(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004108
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240109BHJP
【FI】
G06F3/12 325
G06F3/12 303
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103586
(22)【出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 美由紀
(57)【要約】
【課題】利便性を向上する。
【解決手段】利用者PC6は、プリンタドライバ44がインストールされる情報処理装置としての利用者PC6であって、新プリンタドライバに対応した管理者の管理外のプリンタが利用者PC6において利用可能となっているか判定する管理外プリンタ存在判定部62と、管理外のプリンタが利用者PC6において利用可能となっている場合、既存プリンタドライバをアンインストールした後に新プリンタドライバをインストールするか、又は、新プリンタドライバのインストールをキャンセルするかを選択させるインストール選択部64とを設ける。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタドライバがインストールされる情報処理装置であって、
インストールされるプリンタドライバである新プリンタドライバに対応した管理者の管理外のプリンタが前記情報処理装置において利用可能となっているか判定する管理外プリンタ存在判定部と、
前記管理外のプリンタが前記情報処理装置において利用可能となっている場合、既にインストールされているプリンタドライバである既存プリンタドライバをアンインストールした後に前記新プリンタドライバをインストールするか、又は、前記新プリンタドライバのインストールをキャンセルするかを選択させるインストール選択部と
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記インストール選択部において、前記既存プリンタドライバをアンインストールした後に前記新プリンタドライバをインストールすることが選択された場合、前記情報処理装置において既に設定されている既存の印刷設定か、又は、管理者によって設定された新規の印刷設定かの何れを前記新プリンタドライバのインストールにおいて反映させるかを選択させる印刷設定選択部と、
前記印刷設定選択部において選択された印刷設定を反映させて前記新プリンタドライバをインストールするドライバインストール部と
をさらに有する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記印刷設定選択部は、
前記管理外のプリンタが前記情報処理装置において利用可能となっている場合に、
前記既存の印刷設定又は前記新規の印刷設定の何れを前記新プリンタドライバのインストールにおいて反映させるかを選択させる設定が有効となっている場合、前記既存の印刷設定又は前記新規の印刷設定の何れを前記新プリンタドライバのインストールにおいて反映させるかを選択させる一方、
前記既存の印刷設定又は前記新規の印刷設定の何れを前記新プリンタドライバのインストールにおいて反映させるかを選択させる設定が無効となっている場合、前記ドライバインストール部により、管理者の設定に応じ、前記新プリンタドライバのインストールをキャンセルするか、前記既存プリンタドライバをアンインストールした後に前記新規の印刷設定を反映させて前記新プリンタドライバをインストールするか、又は、前記既存プリンタドライバをアンインストールした後に前記既存の印刷設定を反映させて前記新プリンタドライバをインストールする
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記印刷設定選択部は、
前記管理外のプリンタが前記情報処理装置において利用可能となっている場合に、前記既存の印刷設定又は前記新規の印刷設定の何れを前記新プリンタドライバのインストールにおいて反映させるかを選択させる設定が有効となっている場合、前記既存の印刷設定又は前記新規の印刷設定の何れを前記新プリンタドライバのインストールにおいて反映させるかを選択させ、前記ドライバインストール部により、利用者の選択に応じ、前記新プリンタドライバのインストールをキャンセルするか、前記既存プリンタドライバをアンインストールした後に前記新規の印刷設定を反映させて前記新プリンタドライバをインストールするか、又は、前記既存プリンタドライバをアンインストールした後に前記既存の印刷設定を反映させて前記新プリンタドライバをインストールする
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記管理外プリンタ存在判定部は、
前記情報処理装置において利用可能となっている、前記既存プリンタドライバに対応したプリンタである利用可能プリンタの少なくとも接続先と、前記新プリンタドライバに対応したプリンタである新プリンタの少なくとも接続先とで一致しないプリンタが存在する場合、前記利用可能プリンタに前記管理外のプリンタが含まれると判定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記管理外プリンタ存在判定部は、
前記利用可能プリンタの接続先と前記新プリンタの接続先とが一致しており、且つ、少なくとも該利用可能プリンタの名称に該新プリンタの名称が含まれる場合、該利用可能プリンタは管理者の管理内のプリンタであると判定する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記管理外プリンタ存在判定部は、
前記利用可能プリンタの接続先と前記新プリンタの接続先とが一致しており、且つ、該利用可能プリンタの名称と該新プリンタの名称とが一致する場合、該利用可能プリンタは管理者の管理内のプリンタであると判定する
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記接続先は、IPアドレスである
請求項5乃至請求項7の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記既存プリンタドライバのバージョンが前記新プリンタドライバのバージョンと異なるか判定する既存ドライババージョン判定部と、
前記既存プリンタドライバのバージョンが前記新プリンタドライバのバージョンと異なると前記既存ドライババージョン判定部において判定された場合、管理者の管理内のプリンタであると前記管理外プリンタ存在判定部により判定されたプリンタの前記既存プリンタドライバをアンインストールした後に、管理者によって設定された新規の印刷設定を反映させて前記新プリンタドライバをインストールするドライバインストール部と
を有する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記既存プリンタドライバのバージョンが前記新プリンタドライバのバージョンと異なるか判定する既存ドライババージョン判定部と、
前記既存プリンタドライバのバージョンと前記新プリンタドライバのバージョンとが同一であると前記既存ドライババージョン判定部において判定された場合、前記新プリンタドライバのインストールをキャンセルするドライバインストール部と
をさらに有する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
