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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041419
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】生体インピーダンス測定装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/053 20210101AFI20240319BHJP
   A61B 5/313 20210101ALI20240319BHJP
   A61B 5/296 20210101ALI20240319BHJP
   A61B 5/397 20210101ALI20240319BHJP
【FI】
A61B5/053
A61B5/313
A61B5/296
A61B5/397
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146237
(22)【出願日】2022-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000219314
【氏名又は名称】東レエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉原 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】山口 達也
(72)【発明者】
【氏名】神村 尊
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA04
4C127AA06
4C127EE01
(57)【要約】
【課題】筋出力の変動に起因した、生体インピーダンスの測定誤差を抑制する。
【解決手段】生体インピーダンス測定装置1は、生体表面9に配置される第1電極10、第2電極20及び第3電極30と、第1電極と第3電極との間に並列接続された第1外部抵抗Rg1と、第2電極と第3電極との間に並列接続された第2外部抵抗Rg2と、を備える。第1電極は、複数の第1小電極11で構成されている。第2電極は、複数の第2小電極21で構成されている。第1電極及び第2電極は、各第1小電極及び各第2小電極が交互に並べられることによって、電極ユニットU12を構成している。第1電極及び第2電極からなる電極ユニットと第3電極とが生体表面に互いに間隔を空けて配置され、第1電極と第3電極との間の第1電圧V1及び第2電極と第3電極との間の第2電圧V2に基づいて生体表面下にある筋肉部位7における生体インピーダンスが測定される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体表面に配置される第1電極、第2電極及び第3電極と、
前記第1電極と前記第3電極との間に並列接続された第1抵抗と、
前記第2電極と前記第3電極との間に並列接続された第2抵抗と、を備え、
前記第1抵抗の抵抗値と前記第2抵抗の抵抗値とは、互いに異なり、
前記第1電極は、複数の第1小電極で構成されており、
前記第2電極は、複数の第2小電極で構成されており、
前記第1電極及び前記第2電極は、各前記第1小電極及び各前記第2小電極が交互に並べられることによって、電極ユニットを構成しており、
前記第1電極及び前記第2電極からなる前記電極ユニットと前記第3電極とが前記生体表面に互いに間隔を空けて配置され、前記第1電極と前記第3電極との間の第1電圧及び前記第2電極と前記第3電極との間の第2電圧に基づいて前記生体表面下にある筋肉部位における生体インピーダンスが測定される、生体インピーダンス測定装置。
【請求項2】
前記各第1小電極及び前記各第2小電極は、一直線上に交互に並べられている、請求項1に記載の生体インピーダンス測定装置。
【請求項3】
前記各第1小電極及び前記各第2小電極は、基準点に関して周方向に、交互に並べられている、請求項1に記載の生体インピーダンス測定装置。
【請求項4】
前記各第1小電極及び前記各第2小電極は、円周状に形成されるとともに、前記円周状の中心に関して半径方向に交互に並べられている、請求項1に記載の生体インピーダンス測定装置。
【請求項5】
前記複数の第1小電極の合計面積と前記複数の第2小電極の合計面積とは、互いに等しい、請求項1に記載の生体インピーダンス測定装置。
【請求項6】
前記各第1小電極と前記各第2小電極との間の相対位置を規制するように保持する保持部材を備える、請求項1に記載の生体インピーダンス測定装置。
【請求項7】
前記第1電極及び前記第2電極からなる前記電極ユニットと前記第3電極との間の相対位置を規制するように保持する保持部材を備える、請求項1に記載の生体インピーダンス測定装置。
【請求項8】
前記第1電圧と前記第2電圧とは、互いに同時に測定される、請求項1に記載の生体インピーダンス測定装置。
【請求項9】
前記第3電極は、第3一次電極及び第3二次電極を含み、
前記第1抵抗は、前記第1電極と前記第3一次電極との間に並列接続されており、
前記第2抵抗は、前記第2電極と前記第3二次電極との間に並列接続されており、
前記第3一次電極は、複数の第3一次小電極で構成されており、
前記第3二次電極は、複数の第3二次小電極で構成されており、
前記第3一次電極及び前記第3二次電極は、各前記第3一次小電極及び各前記第3二次小電極が交互に並べられることによって、電極ユニットを構成しており、
