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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041291
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】空調換気システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/74 20180101AFI20240319BHJP
   F24F 7/06 20060101ALI20240319BHJP
   F24F 7/08 20060101ALI20240319BHJP
   F24F 13/02 20060101ALI20240319BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20240319BHJP
   F24F 11/64 20180101ALI20240319BHJP
   F24F 3/044 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
F24F11/74
F24F7/06 L
F24F7/08 A
F24F13/02 D
F24F7/007 B
F24F11/64
F24F3/044
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146013
(22)【出願日】2022-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小松 正樹
【テーマコード(参考)】
3L053
3L056
3L058
3L080
3L260
【Fターム(参考)】
3L053BB01
3L053BB03
3L053BB05
3L056BD01
3L058BG04
3L080AA04
3L260AA16
3L260AB06
3L260AB07
3L260BA09
3L260BA16
3L260CA17
3L260EA19
3L260FC06
3L260HA01
(57)【要約】
【課題】建物内の複数の室の何れかにウイルスの感染者が滞在していた場合に、二次感染者の発生を抑制できる空調換気システムを提供する。
【解決手段】複数の給気ダクトは複数の室にそれぞれ対応して設けられ、複数の還気ダクトは複数の室にそれぞれ対応して設けられる。複数の第1の開閉部は、複数の給気ダクトをそれぞれ閉塞し、複数の第2の開閉部は、複数の還気ダクトをそれぞれ閉塞するように構成される。予め定められた条件の非成立時、制御装置は、複数の給気ダクトを開放し、複数の還気ダクトを開放するように、複数の第1および第2の開閉部を制御する。上記条件の成立時には、制御装置は、第1の部屋に対応する第1の給気ダクトを閉塞するとともに第1の還気ダクトを開放し、かつ、第1の部屋に隣接する第2の部屋に対応する第2の給気ダクトを開放するととも第2の還気ダクトを閉塞するように、複数の第1および第2の開閉部を制御する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に設けられた複数の室を空調および換気するための空調換気システムであって、
外気を取り込んで前記複数の室に送る給気を生成するとともに、前記複数の室からの還気を受けて前記建物の外部へ排出する空調機と、
前記複数の室にそれぞれ対応して設けられ、対応する室に前記給気を送るための複数の給気ダクトと、
前記複数の室にそれぞれ対応して設けられ、対応する室からの前記還気を前記空調機に送るための複数の還気ダクトと、
前記複数の給気ダクトをそれぞれ閉塞するための複数の第1の開閉部と、
前記複数の還気ダクトをそれぞれ閉塞するための複数の第2の開閉部と、
制御装置とを備え、
前記複数の室は、互いに隣接する第1の室および第2の室を含み、
前記複数の給気ダクトは、前記給気を前記第1の室および前記第2の室にそれぞれ送るための第1の給気ダクトおよび第2の給気ダクトを含み、
前記複数の還気ダクトは、前記第1の室および前記第2の室から前記還気をそれぞれ受けるための第1の還気ダクトおよび第2の還気ダクトを含み、
予め定められた条件の非成立時には、前記制御装置は、前記複数の給気ダクトを開放するとともに前記複数の還気ダクトを開放するように、前記複数の第1の開閉部および前記複数の第2の開閉部を制御する一方で、
前記条件の成立時には、前記制御装置は、前記第1の給気ダクトを閉塞するとともに前記第1の還気ダクトを開放し、かつ、前記第2の給気ダクトを開放するとともに前記第2の還気ダクトを閉塞するように、前記複数の第1の開閉部および前記複数の第2の開閉部を制御する、空調換気システム。
【請求項2】
前記複数の室は、前記第1の室に隣接しない第3の室をさらに含み、
前記複数の給気ダクトは、前記給気を前記第3の室に送るための第3の給気ダクトを含み、
前記複数の還気ダクトは、前記第3の室から前記還気をそれぞれ受けるための第3の還気ダクトを含み、
前記条件の成立時には、前記制御装置はさらに、前記第3の給気ダクトを開放するとともに前記第3の還気ダクトを開放するように、前記複数の第1の開閉部および前記複数の第2の開閉部を制御する、請求項1に記載の空調換気システム。
【請求項3】
前記空調機は、
前記給気を前記複数の給気ダクトへ送るための第1の通気経路と、
前記還気を前記建物の外部へ排出するための第2の通気経路と、
前記第1の通気経路と前記第2の通気経路とを連通させるための第3の開閉部とを含み、
前記条件の非成立時には、前記制御装置は、前記第3の開閉部を開放する一方で、
前記条件の成立時には、前記制御装置は、前記第1の通気経路と前記第2の通気経路とを遮断するように、前記第3の開閉部を制御する、請求項1に記載の空調換気システム。
【請求項4】
前記条件は、前記第1の室にウイルスの感染者が発生したという情報を受け付けたことを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の空調換気システム。
【請求項5】
前記複数の室にそれぞれ対応して設けられ、対応する室内の空気中の所定の物質を検出するための複数のセンサをさらに備え、
前記条件は、前記第1の室内の空気に前記所定の物質が検出されたことを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の空調換気システム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記複数の室の対応関係が予め定められたテーブルを有しており、前記条件が成立したことに応じて、前記テーブルを参照することにより、前記第1の室に基づいて、前記第2の室を特定する、請求項1に記載の空調換気システム。
【請求項7】
前記複数の第1の開閉部は、前記複数の給気ダクトにそれぞれ設けられた複数の給気ダンパを含み、
前記複数の第2の開閉部は、前記複数の還気ダクトにそれぞれ設けられた複数の還気ダンパを含み、
前記条件の非成立時には、前記制御装置は、前記複数の給気ダンパを開くとともに、前記複数の還気ダンパを開く一方で、
