(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041564
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41J 5/30 20060101AFI20240319BHJP
B41J 21/16 20060101ALI20240319BHJP
B41J 3/36 20060101ALI20240319BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
B41J5/30 Z
B41J21/16
B41J3/36 T
G06F3/12 373
G06F3/12 378
G06F3/12 303
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146443
(22)【出願日】2022-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100143960
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 早百合
(72)【発明者】
【氏名】南保 宏道
【テーマコード(参考)】
2C055
2C187
【Fターム(参考)】
2C055CC00
2C055CC01
2C055CC05
2C187AC05
2C187AD06
2C187AE01
2C187AG07
2C187BH05
2C187BH19
2C187CC07
2C187CC09
2C187CD08
2C187CD12
2C187CD15
2C187CD18
(57)【要約】
【課題】複数の印刷データを印刷する際のユーザの利便性を、従来よりも向上させた印刷装置を提供すること。
【解決手段】印刷装置は、印刷ヘッドと、制御部とを備える。制御部は、読み取られた一個の識別コードから得られるコード情報を取得する(S2)。制御部は、コード情報から第一印刷データと第一印刷データとは異なる第二印刷データとを特定する(S16)。制御部は、印刷ヘッドを駆動して、特定処理で特定された第一印刷データに基づく第一ラベルの印刷と、第二印刷データに基づく第二ラベルの印刷との各々を実行する印刷処理を実行する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ヘッドと、
制御部と
を有し、
前記制御部は、
読み取られた一個の識別コードから得られるコード情報を取得するコード取得処理と、
前記コード情報から第一印刷データと前記第一印刷データとは異なる第二印刷データとを特定する特定処理と、
前記印刷ヘッドを駆動して、前記特定処理で特定された前記第一印刷データに基づく第一ラベルの印刷と、前記第二印刷データに基づく第二ラベルの印刷との各々を実行する印刷処理を実行する印刷装置。
【請求項2】
複数の印刷データを記憶する記憶部を更に備え、
前記制御部は、前記特定処理で、前記記憶部に記憶された前記複数の印刷データの中から、前記コード情報が指定する前記第一印刷データと前記第二印刷データとを特定することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記第一印刷データと前記第二印刷データとの組み合わせを特定する第一組み合わせ情報を含む複数の組み合わせ情報を更に記憶し、
前記制御部は、前記特定処理で、前記記憶部に記憶された前記複数の組み合わせ情報の中から、前記コード情報が指定する前記第一組み合わせ情報に基づき、前記第一印刷データと前記第二印刷データとを特定することを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記コード情報から前記第一印刷データに基づく前記第一ラベルの印刷の順序と、前記第二印刷データに基づく前記第二ラベルの印刷の順序とを特定する順序特定処理を更に実行し、
前記順序特定処理により特定した順序に基づき、前記第一印刷データに基づく前記第一ラベルの印刷を、前記第二印刷データに基づく前記第二ラベルの印刷よりも優先的に行うことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記コード情報は、前記第一印刷データを再構成するための第一情報と、前記第二印刷データを再構成するための第二情報との各々を含み、
前記特定処理は、前記第一情報から前記第一印刷データを再構成し、前記第二情報から前記第二印刷データを再構成して特定することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記特定処理で、前記コード情報が指定する前記第一組み合わせ情報に基づき、前記記憶部から前記第一印刷データと前記第二印刷データとを取得できる場合には、前記記憶部に記憶された前記第一印刷データと前記第二印刷データとを取得し、前記記憶部から前記第一印刷データと前記第二印刷データとを取得できない場合には、前記コード情報から前記第一印刷データと前記第二印刷データとの各々を再構成して取得することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記記憶部から前記第一印刷データと前記第二印刷データとを取得できない場合、かつ、前記記憶部に前記第一印刷データと前記第二印刷データとを記憶するのに十分な容量がない場合、前記記憶部に記憶される1以上の印刷データを再構成するための情報を含む復元用識別コードを生成し、前記印刷ヘッドを駆動して、当該復元用識別コードをラベルに印刷する復元用識別コード印刷処理を実行し、
前記復元用識別コードに対応する印刷データを削除して、前記コード情報から再構成した前記第一印刷データと前記第二印刷データとを前記記憶部に記憶することを特徴とする請求項6に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記識別コードは、モード情報を含み、
前記制御部は、前記モード情報に基づき、前記印刷処理した前記第一印刷データと前記第二印刷データとを前記記憶部に記憶するか否かを切り替える切替処理を実行することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記特定処理で特定された前記第一印刷データと前記第二印刷データとの少なくとも何れかを編集対象データとして編集を受け付ける編集処理を更に実行し、
