(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041452
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】袋開封装置
(51)【国際特許分類】
B65B 43/28 20060101AFI20240319BHJP
A41D 19/015 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
B65B43/28 A
A41D19/015 610Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146282
(22)【出願日】2022-09-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】000208433
【氏名又は名称】大和精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】吉村 俊輝
(72)【発明者】
【氏名】瀋 天宏
【テーマコード(参考)】
3B033
3E030
【Fターム(参考)】
3B033AA15
3B033AB09
3B033AC01
3E030AA04
3E030BA02
3E030CA03
3E030CB01
3E030EA01
(57)【要約】
【課題】 袋材の袋表部の開口縁を確実に開封できるようにする。
【解決手段】 一辺が開口縁4aとなる袋表部4と、この袋表部4の開口縁4aより外方へ延出した延出部5aが袋束材6で束ねられる袋裏部5とを有する袋材3に対して、袋表部4の開口縁4aを袋裏部5から引き離す袋開封装置であって、袋束材6で結束された結束袋材3を取り付ける袋束取付台8と、結束袋材3の表面の袋表部4に対して遠近移動可能に前記袋束取付台8に支持された操作部材9と、この操作部材9の先端に配置されていて近接移動により前記袋表部4に粘着可能な粘着部材10とを備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一辺が開口縁(4a)となる袋表部(4)と、この袋表部(4)の開口縁(4a)より外方へ延出した延出部(5a)が袋束材(6)で束ねられる袋裏部(5)とを有する袋材(3)に対して、袋表部(4)の開口縁(4a)を袋裏部(5)から引き離す袋開封装置であって、
袋束材(6)で結束された結束袋材(3)を取り付ける袋束取付台(8)と、結束袋材(3)の表面の袋表部(4)に対して遠近移動可能に前記袋束取付台(8)に支持された操作部材(9)と、この操作部材(9)の先端に配置されていて近接移動により前記袋表部(4)に粘着可能な粘着部材(10)とを備えていることを特徴とする袋開封装置。
【請求項2】
一辺が開口縁(4a)となる袋表部(4)と、この袋表部(4)の開口縁(4a)より外方へ延出した延出部(5a)が袋束材(6)で束ねられる袋裏部(5)とを有する袋材(3)に対して、袋表部(4)の開口縁(4a)を袋裏部(5)から引き離す袋開封装置であって、
立設可能なポスト(11)の上部に袋束材(6)で結束された結束袋材(3)を取り付ける袋束取付板(12)を固定した袋束取付台(8)と、
結束袋材(3)の表面の袋表部(4)に対して先端が遠近移動可能に前記袋束取付台(8)に下部が枢支された操作部材(9)と、
この操作部材(9)の先端に配置されていて近接移動により前記袋表部(4)に粘着可能な粘着部材(10)とを備えていることを特徴とする袋開封装置。
【請求項3】
前記袋束取付板(12)は、袋束材(6)の中央部(6a)を装着する装着部(12a)と、この装着部(12a)の両側で袋束材(6)の両側(6b)を中央部(6a)から押し出す押出部(12b)とを有することを特徴とする請求項2に記載の袋開封装置。
【請求項4】
前記袋束取付台(8)のポスト(11)と操作部材(9)との間に操作部材(9)を近接方向に移動する近接作動手段(14)を設けており、
ポスト(11)の下部に遠隔操作具(15)を押動動作可能に設け、この遠隔操作具(15)と操作部材(9)の下部との間に遠隔操作具(15)の押動動作で操作部材(9)を遠離移動させる連動手段(16)を設けていることを特徴とする請求項2または3に記載の袋開封装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂薄材製の袋材の袋開封装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレン等の合成樹脂で薄材に形成された袋材として、人手の形状の2枚の薄いシートを一辺の開口を残して周囲を接合した薄保護手袋(プラテック手袋)、生ものを入れておく一辺に開口を有する生もの入れ薄袋、買いもの物品を入れておく一辺に開口を有するレジ袋等があり、これらは袋材内に人手や物品を挿入するには、一辺の開口を広く開封しなければならない。
