(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041426
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】遠心圧縮機
(51)【国際特許分類】
F04D 29/58 20060101AFI20240319BHJP
F04D 29/42 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
F04D29/58 Q
F04D29/58 P
F04D29/42 H
F04D29/42 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146245
(22)【出願日】2022-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】下瀬 智也
(72)【発明者】
【氏名】森 英文
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 潤也
(72)【発明者】
【氏名】平野 貴之
(72)【発明者】
【氏名】加藤 弘晃
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB12
3H130AB27
3H130AB47
3H130AB62
3H130AB65
3H130AB69
3H130AC13
3H130BA33E
3H130BA33G
3H130BA66E
3H130BA66G
3H130CA21
3H130DB01X
3H130DB02X
3H130DD01X
3H130DG01X
3H130DJ01X
(57)【要約】
【課題】圧縮効率が悪化することを回避しつつも、空気によってモータ及び軸受を安定的に冷却することができる。
【解決手段】冷却水流路60に沿って延び、モータ20及び第1ラジアル軸受53等を冷却した後の空気を第1吸入通路33へ還流させる空気還流流路74と、冷却水流路60に沿って延びて空気還流流路74と冷却水流路60とを隔てるとともに空気還流流路74を流れる空気と冷却水流路60を流れる冷却水との熱交換を行う隔壁85と、を備え、空気還流流路74を流れる空気は、隔壁85を介して、冷却水流路60を流れる冷却水に放熱される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸と、
前記回転軸を回転可能に支持する軸受と、
前記回転軸を回転させるモータと、
前記回転軸と一体的に回転することで空気を圧縮するインペラと、
前記インペラを収容するインペラ室、及び前記モータを収容するモータ室を有するハウジングと、
前記インペラ室に空気を吸入する吸入通路と、
前記モータ及び前記軸受を冷却する冷却水が流れる冷却水流路と、
前記インペラによって圧縮された空気の一部を前記モータ及び前記軸受に供給し、前記モータ及び前記軸受を冷却する空気供給流路と、を備えている遠心圧縮機であって、
前記冷却水流路に沿って延び、前記モータ及び前記軸受を冷却した後の空気を前記吸入通路へ還流させる空気還流流路と、
前記冷却水流路に沿って延びて前記空気還流流路と前記冷却水流路とを隔てるとともに前記空気還流流路を流れる空気と前記冷却水流路を流れる冷却水との熱交換を行う隔壁と、を備え、
前記空気還流流路を流れる空気は、前記隔壁を介して、前記冷却水流路を流れる冷却水に放熱されることを特徴とする遠心圧縮機。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記インペラ室と前記モータ室とを仕切るとともに前記回転軸が挿通される挿通孔が形成されている仕切壁を有し、
前記冷却水流路は、前記仕切壁に形成されるとともに前記挿通孔の周囲に延びる冷却水延在流路を有し、
前記空気還流流路は、前記仕切壁の内部で前記冷却水延在流路に沿って延びる空気延在流路を有し、
前記隔壁は、前記冷却水延在流路に沿って延びて前記空気延在流路と前記冷却水延在流路とを隔てるとともに前記空気延在流路を流れる空気と前記冷却水延在流路を流れる冷却水との熱交換を行い、
前記空気延在流路を流れる空気は、前記隔壁を介して、前記冷却水延在流路を流れる冷却水に放熱されることを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項3】
前記仕切壁は、
前記冷却水延在流路を形成するとともに前記挿通孔の周囲に延びる第1凹部を有する第1ハウジング構成体と、
前記空気延在流路を形成し、前記挿通孔の周囲に延びる第2凹部を有するとともに前記隔壁を有し、前記隔壁によって前記第1凹部の開口を閉塞して前記第1凹部と共に前記冷却水延在流路を区画する第2ハウジング構成体と、
前記第2凹部の開口を閉塞して前記第2凹部と共に前記空気延在流路を区画する蓋部材と、を有していることを特徴とする請求項2に記載の遠心圧縮機。
【請求項4】
前記仕切壁は、
前記冷却水延在流路を形成するとともに前記挿通孔の周囲に延びる凹部を有する第1ハウジング構成体と、
前記凹部の開口を閉塞して前記凹部と共に前記冷却水延在流路を区画する第2ハウジング構成体と、を有し、
前記冷却水延在流路の内側を通過し、前記空気延在流路を構成するパイプ部材を備え、
前記パイプ部材における前記冷却水延在流路の内側を通過する部分の壁部は、前記隔壁を構成していることを特徴とする請求項2に記載の遠心圧縮機。
【請求項5】
前記インペラは、
空気を圧縮する第1インペラと、
前記第1インペラによって圧縮された後の空気を圧縮する第2インペラと、を含み、
前記インペラ室は、
前記第1インペラを収容する第1インペラ室と、
前記第2インペラを収容する第2インペラ室と、を含み、
前記吸入通路は、
前記第1インペラ室に空気を吸入する第1吸入通路と、
前記第2インペラ室に空気を吸入する第2吸入通路と、を含み、
前記仕切壁は、
前記第1インペラ室と前記モータ室とを仕切る第1仕切壁と、
前記第2インペラ室と前記モータ室とを仕切る第2仕切壁と、を含み、
前記挿通孔は、
前記第1仕切壁に形成されるとともに前記回転軸が挿通される第1挿通孔と、
前記第2仕切壁に形成されるとともに前記回転軸が挿通される第2挿通孔と、を含み、
前記冷却水延在流路は、前記第1仕切壁に形成されるとともに前記第1挿通孔の周囲に延びており、
前記空気延在流路は、前記第1仕切壁の内部で前記冷却水延在流路に沿って延びており、
前記空気還流流路は、前記モータ及び前記軸受を冷却した後の空気を前記第1吸入通路へ還流させることを特徴とする請求項2~請求項4のいずれか一項に記載の遠心圧縮機。
【請求項6】
前記空気供給流路を流れる空気を冷却するインタークーラを備え、
前記空気供給流路を流れる空気は、前記インタークーラによって冷却された後、前記モータ及び前記軸受に供給されることを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
遠心圧縮機は、回転軸と、軸受と、モータと、インペラと、ハウジングと、を備えている。軸受は、回転軸を回転可能に支持する。モータは、回転軸を回転させる。インペラは、回転軸と一体的に回転することで空気を圧縮する。ハウジングは、インペラ室、及びモータ室を有している。インペラ室は、インペラを収容する。モータ室は、モータを収容する。さらに、遠心圧縮機は、吸入通路を備えている。吸入通路は、インペラ室に空気を吸入する。
【0003】
ところで、このような遠心圧縮機においては、遠心圧縮機の耐久性の向上を図るために、モータ及び軸受を冷却することが望まれている。そこで、例えば特許文献1のように、遠心圧縮機は、冷却水流路と、空気供給流路と、を備えている場合がある。冷却水流路は、モータ及び軸受を冷却する冷却水が流れる。空気供給流路は、インペラによって圧縮された空気の一部をモータ及び軸受に供給する。これによれば、冷却水流路を流れる冷却水によって、モータ及び軸受が冷却されるとともに、空気供給流路からモータ及び軸受に供給される空気によっても、モータ及び軸受が冷却される。空気供給流路からモータ及び軸受に供給されて、モータ及び軸受を冷却した後の空気は、ハウジングの外部へ排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば、配管の長さや径の大きさ等による圧力損失量は、遠心圧縮機を含めた全体のシステム毎によって異なる。すると、空気の排出先であるハウジングの外部へ排出される排出圧力も、遠心圧縮機を含めた全体のシステム毎によって異なる。そのため、遠心圧縮機を異なるシステムに搭載すると、インペラによって圧縮されて吐出される空気の圧力である吐出圧力と、ハウジングの外部へ排出される排出圧力との差は、システム毎によって異なってくる。吐出圧力と排出圧力との差が異なると、空気供給流路からモータ及び軸受に供給される空気の流量も異なってくる。ここで、排出圧力が高くなるほど、吐出圧力と排出圧力との差が小さくなるため、空気供給流路からモータ及び軸受に供給される空気の流量が少なくなってしまう。その結果、空気によってモータ及び軸受を安定的に冷却することが困難となる場合がある。
【0006】
そこで、例えば、モータ及び軸受を冷却した後の空気を、インペラ室の直前の吸入通路へ還流させることが考えられる。吸入通路を流れる空気の圧力は、インペラ室に吸入される空気の圧力である吸入圧力である。インペラ室の直前の吸入圧力は、遠心圧縮機の仕様により一義的に決まり易いため、安定している。したがって、異なるシステムに遠心圧縮機を搭載した場合でも、吐出圧力と吸入圧力との差が変動し難いため、空気供給流路からモータ及び軸受に供給される空気の流量をシステムに関係無く同じにすることができる。よって、空気供給流路からモータ及び軸受に供給される空気の流量を安定させることができる。
【0007】
