(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041342
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/12 20230101AFI20240319BHJP
【FI】
G06Q40/00 420
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146093
(22)【出願日】2022-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】593022629
【氏名又は名称】株式会社ジェーシービー
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100140431
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】間下 公照
(72)【発明者】
【氏名】篠田 朋宏
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB64
(57)【要約】
【課題】より効果的な経営に関する技術を提供する。
【解決手段】プログラムは、コンピュータに、通信部が、事業者の事業活動におけるキャッシュアウト又はキャッシュインに関する金額データを一つ又は複数の外部装置のそれぞれから受信することと、制御部が、前記金額データを含むキャッシュフローデータを生成することと、前記通信部が、財務又は会計を管理する財務会計管理装置から前記事業者の資金データを受信することと、前記制御部が、前記キャッシュフローデータに含まれる前記金額データと、前記資金データと、所定閾値とに基づいて、資金量の不足又は余剰の有無を判定することと、前記資金量の不足又は余剰があると判定された場合、前記制御部が、前記金額データの変更を要請するためのデータを含む変更要請データを生成することとを含む情報処理方法を実行させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
通信部が、事業者の事業活動におけるキャッシュアウト又はキャッシュインに関する金額データを一つ又は複数の外部装置のそれぞれから受信することと、
制御部が、前記金額データを含むキャッシュフローデータを生成することと、
前記通信部が、財務又は会計を管理する財務会計管理装置から前記事業者の資金データを受信することと、
前記制御部が、前記キャッシュフローデータに含まれる前記金額データと、前記資金データと、所定閾値とに基づいて、資金量の不足又は余剰の有無を判定することと、
前記資金量の不足又は余剰があると判定された場合、前記制御部が、前記金額データの変更を要請するためのデータを含む変更要請データを生成することと
を含む情報処理方法を実行させるためのプログラム。
【請求項2】
前記情報処理方法は、
前記通信部が、前記変更要請データに基づいて、前記金額データの変更を要請するための確認通知を前記外部装置に送信することを含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
複数の前記外部装置は、人事管理システムにおける装置、物品管理システムにおける装置、及び収益管理システムにおける装置を含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記事業者は、医療機関である、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記所定閾値は、金額に関する閾値と、前記金額を特定する期間に関する閾値とを含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記情報処理方法は、
前記通信部が前記確認通知の送信に応じて、変更不可を示す回答通知を受信した場合、前記制御部は、前記金額データに対応する決済履行の確度が確定であることを示す決済履行確度データを含むキャッシュフローデータを記憶部に記憶することを含む、請求項2に記載のプログラム。
【請求項7】
前記情報処理方法は、
前記制御部が、複数の前記キャッシュフローデータに含まれる前記金額データを合算した統合金額データを含む統合キャッシュフローデータを生成することを含み、
前記判定は、前記制御部が、前記統合金額データと、前記資金データと、所定閾値とに基づいて、資金量の不足又は余剰の有無を判定することを含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記情報処理方法は、
前記制御部が、前記変更要請データが、前記統合キャッシュフローデータの生成に使用された前記キャッシュフローデータに含まれる金額データを含むように、前記統合キャッシュフローデータに基づいて、複数の前記変更要請データを生成することを含む、請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記情報処理方法は、
前記資金量に不足があると判定された場合、前記制御部が、資金調達の提案に関する提案通知を前記財務会計管理装置に送信することを含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
通信部と、制御部とを備える情報処理装置であって、
前記通信部が、事業者の事業活動におけるキャッシュアウト又はキャッシュインに関する金額データを一つ又は複数の外部装置のそれぞれから受信することと、
前記制御部が、前記金額データを含むキャッシュフローデータを生成することと、
前記通信部が、財務又は会計を管理する財務会計管理装置から前記事業者の資金データを受信することと、
前記制御部が、前記キャッシュフローデータに含まれる前記金額データと、前記資金データと、所定閾値とに基づいて、資金量の不足又は余剰の有無を判定することと、
前記資金量の不足又は余剰があると判定された場合、前記制御部が、前記金額データの変更を要請するためのデータを含む変更要請データを生成することと
を実行する、情報処理装置。
【請求項11】
通信部が、事業者の事業活動におけるキャッシュアウト又はキャッシュインに関する金額データを一つ又は複数の外部装置のそれぞれから受信することと、
制御部が、前記金額データを含むキャッシュフローデータを生成することと、
前記通信部が、財務又は会計を管理する財務会計管理装置から前記事業者の資金データを受信することと、
前記制御部が、前記キャッシュフローデータに含まれる前記金額データと、前記資金データと、所定閾値とに基づいて、資金量の不足又は余剰の有無を判定することと、
前記資金量の不足又は余剰があると判定された場合、前記制御部が、前記金額データの変更を要請するためのデータを含む変更要請データを生成することと
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
事業活動におけるキャッシュフローを情報処理技術により管理することが知られている。特許文献1には、キャッシュフローデータの提供、及び資金不足(資金ショート)リスクの管理に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
キャッシュフローの管理は、経営上の重要事項であるが、資金不足リスクの管理に偏重した経営は効果的ではない場合がある。
【0005】
本発明は、より効果的な経営に関する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係るプログラムは、コンピュータを、通信部が、事業者の事業活動におけるキャッシュアウト又はキャッシュインに関する金額データを一つ又は複数の外部装置のそれぞれから受信することと、制御部が、前記金額データを含むキャッシュフローデータを生成することと、前記通信部が、財務又は会計を管理する財務会計管理装置から前記事業者の資金データを受信することと、前記制御部が、前記キャッシュフローデータに含まれる前記金額データと、前記資金データと、所定閾値とに基づいて、資金量の不足又は余剰の有無を判定することと、前記資金量の不足又は余剰があると判定された場合、前記制御部が、前記金額データの変更を要請するためのデータを含む変更要請データを生成することとを含む情報処理方法を実行させる。
