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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041228
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】商品処理装置
(51)【国際特許分類】
   B65C 9/42 20060101AFI20240319BHJP
   B41J 3/36 20060101ALI20240319BHJP
   B41J 3/44 20060101ALI20240319BHJP
   B41J 5/30 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
B65C9/42
B41J3/36 T
B41J3/44
B41J5/30 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145914
(22)【出願日】2022-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】岩川 健
(72)【発明者】
【氏名】野々原 靖也
(72)【発明者】
【氏名】堤 弘法
(72)【発明者】
【氏名】立石 啓太
【テーマコード(参考)】
2C055
2C187
3E095
【Fターム(参考)】
2C055CC01
2C055CC05
2C055EE00
2C055EE02
2C055EE09
2C187AD06
2C187AE01
2C187AG07
2C187BF36
2C187BG39
2C187BH19
2C187CC02
2C187CC07
2C187CD12
2C187CD17
3E095BA02
3E095CA02
3E095DA63
3E095EA02
3E095EA03
3E095EA05
3E095EA12
3E095EA22
3E095EA34
3E095FA08
3E095FA25
(57)【要約】
【課題】指示書に基づいて生産された商品と当該商品に対する処理との不一致を回避できる商品処理装置を提供する。
【解決手段】商品処理装置1は、指示書の内容の少なくとも一部を取得し、商品に係る商品情報を取得する取得部21と、商品を撮像し撮像情報を生成する撮像部7と、商品情報に基づき特定した商品の種類と、撮像情報に基づき特定した商品の種類とが一致するか否かを判定する制御部23と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指示書に基づいて生産された商品を処理する商品処理装置であって、
前記指示書の内容の少なくとも一部を取得し、前記商品に係る商品情報を取得する取得部と、
前記商品を撮像し撮像情報を生成する撮像部と、
前記商品情報に基づき特定した前記商品の種類と、前記撮像情報に基づき特定した前記商品の種類とが一致するか否かを判定する制御部と、を備える、商品処理装置。
【請求項2】
前記商品情報をラベルに印刷して前記ラベルを発行する発行部を備え、
前記制御部は、前記商品情報に基づき特定した前記商品の種類と、前記撮像情報に基づき特定した前記商品の種類とが一致した場合、前記発行部に前記ラベルを発行させる、請求項1に記載の商品処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記撮像情報を取得し、取得した前記撮像情報を前記商品の種類を推定する学習済みモデルに入力して前記商品の種類を推定し、
前記商品情報に基づき特定した前記商品の種類と、前記学習済みモデルに基づき推定した前記商品の種類とが一致するか否かを判定する、請求項1又は2に記載の商品処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記商品情報に登録されている前記商品の画像の特徴量と、前記撮像部によって撮像された前記商品の画像の特徴量とに基づいて、前記商品情報における前記商品の種類と、前記撮像部によって撮像された前記商品の種類とが一致するか否かを判定する、請求項1又は2に記載の商品処理装置。
【請求項5】