前記第1電極及び前記第2電極からなる前記電極ユニットと、前記第3一次電極及び前記第3二次電極からなる前記電極ユニットとが、前記生体表面に互いに間隔を空けて配置され、前記第1電極と前記第3一次電極との間の前記第1電圧及び前記第2電極と前記第3二次電極との間の前記第2電圧に基づいて前記生体表面下にある筋肉部位における生体インピーダンスが測定される、請求項1に記載の生体インピーダンス測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生体インピーダンス測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生体インピーダンスを測定する方法として、生体表面に2つの電極を配置して、その電極間に流れる生体電気を用いる方法が知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、生体表面に少なくとも2つの電極を配置して、その2つの電極間に第1外部抵抗を並列接続したときに生じる第1電圧と、第2外部抵抗を並列接続したときに生じる第2電圧とをそれぞれ測定することが開示されている。
【0004】
そして、特許文献1によると、第1電圧及び第2電圧の測定結果から得られる電圧比に基づいて、生体表面下の筋肉部位における2つの電極間の生体インピーダンスを算出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-157037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載の方法で生体インピーダンスを高精度で測定するためには、第1外部抵抗を並列接続した場合と、第2外部抵抗を並列接続した場合とで、被験者が一定の筋出力を維持することが求められる。
【0007】
しかしながら、第1外部抵抗を並列接続した場合の測定と、第2外部抵抗を並列接続した場合の測定とは同時に行うことができない。そのため、被験者に筋疲労が生じてしまったり、被験者の姿勢に変化が生じたりした結果、前者の測定タイミングと後者の測定タイミングとで筋出力が一定に維持されず、変動してしまう可能性があった。
【0008】
そこで、2つの電極の他にさらにもう1つ電極を用意して、すなわち第1電極、第2電極及び第3電極を用意して、第1電極と第3電極との間に第1外部抵抗を並列接続するとともに、第2電極と第3電極との間に第2外部抵抗を並列接続する方法が考えられる。
【0009】
この方法では、第1電極と第3電極との間に第1外部抵抗を並列接続したときに生じる第1電圧と、第2電極と第3電極との間に第2外部抵抗を並列接続したときに生じる第2電圧とをそれぞれ測定する。そして、第1電圧及び第2電圧の測定結果から得られる電圧比に基づいて、生体表面下の筋肉部位における第1電極と第3電極との間又は第2電極と第3電極との間の生体インピーダンスを算出する。
【0010】
しかしながら、この方法では、生体表面において第1電極と第2電極とを仮に隣り合わせに配置したとしても、生体表面における第1電極と第2電極との配置箇所が微妙に異なる。
【0011】
このため、第1電圧と第2電圧とを仮に同時に測定したとしても、第1電極と第2電極との配置箇所の相違による筋出力の変動に起因して、生体インピーダンスに測定誤差が生じるので、生体インピーダンスを高精度で測定することが難しい。
【0012】
なお、当然のことながら、第1電圧と第2電圧とを互いに異なる時刻で測定した場合にも、第1電極と第2電極との配置箇所の相違による筋出力の変動に起因して、生体インピーダンスに測定誤差が生じる。
【0013】
本開示は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、生体表面下にある筋肉部位における生体インピーダンスを測定するに際して、電極の配置箇所の相違による筋出力の変動に起因した測定誤差を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本開示の生体インピーダンス測定装置は、生体表面に配置される第1電極、第2電極及び第3電極と、前記第1電極と前記第3電極との間に並列接続された第1抵抗と、前記第2電極と前記第3電極との間に並列接続された第2抵抗と、を備え、前記第1抵抗の抵抗値と前記第2抵抗の抵抗値とは、互いに異なり、前記第1電極は、複数の第1小電極で構成されており、前記第2電極は、複数の第2小電極で構成されており、前記第1電極及び前記第2電極は、各前記第1小電極及び各前記第2小電極が交互に並べられることによって、電極ユニットを構成しており、前記第1電極及び前記第2電極からなる前記電極ユニットと前記第3電極とが前記生体表面に互いに間隔を空けて配置され、前記第1電極と前記第3電極との間の第1電圧及び前記第2電極と前記第3電極との間の第2電圧に基づいて前記生体表面下にある筋肉部位における生体インピーダンスが測定される。
【0015】
かかる構成によれば、各第1小電極及び各第2小電極が交互に並べられることによって、第1電極及び第2電極からなる電極ユニットが構成されている。このため、第1電極と第2電極とを生体表面における互いに略同じ箇所に配置することができるので、第1電極と第3電極との間の生体インピーダンスの測定条件と、第2電極と第3電極との間の生体インピーダンスの測定条件とを、略等しくすることができる。
【0016】
これにより、第1電極と第3電極との間の第1電圧及び第2電極と第3電極との間の第2電圧に基づいて、生体表面下にある筋肉部位における生体インピーダンスを測定するに際して、第1電極と第2電極との配置箇所の相違による筋出力の変動に起因した測定誤差を抑制して、生体インピーダンスを精度よく測定することができる。
【0017】