【0007】
一実施形態に係る情報処理装置は、通信部と、制御部とを備える情報処理装置であって、前記通信部が、事業者の事業活動におけるキャッシュアウト又はキャッシュインに関する金額データを一つ又は複数の外部装置のそれぞれから受信することと、前記制御部が、前記金額データを含むキャッシュフローデータを生成することと、前記通信部が、財務又は会計を管理する財務会計管理装置から前記事業者の資金データを受信することと、前記制御部が、前記キャッシュフローデータに含まれる前記金額データと、前記資金データと、所定閾値とに基づいて、資金量の不足又は余剰の有無を判定することと、前記資金量の不足又は余剰があると判定された場合、前記制御部が、前記金額データの変更を要請するためのデータを含む変更要請データを生成することとを実行する。
【0008】
一実施形態に係る情報処理方法は、通信部が、事業者の事業活動におけるキャッシュアウト又はキャッシュインに関する金額データを一つ又は複数の外部装置のそれぞれから受信することと、制御部が、前記金額データを含むキャッシュフローデータを生成することと、前記通信部が、財務又は会計を管理する財務会計管理装置から前記事業者の資金データを受信することと、前記制御部が、前記キャッシュフローデータに含まれる前記金額データと、前記資金データと、所定閾値とに基づいて、資金量の不足又は余剰の有無を判定することと、前記資金量の不足又は余剰があると判定された場合、前記制御部が、前記金額データの変更を要請するためのデータを含む変更要請データを生成することとを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、より効果的な経営に関する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態におけるシステムの概要を説明するための概念図である。
【
図2】一実施形態におけるシステム構成の一例を示す概念図である。
【
図3】一実施形態におけるサーバ装置の機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図4】一実施形態における制御部の機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図5】一実施形態におけるシステムによる例示的な処理の概要を説明するためのシーケンス図である。
【
図6】一実施形態におけるコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態におけるシステムについて、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形し、又は各実施例を組み合わせる等して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付して表している。
【0012】
[システムの概要]
図1を参照して、本実施形態に係るシステムの概要を説明する。システム1は、ある事業者の事業活動におけるキャッシュアウト及びキャッシュインから特定されるキャッシュフローに基づいて、当該事業者の経営資源を管理するためのシステムである。
【0013】
システム1は、例えば、キャッシュフローに基づいて、ある事業者における経営資源であるカネ、ヒト、モノ、及び権限のデータを管理する。カネのデータとは、請求及び支払いなどに基づいて特定される事業者の資金量に関するデータである。ヒトのデータとは、労働に対して支払われる給与及び手当を含む人件費に関するデータである。モノのデータとは、物品及び機材などの発注に関するデータである。権限のデータとは、事業者が提供するサービスの消費者による予約、又は事業者の設備の利用予約など、事業者によるサービスの提供予定に関するデータである。システム1は、上記のカネ、ヒト、モノ、及び権限のデータをデータベースにより管理し、キャッシュ(カネ)を在庫として管理する。これにより、システム1は、資金不足だけでなく、資金余剰についても管理する。システム1は、資金管理(カネの管理)だけでなく、ヒト、モノ、及び権限のデータのそれぞれの管理についてもデータ連携することにより、管理の効率性向上を図る。上記データ連携は、カンバン方式を取り入れることにより、データ連携のミスを防ぐ。
【0014】
本実施形態において、システム1は、カネ、ヒト、モノ、及び権限のそれぞれのデータをデータベースに記憶し、当該データベースに記憶されたデータは、資金向けカンバンデータ(キャッシュフローデータ)又は取引向けカンバンデータ(変更要請データ)と称される単位で、データベース間で連携される。
【0015】
資金向けカンバンデータは、ヒト、モノ、又は権限に関するデータであり、事業者の事業活動におけるキャッシュアウト又はキャッシュインに関する金額データを含むデータである。例えば、資金向けカンバンデータは、人事管理システム、部材管理システム、又は機器若しくは機材の使用管理システムから受信した資金決済データに基づいて生成された支払又は収入の金額データと、当該支払又は収入の決済期日データとを含んでもよい。
【0016】
取引向けカンバンデータは、カネに関するデータであり、事業者の資金決済に関するデータと、事業者の資金量に関するデータとに基づいて生成されたデータを含む。例えば、資金向けカンバンに含まれる支払の金額データが資金量に対して不足している場合、取引向けカンバンデータは、資金向けカンバンデータに示された金額を減らすようにする依頼と、変更金額とを示すデータを含んでもよい。また、所定時期に、資金量の余剰が所定閾値以上である場合、資金向けカンバンデータに示された金額を増やすようにする依頼と、変更金額とを示すデータを含んでもよい。
【0017】
以上のように本実施形態によれば、システム1のデータベースに記憶されたカネ、ヒト、モノ、及び権限のデータの変動状況を資金向けカンバンデータ又は取引向けカンバンデータに基づいて在庫管理のように管理し、資金不足と、資金余剰とを管理可能である。その結果、本実施形態によれば、より効果的な経営に関する技術を提供することができる。
【0018】
[システムの構成]
図2を参照して、本実施形態におけるシステム1の構成の一例を説明する。システム1は、複数のサーバ装置10(10a、10b、10c、10d、10e)を備える。サーバ装置10aは、例えば、システム1が有する機能の実現のための主な処理を実行するメインサーバ装置である。サーバ装置10b、10c、10d、10eは、サーバ装置10aの外部装置である。サーバ装置10bは、例えば、人事管理システムにおける装置である。サーバ装置10cは、例えば、物品管理システムにおける装置である。サーバ装置10dは、例えば、収益管理システムにおける装置である。サーバ装置10eは、例えば、財務又は会計を管理する財務会計管理システムにおける装置である。各サーバ装置10は、ネットワークNを介して相互に通信可能に構成されている。
【0019】
サーバ装置10は、サーバコンピュータなどの情報処理装置である。サーバ装置10は、1つの情報処理装置(又はコンピュータ。以下同様。)によって構成されてもよいし、クラウドコンピューティング技術又は分散コンピューティング技術等を使用して複数の情報処理装置によって構成されてもよい。
【0020】
ネットワークNは、無線ネットワークや有線ネットワークにより構成される。ネットワークNには、例えば、インターネット、移動体通信網、LAN(Local Area Network)など、任意のネットワークが含まれる。
【0021】
図2に示す例において、システム1は、5つのサーバ装置10を含んで構成されているが、システム1に含まれる装置の数及び種類はこれに限定されず、システム1は、任意の数及び種類の装置を含んでもよい。例えば、システム1は、4を超えて、又は4未満のサーバ装置10を含んでもよいし、端末装置などの他の装置を含んでもよい。
【0022】
[機能構成]
