(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041486
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 3/06 20060101AFI20240319BHJP
【FI】
A63F3/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146326
(22)【出願日】2022-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】松下 佳樹
(72)【発明者】
【氏名】菊池 富雄
(57)【要約】
【課題】抽選ゲームの趣向性をより向上させる。
【解決手段】複数のサテライト20のそれぞれで各プレイヤの操作を受け付けたことに応じて、ターンテーブル12に投入されたボールBを用いた抽選ゲームを実行する抽選ゲーム機1であって、ターンテーブル12に形成されたボールポケット14及びセンターポケット18の何れかに入ったか否かに基づき、各サテライト20で共通の抽選結果を決定する通常抽選と、ボールポケット14及びセンターポケット18の何れかに入ったか否かに基づく抽選条件を満たすボールBの固有情報としての色に紐付けられたサテライト20を決定する特別抽選と、を実行する抽選手段54と、通常抽選によって決定された共通の抽選結果を各サテライト20のゲームに反映させるとともに、特別抽選によって決定されたサテライトのゲームを優遇又は冷遇する制御手段56と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサテライトのそれぞれで各プレイヤの操作を受け付けたことに応じて、抽選盤に投入された抽選媒体を用いた抽選ゲームを実行する情報処理装置であって、
前記抽選盤に形成された複数の穴部の何れかに入ったか否かに基づき、各前記サテライトで共通の抽選結果を決定する第一抽選と、前記複数の穴部の何れかに入ったか否かに基づく抽選条件を満たす前記抽選媒体の固有情報に紐付けられた前記サテライトを決定する第二抽選と、を実行する抽選手段と、
前記第一抽選によって決定された前記共通の抽選結果を各前記サテライトのゲームに反映させるとともに、前記第二抽選によって決定された前記サテライトのゲームを優遇又は冷遇する制御手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第二抽選を実行する場合に、互いに異なる固有情報を有し且つ前記サテライトの数に対応する複数の前記抽選媒体を前記抽選盤に投入し、
前記抽選手段は、前記第二抽選を実行する場合に、前記複数の前記抽選媒体のうち前記抽選条件を満たす前記抽選媒体を選択し、選択された前記抽選媒体の固有情報に紐付けられた前記サテライトを決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記抽選盤の中央部には、前記抽選盤の上面に交差する方向に移動可能な突起部が形成されており、
前記制御手段は、前記交差する方向で前記突起部を移動制御し、
前記移動制御によって前記抽選盤の上面に沿って前記突起部が位置する場合には、前記突起部が前記複数の穴部の一つとして機能し、前記移動制御によって前記抽選盤の上面から突出して前記突起部が位置する場合には、前記突起部が前記複数の穴部の一つとして機能せず、
前記抽選条件は、前記突起部が前記複数の穴部の一つとして機能するか否かに応じて異なる条件である、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記突起部は、一以上の羽根部を有し、
前記制御手段は、前記抽選盤の上面から突出した前記突起部を回転させる、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記抽選手段は、前記第一抽選を実行中に所定の実行条件を満たす場合に、前記第二抽選を実行する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記抽選媒体の固有情報は、前記抽選媒体の色、形状、大きさの少なくとも何れか一つを含む外観情報である、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記第二抽選において、前記複数の穴部が何れの前記サテライトと紐付いているかを示す情報をプレイヤに報知する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
複数のサテライトのそれぞれで各プレイヤの操作を受け付けたことに応じて、抽選盤に投入された抽選媒体を用いた抽選ゲームを実行するためのプログラムであって、
コンピュータを、
前記抽選盤に形成された複数の穴部の何れかに入ったか否かに基づき、各前記サテライトで共通の抽選結果を決定する第一抽選と、前記複数の穴部の何れかに入ったか否かに基づく抽選条件を満たす前記抽選媒体の固有情報に紐付けられた前記サテライトを決定する第二抽選と、を実行する抽選手段、
前記第一抽選によって決定された前記共通の抽選結果を各前記サテライトのゲームに反映させるとともに、前記第二抽選によって決定された前記サテライトのゲームを優遇又は冷遇する制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物理的な抽選を行うターンテーブルを含む抽選装置と、抽選ゲームに参加するプレイヤの操作を受け付けるサテライトと、を備える抽選ゲーム機が知られている。
【0003】
当該抽選ゲーム機に関し、例えば下記特許文献1には、複数の穴部が形成されたターンテーブル上に投入されたボールが何れかの穴部に入ったか否かに基づく抽選を行う抽選ゲーム機が開示されている。この抽選ゲーム機では、ボールが入った穴部の番号を抽選結果とし、当該番号をビンゴカードにおいて有効化するビンゴゲームを実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示の技術では、抽選結果が、各サテライトで操作を受け付ける全てのプレイヤに共通して反映されるため、ゲーム展開が単調となる可能性があり、抽選ゲームの趣向性をより向上させるという点で改善の余地がある。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、抽選ゲームの趣向性をより向上させることができる情報処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一態様に係る情報処理装置は、複数のサテライトのそれぞれで各プレイヤの操作を受け付けたことに応じて、抽選盤に投入された抽選媒体を用いた抽選ゲームを実行する情報処理装置であって、前記抽選盤に形成された複数の穴部の何れかに入ったか否かに基づき、各前記サテライトで共通の抽選結果を決定する第一抽選と、前記複数の穴部の何れかに入ったか否かに基づく抽選条件を満たす前記抽選媒体の固有情報に紐付けられた前記サテライトを決定する第二抽選と、を実行する抽選手段と、前記第一抽選によって決定された前記共通の抽選結果を各前記サテライトのゲームに反映させるとともに、前記第二抽選によって決定された前記サテライトのゲームを優遇又は冷遇する制御手段と、を備える。
【0008】
本発明の第二態様に係る情報処理装置では、前記制御手段は、前記第二抽選を実行する場合に、互いに異なる固有情報を有し且つ前記サテライトの数に対応する複数の前記抽選媒体を前記抽選盤に投入し、前記抽選手段は、前記第二抽選を実行する場合に、前記複数の前記抽選媒体のうち前記抽選条件を満たす前記抽選媒体を選択し、選択された前記抽選媒体の固有情報に紐付けられた前記サテライトを決定する。
【0009】
本発明の第三態様に係る情報処理装置では、前記抽選盤の中央部には、前記抽選盤の上面に交差する方向に移動可能な突起部が形成されており、前記制御手段は、前記交差する方向で前記突起部を移動制御し、前記移動制御によって前記抽選盤の上面に沿って前記突起部が位置する場合には、前記突起部が前記複数の穴部の一つとして機能し、前記移動制御によって前記抽選盤の上面から突出して前記突起部が位置する場合には、前記突起部が前記複数の穴部の一つとして機能せず、前記抽選条件は、前記突起部が前記複数の穴部の一つとして機能するか否かに応じて異なる条件である。
【0010】
本発明の第四態様に係る情報処理装置では、前記突起部は、一以上の羽根部を有し、前記制御手段は、前記抽選盤の上面から突出した前記突起部を回転させる。
【0011】
本発明の第五態様に係る情報処理装置では、前記抽選手段は、前記第一抽選を実行中に所定の実行条件を満たす場合に、前記第二抽選を実行する。
【0012】
本発明の第六態様に係る情報処理装置では、前記抽選媒体の固有情報は、前記抽選媒体の色、形状、大きさの少なくとも何れか一つを含む外観情報である。
【0013】
本発明の第七態様に係る情報処理装置では、前記制御手段は、前記第二抽選において、前記複数の穴部が何れの前記サテライトと紐付いているかを示す情報をプレイヤに報知する。
【0014】
本発明の第八態様に係るプログラムは、複数のサテライトのそれぞれで各プレイヤの操作を受け付けたことに応じて、抽選盤に投入された抽選媒体を用いた抽選ゲームを実行するためのプログラムであって、コンピュータを、前記抽選盤に形成された複数の穴部の何れかに入ったか否かに基づき、各前記サテライトで共通の抽選結果を決定する第一抽選と、前記複数の穴部の何れかに入ったか否かに基づく抽選条件を満たす前記抽選媒体の固有情報に紐付けられた前記サテライトを決定する第二抽選と、を実行する抽選手段、前記第一抽選によって決定された前記共通の抽選結果を各前記サテライトのゲームに反映させるとともに、前記第二抽選によって決定された前記サテライトのゲームを優遇又は冷遇する制御手段、として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、抽選ゲームの趣向性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第一実施形態に係る抽選ゲーム機の外観斜視図である。
【
図2】
図1の抽選ゲーム機における抽選装置及びサテライトを上から見た平面図である。
【
図3】ターンテーブルの上面に沿って位置する突起部を示す図である。
【
図4】ターンテーブルの上面から突出して位置する突起部を示す図である。
【
図5】抽選ゲーム機のハードウェア構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図6】抽選ゲーム機の機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図7】第一実施形態に係る抽選ゲーム機1の各機能手段が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】ガイドサークルの上面に沿って位置するボーナスポケットを示す図である。
【
図9】ガイドサークルの上面よりも下方に位置するボーナスポケットを示す図である。
【
図10】第二実施形態に係る抽選ゲーム機の各機能手段が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しながら本発明の複数の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0018】
―――第一実施形態―――