【0003】
特許文献1の使い捨て手袋の手袋束は、合成樹脂製薄材を手の形状に形成した一方の薄片とこの薄片と同一形状で手首側が延長された他方の薄片とを重ねて外周縁を溶着し、一方の薄片の手首側縁部と他方の薄片との間に開口部が形成された使い捨て手袋片を、同じ向きに重ねて延長部の延長端側を接続し、延長部の延長端側には、外部の固定側鉤部に係止される係止部が形成された掛け吊るし部を設け、この掛け吊るし部と開口部との間の延長部には、延長部の接続側と手袋部とを切り離し可能な線状の切り離し部を開口部に沿って形成するとともに、切り離し部の両端のうち少なくともいずれか一方には、素材の自重により開口部が広がるような切り込み深さを有する切り込み部を形成している(請求項1)。
【0004】
また、特許文献2の手保護バリア分出器は、各々が上端付近の内部に開口部を有する手保護バリアの山から手保護バリアを分出する手保護バリア分出器であって、前記手保護バリアの山を分出用に中に載置できる受容器を含むハウジングと、前記ハウジング中に配置され、電力を供給されると、空気を吹き出す排気口を有する電気ブロアと、前記ハウジング内に配置され、電力源に接続されて、作動されると前記電気ブロアに電力を供給し、作動されないと前記電気ブロアに電力を供給しないように構成されているスイッチ機構と、前記電気ブロアの前記排気口に操作可能に接続され、前記スイッチ機構が作動されると、前記電気ブロアから吹き出された空気を受け取り、利用者が前記利用者の手を前記手保護バリアの山の最上の前記手保護バリアの開口部を通して挿入して前記最上の前記手保護バリアを着用しやすくするために、前記最上の前記手保護バリアを開口させるように、前記吹き出された空気を前記最上の前記手保護バリアの開口部に向かわせる少なくとも一つのノズルと、前記手保護バリア分出器を操作して、前記手保護バリアを開口させる電子システムと、を備え、前記電子システムは、電子システムボードと、前記ハウジングに配置され、前記電子システムボードに電気的に接続される一つ以上のバッテリと、前記手保護バリアの山の前記最上の前記手保護バリアの前記開口部に隣接した位置に前記利用者の手が近づいたことを検出するシステムセンサとを備え、前記利用者の手が中に位置している前記最上の前記手保護バリアを、前記手保護バリアの山の残りから引き離すことによって、前記利用者によって着用された前記最上の前記手保護バリアが、前記手保護バリアの山から抜き出される(請求項1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6182777号公報
【特許文献2】特許第6031661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記前者従来技術は、切り離し部の端部に切り込み部を形成することにより、手袋片が指側を下に手首側を上にして吊り下げられた際、素材の自重により開口部が押し広げられて隙間ができるようにしているが、素材が極めて薄く、軽量であり、表裏が密着している場合は、表面素材が自重により裏面素材から分離することは期待し難く、開口部の押し広げの確率性を高めることが困難になっている。
【0007】
また、前記後者従来技術は、最上の手保護バリアの開口部に向けて空気を吹き出して、
空気圧により開口部を拡大できるようにしているが、素材が極めて薄く、軽量であり、表裏が密着している場合は、吹き出し空気は手保護バリアの表面を流動するだけであり、表面素材の開口をめくり揚げる要因を見いだすことは困難になっている。
【0008】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした袋開封装置を提供することを目的とする。
【0009】
