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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041411
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】販売管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20240319BHJP
   G06Q 20/20 20120101ALI20240319BHJP
   G06Q 30/04 20120101ALI20240319BHJP
   G06Q 40/12 20230101ALI20240319BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06Q20/20 350
G06Q30/04
G06Q40/00 410
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146224
(22)【出願日】2022-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 啓介
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049BB11
5L049BB21
5L055AA42
5L055BB63
(57)【要約】
【課題】印紙印影の印刷を効率的に行うとともに、税務申告書の作成をより効率的に行うことができる販売管理システムを提供する。
【解決手段】販売管理システムは、販売処理装置と販売管理装置とを含む。販売処理装置は、領収処理部と、印刷判定部と、情報提供部と、を備える。販売処理部は、入力部を介して入力された販売情報に基づき領収書の発行処理を行う。印刷判定部は、販売情報に基づく販売金額が課税金額以上か否かを判定し、領収書に印紙印影を印刷するか否かを決定するとともに、印紙印影の印刷の有無を示す印影情報を生成する。情報提供部は、販売金額と印影情報とを含む販売管理情報を販売管理装置に提供する。販売管理装置は、情報取得部と、申告作成部と、を備える。情報取得部は、販売管理情報を取得する。申告作成部は、領収書に印紙印影を印刷したことを示す印影情報に基づき、課税対象となる販売金額の集計を行い税務申告書の作成を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駅業務における販売処理を実行する販売処理装置と、前記販売処理装置から提供される販売情報に基づく販売管理処理を実行する販売管理装置と、を含む販売管理システムであって、
前記販売処理装置は、
入力部を介して入力された前記販売情報に基づき領収書の発行処理を行う領収処理部と、
前記販売情報に基づく販売金額が課税金額以上か否かを判定し、前記領収書に印紙印影を印刷するか否かを決定し、前記印紙印影の印刷の有無を示す印影情報を生成する印刷判定部と、
前記販売金額と前記印影情報とを含む販売管理情報を前記販売管理装置に提供する情報提供部と、
を有し、
前記販売管理装置は、
前記販売管理情報を取得する情報取得部と、
前記領収書に前記印紙印影を印刷したことを示す前記印影情報に基づき、課税対象となる前記販売金額の集計を行い税務申告書の作成を行う申告作成部と、
備える、販売管理システム。
【請求項2】
前記販売処理装置は、前記領収書の発行処理のたびに前記販売管理情報を前記販売管理装置に提供する、請求項1に記載の販売管理システム。
【請求項3】
前記販売処理装置は、前記販売管理装置との間で前記販売管理情報の受渡しが不可の場合でも、前記領収書の発行を行う、請求項1に記載の販売管理システム。
【請求項4】
前記販売処理装置は、予め定められたタイミングで、前記販売管理装置に既に提供した全ての前記販売管理情報である提供済み販売管理情報を前記販売管理装置に提供し、前記販売管理装置において、全ての前記販売管理情報である取得済み販売管理情報と照合させる、請求項1に記載の販売管理システム。
【請求項5】
前記販売管理装置は、照合の結果、前記提供済み販売管理情報と前記取得済み販売管理情報とに差異が存在する場合、前記販売処理装置に対して差異分の前記販売管理情報の再提供を要求する、請求項4に記載の販売管理システム。
【請求項6】
駅業務における販売処理を実行する販売処理装置と、前記販売処理装置から提供される販売情報に基づく販売管理処理を実行する販売管理装置と、を含む販売管理システムであって、
前記販売処理装置は、
入力部を介して入力された前記販売情報に基づき領収書の発行処理を行う領収処理部と、
前記販売情報に基づく販売金額が印紙を必要とする課税金額以上か否かを判定し、前記領収書に印紙印影を印刷するか否かを決定する印刷判定部と、
前記領収書に記載される前記販売金額を含む販売管理情報を前記販売管理装置に提供する情報提供部と、
を有し、
前記販売管理装置は、
前記販売管理情報を取得する情報取得部と、
取得した前記販売管理情報に基づき、前記領収書に前記印紙印影が印刷されているか否かを判定し、課税対象となる前記販売金額の集計を行い税務申告書の作成を行う申告作成部と、
