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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041537
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 14/00 20180101AFI20240319BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240319BHJP
【FI】
F21V14/00
F21S2/00 481
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146412
(22)【出願日】2022-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100209048
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 元嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 剛
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA05
3K244BA50
3K244CA02
3K244DA01
3K244GA08
(57)【要約】
【課題】 光源の輝度を制御するのみならず、拡散光をも制御することにより、照明の調光範囲および機能の拡張を図ることが可能な照明装置を提供すること。
【解決手段】 本発明の照明装置は、光源と、光源からの光を、透過または拡散させるPN液晶パネルと、光がPN液晶パネルを透過するように、または光がPN液晶パネルにおいて拡散するように、PN液晶パネルを制御する制御回路とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源からの光を、透過または拡散させるPN液晶パネルと、
前記光が前記PN液晶パネルを透過するように、または前記光が前記PN液晶パネルにおいて拡散するように、前記PN液晶パネルを制御する制御回路とを備えた、照明装置。
【請求項2】
前記制御回路は、前記光が前記PN液晶パネルを透過するように制御する場合、前記PN液晶パネルに電圧を印加し、前記印加する電圧に応じて、前記光が前記PN液晶パネルを透過する透過率および拡散を制御する、請求項1に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばLED照明装置のような照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の照明装置において、例えば特許文献1に開示されているように、調光目的から透過散乱型の液晶デバイスを用いた調光機能付きの照明装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-66935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の調光機能付きの照明装置では、調光は、LED光源のような光源の輝度の制御のみによって行われている。
【0005】
本発明は、光源の輝度のみならず、拡散光をも制御することにより、照明の調光範囲および機能の拡張を図ることが可能な照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0007】
すなわち、本発明の第1の態様は、光源と、光源からの光を、透過または拡散させるPN液晶パネルと、光がPN液晶パネルを透過するように、または光がPN液晶パネルにおいて拡散するように、PN液晶パネルを制御する制御回路とを備えた、照明装置である。
【0008】
本発明の第2の態様は、制御回路が、光がPN液晶パネルを透過するように制御する場合、PN液晶パネルに電圧を印加し、印加する電圧に応じて、光がPN液晶パネルを透過する透過率および拡散を制御する、第1の態様の照明装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の照明装置によれば、光源の輝度のみならず、拡散光をも制御することにより、照明の調光範囲および機能の拡張を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、一般的なLED照明装置の構成例を示す側面図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係るLED照明装置の構成例を示す側面図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係るLED照明装置に適用されるPN液晶パネルの層構造の例を示す側断面図である。
図4図4は、制御回路によってなされるPN液晶パネルの透過/拡散制御を説明するための図である。
図5図5は、PN液晶パネルの全面が、駆動オンの状態であるときに発せられる透過光の分布を、LED照明装置の側面図と重ねて示す図である。
