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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004152
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】熱交換装置
(51)【国際特許分類】
   F28D 13/00 20060101AFI20240109BHJP
   F28D 19/02 20060101ALI20240109BHJP
   F28F 23/00 20060101ALN20240109BHJP
【FI】
F28D13/00
F28D19/02
F28F23/00 A
F28F23/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103655
(22)【出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 志宏
(72)【発明者】
【氏名】石川 温士
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA05
3L103CC02
3L103CC22
3L103CC27
3L103DD22
3L103DD30
(57)【要約】
【課題】小型化する。
【解決手段】熱交換装置100は、固体粒子を収容する収容室ARと風箱室WRとに容器110内を分割する分散板120と、収容室の上面および分散板から離隔し、収容室内を第1室FRと第2室SRとに区画する仕切板130と、第1室における分散板から立設し、上端が仕切板の下端よりも上方に位置する第1区画板132と、第2室における分散板から立設し、上端が仕切板の下端よりも上方に位置する第2区画板134と、風箱室内における第1区画板に対応する位置に設けられ、風箱室内を分割する第1分割板140と、風箱室内における第2区画板に対応する位置に設けられ、風箱室内を分割する第2分割板142と、風箱室に流動化ガスを供給する流動化ガス供給装置150と、第1室内に臨む第1伝熱管170と、第2室内に臨む第2伝熱管180と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と、
前記容器内に設けられ、水平方向に延在して、固体粒子を収容する収容室と、前記収容室の下方に設けられる風箱室とに前記容器内を分割する、複数の孔が形成された分散板と、
前記収容室の上面および前記分散板から離隔し、鉛直方向に延在して、前記収容室内を第1室と第2室とに区画する仕切板と、
前記分散板のうちの前記第1室に位置する箇所から上方に立設し、上端が前記仕切板の下端よりも上方に位置する第1区画板と、
前記分散板のうちの前記第2室に位置する箇所から上方に立設し、上端が前記仕切板の下端よりも上方に位置する第2区画板と、
前記風箱室内における前記第1区画板に対応する位置に設けられ、鉛直方向に延在して、前記風箱室内を分割する第1分割板と、
前記風箱室内における前記第2区画板に対応する位置に設けられ、鉛直方向に延在して、前記風箱室内を分割する第2分割板と、
前記風箱室における前記容器の側面と前記第1分割板との間に形成される第1空間に流動化ガスを供給する第1流動化ガス供給部と、
前記風箱室における前記容器の側面と前記第2分割板との間に形成される第2空間に前記流動化ガスを供給する第2流動化ガス供給部と、
前記風箱室における前記第1分割板と前記第2分割板との間に形成される第3空間に前記流動化ガスを供給する第3流動化ガス供給部と、
第1入口と第1出口とを有し、少なくとも一部が前記第1室内に臨み、第1流体が通過する第1伝熱管と、
第2入口と、前記第1出口とは異なる第2出口とを有し、少なくとも一部が前記第2室内に臨み、第2流体が通過する第2伝熱管と、
を備える熱交換装置。
【請求項2】
前記第1流動化ガス供給部、前記第2流動化ガス供給部、および、前記第3流動化ガス供給部を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記第1流動化ガス供給部によって供給される前記流動化ガスの空塔速度を最小流動化速度より大きくし、
前記第2流動化ガス供給部、および、前記第3流動化ガス供給部によって供給される前記流動化ガスの空塔速度を最小流動化速度とする、請求項1に記載の熱交換装置。
【請求項3】
前記第1流動化ガス供給部、前記第2流動化ガス供給部、および、前記第3流動化ガス供給部を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記第1流動化ガス供給部によって供給される前記流動化ガスの空塔速度を最小流動化速度超の所定速度より大きくし、
前記第2流動化ガス供給部、および、前記第3流動化ガス供給部の動作を停止させる、請求項1に記載の熱交換装置。
【請求項4】
前記第1流動化ガス供給部、前記第2流動化ガス供給部、および、前記第3流動化ガス供給部によって供給される前記流動化ガスの空塔速度を最小流動化速度より大きくする制御部を備える、請求項1に記載の熱交換装置。
【請求項5】
前記風箱室内における前記第1分割板と前記第2分割板との間に設けられ、鉛直方向に延在して、前記第3空間を分割する第3分割板と、
前記風箱室における前記第2分割板と前記第3分割板との間に形成される第4空間に前記流動化ガスを供給する第4流動化ガス供給部と、
を備え、
前記第3流動化ガス供給部は、
前記風箱室における前記第1分割板と前記第3分割板との間に形成される第5空間に前記流動化ガスを供給する、請求項1に記載の熱交換装置。