本発明は、操作部材の先端の粘着部材を袋表部に粘着し、操作部材の遠離移動により袋表部の開口縁を開封移動させることにより、袋材を確実に開封できるようにした袋開封装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明における課題解決のための具体的手段は、一辺が開口縁4aとなる袋表部4と、この袋表部4の開口縁4aより外方へ延出した延出部5aが袋束材6で束ねられる袋裏部5とを有する袋材3に対して、袋表部4の開口縁4aを袋裏部5から引き離す袋開封装置であって、
袋束材6で結束された結束袋材3を取り付ける袋束取付台8と、結束袋材3の表面の袋表部4に対して遠近移動可能に前記袋束取付台8に支持された操作部材9と、この操作部材9の先端に配置されていて近接移動により前記袋表部4に粘着可能な粘着部材10とを備えていることを特徴とする。
【0011】
また、他の具体的手段は、一辺が開口縁4aとなる袋表部4と、この袋表部4の開口縁4aより外方へ延出した延出部5aが袋束材6で束ねられる袋裏部5とを有する袋材3に対して、袋表部4の開口縁4aを袋裏部5から引き離す袋開封装置であって、
立設可能なポスト11の上部に袋束材6で結束された結束袋材3を取り付ける袋束取付板12を固定した袋束取付台8と、
結束袋材3の表面の袋表部4に対して先端が遠近移動可能に前記袋束取付台8に下部が枢支された操作部材9と、
この操作部材9の先端に配置されていて近接移動により前記袋表部4に粘着可能な粘着部材10とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、操作部材の先端の粘着部材を袋表部に粘着して遠離移動するので、袋表部の開口縁を確実に開封移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1~7において、袋開封装置1は大別して、立設姿勢になるポスト11の上部に袋束取付板12を設けた袋束取付台8と、この袋束取付台8に支持されていて先端に粘着部材10を設けた操作部材9とを備えている。
【0016】
前記ポスト11は、内部空胴の長箱形状であり、下部に設置台11aを有し、上部の側面に袋束取付板12を固定し、上端に結束袋材3を袋束取付板12に押し付ける押さえ具20を備えている。
【0017】
1枚の袋材3は、一辺が開口縁4aとなる袋表部4と、この袋表部4の開口縁4aより外方へ延出した延出部5aを有する袋裏部5とを重合し、その重合の周縁を融着し、開口縁4aを袋裏部5から引き離すことにより開封できるようにしている。前記袋裏部5は延出部5aを容易に切り離せるように、ミシン目等の切り目が刻まれていることもある。
【0018】
そして、袋材3を多数枚積層して、延出部5aを紙または樹脂製の袋束材6で結束して
結束袋材3としており、袋束材6を固定しておいて、袋表部4及び袋裏部5の袋部分を引っ張ることにより、袋束材6に延出部5aを残したまま、袋部分を分離できる。
【0019】
袋束取付板12は平面視略台形状であり、袋束材6の中央部6aを装着する装着部12aと、この装着部12aの両側で袋束材6の両側6bを中央部6aから押し出す押出部12bとを有する。
【0020】
袋束取付板12の装着部12aの中央にはピン22が突設されている。袋束材6には中央部6aに吊るし販売用の引っ掛け孔が形成されており、結束袋材3は袋束材6の引っ掛け孔をピン22に嵌合して袋束取付板12に沿わせるように装着される。
【0021】
押さえ具20は、平板部20aの一端に下向き屈曲した押さえ部20bを有し、平板部20aに形成した長孔20cから止め具24のネジ部を挿入し、止め具24のネジ部をポスト11の上端に螺合することにより、押さえ具20をポスト11の上端に位置調整可能に固定するように構成されている。
【0022】
押さえ具20の押さえ部20bは、ピン22との衝突を回避する溝20dが形成されており、ピン22との衝突を回避した状態で袋束材6の中央部6aを袋束取付板12に押しつける。即ち、袋束取付板12の装着部12aと押さえ具20の押さえ部20bとで袋束材6の中央部6aを挟持することにより、袋束取付板12に対して結束袋材3の延出部5aを装着する。
【0023】
袋束取付板12が平面視略台形状であるが故に、押さえ具20によって袋束取付板12に押し付け装着された結束袋材3の延出部5a及び袋束材6も平面視略台形状または円弧形状となり、袋束材6は中央部6aから両端側へ袋裏部5から袋表部4側へ突出するように押し出された形状になる。
【0024】
前記操作部材9は薄板で正面視略フック形状に形成されており、先端(上端)に粘着部材10が取り替え可能に設けられ、下部が支軸26によってポスト11に枢支されていて、結束袋材3の表面の袋表部4に対して粘着部材10を遠近移動可能になっている。