前記商品情報に基づき特定した前記商品の種類と、前記撮像情報に基づき特定した前記商品の種類とが一致しなかった場合に、前記取得部によって取得された前記商品情報に関連付けられた第一商品種別情報と、前記制御部によって推定された前記商品の種類に関連付けられた第二商品種別情報とを同時に表示する表示部と、
前記表示部に同時に表示された前記第一商品種別情報又は前記第二商品種別情報の選択を受け付ける選択部と、を備え、
前記制御部は、前記選択部において前記第一商品種別情報が選択された場合、前記発行部に前記ラベルを発行させる、請求項2に記載の商品処理装置。
【請求項6】
前記表示部は、前記第一商品種別情報及び前記第二商品種別情報を同時に表示する際、前記第一商品種別情報及び前記第二商品種別情報のうちの少なくとも一方の表示位置を、前回表示させた表示位置から変更する処理を不規則に実施する、請求項5に記載の商品処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
商品処理装置として、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載の商品処理装置は、撮像手段と、撮像手段が撮像した画像を出力する画像出力手段と、出力された画像の特徴量を読み取ることによって特定の物体を認識する物体認識手段と、認識された物体についての情報を、当該物体にかかる情報を記憶するファイルから読み出す情報読出手段と、読み出された物体についての情報をラベルに対して印字して発行するラベル発行手段と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-66573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
指示書に基づいて商品が生産された場合、当該商品に所定の処理が施される。処理としては、例えば、商品にラベルや包装等の印刷物を設ける処理がある。印刷物には、商品に係る情報が記載される。例えば、商品が食品である場合、印刷物には、アレルギー情報が記載される。そのため、商品に設けられる印刷物は、商品と一致している必要がある。しかしながら、商品に印刷物を設けるための作業(ラベルの貼付、包装装置への搬入等)を作業者が行う場合等にあっては、何らかの手違い等によって、商品に当該商品とは異なる商品の印刷物が設けられるおそれがある。
【0005】
本発明の一側面は、指示書に基づいて生産された商品と当該商品に対する処理との不一致を回避できる商品処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る商品処理装置は、指示書に基づいて生産された商品を処理する商品処理装置であって、指示書の内容の少なくとも一部を取得し、商品に係る商品情報を取得する取得部と、商品を撮像し撮像情報を生成する撮像部と、商品情報に基づき特定した商品の種類と、撮像情報に基づき特定した商品の種類とが一致するか否かを判定する制御部と、を備える。
【0007】
本発明の一側面に係る商品処理装置では、制御部は、商品情報に基づき特定した商品の種類と、撮像情報に基づいて特定した商品の種類とが一致するか否かを判定する。これにより、指示書に基づいて生産された商品の種類と撮像された商品の種類とが一致しているか否かを知り得る。そのため、商品に対して処理を施す場合、指示書に基づいて生産された商品であることを認識した上で、商品に印刷物等を設ける等の処理を行うことができる。したがって、指示書に基づいて生産された商品と当該商品に対する処理との不一致を回避できる。
【0008】
一実施形態においては、商品情報をラベルに印刷してラベルを発行する発行部を備え、制御部は、商品情報に基づき特定した商品の種類と、撮像情報に基づき特定した商品の種類とが一致した場合、発行部にラベルを発行させてもよい。この構成では、商品情報に基づき特定された商品の種類と撮像情報に基づき特定した商品の種類とが一致した場合にラベルが発行部から発行されるため、指示書に基づいて生産された商品とラベル(印刷物)との不一致を回避できる。
【0009】