一実施形態では、前記各第1小電極及び前記各第2小電極は、一直線上に交互に並べられている。
【0018】
かかる構成によれば、簡単な構成でもって、第1電極と第2電極とを生体表面における互いに略同じ箇所に配置することができる。
【0019】
一実施形態では、前記各第1小電極及び前記各第2小電極は、基準点に関して周方向に、交互に並べられている。
【0020】
かかる構成によれば、上記と同様、簡単な構成でもって、第1電極と第2電極とを生体表面における互いに略同じ箇所に配置することができる。
【0021】
一実施形態では、前記各第1小電極及び前記各第2小電極は、円周状に形成されるとともに、前記円周状の中心に関して半径方向に交互に並べられている。
【0022】
かかる構成によれば、上記と同様、簡単な構成でもって、第1電極と第2電極とを生体表面における互いに略同じ箇所に配置することができる。
【0023】
一実施形態では、前記複数の第1小電極の合計面積と前記複数の第2小電極の合計面積とは、互いに等しい。
【0024】
かかる構成によれば、第1電極の導電性と第2電極の導電性とが互いに等しくなるので、生体インピーダンスを精度よく測定する上で、より有利になる。
【0025】
一実施形態では、前記生体インピーダンス測定装置は、前記各第1小電極と前記各第2小電極との間の相対位置を規制するように保持する保持部材を備える。
【0026】
かかる構成によれば、ユーザによる各第1小電極と各第2小電極との相対位置の調整を不要にして、生体インピーダンスの測定を容易にすることができる。
【0027】
一実施形態では、前記第1電極及び前記第2電極からなる前記電極ユニットと前記第3電極との間の相対位置を規制するように保持する保持部材を備える。
【0028】
かかる構成によれば、ユーザによる電極ユニット(第1電極及び第2電極)と第3電極との間の相対位置の調整を不要にして、生体インピーダンスの測定を容易にすることができる。
【0029】
一実施形態では、前記第1電圧と前記第2電圧とは、互いに同時に測定される。
【0030】
かかる構成によれば、測定時刻の相違による筋出力の変動に起因した生体インピーダンスの測定誤差を、抑制することができる。
【0031】
一実施形態では、前記第3電極は、第3一次電極及び第3二次電極を含み、前記第1抵抗は、前記第1電極と前記第3一次電極との間に並列接続されており、前記第2抵抗は、前記第2電極と前記第3二次電極との間に並列接続されており、前記第3一次電極は、複数の第3一次小電極で構成されており、前記第3二次電極は、複数の第3二次小電極で構成されており、前記第3一次電極及び前記第3二次電極は、各前記第3一次小電極及び各前記第3二次小電極が交互に並べられることによって、電極ユニットを構成しており、前記第1電極及び前記第2電極からなる前記電極ユニットと、前記第3一次電極及び前記第3二次電極からなる前記電極ユニットとが、前記生体表面に互いに間隔を空けて配置され、前記第1電極と前記第3一次電極との間の前記第1電圧及び前記第2電極と前記第3二次電極との間の前記第2電圧に基づいて前記生体表面下にある筋肉部位における生体インピーダンスが測定される。
【0032】
かかる構成によれば、第3電極を第3一次電極と第3二次電極とに分割した場合に、第3一次電極と第3二次電極との配置箇所の相違による筋出力の変動に起因した、生体インピーダンスの測定誤差を抑制することができる。
【発明の効果】
【0033】
本開示によれば、生体表面下にある筋肉部位における生体インピーダンスを測定するに際して、電極の配置箇所の相違による筋出力の変動に起因した測定誤差を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、第1実施形態に係る生体インピーダンス測定装置を模式的に示す。
図2図2は、図1における等価回路図を示す。
図3図3は、第1実施形態に係る第1電極、第2電極及び第3電極の配置を模式的に示す。
図4図4は、第1電圧及び第2電圧のタイムチャートを示す。
図5図5は、第2実施形態に係る図3相当図である。
図6図6は、第3実施形態に係る図3相当図である。
図7図7は、第4実施形態に係る図3相当図である。
図8図8は、第5実施形態に係る図3相当図である。
図9図9は、第6実施形態に係る図6相当図である。
図10図10は、第7実施形態に係る図7相当図である。
図11図11は、第8実施形態に係る図1相当図である。
図12図12は、第8実施形態に係る図3相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物あるいはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0036】
<第1実施形態>
(生体インピーダンス測定装置)
図1は、第1実施形態に係る生体インピーダンス測定装置1を模式的に示す。生体インピーダンス測定装置1は、第1電極10と、第2電極20と、第3電極30と、第1外部抵抗Rg1と、第2外部抵抗Rg2と、信号処理装置5と、を備える。
【0037】
第1電極10、第2電極20及び第3電極30は、同じ筋肉部位7上の生体表面9に、配置される。なお、筋肉部位7とは、上腕二頭筋、広背筋など、生理学上個別に区分された筋組織を指す。図1では、上腕二頭筋上の上腕部の表面に、3つの電極10,20,30を貼り付けた例を示す。
【0038】
図1では、簡単のため便宜上、生体表面9において第1電極10と第2電極20とが異なる箇所に配置されるように図示されているが、実際には、生体表面9において第1電極10と第2電極20とは、後述するように、互いに同じ箇所に配置されている。
