(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041382
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】ゲームシステム、ゲームシステムのコンピュータプログラム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/52 20140101AFI20240319BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20240319BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20240319BHJP
A63F 13/80 20140101ALI20240319BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20240319BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20240319BHJP
【FI】
A63F13/52
A63F13/55
A63F13/45
A63F13/80 A
A63F13/53
G06T19/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146165
(22)【出願日】2022-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】西村 夏夫
(72)【発明者】
【氏名】大▲高▼ 春菜
(72)【発明者】
【氏名】西田 純二
(72)【発明者】
【氏名】清本 昌宏
【テーマコード(参考)】
5B050
【Fターム(参考)】
5B050BA12
5B050BA13
5B050CA07
5B050CA08
5B050DA10
5B050EA07
5B050EA13
5B050EA18
5B050EA19
5B050EA27
5B050FA02
5B050FA09
(57)【要約】
【課題】プレイ領域における表示を阻害することなく、提示情報を表示する。
【解決手段】キャラクタ103が表示されるプレイ領域101Aと、キャラクタが提示する提示情報D1が表示される情報表示領域101Bとが設けられたゲーム画面GSが表示されるゲームを提供するゲームシステム100は、プレイヤによる操作を受け付ける受付手段32bと、操作に応じて所定の動作を行うように、プレイ領域にキャラクタを表示させる表示制御手段32cとを備え、表示制御手段は、キャラクタを前景としてプレイ領域に表示させ、且つ提示情報を背景として情報表示領域に表示させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャラクタが表示されるプレイ領域と、前記キャラクタが提示する提示情報が表示される情報表示領域とが設けられたゲーム画面が表示されるゲームを提供するゲームシステムであって、
プレイヤによる操作を受け付ける受付手段と、
前記操作に応じて所定の動作を行うように、前記プレイ領域に前記キャラクタを表示させる表示制御手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記キャラクタを前景として前記プレイ領域に表示させ、且つ前記提示情報を背景として前記情報表示領域に表示させる、ゲームシステム。
【請求項2】
前記情報表示領域は、仮想的なディスプレイを模した領域であり、
前記ゲーム画面には、前記ディスプレイを視聴する観客が表示される観客領域が設けられている、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記提示情報は、前記キャラクタに関連付けられているとともに、前記キャラクタが発する台詞、前記キャラクタの動作又はポーズ、及び前記キャラクタの表情の少なくとも一つを含み、
前記表示制御手段は、前記ゲームの状況に応じた前記提示情報を前記情報表示領域に表示させる、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記受付手段は、前記表示制御手段が前記提示情報を表示させている間に、前記プレイヤによる前記操作を受け付ける、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記プレイ領域の少なくとも一部分が、前記情報表示領域と隣り合っている、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記所定の動作を行う前記キャラクタを前記プレイ領域に表示させるとともに、前記所定の動作に連続して又は前記所定の動作と並行して、前記情報表示領域に前記提示情報を表示させる、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記キャラクタと前記情報表示領域とをつなぐ演出を前記ゲーム画面に表示させる、請求項1から6のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項8】
複数のプレイヤのそれぞれによる前記操作を受け付けるターンを複数回繰り返すことによって、前記ゲームを進行する進行制御手段をさらに備える、請求項1から6のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記ゲームは、麻雀ゲームであり、
前記表示制御手段は、前記プレイ領域に麻雀牌を表示させる、請求項8に記載のゲームシステム。
【請求項10】
前記表示制御手段は、前記操作に応じて前記所定の動作を行う前記キャラクタ、又は前記操作に応じて前記所定の動作を行う前記キャラクタとは別のキャラクタが提示する前記提示情報を、前記情報表示領域に表示させる、請求項1から6のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項11】
コンピュータを備えるとともに、キャラクタが表示されるプレイ領域と、前記キャラクタが提示する提示情報が表示される情報表示領域とが設けられたゲーム画面が表示されるゲームを提供するゲームシステムのコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに、
プレイヤによる操作を受け付けさせ、
前記操作に応じて所定の動作を行うように、前記プレイ領域に前記キャラクタを表示させ、
前記キャラクタを前景として前記プレイ領域に表示させ、且つ前記提示情報を背景として前記情報表示領域に表示させる、コンピュータプログラム。
【請求項12】
コンピュータを備えるとともに、キャラクタが表示されるプレイ領域と、前記キャラクタが提示する提示情報が表示される情報表示領域とが設けられたゲーム画面が表示されるゲームを提供するゲームシステムの制御方法であって、
前記コンピュータに、
プレイヤによる操作を受け付けさせ、
前記操作に応じて所定の動作を行うように、前記プレイ領域に前記キャラクタを表示させ、
