(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041472
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】包材発注管理装置、及び、包材発注管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240319BHJP
【FI】
G06Q30/06 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146306
(22)【出願日】2022-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100169063
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100212026
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真生
(72)【発明者】
【氏名】南 浩紀
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 徹
(72)【発明者】
【氏名】八城 順平
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB58
(57)【要約】
【課題】ユーザの利便性を向上させる。
【解決手段】包材発注管理装置は、発注者端末からの包材の作成に係る注文を、インターネットを介して受け付ける装置である。この装置は、複数のフォーマットデータの中から、上記注文に関する1つの包材に対応付けられた指定フォーマットデータを発注者端末に対して提供する情報提供部と、指定フォーマットデータを含み、包材の印刷面に対するデザインを表す印刷データを取得する印刷データ取得部と、を備える。情報提供部は、発注者端末での発注者の操作による指示を受けた場合に、発注者に対して過去に提供されたフォーマットデータの履歴を示す履歴情報を含む履歴画面を、発注者端末に表示させ、履歴画面での発注者の操作による指示を受けた場合に、履歴情報の中から、履歴画面への発注者による操作に基づき特定されるフォーマットデータを発注者端末に提供する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発注者が操作する発注者端末からの包材の作成に係る注文を、インターネットを介して受け付ける包材発注管理装置であって、
複数種の包材にそれぞれ対応付けられた複数のフォーマットデータの中から、前記注文に関する1つの包材に対応付けられた指定フォーマットデータを前記発注者端末に対して提供する情報提供部と、
前記指定フォーマットデータを含み、前記注文に関する1つの包材の印刷面に対するデザインを表す印刷データを取得する印刷データ取得部と、
前記印刷データと前記注文の内容を示す情報とを含む包材作成指示を、印刷機が含まれる製造部門に対して送信する包材作成指示部と、を備え、
前記情報提供部は、
前記発注者端末での前記発注者の操作による指示を受けた場合に、前記発注者を識別する情報に対応付けられ、前記複数のフォーマットデータのうちの前記発注者に対して過去に提供されたフォーマットデータの履歴を示す履歴情報を含む履歴画面を、前記発注者端末に表示させ、
前記履歴画面での前記発注者の操作による指示を受けた場合に、前記履歴情報の中から、前記履歴画面への前記発注者による操作に基づき特定されるフォーマットデータを前記指定フォーマットデータとして前記発注者端末に提供する、包材発注管理装置。
【請求項2】
前記情報提供部は、前記複数のフォーマットデータのうちの前記発注者に対して過去に提供されたフォーマットデータである2以上の提供フォーマットデータそれぞれを示す情報が、前記発注者による過去の注文履歴に基づく順序で並ぶように、前記履歴画面を前記発注者端末に表示させる、請求項1に記載の包材発注管理装置。
【請求項3】
前記複数のフォーマットデータそれぞれは、包材の型番、包材の形状、包材のサイズ、並びに、包材の形状及びサイズの組合せのうちのいずれか1つを示す特定情報に対応付けられており、
前記発注者端末に表示された前記履歴画面では、前記発注者による過去の注文履歴に含まれる前記特定情報ごとの注文の頻度に基づく順序で、前記2以上の提供フォーマットデータそれぞれを示す情報が並んでいる、請求項2に記載の包材発注管理装置。
【請求項4】
前記情報提供部は、過去の注文において前記指定フォーマットデータに追加されたデザイン要素を表すデータを、前記指定フォーマットデータと共に前記発注者端末に対して提供可能である、請求項1~3のいずれか一項に記載の包材発注管理装置。
【請求項5】
発注者が操作する発注者端末からの包材の作成に係る注文を、インターネットを介して受け付ける包材発注管理方法であって、
複数種の包材にそれぞれ対応付けられた複数のフォーマットデータの中から、前記注文に関する1つの包材に対応付けられた指定フォーマットデータを前記発注者端末に対して提供する提供ステップと、
前記指定フォーマットデータを含み、前記注文に関する1つの包材の印刷面に対するデザインを表す印刷データを取得する取得ステップと、
前記印刷データと前記注文の内容を示す情報とを含む包材作成指示を、印刷機が含まれる製造部門に対して送信する送信ステップと、を含み、
前記提供ステップは、
前記発注者端末での前記発注者の操作による指示を受けた場合に、前記発注者を識別する情報に対応付けられ、前記複数のフォーマットデータのうちの前記発注者に対して過去に提供されたフォーマットデータの履歴を示す履歴情報を含む履歴画面を、前記発注者端末に表示させることと、
前記履歴画面での前記発注者の操作による指示を受けた場合に、前記履歴情報の中から、前記履歴画面への前記発注者による操作に基づき特定されるフォーマットデータを前記指定フォーマットデータとして前記発注者端末に提供することと、を含む、包材発注管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、包材発注管理装置、及び、包材発注管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットを介した発注者端末からの発注信号に基づいて、受注、印刷、納品手配を行うオンラインプリントシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、ECサイト等を利用したオンラインによる商取引(オンライン取引)が広がっており、ユーザが指定するデザインが印刷された包材もオンラインによる注文の対象とすることが検討されている。本開示は、ユーザの利便性を向上させるのに有用な包材発注管理装置、及び、包材発注管理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]本開示の一側面に係る包材発注管理装置は、発注者が操作する発注者端末からの包材の作成に係る注文を、インターネットを介して受け付ける装置である。この包材発注管理装置は、複数種の包材にそれぞれ対応付けられた複数のフォーマットデータの中から、上記注文に関する1つの包材に対応付けられた指定フォーマットデータを発注者端末に対して提供する情報提供部と、指定フォーマットデータを含み、注文に関する1つの包材の印刷面に対するデザインを表す印刷データを取得する印刷データ取得部と、印刷データと上記注文の内容を示す情報とを含む包材作成指示を、印刷機が含まれる製造部門に対して送信する包材作成指示部と、を備える。情報提供部は、発注者端末での発注者の操作による指示を受けた場合に、発注者を識別する情報に対応付けられ、複数のフォーマットデータのうちの発注者に対して過去に提供されたフォーマットデータの履歴を示す履歴情報を含む履歴画面を、発注者端末に表示させ、履歴画面での発注者の操作による指示を受けた場合に、履歴情報の中から、履歴画面への発注者による操作に基づき特定されるフォーマットデータを指定フォーマットデータとして発注者端末に提供する。
【0006】
[2]上記[1]に記載の包材発注管理装置において、情報提供部は、複数のフォーマットデータのうちの発注者に対して過去に提供されたフォーマットデータである2以上の提供フォーマットデータそれぞれを示す情報が、発注者による過去の注文履歴に基づく順序で並ぶように、履歴画面を発注者端末に表示させてもよい。
【0007】
[3]上記[2]に記載の包材発注管理装置において、複数のフォーマットデータそれぞれは、包材の型番、包材の形状、包材のサイズ、並びに、包材の形状及びサイズの組合せのうちのいずれか1つを示す特定情報に対応付けられていてもよい。発注者端末に表示された履歴画面では、発注者による過去の注文履歴に含まれる特定情報ごとの注文の頻度に基づく順序で、2以上の提供フォーマットデータそれぞれを示す情報が並んでいてもよい。
【0008】
[4]上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の包材発注管理装置において、情報提供部は、過去の注文において指定フォーマットデータに追加されたデザイン要素を表すデータを、指定フォーマットデータと共に発注者端末に対して提供可能であってもよい。
【0009】