しかしながら、モータ及び軸受を冷却した後の空気を吸入通路へ還流させると、吸入通路からインペラ室に吸入される空気の温度が高くなってしまう。吸入通路からインペラ室に吸入される空気の温度が高くなると、温度が高い空気をインペラによって圧縮することになるため、圧縮効率が悪化してしまう虞がある。したがって、遠心圧縮機においては、圧縮効率が悪化することを回避しつつも、空気によってモータ及び軸受を安定的に冷却することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する遠心圧縮機は、回転軸と、前記回転軸を回転可能に支持する軸受と、前記回転軸を回転させるモータと、前記回転軸と一体的に回転することで空気を圧縮するインペラと、前記インペラを収容するインペラ室、及び前記モータを収容するモータ室を有するハウジングと、前記インペラ室に空気を吸入する吸入通路と、前記モータ及び前記軸受を冷却する冷却水が流れる冷却水流路と、前記インペラによって圧縮された空気の一部を前記モータ及び前記軸受に供給し、前記モータ及び前記軸受を冷却する空気供給流路と、を備えている遠心圧縮機であって、前記冷却水流路に沿って延び、前記モータ及び前記軸受を冷却した後の空気を前記吸入通路へ還流させる空気還流流路と、前記冷却水流路に沿って延びて前記空気還流流路と前記冷却水流路とを隔てるとともに前記空気還流流路を流れる空気と前記冷却水流路を流れる冷却水との熱交換を行う隔壁と、を備え、前記空気還流流路を流れる空気は、前記隔壁を介して、前記冷却水流路を流れる冷却水に放熱される。
【0009】
これによれば、モータ及び軸受を冷却した後の空気は、空気還流流路を介して吸入通路へ還流される。吸入通路を流れる空気の圧力は、インペラ室に吸入される空気の圧力である吸入圧力である。吸入圧力は、遠心圧縮機の仕様により一義的に決まり易いため、安定している。したがって、インペラによって圧縮されて吐出される空気の圧力である吐出圧力と、吸入圧力との差が変動し難いため、空気供給流路からモータ及び軸受に供給される空気の流量が変動し難い。よって、空気供給流路からモータ及び軸受に供給される空気の流量を安定させることができる。その結果、空気によってモータ及び軸受を安定的に冷却することができる。
【0010】
モータ及び軸受を冷却した後の空気が、空気還流流路を介して吸入通路へ還流される際に、隔壁を介した空気還流流路を流れる空気と冷却水流路を流れる冷却水との熱交換が行われる。ここで、隔壁は、冷却水流路に沿って延びている。したがって、空気還流流路を流れる空気は、隔壁を介して、冷却水流路を流れる冷却水に効率良く放熱される。これにより、空気還流流路を流れる空気を、冷却水流路を流れる冷却水によって効率良く冷却することができる。そして、冷却水によって冷却された空気が、空気還流流路を介して吸入通路に還流される。したがって、モータ及び軸受を冷却した後の空気を、空気還流流路を介して吸入通路へ還流させても、吸入通路からインペラ室に吸入される空気の温度が高くなってしまうことが回避されている。よって、モータ及び軸受を冷却した後の空気を、空気還流流路を介して吸入通路へ還流させても、温度が高い空気をインペラによって圧縮することが回避されるため、圧縮効率が悪化してしまうことが回避される。以上により、圧縮効率が悪化することを回避しつつも、空気によってモータ及び軸受を安定的に冷却することができる。
【0011】
上記遠心圧縮機において、前記ハウジングは、前記インペラ室と前記モータ室とを仕切るとともに前記回転軸が挿通される挿通孔が形成されている仕切壁を有し、前記冷却水流路は、前記仕切壁に形成されるとともに前記挿通孔の周囲に延びる冷却水延在流路を有し、前記空気還流流路は、前記仕切壁の内部で前記冷却水延在流路に沿って延びる空気延在流路を有し、前記隔壁は、前記冷却水延在流路に沿って延びて前記空気延在流路と前記冷却水延在流路とを隔てるとともに前記空気延在流路を流れる空気と前記冷却水延在流路を流れる冷却水との熱交換を行い、前記空気延在流路を流れる空気は、前記隔壁を介して、前記冷却水延在流路を流れる冷却水に放熱されるとよい。
【0012】
インペラ室とモータ室とを仕切る仕切壁は、ハウジングにおいて、吸入通路に比較的近い部分である。そして、空気延在流路が、仕切壁に形成された冷却水延在流路に沿って延びている。空気延在流路を流れる空気は、隔壁を介して、冷却水延在流路を流れる冷却水に放熱される。したがって、ハウジングにおいて、吸入通路に比較的近い部分で、空気還流流路を流れる空気を、隔壁を介して、冷却水流路を流れる冷却水に放熱するとともに、その後、空気還流流路を介して吸入通路へ空気を還流させることができる。よって、冷却水流路を流れる冷却水によって冷却された空気が、再び暖められてしまうことを極力抑えつつ、吸入通路へ空気を還流することができる。その結果、モータ及び軸受を冷却した後の空気を、空気還流流路を介して吸入通路へ還流させても、吸入通路からインペラ室に吸入される空気の温度が高くなってしまうことが回避され易くなる。したがって、モータ及び軸受を冷却した後の空気を、空気還流流路を介して吸入通路へ還流させても、温度が高い空気をインペラによって圧縮することが回避され易くなるため、圧縮効率が悪化してしまうことが回避され易くなる。
【0013】
上記遠心圧縮機において、前記仕切壁は、前記冷却水延在流路を形成するとともに前記挿通孔の周囲に延びる第1凹部を有する第1ハウジング構成体と、前記空気延在流路を形成し、前記挿通孔の周囲に延びる第2凹部を有するとともに前記隔壁を有し、前記隔壁によって前記第1凹部の開口を閉塞して前記第1凹部と共に前記冷却水延在流路を区画する第2ハウジング構成体と、前記第2凹部の開口を閉塞して前記第2凹部と共に前記空気延在流路を区画する蓋部材と、を有しているとよい。
【0014】
これによれば、第1ハウジング構成体の第1凹部の開口を第2ハウジング構成体の隔壁によって閉塞することにより、挿通孔の周囲に延びる冷却水延在流路を形成することができる。さらに、第2ハウジング構成体の第2凹部の開口を蓋部材によって閉塞することにより、冷却水延在流路に沿って延びる空気延在流路を構成することができる。そして、空気延在流路を流れる空気を、隔壁を介して、冷却水延在流路を流れる冷却水に放熱することが可能な構成とすることができる。
【0015】
上記遠心圧縮機において、前記仕切壁は、前記冷却水延在流路を形成するとともに前記挿通孔の周囲に延びる凹部を有する第1ハウジング構成体と、前記凹部の開口を閉塞して前記凹部と共に前記冷却水延在流路を区画する第2ハウジング構成体と、を有し、前記冷却水延在流路の内側を通過し、前記空気延在流路を構成するパイプ部材を備え、前記パイプ部材における前記冷却水延在流路の内側を通過する部分の壁部は、前記隔壁を構成しているとよい。
【0016】
これによれば、第1ハウジング構成体の凹部の開口を第2ハウジング構成体によって閉塞することにより、挿通孔の周囲に延びる冷却水延在流路を形成することができる。さらに、パイプ部材を冷却水延在流路の内側へ通過させることにより、冷却水延在流路に沿って延びる空気延在流路をパイプ部材により構成することができる。そして、パイプ部材における冷却水延在流路の内側を通過する部分の壁部が、隔壁を構成している。これにより、空気延在流路を流れる空気を、隔壁を介して、冷却水延在流路を流れる冷却水に放熱することが可能な構成とすることができる。
【0017】
上記遠心圧縮機において、前記インペラは、空気を圧縮する第1インペラと、前記第1インペラによって圧縮された後の空気を圧縮する第2インペラと、を含み、前記インペラ室は、前記第1インペラを収容する第1インペラ室と、前記第2インペラを収容する第2インペラ室と、を含み、前記吸入通路は、前記第1インペラ室に空気を吸入する第1吸入通路と、前記第2インペラ室に空気を吸入する第2吸入通路と、を含み、前記仕切壁は、前記第1インペラ室と前記モータ室とを仕切る第1仕切壁と、前記第2インペラ室と前記モータ室とを仕切る第2仕切壁と、を含み、前記挿通孔は、前記第1仕切壁に形成されるとともに前記回転軸が挿通される第1挿通孔と、前記第2仕切壁に形成されるとともに前記回転軸が挿通される第2挿通孔と、を含み、前記冷却水延在流路は、前記第1仕切壁に形成されるとともに前記第1挿通孔の周囲に延びており、前記空気延在流路は、前記第1仕切壁の内部で前記冷却水延在流路に沿って延びており、前記空気還流流路は、前記モータ及び前記軸受を冷却した後の空気を前記第1吸入通路へ還流させるとよい。
【0018】
第1仕切壁には、第1インペラによって圧縮された後の空気の熱が伝達され易い。また、第2仕切壁には、第2インペラによって圧縮された後の空気の熱が伝達され易い。第2インペラは、第1インペラによって圧縮された後の空気を圧縮するため、第2インペラによって圧縮された後の空気の温度は、第1インペラによって圧縮された後の空気の温度よりも高くなっている。したがって、第2仕切壁の温度は、第1仕切壁の温度よりも高い。そこで、冷却水延在流路を第1仕切壁に形成した。よって、例えば、冷却水延在流路が第2仕切壁に形成されている場合に比べると、冷却水延在流路を流れる冷却水の温度を低い状態に維持することができる。そして、空気延在流路が、第1仕切壁の内部で冷却水延在流路に沿って延びている。よって、空気延在流路を流れる空気は、隔壁を介して、冷却水延在流路を流れる冷却水に放熱される。冷却水延在流路を流れる冷却水の温度は低い状態に維持されているため、空気延在流路を流れる空気を、隔壁を介して、冷却水延在流路を流れる冷却水に効率良く放熱することができる。
【0019】
そして、空気還流流路は、モータ及び軸受を冷却した後の空気を第1吸入通路へ還流させる。第1吸入通路を流れる空気の圧力は、第2吸入通路を流れる空気の圧力よりも低い。したがって、例えば、空気還流流路が、モータ及び軸受を冷却した後の空気を第2吸入通路へ還流させる場合に比べると、空気の還流先の空気の圧力が極力低いため、吐出圧力と空気の還流先の圧力との差が付き易い。よって、空気供給流路からモータ及び軸受に供給される空気の流量を確保し易くすることができるため、空気によってモータ及び軸受を安定的に冷却することができる。