前記印刷処理は、前記編集処理が実行された場合、前記印刷ヘッドを駆動して、前記第一印刷データに基づく前記第一ラベルの印刷と前記第二印刷データに基づく前記第二ラベルの印刷との少なくとも何れかに替えて、前記編集対象データに基づくラベルの印刷を実行することを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記印刷ヘッドによるラベルに印刷が実行された前記第一印刷データと前記第二印刷データとを特定する情報を含む前記識別コードを生成し、前記印刷ヘッドを駆動して、ラベルに印刷する識別コード印刷処理を更に実行することを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の印刷装置は、印刷装置本体で作成された文書データ及びPC等の外部装置で作成した文書データのうち、印刷が行われた少なくとも1つの文書データの印刷履歴情報が記憶され、その後、印刷履歴情報に基づいて再印刷できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の印刷装置では、複数種類の文書データ(印刷データ)を再印刷する場合、ユーザは、対象となる印刷データを各々指定しなければならず、煩雑である。
【0005】
本発明の目的は、複数の印刷データを印刷する際のユーザの利便性を従来よりも向上させた印刷装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る印刷装置は、印刷ヘッドと、制御部とを有し、前記制御部は、読み取られた一個の識別コードから得られるコード情報を取得するコード取得処理と、前記コード情報から第一印刷データと前記第一印刷データとは異なる第二印刷データとを特定する特定処理と、前記印刷ヘッドを駆動して、前記特定処理で特定された前記第一印刷データに基づく第一ラベルの印刷と、前記第二印刷データに基づく第二ラベルの印刷との各々を実行する印刷処理を実行する。印刷装置は、読み取られた一個の識別コードから第一印刷データと、第二印刷データとを特定できる。印刷装置は、第一印刷データと第二印刷データとを個別に特定するユーザの手間を省くことができる。印刷装置は、複数の印刷データを印刷する際のユーザの利便性を従来よりも向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】カバー6が開かれた状態の具体例1の印刷装置1と、印刷装置1に着脱されるカセット30との斜視図である。
【
図2】具体例2の印刷装置101を前側から見た斜視図である。
【
図3】印刷装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】具体例1の印刷装置1の組み合わせ記憶エリア89の説明図である。
【
図5】具体例2の印刷装置101の組み合わせ記憶エリア89の説明図である。
【
図6】第一印刷処理のフローチャートの一部である。
【
図7】第一印刷処理のフローチャートの一部である。
【
図8】(A)は、具体例1の識別コードC1とコード情報J1との説明図であり、(B)は、具体例2の識別コードC2とコード情報J2との説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図面を参照して順に説明する。以下説明は図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。
【0009】
図1を参照して、具体例1の印刷装置1を説明する。
図1に示すように、具体例1の印刷装置1は、テープ状の媒体50にキャラクタ(文字、記号及び数字等)等の印刷対象を印刷可能なラベルプリンタである。印刷装置1のユーザは、例えば、印刷装置1を机に置いた状態で使用する。印刷装置1の上面には、Enterキー11を含む、印刷対象を入力するためのキーボード3が設けられている。キーボード3の後側には、電源キー、決定キー、印刷キー、上下左右キー12、及び角度設定キー13等を含む機能キー群4が設けられている。以下の説明では、機能キー群4とキーボード3とを総称する場合、操作部2という。機能キー群4の後側には、入力した印刷対象を表示するための表示部5が設けられている。表示部5は、一例として、ドットマトリクスLCDである。印刷装置1の上面の後部には、開閉可能なカバー6が設けられている。カバー6は、カバー6の後端部の左右方向を支点として開閉自在である。印刷装置1の左後角には、切断された印刷済みの媒体50を受けるテープトレイ7が設けられている。
【0010】
表示部5の後側には、カセット装着部8が設けられている。カセット装着部8には、カセット30が上下方向に着脱される。カセット30の内部には、媒体50とインクリボン(図示略)が巻回されて収納されている。媒体50は、例えば、片面に剥離紙が設けられ、剥離紙を剥離して他の物体に貼り付けることが可能なラベルテープである。印刷装置1のカセット装着部8には、リボン巻取軸9、テープ駆動軸(図示略)、プラテンローラ(図示略)、及び印刷ヘッド10等が設けられている。リボン巻取軸9は、インクリボンを巻き取る。テープ駆動軸は、媒体50を搬送する。印刷ヘッド10は、インクリボンを加熱して印刷を行う。
【0011】
印刷装置1が印刷を実行する際には、リボン巻取軸9によって、インクリボンが引き出されながら、テープ駆動軸とプラテンローラとによって媒体50が搬送される。そして、媒体50とインクリボンとがプラテンローラによって印刷ヘッド10に押し付けられながら、印刷ヘッド10によってインクリボンを介して媒体50に印刷が行われる。印刷された媒体50は、媒体50の搬送経路上に設けられた移動刃(図示略)によって切断され、印刷装置1の外部に排出される。
【0012】
カセット装着部8には、種々のカセット30を装着可能である。カセット30は、カセット30の種類を示す指標部31を備える。指標部31は、テープの種類に応じて規定のパターンで設けられた少なくとも1つの孔部32を含む。各孔部32は、印刷装置1に設けられた検出器23(
図2参照)が備える5つの検出スイッチ(図示略)のうち何れかに対応する位置に設けられる。よって、印刷装置1にカセット30が装着されると、検出スイッチは、指標部31によって選択的に押圧される。印刷装置1では、このときの検出スイッチのオン/オフの組み合わせに基づいて、カセット30の種類が検出される。
【0013】
図2を参照して、具体例2の印刷装置101を説明する。
図2に示すように、具体例2の印刷装置101は、具体例1の印刷装置1と同様のカセット30(