前記キャラクタを前景として前記プレイ領域に表示させ、且つ前記提示情報を背景として前記情報表示領域に表示させる、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイ領域と情報表示領域とが設けられたゲーム画面が表示されるゲームを提供するゲームシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザ同士が対戦する麻雀ゲームを提供するゲーム装置が記載されている。このゲーム装置は、ルータ及びネットワークを介して、サーバと通信可能に接続されている。そして、サーバの優先決定部は、一般ユーザが特定ユーザとマッチングされなかった場合、従来のマッチング手法を用いて、対戦を希望している別の一般ユーザの中から一般ユーザのマッチング相手を決定する。また、サーバのゲーム進行管理部は、両ユーザのゲーム装置にマッチング結果を通知する。そして、ゲーム進行管理部は、ゲーム装置同士でデータリンクを確立させ、両ゲーム装置間を直接通信させ、両ゲーム装置間で麻雀ゲームを進行させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゲームシステムが提供するゲームにおいて、進行中のゲームの状況に応じて各種演出(例えば画像、映像又はその他の表示)を実施することが考えられる。しかし、キャラクタ等が表示されるプレイ領域に当該演出が表示されると、プレイ領域が一時的に隠されてしまう。例えば、麻雀ゲームにおいては、プレイ領域に麻雀牌が表示される。そのため、プレイ領域に当該演出が表示されると、麻雀牌が一時的に隠れてしまう。その結果、演出の表示がゲームのプレイを妨害することがある。ここで、ゲームのプレイを妨害することを抑制するためには、演出の表示回数を少なくすることが考えられる。しかし、表示回数を減少させると、ユーザによるゲームの興趣が低下してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様に係るゲームシステムは、キャラクタが表示されるプレイ領域と、前記キャラクタが提示する提示情報が表示される情報表示領域とが設けられたゲーム画面が表示されるゲームを提供するゲームシステムであって、プレイヤによる操作を受け付ける受付手段と、前記操作に応じて所定の動作を行うように、前記プレイ領域に前記キャラクタを表示させる表示制御手段とを備え、前記表示制御手段は、前記キャラクタを前景として前記プレイ領域に表示させ、且つ前記提示情報を背景として前記情報表示領域に表示させる。
【0006】
また、他の一態様に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを備えるとともに、キャラクタが表示されるプレイ領域と、前記キャラクタが提示する提示情報が表示される情報表示領域とが設けられたゲーム画面が表示されるゲームを提供するゲームシステムのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータに、プレイヤによる操作を受け付けさせ、前記操作に応じて所定の動作を行うように、前記プレイ領域に前記キャラクタを表示させ、前記キャラクタを前景として前記プレイ領域に表示させ、且つ前記提示情報を背景として前記情報表示領域に表示させる。
【0007】
また、他の一態様に係る制御方法は、コンピュータを備えるとともに、キャラクタが表示されるプレイ領域と、前記キャラクタが提示する提示情報が表示される情報表示領域とが設けられたゲーム画面が表示されるゲームを提供するゲームシステムの制御方法であって、前記コンピュータに、プレイヤによる操作を受け付けさせ、前記操作に応じて所定の動作を行うように、前記プレイ領域に前記キャラクタを表示させ、前記キャラクタを前景として前記プレイ領域に表示させ、且つ前記提示情報を背景として前記情報表示領域に表示させる。
【発明の効果】
【0008】
これにより、プレイ領域における表示を阻害することなく、提示情報を表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための例示的な実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施形態において説明する寸法、材料、形状及び構成要素の相対的な位置は任意に設定でき、本発明が適用される装置又は方法の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、特別な記載がない限り、本発明の範囲は、以下に具体的に記載された実施形態に限定されない。
【実施例0011】
図1は、ゲームを提供するゲームシステム100を概略的に示している。
図4に示すように、このゲームでは、プレイ領域101Aと情報表示領域101Bとが設けられたゲーム画面GSが表示される。プレイ領域101Aには、ゲームに登場するキャラクタ103が表示される。また、情報表示領域101Bには、ゲームに登場するキャラク103が、プレイヤへ提示する提示情報D1(
図2)が表示される。例えば、提示情報D1は、キャラクタ103が発する台詞、キャラクタ103の動作又はポーズ、及びキャラクタ103の表情等である。
【0012】
図1のゲームシステム100は、ゲームサーバ20と、ゲームサーバ20に対してネットワーク51(一例としてインターネット)を介して接続されるゲーム装置31及びユーザ装置50とを備えている。そして、ゲーム装置31及びユーザ装置50は、ゲームサーバ20のクライアントとして機能する。これにより、ゲームシステム100は、クライアントサーバ型のシステムとして構成されている。また、ゲームサーバ20は、複数のサーバユニット(不図示)が組み合わされることにより一台の論理的なサーバとして構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりゲームサーバ20が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にゲームサーバ20が構成されてもよい。
【0013】
ゲームサーバ20は、ゲームに関連した各種のサービスをゲーム装置31及びユーザ装置50のそれぞれに提供する。例えば、ゲームサーバ20は、プレイヤによるゲームのプレイを記録したプレイデータを、プレイヤを一意に識別するプレイヤ識別情報と対応付けて保存する。そして、ゲームサーバ20は、プレイヤの求めに応じて、プレイデータをゲーム装置31又はユーザ装置50に提供する。あるいは、ゲームサーバ20は、その他のサービスとして、複数のプレイヤが参加してプレイヤ間で対話するチャット機能等を提供してもよい。なお、プレイヤは、ゲーム装置31若しくはユーザ装置50を利用してゲームをプレイするか、又はゲーム装置31若しくはユーザ装置50を利用しようとする。
【0014】
ゲーム装置31は、一例として、プレイ料金の支払いと引き換えにプレイヤにゲームをプレイさせる業務用のゲーム機である。このゲーム装置31は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。プレイ料金は、現金通貨にて徴収される例に限らず、代替的な通貨、又は電子的な決済手段を利用して徴収されてよい。また、プレイ料金は、ゲームがプレイされる都度に徴収される例に限らず、所定期間ごとの定額的な課金によって徴収されてもよい。ゲーム装置31は、多数のプレイヤにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として、店舗等の施設30に設置される。そして、ゲーム装置31は、所定のゲーム用のコンピュータプログラムを実行することにより、プレイヤにゲームをプレイさせる。