図6図6は、PN液晶パネルの全面が、駆動オフの状態であるときに発せられる拡散光の分布を、LED照明装置の側面図と重ねて示す図である。
図7図7は、PN液晶パネルの中央のエリアのみを、駆動オンの状態とし、周辺のエリアを、駆動オフの状態としたときに発せられる透過光と拡散光との分布を、LED照明装置の側面図と重ねて示す図である。
図8図8は、図7の変形例であり、PN液晶パネルの下部のエリアのみを、駆動オンの状態とし、その他のエリアを、駆動オフの状態としたときに発せられる透過光と拡散光との分布を、LED照明装置の側面図と重ねて示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0012】
本発明の実施形態に係るLED照明装置について以下に説明する。
【0013】
図1は、一般的なLED照明装置の構成例を示す側面図である。
【0014】
図2は、本発明の実施形態に係るLED照明装置の構成例を示す側面図である。
【0015】
一般的なLED照明装置60は、図1に例示するように、複数のLED光源1が一方の面に配置されたLED実装基板2と、LED実装基板2のLED光源1が配置された面を覆うように配置された拡散機能付きカバー3と、LED照明装置60の駆動を制御する図示しない制御回路とから構成される。
【0016】
それに対して、本発明の実施形態に係るLED照明装置10は、図2に例示するように、図1に示す一般的なLED照明装置60における拡散機能付きカバー3を排除し、代わりに、PN液晶パネル4と透明カバー5とを備えている。LED照明装置10もまた、LED照明装置10の駆動を制御する制御装置を備えているが、図示していない。
【0017】
PN液晶パネル4は、LED実装基板2のLED光源1が配置された面を覆うように配置され、透明カバー5はさらに、PN液晶パネル4の全面を覆うように配置される。
【0018】
図3は、本発明の実施形態に係るLED照明装置に適用されるPN液晶パネルの層構造の例を示す側断面図である。
【0019】
PN液晶パネル4は、LED光源1からの光を透過または拡散させる機能を有しており、図3に例示されるように、一対の基板41、一対の透明電極42、およびPN液晶層43からなる層構造を有する。層構造は、具体的には、PN液晶層43を、一対の透明電極42でサンドイッチし、さらに一対の透明電極42を、一対の基板41でサンドイッチし、一対の透明電極42を、シール44によって貼り合わせて構成される。基板41の素材には、ガラス、フィルム等が用いられ、偏光板等は使用されない。
【0020】
図示しない制御回路は、LED光源1の点灯に応じて、LED光源1からの光が、PN液晶パネル4を透過するように、またはPN液晶パネル4において拡散するように、PN液晶パネル4を制御する。
【0021】
図4は、制御回路によってなされるPN液晶パネルの透過/拡散制御を説明するための図である。
【0022】
図4には、LED照明装置10の斜視図が簡略的に示されており、説明とは無関係な透明カバー5は省略されている。したがって、図4において手前側にはPN液晶パネル4が、その下側にはLED実装基板2が示されている。
【0023】
制御回路は、LED光源1からの光がPN液晶パネル4を透過するように制御する場合、PN液晶パネル4に所定電圧を印加する。この状態は、PN液晶パネル4がオン状態に駆動された、あるいは駆動オンされたと称され、図4(b)に示すように、LED光源1からの光がPN液晶パネル4を透過するようになる。
【0024】
逆に、制御回路は、LED光源1からの光がPN液晶パネル4において透過せず、拡散するように制御する場合は、PN液晶パネル4に電圧を印加しない。電圧を印加しなければ、PN液晶パネル4はオン状態には駆動されず、オフ状態のまま(駆動オフ)であるので、図4(a)に示すように、LED光源1からの光は、PN液晶パネル4を透過せず、PN液晶パネル4において拡散するようになる。したがって、図4(a)では、LED光源1からの光が、PN液晶パネル4のエリア全面で拡散されるので、PN液晶パネル4を介してLED光源1が見えないように図示されている。
【0025】
図4(a)および図4(b)は、PN液晶パネル4の全面がオフ状態およびオン状態である場合を示しているが、制御回路は、PN液晶パネル4の全面だけではなく、図4(c)に例示するように、全面のうちの一部である任意のエリア毎に、前述したオフ状態またはオン状態の制御をすることもできる。さらに、オン状態とするエリア毎に、印加する電圧の大きさを変えることによって、透過率を変化させる、逆に言うと、拡散度合い(ヘイズ率)を変化させることもできる。これを、以下に具体的に説明する。
【0026】
図4(c)は、制御回路が、図4(b)に示すように、PN液晶パネル4の全面がオン状態に駆動されている状態から、PN液晶パネル4の全面のうちの一部であるエリアA,B,Cに対して、電圧の印加を停止する一方、エリアDに対して、前述したオン状態を実現する所定電圧よりも低い電圧を印加した場合におけるPN液晶パネル4の透過/拡散状態を示している。
