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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041187
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】配車システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/123 20060101AFI20240319BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240319BHJP
【FI】
G08G1/123 A
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145851
(22)【出願日】2022-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】596151157
【氏名又は名称】松島 如戒
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】松島 如戒
(72)【発明者】
【氏名】八塚 昌明
(72)【発明者】
【氏名】花井 太郎
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA14
5H181BB04
5H181FF05
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF32
5H181MA07
5H181MA08
5H181MA14
5H181MA20
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】煩雑な手順を必要とせずに、配車を依頼した利用者のもとに確実に配車を完了することができる配車システムを提供する。
【解決手段】利用者が携帯する通信端末3は、位置管理サーバ2に配車依頼を送信することができる操作部を有し、位置管理サーバ2は、配車依頼を受信すると配車依頼を受信した時点の通信端末3の前記位置情報を情報端末4に共有し、かつ配車依頼を受信した時点以降の当該通信端末3の位置情報を情報端末4に共有可能になっている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身の位置情報を取得する位置情報取得部と通信部とを備え、取得した前記位置情報を識別情報とともに逐次送信可能な利用者が携帯する通信端末と、
前記通信端末から前記位置情報と前記識別情報とを逐次受信する位置管理サーバと、
配車管理者側に設置された情報端末と、
を備え、
前記通信端末は、前記位置管理サーバに配車依頼を送信することができる操作部を有し、
前記位置管理サーバは、前記配車依頼を受信すると該配車依頼を受信した時点の当該通信端末の前記位置情報を前記情報端末に共有し、かつ該配車依頼を受信した時点以降の当該通信端末の位置情報を前記情報端末に共有可能になっていることを特徴とする配車システム。
【請求項2】
前記位置管理サーバは、前記情報端末から配車が完了したことを示す情報を受信したことに基づき、前記情報端末への当該通信端末の位置情報の共有を停止させる停止処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の配車システム。
【請求項3】
前記位置管理サーバは、前記通信端末から配車が完了したことを示す情報を受信したことに基づき、前記情報端末への当該通信端末の位置情報の共有を停止させる停止処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の配車システム。
【請求項4】
前記情報端末は前記配車依頼情報と前記通信端末の位置情報が共有された後、到着予想情報を前記位置管理サーバを介して該通信端末に対して送信することができ、
前記通信端末は、受信した前記到着予想情報を音声にて出力可能な出力部を有することを特徴とする請求項1に記載の配車システム。
【請求項5】
前記位置管理サーバは、前記配車依頼を受信した時点以降において、前記配車依頼を受信した時点の前記通信端末の位置情報から所定距離以上の移動があったことを判定する判定処理を行い、所定距離以上の移動があったこと場合には、前記情報端末に移動の報知を実行させることを特徴とする請求項1または2に記載の配車システム。
【請求項6】
