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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041387
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、およびゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/54 20140101AFI20240319BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20240319BHJP
【FI】
A63F13/54
A63F13/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146171
(22)【出願日】2022-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 幸太
(72)【発明者】
【氏名】大本 望美
(72)【発明者】
【氏名】北川 貴大
(57)【要約】
【課題】ゲームプログラムおよびゲーム装置において、ゲームへの没入感を阻害することなく楽曲の切り換えができるようにする。
【解決手段】BGM処理部564は、プレイヤキャラクタの所定の距離Xの範囲内に敵キャラクタが存在しない場合には、再生するBGMとして通常BGMを選択する。一方、BGM処理部564は、プレイヤキャラクタの所定の距離Xの範囲内に敵キャラクタが存在し、且つ仮想カメラCによって撮影された映像に敵キャラクタが含まれていない場合には、仮想マイクLによって聴取された音声に含まれる敵キャラクタが発する音声の音量に関する所定の音量条件1,2が成立すると、再生するBGMを通常時BGM以外の警戒時BGMまたは戦闘時BGMに変更する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ユーザの操作を受けて仮想空間でユーザオブジェクトを動作させると共に、前記仮想空間で前記ユーザオブジェクトに関連する関連オブジェクトを動作させてゲームを進行させるゲーム進行部と、
前記ユーザオブジェクトの位置または近傍に設定された仮想カメラによって撮影される映像を再生するための映像データを生成する映像処理部と、
前記ユーザオブジェクトの位置または近傍に設定された仮想マイクによって聴取される音声を再生するための音声データを生成する音声処理部と、
複数種の楽曲の中から前記ゲームの進行に応じて再生する楽曲を選択する楽曲処理部として機能させるゲームプログラムであって、
前記楽曲処理部は、
前記ユーザオブジェクトの所定の距離範囲内に前記関連オブジェクトが存在しない場合には、再生する前記楽曲として標準の楽曲を選択し、
前記ユーザオブジェクトの所定の距離範囲内に前記関連オブジェクトが存在し、且つ前記仮想カメラによって撮影された映像に前記関連オブジェクトが含まれていない場合には、前記仮想マイクによって聴取された音声に含まれる前記関連オブジェクトが発する音声の音量に関する所定の音量条件が成立すると、再生する前記楽曲を前記標準の楽曲以外の楽曲に変更する
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項2】
請求項1のゲームプログラムにおいて、
前記所定の音量条件は、
前記仮想マイクによって聴取された音声に含まれる前記関連オブジェクトが発する音声の音量が所定の閾値を超えてから所定時間を経過したとの条件である
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項3】
請求項2のゲームプログラムにおいて、
前記楽曲処理部は、
前記ユーザオブジェクトの所定の距離範囲内に前記関連オブジェクトが存在し、且つ前記仮想カメラによって撮影された映像に前記関連オブジェクトが含まれている場合には、前記関連オブジェクトの状態に関する所定の状態条件が成立すると、再生する前記楽曲を前記標準の楽曲以外の楽曲に変更する
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1つのゲームプログラムにおいて、
前記ゲームは、前記関連オブジェクトが、前記ユーザオブジェクトと戦闘を行う敵オブジェクトである対戦型のアクションゲームである
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項5】
請求項1のゲームプログラムを記憶した記憶部と、
前記ゲームプログラムを実行する制御部と、
を備えたゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゲームプログラム、およびゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームプログラムのなかには、仮想空間においてBGM(background music)などの楽曲を再生すると共に、ユーザが操作するユーザオブジェクトが置かれている状況に応じて再生する楽曲を変更するものがある(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1の例では、3Dアクションゲームにおいて、主キャラクタと敵キャラクタが戦闘可能であるか否かを判定し、戦闘状態であると判定した場合、再生するBGMを戦闘用BGMに切り換えるようにしている。戦闘状態であるか否かは、以下の(1)~(3)の判定条件の全ての条件が満たされたとき、またはいずれかの条件が満たされたときに戦闘状態であると判定することとしている。