図3を参照して、サーバ装置10aが有する機能を説明する。サーバ装置10aは、主な機能構成として、通信部11、データベース12、及び制御部13を有する。
【0023】
サーバ装置10aは、一般的な情報処理装置又は専用装置などの情報処理装置が有する他の機能構成を有してもよい。サーバ装置10aが有する機能構成は、例えば、サーバ装置10aが有するCPU(Central Processing Unit)などの制御装置が、記憶装置に記憶されたコンピュータプログラムを読み込み実行することによって、コンピュータプログラム(ソフトウェア)とハードウェアの協働により実現される。
【0024】
通信部11は、外部装置との通信により各種情報を受信及び送信する。例えば、通信部11は、事業者の事業活動におけるキャッシュアウト又はキャッシュインに関する金額データを一つ又は複数の外部装置のそれぞれから受信する。
【0025】
上記キャッシュアウトに関する金額データは、例えば、人事管理システムにおけるサーバ装置10bから受信した労働に対して支払われる給与及び手当を含む人件費を示すデータと、物品管理システムにおけるサーバ装置10cから受信した物品及び機材などの発注に応じて支払われる費用を示すデータとを含んでもよい。
【0026】
上記キャッシュインに関する金額データは、例えば、収益管理システムにおけるサーバ装置10dから受信した事業者が提供するサービスの消費者による予約、又は事業者の設備の利用予約など、事業者によるサービスの提供予定に関するデータ(権限のデータ)に基づく収益を示すデータを含んでもよい。
【0027】
また、通信部11は、財務又は会計を管理する財務会計管理システムにおけるサーバ装置10e(財務会計管理装置)から事業者の資金を示す資金データを受信してもよい。
【0028】
制御部13は、サーバ装置10aにより実行される各種機能の処理を制御する。例えば、制御部13は、通信部11が受信した上記金額データに基づいて、当該金額データを含む上記資金向けカンバンデータを生成してもよい。制御部13は、通信部11により受信した上記資金向けカンバンデータに含まれる金額データと、上記資金データと、所定閾値とに基づいて、資金量の不足と余剰の有無を判定してもよい。当該所定閾値は、例えば、金額の閾値又は期間の閾値の少なくとも一方を含んでもよい。金額の閾値は、例えば、上記金額データと、上記資金データとの間の差異の閾値(すなわち、金額に関する閾値)を含んでもよい。期間の閾値は、例えば、上記判定後、次の上記判定を行うまでの期間に関する閾値(すなわち、上記判定を行う時期に関する閾値)を含んでもよい
【0029】
また、制御部13は、上記判定で資金量の不足又は余剰があると判定した場合、上記資金向けカンバンデータに含まれる上記金額データの変更を要請するためのデータを含む取引向けカンバンデータを生成してもよい。生成された取引向けカンバンデータは、データベース12に記憶され、また、通信部11を介して外部装置であるサーバ装置10(10b、10c、10d)に送信されてもよい。制御部13によるさらなる処理の詳細は、後述する。
【0030】
データベース12は、通信部11が受信したデータ、サーバ装置10aによる処理に必要なデータ、又はサーバ装置10aにより生成されたデータを含む、各種のデータを記憶する。データベース12は、例えば、上記の資金向けカンバンデータ、取引向けカンバンデータ、及び資金データの少なくとも一部を記憶する。
【0031】
以上のように本実施形態によれば、通信部11は、事業者の事業活動におけるキャッシュアウト又はキャッシュインに関する金額データを一つ又は複数の外部装置のそれぞれから受信してもよい。制御部13は、当該金額データを含む資金向けカンバンデータを生成してもよい。通信部11は、財務又は会計を管理するサーバ装置10eから上記事業者の資金データを受信してもよい。制御部13は、上記資金向けカンバンデータに含まれる上記金額データと、上記資金データと、所定閾値とに基づいて、資金量の不足と余剰の有無を判定してもよい。資金量の不足又は余剰があると判定された場合、制御部13は、上記金額データの変更を要請するためのデータを含む取引向けカンバンデータを生成してもよい。
【0032】
その結果、本実施形態によれば、システム1のサーバ装置10(例えば、サーバ装置10b、10c、10d、10e)に記憶されたカネ、ヒト、モノ、及び権限のデータの変動状況を資金向けカンバンデータ又は取引向けカンバンデータに基づいて在庫管理のように管理し、資金不足と、資金余剰とを管理可能である。その結果、本実施形態によれば、より効果的な経営に関する技術を提供することができる。
【0033】
図4を参照して、制御部13により実行される各種機能の例をより詳細に説明する。
図4に示すように、制御部13により実行される機能は、例えば、取引管理機能131、カンバン接続機能132、医療費管理機能133、及び資金管理機能134を含む。制御部13は、上記以外の機能をさらに実行してもよいし、上記機能の一部を実行しなくてもよい。
【0034】
図4に示す各機能について、以下に医療機関である事業者を例に、当該事業者の経営資源であるカネ、ヒト、モノ、及び権限のデータを管理する場合を例に説明する。しかしながら、システム1を利用可能な事業者の業種は医療機関に限定されることはなく、他の業種の事業者であってもシステム1を利用可能である。
【0035】
(1)取引管理機能131
取引管理機能131は、資金向けカンバン作成機能、条件変更可否確認機能、及び取引確定確認機能を含む。
【0036】
(1-1)資金向けカンバン作成機能
資金向けカンバンデータを生成する機能である。具体的には、制御部13は、通信部11が受信した金額データに基づいて、当該金額データを含む資金向けカンバンデータを生成する。当該金額データは、事業者の事業活動におけるキャッシュアウト又はキャッシュインに関するデータである。当該金額データは、例えば、人事、薬品・医療機器管理、検査機器・病床使用管理のためのサーバ装置10のデータベースに記憶されていた取引データに基づくデータであってもよい。
【0037】
データベースに記憶されていた取引データが示す取引と、生成された資金向けカンバンデータとの間の対応関係を特定可能なように、取引と、資金向けカンバンデータとには、識別データが付与されてもよい。資金向けカンバンデータは、データ項目として、識別データ、金額データ、決済期日、取引の発注番号、及び決済履行確度などを含んでもよい。金額データは、当該取引の金額を示す。決済期日は、資金向けカンバンデータに対応する取引の決済期日を示す。決済履行確度は、決済が履行される可能性を示すデータである。
【0038】
資金向けカンバンデータは、医療費データ(例えば、決済予定金額、決済予定日、入金元、及び個別取引番号を含む。)に基づいて作成されてもよい。
【0039】
(1-2)条件変更可否確認機能
外部装置であるサーバ装置10から受信したデータに基づいて、資金向けカンバンデータの内容を更新する機能である。例えば、制御部13は、データベース12に記憶された取引向けカンバンデータに基づいて、通信部11を介して、資金向けカンバンデータに含まれる金額データの変更を要請するための確認通知を外部装置であるサーバ装置10に送信する。例えば、資金向けカンバンデータに含まれる金額データの変更を要請するために、制御部13は、当該資金向けカンバンデータに含まれる金額データ(例えば、人件費の金額データ)を送信したサーバ装置10(例えば、サーバ装置10b)に対して、上記確認通知を送信する。
【0040】
取引向けカンバンデータは、金額データの変更(減額又は増額)を要請するためのデータを含む。取引向けカンバンデータは、データ項目として、例えば、是正金額データ(対象となる取引の金額の変更量を示すデータ)、決済期日(対象取引の決済期日)、及び対象資金向けカンバン識別データを含む。
【0041】
上記確認通知の送信に応じて、通信部11が変更不可を示す回答通知を外部装置であるサーバ装置10から受信した場合、制御部13は、資金向けカンバンデータに含まれる金額データに対応する決済履行の確度が確定であることを示す決済履行確度データを含む当該資金向けカンバンデータをデータベース12に記憶する。