まず、第一実施形態について説明する。
<全体構成>
図1は、第一実施形態に係る抽選ゲーム機1の外観斜視図である。
図2は、
図1の抽選ゲーム機1における抽選装置10及びサテライト20を上から見た平面図である。
【0019】
図1及び
図2に示すように、第一実施形態に係る抽選ゲーム機1は、ゲームセンター等に設置されたアーケードゲーム機であって、ゲームプログラムを実行する情報処理装置である。抽選ゲーム機1は、ゲームプログラムの実行結果(画像データや音声データ等)を抽選ゲーム機1に出力することで、抽選ゲーム機1のプレイヤに抽選ゲームを提供する。抽選ゲーム機1は、中央に配置された物理的な抽選装置10と、抽選装置10の周囲に配置され、プレイヤの操作を受け付ける複数(第一実施形態では、八個)のサテライト20と、を備える。抽選ゲーム機1は、複数のサテライト20のそれぞれで各プレイヤの操作を受け付けたことに応じて、抽選媒体としてボールBを用いた抽選ゲームを抽選装置10で実行する。
【0020】
抽選ゲームで用いられるボールBは、例えば半透明の樹脂製の球体であって、互いに異なる固有情報を有する。この固有情報は、例えば、ボールBの色、形状、大きさの少なくとも何れか一つを含む外観情報や、ボールBが有するICタグ(不図示)を示す識別情報であるタグIDを含む。ICタグは、ボールBの固有情報を記録可能な小型の記録媒体であって、例えばボールBに内蔵されている。ICタグは、例えばRFID(Radio Frequency IDentification)タグである。なお、ボールBは半透明でなくてもよい。また、ボールBの形状は、球体形状に限らず、例えばラグビーボールのように紡錘形状をしていてもよい。また、抽選媒体としてはボールBに限らず、例えばサイコロのように平面を組み合せた多面体形状の物体等であってもよい。
【0021】
抽選装置10は、ボールBが投入される抽選盤であるターンテーブル12を有する。ターンテーブル12は、中央部が窪んだすり鉢状又は半球面状の湾曲を有する円盤状を呈し、不図示の回転駆動機構によって回転可能とされている。この回転駆動機構は、例えば、モータで駆動可能な複数のローラによってターンテーブル12の下面を支持し、当該モータによるローラの駆動によってターンテーブル12を回転可能とする機構である。ターンテーブル12の上面12aは、ボールBが移動(転動)可能な移動面である。ターンテーブル12に投入されたボールBは、回転するターンテーブル12の上面12aを転がりながら徐々にターンテーブル12の中央部に向かっていく。ターンテーブル12の周囲には、ガイドサークル13が設けられている。また、ターンテーブル12の上方には、透明パネル7が複数張設されている。なお、説明の便宜上、
図1における手前側の透明パネル7の図示を省略しているが、実際には当該箇所にも透明パネル7が張設されている。
【0022】
ターンテーブル12には、ボールBを入れることが可能な穴部として、複数(例えば二十五個)のボールポケット14が形成されている。ボールポケット14は、ボールBを入れることが可能な穴部、換言すると、ボールBを捕捉可能なボール捕捉部である。複数のボールポケット14は、ターンテーブル12において、直径が互いに異なる三個の同心円上に並んで配置されている。各ボールポケット14には、ボールポケット14に入ったボールBを検出する検出機構として例えば赤外線センサ(不図示)が設けられている。この赤外線センサの赤外線がボールポケット14に入ったボールBに遮られることによって、当該ボールBが検出される。また、この検出機構には、ICタグを検出するICタグリーダが設けられていてもよく、ボールBが検出されたボールポケット14の当該ICタグリーダを動作させて、ボールBの固有情報の読出し(検出)を行う。ボールポケット14は、例えば1~25の番号が紐付けられており、図示は省略するが、ボールポケット14の近傍には、この番号が重複無くランダムに付されている。また、ボールポケット14の周囲(近傍)には、LED等によって構成された複数の色に発光する不図示の発光手段(発光部材)が設けられている。この発光手段は、例えばボールポケット14の外縁を取り囲むように設けられている。なお、この発光手段を発光させる条件としては、特に限定されず、単に電飾としてランダムに発光させるほか、ボールBの固有情報に含まれる色情報に基づいて発光させてもよい。例えば、この発光手段を、抽選ゲームの実行中に、ボールポケット14に予め対応付けられたボールBの色で発光させたり、ボールポケット14にボールBが入ったタイミング等に、当該ボールBの色で発光させたりしてもよい。また、この発光手段を発光させる条件として、後述する第二抽選において、サテライト20又はサテライト20からターンテーブル12に投入(射出)されるボールBに対応した色で予め発光させることで、ボールポケット14が何れのサテライト20に紐付いているかを、プレイヤに報知しておくようにしてもよい。
【0023】
また、ターンテーブル12の中央部には、ターンテーブル12の上面12aに交差する方向(上下方向)に移動可能な突起部16が形成されている。以下、ターンテーブル12を拡大して示す
図3及び
図4を参照して、この突起部16について詳細に説明する。
図3は、ターンテーブル12の上面12aに沿って位置する突起部16を示す図である。
図4は、ターンテーブル12の上面12aから突出して位置する突起部16を示す図である。
【0024】
図3及び
図4に示すように、突起部16は、一以上(本実施形態では、一対)の羽根部16a,16bを有し、風車形状を呈している。また、突起部16の上面(ターンテーブル12の上面12a側の面)には、穴部16cが形成されている。突起部16は、抽選ゲームの実行中に、不図示のモータの駆動によって上下動することができる。
【0025】
図3に示すように、突起部16がターンテーブル12の上面12aに沿って位置した状態では、突起部16に形成された穴部16cが、ターンテーブル12に形成された複数の穴部(ボール捕捉部)の一つとして機能する。すなわち、突起部16を下方に移動させるためのモータの駆動によって、突起部16がターンテーブル12から突出しないように引っ込むことにより、ターンテーブル12の中央部にボール捕捉部(中央穴部)が出現する。以下、ボール捕捉部として機能する穴部16cを、「センターポケット18」と称する。なお、センターポケット18には、上記したボールポケット14と同様に、ボール検出機構として例えば赤外線センサが設けられていてもよい。
【0026】
これに対し、
図4に示すように、突起部16がターンテーブル12の上面12aから突出して位置した状態では、穴部16cが、ターンテーブル12に形成された複数の穴部(ボール捕捉部)の一つとして機能しない。すなわち、突起部16を上方に移動させるためのモータの駆動によって、突起部16がターンテーブル12から突出することにより、ターンテーブル12の中央部からボール捕捉部が消失する。また、突起部16は、この状態において、不図示のモータの駆動により回転可能である。この突起部16の回転方向は、例えばターンテーブル12の回転方向に沿った回転方向(ターンテーブル12と同じ回転方向)であって、この突起部16の回転速度は、例えばターンテーブル12の回転速度よりも速い回転速度である。この回転する突起部16は、羽根部16a,16bによって、ターンテーブル12上において中央部に転がってきたボールBを、ターンテーブル12の外側(ガイドサークル13側)に向かって弾き飛ばす機能を有する。以下、このように回転する突起部16を、「回転風車19」と称する。なお、突起部16の回転は、上記例に限定されず、例えばターンテーブル12の回転方向と逆方向に回転させるようにしてもよい。このようにすることで、ターンテーブル12上を転がるボールBを勢いよく弾くことが可能になる。また、突起部16の回転は、ボールBを弾き飛ばし得る回転であればどのような回転であってもよく、回転方向及び回転速度等は限定されない。例えば、突起部16の回転軸がターンテーブル12の回転軸とずれていてもよいし、突起部16の回転軸方向がターンテーブル12の回転軸方向に対して交差する方向であってもよい。また、突起部16の回転速度がターンテーブル12の回転速度より遅くてもよい。
【0027】
また、ターンテーブル12の下方には、ボールポケット14及びセンターポケット18の何れかに入ったボールBに各種の処理を行うボール処理機構(不図示)が設けられている。このボール処理機構としては、ボール回収機構、ボール識別機構、ボール選択機構、ボール投入機構等を含む。
【0028】
ボール回収機構は、ボールポケット14及びセンターポケット18の何れかに入ったボールBを回収する。ボール回収機構は、例えば、ボールポケット14及びセンターポケット18の何れかに入ったボールBが回収される回収箱、ボールポケット14と当該回収箱との間に形成された穴部を閉じたり開いたりするフラップ、当該フラップを駆動するソレノイド等を含んで構成される。ボール回収機構は、所定のタイミングで、フラップの駆動によってボールポケット14と当該回収箱との間に形成された穴部を開き、ボールポケット14からボールBを回収する。また、センターポケット18に入ったボールBは、例えば、直接回収箱に落下し、フラップの駆動によらずボール回収機構によって回収される。
【0029】
また、ボール識別機構は、ボール回収機構によって回収されたボールBの色等の固有情報を識別する。ボール識別機構は、回収されたボールBの色等の固有情報を検出するICタグリーダ、回収されたボールBをボール選択機構へ案内する案内路、当該案内路に沿ってボールBを送り出す回転円板を回転させるためのモータ等を含んで構成される。
【0030】
また、ボール選択機構は、ボール識別機構によって識別されたボールBを色等の固有情報毎に分けるとともに、投入するボールBを選択する。ボール選択機構は、例えば、識別されたボールBを色等の固有情報毎に分けてボール投入機構へ案内する案内路、当該案内路に沿ってボールBを送り出す回転円板を回転させるためのモータ等を含んで構成される。
【0031】
また、ボール投入機構は、ボール選択機構によって選択されたボールBをターンテーブル12に投入する。ボール投入機構は、例えば、ボール選択機構の案内路から受け取ったボールBをガイドサークル13の下方側から上方側まで上昇させるエレベータ装置、当該エレベータ装置によって上昇したボールBをガイドサークル13側からターンテーブル12へ投入する投入シュート17等を含んで構成される。第一実施形態では、投入シュート17を含むボール投入機構は、サテライト20毎に複数設けられている。なお、当該ボール投入機構は、サテライト20毎に設けられていなくてもよく、抽選ゲーム機1に少なくとも一つ設けられていればよい。すなわち、ボール投入機構は、各サテライト20で共有されていてもよい。
【0032】
図1及び
図2に戻り、サテライト20は、抽選装置10の周囲に八個配設されている。サテライト20は、プレイヤが対向して操作する操作席であって、抽選ゲームに参加するプレイヤの操作を受け付ける。八個のサテライト20は、例えば互いに異なる色(ボールBが彩色され得る八色の何れかの色)で彩色されている。各サテライト20は、タッチパネル42を含む操作卓22を有する。操作卓22には、メダル投入口24、メダル払出口26、操作ボタン28等が設けられている。また、操作卓22には、プレイヤに関する情報等をプレイヤが有するアミューズメントICカードから読み取るカード読取装置等が設けられていてもよい。
