(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041372
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、およびゲーム装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/54 20140101AFI20240319BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20240319BHJP
【FI】
A63F13/54
A63F13/55
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146149
(22)【出願日】2022-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田村 宏史
(72)【発明者】
【氏名】北川 貴大
(57)【要約】
【課題】仮想空間において音声再生による没入感を向上させる。
【解決手段】コンピュータを、ユーザUの操作を受けて、複数のエリアを有する仮想空間でキャラクタPを動作させるゲーム進行部561と、仮想空間における音声を再生する音響処理部562として機能させ、音響処理部562は、環境音が通常再生される第1再生を行うとともに、環境音が開口Dから仮想マイクLへの方向に指向性を有する環境音として再生される第2再生を行い、仮想マイクLがエリアBにある場合には、エリアBに関連付けられた環境音S2を第1再生するとともに、エリアAに関連付けられた環境音S1を第2再生し、仮想マイクLがエリアAにある場合には、環境音S1が第1再生するとともに、環境音S2を第2再生し、仮想マイクLがエリアBから開口Dへ移動するにつれて環境音S1の再生を第2再生から第1再生へ徐々に変化させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ユーザの操作を受けて、複数の部分空間を有する仮想空間でキャラクタを動作させるゲーム進行部と、
前記仮想空間における音声を再生する音響処理部、
として機能させ、
前記複数の部分空間は、少なくとも、第1空間と、前記第1空間と開口で接続された第2空間とを有し、
前記音響処理部は、
前記音声が通常再生される第1再生を行うとともに、前記音声が前記開口から前記キャラクタの音像定位の基準点への方向である第1方向に対応する方向に指向性を有する音声として再生される第2再生を行い、
前記基準点が前記第1空間にある場合には、前記第1空間に関連付けられた前記音声である第1音声を前記第1再生するとともに、前記第2空間に関連付けられた前記音声である第2音声を前記第2再生し、
前記基準点が前記第2空間にある場合には、前記第2音声を前記第1再生するとともに、前記第1音声を前記第2再生し、
前記基準点が前記第1空間から前記開口へ移動するにつれて、前記第2音声の再生を前記第2再生から前記第1再生へ徐々に変化させる
ゲームプログラム。
【請求項2】
請求項1のゲームプログラムにおいて、
前記音響処理部は、前記基準点が前記第2空間から前記開口へ移動する場合には、前記開口と前記基準点との距離である第1距離に応じて、前記音声の再生を前記第2再生から前記第1再生へ徐々に変化させる
ゲームプログラム。
【請求項3】
請求項1または請求項2のゲームプログラムを記憶した記憶部と、
前記ゲームプログラムを実行する制御部と、
を備えたゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゲームプログラム、およびゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームプログラムのなかには、臨場感を高めるために、ゲームの場面に対応する環境音が再生されるものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゲームでは、臨場感を高めるために、ゲームの場面に対応した音声が再生されることが求められる。
【0005】
本開示の目的は、仮想空間において、音声再生による没入感を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様は、コンピュータを、
ユーザの操作を受けて、複数の部分空間を有する仮想空間でキャラクタを動作させるゲーム進行部と、
前記仮想空間における音声を再生する音響処理部、
として機能させ、
前記複数の部分空間は、少なくとも、第1空間と、前記第1空間と開口で接続された第2空間とを有し、
前記音響処理部は、
前記音声が通常再生される第1再生を行うとともに、前記音声が前記開口から前記キャラクタの音像定位の基準点への方向である第1方向に対応する方向に指向性を有する音声として再生される第2再生を行い、
前記基準点が前記第1空間にある場合には、前記第1空間に関連付けられた前記音声である第1音声を前記第1再生するとともに、前記第2空間に関連付けられた前記音声である第2音声を前記第2再生し、
前記基準点が前記第2空間にある場合には、前記第2音声を前記第1再生するとともに、前記第1音声を前記第2再生し、
前記基準点が前記第1空間から前記開口へ移動するにつれて、前記第2音声の再生を前記第2再生から前記第1再生へ徐々に変化させる
ゲームプログラムである。
【0007】