備える、販売管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、販売管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の販売を行った場合の領収金額が課税文書に課されるべき印紙税に相当する金額以上の場合、領収書に印紙を貼り付ける必要がある。例えば、鉄道係員は、窓口業務で旅券や定期券等の販売を行った場合や旅行関連商品(ホテル宿泊予約、ツアー予約)等の販売を行った場合で、領収金額が所定金額、例えば、5万円以上の場合、領収書に印紙を手作業で貼り付けている。また、課税文書の作成者(鉄道係員等)は、毎月課税対象の領収金額を計算し、課税文書を作成する必要があった。このような作業の作業性向上のため、例えば、先行技術文献1には、乗車券類の発券等の取引を行い、顧客から料金の支払を受けて、受取書として領収書を発行する取引処理装置が開示されている。先行技術文献1には、例えば領収金額に応じて、印紙の要/不要や印紙金額を判別して、印紙が必要な場合、印紙貼付に代わる所定書式のマークを印字する技術が開示されている。また、先行技術文献1の取引処理装置は、印紙税納税申告書を作成する機能を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-162078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、駅業務においては、慣例として、依然として領収書に印紙の貼付または印紙に相当する印影の印刷等を行うことが求められる場合がある。印紙の貼り付けや印影の印刷等が必要になる場合、作業負荷の増大を招くとともに、貼り忘れ、印刷忘れ等のヒューマンエラーは排除しきれないという問題がある。また、印紙税の納税申告書を作成する際には、より効率的に作成作業を実現するシステムを構築したいという要望がある。
【0005】
したがって、印紙に相当する印影の印刷を、作業者を介さずに効率的に行うことはできるとともに、税務申告書の作成をより効率的に行うことができる駅業務で利用可能な販売管理システムが提供できれば、有意義である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態における販売管理システムは、販売処理装置と販売管理装置とを含む。販売処理装置は、駅業務における販売処理を実行する。販売管理装置は、販売処理装置から提供される販売情報に基づく販売管理処理を実行する。そして、販売処理装置は、領収処理部と、印刷判定部と、情報提供部と、を備える。販売処理部は、入力部を介して入力された販売情報に基づき領収書の発行処理を行う。印刷判定部は、販売情報に基づく販売金額が課税金額以上か否かを判定し、領収書に印紙印影を印刷するか否かを決定するとともに、印紙印影の印刷の有無を示す印影情報を生成する。情報提供部は、販売金額と印影情報とを含む販売管理情報を販売管理装置に提供する。また、販売管理装置は、情報取得部と、申告作成部と、を備える。情報取得部は、販売管理情報を取得する。申告作成部は、領収書に印紙印影を印刷したことを示す印影情報に基づき、課税対象となる販売金額の集計を行い税務申告書の作成を行う。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態における販売管理システムの構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。
図2図2は、実施形態における販売管理システムで利用する販売管理情報の内容を示す例示的かつ模式的な説明図である。
図3図3は、第1実施形態における販売管理システムの販売処理装置側の処理の流れを示す例示的なフローチャートである。
図4図4は、第1実施形態における販売管理システムの販売管理装置側の処理の流れを示す例示的なフローチャートである。
図5図5は、第2実施形態における販売管理システムの販売処理装置側の処理の流れを示す例示的なフローチャートである。
図6図6は、第2実施形態における販売管理システムの販売管理装置側の処理の流れを示す例示的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。以下に記載する実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。
【0009】
図1は、実施形態における販売管理システム10の構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。販売管理システム10は、販売処理装置12と、当該販売処理装置12と有線回線または無線回線等で接続された販売管理装置14とで構成されている。販売処理装置12は、例えば、駅業務で利用可能な窓口処理機、係員多機能機、定期券発行機等の駅務機器とすることができる。販売処理装置12は、駅業務における販売処理を実行する機器であり、鉄道係員が操作可能である。また一部の定期券発行機等は、顧客が直接操作できる場合もある。本実施形態の販売管理システム10において販売処理装置12は、物品の販売を行った場合の領収金額が課税文書に課されるべき印紙税に相当する金額以上の場合で、領収書に印紙を貼り付ける必要がある場合、実際の印紙に代えて、印紙代を負担していることを示す印紙印影を領収書に印刷する処理機能を含む。また、販売管理装置14は、販売処理装置12から提供(送信)される情報の集計処理を行う、上位システムであり、販売に関する販売情報及び印紙印影の印刷の有無を示す情報等を含む販売管理情報に基づき、税務署に提出するための税務申告書を作成する処理機能を含む。
