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特開2024-4135配送プログラム、配送システム、情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004135
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】配送プログラム、配送システム、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20230101AFI20240109BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240109BHJP
   G06Q 10/087 20230101ALI20240109BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
G06Q30/06
G06Q10/08 330
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103633
(22)【出願日】2022-06-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】508342998
【氏名又は名称】株式会社セブン&アイ・ホールディングス
(71)【出願人】
【識別番号】591156788
【氏名又は名称】株式会社セブン-イレブン・ジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】我妻 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】柴原 伸泰
(72)【発明者】
【氏名】本橋 暁
(72)【発明者】
【氏名】藤田 重人
(72)【発明者】
【氏名】新居 義典
(72)【発明者】
【氏名】安達 到
(72)【発明者】
【氏名】阿部 光太郎
(72)【発明者】
【氏名】大森 栄治
(72)【発明者】
【氏名】落合 剛弘
(72)【発明者】
【氏名】葛西 昭芳
(72)【発明者】
【氏名】小寺 高載
(72)【発明者】
【氏名】中島 崇博
(72)【発明者】
【氏名】山口 翔大
(72)【発明者】
【氏名】由井 大輔
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 宏祐
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049BB63
5L049BB65
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】商品の配送効率を高めることが可能な配送システムを提供する。
【解決手段】配送システム10は、顧客により注文された店舗内の商品を確保するための処理を実行するピッキング管理部と、商品の配送手段を決定する配送依頼部と、を備える。配送依頼部は、自社配送システムに商品の配送を依頼し、自社の配送手段により商品を配送することができる場合には、商品の配送を自社の配送手段で行うことを決定する。また、配送依頼部は、自社の配送手段により商品を配送することができない場合には、商品の配送を自社の配送手段とは別の配送業者に依頼する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
顧客により注文された店舗内の商品を確保するための処理を実行する商品管理部と、
前記商品の配送手段を決定する配送手段決定部と、として機能させ、
前記配送手段決定部は、
自社で提供可能な第1配送手段に商品の配送を依頼し、前記第1配送手段により前記商品を配送することができる場合には、前記商品の配送を前記第1配送手段により行うことを決定し、
前記第1配送手段により前記商品を配送することができない場合には、前記商品の配送を前記第1配送手段とは別の第2配送手段に依頼する
配送プログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、
前記店舗内の前記商品の確保が開始された際に、その旨を前記第2配送手段に通知する通知部として更に機能させる
請求項1に記載の配送プログラム。
【請求項3】
前記配送手段決定部は、
前記商品の配送を前記第1配送手段に依頼した後、前記第1配送手段から前記商品の配送が可能である旨の通知があった場合には、前記第1配送手段により前記商品を配送できると判断し、
前記第1配送手段から前記商品の配送が不可能である旨の通知があった場合、又は前記商品の配送を前記第1配送手段に依頼した時点から所定時間が経過した場合には、前記第1配送手段により前記商品を配送できないと判断する
請求項1に記載の配送プログラム。
【請求項4】
前記配送手段決定部は、
前記商品の配送を前記第2配送手段に依頼した後、前記第2配送手段から前記商品の配送が可能である旨の通知があった場合には、前記第2配送手段により前記商品を配送できると判断し、
前記第2配送手段から前記商品の配送が不可能である旨の通知があった場合、又は前記商品の配送を前記第2配送手段に依頼した時点から所定時間が経過した場合には、前記商品の配送を中止する
請求項3に記載の配送プログラム。
【請求項5】
前記第2配送手段は、前記自社とは別の配送業者が提供する配送手段である
請求項1~4のいずれか一項に記載の配送プログラム。
【請求項6】
前記第2配送手段は、ドローン、及び配送ロボットの少なくとも一方を用いるものである
請求項1~4のいずれか一項に記載の配送プログラム。
【請求項7】
顧客により注文された店舗内の商品を確保するための処理を実行する商品管理部と、
前記商品の配送手段を決定する配送手段決定部と、を備え、
前記配送手段決定部は、
自社で提供可能な第1配送手段により前記商品を配送できるか否かを判断し、前記商品を前記第1配送手段により配送できると判断した場合には、前記商品の配送を前記第1配送手段に依頼し、
前記商品を前記第1配送手段により配送できないと判断した場合には、前記商品の配送を前記第1配送手段とは別の第2配送手段に依頼する
配送システム。
【請求項8】
顧客により注文された店舗内の商品を確保するための処理を実行する商品管理部と、
前記商品の配送手段を決定する配送手段決定部と、を備え、
前記配送手段決定部は、
自社で提供可能な第1配送手段により前記商品を配送できるか否かを判断し、前記商品を前記第1配送手段により配送できると判断した場合には、前記商品の配送を前記第1配送手段に依頼し、
前記商品を前記第1配送手段により配送できないと判断した場合には、前記商品の配送を前記第1配送手段とは別の第2配送手段に依頼する
