IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ワコー電気有限会社の特許一覧

特開2024-41149結束バンド連結部材及び結束バンドの連結構造
<>
  • 特開-結束バンド連結部材及び結束バンドの連結構造 図1
  • 特開-結束バンド連結部材及び結束バンドの連結構造 図2
  • 特開-結束バンド連結部材及び結束バンドの連結構造 図3
  • 特開-結束バンド連結部材及び結束バンドの連結構造 図4
  • 特開-結束バンド連結部材及び結束バンドの連結構造 図5
  • 特開-結束バンド連結部材及び結束バンドの連結構造 図6
  • 特開-結束バンド連結部材及び結束バンドの連結構造 図7
  • 特開-結束バンド連結部材及び結束バンドの連結構造 図8
  • 特開-結束バンド連結部材及び結束バンドの連結構造 図9
  • 特開-結束バンド連結部材及び結束バンドの連結構造 図10
  • 特開-結束バンド連結部材及び結束バンドの連結構造 図11
  • 特開-結束バンド連結部材及び結束バンドの連結構造 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041149
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】結束バンド連結部材及び結束バンドの連結構造
(51)【国際特許分類】
   F16B 2/08 20060101AFI20240319BHJP
   B65D 63/10 20060101ALI20240319BHJP
   F16B 7/04 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
F16B2/08 A
B65D63/10 P
F16B2/08 S
F16B7/04 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145798
(22)【出願日】2022-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】513014307
【氏名又は名称】ワコー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】榊原 良哉
【テーマコード(参考)】
3E085
3J022
3J039
【Fターム(参考)】
3E085BA01
3E085BB02
3E085BD03
3J022DA12
3J022DA15
3J022EA33
3J022EC12
3J022ED06
3J022FA05
3J022FB12
3J022FB22
3J022GA03
3J022GA16
3J022GB45
3J039AA05
3J039CA02
3J039CA04
(57)【要約】
【課題】連結される結束バンドを独立して着脱することができる簡素で頑丈な構造の連結部材及びこれを用いた2本の結束バンドの連結構造を提供すること。
【解決手段】帯状に延びるバンド部41とロック部42とを一体に有する結束バンド40同士を連結する結束バンド連結部材10であって、直方体形状の本体11の内部に、バンド部41を挿通させ係止させる係止部を備えた二つの挿通路21、31が形成されており、挿通路21、31の入口22、32は、本体11の互いに対向する一対の面にそれぞれ一つずつ開口し、挿通路21、31の出口24、34は、入口22、32におけるバンド部41の幅面と平行となる面に開口している結束バンド連結部材10とする。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状に延びるバンド部とロック部とを一体に有する結束バンド同士を連結する結束バンド連結部材であって、
直方体形状の本体の内部に、前記バンド部を挿通させ係止させる係止部を備えた二つの挿通路が形成されており、
前記挿通路の入口は、前記本体の互いに対向する一対の面にそれぞれ一つずつ開口し、
前記挿通路の出口は、前記本体の、前記入口におけるバンド部の幅面と平行となる面に開口している結束バンド連結部材。
【請求項2】
前記挿通路の出口が、互いに対向する一対の面にそれぞれ一つずつ開口している請求項1に記載の結束バンド連結部材。
【請求項3】
前記挿通路が鈍角状に屈曲する屈曲部を備えている請求項1または2に記載の結束バンド連結部材。
【請求項4】
前記挿通路の出口の開口面積が入口の開口面積より大きい請求項1乃至3のいずれかに記載の結束バンド連結部材。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の結束バンド連結部材を用いた2本の結束バンドの連結構造であって、
被結束物を結束した前記バンド部が前記挿通路に挿通されて係止されており、
少なくとも一方の前記バンド部の余長部分が前記出口の位置で切断され、切断された前記バンド部の先端が前記挿通路の内部に位置していることを特徴とする結束バンドの連結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結束バンド同士を連結する連結部材及びこれを用いた2本の結束バンドの連結構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
断面鋸刃状の突起が形成されたバンド部と、前記バンド部を挿通させて係止するロック部とを一体に備えた結束バンドが知られている。このような結束バンドでは、一般的に1本の結束バンドによって一組の結束がなされるが、例えば、図12に示すように、バンド部の両端において複数の結束をしたい場合がある。この例は、結束された一方の被結束物に対して間隔をおいて他方の被結束物を結束し、図中に示す上下方向に吊り下げる使い方を表している。
【0003】