第1の態様において、前記音響処理部は、前記基準点が前記第2空間から前記開口へ移動するにつれて、前記開口と前記基準点との距離である第1距離に応じて、前記音声の再生を前記第2再生から前記第1再生へ徐々に変化させてもよい。
【0008】
第2の態様は、第1の態様のゲームプログラムを記憶した記憶部と、
前記ゲームプログラムを実行する制御部と、
を備えたゲーム装置である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、仮想空間において、音声再生による没入感を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施形態]
以下、ゲームプログラム、ゲーム装置の実施形態について説明する。
【0012】
このゲームプログラムによるゲームは、仮想空間(三次元)で実施される。ゲームの種別等には限定はない。例えば、ゲームは、プレイヤキャラクタが敵キャラクタを攻撃して倒していく対戦型のアクションゲームとすることができる。
【0013】
《ゲーム装置の構成》
〈ハードウェアの構成〉
図1は、ゲーム装置5の構成を示すブロック図である。ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62およびコントローラ63が外部接続または内蔵される。
【0014】
ゲーム装置5には、例えば、パーソナルコンピュータ、プレイステーション(登録商標)、XBox(登録商標)、PlayStation Vita(登録商標)、Nintendo Switch(登録商標)などの、市販の装置を利用できる。
【0015】
ゲーム装置5では、インストールされたゲームプログラムおよびゲームデータに基づいてゲームが進行する。ゲーム装置5同士も、通信ネットワーク(図示を省略)または近距離無線通信装置(図示せず)を用いて、互いにデータ通信を行うことができる。
【0016】
ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55および制御部56を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
【0017】
ネットワークインターフェース51は、例えば、他のゲーム装置5や外部のサーバ装置(図示を省略)との間で各種データを送受信するために、前記通信ネットワークに通信可能に接続される。
【0018】
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に従って、プレイヤキャラクタおよび仮想空間における各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部52はディスプレイ61(例えば液晶ディスプレイ)と接続されている。動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。
【0019】
オーディオ処理部53は、スピーカ62と接続されている。オーディオ処理部53は、制御部56の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生する。具体的には、オーディオ処理部53は、制御部56が出力した音声データをアナログ信号に変換し、スピーカ62に出力する。
【0020】
オーディオ処理部53は、3次元的な音の再生を行うために、多チャンネルの音声出力ができるように構成されている。それに合わせて、ゲーム装置5には、複数のスピーカ62が接続されている。これらのスピーカ62は、3次元的な音の再生ができるように、聴取者(例えばゲームのプレイヤ)の左右、前後、上方などに配置される場合がある。
【0021】
操作部54は、コントローラ63と接続されている。操作部54は、信号をコントローラ63との間で送受信する。ゲームのプレイヤは、コントローラ63のボタン等の各種操作子を操作することで、ゲーム装置5に信号(命令やデータなど)を入力する。
【0022】
記憶部55は、HDD、SSD、RAM、ROMなどで構成される。記憶部55には、ゲームデータ、ゲームプログラムを含む各種プログラムなどが格納されている。ゲームデータとしては、ゲーム媒体やユーザのアカウント情報などを例示できる。
【0023】
制御部56は、ゲーム装置5の動作を制御する。制御部56は、CPU(マイクロコンピュータ)、および半導体メモリを備えている。半導体メモリには、CPUを動作させるためのプログラムやデータなどが格納される。
【0024】
〈制御部56の機能的構成〉
制御部56は、ゲームプログラムを実行することによって、ゲーム進行部561、音響処理部562として機能する(
図1参照)。
【0025】
-ゲーム進行部561-
ゲーム進行部561は、ユーザ(ここではゲームのプレイヤ)の操作に応じて、仮想空間内でプレイヤキャラクタを動作させる。ゲーム進行部561は、ノンプレイヤキャラクタや所定のオブジェクト(例えば乗り物など)も仮想空間内で動作させる。
【0026】
ゲーム進行部561は、例えばAI(artificial intelligence)によってノンプレイヤキャラクタや所定のオブジェクトの動作を制御する。ゲーム進行部561は、プレイヤキャラクタやノンプレイヤキャラクタの動作に応じて、ゲームを進行させる。
【0027】
-音響処理部562-
このゲームプログラムでは、種々の音声データが予め用意されている。音響処理部562は、ゲームの進行に応じて、音声データを再生する。具体的に音響処理部562は、ゲームの進行に応じて音声データを選択し、選択した音声データをオーディオ処理部53に出力する。