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送プログラム、配送システム、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1に記載のシステムでは、コンビニエンスストア業界等で電子商取引を行う際に、リアルタイムに店舗の在庫を把握する技術が開示されている。この特許文献1には、顧客から注文を受け付けると、注文された商品を陳列棚等から取り出し、指定された住所の顧客に商品を配達することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-366623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電子商取引等により注文された商品を顧客に届ける場合、商品の注文を受け付けてから商品を顧客に届けるまでの時間をできる限り短くすることが望まれる。特許文献1には、注文された商品を店頭の陳列棚等から取り出して配送することが記載されているが、その際の作業を効率良く行う方法について記載がなく、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、商品の配送効率を高めることが可能な配送プログラム、配送システム、及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する配送プログラムは、コンピュータを、顧客により注文された店舗内の商品を確保するための処理を実行する商品管理部と、商品の配送手段を決定する配送手段決定部と、として機能させる。配送手段決定部は、自社で提供可能な第1配送手段に商品の配送を依頼し、第1配送手段により商品を配送することができる場合には、商品の配送を第1配送手段により行うことを決定する。配送手段決定部は、第1配送手段により商品を配送することができない場合には、商品の配送を第1配送手段とは別の第2配送手段に依頼する。
【0007】
上記課題を解決する配送システムは、顧客により注文された店舗内の商品を確保するための処理を実行する商品管理部と、商品の配送手段を決定する配送手段決定部と、を備える。配送手段決定部は、自社で提供可能な第1配送手段に商品の配送を依頼し、第1配送手段により商品を配送することができる場合には、商品の配送を第1配送手段により行うことを決定する。配送手段決定部は、第1配送手段により商品を配送することができない場合には、商品の配送を第1配送手段とは別の第2配送手段に依頼する。
【0008】
上記課題を解決するサーバ装置は、顧客により注文された店舗内の商品を確保するための処理を実行する商品管理部と、商品の配送手段を決定する配送手段決定部と、を備える。配送手段決定部は、自社で提供可能な第1配送手段に商品の配送を依頼し、第1配送手段により商品を配送することができる場合には、商品の配送を第1配送手段により行うことを決定する。配送手段決定部は、第1配送手段により商品を配送することができない場合には、商品の配送を第1配送手段とは別の第2配送手段に依頼する。
【0009】
この構成によれば、自社の配送手段を優先的に利用して商品を配送した上で、自社の配送手段で商品を配送することが難しい場合には、自社の配送手段とは別の配送手段で商品の配送が行われるため、商品の配送効率を高めることが可能である。
上記の配送プログラムにおいて、コンピュータを、店舗内の商品の確保が開始された際に、その旨を第2配送手段に通知する通知部として更に機能させる好ましい。
【0010】
この構成によれば、第2配送手段は、商品の確保が開始された時点で配送員を準備することができるため、第2配送手段の配送時間を短縮することが可能である。
上記の配送プログラムにおいて、配送手段決定部は、商品の配送を第1配送手段に依頼した後、第1配送手段から商品の配送が可能である旨の通知があった場合には、第1配送手段により商品を配送できると判断し、第1配送手段から商品の配送が不可能である旨の通知があった場合、又は商品の配送を第1配送手段に依頼した時点から所定時間が経過した場合には、第1配送手段により商品を配送できないと判断することが好ましい。
【0011】
この構成によれば、商品を第1配送手段により配送できるか否かを容易に判断することが可能となる。また、第1配送手段から配送の可否について回答がない場合であっても、商品の配送を第1配送手段に依頼した時点から所定時間が経過した場合には、商品を第1配送手段により配送できないとの判断が行われるため、第1配送手段からの回答が無いまま、配送の処理フローが滞ることを回避できる。
【0012】
上記の配送プログラムにおいて、配送手段決定部は、商品の配送を第2配送手段に依頼した後、第2配送手段から商品の配送が可能である旨の通知があった場合には、第2配送手段により商品を配送できると判断し、第2配送手段から商品の配送が不可能である旨の通知があった場合、又は商品の配送を第2配送手段に依頼した時点から所定時間が経過した場合には、商品の配送を中止することが好ましい。
【0013】
この構成によれば、商品を第2配送手段により配送できるか否かを容易に判断することが可能となる。また、第2配送手段から配送の可否について回答がない場合であっても、商品の配送を第2配送手段に依頼した時点から所定時間が経過した場合には商品の配送が中止されるため、第2配送手段からの回答が無いまま、配送の処理フローが滞ることを回避できる。
【0014】
上記の配送プログラムにおいて、第2配送手段は、自社とは別の配送業者が提供する配送手段であることが好ましい。
上記の配送プログラムにおいて、第2配送手段は、ドローン、及び配送ロボットの少なくとも一方を用いるものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の配送プログラム、配送システム、及び情報処理装置によれば、商品の配送効率を高めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態の配送システムの概略構成を示すブロック図。
図2】第1実施形態の配送システムの概略構成を示すブロック図。
図3】第1実施形態の端末及びサーバ装置のハードウェア的な構成を示すブロック図。
図4】第1実施形態の商品管理サーバ装置の機能的な構成を示すブロック図。
図5】第1実施形態の配送管理サーバ装置の機能的な構成を示すブロック図。
図6】第1実施形態の配送業者DBに記憶されている情報の一例を示す図表。
図7】第1実施形態の事前通知部により実行される処理の手順を示すフローチャート。
図8】第1実施形態の配送依頼部により実行される処理の手順の一部を示すフローチャート。
図9】第1実施形態の配送依頼部により実行される処理の手順の一部を示すフローチャート。
図10】第1実施形態の配送システムの動作例を示すシーケンスチャート。
図11】第1実施形態の配送システムの動作例を示すシーケンスチャート。
図12】第2実施形態の配送システムの概略構成を示すブロック図。
図13】第2実施形態の配送依頼部により実行される処理の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、配送プログラム、配送システム、及び情報処理装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
