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特開2024-41474包材発注管理装置、及び、包材発注システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041474
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】包材発注管理装置、及び、包材発注システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20240319BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20240319BHJP
【FI】
G06Q30/06 310
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146308
(22)【出願日】2022-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100169063
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100212026
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真生
(72)【発明者】
【氏名】南 浩紀
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 徹
(72)【発明者】
【氏名】八城 順平
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB24
5L049BB34
5L049BB54
5L049CC03
(57)【要約】
【課題】製造状況に合わせたオンライン取引を可能とする。
【解決手段】包材発注管理装置は、発注者端末からの包材の作成に係る注文を、インターネットを介して受け付ける装置である。この包材発注管理装置は、発注者による操作に基づいて、注文の内容を示す注文情報と、注文情報により特定される包材に対して印刷するデザインが含まれたデザインデータと、を取得する注文関連情報取得部と、注文情報の少なくとも一部と、デザインデータとを含む包材作成指示を、印刷機が含まれる製造部門に対して送信する包材作成指示部と、発注者端末から注文可能な包材の販売に関連し、前記発注者端末に送信される販売情報を管理する販売情報管理部と、を備える。販売情報管理部は、製造部門における包材の作成に係る状況を示す状況情報に基づいて、発注者端末に対して送信される販売情報を変更する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発注者が操作する発注者端末からの包材の作成に係る注文を、インターネットを介して受け付ける包材発注管理装置であって、
前記発注者による操作に基づいて、前記注文の内容を示す注文情報と、前記注文情報により特定される包材に対して印刷するデザインが含まれたデザインデータと、を取得する注文関連情報取得部と、
前記注文情報の少なくとも一部と、前記デザインデータとを含む包材作成指示を、印刷機が含まれる製造部門に対して送信する包材作成指示部と、
前記発注者端末から注文可能な包材の販売に関連し、前記発注者端末に送信される販売情報を管理する販売情報管理部と、を備え、
前記販売情報管理部は、前記製造部門における包材の作成に係る状況を示す状況情報に基づいて、前記発注者端末に対して送信される前記販売情報を変更する、包材発注管理装置。
【請求項2】
前記販売情報管理部は、前記発注者端末から注文可能な包材の型番ごとに、前記状況情報に基づいて前記販売情報を変更する、請求項1に記載の包材発注管理装置。
【請求項3】
前記販売情報管理部は、前記製造部門とは異なる別の製造部門における包材の作成に係る状況を示す情報に更に基づいて、前記販売情報を変更する、請求項1に記載の包材発注管理装置。
【請求項4】
前記販売情報は、前記発注者まで包材を納品することが可能な期間を示す情報、包材の販売価格を示す情報、及び、包材の注文単位を示す情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の包材発注管理装置。
【請求項5】
前記状況情報は、前記製造部門における前記印刷機の稼働状況を示す情報を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の包材発注管理装置。
【請求項6】
発注者が操作する発注者端末からの包材の作成に係る注文を、インターネットを介して受け付ける包材発注管理装置と、印刷機が含まれる製造部門において、前記包材発注管理装置からの指示に基づいた包材の作成を管理する包材製造管理装置と、を備える包材発注システムであって、
前記包材発注管理装置は、
前記発注者による操作に基づいて、前記注文の内容を示す注文情報と、前記注文情報により特定される包材に対して印刷するデザインが含まれたデザインデータと、を取得する注文関連情報取得部と、
前記注文情報の少なくとも一部と、前記デザインデータとを含む包材作成指示を、前記包材製造管理装置に対して送信する包材作成指示部と、
前記発注者端末から注文可能な包材の販売に関連し、前記発注者端末に送信される販売情報を管理する販売情報管理部と、を有し、
前記包材製造管理装置は、前記製造部門における包材の作成に係る状況を示す状況情報を、前記包材発注管理装置に対して送信し、
前記販売情報管理部は、前記状況情報に基づいて、前記発注者端末に対して送信される前記販売情報を変更する、包材発注システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、包材発注管理装置、及び、包材発注システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットを介した発注者端末からの発注信号に基づいて、受注、印刷、納品手配を行うオンラインプリントシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-9506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、ECサイト等を利用したオンラインによる商取引(オンライン取引)が広がっており、ユーザが指定するデザインが印刷された包材もオンラインによる注文の対象とすることが検討されている。本開示は、製造部門の状況に合わせた包材のオンライン取引を行うことが可能な包材発注管理装置、及び、包材発注システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]本開示の一側面に係る包材発注管理装置は、発注者が操作する発注者端末からの包材の作成に係る注文を、インターネットを介して受け付ける装置である。この包材発注管理装置は、発注者による操作に基づいて、注文の内容を示す注文情報と、注文情報により特定される包材に対して印刷するデザインが含まれたデザインデータと、を取得する注文関連情報取得部と、注文情報の少なくとも一部と、デザインデータとを含む包材作成指示を、印刷機が含まれる製造部門に対して送信する包材作成指示部と、発注者端末から注文可能な包材の販売に関連し、前記発注者端末に送信される販売情報を管理する販売情報管理部と、を備える。販売情報管理部は、製造部門における包材の作成に係る状況を示す状況情報に基づいて、発注者端末に対して送信される販売情報を変更する。
【0006】
[2]上記[1]に記載の包材発注管理装置において、販売情報管理部は、発注者端末から注文可能な包材の型番ごとに、状況情報に基づいて販売情報を変更してもよい。
【0007】
[3]上記[1]または[2]に記載の包材発注管理装置において、販売情報管理部は、製造部門とは異なる別の製造部門における包材の作成に係る状況を示す情報に更に基づいて、販売情報を変更してもよい。
【0008】
[4]上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の包材発注管理装置において、販売情報は、発注者まで包材を納品することが可能な期間を示す情報、包材の販売価格を示す情報、及び、包材の注文単位を示す情報のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0009】
[5]上記[1]~[4]のいずれか1つに記載の包材発注管理装置において、状況情報は、製造部門における印刷機の稼働状況を示す情報を含んでもよい。
【0010】