(1)主キャラクタと敵キャラクタとの距離が射程範囲内であるか
(2)主キャラクタ、敵キャラクタが相手に到達可能であるか
(3)主キャラクタ、敵キャラクタの攻撃の射線が相手に通るか
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-100892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の例では、主キャラクタの視界に敵キャラクタが入らないためにユーザが敵キャラクタの存在に気付いていないにも拘わらず、BGMが戦闘用BGMに切り換わることがあった。そのため、ユーザは、視覚よりも先にBGMが切り換わることによって敵キャラクタの接近を認識してしまい、ゲームへの没入感が阻害されることがあった。
【0006】
本開示の目的は、ゲームプログラムおよびゲーム装置において、ゲームへの没入感を阻害することなく楽曲の切り換えができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様は、コンピュータを、ユーザの操作を受けて仮想空間でユーザオブジェクトを動作させると共に、前記仮想空間で前記ユーザオブジェクトに関連する関連オブジェクトを動作させてゲームを進行させるゲーム進行部と、前記ユーザオブジェクトの位置または近傍に設定された仮想カメラによって撮影される映像を再生するための映像データを生成する映像処理部と、前記ユーザオブジェクトの位置または近傍に設定された仮想マイクによって聴取される音声を再生するための音声データを生成する音声処理部と、複数種の楽曲の中から前記ゲームの進行に応じて再生する楽曲を選択する楽曲処理部として機能させるゲームプログラムであって、前記楽曲処理部は、前記ユーザオブジェクトの所定の距離範囲内に前記関連オブジェクトが存在しない場合には、再生する前記楽曲として標準の楽曲を選択し、前記ユーザオブジェクトの所定の距離範囲内に前記関連オブジェクトが存在し、且つ前記仮想カメラによって撮影された映像に前記関連オブジェクトが含まれていない場合には、前記仮想マイクによって聴取された音声に含まれる前記関連オブジェクトが発する音声の音量に関する所定の音量条件が成立すると、再生する前記楽曲を前記標準の楽曲以外の楽曲に変更することを特徴とするものである。
【0008】
第1の態様において、前記所定の音量条件は、前記仮想マイクによって聴取された音声に含まれる前記関連オブジェクトが発する音声の音量が所定の閾値を超えてから所定時間を経過したとの条件であってもよい。
【0009】
前記態様において、前記楽曲処理部は、前記ユーザオブジェクトの所定の距離範囲内に前記関連オブジェクトが存在し、且つ前記仮想カメラによって撮影された映像に前記関連オブジェクトが含まれている場合には、前記関連オブジェクトの状態に関する所定の状態条件が成立すると、再生する前記楽曲を前記標準の楽曲以外の楽曲に変更するものであってもよい。
【0010】
前記態様において、前記ゲームは、前記関連オブジェクトが、前記ユーザオブジェクトと戦闘を行う敵オブジェクトである対戦型のアクションゲームであってもよい。
【0011】
第2の態様は、第1の態様のゲームプログラムを記憶した記憶部と、前記ゲームプログラムを実行する制御部と、を備えたゲーム装置である。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、ゲームプログラムおよびゲーム装置において、ゲームへの没入感を阻害することなく楽曲の切り換えができるようにすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】ゲーム装置の構成を示すブロック図である。
図2】視認フラグがOFF設定の際のBGMの変更処理を示す遷移図である。
図3】視認フラグがON設定の際のBGMの変更処理を示す遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[実施形態]
以下、ゲームプログラム、ゲーム装置の実施形態について説明する。
【0015】
このゲームプログラムによるゲームは、仮想空間(三次元)で実施される。ゲームの種別等には限定はない。例えば、ゲームは、プレイヤキャラクタ(ユーザオブジェクト)が敵キャラクタ(敵オブジェクト)を攻撃して倒していく対戦型のアクションゲームとすることができる。
【0016】
《ゲーム装置の構成》
〈ハードウェアの構成〉
図1は、ゲーム装置5の構成を示すブロック図である。ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62およびコントローラ63が外部接続または内蔵される。