[5]本開示の一側面に係る包材発注管理方法は、発注者が操作する発注者端末からの包材の作成に係る注文を、インターネットを介して受け付ける方法である。この包材発注管理方法は、複数種の包材にそれぞれ対応付けられた複数のフォーマットデータの中から、上記注文に関する1つの包材に対応付けられた指定フォーマットデータを発注者端末に対して提供する提供ステップと、指定フォーマットデータを含み、注文に関する1つの包材の印刷面に対するデザインを表す印刷データを取得する取得ステップと、印刷データと上記注文の内容を示す情報とを含む包材作成指示を、印刷機が含まれる製造部門に対して送信する送信ステップと、を含む。提供ステップは、発注者端末での発注者の操作による指示を受けた場合に、発注者を識別する情報に対応付けられ、複数のフォーマットデータのうちの発注者に対して過去に提供されたフォーマットデータの履歴を示す履歴情報を含む履歴画面を、発注者端末に表示させることと、履歴画面での発注者の操作による指示を受けた場合に、履歴情報の中から、履歴画面への発注者による操作に基づき特定されるフォーマットデータを指定フォーマットデータとして発注者端末に提供することと、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、ユーザの利便性を向上させるのに有用な包材発注管理装置、及び、包材発注管理方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、包材発注システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、資材情報保持部によって保持される情報の一例を示す図である。
【
図3】
図3(a)は、軟包材の材質構成の一例を示す模式図である。
図3(b)は、軟包材の仕様に関する情報の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、販売情報保持部によって保持される情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、フォーマットデータ保持部によって保持される情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、デザインデータの一例を示す模式図である。
【
図7】
図7は、発注者端末に表示される履歴画面の一例を示す模式図である。
【
図8】
図8は、包材発注管理装置及び包材製造管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、包材発注システムによる発注管理方法の一例を示すフロー図である。
【
図10】
図10は、包材発注システムによる発注管理方法の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して一実施形態について説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
[包材発注システム]
図1は、一実施形態に係る包材発注システム1を模式的に示す図である。包材発注システム1は、発注者によって操作される発注者端末90との間で通信を行い、発注者端末90からの注文指示に基づいて包材を製造し提供するシステムである。包材発注システム1が、発注者端末90からの注文指示に基づいて包材を製造及び提供することで、発注者に対する包材の販売が行われる。包材発注システム1は、包材発注管理装置10と、包材製造管理装置30と、を備える。
【0014】
包材発注システム1は、発注者が操作する発注者端末90からの注文を受け付けて、製造部門と連携して動作する包材製造管理装置30に対して注文に基づく製品の製造及び納品を指示する機能を有する。包材発注システム1で取り扱う製品とは「包材」である。包材は、内容物(商品)を包むための部材である。包材は、内容物を包むものであれば、その種類は限定されず、例えば、軟包材、鮮度保持剤(脱酸素剤)に用いられる包装材、及び、紙器が挙げられる。本開示において、包材には、商品のパッケージに使用される袋又は容器だけでなく、容器等に装着されるラベルも含まれ得る。
【0015】
包材の一例である軟包材は、紙、プラスチックフィルム、アルミニウム箔、布などの柔軟性に富む材料で構成した包装に使用される包材である。このなかでもプラスチックフィルムが主材料として用いられることが多い。また、軟包材は、複数の素材を組み合わせた複合材料を用いることで、バリア性、耐熱性等の所望の性能を発揮するための工夫が行われる。軟包材等の包材は、商品のパッケージ等に使用されることが多いため、包材の印刷面への印刷内容は、注文に応じて異なる場合が想定される。以上のように、包材を発注者から受注する場合、包材に使用する材料を指定する情報、包材に対して印刷を行うためのデザインデータ等を発注者から取得する必要があり、さらにこれらの情報を製造部門へ適切に提供することが求められる。
【0016】
軟包材に使用される材料としては、単層フィルムと、多層フィルムと、が挙げられる。このうち、多層フィルムは、一般的には基材、中間層、及びシーラント層を、接着剤を用いて貼り合わせる(ラミネートする)ことによって作成される。デザインデータの印刷は基材に対して行われる。また、中間層は、軟包材の用途によっては省略される場合もあるが、例えば、バリア材として機能する材料が選択される場合もある。特定の用途に使用する軟包材を作成する場合、当該用途に適した資材を組み合わせることで材料(多層フィルム)が作成される。軟包材は用途に応じてその材料(フィルム、インク等)が異なるため、その製造に用いられる資材も多種多様となる。紙器、及び、ラベルについても、用途に応じてその材料が異なるものになり得るので、その製造に用いられる資材も多種多様となる場合がある。一方、発注者は、発注する包材の用途に基づいて、多種類の包材の中から選択して注文を行うことになる。上記の包材発注システム1では、上記のように多様な資材を用いて作成される多種類の包材の作成に係る発注者からの注文を一元的に管理すると共に、注文を受けた包材の製造を管理する。
【0017】
包材発注システム1において、包材発注管理装置10は、発注者端末90からの包材の作成に係る注文を受け付ける装置である。包材発注管理装置10は、インターネットを介して発注者端末90からの注文を受け付ける、所謂オンラインによる受注を行う装置である。包材発注管理装置10は、発注者端末90が閲覧可能なWebサイト等を有していて、このWebサイトに対して発注者が入力した情報を取得する。また、包材発注管理装置10は、発注者端末90からの注文を受け付けるとその情報を管理すると共に、包材製造管理装置30に対して製品の製造に係る情報を提供する。
【0018】
包材製造管理装置30は、包材製造工場等の包材の製造に係る部門(
図1では「包材製造部門」としている)において、製造に関する各種機器の管理を行う機能を有する。包材製造管理装置30は、包材発注管理装置10からの指示に基づいて印刷機31、ラミネート機32及び製袋機33等の包材の製造に係る機器を制御する機能を有していてもよい。さらに、包材製造管理装置30は、資材の発注や在庫管理等を行う機能を有していてもよい。包材発注管理装置10と包材製造管理装置30とは、例えば、無線通信、又は、有線通信が可能な構成とされていて、包材発注管理装置10において受注した包材の作成が包材製造管理装置30に対して適宜指示される。包材製造管理装置30は、この指示に基づいて、包材製造部門における各機器について、注文を受けた包材の作成に関する工程の管理を開始する。なお、包材製造管理装置30による包材の作成の工程に関する管理には、例えば、注文を受けた包材に応じた製造工程(例えば、資材の貼り合わせ、印刷等)の把握、この製造工程を進めるための各機器における作業のスケジューリング、包材に使用する資材の調達(発注)等の一部が含まれていてもよい。
【0019】
発注者端末90は、例えば、発注者であるユーザによって使用される端末装置であり、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等の装置が挙げられる。発注者端末90は、インターネットに対して接続可能である。インターネットへの接続に際して、例えばインターネット以外の通信網を経由してもよい。発注者端末90は、後述の印刷用のデザインデータを編集する機能を有していてもよい。
【0020】
なお、特定のユーザが使用する発注者端末90は、1つには限定されない。すなわち、一のユーザが複数の発注者端末90を利用してもよい。したがって、例えば、ユーザが注文に係る情報の送信に利用する発注者端末90と、デザインデータの送信に利用する発注者端末90とが互いに異なっていてもよい。複数の発注者端末90がそれぞれインターネットに接続して情報の送受信を行うことができる場合、ユーザは各発注者端末90を個別に取り扱うことができる。ユーザ(発注者)は、個人であってもよく、会社等の法人であってもよい。本開示において、ユーザが会社等の法人である場合、法人に所属する個人が発注者端末90等に対して行う行為(例えば、操作)が、ユーザが行う行為に相当する。以下、包材発注管理装置10及び包材製造管理装置30について、包材発注システム1が包材の一例である軟包材を取り扱う場合を例に説明する。
【0021】
[包材発注管理装置]
図1に示すように、包材発注管理装置10は、機能上の構成(以下、「機能モジュール」という。)として、情報提供部12、注文受付部14、印刷データ取得部15、包材作成指示部16、納品管理部17、決済処理部18、ユーザ情報保持部21、資材情報保持部23、販売情報保持部24、フォーマットデータ保持部25、及び、履歴情報保持部26を有する。これらの機能モジュールが実行する処理は、包材発注管理装置10が実行する処理に相当する。また、包材発注管理装置10は、発注者端末90及び包材製造管理装置30との間で通信を行い、情報の送受信を行う。包材発注管理装置10と発注者端末90又は包材製造管理装置30との通信は、有線又は無線で行われ得る。
【0022】
情報提供部12は、発注者端末90に対して各種の情報を提供する機能を有する。情報提供部12によって提供される情報には、発注者が包材を注文する際に必要となる各種の情報が含まれる。情報提供部12は、例えば、発注者端末90において閲覧可能なWebサイトを準備する。これにより、発注者端末90からのリクエスト(例えばURLの指定)によって、発注者端末90においてWebサイトが閲覧可能となる。情報提供部12によって提供される各種の情報の詳細については、他のいくつかの機能モジュールの機能と共に後述する。