【0020】
上記遠心圧縮機において、前記空気供給流路を流れる空気を冷却するインタークーラを備え、前記空気供給流路を流れる空気は、前記インタークーラによって冷却された後、前記モータ及び前記軸受に供給されるとよい。
【0021】
これによれば、空気供給流路を流れる空気をインタークーラによって冷却することができるため、インペラによって圧縮された空気の一部を、温度を低くした状態で、空気供給流路からモータ及び軸受に供給することができる。したがって、空気供給流路からの空気によって、モータ及び軸受を効率良く冷却することができる。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、圧縮効率が悪化することを回避しつつも、空気によってモータ及び軸受を安定的に冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】第1実施形態における遠心圧縮機の断面図である。
【
図2】遠心圧縮機の一部分を拡大して示す断面図である。
【
図3】冷却水延在流路と空気延在流路との関係を示す図である。
【
図4】第2実施形態における遠心圧縮機の一部分を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1実施形態]
以下、遠心圧縮機を具体化した第1実施形態を
図1~
図3にしたがって説明する。なお、以下に説明する実施形態の遠心圧縮機は、燃料電池車に搭載されている。遠心圧縮機は、空気を圧縮する。遠心圧縮機は、燃料電池システムの一部を構成している。
【0025】
<遠心圧縮機10の基本構成>
図1に示すように、遠心圧縮機10は、ハウジング11を備えている。ハウジング11は、金属材料製であり、例えば、アルミニウム製である。ハウジング11は、モータハウジング12、第1コンプレッサハウジング13、第2コンプレッサハウジング14、第1プレート15、第2プレート16、第3プレート17、及び第4プレート18を有している。
【0026】
モータハウジング12は、筒状に延びている。第1プレート15は、モータハウジング12の一方の開口側の端部に連結されている。第1プレート15は、モータハウジング12の一方の開口を閉塞している。第2プレート16は、モータハウジング12の他方の開口側の端部に連結されている。そして、モータハウジング12、第1プレート15,及び第2プレート16によってモータ室19が区画されている。したがって、ハウジング11は、モータ室19を有している。
【0027】
遠心圧縮機10は、モータ20を備えている。モータ20は、モータ室19に収容されている。したがって、モータ室19は、モータ20を収容する。モータハウジング12は、モータ20を取り囲んでいる。
【0028】
遠心圧縮機10は、第1軸受保持部21を備えている。第1軸受保持部21は、第1プレート15の中央部からモータ室19内に突出している。したがって、第1プレート15は、第1軸受保持部21を有している。第1軸受保持部21は、円筒状である。
【0029】
図2に示すように、第1プレート15におけるモータハウジング12とは反対側の端面15aには、嵌合凹部22及び室形成凹部23が形成されている。嵌合凹部22及び室形成凹部23は、円孔状である。嵌合凹部22の孔径は、室形成凹部23の孔径よりも大きい。室形成凹部23は、嵌合凹部22の底面に形成されている。第1軸受保持部21の内側は、第1プレート15を貫通して室形成凹部23の底面に開口している。室形成凹部23の軸心と第1軸受保持部21の軸心とは一致している。
【0030】
第3プレート17は、円環状である。第3プレート17は、嵌合凹部22に嵌め込まれた状態で、第1プレート15に取り付けられている。第3プレート17の孔径は、室形成凹部23の孔径と同じである。第3プレート17の内側は、室形成凹部23の内側に連通している。第3プレート17におけるモータハウジング12とは反対側の端面17aは、第1プレート15の端面15aと同一平面上に位置している。
【0031】
第4プレート18は、第1プレート15の端面15aに連結されている。第4プレート18の中央部には、第1挿通孔24が形成されている。第1挿通孔24は、第3プレート17の内側に連通している。第1挿通孔24の軸心は、第3プレート17の軸心、室形成凹部23の軸心、及び第1軸受保持部21の軸心と一致している。そして、第1プレート15の室形成凹部23、第3プレート17、及び第4プレート18によって、スラスト軸受収容室25が区画されている。スラスト軸受収容室25は、第1軸受保持部21の内側に連通している。また、スラスト軸受収容室25は、第1挿通孔24に連通している。
【0032】
図1に示すように、遠心圧縮機10は、第2軸受保持部26を備えている。第2軸受保持部26は、第2プレート16の中央部からモータ室19内に突出している。したがって、第2プレート16は、第2軸受保持部26を有している。第2軸受保持部26は、円筒状である。
【0033】
第2プレート16の中央部には、第2挿通孔27が形成されている。第2挿通孔27は、第2軸受保持部26の内側に連通している。第2挿通孔27の軸心は、第2軸受保持部26の軸心と一致している。
【0034】
図2に示すように、第1コンプレッサハウジング13は、空気が吸入される円孔状の第1吸入口28を有する筒状である。第1コンプレッサハウジング13は、第1吸入口28の軸心が、第1挿通孔24の軸心と一致した状態で第4プレート18における第1プレート15とは反対側の端面18aに連結されている。第1吸入口28は、第1コンプレッサハウジング13における第4プレート18とは反対側の端面13aに開口している。
【0035】
遠心圧縮機10は、第1インペラ室29、第1吐出室30、及び第1ディフューザ流路31を備えている。第1インペラ室29、第1吐出室30、及び第1ディフューザ流路31は、第1コンプレッサハウジング13と第4プレート18の端面18aとの間に形成されている。したがって、ハウジング11は、第1インペラ室29を有している。第1プレート15、第3プレート17、及び第4プレート18は、第1インペラ室29とモータ室19とを仕切る第1仕切壁を構成している。第1インペラ室29は、第1吸入口28に連通している。第1吐出室30は、第1インペラ室29の周囲で第1吸入口28の軸心周りに延びている。第1ディフューザ流路31は、第1インペラ室29と第1吐出室30とを連通している。第1インペラ室29は、第1挿通孔24に連通している。
【0036】
遠心圧縮機10は、第1吸入配管32を備えている。第1吸入配管32は、第1吸入口28に接続されている。第1吸入配管32は、第1コンプレッサハウジング13の端面13aに固定されている。第1吸入配管32内には、図示しないエアクリーナによって清浄化された空気が流れる。第1吸入配管32内を通過した空気は、第1吸入口28を介して第1インペラ室29に吸入される。したがって、第1吸入配管32及び第1吸入口28は、第1インペラ室29に空気を吸入する第1吸入通路33を構成している。遠心圧縮機10は、第1吸入通路33を備えている。
【0037】
図1に示すように、第2コンプレッサハウジング14は、空気が吸入される円孔状の第2吸入口34を有する筒状である。第2コンプレッサハウジング14は、第2吸入口34の軸心が、第2挿通孔27の軸心と一致した状態で第2プレート16におけるモータハウジング12とは反対側の端面に連結されている。第2吸入口34は、第2コンプレッサハウジング14における第2プレート16とは反対側の端面に開口している。
【0038】
遠心圧縮機10は、第2インペラ室35、第2吐出室36、及び第2ディフューザ流路37を備えている。第2インペラ室35、第2吐出室36、及び第2ディフューザ流路37は、第2コンプレッサハウジング14と第2プレート16との間に形成されている。したがって、ハウジング11は、第2インペラ室35を有している。第2プレート16は、第2インペラ室35とモータ室19とを仕切る第2仕切壁を構成している。第2インペラ室35は、第2吸入口34に連通している。第2吐出室36は、第2インペラ室35の周囲で第2吸入口34の軸心周りに延びている。第2吐出室36は、供給配管38を介して燃料電池スタック39に接続されている。第2ディフューザ流路37は、第2インペラ室35と第2吐出室36とを連通している。第2インペラ室35は、第2挿通孔27に連通している。
【0039】
遠心圧縮機10は、第2吸入配管40を備えている。第2吸入配管40の第1端は、第1吐出室30に連通している。第2吸入配管40の第2端は、第2吸入口34に連通している。第2吸入配管40内には、第1吐出室30からの空気が流れる。そして、第2吸入配管40内を通過した空気は、第2吸入口34を介して第2インペラ室35に吸入される。したがって、第2吸入配管40及び第2吸入口34は、第2インペラ室35に空気を吸入する第2吸入通路41を構成している。遠心圧縮機10は、第2吸入通路41を備えている。
【0040】
遠心圧縮機10は、回転軸42を備えている。回転軸42は、ハウジング11内に収容されている。回転軸42の第1端部は、モータ室19から第1軸受保持部21の内側、スラスト軸受収容室25、及び第1挿通孔24を通過して、第1インペラ室29内に突出している。したがって、第1挿通孔24は、第1仕切壁に形成されるとともに回転軸42が挿通される挿通孔である。回転軸42の第2端部は、モータ室19から第2軸受保持部26の内側、及び第2挿通孔27を通過して、第2インペラ室35内に突出している。したがって、第2挿通孔27は、第2仕切壁に形成されるとともに回転軸42が挿通される挿通孔である。回転軸42は、モータハウジング12の軸線に沿って延びた状態で、モータ室19を横切っている。回転軸42の軸方向は、モータハウジング12の軸方向に一致している。