前記条件の成立時には、前記制御装置は、前記第1の給気ダクトに設けられた前記給気ダンパを閉じるとともに前記第1の還気ダクトに設けられた前記還気ダンパを開き、かつ、前記第2の給気ダクトに設けられた前記給気ダンパを開くとともに前記第2の還気ダクトに設けられた前記還気ダンパを閉じる、請求項1に記載の空調換気システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空調換気システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2022-33475号公報(特許文献1)には、建物内の複数の部屋を空調し、換気する空調換気システムが開示されている。この空調換気システムでは、複数の部屋以外の部屋である療養室に有害物質が発生した場合には、療養室に設けられた気密性の高いドアの排気口を完全に閉じた状態にし、室外への排気口を完全に開けた状態で、換気扇を大風量で運転させることによって、療養室を室外に対して負圧とし、療養室内の有害物質を室外に排出させる。その他の部屋では、排気風量を正圧モードを同じ風量を維持することで、有害物質が他の部屋に拡散するリスクを低減させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-33475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の部屋のうちの何れかにおいてウイルスの感染者が発生した場合、建具または天井裏を経由して、感染者が発生した部屋に隣接する部屋に、感染者の飛沫またはエアロゾル等の飛沫よりも細かい微粒子が流れ込む可能性がある。その結果、隣接する部屋等にて二次感染者が発生してしまう可能性がある。
【0005】
二次感染者の発生を未然に防止するためには、特許文献1に記載される療養室のように、各部屋に気密性の高いドアを設け、ウイルスの感染者が発生した部屋のドアの排気口を閉じた状態にし、室外への排気口を開けた状態で、換気扇を大風量で運転させることによって、当該部屋を室外に対して負圧とすることが考えられる。ただし、各部屋に気密性の高いドア、気密性の高い排気口、および大風量の換気扇を設けて、部屋ごとに排気口に設けられた開閉機構および換気扇を制御する必要が生じる。
【0006】
本開示はこのような問題点を解決するためになされたものであって、本開示の目的は、建物内の複数の室の何れかにウイルスの感染者が滞在していた場合に、二次感染者の発生を抑制することができる空調換気システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る空調換気システムは、建物に設けられた複数の室を空調および換気する。空調換気システムは、空調機と、複数の給気ダクトと、複数の還気ダクトと、複数の第1の開閉部と、複数の第2の開閉部と、制御装置とを備える。空調機は、外気を取り込んで複数の室に送る給気を生成するとともに、複数の室からの還気を受けて建物の外部へ排出する。複数の給気ダクトは、複数の室にそれぞれ対応して設けられ、対応する室に給気を送る。複数の還気ダクトは、複数の室にそれぞれ対応して設けられ、対応する室からの還気を空調機に送る。複数の第1の開閉部は、複数の給気ダクトをそれぞれ閉塞することが可能に構成される。複数の第2の開閉部は、複数の還気ダクトをそれぞれ閉塞することが可能に構成される。複数の室は、互いに隣接する第1の室および第2の室を含む。複数の給気ダクトは、給気を第1の室および第2の室にそれぞれ送るための第1の給気ダクトおよび第2の給気ダクトを含む。複数の還気ダクトは、第1の室および第2の室から還気をそれぞれ受けるための第1の還気ダクトおよび第2の還気ダクトを含む。予め定められた条件の非成立時には、制御装置は、複数の給気ダクトを開放するとともに複数の還気ダクトを開放するように、複数の第1の開閉部および複数の第2の開閉部を制御する。上記条件の成立時には、制御装置は、第1の給気ダクトを閉塞するとともに第1の還気ダクトを開放し、かつ、第2の給気ダクトを開放するととも第2の還気ダクトを閉塞するように、複数の第1の開閉部および複数の第2の開閉部を制御する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、建物内のどの室にウイルスの感染者が滞在していた場合においても、二次感染者の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る空調換気システムの構成例を概略的に示す図である。
図2】空調換気システムの通常運転を説明するための図である。
図3】ある1つの部屋に感染者が発生した場合における空調換気システムの動作を説明するための図である。
図4】ある2つの部屋に感染者が発生した場合における空調換気システムの動作を説明するための図である。
図5】テーブルの一例を示す図である。
図6】制御テーブルの一例を示す図である。
図7】制御装置による給気ダンパ、還気ダンパおよびモータダンパの制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。
図8】実施の形態2に係る空調換気システムの構成例を概略的に示す図である。
図9】制御装置による給気ダンパ、還気ダンパおよびモータダンパの制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では、図中の同一または相当部分について同一符号を付して、その説明は原則的に繰り返さないものとする。
【0011】
[実施の形態1]
<空調換気システムの構成例>
図1は、実施の形態1に係る空調換気システム100の構成例を概略的に示す図である。実施の形態1に係る空調換気システム100は、建物200内に設けられた複数の室RMを空調および換気するためのシステムである。本実施の形態における「室」は、壁等で仕切られた区画を示し、「部屋」とも称する。ただし、「室」は部屋に限定されず、共用部分である廊下、ロビー等の区画を含んでもよい。
【0012】
図1には、建物200のフロアにおける複数の部屋RMを天井から見た平面図が模式的に示されている。空調換気システム100は、6つの部屋RM1~RM6を空調および換気するように構成されている。
【0013】
フロアの中央部分にはコアゾーン202が設けられている。コアゾーン202には、図示しないエレベーター等の昇降機が設置されている。6つの室RM1~RM6は、コアゾーン202を囲むように配置されている。以下、部屋RM1~RM6を「部屋RM」と総称することがある。
【0014】
互いに隣接する2つの部屋RMは、壁等によって仕切られている。ただし、壁には扉等の開閉可能な建具が設けられているため、開放された建具を経由して、一方の部屋RMと他方の部屋RMとの間に気流(空気の流れ)が形成される場合がある。また、複数の部屋RMの天井裏が繋がっている場合には、天井裏を経由して、複数の部屋RMの間に気流が形成される可能性がある。
【0015】
空調換気システム100は、空調機10と、外気ダクトOD、給気ダクトSD0~SD6と、排気ダクトEDと、還気ダクトRD0~RD6と、モータダンパMD1~MD3と、給気ダンパSAD1~SAD6と、還気ダンパRAD1~RAD6と、制御装置20とを備える。
【0016】
空調機10は、建物200内の空気を調和する。空調機10は、例えば、建物200の天井裏または床下に設置することもできる。
【0017】
空調機10には、外気OAを建物200内に取り込むための外気ダクトODの下流端、および、排気EAを建物200の外部に排出するための排気ダクトEDの上流端が接続されている。外気ダクトODの上流端および排気ダクトEDの下流端は、建物200の外部に向けて開口している。