【0025】
操作部材9は、粘着部材10を設けている先端(上端)からポスト離れ方向に延びそして下方に延びる回避部9aが形成され、回避部9aから下方へ延びてポスト11内に入る下部9bが形成され、この下部9bからポスト離れ方向に延びる作動部11cが形成されている。
【0026】
操作部材9とポスト11との間には、ポスト11内の中途高さ位置と操作部材9の下部9bとの間に操作部材9を近接方向に移動する近接作動手段14(引っ張りスプリング)が設けられている。
【0027】
また、ポスト11の下部の設置台11aに足踏み込みペダル形式の遠隔操作具15が設けられており、この遠隔操作具15は作動部11cの端部に載りかけられている。即ち、作動部11cは、遠隔操作具15と操作部材9の下部との間に位置し、遠隔操作具15の押動動作で操作部材9を遠離移動させる連動手段16を構成している。
【0028】
操作部材9は下部9bが支軸26によってポスト11に枢支されていて、回避部9aを人手で持って揺動することができ、揺動することにより、ポスト11の上部に対してまた結束袋材3に対して粘着部材10を遠近移動することができる。
【0029】
操作部材9の回避部9aは、粘着部材10の下方で結束袋材3の袋表部4に対向しているので、粘着部材10の遠離移動で開口縁4aを開封した後、袋部分に人手または物品を挿入するのに妨害しないように退避している。
【0030】
粘着部材10はポリウレタン等の粘着性のある合成樹脂であり、袋表部4の開口縁4a近くに一定面積で面接触するだけで粘着し、粘着部材10をポスト11から離れる方向に移動すると開口縁4aの中央部を袋裏部5から引き離す。粘着部材10は袋表部4に粘着していても、袋表部4及び袋表部4の開口縁4aの袋部分を引っ張って延出部5aから切るときには、粘着部材10からも分離される。
【0031】
前記袋開封装置1の使用方法は、ポスト11の上部の袋束取付板12に袋束材6で結束された結束袋材3を取り付けておいて、操作部材9の先端の粘着部材10を袋材3の袋表部4の開口縁4a近くに粘着しておき、遠隔操作具15を人足で踏み込んで(押動して)連動手段16を介して操作部材9を揺動させ、粘着部材10を遠離移動させ、袋表部4の
開口縁4aを袋裏部5から引き離し、袋材3を開封状態にし、その状態で袋材3の開口に上から人手または物品を挿入し、そのまま下方へ移動して、袋材3を延出部5aから切り離しかつ粘着部材10から離脱させる。1枚の袋材3を取り出した後に遠隔操作具15の押動を解消すると、操作部材9は近接作動手段14の作用により戻り揺動し、先端の粘着部材10を後続の袋材3の袋表部4に粘着させる。
【0032】
前記袋開封装置1の各部は種々変形することができる。例えば、
(1)ポスト11は卓上に載置可能な背丈にし、遠隔操作具15を人手で押動操作可能にする、
(2)袋束取付台8は袋束取付板12を平面視円弧形状の板または直線形状の板で形成する、
(3)押さえ具20の代わりに、袋束取付板12と結束袋材3の袋束材6とを同時に挟持するクリップを用いる(吊るし販売用の引っ掛け孔が形成されていない結束袋材3の袋束材6を袋束取付板12に装着できるようにする)、
(4)操作部材9の下部の作動部11cを割愛し、操作部材9の中途部と遠隔操作具15とをリンクで連結し、このリンクを連動手段16とする、または、操作部材9をモータ又はソレノイド等の駆動装置で揺動可能にし、遠隔操作具15で駆動装置をオン・オフ操作する、
(5)操作部材9をポスト11に水平移動可能に支持し、近接作動手段14を割愛し、操作部材9を手動で水平移動して、先端の粘着部材10を結束袋材3に対して遠近移動させる、
(6)
図1~5において、遠隔操作具15のペダルはポスト11の前面側に配置されているが、このペダルをポスト11の背面側又は側面側に配置する、
等に構成することが可能である。
【0033】
前述した実施形態においては、袋開封装置1は、一辺が開口縁4aとなる袋表部4と、この袋表部4の開口縁4aより外方へ延出した延出部5aが袋束材6で束ねられる袋裏部5とを有する袋材3に対して、袋表部4の開口縁4aを袋裏部5から引き離す袋開封装置であって、袋束材6で結束された結束袋材3を取り付ける袋束取付台8と、結束袋材3の表面の袋表部4に対して遠近移動可能に前記袋束取付台8に支持された操作部材9と、この操作部材9の先端に配置されていて近接移動により前記袋表部4に粘着可能な粘着部材10とを備えている。