前記情報端末は、所定距離以上の移動があったこと場合、所定距離以上の移動があった前記通信端末の前記アイコンの表示を変化させることを特徴とする請求項5に記載の配車システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術を用いて利用者にタクシーなどの車両を配車する配車システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばタクシーの配車は、利用者がタクシー会社に電話を掛け、自身の居場所を口頭で伝えるのが一般的であったが、近年ではスマートフォンなどの携帯端末の通信技術を活用して配車の依頼を行うことができる配車サービスの利用が増えている。このような配車サービスでは、スマートフォンに内蔵されたGPS受信機を用いて取得された位置情報が、配車依頼情報とともに配車サービスを提供するサービスサーバに送信され、サービスサーバ側で当該位置情報に向けてタクシーが適宜手配される仕組みになっている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-189913号公報(第6頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような配車サービスを可能にする配車システムでは、サーバに送信された携帯端末の配車依頼時点における位置情報が手配されるタクシーに伝達されるため、利用者にとっては自身の居場所を正確に伝える手間がなく、利便性の高いものになっている。このように手配されるタクシーには配車依頼時点における利用者の位置情報が伝達されるため、利用者はその場から動かないことが前提となるが、例えば高齢者等のように配車サービスの利用に不慣れな利用者が配車依頼の完了後に元いた場所から移動してしまった場合、手配されたタクシー運転手はこの配車依頼を行った利用者と落ち合えずに配車が完了できない可能性がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、煩雑な手順を必要とせずに、配車を依頼した利用者のもとに確実に配車を完了することができる配車システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の配車システムは、
自身の位置情報を取得する位置情報取得部と通信部とを備え、取得した前記位置情報を識別情報とともに逐次送信可能な利用者が携帯する通信端末と、
前記通信端末から前記位置情報と前記識別情報とを逐次受信する位置管理サーバと、
配車管理者側に設置された情報端末と、
を備え、
前記通信端末は、前記位置管理サーバに配車依頼を送信することができる操作部を有し、
前記位置管理サーバは、前記配車依頼を受信すると該配車依頼を受信した時点の当該通信端末の前記位置情報を前記情報端末に共有し、かつ該配車依頼を受信した時点以降の当該通信端末の位置情報を前記情報端末に共有可能になっていることを特徴としている。
この特徴によれば、利用者は通信端末の操作部を操作することで位置管理サーバに簡便に配車依頼を行うでき、かつ通信端末の位置情報は位置管理サーバに逐次送られており、この位置情報が配車依頼時点に加えて配車依頼時点以降についても、配車管理者側に設置された情報端末に共有することができることから、配車管理者側は通信端末を携帯する利用者の位置情報の変化に対応でき、利用者の移動の有無に関わらず配車を依頼した利用者のもとに確実に車両を手配することができる。
【0007】
前記位置管理サーバは、前記情報端末から配車が完了したことを示す情報を受信したことに基づき、前記情報端末への当該通信端末の位置情報の共有を停止させる停止処理を行うことを特徴としている。
この特徴によれば、情報端末から配車が完了したことを示す情報を受信したことに基づき、それ以降は利用者の位置情報を情報端末へ共有しない仕様であるため、通信端末を携帯する利用者の位置情報は配車のためだけに利用され、悪用を防ぐことができる。
【0008】
前記位置管理サーバは、前記通信端末から配車が完了したことを示す情報を受信したことに基づき、前記情報端末への当該通信端末の位置情報の共有を停止させる停止処理を行うことを特徴としている。
この特徴によれば、位置管理サーバは配車の完了に基づきそれ以降は利用者の位置情報を情報端末へ共有しない仕様であるため、通信端末を携帯する利用者の位置情報は配車のためだけに利用され、悪用を防ぐことができる。
【0009】
前記情報端末は前記配車依頼情報と前記通信端末の位置情報が共有された後、到着予想情報を前記位置管理サーバを介して該通信端末に対して送信することができ、
前記通信端末は、受信した前記到着予想情報を音声にて出力可能な出力部を有することを特徴としている。
この特徴によれば、通信端末は受信した到着予想情報を音声で出力するため、通信端末を携帯する利用者は予備知識なく到着予想情報を把握することができる。
【0010】
前記位置管理サーバは、前記配車依頼を受信した時点以降において、前記配車依頼を受信した時点の前記通信端末の位置情報から所定距離以上の移動があったことを判定する判定処理を行い、所定距離以上の移動があったこと場合には、前記情報端末に移動の報知を実行させることを特徴としている。
この特徴によれば、情報端末が設置された配車管理者側は、配車依頼を受信した時点から所定距離以上の移動があった通信端末を判別できるため、配車指示を簡素化できる。