[6]本開示の一側面に係る包材発注システムは、発注者が操作する発注者端末からの包材の作成に係る注文を、インターネットを介して受け付ける包材発注管理装置と、印刷機が含まれる製造部門において、包材発注管理装置からの指示に基づいた包材の作成を管理する包材製造管理装置と、を備えるシステムである。包材発注管理装置は、発注者による操作に基づいて、注文の内容を示す注文情報と、注文情報により特定される包材に対して印刷するデザインが含まれたデザインデータと、を取得する注文関連情報取得部と、注文情報の少なくとも一部と、デザインデータとを含む包材作成指示を、包材製造管理装置に対して送信する包材作成指示部と、発注者端末から注文可能な包材の販売に関連し、前記発注者端末に送信される販売情報を管理する販売情報管理部と、を有する。包材製造管理装置は、製造部門における包材の作成に係る状況を示す状況情報を、包材発注管理装置に対して送信する。販売情報管理部は、状況情報に基づいて、発注者端末に対して送信される販売情報を変更する。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、製造部門の状況に合わせた包材のオンライン取引を行うことが可能な包材発注管理装置、及び、包材発注システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、包材発注システムの概略構成の一例を示す図である。
図2図2は、資材情報保持部によって保持される情報の一例を示す図である。
図3図3(a)は、軟包材の材質構成の一例を示す模式図である。図3(b)は、軟包材の仕様に関する情報の一例を示す図である。
図4図4は、フォーマットデータ保持部によって保持される情報の一例を示す図である。
図5図5は、フォーマットデータの一例を示す模式図である。
図6図6(a)は、販売情報保持部によって保持される情報の一例を示す図である。図6(b)は、販売情報管理部によって保持される情報の一例を示す図である。
図7図7(a)、図7(b)、及び、図7(c)は、発注者端末において表示される販売情報の一例を示す図である。
図8図8は、包材発注管理装置及び包材製造管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図9図9は、販売情報の管理方法の一例を示すフロー図である。
図10図10は、包材発注システムによる発注方法及び納品方法の一例を示すフロー図である。
図11図11は、包材発注システムの概略構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して一実施形態について説明する。説明において、同一要素または同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0014】
[包材発注システム]
図1は、一実施形態に係る包材発注システム1を模式的に示す図である。包材発注システム1は、発注者によって操作される発注者端末90との間で通信を行い、発注者端末90からの注文指示に基づいて包材を製造し提供するシステムである。包材発注システム1が、発注者端末90からの注文指示に基づいて包材を製造及び提供することで、発注者に対する包材の販売が行われる。包材発注システム1は、包材発注管理装置10と、包材製造管理装置30と、を備える。
【0015】
包材発注システム1は、発注者が操作する発注者端末90からの注文を受け付けて、製造部門と連携して動作する包材製造管理装置30に対して注文に基づく製品の製造及び納品を指示する機能を有する。包材発注システム1で取り扱う製品とは「包材」である。包材は、内容物(商品)を包むための部材である。包材は、内容物を包むものであれば、その種類は限定されず、例えば、軟包材、鮮度保持剤(脱酸素剤)に用いられる包装材、及び、紙器が挙げられる。本開示において、包材には、商品のパッケージに使用される袋または容器だけでなく、容器等に装着されるラベルも含まれ得る。
【0016】
包材の一例である軟包材は、紙、プラスチックフィルム、アルミニウム箔、布などの柔軟性に富む材料で構成した包装に使用される包材である。このなかでもプラスチックフィルムが主材料として用いられることが多い。また、軟包材は、複数の素材を組み合わせた複合材料を用いることで、バリア性、耐熱性等の所望の性能を発揮するための工夫が行われる。軟包材等の包材は、商品のパッケージ等に使用されることが多いため、包材の印刷面への印刷内容は、注文に応じて異なる場合が想定される。このように、包材を発注者から受注する場合、包材に使用する材料を指定する情報、印刷するためのデザインデータ等を発注者から取得する必要があり、さらにこれらの情報を製造部門へ適切に提供することが求められる。
【0017】
軟包材に使用される材料としては、単層フィルムと、多層フィルムと、が挙げられる。このうち、多層フィルムは、一般的には基材、中間層、及びシーラント層を、接着剤を用いて貼り合わせる(ラミネートする)ことによって作成される。デザインデータの印刷は基材に対して行われる。また、中間層は、軟包材の用途によっては省略される場合もあるが、例えば、バリア材として機能する材料が選択される場合もある。特定の用途に使用する軟包材を作成する場合、当該用途に適した資材を組み合わせることで材料(多層フィルム)が作成される。軟包材は用途に応じてその材料(フィルム、インク等)が異なるため、その製造に用いられる資材も多種多様となる。紙器、及び、ラベルについても、用途に応じてその材料が異なるものになり得るので、その製造に用いられる資材も多種多様となる場合がある。一方、発注者は、発注する包材の用途に基づいて、多種類の包材の中から選択して注文を行うことになる。上記の包材発注システム1では、上記のように多様な資材を用いて作成される多種類の包材の作成に係る発注者からの注文を一元的に管理すると共に、注文を受けた包材の製造を管理する。
【0018】
包材発注システム1において、包材発注管理装置10は、発注者端末90からの注文を取得する装置である。包材発注管理装置10は、インターネットを介して発注者端末90からの注文を取得する、所謂オンラインによる受注を行う装置である。包材発注管理装置10は、発注者端末90が閲覧可能なWebサイト等を有していて、このWebサイトに対して発注者が入力した情報を取得する。また、包材発注管理装置10は、発注者端末90からの注文を受け付けるとその情報を管理すると共に、包材製造管理装置30に対して製品の製造に係る情報を提供する。
【0019】
包材製造管理装置30は、包材製造工場等の包材の製造に係る部門(図1では「包材製造部門」としている)において、製造に関する各種機器の管理を行う機能を有する。包材製造管理装置30は、包材発注管理装置10からの指示に基づいて印刷機31、ラミネート機32及び製袋機33等の包材の製造に係る機器を制御する機能を有していてもよい。さらに、包材製造管理装置30は、資材の発注や在庫管理等を行う機能を有していてもよい。包材発注管理装置10と包材製造管理装置30とは、例えば、無線通信、または、有線通信が可能な構成とされていて、包材発注管理装置10において受注した包材の作成が包材製造管理装置30に対して適宜指示される。包材製造管理装置30は、この指示に基づいて、包材製造部門における各機器について、注文を受けた包材の作成に関する工程の管理を開始する。なお、包材製造管理装置30による包材の作成の工程に関する管理には、例えば、注文を受けた包材に応じた製造工程(例えば、資材の貼り合わせ、印刷等)の把握、この製造工程を進めるための各機器における作業のスケジューリング、包材に使用する資材の調達(発注)等の一部が含まれていてもよい。
【0020】
発注者端末90は、例えば、発注者であるユーザによって使用される端末装置であり、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等の装置が挙げられる。発注者端末90は、インターネットに対して接続可能である。インターネットへの接続に際して、例えばインターネット以外の通信網を経由してもよい。発注者端末90は、後述の印刷用のデザインデータを編集する機能を有していてもよい。
【0021】
なお、特定のユーザが使用する発注者端末90は、1つには限定されない。すなわち、一のユーザが複数の発注者端末90を利用してもよい。したがって、例えば、ユーザが注文情報の送信に利用する発注者端末90と、デザインデータの送信に利用する発注者端末90とが互いに異なっていてもよい。複数の発注者端末90がそれぞれインターネットに接続して情報の送受信を行うことができる場合、ユーザは各発注者端末90を個別に取り扱うことができる。ユーザ(発注者)は、個人であってもよく、会社等の法人であってもよい。以下、包材発注管理装置10及び包材製造管理装置30について、包材発注システム1が包材の一例である軟包材を取り扱う場合を例に説明する。
【0022】
[包材発注管理装置]