図1参照)の媒体50に印刷対象を印刷可能なラベルプリンタである。印刷装置101のユーザは、例えば、印刷装置101を手で持った状態で使用する。印刷装置101は、本体カバー102、操作部103、表示部105、カセットカバー106、操作部114を備える。本体カバー102は、直方体状の筐体である。操作部103は、本体カバー102の上面前部に設けられた、印刷対象及び各種指示を入力する入力装置である。操作部103は、一例として、キーボードである。操作部103は、電源スイッチ、用途キー、カーソルキー等を含む。表示部105は、操作部103の上側に設けられた、各種情報を表示する表示装置である。表示部105は、一例として、ドットマトリクスLCDである。カセットカバー106は、表示部105の後側に設けられた、本体カバー102に対して開閉可能なカバーである。本体カバー102の上面には、印刷された媒体50を本体カバー102の外部に排出する排出口(図示略)が形成される。操作部114は、本体カバー102の右上角部に設けられる。操作部114が内側へ押圧操作されることによって、印刷済みのテープは切断される。
【0014】
図3を参照して、具体例1の印刷装置1の電気的構成について説明する。
図3に示すように、印刷装置1は、CPU91、ROM92、CGROM93、RAM94、及び通信I/F99を備える。ROM92、CGROM93、RAM94、及び通信I/F99は各々、CPU91に電気的に接続されている。
【0015】
ROM92には、印刷装置1の制御上必要な各種のプログラム等が記憶されている。CPU91は、ROM92に記憶されたプログラムに基づいて各種演算を行う。ROM92は更に、印刷データ記憶エリア88、及び組み合わせ記憶エリア89を備える。印刷データ記憶エリア88は、印刷データと、印刷データを識別するIDとを対応付けて記憶する。組み合わせ記憶エリア89は、第一印刷データ及び第二印刷データを含む複数の印刷データを印刷した場合の、複数の印刷データの組み合わせを表す組み合わせ情報を記憶する。第二印刷データは、第一印刷データと異なる印刷データである。
【0016】
具体例1の印刷装置1の組み合わせ情報は、ユーザを特定する情報、時間、場所、第一印刷データ及び第二印刷データを含む複数の印刷データのID、印刷順序、部数を含む。例えば、
図4に示すように、午前10時頃オフィスで、ユーザAによって、後述の第二印刷処理が実行され、ファイルFの背表紙に貼付するラベルL1、ファイルFの表紙に貼付するラベルL2、R3が連続印刷された場合、印刷装置1は、ユーザの指示に応じて、組み合わせ情報71を記憶する。組み合わせ情報71は、ラベルL1を印刷するための第一印刷データD1のID「NO.1」とラベルL1の印刷順序1及び部数1、ラベルL2を印刷するための第二印刷データD2のID「NO.2」とラベルL2の印刷順序2及び部数1、並びにラベルL3を印刷するための第三印刷データD30のID「NO.30」とラベルL3の印刷順序3及び部数1を含む。印刷装置1は、後述の第一印刷処理で、コード情報に基づき組み合わせ情報71を特定することで、印刷データ記憶エリア88に記憶された、第一印刷データD1、第二印刷データD2、及び第三印刷データD30の各々を読み出すことができる。
【0017】
図3に示すCGROM93には、各種印刷対象を印刷するための印刷用ドットパターンデータが、書式及びサイズ毎に分類され、コードデータに対応させて記憶されている。RAM94には、テキストメモリ、及びプリントバッファ等、複数の記憶エリアが設けられている。テキストメモリには、キーボード3から入力された印刷対象のデータが格納される。プリントバッファには、印刷対象の印刷用ドットパターンが格納される。通信I/F99は、外部装置と有線又は無線で通信することを可能にするインターフェイスである。外部装置は、例えば、識別コードを読み取る読取器Rである。識別コードは、例えば、一次元コード及び二次元コード等でもよい。一次元コードは、例えば、バーコードであってよい。二次元コードは、QRコード(登録商標)、VeriCode(ベリコード)、CPコード、AztecCode(アズテックコード)、及びPDF417等でもよい。この場合、読取器Rは例えば、バーコードリーダである。識別コードは、文字列及び図形であってもよく、この場合読取器Rは、例えば、カメラである。本実施形態の識別コードは、二次元コードである。
【0018】
印刷装置1は更に、検出器23、操作部2、液晶駆動回路(LCDC)95、及び駆動回路96から98を備える。検出器23、操作部2、LCDC95、及び駆動回路96から98は各々、CPU91に電気的に接続されている。検出器23は、カセット装着部8に装着されたカセット30の種類に応じた信号をCPU91に出力する。駆動回路96は、印刷ヘッド10を駆動するための電子回路である。駆動回路97は、リボン巻取軸9(
図1参照)及びテープ駆動軸(図示略)を回転させるテープ送りモータ24を駆動するための電子回路である。駆動回路98は、印刷装置1の外部に排出される印刷済みの媒体50を切断する移動刃(図示略)を動作させるカッターモータ25を駆動するための電子回路である。LCDC95は、表示部5に印刷対象を出力するための電子回路である。
【0019】
具体例2の印刷装置101の電気的構成は、具体例1の印刷装置1の電気的構成と同様であるので説明を省略する。表示部105は、具体例1の印刷装置1の表示部5に対応する。操作部103は、具体例1の印刷装置1の操作部2に対応する。具体例2の印刷装置101のROM92が記憶する組み合わせ情報は、ラベルの用途、第一印刷データ及び第二印刷データを含む複数の印刷データのID、印刷順序、及び部数を含む。例えば、
図5に示すように、サーバラック配線に貼付されるラベルとして、サーバMの全面に貼付するラベルL4、サーバMとラックPとを接続するケーブルEの両端に貼付するラベルL5が連続印刷された場合、印刷装置101は、ユーザの指示に応じて組み合わせ情報72を記憶する。組み合わせ情報72は、ラベルL4を印刷するための第一印刷データD4のID「NO.4」とラベルL4の印刷順序1及び部数1、ラベルL5を印刷するための第二印刷データD5のID「NO.5」とラベルL5の印刷順序2及び部数2を含む。ラベルL4及びラベルL5は、サーバMを含む複数のサーバについて連番の識別番号を付与するものであり、印刷装置101は、開始番号と、サーバ数の入力を受け付け、各サーバに対応するラベルL4及びラベルL5の組み合わせを順に印刷できる。
【0020】
図4から