【0011】
前記情報端末は、所定距離以上の移動があったこと場合、所定距離以上の移動があった前記通信端末の前記アイコンの表示を変化させることを特徴としている。
この特徴によれば、配車管理者側は通信端末の位置情報の変化を表示画面上で監視し易く、かつ配車依頼を受信した時点から所定距離以上の移動があった通信端末を明確に把握できるため、配車指示を的確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例1における配車システムを示すイメージ図である。
図2】利用者が携帯する通信端末の外観を示す斜視図である。
図3】通信端末の内部構造を示すイメージ図である。
図4】監視処理を示すフローチャートである。
図5】配車管理側の情報端末に表示される操作画面を示す図である。
図6】(a)と(b)は操作画面における配車依頼情報表示を示す図である。
図7】実施例2における配車システムの利用者IDに紐づけされた配車場所情報の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る配車システムを実施するための形態を、実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例0014】
実施例に係る配車システムにつき、図1から図6を参照して説明する。
【0015】
実施例における配車システムは、通信技術を活用して配車の依頼を行える配車サービスに用いられるシステムである。尚、本実施例の配車サービスは、特に高齢者向けに運営される会員制サービスの一環を担うサービスとして説明する。この会員制サービスは、利用者の死後に有効になる遺言を含む登録情報をサービス提供会社等が管理するデジタルの記憶媒体に記憶させておき、例えば利用者の死後に、予め登録された後見人が当該登録者の遺言情報の閲覧を可能とするサービスも含む。
【0016】
図1に示されるように、配車システム1は、会員制サービスの利用者の登録情報を管理する管理コンピュータであるとともに、利用者の位置情報を扱う位置管理サーバとしての機能も有するサービスサーバ2と、サービスサーバ2に複数台接続される通信端末3,3,・・・と、配車管理者側に配置された、ここではタブレット端末である情報端末4,4,・・・と、を備えている。
【0017】
サービスサーバ2には、利用者毎に割り振られて利用者を特定する固有の識別情報である利用者IDが記憶されたIDデータベース5と、遺言を含む登録情報が記憶される記憶部6と、登録情報と利用者IDとを対応付ける対応テーブルと、位置情報管理部7とを備えている。
【0018】
また、記憶部6には家族の情報が記憶されており、対応テーブルには、利用者IDと当該利用者IDに対応する家族の連絡先などの情報が対応付けられている。本実施例で家族とは、登録者の血縁者や近親者のほか、登録者の遺言に基づき財産分与を受ける者など、登録者の生前及び死後において関わりを持つ者をいう。
【0019】
通信端末3は、筐体31の内部に、後述するインターネットを介してサービスサーバ2と接続可能な通信部36やGPS受信機38などの各種装置が内蔵されている(図3参照)。図2に示されるように、筐体31には電源ボタン32、操作ボタン(操作部)33、発光部(出力部)34、がそれぞれ外部に露出して設けられている。尚、筐体31における内蔵されたスピーカー(出力部)35と対応する位置には、筐体31内部に貫通する音の出口である孔部35aが複数箇所形成されている。
【0020】
情報端末4は、操作可能な表示画面41を備えた、いわゆるタブレット端末であり、インターネットを介してサービスサーバ2と接続可能な通信部(図示略)を備えている。情報端末4には、配車サービスを利用するための所定のアプリケーションがインストールされている。
【0021】
図3は、通信端末3を構成する各種装置を示すイメージ図である。図3に示されるように、通信端末3は、演算処理部であるMPU30、電源ボタン32、操作ボタン33、発光部34、スピーカー35、記憶部36、通信部37、GPS受信機38、バッテリー39を有している。
【0022】
通信端末3は、特に高齢者の親族が、当該高齢者に外出時に携帯させることで、その位置情報及び移動を確認できる、いわゆる見守り端末である。詳しくは、通信端末3の利用者は位置情報及び移動が確認される見守り対象者として契約をし、例えば月額料金をサービス提供者に支払うことで、この見守りサービスを受けることができる。
【0023】
通信端末3には、それぞれ固有の識別情報である個体識別情報が付されており、位置情報管理部7では、この個体識別情報と見守り対象者である前述の利用者IDとが紐づけられて管理されている。
【0024】
また、電源ボタン32の押下により起動した通信端末3のMPU30は、予め設定された所定の間隔でGPS受信部38により定期的に衛生から情報を受信し、演算した位置情報を通信部36からインターネットを介してサービスサーバ2に自発的に送信する位置情報送信機能を有する。