【0010】
販売処理装置12および販売管理装置14は、PC(Personal Computer)などといった一般的なコンピュータ資源で実現され得る。販売処理装置12及び販売管理装置14は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶部等で構成されている。
【0011】
販売処理装置12は、入力処理部12a、領収処理部12b、印刷判定部12c、通信部12d等の詳細モジュールを備える。入力処理部12a、領収処理部12b、印刷判定部12c等は、販売処理装置12を構成するPCのCPUがROM等の記憶部にインストールされたプログラムを読み出して実現されてもよいし、専用のハードウェア(アナログ回路)によって実現されてもよい。また、一部をハードウェアで実現し他の部分をソフトウェアで構成してもよい。
【0012】
入力処理部12aは、図示を省略したキーボードやタッチパネル、マウス、バーコードリーダ、スキャナー等の入力部(入力装置)からの入力操作を受付け、入力処理(販売処理)を実行する。
【0013】
領収処理部12bは、入力部を介して入力された販売情報に基づき領収書の発行処理を行う。販売情報は、例えば、購入日、物品名、販売数、単価、販売総額、消費税額等が含まれる。領収処理部12bは、販売情報に基づき、予め定められた領収書フォームに従い、領収書の発行処理を行う。なお、領収書に印紙(印紙印影)の付加が必要になる金額は消費税を除いた金額である。領収処理部12bは、基本的には、領収書の発行処理と販売管理装置14への販売管理情報の提供とを関連付けて行うことで、情報共有の齟齬が発生しないようにしている。しかしながら、何らかの不具合により、販売管理装置14との間で販売管理情報の受渡しが不可の場合(送信エラーまたは受信エラーの場合)が生じることがある。このような場合は、顧客(購入者)の利便性を優先させ、販売処理装置12と販売管理装置14との間で販売管理情報の受渡しが不可の場合でも、販売処理装置12側で領収書の発行処理を可能としてもよい。
【0014】
また、領収処理部12bは、所定期間内(例えば、1日の業務期間内)に発行済みの領収書に関する情報、つまり、販売管理装置14に既に提供した全ての販売管理情報に対応する提供済み販売管理情報を生成して、所定のタイミングで通信部12dを介して販売管理装置14側に提供してもよい。提供済み販売管理情報は、販売管理装置14において、同じ期間において既に取得されている取得済み販売管理情報と照合させることができる。つまり、提供済み販売管理情報は、販売管理情報の提供と取得が互いに欠落することなく正常に行われているか否かを確認する処理に利用することができる。
【0015】
印刷判定部12cは、販売情報に基づく販売金額(販売総額、領収総額)が課税文書に課されるべき印紙税に相当する課税金額以上か否かを判定し、領収書に印紙印影を印刷するか否かを決定する。印刷判定部12cは、領収処理部12bで作成される領収書が課税文書に該当するか否かを販売金額(消費税抜きの販売総額)等に基づき判定し、印紙印影を印刷するか否かを決定するとともに、印紙印影を印刷したか否かを示す印影情報を作成する。領収処理部12bは、印刷判定部12cの判定結果に基づき、印紙印影の印刷が必要な場合(例えば、消費税抜きの販売総額が5万円以上の場合)、領収書に印紙印影の印刷を実行する。
【0016】
通信部12dは、販売金額(消費税抜きの販売総額)と印影情報とを含む販売管理情報(収入でデータ)を販売管理装置14に提供(送信)する情報提供部として機能する。また、通信部12dは、販売管理装置14から販売管理情報の再送信要求を受け付ける受付部(受信部)としても機能する。通信部12dは、例えば、領収処理部12bによる領収書の発行処理のたびに販売管理情報を販売管理装置14側に提供(送信)するようにしてもよいし、所定のタイミング、例えば、1日の業務終了のタイミングで販売管理情報をまとめて販売管理装置14に提供するようにしてもよい。さらに、通信部12dは、前述したように、予め定められたタイミング、例えば、1日の業務終了時等に提供済み販売管理情報を販売管理装置14に提供(送信)することができる。
【0017】
図2は、販売管理システム10で利用する販売管理情報16の内容を示す例示的かつ模式的な説明図である。販売管理情報16は、例えば、取扱内容情報16a、領収金額情報16b、領収書番号情報16c、支払内訳情報16d、印紙印影有無情報16e等の情報を含む。取扱内容情報16aは、例えば、乗車券発行やICSF(SF(ストアードフェア)により旅客の運送等に利用可能なICカード)利用等の支払に関する情報である。領収金額情報16bは、領収書に記載した金額である。領収書番号情報16cは、領収書を発行した際に付与される領収書を特定するための番号である。支払内訳情報16dは、現金支払、クレジット支払など、支払方法を示す情報である。印紙印影有無情報16eは、印紙印影の印字有無を示す情報である。なお、上述した提供済み販売管理情報は、図2に示す販売管理情報16と同じ内容とすることができるが、受渡エラー(送信エラー)の内容やエラー日時情報等の付加情報を添付するようにしてもよい。この場合、別途、受渡エラーの解析に利用することができる。なお、図2に示される販売管理情報16において、印紙印影有無情報16eは、以下に説明する第1実施形態において利用し、第2実施形態では利用しない。したがって、第2実施形態における販売管理情報16では印紙印影有無情報16eが省略される。