【0018】
外気ダクトODには、外気ダクトODを開閉するためのモータダンパMD1が介挿接続されている。モータダンパMD1の開度を調整することにより、外気OAの風量を調整することができる。
【0019】
排気ダクトEDには、排気ダクトEDを開閉するためのモータダンパMD2が介挿接続されている。モータダンパMD2の開度を調整することにより、排気EAの風量を調整することができる。
【0020】
空調機10にはさらに、給気ダクトSD0の上流端、および、還気ダクトRDの下流端が接続されている。給気ダクトSD0は、複数の給気ダクトSD1~SD6に分岐されている。給気ダクトSD1~SD6の上流端は、給気ダクトSDに接続されている。給気ダクトSD1~SD6の下流端は、部屋RM1~RM6の各々に設けられた吹出口にそれぞれ接続されている。以下、給気ダクトSD1~SD6を「給気ダクトSD」と総称することがある。
【0021】
還気ダクトRD0は、複数の還気ダクトRD1~RD6に分岐されている。還気ダクトRD1~RD6の上流端は、部屋RM1~RM6の各々に設けられた吸込口にそれぞれ接続されている。還気ダクトRD1~RD6の下流端は、還気ダクトRDに接続されている。以下、還気ダクトRD1~RD6を「還気ダクトRD」と総称することがある。
【0022】
空調機10は、冷温水コイル12と、給気ファン14と、還気ファン16と、モータダンパMD3とを含んで構成されている。
【0023】
冷温水コイル12および給気ファン14は、外気ダクトODの下流端から給気ダクトSDの上流端に至る第1の通気経路上に配置されている。冷温水コイル12は、図示しない熱源機から循環路を介して冷却用熱媒体(例えば、冷水)および加熱用熱媒体(例えば、温水)の供給を受けるように構成されている。
【0024】
給気ファン14が作動すると、建物200の外部から外気ダクトODを経由して外気OAが空調機10に取り込まれる。空調機10に取り込まれた外気OAは、冷温水コイル12を通流することによって、冷却用熱媒体または加熱用熱媒体と熱交換されてその温度が調整される。具体的には、冷却用熱媒体が冷温水コイル12に供給されている場合には、外気OAは冷却される。加熱用熱媒体が冷温水コイル12に供給されている場合には、外気OAは加熱される。
【0025】
給気ファン14は、冷温水コイル12によって温度調整された外気OAを、給気SAとして、給気ダクトSD0に送る。給気ダクトSD0に送られた給気SAは、給気ダクトSD1~SD6へ分流される。給気ダクトSD1~SD6へ分流された給気SAは、部屋RMごとに設けられた吹出口から部屋RM1~RM6に送られる。
【0026】
還気ファン16は、還気ダクトRD0の下流端から排気ダクトEDの上流端に至る第2の通気経路上に配置されている。還気ファン16が作動すると、部屋RM1~RM6の空気が、還気RAとして、部屋RMごとに設けられた吸込口から還気ダクトRD1~RD6にそれぞれ取り込まれる。還気ダクトRD1~RD6に取り込まれた還気RAは、還気ダクトRD0にて合流されて空調機10へ送られる。還気ファン16は、送られた還気RAを、排気EAとして、排気ダクトEDを経由して建物200の外部へ排出する。
【0027】
空調機10の内部において、第1の通気経路と第2の通気経路との間には、モータダンパMD3が配置されている。モータダンパMD3を開くことによって、第1の通気経路と第2の通気経路が連通される。この場合、第2の通気経路を通流する還気RAの一部が、第1の通気経路に流入し、空調機10に取り込まれた外気OAと合流される。合流された空気が、給気SAとして給気ダクトSD0に送られる。還気RAと外気OAとの混合比は、モータダンパMD3の開度調整によって調整することができる。
【0028】
一方、モータダンパMD3を閉じることによって、第1の通気経路と第2の通気経路とが遮断される。この場合、第2の通気経路から第1の通気経路への還気RAの流入が遮断されるため、還気RAの一部は外気OAに合流されない。
【0029】
給気ダクトSD1~SD6には、給気ダンパSAD1~SAD6がそれぞれ介挿接続されている。給気ダンパSADi(iは1以上6以下の整数)は、部屋RMiに接続されている給気ダンパSDiを開閉可能に構成されている。以下、給気ダンパSAD1~SAD5を「給気ダンパSAD」と総称することがある。給気ダンパSADは「第1の開閉部」の一実施例に対応する。第1の開閉部は、給気ダクトSDを全閉/全開することができればよく、給気ダンパに限定されるものではない。
【0030】
給気ダンパSDiを開く(全開する)ことにより、給気ダクトSDiが開放され、部屋RMiに給気SAが送られる。一方、給気ダンパSADiを閉じる(全閉する)ことにより、給気ダクトSDiが閉塞され、部屋RMiへの給気SAの流入が遮断される。すなわち、給気ダンパSADiの全開/全閉によって、部屋RMiへの給気SAの供給および遮断を切り替えることができる。
【0031】
還気ダクトRD1~RD6には、還気ダンパRAD1~RAD6がそれぞれ介挿接続されている。還気ダンパRADiは、部屋RMiに接続されている還気ダンパRDiを開閉可能に構成されている。以下、還気ダンパRAD1~RAD6を「還気ダンパRAD」と総称することがある。還気ダンパRADは「第2の開閉部」の一実施例に対応する。第2の開閉部は、還気ダクトRDを全閉/全開することができればよく、給気ダンパに限定されるものではない。
【0032】
還気ダンパRDiを開く(全開する)ことにより、還気ダクトRDiが開放され、部屋RMiの空気が、還気RAとして還気ダクトRDiに送られる。一方、還気ダンパRADiを閉じる(全閉する)ことにより、還気ダクトRDiが閉塞され、部屋RMiからの還気RAの流出が遮断される。すなわち、還気ダンパRADiの全開/全閉によって、部屋RMiからの還気RAの取り込みおよび遮断を切り替えることができる。
【0033】
制御装置20は、空調換気システム100の運転を制御する。具体的には、制御装置20は、空調機10(給気ファン14、還気ファン16および冷温水コイル12)の運転を制御するとともに、モータダンパMD1~MD3の開度を調整する。
【0034】
制御装置20はさらに、給気ダンパSAD1~SAD6の開閉、および還気ダンパRAD1~RAD6の開閉を制御する。制御装置20は、給気ダンパSAD1~SAD6および還気ダンパRAD1~RAD6の各々を、全開および全閉の何れかの状態に切り替える。
【0035】
制御装置20は、主たる構成要素として、プロセッサ22と、メモリ24と、通信I/F(Interface)26とを含む。これらのコンポーネントは、図示しないバスを経由して、相互にデータの授受が可能である。
【0036】
メモリ24の一部領域にはプログラムが格納されており、プロセッサ22が当該プログラムを実行することで、後述する給気ダンパSADおよび還気ダンパRADの制御を含む各種処理を実現することができる。プログラムには、給気ダンパSADおよび還気ダンパRADの制御するための制御テーブルが含まれている。
【0037】
通信I/F26は、空調換気システム100の外部と情報を遣り取りするための装置である。通信I/F26は、後述するように、ユーザ(建物200の管理者)が使用する端末から、建物200内のウイルスの感染者が発生した部屋(感染者が滞在していた部屋)に関する情報を受信する。