一実施形態においては、制御部は、撮像情報を取得し、取得した撮像情報を商品の種類を推定する学習済みモデルに入力して商品の種類を推定し、商品情報に基づき特定した商品の種類と、学習済みモデルに基づき推定した商品の種類とが一致するか否かを判定してもよい。この構成では、学習済みモデルによって商品の種類を推定するため、商品の種類を精度良く推定できる。そのため、指示書に基づいて生産された商品と当該商品に対する処理との不一致をより確実に回避できる。
【0010】
一実施形態においては、制御部は、商品情報に登録されている商品の画像の特徴量と、撮像部によって撮像された商品の画像の特徴量とに基づいて、商品情報における商品の種類と、撮像部によって撮像された商品の種類とが一致するか否かを判定してもよい。この構成では、商品情報に登録されている商品の画像の特徴量と、撮像部によって撮像された商品の画像の特徴量に基づいて商品の一致を判定するため、商品の一致を精度良く判定できる。そのため、指示書に基づいて生産された商品と当該商品に対する処理との不一致をより確実に回避できる。
【0011】
一実施形態においては、商品情報に基づき特定した商品の種類と、撮像情報に基づき特定した商品の種類とが一致しなかった場合に、取得部によって取得された商品情報に関連付けられた第一商品種別情報と、制御部によって推定された商品の種類に関連付けられた第二商品種別情報とを同時に表示する表示部と、表示部に同時に表示された第一商品種別情報又は第二商品種別情報の選択を受け付ける選択部と、を備え、制御部は、選択部において第一商品種別情報が選択された場合、発行部にラベルを発行させてもよい。この構成では、商品情報に関連付けられた第一商品種別情報、すなわち指示書に基づいて生産される商品を示す第一商品種別情報が選択された場合に、発行部からラベルが発行される。したがって、指示書に基づいて生産された商品とラベル(印刷物)との不一致を回避できる。
【0012】
一実施形態においては、表示部は、第一商品種別情報及び第二商品種別情報を同時に表示する際、第一商品種別情報及び第二商品種別情報のうちの少なくとも一方の表示位置を、表示させた表示位置から変更する処理を不規則に実施してもよい。表示部において第一商品種別情報及び第二商品種別情報の表示位置が固定されている場合、種別情報を選択する作業者の作業の慣れ等によって、習慣的(無意識)に同じ位置に表示される種別情報を選択するおそれがある。この場合、例えば、第二商品種別情報が選択されるべきところ、習慣的に第一商品種別情報が選択されることによって、その後誤った処理が行われ得る。そこで、第一商品種別情報及び第二商品種別情報のうちの少なくとも一方の表示位置を、表示させた表示位置から変更する処理を不規則に実施することによって、習慣的な作業により誤った種別情報が選択されることを抑制できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一側面によれば、指示書に基づいて生産された商品と当該商品に対する処理との不一致を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、商品処理装置の構成を示す図である。
図2図2は、商品処理装置を示す斜視図である。
図3図3は、商品処理装置を示す斜視図である。
図4図4は、指示書の一例を示す図である。
図5図5は、表示部に表示される画像の一例を示す図である。
図6図6は、表示部に表示される画像の一例を示す図である。
図7図7は、商品処理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
図1は、商品処理装置の構成を示す図である。図2及び図3は、商品処理装置の斜視図である。図1図3に示される商品処理装置1は、指示書に基づいて生産された商品を処理する装置である。本実施形態では、指示書は、レシピカードである。商品処理装置1は、レシピカードに基づいて生産された食品に関する情報が印字されたラベルLを発行するラベルプリンタである。
【0017】
図4は、指示書の一例を示す図である。図4に示されるように、指示書Dには、商品である食品のレシピ等が記載されている。指示書には、商品の種類を示す品番、商品名、商品の単価、商品の販売日、商品の消費時間、商品の保存方法、商品のレシピ、及び、商品のバーコードが記載されている。指示書には、その他の情報が記載されていてもよい。バーコードには、商品に係る商品情報が登録されている。指示書Dは、紙等に印刷されたものであってもよいし、データであってもよい。