【請求項6】
前記第1流動化ガス供給部、前記第2流動化ガス供給部、前記第3流動化ガス供給部、および、第4流動化ガス供給部を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記第1流動化ガス供給部、および、前記第4流動化ガス供給部によって供給される前記流動化ガスの空塔速度を最小流動化速度より大きくし、
前記第2流動化ガス供給部、および、前記第3流動化ガス供給部によって供給される前記流動化ガスの空塔速度を最小流動化速度とする、請求項5に記載の熱交換装置。
【請求項7】
前記第1流動化ガス供給部、前記第2流動化ガス供給部、前記第3流動化ガス供給部、および、第4流動化ガス供給部を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記第1流動化ガス供給部によって供給される前記流動化ガスの空塔速度を最小流動化速度超の所定速度より大きくし、
前記第2流動化ガス供給部、前記第3流動化ガス供給部、および、第4流動化ガス供給部の動作を停止させる、請求項5に記載の熱交換装置。
【請求項8】
前記第1流動化ガス供給部、前記第2流動化ガス供給部、前記第3流動化ガス供給部、および、第4流動化ガス供給部によって供給される前記流動化ガスの空塔速度を最小流動化速度より大きくする制御部を備える、請求項5に記載の熱交換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱交換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、流動層火炉、対流伝熱部、空気予熱器、および、外部熱交換器を備える循環流動層ボイラが開発されている(例えば、特許文献1)。流動層火炉は、空気によって流動砂を流動化させ、また、燃料を燃焼させて流動砂を加熱する。対流伝熱部は、流動層火炉から排気された燃焼排ガスと、水とを熱交換させる熱交換器である。空気予熱器は、対流伝熱部の後段に設けられ、燃焼排ガスと、流動層火炉に供給される空気とを熱交換させる熱交換器である。外部熱交換器は、流動層火炉において加熱された流動砂と、水とを熱交換させる熱交換器である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6995603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のような複数の熱交換器を別体で備える技術では、それぞれの熱交換器が、被熱交換対象の流体が通過する第1の流路と、第1の流路内に曝され、熱交換対象の流体が通過する第2の流路とを備えることになる。このため、複数の熱交換器全体が大型化し、熱交換に要するコストが高くなってしまうという問題がある。
【0005】
本開示は、このような課題に鑑み、小型化することが可能な熱交換装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る熱交換装置は、容器と、容器内に設けられ、水平方向に延在して、固体粒子を収容する収容室と、収容室の下方に設けられる風箱室とに容器内を分割する、複数の孔が形成された分散板と、収容室の上面および分散板から離隔し、鉛直方向に延在して、収容室内を第1室と第2室とに区画する仕切板と、分散板のうちの第1室に位置する箇所から上方に立設し、上端が仕切板の下端よりも上方に位置する第1区画板と、分散板のうちの第2室に位置する箇所から上方に立設し、上端が仕切板の下端よりも上方に位置する第2区画板と、風箱室内における第1区画板に対応する位置に設けられ、鉛直方向に延在して、風箱室内を分割する第1分割板と、風箱室内における第2区画板に対応する位置に設けられ、鉛直方向に延在して、風箱室内を分割する第2分割板と、風箱室における容器の側面と第1分割板との間に形成される第1空間に流動化ガスを供給する第1流動化ガス供給部と、風箱室における容器の側面と第2分割板との間に形成される第2空間に流動化ガスを供給する第2流動化ガス供給部と、風箱室における第1分割板と第2分割板との間に形成される第3空間に流動化ガスを供給する第3流動化ガス供給部と、第1入口と第1出口とを有し、少なくとも一部が第1室内に臨み、第1流体が通過する第1伝熱管と、第2入口と、第1出口とは異なる第2出口とを有し、少なくとも一部が第2室内に臨み、第2流体が通過する第2伝熱管と、を備える。
【0007】
また、上記熱交換装置は、第1流動化ガス供給部、第2流動化ガス供給部、および、第3流動化ガス供給部を制御する制御部を備え、制御部は、第1流動化ガス供給部によって供給される流動化ガスの空塔速度を最小流動化速度より大きくし、第2流動化ガス供給部、および、第3流動化ガス供給部によって供給される流動化ガスの空塔速度を最小流動化速度としてもよい。
【0008】
また、上記熱交換装置は、第1流動化ガス供給部、第2流動化ガス供給部、および、第3流動化ガス供給部を制御する制御部を備え、制御部は、第1流動化ガス供給部によって供給される流動化ガスの空塔速度を最小流動化速度超の所定速度より大きくし、第2流動化ガス供給部、および、第3流動化ガス供給部の動作を停止させてもよい。
【0009】
また、上記熱交換装置は、第1流動化ガス供給部、第2流動化ガス供給部、および、第3流動化ガス供給部によって供給される流動化ガスの空塔速度を最小流動化速度より大きくする制御部を備えてもよい。
【0010】