【0038】
図1の例とは異なり、制御装置20の少なくとも一部については、FPGA(Field Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の回路を用いて構成することができる。また、制御装置20の少なくとも一部について、アナログ回路によって構成することもできる。
【0039】
<空調換気システムの動作>
次に、実施の形態1に係る空調換気システム100の動作について説明する。
【0040】
図2は、空調換気システム100の通常運転を説明するための図である。図2には、給気SAおよび還気RAの流れが矢印で示されている。
【0041】
図2に示すように、通常運転時には、給気ダンパSAD1~SAD6が開かれるとともに、還気ダンパRAD1~RAD6が開かれる。モータダンパMD1~MD3は開かれている。外気OAの風量、排気EAの風量および、還気RAと外気OAとの混合比は、モータダンパMD1~MD3の開度によりそれぞれ調整される。
【0042】
空調機10の給気ファン14が作動すると、空調機10に取り込まれた外気OAが冷温水コイル12によって温度調整され、給気SAとして、給気ダクトSD0に送られる。給気ダクトSD0に送られた給気SAは、給気ダクトSD1~SD6へ分流され、部屋RMごとに設けられた吹出口から部屋RM1~RM6へそれぞれ送られる。
【0043】
また、空調機10の還気ファン16が作動すると、部屋RM1~RM6の空気が、還気RAとして、部屋RMごとに設けられた吸込口から還気ダクトRD1~RD6にそれぞれ取り込まれ、還気ダクトRD0にて合流されて空調機10へ送られる。空調機10に送られた還気RAは、排気EAとして建物200の外部へ排出される。このとき、還気RAの一部が外気OAに合流される。
【0044】
このように通常運転時には、各部屋RMに対応して設けられた給気ダクトSDおよび還気ダクトRDが開放される。これにより、空調機10に取り込まれた外気OAが、給気SAとして各部屋RMに送られる。また、各部屋RMの空気が、還気RAとして空調機10に送られ、その一部が外気OAに合流され、残りが屋外に排出される。このようにして各部屋RMの空調および換気を行うことができる。
【0045】
通常運転時、1つの部屋RMの空気は、開放された建具(ドア等)を経由して、隣接する他の部屋RMに流入する可能性がある。このため、ある部屋RMにウイルスの感染者が滞在している場合、当該部屋RMの空気中に含まれる感染者の飛沫またはエアロゾル等の飛沫よりも細かい微粒子(以下、「飛沫等」とも称する)が、他の部屋RMに流れ込む可能性がある。
【0046】
また、各部屋RMの天井裏が繋がっている場合にが、天井裏を経由して他の部屋RMに感染者の飛沫等が流れ込む可能性がある。この場合、感染者が発生した部屋RMに近い部屋RMでは飛沫等が流れ込む可能性が高くなるが、感染者が発生した部屋RMから遠いほど飛沫等が流れ込む可能性が低くなる。
【0047】
このように感染者が発生した部屋RMから他の部屋RMに感染者の飛沫等が流れ込むことによって、当該他の部屋RMにて二次感染者が発生してしまう可能性がある。したがって、二次感染者の発生を防ぐためには、他の部屋RMへの感染者の飛沫等の流入を抑制する必要がある。
【0048】
実施の形態1に係る空調換気システム100は、給気ダクトSD1~SD6にそれぞれ対応して設けられた給気ダンパSAD1~SAD6、および還気ダクトRD1~RD6にそれぞれ対応して設けられた還気ダンパRAD1~RAD6の開閉を制御することにより、感染者が発生した部屋RMから他の部屋RMへの空気の流入を抑制するように構成される。
【0049】
図3は、ある1つの部屋RMに感染者が発生した場合における空調換気システム100の動作を説明するための図である。図3には、部屋RM2に感染者が発生した場合における給気SAおよび還気RAの流れが矢印で示されている。
【0050】
図3に示すように、部屋RM2に感染者が発生した場合には、給気ダンパSAD2が閉じられ、還気ダンパRAD2が開かれる。これにより、給気ダクトSD2が閉塞される一方で、還気ダクトRD2が開放される。
【0051】
感染者が発生した部屋RM2に隣接する部屋RM1,RM3においては、給気ダンパSAD1,SAD3が開かれ、還気ダンパRAD1,RAD3が閉じられる。これにより、給気ダクトSD1,SD3が開放される一方で、還気ダクトRD1,RD3が閉塞される。図3では、閉塞されているダクトSD2,RD1,RD3には空気が通流しないため、その図示を省略している。
【0052】
感染者が発生した部屋RM2に隣接しない部屋RM4~RM6においては、図2に示した通常運転時と同様に、給気ダンパSAD4~SAD6が開かれ、還気ダンパRAD4~RAD6が開かれる。これにより、給気ダクトSD4~SD6が開放され、還気ダクトRD4~RD6が開放される。
【0053】
さらに、空調機10の内部では、モータダンパMD3が閉じられる。これにより、第1の通気経路と第2の通気経路とが遮断されるため、第2の通気経路から第1の通気経路への還気RAの流入が遮断される。
【0054】
空調機10の給気ファン14が作動すると、空調機10に取り込まれた外気OAが冷温水コイル12によって温度調整され、給気SAとして、給気ダクトSD0に送られる。給気ダクトSD0に送られた給気SAは、開放されている給気ダクトSD1,SD3,SD4~SD6へ分流され、部屋RMごとに設けられた吹出口から部屋RM1,RM3,RM4~RM6へそれぞれ送られる。このとき、給気ダクトSD2は閉塞されているため、部屋RM2には給気SAが送られない。
【0055】
空調機10の還気ファン16が作動すると、開放している還気ダクトRD2,RD4~RD6に、部屋RM2,RM4~RM6の空気が、還気RAとしてそれぞれ取り込まれる。一方、還気ダクトRD1,RD3は閉塞されているため、部屋RM1,RM3の空気は還気ダクトRD1,RD3に取り込まれない。還気ダクトRD2,RD4~RD6に取り込まれた還気RAは、還気ダクトRD0にて合流されて空調機10へ送られる。空調機10に送られた還気RAは、排気EAとして建物200の外部へ排出される。このとき、モータダンパMD3が閉じられているため、還気RAの一部は外気OAに合流されない。
【0056】
これにより、感染者が発生した部屋RM2では、給気SAが与えられず、還気RAの取り込みのみが行われる。還気のみとなることで、部屋RM2内の気圧は、部屋RM2の外部の気圧よりも低くなる状態(負圧)となる。
【0057】
これに対して、部屋RM2に隣接する部屋RM1,RM3では、還気RAの取り込みが行われず、給気SAの供給のみが行われる。給気のみとなることで、部屋RM1,RM3内の気圧は、部屋RM1,RM3の外部の気圧よりも高くなる状態(正圧)となる。
【0058】
このように部屋RM2が負圧となり、かつ、部屋RM1,RM3が正圧となることによって、部屋RM2から部屋RM1,RM3への空気の流入が抑制される。そのため、部屋RM2から部屋RM1,RM3へ感染者の飛沫等が流出することを抑制できる。
【0059】