図1に示すように、包材発注管理装置10は、機能上の構成(以下、「機能モジュール」という。)として、情報提供部12、注文受付部14、印刷データ取得部15、包材作成指示部16、納品管理部17、決済処理部18、ユーザ情報保持部21、受注情報保持部22、資材情報保持部23、フォーマットデータ保持部24、販売情報保持部25、及び、販売情報管理部27を有する。これらの機能モジュールが実行する処理は、包材発注管理装置10が実行する処理に相当する。また、包材発注管理装置10は、発注者端末90及び包材製造管理装置30との間で通信を行い情報の送受信を行う。包材発注管理装置10と発注者端末90または包材製造管理装置20との通信は、有線または無線で行われ得る。
【0023】
情報提供部12は、発注者端末90に対して所定の情報を提供する機能を有する。情報提供部12によって提供される情報には、発注者が包材を注文する際に必要となる各種の情報が含まれる。情報提供部12は、例えば、発注者端末90において閲覧可能なWebサイトを準備する。これにより、発注者端末90からのリクエスト(例えばURLの指定)によって、発注者端末90においてWebサイトが閲覧可能となる。
【0024】
注文受付部14は、発注者端末90からの包材の注文を受け付ける機能を有する。例えば、発注者のリクエストに応じて、情報提供部12によって注文用の入力フォームが発注者端末90の画面上に表示される。発注者は、入力フォームへ情報を入力すること等によって、注文に必要な情報を入力する。入力された情報が、インターネットを介してWebサイトを提供する包材発注管理装置10に対して送信されることで、注文受付部14が注文に必要な情報を取得する。これにより、注文受付部14は注文を受け付けることができる。
【0025】
注文受付部14が注文を受け付ける際に取得する注文内容を示す情報(以下、「注文情報」という。)とは、注文者を特定する情報(氏名、住所等)、注文する製品に関する情報、納品先を特定する情報(氏名、住所等)、費用の支払いに関する情報等が挙げられる。このうち、注文する製品に関する情報としては、軟包材の場合、例えば、包材の種類(例えば、使用する資材)を特定する情報及び注文数が挙げられる。包材を指定する情報には、包材に使用される資材を特定する情報(複数種類の資材を積層したフィルムである場合、各層の情報等)と、包材の形状、大きさを特定する情報(形状とは、例えば、三方平袋、スタンディングパウチ等)と、が挙げられる。本実施形態の包材発注管理装置10では、上記の包材を構成する材料(資材)を特定する情報と、包材の形状及び大きさを特定する情報に対応付けて、型番が割り当てられている。そのため、発注者は、型番を指定することで、包材の材料を特定する情報と、包材の形状及び大きさを特定する情報と、を包材発注管理装置10に対して送信することが可能となる。
【0026】
発注者(ユーザ)が発注者端末90を操作して特定の包材を選択して注文を行うことが可能となるように、情報提供部12によって、発注者端末90においてユーザに対して提示される情報が調整され得る。例えば、ユーザが購入可能な軟包材のそれぞれについて、包材の種類(例えば、使用する資材)、大きさ、形状、収容可能な容量の目安等を示すことは、ユーザが軟包材を選択する際に重要な情報となり得る。また、軟包材の用途(レトルト対応、ボイル対応、電子レンジ対応、収容可能な内容物の例等)、特性(遮光性、帯電防止性、透明性等)などの情報は、包材の種類を直接表示する場合と比較して、ユーザによる包材の選択において重要な情報となる可能性がある。したがって、ユーザの利便性を高めること等を目的として、ユーザが使用する注文画面にこれらの情報を組み合わせて表示してもよい。
【0027】
印刷データ取得部15は、発注者による操作に基づいて、印刷に使用するデザインデータを取得する機能を有する。印刷データ取得部15は、例えば、発注者端末90において発注者により作成されたデザインデータを、発注者による送信指示に基づいて発注者端末90から取得する。印刷に使用するデザインデータとは、注文情報で特定される包材に対して印刷するデザインが含まれたデータである。なお、軟包材に対する印刷の種類としては、基本的にデザインデータから直接印刷を行うデジタル印刷と、製版及び色合わせを行った上で印刷を行う非デジタル印刷と、が挙げられる。非デジタル印刷としては、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、EBオフセット印刷等が挙げられる。ただし、これらの印刷方法とは異なる非デジタル印刷方法が用いられてもよい。包材発注管理装置10は、いずれの印刷にも対応可能である。ただし、デジタル印刷の場合には、製版を行わず発注者から取得した印刷データをそのまま印刷に使用してもよい。そのため、包材発注管理装置10では、フォーマットデータを発注者に対して提供することによって、発注者から所定の包材に適したデザインデータ(印刷用データ)を取得する構成とされる。この点については後述する。注文受付部14が取得した情報及び印刷データ取得部15が取得した情報は、受注情報保持部22において保持される。注文受付部14及び印刷データ取得部15は、発注者からの注文の内容を示す情報(注文情報)とデザインデータとを取得する注文関連情報取得部としての機能を有する。
【0028】
印刷データ取得部15は、発注者から送信されたデザインデータがPDFデータである場合、予め設定したチェック項目に基づいてデータチェックを行う、プリフライトチェックを行ってもよい。また、印刷データ取得部15は、プリフライトチェックの結果と、最終的に印刷に使用する予定のデザインデータとを、発注者に対して通知する構成としてもよい。この場合、発注者は、例えばメール等で通知されたURLに基づいて所定サイトにアクセスすることで、通知内容を確認する構成としてもよい。なお、プリフライトチェックはPDFデータに対して行われるものであるが、デザインデータとしてPDFデータ以外のデータを取り扱う場合にも、同種のチェックを行う構成としてもよい。最終的に印刷に使用する予定のデザインデータは、発注者から送信された当初のデザインデータに対して校正が行われた後のデータであってもよい。校正後のデザインデータに対する発注者の承認が得られた後、承認が得られた校正後のデザインデータが、最終的に印刷に使用するデータとして受注情報保持部22において保持されてもよい。発注者(発注者端末90)からのデザインデータの送信に代えて、第三者が作成したデザインデータの候補を発注者端末90の操作により発注者が承認することで、印刷データ取得部15が、そのデザインデータの候補をデザインデータとして取得してもよい。第三者が作成したデザインデータの候補は、包材発注管理装置10に保持されていてもよい。デザインデータの候補は、包材発注管理装置10において作成されたデータであってもよく、他のコンピュータ装置において作成された後に、包材発注管理装置10に送信されたデータであってもよい。
【0029】
包材作成指示部16は、注文受付部14が受け付けた注文及び印刷データ取得部15によって取得されたデータに基づいて、包材製造管理装置30に対して包材作成指示を行う機能を有する。包材作成指示部16は、注文受付部14及び印刷データ取得部15によって取得した情報と、自装置(包材発注管理装置10)で保持している情報とに基づいて、包材製造管理装置30への指示に必要な情報を準備する。準備した情報を包材製造管理装置30(印刷機31が含まれる製造部門)に対して送信することで、包材発注管理装置10から包材製造管理装置30への包材作成の指示が行われる。包材発注管理装置10から包材製造管理装置30への包材作成の指示には、注文情報の少なくとも一部と、デザインデータとが含まれる。
【0030】
納品管理部17は、包材作成指示部16によって作成を指示した包材についての納品等の管理を行う機能を有する。包材作成指示部16によって作成が指示された包材は、完成すると包材製造部門(例えば、工場等)から納品先へ送付され得る。納品管理部17は、包材製造管理装置30から送信される納期情報や納品の通知等に基づいて、発注者に対して注文を受け付けた製品に関する制作状況や納品状況を通知する機能を有する。
【0031】
決済処理部18は、注文受付部14が受け付けた注文に関する決済を行う機能を有する。決済を行うための仕組みは特に限定されず、既存の決済手法を組み合わせて使用することができる。決済に関する履歴(決済を行ったことを示す情報等)は、注文に関する情報等と対応付けて、受注情報保持部22において保持されてもよい。決済に関する情報は、受注情報保持部22に保持される情報とは別に保持されてもよい。この場合、注文毎に決済が行われたことを確認できるように、例えば注文番号を利用した対応付け等が行われていてもよい。
【0032】