【0041】
遠心圧縮機10は、支持部43を備えている。支持部43は、回転軸42の外周面から環状に突出している。支持部43は、円板状である。支持部43は、回転軸42の外周面から径方向外側へ環状に突出した状態で、回転軸42の外周面に固定されている。したがって、支持部43は、回転軸42とは別体である。支持部43は、スラスト軸受収容室25内に配置されている。支持部43は、回転軸42と一体的に回転する。
【0042】
遠心圧縮機10は、第1シール部材44を備えている。第1シール部材44は、第1挿通孔24と回転軸42との間に設けられている。第1シール部材44は、第1インペラ室29からモータ室19に向かう空気の洩れを抑制する。第1シール部材44は、例えば、シールリングである。
【0043】
遠心圧縮機10は、第2シール部材45を備えている。第2シール部材45は、第2挿通孔27と回転軸42との間に設けられている。第2シール部材45は、第2インペラ室35からモータ室19に向かう空気の洩れを抑制する。第2シール部材45は、例えば、シールリングである。
【0044】
遠心圧縮機10は、第1インペラ46を備えている。第1インペラ46は、回転軸42の第1端に連結されている。第1インペラ46は、第1インペラ室29に収容されている。したがって、第1インペラ室29は、第1インペラ46を収容する。第1インペラ46は、回転軸42と一体的に回転することで第1インペラ室29に吸入された空気を圧縮する。したがって、第1インペラ46は、回転軸42と一体的に回転することで空気を圧縮するインペラである。よって、第1インペラ室29は、インペラを収容するインペラ室である。
【0045】
遠心圧縮機10は、第2インペラ47を備えている。第2インペラ47は、回転軸42の第2端に連結されている。第2インペラ47は、第2インペラ室35に収容されている。したがって、第2インペラ室35は、第2インペラ47を収容する。第2インペラ47は、回転軸42と一体的に回転することで第2インペラ室35に吸入された空気を圧縮する。したがって、第2インペラ47は、回転軸42と一体的に回転することで空気を圧縮するインペラである。よって、第2インペラ室35は、インペラを収容するインペラ室である。したがって、インペラ室は、第1インペラ室29と、第2インペラ室35と、を含む。ハウジング11は、インペラ室を有している。インペラは、第1インペラ46と、第2インペラ47と、を含む。第2インペラ47は、第1インペラ46によって圧縮された後の空気を圧縮する。
【0046】
第1吸入通路33は、インペラ室である第1インペラ室29に空気を吸入する吸入通路である。第2吸入通路41は、インペラ室である第2インペラ室35に空気を吸入する吸入通路である。したがって、吸入通路は、第1吸入通路33と、第2吸入通路41と、を含む。このように、遠心圧縮機10は、インペラ室に空気を吸入する吸入通路を備えている。
【0047】
第1プレート15、第3プレート17、及び第4プレート18によって構成される第1仕切壁は、インペラ室とモータ室19とを仕切る仕切壁である。第2プレート16によって構成される第2仕切壁は、インペラ室とモータ室19とを仕切る仕切壁である。したがって、仕切壁は、第1仕切壁と、第2仕切壁と、を含む。よって、ハウジング11は、挿通孔が形成されている仕切壁を有している。挿通孔は、第1挿通孔24と、第2挿通孔27と、を含む。
【0048】
モータ20は、筒状のロータ48と、筒状のステータ49と、を備えている。ロータ48は、回転軸42に固定されている。ステータ49は、ハウジング11に固定されている。ロータ48は、ステータ49の径方向内側に配置されるとともに回転軸42と一体的に回転する。ロータ48は、回転軸42に固定された円筒状のロータコア50と、ロータコア50に設けられた図示しない複数の永久磁石と、を有している。ステータ49は、ロータ48を取り囲んでいる。ステータ49は、円筒状のステータコア51と、コイル52と、を有している。ステータコア51は、モータハウジング12の内周面に固定されている。コイル52は、ステータコア51に巻回されている。
【0049】
回転軸42は、図示しないバッテリからコイル52に電流が流れることによって、ロータ48と一体的に回転する。したがって、モータ20は、回転軸42を回転させる。モータ20は、回転軸42の軸方向において、第1インペラ46と第2インペラ47との間に配置されている。
【0050】
遠心圧縮機10は、第1ラジアル軸受53を備えている。第1ラジアル軸受53は円筒状である。第1ラジアル軸受53は、第1軸受保持部21に保持されている。第1ラジアル軸受53は、回転軸42におけるモータ20よりも回転軸42の第1端部寄りに位置する部位を回転可能に支持する。したがって、第1ラジアル軸受53は、回転軸42を回転可能に支持する軸受である。
【0051】
遠心圧縮機10は、第2ラジアル軸受54を備えている。第2ラジアル軸受54は円筒状である。第2ラジアル軸受54は、第2軸受保持部26に保持されている。第2ラジアル軸受54は、回転軸42におけるモータ20よりも回転軸42の第2端部寄りに位置する部位を回転可能に支持する。したがって、第2ラジアル軸受54は、回転軸42を回転可能に支持する軸受である。
【0052】
第1ラジアル軸受53及び第2ラジアル軸受54は、モータ20を回転軸42の軸方向で挟んだ両側の位置で回転軸42をラジアル方向で回転可能に支持する。なお、「ラジアル方向」とは、回転軸42の軸方向に対して直交する方向である。
【0053】
遠心圧縮機10は、スラスト軸受55を備えている。スラスト軸受55は、スラスト軸受収容室25に収容されている。したがって、スラスト軸受収容室25は、スラスト軸受55を収容する。スラスト軸受55は、支持部43をスラスト方向で回転可能に支持する。したがって、スラスト軸受55は、支持部43を介して回転軸42を回転可能に支持する軸受である。なお、「スラスト方向」とは、回転軸42の軸線方向に対して平行な方向である。
【0054】
第1吸入配管32及び第1吸入口28を介して第1インペラ室29に吸入された空気は、第1インペラ46の回転によって加速されながら、第1ディフューザ流路31に送り込まれて、第1ディフューザ流路31を通過することにより昇圧される。そして、第1ディフューザ流路31を通過した空気は、第1吐出室30に吐出される。第1吐出室30に吐出された空気は、第2吸入配管40及び第2吸入口34を介して第2インペラ室35に吸入される。第2インペラ室35に吸入された空気は、第2インペラ47の回転によって加速されながら、第2ディフューザ流路37に送り込まれて、第2ディフューザ流路37を通過することにより昇圧される。そして、第2ディフューザ流路37を通過した空気は、第2吐出室36に吐出される。第2吐出室36に吐出された空気は、供給配管38を介して燃料電池スタック39に供給される。したがって、遠心圧縮機10は、燃料電池スタック39に対して空気を供給する。燃料電池スタック39に供給された空気に含まれる酸素は、燃料電池スタック39の発電に寄与する。
【0055】
<冷却水流路60>
遠心圧縮機10は、冷却水流路60を備えている。冷却水流路60は、第1水路61と、第2水路62と、第3水路63と、を有している。第1水路61は、モータハウジング12の内部を通過している。第1水路61は、モータハウジング12の内部を、例えば、螺旋状に延びながらモータハウジング12の軸方向に延びている。第1水路61の第1端は、モータハウジング12における第1プレート15側の開口端面に開口している。第1水路61の第2端は、モータハウジング12における第2プレート16側の開口端面に開口している。
【0056】
第2水路62は、第1プレート15の内部を螺旋状に延びながら第1プレート15の厚み方向に貫通して第4プレート18の内部に至る。具体的には、第2水路62は、第1プレート15における嵌合凹部22よりも外方に位置する部分を、螺旋状に延びながら貫通している。第2水路62の第1端は、第1水路61に連通している。第2水路62の第2端は、第4プレート18の内部で閉塞している。
【0057】
第3水路63は、第2プレート16の内部を螺旋状に延びている。第3水路63の第1端は、第1水路61に連通している。第3水路63の第2端は、第2プレート16の内部で閉塞している。なお、第1水路61、第2水路62、及び第3水路63は、説明の都合上、模式的に図示している。
【0058】
冷却水流路60は、冷却水入口64と、冷却水出口65と、を有している。冷却水入口64及び冷却水出口65は、モータハウジング12に形成されている。冷却水入口64からの冷却水は、第1水路61に流れ込む。第1水路61に流れ込んだ冷却水は、第2水路62及び第3水路63それぞれに行き渡った後、冷却水出口65からハウジング11の外部へ排出される。
【0059】
第1水路61を流れる冷却水は、モータハウジング12を冷却する。ステータコア51から生じる熱は、モータハウジング12に放熱される。これにより、ステータコア51が冷却される。よって、第1水路61を流れる冷却水によってモータ20が冷却される。
【0060】
第2水路62を流れる冷却水は、第1プレート15及び第4プレート18を冷却する。第1ラジアル軸受53から生じる熱は、第1プレート15に放熱される。これにより、第1ラジアル軸受53が冷却される。スラスト軸受55から生じる熱は、第1プレート15及び第4プレート18に放熱される。これにより、スラスト軸受55が冷却される。よって、第2水路62を流れる冷却水によって第1ラジアル軸受53及びスラスト軸受55が冷却される。
【0061】