プリンタドライバがインストールされる情報処理装置であって、
インストールされるプリンタドライバである新プリンタドライバに対応したプリンタの少なくともIPアドレスと、前記情報処理装置において利用可能となっているプリンタの少なくともIPアドレスとが一致するか判定し、IPアドレスが一致しないプリンタが存在するか判定する管理外プリンタ存在判定部と、
IPアドレスが一致しないプリンタが存在すると前記管理外プリンタ存在判定部において判定された場合、既にインストールされているプリンタドライバである既存プリンタドライバをアンインストールした後に前記新プリンタドライバをインストールするか、又は、前記新プリンタドライバのインストールをキャンセルするかを選択させるインストール選択部と
を有する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置に関し、例えばプリンタドライバをインストールする情報処理装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、情報処理システムにおいては、不要となったプリンタドライバを情報処理装置であるPCから削除し、必要なプリンタドライバをインストールすることが行われている。そのような情報処理システムにおいては、管理者がプリンタのWebサーバ上にインストーラやアンインストーラ等のプリンタドライバの情報を登録し、ユーザの情報処理装置に対してプリンタのWebサーバ上からこれらの情報を提供するものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、そのような情報処理システムにおいては、特に、古いバージョンのプリンタドライバが情報処理装置にインストールされている場合は、そのプリンタドライバを一度アンインストールする必要があった。このため情報処理システムにおいては、管理者の管理外のプリンタが情報処理装置において利用可能となっている場合でも、古いバージョンのプリンタドライバが情報処理装置にインストールされている場合は、その管理外のプリンタのプリンタドライバを管理内のプリンタのプリンタドライバと共に一律にアンインストールしまう場合があった。
【0005】
またそのような情報処理システムにおいては、情報処理装置において例えば新たなバージョンのプリンタドライバのインストールがキャンセルされた場合、管理者の管理外のプリンタが情報処理装置において利用可能となっている場合でも、その管理外のプリンタのプリンタドライバのインストールと管理内のプリンタのプリンタドライバのインストールとを一律にキャンセルしてしまう場合があった。
【0006】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、利便性を向上し得る情報処理装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため本発明の情報処理装置においては、プリンタドライバがインストールされる情報処理装置であって、インストールされるプリンタドライバである新プリンタドライバに対応した管理者の管理外のプリンタが情報処理装置において利用可能となっているか判定する管理外プリンタ存在判定部と、管理外のプリンタが情報処理装置において利用可能となっている場合、既にインストールされているプリンタドライバである既存プリンタドライバをアンインストールした後に新プリンタドライバをインストールするか、又は、新プリンタドライバのインストールをキャンセルするかを選択させるインストール選択部とを設けるようにした。
【0008】
また本発明の情報処理装置においては、プリンタドライバがインストールされる情報処理装置であって、インストールされるプリンタドライバである新プリンタドライバに対応したプリンタの少なくともIPアドレスと、情報処理装置において利用可能となっているプリンタの少なくともIPアドレスとが一致するか判定し、IPアドレスが一致しないプリンタが存在するか判定する管理外プリンタ存在判定部と、IPアドレスが一致しないプリンタが存在するかと管理外プリンタ存在判定部において判定された場合、既にインストールされているプリンタドライバである既存プリンタドライバをアンインストールした後に新プリンタドライバをインストールするか、又は、新プリンタドライバのインストールをキャンセルするかを選択させるインストール選択部とを設けるようにした。
【0009】
本発明は、管理者の管理外のプリンタが情報処理装置において利用可能となっている場合でも、管理外のプリンタの既存プリンタドライバを管理内のプリンタの既存プリンタドライバと共に一律にアンインストールしまうことを防止できると共に、管理外のプリンタの新プリンタドライバのインストールと管理内のプリンタの新プリンタドライバのインストールとを一律にキャンセルしてしまうことを防止できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、利便性を向上し得る情報処理装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】管理者PC及び利用者PCの構成を示すブロック図である。
【
図3】インストールパッケージ設定画面を示す図である。
【
図4】管理外のプリンタ存在時のインストールパッケージ実行画面を示す図である。
【
図5】インストールパッケージの構成を示すブロック図である。
【
図6】インストールパッケージ情報を示す図である。
【
図8】インストールパッケージ実行処理手順(1)を示すフローチャートである。
【
図9】インストールパッケージ実行処理手順(2)を示すフローチャートである。
【
図10】利用者PCの機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0013】
[1.画像形成システムの構成]
図1に示すように、画像形成システム1は、同一の企業等の団体内において用いられ、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等であるネットワーク2に、管理者PC4、利用者PC6a並びに6b及び複数台のプリンタ8a並びに8bが接続されている。また利用者PC6bには、ネットワーク2に接続されていないプリンタ9が、例えばタイプBのUSB(Universal Serial Bus)ケーブル10を介し接続されている。以下では、利用者PC6a及び6bをまとめて利用者PC6とも呼び、プリンタ8a及び8bをまとめてプリンタ8とも呼ぶ。また本実施の形態においてはプリンタ8a及び8bのみ図示しているが、3台以上のプリンタ8がネットワーク2に接続されていても良い。さらにプリンタ9は、USBケーブル10以外の他の種々の方法で利用者PC6bと接続されても良い。
【0014】
[2.管理者PC及び利用者PCの構成]
図2に示すように、管理者PC4及び利用者PC6は、所謂パーソナルコンピュータであり、互いに同様に構成されており、CPU(Central Processing Unit)12により全体を統括制御する。管理者PC4は、所定の権限を有する管理者により操作され、利用者PC6は、管理者よりも低い権限を有する利用者により操作される。CPU12は、インターフェース部14、メモリ15及びHDD(Hard Disk Drive)16が接続されており、メモリ15から所定のプログラムを読み出して実行することにより、様々な処理を実行すると共に、制御部17の機能を実現する。インターフェース部14は、ネットワーク2(
図1)と接続されている。HDD16は、各種情報を記憶する。