【0015】
ユーザ装置50は、プレイヤの家庭的な使用に供される装置であって、ネットワーク51を介した情報通信機能を備えた情報通信端末装置である。一例として、ユーザ装置50は、通信通話機能を備えたスマートフォン54、又はパーソナルコンピュータ55等である。また、ユーザ装置50は、例えばゲーム装置31にてプレイされたゲームのデータを閲覧する用途に利用されてもよい。さらに、ユーザ装置50は、プレイヤ間でゲームに関する情報を交換する用途、又はゲームがプレイされている様子を視聴する用途に利用されてもよい。なお、ゲーム装置31を利用するプレイヤと、ユーザ装置50を利用するプレイヤとが、共通のゲームをプレイするように、ゲーム装置31及びユーザ装置50が利用されてもよい。
【0016】
複数のゲーム装置31で共通のゲームがプレイされる場合、複数のゲーム装置31の間でゲームが整合的に進行するようにゲームの進行が制御される。例えば、共通のゲームがプレイされるゲーム装置31の間でネットワーク51を介して各種の情報が共有される。そして、各ゲーム装置31は、ゲームの進行に必要な演算処理を実行する。または、いずれか一台のゲーム装置31がホストとしてゲームの進行に必要な演算処理を実行してもよい。この場合、ホストとしてのゲーム装置31は、処理結果を他のゲーム装置31に提供する。さらに、ゲーム装置31に代えて又は加えて、ゲームサーバ20がゲームの進行に必要な演算処理の少なくとも一部を担当してもよい。
【0017】
ゲームシステム100は、一例として、通常の麻雀における対局のルール及び手順等に従って進行する対戦型の麻雀ゲームを提供する。ただし、ゲームシステム100は、プレイ領域101Aと情報表示領域101Bとが設けられたゲーム画面GSが表示されるゲームであれば、他のゲームを提供してもよい。例えば、ゲームシステム100は、シミュレーションゲーム、対戦型のトレーディングカードゲーム、音楽ゲーム、ボードゲーム、RPGゲーム、競馬ゲーム、格闘ゲーム、パズルゲーム、クイズゲーム、及びシューティングゲーム等を提供してもよい。なお、以下の説明では、ゲームシステム100が、ゲーム装置31を利用した麻雀ゲームを提供する例を主に説明する。
【0018】
[制御系]
図2は、ゲーム装置31の制御系の一例を示している。ゲーム装置31は、ゲーム機制御部32及びゲーム機記憶部33を備えている。ゲーム機制御部32は、プロセッサ及びその動作に必要な内部記憶装置を含んだコンピュータである。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro-Processing Unit)であり、ゲーム機記憶部33に記憶されたコンピュータプログラムの一例であるゲームプログラムPGに基づいて、ゲーム装置31の全体を制御すると共に、各種処理についても統括的に制御する。
【0019】
ゲーム機記憶部33は、ゲーム機制御部32に対する外部記憶装置として機能するコンピュータ読み取り可能な非一時的記憶媒体である。一例として、ゲーム機記憶部33は。システムワークメモリであるRAM(Random Access Memory)、並びにプログラム及びシステムソフトウェアを格納するROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を含む。以下の説明では、CPUが、ROM又はHDDに記憶されたゲームプログラムPGに従って、種々の演算、制御、及び判別等の処理動作を実行する例を主に説明する。
【0020】
代替的に、ゲーム機制御部32は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、CF(Compact Flash)カード、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬記録媒体、又はインターネット上のサーバ等の外部記憶媒体に記憶されたゲームプログラムPGに従って制御を行うこともできる。
【0021】
ゲーム機制御部32には、入力装置としての操作装置34、及び出力装置としての表示装置35及びスピーカ装置36が接続されている。一例として、操作装置34は、ゲーム装置31の操作部に配置される物理的な操作ボタン及びレバー等を含んでいる。代替的に、操作装置34は、ゲーム画面GSを表示するタッチパネル型の入力表示装置であってもよい。以下の説明では、タッチパネル型の入力表示装置が操作装置34及び表示装置35として機能する例について主に説明する。この場合、プレイヤは、表示装置35に表示される画面上の適宜の位置をタッチして、ゲームにおける各種の行動又は選択を入力できる。なお、ゲーム機制御部32には、操作装置34、表示装置35及びスピーカ装置36の他にも適宜の関連装置(例えばプレイ料金の徴収装置等)が接続されていてもよい。
【0022】
ゲーム機記憶部33には、ゲームプログラムPG、ゲームデータDG、及びプレイデータDPが記録される。ゲームプログラムPGは、ゲーム機制御部32の基本的な動作を制御するオペレーティングシステムと協働して、ゲームに必要な演算処理及び動作制御をゲーム機制御部32に実行させる。すなわち、ゲームプログラムPGは、いわゆるアプリケーションプログラムである。
【0023】
また、ゲームデータDGは、ゲーム機制御部32によるゲームの制御において適宜に参照されるデータである。例えば、ゲームデータDGは、ゲーム画面上に表示されるべき各種のオブジェクト等の画像のデータ、及びゲームに登場するキャラクタ103に対して設定されるパラメータ群の初期値等を含んでいる。さらに、ゲームデータDGは、情報表示領域101Bに表示される提示情報D1を含んでいる。また、プレイデータDPは、プレイヤによるゲームのプレイを記録したデータである。そして、プレイデータDPは、ゲームのプレイに伴って適宜に更新され、適宜のタイミングでゲームサーバ20に送信され且つ保存される。
【0024】
ゲーム機制御部32は、コンピュータハードウエアとゲームプログラムPGとの組み合わせによって実現される論理的装置として、進行制御部32a、受付部32b、及び表示制御部32cを含んでいる。ゲーム機制御部32の内部記憶装置には、麻雀ゲームの進行の状態を記述したステータスデータDSが記憶される。このステータスデータDSは、進行制御部32a、受付部32b、及び表示制御部32cの処理に応じて随時更新される。そして、ステータスデータDSに含まれる情報の少なくとも一部は、適宜のタイミングでゲーム機記憶部33のプレイデータDPに含くめて保存される。
【0025】
進行制御手段の一例である進行制御部32aは、複数のプレイヤのそれぞれによる操作を受け付けるターンを複数回繰り返すことによって、ゲームを進行する。麻雀ゲームの場合、各プレイヤが摸打(すなわち自摸及び打牌)するターンが、一局の終了条件(例えば和了又は流局)を満たすまで複数回繰り返される。そして、進行制御部32aは、対局を進めるために必要な各種の演算処理を実行する。