ユーザ情報保持部21は、包材発注管理装置10を使用するユーザ(包材発注管理装置10が提供するサービスを利用する利用者)に関する情報を保持する機能を有する。ユーザは、事前または初回の注文時に、包材発注管理装置10に対して登録に必要な情報を提供することで、包材発注管理装置10を利用するユーザとしてユーザ登録をする構成とすることができる。ユーザ登録の際にユーザから提供された情報は、ユーザ情報保持部21に保持される。また、ユーザ毎にユーザを特定する情報(例えば、ユーザID)が割り振られ、この情報を用いて特定のユーザに係る情報を取得することができる。このように、ユーザ情報保持部21にユーザの情報を登録しておくことで、ユーザが再び注文を行うときには、ユーザとして登録した情報を利用することができる。なお、ユーザ登録自体は包材発注管理装置10において必須の構成ではない。例えば、ユーザ管理を行わない場合には、包材発注管理装置10はユーザ情報保持部21を有していなくてもよい。また、後述の受注情報保持部22との対応付けを行わない構成としてもよい。または、ユーザ情報保持部21は、包材発注管理装置10を利用するユーザの一部のみを管理してもよい。すなわち、全てのユーザではなく、一部のユーザだけをユーザ登録の対象とする構成としてもよい。
【0033】
受注情報保持部22は、発注者から受け付けた注文の情報を保持する機能を有する。受注情報保持部22では、発注者からの一度の注文に対応付けて、注文受付部14が取得した情報と、印刷データ取得部15が取得したデザイン(印刷用データ)とが、保持され得る。さらに、受注情報保持部22では、各注文に対して、ユーザ情報保持部21において保持されているユーザの情報を対応付けて保持しておくことで、ユーザが過去の注文履歴の探索をすることが可能となる。ユーザ登録をしているユーザが発注者となる場合には、ユーザ登録された情報が発注者の情報になるので、ログインした状態で注文を行うことで、紐付けが可能となる。また、初回の注文時にユーザ登録を行う場合には、初回注文時に発注者として入力した情報がユーザ情報として使用され得る。そしてユーザを特定する情報として割り振られたユーザID等を利用して注文後でもデータの紐付けを行うことができる。
【0034】
資材情報保持部23は、型番と資材との対応関係に係る情報を保持する機能を有する。資材情報保持部23において保持される情報の例を図2に示す。図2では、注文時に使用される型番に、仕様書(例えば、製造部門で使用される仕様書を特定する情報)、材質構成が対応付けられている。材質構成とは、各型番に対応する包材を構成する各層の構成を示している。この情報を用いて、一つの型番から、当該型番の包材に使用される資材を特定することができる。図2に示す例では、「材質構成」として軟包材に使用する、基材、中間層、シーラント層、及びこれらの層に使用する資材の厚さを指定する情報が含まれている。また、「材質構成」には、層間で使用する接着剤や、印刷に使用するインク等を指定する情報が含まれていてもよい。「材質構成」に含まれる情報は、軟包材の種類に応じて適宜変更され得る。
【0035】
また、図2に示すように、資材情報保持部23において保持される情報には、型番に対応付けて、形状、サイズ、容量の目安、特徴(各軟包材の素材の特徴、用途などを説明する情報)等の情報が含まれていてもよい。資材情報保持部23において保持される種々の情報は、例えば、発注者が包材の注文を行う際に使用してもよい。具体的には、例えば、情報提供部12が、形状、サイズ、容量の目安、特徴等の情報を、Webサイト等においてユーザに対して提示し、当該情報に基づいて注文する包材の型番をユーザが選択する態様としてもよい。
【0036】
図3(a)及び図3(b)を参照しながら、図2に示す情報に含まれる、軟包材の構成例について説明する。図3(a)は、軟包材に使用される包材フィルム200を模式的に示す図であり、第1基材フィルム201、接着剤層204、第2基材フィルム202、接着剤層206及び第3基材フィルム203がこの順に積層されている。第1基材フィルム201の一対の主面のうち第2基材フィルム202寄りの一主面にはプライマー層(図示せず)が設けられていてもよい。また、接着剤層204の第1基材フィルム201寄りの一主面に静電インク層205が設けられる。プライマー層が設けられている場合、プライマー層の一対の主面のうち第2基材フィルム202寄りの一主面に静電インク層205が設けられる。この包材フィルム200は、例えば、電子レンジによって加熱される食品等の軟包材に使用されるフィルムである。
【0037】
図3(a)に示すように、第1基材フィルム201は蒸着層がアルミナの透明無機酸化物蒸着2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム12μm(凸版印刷株式会社製:GLARH)であり、第2基材フィルム202はナイロンフィルム15μmであり、第3基材フィルム203は無延伸ポリプロピレンフィルム60μmであるとする。この場合、図3(b)に示すように、材質構成は例えば、「GLARH12/NY15/CPP60」と、材質の略号と厚さ(数字)との組み合わせによって記述され得る。さらに、図3(b)では、蒸着層がアルミナの透明無機酸化物蒸着2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(GLARH)に代えて、メカニカルリサイクルPETを使用したフィルム(GLARNF)を採用可能であることが記載されている。このように、「材質構成」は軟包材に求められる機能を実現するための包材フィルムを構成する材質の構成を規定したものであり、図2に示す例でも同様に材質が略語によって記載されている。
【0038】
なお、図3(b)では、材質構成の他、用途及び袋の形状の指定(電子レンジ用スクエア型スタンディングパウチ)、接着剤層の指定、サイズ、容量の目安、絵柄(絵柄を追加可能な場所の指定)、及び、底テープの指定に係る情報も示されている。図3(b)に示す情報の一部は、図2に示す情報に含まれていてもよいし、図3(b)に示すように、本システムで取り扱う軟包材毎に個別にデータ管理されてもよい。
【0039】
図1に戻り、フォーマットデータ保持部24は、発注者に対して提供されて、発注者における印刷用のデザインデータの作成に使用されるフォーマットデータ一式に関する情報を保持する機能を有する。フォーマットデータ保持部24において保持される情報の一例を図4及び図5に示す。図4では、注文時に使用される型番に対応付けて、発注者(発注者端末90)に対して送信するデータを特定する情報(例えば、ファイル名)が対応付けられている。発注者端末90に対して送信されるフォーマットデータとは、発注者が発注者端末90またはそのほかの装置を利用してデザインの作成(データの加工)が可能であるデータである。また、発注者による加工後のデータ(印刷用のデータ)は、予め定められた様式で返送されることが好ましく、特に、デジタル印刷の場合、例えば印刷機31において使用可能な体裁で発注者端末90から包材発注管理装置10へ送信されることが求められる。そこで、例えば、図4に示すように、1つの型番に対して、1つのフォーマットデータと、1つの設定ファイルと、1つのマニュアルデータと、がフォーマットデータ一式として準備されていてもよい。このフォーマットデータ一式とは、発注者端末90に対して提供されるデータのパッケージとなり得る。
【0040】
なお、フォーマットデータとは、印刷に使用されるデータの元となるデータである。フォーマットデータの一例を図5に示す。図5に示すように、データD1には、型番に対応した包材に対応した描画エリアA1と非描画エリアA2とが規定され得る。また、描画エリアA1には、印字推奨エリアを区切るための枠線A3が設けられていてもよい。さらに、ファスナー等のように印刷に制限がある領域がある場合には、制限エリアA4が規定されていてもよい。このように、データD1には、発注者が包材に応じた適切なデザインの印刷データを作成することが可能となるような情報が含まれ得る。
【0041】
図4に戻り、型番毎に対応付けられている設定ファイルとは、例えば、発注者が使用するアプリケーション等において、印刷に使用されるデザインデータを適切な状態で出力するための各種設定を記述したファイルである。また、マニュアルデータとは、フォーマットデータ及び設定ファイルの使用方法が記載されたデータである。このようなデータセットを「フォーマットデータ一式」として、1つの型番に対応付けて保持していてもよい。なお、フォーマットデータ保持部24では、上記のデータD1のほか、設定ファイル及びマニュアルデータについても保持している。フォーマットデータ一式を発注者端末90に対して送信する場合には、型番に基づいて、3つのデータ(フォーマットデータ、設定ファイル及びマニュアルデータ)が選択される。そして、これらのデータを1つのパッケージとした上で、情報提供部12によって包材発注管理装置10から発注者端末90に対して送信される。
【0042】