【0023】
注文受付部14は、発注者端末90から、包材の作成に係る注文の内容を示す情報(以下、「注文情報」という。)を取得する機能を有する。例えば、発注者のリクエストに応じて、情報提供部12によって注文用の入力フォームが発注者端末90のモニタ上に表示される。発注者は、入力フォームへ情報を入力すること等によって、注文に必要な情報を入力する。入力された情報が、インターネットを介してWebサイトを提供する包材発注管理装置10に対して送信されることで、注文受付部14が注文に必要な情報(上記注文情報)を取得する。これにより、注文受付部14は注文を受け付けることができる。
【0024】
注文受付部14が注文を受け付ける際に取得する注文情報とは、注文者を特定する情報(氏名、住所等)、注文する製品に関する情報、納品先を特定する情報(氏名、住所等)、費用の支払いに関する情報等が挙げられる。このうち、注文する製品に関する情報としては、軟包材の場合、例えば、包材の種類(例えば、使用する資材)を特定する情報及び注文数が挙げられる。包材の種類を特定する情報には、包材に使用される資材を特定する情報(複数種類の資材を積層したフィルムである場合、各層の情報等)、包材の形状を特定する情報(形状とは、例えば、三方平袋、スタンディングパウチ等)、包材のサイズを特定する情報が挙げられる。本実施形態の包材発注管理装置10では、上記の包材を構成する材料(資材)を特定する情報と、包材の形状及びサイズを特定する情報に対応付けて、型番が割り当てられている。そのため、発注者は、型番を指定することで、包材の材料を特定する情報と、包材の形状及びサイズを特定する情報と、を包材発注管理装置10に対して送信することが可能となる。この場合、指定された包材の型番を示す情報が、包材の種類を特定する情報(包材を指定する情報)に相当する。
【0025】
発注者(ユーザ)が発注者端末90を操作して特定の包材を選択して注文を行うことが可能となるように、情報提供部12によって、発注者端末90においてユーザに対して提示される情報が調整され得る。例えば、ユーザが購入可能な複数種の軟包材のそれぞれについて、使用する資材(材質構成)、形状、サイズ、収容可能な容量の目安等を示すことは、ユーザが軟包材を選択する際に重要な情報となり得る。また、軟包材の用途(レトルト対応、ボイル対応、電子レンジ対応、収容可能な内容物の例等)、特性(遮光性、帯電防止性、透明性等)などの情報は、包材の種類を直接表示する場合と比較して、ユーザによる包材の選択において重要な情報となる可能性がある。したがって、ユーザの利便性を高めること等を目的として、情報提供部12によって、ユーザが使用する注文画面にこれらの情報が組み合わされて表示されてもよい。
【0026】
印刷データ取得部15は、発注者からの注文に関する包材の印刷面に対するデザインを表すデザインデータ(印刷データ)を取得する機能を有する。印刷データ取得部15は、例えば、発注者端末90においてユーザにより作成されたデザインデータを、ユーザによる送信指示に基づいて発注者端末90から取得する。デザインデータは、注文情報で特定される包材に対して印刷するデザインが含まれたデータであり、包材に対する印刷に使用される。なお、軟包材に対する印刷の種類としては、基本的にデザインデータから直接印刷を行うデジタル印刷と、製版及び色合わせを行った上で印刷を行う非デジタル印刷と、が挙げられる。非デジタル印刷としては、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、EBオフセット印刷等が挙げられる。ただし、これらの印刷方法とは異なる非デジタル印刷方法が用いられてもよい。包材発注管理装置10は、いずれの印刷にも対応可能である。ただし、デジタル印刷の場合には、製版を行わず発注者から取得した印刷データをそのまま印刷に使用してもよい。そのため、包材発注管理装置10では、フォーマットデータをユーザに対して提供することによって、ユーザから所定の包材に適したデザインデータ(印刷用データ)を取得する構成とされる。この点については後述する。注文受付部14が取得した情報及び印刷データ取得部15が取得した情報は、履歴情報保持部26において保持される。
【0027】
印刷データ取得部15は、ユーザから送信されたデザインデータがPDFデータである場合、予め設定したチェック項目に基づいてデータチェックを行う、プリフライトチェックを行ってもよい。また、印刷データ取得部15は、プリフライトチェックの結果と、最終的に印刷に使用する予定のデザインデータとを、ユーザに対して通知する構成としてもよい。この場合、ユーザは、例えばメール等で通知されたURLに基づいて所定サイトにアクセスすることで、通知内容を確認する構成としてもよい。なお、プリフライトチェックはPDFデータに対して行われるものであるが、デザインデータとしてPDFデータ以外のデータを取り扱う場合にも、同種のチェックを行う構成としてもよい。最終的に印刷に使用する予定のデザインデータは、ユーザから送信された当初のデザインデータに対して校正が行われた後のデータであってもよい。校正後のデザインデータに対するユーザの承認が得られた後、承認が得られた校正後のデザインデータが、最終的に印刷に使用するデータとして履歴情報保持部26において保持されてもよい。
【0028】
ユーザ(発注者端末90)からのデザインデータの送信に代えて、第三者が作成したデザインの案を含むデータを発注者端末90の操作によりユーザが承認することで、印刷データ取得部15が、そのデータをデザインデータとして取得してもよい。第三者が作成したデザインの案を含むデータは、包材発注管理装置10に保持されていてもよい。第三者が作成したデザインの案を含むデータは、包材発注管理装置10において作成されたデータであってもよく、他のコンピュータ装置において作成された後に、包材発注管理装置10に送信されたデータであってもよい。
【0029】
包材作成指示部16は、デザインデータと発注者からの注文の内容を示す情報とを含む包材作成指示を、包材製造管理装置30に対して送信する機能を有する。包材作成指示には、注文受付部14が取得した注文情報の少なくとも一部と印刷データ取得部15によって取得されたデザインデータとが含まれる。包材作成指示部16は、注文受付部14及び印刷データ取得部15によって取得された情報と、自装置(包材発注管理装置10)で保持している情報とに基づいて、包材製造管理装置30への指示に必要な情報を準備する。準備した情報を包材製造管理装置30(印刷機31が含まれる製造部門)に対して送信することで、包材発注管理装置10から包材製造管理装置30への包材作成の指示が行われる。
【0030】
納品管理部17は、包材作成指示部16によって作成を指示した包材についての納品等の管理を行う機能を有する。包材作成指示部16によって作成が指示された包材は、完成すると包材製造部門(例えば、工場等)から納品先へ送付され得る。納品管理部17は、包材製造管理装置30から送信される納期情報や納品の通知等に基づいて、発注者に対して注文を受け付けた製品に関する制作状況や納品状況を通知する機能を有する。
【0031】
決済処理部18は、注文受付部14が受け付けた注文に関する決済を行う機能を有する。決済を行うための仕組みは特に限定されず、既存の決済手法を組み合わせて使用することができる。決済に関する履歴(決済を行ったことを示す情報等)は、注文に関する情報等と対応付けて、履歴情報保持部26において保持されてもよい。決済に関する情報は、履歴情報保持部26に保持される情報とは別に保持されてもよい。この場合、注文ごとに決済が行われたことを確認できるように、例えば注文番号を利用した対応付け等が行われていてもよい。
【0032】
ユーザ情報保持部21は、包材発注管理装置10を使用するユーザ(包材発注管理装置10が提供するサービスを利用する利用者)に関する情報を保持する機能を有する。ユーザは、事前又は初回の注文時に、包材発注管理装置10に対して登録に必要な情報を提供することで、包材発注管理装置10を利用するユーザとしてユーザ登録をする構成とすることができる。ユーザ登録の際にユーザから提供された情報は、ユーザ情報保持部21に保持される。また、ユーザごとにユーザを特定する情報(例えば、ユーザID)が割り振られ、この情報を用いて特定のユーザに係る情報を取得することができる。このように、ユーザ情報保持部21にユーザの情報を登録しておくことで、ユーザが再び注文を行うときには、ユーザとして登録した情報を利用することができる。なお、ユーザ情報保持部21は、包材発注管理装置10を利用するユーザの一部のみを管理してもよい。すなわち、全てのユーザではなく、一部のユーザだけを、ユーザ情報保持部21によるユーザ登録の対象とする構成としてもよい。
【0033】
資材情報保持部23は、型番と資材との対応関係に係る情報を保持する機能を有する。資材情報保持部23において保持される情報の例を
図2に示す。
図2では、注文時に使用される型番に、仕様書(例えば、製造部門で使用される仕様書を特定する情報)、材質構成が対応付けられている。材質構成とは、各型番に対応する包材を構成する各層の構成を示している。この情報を用いて、1つの型番から、当該型番の包材に使用される資材を特定することができる。
図2に示す例では、「材質構成」として軟包材に使用する、基材、中間層、シーラント層、及びこれらの層に使用する資材の厚さを指定する情報が含まれている。また、「材質構成」には、層間で使用する接着剤や、印刷に使用するインク等を指定する情報が含まれていてもよい。「材質構成」に含まれる情報は、軟包材の種類に応じて適宜変更され得る。
【0034】
また、