【0042】
(1-3)取引確定確認機能
外部装置であるサーバ装置10から受信したデータに基づいて、後述する取引向けカンバン分割機能の出力である取引向けカンバンデータの内容を更新する機能である。例えば、制御部13は、外部装置であるサーバ装置10から受信した変更後の取引データに基づいて、取引向けカンバンデータに含まれる決済期日を更新してもよい。また、取引向けカンバンデータが決済履行確度データを含む場合において、制御部13は、外部装置であるサーバ装置10から受信した変更後の取引データに基づいて、当該決済履行確度データの値を「未確定」から「確定」に更新してもよい。
【0043】
制御部13は、更新した取引向けカンバンデータをデータベース12に記憶してもよい。制御部13は、外部装置であるサーバ装置10から受信した変更後の取引データをデータベース12に記憶してもよい。
【0044】
(2)カンバン接続機能132
カンバン接続機能132は、資金向けカンバン統合機能、取引向けカンバン分割機能、及び資金向け確定カンバン統合機能を含む。
【0045】
(2-1)資金向けカンバン統合機能
取引管理機能131により生成された資金向けカンバンデータを統合する機能である。制御部13は、例えば、複数の資金向けカンバンデータに含まれる金額データを合算して得られる統合金額データを含む統合資金向けカンバンデータを生成することにより、資金向けカンバンデータを統合する。資金向けカンバンデータは、条件に従って統合されてもよい。例えば、制御部13は、資金向けカンバンデータに含まれる決済期日が所定期間にあることを条件に、又は資金向けカンバンデータに含まれる決済履行確度が所定値であること(例えば、「未確定」であること)を条件に複数の資金向けカンバンデータを統合してもよいし、上記条件の両者を満たすことを条件に当該統合を行ってもよい。
【0046】
(2-2)取引向けカンバン分割機能
上記の統合資金向けカンバンデータを分割して取引向けカンバンデータを生成する機能である。例えば、制御部13は、統合資金向けカンバンデータに基づいて、複数の取引向けカンバンデータを生成する。生成された複数の取引向けカンバンデータのそれぞれは、統合資金向けカンバンデータの生成に使用された資金向けカンバンデータに含まれる金額データを含む。例えば、第1の取引向けカンバンデータは、第1の統合資金向けカンバンデータの生成に使用された第1の資金向けカンバンデータに含まれる金額データを含み、第2の取引向けカンバンデータは、第1の統合資金向けカンバンデータの生成に使用された第2の資金向けカンバンデータに含まれる金額データを含む。すなわち、制御部13は、取引向けカンバンデータが、統合資金向けカンバンデータの生成に使用された資金向けカンバンデータに含まれる金額データを含むように、統合資金向けカンバンデータに基づいて、複数の取引向けカンバンデータを生成してもよい。
【0047】
また、取引向けカンバンデータは、医療データに基づいて作成されてもよい。例えば、使用予定医薬品数量、検査項目、担当医、又は利用ベッドなどの取引情報から、人事、薬品・医療機器管理、及び検査機器・病床使用管理の3つの領域のいずれかに分類して、取引向けカンバンデータが作成されてもよい。
【0048】
(2-3)資金向け確定カンバン統合機能
決済が確定した取引について、資金向けカンバンデータを統合する機能である。制御部13は、例えば、確定した取引についての複数の資金向けカンバンデータに含まれる金額データを合算して得られる統合金額データを含む統合資金向けカンバンデータを生成することにより、資金向けカンバンデータを統合する。例えば、制御部13は、資金向けカンバンデータに含まれる決済履行確度が「確定」であることを条件に複数の資金向けカンバンデータを統合してもよいし、さらに、資金向けカンバンデータに含まれる決済期日が所定期間であることを条件に当該統合を行ってもよい。
【0049】
(3)医療費管理機能133
(3-1)医療費カンバン作成機能
医療機関である事業者の医療費データを記憶管理する外部システムから取得した医療費データに基づいて、資金向けカンバンデータを生成する機能である。例えば、制御部13は、外部システムから医療費データ(決済予定金額、決済予定日、入金元、及び個別取引番号を含む。)を取得し、当該決済予定金額を含む資金向けカンバンデータを生成してもよい。また、制御部13は、決済予定日が所定期間内である医療費データについて、決済予定金額を合算して得られる統合金額データを含む統合資金向けカンバンデータを生成してもよい。
【0050】
制御部13は、治療時に利用予定の使用予定医薬品数量、検査項目、担当医、利用ベッドなどの取引情報から、人事、薬品・医療機器管理、検査機器・病床使用管理の3領域ごとに取引向けカンバンデータを生成してもよい。
【0051】
生成された資金向けカンバンデータは、例えば、後述する(4-1)資金量予測作成機能へアウトプットされる。生成された取引向けカンバンデータは、例えば、(2-2)取引向けカンバン分割機能へアウトプットされてもよい。また、生成された資金向けカンバンデータ及び取引向けカンバンデータは、データベース12に記憶してもよい。
【0052】
<資金向けカンバンデータの具体例>
・医薬品発注(部材管理)
例えば、2022年1月5日に、A社に対して100個のA薬品(単価:1,000円)を2022年2月1日を納品期日として発注したとする。納品確認後、当月末締め翌月15日(2022年3月15日)に税込み108,000円を支払うとする。この場合において、制御部13は、上記発注の情報に基づいて、合計金額:▲108,000円、支払期日:2022年3月15日、決済履行確度:未確定(又は確定)、発注番号:20220105、及びカンバン番号:001を含む資金向けカンバンデータを生成してもよい。決済履行確度は、確定又は未確定のいずれかに設定されてもよいし、確度に応じて設定される3つ以上の値から設定されてもよい(例えば、A、B、及びCのうちのCに設定されてもよい)。
【0053】
・非常勤職員シフト管理(人事管理)
例えば、2022年1月17日に、2022年1月25日を確定期日として医師、看護師、及びコメディカルなどを含む非常勤職員15人の2月度シフトを作成したとする。給与は月末締め翌月15日支払い(2月分は3月15日)であるとする。人事管理情報は、上記に基づく社員名、月次出勤時間(個人)、概算給与(個人)、支払期日、月次合計出勤時間、及び概算給与合計を含む。この場合において、制御部13は、上記人事管理情報に基づいて、合計金額:▲3,000,000円(給与の合計値)、支払期日:2022年3月15日、決済履行確度:(A、B、及びCのうちの)B、対象月:2月分、カンバン番号:002を含む資金向けカンバンデータを生成してもよい。
【0054】
・差額ベッド使用管理(機器・機材使用管理)
2022年1月31日に、3月分の差額ベッド使用予定を作成したとする。当該差額ベッド使用予定は、担当科、利用ベッド種別(個室、特別室等)、ベッド利用料(日別合計)、退院予定日(決済日)のデータを含むとする。この場合において、制御部13は、支払期日が2022年3月15日である上記差額ベッド使用予定に基づいて、合計金額:+1,500,000円(ベッド利用料の合計値)、支払期日:2022年3月15日、決済履行確度(A、B、及びCのうちの)B、及びカンバン番号:003を含む資金向けカンバンデータを生成してもよい。
【0055】
・統合資金向けカンバンデータ
例えば、制御部13は、上記カンバン番号が001~003である資金向けカンバンデータを決済期日、決済履行確度、入り払いを区別して統合する。例えば、カンバン番号001及び002は、支払期日:2022年3月15日であり、支払であり、決済履行確度:Bであるため、カンバン番号001及び002の資金向けカンバンデータは、統合されてもよい。また、統合後の統合資金向けカンバンデータに対して、カンバン番号として111が付与されてもよい。この場合において、カンバン番号が111の統合資金向けカンバンデータの統合金額は、▲3,108,000円となる。また、カンバン番号003である資金向けカンバンデータは、収入であるため、カンバン番号001及び002である資金向けカンバンデータには統合されない。