図9を参照して、具体例1の印刷装置1のCPU91及び具体例2の印刷装置101のCPU91の各々が実行する第一印刷処理を説明する。第一印刷処理は、読取器Rによって読み取られた一個の識別コードから得られるコード情報に基づき、第一印刷データ及び第二印刷データを含む複数の印刷データを特定し、特定された複数の印刷データに従って印刷する処理である。以下、ステップをSと略記する。CPU91は、電源がONにされた後、ROM92に記憶されたプログラムをRAM94に読み出す。CPU91は、RAM94に読み出されたプログラムに含まれる指示に従って、以下のステップを有する第一印刷処理を実行する。第一印刷処理の過程で得られた各種データは、適宜RAM94に記憶される。具体例1の印刷装置1の第一印刷処理と、具体例2の印刷装置101の第一印刷処理とは各々互いに異なるタイミングで、互いに異なる装置で実行されるが、説明を簡単にするため、両者を並列に説明する。
【0021】
CPU91は、読取器Rによって読み取られた一個の識別コードから得られるコード情報を受信したかを判断する(S1)。読取器Rは、識別コードを読み取った画像データをコード情報として対応する印刷装置1、101に出力してもよいし、識別コードを読み取った画像データを復号したコード情報をコード情報として対応する印刷装置1、101に出力してもよい。具体例1では、ユーザは読取器Rで
図8(A)の一個の識別コードC1を読み取らせ、コード情報J1を印刷装置1に出力させる。具体例2では、ユーザは読取器Rで
図8(B)の一個の識別コードC2を読み取らせ、コード情報J2を印刷装置1に出力させる。コード情報が受信された場合(S1:YES)、CPU91は、読取器Rから受信されたコード情報を取得する(S2)。S2では、読取器Rから識別コードを表す画像データが受信された場合、受信された画像データから復号して得られる情報がコード情報として取得される。読取器Rから識別コードを表す画像データを復号して得られる情報が受信された場合、受信された情報がコード情報として取得される。CPU91は、取得されたコード情報を解析する(S3)。
【0022】
図8(A)に示すように、具体例1では、CPU91は、読取器Rで一個の識別コードC1を読み取ることで得られるコード情報J1を解析する。具体例1のコード情報J1は、第一印刷データD1と第二印刷データD2と第三印刷データD30との組み合わせを指定する指定情報Q1を含む。指定情報Q1は、例えば、組み合わせ情報71のIDである。本実施形態のコード情報は、第一印刷データを再構成するための第一情報と、第二印刷データを再構成するための第二情報との各々を含む。具体例1のコード情報J1は、第一印刷データD1を再構成するための第一情報Q2と、第二印刷データD2を再構成するための第二情報Q3と、第三印刷データD30を再構成するための第三情報Q4との各々を含む。第一情報Q2、第二情報Q3、及び第三情報Q4は各々、印刷データの再構成な情報であればよく、例えば、オブジェクトの内容及び配置、並びにマージンの大きさ等を特定する情報を含む。コード情報J1は、コード情報J1に基づき特定された第一印刷データD1と、第二印刷データD2と、第三印刷データD30とをROM92に記憶する方法を指定するモード情報を含む。
【0023】
図8(B)に示すように、具体例2では具体例1と同様に、CPU91は、読取器Rで一個の識別コードC2を読み取ることで得られるコード情報J2を解析する。具体例2のコード情報J2は、第一印刷データD4と第二印刷データD5との組み合わせを特定する指定情報Q6を含む。指定情報Q6は、例えば、組み合わせ情報72のIDである。具体例2のコード情報J2は、第一印刷データD4を再構成するための第一情報Q7と、第二印刷データD5を再構成するための第二情報Q8との各々を含む。コード情報J2は、モード情報Q9を含む。
【0024】
CPU91は、現在ROM92に記憶されている組み合わせ情報をRAM94に展開する(S4)。CPU91は、コード情報で指定された第一組み合わせ情報に基づき特定される複数の印刷データの各々が、ROM92に記憶されているかを判断する(S5:YES)。
図3の印刷データ記憶エリア88に示すように、具体例1では、組み合わせ情報71に基づき特定される第一印刷データD1、第二印刷データD2、及び第三印刷データD30の各々が、ROM92に記憶されていると判断される(S5:YES)。CPU91は、ROM92に記憶された複数の印刷データの中から、コード情報J1に基づき、第一印刷データD1と第二印刷データD2と第三印刷データD30とを特定し、印刷順序に従ってソートした組み合わせ情報71を含む画面G1を表示部5に表示する(S16)。
【0025】
図9に示すように、画面G1は、欄K1及びキーK2、K3を含む。欄K1は、組み合わせ情報71を表示する。欄K1には、印刷データのIDが印刷順序に従って左から右に表示される。欄K1には、各印刷データのIDの右側に括弧書きで部数が表示される。キーK2は、組み合わせ情報71に含まれる印刷データのIDによって特定される第一印刷データD1、第二印刷データD2及び第三印刷データD30の何れかを編集する指示を入力する場合に選択される。キーK3は、組み合わせ情報71で特定される第一印刷データD1、第二印刷データD2、及び第三印刷データD30を、印刷順序に従って、印刷する指示を入力する場合に選択される。CPU91は、処理をS1に戻す。
【0026】
図3の印刷データ記憶エリア88に示すように、具体例2では、コード情報J2に基づき特定される第一印刷データD4及び第二印刷データD5の各々が、ROM92に記憶されていないと判断される(S5:NO)。CPU91は、第一情報Q7からラベルL4を印刷するための第一印刷データD4を再構成し、第二情報Q8からラベルL5を印刷するための第二印刷データD5を再構成して特定する(S7からS16)。具体的には、CPU91は、ROM92に、新たに第一印刷データD4及び第二印刷データD5を記憶する容量があるかを判断する(S6)。識別コードC2に、複数の印刷データD4、D5の容量を表す情報が含まれる場合、CPU91は、当該情報に基づきS6の処理を行ってもよい。識別コードC2に、複数の印刷データD4、D5の容量を表す情報が含まれない場合、CPU91は、平均的な印刷データの容量に基づきS6の処理を行ってもよい。
【0027】
ROM92に、新たに印刷データを記憶する容量がある場合(S6:YES)、CPU91は、第一情報Q7から第一印刷データD4を再構成し、第二情報Q8から第二印刷データD5を再構成し、第一印刷データD4及び第二印刷データD5をROM92に記憶する(S7)。CPU91は、再構成された第一印刷データD4及び第二印刷データD5を含む複数の印刷データを特定し、印刷順序に従ってソートして、
図9の画面G1と同様の画面を表示部105に表示する(S16)。CPU91は、処理をS1に戻す。
【0028】
