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特開2024-41174取引支援システム及び取引支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041174
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】取引支援システム及び取引支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/04 20120101AFI20240319BHJP
【FI】
G06Q40/04
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145833
(22)【出願日】2022-09-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】522365030
【氏名又は名称】株式会社NFIGURE
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】古橋 智史
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB51
(57)【要約】
【課題】NFTコンテンツに関する取引を活発化し、ひいてはNFTコンテンツの普及を促進可能とする。
【課題手段】NFTと関連付けられたコンテンツデータであるNFTコンテンツに関する取引サービスを支援する取引支援システムは、前記取引サービスにおけるユーザの購買行動に関するパラメータに基づいて、前記ユーザに対してユーザランクを付与する手段と、前記取引サービスで取り扱う前記NFTコンテンツごとに、当該NFTコンテンツの購入が許可される前記ユーザランクを設定する手段と、前記取引サービスで取り扱う前記NFTコンテンツに関する情報を、前記ユーザの検索操作に応じて前記ユーザに提示する手段と、前記情報が提示された特定のNFTコンテンツを購入する権限を前記ユーザが有するか否かを、前記ユーザの前記ユーザランクに基づいて判定する手段と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非代替性トークン(NFT)と関連付けられたコンテンツデータであるNFTコンテンツに関する取引サービスを支援する取引支援システムであって、
前記取引サービスにおけるユーザの購買行動に関するパラメータに基づいて、前記ユーザに対してユーザランクを付与する付与手段と、
前記取引サービスで取り扱う前記NFTコンテンツごとに、当該NFTコンテンツの購入が許可される前記ユーザランクを設定する設定手段と、
前記取引サービスで取り扱う前記NFTコンテンツに関する情報を、前記ユーザの検索操作に応じて前記ユーザに提示する提示手段と、
前記情報が提示された特定のNFTコンテンツを購入する権限を前記ユーザが有するか否かを、前記ユーザの前記ユーザランクに基づいて判定する判定手段と、を備え、
前記提示手段は、前記権限を前記ユーザが有するか否かに関する情報を前記ユーザに提示する
取引支援システム。
【請求項2】
前記ユーザの認証情報を用いて、前記ユーザが前記取引サービスに登録された登録ユーザであるか否かを確認するユーザ認証を行う認証手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記登録ユーザであることが確認された前記ユーザについて前記権限を有するか否かを前記ユーザランクに基づいて判定する
請求項1に記載の取引支援システム。
【請求項3】
前記パラメータは、前記取引サービスにおいて前記ユーザが購入した前記NFTコンテンツの総計の金額及び/又は数を含む
請求項1に記載の取引支援システム。
【請求項4】
前記パラメータは、前記取引サービスにおいて前記ユーザが所定条件を満たす前記NFTコンテンツを購入した履歴を含む
請求項1に記載の取引支援システム。
【請求項5】
前記パラメータは、前記取引サービスに関する所定の利用料を前記ユーザが支払っているか否かの支払い状況を含む
請求項1に記載の取引支援システム。
【請求項6】
前記付与手段は、前記取引サービスに登録された前記ユーザに対して、前記パラメータが示す購買行動の度合いが大きくなるほど、高いユーザランクを付与する
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の取引支援システム。
【請求項7】
有体物であるリアルコンテンツの1つにつき、当該リアルコンテンツに対応する前記NFTコンテンツを1つ発行するNFT化手段と、
前記取引サービス上で前記ユーザが前記NFTコンテンツを購入したことに応じて、当該NFTコンテンツ及び対応する前記リアルコンテンツのそれぞれの所有権を前記ユーザに付与する管理手段と、をさらに備える
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の取引支援システム。
【請求項8】
前記リアルコンテンツには、前記リアルコンテンツに関するコンテンツ情報が符号化されたコードが付されており、
前記リアルコンテンツに付されたコードから前記ユーザの端末が読み取った情報を取得する取得手段をさらに備え、
前記判定手段は、当該取得した情報と前記ユーザの前記ユーザランクとに基づいて、当該リアルコンテンツに対応する前記NFTコンテンツを購入する権限を前記ユーザが有するか否かを判定し、
前記提示手段は、前記権限を前記ユーザが有するか否かに関する情報を前記ユーザに提示する
請求項7に記載の取引支援システム。
【請求項9】
前記管理手段は、
前記ユーザが購入した前記NFTコンテンツに対応する前記リアルコンテンツの配送権を管理し、
前記ユーザの操作に基づいて、前記ユーザが購入した前記NFTコンテンツに対応する前記リアルコンテンツを、未配送の状態に維持するよう設定する
請求項7に記載の取引支援システム。
【請求項10】
前記提示手段は、前記ユーザの前記ユーザランクに拘わらず、前記取引サービスで取り扱うすべての前記NFTコンテンツに関する情報を、前記検索操作に応じて前記ユーザに提示する
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の取引支援システム。