【0033】
<ハードウェア構成>
【0034】
図5は、抽選ゲーム機1のハードウェア構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0035】
図5に示すように、抽選ゲーム機1は、コンピュータ30と、スピーカ40と、タッチパネル42と、周辺機器44と、を備える。
【0036】
コンピュータ30は、CPU31と、主記憶部32と、補助記憶部33と、音声処理部34と、画像処理部35と、通信インターフェース36と、周辺機器インターフェース37と、これらを接続するシステムバス38と、を有する。
【0037】
CPU31は、抽選ゲーム機1の全体を統括制御する。主記憶部32は、RAM(Read On Memory)及びROM(Random Access Memory)で構成される。補助記憶部33は、ハードディスク等で構成される。主記憶部32や補助記憶部33は、CPU31による処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。CPU31が主記憶部32や補助記憶部33等に記憶された所定のプログラムを実行し、CPU31の制御の下で他のハードウェアを動作させることで、抽選ゲーム機1の各種の機能構成(
図6参照)が実現される。
【0038】
音声処理部34は、各種のサウンド処理を行う。画像処理部35は、各種のグラフィックス処理を行う。通信インターフェース36は、抽選ゲーム機1の外部のサーバ装置や他のゲーム装置との通信を可能にする。周辺機器インターフェース37は、タッチパネル42のタッチセンサ42Bやその他の周辺機器44との通信を可能にする。
【0039】
スピーカ40は、ゲーム音楽等を出力する音出力装置である。
【0040】
タッチパネル42は、ゲーム画面等を表示する画像表示装置である。タッチパネル42は、表示装置及び入力装置の両方の機能を有し、表示装置としての機能を担うディスプレイ42Aと、入力装置としての機能を担うタッチセンサ42Bとで構成される。ディスプレイ42Aは、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の一般的な表示デバイスにより構成される。
【0041】
タッチセンサ42Bは、プレイヤの操作を入力する操作入力装置であって、ディスプレイ42Aが表示する画面に対する接触操作を検知するための素子により構成される。タッチセンサ42Bによる接触操作の検知方式は、静電容量式、抵抗膜式(感圧式)、電磁誘導式等の既知の方式のうち任意の方法を採用することができる。タッチセンサ42Bは、画面に対して接触する操作子としてプレイヤの指やスタイラス等の動作を検知することで、プレイヤの操作入力を受け付ける。なお、プレイヤの操作を入力する操作入力装置は、タッチセンサ42Bに限定されず、例えば操作ボタン28や操作スティック等、プレイヤが操作を入力可能な構成であればどのような構成であってもよい。
【0042】
周辺機器44は、抽選ゲーム機1に設けられ、コンピュータ30との通信によってコンピュータ30によって制御される機器である。当該機器としては、抽選装置10やサテライト20に設けられた各種センサ、ICタグリーダ、モータ、ソレノイド等を含む。
【0043】
なお、
図5には、抽選ゲーム機1が備える主要な構成が示されているに過ぎず、一般的なアーケードゲーム機が備えるその他の構成を備えていてもよい。また、抽選ゲーム機1のコンピュータ30は、上記で説明した構成に限定されず、専用又は汎用のコンピュータ等の情報処理装置が備える他の構成を備えていてもよい。
【0044】
<ゲームの概要>
【0045】
第一実施形態に係る抽選ゲーム機1が実行する抽選ゲームは、特に限定されないが、以下、一例として、当該抽選ゲームがメダルゲームであってビンゴゲーム及びプレイヤ対戦ゲームを含む場合について説明する。ここでは、ビンゴゲーム及びプレイヤ対戦ゲームの概要を説明する。
【0046】
抽選ゲーム機1は、通常時に実行する通常ゲームとして、ビンゴゲームを実行する。このビンゴゲームは、例えば番号を5行×5列に配列した表であるビンゴカードを用いる。なお、ビンゴカードに配列する情報は識別情報であればよく、番号に限らず記号や絵等であってもよい。ビンゴゲームの実行時には、このビンゴゲームのプレイ画面として、サテライト20(プレイヤ)毎に割り当てられた配列情報に従って番号が配列されたビンゴカードがディスプレイ42Aに表示される。ビンゴゲームが開始すると、投入シュート17からターンテーブル12へ複数のボールBが順次又は一斉に投入される。そして、投入されたボールBがボールポケット14及びセンターポケット18の何れかに入るか否かに基づく抽選が行われる。この抽選では、例えばボールBが入ったボールポケット14に紐付けられた番号が、各サテライト20で共通の抽選結果として決定される。続いて、決定された番号が有効化されて他の番号と区別可能な態様でディスプレイ42Aに表示される。この抽選による番号の選択及び選択された番号の有効化が複数回繰り返され、ビンゴカードにおいて有効化された番号の配置が縦、横、又は対角線方向に揃う等の所定の並びになった場合に、ビンゴ成立(勝利)となる。
【0047】
また、抽選ゲーム機1は、通常ゲームを実行中にイベント発生等の所定のゲーム切り替え条件を満たす場合に突発的に開始する特別ゲーム(ボーナスゲーム)として、プレイヤ対戦ゲームを実行する。プレイヤ対戦ゲームの実行時には、このプレイヤ対戦ゲームのプレイ画面として、例えばプレイヤ対戦中であることを示す情報等がディスプレイ42Aに表示される。プレイヤ対戦ゲームは、例えば、各サテライト20で操作を受け付けたプレイヤ同士が、プレイヤ自身のサテライト20に紐付けられた色のボールBを自身の分身のように用いて互いに対戦するゲームである。プレイヤ対戦ゲームが開始すると、投入シュート17からターンテーブル12へ、各サテライト20に紐付けられた八色の八個のボールBが一斉に投入される。そして、投入されたボールBがボールポケット14及びセンターポケット18の何れかに入るか否かに基づく抽選が行われる。この抽選では、所定の抽選条件を満たすボールBの色に紐付けられたサテライト20が決定される。続いて、決定されたサテライト20のゲームが優遇又は冷遇される。例えば、一斉に投入された八個のボールBのうち、ボールポケット14及びセンターポケット18の何れにも最後まで入らなかったボールBの色に紐付けられたサテライト20が勝利で、その他のサテライト20が敗北というゲーム結果になる。なお、特別ゲームは、このようなプレイヤ対戦ゲームに限定されず、通常のビンゴゲームとは異なる特別仕様のビンゴゲームや当該ビンゴゲーム以外のその他のゲーム等であってもよい。
【0048】
<機能構成>
図6は、抽選ゲーム機1の機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0049】
図6に示すように、抽選ゲーム機1は、機能構成として、記憶手段50と、受付手段52と、抽選手段54と、制御手段56、を備える。
【0050】
記憶手段50は、一又は複数の補助記憶部33で実現される。記憶手段50以外の機能構成は、主記憶部32や補助記憶部33等に記憶されたゲームプログラム50AをCPU31が実行することにより実現される。また、抽選ゲーム機1が備える機能構成の全部又は一部は、外部のサーバ装置等に設けられてもよい。例えば、記憶手段50、制御手段56等が外部のサーバ装置等に設けられてもよい。
【0051】
記憶手段50は、例えば、ゲームプログラム50A及びゲームデータ50Bを記憶する。
【0052】
ゲームプログラム50Aは、抽選ゲームを実行するための各種機能をコンピュータ30に持たせるためのプログラムである。当該プログラムは、抽選ゲーム機1の外部の記憶装置等に記憶されてもよい。また、当該プログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供されてもよく、インターネット等のネットワーク経由でインストールする形式で提供されてもよい。
【0053】
ゲームデータ50Bは、コンピュータ30が抽選ゲームを進行するために必要な各種のデータである。ゲームデータ50Bは、例えば予め設計者等によって設定される。ゲームデータ50Bは、例えば、サテライト20とボールBの固有情報との紐付け情報や、ボールポケット14とビンゴゲームにおける番号との紐付け情報等を含む。サテライト20とボールBの固有情報との紐付け情報は、例えば、各サテライト20を示すサテライトID(識別情報)と、当該サテライトIDに紐付けられたボールBの色(固有情報)と、を含む。各サテライトIDには、異なる色が紐付けられている。また、ボールポケット14とビンゴゲームにおける番号との紐付け情報は、例えば、ボールポケット14を示すポケットIDと(識別情報)、当該ポケットIDに紐付けられた番号と、を含む。各ポケットIDには、異なる番号が紐付けられている。
【0054】
受付手段52は、複数のサテライト20のそれぞれで各プレイヤの操作を受け付ける。受付手段52は、例えば各プレイヤによる抽選ゲームの開始指示を示す操作を受け付ける。当該操作としては、例えば、各サテライト20に対向したプレイヤが、メダル投入口24に好きな枚数のメダルを投入する(ベットする)こと等が挙げられる。メダル投入口24にメダルが投入されると、メダル投入口24に設けられたセンサが当該メダルを検出し、検出した結果が周辺機器インターフェース37に出力される。受付手段52は、この周辺機器インターフェース37に当該検出した結果が出力された場合に、プレイヤによるメダルを投入する操作を受け付ける。そして、受付手段52は、この操作を受け付けると、抽選ゲームの開始指示を示す情報を、当該操作を受け付けたサテライト20を示すサテライトIDや当該操作をしたプレイヤを示すプレイヤID等と共に、制御手段56に出力する。なお、抽選ゲームに参加するプレイヤの人数がサテライト20の数よりも少ない場合には、受付手段52は、CPU31による自動制御によって抽選ゲームの開始指示を受け付けてもよい。例えば、受付手段52は、プレイヤによる操作を受け付けていないサテライト20では、プレイヤに代わってCPU31による自動制御によって抽選ゲームの開始指示を受け付けたものとする。
【0055】
抽選手段54は、制御手段56によってターンテーブル12にボールBが投入されると、当該ボールBがボールポケット14及びセンターポケット18の何れかに入ったか否かに基づく抽選を実行する。具体的には、抽選手段54は、当該抽選として、各サテライト20で共通の抽選結果を決定する通常抽選(第一抽選)と、抽選条件を満たすボールBの固有情報に紐付けられたサテライト20を決定する特別抽選(第二抽選)と、を実行する。第一実施形態では、この特別抽選に関わるボールBの固有情報が、ボールBの外観情報であって、特にボールBの色である例について説明する。
【0056】
通常抽選は、複数のボールポケット14及びセンターポケット18の何れかにボールBが入ったか否かに基づき、各サテライト20で共通(各サテライト20で操作を受け付けたプレイヤ全員に共通)の抽選結果を決定する抽選である。通常抽選は、例えば、制御手段56によって通常ゲームとしてのビンゴゲームを実行中に実行され、ビンゴカードにおいて有効化する番号を決定する抽選(番号抽選)である。
【0057】