<第1実施形態>
(配送システムの概要)
図1に示される本実施形態の配送システム10は、コンビニエンスストア等の店舗で販売されている商品を顧客の自宅等に配送するサービスを提供するものである。
【0018】
図1に示されるように、配送システム10は、利用者端末20と、店舗端末30と、商品管理サーバ装置40と、配送管理サーバ装置50と、自社配送システム60と、複数の配送業者システム70とを備えている。端末20,30は、スマートフォンやタブレッド等のスマートデバイスや、所定の場所に設置されたパーソナルコンピュータ等である。サーバ装置40,50及びシステム60,70はパーソナルコンピュータ等である。
【0019】
端末20,30、サーバ装置40,50、及びシステム60,70は通信ネットワーク19を介して互いに通信可能に接続されている。通信ネットワーク19は、例えばインターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、及びそれらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0020】
次に、図2を参照して、配送システム10の概略構成について説明する。
利用者端末20は顧客により操作される。利用者端末20には、複数の店舗で販売されている商品を注文することが可能な専用のアプリケーションがインストールされている。顧客は、本アプリケーションを操作することにより、例えば複数の店舗のうちのいずれかを選択して、その店舗で販売されている商品を注文することができる。その際、顧客は、例えば商品の希望配送日時を複数設定することができる。顧客が利用者端末20を操作して店舗の商品を注文すると、利用者端末20は注文要求通知を商品管理サーバ装置40に送信する。注文要求通知には、顧客の情報、注文された商品の識別コード、商品の注文が行われた店舗の識別コード、及び希望配送日時等が含まれている。顧客の情報には、顧客の氏名や、顧客の住所等が含まれている。顧客の住所は商品の配送先に相当する。
【0021】
商品管理サーバ装置40は、複数の店舗でそれぞれ販売されている商品を統括的に管理するための情報処理装置である。商品管理サーバ装置40は、利用者端末20から送信される注文要求通知を受信すると、店舗端末30に注文受付通知を送信する。注文受付通知には、注文された商品の識別コード、商品の個数、商品の配送先等が含まれている。
【0022】
店舗端末30は、複数の店舗のそれぞれに設けられており、各店舗の従業員により操作される。各店舗に設けられる店舗端末30には店舗の識別コードが関連付けられている。店舗端末30には、商品の注文に関連する各種処理を実行する専用のアプリケーションがインストールされている。店舗端末30は、商品管理サーバ装置40から送信される注文受付通知を受信すると、その情報に応じた商品やその個数等をアプリケーション上で画像や文字等を用いて表示する。店舗の従業員は、店舗端末30に表示される画像や文字等に基づいて、店舗の商品に対して注文があったこと、並びに注文された商品及びその個数を認識することができる。その後、店舗の従業員が、注文された商品の確保した後、それに対応した操作をアプリケーション上で行うと、その旨を示すピッキング完了通知が店舗端末30から商品管理サーバ装置40に通知される。
【0023】
商品管理サーバ装置40は、店舗端末30から送信されるピッキング完了通知を受信すると、商品の配送を依頼するための第1配送依頼通知を配送管理サーバ装置50に送信する。
配送管理サーバ装置50は商品の配送を統括的に管理するための情報処理装置である。配送管理サーバ装置50は、商品管理サーバ装置40から送信される第1配送依頼通知を受信すると、商品の配送を自社配送システム60又は配送業者システム70に依頼する。具体的には、配送管理サーバ装置50は、まず、第2配送依頼通知を自社配送システム60に送信する。
【0024】
自社配送システム60は、店舗、店舗が加盟しているグループ会社、及びその関連会社等の配送手段を統括的に管理している。以下では、店舗、店舗が加盟しているグループ会社、及びその関連会社等を自社と称する。自社で提供可能な配送手段としては、例えば各店舗の従業員がバイクや自動車等を利用して配送する方法等が用いられる。自社配送システム60は、配送管理サーバ装置50から送信される第2配送依頼通知を受信した場合、自社の配送手段で商品を配送することが可能であるか否かを判断する。自社配送システム60は、自社の配送手段で商品を配送可能な場合には、自社の配送手段を用いて商品を顧客に配送する。一方、自社配送システム60は、自社の配送手段で商品を配送することができない場合には、その旨を配送管理サーバ装置50に通知する。本実施形態では、自社の配送手段が第1配送手段に相当する。
【0025】
配送管理サーバ装置50は、商品の配送ができない旨が自社配送システム60から通知された場合、複数の配送業者システム70のいずれかに第3配送依頼通知を送信する。複数の配送業者システム70は、商品を配送することが可能な複数の配送業者にそれぞれ設けられており、各配送業者の配送状況を統括的に管理している。配送管理サーバ装置50は、例えば各配送業者により商品を配送することが可能な時間帯や配送料金等に基づいて一つの配送業者を選択するとともに、その配送業者に対応したシステム70に第3配送依頼通知を送信する。この場合、配送業者の配送員が店舗の商品を回収した後、その商品を顧客に配送する。本実施形態では、配送業者により提供される配送手段が第2配送手段に相当する。
【0026】
(配送システムのハードウェア的な構成)
図3に示されるように、端末20,30、サーバ装置40,50、及びシステム60,70は、ハードウェア的な構成として、プロセッサ11、記憶装置12、通信装置13、入力装置14、出力装置15、及び読み込み装置16等を有している。プロセッサ11はCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphical Processing Unit)等である。記憶装置12は、例えばメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、及びSSD(Solid State Drive)の少なくとも一つにより構成される。通信装置13は有線通信又は無線通信を行う。入力装置14は、入力操作を受け付ける装置であり、例えばキーボード、タッチパネル、マウス、マイクの少なくとも一つにより構成される。出力装置15は、情報の出力を行う装置であり、例えばディスプレイ、タッチパネル、及びスピーカの少なくとも一つにより構成される。読み込み装置16は、QRコード(登録商標)を読み込むことが可能なカメラや、バーコードを読み込むことが可能な装置等により構成される。
【0027】
(配送システムの機能的な構成)
次に、図3に示されるハードウェア的な構成により実現される商品管理サーバ装置40及び配送管理サーバ装置50のそれぞれの機能的な構成について説明する。