図1に戻り、販売情報保持部25は、発注者端末90において注文可能な包材の販売に関連する情報(以下、「販売情報」という。)を保持する。販売情報は、発注者まで包材を納品することが可能な期間を示す情報、包材の販売価格を示す情報、及び、包材の注文単位を示す情報のうちの少なくとも1つを含んでもよい。図6(a)には、販売情報の一例が示されている。販売情報には、例えば、型番に対応付けて、販売価格、注文単位である1ロットあたりの個数が含まれてもよい。一例では、1ロットが100個である場合、発注者は、100個単位で包材を注文することが可能であり、最小注文数は100個となる。販売価格は、ロット数に応じて変動するように設定されていてもよい。この場合、ロット数が多くなるに従い、1枚あたりの単価が安くなるように、販売価格が設定されてもよい。ロット数に関係なく、1枚あたりの単価が定められることで、販売価格が設定されてもよい。販売情報保持部25が保持する販売情報には、型番に対応付けて、発注者まで包材を納品することが可能な期間(以下、「納品可能な期間」という。)が含まれてもよい。納品可能な期間は、幅を持たせた期間(例えば、4~6日のような期間)であってもよく、注文の受け付けから、包材製造部門が出荷できると予測される日までの期間(日数)であってもよい。販売情報保持部25によって保持される販売情報で示される価格等は、包材製造部門の状況を考慮せずに定められた標準の値であってもよい。販売情報は、後述するように、発注者端末90において閲覧可能な情報(例えば、Webサイト)を情報提供部12が準備する際に用いられる。
【0043】
販売情報管理部27は、発注者端末90から注文可能な包材の販売に関連する上記販売情報を管理する機能を有する。販売情報の管理とは、情報提供部12が発注者端末90に対して提供する情報のうちの販売情報に関して、その内容を決定することを意味する。販売情報管理部27は、包材製造部門における包材の作成に係る状況を示す情報(以下、「状況情報」という。)に基づいて、発注者端末90に対して送信される販売情報を変更する。販売情報を変更するとは、送信する情報の種類を変更することなく、その情報が示す数値等の内容を変更することを意味する。販売情報管理部27は、製造部門における各種機器のうちの1以上の機器(例えば、印刷機31)の稼働状況に基づいて、発注者端末90に対して送信される販売情報を変更してもよい。
【0044】
上記状況情報は、包材製造管理装置30から得られてもよい。包材製造管理装置30は、包材発注管理装置10からの送信リクエストに応じて、状況情報を包材発注管理装置10に送信してもよい。包材製造管理装置30は、定期的に状況情報を包材発注管理装置10に送信してもよく、製造部門において大きな状況の変化(例えば、納品日数に影響を及ぼす程度の状況の変化)が発生した際に、状況情報を包材発注管理装置10に送信してもよい。状況情報には、製造部門に含まれる印刷機31の稼働状況を示す情報が含まれてもよい。印刷機31の稼働状況を示す情報には、印刷機31がメンテナンス中または稼働中のいずれであるかを示す情報が含まれてもよく、印刷機31の稼働スケジュール(例えば、既に発注を受けた包材に対する印刷作業を行うスケジュール)を示す情報が含まれてもよい。印刷機31の稼働スケジュール(今後の運転予定)によって、販売情報管理部27は、当該印刷機31が含まれる製造部門の状況が、繁忙期であるか、閑散期であるか、それら以外の通常期であるかの判断を行ってもよい。
【0045】
販売情報管理部27は、製造部門における印刷機31の稼働スケジュールに基づいて、発注者端末90に対して送信される包材の販売価格を変更してもよい。一例では、販売情報管理部27は、製造部門が通常期であると判断される場合に、販売情報保持部25に保持された販売価格を変更することなく、その販売価格を発注者端末90に対して提供する価格に決定する。この場合、情報提供部12によって、発注者端末90に対して、販売情報保持部25に保持された基準の販売価格が送信される。販売情報管理部27は、製造部門が繁忙期であると判断される場合に、販売情報保持部25に保持された販売価格を上げた価格を、発注者端末90に対して提供する価格に決定する。この場合、情報提供部12によって、発注者端末90に対して変更後の販売価格(基準価格に対して高い価格)が送信される。販売情報管理部27は、製造部門が閑散期であると判断される場合に、販売情報保持部25に保持された販売価格を下げた価格を、発注者端末90に対して提供する価格に決定する。この場合、情報提供部12によって、発注者端末90に対して変更後の販売価格(基準価格に対して低い価格)が送信される。このように、資材情報保持部23に保持された基準の販売価格は、通常期の価格であってもよい。販売情報管理部27は、予め定められた手順に従って販売価格を上下させてもよい。
【0046】
販売情報管理部27は、発注者端末90から注文可能な包材の型番ごとに、状況情報に基づいて、型番に対応付けられた販売情報を変更してもよい。販売情報管理部27によって保持され、販売情報を変更する方法を定める情報の一例を図6(b)に示す。図6(b)に示されるように、包材の型番ごとに、製造部門の繁忙状況に応じた価格の変動率が定められてもよい。価格の変動率は、販売情報保持部25において保持される販売価格(基準の販売価格)を変更する率を表す。図6(a)及び図6(b)に示される例において、製造部門が繁忙期であると判断される場合には、販売情報管理部27は、注文型番「X0101」の注文数が100である場合の販売価格を「¥12,600」に変更する。これにより、基準価格に対して5%加算された販売価格が発注者端末90に送信される。製造部門が閑散期であると判断される場合には、販売情報管理部27は、注文型番「X0101」の販売価格を「¥11,400」に変更する。これにより、基準価格に対して5%減算された販売価格が発注者端末90に送信される。価格の変動率は、包材の型番ごとに異なっていてもよい。包材の型番ごとに、製造部門の繁忙状況に応じて、注文単位(1ロットあたりの枚数)が変更されてもよい。図6(b)に示される例において、製造部門が閑散期であると判断される場合に、販売情報管理部27は、注文型番「X0101」の注文単位が「50」であると変更する。販売情報管理部27は、注文数が50枚、150枚、及び、250枚である場合の販売価格の設定方法を予め保持していてもよい。
【0047】
図6(b)に示される例とは異なり、価格の変動率に代えて、販売価格を変更する量(増減幅)が定められていてもよい。包材の型番に関係なく、価格の変動率または価格の増減幅が一律に定められていてもよい。繁忙状況の判断が行われずに、販売情報管理部27は、製造部門における印刷機31の稼働スケジュールに応じて(例えば、新しい注文に対して印刷機31による印刷作業が可能な日時に応じて)、発注者端末90に提供される販売価格を決定してもよい。ユーザごとに、状況情報に基づく変更の仕方を異ならせてもよい。例えば、一部のユーザによる注文について、状況情報に基づく販売情報の変更が行われ、他の一部のユーザによる注文について、状況情報に基づく販売状況の変更が行われなくてもよい。図6(b)に示される例では、注文型番「X0101」の販売価格及び注文単位に関して、「U001~U099」のIDが付与されたユーザが注文する際には、状況情報に応じて販売価格等が変動し、「U100,102~104」のIDが付与されたユーザが注文する際には、状況情報に応じて販売価格等が変動しない。販売価格等の変動が適用される場合において、ユーザごとに価格等を変動させる方法(例えば、変動率または変動幅)が異なっていてもよい。
【0048】
販売情報管理部27は、製造部門における印刷機31の稼働スケジュールに基づいて、発注者端末90に対して送信される納品可能な期間を変更してもよい。販売情報管理部27は、例えば、販売情報保持部25に保持された納品可能な期間と、稼働スケジュールとに基づいて、発注者端末90に対して提供される納品可能な期間を変更(決定)してもよい。一例では、販売情報管理部27は、通常期、繁忙期、及び閑散期それぞれと、納品可能な期間の増減数とが予め対応付けられた情報と、稼働スケジュールにより判断される状況とに基づいて、発注者端末90に対して提供される納品可能な期間を変更してもよい。これに代えて、販売情報管理部27は、稼働スケジュールにより新しい注文に対して印刷機31による印刷作業の実行が可能な日時と、発注者までの運送に要する日数とを考慮して、納品可能な期間(納品までに要する予測の日数)を算出してもよい。型番に応じて印刷機31の稼働スケジュールが異なる場合、または、複数の印刷機31が製造部門に設けられ、型番に応じて印刷作業が複数の印刷機31それぞれに割り当てられる場合、型番ごとに、状況情報に基づいて納品可能な期間が算出されてもよい。納品可能な期間は、発注者に提示される目安の期間であってもよく、実際に発注が行われた際に設定される納期との間にずれが生じてもよい。なお、販売情報管理部27は、印刷機31の稼働スケジュールに代えて又は加えて、ラミネート機32及び製袋機33の少なくとも一方の稼働スケジュールに基づいて、発注者端末90に送信される、包材の販売価格及び納品可能な期間等の販売情報を変更してもよい。
【0049】