また、上記熱交換装置は、風箱室内における第1分割板と第2分割板との間に設けられ、鉛直方向に延在して、第3空間を分割する第3分割板と、風箱室における第2分割板と第3分割板との間に形成される第4空間に流動化ガスを供給する第4流動化ガス供給部と、を備え、第3流動化ガス供給部は、風箱室における第1分割板と第3分割板との間に形成される第5空間に流動化ガスを供給してもよい。
【0011】
また、上記熱交換装置は、第1流動化ガス供給部、第2流動化ガス供給部、第3流動化ガス供給部、および、第4流動化ガス供給部を制御する制御部を備え、制御部は、第1流動化ガス供給部、および、第4流動化ガス供給部によって供給される流動化ガスの空塔速度を最小流動化速度より大きくし、第2流動化ガス供給部、および、第3流動化ガス供給部によって供給される流動化ガスの空塔速度を最小流動化速度としてもよい。
【0012】
また、上記熱交換装置は、第1流動化ガス供給部、第2流動化ガス供給部、第3流動化ガス供給部、および、第4流動化ガス供給部を制御する制御部を備え、制御部は、第1流動化ガス供給部によって供給される流動化ガスの空塔速度を最小流動化速度超の所定速度より大きくし、第2流動化ガス供給部、第3流動化ガス供給部、および、第4流動化ガス供給部の動作を停止させてもよい。
【0013】
また、上記熱交換装置は、第1流動化ガス供給部、第2流動化ガス供給部、第3流動化ガス供給部、および、第4流動化ガス供給部によって供給される流動化ガスの空塔速度を最小流動化速度より大きくする制御部を備えてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、小型化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本実施形態に係る熱交換装置を説明する図である。
図2図2は、図1におけるII-II線の断面を上から見た図である。
図3図3は、風箱室の水平断面図である。
図4図4は、第4運転処理における固体粒子の流れを説明する図である。
図5図5は、第5運転処理における固体粒子の流れを説明する図である。
図6図6は、変形例に係る熱交換装置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0017】
[熱交換装置100]
図1は、本実施形態に係る熱交換装置100を説明する図である。図2は、図1におけるII-II線の断面を上から見た図である。図3は、風箱室WRの水平断面図である。なお、図2中、理解を容易にするために、第1伝熱管170、第2伝熱管180、サイクロン190、および、固体粒子の記載を省略する。
【0018】
図1に示すように、熱交換装置100は、容器110と、分散板120と、仕切板130と、第1区画板132と、第2区画板134と、第1分割板140と、第2分割板142と、第3分割板144と、流動化ガス供給装置150と、第1伝熱管170と、第2伝熱管180と、サイクロン190と、制御部200とを含む。なお、図1中、実線の矢印は、流体の流れを示す。
【0019】
容器110は、例えば、角筒形状である。本実施形態において、容器110の上面TSには、排気口112が形成される。
【0020】
分散板120は、容器110内に設けられる。分散板120は、水平方向に延在して、容器110内を、収容室ARと、風箱室WRとに分割する。分散板120には、複数の孔が形成される。複数の孔の大きさは、後述する固体粒子が通過不可能、または、通過困難となる大きさである。
【0021】
収容室ARは、容器110の上部に形成される。収容室ARには、固体粒子が収容される。分散板120は、収容室ARの底面として機能する。
【0022】
固体粒子は、例えば、シリカ、アルミナ、バライト砂(重晶石、硫酸バリウム)、部分仮焼した粘土、ガラス球、回収石油触媒等である。固体粒子は、好ましくは、シリカ、および、アルミナのうちいずれか一方または両方である。固体粒子をシリカとする場合、固体粒子に要するコストを低減することができる。また、固体粒子(シリカ)として、砂漠の砂や、川砂を用いることにより、低コストかつ容易に入手することが可能となる。また、固体粒子を相対的に融点が高いアルミナとすることで、固体粒子を高温にすることができ、より高い蓄エネルギー密度とすることが可能となる。
【0023】
固体粒子は、粒径が0.01mm以上10mm以下の粒子である。固体粒子の形状に限定はなく、球形状であってもよいし、球形状でなくてもよい。
【0024】
風箱室WRは、容器110内における収容室ARの下方に形成される。
【0025】
仕切板130は、収容室AR内に設けられる。仕切板130は、鉛直方向に延在する板である。仕切板130の上端は、収容室ARの上面(容器110の上面TS)から離隔する。仕切板130の下端は、分散板120(収容室ARの底面)から離隔する。
【0026】
図2に示すように、仕切板130における水平方向(前後方向、左右方向)の両端は、容器110の側面SSに接続される。仕切板130は、収容室AR内を第1室FRと第2室SRとに区画する。
【0027】
図1に戻って説明すると、第1区画板132は、収容室ARにおける第1室FRの底面(分散板120のうちの第1室FRに位置する箇所)から上方に立設する板である。第1区画板132の上端(先端)は、仕切板130の下端よりも上方に位置する。
【0028】
第2区画板134は、収容室ARにおける第2室SRの底面(分散板120のうちの第2室SRに位置する箇所)から上方に立設する板である。第2区画板134の上端(先端)は、仕切板130の下端よりも上方に位置する。
【0029】
