(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041295
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】袋体のシール強度試験方法および装置
(51)【国際特許分類】
G01N 3/00 20060101AFI20240319BHJP
【FI】
G01N3/00 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146017
(22)【出願日】2022-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092598
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 伸一
(72)【発明者】
【氏名】和田 康弘
【テーマコード(参考)】
2G061
【Fターム(参考)】
2G061AA15
2G061AB03
2G061BA01
2G061BA15
2G061CA20
2G061CB09
2G061CB18
2G061CC09
2G061DA01
2G061EA10
2G061EB03
2G061EC03
(57)【要約】
【課題】 密封性のない包装体等のシール強度を、簡単にかつ短時間で調べることができるシール強度試験装置を提供すること
【構成】 一端側が開放され、反対側の端部側にトップシール部を有する袋体1を、一端側を上にした姿勢で開放部位を開いた状態で吊り下げ保持する袋体保持部11と、袋体に対し、複数の金属塊16を供給する金属塊供給部12と、袋体に供給された金属塊の供給量を求める供給量測定部13と、供給量測定部により求めた供給量とトップシール部の状態に基づきシール強度の良否判定を行う良否判定部14を備える。良否判定は、供給量が基準重量のときにシール部が剥がれるか否か、或いはトップシール部が剥がれたときの供給量に基づいて行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側が開放され、反対側の端部側にシール部を有する袋体のシール強度を試験する方法であって、
前記一端側を上にした姿勢で開放部位を開いた状態で袋体保持手段に吊り下げ保持される前記袋体に対し、複数の試験用物体を供給する工程、
前記袋体に供給した前記試験用物体の供給量と、前記シール部が剥がれたか否かに基づきシール強度の良否判定をする工程
を有する袋体のシール強度試験方法。
【請求項2】
前記試験用物体は、金属塊である請求項1に記載の袋体のシール強度試験方法。
【請求項3】
前記金属塊は球体状である請求項2に記載の袋体のシール強度試験方法。
【請求項4】
前記良否判定は、前記供給量が基準重量のときに前記シール部が剥がれるか否か、或いは、前記シール部が剥がれたときの前記供給量に基づいて行う請求項1から3のいずれか1項に記載の袋体のシール強度試験方法。
【請求項5】
一端側が開放され、反対側の端部側にシール部を有する袋体を、前記一端側を上にした姿勢で開放部位を開いた状態で吊り下げ保持する袋体保持手段と、
前記袋体に供給された複数の試験用物体の供給量を求める供給量測定手段を備え、
前記供給量測定手段により求めた供給量と前記シール部の状態に基づき前記シール部のシール強度の良否判定を行えるように構成した袋体のシール強度試験装置。
【請求項6】
前記袋体保持手段は、前記袋体の開放部位側の全周を折り返し、その折り返された部位を支持する支持部材と、その支持部材に支持された前記袋体を前記支持部材に取り付ける取り付け部材を備える請求項5に記載の袋体のシール強度試験装置。
【請求項7】
前記シール部が剥がれて前記袋体から排出される前記試験用物体を受け取る試験用物体回収手段を備える請求項5または6に記載の袋体のシール強度試験装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋体のシール強度試験方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
包装体のシール強度を測定する技術として、例えば特許文献1に開示されたシール強度測定装置がある。この特許文献1には、プラスチック、アルミ箔、紙の単体及びその複合フィルムを素材とする製袋におけるシール状態の良否などの判定を容易に行うための各種の試験方法が開示されている。
【0003】