【0026】
一例として、進行制御部32aは、通常の麻雀ゲームにおける対局のルール及び手順等に沿ってゲームを進行する。例えば、進行制御部32aは、洗牌、親決め、及び配牌といった対局の開始段階の処理を実行する。また、進行制御部32aは、摸打、鳴き、リーチ、及びロンといった対局中に生じる各種の行為の処理を実行する。さらに、進行制御部32aは、あがり(和了)、及び流局に対応した点数(点棒)の清算等の麻雀の対局を終了させるために必要な各種の処理を実行する。
【0027】
また、進行制御部32aは、摸打(すなわち牌を自模してから牌を捨てる打牌までの行為)に対して制限時間が設定されている場合には、制限時間を管理する。例えば、進行制御部32aは、表示制御部32cに制限時間を表示させるように制御する。また、進行制御部32aは、制限時間内に打牌が行われない場合に、自動的にゲームを進行する。例えば、進行制御部32aは、手牌の中から任意の牌(例えば、自模した牌)を自動的に打牌する。
【0028】
また、進行制御部32aは、各プレイヤの手牌を判別し、その手牌の判別結果に基づいてゲームの状況を判定又は予想する。一例として、ゲームの状況は、対局の状況に変化をもたらす操作が行われた状況である。例えば、進行制御部32aは、打牌、鳴き牌(すなわちポン又はチー)、カン、及びリーチ等した場合に、当該操作が行われた状況であると判定する。また、進行制御部32aが判定又は予想するゲームの状況は、各プレイヤ又は全プレイヤの状況として、役の完成に有利又は不利な状況、打牌によって変化した状況、手牌の状況、完成できる役の状況、役が完成する可能性、完成が予想される役、役の点数、及び打牌すると予想される牌の種類等を含んでいてもよい。例えば、進行制御部32aは、プレイヤが字牌を打牌した場合に、字牌が捨牌に加わった状況であると判定する。
【0029】
受付手段の一例である受付部32bは、プレイヤによる操作を受け付ける。例えば、受付部32bは、表示制御部32cが提示情報D1を表示させている間に、プレイヤによる操作を受け付ける。言い換えると、表示制御部32cは、受付部32bが操作を受け付けている間に、提示情報D1を表示させることができる。一例として、受付部32bは、自摸、打牌、鳴き、リーチ、又はロン等の操作を受け付ける。これにより、提示情報D1が表示されている間も、進行制御部32aがゲームを進行できる。そのため、提示情報D1を表示させながら、プレイヤが操作を入力できるので、ゲームの進行を妨げることを抑制できる。
【0030】
表示制御手段の一例である表示制御部32cは、
図3において太線で示すプレイ領域101Aに、操作に応じて所定の動作を行うようにキャラクタ103を表示させる。すなわち、表示制御部32cは、所定の動作をするように、表示されているキャラクタ103を動かす。
図3の例では、ゲームシステム100が提供するゲームは、麻雀ゲームである。そのため、表示制御部32cは、プレイ領域101Aに、キャラクタ103を表示させるとともに、麻雀牌を表示させている。すなわち、
図3では、キャラクタ103が表示されている領域と、麻雀牌が表示されている領域とが、プレイ領域101Aに対応している。なお、
図3においては、説明の便宜上、太線によってプレイ領域101Aを囲っているが、実際の画面ではプレイ領域101Aの境界の線が太くない。
【0031】
また、表示制御部32cは、キャラクタ103が提示する提示情報D1を情報表示領域101Bに表示させる。例えば、プレイ領域101A及び情報表示領域101Bは、ゲーム画面GSに同時に表示される。さらに、表示制御部32cは、キャラクタ103を前景としてプレイ領域101Aに表示させ、且つ提示情報D1を背景として情報表示領域101Bに表示させる。一例として、表示制御部32cは、情報表示領域101Bを含む下レイヤーに、プレイ領域101Aを含む上レイヤーを重ね合わせる。上レイヤーは、プレイ領域101Aを除いて、情報表示領域101Bの表示を阻害しないように透明な画像として構成される。そして、下レイヤーには、情報表示領域101Bに、提示情報D1が適宜のタイミングで表示される。これにより、表示制御部32cは、キャラクタ103を前景として表示させ、提示情報D1を背景として表示させる。そのため、プレイ領域101Aにおける表示を阻害することなく、ゲームの状況に応じた演出として、提示情報D1を表示させることができる。
【0032】
また、提示情報D1が背景として表示されるので、プレイ領域101Aのキャラクタ103等の表示が隠れてしまうことを防止できる。特に、麻雀のようなターン制のゲームにおいては、行動するキャラクタ103が度々変わる。そのため、キャラクタ103に関連する演出(例えば、カットイン演出等)が多数回表示される。その結果、カットイン演出がプレイ領域101Aを隠しているタイミングが多くなり、プレイを阻害してゲームの興趣が低下してしまう。この点、本ゲームシステム100によれば、プレイ領域101Aにおけるキャラクタ103等の表示を阻害することを防止できる。例えば、表示制御部32cは、手牌及び捨牌を視認できる状態で、演出としての提示情報D1を表示させることができる。したがって、提示情報D1を表示する頻度を高めても、ゲームのプレイを阻害しない。
【0033】
また、キャラクタ103を用いた演出としては、プレイ領域101Aに表示されるキャラクタ103が動作する演出が考えられる。しかし、キャラクタ103は、ゲームの進行に応じた所定の動作を行うため、所定の動作を行っている間は、演出のために別の動作(又は心理を描写するための表情の変化)をさせることが難しく、演出が限定的になる。また、ゲーム画面GSに表示されるキャラクタ103は、その大きさ又は表示位置が決まっている。そのため、決まっている範囲での演出は限定的になる。この点、ゲームシステム100によれば、情報表示領域101Bに提示情報D1を表示させて、演出が制限されることを抑制できるため、演出の自由度を高めることができる。例えば、プレイ領域101Aに表示されているキャラクタ103の動作、表情又はサイズと、提示情報D1とを大きく異ならせることができる。
【0034】
一例として、
図3は、一局の対戦中に表示されるゲーム画面GSを示している。なお、以下の説明において、麻雀ゲームは、物理的な麻雀牌を利用して四名がプレイする一般的な麻雀と同様のルール及び手順でプレイされる。また、以下の説明において、対戦する四名のプレイヤを対局者と称する。また、対局者のうち、ゲーム装置31を操作する主体である一名の対局者を自プレイヤと称して、自プレイヤと対戦する他の三名を対戦プレイヤと称して相互に区別することがある。対戦プレイヤは、他のゲーム装置31をプレイしている人間であってもよいし、コンピュータが生成してその行為を制御する仮想的なプレイヤであってもよい。
【0035】
表示制御部32cは、一局の対戦中において、表示装置35にゲーム画面GSを表示させる。ゲーム画面GSには、プレイ領域101A及び情報表示領域101Bが設けられる。また、プレイ領域101Aには、自プレイヤ領域102が設けられる。