【0018】
商品処理装置1は、読取部3と、計量部5と、撮像部7と、表示部9と、発行部11と、制御ユニット13と、を備えている。図2に示されるように、商品処理装置1は、筐体30を備えている。表示部9及び発行部11は、筐体30に設けられている。制御ユニット13は、筐体30に収容されている。筐体30には、作業者による操作等を受け付ける操作キー15が設けられている。図3に示されるように、商品処理装置1は、支持体32を備えている。支持体32は、筐体30の近傍に配置される。支持体32は、基台部34と、支持部36と、保持部38と、を有している。撮像部7は、保持部38に収容されている。
【0019】
図1に示されるように、読取部3は、指示書Dの内容を読み取る。本実施形態では、読取部3は、指示書Dのバーコードを読み取るスキャナである。読取部3は、読み取ったバーコードに係るコード情報を制御ユニット13に出力する。
【0020】
計量部5は、商品の重量を計量する。計量部5は、計量台5aと、図示しないロードセル、信号処理回路、及び送信モジュールと、を含む。図3に示されるように、本実施形態では、計量部5は、支持体32の基台部34上に配置されている。計量台5aには、商品が載置される。計量台5aの下方には、ロードセルが設けられる。ロードセルは、計量台5aに商品が載置された際に生じる機械的な歪みを電気信号に変換する。信号処理回路は、ロードセルの出力する信号を増幅してデジタル信号に変換し、送信モジュールは、デジタル信号を制御ユニット13に送信する。
【0021】
撮像部7は、商品を撮像する。撮像部7は、計量台5aの上に商品が載置されると、制御ユニット13の制御部23(後述)に制御されて、商品を撮像して、撮像情報を生成する。撮像部7は、例えば、カラーの画像を取得するCCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等である。撮像部7は、ステレオカメラ、商品の温度画像を取得する赤外線カメラ等を含んでもよい。撮像部7は、撮像情報を制御ユニット13に出力する。
【0022】
表示部9は、各種の情報を表示する。本実施形態では、表示部9は、タッチパネル式のディスプレイである。表示部9は、1つの画面を有してもよく、複数の画面を有してもよい。表示部9は、制御部23に制御されて、画像を表示する。表示部9がタッチパネルである場合、表示部9は、後述する第一商品種別画像G1又は第二商品種別画像G2の選択(操作)を受け付ける選択部として機能する。表示部9は、ユーザからの選択(操作)を受け付け、選択内容を示す選択情報を制御ユニット13に出力する。
【0023】
発行部11は、ラベルLを発行する。発行部11は、制御部23から出力された印字情報に基づいて、商品情報を印字して、ラベルLを発行する。本実施形態では、発行部11は、いわゆる台紙レスラベルを発行する。
【0024】
制御ユニット13は、商品処理装置1における各種動作を制御する部分であり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含んで構成されている。制御ユニット13は、記憶部17と、算出部19と、取得部21と、制御部23と、を備えている。
【0025】
記憶部17は、商品マスタや商品識別に必要な情報を記憶する。記憶部17は、商品マスタを取得する。商品マスタは、記憶媒体、ネットワーク等を介して取得されている。商品マスタは、少なくとも商品の番号(ID)と、商品名、単価、商品画像(第一商品種別情報)等とが対応付けられたデータテーブルを含む。商品マスタは、更新(変更)可能である。記憶部17は、各種情報を記憶する記憶領域として、商品マスタ記憶領域17aと、学習済みモデル記憶領域17bと、を有する。
【0026】
商品マスタ記憶領域17aは、商品マスタを記憶する。学習済みモデル記憶領域17bは、学習済みモデルを記憶する。学習済みモデルは、機械学習によって生成されたモデルである。学習済みモデルは、記憶媒体、ネットワーク等を介して取得されている。
【0027】