さらに図3に示すように、部屋RM2と部屋RM1,RM3との間には、部屋RM1,RM3の空気が、開放された建具または天井裏を経由して部屋RM2に流入する通気経路が形成される。すなわち、部屋RM2には、部屋RM1,RM3の空気が与えられる。そして、部屋RM2の空気とともに、部屋RM1,RM3の空気が還気ダクトRD2に取り込まれて、還気ダクトRD0を経由して空調機10に送られることになる。よって、部屋RM1~RM3の空調および換気を行うことができる。
【0060】
部屋RM2に隣接しない部屋RM4~RM6においては、図2に示した通常運転時と同様に、給気ダクトSD4~SD6から給気SAが与えられ、かつ、室内の空気が還気RAとして還気ダクトRD4~RD6に取り込まれる。上述したように部屋RM2は負圧となっているため、天井裏を経由して、部屋RM4~RM6に感染者の飛沫等が流入することがない。
【0061】
また、空調機10の内部ではモータダンパMD3が閉じられているため、感染者の飛沫等を含んだ還気RAの一部が外気OAに合流され、給気SAとして、部屋RM1,RM3,RM4~RM6に送られることがない。
【0062】
図4は、ある2つの部屋RMに感染者が発生した場合における空調換気システム100の動作を説明するための図である。図4には、部屋RM2,RM6に感染者が発生した場合における給気SAおよび還気RAの流れが矢印で示されている。
【0063】
図4に示すように、部屋RM2,RM6に感染者が発生した場合には、給気ダンパSAD2,SAD6が閉じられ、還気ダンパRAD2,RAD6が開かれる。これにより、給気ダクトSD2,SD6が閉塞される一方で、還気ダクトRD2,SD6が開放される。
【0064】
感染者が発生した部屋RM2,RM6の少なくとも一方に隣接する部屋RM1,RM3,RM5においては、給気ダンパSAD1,SAD3,SAD5が開かれ、還気ダンパRAD1,RAD3,RAD5が閉じられる。これにより、給気ダクトSD1,SD3,SD5が開放される一方で、還気ダクトRD1,RD3,RD5が閉塞される。図4では、閉塞されているダクトSD2,SD6,RD1,RD3,RD5には空気が通流しないため、その図示を省略している。
【0065】
感染者が発生した部屋RM2,RM6の何れにも隣接しない部屋RM4においては、図2に示した通常運転時と同様に、給気ダンパSAD4が開かれ、還気ダンパRAD4が開かれる。これにより、給気ダクトSD4が開放され、還気ダクトRD4が開放される。
【0066】
さらに、空調機10の内部では、モータダンパMD3が閉じられる。これにより、第1の通気経路と第2の通気経路とが遮断されるため、第2の通気経路から第1の通気経路への還気RAの流入が遮断される。
【0067】
空調機10の給気ファン14が作動すると、空調機10に取り込まれた外気OAが冷温水コイル12によって温度調整され、給気SAとして、給気ダクトSD0に送られる。給気ダクトSD0に送られた給気SAは、開放されている給気ダクトSD1,SD3,SD4,SD5へ分流され、部屋RMごとに設けられた吹出口から部屋RM1,RM3,RM4,RM5へそれぞれ送られる。このとき、給気ダクトSD2,SD6は閉塞されているため、部屋RM2,RM6には給気SAが送られない。
【0068】
空調機10の還気ファン16が作動すると、開放している還気ダクトRD2,RD4,RD6に、部屋RM2,RM4,RM6の空気が、還気RAとしてそれぞれ取り込まれる。一方、還気ダクトRD1,RD3,RD5は閉塞されているため、部屋RM1,RM3,RM5の空気は還気ダクトRD1,RD3,RD5に取り込まれない。還気ダクトRD2,RD4,RD6に取り込まれた還気RAは、還気ダクトRD0にて合流されて空調機10へ送られる。空調機10に送られた還気RAは、排気EAとして建物200の外部へ排出される。このとき、モータダンパMD3が閉じられているため、還気RAの一部は外気OAに合流されない。
【0069】
これにより、感染者が発生した部屋RM2,RM6では、給気SAが与えられず、還気RAの取り込みのみが行われるため、部屋RM2,RM6内は負圧となる。これに対して、部屋RM2,RM6の少なくとも一方に隣接する部屋RM1,RM3,RM5では、還気RAの取り込みが行われず、給気SAの供給のみが行われるため、部屋RM1,RM3,RM5内は正圧となる。
【0070】
部屋RM2,RM6が負圧となり、かつ、部屋RM1,RM3,RM5が正圧となることにより、部屋RM2,RM6から部屋RM1,RM3,RM5への空気の流入が抑制されるため、部屋RM2,RM6から部屋RM1,RM3,RM5へ感染者の飛沫等が流出することを抑制することができる。
【0071】
図4に示すように、部屋RM2と部屋RM1,RM3との間には、部屋RM1,RM3の空気が、開放された建具または天井裏を経由して部屋RM2に流入する通気経路が形成される。したがって、部屋RM2には、部屋RM1,RM3の空気が流れ込む。部屋RM2の空気とともに、部屋RM1,RM3の空気が還気ダクトRD2に取り込まれる。
【0072】
同様に、部屋RM6と部屋RM3,RM5との間には、部屋RM3,RM5の空気が、開放された建具または天井裏を経由して部屋RM6に流入する通気経路が形成される。部屋RM6には、部屋RM3,RM5の空気が流れ込む。部屋RM6の空気とともに、部屋RM3,RM5の空気が還気ダクトRD6に取り込まれる。よって、部屋RM1~RM3,RM5,RM6の空調および換気を行うことができる。
【0073】
部屋RM2,RM6に隣接しない部屋RM4においては、図2に示した通常運転時と同様に、給気ダクトSD4から給気SAが与えられ、かつ、室内の空気が還気RAとして還気ダクトRD4に取り込まれる。上述したように部屋RM2,RM6は負圧となっているため、天井裏を経由して、部屋RM4に感染者の飛沫等が流入することがない。
【0074】
また、空調機10の内部ではモータダンパMD3が閉じられているため、感染者の飛沫等を含んだ還気RAの一部が外気OAに合流され、給気SAとして、部屋RM1,RM3,RM4,RM5に送られることがない。
【0075】
以上説明したように、実施の形態1に係る空調換気システム100は、感染者が発生した部屋に対しては、給気SAを与え、還気RAの取り込みを行わないことにより、当該部屋を負圧とする一方で、当該部屋に隣接する他の部屋に対しては、給気SAを与えず、還気RAの取り込みのみを行うことにより、当該他の部屋を正圧とする。これにより、感染者が発生した部屋およびこれに隣接する他の部屋の空調および換気を行いながら、感染者が発生した部屋から隣接する他の部屋に、感染者の飛沫等が流入することを抑制することができる。また、感染者が発生した部屋に隣接しない他の部屋に対しては、感染者の飛沫等が流入する可能性が低いため、通常運転と同様に、給気SAを与えるとともに、還気RAの取り込みを行うことにより、通常通り、空調および換気を行うことができる。
【0076】
上述した空調換気システム100の動作は、制御装置20が、給気ダンパSAD1~SAD6および還気ダンパRAD1~RAD6の開閉を制御することによって実現される。具体的には、制御装置20は、予めメモリ24に記憶されているテーブル(図5および図6参照)に従って、給気ダンパSAD1~SAD6および還気ダンパRAD1~RAD6の開閉を制御する。このテーブルには、ウイルスの感染者が発生した部屋と、当該部屋以外の部屋との関係が定められている。
【0077】