図3の例では、矩形状の自プレイヤ領域102がプレイ領域101Aに含まれている。そして、表示制御部32cは、四名の対局者のそれぞれと一対一に対応する仮想的な打ち手又は対局者の分身として、キャラクタ103をプレイ領域101Aに表示させる。
【0036】
例えば、表示制御部32cは、三名のキャラクタ103が、ステージ104の上において雀卓を囲んで麻雀をプレイする様子を表示させる。ゲーム装置31の自プレイヤに対しても、対戦プレイヤと同様に一体のキャラクタ103が仮想的な打ち手として設定される。ただし、プレイ領域101Aは、自プレイヤが盤面を観察する主観的視点からの画像として生成される。そのため、表示制御部32cは、自プレイヤに対応するキャラクタ103を、自プレイヤ領域102に表示させる。
【0037】
表示制御部32cは、プレイ領域101Aに、自プレイヤの十三枚の牌からなる手牌105を表示させる。具体的に、表示制御部32cは、手牌105の内容を確認できるように、各牌を左右に並べて表示させる。そして、自プレイヤが牌を自模った場合に、表示制御部32cは、自模牌106を手牌105の右隣に表示させる。また、表示制御部32cは、プレイ領域101Aに、各対局者の捨て牌107を表示させる。さらに、表示制御部32cは、各捨て牌107の内側に、各対局者の現在の持ち点108を表示させる。なお、
図3では、山牌及びドラ牌の表示は省略されているが、山牌及びドラ牌がプレイ領域101Aに表示されてもよい。
【0038】
さらに、
図3の例では、情報表示領域101Bが、仮想的なディスプレイを模した領域である。そして、ゲーム画面GSには、プレイ領域101A及び情報表示領域101Bと共に、観客領域101Cが設けられている。表示制御部32cは、情報表示領域101Bとしてのディスプレイを視聴する観客121を、観客領域101Cに表示する。具体的に、
図3では、相手プレイヤが操作する三体のキャラクタ103の内、中央に位置するキャラクタ103を境として、その両側に、情報表示領域101Bとしてのディスプレイと、観客領域101Cとが設けられている。観客領域101Cを設けることにより、対局の臨場感を高めて、ゲームの興趣を高めることができる。なお、観客領域101Cは下レイヤーに含まれており、表示制御部32cは、観客121を背景として表示させる。代替的に、表示制御部32cは、観客121を前景として表示させてもよい。
【0039】
情報表示領域101Bの表示態様は、ディスプレイを模した態様には限定されない。例えば、情報表示領域101Bは、所定の位置、形状及びサイズの表示領域であってもよい。一例として、ゲーム画面GSの一部に、矩形状の情報表示領域101Bが設けられていてもよい。さらに、表示制御部32cは、情報表示領域101Bの位置、形状、及びサイズを動的に変化させてもよい。例えば、表示制御部32cは、ゲームの進行又は盛り上がりの程度に応じて、情報表示領域101Bのサイズを段階的に大きくしてもよい。同様に、表示制御部32cは、通常のプレイ領域101Aの表示態様と比較して、プレイ領域101Aの位置、形状、及びサイズを動的に変化させてもよい。
【0040】
なお、プレイ領域101Aの少なくとも一部分は、情報表示領域101Bと隣り合っている。具体的に、中央に位置するキャラクタ103の外形の一部に沿って、プレイ領域101Aが情報表示領域101Bと隣り合っている。これにより、提示情報D1をキャラクタ103に近い位置に表示させることができる。そのため、プレイヤは、どのキャラクタ103によって提示された提示情報D1であるかを視覚的に認識しやすくなる。代替的に、プレイ領域101Aと情報表示領域101Bとが、上下方向又は左右方向に並んで、ゲーム画面GSを二分割していてもよい。
【0041】
また、提示情報D1は、キャラクタ103に関連付けられているとともに、キャラクタ103が発する台詞、キャラクタ103の動作又はポーズ、及びキャラクタ103の表情の少なくとも一つを含む。そして、表示制御部32cは、ゲームの状況に応じた提示情報D1を情報表示領域101Bに表示させる。このゲームの状況は、進行制御部32aが判定又は予想する。そして、表示制御部32cは、判定又は予想されたゲームの状況に対応する提示情報D1を選択して、情報表示領域101Bに表示させる。このように、提示情報D1は、文字列又は画像等として、情報表示領域101Bに表示されることによって、プレイヤへ提示される。
【0042】
例えば、表示制御部32cは、麻雀ゲームの進行に伴い、各キャラクタ103の手牌に基づくゲームの状況に応じて、キャラクタ103による動作又はポーズを、提示情報D1として情報表示領域101Bに表示させる。なお、提示情報D1の表示頻度は高く、一例として、表示制御部32cは、キャラクタ103が打牌する度に提示情報D1を表示させる。また、表示制御部32cは、役の完成に近づいたとき、役の完成に近づかないとき、ドラを自摸したとき、又は相手プレイヤのキャラクタ103が動作したときに、提示情報D1を表示させてもよい。
【0043】
具体的には、表示制御部32cは、
図4に示すように、キャラクタ103が発する台詞を示す台詞画像P1と、キャラクタ103の表情を示す表情画像P2とを、情報表示領域101Bに表示させる。
図4の例では、相手プレイヤの三人のキャラクタ103の内、図中右端のキャラクタ103がドラ牌である「八萬」を打牌している。そのため、表示制御部32cは、「ドラ牌だよ!? もったいない!」という文字列を含む台詞画像P1と、驚いている表情を示す表情画像P2とのセットの画像を表示させている。
【0044】
また、表示制御部32cは、キャラクタ103と情報表示領域101Bとをつなぐ演出P3をゲーム画面GSに表示させる。例えば、表示制御部32cは、提示情報D1の表示条件が満たされたか否かを判断する。一例として、表示条件は、対局の状況に変化をもたらす操作が行われたこと、特定の牌が打牌又は自摸されたこと、又は制限時間内に摸打されなかったこと等である。表示制御部32cは、表示条件が満たされると、演出P3の始点となる画像(例えば小さな円)を、提示情報D1を提示するキャラクタ103に重ねて表示する。
【0045】
さらに、表示制御部32cは、徐々に大きくなるように並んだ演出P3の複数の画像(例えば光の円)を情報表示領域101Bまでつながるように表示させる。そして、表示制御部32cは、情報表示領域101Bに表示させた演出P3の終点となる画像(例えば大きな円)から徐々に表示されるように、提示情報D1(例えば台詞を示す文字列)を表示させる。これにより、演出としての提示情報D1とキャラクタ103とが紐づけて認識されるので、プレイヤはゲームの状況と演出とを容易に理解できる。
【0046】
図4の例では、表示制御部32cが、三人のキャラクタ103の内、図中中央のキャラクタ103と情報表示領域101Bとをつなぐ演出P3をゲーム画面GSに表示させている。これにより、プレイヤは、どのキャラクタ103が提示した提示情報D1であるのかを、視覚的に認識できる。なお、