例えば、抽選手段54は、通常抽選において、ボールポケット14にボールBが入った場合に入賞とし、当該ボールポケット14に紐付けられた番号を、各サテライト20で共通して有効化する番号として決定する。より具体的には、ボールポケット14に入ったボールBが赤外線センサ等によって検出されると、当該赤外線センサから周辺機器インターフェース37に当該検出情報が出力される。抽選手段54は、当該検出情報が出力された場合に、ボールBが入ったボールポケット14のポケットIDを特定する。そして、抽選手段54は、ゲームデータ50Bを参照し、特定したポケットIDに紐付けられた番号を、当該有効化する番号として決定する。なお、通常抽選において何れのボールポケット14にも入らずにセンターポケット18にボールBが入った場合には、外れとなる。すなわち、この場合、センターポケット18は、抽選の外れ穴として機能する。抽選手段54は、例えば全部で五球のボールBが入賞した場合に、一回のビンゴゲームにおける抽選結果を確定する(ビンゴカードにおいて有効化する五つの番号を決定する)。
【0058】
また、特別抽選は、複数のボールポケット14及びセンターポケット18の何れかにボールBが入ったか否かに基づく抽選条件を満たすボールBの色(固有情報)に紐付けられたサテライト20を決定する抽選(サテライト抽選)である。特別抽選は、例えば、制御手段56によって特別ゲームとしてプレイヤ対戦ゲームが実行された場合に実行され、後述する制御手段56によって優遇又は冷遇される特定のサテライト20を決定する。
【0059】
例えば、抽選手段54は、特別抽選において、ターンテーブル12に投入された複数のボールBのうち、抽選条件を満たすボールBを選択する。なお、この場合に抽選手段54が選択するボールBの数は必ずしも一つでなくてもよい。例えば、抽選手段54は、抽選条件を満たすボールBが複数ある場合には、これらのボールBの中から少なくとも一つのボールBを更に選択してもよいし、これらのボールBの全てを選択してもよい。そして、抽選手段54は、選択されたボールBの色に紐付けられたサテライト20を、特定のサテライト20として決定する。
【0060】
特別抽選における抽選条件は、例えば、ボールBが、[1]複数の穴部(ボールポケット14及びセンターポケット18)の何れかに最初に入った、[2]複数の穴部(ボールポケット14及びセンターポケット18)の何れかに最後に入った、[3]ターンテーブル12上に最後の一つとして残った、又は[4]ターンテーブル12上に最後の一つとして残り且つ特定の穴部(例えばセンターポケット18)に入った等の条件を含む。すなわち、特別抽選において、センターポケット18は、抽選の入賞穴として機能し得る。なお、特別抽選においても通常抽選と同様にセンターポケット18を抽選の外れ穴として機能させることとしてもよい。また、特別抽選における抽選条件は、上記[1]~[4]の何れかに限定されず、設計者等によって種々の条件が適宜設定され得る。例えば、複数のボールポケット14が当たり穴と外れ穴に分けて設定されてもよく、選択されたボールBの色に対応する当たり穴が設定されてもよい。選択されたボールBの色に対応する当たり穴が設定されていた場合、抽選条件は、例えば、当たり穴に対応する色のボールBが当該当たり穴に入った等の条件を含む。
【0061】
抽選手段54は、例えばボール検出機構としてのICタグリーダ等から周辺機器インターフェース37に出力された検出情報に基づき、抽選条件を満たすボールBを選択する。例えば、ICタグリーダで最初に検出されたボールBが、上記[1]の抽選条件を満たすものとして選択される。また、例えば、ICタグリーダで最後に検出されたボールBが、上記[2]の抽選条件を満たすものとして選択される。また、例えば、ICタグリーダで7個のボールBが検出済みである場合に未検出のボールBが、上記[3]の抽選条件を満たすものとして選択される。また、例えば、各ボールポケット14の赤外センサの何れでも検出されることなくICタグリーダで最後に検出されたボールBが、上記[4]の抽選条件を満たすものとして選択される。
【0062】
続いて、抽選手段54は、ICタグリーダから周辺機器インターフェース37に出力された検出情報に基づき、抽選条件を満たすボールBの色を特定する。続いて、抽選手段54は、ゲームデータ50Bを参照して、特定した色を示す情報に紐付けられたサテライト20(サテライトID)を決定する。抽選手段54は、投入された八個のボールBの全てがボールポケット14及びセンターポケット18の何れかに入った場合に、一回のプレイヤ対戦ゲームにおける抽選結果を確定する。
【0063】
また、特別抽選における抽選条件は、突起部16がターンテーブル12に形成された複数の穴部(ボール捕捉部)の一つとして機能するか否かに応じて異なる条件であってもよい。すなわち、当該抽選条件は、ターンテーブル12にセンターポケット18が出現しているか否かに応じて異なっていてもよい。例えば、当該抽選条件は、センターポケット18が出現している場合にはセンターポケット18に関する条件であって、センターポケット18が出現していない場合にはセンターポケット18とは無関係の条件であってもよい。センターポケット18に関する条件は、例えば、ボールBがセンターポケット18に最初に入った、ボールBがセンターポケット18に最後に入った、ボールBがターンテーブル12上に最後の一つとして残り且つセンターポケット18に入った等の条件を含む。センターポケット18とは無関係の条件は、ボールBがボールポケット14の何れかに最初に入った、ボールBがボールポケット14の何れかに最後に入った、ボールBがターンテーブル12上に最後の一つとして残った、ボールBがターンテーブル12上に最後の一つとして残り且つ特定のボールポケット14に入った等の条件を含む。
【0064】
また、抽選手段54は、通常抽選を実行中に所定の実行条件を満たす場合に、特別抽選を実行する。第一実施形態において、この実行条件は、例えば、所定のイベントが発生したこと、所定時間が経過したこと、又は、抽選ゲーム機1の管理者(ゲームセンターの店員)等による操作があったこと等を含む。所定のイベントとしては、特に限定されないが、例えば、五球目のボールBが番号「25」のボールポケット14に入ったこと等が挙げられる。
【0065】
第一実施形態では、この特別抽選の実行条件が、制御手段56によって抽選ゲームを通常ゲームから特別ゲームに切り替えるための切り替え条件と合致しているものとする。また、第一実施形態では、この実行条件を満たす場合には、通常抽選を終了して特別抽選に切り替える。すなわち、第一実施形態では、通常ゲームから特別ゲームに切り替わったタイミングで、通常抽選から特別抽選に切り替えられる。この実行条件や切り替え条件は、ディスプレイ42A等に表示されること等によってプレイヤに周知(予告)されていてもよい。
【0066】
制御手段56は、抽選ゲーム機1で実行されるゲーム全体を制御する。制御手段56は、例えばプレイヤからの抽選ゲームの開始指示を示す操作を受け付ける前に、各サテライト20のディスプレイ42Aにビンゴカードを表示させておく。また、制御手段56は、各サテライト20による抽選ゲームの開始指示を示す情報を受付手段52から取得した場合に、抽選ゲームとして通常ゲーム(ビンゴゲーム)を開始する。具体的には、制御手段56は、受付手段52からの当該情報の出力に応じて、周辺機器インターフェース37を介してターンテーブル12を回転させるためのモータに駆動指示を送信する。これにより、制御手段56は、当該モータを駆動させてターンテーブル12を回転させる。また、制御手段56は、所定の色の複数のボールBを、ターンテーブル12に順次又は一斉に投入するようにボール処理機構を制御する。なお、通常のビンゴゲームにおいては、投入されるボールBの色は特に限定されず、八色でなくてもよい。
【0067】
また、例えば、制御手段56は、センターポケット18に入ったボールBを回収して再度ターンテーブル12に投入するようにボール処理機構を制御する。また、制御手段56は、ターンテーブル12に投入されたボールBが全てボールポケット14に入った場合に、ボールポケット14からボールBを回収するようにボール処理機構を制御し、一回のビンゴゲームを終了とする。続いて、制御手段56は、ゲームオーバーでなければ回収したボールBを再度投入するようにボール処理機構を制御し、次回のビンゴゲームを実行する。また、制御手段56は、ゲームオーバーであれば次回のビンゴゲームを実行することなく抽選ゲームを終了する。
【0068】
また、制御手段56は、通常ゲームから特別ゲームに切り替えるための切り替え条件を満たす場合に、通常ゲームを終了して特別ゲーム(プレイヤ対戦ゲーム)の実行に切り替える。この場合、制御手段56は、互いに異なる色(固有情報)を有し且つサテライト20の数に対応する複数のボールBを、ターンテーブル12に一斉に投入するようにボール投入機構を制御する。これにより、八個の互いに異なる色(例えば、赤、緑、青、紫、黄、茶、黒、白)のボールBが、ターンテーブル12に一斉に投入される。
【0069】
また、例えば、制御手段56は、制御手段56は、一回のプレイヤ対戦ゲームにおいて、ボールポケット14及びセンターポケット18の何れかに入ったボールBを回収し、回収したボールBの色を識別するようにボール処理機構を制御する。そして、制御手段56は、投入された全てのボールBが回収及び識別された場合に、一回のプレイヤ対戦ゲームを終了とする。続いて、制御手段56は、ゲームオーバーでなければ回収したボールBを再度投入するようにボール処理機構を制御し、抽選ゲーム(通常のビンゴゲーム又はプレイヤ対戦ゲーム)を再度実行する。また、制御手段56は、ゲームオーバーであれば次回の抽選ゲームを実行することなくゲームを終了する。
【0070】
また、制御手段56は、通常抽選によって決定された共通の抽選結果を各サテライト20のゲームに反映させるとともに、特別抽選によって決定されたサテライト20のゲームを優遇又は冷遇する。
【0071】
具体的には、制御手段56は、通常のビンゴゲームにおいて通常抽選によって決定された共通の抽選結果を、各サテライト20のゲームに共通して反映させる。制御手段56は、ビンゴゲームで各サテライト20のディスプレイ42Aで表示されるビンゴカードにおいて、通常抽選の実行によって決定された番号を、他の番号と識別可能な態様で表示させる。
【0072】
また、制御手段56は、プレイヤ対戦ゲームにおいて、特別抽選の実行によって決定されたサテライト20のゲームを優遇又は冷遇する。ここで、ゲームを優遇するとは、ゲームに関して有利な扱いをすること、優先的に扱うこと、手厚い待遇とすること等を含む。また、ゲームを優遇することの具体例としては、ゲーム結果を勝利とすること、ゲーム結果を有利にするための各種処理を行うこと、ボーナスゲームやジャックポットゲーム等の特典を付与すること、ゲームで用いられるキャラクタやアイテム等のコンテンツを増やすこと等が挙げられる。また、ゲームを冷遇するとは、ゲームに関して不利な扱いをすること、劣後させること、低い待遇とすること等を含む。ゲームを冷遇することの具体例としては、ゲーム結果を敗北とすること、ゲーム結果を不利にするための各種処理を行うこと等のペナルティを付与すること、ゲームで用いられるキャラクタやアイテム等のコンテンツを減らすこと等が挙げられる。なお、ゲームを優遇又は冷遇するとは、ゲーム結果を優遇又は冷遇することに限らず、ゲームの途中等のゲーム進行を優遇又は冷遇することを含んでもよい。
【0073】