図5は、テーブルの一例を示す図である。テーブルは、発生室と対応室との関係を対応付けるものである。本明細書において「発生室」とは、ウイルスの感染者が発生した部屋(ウイルスの感染者が滞在していた部屋)を意味する。「対応室」は、発生室の空気が流入する可能性があるため、当該流入を抑制するための対応が必要となる部屋を意味する。
【0078】
図5に示すように、テーブルには、図1に示した部屋RM1~RM6の各々が発生室に対応する場合に、どの部屋が対応室に該当するかが定められている。なお、テーブル中、「1」は対応室に該当する部屋であることを意味し、「0」は対応室に該当する部屋でないこと(すなわち、非対応室であること)を意味している。
【0079】
具体的には、部屋RM1が発生室である場合の対応室は、部屋RM2,RM4である。なお、部屋RM2,RM4は、部屋RM1に隣接する部屋に相当する。部屋RM2が発生室である場合の対応室は、部屋RM1,RM3である。なお、部屋RM3,RM6は、部屋RM2に隣接する部屋に相当する。
【0080】
部屋RM3が発生室である場合の対応室は、部屋RM2,RM6である。部屋RM5が発生室である場合の対応室は、部屋RM4,RM6である。部屋RM6が発生室である場合の対応室は、部屋RM3,RM5である。
【0081】
なお、図4に示したように発生室が2以上の場合には、対応室は、各発生室の対応室の和集合となる。例えば、部屋RM2,RM6が発生室である場合の対応室は、部屋RM1,RM3,RM5となる。
【0082】
発生室と対応室との対応関係は、事前にユーザが設定することができる。したがって、建物200の構造等を考慮して、発生室に隣接する部屋に限らず、隣接する部屋以外の部屋を対応室に設定することもできる。
【0083】
ユーザにより図5に示すテーブルが設定されると、当該テーブルに基づいて、給気ダンパSAD1~SAD6および還気ダンパRAD1~RAD6を制御するための制御テーブルが生成される。制御テーブルは、各給気ダンパSADおよび各還気ダンパRADを、全開および全閉の何れかの状態に切り替える制御を行うためのテーブルである。
【0084】
図6は、制御テーブルの一例を示す図である。図6に示すように、制御テーブルには、発生室における給気ダンパSADおよび還気ダンパRADの制御と、対応室における給気ダンパSADおよび還気ダンパRADの制御と、非対応室における給気ダンパSADおよび還気ダンパRADの制御とが定められている。発生室に対してどの部屋が対応室に該当し、どの部屋が非対応室に対応するかは、図5に示した対応関係に基づいている。
【0085】
制御テーブル中、「SAD(開)」は給気ダンパSADを全開にすることを意味し、「SAD(閉)」は給気ダンパSADを全閉にすることを意味する。「RAD(開)」は還気ダンパRADを全開にすることを意味し、「RAD(閉)」は還気ダンパRADを全閉にすることを意味する。
【0086】
具体的には、部屋RM1が発生室である場合には、給気ダンパSAD1を全閉とし、還気ダンパRAD1を全開とする。また、部屋RM1が発生室である場合、対応室である部屋RM2において、給気ダンパSAD2を全開とし、還気ダンパRAD2を全開とする。さらに、対応室である部屋RM4においても、給気ダンパSAD4を全開とし、還気ダンパRAD4を全開とする。
【0087】
一方、部屋RM1が発生室である場合に非対応室となる部屋RM3,RM5,RM6においては、給気ダンパSADを全開とし、還気ダンパRADを全開とする。
【0088】
このように図5に示す制御テーブルには、発生室に対応する給気ダンパSADおよび還気ダンパRADの制御と、対応室に対応する給気ダンパSADおよび還気ダンパRADの制御と、非対応室に対応する給気ダンパSADおよび還気ダンパRADの制御とが定められている。
【0089】
発生室では、対応する給気ダンパSADが全閉とされ、対応する還気ダンパRADが全開されることにより、給気ダンパSDが閉塞され、かつ、還気ダンパRDが開放される。よって、発生室では給気SAが与えられず、還気RAの取り込みのみが行われるため、発生室は負圧となる。
【0090】
対応室では、対応する給気ダンパSADが全開とされ、対応する還気ダンパRADが全閉されることにより、給気ダンパSDが開放され、かつ、還気ダンパRDが閉塞される。よって、対応室では給気SAが与えられる一方で、還気RAの取り込みが行われないため、対応室は正圧となる。
【0091】
非対応室では、対応する給気ダンパSDが開放され、かつ、対応する還気ダンパRDが開放される。よって、非対応室では通常通り、給気SAの供給、および還気RAの取り込みが行われる。
【0092】
制御装置20は、発生室に関する情報を取得すると、図6に示した制御テーブルを参照することにより、各部屋RMに対応する給気ダンパSADおよび還気ダンパRADの開閉を制御する。これにより、空調機10と部屋RM1~RM6との間に、図3および図4に例示した通気経路が形成されて、各部屋RMの空調および換気が行われる。この通気経路では、対応室に送り込まれた空気が発生室に流入し、発生室から還気ダクトRDRに送り出されるため、発生室および対応室の空調および換気を行いつつ、発生室から対応室に感染者の飛沫等が流入することを抑制できる。また、発生室からの空気の流出が抑制されるため、非対応室では、通常通り、空調および換気を行うことができる。
【0093】
<処理フロー>
図7は、制御装置20による給気ダンパSAD、還気ダンパRADおよびモータダンパMD3の制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【0094】
図7に示すように、ステップS01により、制御装置20は、ユーザにより設定された、発生室と対応室との対応関係を示すテーブル(図5参照)を取得する。テーブルには、図1に示した部屋RM1~RM6の各々が発生室に対応する場合に、どの部屋が対応室に該当するかが定められている。制御装置20は、取得したテーブルをメモリ24に格納する。
【0095】
制御装置20は、ステップS02により、取得したテーブルに基づいて、各部屋RMに設けられた給気ダンパSADおよび換気ダンパRADを制御するための制御テーブル(図6参照)を生成する。制御テーブルには、発生室における給気ダンパSADおよび還気ダンパRADの制御と、対応室における給気ダンパSADおよび還気ダンパRADの制御と、非対応室における給気ダンパSADおよび還気ダンパRADの制御とが定められている。制御装置20は、生成した制御テーブルをメモリ24に格納する。
【0096】
ステップS03において、制御装置20は、ユーザ(建物200の管理者)の端末から、発生室に関する情報を受信したか否かを判定する。発生室に関する情報には、ウイルスの感染者が発生した部屋(ウイルスの感染者が滞在していた部屋)の識別情報(部屋番号等)が含まれている。
【0097】
ステップS03にて発生室に関する情報を受信していない場合(S03のNO判定時)には、制御装置20は、空調換気システム100の通常運転を実行する。具体的には、ステップS09により、空調機10内のモータダンパMD3を開く。モータダンパMD3を開くことによって、還気RAの一部が空調機10に取り込まれた外気OAと合流される。制御装置20は、還気RAと外気OAとの混合比が所望の値となるように、モータダンパMD3の開度を調整する。
【0098】