図4においては、表示制御部32cが、次第に大きくなる円の演出P3を表示させている。ただし、演出P3が、キャラクタ103から始まって情報表示領域101Bで終われば、演出P3の表示態様は任意に設定できる。一例として、演出P3は、線、連続して並ぶ画像(例えば、顔、多角形又は星の画像)、及び矢印等であってもよい。また、演出P3は、キャラクタ103から情報表示領域101Bまで移動する任意の画像であってもよい。
【0047】
また、表示制御部32cは、所定の動作を行うキャラクタ103をプレイ領域101Aに表示させる。そして、表示制御部32cは、所定の動作に連続して又は所定の動作と並行して、情報表示領域101Bへ提示情報D1を表示させる。例えば、プレイヤが、牌を選択して打牌する操作をすると、表示制御部32cは、操作に応じた所定の動作として、打牌する動作を行うキャラクタ103をプレイ領域101Aに表示させる。
図4の例で表示制御部32cは、打牌する動作を行う右端のキャラクタ103をプレイ領域101Aに表示させている。そして、表示制御部32cは、当該動作の後に連続して、台詞画像P1と表情画像P2とを情報表示領域101Bへ表示させている。なお、提示情報D1の表示は、動作と同時又は動作の前であってもよい。動作の前であれば、表示制御部32cは、動作の後に連続して動作を行うキャラクタ103をプレイ領域101Aに表示させる。
【0048】
また、表示制御部32cは、操作に応じた所定の動作として、ゲームの状況に応じた動作をするキャラクタ103をプレイ領域101Aに表示させてもよい。例えば、相手プレイヤの打牌の操作に応じて有利となった場合、自プレイヤのキャラクタ103は、有利となった状況に応じた喜ぶ動作をする。または、相手プレイヤの打牌の操作に応じて不利となった場合、自プレイヤのキャラクタ103は、不利となった状況に応じた悔しがる動作をする。
【0049】
また、表示制御部32cは、操作に応じて所定の動作を行うキャラクタ103とは別のキャラクタ103が提示する提示情報D1を、情報表示領域101Bに表示させる。
図4の例では、プレイヤの操作に応じて、右端のキャラクタ103が所定の動作として打牌する動作を行っている。そして、表示制御部32cは、所定の動作を行う右端のキャラクタ103とは別の中央のキャラクタ103が提示する提示情報D1として、台詞画像P1と表情画像P2とを情報表示領域101Bへ表示させている。これにより、プレイヤによる操作と提示情報D1との関係性を、プレイヤが認識しやすくなる。
【0050】
代替的に、表示制御部32cは、操作に応じて所定の動作を行うキャラクタ103が提示する提示情報D1を、情報表示領域101Bに表示させてもよい。例えば、表示制御部32cは、
図4に示す所定の動作を行う右端のキャラクタ103が提示する提示情報D1として、台詞画像P1と表情画像P2とを情報表示領域101Bへ表示させてもよい。これにより、プレイヤによる操作と提示情報D1との関係性を、プレイヤが認識しやすくなる。なお、プレイヤは、どのキャラクタ103によって提示情報D1が提示されているのかを、演出P3によって認識できる。
【0051】
提示情報D1としての台詞画像P1と表情画像P2とは、ゲームデータDGに含まれてゲーム機記憶部33が記憶している。また、提示情報D1は、キャラクタ103に関連付けられている。例えば、ゲーム機記憶部33は、各プレイヤが使用しているキャラクタ103を一意に識別するキャラクタ識別情報と紐付けて提示情報D1に含まれるデータ(例えば画像)を記憶している。そのため、表示制御部32cは、台詞画像P1と表情画像P2を提示するキャラクタ103のキャラクタ識別情報に基づいて、各画像を特定して表示させることができる。すなわち、提示情報D1を提示するキャラクタ103が特定されれば、表示制御部32cは、特定されたキャラクタ103が提示する提示情報D1を、キャラクタ識別情報を介して特定できる。
【0052】
提示情報D1(例えば台詞画像P1及び表情画像P2)は、ゲームの状況に応じて予め複数用意されている。代替的に、ゲームの状況に応じて、ゲーム機制御部32が自動的に提示情報D1を生成してもよい。例えば、
図5Aは、摸打の制限時間に達した状況に応じて表示制御部32cが表示させる例を示している。制限時間に達した状況では、どの牌を捨てるか長く考えた状態である。そのため、表示制御部32cは、「考えてたら 目が回ってきた」という文字列を含む台詞画像P1と、目を回している表情を示す表情画像P2とがセットとなった画像を表示させる。
【0053】
また、
図5Bは、ドラ牌を打牌した状況に応じて表示制御部32cが表示させる例を示している。ドラ牌が手牌に含まれている場合には、あがったときの点数が高くなる。そのため、表示制御部32cは、「ドラ牌だよ!? もったいない!」という文字列を含む台詞画像P1と、驚いている表情を示す表情画像P2とがセットとなった画像を表示させる。また、
図5Cは、字牌である「中」を打牌した状況に応じて表示制御部32cが表示させる例を示している。そして、表示制御部32cは、「チュンビーム しないの?」という文字列を含む台詞画像P1と、キャラクタ103の動作又はポーズを示すポーズ画像P4とがセットとなった画像を表示させる。なお、表示制御部32cは、字牌である「中」を打牌した状況に応じた「チュンビーム!」という文字列を含む台詞画像P1を表示させてもよい。
【0054】
他の例として、台詞画像P1は、ドラ牌を自摸した状況に対応する「ドラ爆盛り」の文字列、又は自摸した牌を打牌した状況に対応する「ツモ切り」の文字列を含んでいてもよい。なお、提示情報D1は、ゲームの状況に与えた影響を示す情報であってもよい。例えば、自摸した牌と直前に打牌した牌とによって、役が完成するか又は役の完成に近づくことがある。この場合、打牌したときと比べると、ゲームの状況に想定とは逆の影響を及ぼしたことになる。そのため、表示制御部32cは、「裏目に出た」という文字列を含む台詞画像P1を表示させる。なお、ゲームの状況に与えた影響は、進行制御部32aが手牌及び捨て牌を把握して判定する。そして、表示制御部32cは、進行制御部32aによる判定結果に基づいて提示情報D1を選択して表示させる。
【0055】
さらに、表示制御部32cは、対戦開始から、あがり又は流局によって対戦の単位としての「局」の結果が確定するまでに、表示態様が変化するような演出をゲーム画面GSに表示させてもよい。例えば、表示制御部32cは、
図3に示す観客領域101Cに、対局の盛り上がりの程度に応じた演出画像を表示させる。例えば、盛り上がりの程度は、四名の対局者のそれぞれが対局の状況に与える影響に応じて変化する。一例として、対局者のそれぞれが、所定の操作を行うと盛り上がりの程度が高くなる。所定の操作は、例えば、鳴き牌、カン、及びリーチ等の対局の状況に変化をもたらす操作である。
【0056】
そして、表示制御部32cは、盛り上がりの程度に応じて、観客領域101Cの表示態様が変化するような演出をゲーム画面GSに表示させる。具体的に、表示制御部32cは、観客領域101Cに、多数の観客121がライトスティック122を手にしながら観戦する様子を表現した画像を表示させている。そして、盛り上がりの程度が高くなるにつれて、表示制御部32cは、観客121が盛り上がっている状態を示すように、表示態様を変化させる。
【0057】