図7(a)、図7(b)、及び、図7(c)には、発注者端末90において販売情報に基づき表示される画面の一部が、模式的に例示されている。図7(a)には、販売情報管理部27によって製造部門が通常期であると判断されている場合の表示画面の一部が示され、図7(b)には、製造部門が繁忙期であると判断されている場合の表示画面の一部が示されている。図7(c)には、製造部門が閑散期であると判断されている場合の表示画面の一部が示されている。図7(a)、図7(b)、及び、図7(c)に示されるように、製造部門が繁忙期、閑散期、または、通常期のいずれの状況であるかによって、発注者端末90で表示される販売情報(販売価格、注文単位、納品目安)が異なっている。なお、上述の例では、製造部門での印刷機31の稼働スケジュールに応じて製造部門の状況が3段階に分けて評価されているが、製造部門が繁忙期であるか否か、製造部門が閑散期であるか否か、または、製造部門が繁忙期及び閑散期のいずれであるかの2段階に分けて評価されてもよい。販売情報管理部27は、所定のタイミングにて(例えば、1日、数日、または、1週間に1回)、状況情報に基づいて、発注者端末90に送信される販売情報を変更してもよい。
【0050】
包材発注管理装置10では、注文の受け付けによって発生する決済処理を管理する機能をさらに有していてもよい。包材発注管理装置10は、ユーザからの注文が確定した際に、ユーザが注文した時点で販売情報管理部27が送信していた販売価格に従って、決済処理を管理してもよい。決済処理の管理については、既存の処理を適用することが可能となるため、詳細な説明は省略する。
【0051】
[包材製造管理装置]
包材製造管理装置30は、包材発注管理装置10と連携して動作可能な装置である。また、包材製造管理装置30は、自装置が管理する部門(図1では、「包材製造部門」としている)における包材製造に関係する各装置を管理する機能を有する。各装置の一例として、図1では、印刷機31、ラミネート機32及び製袋機33を示している。印刷機31としては、印刷の種類に応じた印刷機として、デジタル印刷機または非デジタル印刷機(グラビア印刷機、EBオフセット印刷機、フレキソ印刷機等)が選択され得る。ラミネート機32としては、ドライラミネート機、エクストルージョンラミネート機等が挙げられる。なお、図1に示すこれらの機械は一例であって、包材製造管理装置30による管理対象は、これらに限定されない。また、包材製造管理装置30は、管理対象の機器(印刷機31等)を個別に制御可能であってもよいし、動作状況または運転予定(稼働スケジュール)のみを管理する構成であってもよい。包材製造管理装置30は、製造部門における包材の製造に関係する状況を示す状況情報を、包材発注管理装置10に対して送信してもよい。包材製造管理装置30は、所定のタイミングにて(例えば、1日1回)、または、包材発注管理装置10からの要求に応じて、包材発注管理装置10に対して状況情報を送信してもよい。包材製造管理装置30は、他の装置を介して、包材発注管理装置10に対して状況情報を送信(提供)してもよい。
【0052】
さらに、包材製造管理装置30は、自装置が管理する部門において製造する各製品の資材管理、工程管理等を一括して行う構成であってもよい。このように、包材製造管理装置30における管理対象は、管理対象の部門における包材の製造に関する全般の業務とすることができる。ただし、包材製造管理装置30は、これらの業務に係る管理を全て行っていなくてもよく、その一部のみを管理する構成であってもよい。一例として、本実施形態では、包材製造管理装置30は、包材発注管理装置10からの指示に基づいた包材の製造に係る管理の一部として、少なくとも、包材発注管理装置10からの包材の作成指示の受信と、受信したデータの管理と、作成指示を受けた包材の作成状況の管理(工程管理)を行う。なお、これらの管理は、1つの包材製造管理装置30において行う必要はなく、複数の装置で分散して管理する構成であってもよい。
【0053】
[包材発注管理装置及び包材製造管理装置のハードウェア構成]
図8は、包材発注管理装置10または包材製造管理装置30に用いられるコンピュータ110のハードウェア構成の一例を示す図である。例えば、コンピュータ110は制御回路100を有する。一例では、制御回路100は、一つまたは複数のプロセッサ101と、メモリ102と、ストレージ103と、通信ポート104と、入出力ポート105とを有する。プロセッサ101はオペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを実行する。ストレージ103はハードディスク、不揮発性の半導体メモリ、または取り出し可能な媒体(例えば、磁気ディスク、光ディスクなど)の記憶媒体で構成され、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを記憶する。メモリ102は、ストレージ103からロードされたプログラム、またはプロセッサ101による演算結果を一時的に記憶する。プロセッサ101は、メモリ102と協働してプログラムを実行することで、個々の機能モジュールとして機能する。通信ポート104は、プロセッサ101からの指令に従って、通信ネットワークNWを介して他の装置との間でデータ通信を行う。入出力ポート105は、プロセッサ101からの指令に従って、キーボード、マウス、モニタ、タッチパネルなどの入出力装置(ユーザインタフェース)との間で電気信号の入出力を実行する。
【0054】
なお、包材発注管理装置10及び包材製造管理装置30は、それぞれ複数のコンピュータ110によって構成されていてもよい。また、包材発注管理装置10及び包材製造管理装置30のいずれかが複数のコンピュータ110から構成されている場合、複数のコンピュータ110は、分散配置していてもよく、これらが相互に通信ネットワークNWを介して接続されていてもよい。
【0055】
[包材発注管理方法]
次に、図9及び図10を参照しながら、包材発注管理装置10及び包材製造管理装置30を含む包材発注システム1による包材発注管理方法について説明する。
【0056】
図9は、包材発注システム1において実行される販売情報の管理方法を示すフロー図である。図9に示されるように、包材発注管理装置10が、最初に、ステップS01を実行する。ステップS01では、例えば、包材発注管理装置10の販売情報管理部27が、所定のタイミングになるまで待機する。所定のタイミングは、例えば、1日のうちのある時刻、または、数日、数週間のうちのある日時に予め設定されている。次に、包材発注管理装置10と包材製造管理装置30の間で、ステップS02及びステップS03が行われる。ステップS02では、例えば、販売情報管理部27が、状況情報の提供を包材製造管理装置30に対して要求する。ステップS03では、包材製造管理装置30が、包材発注管理装置10からの要求を受信し、包材発注管理装置10に対して現在の状況情報を送信する。
【0057】
次に、包材発注管理装置10が、ステップS04を実行する。ステップS04では、例えば、販売情報管理部27が、包材製造管理装置30から送信された状況情報に基づいて、発注者端末90に対して送信される予定の販売情報を変更する。これにより、情報提供部12が、状況情報に基づき変更された後の販売情報を発注者端末90に対して提供可能となる。なお、状況情報が示す状況が異なっていても、販売情報の内容の一部または全部が変更されない場合もある。
【0058】
図10は、包材発注システム1による発注方法及び納品方法を示すフロー図である。図10に示すように、発注者端末90と包材発注管理装置10の間で、まず、ステップS11及びステップS12が行われる。ステップS11では、発注者が発注者端末90を操作することで、包材発注管理装置10が提供するWebサイトを参照し、当該Webサイトに必要情報を入力して、ユーザ登録要求を送信する。一方、ステップS12では、包材発注管理装置10が発注者端末90からのユーザ登録要求を受信し、包材発注管理装置10のユーザ情報保持部21にユーザの情報を登録すると共に、発注者端末90に対してユーザ登録が完了したことを通知する。これにより、発注者端末90のユーザが発注者となることが可能となる。なお、ステップS11及びステップS12は、事前にユーザ登録を行う場合の例であり、ユーザ登録を行うタイミングに応じてこの処理は変更され得る。また、包材発注管理装置10においてユーザ管理を行わない場合には、この処理は省略され得る。
【0059】