【0017】
ゲーム装置5には、例えば、パーソナルコンピュータ、プレイステーション(登録商標)、XBox(登録商標)、PlayStation Vita(登録商標)、Nintendo Switch(登録商標)などの、市販の装置を利用できる。
【0018】
ゲーム装置5では、インストールされたゲームプログラムおよびゲームデータに基づいてゲームが進行する。ゲーム装置5同士も、通信ネットワーク(図示を省略)または近距離無線通信装置(図示せず)を用いて、互いにデータ通信を行うことができる。
【0019】
ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55および制御部56を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
【0020】
ネットワークインターフェース51は、例えば、他のゲーム装置5や外部のサーバ装置(図示を省略)との間で各種データを送受信するために、前記通信ネットワークに通信可能に接続される。
【0021】
グラフィック処理部52はディスプレイ61(例えば液晶ディスプレイ)と接続されている。グラフィック処理部52は、制御部56の映像処理部562から出力される映像データに従って、プレイヤキャラクタおよび仮想空間における各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。
【0022】
詳細については後述するが、このゲームプログラムでは、映像処理部562により、ユーザ(プレイヤ)の視点として仮想のカメラ(以下、仮想カメラCという)が仮想空間に設定されている。仮想カメラCは、ユーザが操作するプレイヤキャラクタの目の位置に設定されている。グラフィック処理部52は、映像処理部562から出力される映像データに従って仮想カメラCで撮影した映像(動画像)をディスプレイ61に表示する。
【0023】
オーディオ処理部53は、スピーカ62と接続されている。オーディオ処理部53は、制御部56の音声処理部563およびBGM処理部(楽曲処理部)564の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生する。具体的には、オーディオ処理部53は、音声処理部563が出力した音声データおよびBGM処理部564が出力したBGMデータ(楽曲データ)をアナログ信号に変換し、スピーカ62に出力する。
【0024】
オーディオ処理部53は、ゲーム音声の再生や合成の機能を発揮する、いわゆるミドルウエアを含んでいる。ここで、ゲーム音声とは、ゲーム中にスピーカ62から流れる音声であり、例えば、BGM(Back Ground Music)などの楽曲や、プレイヤキャラクタや敵キャラクタなどのキャラクタの声音、ユーザの操作に応じて生じる効果音や、環境音(例えば、水たまりに落ちる水滴や雨の音や、町の雑踏の音や、森や草原に吹く風の音)などの種々の音声が含まれる。
【0025】
また、このゲームプログラムでは、仮想空間内に音源(すなわち仮想の音源)として取り扱われるオブジェクト(以下、音源オブジェクトという)が存在する。音源オブジェクトの例としては、プレイヤキャラクタ(ユーザオブジェクト)、ゲームに登場する敵キャラクタ(関連オブジェクト)、プレイヤキャラクタの仲間として登場する仲間キャラクタ、プレイヤキャラクタが持っているアイテム(例えば武器など)、仮想空間に設置された機械や設備などが挙げられる。
【0026】
詳細については後述するが、このゲームプログラムでは、音声処理部563により、音像定位を行うために、音声が聴取される仮想の受音点(以下、仮想マイクL)が仮想空間に設定されている。仮想マイクLは、ユーザが操作するプレイヤキャラクタの耳の位置(仮想カメラCの近傍)に設定されている。オーディオ処理部53は、音声処理部563から出力される音声データに従って仮想マイクLで聴取した音声をスピーカ62から出力する。
【0027】
オーディオ処理部53は、3次元的な音の再生を行うために、多チャンネルの音声出力ができるように構成されている。それに合わせて、ゲーム装置5には、複数のスピーカ62が接続されている。これらのスピーカ62は、3次元的な音の再生ができるように、聴取者(例えばゲームのプレイヤ、即ちユーザ)の左右、前後、上方などに配置される場合がある。
【0028】
操作部54は、コントローラ63と接続されている。操作部54は、信号をコントローラ63との間で送受信する。ゲームのプレイヤは、コントローラ63のボタン等の各種操作子を操作することで、ゲーム装置5に信号(命令やデータなど)を入力する。
【0029】
記憶部55は、HDD、SSD、RAM、ROMなどで構成される。記憶部55には、ゲームデータ、ゲームプログラムを含む各種プログラムなどが格納されている。ゲームデータとしては、ゲーム媒体やユーザのアカウント情報などを例示できる。
【0030】
制御部56は、ゲーム装置5の動作を制御する。制御部56は、CPU(マイクロコンピュータ)、および半導体メモリを備えている。半導体メモリには、CPUを動作させるためのプログラムやデータなどが格納される。
【0031】