例えば、盛り上がりの程度が四段階である場合、表示制御部32cは、観客領域101Cの表示態様を四段階で変化させる。一例として、表示制御部32cは、盛り上がりの程度が低い段階では、観客121が座って観戦する様子を観客領域101Cに表示させる。そして、表示制御部32cは、段階が進むにつれて、ライトスティック122を振る動作が段階的に激しくなるように、又は立ち上がる観客121の人数が増えるように、観客121を観客領域101Cに表示させる。これにより、観客121が盛り上がる様子をプレイヤに示して、ゲームの興趣を高めることができる。
【0058】
さらに、表示制御部32cは、一局の対戦中又は局の前後等の適宜のタイミングに、カットイン画像を表示させてもよい。例えば、表示制御部32cは、プレイ領域101A又は情報表示領域101Bの一部に重なるように、又はゲーム画面GSの少なくとも一部と置き換えられるように、カットイン画像を表示させる。
【0059】
また、対局の状況に影響を与える所定の操作は、キャラクタ103のスキルを発動させる操作、又はアイテムを使用する操作であってもよい。例えば、自プレイヤがスキルを発動すること又はアイテムを使用することにより、自プレイヤにとって有利なアシスト機能が提供される。一例として、アシスト機能は、対戦プレイヤの手牌の状態を推定する手がかりとなる情報を自プレイヤに提示する機能を含む。また、アシスト機能は、麻雀の役名等の情報を自プレイヤに提示する機能、又は手牌105における面子の形成の情報等を自プレイヤに提示する機能を含んでいてもよい。この場合、表示制御部32cは、アシスト機能によって提示される情報を、プレイ領域101A又は情報表示領域101Bに表示させる。
【0060】
また、自プレイヤ領域102には、対局情報部160と案内情報部161とが設けられている。表示制御部32cは、対戦中の対局に関連する各種の情報を、対局情報部160に表示させる。例えば、
図3の例で表示制御部32cは、何局目の対戦であるかを示す情報として「東2局」の文字列を表示させている。また、表示制御部32cは、対局中における残り牌数を示す情報として「43」の数値を表示させている。さらに、表示制御部32cは、対局が何本場であるかを示す積み棒(芝棒)と、ドラ表示牌を示す「九索」の牌の画像とを表示させている。さらに、対局情報部160には、オプションの情報を表示するために操作されるオプションボタンと、ゲームを終了させる終了ボタンとが設けられている。
【0061】
さらに、表示制御部32cは、自プレイヤによるゲームのプレイを案内するための各種の情報を案内情報部161に表示させる。例えば、表示制御部32cは、自プレイヤのキャラクタ103が各種の案内をセリフ又は思考内容として表現するような態様によって、当該情報を表示させる。
図3の例で表示制御部32cは、プレイヤのキャラクタ103の上にバルーン状のオブジェクト166を表示させる。そして、オブジェクト166には、「リーチがあがれそう!」の文字列が含まれている。当該文字列によって、リーチ役の完成が近い状態であることが自プレイヤに提示される。なお、プレイを案内する情報は、進行制御部32aによる状況の判定又は予想に基づいて生成又は選択される。
【0062】
また、表示制御部32cは、異なるキャラクタ103が提示する複数の提示情報D1を連続的に表示させてもよい。この場合、表示制御部32cは、通常の提示情報D1の表示態様と比較して、表示時間を短く又は長くしてもよい。例えば、表示制御部32cは、提示情報D1の表示時間を短くして短い時間で切り替わるように複数の提示情報D1を表示させる。また、表示制御部32cは、先に表示されている提示情報D1に重なるように、次の提示情報D1を表示させてもよい。さらに、表示制御部32cは、情報表示領域101Bに、異なるキャラクタ103が提示する複数の提示情報D1を同時に表示させてもよい。例えば、表示制御部32cは、情報表示領域101Bの右部分と左部分とに、異なるキャラクタ103が提示する提示情報D1を表示させる。
【0063】
[表示処理]
図6を参照して、提示情報D1を表示する表示処理の流れを説明する。プレイヤがゲームのプレイを開始する操作を行うと、進行制御部32aは、洗牌等の対局開始段階の処理を実行する(S101)。その後、プレイヤが打牌をする操作等を行うと、受付部32bはプレイヤによる操作を受け付ける(S102)。そして、進行制御部32aは、操作に応じてゲームを進行させる。また、表示制御部32cは、操作に応じて所定の動作(例えば打牌する動作)を行うように、プレイ領域101Aにキャラクタ103を表示させる(S103)。なお、表示制御部32cは、操作が行われる度に、キャラクタ103に所定の動作を行わせてもよい。また、表示制御部32cは、操作が行われ且つ所定の条件(例えば提示情報D1の表示条件)が満たされる場合に、キャラクタ103に所定の動作を行わせてもよい。
【0064】
また、表示制御部32cは、提示情報D1の表示条件(例えば、特定の牌が打牌されたこと)が満たされたか否かを判断する(S104)。表示条件が満たされていない場合(S104でNO)、進行制御部32aは、対局の終了条件(例えば、和了すること)を満たすか否かを判断する(S105)。終了条件が満たされていない場合(S105でNO)、進行制御部32aは、処理を進めてゲームを進行させる。一方、終了条件が満たされている場合(S105でYES)、進行制御部32aは、対局の一局目を終了させる。
【0065】
また、表示条件が満たされている場合(S104でYES)、表示制御部32cは、提示情報D1を情報表示領域101Bに表示させる(S106)。そして、進行制御部32aは、処理を進めて終了条件が満たされるまでゲームを進行させる。
【0066】
以上説明したゲームシステム100によれば、プレイ領域101Aにおける表示を阻害することなく、情報表示領域101Bに提示情報D1を表示させることができる。また、提示情報D1が背景として表示されるので、プレイ領域101Aのキャラクタ103等の表示が隠れてしまうことを防止できる。また、提示情報D1を表示させても、演出が制限されることを抑制できるため、演出の自由度を高めることができる。
【0067】
以上、各実施形態を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、各実施形態及び各変形形態、並びに各実施形態又は各変形形態に含まれる技術的手段は、本発明に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
【0068】
例えば、進行制御部32a、受付部32b、及び表示制御部32cの少なくとも一つは、ゲームサーバ20に設けることができる。この場合、ゲームシステム100のサーバ制御部(不図示)とゲーム機制御部32とが協働してコンピュータとして機能する。
【0069】
また、ゲームシステム100が提供するゲームは、カードゲームであってもよい。例えば、ゲームシステム100は、攻撃ターンと守備ターンとが交互に複数回繰り返される、対戦型のトレーディングカードゲームを提供してもよい。この場合、ゲーム画面GSには、プレイヤが操作するキャラクタ103とフィールドに配置されたカードとが表示される。そして、プレイ領域101Aと隣り合うように、情報表示領域101Bが設けられる。この場合、表示制御部32cは、情報表示領域101Bに、キャラクタ103が提示する提示情報D1を表示させる。