【0056】
・資金量データと合算
例えば、制御部13は、カンバン番号が111の統合資金向けカンバンデータ、及びカンバン番号が003である資金向けカンバンデータを2022年3月15日時点の資金量(+1,600,000円)と合算する。合算結果は、▲8,000円(=▲3,108,000円+1,500,000円+1,600,000円)となる。その後、制御部13は、▲8,000円の是正を要請する取引向けカンバンデータを生成する。
【0057】
・取引向けカンバン作成
上記に基づいて、制御部13は、是正金額:▲8,000円、決済期日:2022年3月15日、対象カンバン番号:111及び003を含む取引向けカンバンデータを生成する。生成された取引向けカンバンデータは、部材、人事、機器・機材使用のデータを記憶するデータベース12に記憶される。また、生成された取引向けカンバンデータは、通信部11を介して対応する外部装置であるサーバ装置10(10b、10c、10d)に送信されてもよい。
【0058】
(4)資金管理機能134
資金管理機能134は、資金量予測作成機能、資金量過不足判定機能、及び資金量確定機能を含む。
【0059】
(4-1)資金量予測作成機能
事業者の資金量を予測する機能である。例えば、制御部13は、カンバン接続機能132で生成された統合資金向けカンバンデータに含まれる統合金額データと、財務又は会計を管理する財務会計管理システムにおけるサーバ装置10e(財務会計管理装置)から受信した事業者の資金を示す資金データとに基づいて、所定時期(将来のあるタイミング)における事業者の資金量の予測値を算出する。この時、当該算出に使用される統合資金向けカンバンデータは、上記所定時期までの決済期日についての資金向けカンバンデータを統合したものであってもよい。
【0060】
(4-2)資金量過不足判定機能
事業者の資金量の過不足を判定する機能である。例えば、制御部13は、上記で生成された統合資金向けカンバンデータに含まれる統合金額データと、上記財務会計管理装置から受信した資金データと、所定閾値とに基づいて、資金量の不足又は余剰の有無を判定する。当該所定閾値は、上記のとおり、金額の閾値又は期間の閾値の少なくとも一方を含んでもよい。例えば、制御部13は、資金データが示す金額から統合金額データが示す金額を差し引いた金額(差額)がプラスであり、資金量の余剰の判定のための金額の閾値以上である場合、資金量の余剰と判定してもよく、また、上記差額がマイナスであり、資金量の不足の判定のための金額の閾値以下である場合、資金量の不足と判定してもよい。また、制御部13は、期間の閾値が示す時期(例えば、前回の判定から閾値が示す期間経過後)に、資金量の不足又は余剰の有無を判定してもよい。
【0061】
資金量に不足があると判定された場合、制御部13は、資金調達の提案に関する提案通知を上記財務会計管理装置に送信してもよい。資金調達の提案に関する提案通知は、例えば、資金調達方法の選択肢を示してもよい。当該選択肢は、例えば、補助金、助成金申請、借入、ファクタリング、資産売却、及び資産流動化のうち少なくとも一部を含んでもよい。また、制御部13は、外部装置から通信部11を介して取得した保有資産等の状況(保有する遊休不動産及び有価証券の資産金額)に基づいて、最適な資金調達方法を示す提案通知を上記財務会計管理装置に送信してもよい。
【0062】
(4-3)資金量確定機能
事業者の資金量を確定する機能である。例えば、制御部13は、(4-2)資金量過不足判定機能により、資金量に不足があると判断された場合において、資金調達による変更後の資金量を確定した資金量としてデータベース12に記憶する。
【0063】
[処理フロー]
図5を参照して、システム1における例示的な処理フローを説明する。以下に説明する各処理ステップは、例えば、サーバ装置10(及び端末装置20)が有する制御部が、記憶部に記憶されたコンピュータプログラムを読み込み実行することによって、コンピュータプログラム(ソフトウェア)とハードウェアの協働により実現される。
【0064】
システム1において実行される処理の詳細は既に説明しているため、以下の処理フローの説明において、既に説明した内容については簡略化又は省略する。なお、
図5に示す処理の例おいて、サーバ装置10aは、例えば、システム1が有する機能の実現のための主な処理を実行する上記のメインサーバ装置である。サーバ装置10bは、例えば、人事管理システムにおける装置である。サーバ装置10cは、例えば、物品管理システムにおける装置である。サーバ装置10dは、例えば、収益管理システムにおける装置である。サーバ装置10eは、例えば、財務又は会計を管理する財務会計管理システムにおける装置である。
【0065】
ステップS51において、サーバ装置10b、サーバ装置10c、及びサーバ装置10dのそれぞれは、ある事業者の事業活動におけるキャッシュアウト又はキャッシュインに関する金額データとして、取引データをサーバ装置10aに送信する。
【0066】
ステップS52において、サーバ装置10aは、ステップS51でサーバ装置10b、サーバ装置10c、及びサーバ装置10dのそれぞれから受信した取引データに基づいて、各取引データに対応する資金向けカンバンデータを生成する。サーバ装置10aは、生成された複数の資金向けカンバンデータに含まれる金額データを合算した上記統合金額データを含む上記統合資金向けカンバンデータを生成する。
【0067】
ステップS53において、サーバ装置10eは、上記事業者の資金を示す資金データをサーバ装置10aに送信する。
【0068】
ステップS54において、サーバ装置10aは、上記統合資金向けカンバンデータに含まれる上記統合金額データと、上記資金データと、所定閾値とに基づいて、資金量の不足と余剰の有無を判定する。
【0069】
ステップS54で資金量の不足又は余剰があると判定された場合、ステップS55において、サーバ装置10aは、上記統合金額データの算出に使用された複数の資金向けカンバンデータの金額データを含む取引向けカンバンデータを生成する。取引向けカンバンデータは、金額データの変更(減額又は増額)を要請するためのデータを含む。当該要請は、資金量の不足又は余剰が解消されるような金額データの変更量を含む。
【0070】
ステップS56において、サーバ装置10aは、サーバ装置10b、サーバ装置10c、及びサーバ装置10dの少なくとも一部に対して、ステップS54で生成された取引向けカンバンデータに基づく金額データの変更要請(条件変更可否確認)を送信する。
【0071】
本実施形態によれば、上記のとおり、システム1のサーバ装置10(例えば、サーバ装置10b、10c、10d、10e)に記憶されたカネ、ヒト、モノ、及び権限のデータの変動状況を資金向けカンバンデータ又は取引向けカンバンデータに基づいて在庫管理のように管理し、資金不足と、資金余剰とを管理可能である。その結果、本実施形態によれば、より効果的な経営に関する技術を提供することができる。
【0072】
[ハードウェア構成]
図6を参照して、サーバ装置10及び端末装置20をコンピュータ800により実現する場合における、コンピュータ800のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0073】
図6に示すように、コンピュータ800は、プロセッサ801と、メモリ803と、記憶装置805と、入力I/F部807と、データI/F部809と、通信I/F部811、及び表示装置813を含む。コンピュータ800は、図示しないが、各種アクチュエータ(例えば、モータ)、測位モジュール(例えば、GPSモジュール)、又は各種センサを含んでもよい。
【0074】
プロセッサ801は、メモリ803に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ800における各種の処理を制御する制御部である。
【0075】