【請求項11】
前記提示手段は、前記権限を前記ユーザが有しないと判定された場合、前記権限を前記ユーザが獲得するためのガイダンス情報を前記ユーザに提示する
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の取引支援システム。
【請求項12】
非代替性トークン(NFT)と関連付けられたコンテンツデータであるNFTコンテンツに関する取引サービスを支援する取引支援システムに、
前記取引サービスにおけるユーザの購買行動に関するパラメータに基づいて、前記ユーザに対してユーザランクを付与する付与ステップと、
前記取引サービスで取り扱う前記NFTコンテンツごとに、当該NFTコンテンツの購入が許可される前記ユーザランクを設定する設定ステップと、
前記取引サービスで取り扱う前記NFTコンテンツに関する情報を、前記ユーザの検索操作に応じて前記ユーザに提示する提示ステップと、
前記情報が提示された特定のNFTコンテンツを購入する権限を前記ユーザが有するか否かを、前記ユーザの前記ユーザランクに基づいて判定する判定ステップと、を実行させ、
前記提示ステップは、前記特定のNFTコンテンツを購入する権限を前記ユーザが有するか否かに関する情報を前記ユーザに提示するステップを含む
取引支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引支援システム及び取引支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、非代替性トークン(NFT)と関連付けられたコンテンツデータであるNFTコンテンツに関する取引をインターネット上で行う取引サービスが提供されている。
【0003】
NFTは、ブロックチェーン上で発行され、代替性の無いトークンである。NFTの所有者及び所有履歴は、ブロックチェーンネットワークの分散台帳において記録される。このようなNFTと関連付けられているNFTコンテンツは、代替不能な資産価値を有し、取引サービス上で取引(例えば、売買)することが可能である。
【0004】
NFTコンテンツの取引サービスを利用するユーザは、取引サービスを利用する際に、ユーザ認証、例えば、ユーザID及びパスワード等の認証情報を用いたログイン認証が求められることが一般的である。
【0005】
特許文献1には、デジタルポイントを用いた取引サービスを管理するシステムが記載されている。このシステムでは、ユーザがサービスを利用するに値する人物(信頼に足る人物)であるかの確認を行ったうえでユーザ登録(会員登録)を行い、ユーザ登録されたユーザのみがサービスを利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第7076671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
NFTコンテンツの普及を促進するためには、NFTコンテンツに関する取引サービスにおいてユーザの購買意欲を惹起し、取引を活発化する仕組みの実現が望まれる。従来のログイン認証は、セキュリティ担保のためのものであって、購買意欲の惹起とは無関係である。
【0008】
特許文献1に記載のような従来技術では、信頼に足る人物のみが取引サービスを利用可能とすることで適正な取引が促進されるものの、ユーザの購買意欲を惹起する点で改善の余地がある。具体的には、従来技術では、ユーザのステータス(ランク)に応じてNFTコンテンツ単位で取引可否の条件を設定・判定することができないという問題がある。また、そもそも信頼に足る人物でなければ、取引サービスで取り扱うNFTコンテンツの存在・内容に気づくことができないという問題もある。
【0009】
そこで、本発明は、NFTコンテンツに関する取引を活発化し、ひいてはNFTコンテンツの普及を促進可能とする取引支援システム及び取引支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様に係る取引支援システムは、非代替性トークン(NFT)と関連付けられたコンテンツデータであるNFTコンテンツに関する取引サービスを支援するシステムである。前記取引支援システムは、前記取引サービスにおけるユーザの購買行動に関するパラメータに基づいて、前記ユーザに対してユーザランクを付与する付与手段と、前記取引サービスで取り扱う前記NFTコンテンツごとに、当該NFTコンテンツの購入が許可される前記ユーザランクを設定する設定手段と、前記取引サービスで取り扱う前記NFTコンテンツに関する情報を、前記ユーザの検索操作に応じて前記ユーザに提示する提示手段と、前記情報が提示された特定のNFTコンテンツを購入する権限を前記ユーザが有するか否かを、前記ユーザの前記ユーザランクに基づいて判定する判定手段と、を備える。前記提示手段は、前記権限を前記ユーザが有するか否かに関する情報を前記ユーザに提示する。
【0011】
第2の態様に係る取引支援プログラムは、非代替性トークン(NFT)と関連付けられたコンテンツデータであるNFTコンテンツに関する取引サービスを支援する取引支援システムに、前記取引サービスにおけるユーザの購買行動に関するパラメータに基づいて、前記ユーザに対してユーザランクを付与する付与ステップと、前記取引サービスで取り扱う前記NFTコンテンツごとに、当該NFTコンテンツの購入が許可される前記ユーザランクを設定する設定ステップと、前記取引サービスで取り扱う前記NFTコンテンツに関する情報を、前記ユーザの検索操作に応じて前記ユーザに提示する提示ステップと、前記情報が提示された特定のNFTコンテンツを購入する権限を前記ユーザが有するか否かを、前記ユーザの前記ユーザランクに基づいて判定する判定ステップと、を実行させる。前記提示ステップは、前記特定のNFTコンテンツを購入する権限を前記ユーザが有するか否かに関する情報を前記ユーザに提示するステップを含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、NFTコンテンツに関する取引を活発化し、ひいてはNFTコンテンツの普及を促進可能とする取引支援システム及び取引支援プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る取引支援システムの構成例を示す図である。