各種の試験方法のうちの1つに、耐圧試験がある。この耐圧試験は、例えば包装機で密封シールした製造した包装体を寝かせた状態で耐圧試験機にセットする。そして、耐圧試験機は包装体を上下から挟み込んだ状態で加圧し、包装体を機械的に圧縮する。徐々に圧力を増加してシール部が剥がれるまで圧縮し、剥がれたときの圧力などをもって良否、優劣の判定を行う。
【0004】
また、JIS規格にも規定されている引っ張り試験は、包装体のシール部分を一定幅に裁断してシール部分とその両側に未シールのフィルム部分を有する測定試料を製造し、その測定試料を引張試験機にセットする。すなわち、引張試験機に両側の未シールのフィルム部分を把持させる。そして、把持した両側のフィルム部分を一定のスピードで離れる方向に引っ張り、その降伏点、伸び、破断点の強度などをもって良否、優劣の判定を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
耐圧試験は、製造した包装体をそのまま使用して試験できるため簡単に行えるものの、例えば密封性のない包装体に対して加圧しても内部の空気が漏れてしまいシール部が剥がれないため、係る密封性のない包装体のシール強度を測定するのには使えない。また同様の理由から一部が開放した袋体のシール強度の測定も行えない。
【0007】
一方、引張試験機は密封性のない包装体等であってもシール強度のテストを行うことができるが、測定試料の準備や試験に時間を要するため、例えば包装機を長時間止められない状況では使用できない。また、シール部分に繋がるフィルム部分を互いに引き剥がす方向に引っ張ることでシール部分が剥がれる条件と、実際の使用状況下においてシール部分が剥離する条件とは必ずしも一致しないため、正しい評価を行いにくい。
【0008】
このようなことから、密封性のない包装体等のシール強度を、簡単にかつ短時間で調べることができるようにしたいという課題がある。
【0009】
また、密封性のない包装体を例に挙げて説明したが、特許文献1にも開示されているように耐圧試験や引張試験にも一長一短があり、密封性を有する包装体においても耐圧試験や引張試験とは別の新しいシール強度試験方法および装置を提供するようにしたいという課題がある。
【0010】
上述した課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、本発明は、必ずしも記載した課題の全てを解決できる必要はなく、少なくとも一つの課題が解決できればよい。またこの課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するために、本発明の袋体のシール強度試験方法は、(1)一端側が開放され、反対側の端部側にシール部を有する袋体のシール強度を試験する方法であって、前記一端側を上にした姿勢で開放部位を開いた状態で袋体保持手段に吊り下げ保持される前記袋体に対し、複数の試験用物体を供給する工程、前記袋体に供給した前記試験用物体の供給量と、前記シール部が剥がれたか否かに基づきシール強度の良否判定をする工程を有するようにした。
【0012】
このようにすると、袋体保持手段に吊り下げられた袋体は、その下方にシール部が位置するため、例えば袋体に複数の試験用物体を順次供給すると、その試験用物体の荷重がシール部に加わる。すると、袋体に供給した総重量が一定の値を超えると、その総重量に伴いシール部に加わる荷重が、シール部の接着力を上回ると、シール部が剥がれる。よって、袋体に供給した試験用物体の供給量と、シール部が剥がれたか否かに基づきシール強度の良否判定が行える。そして、係る良否判定は、開封された袋体に対して所定量の試験用物体を供給すればよいので、シール強度を簡単にかつ短時間で調べることができる。さらに、開封された袋体に基づいて検査ができるので、例えば密封性のない包装体のシール強度も、その包装体を開封し、下側にシール部がくるように袋体保持手段にセットすることで検査することができる。
【0013】
(2)前記試験用物体は、金属塊とするとよい。このようにすると、金属塊は比重も大きく基準体積あたりの重量も大きいので、例えばシール部が破れる荷重を容易にかけることができる。
【0014】
(3)前記金属塊は球体状とするとよい。このようにすると、金属塊がスムーズに袋体内に進入し、効率よく空間内に堆積し、シール部に均等に荷重がかかる。また、袋体の内側面に接触しても傷つけたりせず、シール強度を正確に検査できる。
【0015】