【0039】
第1外部抵抗Rg1は、第1電極10と第3電極30との間に並列接続されている。第2外部抵抗Rg2は、第2電極20と第3電極30との間に並列接続されている。第1外部抵抗Rg1の抵抗値と第2外部抵抗Rg2の抵抗値とは、互いに異なる。両者は、それぞれ既知である。
【0040】
第1外部抵抗Rg1の抵抗値及び第2外部抵抗Rg2の抵抗値のいずれか一方は、無限大でもよい。例えば、第1外部抵抗Rg1の抵抗値を無限大とし、第2外部抵抗Rg2の抵抗値を有限の値(例えば10kΩ)とした場合、第2電極20と第3電極30との間が第2外部抵抗Rg2を介して電気的に接続される一方、第1電極10と第3電極30との間が第1外部抵抗Rg1において電気的に断線されるとみなすことができる。また、第1外部抵抗Rg1の抵抗値及び第2外部抵抗Rg2の少なくとも一方は、可変でもよい。以下では、第1外部抵抗Rg1の抵抗値を無限大とし、第2外部抵抗Rg2を可変抵抗によって構成した場合について説明する。
【0041】
図2は、図1における等価回路図を示す。Vbは、第1電極10と第2電極20との間の生体表面9下にある筋肉部位(上腕二頭筋)7における筋電位である。筋電位Vbは、上腕部を運動したとき、すなわち、上腕二頭筋7に負荷をかけたときに発生する。筋電位Vbを発生する信号源Sは、生体内における第1電極10と第2電極20との間に介在している。
【0042】
Rb1は、生体内における第1電極10と第3電極30との間の生体インピーダンス(第1インピーダンス)を示す。Rb2は、生体内における第2電極20と第3電極30との間の生体インピーダンス(第2インピーダンス)を示す。Rb3は、生体内における第1電極10と第2電極20との間の生体インピーダンス(第3インピーダンス)を示す。
【0043】
図2に示すように、3つの電極10,20,30を介して、生体インピーダンス測定装置1と生体とで電気回路Cが形成される。具体的に、電気回路Cは、第1インピーダンスRb1、第2インピーダンスRb2、第3インピーダンスRb3及び信号源Sを直列接続した電気回路である。加えて、電気回路Cは、第1インピーダンスRb1に対して第1外部抵抗Rg1を並列接続し、第2インピーダンスRb2に対して第2外部抵抗Rg2を並列接続した電気回路とみなすこともできる。
【0044】
そして、第1電極10と第3電極30との間に第1外部抵抗Rg1を並列接続したことで生じる第1電圧V1は、信号として信号処理装置5に入力される。同様に、第2電極20と第3電極30との間に第2外部抵抗Rg2を並列接続したことで生じる第2電圧V2は、信号として信号処理装置5に入力される。
【0045】
信号処理装置5は、第1電圧V1及び第2電圧V2を、信号として取得する。信号処理装置5は、CPU等の処理装置、RAM、ROM等の記憶装置、及び入出力バスを備える。信号処理装置5は、それらのハードウェアによって構成される複数の機能ブロックを有しており、それらの機能ブロックを通じて第1電圧V1及び第2電圧V2に対応した各信号をそれぞれ増幅したり、増幅後の各信号に基づいて生体インピーダンスを算出したりする。
【0046】
(生体インピーダンスの測定)
電気回路Cに循環電流Iが流れる場合、第1電圧V1、第2電圧V2及び筋電位Vbの間には、式(1)で与えられる関係が成立する。
【0047】
【数1】
【0048】
式(1)において、Rb1’は、Rb1とRg1との合成抵抗であり、Rb2’は、Rb2とRg2との合成抵抗である。各合成抵抗が並列接続によって構成されていることを考慮した上で、式(1)を第1電圧V1と第2電圧V2との電圧比(V1/V2)について整理すると、式(2)が得られる。
【0049】
【数2】
【0050】
式(2)を変形することで、式(3)及び(4)が順番に得られる。
【0051】
【数3】
【0052】
【数4】
【0053】
さらに、式(4)をRb2について整理することで、式(5)が得られる。
【0054】
【数5】
【0055】
ここで、第1電極10と第2電極20とが、生体表面9において互いに同じ箇所に配置されると仮定する。なお、生体表面9において第1電極10と第2電極20とが互いに同じ箇所に配置されるための具体的手法については、後述する。
【0056】
この場合、第1インピーダンスRb1と第2インピーダンスRb2とは、互いに等しいとみなすことができる。したがって、Rb1=Rb2=Rbとした上で式(5)を整理すると、最終的に式(6)が得られる。
【0057】
【数6】
【0058】
式(6)において、各外部抵抗Rg1,Rg2の抵抗値は、既知である。したがって、生体表面9下にある筋肉部位(上腕筋)7における、第1電極10と第3電極30との間又は第2電極20と第3電極30との間の、生体インピーダンスRbは、式(6)に示すように、第1電極10と第3電極30との間の第1電圧V1及び第2電極20と第3電極30との間の第2電圧V2に基づいて、測定(算出)される。具体的には、生体表面9下にある筋肉部位7における生体インピーダンスRbは、第1電圧V1と第2電圧V2との電圧比(V1/V2)に基づいて、測定(算出)される。
【0059】
なお、第1外部抵抗Rg1の抵抗値を無限大とした場合、式(6)は、式(7)のように簡略化することができる。
【0060】
【数7】
【0061】
ここで、第2外部抵抗Rg2は、可変抵抗とされている。したがって、必要に応じて第2外部抵抗Rg2の抵抗値を調整することで、電圧比V1/V2の大きさを適宜増減させることができる。
【0062】
