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特開2024-41252遠隔監視システム、遠隔監視方法、及び遠隔監視装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041252
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】遠隔監視システム、遠隔監視方法、及び遠隔監視装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20240319BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20240319BHJP
   G08B 17/00 20060101ALI20240319BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
H04N7/18 D
G08B25/00 510M
G08B17/00 L
H04Q9/00 331Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145955
(22)【出願日】2022-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】504303458
【氏名又は名称】イオンディライト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】尾形 曜
(72)【発明者】
【氏名】沖中 光生
【テーマコード(参考)】
5C054
5C087
5G405
5K048
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054CF06
5C054CF07
5C054DA09
5C054EA01
5C054EA03
5C054EA05
5C054FC12
5C054FD07
5C054FE12
5C054FE18
5C054FE28
5C054FF02
5C054FF06
5C054HA19
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA09
5C087AA10
5C087AA16
5C087AA19
5C087AA37
5C087AA44
5C087BB11
5C087BB64
5C087BB74
5C087DD04
5C087DD07
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG02
5C087GG10
5C087GG12
5C087GG16
5C087GG57
5C087GG59
5C087GG70
5G405AA01
5G405AA02
5G405AA03
5G405AA06
5G405AA08
5G405AB02
5G405AB03
5G405AD07
5G405CA21
5G405CA25
5G405CA26
5G405CA30
5G405CA46
5G405EA41
5K048AA05
5K048BA51
5K048EB02
5K048EB13
5K048EB15
5K048FB05
5K048GC03
5K048HA21
(57)【要約】
【課題】様々なメーカーごとの監視・制御等のための機器の仕様の違いがあっても、ネットワーク等を介してこれら機器を遠隔監視することを容易にする遠隔監視システムを提供することを目的としている。
【解決手段】施設(例えば、図1に示す施設2)内の一室(例えば、図1に示す防災センター3)に設置され、当該一室(例えば、図1に示す防災センター3)内の設置機器(例えば、図1に示す自動火災報知設備31a、中央監視盤31b、ガス漏れ警報盤31c、呼出ボタン32)を撮像する撮像装置(例えば、図1に示す第1カメラ35a、第2カメラ35b)と、警報送信装置(例えば、図1に示す送信機34)と、サーバ(例えば、図1に示すサーバ10)と、監視者端末(例えば、図1に示す監視者端末11)と、がネットワーク(例えば、図1に示すネットワークN)を介して接続されている遠隔監視システムとする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設内の一室に設置され、当該一室内の設置機器を撮像する撮像装置と、警報送信装置と、サーバと、監視者端末と、がネットワークを介して接続されている遠隔監視システムにおいて、
前記警報送信装置は、前記施設内の異常を検知すると、前記撮像装置が撮像すべき前記設置機器を特定する情報を含む警報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記情報に基づき、前記撮像装置への動作指示を決定し、当該動作指示を前記撮像装置に送信し、
前記撮像装置は、受信した前記動作指示に基づき動作し、
前記監視者端末に、前記撮像装置が撮像する前記設置機器の画像が表示されてなる遠隔監視システム。
【請求項2】
前記警報送信装置は、前記設置機器から異常信号を受信することにより、前記施設内の異常を検知し、
前記撮像装置が撮像すべき前記設置機器を特定する情報は、前記異常信号を送信した前記設置機器を特定する情報であって、
前記サーバは、前記異常信号を送信した前記設置機器に応じて、前記撮像装置が撮像する前記設置機器を決定し、以て、前記撮像装置へ発する動作指示を決定してなる、請求項1に記載の遠隔監視システム。
【請求項3】
さらに、前記施設が属する地域を決定し、当該地域に属する前記施設の管理を行う人員に、前記撮像装置が撮像する前記設置機器の画像を送信してなる、請求項1に記載の遠隔監視システム。
【請求項4】
施設内の一室に設置され、当該一室内の設置機器を撮像する撮像装置と、警報送信装置と、サーバと、監視者端末と、がネットワークを介して接続されている遠隔監視方法において、