図2】実施形態に係る取引支援システムの概要を説明するための図である。
図3】実施形態に係るサーバの構成例を示す図である。
図4】実施形態に係るユーザデータベースの構成例を示す図である。
図5】実施形態に係るコンテンツデータベースの構成例を示す図である。
図6】実施形態に係る取引支援システムの動作例を示す図である。
図7】実施形態に係る取引支援システムの動作の変更例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を参照しながら、実施形態に係る取引支援システムについて説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0015】
(1)システム構成例
図1は、本実施形態に係る取引支援システムの構成例を示す図である。本実施形態に係る取引支援システムは、サーバ100と、端末200とを有する。サーバ100及び端末200は、ネットワーク10に接続されており、ネットワーク10を介して相互に通信可能である。ネットワーク10は、インターネットを含む。ネットワーク10は、LAN(Local Area Network)及び/又はWAN(Wide Area Network)を含んでもよい。端末200は、ユーザにより操作され、通信機能を有する機器である。端末200は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ(PC)、又はウェアラブル端末等である。
【0016】
サーバ100は、NFTコンテンツに関する取引をネットワーク10(インターネット)上で行う取引サービスを管理・提供する。NFTコンテンツとは、NFTと関連付けられたコンテンツデータをいう。サーバ100は、例えばワークステーション又はPCのような汎用コンピュータとしてもよいし、クラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0017】
サーバ100は、ブロックチェーンネットワーク20と通信可能に接続されている。ブロックチェーンネットワーク20は、複数のノード(コンピュータ)により構成され、台帳を分散して管理する。このような分散台帳は、ブロックチェーンの仕組みにより改ざん困難に管理される。なお、ブロックチェーンによる分散台帳管理の仕組みについては一般的なものを採用するものとしてここでは詳細な説明を省略する。
【0018】
ブロックチェーンネットワーク20によって発行可能なトークンとしては、代替性トークン(FT)と非代替性トークン(NFT)とがある。NFTは、FTとは異なり、代替性を有さないトークンである。NFTは、他のNFTと区別される独自の価値を有することができる。NFTは、他のNFTとの区別を可能にするための固有の識別子(NFT-ID)を有する。NFTは、FTと同様に、ブロックチェーンネットワーク20を通じて取引可能である。NFTの取引履歴は、ブロックチェーンネットワーク20において記録される。ブロックチェーンネットワーク20の分散台帳では、NFTの所有者及び所有履歴も記録される。
【0019】
このように、NFTコンテンツは、代替不能な資産価値を有し、サーバ100が管理する取引サービス上で取引(例えば、売買)することが可能である。取引サービスを利用するユーザは、取引サービスを利用する際に、ユーザ認証、例えば、ユーザID及びパスワード等の認証情報を用いたログイン認証が求められてもよい。NFTコンテンツの普及を促進するためには、NFTコンテンツに関する取引サービスにおいてユーザの購買意欲を惹起し、取引を活発化する仕組みの実現が望まれる。従来のログイン認証は、セキュリティ担保のためのものであって、購買意欲の惹起とは無関係である。
【0020】
図2は、本実施形態に係る取引支援システムの概要を説明するための図である。
【0021】
本実施形態では、サーバ100は、取引サービスに対してコンテンツ提供者(コンテンツホルダー)が提供(例えば、出品、発売)するリアルコンテンツの1つにつき、当該リアルコンテンツに対応するコンテンツデータをNFT化してNFTコンテンツを1つ発行する。このようなリアルコンテンツ及びNFTコンテンツのペアを「コンテンツペア」又は単に「コンテンツ」とも称する。本実施形態に係る取引サービスでは、このようなコンテンツペアを取引単位として取引を行うことができる。なお、図示の例では、コンテンツ提供者が1人であるが、コンテンツ提供者は複数人存在してもよい。コンテンツ提供者は、コンテンツの著作権(及び/又は著作者人格権)を有する者であってもよいし、販売権等の他の権利を有する者であってもよい。
【0022】
ここで、リアルコンテンツとは、有体物であるコンテンツをいい、例えばフィギュア又は絵画等のアート作品である。リアルコンテンツに対応するコンテンツデータとは、リアルコンテンツをデータで表現したコンテンツをいい、例えば、絵画の写真データ、又はフィギュアのキャラクターの2次元画像データ若しくは3次元画像データ等である。図示の例では、リアルコンテンツ#AはキャラクターAのフィギュアであって、対応するNFTコンテンツ#AはキャラクターAの画像データである。また、リアルコンテンツ#BはキャラクターBのフィギュアであって、対応するNFTコンテンツ#BはキャラクターBの画像データである。さらに、リアルコンテンツ#CはキャラクターCのフィギュアであって、対応するNFTコンテンツ#CはキャラクターCの画像データである。なお、画像データは、動画データであってもよい。
【0023】
NFT化とは、リアルコンテンツに対応するコンテンツデータにNFTを関連付けてNFTコンテンツを発行することをいう。例えば、サーバ100は、ブロックチェーンネットワーク20において当該コンテンツデータと関連付けるNFTを発行する。発行するNFTには、コンテンツデータを特定する情報と、当該コンテンツデータの所有者を特定する情報とが設定される。サーバ100は、取引サービスでNFT(NFTコンテンツ)が譲渡された場合、譲渡先のユーザを当該NFT(NFTコンテンツ)の所有者として設定するトランザクションをブロックチェーンネットワーク20において発行してもよい。これにより、当該NFT(NFTコンテンツ)の新たな所有者として譲渡先のユーザが分散台帳に記録される。