図2に示すように、資材情報保持部23において保持される情報には、型番に対応付けて、形状、サイズ、容量の目安、特徴(各軟包材の素材の特徴、用途などを説明する情報)等の情報が含まれていてもよい。資材情報保持部23において保持される種々の情報は、例えば、発注者が包材の注文を行う際に使用してもよい。具体的には、例えば、情報提供部12が、形状、サイズ、容量の目安、特徴等の情報を、Webサイト等においてユーザに対して提示することで、その情報を含む画面を発注者端末90のモニタ上に表示させる。そして、ユーザが、表示された画面に含まれる情報に基づいて、又は、その画面への操作によって、注文する包材の型番を選択(指定)してもよい。
【0035】
図3(a)及び
図3(b)を参照しながら、
図2に示す情報に含まれる、軟包材の構成例について説明する。
図3(a)は、軟包材に使用される包材フィルム200を模式的に示す図であり、第1基材フィルム201、接着剤層204、第2基材フィルム202、接着剤層206及び第3基材フィルム203がこの順に積層されている。第1基材フィルム201の一対の主面のうち第2基材フィルム202寄りの一主面にはプライマー層(図示せず)が設けられていてもよい。また、接着剤層204の第1基材フィルム201寄りの一主面に静電インク層205が設けられる。プライマー層が設けられている場合、プライマー層の一対の主面のうち第2基材フィルム202寄りの一主面に静電インク層205が設けられる。この包材フィルム200は、例えば、電子レンジによって加熱される食品等の軟包材に使用されるフィルムである。
【0036】
図3(a)に示すように、第1基材フィルム201は蒸着層がアルミナの透明無機酸化物蒸着2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム12μm(凸版印刷株式会社製:GLARH)であり、第2基材フィルム202はナイロンフィルム15μmであり、第3基材フィルム203は無延伸ポリプロピレンフィルム60μmであるとする。この場合、
図3(b)に示すように、材質構成は例えば、「GLARH12/NY15/CPP60」と、材質の略号と厚さ(数字)との組み合わせによって記述され得る。さらに、
図3(b)では、蒸着層がアルミナの透明無機酸化物蒸着2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(GLARH)に代えて、メカニカルリサイクルPETを使用したフィルム(GLARNF)を採用可能であることが記載されている。このように、「材質構成」は軟包材に求められる機能を実現するための包材フィルムを構成する材質の構成を規定したものであり、
図2に示す例でも同様に材質が略語によって記載されている。
【0037】
なお、
図3(b)では、材質構成の他、用途及び袋の形状の指定(電子レンジ用スクエア型スタンディングパウチ)、接着剤層の指定、サイズ、容量の目安、絵柄(絵柄を追加可能な場所の指定)、及び、底テープの指定に係る情報も示されている。
図3(b)に示す情報の一部は、
図2に示す情報に含まれていてもよいし、
図3(b)に示すように、本システムで取り扱う軟包材ごとに個別にデータ管理されてもよい。
【0038】
図1に戻り、販売情報保持部24は、発注者端末90において注文可能な包材の販売に関連する情報(以下、「販売情報」という。)を保持する。販売情報は、発注者まで包材を納品することが可能な期間を示す情報、包材の販売価格を示す情報、及び、包材の注文単位を示す情報のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
図4には、販売情報の一例が示されている。販売情報には、例えば、型番に対応付けて、販売価格、注文単位である1ロットあたりの個数(枚数)が含まれてもよい。一例では、1ロットが100枚である場合、発注者は、100枚単位で包材を注文することが可能であり、最小注文数は100枚となる。販売価格は、ロット数に応じて変動するように設定されていてもよい。この場合、ロット数が多くなるに従い、1枚あたりの単価が安くなるように、販売価格が設定されてもよい。ロット数に関係なく、1枚あたりの単価が定められることで、販売価格が設定されてもよい。
【0039】
販売情報保持部24が保持する販売情報には、型番に対応付けて、発注者まで包材を納品することが可能な期間(以下、「納品可能な期間」という。)が含まれてもよい。納品可能な期間は、幅を持たせた期間(例えば、4~6日のような期間)であってもよく、注文の受け付けから、包材製造部門が出荷できると予測される日までの期間(日数)であってもよい。販売情報において、販売価格の値引きが設定されていてもよい。販売価格の値引きは、ユーザごとに設定されていてもよく、ある型番において、ユーザの間で値引きの大きさが異なっていてもよい。販売情報は、発注者端末90において閲覧可能な情報(例えば、Webサイト)を情報提供部12が準備する際に用いられる。
【0040】
図1に戻り、フォーマットデータ保持部25は、発注者端末90に対して提供されて、ユーザによるデザインデータの作成に使用されるフォーマットデータを保持する機能を有する。発注者端末90に対して提供されるフォーマットデータとは、ユーザが発注者端末90又はそのほかの装置を利用してデザインの作成(データの加工)が可能であるデータである。フォーマットデータ保持部25では、包材発注管理装置10において注文可能な複数種の包材にそれぞれ対応付けられた複数のフォーマットデータが保持されている。この場合、フォーマットデータ保持部25が保持するデータでは、複数種の包材それぞれに対して(包材ごとに)、1つのフォーマットデータが対応付けられている。フォーマットデータ保持部25が保持するデータでは、例えば、複数種の包材の型番に対して複数のフォーマットデータがそれぞれ対応付けられている。複数の型番の少なくとも一部において、互いに異なる複数のフォーマットデータが対応付けられている。複数の型番の一部において、同じフォーマットデータが対応付けられていてもよい。
【0041】
上述の情報提供部12は、複数のフォーマットデータの中から、ユーザからの注文に関する1つの包材に対応付けられたフォーマットデータ(指定フォーマットデータ)を発注者端末90に対して提供する。本開示では、フォーマットデータ保持部25によって保持される複数のフォーマットデータのうちの、注文に関する1つの包材に対応付けられ、発注者端末90(ユーザ)に提供される1つのフォーマットデータを「指定フォーマットデータ」と称する場合がある。情報提供部12は、ユーザによる発注者端末90の操作に応じて、指定フォーマットデータを発注者端末90に送信する。例えば、ユーザによって発注者端末90において型番が指定され、フォーマットデータの送信要求が包材発注管理装置10に対して行われた場合に、情報提供部12が、指定された型番に対応付けられた指定フォーマットデータを発注者端末90に送信する。フォーマットデータが発注者端末90に対して送信されることで、その発注者端末90を操作するユーザ(発注者)に対してフォーマットデータが提供される。情報提供部12によるフォーマットデータの送信は、ユーザが包材の注文に係る上記注文情報を全て入力した後、上記注文情報を入力している途中、又は、上記注文情報を入力する前のいずれの段階において実行されてもよい。印刷データ取得部15によるデザインデータの取得についても、ユーザが包材の注文に係る上記注文情報を全て入力した後、上記注文情報を入力している途中、又は、上記注文情報を入力する前のいずれの段階において実行されてもよい。
【0042】
フォーマットデータ保持部25は、ユーザによるデザインデータの作成に使用されるフォーマットデータ一式に関する情報を保持してもよい。フォーマットデータ保持部25において保持される情報の一例を
図5に示す。
図5では、注文時に使用される型番に対応付けて、ユーザ(発注者端末90)に対して送信するデータを特定する情報(例えば、ファイル名)が対応付けられている。また、ユーザによる加工後のデータ(印刷用のデータ)は、予め定められた様式で返送されることが好ましく、特に、デジタル印刷の場合、例えば印刷機31において使用可能な体裁で発注者端末90から包材発注管理装置10へ送信されることが求められる。そこで、例えば、
図5に示すように、1つの型番に対して、1つのフォーマットデータと、1つの設定ファイルと、1つのマニュアルデータと、がフォーマットデータ一式として準備されていてもよい。このフォーマットデータ一式とは、発注者端末90に対して提供されるデータのパッケージとなり得る。
【0043】
型番ごとに対応付けられている設定ファイルとは、例えば、ユーザが使用するアプリケーション等において、印刷に使用されるデザインデータを適切な状態で出力するための各種設定を記述したファイルである。また、マニュアルデータとは、フォーマットデータ及び設定ファイルの使用方法が記載されたデータである。このようなデータセットを「フォーマットデータ一式」として、1つの型番に対応付けて保持していてもよい。なお、フォーマットデータ保持部25では、上記のフォーマットデータのほか、設定ファイル及びマニュアルデータについても保持している。フォーマットデータ一式を発注者端末90に対して送信する場合には、型番に基づいて、3つのデータ(フォーマットデータ、設定ファイル及びマニュアルデータ)が選択される。そして、これらのデータを1つのパッケージとした上で、情報提供部12によって包材発注管理装置10から発注者端末90に対して送信される。
【0044】
以上のように、フォーマットデータは、注文に関する包材に対する印刷に使用されるデザインデータの元となるデータである。
図6には、デザインデータの一例が示されている。