前記警報送信装置を用いて、前記施設内の異常を検知すると、前記撮像装置が撮像すべき前記設置機器を特定する情報を含む警報を前記サーバに送信するステップと、
前記情報に基づき、前記撮像装置への動作指示を決定し、当該動作指示を前記撮像装置に送信するステップと、
前記撮像装置を、前記動作指示に基づき動作させるステップと、
前記監視者端末に、前記撮像装置が撮像する前記設置機器の画像が表示されるステップと、を含んでなる、遠隔監視方法。
【請求項5】
施設内の一室に設置され、当該一室内の設置機器を撮像する撮像装置と、警報送信装置と、監視者端末と、にネットワークを介して接続されている遠隔監視装置において、
前記警報送信装置が、前記施設内の異常を検知すると送信する、前記撮像装置が撮像すべき前記設置機器を特定する情報を含む警報を受信する警報受信手段と、
前記情報に基づき、前記撮像装置への動作指示を決定する動作指示決定手段と、
前記動作指示を前記撮像装置に送信する動作指示送信手段と、
前記撮像装置が前記動作指示に基づき動作し、前記監視者端末に撮像する前記設置機器の画像が表示させる監視端末制御手段と、を有してなる遠隔監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔監視システム、遠隔監視方法、及び遠隔監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商業施設、オフィスビルといった施設内において、火災等の災害の監視・消防設備の制御を集中的に行う防災センター、守衛室や管理室等には、火災受信機や総合操作盤が設置されている。
【0003】
これにより、例えば、施設内で火災が発生した場合、火災感知器がこれを感知し、電気信号を火災受信機に送信し、火災受信機がこれを受信し、火災受信機の液晶表示部やランプ等に火災発生の場所や、対応手順など、状況の詳細が表示される。(特許文献1)。
【0004】
また、防災センター等内には、非常用エレベーターや空調設備等といった設備機器の監視・制御等を行うための機器が設置されている場合もある。それら機器にも、上記の火災受信機と同様に、監視・制御対象の状況の詳細が分かるような表示が液晶画面やランプ等でなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-77427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、防災センター等には通常1人以上の施設員等が駐在しているが、省人化、無人化が望まれている。省人化、無人化の方法の一つとして、上記のような監視・制御等のための機器を監視センターにて遠隔監視することが考えられる。
【0007】
監視センターにおいて遠隔監視するには、上記で挙げたような、火災受信機その他の監視・制御等を行うための機器の、液晶画面やランプ等で表示される、監視・制御対象の状況の詳細をデータ化し、監視センターにインターネット回線等を介して送信する必要がある。
【0008】
しかしながら、このような監視・制御等のための機器は様々なメーカーから販売されており、液晶画面やランプ等でどのように監視・制御対象の状況の詳細を表すかは、メーカーごとに仕様が異なる。そのため、状況の詳細をデータ化する場合、仕様ごとに異なるデータ仕様となる。そのため、監視センターは、受信するデータを、メーカーごとの仕様に従い読解し、状況の詳細を把握することとなり、困難である。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、様々なメーカーごとの監視・制御等のための機器の仕様の違いがあっても、ネットワーク等を介してこれら機器を遠隔監視することを容易にする遠隔監視システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0011】
請求項1の発明に係る遠隔監視システムは、
施設(例えば、図1に示す施設2)内の一室(例えば、図1に示す防災センター3)に設置され、当該一室(例えば、図1に示す防災センター3)内の設置機器(例えば、図1に示す自動火災報知設備31a、中央監視盤31b、ガス漏れ警報盤31c、呼出ボタン32)を撮像する撮像装置(例えば、図1に示す第1カメラ35a、第2カメラ35b)と、警報送信装置(例えば、図1に示す送信機34)と、サーバ(例えば、図1に示すサーバ10)と、監視者端末(例えば、図1に示す監視者端末11)と、がネットワーク(例えば、図1に示すネットワークN)を介して接続されている遠隔監視システムにおいて、
前記警報送信装置(例えば、図1に示す送信機34)は、前記施設(例えば、図1に示す施設2)内の異常を検知すると、前記撮像装置(例えば、図1に示す第1カメラ35a、第2カメラ35b)が撮像すべき前記設置機器を特定する情報(例えば、図4(a)に示す異常信号を送信した設置機器tbl_Sb、あるいは撮像する設置機器tbl_Sc)を含む警報を前記サーバ(例えば、図1に示すサーバ10)に送信し(例えば、図5に示すステップS1-1)、
前記サーバ(例えば、図1に示すサーバ10)は、前記情報(例えば、図4(a)に示す異常信号を送信した設置機器tbl_Sb、あるいは撮像する設置機器tbl_Sc)に基づき、前記撮像装置(例えば、図1に示す第1カメラ35a、第2カメラ35b)への動作指示(例えば、図4(a)に示す動作指示tbl_Sd)を決定し(例えば、図5に示すステップS1-2)、当該動作指示を前記撮像装置(例えば、図1に示す第1カメラ35a、第2カメラ35b)に送信し(例えば、図5に示すステップS1-3)、
前記撮像装置(例えば、図1に示す第1カメラ35a、第2カメラ35b)は、受信した前記動作指示(例えば、図4(a)に示す動作指示tbl_Sd)に基づき動作し(例えば、図5に示すステップS1-4)、