例えば、制御手段56は、特別抽選の実行によって決定されたサテライト20を、当該サテライト20以外の他のサテライト20よりも優遇又は冷遇する。第一実施形態では、制御手段56は、特別抽選によって決定されたサテライト20のゲームだけを優遇又は冷遇する。例えば、制御手段56は、プレイヤ対戦ゲームにおいて、複数の穴部の何れかに最初に入ったボールBの色に紐付けられたサテライト20にペナルティを付与する。また、制御手段56は、ターンテーブル12上に最後の一つとして残ったボールBの色に紐付けられたサテライト20のゲーム結果を勝利とし、当該サテライト20にボーナスゲーム等の特典を付与する。例えばこのボーナスゲームに勝利した場合には、ジャックポットゲーム等の特典が更に付与される。また、制御手段56は、ターンテーブル12上に最後の一つとして残り且つセンターポケット18に入ったボールBの色に紐付けられたサテライト20のゲーム結果を大勝利(大当たり)とし、当該サテライト20にジャックポットゲームの特典を付与する。この大勝利となったサテライト20では、ボーナスゲームで勝利しなくても直接ジャックポットゲームの特典が付与される。すなわち、大勝利となった場合には、単なる勝利となった場合よりも更にゲーム結果が優遇されることとなる。
【0074】
また、制御手段56は、抽選ゲームの実行中に、突起部16を上下動させるためのモータを駆動させる。これにより、制御手段56は、突起部16をターンテーブル12の上面12aに交差する方向で移動制御する。制御手段56による突起部16の移動制御によって、突起部16は上方又は下方に移動することができる。これによりターンテーブル12の上面12aに沿って突起部16が位置する場合(
図3参照)には、ボール捕捉部として機能するセンターポケット18がターンテーブル12の中央部に出現する。これに対し、ターンテーブル12の上面12aから突出して突起部16が位置する場合(
図4参照)には、センターポケット18が消失し、ターンテーブル12の中央部におけるボール捕捉部としての機能が無効化される。
【0075】
また、制御手段56は、突起部16を移動させる条件である所定の移動条件に応じて、突起部16を上下動させてセンターポケット18を出現させたり消失させたりする。この移動条件は、特に限定されないが、例えば、ターンテーブル12上のボールBの数に関する条件や、ゲーム時間に関する条件等を含む。ターンテーブル12上のボールBの数に関する条件としては、例えばターンテーブル12上のボールBが所定数(例えば三個)以下になったこと等が挙げられる。ゲーム時間に関する条件としては、抽選ゲームにおいてターンテーブル12にボールBが投入後、所定時間が経過したこと等が挙げられる。制御手段56は、移動条件を満たすタイミングで、突起部16を上方に移動させてセンターポケット18を出現させたり、突起部16を下方に移動させてセンターポケット18を消失させたりする。
【0076】
また、制御手段56は、突起部16がターンテーブル12の上面12aから突出した状態において、当該突起部16を回転させるためのモータを駆動させる。これにより、制御手段56は、ターンテーブル12の上面12aから突出した突起部16を、ターンテーブル12の回転方向に沿って回転させる。制御手段56は、突起部16を、例えばターンテーブル12の回転方向と同じ方向でターンテーブル12の回転速度よりも速く回転させる。これにより、ターンテーブル12には、センターポケット18が消失する代わりに回転風車19が出現する。この回転風車19によって、ターンテーブル12の中央部に転がってきたボールBを外側に弾き飛ばすことが可能となる。
【0077】
また、制御手段56は、第二抽選において、複数の穴部(ボールポケット14及びセンターポケット18)が何れのサテライト20と紐付いているかを示す情報をプレイヤに報知する。例えば、制御手段56は、抽選手段54により第二抽選を実行する際、ボールポケット14の周囲に設けられた発光手段を、サテライト20又はサテライト20からターンテーブル12に投入されるボールBに対応した色で予め発光させる。例えば、制御手段56は、複数のボールポケット14の発光手段のそれぞれを、各サテライト20に紐付けられた八色のうち何れかの色で発光させる。これにより、プレイヤは、ボールポケット14の発光手段が発光する色が何色であるかによって、ボールポケット14が何れのサテライト20と紐付いているかを知ることができる。ここで、例えば、複数のボールポケット14のうちボールBの色に対応する当たり穴が設定された場合には、プレイヤは、自身のサテライト20に紐付けられた色のボールBが当該ボールBの色に対応する当たり穴に入るか否か興味を持ってターンテーブル12上のボールBを見守ることができるようになる。なお、制御手段56は、複数のボールポケット14の全てをサテライト20に紐付けられた八色のうち何れかで発光させてもよいし、複数のボールポケット14の全てではなく所定数(例えば八個)のボールポケット14を発光させてもよい。
【0078】
<処理の流れ>
図7は、第一実施形態に係る抽選ゲーム機1の各機能手段が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、以下の処理の順番又は内容は、適宜、変更することができる。
図7の処理を開始する前の初期状態(抽選ゲーム開始時)において、各サテライト20のディスプレイ42Aにはビンゴカードが表示された状態とされている。
【0079】
(ステップSP10)
受付手段52は、各サテライト20でプレイヤからのメダルを投入する(ベットする)操作を受け付け、抽選ゲームの開始指示を示す情報を制御手段56に出力する。そして、処理は、ステップSP12の処理に移行する。
【0080】
(ステップSP12)
制御手段56は、通常ゲームとしてビンゴゲームを実行する。具体的には、制御手段56は、ターンテーブル12を回転させるためのモータに駆動指示を送信して当該モータを駆動させ、ターンテーブル12を回転させる。続いて、制御手段56は、所定の色の複数のボールBを、ターンテーブル12に順次又は一斉に投入するようにボール処理機構を制御する。そして、処理は、ステップSP14の処理に移行する。
【0081】
(ステップSP14)
抽選手段54は、ボールポケット14及びセンターポケット18の何れかにボールBが入ったか否かに基づき、各サテライト20で共通の抽選結果を決定する通常抽選を実行する。また、制御手段56は、ボールBがセンターポケット18に入った場合には当該ボールBを回収して再度ターンテーブル12に投入するようにボール処理機構を制御する。そして、処理は、ステップSP16の処理に移行する。
【0082】
(ステップSP16)
制御手段56は、突起部16の移動条件を満たすか否かを判定する。例えば、制御手段56は、ターンテーブル12上にあるボールBの数が所定数(例えば三個)以下になったか否かを判定する。当該判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP18の処理に移行する。これに対し、当該判定が否定判定された場合には、処理は、ステップSP20の処理に移行する。なお、ステップSP16の処理で肯定判定された後にステップSP18,SP20の処理を経てステップSP14の処理に戻り、再度ステップSP16の処理を行う場合には、例えば前回肯定判定した場合の移動条件とは異なる移動条件を満たすか否かが判定されていてもよい。例えば、ターンテーブル12上のボールBの数が上記所定数(例えば三個)よりも更に少ない数(例えば一個)以下になった等の移動条件を満たすか否かが判定されてもよい。
【0083】
(ステップSP18)
制御手段56は、突起部16を上下動させるためのモータを駆動させ、突起部16を移動させる。例えばセンターポケット18が出現している状態である場合には、制御手段56は、突起部16を下方に移動させることにより、センターポケット18を消失させ、回転風車19を出現させる。また、制御手段56は、回転風車19を回転させるためのモータを駆動させて回転風車19(突起部16)を回転させる。また、例えば回転風車19が出現している状態である場合には、制御手段56は、突起部16を上方に移動させることにより、回転風車19を消失させ、センターポケット18を出現させる。そして、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0084】
(ステップSP20)
制御手段56は、全部で五球のボールBがボールポケット14に入って入賞したか否かを判定する。当該判定が肯定判定されると、処理は、ステップSP22の処理に移行する。これに対し、当該判定が否定判定されると、処理は、ステップSP14の処理に戻り、通常抽選の実行を続行する。
【0085】
(ステップSP22)
抽選手段54は、ボールBが入ったボールポケット14に紐付けられた番号(入賞した五つの番号)を、ビンゴゲームで有効化する番号として決定する。また、制御手段56は、ボールポケット14に入ったボールBを回収し、次回の抽選ゲームに備えるようにボール処理機構を制御する。そして、処理は、ステップSP24の処理に移行する。
【0086】
(ステップSP24)
制御手段56は、ステップSP22の処理で決定した抽選結果に基づき、各サテライト20のゲーム結果を決定する。例えば、制御手段56は、ステップSP22の処理で決定した五つの番号を、各サテライト20のディスプレイ42Aで表示されるビンゴカードにおいて有効化する。このゲーム結果が決定したことによりビンゴが成立したサテライト20には、報酬として例えばメダルやボーナスゲーム等の特典が付与される。なお、報酬としてのメダルは、制御手段56によって、このサテライト20のメダル払出口26に払い出されるかクレジットへ蓄積される。そして、処理は、ステップSP26の処理に移行する。
【0087】
(ステップSP26)
制御手段56は、特別ゲームを開始するためのイベント(例えば五球目のボールBが番号「25」のボールポケット14に入ったこと)が発生したか否かを判定する。当該判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP28の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には、処理は、ステップSP42の処理に移行する。
【0088】
(ステップSP28)
制御手段56は、特別ゲームとしてプレイヤ対戦ゲームを実行する。具体的には、制御手段56は、八色の八個のボールBをターンテーブル12に一斉に投入するように、ボール処理機構を制御する。そして、処理は、ステップSP30の処理に移行する。
【0089】
(ステップSP30)
抽選手段54は、抽選条件を満たすボールBの色に紐付けられたサテライト20を決定する特別抽選を実行する。また、制御手段56は、ボールポケット14に入ったボールBを回収し、回収したボールBの色を識別するとともに、次回の抽選ゲームに備えるようにボール処理機構を制御する。そして、処理は、ステップSP32の処理に移行する。
【0090】
(ステップSP32)
制御手段56は、突起部16の移動条件を満たすか否かを判定する。当該処理は、ステップSP16の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。当該判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP34の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には、処理は、ステップSP36の処理に移行する。