制御装置20は、続いてステップS10により、部屋RM1~RM6にそれぞれ設けられた給気ダンパSAD1~SAD6を全開とするとともに、還気ダンパRAD1~RAD6を全開とする。空調機10の給気ファン14および還気ファン16が作動すると、部屋RM1~RM6の空調および換気が行われる。通常運転時には、図2に示したように、空調機10に取り込まれた外気OAが、給気ダクトSD0および給気ダクトSD1~SD6をそれぞれ経由して、給気SAとして部屋RM1~RM6に送られる。また、部屋RM1~RM6の空気が、還気ダクトRAD1~RAD6および還気ダクトRD0をそれぞれ経由して、還気RAとして空調機10に送られる。還気RAの一部が外気OAに合流され、還気RAの残りが排気EAとして屋外に排出される。
【0099】
ステップS03に戻って、ユーザの端末から、発生室に関する情報を受信した場合(S03のYES判定時)には、制御装置20は、ステップS04により、受信した情報に基づいて発生室を特定するとともに、発生室と対応室との対応関係を示すテーブル(図5参照)を参照することにより、対応室を特定する。当該テーブルでは、発生室に隣接する部屋が対応室に設定されている。
【0100】
制御装置20は、ステップS05により、空調機10内のモータダンパMD3を閉じる。モータダンパMD3を閉じることによって、感染者の飛沫等を含んだ還気RAの一部が外気OAに合流されることを防ぐことができる。
【0101】
制御装置20は、続いて制御テーブル(図6参照)に従って、各部屋RMに設けられた給気ダンパSADおよび還気ダンパRADの開閉を制御する。具体的には、制御装置20は、ステップS06により、発生室に設けられた給気ダンパSADを全閉とするとともに、還気ダンパRADを全開とする。制御装置20はさらに、ステップS07により、対応室に設けられた給気ダンパSADを全開とするとともに、還気ダンパRADを全閉とする。
【0102】
空調機10の給気ファン14および還気ファン16が作動すると、部屋RM1~RM6の空調および換気が行われる。図3および図4に示したように、空調機10に取り込まれた外気OAが、給気ダクトSD0および対応室および非対応室に接続される給気ダクトSDを経由して、給気SAとして対応室および非対応室に送られる。また、発生室および非対応室の空気が、発生室および非対応室に接続される還気ダクトRADおよび還気ダクトRD0を経由して、還気RAとして空調機10に送られる。空調機10に送られた還気RAは、排気EAとして屋外に排出される。
【0103】
空調換気システム100の運転中、制御装置20は、ステップS08により、ユーザの端末から、発生室の特定を解除する解除情報を受信したか否かを判定する。発生室から感染者が退出し、発生室内の消毒および除菌等によって二次感染者が発生する可能性が低いと判断される場合、発生室の特定が解除される。
【0104】
発生室の解除情報を受信していない場合(S08のNO判定時)には、制御装置20は、S05~S07の処理を継続して実行する。一方、発生室の解除情報を受信した場合(S08のYES判定時)には、制御装置20は、S09,S10の処理を行うことにより、空調換気システム100を通常運転に戻す。
【0105】
以上説明したように、実施の形態1に係る空調換気システム100によれば、建物200内の複数の部屋RMにそれぞれ対応して設けられた複数の給気ダクトSDおよび複数の還気ダクトRDに、給気ダクトSDを閉塞するための給気ダンパSAD、および各還気ダクトRDを閉塞するための還気ダンパRADを設ける構成としたことにより、給気ダンパSADおよび還気ダンパRADの開閉を制御することによって、ウイルスの感染者が発生した部屋(発生室)およびこれに隣接する他の部屋(対応室)の空調および換気を行いながら、発生室から対応室に感染者の飛沫等が流入することを抑制することができる。その結果、二次感染者の発生を抑制することが可能となる。
【0106】
また、感染者が発生した部屋に隣接しない他の部屋(非対応室)に対しては、通常運転時と同様に給気ダンパSADおよび還気ダンパRADの開閉を制御することにより、通常通り、空調および換気を行うことができる。
【0107】
[実施の形態2]
上述した実施の形態1では、制御装置20は、ユーザの端末から与えられる、発生室に関する情報に基づいて、発生室、対応室および非対応室における給気ダンパSADおよび還気ダンパRADの開閉を制御する構成について説明した。
【0108】
実施の形態2では、制御装置20が自動的に発生室を検出し、発生室、対応室および非対応室における給気ダンパSADおよび還気ダンパRADを制御する構成について説明する。
【0109】
<空調換気システムの構成例>
図8は、実施の形態2に係る空調換気システム100の構成例を概略的に示す図である。実施の形態2に係る空調換気システム100は、図1に示した空調換気システム100とは、センサS1~S6を含む点が異なる。
【0110】
センサS1~S6は、部屋RM1~RM6にそれぞれ設置されている。センサS1~S6の各々は、部屋RM内の空気中に含まれるウイルス等の有害物質の有無および濃度を検出するためのセンサである。センサS1~S6には、バイオセンサ等の公知のセンサを用いることができる。センサS1~S6は、対応する部屋RMの空気中に含まれる有害物質の有無および濃度を検出し、検出信号を生成して制御装置20へ出力する。
【0111】
制御装置20は、センサS1~S6から送信される検出信号に基づいて、発生室を検出する。具体的には、制御装置20は、空気中に含まれる有害物質の濃度が予め定められた閾値以上である部屋RMを、発生室として検出する。
【0112】
制御装置20は、発生室が検出されると、発生室と対応室との対応関係を示すテーブル(図5参照)を参照することにより、対応室を特定する。そして、制御装置20は、空調機10内のモータダンパMD3を閉じるとともに、制御テーブル(図6参照)に従って、各部屋RMに設けられた給気ダンパSADおよび還気ダンパRADの開閉を制御する。
【0113】
<処理フロー>
図9は、制御装置20による給気ダンパSAD、還気ダンパRADおよびモータダンパMD3の制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。図9に示すフローチャートは、図7に示したフローチャートにおけるステップS03,S04,S08を、ステップS03A,S03B,S04A,S08を置き換えたものである。
【0114】
図9に示すように、制御装置20は、ステップS03Aにおいて、部屋RM1~RM6にそれぞれ設置されたセンサS1~S6の検出信号を受信する。制御装置20は、ステップS03Bにおいて、各センサの検出信号に基づいて、部屋RMごとに、室内の空気におけるウイルス等の有害物質の濃度が閾値以上であるか否かを判定する。
【0115】
ステップS03Aにて、全ての部屋RMの空気中の有害物質の濃度が閾値未満である場合(S03のNO判定時)には、制御装置20は、図7と同じS09,S10の処理を実行する。空調機10内のモータダンパMD3を開くとともに、部屋RM1~RM6にそれぞれ設けられた給気ダンパSAD1~SAD6を全開とし、かつ、還気ダンパRAD1~RAD6を全開とすることにより、空調換気システム100の通常運転を実行する。
【0116】
ステップS03Aに戻り、空気中に含まれる有害物質の濃度が閾値以上である部屋RMが存在する場合(S03のYES判定時)には、制御装置20は、ステップS04Aにより、当該部屋を発生室として検出する。S04Aではさらに、制御装置20は、発生室と対応室との対応関係を示すテーブル(図5参照)を参照することにより、対応室を特定する。