【0015】
制御部17は、プリンタドライバ部18及びアプリケーション実行部19を有している。プリンタドライバ部18は、プリンタドライバであり、インストールパッケージ20が作成される元となる情報である。アプリケーション実行部19は、インストールパッケージ20を作成するソフトウェアであるインストールパッケージ作成ソフトウェアの機能と、インストールパッケージ20を実行する機能とを有している。インストールパッケージ20は、管理者PC4においてアプリケーション実行部19により作成されると共に、利用者PC6においてアプリケーション実行部19により実行されると利用者PC6にプリンタドライバをインストールする。
【0016】
管理者PC4の場合、制御部17は、インストールパッケージ作成ソフトウェアであるアプリケーション実行部19を用いてプリンタドライバ部18から情報を取得してインストールパッケージ20を作成し、ネットワーク2に接続された利用者PC6へインターフェース部14を用いてインストールパッケージ20を送付する。一方、利用者PC6の場合、制御部17は、アプリケーション実行部19を用いてインストールパッケージ20を実行する。
【0017】
[3.インストールパッケージ設定画面の構成]
管理者PC4は、アプリケーション実行部19により実行するインストールパッケージ作成ソフトウェアにより、プリンタドライバのインストールに必要な情報の設定を行う。また管理者PC4は、作成しようとしているインストールパッケージ20に含まれるプリンタドライバが既にインストールされている。
【0018】
管理者PC4においてアプリケーション実行部19によりインストールパッケージ作成ソフトウェアが実行された場合に管理者PC4に表示されるインストールパッケージ設定画面22の一例を、
図3に示す。インストールパッケージ設定画面22は、パッケージ名入力部23、プリンタドライバ選択部24、プリンタ名指定部25、接続先指定部26、印刷設定指定部27、管理外プリンタ設定選択部28及び管理外プリンタ判定選択部29を有している。なおインストールパッケージ設定画面22には、それ以外の設定項目があっても良い。パッケージ名入力部23は、作成するインストールパッケージ20のファイル名を管理者に入力させる。
【0019】
プリンタドライバ選択部24は、作成するインストールパッケージ20に含まれるプリンタドライバの名前(すなわちプリンタドライバ名)を管理者に選択させる。具体的に、プリンタドライバ選択部24には、管理者PC4に既にインストールされているプリンタドライバのプリンタドライバ名(例えば、「Aプリンタドライバ」や「Bプリンタドライバ」等)が一覧で表示され、管理者によりそのうち1つが選択される。
図3に示したように、プリンタドライバ選択部24において例えば「Aプリンタドライバ」が選択された状態においては、プリンタ名指定部25、接続先指定部26及び印刷設定指定部27において、プリンタドライバ名が「Aプリンタドライバ」のプリンタドライバに対応したプリンタ名、接続先及び印刷設定が管理者により設定される。また、プリンタドライバ選択部24において例えば「Bプリンタドライバ」が選択された状態においては、「Aプリンタドライバ」とは異なるページ等が表示され、該ページにおけるプリンタ名指定部25、接続先指定部26及び印刷設定指定部27において、プリンタドライバ名が「Bプリンタドライバ」のプリンタドライバに対応したプリンタ名、接続先及び印刷設定が管理者により設定される。このように管理者PC4は、複数のプリンタドライバに関する設定を1つのインストールパッケージ20に含めることが可能である。
【0020】
プリンタ名指定部25は、プリンタドライバ選択部24において選択されたプリンタドライバが適用されるプリンタ8の名称を管理者に指定させる。接続先指定部26は、プリンタドライバ選択部24において選択されたプリンタドライバが適用されるプリンタ8がネットワークプリンタである場合における該プリンタ8の接続先であるIPアドレスを管理者に指定させる。印刷設定指定部27は、プリンタドライバ選択部24において選択されたプリンタドライバが利用者PC6においてインストールパッケージ20からインストールされるときに適用される初期値を管理者に指定させる。
図3においては印刷設定指定部27で「モノクロ」が選択されているが、「カラー」や、「デフォルト」も選択可能である。「デフォルト」が選択された場合、利用者PC6においてプリンタドライバがインストールされるときに、プリンタドライバ毎に予め設定されている初期値が適用される。
【0021】
管理外プリンタ設定選択部28は、利用者PC6へのプリンタドライバのインストール時に、管理者が把握していないプリンタ8(すなわち管理外のプリンタ8)が利用者PC6において利用可能となっていた場合の処理を管理者に選択させる。管理外プリンタ設定選択部28は、管理者によりチェックボックスがチェックされた場合、管理外プリンタ利用者設定が無効にされたとし、インストールキャンセル選択部28a、新印刷設定インストール選択部28b又は既存印刷設定インストール選択部28cの何れかを管理者に選択させる。この管理外プリンタ設定選択部28は、インストールパッケージ20毎に管理者に選択される。
【0022】
管理者は、利用者PC6へのプリンタドライバのインストール時に、利用者PC6が該プリンタ8において利用可能となっている管理外のプリンタ8を発見したときに、プリンタドライバのインストールをキャンセルする場合は、インストールキャンセル選択部28aを選択する。
【0023】
一方、管理者は、利用者PC6へのプリンタドライバのインストール時に、利用者PC6が該プリンタ8において利用可能となっている管理外のプリンタ8を発見したときに、インストールパッケージ設定画面22の印刷設定指定部27で設定した印刷設定である新印刷設定を利用者PC6へのプリンタドライバのインストール後に反映する(以下では、これを新印刷設定インストールとも呼ぶ)場合は、新印刷設定インストール選択部28bを選択する。
【0024】
また一方、管理者は、利用者PC6へのプリンタドライバのインストール時に、利用者PC6が該プリンタ8において利用可能となっている管理外のプリンタ8を発見したときに、管理外の該プリンタ8が現状使用している既存の印刷設定である既存印刷設定を利用者PC6へのプリンタドライバのインストール後に反映する(以下では、これを既存印刷設定インストールとも呼ぶ)場合は、既存印刷設定インストール選択部28cを選択する。
【0025】
一方、管理外プリンタ設定選択部28は、管理者によりチェックボックスがチェックされなかった場合、管理外プリンタ利用者設定が有効にされたとし、インストールキャンセル選択部28a、新印刷設定インストール選択部28b及び既存印刷設定インストール選択部28cをグレーアウトさせて管理者が選択し得ない状態とする。管理者は、利用者PC6へのプリンタドライバのインストール時に、利用者PC6が該プリンタ8において利用可能となっている管理外のプリンタ8を発見した場合の処理を利用者に一任する場合、管理外プリンタ設定選択部28をチェックしない状態とする。
【0026】
管理外プリンタ判定選択部29は、利用者PC6へのプリンタドライバのインストール時に、利用者PC6において利用可能となっているプリンタ8が管理者が把握しているプリンタ8(すなわち管理内のプリンタ8)であるか否かを判定する方法を管理者に選択させる。この管理外プリンタ判定選択部29は、プリンタ名ポート同一選択部29a、プリンタ名含有ポート同一選択部29b及びポート同一選択部29cの何れかを管理者に選択させる。