【0091】
(ステップSP34)
制御手段56は、突起部16を上下動させるためのモータを駆動させ、突起部16を移動させる。当該処理は、ステップSP18の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。そして、処理は、ステップSP36の処理に移行する。
【0092】
(ステップSP36)
制御手段56は、ターンテーブル12上の全てのボールBがボールポケット14及びセンターポケット18の何れかに入ったか否かを判定する。当該判定が肯定判定されると、処理は、ステップSP38の処理に移行し、当該判定が否定判定されると、処理は、ステップSP30の処理に戻り、特別抽選の実行を続行する。
【0093】
(ステップSP38)
抽選手段54は、特別抽選の抽選結果を決定する。例えば、抽選手段54は、センターポケット18が出現していない場合において複数のボールポケット14の何れかに最初に入ったボールBを選択する。そして、抽選手段54は、この選択したボールBの色に紐付けられたサテライト20を、ゲーム結果を冷遇するサテライト20として決定する。また、抽選手段54は、センターポケット18が出現している場合において、ターンテーブル12上に最後の一つとして残り且つセンターポケット18に最後に入ったボールBを選択する。そして、抽選手段54は、この選択したボールBの色に紐付けられたサテライト20を、ゲーム結果を優遇するサテライト20として決定する。そして、処理は、ステップSP40の処理に移行する。
【0094】
(ステップSP40)
制御手段56は、ステップSP38の処理で決定した抽選結果に基づき、各サテライト20のゲーム結果を決定する。制御手段56は、例えば、ステップSP38の処理においてゲーム結果を冷遇するサテライト20として決定されたサテライト20に、所定のペナルティを付与する。また、制御手段56は、例えば、ステップSP38の処理においてゲーム結果を優遇するサテライト20として決定されたサテライト20を大勝利とし、当該サテライト20にジャックポットゲーム等の特典を付与する。このジャックポットゲームで入賞したプレイヤには、報酬として大量のメダルが付与される。なお、報酬としてのメダルは、制御手段56によって、このサテライト20のメダル払出口26に払い出されるかクレジットへ蓄積される。そして、処理は、ステップSP42の処理に移行する。
【0095】
(ステップSP42)
制御手段56は、ゲームオーバー等のゲーム終了条件を満たすか否かを判定する。当該判定が肯定判定された場合には、
図7に示す一連の処理を終了する。これに対し、当該判定が否定判定された場合には、処理は、ステップSP12の処理に戻り、次の通常ゲームを実行する。
【0096】
<作用効果>
以上、第一実施形態に係る情報処理装置としての抽選ゲーム機1は、複数のサテライト20のそれぞれで各プレイヤの操作を受け付けたことに応じて、ターンテーブル12に投入されたボールBを用いた抽選ゲームを実行する抽選ゲーム機1であって、ターンテーブル12に形成された複数の穴部としてのボールポケット14又はセンターポケット18の何れかに入ったか否かに基づき、各サテライト20で共通の抽選結果を決定する通常抽選(第一抽選)と、ボールポケット14又はセンターポケット18の何れかに入ったか否かに基づく抽選条件を満たすボールBの固有情報としての色に紐付けられたサテライト20を決定する特別抽選(第二抽選)と、を実行する抽選手段54と、通常抽選によって決定された共通の抽選結果を各サテライト20のゲームに反映させるとともに、特別抽選によって決定されたサテライト20のゲームを優遇又は冷遇する制御手段56と、を備える。
【0097】
この構成によれば、通常抽選によって各サテライト20で共通の抽選結果が決定され、当該共通の抽選結果が各サテライト20のゲームに反映される。また、特別抽選によって抽選条件を満たすボールBの色に紐付けられたサテライト20が決定され、決定された当該サテライト20のゲームが優遇又は冷遇される。よって、通常抽選が実行された場合(通常ゲームの場合)には、プレイヤ全員に共通した抽選結果がゲームに反映される一方で、特別抽選が実行された場合(特別ゲームの場合)には、特定のプレイヤだけゲームが優遇又は冷遇される。このように、通常抽選及び特別抽選の何れが実行されるかに応じて多様なゲーム展開とすることができ、単調なゲーム展開となることを抑制することができる。更に、特別抽選が実行された場合には、特定のプレイヤだけ得又は損するかもしれないという期待感や焦燥感をプレイヤに与えることができる。以上によって、抽選ゲームの趣向性を向上させることができる。
【0098】
また、第一実施形態に係る抽選ゲーム機1では、制御手段56は、特別抽選を実行する場合に、互いに異なる色を有し且つサテライト20の数に対応する複数のボールBをターンテーブル12に投入し、抽選手段54は、特別抽選を実行する場合に、複数のボールBのうち抽選条件を満たすボールBを選択し、選択されたボールBの色に紐付けられたサテライト20を決定する。
【0099】
この構成によれば、特別抽選を実行する場合に、例えばサテライト20が八個ある抽選ゲーム機1では、八色の八個のボールBがターンテーブル12に投入される。これにより、例えばプレイヤ対戦ゲームといった、通常のビンゴゲームとは全く異なる新しい遊び方をプレイヤに提供することができ、抽選ゲームの趣向性をより一層向上させることができる。
【0100】
また、第一実施形態に係る抽選ゲーム機1では、ターンテーブル12の中央部には、ターンテーブル12の上面12aに交差する方向に移動可能な突起部16が形成されており、制御手段56は、交差する方向で突起部16を移動制御し、移動制御によってターンテーブル12の上面12aに沿って突起部16が位置する場合には、突起部16が複数の穴部の一つとして機能し、移動制御によってターンテーブル12の上面12aから突出して突起部16が位置する場合には、突起部16が複数の穴部の一つとして機能せず、抽選条件は、突起部16が複数の穴部の一つとして機能するか否かに応じて異なる条件である。
【0101】
この構成によれば、突起部16が上下動することにより、突起部16がターンテーブル12に形成された複数の穴部の一つとして機能するか否かが変わる。そして、突起部16が複数の穴部の一つとして機能するか否か、すなわちセンターポケット18が出現するか否かに応じて、特別抽選の抽選条件が異なるため、突起部16の上下動によって特別抽選の抽選結果が変わってくる。よって、特別抽選の抽選結果の変化に応じて、多様なゲーム展開とすることができる。
【0102】
また、第一実施形態に係る抽選ゲーム機1では、突起部16は、一対の羽根部16a,16bを有し、制御手段56は、ターンテーブル12の上面12aから突出した突起部16を回転させる。
【0103】
この構成によれば、ターンテーブル12の上面12aから突出した突起部16が回転することにより、突起部16の羽根部16a,16bにボールBが当たって弾き飛ばされる。これにより、ターンテーブル12上のボールBの動きに変化を与えることができ、ゲーム展開を一層多様なものとすることができる。
【0104】
また、第一実施形態に係る抽選ゲーム機1では、抽選手段54は、通常抽選を実行中に所定の実行条件を満たす場合に、特別抽選を実行する。
【0105】
この構成によれば、各サテライト20で共通の抽選結果が得られる通常抽選を実行中に、イベント発生等の所定の実行条件を満たすと、ゲームを優遇又は冷遇するサテライト20を抽選する特別抽選が実行される。これにより、特別抽選が通常抽選とは異なる特別な抽選であるという特別感を演出することができる。
【0106】
また、第一実施形態に係る抽選ゲーム機1では、ボールBの固有情報は、ボールBの色、形状、大きさの少なくとも何れか一つを含む外観情報である。
【0107】
この構成によれば、ボールBの固有情報が見た目で識別可能な外観情報であるため、プレイヤは、ターンテーブル12に投入されたボールBのうち、自身のサテライト20に紐付けられた固有情報のボールBを見た目で識別することができる。よって、自身のサテライト20に紐付けられた固有情報のボールBが抽選条件を満たすか否かを、ターンテーブル12上のボールBの動きを見て予測することができ、プレイヤの興奮度を高めることができる。
【0108】
また、第一実施形態に係る抽選ゲーム機1では、制御手段56は、第二抽選において、複数の穴部としてのボールポケット14が何れのサテライト20と紐付いているかを示す情報をプレイヤに報知する。
【0109】
この構成によれば、プレイヤは、ボールポケット14が何れのサテライト20と紐付いているかを知ることができる。よって、例えばボールポケット14のうちボールBの色に対応する当たり穴が設定された場合に、プレイヤは、自身のサテライト20に紐付けられた色のボールBが当該ボールBの色に対応する当たり穴に入るか否か興味を持ってターンテーブル12上のボールBの動きを見守ることができるようになる。
【0110】
―――第二実施形態―――
次に、第二実施形態に係る抽選ゲーム機1A(
図1参照)について説明する。
<全体構成>
【0111】
以下、第二実施形態に係る抽選ゲーム機1Aについて、主に第一実施形態と異なる点を詳細に説明する。なお、以下で説明しない第二実施形態に係る抽選ゲーム機1Aの構成及び機能は、第一実施形態に係る抽選ゲーム機1の構成及び機能と同様である。
【0112】
第一実施形態では、特別抽選が、抽選条件を満たすボールBの色に紐付けられたサテライト20を決定する抽選である例について説明した。これに対し、第二実施形態では、特別抽選が、ターンテーブル12に形成されたボーナスポケット60(サテライト穴部)にボールBが入ったサテライト20を決定する抽選である。また、第一実施形態では、抽選手段54が、通常ゲームにおいて通常抽選を実行し、特別ゲームにおいて通常抽選から切り替えて特別抽選を実行する例について説明した。これに対し、第二実施形態では、抽選手段54が、通常ゲームにおいて通常抽選と特別抽選とを並行して実行する。
【0113】
まず、ターンテーブル12に形成されたボーナスポケット60について説明する。
図1及び
図2に示すように、ボーナスポケット60は、ターンテーブル12の周囲に、各サテライト20に紐付けて形成されている。すなわち、各ボーナスポケット60は、各サテライト20に対応付けられている。ボーナスポケット60は、例えばターンテーブル12の周囲のガイドサークル13上であって、当該ボーナスポケット60が紐付けられたサテライト20の近傍に配置されている。ここで、サテライト20の近傍とは、サテライト20の位置の付近を意味する。ボーナスポケット60は、サテライト20の数に対応し、全部で八個設けられている。
【0114】
図8は、ガイドサークル13の上面13aに沿って位置するボーナスポケット60を示す図である。
図9は、ガイドサークル13の上面13aよりも下方に位置するボーナスポケット60を示す図である。
【0115】
図8及び
図9に示すように、ボーナスポケット60は、中央部60aと、外周部60bと、を有する。中央部60aと外周部60bとは、それぞれ不図示のモータの駆動によって上下動することができる。中央部60aと外周部60bとは、それぞれ独立して上下動してもよく、一体化して上下動してもよい。ボーナスポケット60の中央部60a及び外周部60bが上下動することによって、ボーナスポケット60へのボールBの入り易さが段階的に調整可能とされている。ボーナスポケット60には、ボールポケット14と同様、ボール検出機構として赤外線センサ等が設けられている。