ROM92に、新たな第一印刷データD4及び第二印刷データD5を記憶する容量がない場合(S6:NO)、CPU91は、新たな第一印刷データD4及び第二印刷データD5をRAM94に一時的に記憶できるかを判断する(S8)。具体例2では、RAM94に新たな印刷データを一時的に記憶できると判断され(S8:YES)、CPU91は、第一情報Q7からラベルL4を印刷するための第一印刷データD4を再構成し、第二情報Q8からラベルL5を印刷するための第二印刷データD5を再構成し、第一印刷データD4及び第二印刷データD5をRAM94に展開する(S9)。この場合、CPU91は、第一印刷データD4及び第二印刷データD5をROM92には記憶しない。CPU91は、再構成された印刷データを特定し、印刷順序に従ってソートして、
図9の画面G1と同様の画面を表示部5に表示する(S16)。CPU91は、処理をS1に戻す。
【0029】
RAM94に新たな第一印刷データD4及び第二印刷データD5を一時的に記憶できない場合(S8:NO)、CPU91は、ROM92に、新たな第一印刷データD4及び第二印刷データD5を記憶する場合に、不足するデータ容量を確認する(S10)。CPU91は、不足するデータ容量分、ROM92に記憶される一以上の印刷データを再構成するための情報を含む復元用識別コードを生成する(S11)。CPU91は、ROM92が記憶する印刷データの中から、復元用識別コードを生成する印刷データを選択する方法は適宜定められればよい。例えば、CPU91は、印刷頻度、データ容量等を考慮して、復元用識別コードを生成する対象となる印刷データを選択してもよい。より具体的には、CPU91は、印刷頻度が低い順に、第一印刷データD4及び第二印刷データD5をROM92に記憶する場合に不足しているデータ容量分の印刷データを選択してもよい。復元用識別コードは、識別コードと同様に、例えば、一次元コード及び二次元コード等でもよい。CPU91は、復元用識別コードの種類に応じた方法で、復元用識別コードを生成すればよい。
【0030】
CPU91は、印刷ヘッド10を駆動して、S11で生成された復元用識別コードをラベルに印刷する(S12)。CPU91は、S12の処理で復元用識別コードが正常に印刷できたかを判断する(S13)。復元用識別コードが正常に印刷できたかの判断方法は適宜定められればよい。例えば、CPU91は、印刷時にエラーが検出されなかった場合に、正常に印刷できたと判断してもよい。他の例では、CPU91は、読取器Rによる印刷された復元用識別コードの読取が正常に行われるかに基づき、正常に印刷できたかを判断してもよい。他の例では、CPU91は、ユーザによる目視での判断結果を受け付けて、正常に印刷できたかを判断してもよい。
【0031】
S12で正常に印刷できなかった場合(S13:NO)、CPU91は、処理をS12に戻して、再度復元用識別コードを印刷する(S12)。S12で正常に印刷できた場合(S13:YES)、CPU91は、S11で選択された、復元用識別コードに対応する印刷データを削除する(S14)。CPU91は、S2で取得されたコード情報J2に含まれる、第一情報Q7から第一印刷データD4を再構成し、第二情報Q8から第二印刷データD5を再構成し、再構成された第一印刷データD4と第二印刷データD5とをROM92に記憶する(S15)。CPU91は、再構成された第一印刷データD4及び第二印刷データD5を特定し、印刷順序に従ってソートして、
図9の画面G1と同様の画面を表示部5に表示する(S16)。CPU91は、処理をS1に戻す。
【0032】
コード情報が受信されない場合(S1:NO)、
図7に示すように、CPU91は、印刷データ編集操作を検出したかを判断する(S21)。以降の処理は、具体例1の場合を例に説明する。具体例2の場合の処理も同様に実行される。CPU91は、画面G1のキーK2が選択された場合に、印刷データ編集操作を検出する。印刷データ編集操作が検出された場合(S21:YES)、CPU91は、指定された印刷データをRAM94に展開する(S25)。編集対象の印刷データとして第一印刷データD1が指定された場合、CPU91は、
図9の編集画面G2を表示部5に表示し、指示に応じて印刷データを編集する(S26)。編集画面G2は、欄K4、及びキーK5からK7を含む。欄K4は、指定された第一印刷データD1の印刷イメージを表示する。キーK5は、オブジェクトの追加を指示する場合に選択される。キーK6は、選択されたオブジェクトを編集する場合に選択される。オブジェクトは、キャラクタ及び図形から選択される。編集は、オブジェクトの削除、キャラクタのフォント及びサイズの変更、太字及び下線等のキャラクタの装飾の変更、キャラクタの配置の変更等を含む。キーK7は、編集された印刷データをROM92に記憶する指示を入力する場合に選択される。CPU91は、S26で編集された印刷データをROM92に記憶するかを判断する(S27)。キーK7の選択が検出され、S26で編集された印刷データをROM92に記憶する場合(S27:YES)、CPU91は、印刷データをROM92に記憶する(S28)。キーK7の選択が検出されず、S26で編集された印刷データをROM92に記憶しない場合(S27:NO)、又はS28の次に、CPU91は、再度画面G1を表示部5に表示し、処理をS1に戻す。
【0033】
印刷データ編集操作が検出されない場合(S21:NO)、CPU91は、印刷実行操作が検出されたかを判断する(S29)。CPU91は、画面G1のキーK3が選択された場合に、印刷実行操作を検出する。印刷実行操作が検出されない場合(S29:NO)、CPU91は、処理をS1に戻す。印刷実行操作が検出された場合(S29:YES)、CPU91は、S16で特定された第一印刷データD1、第二印刷データD2、及び第三印刷データD30について、コード情報J1から第一印刷データD1に基づくラベルL1の印刷の順序、第二印刷データD2に基づくラベルL2の印刷の順序、第三印刷データD30に基づくラベルL3の印刷の順序、及びラベルL1からL3の部数を特定する(S33)。CPU91は、印刷枚数確認画面G3を表示部5に表示する(S34)。
図9に示すように、印刷枚数確認画面G3は、欄K8及びキーK9を含む。欄Kは、第一印刷データD1のID及び部数、第二印刷データD2のID及び部数、並びに第三印刷データD30のID及び部数を印刷順序に従って表示し、更に、全部で何枚のラベルを印刷する予定か、つまり、印刷枚数を表示する。キーK9は、第一印刷データD1、第二印刷データD2、及び第三印刷データD30を、印刷順序に従って印刷する指示を入力する場合に選択される。ユーザは、印刷枚数確認画面G3で、印刷データのID、印刷順序、部数、及び印刷枚数を確認後、キーK9を選択する。