メモリ803は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ803は、プロセッサ801によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0076】
記憶装置805は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置805は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。なお、記憶装置805は、メモリ803と同じデバイスであってよい。
【0077】
入力I/F部807は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部807の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F部807は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してコンピュータ800に接続されても良い。
【0078】
データI/F部809は、コンピュータ800の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部809の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部809は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部809は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ800へと接続される。
【0079】
通信I/F部811は、コンピュータ800の外部の装置と有線又は無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部811は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部811は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ800に接続される。
【0080】
表示装置813は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置813の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示装置813は、コンピュータ800の外部に設けられても良い。その場合、表示装置813は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ800に接続される。また、入力I/F部807としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置813は、入力I/F部807と一体化して構成することが可能である。
【0081】
[変形例1]
上記実施形態におけるシステム1(又は、サーバ装置10、若しくは端末装置20)を実装するためのプログラムは、CD-ROM等の光学ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記録媒体を通じて、又は通信ネットワークなどを介してダウンロードすることにより、コンピュータにインストール又はロードすることができる。
【0082】
[変形例2]
上記実施形態では、医療機関である事業者の経営資源であるカネ、ヒト、モノ、及び権限のデータを管理する場合の例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明に係るシステムは、医療業以外の業種にも適用可能であり、例えば、(ア)建設業、(イ)飲食業、(ウ)宿泊業等の業種にも適用可能である。以下、業種(ア)~(ウ)の例について説明する。なお、業種(イ)及び(ウ)においては、機器若しくは機材の使用管理システムに代えて(又は、この使用管理システムと併せて)、飲食の注文及び/又は宿泊等の予約管理システムと連携してもよい。この場合において、例えば、資金向けカンバンデータは、この予約管理システムから受信した資金決済データに基づいて生成された支払又は収入の金額データと、当該支払又は収入の決済期日データとを含んでもよい。
【0083】
<(ア)建設業における資金向けカンバンデータの具体例>
・建材発注(部材管理)
例えば、2022年1月5日に、A社に対して50本の建材(単価:50,000円)を2022年2月1日を納品期日として発注したとする。納品確認後、当月末締め翌月15日(2022年3月15日)に税込み2,500,000円を支払うとする。この場合において、制御部13は、上記発注の情報に基づいて、合計金額:▲2,500,000円、支払期日:2022年3月15日、決済履行確度:(A、B、及びCのうちの)B、発注番号:20220105、及びカンバン番号:001を含む資金向けカンバンデータを生成してもよい。
【0084】
・現場作業員シフト管理(人事管理)
例えば、2022年1月17日に、2022年1月25日を確定期日として現場作業補助員、及び交通誘導員等の非常勤の現場作業員15人の2月度シフトを作成したとする。給与は月末締め翌月15日支払い(2月分は3月15日)であるとする。この場合において、制御部13は、上記現場作業員それぞれの人事管理情報に基づいて、合計金額:▲500,000円(給与の合計値)、支払期日:2022年3月15日、決済履行確度:(A、B、及びCのうちの)B、対象月:2月分、カンバン番号:002を含む資金向けカンバンデータを生成してもよい。
【0085】
・重機レンタル使用管理(機器・機材使用管理)
2022年1月31日に、3月分の重機使用予定を作成したとする。当該重機使用予定は、利用重機種別、レンタル料(日別合計)、使用期日、決済日のデータを含むとする。この場合において、制御部13は、支払期日が2022年3月15日である上記重機使用予定に基づいて、合計金額:▲2,000,000円(レンタル料の合計値)、支払期日:2022年3月15日、決済履行確度(A、B、及びCのうちの)B、及びカンバン番号:003を含む資金向けカンバンデータを生成してもよい。
【0086】
・統合資金向けカンバンデータ
例えば、制御部13は、上記カンバン番号が001~003である資金向けカンバンデータを決済期日、決済履行確度、入り払いを区別して統合する。例えば、カンバン番号001、002及び003は、支払期日:2022年3月15日であり、支払であり、決済履行確度:Bであるため、カンバン番号001、002及び003の資金向けカンバンデータは、統合されてもよい。また、統合後の統合資金向けカンバンデータに対して、カンバン番号として111が付与されてもよい。カンバン番号が111の統合資金向けカンバンデータの統合金額は、▲5,000,000円となる。なお、本例では、入り払いが収入の資金向けカンバンデータは生成されないため、収入の統合資金向けカンバンデータも生成されない。
【0087】
・資金量データと合算
例えば、制御部13は、カンバン番号が111の統合資金向けカンバンデータを2022年3月15日時点の資金量(+4,800,000円)と合算する。合算結果は、▲200,000円(=▲5,000,000円+4,800,000円)となる。その後、制御部13は、▲200,000円の是正を要請する取引向けカンバンデータを生成する。
【0088】
・取引向けカンバン作成
上記に基づいて、制御部13は、是正金額:▲200,000円、決済期日:2022年3月15日、対象カンバン番号:111を含む取引向けカンバンデータを生成する。生成された取引向けカンバンデータは、部材、人事、機器・機材使用のデータを記憶するデータベース12に記憶される。また、生成された取引向けカンバンデータは、通信部11を介して対応する外部装置であるサーバ装置10(10b、10c、10d)に送信されてもよい。
【0089】
<(イ)飲食業における資金向けカンバンデータの具体例>
・食材発注(部材管理)
