2402で、例えば大腿法または腋窩/鎖骨下法を使用して、血液ポンプアセンブリ(例えば、アセンブリ300)を患者の下行大動脈に植え込むことから開始し得る。方法は、ブロック2404に進み、そこでバルーン、例えばアセンブリ300のバルーン302が部分的に拡張され得る。例えば、バルーンは、その体積の50%まで拡張されてもよい。次に、ブロック2406で、送達スリーブが(例えば、血液ポンプアセンブリ内に)挿入され得る。スリーブは、ドライブライン内および/またはバルーン内に挿入され得る。ブロック2408で、ガイドワイヤー(例えば、ガイドワイヤー1202)が挿入され得る。ブロック2410で、潤滑剤が(例えば、スリーブおよび/または支持構造体(例えば、構造体200、1000、1500、および/または1900)に)塗布され得る。ブロック2414で、支持構造体(例えば、構造体200、1000)が(例えば、それを負荷状態に置くことによって)変形され得る。支持構造体(例えば、構造体200、1000)は、ブロック2414で、ガイドワイヤー(例えば、ガイドワイヤー1202)に被せて通され得る。特に、ニップル先端206、1006が、ガイドワイヤー1202に被せて通され得る。
【0078】
ブロック2416で、支持構造体(例えば、構造体200、1000、1500、1900)は、血液ポンプアセンブリ(例えば、アセンブリ300)に植え込まれ得る。ブロック2416は、方法が、ニップル先端(例えば、ニップル先端206、1006)をバルーン(例えば、バルーン302)の遠位端に近接して配置することを含むブロック2416Aを含んでもよい。ニップル先端は、バルーンの内側遠位端に接触して隣接してもよいし、接触せずに隣接してもよい。ニップル先端をそのように配置することにより、構造体の頭部領域(例えば、構造体200、1000の頭部領域202、1002)は、バルーン302内に配置され得る。ブロック2416はまた、可撓性のある先端が後方に湾曲して尾部を形成するまで構造体をバルーン内に前進させるブロック2416Bを含んでもよい。例えば、図16に図示するように、構造体1500の頭部領域1501は、可撓性のある先端部分1502の近位端がバルーンの内部遠位壁と接触し、それ自体の上に後方に湾曲するように、バルーン302内に前進させてもよい。ブロック2416はまた、支持構造体の鈍い先端がバルーンの遠位端に近接して配置されるブロック2416Cを含んでもよい。例えば、図20に図示するように、構造体1900は、鈍い先端1904がバルーン302の内側遠位端に接触して隣接するか、または接触せずに隣接するまで前進させてもよい。いずれの場合も、ブロック2416A~Cのいずれかまたは全部を行うことにより、作動中の構造体が、そうでないとバルーンがバルーンの縦軸、横軸、またはそのような軸に対してある角度に沿ってそれ自体の上に丸まるかまたは折り畳まれる(またはそうでなくてもクレバスを生じさせる)原因になり得る力に対抗することが可能になり得る。
【0079】
1つの態様では、1つまたは複数の放射線不透過性マーカ(例えば、マーカ1102~1110)が、支持構造体(例えば、支持構造体200、1000、1500、1900)に沿って配置される。1つまたは複数の放射線不透過性マーカは、頭部領域の遠位端、頭部領域の中間点、頭部領域の近位端、尾部領域の遠位端、尾部領域の第1の中間点、および尾部領域の第2の中間点、のうちの1つまたは複数の位置に配置され得る。ブロック2416は、1つまたは複数の放射線不透過性マーカのうちの少なくとも1つが血液ポンプアセンブリ上の1つまたは複数の対応する放射線不透過性マーカと位置合わせされるまで、支持構造体を血液ポンプアセンブリ内に植え込むことをさらに含んでもよい。
【0080】
別の態様では、放射線不透過性でない物質が、支持構造体上の位置に配置される。ブロック2416は、放射線不透過性でない物質がドライブラインの所定の位置と位置合わせされるまで支持構造体を植え込むことをさらに含んでもよい。放射線不透過性でない物質は視覚マーカであってもよく、ドライブラインの所定の位置はドライブラインの近位端であってもよい。
【0081】
方法は、ブロック2418に進んでもよく、そこでガイドワイヤーが取り外される。例えば、ガイドワイヤー21202は、アセンブリ300から抜き取られてもよい。送達スリーブが、ブロック2420で同様に(例えば、アセンブリ300から)取り外されてもよい。そしてブロック2422で、支持構造体の尾部領域は固定され得る。例えば、構造体200、1000では、尾部領域204、1004のステム212、1012が固定され得る。構造体1500では、尾部領域1506が固定され得る。また構造体1900では、尾部領域1906が固定され得る。いずれの場合も、適用可能な尾部領域を固定するためにコネクタが使用され得る。例えば、コネクタ602またはコネクタ702が、アセンブリ300のドライブライン304の近位端に設置されてもよく、尾部領域は、尾部領域を締め付けるかまたは収容することによって固定されてもよい。尾部領域を固定することにより、構造体は、バルーンおよびバルーン内に配置された構造体に作用する操作的な力に起因して構造体がアセンブリから後退することを防止され得る。最後に、方法は、血液ポンプ支持装置が植え込まれた血液ポンプアセンブリを使用してカウンターパルセイション療法が提供され得るブロック2424を含んでもよい。血液ポンプ支持装置は、アセンブリのバルーン(例えば、バルーン302)内に植え込まれた支持構造体(例えば、構造体200、1000、1500、1900)を含んでもよく、支持構造体の尾部領域を固定し得るアセンブリのドライブライン(例えば、ドライブライン304)に連結されたコネクタをさらに含んでもよい。