図2に示すように、第1区画板132における水平方向の両端は、容器110の側面SSに接続される。同様に、第2区画板134における水平方向の両端は、容器110の側面SSに接続される。
【0030】
図1に戻って説明すると、第1分割板140、第2分割板142、および、第3分割板144は、風箱室WR内に設けられる。第1分割板140、第2分割板142、および、第3分割板144によって、風箱室WR内の空間が4分割される。
【0031】
第1分割板140は、風箱室WR内における第1区画板132に対応する位置に設けられる。第1分割板140は、鉛直方向に延在する板である。第1分割板140の上端は、風箱室WRの上面(分散板120)に接続される。第1分割板140の下端は、風箱室WRの底面(容器110の底面)に接続される。
【0032】
第2分割板142は、風箱室WR内における第2区画板134に対応する位置に設けられる。第2分割板142は、鉛直方向に延在する板である。第2分割板142の上端は、風箱室WRの上面に接続される。第2分割板142の下端は、風箱室WRの底面に接続される。
【0033】
第3分割板144は、風箱室WR内における第1分割板140と第2分割板142との間に設けられる。本実施形態において、第3分割板144は、風箱室WR内における仕切板130に対応する位置に設けられる。第3分割板144は、鉛直方向に延在する板である。第3分割板144の上端は、風箱室WRの上面に接続される。第3分割板144の下端は、風箱室WRの底面に接続される。
【0034】
図3に示すように、第1分割板140における水平方向の両端は、容器110の側面SSに接続される。同様に、第2分割板142における水平方向の両端は、容器110の側面SSに接続される。また、第3分割板144における水平方向の両端は、容器110の側面SSに接続される。
【0035】
したがって、分散板120と、容器110の側面SSおよび底面と、第1分割板140とによって、第1分割空間P(第1空間)が形成される。また、分散板120と、容器110の側面SSおよび底面と、第2分割板142とによって、第2分割空間S(第2空間)が形成される。分散板120と、容器110の底面と、第1分割板140と、第3分割板144とによって、第3分割空間Q(第5空間)が形成される。また、分散板120と、容器110の底面と、第2分割板142と、第3分割板144とによって、第4分割空間R(第4空間)が形成される。
【0036】
図1に戻って説明すると、流動化ガス供給装置150は、風箱室WRに流動化ガスを供給する。流動化ガスは、例えば、空気、燃焼排ガス等である。流動化ガス供給装置150は、流動化ガス吐出機構152と、主配管154と、第1分岐管160と、第1流量調整弁V1と、第2分岐管162と、第2流量調整弁V2と、第3分岐管164と、第3流量調整弁V3と、第4分岐管166と、第4流量調整弁V4とを含む。
【0037】
流動化ガス吐出機構152は、例えば、ポンプ、ブロワ等である。流動化ガス吐出機構152の吸入側は、高温の流動化ガスの供給源に接続される。流動化ガス吐出機構152の吐出側は、主配管154が接続される。
【0038】
第1分岐管160は、主配管154と第1分割空間Pとを接続する。第1流量調整弁V1は、第1分岐管160に設けられる。第1流量調整弁V1は、第1分岐管160に形成される流路断面積を変更する。流動化ガス吐出機構152、主配管154、第1分岐管160、および、第1流量調整弁V1は、第1流動化ガス供給部として機能する。
【0039】
第2分岐管162は、主配管154と第2分割空間Sとを接続する。第2流量調整弁V2は、第2分岐管162に設けられる。第2流量調整弁V2は、第2分岐管162に形成される流路断面積を変更する。流動化ガス吐出機構152、主配管154、第2分岐管162、および、第2流量調整弁V2は、第2流動化ガス供給部として機能する。
【0040】
第3分岐管164は、主配管154と第3分割空間Qとを接続する。第3流量調整弁V3は、第3分岐管164に設けられる。第3流量調整弁V3は、第3分岐管164に形成される流路断面積を変更する。流動化ガス吐出機構152、主配管154、第3分岐管164、および、第3流量調整弁V3は、第3流動化ガス供給部として機能する。
【0041】
第4分岐管166は、主配管154と第4分割空間Rとを接続する。第4流量調整弁V4は、第4分岐管166に設けられる。第4流量調整弁V4は、第4分岐管166に形成される流路断面積を変更する。流動化ガス吐出機構152、主配管154、第4分岐管166、および、第4流量調整弁V4は、第4流動化ガス供給部として機能する。
【0042】
第1伝熱管170は、一部が第1室FR内に臨む。第1伝熱管170は、第1入口172と、第1出口174とが形成される。第1入口172および第1出口174は、容器110外に設けられる。第1入口172を通じて第1伝熱管170に第1流体が供給され、第1出口174を通じて第1伝熱管170から第1流体が排出される。これにより、第1伝熱管170を、第1流体が通過する。
【0043】
第2伝熱管180は、一部が第2室SR内に臨む。第2伝熱管180は、第2入口182と、第2出口184とが形成される。第2入口182および第2出口184は、容器110外に設けられる。第2入口182を通じて第2伝熱管180に第2流体が供給され、第2出口184を通じて第2伝熱管180から第2流体が排出される。これにより、第2伝熱管180を、第2流体が通過する。
【0044】
なお、本実施形態において、第1入口172と第2入口182とは異なり、第1出口174と第2出口184とは異なる。また、本実施形態において、第1流体と第2流体とは異なる流体である。第1流体は、例えば、水(水蒸気)である。第2流体は、例えば、空気である。