【0028】
(商品管理サーバ装置)
図4に示されるように、商品管理サーバ装置40は、通信部41と、記憶部42と、制御部43とを備えている。
通信部41は通信ネットワーク19を介して利用者端末20、店舗端末30、及び配送管理サーバ装置50と各種通信を行う。通信部41は、例えば商品管理サーバ装置40の記憶装置12に記憶されているプログラムをプロセッサ11が実行して通信装置13を制御することにより実現可能である。
【0029】
記憶部42には、商品管理サーバ装置40が有する各種情報が記憶されている。記憶部42は、例えば商品管理サーバ装置40が有する記憶装置12により実現可能である。
制御部43は商品管理サーバ装置40を制御する。制御部43は、例えば記憶装置12に記憶されているプログラムをプロセッサ11が実行することにより実現可能である。制御部43は、その機能的な構成として、注文管理部431と、ピッキング管理部432と、マッチング結果通知部433とを有している。本実施形態では、ピッキング管理部432が商品管理部に相当する。
【0030】
注文管理部431は、顧客による商品の注文を管理する。例えば、注文管理部431は、顧客が商品を注文した際に利用者端末20から送信される注文要求通知を通信部41により受信すると、受信した注文要求通知に関する処理を実行する。具体的には、注文管理部431は、注文要求通知に含まれる店舗の識別コードを取得するとともに、取得した識別コードに対応した店舗端末30に注文受付通知を通信部41により送信する。店舗端末30は、注文受付通知を受信すると、その情報に応じた商品やその個数等を表示する。これにより、店舗の従業員は、顧客により注文された商品やその個数等を認知することができるため、その商品の確保を開始する。その際、従業員は、商品の確保を開始したことを示す操作を店舗端末30に対して行う。これにより、店舗端末30から商品管理サーバ装置40にピッキング開始通知が送信される。その後、従業員は、店舗内の商品を確保することができた場合には、それに対応した操作を店舗端末30に行う。この場合、店舗端末30から商品管理サーバ装置40にピッキング完了通知が送信される。
【0031】
ピッキング管理部432は、店舗における商品の確保状態を管理する。例えば、ピッキング管理部432は、店舗端末30に注文受付通知を送信した後に店舗端末30から送信されるピッキング開始通知を通信部41により受信した場合には、第1配送事前通知を通信部41により配送管理サーバ装置50に送信する。第1配送事前通知は、顧客の注文を受け付けたことを配送管理サーバ装置50に知らせるためのものである。第1配送事前通知は、顧客の商品の注文が商品管理サーバ装置40により受け付けられた後、その商品の配送方法が決定されるよりも前に商品管理サーバ装置40から配送管理サーバ装置50に送信される。
【0032】
ピッキング管理部432は、第1配送事前通知を配送管理サーバ装置50に送信した後に店舗端末30から送信されるピッキング完了通知を通信部41により受信した場合には、第1配送依頼通知を通信部41により配送管理サーバ装置50に送信する。第1配送依頼通知は、商品の確保が完了して商品を配送できる状態になったことを配送管理サーバ装置50に知らせるためのものである。第1配送依頼通知には、顧客の情報、注文商品の識別コード、商品の注文が行われた店舗の識別コード、及び希望配送日時等が含まれている。顧客の情報には、顧客の氏名や、商品の配送先等が含まれている。配送管理サーバ装置50は、第1配送依頼通知を通信部41により受信すると、自社の配送手段及び配送業者のいずれかで商品の配送が可能であるか否かを判定する。配送管理サーバ装置50は、自社の配送手段又は配送業者により商品の配送が可能である場合には、その旨を示す配送可能通知を商品管理サーバ装置40に送信する。配送可能通知には、商品の配送日時等の情報が含まれている。配送管理サーバ装置50は、自社の配送手段及び配送業者のいずれでも商品を配送することができない場合には、その旨を示す配送不可通知を商品管理サーバ装置40に送信する。
【0033】
マッチング結果通知部433は、配送管理サーバ装置50から送信される配送可能通知を通信部41により受信すると、商品の配送が確定したことを示す注文確定通知を利用者端末20に送信する。注文確定通知には商品の配送日時等の情報が含まれている。利用者端末20は、注文確定通知を受信すると、商品の配送が可能であること、及び商品の配送日時等を表示する。これにより、顧客は、商品が配送されることを認知することができる。
【0034】
マッチング結果通知部433は、配送管理サーバ装置50から送信される配送不可通知を通信部41により受信すると、商品の配送が不可能であることを示すマッチング不成立通知を利用者端末20に送信する。利用者端末20は、マッチング不成立通知を受信すると、商品の配送が不可能であることを表示する。これにより、顧客は、商品の注文がキャンセルされて、商品が配送されないことを認知することができる。
【0035】
(配送管理サーバ装置)
図5に示されるように、配送管理サーバ装置50は、通信部51と、記憶部52と、制御部53とを備えている。
通信部51は通信ネットワーク19を介して配送管理サーバ装置50、自社配送システム60、及び複数の配送業者システム70と各種通信を行う。通信部51は、例えば配送管理サーバ装置50の記憶装置12に記憶されているプログラムをプロセッサ11が実行して通信装置13を制御することにより実現可能である。
【0036】
記憶部52には、配送管理サーバ装置50が有する各種情報が記憶されている。記憶部52は、例えば配送管理サーバ装置50が有する記憶装置12により実現可能である。記憶部52には、例えば配送業者DB(Data Base)521が記憶されている。配送業者DB521には、図6に示されるように、商品の配送が可能な配送業者の識別コード、配送業者が商品を配送可能なエリア、商品を配送することが可能な時間帯等の情報が記憶されている。
【0037】
図5に示される制御部53は配送管理サーバ装置50を制御する。制御部53は、例えば記憶部52に記憶されているプログラムをプロセッサ11が実行することにより実現可能である。制御部53は、その機能的な構成として、事前通知部531と、配送依頼部532とを有している。本実施形態では、配送依頼部532が配送手段決定部に相当する。
【0038】
事前通知部531は、商品管理サーバ装置40から送信される第1配送事前通知を通信部51により受信すると、商品の注文があったことを配送業者に必要に応じて通知する処理を実行する。
図7は、事前通知部531により実行される処理の手順を示したものである。なお、事前通知部531は、商品管理サーバ装置40から送信される第1配送事前通知を受信した際に図7に示される処理を実行する。
【0039】
図7に示されるように、事前通知部531は、まず、商品の配送エリアを特定する(ステップS10)。例えば、事前通知部531は、第1配送事前通知に含まれる商品の配送先を取得した上で、取得した商品の配送先に基づいて配送エリアを特定する。配送エリアとしては、例えば商品の配送先に含まれる郵便番号のエリアが用いられる。