前記監視者端末(例えば、図1に示す監視者端末11)に、前記撮像装置(例えば、図1に示す第1カメラ35a、第2カメラ35b)が撮像する前記設置機器(例えば、図4(a)に示す撮像する設置機器tbl_Sc)の画像が表示(例えば、図7に示す監視画面12)することを特徴としている。
【0012】
請求項2の発明に係る遠隔監視システムは、
前記警報送信装置(例えば、図1に示す送信機34)は、前記設置機器(例えば、図1に示す自動火災報知設備31a、中央監視盤31b、ガス漏れ警報盤31c、呼出ボタン32)から異常信号を受信することにより、前記施設(例えば、図1に示す施設2)内の異常を検知し、
前記撮像装置(例えば、図1に示す第1カメラ35a、第2カメラ35b)が撮像すべき前記設置機器(例えば、図4(a)に示す撮像する設置機器tbl_Sc)を特定する情報は、前記異常信号を送信した前記設置機器を特定する情報(例えば、図4(a)に示す異常信号を送信した設置機器tbl_Sb)であって、
前記サーバ(例えば、図1に示すサーバ10)は、前記異常信号を送信した前記設置機器(例えば、図4(a)に示す異常信号を送信した設置機器tbl_Sb)に応じて、前記撮像装置(例えば、図1に示す第1カメラ35a、第2カメラ35b)が撮像する前記設置機器(例えば、図4(a)に示す撮像する設置機器tbl_Sc)を決定し、以て、前記撮像装置(例えば、図1に示す第1カメラ35a、第2カメラ35b)へ発する動作指示を決定してなる(例えば、図5に示すステップS1-2)ことを特徴としている。
【0013】
請求項3の発明に係る遠隔監視システムは、
さらに、前記施設(例えば、図1に示す施設2)が属する地域(例えば、図4(b)に示すエリアtbl_Fc)を決定し(例えば、図8に示すステップS2-1)、当該地域(例えば、図4(b)に示すエリアtbl_Fc)に属する前記施設(例えば、図1に示す施設2)の管理を行う人員に、前記撮像装置(例えば、図1に示す第1カメラ35a、第2カメラ35b)が撮像する前記設置機器(例えば、図4(a)に示す撮像する設置機器tbl_Sc)の画像を送信してなる(例えば、図8に示すステップS2-2、S2-4)ことを特徴としている。
【0014】
請求項4の発明に係る遠隔監視方法は、
施設(例えば、図1に示す施設2)内の一室(例えば、図1に示す防災センター3)に設置され、当該一室(例えば、図1に示す防災センター3)内の設置機器(例えば、図1に示す自動火災報知設備31a、中央監視盤31b、ガス漏れ警報盤31c、呼出ボタン32)を撮像する撮像装置(例えば、図1に示す第1カメラ35a、第2カメラ35b)と、警報送信装置(例えば、図1に示す送信機34)と、サーバ(例えば、図1に示すサーバ10)と、監視者端末(例えば、図1に示す監視者端末11)と、がネットワーク(例えば、図1に示すネットワークN)を介して接続されている遠隔監視方法において、
前記警報送信装置(例えば、図1に示す送信機34)は、前記施設(例えば、図1に示す施設2)内の異常を検知すると、前記撮像装置(例えば、図1に示す第1カメラ35a、第2カメラ35b)が撮像すべき前記設置機器を特定する情報(例えば、図4(a)に示す異常信号を送信した設置機器tbl_Sb、あるいは撮像する設置機器tbl_Sc)を含む警報を前記サーバ(例えば、図1に示すサーバ10)に送信するステップ(例えば、図5に示すステップS1-1)と、
前記サーバ(例えば、図1に示すサーバ10)は、前記情報(例えば、図4(a)に示す異常信号を送信した設置機器tbl_Sb、あるいは撮像する設置機器tbl_Sc)に基づき、前記撮像装置(例えば、図1に示す第1カメラ35a、第2カメラ35b)への動作指示(例えば、図4(a)に示す動作指示tbl_Sd)を決定し(例えば、図5に示すステップS1-2)、当該動作指示を前記撮像装置(例えば、図1に示す第1カメラ35a、第2カメラ35b)に送信するステップ(例えば、図5に示すステップS1-3)と、
前記撮像装置(例えば、図1に示す第1カメラ35a、第2カメラ35b)は、受信した前記動作指示(例えば、図4(a)に示す動作指示tbl_Sd)に基づき動作させるステップ(例えば、図5に示すステップS1-4)と、
前記監視者端末(例えば、図1に示す監視者端末11)に、前記撮像装置(例えば、図1に示す第1カメラ35a、第2カメラ35b)が撮像する前記設置機器(例えば、図4(a)に示す撮像する設置機器tbl_Sc)の画像が表示(例えば、図7に示す監視画面12)されるステップと、を含んでなることを特徴としている。
【0015】
請求項5の発明に係る遠隔監視装置は、
施設(例えば、図1に示す施設2)内の一室(例えば、図1に示す防災センター3)に設置され、当該一室(例えば、図1に示す防災センター3)内の設置機器(例えば、図1に示す自動火災報知設備31a、中央監視盤31b、ガス漏れ警報盤31c、呼出ボタン32)を撮像する撮像装置(例えば、図1に示す第1カメラ35a、第2カメラ35b)と、警報送信装置(例えば、図1に示す送信機34)と、監視者端末(例えば、図1に示す監視者端末11)と、にネットワーク(例えば、図1に示すネットワークN)を介して接続されている遠隔監視装置において、
前記警報送信装置(例えば、図1に示す送信機34)が、前記施設(例えば、図1に示す施設2)内の異常を検知すると送信する、前記撮像装置(例えば、図1に示す第1カメラ35a、第2カメラ35b)が撮像すべき前記設置機器を特定する情報(例えば、図4(a)に示す異常信号を送信した設置機器tbl_Sb、あるいは撮像する設置機器tbl_Sc)を含む警報(例えば、図5に示すステップS1-1)を受信する警報受信手段(例えば、図3に示す通信部10b)と、