【0045】
サイクロン190は、容器110の排気口112から排気された固気混合物を固気分離する。固気混合物は、固体粒子と流動化ガスとを含む。サイクロン190によって分離された流動化ガスは、外部に排気される。また、サイクロン190によって分離された固体粒子は、収容室AR内に返送される。
【0046】
制御部200は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成される。制御部200は、ROMからCPUを動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出す。制御部200は、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して熱交換装置100全体を管理および制御する。
【0047】
本実施形態において、制御部200は、流動化ガス供給装置150を制御する。制御部200は、熱交換装置100の運転モードを、第1運転処理、第2運転処理、第3運転処理、第4運転処理、および、第5運転処理のうちのいずれかに切り換える。以下、各運転処理について説明する。
【0048】
[第1運転処理]
第1運転処理は、第1伝熱管170を通過する第1流体と固体粒子とを熱交換させ、第2伝熱管180を通過する第2流体と固体粒子との熱交換を停止する処理である。
【0049】
第1運転処理において、制御部200は、流動化ガス吐出機構152を動作させ、第1流量調整弁V1の開度を調整する。本実施形態において、制御部200は、第1分割空間P、および、分散板120を通じて第1室FR内に供給される流動化ガスの空塔速度Vaが、最小流動化速度Umf超の所定の速度VAより大きくなるように、第1流量調整弁V1の開度を調整する。速度VAは、下記式(1)で表される。
VA = Umf×(第1分割空間Pの水平断面積+第3分割空間Qの水平断面積)/(第1分割空間Pの水平断面積) 式(1)
【0050】
また、第1運転処理において、制御部200は、第2流量調整弁V2、第3流量調整弁V3および第4流量調整弁V4を閉じる。
【0051】
第1運転処理が実行されると、第1室FR内の固体粒子が流動化する。また、流動化ガスが有する熱で、第1室FR内の固体粒子が加熱される。これにより、流動化された固体粒子と、第1伝熱管170内を通過する第1流体との間で熱交換が行われる。また、第2室SRへの流動化ガスの供給が停止されるため、第2室SR内の固体粒子は、流動化しない。つまり、第2室SR内の固体粒子は、ほとんど動かない。また、第2室SR内の固体粒子は、流動化ガスによって加熱されない。このため、第2伝熱管180内を通過する第2流体に対する熱交換は行われない。
【0052】
[第2運転処理]
第2運転処理は、第2伝熱管180を通過する第2流体と固体粒子とを熱交換させ、第1伝熱管170を通過する第1流体と固体粒子との熱交換を停止する処理である。
【0053】
第2運転処理において、制御部200は、流動化ガス吐出機構152を動作させ、第2流量調整弁V2の開度を調整する。本実施形態において、制御部200は、第2分割空間S、および、分散板120を通じて第2室SR内に供給される流動化ガスの空塔速度Vbが、最小流動化速度Umf超の所定の速度VBより大きくなるように、第2流量調整弁V2の開度を調整する。速度VBは、下記式(2)で表される。
VB = Umf×(第2分割空間Sの水平断面積+第4分割空間Rの水平断面積)/(第2分割空間Sの水平断面積) 式(2)
【0054】
また、第2運転処理において、制御部200は、第1流量調整弁V1、第3流量調整弁V3および第4流量調整弁V4を閉じる。
【0055】
第2運転処理が実行されると、第2室SR内の固体粒子が流動化する。また、流動化ガスが有する熱で、第2室SR内の固体粒子が加熱される。これにより、流動化された固体粒子と、第2伝熱管180内を通過する第2流体との間で熱交換が行われる。また、第1室FRへの流動化ガスの供給が停止されるため、第1室FR内の固体粒子は、流動化しない。つまり、第1室FR内の固体粒子は、ほとんど動かない。また、第1室FR内の固体粒子は、流動化ガスによって加熱されない。このため、第1伝熱管170内を通過する第1流体に対する熱交換は行われない。
【0056】
[第3運転処理]
第3運転処理は、第1伝熱管170を通過する第1流体と固体粒子とを熱交換させ、第2伝熱管180を通過する第2流体と固体粒子とを熱交換させ、第1流体および第2流体の温度を実質的に等しくする処理である。
【0057】
第3運転処理において、制御部200は、流動化ガス吐出機構152を動作させ、第1流量調整弁V1、第2流量調整弁V2、第3流量調整弁V3、および、第4流量調整弁V4の開度を調整する。本実施形態において、制御部200は、第1分割空間P、第3分割空間Q、および、分散板120を通じて第1室FR内に供給される流動化ガスの空塔速度、ならびに、第2分割空間S、第4分割空間R、および、分散板120を通じて第2室SR内に供給される流動化ガスの空塔速度が最小流動化速度Umfより大きい所定の速度となるように、第1流量調整弁V1、第2流量調整弁V2、第3流量調整弁V3、および、第4流量調整弁V4の開度を調整する。
【0058】
第3運転処理が実行されると、第1室FR内の固体粒子および第2室SR内の固体粒子が流動化する。また、流動化ガスが有する熱で、第1室FR内の固体粒子および第2室SR内の固体粒子が加熱される。これにより、第1室FRにおいて、流動化された固体粒子と、第1伝熱管170内を通過する第1流体との間で熱交換が行われ、第2室SR内において、流動化された固体粒子と、第2伝熱管180内を通過する第2流体との間で熱交換が行われる。