【0018】
販売管理装置14は、通信部14a、記憶部14b、申告作成部14c、照合部14d、要求部14e、出力処理部14f等の詳細モジュールを備える。申告作成部14c、照合部14d、要求部14e、出力処理部14f等は、販売処理装置12と同様に販売管理装置14を構成するPCのCPUがROM等の記憶部にインストールされたプログラムを読み出して実現してもよいし、専用のハードウェア(アナログ回路)によって実現されてもよい。また、一部をハードウェアで実現し他の部分をソフトウェアで構成してもよい。
【0019】
通信部14aは、販売処理装置12(通信部12d)から提供(送信)される販売管理情報16を取得する情報取得部として機能する。また、通信部14aは、要求部14eが販売管理情報16の再送信要求を行った場合、送信部として機能する。
【0020】
記憶部14bは、通信部14aが取得した販売処理装置12から提供された販売管理情報16を逐次記憶する。また、記憶部14bは、申告作成部14cが課税申告書を作成する際に集計した販売管理情報16の集計結果(途中経過)や、例えば、所定期間(月末、半期、年間等)ごとにまとめられた課税申告書(税務署提出用)等の結果情報も記憶する。なお、図1では、記憶部14bを販売管理装置14の一部として構成する例を示しているが、記憶部は、外部サーバとして分離してもよい。
【0021】
申告作成部14cは、以下に説明する第1実施形態において、販売管理情報16に含まれる印紙印影有無情報16eに基づき、領収書に印紙印影を印刷したか否かを判定し、取得した販売管理情報16の分類を行う。そして、課税対象となる課税文書の領収書と対応する販売金額(税務署申告金額)の集計を行い税務申告書の作成を行う。なお、申告作成部14cは、通信部14aが販売管理情報16を取得した場合に、課税対象となる領収金額の集計処理のみを行い、税務申告書の作成タイミングになった場合に、集計結果を反映させた税務申告書を作成するようにすることできる。また、別の実施形態では、販売管理情報16を取得するたびに、税務申告書に課税対象となる領収金額等の情報を逐次上書きし、常に提出可能な税務申告書を作成しておくようにしてもよい。
【0022】
照合部14dは、販売処理装置12側から予め定められたタイミングで提供済み販売管理情報を取得した場合、販売管理装置14において、既に取得した全ての販売管理情報16である取得済み販売管理情報と照合する。前述したように、販売処理装置12と販売管理装置14との間で例えば通信エラーが生じた場合、販売処理装置12側では、送信済みとしている販売管理情報16が実際には販売管理装置14で受信されていない場合がある。そこで、領収処理部12bが発行した領収書の実績データである提供済み販売管理情報と、販売管理装置14で実際に取得した実績データである取得済み販売管理情報とを比較する。その結果、送信エラー(受渡エラー)による、課税申告書の記載もれの防止を行う。
【0023】
要求部14eは、照合部14dにおいて、提供済み販売管理情報と取得済み販売管理情報との間で差異が生じている場合、送信エラー(受渡エラー)により、未提供(未送信)の販売管理情報16が存在すると見なし、販売処理装置12に対して差異分の販売管理情報16の再提供(再送信)を要求する。この場合、要求部14eは、差異分の販売管理情報16のみの再提供を要求するので、販売処理装置12側で再提供する販売管理情報16の特定を容易に行うことができるとともに、再提供時の誤った販売管理情報16を提供してしまう不都合を容易に回避することができる。なお、照合部14dは、要求部14eの要求に基づき、再提供された販売管理情報16を含めて照合処理を実行しても差異が解消されない場合、例えば、鉄道係員等の担当者による詳細検証を実行させるように、エラー処理を行うようにしてもよい。
【0024】
出力処理部14fは、課税申告書を税務署に提出するタイミングに対応するタイミングで、まとめられた課税申告書(提出用)を電子データまたは印刷した状態で出力する。
【0025】
なお、図1の場合、図示の簡略化のため、販売管理装置14には、1台の販売処理装置12が接続されている例を示しているが、販売管理装置14には、複数の販売処理装置12が接続可能であり、複数の販売処理装置12から提供される販売管理情報を処理して一括された課税申告書を作成してもよい。また、必要に応じて適宜分割した課税申告書を作成してもよい。また、販売処理装置12と販売管理装置14とは、同一の場所、同一の建屋に配置されてもよいし、販売処理装置12と販売管理装置14がそれぞれ異なる場所、異なる建屋に配置されてもよい。また、販売管理装置14は、販売処理装置12に対して遠隔地に配置されインターネット回線等を用いて接続されていてもよい。
【0026】
このように構成される販売管理システム10の処理の流れを図3及び図4のフローチャートで示す第1実施形態と、図5及び図6のフローチャートで示す第2実施形態に分けて説明する。
【0027】
<第1実施形態>