【0040】
続いて、事前通知部531は、配送エリアに基づいて、商品を配送可能な配送業者を特定する(ステップS11)。例えば、事前通知部531は、ステップS10の処理で特定された商品の配送エリアと、配送業者DB521に記憶される各配送業者の配送エリアとを比較して、それらが一致した配送業者を、商品を配送可能な配送業者として特定する。
【0041】
続いて、事前通知部531は、商品を配送可能な配送業者が配送事前通知の送信を希望しているか否かを判断する(ステップS12)。各配送業者は、商品の注文があった際に、その旨を示す配送事前通知の送信を受け付けるか否かを予め選択できる。各配送業者の選択結果は、例えば図6に示されるような形で配送業者DB521に記憶されている。図6に示される配送業者DB521では、配送事前通知の送信を希望する配送業者A,Cには「○」が関連付けられ、配送事前通知の送信を希望しない配送業者Bには「×」が関連付けられている。事前通知部531は、配送業者DB521を参照しつつ、配送事前通知の送信を希望する配送業者が少なくとも一つ存在する場合には、ステップS12の処理で肯定的な判断を行う(ステップS12:YES)。この場合、事前通知部531は、配送事前通知の送信を希望する一つ又は複数の配送業者に対応したシステム70に第2配送事前通知を送信する(ステップS13)。この第2配送事前通知は、商品の配送を行うか否かにかかわらず、通知を希望する全ての配送業者に通知される。換言すれば、第2配送事前通知は商品の配送を行わない配送業者にも通知される。当該通知を受信した配送業者は、後述する配送依頼通知を受信する前に、配送の可否を判断するための時間を確保できるため、利用者が商品を注文してから配達完了までのリードタイムを短縮する効果が見込まれる。
【0042】
事前通知部531は、ステップS12の処理において、配送事前通知の送信を希望する配送業者が存在しない場合には(ステップS12:NO)、第2配送事前通知を送信することなく、図7に示される処理を終了する。
図5に示される配送依頼部532は、商品管理サーバ装置40から送信される第1配送依頼通知を通信部51により受信すると、商品の配送を自社配送システム60又は配送業者システム70に依頼する処理を実行する。
【0043】
図8及び図9は、配送依頼部532により実行される処理の手順を示したものである。なお、配送依頼部532は、商品管理サーバ装置40から送信される第1配送依頼通知を受信した際に図8及び図9に示される処理を実行する。
図8に示されるように、配送依頼部532は、まず、自社配送システム60に対して第2配送依頼通知を送信する(ステップS20)。自社配送システム60は、配送管理サーバ装置50から送信される第2配送依頼通知を受信すると、自社の配送手段を用いて商品を配送することが可能であるか否かを判断する。
【0044】
例えば、自社配送システム60は、商品の注文が行われた店舗に設けられる店舗端末30に対して、商品の配送が可能であるか否かを通知する。その通知を店舗端末30により確認した店舗の従業員は、商品の配送が可能であるか否かを判断して、商品の配送が可能である場合には、顧客が希望する複数の配送日時の中から、実際に商品の配送を行う一つの日時を選択した上で、商品の配送が可能であることを通知する操作を店舗端末30に対して行う。これにより、商品の配送が可能であることが店舗端末30から自社配送システム60に通知される。
【0045】
一方、店舗の従業員は、自店舗で商品を配送することができない場合には、それに対応した操作を店舗端末30に対して行う。これにより、商品の配送が不可能であることが店舗端末30から自社配送システム60に送信される。
なお、自社配送システム60は、商品の注文が行われた店舗とは別の店舗、例えば商品の注文が行われた店舗の周辺に存在する一つ又は複数の別の店舗に対して同様の通知を行うことにより、別の店舗で商品の配送が可能であるか否かを判断してもよい。
【0046】
自社配送システム60は、店舗端末30からの通知に基づいて自社の配送手段で商品を配送することができると判断した場合には、その旨を示す第1配送可能通知を配送管理サーバ装置50に送信する。第1配送可能通知には、自社の配送手段による商品の配送日時等の情報が含まれている。一方、自社配送システム60は、自社の配送手段で商品を配送することができないと判断した場合には、その旨を示す第1配送不可通知を配送管理サーバ装置50に送信する。
【0047】
配送依頼部532は、ステップS20の処理を実行した後、自社配送システム60に対して第2配送依頼通知を送信した時点から所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS21)。配送依頼部532は、第2配送依頼通知の送信時点から所定時間が経過していない場合には(ステップS21:NO)、自社配送システム60から第1配送可能通知又は第1配送不可通知を受信したか否かを判断する(ステップS22)。配送依頼部532は、第1配送可能通知又は第1配送不可通知を受信していない場合には(ステップS22:NO)、ステップS21の処理に戻る。
【0048】
その後、配送依頼部532は、第2配送依頼通知の送信時点から所定時間が経過するよりも前に(ステップS21:NO)、自社配送システム60から第1配送可能通知又は第1配送不可通知を受信した場合には(ステップS22:YES)、自社配送システム60から第1配送可能通知を受信したか否かを判断する(ステップS23)。配送依頼部532は、自社配送システム60から第1配送可能通知を受信した場合には(ステップS23;YES)、その旨を商品管理サーバ装置40に送信する(ステップS24)。これにより、商品管理サーバ装置40から利用者端末20に注文確定通知が送信される。注文確定通知には、商品が配送されること、及びその商品の配送日時等が含まれている。
【0049】
一方、配送依頼部532は、自社配送システム60から第1配送不可通知を受信した場合には(ステップS23:NO)、図9に示される処理、具体的には配送業者に商品の配送を依頼する処理に進む。また、配送依頼部532は、自社配送システム60から第1配送可能通知又は第1配送不可通知を受信するよりも前に(ステップS22:NO)、第2配送依頼通知の送信時点から所定時間が経過した場合にも(ステップS21:YES)、図9に示される処理に進む。すなわち、配送依頼部532は、自社の配送手段で商品を配送することができない場合、又は何らかの理由により自社配送システム60から配送可能及び配送不可能の通知がない場合には、商品の配送を配送業者に依頼する。
【0050】