特許文献1には、2組のバンド部及び頭部が一体に形成され、両端に別々の電線の束を形成することができる結束バンドが記載されている。また、特許文献2には、別々のワイヤハーネスを結束した2本の結束バンドを連結することが可能な結束バンド連結部材が記載されている。この結束バンド連結部材は、複数のバンドロック部が可撓性のある帯状の中継部によって連結されたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-199289号公報
【特許文献2】特開2013-247736号公報
【0005】
しかし、特許文献1記載の結束バンドは、1本の結束バンドの両端それぞれに結束機構を設けたものであるため、例えば図12に示す下側の被結束物だけを取り換えたい場合であっても、新しい結束バンドを用いて上下とも結束をやり直す必要があった。また、特許文献2記載の連結部材は中継部が帯状となっており、かつ、バンド部の挿通方向が前記中継部に対して直交するので、図12に示す例のように重力方向に吊り下げるような使い方をすると、連結部材がねじれたり、中継部の端部に負荷が集中したりして劣化しやすくなるおそれがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記した従来の問題点を解決し、連結される結束バンドを独立して着脱することができる簡素で頑丈な構造の連結部材及びこれを用いた2本の結束バンドの連結構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、帯状に延びるバンド部とロック部とを一体に有する結束バンド同士を連結する結束バンド連結部材であって、直方体形状の本体の内部に、前記バンド部を挿通させ係止させる係止部を備えた二つの挿通路が形成されており、前記挿通路の入口は、前記本体の互いに対向する一対の面にそれぞれ一つずつ開口し、前記挿通路の出口は、前記入口におけるバンド部の幅面と平行となる面に開口している結束バンド連結部材とする。
【0008】
また、前記挿通路の出口が、互いに対向する一対の面にそれぞれ一つずつ開口している構成とすることが好ましい。
【0009】
また、前記挿通路が鈍角状に屈曲する屈曲部を備えている構成とすることが好ましい。また、前記挿通路の出口の開口が入口の開口より大きい構成とすることが好ましい。
【0010】
また、前記結束バンド連結部材を用いた2本の結束バンドの連結構造であって、被結束物を結束した前記バンド部が前記挿通路に挿通されて係止されており、少なくとも一方の前記バンド部の余長部分が前記出口の位置で切断され、切断された前記バンド部の先端が前記挿通路の内部に位置していることを特徴とする結束バンドの連結構造とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、連結される結束バンドを独立して着脱することができる簡素で頑丈な構造の連結部材及びこれを用いた2本の結束バンドの連結構造を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態の結束バンド連結部材を示す斜視図である。
図2】実施形態の結束バンド連結部材の第1幅面を示す図である。
図3】実施形態の結束バンド連結部材の第2幅面を示す図である。
図4】実施形態の結束バンド連結部材の第1長さ面を示す図である。
図5】実施形態の結束バンド連結部材の第2長さ面を示す図である。
図6図1のA-A断面図である。
図7】2本の結束バンドが連結された状態の結束バンド連結部材を示す断面図である。
図8】結束バンド連結部材に2本の結束バンドを挿通させた状態を示す図である。
図9】結束バンドの余長を切断した状態を示す図である。
図10】結束バンド連結部材の使用例を示す図である。
図11】結束バンド連結部材の使用例を示す図である。
図12】1本で2組の結束が可能な結束バンドの従来例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に発明を実施するための形態を示す。図1に示されるように、本実施形態の結束バンド連結部材10は、樹脂製の直方体状の本体11を有する。本体11は、互いに対向する一対の面である第1幅面12と第2幅面13とを備えている。なお、本明細書では、図1において左側の面を第1幅面12、第1幅面12と対向する面を第2幅面13という。
【0014】
図2に示されるように、実施形態の第1幅面12には、後述する公知の結束バンド40のバンド部41を差し込むことができる第1の入口22が開口している。第1の入口22は、本体11の内部に形成されバンド部41を挿通させることが可能な第1挿通路21の入口である。第1の入口22は、図2に示す第1幅面の上下方向の中央よりも下側の位置に配置されている。第1挿通路21の内壁には、第1の入口22の近傍の位置に前記バンド部を係止することが可能な第1係止部23が形成されている。実施形態の第1係止部23は、バンド部41に形成された鋸歯状の係合溝に係合可能な係止爪である。
【0015】
また、図3に示されるように、第2幅面13においても、第1幅面12と同様に、バンド部41を挿通させることが可能な第2挿通路31の入口となる第2の入口32が開口し、第2の入口32の近傍の位置に第2係止部33が設けられている。第2の入口32は、図3に示す第2幅面の上下方向の中央よりも上側の位置に配置されている。
【0016】
本体11において、第1幅面12、第2幅面13と直交し、かつ、第1の入口22及び第2の入口32におけるバンド部41の幅面と平行となる一対の面を、第1長さ面14、第2長さ面15とする。なお、本明細書では、図1において上側の面を第1長さ面14、第1長さ面14と対向する面を第2長さ面15という。
【0017】