第1実施形態では、販売処理装置12側で物品の販売を行った場合の領収金額が課税文書に課されるべき印紙税に相当する金額以上か否か管理する。すなわち、領収書に印刷する印紙印影の有無を販売処理装置12側(駅務機器側)で管理し、販売管理装置14側(上位システム側)では、販売管理情報16(収入データ)に含まれる印紙印影有無情報16eに基づいて、領収書件数と税務申告書の税務署申告金額を纏める処理を行う。
【0028】
まず、図3を用いて、第1実施形態における販売処理装置12の処理の流れを説明する。
【0029】
入力処理部12aは、鉄道係員等の窓口担当者により顧客による購入行為が行われた場合、販売処理を実行する(S100)。担当者は、例えば、キーボードやタッチパネル、マウス、バーコードリーダ、スキャナー等の入力部(入力装置)を用いて、顧客が購入する商品の販売情報を入力する。例えば、入力処理部12aは、販売される物品名や販売される物品に付されたバーコード等を読み取ることにより単価及び販売数等の入力を行う。なお、購入日や販売総額、消費税等は、自動的に入力されるようにすることができる。
【0030】
S100において、販売処理が実行されると(S100のYes)、領収処理部12bは、販売情報に基づき領収書の発行処理を実行する(S102)。そして、印刷判定部12cは、販売情報に基づく販売金額(販売総額、領収総額)が課税金額以上(例えば、5万円以上)か否かを判定する(S104)。印刷判定部12cは、販売金額(販売総額、領収総額)が課税金額未満の場合(S104のNo)、領収書には、収入印紙の付与は不要であると判定し、領収処理部12bが発行する領収書に印紙印影を実行しないこと(非印刷)を示す印影情報を生成する(S106)。そして、領収処理部12bは、印影印刷が実行されない領収書の出力を行う(S108)。
【0031】
一方、S104において、印刷判定部12cが、販売情報に基づく販売金額(販売総額、領収総額)は課税金額以上であると判定した場合(S104のYes)、領収書に、収入印紙の付与が必要であり、領収処理部12bは、発行する領収書に印紙印影を印刷する(S110)。また、印刷判定部12cは、印紙印影を印刷したことを示す印影情報を生成する(S112)。そして、領収処理部12bは、印紙印影の印刷が実行された領収書の出力を行う(S108)。
【0032】
通信部12dは、S108の処理において、領収処理部12bが領収書を出力した場合、出力した領収書に対応する販売管理情報16を販売管理装置14側に送信する(S114)。
【0033】
その後、通信部12dは、領収処理部12bが生成している提供済み販売管理情報、つまり、販売管理装置14に既に提供したと見なされる全ての販売管理情報を販売管理装置14側に送信するタイミングであるか否か判定する(S116)。提供済み販売管理情報を送信するタイミングは、例えば、1日の業務終了処理を行うタイミングとすることができる。なお、送信タイミングは、業務形態等に応じて適宜設定可能であり、数時間おきでもよいし、数日や数週間おきでもよい。
【0034】
S116の処理において、提供済み販売管理情報の送信タイミングになった場合(S116のYes)、通信部12dは、前回、提供済み販売管理情報を送信した後の期間から送信した全ての販売管理情報16に関する新たな提供済み販売管理情報を販売管理装置14に送信する(S118)。その後、領収処理部12bは、販売管理装置14の要求部14eから提供済み販売管理情報と取得済み販売管理情報との間に差異が存在する場合に送信される、販売管理情報16の再送信要求があるか否か確認する(S120)。そして、再送信要求がある場合(S120のYes)、領収処理部12bは、再送信要求により指定された差異分の販売管理情報16を領収書の作成履歴から抽出し、通信部12dを介して販売管理装置14側に再送信して(S122)、一旦、このフローを終了する。
【0035】
なお、S116の処理において、提供済み販売管理情報の送信タイミングではない場合(S116のNo)、また、S120において、再送信要求がない場合(S120のNo)、また、S100において、販売処理が実行されていない場合(S100のNo)、このフローを一旦終了する。この場合、販売管理システム10が動作中の場合(業務時間内の場合)、S100における販売処理の実行を待ち、販売処理が実行された場合、S100以降の処理を実行する。
【0036】
次に、図4を用いて、第1実施形態における販売管理装置14の処理の流れを説明する。
【0037】
販売管理装置14は、システムの動作中、常時、販売処理装置12側から送信(提供)される販売管理情報16が受信(取得)されるか確認している(S200)。S200の処理において、販売管理情報16が受信された場合(S200のYes)、受信した販売管理情報16を逐次記憶部14bに記憶するとともに(S202)、申告作成部14cにおいて、販売管理情報16に含まれる印紙印影の印刷の有無を示す印紙印影有無情報16eに基づき、受信した販売管理情報16から課税対象となる領収書及びその領収書に記載された販売金額(税務署申告金額)等を抽出して、税務申告書を作成するための集計処理を実行する(S204)。
【0038】