【0027】
なお、エリアは、複数の光源1のおのおのの位置にあわせて動作するように、パターン設計することができる。
【0028】
図4(c)に示す例では、エリアA,B,Cは、電圧が印加されないので、オフ状態となり、エリアA,B,Cにおいて、LED光源1からの光は、透過せず、拡散するようになる。
【0029】
また、エリアDは、依然として電圧が印加されているので、透過性を有する。しかしながら、印加される電圧は、オン状態を実現する所定電圧よりも低い電圧であるので、透過性は、オン状態の場合よりも低下し、拡散性も有するようになる。つまり、オン状態とオフ状態との中間的な状態となる。したがって、図4(c)では、エリアDは、LED光源1が薄く見えるように、半透明的に示されている。
【0030】
このようにして、制御回路は、エリア毎に、印加する電圧を変えることによって、LED光源1からの光が透過する透過率および拡散を制御することができる。透過と拡散とは相反する事象であり、透過率が高くなると、光がPN液晶パネル4において拡散する拡散度合いが低くなる。したがって、制御回路は、PN液晶パネル4の全面にわたって、あるいは全面のうちの一部である任意のエリア毎に、制御された値の電圧を印加するなどして、印加する電圧の大きさを変えることによって、LED光源1からの光が透過する透過率を制御し、結果的に、LED光源1からの光が拡散する拡散度合いをも、PN液晶パネル4の全面にわたって、あるいはエリア毎に制御できる。
【0031】
上述したように、本実施形態に係るLED照明装置10によれば、PN液晶パネル4への印加電圧のオン/オフによって、PN液晶パネル4の全面において、あるいは任意のエリア毎に、透過/拡散の切り替えが可能となる。さらには、印加電圧の大きさを変えることによって、液晶パネル4の全面において、あるいは任意のエリア毎に、拡散度合い(ヘイズ値)を調整することも可能となる。
【0032】
これによって、PN液晶パネル4を、照明範囲や輝度に応じて、柔軟に調光制御することが可能となる。このような調光制御の例を、図5図8に示す図を用いて説明する。
【0033】
図5は、PN液晶パネル4の全面が、駆動オンの状態であるときに発せられる透過光Ltの分布を、LED照明装置10の側面図と重ねて示す図である。
【0034】
例えば、LED照明装置10の直下のみを照明したい場合は、図5に示すように、PN液晶パネル4の全面を、駆動オンの状態にすることにより、透過光Ltを取り出し、直下部分を明るく照明することができる。
【0035】
図6は、PN液晶パネル4の全面が、駆動オフの状態であるときに発せられる拡散光Ldの分布を、LED照明装置10の側面図と重ねて示す図である。
【0036】
例えば、広範囲を照明したい場合には、図6に示すように、PN液晶パネル4の全面を、駆動オフの状態にすることにより、拡散光Ldを取り出し、広範囲を照明することができる。
【0037】
図7は、PN液晶パネル4の中央のエリアのみを、駆動オンの状態とし、周辺のエリアを、駆動オフの状態としたときに発せられる透過光Ltと拡散光Ldとの分布を、LED照明装置10の側面図と重ねて示す図である。
【0038】
図7のような場合、PN液晶パネル4の中央のエリアから、スポット状の透過光Ltを発し、周辺のエリアから、拡散光Ldを発することができるので、LED照明装置10の正面に被照射面Mがある場合、LED照明装置10は、被照射面Mの全体を拡散光Ldで照明しながら、被照射面Mにおける特定のポイントを、透過光Ltで明るく照明することができるなど、調光品位の向上に寄与することもできる。
【0039】
図8は、図7の変形例であり、PN液晶パネル4の下部のエリアのみを、駆動オンの状態とし、その他のエリアを、駆動オフの状態としたときに発せられる透過光Ltと拡散光Ldとの分布を、LED照明装置10の側面図と重ねて示す図である。
【0040】
図8図7と比較して分かるように、駆動オンとするエリアと、駆動オフとするエリアとを適宜設定することによって、所望する光分布を得ることが可能となる。
【0041】
さらには、図示していないが、駆動オンとされているエリア毎に、印加電圧を変えることによって、拡散度合いを変えることができるので、よりきめ細やかな調光制御が可能となり、最適な調光制御の実現に寄与することができる。
【0042】
このように、本実施形態に係るLED照明装置10は、透過光による輝度の制御のみならず、拡散光の制御も行うことによって、照明の調光範囲および機能の拡張を図ることが可能な調光制御を実現することができる。
【0043】
以上、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0044】
1・・光源
2・・実装基板
3・・拡散機能付きカバー
4・・PN液晶パネル
5・・透明カバー
10・・照明装置
41・・基板
42・・透明電極
43・・液晶層
44・・シール
60・・照明装置

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8