第3水路63を流れる冷却水は、第2プレート16を冷却する。第2ラジアル軸受54から生じる熱は、第2プレート16に放熱される。これにより、第2ラジアル軸受54が冷却される。よって、第3水路63を流れる冷却水によって第2ラジアル軸受54が冷却される。このように、冷却水流路60には、モータ20、第1ラジアル軸受53、第2ラジアル軸受54、及びスラスト軸受55を冷却する冷却水が流れる。
【0062】
<空気供給流路70>
遠心圧縮機10は、空気供給流路70を備えている。空気供給流路70は、第1供給流路71と、第2供給流路72と、を有している。第1供給流路71は、第2吸入配管40の途中から分岐している。第1供給流路71の第1端は、第2吸入配管40に接続されている。第1供給流路71の第2端は、スラスト軸受収容室25に接続されている。したがって、第1供給流路71は、第2吸入配管40とスラスト軸受収容室25とを接続している。
【0063】
第1供給流路71は、第1配管部71aと、第1孔部71bと、を有している。第1配管部71aは、ハウジング11の外部に配置されている。第1孔部71bは、第1プレート15に形成されている。第1配管部71aの第1端は、第2吸入配管40の途中に接続されている。第1配管部71a内は、第2吸入配管40内に連通している。第1配管部71aの第2端は、第1孔部71bの第1端に接続されている。第1配管部71aは、第1孔部71bに連通している。第1孔部71bの第2端は、スラスト軸受収容室25に接続されている。第1孔部71bは、スラスト軸受収容室25に連通している。
【0064】
第2供給流路72は、第1供給流路71の途中から分岐している。第2供給流路72の第1端は、第1供給流路71に接続されている。第2供給流路72の第2端は、第2挿通孔27の内側に接続されている。したがって、第2供給流路72は、第1供給流路71と第2挿通孔27の内側とを接続している。
【0065】
第2供給流路72は、第2配管部72aと、第2孔部72bと、を有している。第2配管部72aは、ハウジング11の外部に配置されている。第2孔部72bは、第2プレート16に形成されている。第2配管部72aの第1端は、第1配管部71aの途中に接続されている。第2配管部72a内は、第1配管部71a内に連通している。第2配管部72aの第2端は、第2孔部72bの第1端に接続されている。第2配管部72aは、第2孔部72bに連通している。第2孔部72bの第2端は、第2挿通孔27の内側に接続されている。第2孔部72bは、第2挿通孔27の内側に連通している。具体的には、第2孔部72bの第2端は、第2挿通孔27の内側において、第2シール部材45よりもモータ室19寄りの部分に連通している。
【0066】
第2吸入配管40を流れる空気の一部は、第1供給流路71の第1配管部71aに流れ込む。第1配管部71aを通過する空気は、第1孔部71bを介してスラスト軸受収容室25に流れ込む。スラスト軸受収容室25に流れ込んだ空気は、スラスト軸受55を冷却する。スラスト軸受55を冷却した空気は、第1軸受保持部21の内側を通過する。第1軸受保持部21の内側を通過する空気は、第1ラジアル軸受53を冷却する。そして、第1ラジアル軸受53を冷却した空気は、モータ室19内に流れ込む。モータ室19内に流れ込んだ空気は、モータ20を冷却する。
【0067】
第1配管部71aを通過する空気の一部は、第2供給流路72の第2配管部72aに流れ込む。第2配管部72aを通過する空気は、第2孔部72bを介して第2挿通孔27の内側に流れ込む。第2挿通孔27の内側に流れ込んだ空気は、第2軸受保持部26の内側を通過する。第2軸受保持部26の内側を通過する空気は、第2ラジアル軸受54を冷却する。そして、第2ラジアル軸受54を冷却した空気は、モータ室19内に流れ込む。モータ室19内に流れ込んだ空気は、モータ20を冷却する。
【0068】
このように、空気供給流路70には、モータ20、第1ラジアル軸受53、第2ラジアル軸受54、及びスラスト軸受55を冷却する空気が流れる。空気供給流路70は、第1インペラ46によって圧縮された空気の一部をモータ20、第1ラジアル軸受53、第2ラジアル軸受54、及びスラスト軸受55に供給する。
【0069】
<インタークーラ73>
遠心圧縮機10は、インタークーラ73を備えている。インタークーラ73は、例えば、モータハウジング12の外周面に取り付けられている。第1供給流路71の第1配管部71aの一部分は、インタークーラ73の内部を通過している。第1配管部71aにおけるインタークーラ73の内部を通過する部分は、第2供給流路72の第2配管部72aとの接続箇所よりも第2吸入配管40寄りの部分である。
【0070】
また、インタークーラ73の内部は、冷却水出口65に連通している。インタークーラ73の内部には、冷却水出口65から排出される冷却水が流れる。そして、インタークーラ73では、冷却水出口65からインタークーラ73の内部に流れる冷却水と、第1配管部71aにおけるインタークーラ73の内部を通過する部分を流れる空気との熱交換が行われる。これにより、第1配管部71aを流れる空気が、冷却水によって冷却される。
【0071】
このように、インタークーラ73は、空気供給流路70を流れる空気を冷却する。そして、空気供給流路70を流れる空気は、インタークーラ73によって冷却された後、モータ20、第1ラジアル軸受53、第2ラジアル軸受54、及びスラスト軸受55に供給される。なお、インタークーラ73を通過した冷却水は、図示しないラジエータによって放熱された後、冷却水入口64に還流する。
【0072】
<冷却水延在流路66>
図2に示すように、冷却水流路60は、冷却水延在流路66を有している。冷却水延在流路66は、第1挿通孔24の周囲に延びている。第4プレート18は、第1凹部67を有している。第1凹部67は、第4プレート18における第1プレート15側の端面18bに形成されている。第1凹部67は、第1挿通孔24の周囲に延びている。
【0073】
図3に示すように、第1凹部67は、第1挿通孔24の周囲において、270度に亘って延びるように第4プレート18の端面18bに形成されている。
図2に示すように、第1凹部67の開口は、第3プレート17の端面17aによって閉塞されている。第3プレート17と第4プレート18との間は、シール部材68によってシールされている。そして、第1凹部67と第3プレート17とによって、冷却水延在流路66が区画されている。したがって、第4プレート18は、冷却水延在流路66を形成するとともに第1挿通孔24の周囲に延びる第1凹部67を有する第1ハウジング構成体である。よって、第1仕切壁は、第1ハウジング構成体を有している。このように、冷却水延在流路66は、第1仕切壁に形成されるとともに第1挿通孔24の周囲に延びている。
図3に示すように、冷却水延在流路66は、第1挿通孔24の周囲において、270度に亘って延びている。
【0074】
図2に示すように、第4プレート18は、第1接続流路69aと、第2接続流路69bと、を有している。第1接続流路69aの第1端は、第2水路62に接続されている。第1接続流路69aの第2端は、冷却水延在流路66の第1端に接続されている。第2接続流路69bの第1端は、冷却水延在流路66に接続されている。第2接続流路69bの第1端における冷却水延在流路66に対する接続箇所は、冷却水延在流路66の第1端に対して、例えば、第1挿通孔24の周囲で180度離れた箇所である。第2接続流路69bの第2端は、第2水路62に接続されている。そして、第2水路62を流れる冷却水の一部は、第1接続流路69aを介して冷却水延在流路66の第1端に流れ込む。冷却水延在流路66は、第2水路62から流れ込む冷却水によって満たされる。そして、冷却水延在流路66を流れる冷却水は、第2接続流路69bを介して第2水路62へ還流される。
【0075】
<空気還流流路74及び空気延在流路75>
遠心圧縮機10は、空気還流流路74を備えている。空気還流流路74は、空気延在流路75を有している。第3プレート17は、取付凹部76を有している。取付凹部76は、第3プレート17における嵌合凹部22の底面側の端面に形成されている。第3プレート17は、第2凹部77を有している。第2凹部77は、取付凹部76の底面に形成されている。
【0076】
図3に示すように、取付凹部76及び第2凹部77は、第1凹部67に沿って延びている。取付凹部76及び第2凹部77は、第3プレート17の厚み方向で第1凹部67に重なるように、第1挿通孔24の周囲において、270度に亘って延びるように第3プレート17に形成されている。第2凹部77は、第1挿通孔24の周囲に延びている。取付凹部76の底面には、シール装着溝78が形成されている。シール装着溝78は、第2凹部77を取り囲むように取付凹部76の底面に形成されている。
【0077】
図2に示すように、第3プレート17は、突出壁79を有している。突出壁79は、第3プレート17の端面17aから突出している。突出壁79は、第2凹部77に沿って延びている。第2凹部77の一部は、突出壁79の内部に形成されている。突出壁79は、第2凹部77が形成されている分、第3プレート17の端面17aから突出している。突出壁79は、第1凹部67の内側に入り込んでいる。
【0078】
遠心圧縮機10は、蓋部材80を備えている。蓋部材80は、第2凹部77の開口を閉塞している。蓋部材80は、第1インペラ室29とモータ室19とを仕切る第1仕切壁の一部である。したがって、仕切壁は、蓋部材80を有している。蓋部材80は、第2凹部77の開口を閉塞して第2凹部77と共に空気延在流路75を区画している。したがって、空気延在流路75は、冷却水延在流路66に沿って延びている。空気延在流路75は、第1仕切壁の内部で冷却水延在流路66に沿って延びている。空気延在流路75は、第1挿通孔24の周囲に延びている。
図3に示すように、空気延在流路75は、第1挿通孔24の周囲において、270度に亘って延びている。