【0024】
このように、本実施形態に係る取引支援システムでは、リアルの作品であるリアルコンテンツを同時にNFT化することで、デジタル上で一生劣化することのない作品(NFTコンテンツ)を発行することができる。通常、絵画やフィギュアなどのアート作品は、鑑賞・投資目的で購入されるが、経年劣化やライフスタイルの変更に伴い管理が煩雑になってくる。作品のクオリティを維持するために貸倉庫等に預けるが、一度格納したものを再び貸倉庫等から出すことは、売却や譲渡等の場合が大半である。一方、NFTコンテンツは、デジタルデータであるため、目の前での鑑賞が容易である。また、本実施形態に係る取引支援システムでは、リアルコンテンツとNFTコンテンツとを1対1で対応付けることで、NFTコンテンツの価値が保証されるため、NFTコンテンツの価値を一定以上担保し続けることができる。
【0025】
このような前提下において、本実施形態に係るサーバ100は、ユーザごとに、取引サービスにおける当該ユーザの購買行動に関するパラメータに基づいて当該ユーザに対してユーザランクを付与する。図示の例では、ユーザランクは、「高」、「中」、及び「低」の3段階であるが、「通常会員」及び「プレミアム会員」といった2段階であってもよいし、「Sランク」、「Aランク」、「Bランク」、及び「Cランク」といった4段階であってもよい。以下において、ユーザランクが「高」、「中」、及び「低」の3段階である一例について主として説明する。
【0026】
例えば、サーバ100は、取引サービスに登録されたユーザに対して、購買行動に関するパラメータが示す購買行動の度合いが大きくなるほど、高いユーザランクを付与する。すなわち、サーバ100は、取引サービスに関するユーザの購買行動に応じて当該ユーザのユーザランクを適宜更新する。これにより、取引サービスにおけるユーザの購買意欲を惹起することが可能になる。
【0027】
サーバ100は、取引サービスで取り扱うNFTコンテンツごとに、当該NFTコンテンツの購入が許可されるユーザランクを設定する。図示の例では、サーバ100は、NFTコンテンツ#Aの購入が許可されるユーザランクとして「高」ランクを設定している。そのため、「高」ランクのユーザランクを付与されたユーザ(「高ランクユーザ」とも称する)はNFTコンテンツ#Aの購入が可能であるが、「中」ランクのユーザランクを付与されたユーザ(「中ランクユーザ」とも称する)及び「低」ランクのユーザランクを付与されたユーザ(「低ランクユーザ」とも称する)はNFTコンテンツ#Aの購入が不可である。また、サーバ100は、NFTコンテンツ#Bの購入が許可されるユーザランクとして「中」ランク以上を設定している。そのため、高ランクユーザ及び中ランクユーザはNFTコンテンツ#Bの購入が可能であるが、低ランクユーザはNFTコンテンツ#Bの購入が不可である。さらに、サーバ100は、NFTコンテンツ#Cの購入が許可されるユーザランクとして全ランクを設定している。そのため、高ランクユーザ、中ランクユーザ、及び低ランクユーザのすべてがNFTコンテンツ#Cの購入が可能である。
【0028】
サーバ100は、取引サービスで取り扱うNFTコンテンツに関する情報を、ユーザの検索操作(すなわち、端末200に対するユーザの検索操作)に応じて、当該ユーザに提示する(すなわち、ユーザの端末200に情報を表示させる)。サーバ100は、特定の検索条件がユーザにより指定されない場合、取引サービスで取り扱うすべてのNFTコンテンツに関する情報を当該ユーザに提示してもよい。或いは、サーバ100は、特定の検索条件がユーザにより指定された場合、当該特定の検索条件に合致するNFTコンテンツに関する情報を当該ユーザに提示してもよい。
【0029】
いずれにしても、サーバ100は、ユーザのユーザランクに拘わらず、取引サービスで取り扱うすべてのNFTコンテンツに関する情報を、検索操作に応じて当該ユーザに提示する。これにより、例えば、低ランクユーザは、中ランクユーザ又は高ランクユーザのみが購入可能なNFTコンテンツの存在・内容を知ることができる。同様に、中ランクユーザは、高ランクユーザのみが購入可能なNFTコンテンツの存在・内容を知ることができる。その結果、低ランクユーザ及び中ランクユーザに対して、ユーザランクを上げるために購買行動の促進を促すことができる。
【0030】
サーバ100は、ユーザに情報が提示された特定のNFTコンテンツを購入する権限(「購入権限」とも称する)をユーザが有するか否かを、当該ユーザのユーザランクに基づいて判定し、当該購入権限をユーザが有するか否かに関する情報をユーザに提示する。例えば、サーバ100は、ユーザごとに、当該ユーザのユーザランクで購入可能なNFTコンテンツと購入不能なNFTコンテンツとを判定し、購入可否を識別可能な態様で各NFTコンテンツに関する情報をユーザに提示してもよい。或いは、サーバ100は、ユーザが購入を希望したNFTコンテンツを購入する購入権限を当該ユーザが有するか否かをユーザランクに基づいて判定し、当該NFTコンテンツの購入可否を当該ユーザに通知してもよい。
【0031】
サーバ100は、購入権限をユーザが有しないと判定された場合、購入権限をユーザが獲得するためのガイダンス情報をユーザに提示してもよい。例えば、サーバ100は、特定のNFTコンテンツの購買行動をユーザが有しないと判定された場合、当該特定のNFTコンテンツの購入に必要なユーザランクを獲得(ランクアップ)するために必要な購買行動の条件を示すWebページをユーザの端末200に表示させる。
【0032】
サーバ100は、ユーザの操作に基づいて、当該ユーザが購入したNFTコンテンツに対応するリアルコンテンツを、未配送の状態に維持するよう設定する。上述のように、リアルコンテンツは作品のクオリティを維持するために貸倉庫等に預けることが多く、普段の鑑賞にはコンテンツデータ(NFTコンテンツ)で足りると考えるユーザも存在する。そのため、NFTコンテンツ及びリアルコンテンツのコンテンツペアを購入し、これらの所有権を得たユーザであっても、リアルコンテンツを配送せずに未配送の状態に維持できるようにする。
【0033】