また、第1外部抵抗Rg1の抵抗値と第2外部抵抗Rg2の抵抗値とを異ならせたことで、第1電圧V1と第2電圧V2とが異なる値となる。この場合、電圧比V1/V2は、1以外の値となる。このため、式(7)の右辺をゼロとすることなく、式(7)に基づいて生体インピーダンスRbを算出することが可能となる。
【0063】
なお、生体インピーダンスRbをより高精度に測定するためには、第1電極10と第3電極30との間の第1電圧V1と、第2電極20と第3電極30との間の第2電圧V2とは、互いに同時に測定されることが好ましい。
【0064】
(電極の配置)
上述したように、式(5)から式(6)を得るためには、第1電極10と第2電極20とが、生体表面9において互いに同じ箇所に配置される必要がある。また、生体インピーダンスRbをより高精度に測定するためには、第1電圧V1と第2電圧V2とが互いに同時に測定されることが好ましい。
【0065】
しかしながら、従来の生体インピーダンス測定装置では、第1電極10及び第2電極20が丸型や角型等のような単純な一体的な形状であるため、第1電圧V1と第2電圧V2とを同時に測定するに際して、第1電極10と第2電極20とを互いに同じ箇所に配置しようとすると、第1電極10と第2電極20とが互いに干渉してしまう。
【0066】
このため、従来の生体インピーダンス測定装置では、第1電極10と第2電極20とを互いに同じ箇所に配置することができないので、第1電極10と第2電極20との配置箇所の相違による筋出力の変動に起因して、生体インピーダンスに測定誤差が生じてしまい、生体インピーダンスを高精度で測定することが難しくなる。
【0067】
本願発明者等は、鋭意研究の結果、第1電極10と第2電極20とを互いに同じ箇所に配置するための構造を、想到した。図3は、第1電極10、第2電極20及び第3電極30の配置を模式的に示す。
【0068】
図3に示すように、第1電極10、第2電極20及び第3電極30は、生体表面9に配置される。第1電極10は、複数(図例では3つ)の第1小電極11で構成されている。第2電極20は、複数(図例では2つ)の第2小電極21で構成されている。換言すると、第1電極10は、複数の第1小電極11に分割されている。第2電極20は、複数の第2小電極21に分割されている。
【0069】
各第1小電極11は、円周状に、具体的には円環状に、形成されている。同様に、各第2小電極21は、円周状に、具体的には円環状に、形成されている。
【0070】
第1小電極11同士は、生体表面9と接触しない位置において、互いに導通している。第2小電極21同士は、生体表面9と接触しない位置において、互いに導通している。第1小電極11と第2小電極21とは、互いに接触しないように、互いに間隔を空けて配置されており、互いに導通しない。
【0071】
各第1小電極11及び各第2小電極21は、円周状(円環状)の中心Oに関して、半径方向Rに交互に並べられている。具体的には、半径方向Rの外側に位置する第1小電極11と半径方向Rの中央に位置する第1小電極11との間に一の第2小電極21が配置されており、当該中央の第1小電極11と半径方向Rの内側に位置する第1小電極11との間に他の第2小電極21が配置されている。
【0072】
各第1小電極11及び各第2小電極21は、同心円状に配置されている。すなわち、半径方向Rの外側に位置する第1小電極11(第2小電極21)の半径は、半径方向Rの内側に位置する第1小電極11(第2小電極21)の半径よりも、大きい。各第1小電極11及び各第2小電極21は、互いに同心にある。この同心円状の配置により、第1電極10全体の重心G1と第2電極20全体の重心G2とは、いずれも中心Oにあり、互いに一致する。
【0073】
複数の第1小電極11の合計面積と、複数の第2小電極21の合計面積とは、互いに等しいことが好ましい。第1小電極11の合計面積と第2小電極21の合計面積とを等しくするために、本例では、数の多い(3つの)第1小電極11の半径方向Rの幅寸法を、数の少ない(2つの)第2小電極21の半径方向Rの幅寸法よりも、細くしている。
【0074】
第3電極30は、複数の小電極に分割されておらず、一体的な形状に形成されている。本例では、第3電極30は、丸型である。第1電極10の重心G1と第3電極30の重心G3とは、互いに所定の間隔H1を空けて配置される。第2電極20の重心G2と第3電極30の重心G3とは、互いに所定の間隔H2を空けて配置される。上述したように、第1電極10の重心G1と第2電極20の重心G2とが互いに一致するので、第1電極10と第3電極30との間隔H1と、第2電極20と第3電極30との間隔H2とは、互いに等しい。
【0075】
第1電極10及び第2電極20は、各第1小電極11及び各第2小電極21が交互に並べられることによって、電極ユニットU12を構成している。第1電極10及び第2電極20からなる電極ユニットU12の重心は、第1電極10の重心G1及び第2電極20の重心G2に、一致する。第1電極10及び第2電極20からなる電極ユニットU12の重心G1(=G2)と、第3電極30の重心G3とは、生体表面9に、互いに所定の間隔H1(=H2)を空けて配置される。
【0076】
間隔H1,H2は、電極ユニットU12(第1電極10及び第2電極20)と第3電極30とが互いに接触しない限り、任意に設定され得る。
【0077】
(作用効果)
本実施形態によれば、各第1小電極11及び各第2小電極21が交互に並べられることによって、第1電極10及び第2電極20からなる電極ユニットU12が構成されている。このため、第1電極10と第2電極20とを生体表面9における互いに同じ箇所に配置することができるので、第1電極10と第3電極30との間の生体インピーダンスの測定条件と、第2電極20と第3電極30との間の生体インピーダンスの測定条件とを、等しくすることができる。