【0082】
結論
本技術の態様の上記の詳細な説明は、網羅的であること、または本技術を上記に開示された正確な形態に限定することを意図したものではない。本技術の特定の態様、およびその例が、例示目的で上述されているが、当業者は認めるように、様々な同等の修正例が本技術の範囲内で可能である。本明細書に記載される様々な態様はまた、さらなる態様を提供するように組み合わされてもよい。
【0083】
以上から、本技術の特定の態様が例示目的で本明細書に記載されているが、周知の支持構造体および機能は、本技術の態様の説明を不必要に不明瞭にすることを避けるために詳細に図示または説明されていないことが理解されよう。
【0084】
文脈上許容される場合、単数または複数の用語は、それぞれ、複数または単数の用語も含み得る。本明細書で使用される場合、「Aおよび/またはB」の場合の「および/または」という語句は、Aのみ、Bのみ、ならびにAおよびBを指す。さらに、「を含む」という用語は、全体を通して、任意のより多数の同じ特徴および/または追加のタイプの他の特徴が排除されないように、少なくとも列挙された(1つまたは複数の)特徴を含むことを意味するために使用される。さらに、本明細書で特定される任意の範囲は、明示的に述べられているか否かにかかわらず、範囲を定義する数を含むことを意図している。同じことは近似範囲にも適用される。また、特定の態様が例示目的で本明細書に記載されているが、本技術から逸脱することなく様々な修正が行われ得ることも理解されよう。さらに、本技術のいくつかの態様と関連付けられる利点がそれらの態様の文脈で説明されているが、他の態様もそのような利点を呈する場合があり、すべての態様が本技術の範囲内に入るためにそのような利点を必ずしも呈する必要はない。したがって、本開示および関連技術は、本明細書に明示的に図示または記載されていない他の態様を包含し得る。
【0085】
以上から、本発明の特定の態様が例示目的で本明細書に記載されているが、本技術の範囲から逸脱することなく様々な修正が行われ得ることが理解されよう。例えば、支持構造体1500に関連してのみ説明しているが、支持構造体200、1000、1500、および1900の各々が、コア材料(例えば、ニチノールやステンレス鋼)を含んでもよく、コアに1つまたは複数の層として施されるワイヤー、ジャケット、および/またはコーティングをさらに含んでもよい。例えば、フラットワイヤーまたはラウンドワイヤーがコアの周りに巻き付けられてもよいし、親水性コーティングを有するポリマージャケットが適用されてもよい。PTFEコーティングが(例えば、摩擦を最小限に抑えるために)適用されてもよい。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲による場合を除いて限定されない。
【0086】
バルーンとドライブラインとを有する血液ポンプアセンブリ内に支持構造体を植え込むか、または配置することにより、支持構造体は、そうでないと、バルーンがバルーンの縦軸またはそのような軸に対してある角度に沿ってそれ自体の上に丸まるかまたは折り畳まれる(またはそうでなくてもクレバスを生じさせる)原因になり得る力に対抗する。少なくともいくつかの態様では、支持構造体は、そうでないとバルーンがバルーンの横軸、またはそのような軸に対してある角度に沿ってそれ自体の上に丸まるかまたは折り畳まれる(またはそうでなくてもクレバスを生じさせる)原因になる力にさらに対抗する。これにより、機械的循環補助装置(例えば、カウンターパルセイション)のための薄壁IABPの使用と関連付けられる課題が解決される。
【符号の説明】
【0087】
104 大動脈弓血管系
106 心臓
108 大動脈弓
110 下行大動脈
112 腋窩/鎖骨下動脈
114 腎動脈
116 総腸骨動脈
118 IABP
120 ドライブライン
200 支持構造体
202 頭部領域
204 尾部領域
206 ニップル
208 基部
210 開口部分
212 ステム
214 フランジ
300 血液ポンプアセンブリ
302 バルーン
304 ドライブライン
306 負荷
308 部分
309 部分
310 機械的負荷
311 部分
312 部分
313 部分
602 コネクタ
604 バックアウト防止ポート
606 空気圧ポート
607 内面
608 取り外し可能なキャップ
702 コネクタ
704 キャップ
706 内面
1000 支持構造体
1002 頭部領域
1004 尾部領域
1006 ニップル
1008 基部
1010 開口部
1012 ステム
1014 フランジ
1102 放射線不透過性物質
1104 放射線不透過性物質
1106 放射線不透過性物質
1108 放射線不透過性物質
1110 放射線不透過性物質
1112 放射線不透過性でない物質
1202 ガイドワイヤー
1500 支持構造体
1501 頭部領域
1502 可撓性のある先端部分
1502A 第1の位置
1502B 第2の代替位置
1503 近位端
1504 可撓性のない本体部分
1506 尾部領域
1508 放射線不透過性物質
1600 血液ポンプアセンブリ
1602 放射線不透過性マーカ
1900 支持構造体
1902 頭部領域
1904 鈍い先端
1906 尾部領域
2502 ストッパ装置
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
【外国語明細書】