〈制御部56の機能的構成〉
制御部56は、ゲームプログラムを実行することによって、ゲーム進行部561、映像処理部562、音声処理部563、BGM処理部564として機能する(図1参照)。
【0032】
-ゲーム進行部561-
ゲーム進行部561は、ユーザ(ここではゲームのプレイヤ)の操作に応じて、仮想空間内でプレイヤキャラクタ(ユーザオブジェクト)を動作させる。ゲーム進行部561は、敵キャラクタ(ユーザオブジェクトに関連する関連オブジェクト)や所定のオブジェクト(例えば乗り物など)も仮想空間内で動作させる。敵キャラクタは、ノンプレイヤキャラクタであってもよく、別のユーザの操作に応じて動作するプレイヤキャラクタであってもよい。
【0033】
ゲーム進行部561は、例えばAI(artificial intelligence)によってノンプレイヤキャラクタや所定のオブジェクトの動作を制御する。ゲーム進行部561は、プレイヤキャラクタやノンプレイヤキャラクタの動作に応じて、ゲームを進行させる。
【0034】
このゲームプログラムでは、ゲーム進行部561は、プレイヤキャラクタの所定の距離Xの範囲内に敵キャラクタが存在するか否かを判定し、敵接近フラグF1のON/OFF設定を行う。敵接近フラグF1の設定情報は、記憶部55に格納される。
【0035】
ゲーム進行部561は、プレイヤキャラクタの所定の距離Xの範囲内に敵キャラクタが存在すると判定した場合、敵接近フラグF1をONに設定する。一方、ゲーム進行部561は、プレイヤキャラクタの所定の距離Xの範囲内に敵キャラクタが存在ないと判定した場合、敵接近フラグF1をOFFに設定する。
【0036】
また、ゲーム進行部561は、プレイヤキャラクタの所定の距離Xの範囲内にプレイヤキャラクタに対して所定の敵意動作を行う敵キャラクタが存在するか否かを判定し、敵意フラグF2のON/OFF設定を行う。所定の敵意動作とは、例えば、威嚇動作や襲いかかる動作とすることができる。敵意フラグF2の設定情報は、記憶部55に格納される。
【0037】
ゲーム進行部561は、プレイヤキャラクタの所定の距離Xの範囲内にプレイヤキャラクタに対して所定の敵意動作を行う敵キャラクタが存在すると判定した場合、敵意フラグF2をONに設定する。一方、ゲーム進行部561は、プレイヤキャラクタの所定の距離Xの範囲内にプレイヤキャラクタに対して所定の敵意動作を行う敵キャラクタが存在しないと判定した場合、敵意フラグF2をOFFに設定する。
【0038】
-映像処理部562-
映像処理部562は、仮想カメラCで仮想空間内を撮影した映像(動画像)を再生するための映像データを生成し、生成した映像データをグラフィック処理部52に出力する。
【0039】
このゲームプログラムでは、仮想カメラCは、ユーザが操作するプレイヤキャラクタの目の位置に設定されている。仮想カメラCは、プレイヤキャラクタの目の位置および向きに応じて位置および向きが変更される。そのため、グラフィック処理部52は、仮想空間内においてプレイヤキャラクタが視ているであろう映像をディスプレイ61に表示する(再生する)。
【0040】
なお、仮想カメラCの位置は、ユーザの操作対象(この例ではユーザキャラクタの目)の位置に限られず、ユーザの操作対象であるユーザオブジェクトの近傍に設定してもよい。例えば、ユーザオブジェクトが車などの乗り物の場合、仮想カメラCは、乗り物の後部上方(近傍)に設定されていてもよい。この場合、仮想カメラCで撮影される映像には、乗り物(ユーザオブジェクト)の姿が映像に含まれることとなる。
【0041】
このゲームプログラムでは、映像処理部562は、仮想カメラCで仮想空間内を撮影した映像に敵キャラクタが含まれているか否かを判定し、視認フラグF3のON/OFF設定を行う。視認フラグF3の設定情報は、記憶部55に格納される。
【0042】
映像処理部562は、仮想カメラCで仮想空間内を撮影した映像に敵キャラクタが含まれていると判定した場合、視認フラグF3をONに設定する。一方、映像処理部562は、仮想カメラCで仮想空間内を撮影した映像に敵キャラクタが含まれていないと判定した場合、視認フラグF3をOFFに設定する。
【0043】
-音声処理部563-
音声処理部563は、仮想空間において仮想マイクLで聴取した音声を再生するための音声データを生成し、生成した音声データをオーディオ処理部53に出力する。
【0044】
このゲームプログラムでは、種々の音源データが予め用意されて記憶部55に記憶されている。例えば、記憶部55には、キャラクタの声音、ユーザの操作に応じて生じる効果音、環境音などの種々の音源データが記憶されている。音声処理部563は、種々の音源データからゲームの進行に応じた音源データを選択し、仮想マイクLで聴取した音声を再生するための音声データを生成し、オーディオ処理部53に出力する。
【0045】
音声処理部563は、音声データを出力する際に、オーディオ処理部53に、その音声データに含まれる種々の音声データ毎の音量を指示する。オーディオ処理部53は、音声処理部563が出力した音声データに含まれる種々の音声データを、指示された音量のアナログ信号に変換し、スピーカ62に出力する。
【0046】