算出部19は、計量部5で計量された重量に基づき、商品の価格を算出する。具体的には、算出部19は、商品に関する情報を商品マスタから読み出す。算出部19は、計量部5において計量された重量値を取得する。そして、算出部19は、取得した重量値と、商品の単価とに基づいて、商品の価格を算出する。算出部19は、算出した価格を示す価格情報を制御部23に出力する。
【0028】
取得部21は、指示書Dの内容の少なくとも一部を取得し、商品に係る商品情報を取得する。取得部21は、読取部3から出力されたコード情報に基づいて、商品情報を取得する。取得部21は、商品情報を制御部23に出力する。
【0029】
制御部23は、商品情報に基づき特定した商品の種類(以下、「商品種類」とも称する。)と、撮像情報に基づいて特定した商品の種類(以下、「推定種類」とも称する。)とが一致するか否かを判定する。制御部23は、取得部21から出力された商品情報と商品マスタとに基づいて、商品種類を特定する。制御部23は、撮像部7から出力された撮像情報を取得し、撮像情報を商品の種類を推定する学習済みモデルに入力して推定種類を推定する。
【0030】
学習済みモデルは、画像情報に基づく画像が示す商品を機械学習によって予測して出力する。学習済みモデルは、ニューラルネットワークを含む。学習済みモデルは、畳み込みニューラルネットワークを含むものであってもよい。さらに、学習済みモデルは、複数の階層(例えば8層以上)のニューラルネットワークを含むものであってもよい。すなわち、ディープラーニングによって学習済みモデルが生成されてもよい。
【0031】
ニューラルネットワークは、例えば、入力層と、多層の中間層(隠れ層)と、出力層と、で構成されている。入力層は、p個のパラメータを要素とする入力値x(=x0、x1、x2、・・・xp)をそのまま中間層に出力する。中間層のそれぞれは、活性化関数により総入力を出力に変換してその出力を次の層に渡す。出力層は、活性化関数により総入力を、q個のパラメータを要素とするニューラルネットワークの出力ベクトルy(=y0、y1、・・・、yq)に変換する。各yiは、商品Siである可能性を数値として表現したものであり、商品Siごとに出力される。iは、商品ごとに付与される識別のための値であり、商品(の種類)の総数に基づいて決定されるパラメータの要素数から、1~qの値のいずれかと対応させる。
【0032】
ここでは、ニューラルネットワークは、画像の各画素の画素値を入力して、商品の推定結果を示す情報(出力ベクトルy)を出力する。ニューラルネットワークの入力層には、画像の画素数分のニューロンが設けられる。ニューラルネットワークの出力層には、商品の推定結果に係る情報を出力するためのニューロンが設けられる。出力層のニューロンの出力値に基づいて、商品を推定することができる。ニューロンの出力値は、例えば0~1の値である。この場合、ニューロンの値が大きいほど(値が1に近い程)、画像の商品である可能性が高く、ニューロンの値が小さい程(値が0に近い程)、画像の商品である可能性が低いことを示している。すなわち、商品Siのニューロン値(yi、又はyiに基づいて算出される値)が大きい場合、画像の商品は商品Siである確率が高く、商品Siのニューロン値が小さい場合、商品Siである確率が低いことを示している。
【0033】
制御部23は、撮像部7から出力された画像情報を、学習済みモデルに入力する。制御部23は、入力させる画像を正規化してもよい。画像の正規化には、例えば、画像の縮小、拡大、トリミング等を行うことで行われる。また、制御部23は、入力する画像に対して、コントラストの調整、色の変更、フォーマットの変更等の各種の処理を行ってもよい。制御部23は、学習済みモデルのニューラルネットワークに画像を入力したことに応じて、ニューラルネットワークから出力された出力値を含む推定結果を取得する。制御部23は、すい推定結果に基づいて、推定種類を特定する。
【0034】
制御部23は、商品種類と推定種類とが一致した場合、発行部11にラベルLを発行させる。制御部23は、発行部11にラベルLの発行情報を出力する。発行部11は、発行情報に基づいて、ラベルLを印字して発行する。ラベルLには、例えば、商品名、価格等が印字される。制御部23は、商品の価格が計量に基づいて決定される場合には、算出部19から出力された価格情報に基づく価格がラベルLに印字されるように、発行情報を生成する。