前記情報(例えば、図4(a)に示す異常信号を送信した設置機器tbl_Sb、あるいは撮像する設置機器tbl_Sc)に基づき、前記撮像装置(例えば、図1に示す第1カメラ35a、第2カメラ35b)への動作指示(例えば、図4(a)に示す動作指示tbl_Sd)を決定(例えば、図5に示すステップS1-2)する動作指示決定手段(動作指示決定部10a1)と、
前記動作指示を前記撮像装置(例えば、図1に示す第1カメラ35a、第2カメラ35b)に送信(例えば、図5に示すステップS1-3)する動作指示送信手段(動作指示送信部10a2)と、
前記撮像装置(例えば、図1に示す第1カメラ35a、第2カメラ35b)が前記動作指示(例えば、図4(a)に示す動作指示tbl_Sd)に基づき動作し(例えば、図5に示すステップS1-4)、前記監視者端末(例えば、図1に示す監視者端末11)に撮像する前記設置機器(例えば、図4(a)に示す撮像する設置機器tbl_Sc)の画像を表示(例えば、図7に示す監視画面12)させる監視端末制御手段と、を有してなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0017】
請求項1、4、5に係る発明によれば、
発生した異常に対応して、一室内の設置機器(例えば、図4(a)に示す撮像する設置機器tbl_Sc)が前記監視者端末(例えば、図1に示す監視者端末11)に表示されるから、これら設置機器に表示される状況の詳細を、監視者端末の表示部にて確認することができる(例えば、図7に示す監視画面12)。そのため、どのような仕様の設置機器であっても、画像の送受信により、設置機器に表示される状況の詳細を遠隔監視することができる。
【0018】
しかして、本発明によれば、様々なメーカーごとの監視・制御等のための設置機器の仕様の違いがあっても、ネットワーク等を介してこれら機器を遠隔監視することが容易となる。
【0019】
さらに、請求項2に係る発明によれば、異常信号を送信した設置機器(例えば、図4(a)に示す異常信号を送信した設置機器tbl_Sb)と、撮像装置が撮像する設置機器(例えば、図4(a)に示す撮像する設置機器tbl_Sc)とを予め対応付けることにより、遠隔監視することがより容易になる。
【0020】
さらに、請求項3に係る発明によれば、迅速に、施設管理を行う人員に状況の詳細の表示(「2階で火災が発生」「1階給湯室ガス漏れ」等の表示(液晶画面上での表示、ランプ点灯等)(図示せず))を共有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係る遠隔監視システムの一実施形態を示すブロック図である。
図2】同実施形態に係るカメラにあらかじめ設定された、外部から受ける動作指示と、それに対応する動作の対応を示す図である。
図3】同実施形態に係る図1に示すサーバの制御部を示すブロック図である。
図4】(a)~(c)は図1のサーバに格納されているデータテーブルを示す図である。
図5】同実施形態に係る遠隔監視システムの一使用例を示すフローチャート図である。
図6】(a)(b)は監視センターの監視者端末に表示される、平常時の監視画面を示す。
図7】(a)(b)は監視センターの監視者端末に表示される、異常時の監視画面を示す。
図8】同実施形態に係る遠隔監視システムにおける、従業員への通知方法の一例を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る遠隔監視システムの一実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
【0023】
<全体システムの説明>
遠隔監視システムは、図1に示すように、施設2内の防災センター3に設置される第1カメラ35a、第2カメラ35bと、送信機34と、遠隔監視センター1のサーバ10と、監視者端末11とが、ネットワークNを介して接続されている。
【0024】
なお、図1に示す施設2は、商業施設、オフィスビル等であって、火災等の災害の監視・消防設備の制御を集中的に行い、あるいは非常用エレベーターや空調設備等といった設備機器の監視を集中的に行う防災センター3(防災センター、守衛室や管理室等)のある施設である。
【0025】
また、図1に示す防災センター3内には、上記のような集中的な監視・制御を行うために、自動火災報知設備31a、中央監視盤31b、ガス漏れ警報盤31c等といった機器が設置される。これら設置機器は、センサ30a~30cが煙やガス等の検知により異常を検知すると、これらセンサ30a~30cから信号を受信する。そして、センサ30a~30cから信号を受信した設置機器は、受信した信号に応じて、状況の詳細の表示(「2階で火災が発生」「1階給湯室ガス漏れ」等の表示(液晶画面上での表示、ランプ点灯等)(図示せず))を行う。
【0026】
なお、防災センター3に設置される呼出ボタン32は、防災センター3内の施設員等により押下すると、遠隔監視センター1と通話可能になるというものである。通話に際しては、防災センター3内には、1または複数のマイク・スピーカーMが設置されており、このマイク・スピーカーMを介して、正常時、あるいは異常発生時に、遠隔監視センター1の監視者と会話をすることができる。
【0027】
以下、上記のような集中的な監視・制御を行うために防災センター3に設置される機器を、まとめて設置機器という場合がある。設置機器には、呼出ボタン32を含み、防犯カメラの映像を映し出す表示装置など、図1に具体的に示さないが、施設の集中的な監視・制御を行うための機器を含む。
【0028】
また、遠隔監視センター1は、複数エリア(図1に示すエリアA及び図示しない他のエリア)の各施設の遠隔監視を行う。
【0029】
また、図1に示すエリアAには、エリアセンターA0がある。エリアセンターA0は、遠隔監視センター1の指示により、エリアA内の施設(施設2、施設A1)で異常事態が起きた際に人員を派遣等して対応する。
【0030】