図6に示されるデザインデータD0は、フォーマットデータであるデータD1と、データD1上に加工されるデザインを表すデータD2と、を含む。データD1では、型番に対応付けられた包材に対応した描画エリアA1と非描画エリアA2とが規定され得る。また、描画エリアA1には、印字推奨エリアを区切るための枠線A3が設けられていてもよい。さらに、ファスナー等のように印刷に制限がある領域がある場合には、制限エリアA4が規定されていてもよい。このように、データD1には、ユーザが包材に応じた適切なデザインの印刷データを作成することが可能となるような情報が含まれ得る。
【0045】
データD1(フォーマットデータ)上に、デザインを表すデータD2が加えられることで、デザインデータD0が作成される。例えば、ユーザが、発注者端末90を操作して、フォーマットデータを加工及び編集することで、デザインが追加されたデザインデータを作成する。フォーマットデータに対して追加されるデザインには、例えば、文字、図形、ロゴ、イラスト、模様、写真等のデザイン要素が含まれ得る。なお、デザインを構成するデザイン要素には、描画エリアA1に作成される背景も含まれ得る。デザインに含まれる文字によって、ユーザが包材の納品を受けた後に販売する予定の商品の名称(商品名)、当該商品に関する説明(容量等)、当該商品の販売者名等が表されてもよい。図形、ロゴ等によって、ブランドが表されてもよい。ユーザは、発注者端末90において、デザイン要素を作成しつつ、デザイン要素の大きさ、位置、色、明るさ(輝度、明度)をデータ上で任意に変更しながら、デザインデータを作成及び編集してもよい。
【0046】
図1に戻り、履歴情報保持部26は、ユーザから受け付けた注文に関する情報を保持する機能を有する。ユーザから受け付けた注文に関する情報には、実際に注文が行われた際に得られた情報と、実際に注文されるまでに至らなかった際に得られた情報とが含まれてもよい。履歴情報保持部26では、ユーザからの一度の注文に対応付けて、注文受付部14が取得した情報と、印刷データ取得部15が取得したデザイン(印刷用データ)とが、保持され得る。さらに、履歴情報保持部26では、各注文に対して、ユーザ情報保持部21において保持されているユーザの情報を対応付けて保持しておくことで、ユーザが過去の注文履歴の探索をすることが可能となる。ユーザ登録をしているユーザが発注者となる場合には、ユーザ登録された情報が発注者の情報になるので、ログインした状態で注文を行うことで、紐付けが可能となる。また、初回の注文時にユーザ登録を行う場合には、初回注文時に発注者として入力した情報がユーザ情報として使用され得る。そしてユーザを特定する情報として割り振られたユーザID等を利用して注文後でもデータの紐付けを行うことができる。
【0047】
履歴情報保持部26は、フォーマットデータ保持部25によって保持される複数のフォーマットデータのうちのユーザに対して過去に提供されたフォーマットデータの履歴を示す情報(以下、「履歴情報」という。)を保持する。本開示では、フォーマットデータ保持部25に保持されている複数のフォーマットデータのうちの、特定のユーザに対して過去に提供されたフォーマットデータを、「提供フォーマットデータ」と称する場合がある。履歴情報保持部26は、ユーザを特定する情報に対応付けて、そのユーザに対して過去に提供された1以上の提供フォーマットデータを示す履歴情報を保持する。履歴情報保持部26が保持する履歴情報において、ユーザごとに、1以上の提供フォーマットデータのそれぞれに対して、その提供フォーマットデータが利用されて行われた注文の履歴を示す情報、及び、その際に使用されたデザインデータが対応付けられていてもよい。履歴情報に含まれる1以上のフォーマットデータには、データの提供が行われたが、最終的に包材の注文(発注)まで至らなかった際に提供されたフォーマットデータも含まれてもよい。履歴情報に含まれる1以上のフォーマットデータには、同じ種類のフォーマットデータが含まれ得る。
【0048】
包材発注管理装置10は、ユーザ自身のみが閲覧可能であり、ユーザごとに編集された各種の情報を含むマイページを発注者端末90のモニタ上に表示可能である。包材発注管理装置10の情報提供部12は、ユーザからのマイページの表示要求に応じて、そのユーザに関するマイページを発注者端末90に表示させる。情報提供部12は、マイページにおいて、上記履歴情報を含む履歴画面を発注者端末90に表示させる。情報提供部12は、発注者端末90でのユーザの操作による指示を受けた場合に、履歴画面を発注者端末90に表示させる。ユーザは、例えば、マイページにおいて、履歴画面を表示させるユーザ指示に対応するタブを選択(クリック)することで、履歴画面を閲覧可能である。情報提供部12によって表示される履歴画面には、マイページを閲覧中のユーザに対して過去に提供された1以上のフォーマットデータを示す情報が含まれる。
【0049】
ユーザは、新しい注文を行う場合に、発注者端末90に表示された履歴画面に対する操作から、新しい注文に係るフォーマットデータを取得可能である。包材発注管理装置10の情報提供部12は、履歴画面でのユーザの操作による指示を受けた場合に、履歴情報の中から、履歴画面へのユーザによる操作に基づき特定されるフォーマットデータを発注者端末90に提供する。ユーザは、履歴画面への操作から得られたフォーマットデータ(指定フォーマットデータ)を用いて、新しい注文に関する新しいデザインデータの作成が可能である。
【0050】
図7には、発注者端末90においてユーザが閲覧可能な履歴画面92の一例が示されている。
図7に示される履歴画面92では、一覧表94、プレビュー96、ダウンロードボタン98a、及び、指定ボタン98bが表示されている。一覧表94は、履歴画面92を閲覧している特定のユーザに対して、過去に提供された1以上の提供フォーマットデータを示す情報を表形式で示す。本開示では、複数種の包材の型番それぞれに提供フォーマットデータが対応付けられているので、履歴画面92の一覧表94において、包材の型番(
図7では、「注文型番」と表示されている。)が、特定のユーザに対して過去に提供された提供フォーマットデータを示す情報となる。一覧表94には、1以上の提供フォーマットデータを示す情報にそれぞれ対応する複数の選択ボタン94a(ラジオボタン)が含まれる。ユーザは、履歴画面92において、複数の選択ボタン94aのうちのいずれか1つを選択可能であり、選択された選択ボタン94aによって、1つの提供フォーマットデータが選択(指定)される。
【0051】
一覧表94では、ユーザの利便性を考慮して、提供フォーマットデータを示す情報(注文型番)に加えて、過去にデータが提供された日を示すダウンロード日、形状及び特徴、サイズ及び容量、実際の発注の有無を示す情報が表示されている。特定のユーザに対して2以上の提供フォーマットデータが過去に提供されている場合、情報提供部12は、2以上の提供フォーマットデータのそれぞれを示す情報が、そのユーザによる過去の注文履歴に基づく順序で並ぶように、一覧表94(履歴画面92)を発注者端末90に表示させる。
図7に示される一覧表94では、特定のユーザによる過去の注文履歴に含まれる型番ごとの注文の頻度に基づく順序で、2以上の提供フォーマットデータそれぞれを示す情報が並んでいる。一覧表94において、注文頻度が高い型番が画面上の上方から順に並ぶように、2以上の提供フォーマットデータそれぞれを示す情報が表示されている。
【0052】
プレビュー96は、ユーザによって選択された選択ボタン94aに対応する提供フォーマットデータと共に過去の注文に用いられたデザインを表示する。すなわち、プレビュー96は、過去の注文において上記対応する提供フォーマットデータに追加されたデザイン要素を表すデータと、その提供フォーマットデータとを含むデザインデータを表示する。ユーザが、ダウンロードボタン98aを操作(クリック)することで、包材発注管理装置10に対して、フォーマットデータの提供要求が送信される。そして、情報提供部12は、上記提供要求に応じて、ユーザによって選択された選択ボタン94aに対応する提供フォーマットデータ(指定フォーマットデータ)を発注者端末90に提供する。情報提供部12は、ユーザにより選択された提供フォーマットデータ(指定フォーマットデータ)と共に、過去の注文において当該フォーマットデータに追加されたデザイン要素を表すデータを発注者端末90に対して提供可能である。プレビュー96によって、ユーザは、過去に提供されたフォーマットデータと共に、そのフォーマットデータと共に用いられたデザイン要素を確認することができる。履歴画面92において、ユーザが、フォーマットデータのみの提供を要求するか、フォーマットデータと共に対応するデザイン要素を表すデータの提供を要求するかの選択が可能であってもよい。ユーザは、指定ボタン98bの選択(チェック)の有無によって、フォーマットデータのみの提供を要求するか否かを選択可能であってもよい。指定ボタン98bを履歴画面92に設けることで、ユーザの種々の要求に応えることができる。
【0053】
包材発注管理装置10では、注文の受け付けによって発生する決済処理を管理する機能をさらに有していてもよい。決済処理の管理については、既存の処理を適用することが可能となるため、詳細な説明は省略する。
【0054】
[包材製造管理装置]
包材製造管理装置30は、包材発注管理装置10と連携して動作可能な装置である。また、包材製造管理装置30は、自装置が管理する部門(
図1では、「包材製造部門」としている)における包材製造に関係する各装置を管理する機能を有する。各装置の一例として、
図1では、印刷機31、ラミネート機32及び製袋機33を示している。印刷機31としては、印刷の種類に応じた印刷機として、デジタル印刷機又は非デジタル印刷機(グラビア印刷機、EBオフセット印刷機、フレキソ印刷機等)が選択され得る。ラミネート機32としては、ドライラミネート機、エクストルージョンラミネート機等が挙げられる。なお、
