(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041097
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/02 20060101AFI20240319BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240319BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240319BHJP
F21Y 113/13 20160101ALN20240319BHJP
【FI】
F21S8/02 410
F21S2/00 431
F21Y115:10
F21Y113:13
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145733
(22)【出願日】2022-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【弁理士】
【氏名又は名称】伊達 研郎
(72)【発明者】
【氏名】松田 康平
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 公史
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA05
3K244BA50
3K244CA03
3K244DA01
3K244EA02
3K244EA13
3K244EA34
3K244GA08
(57)【要約】
【課題】2つの光源ユニットを有する照明器具において、第1の光源ユニットの光源モジュールから出射された光が第2の光源ユニットの透光部に映り込むことを抑制する。
【解決手段】照明器具は、開口部の外縁から内側に向かうにしたがって下側に突設されたフレーム部221、フレーム部221の上側に設けられたカバー部222、とを有する。この照明器具は、さらに開口部を塞ぐように設けられた第1の透光部22と、カバー部222の上側に配置された第2の透光部34と、フレーム部221に向かって白色の光を出射する第1の光源モジュール21と、第2の透光部34に向かって青色の光を出射する第2の光源モジュール37と、を備え、第1の光源モジュール21は、カバー部222の下側に配置され、第2の光源モジュール37は、カバー部222の上側に配置される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方側の開口が形成された開口部を有する箱状の器具本体と、
前記開口部の外縁から内側へ向かうにしたがって前記器具本体の他方側へ向かう方向に突出して設けられたフレーム部、前記フレーム部の前記他方側に設けられたカバー部、とを有し、前記開口を塞ぐように設けられた板状の第1の透光部と、
前記器具本体の内部において、前記カバー部の前記他方側に配置された板状の第2の透光部と、
前記器具本体に収納され、前記フレーム部に向かって第1の光を出射する第1の光源モジュールと、
前記器具本体に収納され、前記第2の透光部に向かって第2の光を出射する第2の光源モジュールと、を備え、
前記第1の光源モジュールは、前記カバー部の前記一方側に配置され、
前記第2の光源モジュールは、前記カバー部の前記他方側に配置される照明器具。
【請求項2】
前記第2の光源モジュールは、前記第2の透光部の板幅方向において前記第2の透光部と前記器具本体の間に配置され、
前記第2の透光部は、前記第2の光を導光し、前記開口に向けて散乱させる散乱体である請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記第1の透光部は、前記カバー部と前記フレーム部とが一体成形されている請求項1または請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記第1の光源モジュールは、白色の光を出射し、
前記第2の光源モジュールは、青色の光を出射する請求項1または請求項2に記載の照明器具。
【請求項5】
前記第1の透光部は、透明材料であり、
前記フレーム部は、白色の透光性の塗料によって塗装されている請求項4に記載の照明器具。
【請求項6】
前記カバー部は、前記第2の透光部と離間した状態で配置される請求項1または請求項2に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2つの光源ユニットを有する照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井などの被取付部に設置され、照明空間側に開口が形成された器具本体の内部に青色の光を出射する第1の光源ユニットと白色の光を出射する第2の光源ユニットとが備えられた照明器具がある。第1の光源ユニットは、青色の光を出射する青色LEDモジュールと器具本体の開口を覆うように設けられた導光板とを有する。青色LEDモジュールから出射された光は、導光板を導光して器具本体の開口側の面から器具本体の開口へ向けて照射される。第2の光源ユニットは、白色の光を出射する白色LEDモジュールと四角錐台に形成され器具本体の開口側に設けられた拡散板とを有する。白色LEDモジュールは、拡散板の背面側に配置されている。白色LEDモジュールから出射された光は、拡散板に入射して器具本体の開口へ斜め下に向けて照射される。