【0034】
この構成によって、操作部材9の先端の粘着部材10を袋表部4に粘着し、操作部材9の遠離移動により袋表部4の開口縁4aを開封移動させることにより、袋材3を確実に開封できる。
【0035】
また、前記実施形態においては、袋開封装置1は、一辺が開口縁4aとなる袋表部4と、この袋表部4の開口縁4aより外方へ延出した延出部5aが袋束材6で束ねられる袋裏部5とを有する袋材3に対して、袋表部4の開口縁4aを袋裏部5から引き離す袋開封装置であって、立設可能なポスト11の上部に袋束材6で結束された結束袋材3を取り付ける袋束取付板12を固定した袋束取付台8と、結束袋材3の表面の袋表部4に対して先端が遠近移動可能に前記袋束取付台8に下部が枢支された操作部材9と、この操作部材9の先端に配置されていて近接移動により前記袋表部4に粘着可能な粘着部材10とを備えている。
【0036】
この構成によって、操作部材9の先端の粘着部材10を袋表部4に粘着し、操作部材9の遠離移動により袋表部4の開口縁4aを開封移動させることにより、袋材3を確実に開封できる。
【0037】
さらに、前記実施形態においては、袋束取付板12は、袋束材6の中央部6aを装着する装着部12aと、この装着部12aの両側で袋束材6の両側6bを中央部6aから押し出す押出部12bとを有する。
【0038】
この構成によって、袋束材6は袋束取付板12に装着された状態で、中央部6aから両側6bが突出した湾曲形状になるので、袋表部4の開口縁4aが遠離移動したときに円形に近い大きな開口が形成されることになり、人手または物品等を挿入し易くなる。
【0039】
さらにまた、前記実施形態においては、袋束取付台8のポスト11と操作部材9との間に操作部材9を近接方向に移動する近接作動手段14を設けており、ポスト11の下部に遠隔操作具15を押動動作可能に設け、この遠隔操作具15と操作部材9の下部との間に遠隔操作具15の押動動作で操作部材9を遠離移動させる連動手段16を設けている。
【0040】
この構成によって、操作部材9を直接人手で操作するのに代えて、遠隔操作具15を押動操作することにより、操作部材9を遠近移動させることができる。
【0041】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、部材の形状、構成及び組み合わせ等を変更したりすることもできる。
【符号の説明】
【0042】
1 袋開封装置
3 袋材、結束袋材
4 袋表部
4a 開口縁
5 袋裏部
5a 延出部
6 袋束材
6a 中央部
6b 両側
8 袋束取付台
9 操作部材
9a 回避部
9b 下部
10 粘着部材
11 ポスト
11a 設置台
11c 作動部
12 袋束取付板
12a 装着部
12b 押出部
14 近接作動手段
15 遠隔操作具
16 連動手段
20 押さえ具
20a 平板部
20b 押さえ部
20c 長孔
20d 溝
22 ピン
24 止め具
26 支軸
【手続補正書】
【提出日】2023-06-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一辺が開口縁(4a)となる人手形状の袋表部(4)と、この袋表部(4)の開口縁(4a)より外方へ延出した延出部(5a)が袋束材(6)で束ねられる人手形状の袋裏部(5)とを有する人手形状の袋材(3)に対して、袋表部(4)の開口縁(4a)を袋裏部(5)から引き離す袋開封装置であって、
下部の設置台(11a)から立設したポスト(11)と、
このポスト(11)の上部に袋束材(6)で結束された結束袋材(3)を親指側を装置背面側に向くようにして取り付ける袋束取付板(12)を固定した袋束取付台(8)と、
ポスト(11)に枢支されていてポスト(11)の前面側から見て左右方向に揺動することによりその上部先端が結束袋材(3)の表面の袋表部(4)に対して遠近移動する操作部材(9)と、
この操作部材(9)の上部先端に配置されていて近接移動により前記袋表部(4)に粘着可能な粘着部材(10)と、
前記ポスト(11)の前面側であって設置台(11a)に前後方向の足踏み込み可能に設けられた遠隔操作具(15)と、
この遠隔操作具(15)と操作部材(9)との間に設けられていて遠隔操作具(15)の足踏み込みで操作部材(9)の上部先端を左右方向揺動でかつ袋束取付板(12)から遠離移動させる連動手段(16)とを備えていることを特徴とする袋開封装置。
【請求項2】