ネットワークNは、電話回線あるいはインターネット回線の通信網である。なお、例えば送信機34からサーバ10への通信は電話回線で行い、サーバ10から第1カメラ35a、第2カメラ35bへの通信はインターネット回線で行う、というように、両方の通信網を利用することとしても良い。
【0031】
<撮像装置の説明>
第1カメラ35a、第2カメラ35bは、防災センター3内の自動火災報知設備31a等の表示(「2階で火災が発生」「1階給湯室ガス漏れ」等の表示(液晶画面上での表示、ランプ点灯等)(図示せず))、あるいは防災センター3内全体を撮像するものである。なお、図1に示すように、本実施形態においては、ガス漏れ警報盤31cは、第1カメラ35aの撮影可能領域R1内にないため、第2カメラ35bを別途設置している。
【0032】
第1カメラ35aは、図2に示す動作テーブルtbl_D1のような設定を予め記憶している。具体的には、動作テーブルtbl_D1の動作指示tbl_D1aの番号を、サーバ10からネットワークNを介して指示されると、第1カメラ35aは、当該番号に対応する動作tbl_D1bに従い、パン動作、チルト動作、ズーム動作をする。同様に、第2カメラ35bは、図2に示す動作テーブルtbl_D2のような設定を予め記憶し、ネットワークNを介したサーバ10からの指示に従い動作する。
【0033】
<監視者端末の説明>
監視者端末11は、図1に示すように、モニタ11a、スピーカー11b、及びマイク11cを備える。監視者はスピーカー11b、マイク11cを用いて、平常時、あるいは異常発生時に、施設の防災センター3にいる従業員等と会話をすることができる。一方、モニタ11aには、第1カメラ35a、第2カメラ35bが撮像する自動火災報知設備31a等の表示(「2階で火災が発生」「1階給湯室ガス漏れ」等の表示(液晶画面上での表示、ランプ点灯等)(図示せず))、あるいは防災センター3内全体が表示される。
【0034】
平常時のモニタ11aの表示について、図6を用いて具体的に説明する。モニタ11aには図6(a)に示すように、監視画面12が表示されており、合計9つの施設の防災センターのライブ映像12a0、12a1が表示されている。各ライブ映像の上部には施設名12dが表示されている。(なお、施設2はカメラが2台あるため、第1カメラ35aの撮像画像には「施設2(1/2)」、第2カメラ35bの撮像画像には「施設2(2/2)」と表示されている。)また、各ライブ映像の右上には、録画中であることを示す丸印12cが表示されている。
【0035】
監視画面12の左上に示すライブ映像モードボタン12eは、ライブ映像を表示するためのボタンである。ライブ映像は常時録画されており、録画再生モードボタン12f押下により、再生する事ができる。
【0036】
また、インターホンボタン12gは、遠隔監視センター1内の監視者が押下すると、防災センター3と通話可能になるというものである。さらに、イベント履歴ボタン12hは、イベント履歴(図5のステップS1-7参照)を表示するためのボタンである。
【0037】
また、図6(a)に示す、「施設2(1/2)」と表示される施設2の防災センター3のライブ映像12a1上をクリックすると、図6(b)に示すように、「施設2(1/2)」の防災センター3のライブ映像12a1が1画面で表示される。
【0038】
この1画面表示では、リモートコントローラー12b1が表示される。これは、ライブ映像12a1を撮像する第1カメラ35a(図1参照)を動作させるためのものである。具体的には、リモートコントローラー12b1は、チルト・パン操作ボタン12b2(第1カメラ35aをチルト動作、パン動作させる)、ズーム操作ボタン12b3(第1カメラ35aをズーム動作させる)、動作番号ボタン12b4(動作番号ボタン12b4の1~9の各番号は、第1カメラ35aが予め記憶している動作テーブルtbl_D1(図2参照)の動作指示tbl_D1aの1~9の各番号に対応する。例えば動作番号ボタン12b4の「1」を押下すると、第1カメラ35aは、動作指示tbl_D1aの「1」に対応する動作tbl_D1b「パン角0°、チルト角0°、ズーム5倍」の通りにパン動作、チルト動作、ズーム動作をする。)を備える。また、閉じるボタン12b5を押下すると、リモートコントローラー12b1は非表示となる。
【0039】
次に、異常が発生した時のモニタ11aの表示について、図7を用いて具体的に説明する。モニタ11aには、図7(a)に示すように、監視画面12が表示され、「施設2(1/2)」に異常が発生していることを示す強調表示12i(防災センターのライブ映像12a1の周囲を赤枠で囲む、点灯させる等)が表示されている。なお、同時に、スピーカー11b(図1参照)からアラーム12jが出力される。
【0040】
また、図7(a)に示す、「施設2(1/2)」と表示される施設2の防災センター3のライブ映像12a1上をクリックすると、図7(b)に示すように、「施設2(1/2)」の防災センター3のライブ映像12a1が1画面で表示される。1画面表示においても、「施設2(1/2)」に異常が発生していることを示す強調表示12i(防災センターのライブ映像12a1の周囲を赤枠で囲む、点灯させる等)が表示されている。なお、同時に、スピーカー11b(図1参照)からアラーム12jが出力される。
【0041】
<送信機の説明>
送信機34は、施設2内の異常を検知すると、サーバ10に警報を送信するものである。より具体的には、例えば、図1に示すセンサ30aが煙を検知するなど異常を検知すると、自動火災報知設備31aはセンサ30aから異常信号を受信する。そして、自動火災報知設備31aは、火災発生の表示(「2階で火災が発生」等の表示(液晶画面上での表示、ランプ点灯等)(図示せず))を行う一方、自動火災報知設備31aの移報出力端子に接続されている有線のアナログ信号回路33aを介し、送信機34に異常信号を送信(移報)する。