(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の照明器具は、器具本体の開口から導光板が露出しているために、埃や塵などの異物が導光板に付着するおそれがある。導光板は、光の照射面に異物が付着すると、照射面の異物が付着した部位において均一に発光されず、意匠性が低下するおそれがあった。
【0005】
ここで、特許文献1には記載が無いが想到される導光板への異物の付着を防止する方法として、器具本体の開口を塞ぐように透明のカバーを設けることが挙げられる。透明のカバーは、器具本体の開口を塞ぐため、異物が器具本体の外側から内側へ侵入することを防ぎ、器具本体の内部に備えられた導光板への異物の付着を防止することができる。しかしながら、特許文献1に記載の照明器具は、第2の光源ユニットが器具本体の内部に備えられ、白色LEDモジュールから出射された光が拡散板に入射して器具本体の開口へ斜め下に向けて照射される。言い換えれば、拡散板を通過した光が器具本体の内側から外側に向かうように照射され開口を通過する。そのため、器具本体の開口を塞ぐように透明のカバーを設けた場合、拡散板から出射された光の一部は、透明のカバーの導光板に対向する面によって器具本体の外側から内側へ向かうように反射され、導光板に映り込んでしまうという新たな課題が発生する可能性がある。すなわち、青色の光を照射する導光板の照射面に白色LEDからされた白色の光が映り込むことによって意匠性が低下するおそれがある。
【0006】
本開示は、上述した課題を解決するためになされたものであり、白色LEDモジュールである第1の光源モジュールから出射される光が導光板である第2の透光部に映り込むことを抑制した照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示における照明器具は、一方側に開口が形成された開口部を有する器具本体と、開口部の外縁から内側に向かうにしたがって器具本体の他方側へ向かう方向に突出して設けられたフレーム部、フレーム部の他方側に設けられたカバー部、とを有し、器具本体の開口を塞ぐように設けられた板状の第1の透光部と、器具本体の内部において、カバー部の他方側に配置された板状の第2の透光部と、器具本体に収納され、フレーム部に向かって第1の光を出射する第1の光源モジュールと、器具本体に収納され、第2の透光部に向かって第2の光を出射する第2の光源モジュールと、を備え、第1の光源モジュールは、カバー部の一方側に配置され、第2の光源モジュールは、カバー部の他方側に配置される。
【発明の効果】
【0008】
本開示の照明器具は、第1の光源モジュールがカバー部の一方側に配置され、第2の光源モジュールがカバー部の他方側に配置されることによって、第1の光源モジュールから出射された光が第2の透光部に映り込むことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る照明器具の斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明器具の分解斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る器具本体及び第1の光源ユニットの分解斜視図である。
【
図4】実施の形態1に係る第2の光源ユニットの分解斜視図である。
【
図5】実施の形態1に係る照明器具の部分端面図である。
【
図6】実施の形態1に係る照明器具の端面の模式図である。
【
図7】比較例に係る照明器具の端面の模式図である。
【
図8】他の比較例に係る照明器具の端面の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態に係る照明器具などについて、図面などを参照しながら説明する。以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又は相当するものであり、以下に記載する実施の形態の全文において共通することとする。また、図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。構成要素の組み合わせは、各実施の形態における組み合わせのみに限定するものではなく、他の実施の形態を別の実施の形態に記載した構成要素を別の実施の形態に適用することができる。また、明細書の全文において、床面から天井に向かう方向を「上方向」と呼び、天井側を「上側」と呼ぶこととする。また、同様に、天井から床面に向かう方向を「下方向」と呼び、床面側を「下側」と呼ぶこととする。また、中央部分に開口が設けられた後述する照明器具1において上下方向と交差する方向において照明器具1の開口側を「内側」とよび、照明器具1の外部側を「外側」と呼ぶこととする。以下、本開示の「一方側」及び「他方側」は、それぞれ本明細書の「下側」及び「上側」と対応させて説明する。しかしながら、「一方側」及び「他方側」は、実施の形態の説明のためにそれぞれ「下側」及び「上側」に対応させるものであって、これに限定されない。
【0011】
実施の形態1.