リアルコンテンツが未配送の状態であっても、NFTコンテンツにリアルコンテンツが対応付けられていることでNFTコンテンツの価値が保証される。また、リアルコンテンツが未配送の状態である場合、NFTコンテンツ及び対応するリアルコンテンツを転売(二次流通)する際に、リアルコンテンツの価値を高く維持することも可能になる。すなわち、「リアルコンテンツの配送権」を付した状態でNFTコンテンツ及び対応するリアルコンテンツを転売できる。このように、本実施形態では、NFTコンテンツ及び対応するリアルコンテンツを購入したユーザは、コンテンツ購入時(又はその後)に、「リアルコンテンツの配送権」を行使するか否かの選択が可能とされている。
【0034】
(2)サーバ構成例
図3は、本実施形態に係るサーバ100の構成例を示す図である。サーバ100は、通信部110と、記憶部120と、処理部130とを有する。通信部110、記憶部120、及び処理部130は、図示を省略するバス等によって相互に接続されている。
【0035】
通信部110は、処理部130の制御下で、ネットワーク10を介して端末200との通信を行う。通信部110による通信は、有線通信であってもよいし、無線通信を含んでもよい。記憶部120は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び補助記憶装置等の種々のメモリを含んで構成される。処理部130により実行される取引支援プログラムは、例えば、記憶部120のROM及び/又は補助記憶装置に記憶されている。処理部130は、1つ又は複数のプロセッサにより構成される。
【0036】
記憶部120は、各ユーザに関する情報を記憶するユーザデータベース121と、各コンテンツに関する情報を記憶するコンテンツデータベース122とを有する。
【0037】
図4は、実施形態に係るユーザデータベース121の構成例を示す図である。図示の例では、ユーザデータベース121は、ユーザごとに、ユーザIDと、認証情報と、ユーザランクと、総計コンテンツ購入金額/数と、所定コンテンツ購入歴と、所定サービス利用料の支払い状況とを含む。
【0038】
ユーザIDは、ユーザを一意に識別する識別子である。認証情報は、ユーザ認証に用いる情報であって、例えば、パスワードであるが、生体認証情報等であってもよい。
【0039】
ユーザランクは、取引サービスにおけるユーザの購買行動に関するパラメータに基づいて付与するランク(ステータス)である。当該パラメータは、総計コンテンツ購入金額/数、所定コンテンツ購入歴、及び所定サービス利用料の支払い状況のうち、少なくとも1つである。総計コンテンツ購入金額/数は、取引サービスにおいて当該ユーザが購入したNFTコンテンツの総計の金額及び/又は数である。所定コンテンツ購入歴は、取引サービスにおいてユーザが所定条件を満たすNFTコンテンツ(例えば、高額なNFTコンテンツ)を購入した履歴である。所定サービス利用料の支払い状況は、取引サービスに関する所定の利用料(例えば、月額定額料金)をユーザが支払っているか否かの状況である。
【0040】
図5は、実施形態に係るコンテンツデータベース122の構成例を示す図である。図示の例では、コンテンツデータベース122は、コンテンツごと(コンテンツペアごと)に、NFTコンテンツIDと、リアルコンテンツIDと、購入許可ユーザランクと、所有者と、リアルコンテンツの配送設定とを含む。
【0041】
NFTコンテンツIDは、NFT(NFTコンテンツ)を一意に識別するシリアル番号である。リアルコンテンツIDは、リアルコンテンツを一意に識別するシリアル番号である。
【0042】
購入許可ユーザランクは、当該コンテンツペアの購入が許可されるユーザランク(すなわち、最低限必要なユーザランク)の情報である。所有者は、当該コンテンツペアの所有者の情報(ユーザID)である。当該コンテンツペアが取引サービスに出品された時点では、当該コンテンツペアの所有者はコンテンツ提供者であってもよい。出品されたコンテンツペアが取引サービス上で購入された場合、所有者は、コンテンツ購入者に更新される。コンテンツペアが転売(二次流通)される場合、所有者は、新たなコンテンツ購入者に更新される。
【0043】
リアルコンテンツの配送設定は、リアルコンテンツを配送するか否かの設定を示す情報である。リアルコンテンツの配送設定は、「リアルコンテンツの配送権」が行使されているか否かを示す情報であってもよい。コンテンツ購入者は、リアルコンテンツを配送するか否か(すなわち、「リアルコンテンツの配送権」を行使するか否か)を選択・設定可能である。
【0044】
図3に戻り、処理部130は、取引支援プログラムを実行することにより、ユーザ認証部131と、ユーザランク付与部132と、NFT化部133と、コンテンツ管理部134と、ユーザランク設定部135と、情報提示部136と、ユーザランク判定部137と、の各機能を実現する。
【0045】
ユーザ認証部131は、ユーザの認証情報を用いて、当該ユーザが取引サービスに登録された登録ユーザであるか否かを確認するユーザ認証を行う。なお、ユーザが取引サービスに登録されていない状態であっても、取引サービスで取り扱うNFTコンテンツを当該ユーザが検索可能であってもよい。ユーザ認証部131は、ユーザの登録(会員登録)の際にユーザID及び認証情報を取得し、当該ユーザの情報をユーザデータベース121に追加する。
【0046】
ユーザランク付与部132は、取引サービスにおけるユーザの購買行動に関するパラメータに基づいて、ユーザに対してユーザランクを付与する。ユーザランク付与部132は、取引サービスに登録されたユーザに対して、パラメータが示す購買行動の度合いが大きくなるほど、高いユーザランクを付与してもよい。例えば、ユーザランク付与部132は、ユーザの総計コンテンツ購入金額/数が多いほど、当該ユーザに対して高いユーザランクを付与してもよい。ユーザランク付与部132は、コンテンツ購入歴において所定条件を満たすNFTコンテンツを購入した履歴のあるユーザに対して高いユーザランクを付与してもよい。ユーザランク付与部132は、所定サービス利用料を支払っているユーザに対して高いユーザランクを付与してもよい。ユーザランク付与部132は、ユーザランクを付与(更新)すると、ユーザデータベース121を更新する。
【0047】