【0117】
制御装置20は続いて、図7と同じS05~S07の処理を実行することにより、空調機10内のモータダンパMD3を閉じるとともに、制御テーブル(図6参照)に従って、各部屋RMに設けられた給気ダンパSADおよび還気ダンパRADの開閉を制御する。これにより、図3および図4に例示した通気経路が形成されて、部屋RM1~RM6の空調および換気が行われる。
【0118】
空調換気システム100の運転中、制御装置20は、ステップS08Aにより、センサS1~S6の検出信号に基づいて、発生室の空気中の有害物質の濃度が閾値未満に低下したか否かを判定する。発生室から感染者が退出し、発生室内の消毒および除菌等が行われた場合に、S08AはYES判定とされる。
【0119】
発生室の空気中の有害物質の濃度が閾値以上である場合(S08AのNO判定時)には、制御装置20は、S05~S07の処理を継続して実行する。一方、発生室の空気中の有害物質の濃度が閾値未満に低下した場合(S08AのYES判定時)には、制御装置20は、S09,S10の処理を行うことにより、空調換気システム100を通常運転に戻す。
【0120】
このような制御によれば、実施の形態2に係る空調換気システム100においても、実施の形態1に係る空調換気システム100と同様の効果を得ることができる。
【0121】
[その他の構成例]
上述した実施の形態1および2では、ウイルスの感染者が滞在していた部屋から感染者の飛沫等が流出することを抑制するための制御について説明したが、本開示に係る空調換気システム100が抑制する対象は、飛沫等に限定されるものではない。例えば、臭気および菌等の流出を抑制する場合においても、本開示に係る空調換気システム100を適用することができる。
【0122】
すなわち、空調換気システム100は、予め定められた条件が成立しないとき(通常時)には、通常運転を実行する一方で、当該条件が成立した場合には、該当する部屋からの空気の流出を抑制するように、給気ダンパSADおよび換気ダンパRADを制御する構成とすることができる。このような構成において、条件は、ユーザ(建物200の管理者)が設定することができる。
【0123】
[付記]
上述した実施形態は、以下の付記の具体例である。
【0124】
(付記1)
建物に設けられた複数の室を空調および換気するための空調換気システムであって、
外気を取り込んで前記複数の室に送る給気を生成するとともに、前記複数の室からの還気を受けて前記建物の外部へ排出する空調機と、
前記複数の室にそれぞれ対応して設けられ、対応する室に前記給気を送るための複数の給気ダクトと、
前記複数の室にそれぞれ対応して設けられ、対応する室からの前記還気を前記空調機に送るための複数の還気ダクトと、
前記複数の給気ダクトをそれぞれ閉塞するための複数の第1の開閉部と、
前記複数の還気ダクトをそれぞれ閉塞するための複数の第2の開閉部と、
制御装置とを備え、
前記複数の室は、互いに隣接する第1の室および第2の室を含み、
前記複数の給気ダクトは、前記給気を前記第1の室および前記第2の室にそれぞれ送るための第1の給気ダクトおよび第2の給気ダクトを含み、
前記複数の還気ダクトは、前記第1の室および前記第2の室から前記還気をそれぞれ受けるための第1の還気ダクトおよび第2の還気ダクトを含み、
予め定められた条件の非成立時には、前記制御装置は、前記複数の給気ダクトを開放するとともに前記複数の還気ダクトを開放するように、前記複数の第1の開閉部および前記複数の第2の開閉部を制御する一方で、
前記条件の成立時には、前記制御装置は、前記第1の給気ダクトを閉塞するとともに前記第1の還気ダクトを開放し、かつ、前記第2の給気ダクトを開放するとともに前記第2の還気ダクトを閉塞するように、前記複数の第1の開閉部および前記複数の第2の開閉部を制御する、空調換気システム。
【0125】
(付記2)
前記複数の室は、前記第1の部屋に隣接しない第3の室をさらに含み、
前記複数の給気ダクトは、前記給気を前記第3の室に送るための第3の給気ダクトを含み、
前記複数の還気ダクトは、前記第3の室から前記還気をそれぞれ受けるための第3の還気ダクトを含み、
前記条件の成立時には、前記制御装置はさらに、前記第3の給気ダクトを開放するとともに前記第3の還気ダクトを開放するように、前記複数の第1の開閉部および前記複数の第2の開閉部を制御する、付記1に記載の空調換気システム。
【0126】
(付記3)
前記空調機は、
前記給気を前記複数の給気ダクトへ送るための第1の通気経路と、
前記還気を前記建物の外部へ排出するための第2の通気経路と、
前記第1の通気経路と前記第2の通気経路とを連通させるための第3の開閉部とを含み、
前記条件の非成立時には、前記制御装置は、前記第3の開閉部を開放する一方で、
前記条件の成立時には、前記制御装置は、前記第1の通気経路と前記第2の通気経路とを遮断するように、前記第3の開閉部を制御する、付記1または付記2に記載の空調換気システム。
【0127】
(付記4)
前記条件は、前記第1の室にウイルスの感染者が発生したという情報を受け付けたことを含む、付記1から付記3のいずれか1項に記載の空調換気システム。
【0128】
(付記5)
前記複数の室にそれぞれ対応して設けられ、対応する室内の空気中の所定の物質を検出するための複数のセンサをさらに備え、
前記条件は、前記第1の室内の空気に前記所定の物質が検出されたことを含む、付記1から付記3のいずれか1項に記載の空調換気システム。
【0129】
(付記6)
前記制御装置は、前記複数の室の対応関係が予め定められたテーブルを有しており、前記条件が成立したことに応じて、前記テーブルを参照することにより、前記第1の室に基づいて、前記第2の室を特定する、付記1から付記5のいずれか1項に記載の空調換気システム。
【0130】
(付記7)
前記複数の第1の開閉部は、前記複数の給気ダクトにそれぞれ設けられた複数の給気ダンパを含み、
前記複数の第2の開閉部は、前記複数の還気ダクトにそれぞれ設けられた複数の還気ダンパを含み、
前記条件の非成立時には、前記制御装置は、前記複数の給気ダンパを開くとともに、前記複数の還気ダンパを開く一方で、
前記条件の成立時には、前記制御装置は、前記第1の給気ダクトに設けられた前記給気ダンパを閉じるとともに前記第1の還気ダクトに設けられた前記還気ダンパを開き、かつ、前記第2の給気ダクトに設けられた前記給気ダンパを開くとともに前記第2の還気ダクトに設けられた前記還気ダンパを閉じる、付記1から付記6のいずれか1項に記載の空調換気システム。
【0131】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0132】
10 空調機、12 冷温水コイル、14 給気ファン、16 還気ファン、20 制御装置、22 プロセッサ、24 メモリ、26 通信I/F、100 空調換気システム、200 建物、202 コアゾーン、OA 外気、OD 外気ダクト、EA 排気、ED 排気ダクト、SA 給気、SD,SD0~SD6 給気ダクト、SAD,SAD1~SAD6 給気ダンパ、RA 還気、RD,RD0~RD6 還気ダクト、RAD,RAD1~RAD6 還気ダンパ。
図1
図2
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図9