【0034】
CPU91は、印刷開始の指示を検出したかを判断する(S35)。CPU91は、キーK9の選択を検出した場合に、印刷開始の指示を検出する。CPU91は、印刷開始の指示を検出するまで待機する(S35:NO)。印刷開始の指示が検出された場合(S35:YES)、CPU91は、印刷ヘッド10を駆動して、第一印刷データD1に基づくラベルL1の印刷と、第二印刷データD2に基づくラベルL2の印刷と、第三印刷データD30に基づくラベルL3の印刷との各々を実行する(S36)。CPU91は、S26で第一印刷データDが編集された場合、印刷ヘッド10を駆動して、印刷順序が一番目の第一印刷データD1に際しては、編集後の第一印刷データD1に基づくラベルL1の印刷を実行する(S36)。CPU91は、S33で特定された印刷順序に基づき、第一印刷データD1に基づくラベルL1の印刷を、第二印刷データD2に基づくラベルL2及び第三印刷データD30に基づくラベルL3の印刷よりも優先的に行う(S36)。つまり、CPU91は、コード情報が指定する印刷順序で、コード情報に基づき特定される複数の印刷データを印刷する。
【0035】
CPU91は、電源をOFFにする指示を検出したかを判断する(S37)。電源をOFFにする指示が検出されていない場合(S37:NO)、CPU91は、処理をS1に戻す。電源をOFFにする指示が検出された場合(S37:YES)、CPU91は、コード情報に含まれるモード情報を確認する(S38)。CPU91は、S38で確認したモード情報が有効かを判断する(S39)。モード情報が有効である場合(S39:YES)、CPU91は、S36で印刷された複数の印刷データをROM92に記憶する(S40)。複数の印刷データをROM92に記憶するのに十分な容量がない場合、S10からS15と同様な処理により、ROM92に記憶されている印刷データの一部を削除した後、S36で印刷された複数の印刷データをROM92に記憶してもよい。モード情報が有効ではない場合(S39:NO)、CPU91は、S36で印刷された複数の印刷データを削除する(S41)。S40又はS41の次に、CPU91は以上で第一印刷処理を終了する。
【0036】
S35において、具体例2において印刷開始の指示が検出された場合(S35:YES)、CPU91は、印刷ヘッド10を駆動して、第一印刷データD4に基づくラベルL4の印刷と、第二印刷データD5に基づくラベルL5の印刷との各々を実行する(S36)。CPU91は、S33で特定された印刷順序に基づき、第一印刷データD4に基づくラベルL4の印刷を、第二印刷データD5に基づくラベルL5の印刷よりも優先的に行う(S36)。ラベルL4は一部、ラベルL5は二部印刷される。
【0037】
図10を参照して、具体例1の印刷装置1のCPU91が実行する第二印刷処理を説明する。第二印刷処理は、ユーザによって指定された一以上の印刷データに従って印刷を行う処理である。具体例2の印刷装置101のCPU91も同様の処理を実行できる。以下、ステップをSと略記する。CPU91は、電源がONにされた後、ROM92に記憶されたプログラムをRAM94に読み出す。CPU91は、RAM94に読み出されたプログラムに含まれる指示に従って、以下のステップを有する第二印刷処理を実行する。第二印刷処理の過程で得られた各種データは、適宜RAM94に記憶される
【0038】
CPU91は、記憶設定を確認する(S51)。記憶設定は、CPU91が複数の印刷データを印刷する場合に、組み合わせ情報をROM92の組み合わせ記憶エリア89に記憶するかを指定する。記憶設定が有効である場合、CPU91は、組み合わせ情報をROM92の組み合わせ記憶エリア89に記憶する。記憶設定が無効である場合、CPU91は、組み合わせ情報をROM92の組み合わせ記憶エリア89に記憶しない。記憶設定は予めROM92に記憶されてもよいし、ユーザにより設定されてもよい。CPU91は、S51で確認された記憶設定を反映する(S52)。CPU91は、操作部2を介してユーザの指示を受け付ける起動中状態にする(S53)。CPU91は、操作部2を介してユーザの操作を検出したかを判断する(S54)。ユーザの操作が検出されない場合(S54:NO)、CPU91は、処理をS53に戻す。
【0039】
ユーザの操作が検出された場合(S54:YES)、CPU91は、記憶設定の変更が検出されたかを判断する(S55)。ユーザは操作部2を操作して記憶設定を変更する指示を入力できる。記憶設定の変更の指示が検出された場合(S55:YES)、CPU91は、処理をS52に戻し、変更後の記憶設定を反映する(S52)。記憶設定の変更の指示が検出されない場合(S55:NO)、CPU91は識別コードの印刷を実行する指示が検出されたかを判断する(S56)。ユーザは操作部2を操作して、組み合わせ記憶エリア89に記憶された、組み合わせ情報に対応するコード情報を表す識別コードの印刷を実行する指示を入力できる。識別コードの印刷を実行する指示が検出されない場合(S56:NO)、CPU91は、複数の印刷データを印刷する指示が検出されたかを判断する(S57)。各印刷データは、印刷装置1に記憶されたデータでもよいし、PC等の外部装置から取得してもよいし、ユーザの操作に従って新たに生成されたデータでもよい。ユーザは、複数の印刷データを指定して、複数の印刷データを印刷する指示を入力する。複数の印刷データを印刷する指示が検出されない場合(S57:NO)、CPU91は、S54で検出されたユーザ操作に応じた、その他の処理を実行後(S62)、処理をS53に戻す。
【0040】
第一印刷データD1、第二印刷データD2、及び第三印刷データD30をこの順に一部ずつ印刷する指示が検出された場合(S57:YES)、CPU91は、印刷の指示が検出された第一印刷データD1、第二印刷データD2、及び第三印刷データD30が組み合わせ記憶エリア89に既に記憶されているかを判断する(S58)。組み合わせ情報71が組み合わせ記憶エリア89に記憶されていない場合(S58:NO)、CPU91は、S52で設定された記憶設定を参照し、記憶設定が有効になっているかを判断する(S59)。記憶設定が有効である場合(S59:YES)、CPU91は、ROM92に組み合わせ情報71を組み合わせ記憶エリア89に記憶する(S60)。CPU91は、組み合わせ情報71のうち、ユーザ、時間、及び場所を特定する情報を、操作部2を介して取得してもよいし、通信I/F99を介して接続された読取器R、スマートフォン、携帯端末等の外部装置から取得してもよい。CPU91は、第一印刷データD1、第二印刷データD2、及び第三印刷データD30をこの順に一部ずつ印刷する(S61)。組み合わせ情報71が組み合わせ記憶エリア89に既に記憶されている場合(S58:YES)、又はS52で設定された記憶設定が無効である場合(S59:NO)、CPU91は、組み合わせ情報71をROM92に記憶する処理を行わず、第一印刷データD1、第二印刷データD2、及び第三印刷データD30をこの順に一部ずつ印刷する(S61)。CPU91は、処理をS53に戻す。
