(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041092
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】太陽光ハイブリットシステム
(51)【国際特許分類】
H02S 40/44 20140101AFI20240319BHJP
H02S 40/38 20140101ALI20240319BHJP
【FI】
H02S40/44
H02S40/38
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145723
(22)【出願日】2022-09-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】722010138
【氏名又は名称】花澤 亮也
(72)【発明者】
【氏名】花澤 亮也
【テーマコード(参考)】
5F151
5F251
【Fターム(参考)】
5F151JA28
5F151JA29
5F251JA28
5F251JA29
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高効率での発電が可能で、同時に高温での集熱が可能な、雪国でも利用できる太陽光ハイブリットシステムを提供すること。
【解決手段】熱電変換モジュール(1)と蓄電池(2)と循環ユニト(3)から構成される太陽光ハイブリットシステムであって、
熱電変換モジュール(1)は、同心状の二重円柱管を地面に対し垂直に配置し、二重円柱管の内管(1-3)と外管(1-1a)の成す空間に仕切り壁(1―2)を用いて縦方向かつ等間隔に複数分割し、その分割された複数の空間に、放物線形状の反射板(1-4)を縦方向に連続して配置し、さらに反射板(1-4)の焦線上に棒状の集熱管(1-6)を配置することで、集熱管(1-6)の中を流れる熱媒体を加熱する。また、反射板(1-4)と集熱管(1-6)を配置した空間の外管(1-1a)を透光体(1-1b)とし、その内壁に球状太陽光発電素子(1-5)を設けることで発電する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱電変換モジュールと蓄電池と循環ポンプユニットから構成される太陽エネルギーから熱と電気を同時に変換する太陽光ハイブリットシステムであって、
前記熱電変換モジュールの熱交換を担う部分は、同心状の二重円柱管を地面に対し垂直に配置し、該二重円柱管の内管と外管が成す空間を、仕切り壁を用いて縦方向かつ等間隔に複数分割し、その分割された複数の空間に放物線形状の反射板を縦方向に連続して配置し、さらに前記反射板の焦線上に棒状の集熱管を配置することで、前記集熱管の中を流れる熱媒体を加熱するものであり、
前記熱電変換モジュールの発電を担う部分は、前記反射板及び前記集熱管を配置した空間の前記外管を透光体とし、前記透光体の内壁に球状太陽光発電素子を設けることで発電することを特徴とした太陽光ハイブリットシステムである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽のエネルギーから熱と電気を同時に変換する太陽光ハイブリットシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
平板型太陽電池モジュールの裏面に熱交換モジュールを配置したハイブリット式太陽光変換システムが、特許文献1に開示されている。この太陽光変換システムでは、太陽電池モジュールを高効率で発電させるためには裏面の熱交換モジュールを低い温度に保つ必要があり、高温での集熱は困難である。
【0003】
これに対し、高温度でも集熱可能なパラボリック・トラフ型のハイブリット式太陽光変換システムが、特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実登3039163号公報
【特許文献2】特開2013-96676号公報
【0005】
【非特許文献1】製品情報,″SPHELAR BIPB″,[online],平成24年5月1日, スフェラーパワー株式会社,[令和4年8月23日検索],インターネット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に開示のパラボリック・トラフ型ハイブリット式太陽光変換システムは、太陽追尾装置を持たない固定式であるため、太陽光を効率よく利用することが出来ない。また、雪国においては積雪による遮光が発生し、発電や集熱そのものが阻害される。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑み、高効率の太陽エネルギーの利用が可能であり、雪国で
も利用できるも太陽光ハイブリットシステムを提供することにある。
【問題を解決するための手段】
【0008】