配送依頼部532は、図9に示される処理に進んだ場合には、まず、複数の配送業者システム70のうちのいずれかに対して第3配送依頼通知を送信する(ステップS25)。例えば、配送依頼部532は、商品の配送先及び希望配送日時と、配送業者DB521に記憶されている各配送業者の配送エリア及び配送可能時間とを比較することにより、複数の配送業者の中から、商品の配送を依頼する配送業者を決定する。そして、配送依頼部532は、決定された配送業者に対応したシステム70に対して第3配送依頼通知を送信する。配送業者システム70は、配送管理サーバ装置50から送信される第3配送依頼通知を受信すると、配送業者の配送員により商品を配送することが可能であるか否かを判断する。配送業者システム70は、配送業者の配送員により商品を配送することができる場合には、その旨を示す第2配送可能通知を配送管理サーバ装置50に送信する。一方、配送業者システム70は、配送業者の配送員により商品を配送することができないと判断した場合には、その旨を示す第2配送不可通知を配送管理サーバ装置50に送信する。
【0051】
配送依頼部532は、ステップS25の処理を実行した後、配送業者システム70に対して第3配送依頼通知を送信した時点から所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS26)。配送依頼部532は、第3配送依頼通知の配送時点から所定時間が経過していない場合には(ステップS26:NO)、配送業者システム70から第2配送可能通知又は第2配送不可通知を受信したか否かを判断する(ステップS27)。配送依頼部532は、第2配送可能通知又は第2配送不可通知を受信していない場合には(ステップS27:NO)、ステップS26の処理に戻る。
【0052】
その後、配送依頼部532は、第3配送依頼通知の送信時点から所定時間が経過するよりも前に(ステップS26:NO)、配送業者システム70から第2配送可能通知又は第2配送不可通知を受信した場合には(ステップS27:YES)、第2配送可能通知を受信したか否かを判断する(ステップS28)。配送依頼部532は、第2配送可能通知を受信した場合には(ステップS28:YES)、その旨を商品管理サーバ装置40に送信する(ステップS29)。これにより、商品管理サーバ装置40から利用者端末20に注文確定通知が送信される。
【0053】
一方、配送依頼部532は、第2配送不可通知を受信した場合(ステップS28:NO)、すなわち自社の配送手段及び配送業者のいずれでも商品を配送することができない場合には、第2配送不可通知を商品管理サーバ装置40に送信する(ステップS30)。これにより、商品管理サーバ装置40から利用者端末20に、商品の配送が不可能であり、当該商品の注文がキャンセルされたことが通知される。
【0054】
(配送システムの動作例)
次に、図10及び図11を参照して、本実施形態の配送システム10の動作例について説明する。
図10は、自社の配送手段により商品が顧客に配送される場合の配送システム10の動作例を示したものである。
【0055】
図10に示されるように、本実施形態の配送システム10では、まず、顧客が利用者端末20を操作して所定の店舗の商品を注文すると、その内容に対応した注文要求通知が商品管理サーバ装置40に送信される(ステップS100)。商品管理サーバ装置40の注文管理部431は、注文要求通知を受信すると(ステップS120)、商品の注文が行われた店舗の端末30に対して注文受付通知を送信する(ステップS121)。店舗端末30は、注文受付通知を受信すると(ステップS110)、注文内容等を表示する。
【0056】
店舗の従業員は、店舗端末30の表示内容を確認した後、注文された商品の確保を開始する際に、商品の確保を開始したことを示す操作を店舗端末30に対して行う。これにより、店舗端末30はピッキング開始通知を商品管理サーバ装置40に送信する(ステップS111)。商品管理サーバ装置40のピッキング管理部432は、ピッキング開始通知を受信すると(ステップS122)、第1配送事前通知を配送管理サーバ装置50に送信する(ステップS123)。配送管理サーバ装置50の事前通知部531は、第1配送事前通知を受信すると(ステップS130)、配送事前通知の送信を希望する配送業者を特定した上で、その配送業者に対応したシステム70に第2配送事前通知を送信する(ステップS131)。なお、第1配送事前通知及び第2配送事前通知はいずれも、商品の注文を受けたことを示す情報を少なくとも含んでいるが、商品が注文された店舗の情報や商品の配送先等を更に含んでいてもよい。また、第1配送事前通知及び第2配送事前通知は、同一の情報を含むものであってもよいし、互いに異なる情報を含むものであってもよい。
【0057】
その後、店舗の従業員が商品を確保した後、商品の確保が完了したことを示す操作を店舗端末30に対して行うと、店舗端末30はピッキング完了通知を商品管理サーバ装置40に送信する(ステップS112)。商品管理サーバ装置40のピッキング管理部432は、ピッキング完了通知を受信すると(ステップS124)、第1配送依頼通知を配送管理サーバ装置50に送信する(ステップS125)。配送管理サーバ装置50の配送依頼部532は、第1配送依頼通知を受信すると(ステップS132)、第2配送依頼通知を自社配送システム60に送信する(ステップS133)。第1配送依頼通知及び第2配送依頼通知は、少なくとも配送依頼に関する情報を含むものである。第1配送依頼通知及び第2配送依頼通知は、同一の情報を含むものであってもよいし、互いに異なる情報を含むものであってもよい。
【0058】
自社配送システム60は、第2配送依頼通知を受信すると(ステップS140)、自社の配送手段で商品を配送することが可能であるか否かを判断し、自社の配送手段で商品を配送することが可能である場合には、その旨を示す第1配送可能通知を配送管理サーバ装置50に送信する(ステップS141)。配送管理サーバ装置50の配送依頼部532は、第1配送可能通知を受信すると(ステップS134)、第3配送可能通知を商品管理サーバ装置40に送信する(ステップS135)。商品管理サーバ装置40のマッチング結果通知部433は、第3配送可能通知を受信すると(ステップS126)、注文確定通知を利用者端末20に送信する(ステップS127)。なお、第3配送可能通知には、商品の配送が可能であるという情報や、商品の配送が自社の配送手段で行われるという情報等が含まれている。
【0059】
図11は、配送業者により商品が顧客に配送される場合の配送システム10の動作例を示したものである。なお、図11に示される処理において、図10に示される処理と同一の処理には同一の符号を付すことにより重複する説明は可能な限り省略する。
図11に示されるように、自社配送システム60は、第2配送依頼通知を受信した際に(ステップS140)、自社の配送手段で商品を配送することができない場合には、その旨を示す第1配送不可通知を配送管理サーバ装置50に送信する(ステップS141)。配送管理サーバ装置50の配送依頼部532は、第1配送不可通知を受信すると(ステップS136)、複数の配送業者の中から、商品の配送を依頼する配送業者を特定した上で、その配送業者に対応したシステム70に第3配送依頼通知を送信する(ステップS137)。第3配送依頼通知は、第1配送依頼通知及び第2配送依頼通知と同様に、少なくとも配送依頼に関する情報を含むものである。第3配送依頼通知は、第1配送依頼通知及び第2配送依頼通知と同一の情報を含むものであってもよいし、それらとは異なる情報を含むものであってもよい。