【0027】
管理者は、インストールパッケージ20のインストールパッケージ情報46(後述する)に含まれるプリンタ8のプリンタ名及びポートの両方が、利用者PC6において利用可能となっているプリンタ8のプリンタ名及びポートの両方と同一である場合に、利用者PC6において利用可能となっているプリンタ8が管理内のプリンタ8であると判定する場合は、プリンタ名ポート同一選択部29aを選択する。本実施の形態においては、管理外プリンタ判定選択部29においてプリンタ名ポート同一選択部29aが選択されているとする。
【0028】
一方、管理者は、インストールパッケージ20のインストールパッケージ情報46(後述する)に含まれるプリンタ8のプリンタ名が利用者PC6において利用可能となっているプリンタ8のプリンタ名の一部分に含まれ、且つ、インストールパッケージ20のインストールパッケージ情報46に含まれるプリンタ8のポートが利用者PC6において利用可能となっているプリンタ8のポートと同一である場合に、利用者PC6において利用可能となっているプリンタ8が管理内のプリンタ8であると判定する場合は、プリンタ名含有ポート同一選択部29bを選択する。例えば、インストールパッケージ情報46に含まれるプリンタ8のプリンタ名が「プリンタ設計」であり、利用者PC6において利用可能となっているプリンタ8のプリンタ名が、「プリンタ設定 コピー1」である場合、インストールパッケージ情報46に含まれるプリンタ8のプリンタ名は、利用者PC6において利用可能となっているプリンタ8のプリンタ名の一部分に含まれる。
【0029】
また一方、管理者は、インストールパッケージ20のインストールパッケージ情報46(後述する)に含まれるプリンタ8のポートが、利用者PC6において利用可能となっているプリンタ8のポートと同一である場合に、利用者PC6において利用可能となっているプリンタ8が管理内のプリンタ8であると判定する場合は、ポート同一選択部29cを選択する。
【0030】
[4.ダイアログの構成]
利用者PC6においてインストールパッケージ20が実行された場合において、管理外のプリンタ8があった場合に利用者PC6に表示される管理外プリンタ利用者設定無効時ダイアログ30a及び管理外プリンタ利用者設定有効時ダイアログ30bの一例を、
図4に示す。管理外プリンタ利用者設定無効時ダイアログ30a(
図4(A))は、インストールパッケージ設定画面22(
図3)において管理外プリンタ設定選択部28がチェックされ管理外プリンタ利用者設定が無効にされた場合に利用者PC6に表示される。一方、管理外プリンタ利用者設定有効時ダイアログ30b(
図4(B))は、インストールパッケージ設定画面22(
図3)において管理外プリンタ設定選択部28がチェックされず管理外プリンタ利用者設定が有効にされた場合に利用者PC6に表示される。
【0031】
管理外プリンタ利用者設定無効時ダイアログ30a(
図4(A))は、管理外プリンタ一覧印刷設定表示部31及びインストールボタン32を有している。管理外プリンタ一覧印刷設定表示部31は、管理外のプリンタ8のプリンタ名の一覧と共に、管理者が管理外プリンタ設定選択部28(
図3)で設定した印刷設定でプリンタドライバをインストールする旨を表示する。具体的に、管理外プリンタ設定選択部28(
図3)においてインストールキャンセル選択部28aが選択されていた場合、管理外プリンタ一覧印刷設定表示部31は、例えば、「プリンタドライバのインストールをキャンセル」といった内容を表示する。一方、管理外プリンタ設定選択部28(
図3)において新印刷設定インストール選択部28bが選択されていた場合、管理外プリンタ一覧印刷設定表示部31は、例えば、
図4(A)に示すように、「新印刷設定」といった内容を表示する。また一方、管理外プリンタ設定選択部28(
図3)において既存印刷設定インストール選択部28cが選択されていた場合、管理外プリンタ一覧印刷設定表示部31は、例えば、「既存の印刷設定」といった内容を表示する。
【0032】
本実施の形態においては、管理外プリンタ設定選択部28(
図4(A))において新印刷設定インストール選択部28bが選択されていたため、制御部17は、管理外のプリンタ8のプリンタ名である「プリンタ営業2」と、管理者により指定された、プリンタドライバのインストール時の印刷設定である「新印刷設定」とを管理外プリンタ一覧印刷設定表示部31に表示させる。
【0033】
なお、
図4(A)においてはプリンタ名が「プリンタ営業2」の1台のプリンタ8のみが管理外プリンタ一覧印刷設定表示部31に表示されているが、管理外のプリンタ8が複数台発見された場合、それら複数台のプリンタ8のプリンタ名と、管理外プリンタ設定選択部28(
図3)で設定された、プリンタドライバのインストール時の印刷設定とが表示される。
【0034】
利用者は、管理外プリンタ一覧印刷設定表示部31に表示された内容を確認すると、インストールボタン32をクリックすることにより、利用者PC6へのプリンタドライバのインストールを開始する。なお、管理外プリンタ設定選択部28(
図4(A))においてインストールキャンセル選択部28aが選択されていた場合、制御部17は、インストールボタン32に代えてインストールキャンセルボタンを表示させる。
【0035】
一方、管理外プリンタ利用者設定有効時ダイアログ30b(
図4(B))は、管理外プリンタ一覧印刷設定選択表示部33、インストールボタン34及びインストールキャンセルボタン35を有している。管理外プリンタ一覧印刷設定選択表示部33は、管理外のプリンタ8のプリンタ名の一覧と共に、それぞれのプリンタ名毎にプリンタドライバのインストール時の印刷設定方法の一覧である新印刷設定インストール選択部33a及び既存印刷設定インストール選択部33bが表示されている。新印刷設定インストール選択部33aは、「新印刷設定」と表示されており、新印刷設定インストールを示している。既存印刷設定インストール選択部33bは、「既存の印刷設定」と表示されており、既存印刷設定インストールを示している。
【0036】
利用者は、管理外プリンタ一覧印刷設定選択表示部33に表示された内容を確認すると、どの印刷設定でプリンタドライバをインストールするかを選択した上で、インストールボタン34をクリックすることにより、利用者PC6へのプリンタドライバのインストールを開始する。一方、利用者は、利用者PC6へのプリンタドライバのインストールをキャンセルする場合、インストールキャンセルボタン35をクリックする。具体的に利用者は、プリンタ名により示される管理外のプリンタ8(例えば「プリンタ営業2」)について、新印刷設定インストールを行う場合は新印刷設定インストール選択部33aを選択する一方、既存印刷設定インストールを行う場合は既存印刷設定インストール選択部33bを選択する。
【0037】
なお、
図4(B)においてはプリンタ名が「プリンタ営業2」の1台のプリンタ8のみが管理外プリンタ一覧印刷設定選択表示部33に表示されているが、管理外のプリンタ8が複数台発見された場合、それら複数台のプリンタ8のプリンタ名毎に、新印刷設定インストール選択部33a及び既存印刷設定インストール選択部33bが表示される。
【0038】
[5.インストールパッケージの構成]
図5に、インストールパッケージ20(
図2)の構成を示す。インストールパッケージ20は、管理者PC4において作成され、利用者PC6において実行される。このインストールパッケージ20は、インストールモジュール40、通信モジュール42、プリンタドライバ44、インストールパッケージ情報46、管理者情報48及びプリンタドライバ印刷設定情報50を有している。