【0078】
これにより、第1電極10と第3電極30との間の第1電圧V1及び第2電極20と第3電極30との間の第2電圧V2に基づいて生体表面9下にある筋肉部位7における生体インピーダンスを測定するに際して、第1電極10と第2電極20との配置箇所の相違による筋出力の変動に起因した測定誤差を抑制して、生体インピーダンスを精度よく測定することができる。
【0079】
図4は、第1電圧V1及び第2電圧V2のタイムチャートを示す。横軸は経過時間[s]、縦軸は筋電位[V]である。本実施形態に係る生体インピーダンス測定装置1によれば、第1電圧の波形V1と第2電圧V2の波形とは、相似となる。すなわち、第1電圧V1と第2電圧V2とは、周波数及び位相が同じであって、振幅のみが異なる。
【0080】
各第1小電極11及び各第2小電極21を同心円状に配置することによって、簡単な構成でもって、第1電極10と第2電極20とを、生体表面9における互いに同じ箇所に配置することができる。
【0081】
第1小電極11の合計面積と第2小電極22の合計面積とを互いに等しくすることによって、第1電極10の導電性と第2電極20の導電性とが互いに等しくなるので、生体インピーダンスを精度よく測定する上で、より有利になる。
【0082】
第1電圧V1と第2電圧V2とが互いに異なる時刻に測定されると、被験者に筋疲労が生じてしまったり、被験者の姿勢に変化が生じたりする結果、前者の測定タイミングと後者の測定タイミングとで筋出力が一定に維持されず、変動してしまう可能性がある。本実施形態によれば、第1電圧V1と第2電圧V2とが互いに同時に測定されるので、測定時刻の相違による筋出力の変動に起因した生体インピーダンスの測定誤差を、抑制することができる。
【0083】
<第2実施形態>
第2実施形態について、図5を参照しながら説明する。以下の説明において、上記実施形態と同様の構成については、詳細な説明を省略する場合がある。
【0084】
本実施形態では、生体インピーダンス測定装置1は、保持部材60を備える。保持部材60は、不織布等のような、非導電性の材料で形成されている。本実施形態では、保持部材60は、互いに間隔を空けて配置された2つの円形部61,62と、2つの円形部61,62同士を互いに連結する連結部63と、を有する。なお、保持部材60の形状は、これに限定されず、いかなる形状でもよい。
【0085】
保持部材60における生体表面9側の貼付面には、第1電極10、第2電極20及び第3電極30が、公知の接着剤等によって固定されている。具体的には、保持部材60における一方の円形部61には、第1電極10及び第2電極20からなる電極ユニットU12が、固定されている。すなわち、保持部材60における一方の円形部61には、各第1小電極11及び各第2小電極21が、固定されている。保持部材60における他方の円形部62には、第3電極30が、固定されている。
【0086】
各電極10,20,30は、保持部材60に対して、移動しない。保持部材60は、3つの電極10,20,30間の相対位置を規制するように、3つの電極10,20,30を保持する。すなわち、保持部材60は、第1電極10及び第2電極20からなる電極ユニットU12と第3電極30との間の相対位置(間隔H1,H2)を規制するように、これらを保持する。
【0087】
また、保持部材60は、各第1小電極11と各第2小電極21との間の相対位置を規制するように、これらを保持する。具体的には、保持部材60は、第1小電極11同士の間の相対位置、第2小電極21同士の間の相対位置、及び第1小電極11と第2小電極21との間の相対位置を、規制する。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0088】
本実施形態によれば、ユーザによる各第1小電極11と各第2小電極21との相対位置の調整を不要にして、生体インピーダンスの測定を容易にすることができる。
【0089】
また、ユーザによる電極ユニットU12(第1電極10及び第2電極20)と第3電極30との間の相対位置(間隔H1,H2)の調整を不要にして、生体インピーダンスの測定を容易にすることができる。
【0090】
なお、保持部材60は、例えば、一方の円形部61のみを有することによって、各第1小電極11と各第2小電極21との間の相対位置のみを、規制してもよい。
【0091】
<第3実施形態>
第3実施形態について、図6を参照しながら説明する。以下の説明において、上記実施形態と同様の構成については、詳細な説明を省略する場合がある。
【0092】
本実施形態では、第1電極10は、複数の短冊状の第1小電極15で構成されている。第2電極20は、複数の短冊状の第2小電極25で構成されている。各第1小電極15は、第1方向Aに長手の矩形状である。同様に、各第2小電極25は、第1方向Aに長手の矩形状である。
【0093】
各第1小電極15及び各第2小電極25は、第1方向Aに直交する第2方向Bに、一直線上に交互に並べられている。第2方向Bの一方側(図6の左側)から見て奇数列目には、第1小電極15が配置されている。第2方向Bの一方側(図6の左側)から見て偶数列目には、第2小電極25が配置されている。互いに隣り合う第1小電極15と第2小電極25とは、互いに接触しないように、互いに間隔を空けている。
【0094】
第1小電極15の個数及び面積と、第2小電極25の個数及び面積とは、互いに等しいことが好ましい。すなわち、複数の第1小電極15の合計面積と複数の第2小電極25の合計面積とは、互いに等しいことが好ましい。
【0095】