本実施の形態1の照明器具1の構成について
図1から
図5を用いて説明する。
図1は、本実施の形態1に係る照明器具1の下方向から視た斜視図である。
図2は、
図1に示す照明器具1の下方向から視た分解斜視図である。
図3は、本実施の形態1の照明器具1の器具本体10及び第1の光源ユニット20の上方向から視た分解斜視図である。
図4は、本実施の形態1の照明器具1の第2の光源ユニット30の上方向から視た分解斜視図である。
図5は、本実施の形態1の照明器具1の部分端面図である。
【0012】
図1及び
図2に示すように、実施の形態1に係る照明器具1は、図示されていない天井や壁などの被取付部に設けられた図示されていない開口に埋め込められて取り付けられる天井埋め込み型の照明器具である。照明器具1は、器具本体10、第1の光源ユニット20及び第2の光源ユニット30を有する。なお、照明器具1は、天井埋め込み型の照明器具であると説明したが、天井や壁などに設けられた締結具に取り付けられる直付型の照明器具であってもよい。
【0013】
図2に示すように、器具本体10は、矩形の箱型に形成され、下側が開口しているものである。器具本体10は、主面部11、側面部12、フランジ部13及びVばね取付金具14とを有する。器具本体10は、第1の光源ユニット20及び第2の光源ユニット30を収納する。
【0014】
主面部11は、矩形の板状に形成されたものである。主面部11には、主面部ボルト孔111が形成されている。器具本体10は、被取付部に設けられた吊りボルトを主面部ボルト孔111に挿通させてナットで締結することで、被取付部に固定される。主面部11には、図示しない電線及び信号線を挿通させる電線挿通孔112が形成されている。
【0015】
側面部12は、主面部11の4辺のそれぞれから下側へ突出するように形成されたものである。
【0016】
フランジ部13は、主面部11と対向し、側面部12の下側に配置され、矩形の枠形に形成されたものである。フランジ部13は、中央部に開口が形成された開口部131を有する。フランジ部13は、Vばね132及び第1モジュール保持部材133を有する。
【0017】
Vばね132は、フランジ部13のうち、互いに対向する2つの辺の上側の面に設けられたV字状のばねである。
【0018】
第1モジュール保持部材133は、フランジ部13の4辺の上側の面からそれぞれ上側に突出するように設けられた板状のものである。
【0019】
Vばね取付金具14は、4つの側面部12のうち、対向する2つの側面部12の内側の面に取り付けられるものである。Vばね取付金具14は、フランジ部13のVばね132に引っ掛かってフランジ部13を側面部12に取り付ける。が引っ掛かるものである。
【0020】
図3に示すように、第1の光源ユニット20は、白色LED(Light Emitting Diode)モジュール21、第1の透光部22及びパッキン23を備えるものである。
【0021】
図5に示すように、第1の光源モジュール21は、内側へ向かって白色の光を出射させるものである。第1の光源モジュール21は、第1モジュール保持部材133のうち3つの内側にシリコーン接着剤などによって接着される。第1の光源モジュール21は、白色LED用基板211と白色LED212とを有する。なお、第1の光源モジュール21は、第1モジュール保持部材133にシリコーン接着剤によって接着されると説明したが、ねじによって第1モジュール保持部材133に取り付けられてもよいし、はんだなどによって第1モジュール保持部材133に溶着されてもよく、第1モジュール保持部材133に固定できる方法であればよい。
【0022】
白色LED用基板211は、板状に形成されたものであり、外側の面が第1モジュール保持部材133に固定され、内側の面に白色LED212が実装される。
【0023】
白色LED212は、白色の光を射出する発光素子である。なお、白色LED212は、LEDに限らず、レーザや有機LEDなどの発光素子でもよい。
【0024】
第1の透光部22は、フレーム部221とカバー部222とを有するものである。第1の透光部22は、下側が開口した四角錐台状に形成される。第1の透光部22は、開口部131を塞ぐように配置される。第1の透光部22は、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などの透光性で透明材料のプラスチック樹脂によって形成されている。なお、第1の透光部22は、フレーム部221とカバー部222とを射出成型や真空成型によって一体成形したものでもよく、フレーム部221とカバー部222とをそれぞれ成形して接着剤などによって接着させたものでもよい。
【0025】
フレーム部221は、上側の辺の長さが下側の辺の長さよりも短い台形形状に形成された板状のものを4枚有する。フレーム部221は、4枚を一体にして上側と下側が開口した四角錐台に形成され、フランジ部13の開口部131の外縁に外側の端部がパッキン25を介して載置される。フレーム部221の4枚の側面のそれぞれは、外側から内側へ向かうにしたがって、下側から上側へ向かうようにテーパ状に傾斜している。フレーム部221は、日向フレーム部221A及び日陰フレーム部221Bを有する。ここで、フレーム部221の対向する2枚の面が向き合う面を内面と呼び、内面の反対側の面を背面と呼ぶ。