【0042】
このようにして、送信機34は信号回路33aを介して異常信号を受信することとなり、これにより、施設2内で異常を検知したと判断し、異常信号を送信した設置機器を自動火災報知設備31aと特定する情報を含む警報を、サーバ10に送信する。
【0043】
なお、同様に、センサ30b、センサ30cが異常を検知した場合も、中央監視盤31b、ガス漏れ警報盤31cを介して、送信機34が異常信号を受信し、異常信号を送信した設置機器を中央監視盤31bあるいはガス漏れ警報盤31cとして、サーバ10に警報を送信することとなる。
【0044】
また、図1に示す呼出ボタン32が押下された場合も、送信機34は異常信号を受信したとして、異常信号を送信した設置機器を呼出ボタン32として、サーバ10に警報を送信することとなる。
【0045】
<サーバの説明>
遠隔監視センター1のサーバ10は、図1に示すように、CPU等からなる制御部10aと、無線LAN,有線LAN,ダイヤルアップ等の通信手段でネットワークNに接続が可能な通信部10bと、データベース10cとで構成されている。
【0046】
データベース10cには、動作指示テーブルtbl_S、施設テーブルtbl_F、従業員テーブルtbl_J(図4(a)~(c)参照)が格納されている。
【0047】
以下、制御部10aについて、図3を参照して具体的に説明する。
【0048】
<制御部の説明>
図3に示すように、制御部10aは、判断部10a0と、動作指示決定部10a1と、動作指示送信部10a2と、監視者端末制御部10a3と、通知先決定部10a4と、通知部10a5と、で構成されている。以下、各構成について詳しく説明することとする。
【0049】
<判断部の説明>
判断部10a0は、判断部10a0が保持する状態または、各機能ブロックが保持する状態に基づいて、各機能ブロック間との情報をやり取りすると共に、通信部10bを介して、送信機34、第1カメラ35a、第2カメラ35bとの情報をやり取りし、さらに、データベース10c、監視者端末11とのやり取りも行うものである。
【0050】
<動作指示決定部の説明>
動作指示決定部10a1は、通信部10bを介して送信機34から受信した警報に応じて、第1カメラ35a、第2カメラ35bへ発する動作指示を決定するものである。より具体的には、施設2の送信機34から、通信部10bを介して、異常信号を送信した設置機器を自動火災報知設備31aと特定する情報を含む警報を受信した場合、動作指示決定部10a1は、図4(a)に示す動作指示テーブルtbl_Sを参照し、施設tbl_Saが「施設2」で、異常信号を送信した設置機器tbl_Sbが「自動火災報知設備」であるレコードR1を特定する。そして、レコードR1の撮像する設置機器tbl_Scが「自動火災報知設備」、動作指示tbl_Sdが「第1カメラ:2」であることから、自動火災報知設備31aを撮像するために動作指示を「2」と決定する。
【0051】
なお、上記の例では、異常信号を送信した設置機器tbl_Sbと、撮像する設置機器tbl_Scは同じであるが、必ずしも一致せずとも良い。例えば、レコードR2のように、異常信号を送信した設置機器tbl_Sbが呼出ボタンの場合、撮像する設置機器tbl_Scは室内全体(防災センター3内全体を撮像する)としてもよい。
【0052】
<動作指示送信部の説明>
動作指示送信部10a2は、動作指示決定部10a1にて決定した動作番号を、ネットワークNを介して、第1カメラ35a、第2カメラ35bに送信するものである。具体的には、動作指示決定部10a1により動作指示tbl_Sdが「第1カメラ:2」と特定されたことから、動作指示は第1カメラ35aに送信すると決定する。そして、通信部10bを使用して、ネットワークNを介して第1カメラ35aに送信する。
【0053】
<監視者端末制御部の説明>
監視者端末制御部10a3は、監視者が施設2で異常が発生したことにいち早く注意を向けられるよう、図1に示す監視者端末11のモニタ11aやスピーカー11bを制御するものである。具体的には、まず、動作指示決定部10a1と同様にしてレコードR1を特定し、レコードR1の施設tbl_Saが「施設2」、動作指示tbl_Sdが「第1カメラ:2」であることから、監視画面12のうち施設2の第1カメラ35aの撮像画像である防災センターのライブ映像12a1(図7(a)(b)参照)を特定する。
【0054】
次に、図7(a)(b)に示すように、防災センターのライブ映像12a1に強調表示12i(防災センターのライブ映像12a1の周囲を赤枠で囲む、点灯させる等)を表示する。同時に、スピーカー11b(図1参照)からアラーム12jを出力する。
【0055】
さらに、監視者端末制御部10a3は、イベント履歴(図示せず)に「2022/06/06 09:12:01 施設2の自動火災報知設備より警報を受信 対応中」と記録する。
【0056】
<通知先決定部の説明>
通知先決定部10a4は、施設2にて異常が発生したことを、施設2の管理を担当する者、例えば、エリアセンターA0の従業員に通知するにあたり、施設2のエリアを決定するものである。具体的には、通知先決定部10a4は、図4(b)の施設テーブルtbl_Fを参照し、施設tbl_Faが「施設2」であるレコードR3を特定する。そして、レコードR3のエリアtbl_Fc「エリアA」を読み出し、これを通知先エリアと決定する。
【0057】
なお、通知先決定部10a4は、通知先をエリアではなく、従業員としても良い。具体的には、通知先決定部10a4は、図4(c)の従業員テーブルtbl_Jを参照し、エリアtbl_Jdが、上記の通り決定した通知エリアと同じ「エリアA」であるレコードR4、R5を特定する。さらに、通知先決定部10a4は、従業員が出勤中かどうかを示す出勤中tbl_Jeを参照して、出勤中tbl_Jeが「○」であるレコードR4の従業員を、通知先従業員と決定する。