図4に示されるように、第1長さ面14には、第1挿通路21の出口となる第1の出口24が開口している。また、図5に示されるように、第2長さ面15には、第2挿通路31の出口となる第2の出口34が開口している。なお、第1の出口24と第2の出口34とが同一の面に開口する構成とすることも可能である。第1挿通路21及び第2挿通路31は、図6に示されるように、それぞれ略中間の位置において鈍角状に屈曲する屈曲部25、35を有している。
【0018】
また、実施形態では、図6に示されるように、第1の出口24の開口面積が第1の入口22の開口面積より大きいため、第1挿通路21内における第1の入口22から第1の出口24までの距離は、内壁211側よりも内壁212側の方が長くなる。これにより、後段で説明するように、バンド部41の余長を内壁211側に寄せて切断すると、切られたバンド部41の先端が第1挿通路21内に収まり、結束バンド連結部材10の外側に飛び出さないため好ましい。なお、この構成は第2挿通路31についても同様である。
【0019】
次に、結束バンド連結部材10を用いて結束バンド同士を連結する方法について説明する。図7に示されるように、公知の結束バンド40、40を用いて、これらを結束バンド連結部材10によって連結する場合を例に説明する。結束バンド40は、片面に鋸歯状の係合溝が形成され帯状に延びるバンド部41の一端にロック部42を、他端に先細のテール部43を備えたものである。
【0020】
まず、被結束物Cに結束バンド40のバンド部41を巻き付け、テール部43をロック部42に挿通して引っ張ることにより、バンド部41の形成するループが締まってロックされ、被結束物Cが結束される。次に、この状態の結束バンド40のテール部43の先端を第1の入口22に挿入する。テール部43をさらに奥へ進ませて、その先端を第1の出口24から外に出す。テール部43をさらに引っ張り出して、ロック部42と結束バンド連結部材10との距離が所望の長さとなる位置で止めると、第1係止部23とバンド部41とが係合してロックされる。反対側の第2挿通路31にも同様に結束バンド40を挿通させてロックする。このようにして、図7及び図8に示されるように、結束バンド40、40を、結束バンド連結部材10を介して連結させることができる。
【0021】
なお、図9に示されるように、バンド部41のうち本体11の外部に突出した余長部分は、出口の位置においてニッパー等の工具等を用いて切断することが好ましい。これらの余長部分を放置すると、取付作業時や使用時に引っかかってしまうおそれがある。さらに、樹脂製のバンド部41は切り口が鋭利になりやすいため、余長部分を切断した後の先端が少しでも本体11の外側に突出していると、作業者や使用者が誤って触れて怪我を負うおそれがある。
【0022】
実施形態では、図9に示されるように、挿通路21、31が屈曲部25、35で屈曲する鈍角のV字形状となっている。また、前述したように、出口24、34の開口面積が入口22、32の開口面積より大きいため、切断されたバンド部41の先端が本体11の外部へ突出せず挿通路21、31内に収まりやすくなる効果が得られる。具体的には、例えば第1の出口24から突出した余長部分を切断する際、バンド部41を持って第1挿通路21の内壁211側に寄せた状態にして切ると、切断後、バンド部41の弾性によりその先端は反対側の内壁212に接した状態となる。これにより、切断されたバンド部41の先端が第1挿通路21の内部に引っ込むので、切り口を削って面取りするなどの処理を行わなくても、怪我を防ぐことができる。
【0023】
本発明の結束バンド連結部材10を用いた結束バンド40、40の連結構造は、例えば図10に示されるように、成人用の手すりB1の下部に子ども用の手すりB2を取り付ける場合などに適用することができる。この例では、子どもの成長に合わせて下側の結束バンド40だけを取り換えることができるので、作業性が良くなる。また、この例のように上下方向に吊り下げる使い方をする場合であっても、本体11がブロック形状のため被結束物の荷重による本体11の変形が起こりにくい。また、連結した結束バンド40のバンド部41は、係止部23、33より先の部分に角度が付いた状態で係止されるので、図7に示されるように、上下方向に吊り下げたときに係止部23、33に荷重がかかり、バンド部41と係止部23、33との係合がより強固になる。
【0024】
このため、本発明によれば、連結される結束バンド40、40を独立して着脱することができ、重力方向に吊り下げる使い方をしても本体11の変形や劣化が生じにくい、簡素で頑丈な構造の結束バンド連結部材10及びこれを用いた結束バンド40、40の連結構造を提供することが可能となる。
【0025】
また、本発明の結束バンド連結部材10は重力方向に吊り下げる使い方に限定されず、他のさまざまな用途で用いることができる。例えば、図11に示されるように、本発明の連結構造を用いて、筆記用の紙を保持するクリップボードCとペンなどの筆記具Wを連結しておくことができる。この例では、クリップボードCの角に挿通孔C1を形成して結束バンド40を通し、ロック部42によって係止する。一方、筆記具Wの頭部にも別の結束バンド40を結束させ、それぞれのバンド部41を結束バンド連結部材10によって連結させる。これにより、筆記具Wの紛失を抑制し、かつ、容易に筆記具Wを付け替えることが可能となる。
【0026】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。
【符号の説明】
【0027】
10 結束バンド連結部材
11 本体
12 第1幅面
13 第2幅面
14 第1長さ面
15 第2長さ面
21 第1挿通路
22 第1の入口
23 第1係止部
24 第1の出口
25 屈曲部
31 第2挿通路
32 第2の入口
33 第2係止部
34 第2の出口
35 屈曲部
40 結束バンド
41 バンド部
42 ロック部
43 テール部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12