【0039】
インストールモジュール40は、プリンタドライバ44をインストールするモジュールである。通信モジュール42は、インストールモジュール40がプリンタ8と通信を行うモジュールである。プリンタドライバ44は、プリンタ8のドライバである。インストールパッケージ情報46は、インストールパッケージ設定画面22(
図3)におけるパッケージ名入力部23、プリンタドライバ選択部24、プリンタ名指定部25、接続先指定部26、印刷設定指定部27、管理外プリンタ設定選択部28及び管理外プリンタ判定選択部29において設定された情報である。管理者情報48は、利用者PC6が管理者権限を持たない場合に、利用者PC6を一時的に管理者に昇格させるための情報であり、管理者のアカウントとパスワードとが暗号化されている。プリンタドライバ印刷設定情報50は、プリンタドライバ44の印刷設定ファイルであり、DEVMODEファイル等になる。このプリンタドライバ印刷設定情報50は、インストールパッケージ設定画面22(
図3)における印刷設定指定部27において「デフォルト」以外が選択された場合に作成され、例えば「モノクロ」が選択された場合、「モノクロ」の印刷設定を示す情報が格納される。
【0040】
利用者PC6においてインストールパッケージ20が実行されると、インストールモジュール40は、管理者情報48を用いて利用者PC6を管理者権限へ昇格させ、インストールパッケージ情報46に基づき、通信モジュール42でプリンタ8と通信を行い、プリンタドライバ44を利用者PC6にインストールする。インストールモジュール40は、プリンタドライバ44を利用者PC6にインストールする際、プリンタドライバ印刷設定情報50が存在する場合は、プリンタドライバ44の印刷設定を、プリンタドライバ印刷設定情報50により示される印刷設定に変更する。
【0041】
[6.インストールパッケージ情報の構成]
図6に、インストールパッケージ情報46(
図5)の一例を示す。インストールパッケージ情報46は、プリンタ名、ポート、印刷設定、プリンタドライバ及びバージョンが含まれる。「プリンタ名」の列は、プリンタ8の名称を示している。「ポート」の列は、プリンタ8の接続先であるIPアドレスを示している。「印刷設定」の列は、プリンタ8の印刷設定を示している。「プリンタドライバ」の列は、インストールされるプリンタドライバ44の名称を示している。「バージョン」の列は、プリンタドライバ44のバージョンを示している。ここで、インストールパッケージ設定画面22(
図3)のプリンタドライバ選択部24において、「Aプリンタドライバ」以外の例えば「Bプリンタドライバ」が選択されていた場合、インストールパッケージ情報46には、「Bプリンタドライバ」に関する情報も記載されている。
【0042】
[7.プリンタ情報の構成]
図7に、利用者PC6毎のプリンタ情報の一例を示す。利用者PC6においてインストールパッケージ20が実行されると、インストールパッケージ20のインストールモジュール40は、プリンタドライバ44をインストールする利用者PC6において利用可能となっているプリンタ8の情報を確認して抽出し、例えば
図7に示すプリンタ情報52a又は52bを作成する。
図7(A)は、利用者PC6aにおけるプリンタ8のインストール状況であるプリンタ情報52aを示し、
図7(B)は、利用者PC6bにおけるプリンタ8のインストール状況であるプリンタ情報52bを示している。以下では、プリンタ情報52a及び52bをまとめて、プリンタ情報52とも呼ぶ。
【0043】
本実施の形態においては、インストールパッケージ情報46(
図6)においては「Aプリンタドライバ」のみが記載されているため、インストールモジュール40は、利用者PC6から、「Aプリンタドライバ」に関する情報のみを抽出する。なお、インストールパッケージ情報46(
図6)において「Aプリンタドライバ」と共に例えば「Bプリンタドライバ」が記載されていた場合、インストールモジュール40は、利用者PC6から、「Aプリンタドライバ」及び「Bプリンタドライバ」に関する情報を抽出する。
【0044】
利用者PC6aのプリンタ情報52a(
図7(A))の場合、「Aプリンタドライバ」のバージョン1.0がインストールされているため、プリンタドライバのバージョンアップが必要になる。本実施の形態においては、管理外プリンタ判定選択部29(
図3)においてプリンタ名ポート同一選択部29aが選択されているため、インストールモジュール40は、利用者PC6aにおいて利用可能となっているプリンタ8に管理外のプリンタ8があるか否かを、インストールパッケージ情報46(
図6)とプリンタ情報52a(
図7(A))とでプリンタ名及びポートを比較し確認する。確認の結果、全て一致するため、インストールモジュール40は、利用者PC6aにおいて利用可能となっている全てのプリンタ8(「プリンタ設計」及び「プリンタ営業」)は、管理者が管理している管理内のプリンタ8であると判断する。これらのプリンタ8は、管理内のプリンタ8であるため、インストールモジュール40は、プリンタドライバ印刷設定情報50(
図5)の設定、つまり「モノクロ」で印刷設定を設定する。
【0045】
一方、利用者PC6bのプリンタ情報52b(
図7(B))の場合、プリンタ情報52a(
図7(A))の場合と同様に、「Aプリンタドライバ」のバージョン1.0がインストールされているため、プリンタドライバのバージョンアップが必要になる。インストールモジュール40は、プリンタ情報52a(
図7(A))の場合と同様に、利用者PC6bにおいて利用可能となっているプリンタ8に管理外のプリンタ8があるか否かを、インストールパッケージ情報46(
図6)とプリンタ情報52b(
図7(B))とでプリンタ名及びポートを比較し確認する。
【0046】
プリンタ情報52bの場合、インストールモジュール40は、プリンタ情報52a(
図7(A))の場合と同様に、「プリンタ設計」及び「プリンタ営業」は、管理内のプリンタ8であると判断する。
【0047】
一方、インストールモジュール40は、「プリンタ営業2」という管理外のプリンタ8を発見する。このためインストールモジュール40は、管理外プリンタ設定選択部28(
図3)において管理者により選択された内容により印刷設定を設定する。具体的にインストールモジュール40は、管理外プリンタ設定選択部28(
図3)においてインストールキャンセル選択部28aが選択されていた場合は、プリンタドライバ44のインストールをキャンセルする。一方、インストールモジュール40は、管理外プリンタ設定選択部28(
図3)において新印刷設定インストール選択部28bが選択されていた場合は、インストールパッケージ設定画面22で設定された印刷設定、すなわちプリンタドライバ印刷設定情報50(
図5)の設定、つまり「モノクロ」で印刷設定を設定する。また一方、インストールモジュール40は、管理外プリンタ設定選択部28(
図3)において既存印刷設定インストール選択部28cが選択されていた場合は、「プリンタ営業2」で設定されていた既存の印刷設定を設定する。
【0048】
[8.インストールパッケージ実行処理手順]
次に、利用者PC6によるインストールパッケージ実行処理手順RT1について、
図8及び
図9に示すフローチャートを用いて説明する。利用者PC6においてインストールパッケージ20が実行されると、利用者PC6の制御部17は、インストールパッケージ実行処理プログラムを読み出して実行することにより
図8に示すインストールパッケージ実行処理手順RT1を開始し、ステップSP1へ移る。