例えば、2022年1月5日に、A社に対して500本の瓶ビール等の飲料(単価:200円)を2022年2月1日を納品期日として発注したとする。納品確認後、当月末締め翌月15日(2022年3月15日)に税込み100,000円を支払うとする。この場合において、制御部13は、上記発注の情報に基づいて、合計金額:▲100,000円、支払期日:2022年3月15日、決済履行確度:(A、B、及びCのうちの)B、発注番号:20220105、及びカンバン番号:001を含む資金向けカンバンデータを生成してもよい。
【0090】
・シフト管理(人事管理)
例えば、2022年1月17日に、2022年1月25日を確定期日としてアルバイト店員の2月度シフトを作成したとする。給与は月末締め翌月15日支払い(2月分は3月15日)であるとする。この場合において、制御部13は、上記アルバイト店員の人事管理情報に基づいて、合計金額:▲300,000円(給与の合計値)、支払期日:2022年3月15日、決済履行確度:(A、B、及びCのうちの)B、対象月:2月分、カンバン番号:002を含む資金向けカンバンデータを生成してもよい。
【0091】
・コース予約管理(予約管理)
2022年1月31日に、3月分のコース予約状況を作成したとする。当該予約状況は、利用コース単価、利用人数、総額(日別合計)、決済手段、決済日のデータを含むとする。この場合において、制御部13は、支払期日が2022年3月15日である上記予約状況に基づいて、合計金額:+200,000円(利用コース単価の合計値)、支払期日:2022年3月15日、決済履行確度(A、B、及びCのうちの)B、及びカンバン番号:003を含む資金向けカンバンデータを生成してもよい。
【0092】
・統合資金向けカンバンデータ
例えば、制御部13は、上記カンバン番号が001~003である資金向けカンバンデータを決済期日、決済履行確度、入り払いを区別して統合する。例えば、カンバン番号001及び002は、支払期日:2022年3月15日であり、支払であり、決済履行確度:Bであるため、カンバン番号001及び002の資金向けカンバンデータは、統合されてもよい。また、統合後の統合資金向けカンバンデータに対して、カンバン番号として111が付与されてもよい。カンバン番号が111の統合資金向けカンバンデータの統合金額は、▲400,000円となる。また、カンバン番号003である資金向けカンバンデータは、収入であるため、カンバン番号001及び002である資金向けカンバンデータには統合されない。
【0093】
・資金量データと合算
例えば、制御部13は、カンバン番号が111の統合資金向けカンバンデータを2022年3月15日時点の資金量(+170,000円)と合算する。合算結果は、▲30,000円(=▲400,000円+200,000円+170,000円)となる。その後、制御部13は、▲30,000円の是正を要請する取引向けカンバンデータを生成する。
【0094】
・取引向けカンバン作成
上記に基づいて、制御部13は、是正金額:▲30,000円、決済期日:2022年3月15日、対象カンバン番号:111及び003を含む取引向けカンバンデータを生成する。生成された取引向けカンバンデータは、部材、人事、予約管理のデータを記憶するデータベース12に記憶される。また、生成された取引向けカンバンデータは、通信部11を介して対応する外部装置であるサーバ装置10(10b、10c、10d)に送信されてもよい。
【0095】
<(ウ)宿泊業における資金向けカンバンデータの具体例>
・消耗品発注(部材管理)
例えば、2022年1月5日に、A社に対して1,000個の歯ブラシ又は櫛等のアメニティ(平均単価:5,000円)を2022年2月1日を納品期日として発注したとする。納品確認後、当月末締め翌月15日(2022年3月15日)に税込み5,000,000円を支払うとする。この場合において、制御部13は、上記発注の情報に基づいて、合計金額:▲5,000,000円、支払期日:2022年3月15日、決済履行確度:(A、B、及びCのうちの)B、発注番号:20220105、及びカンバン番号:001を含む資金向けカンバンデータを生成してもよい。
【0096】
・シフト管理(人事管理)
例えば、2022年1月17日に、2022年1月25日を確定期日としてアルバイトの2月度シフトを作成したとする。給与は月末締め翌月15日支払い(2月分は3月15日)であるとする。この場合において、制御部13は、上記アルバイト店員の人事管理情報に基づいて、合計金額:▲3,000,000円(給与の合計値)、支払期日:2022年3月15日、決済履行確度:(A、B、及びCのうちの)B、対象月:2月分、カンバン番号:002を含む資金向けカンバンデータを生成してもよい。
【0097】
・宿泊予約管理(予約管理)
2022年1月31日に、3月分の宿泊予約状況を作成したとする。当該予約状況は、客室単価、利用客室数、総額(日別合計)、決済手段、決済日のデータを含むとする。この場合において、制御部13は、支払期日が2022年3月15日である上記予約状況に基づいて、合計金額:+3,000,000円(利用コース単価の合計値)、支払期日:2022年3月15日、決済履行確度(A、B、及びCのうちの)B、及びカンバン番号:003を含む資金向けカンバンデータを生成してもよい。
【0098】
・統合資金向けカンバンデータ
例えば、制御部13は、上記カンバン番号が001~003である資金向けカンバンデータを決済期日、決済履行確度、入り払いを区別して統合する。例えば、カンバン番号001及び002は、支払期日:2022年3月15日であり、支払であり、決済履行確度:Bであるため、カンバン番号001及び002の資金向けカンバンデータは、統合されてもよい。また、統合後の統合資金向けカンバンデータに対して、カンバン番号として111が付与されてもよい。カンバン番号が111の統合資金向けカンバンデータの統合金額は、▲8,000,000円となる。また、カンバン番号003である資金向けカンバンデータは、収入であるため、カンバン番号001及び002である資金向けカンバンデータには統合されない。
【0099】
・資金量データと合算
例えば、制御部13は、カンバン番号が111の統合資金向けカンバンデータを2022年3月15日時点の資金量(+4,500,000円)と合算する。合算結果は、▲500,000円(=▲8,000,000円+3,000,000円+4,500,000円)となる。その後、制御部13は、▲500,000円の是正を要請する取引向けカンバンデータを生成する。
【0100】
・取引向けカンバン作成
上記に基づいて、制御部13は、是正金額:▲500,000円、決済期日:2022年3月15日、対象カンバン番号:111及び003を含む取引向けカンバンデータを生成する。生成された取引向けカンバンデータは、部材、人事、予約管理のデータを記憶するデータベース12に記憶される。また、生成された取引向けカンバンデータは、通信部11を介して対応する外部装置であるサーバ装置10(10b、10c、10d)に送信されてもよい。
【0101】
資金向けカンバン統合機能は、例えば、業種の異なる複数の事業を事業者が行っている場合、業種ごとに資金向けカンバンデータを統合してもよい。言い換えれば、資金向けカンバンデータを統合するための条件は、同一の業種における決済であることを含んでもよい。制御部13は、例えば、業種ごとに、複数の資金向けカンバンデータに含まれる金額データを合算して得られる統合金額データを含む統合資金向けカンバンデータを生成してもよい。
【0102】
上記構成によれば、医療業以外の様々な業種の事業者において、より効果的な経営を行うことができる。また、業種の異なる複数の事業を事業者が行っている場合、業種ごとに資金向けデータを統合することができるため、業種ごとに、カネ、ヒト、モノ、及び権限のデータをデータベースにより管理し、キャッシュ(カネ)を在庫として管理することができる。
【0103】