【0116】
図8に示すように、ボーナスポケット60の中央部60a及び外周部60bがガイドサークル13の上面13aに沿って位置した状態では、ボーナスポケット60(特に中央部60a)が、ボール捕捉部として機能しない。すなわち、ボーナスポケット60にボールBが入らないようになっている。
【0117】
これに対し、
図9に示すように、ボーナスポケット60の中央部60a及び外周部60bがガイドサークル13の上面13aよりも下方に位置した状態では、ボーナスポケット60(特に中央部60a)が、ボール捕捉部として機能する。すなわち、ボーナスポケット60にボールBが入り得る。また、この状態のボーナスポケット60に入ったボールBは、ボーナスポケット60が再度
図8に示すように位置することによって、ターンテーブル12上に戻される。これによって、ボーナスポケット60にボールBが入ったとしても抽選に関与するボールBの数が減ってしまうことがないようになっている。なお、
図8及び
図9では、中央部60a及び外周部60bの各上面が略同じ平面上に沿って位置する(高さが同じである)が、中央部60aと外周部60bとが独立して移動することによって中央部60a及び外周部60bの各上面が互いにずれていてもよい。
【0118】
<機能構成>
抽選ゲーム機1Aは、第一実施形態と同様の機能構成(
図6参照)を備える。
【0119】
抽選ゲーム機1Aにおいて、記憶手段50が記憶するゲームデータ50Bは、サテライト20とボールBの固有情報との紐付け情報に加えて又は代えて、サテライト20とボーナスポケット60との紐付け情報を更に含む。この紐付け情報は、各サテライト20を示すサテライトID(識別情報)と、当該サテライトIDに紐付けられたボーナスポケット60を示すポケットID(識別情報)と、を含む。
【0120】
抽選手段54は、ターンテーブル12に形成されたボールポケット14及びセンターポケット18の何れかに入ったか否かに基づき、各サテライト20で共通の抽選結果を決定する通常抽選(第一抽選)と、ボーナスポケット60にボールBが入った場合に、当該ボールBが入ったボーナスポケット60に紐付けられたサテライト20を決定する特別抽選(第二抽選)と、を実行する。第二実施形態における通常抽選は、第一実施形態における通常抽選と同様であるため、説明を省略する。
【0121】
第二実施形態における特別抽選は、例えば通常のビンゴゲーム実行時において、通常抽選と並行して実行される。特別抽選は、ボールBが入ったボーナスポケット60に紐付けられたサテライト20を、ビンゴゲームを優遇又は冷遇するサテライト20として決定する抽選である。ターンテーブル12上のボールBは、例えば回転風車19によって弾き飛ばされること等によって、ガイドサークル13に形成されたボーナスポケット60に入り得る。ボーナスポケット60に入ったボールBが赤外線センサ等によって検出されると、当該赤外線センサから周辺機器インターフェース37に当該検出情報が出力される。抽選手段54は、当該検出情報が出力された場合に、ボールBが入ったボーナスポケット60のポケットIDを特定する。そして、抽選手段54は、ゲームデータ50Bを参照し、特定したポケットIDに紐付けられたサテライト20(サテライトID)を決定する。
【0122】
また、抽選手段54は、通常抽選を実行中に所定の実行条件を満たす場合に、特別抽選を実行する。第二実施形態において、この実行条件は、例えば、所定のイベントが発生したこと、所定時間が経過したこと、又は、抽選ゲーム機1の管理者(ゲームセンターの店員)等による操作があったこと等を含む。所定のイベントとしては、特に限定されないが、例えば、番号「8」又は「16」等の特定の番号のボールポケット14にボールBが入ったこと等が挙げられる。第二実施形態では、抽選手段54は、通常抽選を実行中にこの実行条件を満たす場合に、特別抽選を更に実行する。この実況条件は、ディスプレイ42A等に表示されること等によってプレイヤに周知(予告)されていてもよい。
【0123】
また、制御手段56は、ビンゴゲームにおいて、通常抽選の結果(番号)を各サテライト20に共通して反映するとともに、特別抽選の実行によって決定されたサテライト20だけビンゴゲームを優遇又は冷遇する。例えば、制御手段56は、ビンゴゲームにおいて、ボールBが入ったボーナスポケット60に紐付けられたサテライト20に、特典やペナルティを付与する。ここでの特典としては、例えば、リーチ状況にあった場合にビンゴ成立とすること、抽選結果によらずビンゴカードに表示された複数の番号を有効化すること、ボーナスゲームを付与すること等を含む。また、ペナルティとしては、例えばそれまでに有効となっていた番号を無効化したり、そのゲームの結果を敗北としたりすること等を含む。
【0124】
また、制御手段56は、ボーナスポケット60を上下動させるためのモータを駆動させることによって、ガイドサークル13の上面13aに交差する方向でボーナスポケット60を移動制御する。制御手段56によるボーナスポケット60の移動制御によって、ボーナスポケット60は上方又は下方に移動することができる。これによりガイドサークル13の上面13aに沿ってボーナスポケット60が位置する場合(
図8参照)には、当該ボーナスポケット60がボール捕捉部として機能しない。また、ガイドサークル13の上面13aより下方にボーナスポケット60が位置する場合(
図9参照)には、当該ボーナスポケット60がボール捕捉部として機能する。
【0125】
<処理の流れ>
図10は、第二実施形態に係る抽選ゲーム機1Aの各機能手段が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、以下の処理の順番又は内容は、適宜、変更することができる。
図10の処理を開始する前の初期状態(抽選ゲーム開始時)において、各サテライト20のディスプレイ42Aにはビンゴカードが表示された状態とされている。
【0126】
ステップSP50~ステップSP58の処理は、第一実施形態に係るステップSP12~ステップSP18の処理と同様であるため、説明を省略する。ステップSP58の処理に続き、処理は、ステップSP60の処理に移行する。
【0127】
(ステップSP60)
制御手段56は、特別ゲームを開始するためのイベント(例えば、番号「8」又は「16」等の特定の番号のボールポケット14にボールBが入ったこと)が発生したか否かを判定する。当該判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP62の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には、処理は、ステップSP54の処理に戻り、通常抽選を続行する。
【0128】
(ステップSP62)
抽選手段54は、ビンゴカードの番号を決定する通常抽選と並行して、ボールBが入ったボーナスポケット60に紐付けられたサテライト20を決定する特別抽選を実行する。ターンテーブル12上のボールBは、例えばステップSP58や後述するステップSP66の処理における突起部16の移動によって回転風車19が出現した場合、この回転風車19の羽根部16a,16bに当たって弾き飛ばされることで、ボーナスポケット60に入り得る。また、制御手段56は、ボーナスポケット60を上下動させ、ボーナスポケット60へのボールBの入り易さを調整したり、ボーナスポケット60に入ったボールBをターンテーブル12上に返したりする。そして、処理は、ステップSP64の処理に移行する。
【0129】
(ステップSP64)
制御手段56は、突起部16の移動条件を満たすか否かを判定する。この処理は、ステップSP56の処理と同様であり、例えばステップSP56の処理と同様の移動条件を満たすか否かが判定される。また、例えばステップSP56の処理で肯定判定された後にステップSP64の処理を行う場合には、ステップSP64の処理における移動条件がステップSP56の処理における移動条件とは異なっていてもよい。例えば、ステップSP56の処理でターンテーブル12上のボールBの数が所定数(例えば三個)以下になったと肯定判定された場合には、ステップSP64の処理では、この所定数よりも更に少ない数(例えば一個)以下になった等の移動条件を満たすか否かが判定されてもよい。
【0130】
(ステップSP66)
制御手段56は、突起部16を上下動させるためのモータを駆動させ、突起部16を移動させる。当該処理は、ステップSP58の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。そして、処理は、ステップSP68の処理に移行する。
【0131】
(ステップSP68)
制御手段56は、全部で五球のボールBがボールポケット14に入って入賞したか否かを判定する。当該判定が肯定判定されると、処理は、ステップSP70の処理に移行し、当該判定が否定判定されると、処理は、ステップSP62の処理に戻り、通常抽選及び特別抽選を続行する。
【0132】
(ステップSP70)
抽選手段54は、ボールBが入ったボールポケット14に紐付けられた番号(入賞した五つの番号)を、ビンゴゲームで有効化する番号として決定する。また、制御手段56は、ボールポケット14に入ったボールBを回収し、次回の抽選ゲームに備えるようにボール処理機構を制御する。また、抽選手段54は、ボールBが入ったボーナスポケット60に紐付けられたサテライト20を、ゲーム結果を優遇又は冷遇するサテライト20として決定する。そして、処理は、ステップS72の処理に移行する。
【0133】
(ステップSP72)
制御手段56は、ステップSP70の処理で決定した五つの番号を、各サテライト20のディスプレイ42Aで表示されるビンゴカードにおいて有効化する。また、制御手段56は、例えば、ステップSP70の処理で決定したサテライト20のディスプレイ42Aで表示されるビンゴカードにおいて、例えばリーチ状況にあった場合にビンゴ成立とする等の特典を付与する。そして、処理は、ステップSP74の処理に移行する。
【0134】
(ステップSP74)
制御手段56は、ゲームオーバー等のゲーム終了条件を満たすか否かを判定する。当該判定が肯定判定された場合には、
図10に示す一連の処理を終了する。これに対し、当該判定が否定判定された場合には、処理は、ステップSP52の処理に戻り、次の通常ゲームを実行する。
【0135】
<作用効果>
以上、第二実施形態に係る情報処理装置としての抽選ゲーム機1Aでは、複数のサテライト20のそれぞれで各プレイヤの操作を受け付けたことに応じて、ターンテーブル12に投入されたボールBを用いた抽選ゲームを実行する抽選ゲーム機1であって、ターンテーブル12に形成された複数の穴部としてのボールポケット14及びセンターポケット18の何れかに入ったか否かに基づき、各サテライト20で共通の抽選結果を決定する通常抽選(第一抽選)と、ターンテーブル12の周囲に各サテライト20に紐付けて形成されたボーナスポケット60(サテライト穴部)にボールBが入った場合に、ボールBが入ったボーナスポケット60に紐付けられたサテライト20を決定する特別抽選(第二抽選)と、を実行する抽選手段54と、通常抽選によって決定された共通の抽選結果を各サテライト20のゲームに反映させるとともに、特別抽選によって決定されたサテライト20のゲームを優遇又は冷遇する制御手段56と、を備える。