【0049】
ステップSP1において制御部17は、利用者PC6の管理者権限を確認することにより、利用者PC6に管理者権限があるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、利用者PC6にプリンタドライバ44をインストール可能であることを表し、このとき制御部17は、ステップSP2へ移る。一方、ステップSP1において否定結果が得られると、このとき制御部17は、ステップSP3へ移る。
【0050】
ステップSP3において制御部17は、利用者PC6のオペレーティングシステムに問い合わせることにより、インストールパッケージ20(
図5)内の管理者情報48が正しい管理者の情報であるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、利用者PC6にプリンタドライバ44をインストール可能であることを表し、このとき制御部17は、ステップSP2へ移る。
【0051】
一方、ステップSP3において否定結果が得られると、このことは、利用者PC6にプリンタドライバ44をインストール不能であることを表し、このとき制御部17は、ステップSP4へ移る。ステップSP4において制御部17は、利用者PC6へのプリンタドライバ44のインストールをキャンセルし、ステップSP23(
図9)へ移り、インストールパッケージ実行処理手順RT1を終了する。
【0052】
一方、ステップSP2において制御部17は、インストールパッケージ20(
図5)内にあるプリンタドライバ44のインストール処理を開始し、ステップSP5へ移る。ステップSP5において制御部17は、インストール先のPCである利用者PC6からプリンタ情報52(
図7(A)又は
図7(B))を取得し、ステップSP6へ移る。
【0053】
ステップSP6において制御部17は、ステップSP5において取得したプリンタ情報52(
図7(A)又は
図7(B))により示される全てのプリンタ8のプリンタ名及びポートと、インストールパッケージ情報46により示される全てのプリンタ8のプリンタ名及びポートとを比較し、これらが一致したか否かを判定する。
【0054】
ここで肯定結果が得られると、このことは、利用者PC6に追加され利用可能となっているプリンタ8は全て管理者内のプリンタ8であることを表し、このとき制御部17は、ステップSP7(
図9)へ移る。ステップSP7において制御部17は、利用者PC6に既にインストールされているプリンタドライバである既存プリンタドライバをアンインストールし、ステップSP8へ移る。ステップSP8において制御部17は、利用者PC6にインストールパッケージ20内のプリンタドライバ44をインストールし、ステップSP9へ移る。ステップSP9において制御部17は、利用者PC6に新印刷設定を反映させ、ステップSP23へ移り、インストールパッケージ実行処理手順RT1を終了する。このように制御部17は、管理内のプリンタ8に対し新印刷設定インストールを行う。
【0055】
一方、ステップSP6(
図8)において否定結果が得られると、このことは、利用者PC6に追加され利用可能となっているプリンタ8内に、管理外のプリンタ8が存在することを表し、このとき制御部17は、ステップSP10へ移る。
【0056】
ステップSP10において制御部17は、インストールパッケージ情報46(
図6)を参照し、管理外プリンタ利用者設定が無効であるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、プリンタドライバ44のインストール時に管理外のプリンタ8へ管理者が選択した印刷設定を設定することを表し、このとき制御部17は、ステップSP11(
図9)へ移る。ステップSP11において制御部17は、管理外プリンタ利用者設定無効時ダイアログ30a(
図4(A))を表示させ、ステップSP14へ移る。
【0057】
ステップSP14において制御部17は、インストールパッケージ情報46(
図6)を参照し、管理外プリンタ設定選択部28(
図3)においてインストールキャンセル選択部28a、新印刷設定インストール選択部28b又は既存印刷設定インストール選択部28cの何れか選択されていたか、すなわち、インストールキャンセル、新印刷設定インストール又は既存印刷設定インストールの何れが選択されたかを判定する。
【0058】
ここでインストールキャンセル選択部28aが選択されていたと判定された場合、制御部17は、ステップSP15へ移る。ステップSP15において制御部17は、利用者PC6へのプリンタドライバ44のインストールをキャンセルし、ステップSP23へ移り、インストールパッケージ実行処理手順RT1を終了する。このように制御部17は、管理外のプリンタ8に対しインストールキャンセルを行うと管理者PC4において選択されていた場合、管理外のプリンタ8に対しインストールキャンセルを行う。
【0059】
一方、ステップSP14において、新印刷設定インストール選択部28bが選択されていたと判定された場合、制御部17は、ステップSP16へ移る。ステップSP16において制御部17は、既存プリンタドライバをアンインストールし、ステップSP17へ移る。ステップSP17において制御部17は、利用者PC6にインストールパッケージ20内のプリンタドライバ44をインストールし、ステップSP18へ移る。ステップSP18において制御部17は、利用者PC6にインストールパッケージ20内のプリンタドライバ印刷設定情報50(新印刷設定)を反映させ、ステップSP23へ移り、インストールパッケージ実行処理手順RT1を終了する。このように制御部17は、管理外のプリンタ8に対し新印刷設定インストールを行うと管理者PC4において選択されていた場合、管理外のプリンタ8に対し新印刷設定インストールを行う。
【0060】
また一方、ステップSP14において、既存印刷設定インストール選択部28cが選択されていたと判定された場合、制御部17は、ステップSP19へ移る。ステップSP19において制御部17は、プリンタ情報52(
図7(A)又は
図7(B))から既存の印刷設定を取得してHDD16へ保存し、ステップSP20へ移る。ステップSP20において制御部17は、既存プリンタドライバをアンインストールし、ステップSP21へ移る。ステップSP21において制御部17は、利用者PC6にインストールパッケージ20内のプリンタドライバ44をインストールし、ステップSP22へ移る。ステップSP22において制御部17は、利用者PC6に、保存しておいた既存の印刷設定を反映させ、ステップSP23へ移り、インストールパッケージ実行処理手順RT1を終了する。このように制御部17は、管理外のプリンタ8に対し既存印刷設定インストールを行うと管理者PC4において選択されていた場合、管理外のプリンタ8に対し既存印刷設定インストールを行う。
【0061】
一方、ステップSP10(
図10)において否定結果が得られると、このことは、プリンタドライバ44のインストール時に管理外のプリンタ8へ利用者が選択した印刷設定を設定することを表し、このとき制御部17は、ステップSP12(
図9)へ移る。ステップSP12において制御部17は、管理外プリンタ利用者設定有効時ダイアログ30b(
図4(B))を表示させ、ステップSP13へ移る。ステップSP13において制御部17は、管理外プリンタ利用者設定有効時ダイアログ30b(