【0025】
また、MPU30は操作ボタン33の操作態様で各種機能の実行指示を判別できるようになっている。例えば本実施例では、操作ボタン33が3度続けて押下されると、配車依頼が行われたと判断し、操作ボタンが5秒以上長押しされると、救難信号の送信依頼が行われたと判断するようになっており、それぞれ実行指示に応じて配車依頼または救難信号の送信依頼をサービスサーバ2に送信する。
【0026】
図1に示されるように、位置情報管理部7は、前述の通信端末3の個体識別情報と利用者IDとを紐づけて記憶するとともに、通信端末3から送信された位置情報とその時間情報を所定期間内で記憶する記憶部71と、演算処理部であるCPU72、を備えており、インターネットに接続されたサービスサーバ2を構成する複数のサーバコンピュータの一部である。
【0027】
サービスサーバ2は、通信端末3から救難信号の送信依頼を受信すると、救難信号が出された時刻情報に基づき、位置情報管理部7から救難信号が出された時点の位置情報を参照する。そして、通信端末3の個体識別情報に紐づく利用者IDに対応する家族の連絡先に対して、救難信号があった旨の通知と、救難信号が出された時刻情報、その時点の位置情報の送信を行うとともに、予め提携している駆けつけサービスを行う業者にも同様に救難信号があった旨の通知と、救難信号が出された時刻情報、その時点の位置情報を共有する。
【0028】
サービスサーバ2は、駆けつけサービスを行う業者に対して、救難信号が出された時点から、所定時間において、当該通信端末3から定期的に送信されてくる位置情報を逐次共有する。
【0029】
また、サービスサーバ2は、通信端末3から配車依頼を受信すると、配車依頼が行われた時刻情報に基づき、位置情報管理部7から位置情報を参照する。そして、予め提携している配車管理側である例えばタクシー会社に対して、通信端末3から配車依頼が行われた時刻情報と、その時点における位置情報とを共有する。
【0030】
提携しているタクシー会社には、配車の担当者が操作できる場所に情報端末4が設置され、サービスサーバ2は、通信端末3から配車依頼が行われた時刻情報と、その時点の位置情報を、情報端末4で開かれた所定のアプリケーションから閲覧できるように共有される。後に詳述するが、サービスサーバ2は、配車依頼が行われた通信端末3の位置情報に加えて、通信端末3に紐づく利用者IDに対応する利用者の氏名も閲覧可能に共有する。本実施例では実際のタクシー運転手への連絡や手配については、担当者によって手作業で行われる。
【0031】
位置情報管理部7の記憶部71では、予め設定された所定のエリア情報と、情報端末4(タクシー会社)とが紐付けられていて、位置情報管理部7のCPU72は、配車依頼が行われた通信端末3の位置情報が含まれる所定のエリア情報に紐付けられた情報端末4に自動的に配車依頼を割り振る。
【0032】
位置情報管理部7のCPU72は、配車依頼が行われた時点の位置情報の参照が行われたことに基づき、当該配車依頼が行われた通信端末3のそれ以降、つまり配車依頼を受信した時点以降の通信端末3の位置情報の変化を監視する監視処理を開始する。監視処理は所定の条件を満たした場合に終了する。
【0033】
監視処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。位置情報管理部7のCPU72は、所定の条件を満たしたか否かを判定(ステップSa1)し、監視処理を終了する所定の条件を満たしていない場合、ステップSa2に進む。ステップSa1にて、所定の条件を満たしたと判定された場合には、監視処理を終了する。
【0034】
通信端末3における配車依頼が行われた時点の位置情報と、それ以降に受信した同じ通信端末3の最新の位置情報とを記憶部71から参照(ステップSa2)する。監視処理では、位置情報同士の離間距離を比較する際の許容範囲が予め設定されており、ステップSa3では、位置情報同士を比較して、配車依頼が行われた時点の位置情報から許容範囲を超えて最新の位置情報が離間しているか否かを判定する(判定処理)。
【0035】
配車依頼が行われた時点の位置情報から許容範囲を超えて最新の位置情報が離間している場合、通信端末3を携帯する利用者が配車依頼時点から所定距離以上移動したと判定する(ステップSa4)。
【0036】
配車依頼が行われた時点の位置情報と最新の位置情報とが許容範囲を超えて離間していない場合には、ステップSa2に戻り、更新された最新の位置情報と配車依頼が行われた時点の位置情報との突合を行う。
【0037】
CPU72は、通信端末3を携帯する利用者が配車依頼時点から所定距離以上移動したと判定したことに基づき、所定距離以上の移動があったことを示す信号を情報端末4に送信し(ステップSa5)、後述する報知処理を実行させる。
【0038】