【0079】
図2に示すように、シール装着溝78には、シール部材81が装着されている。シール部材81は、蓋部材80と第3プレート17との間をシールしている。第1プレート15は、第1導入孔82を有している。蓋部材80は、第2導入孔83を有している。第1導入孔82の第1端は、モータ室19内に連通している。第1導入孔82の第2端は、第2導入孔83の第1端に連通している。第2導入孔83の第2端は、空気延在流路75の第1端に連通している。
【0080】
空気還流流路74は、還流路84を有している。還流路84は、第3プレート17、第4プレート18、及び第1コンプレッサハウジング13を貫通して第1吸入配管32内に接続されている。モータ室19内の空気は、第1導入孔82、第2導入孔83、空気延在流路75、及び還流路84を介して第1吸入配管32内に還流される。したがって、第1導入孔82、第2導入孔83、空気延在流路75、及び還流路84は、モータ20、第1ラジアル軸受53、第2ラジアル軸受54、及びスラスト軸受55を冷却した後の空気を第1吸入通路33へ還流させる空気還流流路74を構成している。
【0081】
空気延在流路75は、空気還流流路74のうち、冷却水延在流路66に沿って延びる部分である。したがって、空気還流流路74の一部分は、冷却水流路60に沿って延びている。
【0082】
<隔壁85>
第3プレート17における第1凹部67の開口を閉塞する部分、及び突出壁79は、冷却水延在流路66に沿って延びて空気延在流路75と冷却水延在流路66とを隔てる隔壁85である。そして、隔壁85によって第1凹部67の開口が閉塞されている。隔壁85は、第1凹部67と共に冷却水延在流路66を区画する。したがって、第3プレート17は、空気延在流路75を形成し、第2凹部77を有するとともに隔壁85を有し、隔壁85によって第1凹部67の開口を閉塞して第1凹部67と共に冷却水延在流路66を区画する第2ハウジング構成体である。
【0083】
隔壁85は、空気延在流路75を流れる空気と冷却水延在流路66を流れる冷却水との熱交換を行う。このように、遠心圧縮機10は、冷却水流路60に沿って延びて空気還流流路74と冷却水流路60とを隔てるとともに空気還流流路74を流れる空気と冷却水流路60を流れる冷却水との熱交換を行う隔壁85を備えている。空気延在流路75を流れる空気は、隔壁85を介して、冷却水延在流路66を流れる冷却水に放熱される。したがって、空気還流流路74を流れる空気は、隔壁85を介して、冷却水流路60を流れる冷却水に放熱される。
【0084】
[第1実施形態の作用]
次に、本実施形態の作用について説明する。
なお、以下の説明において、「モータ20、第1ラジアル軸受53、第2ラジアル軸受54、及びスラスト軸受55を冷却した後の空気」を、単に「モータ20及び第1ラジアル軸受53等を冷却した後の空気」と記載する場合もある。また、「空気供給流路70からモータ20、第1ラジアル軸受53、第2ラジアル軸受54、及びスラスト軸受55に供給される空気」を、単に「空気供給流路70からモータ20及び第1ラジアル軸受53等に供給される空気」と記載する場合もある。
【0085】
モータ20及び第1ラジアル軸受53等を冷却した後の空気は、空気還流流路74を介して第1吸入通路33へ還流される。第1吸入通路33を流れる空気の圧力は、第1インペラ室29に吸入される空気の圧力である吸入圧力である。吸入圧力は、遠心圧縮機10の仕様により一義的に決まり易いため、安定している。したがって、第1インペラ46によって圧縮されて吐出される空気の圧力である吐出圧力と、吸入圧力との差が変動し難い。このため、空気供給流路70からモータ20及び第1ラジアル軸受53等に供給される空気の流量が変動し難い。よって、空気供給流路70からモータ20及び第1ラジアル軸受53等に供給される空気の流量が安定する。
【0086】
モータ20及び第1ラジアル軸受53等を冷却した後の空気が、空気還流流路74を介して第1吸入通路33へ還流される際に、隔壁85を介した空気還流流路74を流れる空気と冷却水流路60を流れる冷却水との熱交換が行われる。ここで、隔壁85は、冷却水流路60に沿って延びている。したがって、空気還流流路74を流れる空気は、隔壁85を介して、冷却水流路60を流れる冷却水に効率良く放熱される。これにより、空気還流流路74を流れる空気が、冷却水流路60を流れる冷却水によって効率良く冷却される。そして、冷却水によって冷却された空気が、空気還流流路74を介して第1吸入通路33に還流される。したがって、モータ20及び第1ラジアル軸受53等を冷却した後の空気を、空気還流流路74を介して第1吸入通路33へ還流させても、第1吸入通路33から第1インペラ室29に吸入される空気の温度が高くなってしまうことが回避されている。よって、モータ20及び第1ラジアル軸受53等を冷却した後の空気を、空気還流流路74を介して第1吸入通路33へ還流させても、温度が高い空気を第1インペラ46によって圧縮することが回避されるため、圧縮効率が悪化してしまうことが回避されている。
【0087】
[第1実施形態の効果]
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1-1)モータ20及び第1ラジアル軸受53等を冷却した後の空気は、空気還流流路74を介して第1吸入通路33へ還流される。これによれば、空気供給流路70からモータ20及び第1ラジアル軸受53等に供給される空気の流量が変動し難い。よって、空気供給流路70からモータ20及び第1ラジアル軸受53等に供給される空気の流量を安定させることができる。その結果、空気によってモータ20及び第1ラジアル軸受53を安定的に冷却することができる。
【0088】
モータ20及び第1ラジアル軸受53等を冷却した後の空気が、空気還流流路74を介して第1吸入通路33へ還流される際に、隔壁85を介した空気還流流路74を流れる空気と冷却水流路60を流れる冷却水との熱交換が行われる。ここで、隔壁85は、冷却水流路60に沿って延びている。したがって、空気還流流路74を流れる空気は、隔壁85を介して、冷却水流路60を流れる冷却水に効率良く放熱される。これにより、空気還流流路74を流れる空気を、冷却水流路60を流れる冷却水によって効率良く冷却することができる。そして、冷却水によって冷却された空気が、空気還流流路74を介して第1吸入通路33に還流される。したがって、モータ20及び第1ラジアル軸受53等を冷却した後の空気を、空気還流流路74を介して第1吸入通路33へ還流させても、第1吸入通路33から第1インペラ室29に吸入される空気の温度が高くなってしまうことが回避されている。よって、モータ20及び第1ラジアル軸受53等を冷却した後の空気を、空気還流流路74を介して第1吸入通路33へ還流させても、温度が高い空気を第1インペラ46によって圧縮することが回避されるため、圧縮効率が悪化してしまうことが回避される。以上により、圧縮効率が悪化することを回避しつつも、空気によってモータ20及び第1ラジアル軸受53等を安定的に冷却することができる。
【0089】
(1-2)第3プレート17及び第4プレート18は、ハウジング11において、第1吸入通路33に比較的近い部分である。そして、空気延在流路75が、第3プレート17及び第4プレート18によって形成された冷却水延在流路66に沿って延びている。空気延在流路75を流れる空気は、隔壁85を介して、冷却水延在流路66を流れる冷却水に放熱される。したがって、ハウジング11において、第1吸入通路33に比較的近い部分で、空気還流流路74を流れる空気を、隔壁85を介して、冷却水流路60を流れる冷却水に放熱することができる。そして、その後、空気還流流路74を介して第1吸入通路33へ空気を還流させることができる。よって、冷却水流路60を流れる冷却水によって冷却された空気が、再び暖められてしまうことを極力抑えつつ、第1吸入通路33へ空気を還流することができる。その結果、モータ20及び第1ラジアル軸受53等を冷却した後の空気を、空気還流流路74を介して第1吸入通路33へ還流させても、第1吸入通路33から第1インペラ室29に吸入される空気の温度が高くなってしまうことが回避され易くなる。したがって、モータ20及び第1ラジアル軸受53等を冷却した後の空気を、空気還流流路74を介して第1吸入通路33へ還流させても、温度が高い空気を第1インペラ46によって圧縮することが回避され易くなる。このため、圧縮効率が悪化してしまうことが回避され易くなる。
【0090】
(1-3)第1凹部67の開口を隔壁85によって閉塞することにより、第1挿通孔24の周囲に延びる冷却水延在流路66を形成することができる。さらに、第2凹部77の開口を蓋部材80によって閉塞することにより、冷却水延在流路66に沿って延びる空気延在流路75を構成することができる。そして、空気延在流路75を流れる空気を、隔壁85を介して、冷却水延在流路66を流れる冷却水に放熱することが可能な構成とすることができる。
【0091】
(1-4)第3プレート17及び第4プレート18には、第1インペラ46によって圧縮された後の空気の熱が伝達され易い。また、第2プレート16には、第2インペラ47によって圧縮された後の空気の熱が伝達され易い。第2インペラ47は、第1インペラ46によって圧縮された後の空気を圧縮するため、第2インペラ47によって圧縮された後の空気の温度は、第1インペラ46によって圧縮された後の空気の温度よりも高くなっている。したがって、第2プレート16の温度は、第3プレート17及び第4プレート18の温度よりも高い。そこで、冷却水延在流路66を第3プレート17及び第4プレート18により形成した。よって、例えば、冷却水延在流路66が第2プレート16に形成されている場合に比べると、冷却水延在流路66を流れる冷却水の温度を低い状態に維持することができる。そして、空気延在流路75を流れる空気は、隔壁85を介して、冷却水延在流路66を流れる冷却水に放熱される。冷却水延在流路66を流れる冷却水の温度は低い状態に維持されているため、空気延在流路75を流れる空気を、隔壁85を介して、冷却水延在流路66を流れる冷却水に効率良く放熱することができる。