図1に示すこれらの機械は一例であって、包材製造管理装置30による管理対象は、これらに限定されない。また、包材製造管理装置30は、管理対象の機器(印刷機31等)を個別に制御可能であってもよいし、動作状況又は運転予定(稼働スケジュール)のみを管理する構成であってもよい。
【0055】
さらに、包材製造管理装置30は、自装置が管理する部門において製造する各製品の資材管理、工程管理等を一括して行う構成であってもよい。このように、包材製造管理装置30における管理対象は、管理対象の部門における包材の製造に関する全般の業務とすることができる。ただし、包材製造管理装置30は、これらの業務に係る管理を全て行っていなくてもよく、その一部のみを管理する構成であってもよい。一例として、本実施形態では、包材製造管理装置30は、包材発注管理装置10からの指示に基づいた包材の製造に係る管理の一部として、少なくとも、包材発注管理装置10からの包材の作成指示の受信と、受信したデータの管理と、作成指示を受けた包材の作成状況の管理(工程管理)を行う。なお、これらの管理は、1つの包材製造管理装置30において行う必要はなく、複数の装置で分散して管理する構成であってもよい。
【0056】
[包材発注管理装置及び包材製造管理装置のハードウェア構成]
図8は、包材発注管理装置10又は包材製造管理装置30に用いられるコンピュータ110のハードウェア構成の一例を示す図である。例えば、コンピュータ110は制御回路100を有する。一例では、制御回路100は、1つ又は複数のプロセッサ101と、メモリ102と、ストレージ103と、通信ポート104と、入出力ポート105とを有する。プロセッサ101はオペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを実行する。ストレージ103はハードディスク、不揮発性の半導体メモリ、又は取り出し可能な媒体(例えば、磁気ディスク、光ディスクなど)の記憶媒体で構成され、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを記憶する。メモリ102は、ストレージ103からロードされたプログラム、又はプロセッサ101による演算結果を一時的に記憶する。プロセッサ101は、メモリ102と協働してプログラムを実行することで、個々の機能モジュールとして機能する。通信ポート104は、プロセッサ101からの指令に従って、通信ネットワークNWを介して他の装置との間でデータ通信を行う。入出力ポート105は、プロセッサ101からの指令に従って、キーボード、マウス、モニタ、タッチパネルなどの入出力装置(ユーザインタフェース)との間で電気信号の入出力を実行する。
【0057】
なお、包材発注管理装置10及び包材製造管理装置30は、それぞれ複数のコンピュータ110によって構成されていてもよい。また、包材発注管理装置10及び包材製造管理装置30のいずれかが複数のコンピュータ110から構成されている場合、複数のコンピュータ110は、分散配置していてもよく、これらが相互に通信ネットワークNWを介して接続されていてもよい。
【0058】
[包材発注管理方法]
次に、
図9及び
図10を参照しながら、包材発注管理装置10及び包材製造管理装置30を含む包材発注システム1による包材発注管理方法について説明する。この包材発注管理方法は、少なくとも、複数種の包材にそれぞれ対応付けられた複数のフォーマットデータの中から、ユーザからの注文に関する1つの包材に対応付けられた指定フォーマットデータを発注者端末90に対して提供する提供ステップと、指定フォーマットデータを含み、ユーザからの注文に関する1つの包材の印刷面に対するデザインを表す印刷データを取得する取得ステップと、を含む。また、包材発注管理方法は、印刷データとユーザからの注文の内容を示す情報とを含む包材作成指示を、印刷機31が含まれる製造部門に対して送信する送信ステップと、を含む。上記提供ステップは、発注者端末90でのユーザの操作による指示を受けた場合に、ユーザを識別する情報に対応付けられ、複数のフォーマットデータのうちのユーザに対して過去に提供されたフォーマットデータの履歴を示す履歴情報を含む履歴画面92を、発注者端末90に表示させることと、履歴画面92でのユーザの操作による指示を受けた場合に、履歴情報の中から、履歴画面92へのユーザによる操作に基づき特定されるフォーマットデータを指定フォーマットデータとして発注者端末90に提供することと、を含む。
【0059】
図9は、包材発注システム1による発注方法及び納品方法を示すフロー図である。
図9に示すように、発注者端末90と包材発注管理装置10の間で、まず、ステップS01及びステップS02が行われる。ステップS01では、例えば、ユーザ(発注者)が、発注者端末90を操作することで、包材発注管理装置10の情報提供部12が提供するWebサイトを参照し、当該Webサイトに必要情報を入力して、ユーザ登録要求を送信する。一方、ステップS02では、例えば、包材発注管理装置10が発注者端末90からのユーザ登録要求を受信し、包材発注管理装置10のユーザ情報保持部21にユーザの情報を登録すると共に、発注者端末90に対してユーザ登録が完了したことを通知する。これにより、発注者端末90のユーザが発注者となることが可能となる。なお、ステップS01及びステップS02は、事前にユーザ登録を行う場合の例であり、ユーザ登録を行うタイミングに応じてこの処理は変更され得る。
【0060】
次に、包材発注管理装置10は、発注者端末90からの要求に基づいてステップS03を実行する。発注者端末90のユーザが包材発注管理装置10に対して包材の発注を行おうとする場合、ユーザは発注者端末90を操作して注文用のフォームの提示を要求する。この要求に対応して、情報提供部12は注文用フォームを提示する。注文用フォームの形式は特に限定されず、例えば、Webサイトにおいて提供可能な複数種の包材を表示することでユーザがその中から選択可能であってもよいし、ユーザが型番を入力する構成であってもよい。このように、ユーザが注文を行う際の情報を入力する形式、インタフェース等は適宜変更され得る。例えば、初期の画面では、提供可能な包材をすべて表示する態様とし、ユーザが抽出条件を設定し検索することで、当該抽出条件に合致する特定の包材に係る情報のみを抽出して表示することとしてもよい。Webサイトにおいて提供可能な複数種の包材を表示する際に、各包材に関する販売情報(例えば、販売価格、注文単位、納品までの期間の目安)が表示されてもよい。情報提供部12は、注文用フォーム、又は、他の画面において、販売情報保持部24によって保持されている販売情報を表示させてもよい。
【0061】
次に、注文用フォームを取得した発注者端末90では、ステップS04を実行する。ステップS04では、例えば、発注者端末90のユーザが、注文に必要な各種情報の少なくとも一部を入力する。このとき、ユーザが入力する情報には、包材の型番を指定する情報が含まれてもよい。なお、ユーザは包材の型番を直接指定してもよいが、例えば、Webサイトに掲載されている複数種の包材の中から1つの包材を選択した場合に、当該包材に対応する型番が自動的に選択される構成であってもよい。
【0062】
次に、発注者端末90は、ステップS05を実行する。ステップS05では、例えば、入力後の注文フォームに記載された情報、すなわち注文情報が発注者端末90から包材発注管理装置10へ送信される。この注文情報には、包材の材質、形状及びサイズを指定する型番情報が含まれ得る。発注者端末90から注文情報が送信されると、包材発注管理装置10は、ステップS06を実行する。ステップS06では、例えば、注文受付部14が、注文を受け付ける処理を開始するプロセスとして、注文情報を取得し、履歴情報保持部26に保持する。また、注文受付部14が、必要に応じてユーザ情報保持部21との対応付け(例えばユーザIDを利用した情報の紐付け)を行う。
【0063】
次に、包材発注管理装置10は、ステップS07を実行する。ステップS07では、例えば、印刷データ取得部15が、フォーマットデータ保持部25を参照して、注文情報に含まれる型番に対応したフォーマットデータ一式を準備する。次に、包材発注管理装置10は、ステップS08を実行する。ステップS08では、例えば、情報提供部12が、準備したフォーマットデータ一式を発注者端末90に対して送信する。一例として、情報提供部12は、フォーマットデータ一式を、発注者端末90からの操作によってデータをダウンロード可能なWebサイト等にアップロードしてもよい。この場合、発注者端末90の操作によって当該データをダウンロードすることで、フォーマットデータ一式を取得する構成としてもよい。各型番に対応したフォーマットデータ一式が、それぞれ特定のWebサイトにおいてダウンロード可能な状態で設けられていてもよく、発注者端末90が特定の型番に対応したフォーマットデータ一式をダウンロードすることによって、フォーマットデータ一式を取得してもよい。情報提供部12は、提供したフォーマットデータを示す情報を履歴情報保持部26に保持し、ユーザを特定するための情報(例えば、ユーザID)との対応付けを行う。
【0064】
これに対して、発注者端末90は、ステップS09を実行する。ステップS09では、例えば、ユーザが、フォーマットデータ一式を取得した発注者端末90において、データD1を加工することで、印刷用のデザインデータを作成する。データD1に対して、種々のデザイン要素(例えば、文字、図形)が追加されることで、印刷用のデザインデータが作成される。
【0065】