CPU72は情報端末4に前記信号を送信するとともに、所定距離以上移動したと判定した通信端末3から位置情報を定期的に受信する度に、その位置情報を情報端末4に逐次共有する(ステップSa6)。
【0039】
そして、所定の条件を満たしたと判定されたか否かを判定するステップに移り(ステップSa7)、所定の条件を満たした場合には、監視処理を終了する。所定の条件を満たすまでは、ステップSa6が継続される。
【0040】
本実施例において、監視処理を終了する所定の条件は、情報端末4で操作されたことでサービスサーバ2が受信する配車完了通知である。例えば、配車の担当者は、配車された車両運転手から利用者の乗車が確認できたことの無線連絡を受けたことに基づき、情報端末4を操作し、それに配車完了の操作を行う。
【0041】
このように、利用者は通信端末3の操作ボタンを押下するのみで、サービスサーバ2に簡便に配車依頼を行うことができる。また、通信端末3の位置情報はサービスサーバ2に逐次送られており、この位置情報が配車依頼時点に加えて配車依頼時点以降についても、配車管理者側に設置された情報端末4に共有されることから、配車管理者側は通信端末3を携帯する利用者の位置情報の変化に対応でき、配車を依頼した利用者のもとに確実に車両を手配することができる。
【0042】
また、配車依頼が行われた時点の位置情報と最新の位置情報とが許容範囲を超えて離間していない場合には、情報端末4に対して特段の処理を行わないため、配車管理側の負担を軽減することができる。
【0043】
図5は、情報端末4の表示画面41に表示される、配車依頼を受信したアプリケーションの操作画面42である。操作画面42には、地図表示43に加え、全体の配車依頼の件数と手配済みの件数とが表示される件数表示44が表示されている。
【0044】
情報端末4のアプリケーションは、配車依頼を受信すると、当該情報端末4に対して割り振られ、現状で配車が完了していない配車依頼の全体の件数に加算して表示させる。同時にアプリケーションは配車依頼を受けてサービスサーバ2から共有された通信端末3の位置情報をアイコン45として地図表示43上に重ねて表示させる。
【0045】
図6(a)に示されるように、アイコン45が選択されると、配車依頼情報表示46がアイコン45上に重ねて表示される。配車依頼情報表示46には、配車依頼を行った利用者の氏名、配車依頼を行った時刻情報が表示されるとともに、手配済ボタン47と完了ボタン48が表示される。尚、通信端末3の位置情報と利用者の氏名については、情報端末4側ではダウンロードされず、操作画面42における地図表示43は、サービスサーバ2からのミラーリングになっている。
【0046】
配車の担当者は、管理する車両の運転手の現状を確認し、配車依頼情報表示46を確認しながら運転手に配車依頼の内容情報を伝え、配車依頼ごとに手配作業を適宜行い、手配が完了したものから手配済ボタン47を選択する。手配済ボタン47が選択されると、操作画面42における件数表示44の手配済みの件数部分が更新される。
【0047】
配車された車両運転手から利用者の乗車が確認できたことの無線連絡などを受けたことに基づき、配車の担当者は、配車依頼情報表示46の完了ボタン48を選択する。これにより、操作画面42における件数表示44の手配済みの件数部分と配車依頼の全体の件数が、それぞれ減算された状態に更新される。同時に、情報端末4からサービスサーバ2に指定した配車依頼情報の配車完了通知が送信される。すなわち、通信端末3の通信部37及びMPU30は配車完了通知を送信する完了通知処理部である。
【0048】
サービスサーバ2は配車完了通知を受信すると、配車が完了した利用者の通信端末3の位置情報の情報端末4への共有を停止する。これにより、情報端末4では対応するアイコンが消失し、情報端末4側から利用者の氏名や位置情報の閲覧が不能になる。
【0049】
情報端末4は、サービスサーバ2から通信端末3を携帯する利用者が配車依頼時点から所定距離以上移動したと判定された信号を受信した場合、操作画面42上に報知を行う(報知処理)。例えば図7に示されるように、配車依頼時点から所定距離以上移動したと判定された通信端末3の位置情報に対応するアイコン45を点滅演出する。この報知は、点滅に限らず、例えばアイコンの色を変化させてもいい。
【0050】
また、操作画面42の配車依頼情報表示46には、手配済ボタン47が選択されたことに基づき、手配済ボタン47に代えて到着予想フォーム49が表示される(図6(b)参照)。到着予想フォーム49では、任意の分数を入力できるようになっており、通知ボタン49aを選択することで、選択した到着予想時刻(または到着までの所要時間)がサービスサーバ2に送信される。
【0051】
サービスサーバ2は、受信した到着予想時刻を、配車依頼を送信した通信端末3に送信する。通信端末3の記憶部36には、手配が完了したことを示す音声や、到着予想時刻を示す音声である音声ファイルが記憶されている。到着予想時刻を受信した通信端末3のMPU30は、記憶部36から音声ファイルを適宜再生して、手配が完了したことと到着予想時刻をスピーカー35からアナウンスする。