(4)前記良否判定は、前記供給量が基準重量のときに前記シール部が剥がれるか否か、或いは、前記シール部が剥がれたときの前記供給量に基づいて行うようにするとよい。このようにすると、袋体内に物品が収納された使用状況下でのシール強度を推測できる。
【0016】
(5)本発明の袋体のシール強度試験装置は、一端側が開放され、反対側の端部側にシール部を有する袋体を、前記一端側を上にした姿勢で開放部位を開いた状態で吊り下げ保持する袋体保持手段と、前記袋体に供給された複数の試験用物体の供給量を求める供給量測定手段を備え、前記供給量測定手段により求めた供給量と前記シール部の状態に基づき前記シール部のシール強度の良否判定を行えるように構成するとよい。このようにすると例えば(1)に記載のシール強度試験方法を実施できる。
【0017】
(6)前記袋体保持手段は、前記袋体の開放部位側の全周を折り返し、その折り返された部位を支持する支持部材と、その支持部材に支持された前記袋体を前記支持部材に取り付ける取り付け部材を備えるとよい。このようにすると、試験用物体の供給に伴い袋体にかかる荷重を支持部材の広い部分で支持し、安定して保持することができる。
【0018】
(7)前記シール部が剥がれて前記袋体から排出される前記試験用物体を受け取る試験用物体回収手段を備えるとよい。このようにすると、供給された試験用物体の荷重によりシール部が剥がれ、袋体から試験用物体が外部に排出された場合に、その排出された試験用物体を回収し、外部に飛散するのを抑制できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、例えば密封性のない包装体のシール強度を簡単にかつ短時間で調べることができる。よって、包装機を止めている時間が短くて済み生産性を落とすことがない。また、密封性のある包装体であっても同様の効果を奏し、さらに、包装体でなく一部が開放した袋体のシール強度の検査についても同様に簡単にかつ短時間で調べることができ、袋体の製造装置を止めている時間が短くて済み生産性を落とすことがない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明に係る袋体のシール強度試験装置の好適な一実施形態を示す概略図である。
【
図3】本発明に係る袋体のシール強度試験方法の好適な一実施形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施形態について図面に基づき、詳細に説明する。なお、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【0022】
図1は、本発明に係る袋体のシール強度試験装置の好適な一実施の形態を示しており、
図2は本発明に係る袋体のシール強度試験方法の好適な一実施の形態を示している。
図1に示すように、シール強度試験装置10は、試験対象の袋体1を吊り下げ状態で保持する袋体保持部11を備える。検査対象の袋体1は、例えば
図2(a)に示すように、ピロー包装機で製造された密封性のない空袋の一方のトップシール部側を開封したもの等を用いる。そして、一辺が開放された袋体1は、開放部位1a側を上にして起立した姿勢で袋体保持部11にセットする。これにより、セットされた状態の袋体1は、センターシール部2が上下方向に延びると共にシールされた状態が維持されている未開封のトップシール部3が下端に位置し、当該トップシール部3が袋体1の底部を構成する。
【0023】
袋体保持部11は、例えば袋体1の開放部位1a側を所定位置で吊り下げ支持する支持部材と、その支持部材に袋体1を取り付ける取り付け部材を備える。また、袋体保持部11は、袋体1の開放部位1aを広げた状態で袋体1を保持するように構成され、袋体保持部11に袋体1を保持した状態では、袋体1の下方に所定の空間が確保される。
【0024】
また、支持部材は、それ自体は袋体1を保持する機能を必ずしも備えていなくてもよく、取り付け部材で直接または間接的に袋体1を取り付けた状態で袋体1が吊り下げ保持されればよい。支持部材に直接取り付ける場合、例えば支持部材に袋体1を接触させた状態でその袋体を取り付け部材で固定することで取り付けるとよい。この場合、取り付け部材による固定は、例えばクリップなどの把持部材で支持部材と袋体を一緒に挟み込んで固定したり、例えば支持部材を鉄等の強磁性体で形成し、取り付け部材を磁石から形成し、支持部材(強磁性体)と取り付け部材(磁石)の間に袋体1を配置して固定するように構成したりするとよい。