音声処理部563は、音声データの生成において音像定位を行う機能を有している。音声処理部563は、音像定位を行うため、音声が聴取される仮想の受音点(以下、仮想マイクL)を仮想空間に設定する。仮想マイクLは、仮想の聴取者であり、音声処理部563による音像定位の基準点である。
【0047】
このゲームプログラムでは、仮想マイクLは、ユーザが操作するプレイヤキャラクタの耳の位置(仮想カメラCの近傍)に設定されている。仮想マイクLは、指向性を有する。仮想マイクLは、プレイヤキャラクタの耳の位置および向きに応じて位置および集音方向が変更される。そのため、オーディオ処理部53は、仮想空間内においてプレイヤキャラクタが聴いているであろう音声をスピーカ62から出力する(再生する)。
【0048】
なお、仮想マイクLの位置は、ユーザの操作対象(この例ではユーザキャラクタの耳)の位置に限られず、ユーザの操作対象であるユーザオブジェクトの近傍に設定してもよい。仮想マイクLは、仮想カメラCによって撮影された映像に適した音声が聴取できるように、仮想カメラCの近傍に設定されればいかなる位置に設定してもよい。また、仮想マイクLの位置および集音方向は、仮想カメラCの位置および方向に応じて変更されるものであってもよい。
【0049】
-BGM処理部564-
BGM処理部(楽曲処理部)564は、ゲーム進行部561によるゲームの進行に応じて再生するBGM(楽曲)を選択し、選択したBGMの再生指令をオーディオ処理部53に出力する。
【0050】
このゲームプログラムでは、ゲームの進行に応じた種々のBGM(楽曲)を再生するためのBGMデータ(楽曲データ)が予め用意されて記憶部55に記憶されている。例えば、記憶部55には、通常時BGM(標準の楽曲)、警戒時BGM(標準の楽曲以外の楽曲)、戦闘時BGM(標準の楽曲以外の楽曲)を再生するためのBGMデータが記憶されている。オーディオ処理部53は、BGM処理部564が選択したBGMのBGMデータを読み出し、指示された音量のアナログ信号に変換し、スピーカ62から出力する(再生する)。
【0051】
BGM処理部564は、敵接近フラグF1の設定を確認し、敵接近フラグF1がOFF設定の場合(プレイヤキャラクタの所定の距離Xの範囲内に敵キャラクタが存在していない場合)、通常時BGMを選択する。BGM処理部564は、通常時BGMの再生中に、敵キャラクタがプレイヤキャラクタに接近する(敵接近フラグF1がOFF設定からON設定に変わる)と、再生するBGMを警戒時BGMまたは戦闘時BGMに変更する変更処理を行う。
【0052】
このゲームプログラムでは、BGMの変更の際(楽曲の変更の際)に、ユーザが違和感を持たないように工夫が加えられている。具体的には、このゲームプログラムでは、仮想カメラCが敵キャラクタを捉えているか否か、即ち、ユーザが敵キャラクタを視認できるか否かにより、BGMを変更する条件(楽曲を変更する条件)を変えている。
【0053】
図2に示すように、BGM処理部564は、敵接近フラグF1がON設定に変更され、仮想カメラCが敵キャラクタを捉えていない(視認フラグF3がOFF設定)場合、音量条件1,2が成立するか否かにより、再生するBGMを変更するか否かを決定する。
【0054】
音量条件1は、仮想マイクLによって聴取された音声に含まれる敵キャラクタ(関連オブジェクト)が発する音声の音量が、所定の閾値Aを超えてから所定時間B経過したとの条件である。音量条件2は、仮想マイクLによって聴取された音声に含まれる敵キャラクタ(関連オブジェクト)が発する音声の音量が、所定の閾値D(>閾値A)を超えてから所定時間E経過したとの条件である。
【0055】
BGM処理部564は、敵接近フラグF1がON設定に変更され、視認フラグF3がOFF設定の場合に、音量条件1が成立すると、再生するBGMを通常時BGMから警戒時BGMに変更する。また、BGM処理部564は、敵接近フラグF1がON設定に変更され、視認フラグF3がOFF設定の場合に、音量条件2が成立すると、再生するBGMを通常時BGMから戦闘時BGMに変更する。
【0056】
BGM処理部564は、再生するBGMを通常時BGMから警戒時BGMに変更した後、敵接近フラグF1がON設定で且つ視認フラグF3がOFF設定のまま、音量条件2が成立すると、再生するBGMを警戒時BGMから戦闘時BGMに変更する。
【0057】
図3に示すように、BGM処理部564は、敵接近フラグF1がON設定に変更され、仮想カメラCが敵キャラクタを捉えている(視認フラグF3がON設定)場合、敵キャラクタの状態に関する所定の状態条件1,2が成立するか否かにより、再生するBGMを変更するか否かを決定する。
【0058】
状態条件1は、視認フラグF3がON設定の状態(仮想カメラCが敵キャラクタを捉えている状態)になってから所定時間F経過したとの条件である。状態条件2は、プレイヤキャラクタの所定の距離Xの範囲内にプレイヤキャラクタに対して所定の敵意動作を行う敵キャラクタが存在する(敵意フラグF2がON設定である)との条件である。
【0059】