【0136】
この構成によれば、通常抽選によって各サテライト20で共通の抽選結果が決定され、当該共通の抽選結果が各サテライト20のゲームに反映される。また、特別抽選によってボールBが入ったボーナスポケット60に紐付けられたサテライト20が決定され、決定された当該サテライト20のゲームが優遇又は冷遇される。よって、通常抽選が実行された場合(通常ゲームの場合)には、プレイヤ全員に共通した抽選結果がゲームに反映される一方で、特別抽選が実行された場合(特別ゲームの場合)には、特定のプレイヤだけゲームが優遇又は冷遇される。このように、通常抽選及び特別抽選の何れが実行されるかに応じて多様なゲーム展開とすることができ、単調なゲーム展開となることを抑制することができる。更に、特別抽選が実行された場合には、特定のプレイヤだけ得又は損するかもしれないという期待感や焦燥感をプレイヤに与えることができる。以上によって、抽選ゲームの趣向性を向上させることができる。
【0137】
また、第二実施形態に係る抽選ゲーム機1Aでは、ボーナスポケット60は、当該ボーナスポケット60が紐付けられたサテライト20の近傍に配置されている。
【0138】
この構成によれば、プレイヤは、自身のサテライト20に紐付けられたボーナスポケット60にボールBが入ったか否かを、自身のサテライト20から見て容易に識別することができる。
【0139】
また、第二実施形態に係る抽選ゲーム機1Aでは、ターンテーブル12の中央部には、ターンテーブル12の上面12aに交差する方向に移動可能な突起部16が形成されており、制御手段56は、交差する方向で突起部16を移動制御し、移動制御によってターンテーブル12の上面12aに沿って突起部16が位置する場合には、突起部16が複数の穴部の一つとして機能し、移動制御によってターンテーブル12の上面12aから突出して突起部16が位置する場合には、突起部16が複数の穴部の一つとして機能しない。
【0140】
この構成によれば、突起部16が上下動することにより、突起部16がターンテーブル12に形成された複数の穴部の一つとして機能するか否かが変わる。すなわち、突起部16の上下動によって、センターポケット18が出現したり消失したりするため、センターポケット18に入るか否かに基づく抽選の結果が変わってくる。よって、この抽選の結果の変化に応じて、多様なゲーム展開とすることができる。
【0141】
また、第二実施形態に係る抽選ゲーム機1Aでは、突起部16は、一対の羽根部16a,16bを有し、制御手段56は、ターンテーブル12の上面12aから突出した突起部16を回転させる。
【0142】
この構成によれば、ターンテーブル12の上面12aから突出した突起部16が回転することにより、突起部16の羽根部16a,16bにボールBが当たって弾き飛ばされる。これにより、ターンテーブル12上のボールBの動きに変化を与えることができ、ゲーム展開を一層多様なものとすることができる。また、突起部16の羽根部16a,16bにボールBが当たって弾き飛ばされることにより、ボールBがボーナスポケット60に入り易くなる。これにより、ボールBが入ったボーナスポケット60に紐付けられたサテライト20のゲームが優遇又は冷遇される可能性を高めることができ、プレイヤの期待感や焦燥感をより高めることができる。
【0143】
また、第二実施形態に係る抽選ゲーム機1Aでは、制御手段56は、ターンテーブル12の周囲であるガイドサークル13の上面13aに交差する方向で、ボーナスポケット60を移動制御する。
【0144】
この構成によれば、ボーナスポケット60を上下動させることによって、ボーナスポケット60へのボールBの入り易さを調整することができ、ゲーム展開を一層多様なものとすることができる。
【0145】
また、第二実施形態に係る抽選ゲーム機1Aでは、抽選手段54は、通常抽選を実行中に所定の実行条件を満たす場合に、特別抽選を実行する。
【0146】
この構成によれば、各サテライト20で共通の抽選結果が得られる通常抽選を実行中に、イベント発生等の所定の実行条件を満たすと、ゲームを優遇又は冷遇するサテライト20を抽選する特別抽選が実行される。これにより、特別抽選が通常抽選とは異なる特別な抽選であるという特別感を演出することができる。
【0147】
<変形例>
本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記の実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記の実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0148】
例えば、第一実施形態の特別抽選では、ボールBの固有情報としてボールBの色に紐付けられたサテライト20を決定する例について説明したが、この固有情報はボールBの大きさや形状等の外観情報であってもよく、ボールBが有するICタグが示すタグID(識別情報)であってもよい。この固有情報がボールBのICタグが示すタグIDである場合、プレイヤは、ターンテーブル12に投入されたボールBのうち、自身のサテライト20に紐付けられた固有情報のボールBを見た目で識別することができない。よって、自身のサテライト20に紐付けられた固有情報のボールBが抽選条件を満たすか否かを、ターンテーブル12上のボールBの動きを見て予測することができないため、プレイヤに関与する抽選結果が出た場合には予想外の興奮を得ることができる。
【0149】
また、第一実施形態では、抽選手段54が、通常ゲームにおいて通常抽選を実行し、特別ゲームにおいて通常抽選から切り替えて特別抽選を実行する例について説明したが、特別抽選の実行タイミングはこの例に限定されない。例えば、特別抽選の実行タイミングは、通常ゲームから特別ゲームに切り替えてから所定時間経過後に実行条件を満たす場合や、通常ゲームを実行中に実行条件を満たす場合等であってもよい。また、特別抽選は、実行条件を満たす場合に、通常抽選から切り替えられずに、通常抽選と並行して実行されてもよい。
【0150】
また、第二実施形態では、通常ゲームにおいて実行条件を満たす場合に特別抽選を並行して実行する例について説明したが、特別抽選の実行タイミングはこの例に限定されない。例えば、特別抽選の実行タイミングは、通常ゲームから特別ゲームに切り替えたタイミングや通常ゲームから特別ゲームに切り替えられてから所定時間経過後に実行条件を満たす場合等であってもよい。また、特別抽選は、通常抽選と並行して実行されずに通常抽選から切り替えられて実行されてもよい。
【0151】
また、上記第一実施形態では、ボールBの固有情報(色)が予めサテライト20に紐付けられて記憶されている例について説明したが、抽選ゲーム機1は、抽選ゲームの実行開始時や実行中にボールBの固有情報とサテライト20とを動的に紐付ける紐付手段を備えていてもよい。この紐付手段は、抽選ゲームの実行開始時や実行中における所定のタイミングで、ボールBの固有情報とサテライト20とを紐付ける。記憶手段50は、この紐付手段によって紐付けられた紐付け情報を、ゲームデータ50Bに記憶する。また、この紐付手段は、抽選ゲームの実行開始時や実行中に、一度紐付けたボールBの固有情報とサテライト20との紐付けを解除し、紐付けを再度し直す処理をしてもよい。
【0152】
また、上記第二実施形態では、ボーナスポケット60が予めサテライト20に紐付けられている例について説明したが、抽選ゲーム機1Aは、抽選ゲームの実行開始時や実行中にボーナスポケット60とサテライト20とを動的に紐付ける紐付手段を備えていてもよい。この紐付手段は、抽選ゲームの実行開始時や実行中における所定のタイミングで、ボーナスポケット60とサテライト20とを紐付ける。記憶手段50は、この紐付手段によって紐付けられた紐付け情報を、ゲームデータ50Bに記憶する。また、この紐付手段は、抽選ゲームの実行開始時や実行中に、一度紐付けたボーナスポケット60とサテライト20との紐付けを解除し、紐付けを再度し直す処理をしてもよい。
【0153】
また、上記第一及び第二実施形態では、プレイヤの操作によらず制御手段56による制御によって自動的にターンテーブル12にボールBが投入される例について説明したが、例えばプレイヤの操作に応じてボールBを投入することとしてもよい。例えば、受付手段52が、プレイヤによる投入指示操作を受け付けて、制御手段56が、当該投入指示操作を受け付けたタイミングで、ターンテーブル12にボールBを投入するように制御してもよい。
【0154】
また、上記第一及び第二実施形態では、制御手段56は、特別抽選によって決定されたサテライト20のゲームだけを優遇又は冷遇する例について説明したが、この例に限定されない。例えば、制御手段56は、特別抽選によって決定されたサテライト20のゲームの優遇度合い又は冷遇度合いを、他のサテライト20のゲームの優遇度合い又は冷遇度合いよりも大きくすることによって、当該決定されたサテライト20を他のサテライト20よりも優遇又は冷遇するものとしてもよい。例えば、制御手段56は、特別抽選によって決定されたサテライト20のゲームではコンテンツが10増えた場合に、他のサテライト20のゲームではコンテンツが5しか増えないものとする等、特別抽選によって決定されたサテライト20が各サテライト20の中で最も優遇されるようにしてもよい。
【0155】
また、上記第一及び第二実施形態では、制御手段56は、各サテライト20で共通のゲームを実行する例について説明したが、制御手段56は、各サテライト20で異なるゲームを実行してもよい。制御手段56は、各サテライト20で異なるゲームがプレイされていた場合であっても、上記実施形態同様、通常抽選の抽選結果を各サテライト20に反映させるとともに特別抽選によって決定されたサテライト20のゲームを優遇又は冷遇する。例えば、制御手段56は、特別抽選によって決定されたサテライト20のゲームだけを優遇又は冷遇する。また、制御手段56は、各サテライト20のゲームで共通するコンテンツ等がある場合には、特別抽選によって決定されたサテライト20のゲームでは当該コンテンツが10増えた場合に、他のサテライト20のゲームでは当該コンテンツが5しか増えないものとする等、特別抽選によって決定されたサテライト20が各サテライト20の中で最も優遇されるようにしてもよい。また、制御手段56は、一つのサテライト20で複数種類の異なるゲームを実行し、抽選結果を当該異なるゲームのそれぞれに反映させてもよい。すなわち、制御手段56は、同じ抽選結果に基づき進行する複数種類のゲーム(マルチゲーム)を一人のプレイヤによってプレイできるように制御してもよい。
【0156】
また、上記第一及び第二実施形態では、突起部16が一対の羽根部16a,16bを有する例について説明したが、突起部16の羽根部の枚数は一以上であればよく奇数枚又は偶数枚であってもよく、また、当該羽根部の間隔も等間隔であってもなくても何れでもよい。また、突起部16は、ターンテーブル12上のボールBを弾き飛ばし得る動作であれば、回転に限らず、半回転、揺動、振動等を含む様々な動作のうち少なくとも何れかの動作をするように制御されてもよい。
【符号の説明】
【0157】
1,1A:抽選ゲーム機(コンピュータ、情報処理装置)、12:ターンテーブル(抽選盤)、14:ボールポケット(穴部)、16:突起部、16a,16b:羽根部、18:センターポケット(穴部)、20:サテライト、54:抽選手段、56:制御手段、B:ボール(抽選媒体)