【0070】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。なお、各態様の理解を容易にするため、添付図面に図示された参照符号を付記する。ただし、参照符号は、本発明を図示の形態に限定する意図で付記するものではない。
【0071】
(付記1)
キャラクタ103が表示されるプレイ領域101Aと、前記キャラクタが提示する提示情報D1が表示される情報表示領域101Bとが設けられたゲーム画面GSが表示されるゲームを提供するゲームシステム100であって、
プレイヤによる操作を受け付ける受付手段32bと、
前記操作に応じて所定の動作を行うように、前記プレイ領域に前記キャラクタを表示させる表示制御手段32cとを備え、
前記表示制御手段は、前記キャラクタを前景として前記プレイ領域に表示させ、且つ前記提示情報を背景として前記情報表示領域に表示させる、ゲームシステム。
【0072】
(付記2)
前記情報表示領域101Bは、仮想的なディスプレイを模した領域であり、
前記ゲーム画面GSには、前記ディスプレイを視聴する観客121が表示される観客領域101Cが設けられている、付記1に記載のゲームシステム。
【0073】
(付記3)
前記提示情報D1は、前記キャラクタ103に関連付けられているとともに、前記キャラクタが発する台詞、前記キャラクタの動作又はポーズ、及び前記キャラクタの表情の少なくとも一つを含み、
前記表示制御手段32cは、前記ゲームの状況に応じた前記提示情報を前記情報表示領域101Bに表示させる、付記1又は2に記載のゲームシステム。
【0074】
(付記4)
前記受付手段32bは、前記表示制御手段32cが前記提示情報D1を表示させている間に、前記プレイヤによる前記操作を受け付ける、付記1から3のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【0075】
(付記5)
前記プレイ領域101Aの少なくとも一部分が、前記情報表示領域101Bと隣り合っている、付記1から4のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【0076】
(付記6)
前記表示制御手段32cは、前記所定の動作を行う前記キャラクタ103を前記プレイ領域101Aに表示させるとともに、前記所定の動作に連続して又は前記所定の動作と並行して、前記情報表示領域101Bに前記提示情報D1を表示させる、付記1から5のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【0077】
(付記7)
前記表示制御手段32cは、前記キャラクタ103と前記情報表示領域101Bとをつなぐ演出P3を前記ゲーム画面GSに表示させる、付記1から6のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【0078】
(付記8)
複数のプレイヤのそれぞれによる前記操作を受け付けるターンを複数回繰り返すことによって、前記ゲームを進行する進行制御手段32aをさらに備える、付記1から7のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【0079】
(付記9)
前記ゲームは、麻雀ゲームであり、
前記表示制御手段32cは、前記プレイ領域101Aに麻雀牌を表示させる、付記1から8のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【0080】
(付記10)
前記表示制御手段32cは、前記操作に応じて前記所定の動作を行う前記キャラクタ103、又は前記操作に応じて前記所定の動作を行う前記キャラクタとは別のキャラクタが提示する前記提示情報D1を、前記情報表示領域101Bに表示させる、付記1から9のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【0081】
(付記11)
コンピュータ32を備えるとともに、キャラクタ103が表示されるプレイ領域101Aと、前記キャラクタが提示する提示情報D1が表示される情報表示領域101Bとが設けられたゲーム画面GSが表示されるゲームを提供するゲームシステム100のコンピュータプログラムPGであって、
前記コンピュータに、
プレイヤによる操作を受け付けさせ、
前記操作に応じて所定の動作を行うように、前記プレイ領域に前記キャラクタを表示させ、
前記キャラクタを前景として前記プレイ領域に表示させ、且つ前記提示情報を背景として前記情報表示領域に表示させる、コンピュータプログラム。
【0082】
(付記12)
コンピュータ32を備えるとともに、キャラクタ103が表示されるプレイ領域101Aと、前記キャラクタが提示する提示情報D1が表示される情報表示領域101Bとが設けられたゲーム画面GSが表示されるゲームを提供するゲームシステム100の制御方法であって、
前記コンピュータに、
プレイヤによる操作を受け付けさせ、
前記操作に応じて所定の動作を行うように、前記プレイ領域に前記キャラクタを表示させ、
前記キャラクタを前景として前記プレイ領域に表示させ、且つ前記提示情報を背景として前記情報表示領域に表示させる、制御方法。
【0083】
付記1に記載のゲームシステム100、付記11に記載のコンピュータプログラムPG、及び付記12に記載の制御方法によれば、プレイ領域101Aにおける表示を阻害することなく、情報表示領域101Bに提示情報D1を表示させることができる。また、提示情報D1が背景として表示されるので、プレイ領域101Aのキャラクタ103等の表示が隠れてしまうことを防止できる。また、提示情報D1を表示させても、演出が制限されることを抑制できるため、演出の自由度を高めることができる。
【0084】
また、付記2に記載のゲームシステム100によれば、対局者に与える臨場感を高めて、ゲームの興趣を高めることができる。また、付記3又は付記7に記載のゲームシステム100によれば、演出としての提示情報D1とキャラクタ103とが紐づけて認識されるので、プレイヤはゲームの状況と演出とを容易に理解できる。また、付記4に記載のゲームシステム100によれば、提示情報D1が表示されている間も、進行制御部32aがゲームを進行できる。そのため、提示情報D1を表示させながら、ゲームの進行を妨げることを抑制できる。
【0085】
また、付記5に記載のゲームシステム100によれば、提示情報D1をキャラクタ103に近い位置に表示させることができる。そのため、プレイヤは、キャラクタ103による提示であることを視覚的に認識しやすくなる。また、付記6又は付記10に記載のゲームシステム100によれば、プレイヤによる操作と提示情報D1との関係性を、プレイヤが認識しやすくなる。また、付記8又は付記9に記載のゲームシステム100によれば、ターン制のゲーム又は麻雀ゲームにおいて、プレイ領域101Aにおける表示を阻害することなく、情報表示領域101Bに提示情報D1を表示させることができる。