NFT化部133は、有体物であるリアルコンテンツの1つにつき、当該リアルコンテンツに対応するNFTコンテンツを1つ発行する。NFT化部133は、NFTコンテンツを発行すると、コンテンツペアの情報をコンテンツデータベース122に追加する。NFT化部133は、コンテンツの初回出品のタイミングでNFTコンテンツを発行してもよい。或いは、コンテンツ購入者が現れないケースも想定し、NFT化部133は、コンテンツの初回出品のタイミングではNFTコンテンツの発行を保留し、コンテンツの初回購入のタイミングでNFTコンテンツを発行してもよい。
【0048】
コンテンツ管理部134は、コンテンツデータベース122を管理する。コンテンツ管理部134は、取引サービス上でユーザがNFTコンテンツ(及び対応するリアルコンテンツ)を購入したことに応じて、当該NFTコンテンツ及び対応するリアルコンテンツのそれぞれの所有権を当該ユーザに付与する。また、コンテンツ管理部134は、ユーザの操作(選択)に基づいて、当該ユーザが購入したNFTコンテンツに対応するリアルコンテンツを、未配送の状態に維持するよう設定する。
【0049】
ユーザランク設定部135は、取引サービスで取り扱うNFTコンテンツ(及び対応するリアルコンテンツ)ごとに、当該NFTコンテンツの購入が許可されるユーザランク(すなわち、所要ユーザランク)を設定する。ユーザランク設定部135は、取引サービスの運営者のポリシーに応じてコンテンツごとの所要ユーザランクを設定してもよいし、コンテンツ提供者のポリシーに応じてコンテンツごとの所要ユーザランクを設定してもよい。例えば、ユーザランク設定部135は、出品数が一定数未満のコンテンツ(すなわち、希少価値の高いコンテンツ)に対する所要ユーザランクとして高いユーザランクを設定してもよいし、一定以上の金額のコンテンツに対する所要ユーザランクとして高いユーザランクを設定してもよい。
【0050】
情報提示部136は、取引サービスで取り扱うNFTコンテンツに関する情報を、ユーザの検索操作に応じて当該ユーザに提示する。特に、情報提示部136は、ユーザのユーザランクに拘わらず、取引サービスで取り扱うすべてのNFTコンテンツに関する情報を、検索操作に応じて当該ユーザに提示する。情報提示部136は、ユーザ登録(会員登録)されていないユーザに対しても、取引サービスで取り扱うNFTコンテンツに関する情報を提示可能であってもよい。
【0051】
ユーザランク判定部137は、情報提示部136により情報が提示された特定のNFTコンテンツを購入する購入権限をユーザが有するか否かをユーザランクに基づいて判定する。ユーザランク判定部137は、ユーザ登録(会員登録)された登録ユーザであることが確認されたユーザについて、購入権限を有するか否かをユーザランクに基づいて判定してもよい。ユーザランク判定部137の判定結果に基づいて、情報提示部136は、購入権限をユーザが有するか否かに関する情報をユーザに提示する。情報提示部136は、購入権限をユーザが有しないと判定された場合、購入権限を当該ユーザが獲得するためのガイダンス情報をユーザに提示する。
【0052】
(3)システム動作例
図6は、本実施形態に係る取引支援システムの動作例を示す図である。
【0053】
ステップS101において、ユーザ(端末200)は、取引サービス(具体的には、取引サービスのWebサイト)にログインするためのログイン要求をサーバ100に送信してもよい。ログイン要求は、当該ユーザが入力した認証情報を含む。ステップS102において、ログイン要求を受信したサーバ100は、認証情報を用いたユーザ認証(ログイン認証)を行う。ステップS103において、サーバ100は、認証結果を示す応答をユーザ(端末200)に送信する。ここでは、ユーザ認証に成功したと仮定して説明を進める。なお、この段階ではユーザ認証を行わずに、ユーザが検索要求又はコンテンツ購入要求を行った段階でユーザ認証を求めてもよい。
【0054】
ステップS104において、ユーザ(端末200)は、コンテンツ検索要求をサーバ100に送信する。コンテンツ検索要求は、ユーザが指定したコンテンツ検索条件を含む。コンテンツ検索条件は、全コンテンツを指定するものであってもよいし、特定のカテゴリを指定するものであってもよいし、特定のコンテンツを指定するものであってもよい。
【0055】
ステップS105において、コンテンツ検索要求を受信したサーバ100は、ユーザのユーザランクをユーザデータベース121から特定する。ステップS106において、サーバ100は、ユーザにより指定された検索条件に従ってコンテンツをコンテンツデータベース122から検索する。ステップS105及びステップS106は順番が逆であってもよい。ステップS107において、サーバ100は、ステップS105で特定したユーザランクと、ステップS106で検索されたコンテンツの所要ユーザランクとに基づいて、当該コンテンツの購入権限をユーザが有するか否かを判定する。ステップS106で複数のコンテンツが検索された場合、サーバ100は、購入権限をユーザが有するか否かをコンテンツごとに判定してもよい。
【0056】
購入権限をユーザが有しないと判定された場合(ステップS108:NO)、ステップS109において、サーバ100は、購入権限を当該ユーザが獲得するためのガイダンス情報をユーザ(端末200)に送信してもよい。一方、購入権限をユーザが有すると判定された場合(ステップS108:YES)、ステップS110において、サーバ100は、ユーザが購入権限を有するコンテンツの情報をユーザ(端末200)に送信する。ステップS106で複数のコンテンツが検索された場合、サーバ100は、購入権限をユーザが有するか否かをコンテンツごとに示す情報をユーザ(端末200)に送信してもよい。端末200は、サーバ100から受信した情報を表示する。
【0057】
ステップS111において、ユーザ(端末200)は、自身が購入権限を有するコンテンツの購入を要求するためのコンテンツ購入要求をサーバ100に送信する。コンテンツ購入要求は、対象とするコンテンツを特定するための情報を含む。コンテンツ購入要求は、対象とするコンテンツのうちリアルコンテンツの配送の要否(すなわち、配送権を行使するか否か)を示す情報を含んでもよい。
【0058】
ステップS112において、コンテンツ購入要求を受信したサーバ100は、対象とするコンテンツの購入処理を行う。例えば、サーバ100は、対象とするコンテンツの所有権を当該ユーザに付与する。また、サーバ100は、リアルコンテンツの配送が不要であることが選択されている場合、当該リアルコンテンツを未配送の状態に維持するよう設定する。