本発明の太陽光ハイブリットシステムは、熱電変換モジュール(1)と蓄電池(2)と循環ポンプユニト(3)から構成され、 熱電変換モジュール(1)の熱交換を担う部分は、同心状の二重円柱管を地面に対し垂直に配置し、二重円柱管の内管(1-3)と外管(1-1a)の成す空間に仕切り壁(1―2)を用いて縦方向かつ等間隔に複数分割し、その分割された複数の空間に、放物線形状の反射板(1-4)を縦方向に連続して配置し、 さらに反射板(1-4)の焦線上に棒状の集熱管(1-6)を配置することで、集熱管(1-6)の中を流れる熱媒体を加熱するものであり、
熱電変換モジュール(1)の発電を担う部分は、反射板(1-4)と集熱管(1-6)を配置した空間の外管(1-1a)を透光体(1-1b)とし、その内壁に球状太陽光発電素子(1-5)を設けることで発電することを特徴とした太陽光ハイブリットシステムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の太陽光ハイブリットシステムは、透光体(1-1b)の水平断面中心が真南を向くように、熱電変換モジュール(1)を地面に対し垂直に設置することで、日の出から日の入りまで太陽光を効率よく受光することができるため、発電効率に優れ、高温度の集熱が可能な太陽光ハイブリットシステムが実現できる。また、本発明は円柱体を自立させる面積だけ有れば設置可能であり、これまでのシステムのような多くの設置面積を必要としない。
【0010】
さらに、本発明の太陽光ハイブリットシステムは、球状太陽光発電素子(1-5)と集熱管(1-6)が離れているため、集熱管が高温になっても発電素子は影響を受けず、効率よく発電することが可能であり、同時に高温での集熱も可能である。
【0011】
従って、本発明の太陽光ハイブリットシステムを利用すると、球状太陽光発電素子(1-5)で発電した電気は、熱電変換モジュール(1)の下部に設置した蓄電池(2)で蓄電され、熱媒体が集熱管(1-6)内を循環する循環ポンプユニト(3)の動力として利用できるため、外部電源に接続することはなく、熱と電気を同時かつ継続的に供給可能な自立型システムを構築することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を用いて本発明の太陽光ハイブリットシステムの実施形態について説明する。
【0013】
図1に、本発明の実例を示す太陽光ハイブリットシステムの立面図に示す。全長は6.5mであり、斜線で示す熱変換モジュール(1)は直径20cm、長さ5mで、地面から1.5mの高さに垂直に配置され、下部に蓄電池(2)と循環ポンプユニット(3)を配置している。
【0014】
図2に、熱電変換モジュールの断面図を示す。外管(1-1a)、仕切り壁(1-2)及び内管(1-3)は板厚2.6mm鋼材の亜鉛メッキ仕上げとし、反射板(1-4)は太陽光反射効率を向上させるためステンレス鏡面仕上げにて構成され、集熱管(1-6)は黒色塗装された銅管1本の渡り配管で設置され、循環する熱媒体は酸化済み不凍液を用いることでシステム機器の腐食を抑止する。透光体(1-1b)はアクリル樹脂で形成され、その中に太陽光発電素子(1-5)を埋め込む構成とした。
【0015】
結露対策として、反射板(1-4)と集熱管(1-6)を配置した熱電変換モジュール(1)の内部空間は、密閉し真空を保つ方法、または乾燥空気を充填する。
【0016】
外観頭頂部には、風力発電装置が設置可能なボルトと配線ケーブルを設置する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の太陽光ハイブリットシステムの実例を示す立面図
【
図2】本発明の電交換モジュールの構造を示すa-a水平断面図
【符号の説明】
【0018】
1 熱電変換モジュール
1-1a 外管
1-1b 透過体
1-2 仕切り壁
1-3 内管
1-4 反射板
1―5 球状太陽光発電素子
1―6 集熱管
2 蓄電池
3 循環ユニット
【手続補正書】
【提出日】2022-11-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
熱電変換モジュールと蓄電池と循環ポンプユニットから構成される太陽エネルギーから熱と電気を同時に変換する太陽光ハイブリットシステムであって、
前記熱電変換モジュールの熱交換を担う部分は、同心状の二重円柱管を地面に対し垂直に配置し、該二重円柱管の内管と外管が成す空間の水平断面を、複数の仕切り壁によって等間隔に複数分割し、前記複数の仕切り壁の各々は縦方向に配置され、その分割された複数の空間に放物線形状の反射板を縦方向に連続して配置し、さらに前記反射板の焦線上に棒状の集熱管を配置することで、前記集熱管の中を流れる熱媒体を加熱するものであり、前記熱電変換モジュールの発電を担う部分は、
前記反射板及び前記集熱管を配置した空間の前記外管を透光体とし、前記透光体の内壁に球状太陽光発電素子を設けることで発電することを特徴とした太陽光ハイブリットシステムである。