【0026】
日向フレーム部221Aは、フレーム部221の4枚のうち3枚であって、背面に透光性の白色塗料を塗布されたものである。日向フレーム部221Aは、フレーム部221の隣り合う3枚によって形成されている。日向フレーム部221Aは、背面側に第1の光源モジュール21が配置される。日向フレーム部221Aは、第1の光源モジュール21から出射された光をフランジ部13の開口部131へ斜め下に向けて発する。なお、フレーム部221Aは、背面に透光性の乳白色塗料を塗布されたものに限らず、透光性であって乳白色の材料で形成されたものであってもよい。
【0027】
日陰フレーム部221Bは、フレーム部241の4枚のうちの1枚であって、背面に図示していない遮光シートが貼付されたものである。日陰フレーム部221Bは、日向フレーム部221Aと対に設けられた第1の光源モジュール21から出射された白色光を背面側から内面側に漏らさないように遮光する。なお、日陰フレーム部221Bは、背面に遮光シートが貼付されたものに限らず、遮光性の塗料が塗布されたものでもよい。
【0028】
フレーム部221は、白色光を発する3枚の日向フレーム部221Aと、背面から入射した光を遮光する日陰フレーム部221Bとを組み合わせた構成となっている。そのため、フレーム部221から発せられる光は、3方向から発せられ、太陽光が差し込んだ日向の窓枠、あるいは、日陰の窓枠越しに外から光が差し込んだ奥行感のある視覚効果を演出することができる。なお、本実施の形態のフレーム部221は、日向フレーム部221Aの3枚と日陰フレーム部221Bの1枚とで構成されていると説明したが、それに限らず、日向フレーム部221Aの2枚と日陰フレーム部221Bの2枚とで構成されたものでもよい。
【0029】
図5に示すように、パッキン23は、フランジ部13の上側の面とフレーム部221の下側の面の間に設置され、フランジ部13とフレーム部221とが直接的に接触することを抑制し、振動などによって互いにぶつかることによる損傷を抑制するものである。また、パッキン23は、フランジ部13とフレーム部221との間に設置されることによって白色LED212から出射される白色光がフランジ部13とフレーム部221との隙間から漏れることを抑制する。
【0030】
カバー部222は、矩形の平板状に形成された透明で透光性を有するものである。カバー部222は、フレーム部221の上側の開口を塞ぐように設けられる。カバー部222は、フレーム部221とでフランジ部13の開口部131を塞ぐことによって、器具本体の外部から内部に異物が侵入することを防止することができる。カバー部222は、上下方向において第1の光源モジュール21の上側に配置される。そのため、カバー部222は、日向フレーム部221Aからフランジ部13の開口部131へ発せられた光に照射されない。
【0031】
図4に示すように、第2の光源ユニット30は、第2モジュール保持部材31、下ガイドプレート32、上ガイドプレート33、第2の透光部34、パッキン35、反射シート36、第2の光源モジュール37及び天板38を備えるものである。
【0032】
第2モジュール保持部材31は、矩形の枠形に形成され、第1モジュール保持部材133の上側に取り付けられるものである。第2モジュール保持部材31は、第2モジュール保持部311及び第2モジュール保持部凹部312を有する。
【0033】
第2モジュール保持部311は、第2モジュール保持部材31の互いに対向する辺の上側の面からそれぞれ突出するように設けられた板状のものである。
【0034】
第2モジュール保持部凹部312は、第2モジュール保持部311が設けられた第2モジュール保持部材31の辺において下側に凹状に形成された溝である。
【0035】
下ガイドプレート32は、2本の棒状の部材から構成されているものである。下ガイドプレート32は、第2モジュール保持部311に沿った向きに配置され、第2モジュール保持部材31の上側の面に取り付けられる。
図5に示すように、下ガイドプレート32は、短手方向の一端側に下側へ突出した突出部321が設けられている。突出部321は、第2モジュール保持部材31の第2モジュール保持部凹部312に引っ掛かって第2の透光部34が板幅方向へ移動することを防止する。
【0036】
上ガイドプレート33は、2本の棒状の部材から構成されているものである。上ガイドプレート33は、第2の透光部34の上側に配置されている。上ガイドプレート33は、下ガイドプレート32と平行に配置される。
【0037】
第2の透光部34は、矩形の板状に形成された導光板であり、
図5に示すように、上下方向において下ガイドプレート32と上ガイドプレート33に挟まれて配置されるものである。第2の透光部34は、第2の光源モジュール37から出射された光を透光させて、出射面である下側の面から下側へ青色光を発する。第2の透光部34は、板幅方向において平行する方向の端面である第1の端面341と、板幅方向において第1の端面341が互いに対向する方向と直交する方向の端面である第2の端面342とを有する。また、第2の透光部34は、シリカのように光を散乱させる粒子である散乱体を内部に備える。