【0060】
配送業者システム70は、第3配送依頼通知を受信すると(ステップS150)、配送業者の配送員により商品を配送することが可能であるか否かを判断し、配送業者の配送員により商品を配送することが可能である場合には、その旨を示す第2配送可能通知を配送管理サーバ装置50に送信する(ステップS151)。配送管理サーバ装置50の配送依頼部532は、第2配送可能通知を受信すると(ステップS138)、第4配送可能通知を商品管理サーバ装置40に送信する(ステップS139)。商品管理サーバ装置40のマッチング結果通知部433は、第4配送可能通知を受信すると(ステップS128)、注文確定通知を利用者端末20に送信する(ステップS129)。なお、第4配送可能通知には、商品の配送が可能であるという情報や、商品の配送者である配送業者の識別コード等が含まれている。
【0061】
(実施形態の作用及び効果)
以上説明したように、本実施形態の配送システム10では、商品管理サーバ装置40の制御部(コンピュータ)43を、顧客により注文された店舗内の商品を確保するための処理を実行するピッキング管理部432として機能させる。また、配送管理サーバ装置50の制御部(コンピュータ)53を、確保された商品の配送方法を決定する配送依頼部532として機能させる。配送依頼部532は、自社配送システム60に商品の配送を依頼し、自社の配送手段により商品を配送することができる場合には、商品の配送を自社の配送手段で行うことを決定する。また、配送依頼部532は、自社の配送手段により商品を配送することができない場合には、商品の配送を自社の配送手段とは別の配送手段、具体的には配送業者に依頼する。
【0062】
この構成によれば、自社の配送手段を優先的に利用して商品を配送した上で、自社の配送手段で商品を配送することが難しい場合には配送業者が商品の配送を行うため、商品の配送効率を高めることが可能である。
本実施形態の配送システム10では、配送管理サーバ装置50の制御部(コンピュータ)53を、店舗内の商品の確保が開始された際に、その旨を配送業者に通知する事前通知部531として更に機能させる。
【0063】
この構成によれば、配送業者は、商品の確保が開始された時点で配送員を準備することができるため、商品の配送時間を短縮することが可能である。
配送依頼部532は、商品の配送を自社配送システム60に依頼した後、自社配送システム60から商品の配送が可能である旨の通知があった場合には、商品を自社の配送手段により配送できると判断する。また、配送依頼部532は、自社配送システム60から商品の配送が不可能である旨の通知があった場合、又は商品の配送を自社配送システム60に依頼した時点から所定時間が経過した場合には、商品を自社の配送手段により配送できないと判断する。
【0064】
この構成によれば、商品を自社の配送手段により配送できるか否かを容易に判断することが可能となる。また、自社配送システム60から配送の可否について回答がない場合であっても、商品の配送を自社配送システム60に依頼した時点から所定時間が経過した場合には、商品を自社の配送手段により配送できないとの判断が行われるため、自社配送システム60からの回答が無いまま、配送の処理フローが滞ることを回避できる。
【0065】
配送依頼部532は、商品の配送を配送業者システム70に依頼した後、配送業者システム70から商品の配送が可能である旨の通知があった場合には、商品を配送業者により配送できると判断する。また、配送依頼部532は、配送業者システム70から商品の配送が不可能である旨の通知があった場合、又は商品の配送を配送業者システム70に依頼した時点から所定時間が経過した場合には、商品の配送を中止する。
【0066】
この構成によれば、商品を配送業者により配送できるか否かを容易に判断することが可能となる。また、配送業者システム70から配送の可否について回答がない場合であっても、商品の配送を配送業者システム70に依頼した時点から所定時間が経過した場合には、商品の配送が中止されるため、配送業者から回答がないまま、配送の処理フローが滞ることを回避できる。
【0067】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の配送システム10について説明する。以下、第1実施形態の配送システム10との相違点を中心に説明する。
図12に示されるように、本実施形態の配送システム10は、自社の配送手段とは別の配送手段として、単数又は複数の自動配送システム71を更に用いる。自動配送システム71は、例えばドローンを用いて商品を配送するシステムや、配送ロボットを用いて商品を配送するシステムである。自動配送システム71は、配送手段としてドローンや配送ロボットを用いるという点を除き、配送業者システム70と類似の構成を有している。
【0068】
配送管理サーバ装置50の配送依頼部532は、図9に示されるステップS25として、複数の配送業者システム70及び自動配送システム71のうちのいずれかに対して第3配送依頼通知を送信する。このステップS25の処理は、例えば図13に示されるような手順で行われる。
【0069】
図13に示されるように、配送依頼部532は、まず、商品の配送手段として配送業者及び自動配送手段のいずれかを選択する(ステップS240)。配送依頼部532は、例えば配送業者の配送員の位置情報、配送業者が用いる車の車種、店舗及び配送員の間の相互評価、商品の配送先、配送料金、積載量、商品量、並びに配達時間の遵守率等のパラメータに基づいて配送業者及び自動配送手段のいずれを用いるかを決定する。なお、店舗及び配送員の間の相互評価、並びに配達時間の遵守率は、例えば商品の配送が完了した後に店舗の従業員、配送業者の配送員、及び顧客に対して行われるアンケートの結果から算出される。
【0070】
続いて、配送依頼部532は、商品の配送手段として配送業者を選択したか否かを判断して(ステップS241)、商品の配送手段として配送業者を選択した場合には(ステップS241:YES)、複数の配送業者の中から、商品の配送を依頼する配送業者を決定する(ステップS242)。配送業者の選択は、例えばステップS240の処理で用いられるパラメータと同一又は類似のパラメータを用いて行われる。そして、配送依頼部532は、決定した配送業者に対応したシステム70に第3配送依頼通知を送信する(ステップS243)。
【0071】
一方、配送依頼部532は、商品の配送手段として配送業者を用いないことを選択した場合には(ステップS241:NO)、換言すれば商品の配送手段として自動配送手段を選択した場合には、複数の自動配送手段の中から、商品の配送を依頼する自動配送手段を決定する(ステップS244)。自動配送手段の選択は、例えばステップS240の処理で用いられるパラメータと同一又は類似のパラメータを用いて行われる。そして、配送依頼部532は、決定した自動配送手段に対応したシステム71に第3配送依頼通知を送信する(ステップS245)。