また、販売管理装置14は、販売管理情報16の受信(取得)を待つ間に、販売処理装置12側から提供済み販売管理情報を受信するか否か確認する(S206)。前述したように提供済み販売管理情報は、販売処理装置12において、業務終了時等の予め定められたタイミングで送信される。S206の処理において、通信部14aにより提供済み販売管理情報が受信された場合(S206のYes)、照合部14dは、販売管理装置14において、既に取得した全ての販売管理情報16である取得済み販売管理情報とS206で取得した提供済み販売管理情報との照合処理を実行する(S208)。照合の結果、取得済み販売管理情報と提供済み販売管理情報との間で差異が生じている場合(S210のYes)、要求部14eは、販売処理装置12に対して差異分の原因になっている販売管理情報16の再送信要求を行う(S212)。例えば、販売処理装置12と販売管理装置14との間で例えば通信エラーが生じた場合、販売処理装置12側では、送信済みとしている販売管理情報16が実際には販売管理装置14で受信されていない場合がある。そこで、照合部14dにおいて、取得済み販売管理情報と提供済み販売管理情報との照合を行い、差異の原因となる販売管理情報16を特定し、販売処理装置12に対して再送信要求を行う。その結果、販売処理装置12の領収処理部12bは、販売管理装置14から要求された差異の原因となっている販売管理情報16の検索を効率的に行い、通信部12dを介して販売管理装置14側に送信する。そして、販売管理装置14は、通信部14aで再受信された販売管理情報16、つまり前回の照合で差異の原因となったと見なされる販売管理情報16を含めて、取得済み販売管理情報の再構築を行う。そして、照合部14dにおいて、再構築された取得済み販売管理情報とS206で取得した提供済み販売管理情報との再照合処理を実行する(S214)。S214の処理における再照合の結果、差異がない場合で(S216のYes)、税務申告書の出力タイミング(例えば、提出期限の所定期日前等)になったか否か確認する(S218)。税務申告書の出力タイミングになった場合(S218のYes)、申告作成部14cが実行した販売管理情報16の集計結果を反映させた提出用の税務申告書を作成して出力する出力処理を実行し(S220)、一旦このフローを終了させる。この場合、S200に戻り、販売管理情報16の受信の有無を確認し、このフローの実行を継続する。
【0039】
S218において、税務申告書の出力タイミングではない場合(S218のNo)、S220の処理をスキップして、一旦このフローを終了する。すなわち、S200に戻り、販売管理情報16の受信の有無を確認し、このフローの実行を継続する。
【0040】
また、S216の処理において、S214の処理で再照会しても差異が解消されない場合(S216のNo)、照合部14dは、例えば、鉄道係員等の担当者による詳細検証が必要であると見なし、担当者に警報やエラー内容の詳細を通知するエラー処理を実行し(S222)、一旦このフローを終了する。この場合、S200に戻り、販売管理情報16の受信の有無を確認し、このフローの実行を継続してもよし、一時的に販売管理装置14を停止して、エラー処理に対応してもよい。
【0041】
また、S210の処理において、差異がない場合(S210のNo)、つまり、取得済み販売管理情報と提供済み販売管理情報とが一致している場合、販売処理装置12と販売管理装置14との間では、情報の受渡しが問題なく行われ、情報共有が正常に行われていると見なす。この場合、申告作成部14cは、S218の処理に移行し、税務申告書の出力タイミングになったか否かの確認を行い、以降の処理を実行する。同様に、S206の処理において、通信部14aにより提供済み販売管理情報が受信されていない場合(S206のNo)、例えば、販売処理装置12における業務が継続している場合等であり、販売管理情報16の受渡し確認のタイミングではない場合、申告作成部14cは、S218の処理に移行し、税務申告書の出力タイミングになったか否かの確認を行い、以降の処理を実行する。また、S200において、通信部14aが販売管理情報16を受信していない場合(S200のNo)、つまり、販売管理装置14が待機状態の場合、申告作成部14cは、S218の処理に移行し、税務申告書の出力タイミングになったか否かの確認を行い、以降の処理を実行する。
【0042】
このように、第1実施形態の販売管理システム10によれば、販売処理装置12において、販売処理が実行されるたびに販売処理装置12側で領収書に印紙印影の印刷が必要か否かを管理し、必要な場合には領収書に印紙印影の印刷を自動で実行する。その結果、課税対象となる領収書に納税を示す印紙(印影)を付することを失念するミスを容易に防止することができるとともに、担当者の作業負荷の軽減に寄与することができる。また、領収書に印紙印影の印刷を行ったか否かを示す印紙印影有無情報16eを販売管理装置14に提供し、販売管理装置14側では、印紙印影有無情報16eに基づき、課税申告書を作成する。その結果、販売管理装置14側では、領収金額(販売金額、領収総額)が課税金額以上か否か判定する必要がなく、販売管理装置14の処理負荷を軽減しつつ、スムーズに課税申告書の作成を実行することができる。
【0043】
<第2実施形態>
第2実施形態では、領収書に印刷する印紙印影の有無の管理を販売処理装置12側(駅務機器側)及び販売管理装置14側のそれぞれで行う。したがって、販売管理装置14側(上位システム側)では、課税金額以上か否かの判断を行い、領収書件数と税務申告書の税務署申告金額を纏める処理を行う。なお、前述したように、第2実施形態の場合、図2に示す販売管理情報16において、印紙印影有無情報16eが省略される。