作成後のデータについて、発注者端末90は、ステップS10を実行する。ステップS10では、発注者端末90から包材発注管理装置10に対して、加工後の印刷用のデザインデータが送信される。送信されたデータは包材発注管理装置10の印刷データ取得部15において取得される。なお、発注者端末90から包材発注管理装置10へのデザインデータの送付は、例えば、特定のWebサイトへのデータのアップロードによって行われてもよい。包材発注管理装置10に送信された当初のデザインデータに対して校正が行われてもよい。校正後のデザインデータに対するユーザの承認が得られた後、印刷データ取得部15は、承認が得られた校正後のデザインデータを取得して、デザインデータを新しいデータに更新してもよい。
【0066】
次に、包材発注管理装置10はステップS11を実行する。ステップS11では、例えば、決済処理部18が、発注者からの注文を確定させて、決済処理を行う。決済処理部18により決済が行われたことを示す情報は、例えば、上述のように履歴情報保持部26に記録される。ここまでの処理により、注文の受付に係る一連の処理が完了する。ステップS11までの一連の処理が実行された後に、履歴情報保持部26は、ユーザを特定するための情報に対応付けて、提供されたフォーマットデータ、デザインを表すデータ、及び、そのフォーマットデータに対応する型番を示す情報を記憶してもよい。
【0067】
次に、包材発注管理装置10は、ステップS12を実行する。ステップS12では、例えば、包材作成指示部16が、注文情報に含まれる型番を参照し、資材情報保持部23を参照して、包材製造管理装置30への送信が必要な情報を準備する。すなわち、包材作成指示部16によって、型番で指定される包材で使用される資材を特定する情報(資材指定情報)が準備される。包材作成指示部16は、資材情報保持部23に保存されている情報から、型番に対応する資材の情報を取得する。これにより、包材製造管理装置30へ送信するデータが整うことになる。
【0068】
次に、包材発注管理装置10は、ステップS13を実行する。ステップS13では、例えば、包材作成指示部16が、包材製造管理装置30に対して包材の作成指示を送信する。送信される作成指示には、ステップS04において入力された注文情報の少なくとも一部(例えば、包材を特定する情報、包材の納品先に係る情報)と、当該包材の作成に使用される資材を指定する情報と、包材への印刷に使用されるデザインデータとが含まれてもよい。
【0069】
次に、包材の作成指示を受けた包材製造管理装置30は、ステップS14を実行する。ステップS14では、包材製造管理装置30が、作成指示に基づいて、包材の作成に係る工程の管理及び作成を開始する。包材製造管理装置30における工程管理の対象とは、例えば、資材の調達、印刷機31、ラミネート機32及び製袋機33等の包材の作成に使用する各装置の使用時間帯の確保等が挙げられる。ステップS14において、デザインデータに対して、印刷機31での使用を可能にするための調整(データの校正等)が行われてもよい。
【0070】
製品の作成と並行して、包材製造管理装置30がステップS15を実行し、これに対応して包材発注管理装置10がステップS16を実行する。ステップS15では、例えば、包材製造管理装置30が、包材の納期の予定を包材発注管理装置10に対して通知する。納期の予定は、例えば工程管理(ステップS14)の結果特定され得る。包材製造管理装置30は、納期が見込めた段階で包材発注管理装置10に対して通知する。通知される包材の納期の予定は、販売情報に含まれ得る納品可能な期間に対応するものであってもよく、販売情報を提供した時点からの状況の変化等により、納品可能な期間に対してずれていてもよい。ステップS16では、例えば、包材製造管理装置30から納期予定の情報を受信した包材発注管理装置10が、納品管理部17によって納期の情報を発注者端末90に対して通知する。発注者端末90への通知の方法は特に限定されず、例えば、Webサイト(例えば、ユーザごとに割り当てられるユーザページ等)での通知、メールによる通知等が挙げられる。このとき、納品管理部17では、履歴情報保持部26に保持されている受注情報において納期の情報を更新することとしてもよい。
【0071】
製品が完成すると、包材製造管理装置30がステップS17を実行する。また、ステップS17の実行に伴い、ステップS18~ステップS20が実行される。ステップS17では、例えば、包材製造管理装置30が、完成した製品を作成指示に含まれる納品先に対して製品を発送する。製品の発送と共に、ステップS18として発送通知が包材製造管理装置30から包材発注管理装置10へ送信される。また、ステップS19では、例えば、発送通知を受信した包材発注管理装置10が、発送が完了した旨の報告を発注者端末90に対して行う。発注者端末90への通知の方法は特に限定されず、例えば、Webサイト(例えば、ユーザごとに割り当てられるユーザページ等)での通知、メールによる通知等が挙げられる。また、ステップS20に示すように、製品は別途、包材製造管理装置30(製造部門)から納品先へ送付される。なお、
図9では納品先が発注者端末90のユーザである場合の例として、発注者端末90に対して商品が送られる状態を示している。納品先は、注文情報に基づいて設定されるので、発注者端末90のユーザがいる場所とは異なる場所に納品される場合もある。
【0072】
上記によって、1つの包材の作成に係る一連の処理が終了する。なお、同一のユーザが2回目以降に包材の注文を行う場合には、
図9に示す手順の一部を省略することができる。例えば、包材発注管理装置10において、ユーザ管理を行っているので、2回目以降はユーザ登録が完了している。そのため、ユーザ登録に係る手順(S11~S12)は省略され、これに対してユーザID等を利用したログイン処理が行われる。また、ユーザ登録に使用された情報を利用して注文情報を作成することができるため、例えば、注文情報の入力(S04)における情報の入力等を簡略化することができる。
【0073】
図9に示す注文に係る一連の処理において、注文情報の取得、及び、デザインデータの取得は、どのような順で行われてもよい。注文情報の入力の前に、ユーザ(発注者)は、発注者端末90の操作によりデザインデータを送付してもよい。注文情報の入力の前に、発注者端末90は、ユーザによる操作に基づいて、包材発注管理装置10からフォーマットデータを取得してもよい。ユーザは、注文情報の入力の前に、フォーマットデータを用いてデザインデータを作成して、作成したデザインデータを包材発注管理装置10に対して送信した後に、注文情報の入力等を行って、包材の注文を継続(実行)してもよい。包材発注管理装置10は、包材の注文が継続される過程において、注文情報の入力前に送付されたデザインデータと、注文情報とを対応付けてもよい。この対応付けが行われることで、注文情報の入力前に送付されたデザインデータは、注文情報により特定される包材に対して印刷するデザインが含まれたデータとなる。
【0074】
以上に説明した
図9に示す一連の処理では、ユーザ登録、ユーザによる注文の開始、フォーマットデータの提供、及び、デザインデータの取得が順に行われる。次に、
図10を参照しながら、
図9に示す一連の処理とは異なり、上述した履歴画面92への操作からフォーマットデータの提供が行われて、包材の注文が行われる場合の包材発注管理方法について説明する。
図10に示すように、発注者端末90と包材発注管理装置10との間で、まず、ステップS31が行われる。ステップS31では、例えば、包材発注管理装置10から発注者端末90に対してユーザ情報の送信の要求が行われ、ユーザが、自身のユーザID等を発注者端末90(例えば、発注者端末90に表示される初期画面)において入力する。これにより、ログイン処理が行われ、ユーザが、発注者端末90においてマイページの内容を閲覧可能となる。
【0075】
次に、発注者端末90は、ステップS32を実行する。ステップS32に応じて、包材発注管理装置10は、ステップS33,S34を実行する。ステップS32では、例えば、発注者端末90が、ユーザによる操作に基づいて、そのユーザに対して過去に提供された提供フォーマットデータの履歴を表す上記履歴画面92の表示を包材発注管理装置10に対して要求する。ステップS33では、例えば、情報提供部12が、履歴情報保持部26において、ステップS31で入力されたユーザIDに紐付けられた1以上の提供フォーマットデータの履歴を示す情報を準備する。そして、ステップS34では、例えば、情報提供部12が、上述した一覧表94を含む履歴画面92を発注者端末90のモニタ上に表示させる。これにより、ユーザが、発注者端末90において履歴画面92を閲覧可能となり、自身が過去に提供を受けたフォーマットデータ(そのデータに対応する型番)を把握することができる。
【0076】
次に、発注者端末90は、ステップS35を実行する。ステップS35では、例えば、包材発注管理装置10が、履歴画面92へのユーザの操作に基づいて、フォーマットデータの送信を包材発注管理装置10に対して要求する。ステップS35において、履歴画面92へのユーザの操作によって、過去に提供された1以上の提供フォーマットデータの中から、送信を要求する1つのデータが指定されてもよい。フォーマットデータの指定は、型番を指定することで行われてもよい。ステップS35において、履歴画面92へのユーザの操作によって、指定したフォーマットデータと共に過去に用いられたデザイン(デザイン要素)を含めてのデータの提供が要求されてもよい。
【0077】
ステップS35に応じて、包材発注管理装置10は、ステップS36を実行する。ステップS36では、例えば、情報提供部12が、少なくとも、指定されたフォーマットデータ(指定フォーマットデータ)を発注者端末90に対して提供する。一例として、情報提供部12は、指定されたフォーマットデータを含むデータ一式(