【0025】
また、例えば取り付け部材が、袋体1を把持する把持部材の場合、上述したように支持部材にとともに袋体1を挟み込み直接支持部材に固定する構成に限ることなく、例えば、支持部材に取り付けられた取り付け部材が袋体1を挟み込んで把持することで、取り付け部材を介して袋体1を支持部材に間接的に保持させるようにしてもよい。
【0026】
上述したように袋体保持部11の構成は各種のものを取り得るが、好ましくは、支持部材は、枠状部位11aを有し、
図2(b)に示すように袋体1の開放部位1a側の全周を山折りして外側に折り返し、その折り返された部位1bを支持部材の枠状部位11aにセットし(
図2(c))、支持部材で袋体1を支えるようにするとよい。このようにすると、後述するようにシール強度の検査の際に袋体1に下方に荷重がかかった場合に、その荷重を支持部材全体で支えることができるのでよい。またこの場合の枠状部位11aは、その一部または全部が袋体1の本体部分と、外側に折り返された部分の間に存在し、その下方は袋体1の外部空間に繋がっているのでるので、枠状部位11aの下端側をそのまま下方に延長させる他、別部材等による適宜の支持構造で自立したり、装置の機枠等に連結したりして、所定の高さ位置に維持するようにするとよい。
【0027】
さらにシール強度試験装置10は、袋体保持部11により保持された袋体1の内部に金属塊16を供給する金属塊供給部12と、袋体1に供給された金属塊16の供給量を求める供給量測定部13と、供給量測定部13で求めた供給量に基づきシール強度の良否の判定を行う良否判定部14と、袋体1から排出される金属塊16を受け取る金属塊回収部15を備える。
【0028】
金属塊16は、例えば鉄球のようにある程度の重量があり、しかも球形で移動しやすく袋体1に接触しても包材面を傷つけたりしないものを用いるとよい。金属塊供給部12は、多数の金属塊16を袋体1の開放部位1aから袋体1内に供給するもので、袋体1の上方から順次落下供給するようにしてもよいが、スムーズかつ確実に袋体1内に供給するためのガイドを備えるとよい。ガイドは、例えば漏斗状のように多数の金属塊16を一度にセットとしてもそれがそのまま袋体1に落下供給されることなく、一定量以下の金属塊16が漏斗状の下方排出部から落下供給されるようにするとよい。また、ガイドは例えば所定のガイド経路を有し、金属塊16が袋体1内に確実に供給されるようにするとよい。さらに、金属塊供給部12は、所定位置に開閉シャッター部材等を有し、金属塊16の袋体1に対する供給開始/停止を切り換え制御する機能を備えるとよい。
【0029】
開閉シャッター部材の開閉制御は、手動で行うようにしてもよいが、所定の条件を満たした際に自動的に開閉するようにするとよい。特に、袋体1のトップシール部3が剥がれて袋体1が破壊したことを検知し、開閉シャッター部材を閉じる機能を備えるとよい。
【0030】
また、金属塊供給部12は、必ずしも装置が自動的に金属塊16を供給するものに限ることはなく、人手により供給するようにしてもよい。
【0031】
供給量測定部13は、袋体1内に供給した金属塊16の供給量を測定するもので、例えば、総重量を測定するものとするとよい。総重量の測定は、例えば、支持部材にかかる荷重を計測するなど、袋体1内に存在している金属塊16の総重量を直接測定したり、同一重量の金属塊16を供給する場合に、供給された金属塊16の数を計数し、計数した総数に金属塊16の重量を掛けて総重量を算出したりするとよい。
【0032】
金属塊回収部15は、袋体1のトップシール部3が破壊されて剥がれた場合に、袋体1外に排出されてきた金属塊16を受け取るもので、例えば所定形状の箱体などから構成するとよい。金属塊回収部15を配置することで、仮に袋体1のトップシール部3が剥がれた場合でも、金属塊16が周囲に散らばることを抑止できる。
【0033】
また、金属塊回収部15を箱体から形成した場合、箱体の上方開放部の寸法形状は、袋体1よりも大きくするとよく、吊り下げられた袋体1の下方部位が、箱体内に進入するとともに、袋体1の下端は箱体の底面に非接触の状態とするとよい。そのようにセットすると、袋体1から排出された金属塊16が箱体の外に飛び出てしまうのを可及的に抑制でき、金属塊回収部15にて金属塊16を確実に回収できる。
【0034】
本実施形態のシール強度試験方法は、上述したシール強度試験装置10に袋体1をセットした状態で(
図1,