【0044】
図5を用いて、第2実施形態における販売処理装置12の処理の流れを説明する。
【0045】
入力処理部12aは、鉄道係員等の窓口担当者により顧客による購入行為が行われた場合、販売処理を実行する(S300)。担当者は、例えば、キーボードやタッチパネル、マウス、バーコードリーダ、スキャナー等の入力部(入力装置)を用いて、顧客が購入する商品の販売情報を入力する。例えば、入力処理部12aは、販売される物品名や販売される物品に付されたバーコード等を読み取ることにより単価及び販売数等の入力を行う。なお、購入日や販売総額、消費税等は、自動的に入力されるようにすることができる。
【0046】
S300において、販売処理が実行されると(S300のYes)、領収処理部12bは、販売情報に基づき領収書の発行処理を実行する(S302)。そして、通信部12dは、S302の処理において発行された領収書に対応する販売管理情報16を販売管理装置14側に送信する(S304)。
【0047】
続いて、印刷判定部12cは、販売情報に基づく販売金額(販売総額、領収総額)が課税金額以上(例えば、5万円以上)か否かを判定する(S306)。印刷判定部12cは、販売金額(販売総額、領収総額)が課税金額以上の場合(S306のYes)、領収書に、収入印紙の付与が必要であり、領収処理部12bは、発行する領収書に印紙印影を印刷する(S308)。そして、領収処理部12bは、印影印刷が実行された領収書の出力を行う(S310)。一方、S306の処理で販売金額(販売総額、領収総額)が課税金額未満の場合(S306のNo)、領収書には、収入印紙の付与は不要であると判定し、S308の処理をスキップして、領収処理部12bは、印影印刷が実行されない領収書の出力を行う(S310)。
【0048】
その後、通信部12dは、領収処理部12bが生成している提供済み販売管理情報、つまり、販売管理装置14に既に提供したと見なされる全ての販売管理情報を販売管理装置14側に送信するタイミングであるか否か判定する(S312)。提供済み販売管理情報を送信するタイミングは、例えば、1日の業務終了処理を行うタイミングとすることができる。なお、送信タイミングは、業務形態等に応じて適宜設定可能であり、数時間おきでもよいし、数日や数週間おきでもよい。
【0049】
S312の処理において、提供済み販売管理情報の送信タイミングになった場合(S312のYes)、通信部12dは、前回、提供済み販売管理情報を送信した後の期間から送信した全ての販売管理情報16に関する新たな提供済み販売管理情報を販売管理装置14に送信する(S314)。その後、領収処理部12bは、販売管理装置14の要求部14eから提供済み販売管理情報と取得済み販売管理情報との間に差異が存在する場合に送信される、販売管理情報16の再送信要求があるか否か確認する(S316)。そして、再送信要求がある場合(S316のYes)、領収処理部12bは、再送信要求により指定された差異分の販売管理情報16を領収書の作成履歴から抽出し、通信部12dを介して販売管理装置14側に再送信して(S318)、一旦、このフローを終了する。
【0050】
なお、S312の処理において、提供済み販売管理情報の送信タイミングではない場合(S312のNo)、また、S316において、再送信要求がない場合(S316のNo)、また、S300において、販売処理が実行されていない場合(S300のNo)、このフローを一旦終了する。この場合、販売管理システム10が動作中の場合(業務時間内の場合)、S300における販売処理の実行を待ち、販売処理が実行された場合、S300以降の処理を実行する。
【0051】
次に、図6を用いて、第2実施形態における販売管理装置14の処理の流れを説明する。
【0052】
販売管理装置14は、システムの動作中、常時、販売処理装置12側から送信(提供)される販売管理情報16が受信(取得)されるか確認している(S400)。S400の処理において、販売管理情報16が受信された場合(S400のYes)、受信した販売管理情報16を逐次記憶部14bに記憶する(S402)。そして、申告作成部14cは、販売管理情報16に含まれる領収金額情報16bを参照し、領収金額が課税金額以上か否かの判定を行う(S404)。印刷判定部12cは、販売金額(領収金額の総額)が課税金額以上(例えば、5万円以上)の場合(S404のYes)。受信した販売管理情報16から課税対象となる領収書及びその領収書に記載された販売金額(税務署申告金額)等を抽出して、税務申告書を作成するための集計処理を実行する(S406)。一方、S404において、販売金額(領収金額の総額)が課税金額未満の場合(S404のNo)、S406の処理をスキップする。
【0053】