BGM処理部564は、敵接近フラグF1がON設定に変更され、視認フラグF3がON設定の場合に、状態条件1が成立すると、再生するBGMを通常時BGMから警戒時BGMに変更する。また、BGM処理部564は、敵接近フラグF1がON設定に変更され、視認フラグF3がON設定の場合に、状態条件2が成立すると、再生するBGMを通常時BGMから戦闘時BGMに変更する。
【0060】
BGM処理部564は、再生するBGMを通常時BGMから警戒時BGMに変更した後、敵接近フラグF1がON設定で且つ視認フラグF3がON設定のまま、状態条件2が成立すると、再生するBGMを警戒時BGMから戦闘時BGMに変更する。
【0061】
このゲームプログラムでは、BGM処理部564が、再生するBGMを、戦闘時BGMから警戒時BGMへ変更する変更条件1は、仮想カメラCが敵キャラクタを捉えているか否か(視認フラグF3の設定)によって異ならない。変更条件1は、プレイヤキャラクタの所定の距離Xの範囲内にプレイヤキャラクタに対して所定の敵意動作を行う敵キャラクタが存在していない(敵意フラグF2がOFF設定である)との条件である。
【0062】
BGM処理部564は、再生するBGMを戦闘時BGMに変更した後、敵意フラグF2がOFF設定になると、変更条件1が成立したと判定し、再生するBGMを戦闘時BGMから警戒時BGMに変更する。
【0063】
一方、BGM処理部564が、再生するBGMを、警戒時BGMから通常時BGMへ変更する変更条件2,3は、仮想カメラCが敵キャラクタを捉えているか否か(視認フラグF3の設定)によって異なる。
【0064】
変更条件2は、仮想マイクLによって聴取された音声に含まれる敵キャラクタ(関連オブジェクト)が発する音声の音量が、所定の閾値A以下となってから所定時間Gが経過したとの条件である。変更条件3は、視認フラグF3がOFF設定の状態(仮想カメラCが敵キャラクタを捉えていない状態)になってから所定時間Gが経過したとの条件である。
【0065】
BGM処理部564は、再生中のBGMが警戒時BGMで、視認フラグF3がOFF設定の場合、変更条件2が成立すると、再生するBGMを通常時BGMに変更する。一方、BGM処理部564は、再生中のBGMが警戒時BGMで、視認フラグF3がON設定の場合、変更条件3が成立すると、再生するBGMを通常時BGMに変更する。
【0066】
また、BGM処理部564は、警戒時BGMまたは戦闘時BGMの再生中に、敵接近フラグF1がON設定からOFF設定に変更されると(プレイヤキャラクタの所定の距離Xの範囲内に敵キャラクタが存在しなくなると)、再生するBGMを通常時BGMに変更する。
【0067】
《動作例》
ゲームが開始されると、ゲーム進行部561は、ユーザ(ゲームのプレイヤ)のコントローラ63の操作に応じて、プレイヤキャラクタを仮想空間内で動作させる。ゲーム進行部561は、敵キャラクタや所定のオブジェクトも仮想空間内で動作させる。
【0068】
映像処理部562は、仮想カメラC(プレイヤキャラクタの視点)で仮想空間内を撮影した映像(動画像)を再生するための映像データを生成し、生成した映像データをグラフィック処理部52に出力する。グラフィック処理部52は、映像処理部562が生成した映像データに基づき、仮想カメラCによってプレイヤキャラクタの視点で撮影された仮想空間の映像をディスプレイ61に表示する(再生する)。
【0069】
音声処理部563は、仮想空間において仮想マイクLで聴取した音声(プレイヤキャラクタを聴取者とする音声)を再生するための音声データを生成し、生成した音声データをオーディオ処理部53に出力する。オーディオ処理部53は、音声処理部563が生成した音声データに基づき、仮想マイクLで聴取された仮想空間内の音声をスピーカ62から出力する(再生する)。
【0070】
BGM処理部564は、ゲーム進行部561によるゲームの進行に応じて再生するBGMを選択し、選択したBGMの再生指令をオーディオ処理部53に出力する。オーディオ処理部53は、BGM処理部564が選択したBGMのBGMデータを読み出し、指示された音量のアナログ信号に変換し、スピーカ62から出力する(再生する)。
【0071】
(BGMの選択動作の詳細)
まず、BGM処理部564は、敵接近フラグF1の設定を確認し、敵接近判定を行う。BGM処理部564は、敵接近フラグF1がOFF設定の場合、プレイヤキャラクタに敵キャラクタが接近していない(プレイヤキャラクタの所定の距離Xの範囲内に敵キャラクタが存在しない)と判定し、通常時BGMを選択する。
【0072】
一方、BGM処理部564は、通常時BGMの再生中に、敵キャラクタがプレイヤキャラクタに接近し、敵接近フラグF1がON設定に変わると、再生するBGMを警戒時BGMまたは戦闘時BGMに変更する変更処理を行う。
【0073】
BGM処理部564は、変更処理として、まず、視認フラグF3の設定を確認する。BGM処理部564は、視認フラグF3がOFF設定の場合(仮想カメラCが敵キャラクタを捉えていない場合)、所定の音量条件1,2が成立しているか否かを確認する。
【0074】