次に、包材発注管理装置10は、発注者端末90からの要求に基づいてステップS13を実行する。発注者端末90のユーザが包材発注管理装置10に対して包材の発注を行おうとする場合、ユーザは発注者端末90を操作して注文用のフォームの提示を要求する。この要求に対応して、情報提供部12は注文用フォームを提示する。注文用フォームの形式は特に限定されず、例えば、Webサイトにおいて提供可能な包材を複数表示することでユーザがその中から選択可能であってもよいし、ユーザが型番を入力する構成であってもよい。このように、ユーザが注文を行う際の情報を入力する形式、インタフェース等は適宜変更され得る。例えば、初期画面では、提供可能な包材をすべて表示する態様とし、ユーザが抽出条件を設定し検索することで、当該抽出条件に合致する特定の包材に係る情報のみを抽出して表示することとしてもよい。Webサイトにおいて提供可能な包材を複数表示する際に、各包材に関する販売情報(例えば、販売価格、注文単位、納品までの期間の目安)が表示されてもよい。情報提供部12は、注文用フォーム、または、他の画面において、販売情報管理部27によって管理されている販売情報を表示させてもよい。これにより、製造部門における状況情報に基づき変更された後の販売情報が、発注者に対して提示される。
【0060】
次に、注文用フォームを取得した発注者端末90では、ステップS14を実行する。ステップS14では、発注者端末90のユーザが注文に必要な各種情報の少なくとも一部を入力する。このとき、ユーザが入力する情報には、包材の型番を指定する情報が含まれてもよい。なお、ユーザは包材の型番を直接指定してもよいが、例えば、Webサイトに掲載されている包材の中から1つの包材を選択した場合に、当該包材に対応する型番が自動的に選択される構成であってもよい。
【0061】
次に、発注者端末90では、ステップS15を実行する。ステップS15では、入力後の注文フォームに記載された情報、すなわち注文情報が発注者端末90から包材発注管理装置10へ送信される。この注文情報には、包材の材質、形状及び大きさを指定する型番情報が含まれ得る。発注者端末90から注文情報が送信されると、包材発注管理装置10の注文受付部14では、ステップS16を実行する。ステップS16では、注文受付部14は、注文を受け付ける処理を開始するプロセスとして、注文情報を取得し、受注情報保持部22に保持する。また、必要に応じてユーザ情報保持部21との対応付け(例えばユーザIDを利用した情報の紐付け)を行う。
【0062】
次に、包材発注管理装置10の印刷データ取得部15では、ステップS17を実行する。ステップS17では、印刷データ取得部15はフォーマットデータ保持部24を参照して、注文情報に含まれる型番に対応したフォーマットデータ一式を準備する。次に、包材発注管理装置10の印刷データ取得部15では、ステップS18を実行する。ステップS18では、印刷データ取得部15が準備したフォーマットデータ一式を発注者端末90に対して送信する。一例として、印刷データ取得部15は、フォーマットデータ一式を、発注者端末90からの操作によってデータをダウンロード可能なWebサイト等にアップロードしてもよい。この場合、発注者端末90の操作によって当該データをダウンロードすることで、フォーマットデータ一式を取得する構成としてもよい。各型番に対応したフォーマットデータ一式が、それぞれ特定のWebサイトにおいてダウンロード可能な状態で設けられていてもよく、発注者端末90が特定の型番に対応したフォーマットデータ一式をダウンロードすることによって、フォーマットデータ一式を取得してもよい。
【0063】
これに対して、発注者端末90は、ステップS19を実行する。ステップS19では、フォーマットデータ一式を取得した発注者端末90において、データD1を加工することで、印刷用のデザインデータを作成する。
【0064】
作成後のデータについて、発注者端末90は、ステップS20を実行する。ステップS20では、発注者端末90から包材発注管理装置10に対して、加工後の印刷用のデザインデータが送信される。送信されたデータは包材発注管理装置10の印刷データ取得部15において取得される。なお、発注者端末90から包材発注管理装置10へのデザインデータの送付は、例えば、特定のWebサイトへのデータのアップロードによって行われてもよい。包材発注管理装置10に送信された当初のデザインデータに対して校正が行われてもよい。校正後のデザインデータに対する発注者の承認が得られた後、印刷データ取得部15は、承認が得られた校正後のデザインデータを、最終的に印刷に使用するデータとして取得してもよい。
【0065】
包材発注管理装置10でのデザインデータの取得が行われた後に、ユーザが、注文に必要な各種情報の一部を発注者端末90に更に入力してもよい。注文情報の取得、及び、デザインデータの取得は、どのような順で行われてもよい。ここまでの手順が終わると、包材発注管理装置10の決済処理部18はステップS21を実行する。ステップS21では、決済処理部18は、発注者からの注文を確定させて、決済処理を行う。決済処理部18により決済が行われたことを示す情報は、例えば、上述のように受注情報保持部22に記録される。ここまでの処理により、注文の受付に係る一連の処理が完了する。
【0066】
次に、包材発注管理装置10の包材作成指示部16では、ステップS22を実行する。ステップS22では、包材作成指示部16は、注文情報に含まれる型番を参照し、資材情報保持部23を参照して、包材製造管理装置30への送信が必要な情報が準備される。すなわち、型番で指定される包材で使用される資材を特定する情報(資材指定情報)が準備される。包材作成指示部16では、資材情報保持部23に保存されている情報から、型番に対応する資材の情報を取得する。これにより、包材製造管理装置30へ送信するデータが整うことになる。
【0067】
次に、包材発注管理装置10の包材作成指示部16は、ステップS23を実行する。ステップS23では、包材作成指示部16から包材製造管理装置30に対して包材の作成指示が送信される。作成指示には、注文情報の少なくとも一部(例えば、包材を特定する情報、包材の納品先に係る情報)と、当該包材の作成に使用される資材を指定する情報と、包材への印刷に使用されるデザインデータとが含まれてもよい。
【0068】
次に、包材の作成指示を受けた包材製造管理装置30は、ステップS24を実行する。ステップS24では、包材製造管理装置30は、作成指示に基づいて、包材の作成に係る工程の管理及び作成を開始する。包材製造管理装置30における工程管理の対象とは、例えば、資材の調達、印刷機31、ラミネート機32及び製袋機33等の包材の作成に使用する各装置の使用時間帯の確保等が挙げられる。ステップS24において、デザインデータに対して、印刷機31での使用を可能にするための調整(データの校正等)が行われてもよい。
【0069】
製品の作成と並行して、包材製造管理装置30がステップS25を実行し、これに対応して包材発注管理装置10がステップS26を実行する。ステップS25では、包材製造管理装置30は、包材の納期の予定を包材発注管理装置10に対して通知する。納期の予定は、例えば工程管理(ステップS24)の結果特定され得る。包材製造管理装置30は、納期が見込めた段階で包材発注管理装置10に対して通知する。通知される包材の納期の予定は、販売情報に含まれ得る納品可能な期間に対応するものであってもよく、販売情報を提供した時点からの状況の変化等により、納品可能な期間に対してずれていてもよい。ステップS26では、包材製造管理装置30から納期予定の情報を受信した包材発注管理装置10が、納品管理部17によって納期の情報を発注者端末90に対して通知する。発注者端末90への通知の方法は特に限定されず、例えば、Webサイト(例えば、ユーザ毎に割り当てられるユーザページ等)での通知、メールによる通知等が挙げられる。このとき、納品管理部17では、受注情報保持部22に保持されている受注情報において納期の情報を更新することとしてもよい。
【0070】
製品が完成すると、包材製造管理装置30がステップS27を実行する。また、ステップS27の実行に伴い、ステップS28~ステップS30が実行される。ステップS27では、包材製造管理装置30は、完成した製品を作成指示に含まれる納品先に対して製品を発送する。製品の発送と共に、ステップS28として発送通知が包材製造管理装置30から包材発注管理装置10へ送信される。また、ステップS29では、発送通知を受信した包材発注管理装置10は、発送が完了した旨の報告を発注者端末90に対して行う。発注者端末90への通知の方法は特に限定されず、例えば、Webサイト(例えば、ユーザ毎に割り当てられるユーザページ等)での通知、メールによる通知等が挙げられる。また、ステップS30に示すように、商品は別途、包材製造管理装置30(製造部門)から納品先へ送付される。なお、図10では納品先が発注者端末90のユーザである場合の例として、発注者端末90に対して商品が送られる状態を示している。納品先は、注文情報に基づいて設定されるので、発注者端末90のユーザがいる場所とは異なる場所に納品される場合もある。
【0071】