【0035】
制御部23は、商品種類と推定種類とが一致しなかった場合、商品情報に関連付けられた第一商品種別情報と、推定された商品の種類に関連付けられた第二商品種別情報とを、表示部9に同時に表示させる。本実施形態では、制御部23は、商品情報に関連付けられた第一商品種別画像と、推定された商品の種類に関連付けられた第二商品種別画像とを、表示部9に同時に表示させる。第一商品種別画像及び第二商品種別画像は、商品マスタに登録されている。
【0036】
図5は、表示部9に表示される画像の一例を示す図である。図5に示されるように、表示部9には、画像Gが表示される。画像Gには、第一商品種別画像G1と、第二商品種別画像G2とが表示される。第一商品種別画像G1及び第二商品種別画像G2は、例えば、左右に並んで表示される。図5に示す例では、第一商品種別画像G1が右側に表示され、第二商品種別画像G2が左側に表示されている。画像Gには、例えば、「商品の画像をタッチしてください」等のテキストが表示されてもよい。また、画像Gには、第一商品種別画像G1及び第二商品種別画像G2のいずれにも該当しない場合に押下される「その他」のボタンBが表示される。「その他」のボタンBが押下されると、例えば、商品のリストが表示される。
【0037】
制御部23は、第一商品種別画像G1及び第二商品種別画像G2を表示部9に同時に表示させる際、第一商品種別画像G1及び第二商品種別画像G2のうちの少なくとも一方の表示位置を、前回表示させた表示位置から変更する処理を不規則に実施する。図6は、表示部9に表示される画像の一例を示す図である。制御部23は、例えば、図5に示されるように、第一商品種別画像G1を右側に表示させると共に第二商品種別画像G2を左側に表示させた後、図6に示されるように、第一商品種別画像G1を左側に表示させると共に第二商品種別画像G2を右側に表示させる。制御部23が、第一商品種別画像G1及び第二商品種別画像G2の表示位置を、前回表示させた表示位置から変更する処理のタイミングは、ユーザによって設定されてもよいし、制御部23によって自動で設定されてもよい。
【0038】
制御部23は、表示部9に同時に表示された第一商品種別画像G1又は第二商品種別画像G2の選択を表示部9が受け付けた結果に基づいて、発行部11を制御する。制御部23は、表示部9において第一商品種別画像G1が選択された場合、すなわち表示部9において第一商品種別画像G1がタッチ(押下)された場合、発行部11にラベルLを発行させる。制御部23は、表示部9において第一商品種別画像G1が選択されなかった場合、すなわち第二商品種別画像G2が選択された場合には、発行部11にラベルLを発行させない。この場合、制御部23は、選択された画像が指示書に基づく商品とは異なる旨を表示部9に表示させる。
【0039】
続いて、商品処理装置1の動作について説明する。図7は、商品処理装置1の動作を示すフローチャートである。
【0040】
図7に示されるように、商品処理装置1は、ラベルLの発行方法を設定する(ステップS01)。具体的には、商品処理装置1は、ラベルLの発行方法を選択する画面を表示部9に表示し、ユーザによる選択結果に基づいて、ラベルLの発行方法を設定する。ラベルLの発行方法は、ラベルLを一枚ずつ発行する方法と、ラベルLを複数枚まとめて発行する方法とを含む。ラベルLを一枚ずつ発行する場合には、ラベルLを一枚発行する度に、ステップS01~ステップS09の処理を行う。商品処理装置1は、ラベルLを複数枚まとめて発行する方法が選択された場合には、発行するラベルLの枚数を入力する画面を表示させ、ラベルLの発行枚数の入力を受け付ける。
【0041】
次に、商品処理装置1は、指示書Dを読み取る(ステップS02)。具体的には、商品処理装置1は、表示部9に指示書Dの読み取りを指示する内容(例えば、「指示書をスキャナで読み取ってください」等)が示された画面を表示させる。商品処理装置1は、読取部3によって読み取られたバーコードに基づいて、商品情報を取得する。
【0042】