【0041】
組み合わせ情報71の識別コードの印刷を実行する指示が検出された場合(S56:YES)、CPU91は、ROM92の組み合わせ記憶エリア89が記憶する組み合わせ情報のうち、識別コードを生成する対象となる組み合わせ情報71を特定する(S63)。CPU91は、S63で特定された組み合わせ情報71に基づき設定されたコード情報の総データサイズの計算を行う(S64)。CPU91は、組み合わせ情報71に対応するコード情報J1として、指定情報Q1、第一情報Q2、第二情報Q3、第三情報Q4、及びモード情報Q5を含む情報を設定し、設定された情報Q1からQ5のデータサイズの和を総データサイズとして計算する。CPU91は、S64で計算された総データサイズに基づき、識別コードの規格を決定する(S65)。CPU91は、ROM92に、データサイズと識別コードの規格との対応を複数記憶しており、ROM92に記憶された対応の中から、コード情報J1を一個の識別コードに含ませることができる規格を決定する。識別コードの規格は、検出器23が出力する信号によって特定されるカセット30の媒体50の幅を考慮して設定されてもよいし、カセット装着部8に装着可能なカセット30の媒体50の最大幅を考慮して設定されてもよい。
【0042】
CPU91は、ROM92に記憶された組み合わせ情報71を特定するための指定情報Q1をコード情報の先頭に挿入する(S66)。CPU91は、印刷データを再構成するための印刷情報である第一情報Q2、第二情報Q3、及び第三情報Q4をコード情報の指定情報Q1の次に挿入する(S67)。CPU91は、モード情報Q5をS67で挿入された印刷情報の次に挿入する(S68)。CPU91は指定情報Q1、第一情報Q2、第二情報Q3、第三情報Q4、及びモード情報Q5を含むコード情報J1を表し、且つS65で決定された規格の識別コードC1を生成する(S69)。CPU91は、印刷ヘッド10を駆動して、S69で生成された識別コードC1をラベルに印刷する(S70)。CPU91は、S13と同様に、識別コードC1が正常に印刷されたかを検出し、正常に印刷されていない場合に、再度識別コードC1を印刷してもよい。CPU91は、処理をS53に戻す。第二印刷処理は、ユーザが操作部2を介して、終了の指示を入力した時、又は印刷装置1の電源がOFFにされた時に終了する。ユーザは、S70で印刷されたラベルを、例えば、ファイルFを収納する棚に貼り付ける。ユーザは、次回同様のラベルL1からL3を作成する場合には、棚に貼り付けたラベルの一個の識別コードを読取器Rで読み取って、印刷装置1にコード情報を取得させて第一印刷処理を行えばよい。
【0043】
具体例2において第二印刷処理が実行される場合のS57において、第一印刷データD4に基づき印刷されるラベルL4を一部、第二印刷データD5に基づき印刷されるラベルL5を二部、合計三部のラベルを一組とし、開始番号から、所定数組印刷する指示が検出された場合(S57:YES)、CPU91は、組み合わせ情報72が組み合わせ記憶エリア89に記憶されておらず(S58:NO)、記憶設定が有効になっている場合に(S59:YES)、ROM92に組み合わせ情報71を組み合わせ記憶エリア89に記憶してもよい(S60)。この場合、CPU91は、組み合わせ情報72のうち、用途を特定する情報を、操作部2を介して取得してもよいし、通信I/F99を介して接続された読取器R、スマートフォン、携帯端末等の外部装置から取得してもよい。ユーザは、S70で印刷されたラベルを、例えば、サーバMを配置するサーバラックに貼り付ける。ユーザは、次回同様のラベルL4、L5を作成する場合には、サーバラックに貼り付けたラベルの一個の識別コードを読取器Rで読み取って、印刷装置101にコード情報を取得させて第一印刷処理を行えばよい。
【0044】
上記実施形態において、印刷装置1、印刷ヘッド10、CPU91、及びROM92は各々、本発明の印刷装置、印刷ヘッド、制御部、及び記憶部の一例である。S2の処理は、本発明のコード取得処理の一例である。S16の処理は、本発明の特定処理の一例である。S36の処理は、本発明の印刷処理の一例である。S33の処理は、本発明の順序特定処理の一例である。S12の処理は、本発明の復元用識別コード印刷処理の一例である。S39からS41は、本発明の切替処理の一例である。S21、S25、及びS26は、本発明の編集処理の一例である
【0045】
上記実施形態の効果を具体例1の印刷装置1を例に説明する。具体例2の印刷装置101についても同様の効果が得られる。印刷装置1は、印刷ヘッド10と、CPU91とを備える。CPU91は、読み取られた一個の識別コードC1から得られるコード情報を取得する(S2)。CPU91は、コード情報J1から第一印刷データD1と、第一印刷データD1とは異なる第二印刷データD2及び第三印刷データD30とを含む複数の印刷データを特定する(S16)。CPU91は、印刷ヘッド10を駆動して、S16の処理で特定された第一印刷データD1に基づくラベルL1の印刷と、第二印刷データD2に基づくラベルL2の印刷と、第三印刷データD30に基づくラベルL3の印刷の各々を実行する(S36)。印刷装置1は、読み取られた一個の識別コードC1から第一印刷データD1と、第二印刷データD2と、第三印刷データD30とを特定できる。印刷装置1は、第一印刷データD1と第二印刷データD2と第三印刷データD30とを個別に特定するユーザの手間を省くことができる。過去に印刷した複数の印刷データを再印刷することが予想される場合に、ユーザは、あらかじめ用意した複数の印刷データに対応する識別コードC1を印刷したラベルを所定箇所に貼り付ける。再印刷のタイミングで、読取器Rで読み取られた識別コードC1から得られるコード情報を取得するだけで、印刷装置1は、複数の印刷データを再印刷することができる。なお、複数の印刷データは、印刷装置1が過去に印刷した印刷データに限らず、他の印刷装置により印刷された印刷データであってもよいし、印刷データとして作成され印刷前の印刷データであってもよい。したがって、本実施形態における印刷装置1によると、印刷する際のユーザの利便性を従来よりも向上できる。
【0046】