前記袋束取付板(12)の中央には結束袋材(3)の袋束材(6)の引っ掛け孔を嵌合するピン(22)が突設され、ポスト(11)の上端には、ピン(22)に嵌合した袋束材(6)の幅方向中央を袋束取付板(12)に押し付ける押さえ具(20)が止め具(24)を介して固定されていることを特徴とする請求項1に記載の袋開封装置。
【請求項3】
前記袋束取付板(12)は、袋束材(6)の中央部(6a)をピン(22)及び押さえ具(20)を介して装着する装着部(12a)と、この装着部(12a)の両側で袋束材(6)の両側(6b)を押さえ具(20)で押さえられる中央部(6a)から押し出す押出部(12b)とを有することを特徴とする請求項2に記載の袋開封装置。
【請求項4】
前記ポスト(11)は内部空胴に形成されており、
前記操作部材(9)は粘着部材(10)を設けている上部先端からポスト離れ方向に延びそして下方に延びる回避部(9a)が形成され、回避部(9a)から下方へ延びてポスト(11)内に入る下部(9b)が形成され、この下部(9b)からポスト離れ方向に延びる作動部(11c)が形成されており、
前記ポスト(11)の空胴内部に操作部材(9)を近接方向に移動する近接作動手段(14)が設けられており、
操作部材(9)の下部(9b)は前後方向の支軸(26)によってポスト(11)に左右方向揺動可能に枢支されており、
前記作動部(11c)は、遠隔操作具(15)と操作部材(9)の下部(9b)との間に位置し、遠隔操作具(15)の足踏み込みで操作部材(9)を左右方向揺動させる連動手段(16)を構成していることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の袋開封装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明における課題解決のための具体的手段は、一辺が開口縁4aとなる人手形状の袋表部4と、この袋表部4の開口縁4aより外方へ延出した延出部5aが袋束材6で束ねられる人手形状の袋裏部5とを有する人手形状の袋材3に対して、袋表部4の開口縁4aを袋裏部5から引き離す袋開封装置であって、
下部の設置台11aから立設したポスト11と、
このポスト11の上部に袋束材6で結束された結束袋材3を親指側を装置背面側に向くようにして取り付ける袋束取付板12を固定した袋束取付台8と、
ポスト11に枢支されていてポスト11の前面側から見て左右方向に揺動することによりその上部先端が結束袋材3の表面の袋表部4に対して遠近移動する操作部材9と、
この操作部材9の上部先端に配置されていて近接移動により前記袋表部4に粘着可能な粘着部材10と、
前記ポスト11の前面側であって設置台11aに前後方向の足踏み込み可能に設けられた遠隔操作具15と、
この遠隔操作具15と操作部材9との間に設けられていて遠隔操作具15の足踏み込みで操作部材9の上部先端を左右方向揺動でかつ袋束取付板12から遠離移動させる連動手段16とを備えていることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
また、他の具体的手段は、前記袋束取付板12の中央には結束袋材3の袋束材6の引っ掛け孔を嵌合するピン22が突設され、ポスト11の上端には、ピン22に嵌合した袋束材6の幅方向中央を袋束取付板12に押し付ける押さえ具20が止め具24を介して固定されていることを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明によれば、操作部材の先端の粘着部材を袋表部に粘着して遠離移動するので、袋表部の開口縁を確実に開封移動させることができる。特に、袋材が人手形状である場合、
親指側が装置背面側に向くようにして袋束取付板に取り付けて、装置前面側から遠隔操作具を前後方向に足踏み込んで、手を使わずに操作部材を移動して袋材を開封し、右手、左手を片方ずつ、親指を装置背面側に向けながら袋材に挿入し、かつ下方移動することができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一辺が開口縁(4a)となる人手形状の袋表部(4)と、この袋表部(4)の開口縁(4a)より外方へ延出した延出部(5a)が袋束材(6)で束ねられる人手形状の袋裏部(5)とを有する人手形状の袋材(3)に対して、袋表部(4)の開口縁(4a)を袋裏部(5)から引き離す袋開封装置であって、
下部の設置台(11a)から立設したポスト(11)と、