【0059】
また、制御部200は、第1室FR内に供給される流動化ガスの空塔速度と、第2室SR内に供給される流動化ガスの空塔速度とを実質的に等しくする。これにより、第1室FR内の固体粒子および第2室SR内の固体粒子を実質的に等しく加熱させることができる。また、第1室FR内の固体粒子および第2室SR内の固体粒子を実質的に等しく流動化させることができる。このため、第3運転処理が実行されることにより、第1流体および第2流体の温度を実質的に等しくすることができる。
【0060】
[第4運転処理]
第4運転処理は、第1伝熱管170を通過する第1流体と固体粒子とを熱交換させ、第2伝熱管180を通過する第2流体と固体粒子とを熱交換させ、第2流体の温度を第1流体の温度よりも高くする処理である。
【0061】
第4運転処理において、制御部200は、流動化ガス吐出機構152を動作させ、第1流量調整弁V1、第2流量調整弁V2、第3流量調整弁V3、および、第4流量調整弁V4の開度を調整する。本実施形態において、制御部200は、第1分割空間P、第3分割空間Q、および、分散板120を通じて第1室FR内に供給される流動化ガスの空塔速度が最小流動化速度Umfとなるように、第1流量調整弁V1および第3流量調整弁V3の開度を調整する。また、制御部200は、第2分割空間S、第4分割空間R、および、分散板120を通じて第2室SR内に供給される流動化ガスの空塔速度が最小流動化速度Umfより大きい所定の速度となるように、第2流量調整弁V2、および、第4流量調整弁V4の開度を調整する。
【0062】
図4は、第4運転処理における固体粒子の流れを説明する図である。なお、図4中、白抜き矢印は、流動化ガスの流れを示す。また、図4中、黒い塗りつぶしの矢印は、固体粒子の流れを示す。
【0063】
第4運転処理が実行されると、第1室FR内の固体粒子および第2室SR内の固体粒子が流動化する。また、流動化ガスが有する熱で、第1室FR内の固体粒子および第2室SR内の固体粒子が加熱される。これにより、第1室FRにおいて、流動化された固体粒子と、第1伝熱管170内を通過する第1流体との間で熱交換が行われ、第2室SR内において、流動化された固体粒子と、第2伝熱管180内を通過する第2流体との間で熱交換が行われる。
【0064】
また、上記したように、第2室SR内に供給される流動化ガスの空塔速度は、第1室FR内に供給される流動化ガスの空塔速度よりも大きい。このため、図4に示すように、第2室SR内の固体粒子は、第2室SR内を上昇し、仕切板130を超えて、第1室FRに移動する。また、上記したように、第1室FR内に供給される流動化ガスの空塔速度は、最小流動化速度Umfである。したがって、第2室SRから第1室FRに供給された固体粒子の分、仕切板130と分散板120との間を通じて、第1室FRから第2室SRへ固体粒子が移動する。こうして、固体粒子は、第2室SRと第1室FRとを循環することになる。
【0065】
また、上記したように、第4分割空間Rから第2室SR内に供給される流動化ガスの空塔速度は、最小流動化速度Umfより大きい。このため、第1室FRから第2室SRへの固体粒子の移動を促進させることができる。
【0066】
また、上記したように、第3分割空間Qから第1室FR内に供給される流動化ガスの空塔速度は、第4分割空間Rから第2室SR内に供給される流動化ガスの空塔速度よりも小さい。このため、第2室SRから第1室FRへの固体粒子の逆流を防止することができる。
【0067】
また、上記したように、第2室SR内に供給される流動化ガスの空塔速度は、第1室FR内に供給される流動化ガスの空塔速度よりも大きい。したがって、第2室SR内の固体粒子の方が、第1室FR内の固体粒子よりも、流動化ガスによって加熱される。
【0068】
このため、第4運転処理が実行されることにより、第2流体の温度を第1流体よりも高くすることができる。
【0069】
[第5運転処理]
第5運転処理は、第1伝熱管170を通過する第1流体と固体粒子とを熱交換させ、第2伝熱管180を通過する第2流体と固体粒子とを熱交換させ、第1流体の温度を第2流体の温度よりも高くする処理である。
【0070】
第5運転処理において、制御部200は、流動化ガス吐出機構152を動作させ、第1流量調整弁V1、第2流量調整弁V2、第3流量調整弁V3、および、第4流量調整弁V4の開度を調整する。本実施形態において、制御部200は、第1分割空間P、第3分割空間Q、および、分散板120を通じて第1室FR内に供給される流動化ガスの空塔速度が最小流動化速度Umfより大きい所定の速度となるように、第1流量調整弁V1、および、第3流量調整弁V3の開度を調整する。また、制御部200は、第2分割空間S、第4分割空間R、および、分散板120を通じて第2室SR内に供給される流動化ガスの空塔速度が最小流動化速度Umfとなるように、第2流量調整弁V2および第4流量調整弁V4の開度を調整する。
【0071】
図5は、第5運転処理における固体粒子の流れを説明する図である。なお、図5中、白抜き矢印は、流動化ガスの流れを示す。また、図5中、黒い塗りつぶしの矢印は、固体粒子の流れを示す。
【0072】