【0028】
音響処理部562は、音声データを出力する際に、オーディオ処理部53に、その音量を指示する。オーディオ処理部53は、音響処理部562が出力した音声データを、指示された音量のアナログ信号に変換し、スピーカ62に出力する。
【0029】
音響処理部562は、音声の再生において音像定位を行う。音響処理部562は、音像定位を行うため、音声が聴取される仮想の受音点(以下、仮想マイクL)を仮想空間に設定する。この例では仮想マイクLは、プレイヤキャラクタ(キャラクタP)の近傍に設定されている。仮想マイクLは、プレイヤキャラクタの移動にともなって移動する。
【0030】
このゲームでは、仮想空間内に存在する仮想音源から音声が発せられたように、音響的な演出が行われる。音響処理部562は、仮想の音源(プレイヤキャラクタが所持する武器など)から発せられた音声を、あたかも仮想マイクLで集音したかのような音響表現で、スピーカ62に出力する。仮想マイクLは、仮想の聴取者であり、音響処理部562による音像定位の基準点である。
【0031】
ゲーム進行部561が進行するゲームでは、各ユーザの操作を受けて、プレイヤキャラクタを三次元の仮想の空間で活動させたり、プレイヤキャラクタ同士でグループを編成して様々なアクションを行わせたりする。より具体的には、このゲームは、プレイヤキャラクタが敵キャラクタを攻撃して倒していくアクションゲームである。
【0032】
このゲームでは、プレイヤキャラクタの移動過程やアクション等において、所定のトリガ条件を満たすとBGM(Back Ground Music)が流れる。所定のトリガ条件とは、例えば、プレイヤキャラクタの所定場所への移動、敵キャラクタの出現、敵キャラクタを倒したあと、などである。また、このゲームでは、音響的な表現として、いわゆる環境音も付加されている。
【0033】
このような環境音としては、例えば、洞窟内の水たまりに天井から落ちてくる水滴の音、洞窟において入口から出口に向かう風の音、町の雑踏の音(通行人の声や付近を通過する自動車の音等)、森や草原に吹く風の音、鳥や虫など小動物の鳴き声等が挙げられる。
【0034】
このゲームでは、仮想空間は、開口を有した壁で互いに区画された、複数の部分空間(エリア)を有している。部分空間としては、建物の部屋を例示できる。この例では、「壁」は、部屋と部屋を仕切る壁である。「開口」は、部屋と部屋の間に設けられ出入り口(例えば開いたドア)である。
【0035】
このゲームでは、各エリアに環境音が設定されている。音響処理部562は、仮想マイクL(音像定位の基準点)に位置するエリアに設定された環境音を通常再生する(第1再生)。例えば、
図2では、仮想マイクLがエリアA内に存在する場合、音響処理部562は、エリアA(第2空間)に設定された環境音S1(第2音声)を再生する。同様に、仮想マイクLがエリアB(第1空間)内に存在する場合、音響処理部562は、エリアBに設定された環境音S2(第1音声)を再生する。
【0036】
また、音響処理部562は、仮想マイクL(音像定位の基準点)に位置するエリアに隣接するエリアに設定された環境音を再生する。このとき、音響処理部562は、隣接するエリアとの開口上の仮想音源を音源として、当該環境音を再生する(第2再生)。すなわち、音響処理部562は、開口から仮想マイクLの位置への方向である第1方向に指向性を有する環境音を再生する。
【0037】
例えば、
図2では、仮想マイクLがエリアB内に存在する場合、エリアAに設定された環境音S1を、前方にある開口D上の仮想音源Sを音源として、再生する。すなわち、環境音S1は、後方向に指向性を有する音声として再生される。同様に、仮想マイクLがエリアA内に存在する場合、エリアBに設定された環境音S2を開口D上の仮想音源Sを音源として、再生する。
【0038】
具体的には、仮想マイクLがエリアA内に存在する場合、環境音S1は、通常再生において、サラウンド音声として再生される。例えば、
図3に示すように、ユーザUの周囲にスピーカFL,FR,BL,BRが配置されている場合、各スピーカから、環境音S1に対応する音声(サラウンド音声)が再生される。
【0039】
そして、仮想マイクLがエリアB内に存在する場合、環境音S1は、指向性を有する音声として再生される。例えば、サラウンド音声である環境音S1は、モノラル音声にダウンミックスされ、ユーザUの前方に配置されたスピーカFL,FRから再生される。これにより、ユーザUは、前方にあるエリアAから環境音S1が聞こえてくるように感じる。
【0040】
ここで、キャラクタP(仮想マイクL)がエリアBから開口Dを介してエリアAに移動した場合、音響処理部562が環境音S1の再生を、第2再生から第1再生に変化させたとする。この場合、例えば、
図2および
図3では、ユーザUは、開口Dを通過直前には、スピーカFL,FRのみから環境音S1が聞こえるのに対し、開口Dを通過直後には、全てのスピーカから環境音S1が聞こえることとなる。このため、ユーザUが違和感を持つおそれがある。
【0041】
そこで、本実施形態では、音響処理部562は、キャラクタP(仮想マイクL)がエリアBから開口Dを介してエリアAに移動した場合、音響処理部562が環境音S1の再生を、第2再生から第1再生に徐々に変化させることとしている。
【0042】
《動作例》
ここでは、
図2および