図4(B))の管理外プリンタ一覧印刷設定選択表示部33において新印刷設定インストール選択部33aが選択されインストールボタン34がクリックされるか、既存印刷設定インストール選択部33bが選択されインストールボタン34がクリックされるか、又はインストールキャンセルボタン35がクリックされるまで待ち受け、ステップSP14へ移る。
【0062】
以降、ステップSP14において制御部17は、上述した場合と同様に、管理外プリンタ利用者設定有効時ダイアログ30b(
図4(B))の新印刷設定インストール選択部33a、既存印刷設定インストール選択部33b、又はインストールキャンセルボタン35の何れが選択されたかに応じた処理を実行する。このように制御部17は、管理外のプリンタ8に対しインストールキャンセルを行うと利用者PC6において選択された場合、管理外のプリンタ8に対しインストールキャンセルを行い、管理外のプリンタ8に対し新印刷設定インストールを行うと利用者PC6において選択された場合、管理外のプリンタ8に対し新印刷設定インストールを行い、管理外のプリンタ8に対し既存印刷設定インストールを行うと利用者PC6において選択された場合、管理外のプリンタ8に対し既存印刷設定インストールを行う。
【0063】
[9.利用者PCの機能構成]
ここで、利用者PC6におけるインストールパッケージ実行処理に関係する基本的な機能を機能ブロック図により表すと、
図10のようになる。
【0064】
既存ドライババージョン判定部60は、制御部17(
図2)と対応しており、既にインストールされているプリンタドライバである既存プリンタドライバのバージョンが、インストールされるプリンタドライバ44である新プリンタドライバのバージョンと異なるか判定する。
【0065】
管理外プリンタ存在判定部62は、制御部17(
図2)と対応しており、新プリンタドライバに対応した、管理者の管理外のプリンタ8が利用者PC6において利用可能となっているか判定する。
【0066】
インストール選択部64は、制御部17(
図2)と対応しており、管理外のプリンタ8が利用者PC6において利用可能となっている場合、既存プリンタドライバをアンインストールした後に新プリンタドライバをインストールするか、又は、新プリンタドライバのインストールをキャンセルするかを選択させる。
【0067】
印刷設定選択部66は、制御部17(
図2)と対応しており、既存プリンタドライバをアンインストールした後に新プリンタドライバをインストールすることがインストール選択部64において選択された場合、利用者PC6において既に設定されている既存の印刷設定か、又は、管理者によって設定された新規の印刷設定かの何れを新プリンタドライバのインストールにおいて反映させるかを選択させる。
【0068】
また印刷設定選択部66は、管理外のプリンタ8が利用者PC6において利用可能となっている場合に、既存の印刷設定又は新規の印刷設定の何れを新プリンタドライバのインストールにおいて反映させるかを選択させる設定が有効となっている場合、既存の印刷設定又は新規の印刷設定の何れを新プリンタドライバのインストールにおいて反映させるかを選択させる一方、既存の印刷設定又は新規の印刷設定の何れかを新プリンタドライバのインストールにおいて反映させるかを選択させる設定が無効となっている場合、ドライバインストール部68により、管理者の設定に応じ、新プリンタドライバのインストールをキャンセルするか、既存プリンタドライバをアンインストールした後に新規の印刷設定を反映させて新プリンタドライバをインストールするか、又は、既存プリンタドライバをアンインストールした後に既存の印刷設定を反映させて新プリンタドライバをインストールする。
【0069】
さらに印刷設定選択部66は、管理外のプリンタ8が利用者PC6において利用可能となっている場合に、既存の印刷設定又は新規の印刷設定の何れを新プリンタドライバのインストールにおいて反映させるかを選択させる設定が有効となっている場合、既存の印刷設定又は新規の印刷設定の何れを新プリンタドライバのインストールにおいて反映させるかを選択させ、ドライバインストール部68により、利用者の選択に応じ、新プリンタドライバのインストールをキャンセルするか、既存プリンタドライバをアンインストールした後に新規の印刷設定を反映させて新プリンタドライバをインストールするか、又は、既存プリンタドライバをアンインストールした後に既存の印刷設定を反映させて新プリンタドライバをインストールする。
【0070】
ドライバインストール部68は、制御部17(
図2)と対応しており、印刷設定選択部66において選択された印刷設定を反映させてプリンタドライバをインストールする。
【0071】
[10.効果等]
以上の構成において利用者PC6は、新プリンタドライバをインストールする際に、管理者の管理外のプリンタ8が利用者PC6において利用可能となっているか否かを確認するようにした。また利用者PC6は、管理者の管理外のプリンタ8が利用可能となっている場合は、既存プリンタドライバを一度アンインストールした後にプリンタドライバ44をインストールするか、又はインストールをキャンセルするかを利用者に選択させるようにした。
【0072】
このため利用者PC6は、管理者の管理外のプリンタ8が利用者PC6において利用可能となっている場合でも、管理外のプリンタ8のプリンタドライバを管理内のプリンタ8のプリンタドライバと共に一律にアンインストールしまうことを防止できる。また利用者PC6は、管理者の管理外のプリンタ8が利用者PC6において利用可能となっている場合でも、管理外のプリンタ8のプリンタドライバのインストールと管理内のプリンタ8のプリンタドライバのインストールとを一律にキャンセルしてしまうことを防止し、管理外のプリンタ8であってもプリンタドライバのアップデートを行うことができる。
【0073】
さらに利用者PC6は、プリンタドライバ44をインストールする場合において、管理外プリンタ設定選択部28(
図3)で管理外プリンタ利用者設定が有効にされた場合、既存の印刷設定と新規の印刷設定とのどちらで設定するかを利用者に選択させるようにした。このため利用者PC6は、既存プリンタドライバを新プリンタドライバに変更する際に、印刷設定を強制的に初期化してしまうことを防止できる。
【0074】
またさらに利用者PC6は、プリンタドライバ44をインストールする場合において、管理外プリンタ設定選択部28(
図3)で管理外プリンタ利用者設定が無効にされた場合、既存の印刷設定と新規の印刷設定とのどちらで設定するかを管理者の設定に基づき実行するようにした。このため利用者PC6は、既存プリンタドライバを新プリンタドライバに変更する際に、既存の印刷設定と新規の印刷設定とのどちらを反映させるかについて管理者の意思を反映させることができる。
【0075】
以上の構成によれば利用者PC6は、プリンタドライバ44がインストールされる情報処理装置としての利用者PC6であって、新プリンタドライバに対応した管理者の管理外のプリンタ8が利用者PC6において利用可能となっているか判定する管理外プリンタ存在判定部62と、管理外のプリンタ8が利用者PC6において利用可能となっている場合、既存プリンタドライバをアンインストールした後に新プリンタドライバをインストールするか、又は、新プリンタドライバのインストールをキャンセルするかを選択させるインストール選択部64とを設けるようにした。
【0076】
これにより利用者PC6は、管理者の管理外のプリンタ8が利用者PC6において利用可能となっている場合でも、管理外のプリンタ8の既存プリンタドライバを管理内のプリンタ8の既存プリンタドライバと共に一律にアンインストールしまうことを防止できると共に、管理外のプリンタ8の新プリンタドライバのインストールと管理内のプリンタ8の新プリンタドライバのインストールとを一律にキャンセルしてしまうことを防止できる。