【0052】
また、MPU30は手配が完了した場合には、発光部34を所定の発光色で発光させることで、通信端末3を携帯する利用者に配車依頼が受理されたことを報知することができる。加えて、到着予想時刻までの残り時間に応じて、発光部34の発光色を変化させることでも、残り時間の変遷を視覚的に報知することもできる。
【実施例0053】
次に、実施例2に係る配車システムにつき、図7を参照して説明する。尚、前記実施例1と同じ構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0054】
本実施例2において、サービスサーバ2では、利用者ID毎に配車場所を紐づけて管理できるようになっている。詳しくは、サービスサーバ2は利用者から配車場所の登録依頼を受付けた場合、これらを利用者IDに紐づけて記憶部6に登録処理する。例えば、利用者の家族が、利用者が頻繁に利用する施設などを配車場所情報としてサービスサーバ2に登録するという使い方が好ましい。図7は、利用者IDに紐づけされた配車場所情報の例である。
【0055】
配車場所情報は、その位置情報として住所と座標情報を少なくとも含んでいる。サービスサーバ2は、通信端末3から配車依頼を受信すると、配車依頼が行われた時間情報に基づき、位置情報管理部7から配車依頼が行われた時点の位置情報を参照し、配車依頼が行われた時点の位置情報から予め設定された許容範囲内に、当該通信端末3に対応する利用者IDに紐づけられた配車場所情報があるか否かを判定する。そして、配車依頼が行われた時点の位置情報から許容範囲内に位置する配車場所情報があった場合、その配車場所情報を配車管理側である例えばタクシー会社の情報端末4に対して、通信端末3から配車依頼が行われた時間情報とともに共有する。
【0056】
これによれば、配車先の名称や場所を予め設定しておくことで、仮に利用者が配車依頼後に若干移動したとしても、配車先の名称にもとづき、車両側と利用者が落ち合える確率を高めることができる。
【0057】
また、利用者の携帯する通信端末3のGPS受信機38による位置情報そのものは配車管理側に共有されないため、プライバシー保護の面で有用である。
【0058】
また、サービスサーバ2は、配車依頼が行われた時点の位置情報から許容範囲を超えて最新の位置情報が離間しているか否かを判定し、許容範囲を超えて利用者が移動した場合には、その最新の位置情報から、移動先の施設名称を情報端末4に共有してもよい。
【0059】
以上、本発明の実施形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれら実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があっても本発明に含まれる。
【0060】
例えば、情報端末によって、配車依頼を受信した時点の通信端末3の位置情報から所定距離以上の移動があったことを判定する判定処理の後の報知処理は、操作画面42のアイコン45の表示の変化に限らず、例えば「移動があります」等の文言の表示でもよいし、音声の出力等でもよい。
【0061】
また、判定処理は、配車依頼を受信した時点の通信端末3の位置情報から所定距離以上の移動があったことを判定する構成に限らず、例えば位置情報に変化がありさえすれば、配車依頼時点から移動したと判定する構成であってもよい。
【0062】
また、配車依頼を受信した時点の通信端末3の位置情報から所定距離以上の移動があったことを判定する判定処理を省略し、配車依頼を受信した時点以降の位置情報が情報端末4に逐次共有される構成であってもよく、この場合、操作画面42のマップ上のアイコン45の位置が位置情報の共有毎に更新される。
【0063】
また、通信端末3の形状は限定されず、例えば配車手配の完了や配車までの予測時間等の表示が可能な表示画面を備えた構成であってもよい。
【0064】
また、タクシー運転手が直接、依頼を受ける情報端末を持ってもよい。この場合、配車依頼を了承する操作を求めるようにし、この操作に基づき、サービスサーバ2には手配完了通知が送信される。
【符号の説明】
【0065】
1 配車システム
2 サービスサーバ(位置管理サーバ)
3 通信端末
4 情報端末
6 記憶部
7 位置情報管理部
30 MPU(演算部・完了通知処理部)
31 筐体
32 電源ボタン
33 操作ボタン
34 発光部
35 スピーカー
36 記憶部
36 通信部
37 通信部
38 GPS受信機
41 表示画面
42 操作画面
43 地図表示
44 件数表示
45 アイコン
46 配車依頼情報表示
47 手配済ボタン
48 完了ボタン
49a 通知ボタン
49 到着予想フォーム
71 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7