第1電極10の重心G1と第2電極20の重心G2とは、略一致するものの、若干ずれている。第1電極10の重心G1は、第2電極20の重心G2よりも、第2方向Bのやや一方側(図6の左側)にある。
【0096】
第1電極10及び第2電極20は、各第1小電極15及び各第2小電極25が交互に並べられることによって、電極ユニットU12を構成している。第1電極10及び第2電極20からなる電極ユニットU12と、第3電極30とは、生体表面9に、互いに所定の間隔を空けて配置される。
【0097】
第3電極30は、電極ユニットU12(第1電極10及び第2電極20)における第2方向Bの中央に対して、第1方向Aにずれて配置されることが好ましい。この場合、第1電極10の重心G1と第3電極30の重心G3との間隔H1と、第2電極20の重心G2と第3電極30の重心G3との間隔H2とは、略一致する。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0098】
本実施形態によれば、簡単な構成でもって、第1電極10と第2電極20とを生体表面9における互いに略同じ箇所に、配置することができる。また、第1電極10の重心G1と第2電極20の重心G2とが互いに若干ずれるものの、第1実施形態と同様に、生体インピーダンスを測定するに際して、第1電極10と第2電極20との配置箇所の相違による筋出力の変動に起因した測定誤差を抑制することができる。
【0099】
なお、第3電極30は、電極ユニットU12(第1電極10及び第2電極20)の第2方向Bの端部に対して、第2方向Bにずれて配置されてもよい。この場合、間隔H1と間隔H2とは、若干異なる。
【0100】
また、各第1小電極15及び各第2小電極25は、第1方向A(長手方向)に、一直線上に交互に並べられてもよい。また、各第1小電極15及び各第2小電極25は、長手方向を持たない正方形状や円形状等でもよい。
【0101】
<第4実施形態>
第4実施形態について、図7を参照しながら説明する。以下の説明において、上記実施形態と同様の構成については、詳細な説明を省略する場合がある。
【0102】
本実施形態では、第1電極10は、複数の短冊状の第1小電極16で構成されている。第2電極20は、複数の短冊状の第2小電極26で構成されている。各第1小電極16は、基準点Xに関して放射方向(半径方向)Eに、長手に延びている。同様に、各第2小電極26は、基準点Xに関して放射方向Eに、長手に延びている。各第1小電極16及び各第2小電極26は、基準点Xに関して周方向Fに、交互に並べられている。互いに隣り合う第1小電極16と第2小電極26とは、互いに接触しないように、互いに間隔を空けている。
【0103】
第1小電極16の個数及び面積と、第2小電極26の個数及び面積とは、互いに等しいことが好ましい。すなわち、複数の第1小電極16の合計面積と複数の第2小電極26の合計面積とは、互いに等しいことが好ましい。
【0104】
第1電極10の重心G1と第2電極20の重心G2とは、いずれも基準位置Xにあり、互いに一致する。第1電極10の重心G1と第3電極30の重心G3との間隔H1と、第2電極20の重心G2と第3電極30の重心G3との間隔H2とは、互いに一致する。
【0105】
第1電極10及び第2電極20は、各第1小電極16及び各第2小電極26が交互に並べられることによって、電極ユニットU12を構成している。第1電極10及び第2電極20からなる電極ユニットU12と、第3電極30とは、生体表面9に、互いに所定の間隔H1,H2を空けて配置される。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0106】
本実施形態によれば、簡単な構成でもって、第1電極10と第2電極20とを生体表面9における互いに同じ箇所に、配置することができる。
【0107】
なお、各第1小電極16及び各第2小電極26は、基準点Xに関して周方向Fに、長手に延びてもよい。また、各第1小電極16及び各第2小電極26は、長手方向を持たない正方形状や円形状等でもよい。
【0108】
<第5実施形態>
第5実施形態について、図8を参照しながら説明する。以下の説明において、上記実施形態と同様の構成については、詳細な説明を省略する場合がある。
【0109】
本実施形態では、第3電極30は、各第1小電極11及び各第2小電極21の中心Oに、配置されている。第3電極30は、隣り合う内側の第1小電極11に接触しないように、当該内側の第1小電極11と間隔を空けて配置されている。本実施形態では、第3電極30の重心G3は、中心Oにあり、第1電極10の重心G1及び第2電極20の重心G2と一致する。
【0110】
第1電極10の重心G1と第3電極30の重心G3との間隔H1と、第2電極20の重心G2と第3電極30の重心G3との間隔H2とは、互いに一致しており、いずれもゼロである。その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、生体インピーダンス測定装置1を小型化できる。
【0111】
<第6実施形態>
第6実施形態について、図9を参照しながら説明する。以下の説明において、上記実施形態と同様の構成については、詳細な説明を省略する場合がある。
【0112】
本実施形態では、第3実施形態と同様に、各第1小電極15及び各第2小電極25は、第2方向Bに一直線上に交互に並べられている。ここで、第2方向Bの両側の再外列目には、第2小電極25が配置されており、その内側を、第1小電極15、第2小電極25、第1小電極15…の順で、並んでいる。
【0113】