上記によって、一つの包材の作成に係る一連の処理が終了する。なお、同一のユーザが2回目以降に包材の注文を行う場合には、図10に示す手順の一部を省略することができる。例えば、包材発注管理装置10において、ユーザ管理を行っている場合には、2回目以降はユーザ登録が完了しているため、ユーザ登録に係る手順(S11~S12)は省略され、これに対してユーザID等を利用したログイン処理が行われる。また、上述のように、包材発注管理装置10においてユーザ管理を行っている場合には、ユーザ登録に使用された情報を利用して注文情報を作成することができるため、例えば、注文情報の入力(S14)における情報の入力等を簡略化することができる。包材が軽包材以外の部材(例えば、紙器等)である場合、または、包材発注システム1が取り扱う包材の種類に軟包材以外の部材が含まれる場合であっても、図9及び図10にそれぞれ示す手順が実行されてもよい。
【0072】
[変形例]
以上、本開示は必ずしも上述した例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0073】
図11に示されるように、包材発注システム1は、包材製造管理装置30に加えて、包材製造管理装置30Aを備えてもよい。包材製造管理装置30Aは、包材製造管理装置30が設けられる包材製造部門とは別の包材製造部門において、印刷機31等の各種機器の管理を行う機能を有する。包材製造管理装置30Aが各種機器の管理を行う包材製造部門(別の製造部門)は、包材製造管理装置30が設けられる包材製造部門とは異なる工場であってもよい。これらの2つの包材製造部門は、互いに異なる地域(例えば、東日本と西日本と)に位置していてもよい。包材発注管理装置10は、1つの注文に係る包材作成指示を、包材製造管理装置30及び包材製造管理装置30Aのいずれか一方に送信してもよい。包材製造管理装置30及び包材製造管理装置30Aが設けられる2つの包材製造部門は、発注者端末90により注文可能な複数種の包材(複数種の型番)の少なくとも一部を共通して製造可能である。
【0074】
包材発注管理装置10は、包材製造管理装置30からの上記状況情報に加えて、包材製造管理装置30Aにおける包材の作成に係る状況を示す情報(以下、この情報も「状況情報」という。)を取得してもよい。販売情報管理部27は、2つの包材製造部門それぞれにおける状況情報に基づいて、発注者端末90に送信される販売情報を変更する。一例では、販売情報管理部27は、2つの包材製造部門それぞれの状況情報から、いずれか一方の製造部門が閑散期であると判断される場合に、閑散期に応じた販売情報に変更する。販売情報管理部27は、いずれの製造部門も閑散期であると判断されずに、いずれか一方の製造部門が通常期であると判断される場合に、通常期に応じた販売情報に変更する。販売情報管理部27は、双方の製造部門が繁忙期であると判断される場合に、繁忙期に応じた販売情報に変更する。
【0075】
包材発注管理装置10の一部の機能は、包材発注管理装置10とは別の装置で管理する構成としてもよい。例えば、ユーザ情報の管理は包材発注管理装置10とは別の装置で行う構成であってもよい。また、決済関係についても、包材発注管理装置10とは別の装置で管理する構成であってもよい。また、注文情報又は販売情報に含まれる情報は、上記実施形態で説明したものには限定されず、種々の情報を組み合わせることができる。また、注文用の入力フォーム、デザインデータの構成等も適宜変更され得る。以上に説明した種々の例のうちのいずれかの例で説明した内容の少なくとも一部が、他の例に適用されてもよい。
【0076】
[実施形態の効果]
以上に説明した包材発注管理装置10は、発注者が操作する発注者端末90からの包材の作成に係る注文を、インターネットを介して受け付ける装置である。包材発注管理装置10は、発注者による操作に基づいて、注文の内容を示す注文情報と、注文情報により特定される包材に対して印刷するデザインが含まれたデザインデータと、を取得する注文関連情報取得部と、注文情報の少なくとも一部と、デザインデータとを含む包材作成指示を、印刷機31が含まれる製造部門に対して送信する包材作成指示部16と、発注者端末90から注文可能な包材の販売に関連し、発注者端末90に送信される販売情報を管理する販売情報管理部27と、を備える。販売情報管理部27は、製造部門における包材の作成に係る状況を示す状況情報に基づいて、発注者端末90に対して送信される販売情報を変更する。
【0077】
製造部門の状況に関わらず、発注者端末に対して販売物に関する販売情報を提供するオンラインの注文システムが考えられる。この注文システムでは、製造部門がどのような状況であっても、同じ販売情報が発注者端末に対して送信され、その販売情報に従ってオンラインでの商取引が行われる。一方、上記包材発注管理装置10では、デザインデータに基づく印刷作業を行う印刷機31が含まれる製造部門の包材の作成に係る状況によって、発注者端末90に対して送信される販売情報が変更される。そのため、発注者端末90を操作して発注を行うユーザは、製造部門の状況に合わせた販売情報を把握することができ、その販売情報に基づき、包材の注文を行うことができる。また、包材発注管理装置10は、製造部門の状況に合わせた販売情報を発注者端末90に提供することで、その販売状況に基づき包材を販売することができる。したがって、包材発注管理装置10では、製造部門の状況に合わせた包材のオンライン取引を行うことが可能である。
【0078】
以上に説明した包材発注管理装置10において、販売情報管理部27は、発注者端末90から注文可能な包材の型番ごとに、状況情報に基づいて販売情報を変更してもよい。型番ごとに、製造部門の包材の作成に係る状況が、包材の販売に及ぼす影響が異なる場合がある。上記構成では、型番ごとに販売情報が変更されるので、製造部門の状況により合わせた包材のオンライン取引を行うことが可能である。
【0079】
以上に説明した包材発注管理装置10において、販売情報管理部27は、製造部門とは異なる別の製造部門における包材の作成に係る状況を示す情報に更に基づいて、販売情報を変更してもよい。1つの製造部門の状況が、他の製造部門の状況によっては、包材の販売に何ら影響を及ぼさない場合がある。上記構成では、別の製造部門の状況も加味されて販売情報が変更されるので、製造部門の実際の状況により合わせた包材のオンライン取引を行うことが可能である。
【0080】
以上に説明した包材発注管理装置10において、販売情報は、発注者まで包材を納品することが可能な期間を示す情報、包材の販売価格を示す情報、及び、包材の注文単位を示す情報のうちの少なくとも1つを含んでもよい。この場合、ユーザは製造部門の状況に合わせた納期の予測を把握することができ、注文前に納期の目安を把握できるので、ユーザの利便性が向上し得る。また、製造部門の状況に応じた販売価格の設定、または、注文単位の設定を行うことができるので、販売者による売上、または、注文数の調整を図ることが可能である。
【0081】
以上に説明した包材発注管理装置10において、状況情報は、製造部門における印刷機31の稼働状況を示す情報を含んでもよい。この場合、印刷機31の稼働状況に合わせて、発注者端末90に提供される販売情報が変更される。ユーザは、印刷機31の稼働状況に合わせた販売状況を把握でき、印刷機31の稼働状況に合わせた販売内容で包材を販売することができる。そのため、印刷機31の稼働状況に合わせた包材のオンライン取引を行うことが可能である。
【0082】
以上に説明した包材発注システム1は、発注者端末90からの包材の作成に係る注文を、インターネットを介して受け付ける包材発注管理装置10と、印刷機31が含まれる製造部門において、包材発注管理装置10からの指示に基づいた包材の作成を管理する包材製造管理装置30と、を備えるシステムである。包材発注管理装置10は、発注者による操作に基づいて、注文の内容を示す注文情報と、注文情報により特定される包材に対して印刷するデザインが含まれたデザインデータと、を取得する注文関連情報取得部と、注文情報の少なくとも一部と、デザインデータとを含む包材作成指示を、包材製造管理装置30に対して送信する包材作成指示部16と、発注者端末90から注文可能な包材の販売に関連し、発注者端末90に送信される販売情報を管理する販売情報管理部27と、を有する。包材製造管理装置30は、製造部門における包材の作成に係る状況を示す状況情報を、包材発注管理装置10に対して送信する。販売情報管理部27は、状況情報に基づいて、発注者端末90に対して送信される販売情報を変更する。この包材発注システム1では、上記包材発注管理装置10と同様に、製造部門の状況に合わせた包材のオンライン取引を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0083】
1…包材発注システム、10…包材発注管理装置、14…注文受付部、15…印刷データ取得部、16…包材作成指示部、27…販売情報管理部、30…包材製造管理装置、31…印刷機、90…発注者端末。
図1
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