第5運転処理が実行されると、第1室FR内の固体粒子および第2室SR内の固体粒子が流動化する。また、流動化ガスが有する熱で、第1室FR内の固体粒子および第2室SR内の固体粒子が加熱される。これにより、第1室FRにおいて、流動化された固体粒子と、第1伝熱管170内を通過する第1流体との間で熱交換が行われ、第2室SR内において、流動化された固体粒子と、第2伝熱管180内を通過する第2流体との間で熱交換が行われる。
【0073】
また、上記したように、第1室FR内に供給される流動化ガスの空塔速度は、第2室SR内に供給される流動化ガスの空塔速度よりも大きい。このため、図5に示すように、第1室FR内の固体粒子は、第1室FR内を上昇し、仕切板130を超えて、第2室SRに移動する。また、上記したように、第2室SR内に供給される流動化ガスの空塔速度は、最小流動化速度Umfである。したがって、第1室FRから第2室SRに供給された固体粒子の分、仕切板130と分散板120との間を通じて、第2室SRから第1室FRへ固体粒子が移動する。こうして、固体粒子は、第1室FRと第2室SRとを循環することになる。
【0074】
また、上記したように、第3分割空間Qから第1室FR内に供給される流動化ガスの空塔速度は、最小流動化速度Umfより大きい。このため、第2室SRから第1室FRへの固体粒子の移動を促進させることができる。
【0075】
また、上記したように、第4分割空間Rから第2室SR内に供給される流動化ガスの空塔速度は、第3分割空間Qから第1室FR内に供給される流動化ガスの空塔速度よりも小さい。このため、第1室FRから第2室SRへの固体粒子の逆流を防止することができる。
【0076】
また、上記したように、第1室FR内に供給される流動化ガスの空塔速度は、第2室SR内に供給される流動化ガスの空塔速度よりも大きい。したがって、第1室FR内の固体粒子の方が、第2室SR内の固体粒子よりも、流動化ガスによって加熱される。
【0077】
このため、第5運転処理が実行されることにより、第1流体の温度を第2流体よりも高くすることができる。
【0078】
以上説明したように、本実施形態に係る熱交換装置100は、1つの収容室AR内に第1伝熱管170、および、第2伝熱管180を備え、第1伝熱管170が設けられる第1室FRと、第2伝熱管180が設けられる第2室SRとにおいて、固体粒子の流動状態を異ならせることができる。これにより、熱交換装置100は、複数の流体を異なる温度に熱交換しつつ、小型化することが可能となる。
【0079】
[変形例]
上記実施形態では、熱交換装置100が第3分割板144を備える場合を例に挙げた。しかし、熱交換装置100は、第3分割板144を備えないとしてもよい。
【0080】
図6は、変形例に係る熱交換装置300を説明する図である。図6に示すように、熱交換装置300は、容器110と、分散板120と、仕切板130と、第1区画板132と、第2区画板134と、第1分割板140と、第2分割板142と、流動化ガス供給装置350と、第1伝熱管170と、第2伝熱管180と、サイクロン190と、制御部370とを含む。なお、図6中、実線の矢印は、流体の流れを示す。また、上記熱交換装置100と実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0081】
熱交換装置300は、熱交換装置100とは異なり、第3分割板144を備えない。このため、熱交換装置300において、分散板120と、容器110の側面SSおよび底面と、第1分割板140とによって、第1分割空間P(第1空間)が形成される。また、分散板120と、容器110の側面SSおよび底面と、第2分割板142とによって、第2分割空間S(第2空間)が形成される。分散板120と、容器110の底面と、第1分割板140と、第2分割板142とによって、分割空間T(第3空間)が形成される。
【0082】
流動化ガス供給装置350は、流動化ガス吐出機構152と、主配管154と、第1分岐管160と、第1流量調整弁V1と、第2分岐管162と、第2流量調整弁V2と、第3分岐管164と、第3流量調整弁V3とを含む。
【0083】
第3分岐管164は、主配管154と分割空間Tとを接続する。第3流量調整弁V3は、第3分岐管164に設けられる。第3流量調整弁V3は、第3分岐管164に形成される流路断面積を変更する。流動化ガス吐出機構152、主配管154、第3分岐管164、および、第3流量調整弁V3は、第3流動化ガス供給部として機能する。
【0084】
制御部370は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成される。制御部370は、ROMからCPUを動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出す。制御部370は、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して熱交換装置300全体を管理および制御する。
【0085】
変形例において、制御部370は、流動化ガス吐出機構152を動作させ、第1流量調整弁V1の開度を調整して、第1運転処理を実行する。第1運転処理において、制御部370は、第1分割空間P、および、分散板120を通じて第1室FR内に供給される流動化ガスの空塔速度Vaが、上記速度VAより大きくなるように、第1流量調整弁V1の開度を調整する。また、第1運転処理において、制御部370は、第2流量調整弁V2および第3流量調整弁V3を閉じる。
【0086】
変形例において、制御部370は、流動化ガス吐出機構152を動作させ、第2流量調整弁V2の開度を調整して、第2運転処理を実行する。第2運転処理において、制御部370は、第2分割空間S、および、分散板120を通じて第2室SR内に供給される流動化ガスの空塔速度Vbが、上記速度VBより大きくなるように、第2流量調整弁V2の開度を調整する。また、第2運転処理において、制御部370は、第1流量調整弁V1および第3流量調整弁V3を閉じる。