【0059】
(4)変更例
図7は、上述の実施形態に係る取引支援システムの動作の変更例を示す図である。本変更例では、リアルコンテンツが展示会又はリアル店舗等で展示されている場合において、当該リアルコンテンツ及び対応するNFTコンテンツの購入を希望するシナリオを想定する。
【0060】
本変更例では、リアルコンテンツには、リアルコンテンツに関するコンテンツ情報が符号化されたコードが付されている。コードは、1次元コード(例えば、バーコード)であってもよいし、2次元コード(例えば、QRコード(登録商標))であってもよい。コンテンツ情報は、コンテンツを特定するための情報(例えば、シリアル番号)を含む。なお、リアルコンテンツにコードが付されているとは、リアルコンテンツ自体又はその包装にコードが貼付けられている態様であってもよいし、リアルコンテンツに取り付けられたタグにコードが記載されている態様であってもよい。
【0061】
ステップS201において、ユーザ(端末200)は、自身のカメラでコードを読み取ることで画像データを生成し、画像データ中のコードを認識及び復号することでコンテンツ情報を取得する。
【0062】
ステップS202において、ユーザ(端末200)は、ステップS201で取得したコンテンツ情報を含む情報要求をサーバ100に送信する。当該情報要求は、上述のようなログイン要求及び/又はコンテンツ検索要求であってもよい。
【0063】
ステップS203において、ユーザ(端末200)から情報要求を受信したサーバ100は、ユーザのユーザランクをユーザデータベース121から特定する。ステップS204において、サーバ100は、ユーザ(端末200)からのコンテンツ情報に従ってコンテンツをコンテンツデータベース122から検索する。ステップS203及びステップS204は順番が逆であってもよい。ステップS205において、サーバ100は、ステップS203で特定したユーザランクと、ステップS204で検索されたコンテンツの所要ユーザランクとに基づいて、当該コンテンツの購入権限をユーザが有するか否かを判定する。
【0064】
購入権限をユーザが有しないと判定された場合(ステップS206:NO)、ステップS207において、サーバ100は、購入権限を当該ユーザが獲得するためのガイダンス情報をユーザ(端末200)に送信してもよい。一方、購入権限をユーザが有すると判定された場合(ステップS206:YES)、ステップS208において、サーバ100は、ユーザが購入権限を有するコンテンツの情報をユーザ(端末200)に送信する。端末200は、サーバ100から受信した情報を表示する。
【0065】
ステップS209において、ユーザ(端末200)は、自身が購入権限を有するコンテンツの購入を要求するためのコンテンツ購入要求をサーバ100に送信する。コンテンツ購入要求は、対象とするコンテンツを特定するための情報を含む。コンテンツ購入要求は、対象とするコンテンツのうちリアルコンテンツの配送の要否(すなわち、配送権を行使するか否か)を示す情報を含んでもよい。
【0066】
ステップS210において、コンテンツ購入要求を受信したサーバ100は、対象とするコンテンツの購入処理を行う。例えば、サーバ100は、対象とするコンテンツの所有権を当該ユーザに付与する。また、サーバ100は、リアルコンテンツの配送が不要であることが選択されている場合、当該リアルコンテンツを未配送の状態に維持するよう設定する。
【0067】
(5)他の実施形態
上述の実施形態でサーバ100が行っていた処理の一部を端末200又は他の装置で行うように変更してもよい。
【0068】
上述の実施形態における動作フロー及び動作例は、必ずしもフロー図又はシーケンス図に記載された順序に沿って時系列に実行されなくてよい。例えば、動作におけるステップは、フロー図又はシーケンス図として記載した順序と異なる順序で実行されても、並列的に実行されてもよい。また、動作におけるステップの一部が削除されてもよく、さらなるステップが処理に追加されてもよい。また、上述の実施形態における動作フロー及び動作例は、別個独立に実施してもよいし、2以上の動作フロー及び動作例を組み合わせて実施してもよい。例えば、1つの動作フローの一部のステップを他の動作フローに追加してもよいし、1つの動作フローの一部のステップを他の動作フローの一部のステップと置換してもよい。
【0069】
上述の実施形態に係る動作をコンピュータ(情報処理装置)に実行させる取引支援プログラムが提供されてもよい。取引支援プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータに取引支援プログラムをインストールすることが可能である。ここで、取引支援プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0070】
本開示で使用する「に基づいて」、「に応じて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」、「のみに応じて」を意味しない。「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」及び「に少なくとも部分的に基づいて」の両方を意味する。同様に、「に応じて」という記載は、「のみに応じて」及び「に少なくとも部分的に応じて」の両方を意味する。また、「含む(include)」、「備える(comprise)」、及びそれらの変形の用語は、列挙する項目のみを含むことを意味せず、列挙する項目のみを含んでもよいし、列挙する項目に加えてさらなる項目を含んでもよいことを意味する。また、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。さらに、本開示で使用した「第1」、「第2」等の呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。本開示において、例えば、英語でのa,an,及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。
【0071】