所定の音量条件1が成立している場合、BGM処理部564は、再生するBGMを通常時BGMから警戒時BGMに変更する。プレイヤキャラクタに接近している敵キャラクタをユーザが視認できない状況でも、敵キャラクタが発する音声の音量が大きくなると(所定の音量条件1が成立すると)、ユーザは敵キャラクタの接近に気付く。そのため、再生されるBGMが警戒時BGMに変更されても、ユーザは違和感を持たない。
【0075】
所定の音量条件2が成立している場合、BGM処理部564は、再生するBGMを通常時BGMから戦闘時BGMに変更する。プレイヤキャラクタに接近している敵キャラクタをユーザが視認できない状況でも、敵キャラクタが発する音声の音量が著しく大きくなると(所定の音量条件2が成立すると)、ユーザは敵キャラクタがプレイヤキャラクタに襲いかかれる程接近したことに気付く。そのため、再生されるBGMが戦闘時BGMに変更されても、ユーザは違和感を持たない。
【0076】
所定の音量条件1,2のいずれも成立していない場合、BGM処理部564は、再生するBGMを変更せず、通常時BGMのままとする。
【0077】
また、BGM処理部564は、再生するBGMを通常時BGMから警戒時BGMに変更した後、敵接近フラグF1がON設定で且つ視認フラグF3がOFF設定のまま、音量条件2が成立すると、再生するBGMを警戒時BGMから戦闘時BGMに変更する。プレイヤキャラクタに接近している敵キャラクタをユーザが視認できない状況でも、敵キャラクタが発する音声の音量が著しく大きくなると(所定の音量条件2が成立すると)、ユーザは敵キャラクタがプレイヤキャラクタに襲いかかる程接近したことに気付く。そのため、再生されるBGMが戦闘時BGMに変更されても、ユーザは違和感を持たない。
【0078】
一方、BGM処理部564は、変更処理として視認フラグF3の設定を確認し、視認フラグF3がON設定の場合(仮想カメラCが敵キャラクタを捉えている場合)、所定の状態条件1,2が成立しているか否かを確認する。
【0079】
所定の状態条件1が成立している場合、BGM処理部564は、再生するBGMを通常時BGMから警戒時BGMに変更する。状態条件1が成立する際、ユーザは、プレイヤキャラクタに接近する敵キャラクタに気付いているため、再生されるBGMが警戒時BGMに変更されても違和感を持たない。
【0080】
所定の状態条件2が成立している場合、BGM処理部564は、再生するBGMを通常時BGMから戦闘時BGMに変更する。状態条件2が成立する際、ユーザは、敵意を有する敵キャラクタがプレイヤキャラクタに接近していることに気付いているため、再生されるBGMが戦闘時BGMに変更されても違和感を持たない。
【0081】
所定の状態条件1,2のいずれも成立していない場合、BGM処理部564は、再生するBGMを変更せず、通常時BGMのままとする。
【0082】
また、BGM処理部564は、再生するBGMを通常時BGMから警戒時BGMに変更した後、敵接近フラグF1がON設定で且つ視認フラグF3がON設定のまま、状態条件2が成立すると、再生するBGMを警戒時BGMから戦闘時BGMに変更する。状態条件2が成立する際、ユーザは、敵意を有する敵キャラクタがプレイヤキャラクタに接近していることに気付いているため、再生されるBGMが戦闘時BGMに変更されても違和感を持たない。
【0083】
また、BGM処理部564は、再生するBGMを戦闘時BGMに変更した後、敵意フラグF2がOFF設定になると、変更条件1が成立したと判定し、再生するBGMを戦闘時BGMから警戒時BGMに変更する。
【0084】
敵キャラクタを倒したまたは敵キャラクタが逃走したなどにより、戦闘が終了すると、プレイヤキャラクタの所定の距離Xの範囲内にプレイヤキャラクタに対して所定の敵意動作を行う敵キャラクタが存在しなくなる(変更条件1が成立する)。よって、このような場面で再生されるBGMが戦闘時BGMから警戒時BGMに変更されても、ユーザは違和感を持たない。
【0085】
BGM処理部564は、再生中のBGMが警戒時BGMで、視認フラグF3がOFF設定の場合、変更条件2(仮想マイクLによって聴取された音声に含まれる敵キャラクタが発する音声の音量が、所定の閾値A以下となってから所定時間Gが経過したとの条件)が成立すると、再生するBGMを通常時BGMに変更する。
【0086】
変更条件2が成立する状況下では、ユーザは、敵キャラクタの存在を認識できなくなるため、警戒時BGMが再生されたままでは違和感を持ってしまう。そのため、このような場面で再生されるBGMが通常時BGMに変更されることにより、ユーザが違和感を持たなくなる。
【0087】
一方、BGM処理部564は、再生中のBGMが警戒時BGMで、視認フラグF3がON設定の場合、変更条件3(視認フラグF3がOFF設定の状態になってから所定時間Gが経過したとの条件)が成立すると、再生するBGMを通常時BGMに変更する。
【0088】
変更条件3が成立する状況下ではユーザは、敵キャラクタの存在を認識できなくなるため、警戒時BGMが再生されたままでは違和感を持ってしまう。そのため、このような場面で再生されるBGMが通常時BGMに変更されることにより、ユーザが違和感を持たなくなる。
【0089】
また、BGM処理部564は、警戒時BGMまたは戦闘時BGMの再生中に、敵接近フラグF1がON設定からOFF設定に変更されると(プレイヤキャラクタの所定の距離Xの範囲内に敵キャラクタが存在しなくなると)、再生するBGMを通常時BGMに変更する。