【0077】
[11.他の実施の形態]
なお上述した実施の形態において管理者PC4は、接続先指定部26(
図3)において、プリンタドライバ選択部24において選択されたプリンタドライバが適用されるプリンタ8がネットワークプリンタである場合における該プリンタ8の接続先であるIPアドレスを管理者に指定させる場合について述べた。本発明はこれに限らず、管理者PC4は、接続先指定部26(
図3)において、プリンタドライバ選択部24において選択されたプリンタドライバが適用されるプリンタ8がローカルプリンタである場合における接続方法(例えばUSB)を管理者に指定させても良い。
【0078】
また上述した実施の形態において管理者PC4は、印刷設定指定部27(
図3)において、「モノクロ」又は「カラー」といった、印刷される画像の色の設定を管理者に指定させる場合について述べた。本発明はこれに限らず、管理者PC4は、印刷設定指定部27(
図3)において、用紙サイズや給紙方法等、他の種々の印刷に関する設定を管理者に指定させても良い。また管理者PC4は、印刷設定指定部27(
図3)において印刷設定を管理者に指定させることなく、管理者PC4に既にインストールされているプリンタドライバから印刷設定ファイルを取得して印刷設定として指定しても良い。さらに管理者PC4は、プリンタドライバから印刷設定ファイルを取得して管理者PC4に保存し、印刷設定指定部27(
図3)においてその印刷設定ファイルを管理者に選択させても良い。
【0079】
さらに上述した実施の形態において管理者PC4は、パッケージ名入力部23(
図3)に入力されたファイル名のインストールパッケージ20毎に管理外プリンタ設定選択部28を管理者に選択させる場合について述べた。本発明はこれに限らず、管理者PC4は、プリンタドライバ選択部24で選択されたプリンタドライバ名のプリンタドライバ毎に管理外プリンタ設定選択部28(
図3)を管理者に選択させても良い。
【0080】
さらに上述した実施の形態において管理者PC4及び利用者PC6は、プリンタ8の接続先(ポート)として、IPアドレスを用いる場合について述べた。本発明はこれに限らず、管理者PC4及び利用者PC6は、プリンタ8の接続先(ポート)として、他の種々の情報を用いても良い。
【0081】
さらに利用者PC6は、インストールパッケージ実行処理手順RT1(
図8)のステップSP5とステップSP6との間において、プリンタ情報52(
図7(A)又は
図7(B))で示される利用者PC6にインストール済のプリンタドライバのバージョンと、インストールパッケージ情報46(
図6)で示されるプリンタドライバ44のバージョンとを比較し、異なるバージョンである場合にのみステップSP6へ移り、同一のバージョンである場合、ステップSP4へ移っても良い。
【0082】
さらに上述した実施の形態において利用者PC6は、インストールパッケージ実行処理手順RT1(
図8)のステップSP6において、プリンタ情報52(
図7(A)又は
図7(B))により示されるプリンタ8である新プリンタのプリンタ名及びポートと、インストールパッケージ情報46により示されるプリンタ8である利用可能プリンタのプリンタ名及びポートとを比較し一致しないプリンタ8が存在する場合、利用可能プリンタ内に管理外のプリンタ8が存在すると判定する場合について述べた。本発明はこれに限らず、利用者PC6は、管理外プリンタ判定選択部29(
図3)においてプリンタ名含有ポート同一選択部29bが選択されている場合、利用可能プリンタのポート(IPアドレス)と新プリンタのポート(IPアドレス)とが一致しており、且つ、少なくとも該利用可能プリンタのプリンタ名に該新プリンタのプリンタ名が含まれる場合、該利用可能プリンタは管理者の管理内のプリンタ8であると判定しても良い。また、利用者PC6は、管理外プリンタ判定選択部29(
図3)においてポート同一選択部29cが選択されている場合、利用可能プリンタのポート(IPアドレス)と新プリンタのポート(IPアドレス)とが一致している場合、該利用可能プリンタは管理内のプリンタ8であると判定しても良い。
【0083】
さらに上述した実施の形態において利用者PC6は、本発明をプリンタドライバのインストールに適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、利用者PC6は、その他種々のユーティリティアプリケーションのインストールに本発明を適用しても良い。
【0084】
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態にも本発明の適用範囲が及ぶものである。また本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態のうち任意の実施の形態に記載された構成の一部を抽出し、上述した各実施の形態及び他の実施の形態のうちの任意の実施の形態の構成の一部と置換・転用した実施の形態や、抽出された構成の一部を任意の実施の形態に追加した実施の形態にも本発明の適用範囲が及ぶものである。
【0085】
さらに上述した実施の形態においては、管理外プリンタ存在判定部としての管理外プリンタ存在判定部62と、インストール選択部としてのインストール選択部64とにより、情報処理装置としての利用者PC6を構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる管理外プリンタ存在判定部と、インストール選択部とによって、情報処理装置を構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、PCにプリンタドライバをインストールする場合に利用できる。
【符号の説明】
【0087】
1……画像形成システム、2……ネットワーク、4……管理者PC、6a、6b……利用者PC、8a、8b……プリンタ、9……プリンタ、10……USBケーブル、12……CPU、14……インターフェース部、15……メモリ、16……HDD、17……制御部、18……プリンタドライバ部、19……アプリケーション実行部、20……インストールパッケージ、22……インストールパッケージ設定画面、23……パッケージ名入力部、24……プリンタドライバ選択部、25……プリンタ名指定部、26……接続先指定部、27……印刷設定指定部、28……管理外プリンタ設定選択部、28a……インストールキャンセル選択部、28b……新印刷設定インストール選択部、28c……既存印刷設定インストール選択部、29……管理外プリンタ判定選択部、29a……プリンタ名ポート同一選択部、29b……プリンタ名含有ポート同一選択部、29c……ポート同一選択部、30a……管理外プリンタ利用者設定無効時ダイアログ、30b……管理外プリンタ利用者設定有効時ダイアログ、31……管理外プリンタ一覧印刷設定表示部、32……インストールボタン、33……管理外プリンタ一覧印刷設定選択表示部、33a……新印刷設定インストール選択部、33b……既存印刷設定インストール選択部、34……インストールボタン、35……インストールキャンセルボタン、40……インストールモジュール、42……通信モジュール、44……プリンタドライバ、46……インストールパッケージ情報、48……管理者情報、50……プリンタドライバ印刷設定情報、52a、52b……プリンタ情報、60……既存ドライババージョン判定部、62……管理外プリンタ存在判定部、64……インストール選択部、66……印刷設定選択部、68……ドライバインストール部。