第3電極30は、第1電極10及び第2電極20からなる電極ユニットU12における第2方向Bの中央に配置されており、中央の2つの第1小電極15同士の間に挟まれている。第3電極30は、隣り合う2つの第1小電極15に接触しないように、当該2つの第1小電極15と間隔を空けて配置されている。本実施形態では、第3電極30の重心G3は、電極ユニットU12(第1電極10及び第2電極20)における第2方向Bの中央にあり、第1電極10の重心G1及び第2電極20の重心G2と一致する。
【0114】
第1電極10の重心G1と第3電極30の重心G3との間隔H1と、第2電極20の重心G2と第3電極30の重心G3との間隔H2とは、互いに一致しており、いずれもゼロである。その他の構成は、第3実施形態と同様である。本実施形態によれば、第3実施形態と同様の効果が得られる。また、生体インピーダンス測定装置1を小型化できる。
【0115】
<第7実施形態>
第7実施形態について、図10を参照しながら説明する。以下の説明において、上記実施形態と同様の構成については、詳細な説明を省略する場合がある。
【0116】
本実施形態では、第4実施形態と同様に、各第1小電極16及び各第2小電極26は、基準点Xに関して周方向Fに、交互に並べられている。
【0117】
第3電極30は、各第1小電極16及び各第2小電極26の基準点(中心)Xに、配置されている。第3電極30は、各第1小電極16及び各第2小電極26よりも、放射方向(半径方向)Eの内側に、配置されている。第3電極30は、第1小電極16及び第2小電極26に接触しないように、第1小電極16及び第2小電極26と間隔を空けて配置されている。第3電極30の重心G3は、第1電極10の重心G1及び第2電極20の重心G2と一致する。
【0118】
第1電極10の重心G1と第3電極30の重心G3との間隔H1と、第2電極20の重心G2と第3電極30の重心G3との間隔H2とは、互いに一致しており、いずれもゼロである。その他の構成は、第4実施形態と同様である。本実施形態によれば、第4実施形態と同様の効果が得られる。また、生体インピーダンス測定装置1を小型化できる。
【0119】
<第8実施形態>
第8実施形態について、図11,12を参照しながら説明する。以下の説明において、上記実施形態と同様の構成については、詳細な説明を省略する場合がある。
【0120】
本実施形態では、第3電極30は、第3一次電極31と、第3二次電極32と、を含む。第1外部抵抗Rg1は、第1電極10と第3一次電極31との間に、並列接続されている。第2外部抵抗Rg2は、第2電極20と第3二次電極32との間に、並列接続されている。
【0121】
第3一次電極31は、複数の第3一次小電極31aで構成されている。第3二次電極32は、複数の第3二次小電極32aで構成されている。第3一次電極31及び第3二次電極32は、各第3一次小電極31a及び各第3二次小電極32aが交互に並べられることによって、電極ユニットU3を構成している。
【0122】
本実施形態では、各第3一次小電極31a及び各第3二次小電極32aは、円周状(具体的には円環状)に形成されており、当該円周状の中心に関して、半径方向に交互に並べられている。第3一次電極31の重心G31と第3二次電極32の重心G32とは、いずれも当該円周状の中心にあり、互いに一致する。
【0123】
第1電極10及び第2電極20からなる電極ユニットU12と、第3一次電極31及び第3二次電極32からなる電極ユニットU3とは、生体表面9に、互いに間隔H1,H2を空けて配置されている。生体表面9下にある筋肉部位7における生体インピーダンスは、第1電極10と第3一次電極31との間の第1電圧V1及び第2電極20と第3二次電極32との間の第2電圧V2に基づいて、測定される。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0124】
本実施形態によれば、第3電極30を第3一次電極31と第3二次電極32とに分割した場合に、第3一次電極31と第3二次電極32との配置箇所の相違による筋出力の変動に起因した、生体インピーダンスの測定誤差を抑制することができる。
【0125】
なお、各第3一次小電極31a及び各第3二次小電極32aは、一直線上に交互に並べられてもよく、基準点に関して周方向に交互に並べられてもよく、その他の態様にて交互に並べられてもよい。
【0126】
<その他の実施形態>
以上、本開示を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。
【0127】
第1小電極及び第2小電極は、上述の態様にて交互に並べられるのに限定されず、その他の態様にて交互に並べられてもよい。
【0128】
第1電圧と第2電圧とは、互いに同時ではなく、互いに異なる時刻で測定されてもよい。
【0129】
体脂肪測定等を目的として、生体表面に電極を配置して、電極から生体に高周波電流を流すことによって、生体インピーダンスを測定してもよい。
【符号の説明】
【0130】
Rg1 第1外部抵抗
Rg2 第2外部抵抗
V1 第1電圧
V2 第2電圧
O 中心
R 半径方向
U12 電極ユニット
U3 電極ユニット
H1 間隔
H2 間隔
X 基準位置
F 周方向
1 生体インピーダンス測定装置
7 筋肉部位
9 生体表面
10 第1電極
11 第1小電極
15 第1小電極
16 第1小電極
20 第2電極
21 第2小電極
25 第2小電極
26 第2小電極
30 第3電極
31 第3一次電極
31a 第3一次小電極
32 第3二次電極
32a 第3二次小電極
60 保持部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12