【0058】
なお、出勤中tbl_Jeは、例えば以下のようにして、出勤中かどうかを示すことができる。まず、従業員が業務用のスマートフォン、PC端末等を用いて、出勤時に業務用アプリケーション(図示せず)へのログインなどをしたときに、業務用アプリケーション(図示せず)が従業員テーブルtbl_Jの出勤中tbl_Jeに「○」を入力する。して、同様に、退勤時に業務用アプリケーションからログアウトなどをしたときに、業務用アプリケーション(図示せず)が従業員テーブルtbl_Jの出勤中tbl_Jeの「○」を削除する。このようにすれば、出勤中tbl_Jeは、各従業員が出勤中かどうかを示すことができる。
【0059】
<通知部の説明>
通知部10a5は、決定した通知先エリアあるいは通知先従業員に対し、施設2にて異常が発生したことを通知するものである。通知する方法はどのようなものでもよいが、例えば、通知先エリアに対する通知の場合、図4(c)に示す従業員テーブルtbl_Jのエリアtbl_Jdが「エリアA」の従業員が共通してメッセージを受信できる業務用アプリケーションのチャットルーム等に対し、通知部10a5が、「施設2で異常が発生しました。」とのメッセージや、第1カメラ35a、第2カメラ35bが撮像する画像(あるいはその画像にアクセスできるURLなど)を送信してもよい。
【0060】
また、通知先従業員に対する通知の場合、図4(c)に示す従業員テーブルtbl_Jの連絡先tbl_Jcにショートメールを送信してもよい。
【0061】
<遠隔監視システムの使用例の説明>
次に、上記のような遠隔監視システムの使用例について、図5を参照して具体的に説明する。なお、以下の内容はあくまで一例であり、これに限定されるものではない。
【0062】
まず、送信機34はサーバ10に対し、警報を送信する(ステップS1-1)。具体的には、図1に示す施設2に設置されたセンサ30aが、煙を検知するなど異常を検知すると、自動火災報知設備31aは、火災発生の表示(「2階で火災が発生」「1階給湯室ガス漏れ」等の表示(液晶画面上での表示、ランプ点灯等)(図示せず))を行う一方、送信機34に異常信号を送信(移報)する。
【0063】
そして、図1に示す送信機34は、異常信号を送信した設置機器を自動火災報知設備31aと特定する情報を含む警報を、ネットワークNを介してサーバ10に送信する。
【0064】
次に、動作指示決定部10a1は、異常信号を送信した設置機器に応じ、動作番号を読み出す(ステップS1-2)。すなわち、送信機34からの警報に含まれる、異常信号を送信した設置機器を自動火災報知設備31aと特定する情報から、動作指示tbl_Sdが「第1カメラ:2」と特定できる。そのため、第1カメラの動作番号を「2」と決定する(図4(a)レコードR1参照)。
【0065】
次に、動作指示送信部10a2は、動作指示決定部10a1が決定した動作指示「2」を、通信部10bを使用し、ネットワークNを介して、第1カメラ35aに送信する(ステップS1-3)。なお、このとき、動作指示tbl_Sdが「第1カメラ:2」のみであることに基づき、第2カメラ35bには動作指示は送信しない。
【0066】
第1カメラ35aは、サーバ10から動作指示「2」を受信すると、図2に示す動作テーブルtbl_D1を参照し、動作指示tbl_D1aが「2」の箇所を特定する。そして、特定した箇所の動作tbl_D1bの動作に従い、第1カメラ35aはパン動作、チルト動作、ズーム動作をする。
【0067】
この結果、第1カメラ35aは、防災センター3内の自動火災報知設備31aの表示(「2階で火災が発生」等の表示(液晶画面上での表示、ランプ点灯等)(図示せず))を撮像する。なお、撮像画像は、ネットワークNを介してサーバ10に送信される。
【0068】
なお、第2カメラ35bは、今回は動作指示を受信しないため、パン動作、チルト動作、ズーム動作を行わないが、撮像は常時行っている。
【0069】
一方、サーバ10側では、監視者端末制御部10a3が、図7に示すように、モニタ11aに表示されている監視画面12の、施設2の強調表示12i(防災センターのライブ映像12a1の周囲を赤枠で囲む、点灯させる等)を表示する。なお、同時に、スピーカー11b(図1参照)からアラーム12jを出力する。
【0070】
さらに、監視者端末制御部10a3は、イベント履歴に「2022/06/06 09:12:01 施設2の自動火災報知設備より警報を受信 対応中」などと記録する(ステップS1-7)。
【0071】
上記のようにして、サーバ10は、異常信号を送信した設置機器から撮像する設置機器を決定し、第1カメラ35a、第2カメラ35bに動作指示を行う。そして、第1カメラ35a、第2カメラ35bが撮像する設置機器の表示(「2階で火災が発生」「1階給湯室ガス漏れ」等の表示(液晶画面上での表示、ランプ点灯等)(図示せず))、あるいは防災センター3全体の様子を撮像し、監視者端末11にて確認できることとなる。
【0072】
上記のようにすれば、発生した異常に関連する、防災センター3内の設置機器に表示される状況の詳細を、監視者端末11にて確認することができる。そのため、どのような仕様の設置機器であっても、画像の送受信により、設置機器に表示される状況の詳細を遠隔監視することができる。
【0073】
しかして、本発明によれば、様々なメーカーごとの監視・制御等のための設置機器の仕様の違いがあっても、ネットワーク等を介して遠隔監視することが容易となる。
【0074】
ところで、遠隔監視システムは、さらに、施設2にて異常が発生したことを、図1に示すエリアセンターA0の従業員に通知する事ができるため、具体的に説明する。
【0075】
まず、通知先決定部10a4は、図4(b)の施設テーブルtbl_Fを参照し、「施設2のエリアとして「エリアA」を読み出し、これを通知先エリアと決定する(ステップS2-1)。