次に、商品処理装置1は、商品を撮像する(ステップS03)。具体的には、商品処理装置1は、表示部9に商品を計量部5の計量台5aに載置することを指示する内容(例えば、「商品を計量台に置いてください」等)が示された画面を表示させ、商品が置かれたことに応じて、撮像部7が商品を撮像する。なお、撮像部7による商品の撮像は、ユーザによる操作(撮像を指示する表示部9又は操作キー15への入力)によって実行されてもよい。
【0043】
次に、商品処理装置1は、商品を推定する(ステップS04)。続いて、商品処理装置1は、商品種類と推定種類とが一致しているか否かを判定する(ステップS05)。すなわち、商品処理装置1は、指示書Dに基づいて生産された商品と、推定した商品とが一致しているか否かを判定する。商品処理装置1は、商品種類と推定種類とが一致している場合(ステップS04:YES)には、ステップS08に進む。商品処理装置1は、商品種類と推定種類とが一致していない場合(ステップS04:NO)には、ステップS06に進む。
【0044】
ステップS06では、商品処理装置1は、第一商品種別画像G1及び第二商品種別画像G2を表示部9に同時に表示する。商品処理装置1は、第一商品種別画像G1が選択されたか否かを判定する(ステップS07)。すなわち、商品処理装置1は、指示書Dの商品が選択されたか否かを判定する。商品処理装置1は、第一商品種別画像G1が選択された場合(ステップS07:YES)には、発行部11にラベルLを発行させる(ステップS08)。商品処理装置1は、第一商品種別画像G1が選択されなかった場合(ステップS07:NO)には、表示部9に警告を表示する(ステップS09)。
【0045】
以上説明したように、本実施形態に係る商品処理装置1では、制御部23は、商品情報に基づき特定した商品の種類と、撮像情報に基づいて特定した商品の種類とが一致するか否かを判定する。これにより、指示書Dに基づいて生産された商品の種類と撮像された商品の種類とが一致しているか否かを知り得る。そのため、商品に対して処理を施す場合、指示書Dに基づいて生産された商品であることを認識した上で、商品に印刷物等を設ける等の処理を行うことができる。したがって、指示書Dに基づいて生産された商品と当該商品に対する処理との不一致を回避できる。
【0046】
本実施形態に係る商品処理装置1は、商品情報をラベルLに印刷してラベルLを発行する発行部11を備える。制御部23は、商品種類と推定種類とが一致した場合、発行部11にラベルLを発行させる。この構成では、商品種類と推定種類とが一致した場合にラベルLが発行部11から発行されるため、指示書Dに基づいて生産された商品とラベルLとの不一致を回避できる。
【0047】
本実施形態に係る商品処理装置1では、制御部23は、撮像情報を取得し、取得した撮像情報を商品の種類を推定する学習済みモデルに入力して商品の種類を推定し、商品情報に基づき特定した商品の種類と、学習済みモデルに基づき推定した商品の種類とが一致するか否かを判定する。この構成では、学習済みモデルによって商品の種類を推定するため、商品の種類を精度良く推定できる。そのため、指示書Dに基づいて生産された商品と当該商品に対する処理との不一致をより確実に回避できる。
【0048】
本実施形態に係る商品処理装置1は、商品情報に基づき特定した商品の種類と、撮像情報に基づき特定した商品の種類とが一致しなかった場合に、取得部21によって取得された商品情報に関連付けられた第一商品種別画像G1と、制御部23によって推定された商品の種類に関連付けられた第二商品種別画像G2とを同時に表示し、同時に表示された第一商品種別画像G1又は第二商品種別画像G2の選択を受け付ける表示部9を備える。制御部23は、表示部9において第一商品種別画像G1が選択された場合、発行部11にラベルLを発行させる。この構成では、商品情報に関連付けられた第一商品種別画像G1、すなわち指示書Dに基づいて生産される商品を示す第一商品種別画像G1が選択された場合に、発行部11からラベルLが発行される。したがって、指示書Dに基づいて生産された商品とラベルLとの不一致を回避できる。
【0049】