【0090】
以上のようにして、BGM処理部564は、ユーザが違和感を持たないように再生するBGMを変更する。
【0091】
以上をまとめると、本件態様は、コンピュータ(制御部56)を、ユーザの操作を受けて仮想空間でユーザオブジェクト(プレイヤキャラクタ)を動作させると共に、仮想空間でユーザオブジェクト(プレイヤキャラクタ)に関連する関連オブジェクト(敵キャラクタ)を動作させてゲームを進行させるゲーム進行部561と、ユーザオブジェクト(プレイヤキャラクタ)の位置または近傍に設定された仮想カメラCによって撮影される映像を再生するための映像データを生成する映像処理部562と、ユーザオブジェクト(プレイヤキャラクタ)の位置または近傍に設定された仮想マイクLによって聴取される音声を再生するための音声データを生成する音声処理部563と、複数種の楽曲(BGM)の中からゲームの進行に応じて再生する楽曲(BGM)を選択する楽曲処理部(BGM処理部564)として機能させるプログラムである。また、本件態様では、楽曲処理部(BGM処理部564)は、ユーザオブジェクト(プレイヤキャラクタ)の所定の距離Xの範囲内に関連オブジェクト(敵キャラクタ)が存在しない場合には、標準の楽曲(通常時BGM)を選択し、ユーザオブジェクト(プレイヤキャラクタ)の所定の距離Xの範囲内に関連オブジェクト(敵キャラクタ)が存在し、且つ仮想カメラCによって撮影された映像に関連オブジェクト(敵キャラクタ)が含まれていない場合には、仮想マイクLによって聴取された音声に含まれる関連オブジェクト(敵キャラクタ)が発する音声の音量に関する所定の音量条件1,2が成立すると、再生する楽曲(BGM)を標準の楽曲(通常時BGM)以外の楽曲(警戒時BGMまたは戦闘時BGM)に変更するゲームプログラムである。
【0092】
《本実施形態の効果》
本ゲームプログラムでは、敵キャラクタがプレイヤキャラクタの所定の距離Xの範囲内に入るとすぐに再生するBGMを戦闘時BGMに変更するのではなく、仮想カメラCが敵キャラクタを捉えているか否かにより、BGMを変更する条件を変えている。
【0093】
具体的には、仮想カメラCが敵キャラクタを捉えていない場合には、仮想マイクLによって聴取された音声に含まれる敵キャラクタが発する音声の音量に基づいて、再生するBGMを、通常時BGMから警戒時BGMまたは戦闘時BGMに変更することとしている。
【0094】
そのため、本ゲームプログラムによれば、仮想カメラCが敵キャラクタを捉えていないためにユーザが敵キャラクタの存在に気付いていないにも拘わらず、BGMが戦闘用BGMに切り換わり、ユーザに違和感を与えるようなことがなくなる。本ゲームプログラム及び本ゲームプログラムを備えたゲーム装置5によれば、ユーザが視覚または聴覚で知覚する状況変化に応じたBGMが再生されるため、ゲームへの没入感を阻害することなく再生するBGMを切り換えることができる。
【0095】
[その他の実施形態]
ユーザオブジェクトは、キャラクタに限られない。ユーザオブジェクトは、仮想空間において動作するものであればいかなるものであってもよく、車や飛行機などの乗り物であってもよい。
【0096】
関連オブジェクトは、敵キャラクタに限られない。関連オブジェクトは、仮想空間において動作してユーザオブジェクトに関わるものであればいかなるものであってもよい。関連オブジェクトは、仲間キャラクタであってもよいし、キャラクタでなく、車や飛行機などの乗り物であってもよい。
【0097】
音源データは、必ずしも予め用意しておく必要はない。何らかのデータないしは情報を基に、その都度、合成したり生成したりしてもよい。
【0098】
また、音量条件1,2は、仮想マイクLによって聴取された音声に含まれる関連オブジェクト(実施形態1では敵キャラクタ)が発する音声の音量に関する条件であればよく、実施形態1の条件に限られない。同様に、状態条件1,2は、仮想カメラCによって撮影された映像に含まれる関連オブジェクト(実施形態1では敵キャラクタ)の状態に関する条件であればよく、実施形態1の条件に限られない。また、変更条件1,2も、実施形態1の条件に限られない。
【0099】
ゲームは、関連オブジェクトが、ユーザオブジェクトと戦闘を行う対戦型のアクションゲームに限られず、飼育ゲームなどであってもよい。
【0100】
本プログラムによる処理は、ユーザ用装置(ゲーム装置5)が接続されたサーバ装置で行ってもよいし、ユーザ用装置とサーバ装置とで分担してもよい。この形態は、オンラインゲーム用のゲームプログラムとして本プログラムを実装する場合に想定される形態である。
【0101】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本態様の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0102】
5 ゲーム装置
55 記憶部
56 制御部(コンピュータ)
561 ゲーム進行部
562 映像処理部
563 音声処理部
564 BGM処理部(楽曲処理部)
図1
図2
図3