【0076】
次に、通知部10a5は、通知先決定部10a4が決定した通知先エリアに対し、施設2にて異常が発生したことを通知する(ステップS2-2)。すなわち、「エリアA」の従業員が共通してメッセージを受信できる業務用アプリケーションのチャットルームに対し、「施設2で異常が発生しました。」とのメッセージや、第1カメラ35a、第2カメラ35bが撮像する画像を送信する。そして、従業員端末(図示せず)は、通知部10a5が送信したメッセージが従業員により読まれたら、「既読通知」を送信する(ステップS2-3)。
【0077】
次に、サーバ10は、従業員端末(図示せず)から「既読通知」を一定時間受信しなければ、「施設2で異常が発生しました。」とのメッセージや、第1カメラ35a、第2カメラ35bが撮像する画像を、今度は個々の従業員ではなく、エリアセンターA0(図1参照)の代表的な連絡先に対して送信する(ステップS2-4)。通知部10a5が送信したメッセージが読まれたら、エリアセンターA0のPC端末等は「既読通知」を送信し(ステップS2-5)、人員を派遣等する。サーバ10は、エリアセンターA0のPC端末等からも「既読通知」を一定時間受信しなければ、エラーが生じたことを監視者端末11のモニタ11aに表示(図示せず)することとなる(ステップS2-6)。
【0078】
このようにして、「エリアA」の従業員は、通知部10a5のメッセージや第1カメラ35aの撮像画像を見て、自動火災報知設備31aの液晶画面やランプで表示される火災発生現場に向かい、状況を確認するなどして、対応する。なお、この対応の際に、対応に当たる従業員は防災センター3に設置されるマイク・スピーカーMを用い、遠隔監視センター1の監視者は監視者端末11のスピーカー11bおよびマイク11cを用いることにより、互いに、火災発生現場の状況の報告・確認、指示を仰ぐ・与える等のコミュニケーションをとることができる。
【0079】
対応が完了したら、従業員は、防災センター3に入り、自動火災報知設備31aの状況の詳細の表示(「2階で火災が発生」「1階給湯室ガス漏れ」等の表示(液晶画面上での表示、ランプ点灯等)(図示せず))から、通常の状態に復旧させる。これを監視者端末11のモニタ11aにて確認した監視者は、図示しない完了ボタンを押下するなどして、モニタ11aやスピーカー11bの強調表示12iやアラーム12jを停止させ、イベント履歴に「2022/06/06 09:12:01 施設2の自動火災報知設備より警報を受信 対応中」を「完了」として上書きする。
【0080】
以上のことより、本実施形態によれば、迅速に人員に状況の詳細の表示(「2階で火災が発生」「1階給湯室ガス漏れ」等の表示(液晶画面上での表示、ランプ点灯等)(図示せず))を共有することができる。
【0081】
なお、本実施形態において示した遠隔監視システムはあくまで一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において種々の変形・変更が可能である。
【0082】
例えば、本実施形態においては、送信機34は異常信号を送信した設置機器tbl_Sbをサーバ1に送信し、サーバ1が対応する撮像する設置機器tbl_Scを特定する。しかし、施設2側で、異常信号を送信した設置機器tbl_Sと撮像する設置機器tbl_Scを対応付ける変換テーブルを保持し(例えば送信機34がそのような変換テーブルを保持し)、異常信号を送信した設置機器tbl_Sbに基づき撮像する設置機器tbl_Scを施設2側で決定し(例えば送信機34が決定し)、撮像する設置機器tbl_Scをサーバ1に送信してもよい。
【0083】
しかしながら、本実施形態のように、送信機34は異常信号を送信した設置機器tbl_Sbをサーバ1に送信し、サーバ1が対応する撮像する設置機器tbl_Scを特定することとすれば、施設2側で変換テーブルを保持する必要がないから、施設2が本実施形態に係るシステムを容易に導入できる。よって、遠隔監視することがより容易になる。
【0084】
また、例えば、本実施形態においては、設置機器として、自動火災報知設備31a、中央監視盤31b、ガス漏れ警報盤31c、呼出ボタン32を挙げたが、これに限られない。例えば、施設2内の防犯カメラの画像から、人が倒れたなどの異常が発生したと判断したコンピュータ(図示せず)が異常信号を送信機34に送信し、防災センター3内の防犯カメラの映像を撮像することとしても良い。
【0085】
また、本実施形態においては、撮像機器が動作テーブルtbl_D1等を予め記憶しているが、サーバ10がこれを記憶し、動作指示送信部10a2は、動作指示決定部10a1が決定した動作指示(「1」など)に対応する動作(「パン角0°、チルト角0°、ズーム5倍」など)を第1カメラ35a等に送信してもよい。
【0086】
また、本実施形態においては、送信機34は、有線のアナログ信号回路33a~33dで各設置機器と接続されることにより、異常信号を送信した設置機器を特定することができるが、通信方法はこれに限られない。例えば、有線・無線のLANなどで通信をおこなっても良い。
【符号の説明】
【0087】
10 サーバ
10a1 動作指示決定部
10a2 動作指示送信部
10a3 監視者端末制御部
10b 通信部(警報受信手段)
11 監視者端末
12 監視画面
2 施設
3 防災センター(一室)
31a 自動火災報知設備(設置機器)
31b 中央監視盤(設置機器)
31c ガス漏れ警報盤(設置機器)
32 呼出ボタン(設置機器)
34 送信機(警報送信手段)
35a 第1カメラ(撮像手段)
35b 第2カメラ(撮像手段)
A 地域(エリア)
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8