図3を参照しつつ、仮想マイクLがエリアBからエリアAに移動する場合の音響処理部562の処理を説明する。
【0043】
まず、音響処理部562は、仮想マイクLがエリアB内(第1空間)に存在する場合、開口Dから仮想マイクLへの方向(後方向、第1方向に相当)に指向性を有する環境音S1(第2音声)を再生する(第2再生)。
図3では、スピーカFL,FRからモノラル音声の環境音S1が再生される。これにより、ユーザUは、前方にあるエリアAから環境音S1が聞こえてくるように感じる。なお、このときのスピーカFL,FRによって再生される環境音S1の音量は、開口Dから仮想マイクLまでの距離d(第1距離)に応じた大きさとなる。
【0044】
また、音響処理部562は、仮想マイクLがエリアB内に存在する場合、環境音S2(第1音声)を通常再生する(第1再生)。
【0045】
音響処理部562は、仮想マイクLが開口Dに向かって移動すると、仮想マイクLと開口Dとの距離dに応じて、環境音S1の再生を第2再生から第1再生に徐々に変化させる。
図3では、仮想マイクLが開口Dに向けて移動するにつれて、スピーカFL,FRに加え、スピーカBL,BRからも環境音S1が再生される。このとき、スピーカBL,BRによって再生される環境音S1の音量は、仮想マイクLと開口Dとの距離が近くなるにつれて大きくなる。
【0046】
また、音響処理部562は、仮想マイクLが開口Dに向かって移動すると、仮想マイクLと開口Dとの距離dに応じて、環境音S2の再生を第1再生から第2再生に徐々に変化させる。
図3では、仮想マイクLが開口Dに向けて移動するにつれて、スピーカBL,BRから再生される環境音S2の音量を低下させる。なお、このとき、スピーカFL,FRから再生される環境音S2をサラウンド音声からモノラル音声に徐々に変化させてもよい。
【0047】
そして、音響処理部562は、仮想マイクLがエリアA内に移動すると、環境音S1をサラウンド音声として通常再生する(第1再生)。
【0048】
また、音響処理部562は、仮想マイクLがエリアA内に移動すると、環境音S2(第1音声)を、開口Dから仮想マイクLへの方向に指向性を有する環境音として再生する(第2再生)。
【0049】
以上をまとめると、コンピュータ(制御部56)を、ユーザUの操作を受けて、複数のエリア(部分空間)を有する仮想空間でキャラクタPを動作させるゲーム進行部561と、仮想空間における環境音(音声)を再生する音響処理部562として機能させ、複数のエリアは、少なくとも、エリアA(第2空間)と、エリアAと開口Dで接続されたエリアB(第1空間)とを有し、音響処理部562は、環境音を通常再生する第1再生を行うとともに、環境音が開口Dから仮想マイクL(キャラクタの音像定位の基準点)への方向に指向性を有する環境音として再生される第2再生を行い、仮想マイクLがエリアBにある場合には、エリアBに関連付けられた環境音S2(第1音声)を第1再生するとともに、エリアAに関連付けられた環境音S1(第2音声)を第2再生し、仮想マイクLがエリアAにある場合には、環境音S1を第1再生するとともに、環境音S2を第2再生し、仮想マイクLがエリアBから開口Dへ移動するにつれて、環境音S1の再生を第2再生から第1再生へ徐々に変化させるゲームプログラムである。
【0050】
《本実施形態の効果》
本ゲームでは、エリアAにおいては環境音S1が通常再生(第1再生)され、エリアBにおいては環境音S1が指向性を有する環境音として再生(第2再生)され、エリアBから開口Dへ移動する場合に、環境音S1の再生が第2再生から第1再生へ徐々に変化する。これにより、環境音S1に指向性を持たせつつ、ユーザに対して違和感のない音響効果を実現することができる。したがって、仮想空間において、音声再生による没入感を向上させることができる。
【0051】
また、音響処理部562は、仮想マイクLがエリアBから開口Dへ移動する場合には、開口Dと仮想マイクLとの距離d(第1距離)に応じて、環境音S1の再生を第2再生から第1再生へ徐々に変化させる。例えば、ユーザUの周囲に配置された各スピーカの音量を距離d1に応じて変化させる。これにより、ユーザに対して違和感のない音響効果を実現することができる。
【0052】
[その他の実施形態]
なお、第2再生では、環境音S1が指向性を有する音声として再生されれば、音響処理部562は、どのような処理を行ってもよい。
【0053】
また、環境音S1は、サラウンド音声やステレオ音声、モノラル音声などであってもよい。
【0054】
また、スピーカの配置例は
図3に限られないし、スピーカの数は複数であればよい。
【0055】
また、上記実施形態では、音響処理部562が、音声として環境音を再生する場合を例にして説明したが、本発明は、音声が効果音である場合など他の音声を再生する際にも用いることができる。
【0056】
また、本プログラムによる処理は、ユーザ用装置(ゲーム装置5)が接続されたサーバ装置で行ってもよいし、ユーザ用装置とサーバ装置とで分担してもよい。この形態は、オンラインゲーム用のゲームプログラムとして本プログラムを実装する場合に想定される形態である。
【0057】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本態様の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0058】
5 ゲーム装置
55 記憶部
56 制御部(コンピュータ)
561 ゲーム進行部
562 音響処理部