【0087】
変形例において、制御部370は、流動化ガス吐出機構152を動作させ、第1流量調整弁V1、第2流量調整弁V2、および、第3流量調整弁V3の開度を調整して、第3運転処理を実行する。第3運転処理において、制御部370は、第1分割空間P、分割空間T、および、分散板120を通じて第1室FR内に供給される流動化ガスの空塔速度、ならびに、第2分割空間S、分割空間T、および、分散板120を通じて第2室SR内に供給される流動化ガスの空塔速度が最小流動化速度Umfより大きい所定の速度となるように、第1流量調整弁V1、第2流量調整弁V2、および、第3流量調整弁V3の開度を調整する。
【0088】
変形例において、制御部370は、流動化ガス吐出機構152を動作させ、第1流量調整弁V1、第2流量調整弁V2、および、第3流量調整弁V3の開度を調整して、第4運転処理を実行する。第4運転処理において、制御部370は、第1分割空間P、分割空間T、および、分散板120を通じて第1室FR内に供給される流動化ガスの空塔速度が最小流動化速度Umfとなるように、第1流量調整弁V1および第3流量調整弁V3の開度を調整する。また、制御部370は、第2分割空間S、および、分散板120を通じて第2室SR内に供給される流動化ガスの空塔速度が最小流動化速度Umfより大きい所定の速度となるように、第2流量調整弁V2の開度を調整する。
【0089】
変形例において、制御部370は、流動化ガス吐出機構152を動作させ、第1流量調整弁V1、第2流量調整弁V2、および、第3流量調整弁V3の開度を調整して、第5運転処理を実行する。第5運転処理において、制御部370は、第2分割空間S、分割空間T、および、分散板120を通じて第2室SR内に供給される流動化ガスの空塔速度が最小流動化速度Umfとなるように、第2流量調整弁V2および第3流量調整弁V3の開度を調整する。また、制御部370は、第1分割空間P、および、分散板120を通じて第1室FR内に供給される流動化ガスの空塔速度が最小流動化速度Umfより大きい所定の速度となるように、第1流量調整弁V1の開度を調整する。
【0090】
変形例に係る熱交換装置300においても、1つの収容室AR内に第1伝熱管170、および、第2伝熱管180を備え、第1伝熱管170が設けられる第1室FRと、第2伝熱管180が設けられる第2室SRとにおいて、固体粒子の流動状態を異ならせることができる。これにより、熱交換装置300は、複数の流体を異なる温度に熱交換しつつ、小型化することが可能となる。
【0091】
以上、添付図面を参照しながら実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0092】
例えば、上記実施形態および変形例において、制御部200、370が、第1運転処理、第2運転処理、第3運転処理、第4運転処理、および、第5運転処理を実行する場合を例に挙げた。しかし、制御部200、370は、少なくとも、第4運転処理、または、第5運転処理を実行すればよい。
【0093】
上記実施形態および変形例において、熱交換装置100、300が、制御部200、370を備える構成を例に挙げた。しかし、制御部200、370は、必須の構成ではない。
【0094】
また、上記実施形態において、第1流体と、第2流体とが異なる場合を例に挙げた。しかし、第1流体および第2流体は同じ流体であってもよい。第1流体および第2流体は同じ流体である場合、第1伝熱管170の第1入口172と第2伝熱管180の第2入口182とは、同じであってもよい。なお、この場合であっても、第1伝熱管170の第1出口174と、第2伝熱管180の第2出口184とは異なる。
【0095】
本開示は、例えば、持続可能な開発目標(SDGs)の目標7「手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する」に貢献することができる。
【符号の説明】
【0096】
AR 収容室
FR 第1室
SR 第2室
SS 側面
P 第1分割空間(第1空間)
Q 第3分割空間(第3空間、第5空間)
R 第4分割空間(第3空間、第4空間)
S 第2分割空間(第2空間)
T 分割空間(第3空間)
V1 第1流量調整弁(第1流動化ガス供給部)
V2 第2流量調整弁(第2流動化ガス供給部)
V3 第3流量調整弁(第3流動化ガス供給部)
V4 第4流量調整弁(第4流動化ガス供給部)
WR 風箱室
100 熱交換装置
110 容器
120 分散板
130 仕切板
132 第1区画板
134 第2区画板
140 第1分割板
142 第2分割板
144 第3分割板
152 流動化ガス吐出機構(第1流動化ガス供給部、第2流動化ガス供給部、第3流動化ガス供給部、第4流動化ガス供給部)
154 主配管(第1流動化ガス供給部、第2流動化ガス供給部、第3流動化ガス供給部、第4流動化ガス供給部)
160 第1分岐管(第1流動化ガス供給部)
162 第2分岐管(第2流動化ガス供給部)
164 第3分岐管(第3流動化ガス供給部)
166 第4分岐管(第4流動化ガス供給部)
170 第1伝熱管
172 第1入口
174 第1出口
180 第2伝熱管
182 第2入口
184 第2出口
200 制御部
300 熱交換装置
370 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6