【0092】
そして、空気還流流路74は、モータ20及び第1ラジアル軸受53等を冷却した後の空気を第1吸入通路33へ還流させる。第1吸入通路33を流れる空気の圧力は、第2吸入通路41を流れる空気の圧力よりも低い。したがって、例えば、空気還流流路74が、モータ20及び第1ラジアル軸受53等を冷却した後の空気を第2吸入通路41へ還流させる場合に比べると、空気の還流先の空気の圧力が極力低いため、吐出圧力と空気の還流先の圧力との差が付き易い。よって、空気供給流路70からモータ20及び第1ラジアル軸受53等に供給される空気の流量を確保し易くすることができるため、空気によってモータ20及び第2ラジアル軸受54等を安定的に冷却することができる。
【0093】
(1-5)空気供給流路70を流れる空気をインタークーラ73によって冷却することができる。このため、第1インペラ46によって圧縮された空気の一部を、温度を低くした状態で、空気供給流路70からモータ20及び第1ラジアル軸受53等に供給することができる。したがって、空気供給流路70からの空気によって、モータ20及び第1ラジアル軸受53等を効率良く冷却することができる。
【0094】
(1-6)例えば、空気の排出先が大気であると、空気が大気に排出される際に、空気の排気音が生じる虞がある。しかし、本実施形態では、空気を大気に排出すること無く、空気を第1吸入配管32へ還流させるため、空気の排気音が生じることが無い。したがって、騒音の低減を図ることができる。
【0095】
(1-7)例えば、空気の排出先が大気であると、水が外部から侵入してしまう虞がある。しかし、本実施形態では、空気を大気に排出すること無く、空気を第1吸入配管32へ還流させるため、水が外部から侵入してしまうことを回避することができる。
【0096】
(1-8)例えば、空気の排出先が大気であると、配管の長さや径の大きさ等による圧力損失量は、遠心圧縮機10を含めた全体の燃料電池システム毎によって異なる。すると、大気へ排出される排出圧力も、遠心圧縮機10を含めた全体のシステム毎によって異なる。そのため、遠心圧縮機10を異なる燃料電池システムに搭載すると、第1インペラ46によって圧縮されて吐出される空気の圧力である吐出圧力と大気へ排出される排出圧力との差は、燃料電池システム毎によって異なってくる。吐出圧力と排出圧力との差が異なると、空気供給流路70からモータ20及び第1ラジアル軸受53等に供給される空気の流量も異なってくる。したがって、モータ20及び第1ラジアル軸受53等に供給される空気の流量を燃料電池システム毎に、個別に調整せざるを得なくなる虞がある。しかし、本実施形態では、空気を第1吸入通路33へ還流させるだけで、空気供給流路70からモータ20及び第1ラジアル軸受53等に供給される空気の流量が安定する。したがって、空気供給流路70からモータ20及び第1ラジアル軸受53等に供給される空気の流量を安定させるために、燃料電池システム側の構成や空気供給流路70の構成等を変更する必要が無い。
【0097】
(1-9)空気を第1吸入通路33へ還流させるため、第1吸入通路33から第1インペラ室29に吸入される空気の流量を把握することにより、燃料電池スタック39への空気の供給量を容易に推定することができる。
【0098】
(1-10)モータ20及び第1ラジアル軸受53等を冷却した後の空気を、空気還流流路74を介して第1吸入通路33へ還流させても、第1吸入通路33から第1インペラ室29に吸入される空気の温度が高くなってしまうことが回避されている。したがって、空気に含まれる酸素の密度が低下して、燃料電池スタック39へ供給される空気に含まれる酸素が少なくなってしまうことを抑制することができる。よって、燃料電池スタック39での発電効率の低下を抑制することができる。
【0099】
[第2実施形態]
以下、遠心圧縮機を具体化した第2実施形態を
図4及び
図5にしたがって説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した第1実施形態と同一構成について同一符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。第2実施形態では、冷却水延在流路及び空気還流流路の構成が、第1実施形態とは異なる。
【0100】
<冷却水延在流路90>
図4に示すように、第4プレート18は、凹部91を有している。凹部91は、第4プレート18の端面18bに形成されている。凹部91は、第1挿通孔24の周囲において、270度に亘って延びるように第4プレート18の端面18bに形成されている。凹部91は、第1挿通孔24の周囲に延びている。凹部91の開口は、第1プレート15によって閉塞されている。第1プレート15と第4プレート18との間は、シール部材92によってシールされている。そして、凹部91と第1プレート15とによって、冷却水延在流路90が区画されている。冷却水延在流路90は、第1挿通孔24の周囲において、270度に亘って延びている。
【0101】
したがって、第4プレート18は、冷却水延在流路90を形成するとともに第1挿通孔24の周囲に延びる凹部91を有する第1ハウジング構成体である。第1プレート15は、凹部91の開口を閉塞して凹部91と共に冷却水延在流路90を区画する第2ハウジング構成体である。第1仕切壁は、第1ハウジング構成体と、第2ハウジング構成体と、を有している。このように、冷却水延在流路90は、第1仕切壁に形成されるとともに第1挿通孔24の周囲に延びている。
【0102】
冷却水延在流路90の第1端は、第1接続流路69aに接続されている。冷却水延在流路90の第1端に対して、例えば、第1挿通孔24の周囲で180度離れた部分は、第2接続流路69bに接続されている。そして、第2水路62を流れる冷却水の一部は、第1接続流路69aを介して冷却水延在流路90の第1端に流れ込む。冷却水延在流路90は、第2水路62から流れ込む冷却水によって満たされる。そして、冷却水延在流路90を流れる冷却水は、第2接続流路69bを介して第2水路62へ還流される。
【0103】
<空気還流流路93及び空気延在流路94>
第1プレート15には、貫通孔95が形成されている。貫通孔95は、第1プレート15を厚み方向に貫通している。貫通孔95の第1端は、モータ室19内に連通している。貫通孔95の第2端は、冷却水延在流路90に連通している。
【0104】
図4及び
図5に示すように、遠心圧縮機10は、空気延在流路94を構成するパイプ部材96を備えている。パイプ部材96は、延在部96aと、導入部96bと、排出部96cと、を有している。延在部96aは、冷却水延在流路90の内側を通過する。延在部96aは、冷却水延在流路90に沿って延びている。延在部96aは、第1挿通孔24の周囲において、270度に亘って延びるように冷却水延在流路90の内側に配置されている。延在部96aは、冷却水延在流路90の内側を通過することにより空気延在流路94を構成している。したがって、パイプ部材96は、冷却水延在流路90の内側を通過し、空気延在流路94を構成する。空気延在流路94は、第1挿通孔24の周囲において、270度に亘って延びている。
【0105】
導入部96bは、真っ直ぐに延びる円筒状である。導入部96bは、延在部96aの第1端に接続されている。導入部96bは、貫通孔95内に挿入されている。導入部96bと貫通孔95との間には、シール部材97が設けられている。シール部材97は、導入部96bと貫通孔95との間をシールしている。導入部96bは、モータ室19内に連通している。導入部96bは、モータ室19内と空気延在流路94とを接続している。
【0106】
排出部96cは、真っ直ぐに延びる円筒状である。排出部96cは、延在部96aの第2端に接続されている。
図4に示すように、空気還流流路93は、還流路98を有している。還流路98は、第4プレート18及び第1コンプレッサハウジング13を貫通して第1吸入配管32内に接続されている。還流路98の第1端は、排出部96cに連通している。還流路98の第2端は、第1吸入配管32内に連通している。
【0107】
モータ室19内の空気は、導入部96bの内側、空気延在流路94、排出部96cの内側、及び還流路98を介して第1吸入配管32内に還流される。導入部96bの内側、空気延在流路94、排出部96cの内側、及び還流路98は、モータ20、第1ラジアル軸受53、第2ラジアル軸受54、及びスラスト軸受55を冷却した後の空気を第1吸入通路33へ還流させる空気還流流路93を構成している。
【0108】
空気延在流路94は、空気還流流路93のうち、冷却水延在流路90に沿って延びる部分である。したがって、空気還流流路93の一部分は、冷却水流路60に沿って延びている。
【0109】
<隔壁99>
延在部96aの壁部は、冷却水延在流路90に沿って延びて空気延在流路94と冷却水延在流路90とを隔てる隔壁99である。したがって、パイプ部材96における冷却水延在流路90の内側を通過する部分の壁部は、隔壁99を構成している。
【0110】
隔壁99は、空気延在流路94を流れる空気と冷却水延在流路90を流れる冷却水との熱交換を行う。このように、遠心圧縮機10は、冷却水流路60に沿って延びて空気還流流路93と冷却水流路60とを隔てるとともに空気還流流路93を流れる空気と冷却水流路60を流れる冷却水との熱交換を行う隔壁99を備えている。空気延在流路94を流れる空気は、隔壁99を介して、冷却水延在流路90を流れる冷却水に放熱される。したがって、空気還流流路93を流れる空気は、隔壁99を介して、冷却水流路60を流れる冷却水に放熱される。