図5参照)を、発注者端末90からの履歴画面92での操作によってダウンロード可能なWebサイト等にアップロードしてもよい。この場合、発注者端末90の操作によって当該データをダウンロードすることで、発注者端末90(ユーザ)がフォーマットデータ一式を取得する構成としてもよい。履歴画面92に含まれる各型番に対応したフォーマットデータ一式が、それぞれ特定のWebサイトにおいてダウンロード可能な状態で設けられていてもよい。この場合、発注者端末90が履歴画面92への操作により特定の型番に対応したフォーマットデータ一式をダウンロードすることによって、発注者端末90(ユーザ)がフォーマットデータ一式を取得してもよい。
【0078】
次に、発注者端末90は、ステップS37,S38を実行する。ステップS37では、例えば、情報提供部12によって注文用フォームが提示された後に、発注者端末90のユーザが注文に必要な各種情報の少なくとも一部を入力する。ステップS37において提示される注文用フォームでは、ステップS36において提供されたフォーマットデータに対応付けられた型番が既に入力されていてもよい。ステップS38では、例えば、ユーザが、発注者端末90において、ステップS36で提供されたフォーマットデータを加工することで、印刷用のデザインデータを作成する。ユーザは、ステップS36において提供され、フォーマットデータとデザイン要素を表すデータとを含むデザインデータを加工、編集、又は、そのまま使用することで、新しいデザインデータを作成してもよい。
【0079】
次に、発注者端末90は、ステップS39,S40を実行する。ステップS39では、例えば、ユーザによる操作に基づいて、発注者端末90が、ステップS37で入力された注文情報、及び、ステップS38で作成されたデザインデータを、包材発注管理装置10に対して送信する。ステップS40では、例えば、ユーザによる操作に基づいて、発注者端末90が、ステップS39で送信された情報を含む注文内容を確定する指示を包材発注管理装置10に対して送信する。
【0080】
次に、包材発注管理装置10は、ステップS11と同様に、ステップS41を実行する。ここまでの処理により、注文の受付に係る一連の処理が完了する。以降、包材発注管理装置10及び包材製造管理装置30は、
図10では省略されているが、
図9に示されるステップS12~S20の一連の処理と同様の一連の処理を実行する。以上により、履歴画面92への操作によってフォーマットデータが提供される場合の、1つの包材の作成に係る一連の処理が終了する。履歴画面92への操作によるフォーマットデータの提供は、注文が行われる度に、必ず実行されるものではなく、ユーザによる要求があった場合に実行される。
【0081】
包材が軽包材以外の部材(例えば、紙器等)である場合、又は、包材発注システム1が取り扱う包材の種類に軟包材以外の部材が含まれる場合であっても、
図9及び
図10に示す手順が同様に実行される。
【0082】
[変形例]
以上、本開示は必ずしも上述した例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0083】
上述の例では、フォーマットデータ保持部25が保持するデータにおいて、複数のフォーマットデータ(複数のフォーマットデータ一式)それぞれは、包材の型番に対応付けられている。これに対して、フォーマットデータ保持部25が保持するデータにおいて、複数のフォーマットデータそれぞれが、型番に代えて、包材の形状、包材のサイズ、又は、包材の形状とサイズとの組合せに対応付けられていてもよい。すなわち、フォーマットデータ保持部25が保持するデータでは、型番に代えて、包材の形状、サイズ、又は、形状及びサイズの組合せごとに、1つのフォーマットデータが対応付けられていてもよい。このように、本開示では、複数のフォーマットデータの中から、ある1つの包材に対応する1つのフォーマットデータを特定する際に、型番、形状、サイズ、又は、形状及びサイズの組合せを示す情報が利用される。以下、包材の型番、包材の形状、包材のサイズ、並びに、包材の形状及びサイズの組合せのうちのいずれか1つを示す情報を「特定情報」と称する。フォーマットデータ保持部25が保持するデータでは、特定情報ごとに、1つのフォーマットデータが対応付けられていてもよい。
【0084】
情報提供部12は、ユーザによる過去の注文履歴に含まれる特定情報ごとの注文の頻度に基づく順序で、2以上のフォーマットデータそれぞれを示す情報が並ぶように、履歴画面92を発注者端末90に表示させてもよい。
図7に示される一覧表94において、型番に代えて、ユーザによる過去の注文履歴に含まれる包材の形状、包材のサイズ、又は、形状及びサイズの組合せごとの注文の頻度に基づく順序で、2以上のフォーマットデータそれぞれを示す情報が並んでいてもよい。一覧表94において、注文頻度が高い包材の形状、包材のサイズ、又は、形状及びサイズの組合せが画面上の上方から順に並ぶように、2以上のフォーマットデータそれぞれを示す情報が表示されてもよい。
【0085】
情報提供部12は、特定情報ごとの注文の頻度に代えて、過去の注文履歴に含まれる、データを提供した日を示す情報に基づく順序で、2以上のフォーマットデータそれぞれを示す情報が並ぶように、履歴画面92を発注者端末90に表示させてもよい。一例では、履歴画面92において、データを提供した日が新しい順で並ぶように、2以上のフォーマットデータそれぞれを示す情報が並んでいてもよい。
【0086】
包材発注管理装置10の一部の機能は、包材発注管理装置10とは別の装置で管理する構成としてもよい。例えば、ユーザ情報の管理は包材発注管理装置10とは別の装置で行う構成であってもよい。また、決済関係についても、包材発注管理装置10とは別の装置で管理する構成であってもよい。また、注文情報又は販売情報に含まれる情報は、上記実施形態で説明したものには限定されず、種々の情報を組み合わせることができる。また、注文用の入力フォーム、デザインデータの構成等も適宜変更され得る。以上に説明した種々の例のうちのいずれかの例で説明した内容の少なくとも一部が、他の例に適用されてもよい。
【0087】
[実施形態の効果]
以上に説明した包材発注管理装置10は、発注者が操作する発注者端末90からの包材の作成に係る注文を、インターネットを介して受け付ける装置である。この包材発注管理装置10は、複数種の包材にそれぞれ対応付けられた複数のフォーマットデータの中から、上記注文に関する1つの包材に対応付けられた指定フォーマットデータを発注者端末90に対して提供する情報提供部12と、指定フォーマットデータを含み、上記注文に関する1つの包材の印刷面に対するデザインを表す印刷データを取得する印刷データ取得部15と、印刷データと上記注文の内容を示す情報とを含む包材作成指示を、印刷機31が含まれる製造部門に対して送信する包材作成指示部16と、を備える。情報提供部12は、発注者端末90での発注者の操作による指示を受けた場合に、発注者を識別する情報に対応付けられ、複数のフォーマットデータのうちの発注者に対して過去に提供されたフォーマットデータの履歴を示す履歴情報を含む履歴画面92を、発注者端末90に表示させ、履歴画面92での発注者の操作による指示を受けた場合に、履歴情報の中から、履歴画面92への発注者による操作に基づき特定されるフォーマットデータを指定フォーマットデータとして発注者端末に提供する。
【0088】
この包材発注管理装置10では、発注者に対して過去に提供されたフォーマットデータの履歴を表す履歴画面92が発注者端末90に表示される。そして、その履歴画面92への発注者の操作に基づいて、発注者に対して、注文を行おうとする包材への印刷データの元となるフォーマットデータが提供される。発注者は、過去に提供を受けたフォーマットデータを利用して、包材の注文を行う場合に、履歴画面92への操作からフォーマットデータを取得することができる。過去に自身が使用したフォーマットデータを繰り返し使用する場合があり、上記包材発注管理装置10は、ユーザの利便性を向上させるのに有用である。
【0089】
以上に説明した包材発注管理装置10において、情報提供部12は、複数のフォーマットデータのうちの発注者端末90に対して過去に提供されたフォーマットデータである2以上の提供フォーマットデータそれぞれを示す情報が、発注者による過去の注文履歴に基づく順序で並ぶように、履歴画面92を発注者端末90に表示させてもよい。この場合、注文履歴に基づいて、使用される可能性が高いフォーマットデータを発注者に対して分かりやすく提示することができる。そのため、ユーザの利便性を向上させるのに更に有用である。
【0090】
以上に説明した包材発注管理装置10において、複数のフォーマットデータそれぞれは、包材の型番、包材の形状、包材のサイズ、並びに、包材の形状及びサイズの組合せのうちのいずれか1つを示す特定情報に対応付けられていてもよい。発注者端末90に表示された履歴画面92では、発注者による過去の注文履歴に含まれる特定情報ごとの注文の頻度に基づく順序で、2以上の提供フォーマットデータそれぞれを示す情報が並んでいてもよい。この場合、注文履歴に含まれる特定情報ごとの注文の頻度に基づいて、使用される可能性が高い型番等の特定情報に対応するフォーマットデータを発注者に対して分かりやすく提示することができる。そのため、ユーザの利便性を向上させるのに更に有用である。
【0091】
以上に説明した包材発注管理装置10において、情報提供部12は、過去の注文において指定フォーマットデータに追加されたデザイン要素を表すデータを、指定フォーマットデータと共に発注者端末に対して提供可能であってもよい。この場合、発注者は、過去に利用したフォーマットデータと共に、そのフォーマットデータを用いて作成されたデザイン要素を表すデータを取得することができる。これにより、発注者は、過去の注文に用いたデザインを参考にして、新しい注文を行うことができる。そのため、ユーザの利便性を向上させるのに更に有用である。
【符号の説明】
【0092】
1…包材発注システム、10…包材発注管理装置、12…情報提供部、15…印刷データ取得部、16…包材作成指示部、30…包材製造管理装置、31…印刷機、90…発注者端末、92…履歴画面。