【0038】
第2の透光部34は、上側の面が入射された光を全反射するために平滑に形成されており、鏡面仕上げされることが望ましい。第2の透光部34は、上側の面が傷つくと、傷がついた箇所で全反射が起こりにくくなり、傷がついた箇所に対応する下側の面の1部分が白く光って見えて意匠性が低下するおそれがある。そのため、第2の透光部34の上側の面を覆うように反射シートを配置して第2の透光部34の上側の面に傷がつくことを抑制させる。
【0039】
また、第2の透光部34は、下側の面が青色に発光する発光面であるため、異物の付着又は傷がつくとその部分が輝点となって白く光って見えて意匠性が低下するおそれがある。第2の透光部34は、下側に第1の透光部22のカバー部222が配置されており、異物の付着や傷がつくことを抑制されている。第2の透光部34の下側の面から発光された光は、第1の透光部22のカバー部222を透過する。このとき、カバー部222は、第2の透光部34に近づくほど第2の透光部34から出射された光が反射され難くなり、青空を模した視覚効果の低減を抑制することができるため望ましい。しかしながら、カバー部222は、第2の透光部34と接触すると、第2の透光部34の下側の面で光が上側に反射しやすくなることから、第2の透光部34との距離を1mm以上離間して配置することが望ましい。
【0040】
図5に示すように、パッキン35は、第1の光源ユニット20と第2の光源ユニット30とが器具本体10に取り付けられた場合に、第1の透光部22のカバー部222の上側と第2の透光部34の下側との間に配置されるものである。パッキン35は、カバー部242と第2の透光部34との間の空間を塞ぎ、第1の光源モジュール21から出射された白色光が第2の透光部34の下側に漏れることを抑制する。また、パッキン35は、弾性部材で形成されており、カバー部222と第2の透光部34とが接触して損傷することを抑制する。
【0041】
反射シート36は、第2の透光部34の上側に第2の透光部34を覆うように配置され、第2の透光部34から上側へ透過された光を下側に反射するものである。反射シート36は、下側の反射面が微細な凹凸状に形成され、第2の透光部34との間に空気層を設けることによって、第2の透光部34の上側の面で全反射が起こりにくくなることを抑制することができる。
【0042】
第2の光源モジュール37は、板状の青色LED用基板371と発光素子372とを有し、内側へ向かって青色の光を出射させるものである。第2の光源モジュール37は、第2の透光部34の板幅方向において第2の透光部34と器具本体10の側面部12の間に配置され、第2モジュール保持部311の内側の面に第2の透光部34の第1の端面341と対向するように取り付けられる。複数の発光素子372は、例えば、青色LED、白色LED及び緑色LEDであり、図示しない調光器によって調光され、色調の変化が可能な青色光を射出する。
【0043】
天板38は、第2の透光部34を上側から覆い、第2の透光部34を保護するものである。天板38は、上側に点灯装置39を載置したものである。
【0044】
次に
図6から
図8を用いて、実施の形態1に係る照明器具1における第1の光源ユニット20から出射される白色光の経路及び第2の光源ユニット30から出射される青色光の経路について説明する。
図6は、第1の光源ユニット20から出射される白色光の経路及び第2の光源ユニット30から出射される青色光の経路を示す照明器具1の模式図である。
図7は、比較例を示す図であり、第1の光源モジュール21がカバー部222aの上側に配置され、カバー部222aがフレーム部221の上側に配置された場合の第1の光源ユニット20から出射される白色光の経路を示す照明器具の模式図である。
図8は、比較例を示す図であり、第1の光源モジュール21がカバー部222bの上側に配置され、カバー部222bがフレーム部221の下側に配置された場合の第1の光源ユニット20から出射される白色光の経路を示す照明器具の模式図である。ここで、
図6から
図8に示される第1の経路L1、L1A、L1Bは、第1の光源ユニット20から出射された白色光の経路の一部を示す仮想線である。また、
図6に示される第2の経路L2は、第2の光源ユニット30から出射された青色光の経路の一部を示す仮想線である。
【0045】
第1の光源ユニット20は、
図6の第1の経路L1に示されるように第1の光源モジュール21から第1の透光部22の日向フレーム部221Aへ向けて白色光を出射する。日向フレーム部221Aに入射した光は、日向フレーム部221Aの内側の面から発せられる日向フレーム部221Aは、フランジ部13の開口部131の外縁から内側に向かうにしたがって下側から上側に傾斜しているため、白色光がフランジ部13の開口部131に向かって斜め下側へ発せられる。
【0046】
第2の光源ユニット30において、