以上、図面を参照して実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0072】
(6)付記
上述の実施形態に関する特徴について付記する。
【0073】
(付記1)
非代替性トークン(NFT)と関連付けられたコンテンツデータであるNFTコンテンツに関する取引サービスを支援する取引支援システムであって、
前記取引サービスにおけるユーザの購買行動に関するパラメータに基づいて、前記ユーザに対してユーザランクを付与する付与手段(ユーザランク付与部132)と、
前記取引サービスで取り扱う前記NFTコンテンツごとに、当該NFTコンテンツの購入が許可される前記ユーザランクを設定する設定手段(ユーザランク設定部135)と、
前記取引サービスで取り扱う前記NFTコンテンツに関する情報を、前記ユーザの検索操作に応じて前記ユーザに提示する提示手段(情報提示部136)と、
前記情報が提示された特定のNFTコンテンツを購入する権限を前記ユーザが有するか否かを、前記ユーザの前記ユーザランクに基づいて判定する判定手段(ユーザランク判定部137)と、を備え、
前記提示手段(情報提示部136)は、前記権限を前記ユーザが有するか否かに関する情報を前記ユーザに提示する
取引支援システム。
【0074】
(付記2)
前記ユーザの認証情報を用いて、前記ユーザが前記取引サービスに登録された登録ユーザであるか否かを確認するユーザ認証を行う認証手段(ユーザ認証部131)をさらに備え、
前記判定手段(ユーザランク判定部137)は、前記登録ユーザであることが確認された前記ユーザについて前記権限を有するか否かを前記ユーザランクに基づいて判定する
付記1に記載の取引支援システム。
【0075】
(付記3)
前記パラメータは、前記取引サービスにおいて前記ユーザが購入した前記NFTコンテンツの総計の金額及び/又は数を含む
付記1又は2に記載の取引支援システム。
【0076】
(付記4)
前記パラメータは、前記取引サービスにおいて前記ユーザが所定条件を満たす前記NFTコンテンツを購入した履歴を含む
付記1乃至3のいずれかに記載の取引支援システム。
【0077】
(付記5)
前記パラメータは、前記取引サービスに関する所定の利用料を前記ユーザが支払っているか否かの支払い状況を含む
付記1乃至4のいずれかに記載の取引支援システム。
【0078】
(付記6)
前記付与手段(ユーザランク付与部132)は、前記取引サービスに登録された前記ユーザに対して、前記パラメータが示す購買行動の度合いが大きくなるほど、高いユーザランクを付与する
付記1乃至5のいずれかに記載の取引支援システム。
【0079】
(付記7)
有体物であるリアルコンテンツの1つにつき、当該リアルコンテンツに対応する前記NFTコンテンツを1つ発行するNFT化手段(NFT化部133)と、
前記取引サービス上で前記ユーザが前記NFTコンテンツを購入したことに応じて、当該NFTコンテンツ及び対応する前記リアルコンテンツのそれぞれの所有権を前記ユーザに付与する管理手段(コンテンツ管理部134)と、をさらに備える
付記1乃至6のいずれかに記載の取引支援システム。
【0080】
(付記8)
前記リアルコンテンツには、前記リアルコンテンツに関するコンテンツ情報が符号化されたコードが付されており、
前記リアルコンテンツに付されたコードから前記ユーザの端末が読み取った情報を取得する取得手段をさらに備え、
前記判定手段(ユーザランク判定部137)は、当該取得した情報と前記ユーザの前記ユーザランクとに基づいて、当該リアルコンテンツに対応する前記NFTコンテンツを購入する権限を前記ユーザが有するか否かを判定し、
前記提示手段(情報提示部136)は、前記権限を前記ユーザが有するか否かに関する情報を前記ユーザに提示する
付記7に記載の取引支援システム。
【0081】
(付記9)
前記管理手段(コンテンツ管理部134)は、前記ユーザが購入した前記NFTコンテンツに対応する前記リアルコンテンツの配送権を管理し、前記ユーザの操作に基づいて、前記ユーザが購入した前記NFTコンテンツに対応する前記リアルコンテンツを、未配送の状態に維持するよう設定する
付記7又は8に記載の取引支援システム。
【0082】
(付記10)
前記提示手段(情報提示部136)は、前記ユーザの前記ユーザランクに拘わらず、前記取引サービスで取り扱うすべての前記NFTコンテンツに関する情報を、前記検索操作に応じて前記ユーザに提示する
付記1乃至9のいずれかに記載の取引支援システム。
【0083】
(付記11)
前記提示手段(情報提示部136)は、前記権限を前記ユーザが有しないと判定された場合、前記権限を前記ユーザが獲得するためのガイダンス情報を前記ユーザに提示する
付記1乃至10のいずれかに記載の取引支援システム。
【0084】
(付記12)
非代替性トークン(NFT)と関連付けられたコンテンツデータであるNFTコンテンツに関する取引サービスを支援する取引支援システムに、
前記取引サービスにおけるユーザの購買行動に関するパラメータに基づいて、前記ユーザに対してユーザランクを付与する付与ステップと、
前記取引サービスで取り扱う前記NFTコンテンツごとに、当該NFTコンテンツの購入が許可される前記ユーザランクを設定する設定ステップと、
前記取引サービスで取り扱う前記NFTコンテンツに関する情報を、前記ユーザの検索操作に応じて前記ユーザに提示する提示ステップと、
前記情報が提示された特定のNFTコンテンツを購入する権限を前記ユーザが有するか否かを、前記ユーザの前記ユーザランクに基づいて判定する判定ステップと、を実行させ、
前記提示ステップは、前記特定のNFTコンテンツを購入する権限を前記ユーザが有するか否かに関する情報を前記ユーザに提示するステップを含む
取引支援プログラム。
【符号の説明】
【0085】
10 :ネットワーク
20 :ブロックチェーンネットワーク
100 :サーバ
110 :通信部
120 :記憶部
121 :ユーザデータベース
122 :コンテンツデータベース
130 :処理部
131 :ユーザ認証部
132 :ユーザランク付与部
133 :NFT化部
134 :コンテンツ管理部
135 :ユーザランク設定部
136 :情報提示部
137 :ユーザランク判定部
200 :端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7