【0072】
以上説明したように、本実施形態の配送システム10は、自社の配送手段とは別の配送手段として、自動配送手段を更に用いる。この構成によれば、商品の配送手段の選択肢を更に増やすことができるため、配送効率を一層向上させることができる。
<他の実施形態>
本発明は上記の具体例に限定されるものではない。
【0073】
例えば、各実施形態の配送システム10は、店舗内の商品の確保が開始された際に、その旨を配送業者に通知する機能を有していなくてもよい。
商品管理サーバ装置40及び配送管理サーバ装置50は一つのサーバ装置として構成されていてもよい。
【0074】
本発明は上記の具体例に限定されるものではない。上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素、及びその配置、条件、形状等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【符号の説明】
【0075】
10…配送システム、40…商品管理サーバ装置(サーバ装置)、43…制御部(コンピュータ)、50…配送管理サーバ装置(サーバ装置)、53…制御部(コンピュータ)、432…ピッキング管理部(商品管理部)、531…事前通知部(通知部)、532…配送依頼部(配送手段決定部)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2022-09-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
顧客により注文された店舗内の商品を確保するための処理を実行する商品管理部と、
前記商品の配送手段として、自社で提供可能な第1配送手段、及び前記第1配送手段とは別の第2配送手段のいずれを用いるかを決定する配送手段決定部と、
前記第2配送手段に対して通知を行う通知部と、として機能させ、
前記商品管理部は、
前記店舗内の商品の確保が開始された際に第1配送事前通知を前記通知部に送信し、
前記商品の確保が開始された後に前記商品の確保が完了した際に配送依頼通知を前記配送手段決定部に送信し、
前記通知部は、
前記商品管理部から送信される前記第1配送事前通知を受信した際に、前記第2配送手段に対して前記商品の配送を依頼するか否かに関わらず、前記商品の注文があった旨を示す第2配送事前通知を前記第2配送手段に送信し、
前記配送手段決定部は、
前記商品管理部から送信される前記配送依頼通知を受信した際に、前記第1配送手段に商品の配送を依頼し、
前記第1配送手段により前記商品を配送することができる場合には、前記商品の配送を前記第1配送手段により行うことを決定し、
前記第1配送手段により前記商品を配送することができない場合には、前記商品の配送を前記第2配送手段に依頼する
配送プログラム。
【請求項2】
前記通知部は、
複数の前記第2配送手段のうち、前記第2配送事前通知の送信を希望する第2配送手段に前記第2配送事前通知を送信する
請求項1に記載の配送プログラム。
【請求項3】
前記配送手段決定部は、
前記商品の配送を前記第1配送手段に依頼した後、前記第1配送手段から前記商品の配送が可能である旨の通知があった場合には、前記第1配送手段により前記商品を配送できると判断し、
前記第1配送手段から前記商品の配送が不可能である旨の通知があった場合、又は前記商品の配送を前記第1配送手段に依頼した時点から所定時間が経過した場合には、前記第1配送手段により前記商品を配送できないと判断する
請求項1に記載の配送プログラム。
【請求項4】
前記配送手段決定部は、
前記商品の配送を前記第2配送手段に依頼した後、前記第2配送手段から前記商品の配送が可能である旨の通知があった場合には、前記第2配送手段により前記商品を配送できると判断し、
前記第2配送手段から前記商品の配送が不可能である旨の通知があった場合、又は前記商品の配送を前記第2配送手段に依頼した時点から所定時間が経過した場合には、前記商品の配送を中止する
請求項3に記載の配送プログラム。
【請求項5】
前記第2配送手段は、前記自社とは別の配送業者が提供する配送手段である
請求項1~4のいずれか一項に記載の配送プログラム。
【請求項6】
前記第2配送手段は、ドローン、及び配送ロボットの少なくとも一方を用いるものである
請求項1~4のいずれか一項に記載の配送プログラム。
【請求項7】
顧客により注文された店舗内の商品を確保するための処理を実行する商品管理部と、
前記商品の配送手段として、自社で提供可能な第1配送手段、及び前記第1配送手段とは別の第2配送手段のいずれを用いるかを決定する配送手段決定部と、
前記第2配送手段に対して通知を行う通知部と、を備え、
前記商品管理部は、
前記店舗内の商品の確保が開始された際に第1配送事前通知を前記通知部に送信し、
前記商品の確保が開始された後に前記商品の確保が完了した際に配送依頼通知を前記配送手段決定部に送信し、
前記通知部は、
前記商品管理部から送信される前記第1配送事前通知を受信した際に、前記第2配送手段に対して前記商品の配送を依頼するか否かに関わらず、前記商品の注文があった旨を示す第2配送事前通知を前記第2配送手段に送信し、
前記配送手段決定部は、
前記商品管理部から送信される前記配送依頼通知を受信した際に、前記第1配送手段により前記商品を配送できるか否かを判断し、
前記商品を前記第1配送手段により配送できると判断した場合には、前記商品の配送を前記第1配送手段に依頼し、
前記商品を前記第1配送手段により配送できないと判断した場合には、前記商品の配送を前記第2配送手段に依頼する
配送システム。
【請求項8】
顧客により注文された店舗内の商品を確保するための処理を実行する商品管理部と、
前記商品の配送手段として、自社で提供可能な第1配送手段、及び前記第1配送手段とは別の第2配送手段のいずれを用いるかを決定する配送手段決定部と、
前記第2配送手段に対して通知を行う通知部と、を備え、
前記商品管理部は、
前記店舗内の商品の確保が開始された際に第1配送事前通知を前記通知部に送信し、
前記商品の確保が開始された後に前記商品の確保が完了した際に配送依頼通知を前記配送手段決定部に送信し、
前記通知部は、
前記商品管理部から送信される前記第1配送事前通知を受信した際に、前記第2配送手段に対して前記商品の配送を依頼するか否かに関わらず、前記商品の注文があった旨を示す第2配送事前通知を前記第2配送手段に送信し、
前記配送手段決定部は、
前記商品管理部から送信される前記配送依頼通知を受信した際に、前記第1配送手段により前記商品を配送できるか否かを判断し、
前記商品を前記第1配送手段により配送できると判断した場合には、前記商品の配送を前記第1配送手段に依頼し、
前記商品を前記第1配送手段により配送できないと判断した場合には、前記商品の配送を前記第2配送手段に依頼する
情報処理装置。