図3(a))、金属塊供給部12から金属塊16を袋体1内に順次供給する(
図3(b))。そして、金属塊供給部12は、袋体1のシール部、特にトップシール部3が金属塊16による荷重に耐えられずにシールが剥がれるまで供給を行う(
図3(c))。良否判定部14は、供給量測定部13が求めた供給量を取得し、トップシール部3が剥がれて袋体1が破壊された時の供給量(例えば、総重量)に基づきシール強度の良否判定を行う。この良否判定は、例えば、トップシール部3が剥がれたときの供給量が予め設定された閾値以上の場合にはシール強度が「良」と判定し、閾値未満の場合にはシール強度が「不良」と判定する。また、トップシール部3が剥がれたときの供給量は、例えば、良否判定部14が供給量測定部13から出力される総重量を監視し、総重量が減少した場合の直前の値を剥がれたときの供給量とすると良い。
【0035】
係る直前の値は、例えば良否判定部14が供給量測定部13から出力される総重量をサンプリングし、前回取得した総重量を記憶保持し、今回取得した総重量と記憶保持した前回の総重量とを比較し今回取得した総重量が大きい場合には前回の総重量を記憶する記憶エリアに今回取得した総重量を上書きして書き換え、今回取得した総重量の方が小さい場合には前回の総重量を記憶する記憶エリアに格納されている前回の総重量を読み出し、トップシール部3が剥がれたときの供給量とするとよい。またそのようにリアルタイムで逐次データを更新することなく履歴情報を記録し、記録した履歴情報の最大値をトップシール部3が剥がれたときの供給量とするなど、各種の方法を採るとよい。
【0036】
また、良否判定は上述したように袋体1が破壊されるまで金属塊16を供給するのではなく、例えば基準の重量になるように金属塊16を供給し、トップシール部3やセンターシール部2が剥がれ、袋体1が破壊しなければ「良」、破壊すれば「不良」と判定するなどの他各種の方法を採るとよい。さらに、良否判定部14の判定結果を出力する出力部を備えるとよい。
【0037】
また、上述した実施形態では、袋体保持部11と金属塊回収部15を別部材として構成したが、例えば、金属塊回収部15を箱体から構成する場合において、その箱体の深さを袋体1のカット寸法、すなわち、吊り下げられた状態の高さよりも長くし、その箱体が金属塊回収部15と袋体保持部11の支持部材(枠体)を兼用するようにするとよい。
【0038】
また、上述した実施形態では、試験用物体として金属塊16を用いたが、金属以外の材料で構成してもよい。但し、基準体積当たりの重量が大きい方が好ましいため、実施形態のように金属材料を用いるとよい。また上述した実施形態では、試験用物体の形状は、球形状としたが、球形状に限ることなく例えばメダル状その他の各種の形状を採りうる。
【0039】
また、上述した実施形態では、良否判定部14で良否判定を行うようにしたが、例えば、供給量測定部13の測定結果を表示する表示部を備え、その表示部に表示された供給量、例えば現在袋体1内に存在する金属塊16の総重量を見て、検査員が判断するようにしてもよい。この場合に、係る表示部に表示する値は、計測開始からの総重量の最大値とするとよい。このように最大値を表示する機能を備えることで、例えば、トップシール部3が破れるまで金属塊16を供給し続け、破れた後で表示部を見ることで破れたときの総重量を確認できる。
【0040】
また、検査員が良否判断する場合でも表示部は必ずしも設ける必要はなく、例えば、金属塊供給部12が設定した供給量を袋体1に供給する機能を備え、当該設定した供給量を供給した状態でトップシール部3が破れるか否かを確認するようにしてもよい。
【0041】
以上、本発明の様々な側面を実施形態を用いて説明してきたが、これらの実施形態や説明は、本発明の範囲を制限する目的でなされたものではなく、本発明の理解に資するために提供されたものであることを付言しておく。本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や製法に限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求する可能性があることを、念のために申し述べる。
【符号の説明】
【0042】
1 :袋体
2 :センターシール部
3 :トップシール部
10 :シール強度試験装置
11 :袋体保持部
12 :金属塊供給部
13 :供給量測定部
14 :良否判定部
15 :金属塊回収部
16 :金属塊