本実施形態に係る商品処理装置1では、表示部9は、第一商品種別画像G1及び第二商品種別画像G2を同時に表示する際、第一商品種別画像G1及び第二商品種別画像G2のうちの少なくとも一方の表示位置を、表示させた表示位置から変更する処理を不規則に実施する。表示部9において第一商品種別画像G1及び第二商品種別画像G2の表示位置が固定されている場合、種別画像を選択する作業者の作業の慣れ等によって、習慣的(無意識)に同じ位置に表示される種別画像を選択するおそれがある。この場合、例えば、第二商品種別画像G2が選択されるべきところ、習慣的に第一商品種別画像G1が選択されることによって、その後誤った処理が行われ得る。そこで、第一商品種別画像G1及び第二商品種別画像G2のうちの少なくとも一方の表示位置を、表示させた表示位置から変更する処理を不規則に実施することによって、習慣的な作業により誤った種別画像が選択されることを抑制できる。
【0050】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0051】
上記実施形態では、指示書がレシピカードであり、商品がレシピカードに基づいて生産された食品である形態を一例に説明した。しかし、商品は食品に限定されない。
【0052】
上記実施形態では、商品処理装置1がラベルLを発行する発行部11を備え、制御部23が、商品情報に基づき特定した商品の種類と、撮像情報に基づき特定した商品の種類とが一致した場合、発行部11にラベルLを発行させる形態を一例に説明した。しかし、商品処理装置では、商品情報に基づき特定した商品の種類と、撮像情報に基づき特定した商品の種類とが一致するか否かの判定結果に基づいて、他の処理を実施してもよい。例えば、商品処理装置では、判定結果に基づいて、商品の包装が実行されてもよい。或いは、商品処理装置では、判定結果に基づいて、会計が実行されてもよい。
【0053】
上記実施形態では、商品処理装置1が読取部3を備え、読取部3が指示書Dのバーコードと読み取ることによって、取得部21が商品に係る商品情報を取得する形態を一例に説明した。しかし、取得部21が商品情報を取得する方法はこれに限定されない。例えば、取得部21は、指示書Dの画像を取得し、画像の画像処理(テキスト抽出等)に基づいて商品情報を取得してもよい。また、取得部21は、ユーザから入力された入力内容(例えば、商品の番号)に基づいて、商品情報を取得してもよい。
【0054】
上記実施形態では、商品情報に基づき特定した商品の種類と、撮像情報に基づき特定した商品の種類とが一致しなかった場合に、表示部9が、取得部21によって取得された商品情報に関連付けられた第一商品種別画像G1と、制御部23によって推定された商品の種類に関連付けられた第二商品種別画像G2とを同時に表示する形態を一例に説明した。しかし、第一商品種別情報及び第二商品種別情報は、画像に限定されない。例えば、第一商品種別情報及び第二商品種別情報は、商品名等であってもよい。
【0055】
上記実施形態では、制御部23が、撮像情報を取得し、取得した撮像情報を商品の種類を推定する学習済みモデルに入力して商品の種類を推定し、商品情報に基づき特定した商品の種類と、学習済みモデルに基づき推定した商品の種類とが一致するか否かを判定する形態を一例に説明した。しかし、制御部23は、商品情報に登録されている商品の画像の特徴量と、撮像部7によって撮像された商品の画像の特徴量とに基づいて、商品情報における商品の種類と、撮像部7によって撮像された商品の種類とが一致するか否かを判定してもよい。この構成では、商品情報に登録されている商品の画像の特徴量と、撮像部7によって撮像された商品の画像の特徴量に基づいて商品の一致を判定するため、商品の一致を精度良く判定できる。そのため、指示書Dに基づいて生産された商品と当該商品に対する処理との不一致をより確実に回避できる。
【0056】
上記実施形態では、表示部9がタッチパネル式のディスプレイである形態を一例に説明した。しかし、表示部は、表示機能のみを有するディスプレイであってもよい。この場合、操作キー15が、第一商品種別画像G1又は第二商品種別画像G2の選択(操作)を受け付ける選択部として機能する。
【符号の説明】
【0057】
1…商品処理装置、7…撮像部、9…表示部(選択部)、11…発行部、21…取得部、23…制御部、D…指示書、L…ラベル。
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