図6の第2の経路L2に示されるように青色光が第2の光源モジュール37から第2の透光部34の第1の端面341へ向けて出射する。第2の透光部34に入射した光は、第2の透光部34の中で上側の面と下側の面とを全反射しながら進行し、第2の透光部34の中の散乱体に当たって散乱し、第2の透光部34の下側の面から面発光する。第2の透光部34の下側の面から発光された光は、第1の透光部22のカバー部222を透過し、フランジ部13の開口部131に向かって下側へ発せられる。
【0047】
ここで、
図7及び
図8に記載の比較例を参照し、比較例の問題と本実施の形態の効果について説明する。
図7に示す第1の経路L1A、L1Bのように第1の光源モジュール21が第1の透光部22のカバー部222´の上側に配置された場合、第1の光源モジュール21から出射された白色光が第2の透光部34に映り込む。カバー部222´がフレーム部221の上側に配置される場合、
図7(a)の第1の経路L1Aに示すように第1の光源モジュール21から出射された白色光は、カバー部222´の上側の面に入射し、白色光の一部が上側に反射する。そのため、白色光が第2の透光部34に映り込む。カバー部222´がフレーム部221の下側に配置される場合、
図7(b)の第1の経路L1Bに示すように第1の光源モジュール21から出射された白色光は、日向フレーム部221Aの背面に入射し、日向フレーム部221Aの内側の面からフランジ部13の開口部131に向かって斜め下側へ白色光を発し、カバー部222´の上側の面に入射し、白色光の一部が上側に反射する。そのため、白色光が第2の透光部34に映り込む。このように比較例の照明器具1においては、第2の透光部34の青色の発光面に白色の光が映り込み、第2の透光部34の意匠性が低下するおそれがあった。これに対し、本実施の形態1の照明器具1は、第1の光源モジュール21がカバー部222の下側に配置されている。そのため、第1の光源モジュール21から出射された光は、直接カバー部222の上側の面に入射しない。また、第1の光源モジュール21から出射され、日向フレーム部221Aを透過した光は、フランジ部13の開口部131へ向かって斜め下に発せられる。また、日向フレーム部221Aを透過した光の一部は、拡散して第2の透光部34に入射するが入射角が大きい状態で入射するので、照明器具1の下側から第2の透光部34に映り込んだ白色光をしにしにくい。よって、第1の光源モジュール21から出射された白色の光がカバー部222に反射されて第2の透光部34に映り込むことを抑制することができる。
【0048】
次に、本実施の形態1の照明器具1の効果について説明する。
【0049】
本実施の形態1の照明器具1は、下側に開口部131が形成された箱状の器具本体10と、フランジ部13の開口部131の外縁から内側へ向かうにしたがって下側から上側へ向かう方向に突出して設けられたフレーム部221、フレーム部221の上側に設けられたカバー部222とを有し、器具本体10の開口部131を塞ぐように設けられた第1の透光部22と、第1の透光部22の上側に配置された第2の透光部34と、カバー部222の下側に配置されてフレーム部221に向かって第1の光である白色光を出射する第1の光源モジュール21と、カバー部222の上側に配置されて第2の透光部34に向かって第2の光である青色光を出射する第2の光源モジュール37と、を備える。そのため、本実施の形態1の照明器具1は、カバー部222が第2の透光部34と器具本体10の開口との間に配置されて第2の透光部34への異物の付着や傷を抑制することができる。
【0050】
また、本実施の形態1の照明器具1は、第2の光源モジュール37がカバー部222の上側に配置され、第1の光源モジュール21がカバー部222の下側に配置され、第1の光源モジュールが出射した光を器具本体の下側へ向かって発光するように傾斜されたフレーム部221と、を有する。そのため、本実施の形態1の照明器具1は、第1の光源モジュールから出射された光がフレーム部221から開口部131へ発せられるので、第2の透光部34への異物の付着や傷を抑制しつつ、第1の光源モジュール21の光が第2の透光部34へ映り込むことを抑制することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 照明器具、10 器具本体、11 主面部、111 主面部ボルト孔、112 電線挿通孔、12 側面部、13 フランジ部、131 開口部、132 Vばね、133 第1モジュール保持部、14 Vばね取付金具、20 第1の光源ユニット、21 第1の光源モジュール、211 白色LED用基板、212 白色LED、22 第1の透光部、221 フレーム部、221A 日向フレーム部、221B 日陰フレーム部、222 カバー部、23 パッキン、30 第2の光源ユニット、31 第2モジュール保持部材、311 第2モジュール保持部、312 第2モジュール保持部凹部、32 下ガイドプレート、33 上ガイドプレート、34 第2の透光部、341 第1の端面、342 第2の端面、35 パッキン、36 反射シート、37 第2の光源モジュール、371 青色LED基板、372 発光素子、38 天板、39 点灯装置。