また、販売管理装置14は、販売管理情報16の受信(取得)を待つ間に、販売処理装置12側から提供済み販売管理情報を受信するか否か確認する(S408)。前述したように提供済み販売管理情報は、販売処理装置12において、業務終了時等の予め定められたタイミングで送信される。S408の処理において、通信部14aにより提供済み販売管理情報が受信された場合(S408のYes)、照合部14dは、販売管理装置14において、既に取得した全ての販売管理情報16である取得済み販売管理情報とS408で取得した提供済み販売管理情報との照合処理を実行する(S410)。照合の結果、取得済み販売管理情報と提供済み販売管理情報との間で差異が生じている場合(S412のYes)、要求部14eは、販売処理装置12に対して差異分の原因になっている販売管理情報16の再送信要求を行う(S414)。例えば、販売処理装置12と販売管理装置14との間で例えば通信エラーが生じた場合、販売処理装置12側では、送信済みとしている販売管理情報16が実際には販売管理装置14で受信されていない場合がある。そこで、照合部14dにおいて、取得済み販売管理情報と提供済み販売管理情報との照合を行い、差異の原因となる販売管理情報16を特定し、販売処理装置12に対して再送信要求を行う。その結果、販売処理装置12の領収処理部12bは、販売管理装置14から要求された差異の原因となっている販売管理情報16の検索を効率的に行い、通信部12dを介して販売管理装置14側に送信する。そして、販売管理装置14は、通信部14aで再受信された販売管理情報16、つまり前回の照合で差異の原因となったと見なされる販売管理情報16を含めて、取得済み販売管理情報の再構築を行う。そして、照合部14dにおいて、再構築された取得済み販売管理情報とS408で取得した提供済み販売管理情報との再照合処理を実行する(S416)。S416の処理における再照合の結果、差異がない場合で(S418のYes)、税務申告書の出力タイミング(例えば、提出期限の所定期日前等)になったか否か確認する(S420)。税務申告書の出力タイミングになった場合(S420のYes)、申告作成部14cが実行した販売管理情報16の集計結果を反映させた提出用の税務申告書を作成して出力する出力処理を実行し(S422)、一旦このフローを終了させる。この場合、S400に戻り、販売管理情報16の受信の有無を確認し、このフローの実行を継続する。
【0054】
S420において、税務申告書の出力タイミングではない場合(S420のNo)、S422の処理をスキップして、一旦このフローを終了する。すなわち、S400に戻り、販売管理情報16の受信の有無を確認し、このフローの実行を継続する。
【0055】
また、S418の処理において、S416の処理で再照会しても差異が解消されない場合(S418のNo)、照合部14dは、例えば、鉄道係員等の担当者による詳細検証が必要であると見なし、担当者に警報やエラー内容の詳細を通知するエラー処理を実行し(S424)、一旦このフローを終了する。この場合、S400に戻り、販売管理情報16の受信の有無を確認し、このフローの実行を継続してもよし、一時的に販売管理装置14を停止して、エラー処理に対応してもよい。
【0056】
また、S412の処理において、差異がない場合(S412のNo)、つまり、取得済み販売管理情報と提供済み販売管理情報とが一致している場合、販売処理装置12と販売管理装置14との間では、情報の受渡しが問題なく行われ、情報共有が正常に行われていると見なす。この場合、申告作成部14cは、S420の処理に移行し、税務申告書の出力タイミングになったか否かの確認を行い、以降の処理を実行する。同様に、S408の処理において、通信部14aにより提供済み販売管理情報が受信されていない場合(S408のNo)、例えば、販売処理装置12における業務が継続している場合等であり、販売管理情報16の受渡し確認のタイミングではない場合、申告作成部14cは、S420の処理に移行し、税務申告書の出力タイミングになったか否かの確認を行い、以降の処理を実行する。また、S400において、通信部14aが販売管理情報16を受信していない場合(S400のNo)、つまり、販売管理装置14が待機状態の場合、申告作成部14cは、S420の処理に移行し、税務申告書の出力タイミングになったか否かの確認を行い、以降の処理を実行する。
【0057】
このように、第2実施形態の販売管理システム10によれば、販売処理装置12および販売管理装置14のそれぞれにおいて、販売処理が実行されるたびに販売金額(領収金額)を記載した領収書に印紙印影の印刷が必要か否かを管理する。販売処理装置12では、必要な場合には領収書に印紙印影の印刷を自動で実行する。その結果、課税対象となる領収書に納税を示す印紙(印影)を付することを失念するミスを容易に防止することができるとともに、担当者の作業負荷の軽減に寄与することができる。また、販売管理装置14側でも販売金額(領収金額)を記載した領収書に印紙印影の印刷が必要か否かを管理する。その結果、スムーズな課税申告書の作成を実行することができる。
【0058】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0059】
10 販売管理システム
12 販売処理装置(駅務機器)
12a 入力処理部
12b 領収処理部
12c 印刷判定部
12d 通信部(情報提供部)
14 販売管理装置
14a 通信部(情報取得部)
14b 記憶部
14c 申告作成部
14d 照合部
14e 要求部
14f 出力処理部
16 販売管理情報
16a 取扱内容情報
16b 領収金額情報
16c 領収書番号情報
16d 支払内訳情報
16e 印紙印影有無情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6