【0111】
[第2の実施形態の効果]
第2実施形態では、第1実施形態の効果(1-3)を除く全ての効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
【0112】
(2-1)凹部91の開口を第1プレート15によって閉塞することにより、第1挿通孔24の周囲に延びる冷却水延在流路90を形成することができる。さらに、パイプ部材96を冷却水延在流路90の内側へ通過させることにより、冷却水延在流路90に沿って延びる空気延在流路94をパイプ部材96により構成することができる。そして、パイプ部材96における冷却水延在流路90の内側を通過する部分の壁部が、隔壁99を構成している。これにより、空気延在流路94を流れる空気を、隔壁99を介して、冷却水延在流路90を流れる冷却水に放熱することが可能な構成とすることができる。
【0113】
[変更例]
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0114】
○ 第1実施形態において、冷却水延在流路66が第2挿通孔27の周囲に延びるように第2プレート16に形成されていてもよい。そして、空気延在流路75が、第2プレート16の内部で冷却水延在流路66に沿って延びていてもよい。
【0115】
○ 第1実施形態において、空気還流流路74は、冷却水流路60に沿って延びていれば、ハウジング11に対して設けられる位置は特に限定されるものではない。要は、空気還流流路74は、モータ20及び第1ラジアル軸受53等を冷却した後の空気を第1吸入通路33又は第2吸入通路41へ還流させるとともに冷却水流路60に沿って延びていればよい。そして、空気還流流路74と冷却水流路60とを隔てる隔壁85が、冷却水流路60に沿って延びており、空気還流流路74を流れる空気が、隔壁85を介して、冷却水流路60を流れる冷却水に放熱される構成であればよい。
【0116】
○ 第2実施形態において、冷却水延在流路90が第2挿通孔27の周囲に延びるように第2プレート16に形成されていてもよい。そして、遠心圧縮機10は、冷却水延在流路90の内側を通過し、空気延在流路94を構成するパイプ部材96を備えていてもよい。
【0117】
○ 第1実施形態において、第1凹部67は、第1挿通孔24の周囲において、270度に亘って延びていなくてもよい。したがって、冷却水延在流路66は、第1挿通孔24の周囲において、270度に亘って延びていなくてもよい。そして、空気延在流路75も、第1挿通孔24の周囲において、270度に亘って延びていなくてもよい。要は、空気延在流路75は、冷却水延在流路66に沿って延びていればよい。
【0118】
○ 第2実施形態において、凹部91は、第1挿通孔24の周囲において、270度に亘って延びていなくてもよい。したがって、冷却水延在流路90は、第1挿通孔24の周囲において、270度に亘って延びていなくてもよい。そして、空気延在流路94も、第1挿通孔24の周囲において、270度に亘って延びていなくてもよい。要は、空気延在流路94は、冷却水延在流路90に沿って延びていればよい。
【0119】
○ 上記各実施形態において、ハウジング11に対するインタークーラ73の配置位置は特に限定されるものではない。
○ 上記各実施形態において、第1インペラ46によって圧縮された空気の温度が、モータ20及び第1ラジアル軸受53等を冷却可能な温度であれば、遠心圧縮機10は、インタークーラ73を備えていない構成であってもよい。
【0120】
○ 上記各実施形態において、空気供給流路70は、第2インペラ47によって圧縮された空気の一部をモータ20及び第1ラジアル軸受53等に供給してもよい。そして、空気還流流路74,93は、モータ20及び第1ラジアル軸受53等を冷却した後の空気を第2吸入通路41へ還流させてもよい。
【0121】
○ 上記各実施形態において、遠心圧縮機10は、第2インペラ47を備えていない構成であってもよい。
○ 上記各実施形態において、遠心圧縮機10は、第2インペラ47に代えて、タービンホイールを備えている構成であってもよい。
【0122】
○ 上記各実施形態において、遠心圧縮機10は、燃料電池車に搭載されていなくてもよい。要は、遠心圧縮機10は、車両に搭載されるものに限定されるものではない。
上記実施形態は、以下の付記に記載する構成を含む。
【0123】
<付記1>
回転軸と、
前記回転軸を回転可能に支持する軸受と、
前記回転軸を回転させるモータと、
前記回転軸と一体的に回転することで空気を圧縮するインペラと、
前記インペラを収容するインペラ室、及び前記モータを収容するモータ室を有するハウジングと、
前記インペラ室に空気を吸入する吸入通路と、
前記モータ及び前記軸受を冷却する冷却水が流れる冷却水流路と、
前記インペラによって圧縮された空気の一部を前記モータ及び前記軸受に供給し、前記モータ及び前記軸受を冷却する空気供給流路と、を備えている遠心圧縮機であって、
前記冷却水流路に沿って延び、前記モータ及び前記軸受を冷却した後の空気を前記吸入通路へ還流させる空気還流流路と、
前記冷却水流路に沿って延びて前記空気還流流路と前記冷却水流路とを隔てるとともに前記空気還流流路を流れる空気と前記冷却水流路を流れる冷却水との熱交換を行う隔壁と、を備え、
前記空気還流流路を流れる空気は、前記隔壁を介して、前記冷却水流路を流れる冷却水に放熱されることを特徴とする遠心圧縮機。
【0124】
<付記2>
前記ハウジングは、前記インペラ室と前記モータ室とを仕切るとともに前記回転軸が挿通される挿通孔が形成されている仕切壁を有し、
前記冷却水流路は、前記仕切壁に形成されるとともに前記挿通孔の周囲に延びる冷却水延在流路を有し、
前記空気還流流路は、前記仕切壁の内部で前記冷却水延在流路に沿って延びる空気延在流路を有し、
前記隔壁は、前記冷却水延在流路に沿って延びて前記空気延在流路と前記冷却水延在流路とを隔てるとともに前記空気延在流路を流れる空気と前記冷却水延在流路を流れる冷却水との熱交換を行い、
前記空気延在流路を流れる空気は、前記隔壁を介して、前記冷却水延在流路を流れる冷却水に放熱されることを特徴とする<付記1>に記載の遠心圧縮機。
【0125】
<付記3>
前記仕切壁は、
前記冷却水延在流路を形成するとともに前記挿通孔の周囲に延びる第1凹部を有する第1ハウジング構成体と、
前記空気延在流路を形成し、前記挿通孔の周囲に延びる第2凹部を有するとともに前記隔壁を有し、前記隔壁によって前記第1凹部の開口を閉塞して前記第1凹部と共に前記冷却水延在流路を区画する第2ハウジング構成体と、
前記第2凹部の開口を閉塞して前記第2凹部と共に前記空気延在流路を区画する蓋部材と、を有していることを特徴とする<付記2>に記載の遠心圧縮機。
【0126】
<付記4>
前記仕切壁は、
前記冷却水延在流路を形成するとともに前記挿通孔の周囲に延びる凹部を有する第1ハウジング構成体と、
前記凹部の開口を閉塞して前記凹部と共に前記冷却水延在流路を区画する第2ハウジング構成体と、を有し、
前記冷却水延在流路の内側を通過し、前記空気延在流路を構成するパイプ部材を備え、
前記パイプ部材における前記冷却水延在流路の内側を通過する部分の壁部は、前記隔壁を構成していることを特徴とする<付記2>に記載の遠心圧縮機。
【0127】
<付記5>
前記インペラは、
空気を圧縮する第1インペラと、
前記第1インペラによって圧縮された後の空気を圧縮する第2インペラと、を含み、
前記インペラ室は、
前記第1インペラを収容する第1インペラ室と、
前記第2インペラを収容する第2インペラ室と、を含み、
前記吸入通路は、
前記第1インペラ室に空気を吸入する第1吸入通路と、
前記第2インペラ室に空気を吸入する第2吸入通路と、を含み、
前記仕切壁は、
前記第1インペラ室と前記モータ室とを仕切る第1仕切壁と、
前記第2インペラ室と前記モータ室とを仕切る第2仕切壁と、を含み、
前記挿通孔は、
前記第1仕切壁に形成されるとともに前記回転軸が挿通される第1挿通孔と、
前記第2仕切壁に形成されるとともに前記回転軸が挿通される第2挿通孔と、を含み、
前記冷却水延在流路は、前記第1仕切壁に形成されるとともに前記第1挿通孔の周囲に延びており、
前記空気延在流路は、前記第1仕切壁の内部で前記冷却水延在流路に沿って延びており、
前記空気還流流路は、前記モータ及び前記軸受を冷却した後の空気を前記第1吸入通路へ還流させることを特徴とする<付記2>~<付記4>のいずれか一項に記載の遠心圧縮機。
【0128】
<付記6>
前記空気供給流路を流れる空気を冷却するインタークーラを備え、
前記空気供給流路を流れる空気は、前記インタークーラによって冷却された後、前記モータ及び前記軸受に供給されることを特徴とする<付記1>~<付記5>のいずれか一項に記載の遠心圧縮機。
【符号の説明】
【0129】
10…遠心圧縮機、11…ハウジング、15…第1プレート(仕切壁である第1仕切壁、第2実施形態の第2ハウジング構成体)、16…第2プレート(仕切壁である第2仕切壁)、17…第3プレート(仕切壁である第1仕切壁、第1実施形態の第2ハウジング構成体)、18…第4プレート(仕切壁である第1仕切壁、第1ハウジング構成体)、19…モータ室、20…モータ、24…第1挿通孔(挿通孔)、27…第2挿通孔(挿通孔)、29…第1インペラ室(インペラ室)、33…第1吸入通路(吸入通路)、35…第2インペラ室(インペラ室)、41…第2吸入通路(吸入通路)、42…回転軸、46…第1インペラ(インペラ)、47…第2インペラ(インペラ)、53…第1ラジアル軸受(軸受)、54…第2ラジアル軸受(軸受)、55…スラスト軸受(軸受)、60…冷却水流路、66,90…冷却水延在流路、67…第1凹部、70…空気供給流路、73…インタークーラ、74,93…空気還流流路、75,94…空気延在流路、77…第2凹部、80…蓋部材、85,99…隔壁、91…凹部、96…パイプ部材。