このポスト(11)の上部に袋束材(6)で結束された結束袋材(3)を親指側をポスト(11)の前面側と反対の後方に向くようにして取り付ける袋束取付板(12)を固定した袋束取付台(8)と、
ポスト(11)に枢支されていてポスト(11)の前面側から見て左右方向に揺動することによりその上部先端が結束袋材(3)の表面の袋表部(4)に対して遠近移動する操作部材(9)と、
この操作部材(9)の上部先端に配置されていて近接移動により前記袋表部(4)に粘着可能な粘着部材(10)と、
前記ポスト(11)の前面側であって設置台(11a)に、足踏み込み可能に設けられた遠隔操作具(15)と、
この遠隔操作具(15)と操作部材(9)との間に設けられていて遠隔操作具(15)の足踏み込みで操作部材(9)の上部先端を左右方向揺動でかつ袋束取付板(12)から遠離移動させる連動手段(16)とを備えていることを特徴とする袋開封装置。
【請求項2】
前記袋束取付板(12)の中央には結束袋材(3)の袋束材(6)の引っ掛け孔を嵌合するピン(22)が突設され、ポスト(11)の上端には、ピン(22)に嵌合した袋束材(6)の幅方向中央を袋束取付板(12)に押し付ける押さえ具(20)が止め具(24)を介して固定されていることを特徴とする請求項1に記載の袋開封装置。
【請求項3】
前記袋束取付板(12)は、袋束材(6)の中央部(6a)をピン(22)及び押さえ具(20)を介して装着する装着部(12a)と、この装着部(12a)の両側で袋束材(6)の両側(6b)を押さえ具(20)で押さえられる中央部(6a)から押し出す押出部(12b)とを有することを特徴とする請求項2に記載の袋開封装置。
【請求項4】
前記ポスト(11)は内部空胴に形成されており、
前記操作部材(9)は粘着部材(10)を設けている上部先端からポスト離れ方向に延びそして下方に延びる回避部(9a)が形成され、回避部(9a)から下方へ延びてポスト(11)内に入る下部(9b)が形成され、この下部(9b)からポスト離れ方向に延びる作動部(11c)が形成されており、
前記ポスト(11)の空胴内部に操作部材(9)を近接方向に移動する近接作動手段(14)が設けられており、
操作部材(9)の下部(9b)は前後方向の支軸(26)によってポスト(11)に左右方向揺動可能に枢支されており、
前記作動部(11c)は、遠隔操作具(15)と操作部材(9)の下部(9b)との間に位置し、遠隔操作具(15)の足踏み込みで操作部材(9)を左右方向揺動させる連動手段(16)を構成していることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の袋開封装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明における課題解決のための具体的手段は、一辺が開口縁4aとなる人手形状の袋表部4と、この袋表部4の開口縁4aより外方へ延出した延出部5aが袋束材6で束ねられる人手形状の袋裏部5とを有する人手形状の袋材3に対して、袋表部4の開口縁4aを袋裏部5から引き離す袋開封装置であって、
下部の設置台11aから立設したポスト11と、
このポスト11の上部に袋束材6で結束された結束袋材3を親指側をポスト(11)の前面側と反対の後方に向くようにして取り付ける袋束取付板12を固定した袋束取付台8と、
ポスト11に枢支されていてポスト11の前面側から見て左右方向に揺動することによりその上部先端が結束袋材3の表面の袋表部4に対して遠近移動する操作部材9と、
この操作部材9の上部先端に配置されていて近接移動により前記袋表部4に粘着可能な粘着部材10と、
前記ポスト11の前面側であって設置台11aに、足踏み込み可能に設けられた遠隔操作具15と、
この遠隔操作具15と操作部材9との間に設けられていて遠隔操作具15の足踏み込みで操作部材9の上部先端を左右方向揺動でかつ袋束取付板12から遠離移動させる連動手段16とを備えていることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明によれば、操作部材の先端の粘着部材を袋表部に粘着して遠離移動するので、袋表部の開口縁を確実に開封移動させることができる。特に、袋材が人手形状である場合、親指側がポストの前面側と反対の後方に向くようにして袋束取付板に取り付けて、ポストの前面側から遠隔操作具を人足で踏み込んで、手を使わずに操作部材を移動して袋材を開封し、右手、左手を片方ずつ、親指を後方に向けながら袋材に挿入し、かつ下方移動することができる。