資金向けカンバンデータを統合するための条件は、事業者の業種ごとに設定されてもよい。例えば、業種Aに対して設定される条件は決済期日が所定期間にあることのみとし、他方、業種Aとは異なる業種Bに対して設定される条件は、決済期日が所定期間にあること、かつ資金向けカンバンデータに含まれる決済履行確度が所定値であること、としてもよい。このような構成によれば、業種ごとの特性等に合わせて、資金向けカンバンデータを統合するための条件を設定することができる。また、業種ごとに、カネ、ヒト、モノ、及び権限のデータの変動状況を管理することができる。
【0104】
本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。
【符号の説明】
【0105】
1 システム
10 サーバ装置
11 通信部
12 データベース
13 制御部
20 端末装置
800 コンピュータ
801 プロセッサ
803 メモリ
805 記憶装置
807 入力I/F部
809 データI/F部
811 通信I/F部
813 表示装置
N ネットワーク
【手続補正書】
【提出日】2024-02-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人事管理システムにおける装置、物品管理システムにおける装置、及び/又は収益管理システムにおける装置を含む一つ又は複数の外部装置と相互に通信可能なコンピュータに、
通信部が、事業者の事業活動における人件費を示すデータ、若しくは物品及び機材などの発注に応じて支払われる費用を示すデータであるキャッシュアウトに関する金額データ、又は前記事業者による提供予定のサービスの収益を含む権限データであるキャッシュインに関する金額データを、前記一つ又は複数の外部装置のそれぞれから受信することと、
制御部が、前記金額データを含むキャッシュフローデータを生成することと、
前記通信部が、財務又は会計を管理する財務会計管理装置から前記事業者の資金データを受信することと、
前記制御部が、前記キャッシュフローデータに含まれる前記金額データと、前記資金データと、所定閾値とに基づいて、資金量の不足又は余剰の有無を判定することと、
前記資金量の不足又は余剰があると判定された場合、前記制御部が、前記金額データの変更を要請するための変更要請データであって、前記金額データの識別データと、前記金額データに示された金額を減らすようにする依頼若しくは増やすようにする依頼、及び/又は前記金額データと前記資金量の合算結果の是正を要請する旨と、を示すデータを含む変更要請データを生成することと、
前記通信部が、前記変更要請データを含む確認通知を、前記金額データの送信元である一つ又は複数の外部装置に送信することと
を含む情報処理方法を実行させるためのプログラム。
【請求項2】
前記通信部が、前記確認通知の送信に応じて、変更不可を示す回答通知を前記一つ又は複数の外部装置から受信することと、
前記制御部が、前記回答通知が受信された場合、前記金額データに対応する取引の決済が履行される可能性を示す決済履行の確度が確定であることを示す決済履行確度データを含む前記金額データをデータベースに記憶することと
を含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
複数の前記外部装置は、人事管理システムにおける装置、物品管理システムにおける装置、及び収益管理システムにおける装置を含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記事業者は、医療機関である、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記所定閾値は、金額に関する閾値と、前記金額を特定する期間に関する閾値とを含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記情報処理方法は、
前記通信部が前記確認通知の送信に応じて、変更不可を示す回答通知を受信した場合、前記制御部は、前記金額データに対応する決済履行の確度が確定であることを示す決済履行確度データを含むキャッシュフローデータを記憶部に記憶することを含む、請求項2に記載のプログラム。
【請求項7】
前記情報処理方法は、
前記制御部が、複数の前記キャッシュフローデータに含まれる前記金額データを合算した統合金額データを含む統合キャッシュフローデータを生成することを含み、
前記判定は、前記制御部が、前記統合金額データと、前記資金データと、所定閾値とに基づいて、資金量の不足又は余剰の有無を判定することを含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記情報処理方法は、
前記制御部が、前記変更要請データが、前記統合キャッシュフローデータの生成に使用された前記キャッシュフローデータに含まれる金額データを含むように、前記統合キャッシュフローデータに基づいて、複数の前記変更要請データを生成することを含む、請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記情報処理方法は、
前記資金量に不足があると判定された場合、前記制御部が、資金調達の提案に関する提案通知を前記財務会計管理装置に送信することを含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
人事管理システムにおける装置、物品管理システムにおける装置、及び/又は収益管理システムにおける装置を含む一つ又は複数の外部装置と相互に通信可能な、通信部と、制御部とを備える情報処理装置であって、
前記通信部が、事業者の事業活動における人件費を示すデータ、若しくは物品及び機材などの発注に応じて支払われる費用を示すデータであるキャッシュアウトに関する金額データ、又は前記事業者による提供予定のサービスの収益を含む権限データであるキャッシュインに関する金額データを、前記一つ又は複数の外部装置のそれぞれから受信することと、
前記制御部が、前記金額データを含むキャッシュフローデータを生成することと、
前記通信部が、財務又は会計を管理する財務会計管理装置から前記事業者の資金データを受信することと、
前記制御部が、前記キャッシュフローデータに含まれる前記金額データと、前記資金データと、所定閾値とに基づいて、資金量の不足又は余剰の有無を判定することと、
前記資金量の不足又は余剰があると判定された場合、前記制御部が、前記金額データの変更を要請するための変更要請データであって、前記金額データの識別データと、前記金額データに示された金額を減らすようにする依頼若しくは増やすようにする依頼、及び/又は前記金額データと前記資金量の合算結果の是正を要請する旨と、を示すデータを含む変更要請データを生成することと、
前記通信部が、前記変更要請データを含む確認通知を、前記金額データの送信元である一つ又は複数の外部装置に送信することと
を実行する、情報処理装置。
【請求項11】
人事管理システムにおける装置、物品管理システムにおける装置、及び/又は収益管理システムにおける装置を含む一つ又は複数の外部装置と相互に通信可能な通信部が、事業者の事業活動における人件費を示すデータ、若しくは物品及び機材などの発注に応じて支払われる費用を示すデータであるキャッシュアウトに関する金額データ、又は前記事業者による提供予定のサービスの収益を含む権限データであるキャッシュインに関する金額データを、前記一つ又は複数の外部装置のそれぞれから受信することと、
制御部が、前記金額データを含むキャッシュフローデータを生成することと、
前記通信部が、財務又は会計を管理する財務会計管理装置から前記事業者の資金データを受信することと、
前記制御部が、前記キャッシュフローデータに含まれる前記金額データと、前記資金データと、所定閾値とに基づいて、資金量の不足又は余剰の有無を判定することと、
前記資金量の不足又は余剰があると判定された場合、前記制御部が、前記金額データの変更を要請するための変更要請データであって、前記金額データの識別データと、前記金額データに示された金額を減らすようにする依頼若しくは増やすようにする依頼、及び/又は前記金額データと前記資金量の合算結果の是正を要請する旨と、を示すデータを含む変更要請データを生成することと、
前記通信部が、前記変更要請データを含む確認通知を、前記金額データの送信元である一つ又は複数の外部装置に送信することと
を含む情報処理方法。