印刷装置1は、複数の印刷データを記憶するROM92を備える。CPU91は、S16の処理で、ROM92に記憶された複数の印刷データの中から、コード情報J1が指定する第一印刷データD1と第二印刷データD2と第三印刷データD30とを含む複数の印刷データを特定する(S5:YES、S16)。印刷装置1は、ROM92に記憶された複数の印刷データの中から、コード情報J1が指定する第一印刷データD1と第二印刷データD2と第三印刷データD30とを自動で特定できる。印刷装置1は、ROM92に記憶された複数の印刷データの中から、第一印刷データD1と、第二印刷データD2と、第三印刷データD30とを含む複数の印刷データを特定して印刷する際のユーザの利便性を従来よりも向上できる。
【0047】
印刷装置1は、ROM92の組み合わせ記憶エリア89は、第一印刷データD1と第二印刷データD2と第三印刷データD30の組み合わせを特定する組み合わせ情報71を含む複数の組み合わせ情報を記憶する。CPU91は、S16の処理で、ROM92に記憶された複数の組み合わせ情報の中から、コード情報J1が指定する組み合わせ情報71に基づき、第一印刷データD1と第二印刷データD2とを特定する(S16)。印刷装置1は、ROM92に記憶された複数の印刷データの中から、組み合わせ情報71に基づき、コード情報J1が指定する第一印刷データD1と第二印刷データD2と第三印刷データD30とを含む複数の印刷データを自動で特定できる。印刷装置1は、ROM92に記憶された複数の印刷データの中から、第一印刷データD1と、第二印刷データD2と、第三印刷データD30とを特定して印刷する際のユーザの利便性を従来よりも向上できる。
【0048】
印刷装置1は、CPU91は、コード情報J1から第一印刷データD1に基づくラベルL1の印刷の順序と、第二印刷データD2に基づくラベルL2の印刷の順序とを特定する(S33)。CPU91は、S33の処理により特定した順序に基づき、第一印刷データD1に基づくラベルL1の印刷を、第二印刷データD2に基づくラベルL2及び第三印刷データD30に基づくラベルL3の印刷よりも優先的に行う(S36)。印刷装置1は、コード情報J1に基づき特定された印刷順序で、ラベルL1とラベルL2との各々を印刷できる。印刷装置1は、印刷順序が特定されない場合に比べ、ROM92に記憶された複数の印刷データの中から、第一印刷データD1と、第二印刷データD2と、第三印刷データD30とを特定して印刷する際のユーザの利便性を従来よりも向上できる。
【0049】
コード情報J1は、第一印刷データD1を再構成するための第一情報Q2と、第二印刷データD2を再構成するための第二情報Q3と、第三印刷データD30を再構成するための第三情報Q4との各々を含む。CPU91は、第一情報Q2から第一印刷データD1を再構成し、第二情報Q3から第二印刷データD2を再構成し、第三情報Q4から第三印刷データD30を再構成して特定する(S7、S9、S15、S16)。印刷装置1は、前回印刷を行った時に印刷データを記憶できなかった場合及び前回印刷を行った印刷装置1とは別の印刷装置1を用いる場合等により、第一印刷データD1、第二印刷データD2、及び第三印刷データD30が印刷装置1に記憶されていない場合でも、コード情報J1から得られる第一情報Q2から第一印刷データD1を再構成し、第二情報Q3から第二印刷データD2を再構成し、第三情報Q4から第三印刷データD30を再構成できる。
【0050】
CPU91は、コード情報J1が指定する組み合わせ情報71に基づき、ROM92から第一印刷データD1と第二印刷データD2と第三印刷データD30とを取得できる場合には(S5:YES)、ROM92に記憶された第一印刷データD1と第二印刷データD2と第三印刷データD30とを取得し(S16)、ROM92から第一印刷データD1と第二印刷データD2と第三印刷データD30とを取得できない場合には(S5:NO)、コード情報J1から第一印刷データD1と第二印刷データD2と第三印刷データD30との各々を再構成して取得する(S7、S9、S15、S16)。印刷装置1は、ROM92に第一印刷データD1と、第二印刷データD2と、第三印刷データD30とが記憶されているかに応じて、第一印刷データD1及び第二印刷データD2の特定方法を切り替えることができる。印刷装置1は、ROM92に記憶された第一印刷データD1と、第二印刷データD2と、第三印刷データD30とを優先して用いて、ラベルL1と、ラベルL2との各々を印刷できる。なお印刷装置1は、第一印刷データD1と第二印刷データD2と第三印刷データD30のうち、ROM92に記憶されている印刷データをROM92から取得し、ROM92に記憶されていない印刷データを、コード情報J1から再構成して取得してもよい。
【0051】
CPU91は、ROM92から第一印刷データD1と第二印刷データD2と第三印刷データD30とを取得できない場合(S5:NO)、且つ、ROM92に第一印刷データD1と第二印刷データD2と第三印刷データD30とを記憶するのに十分な容量がない場合(S6:NO)、ROM92に記憶される1以上の印刷データを再構成するための情報を含む復元用識別コードを生成し(S11)、印刷ヘッド10を駆動して、当該復元用識別コードをラベルに印刷する(S12)。CPU91は、復元用識別コードに対応する印刷データを削除して(S14)、コード情報J1から再構成した第一印刷データD1と第二印刷データD2と第三印刷データD30とをROM92に記憶する(S15)。印刷装置1は、ROM92に第一印刷データD1と、第二印刷データD2と、第三印刷データD30とを記憶するのに十分な容量が無い場合に、ROM92の記憶容量を確保し、第一印刷データD1と、第二印刷データD2と、第三印刷データD30とを記憶することができる。記憶容量を確保するために削除した印刷データは、対応する復元用識別コードを読み取ることで、第一印刷データD1と、第二印刷データD2と、第三印刷データD30の印刷処理が終了した後で、ROM92に復元させることができる。なお印刷装置1は、第一印刷データD1と第二印刷データD2と第三印刷データD30のうち、ROM92に記憶されていない印刷データを記憶するための記憶容量を確保できればよく、それに応じてROM92に記憶される印刷データを再構成するための情報を含む復元用識別コードを生成してもよい。
【0052】
識別コードC1は、モード情報Q5を含む。CPU91は、モード情報Q5に基づき、S61で印刷処理した第一印刷データD1と第二印刷データD2とをROM92に記憶するか否かを切り替える(S39からS41)。印刷装置1は、ROM92に第一印刷データD1と、第二印刷データD2と、第三印刷データD30とを記憶するかどうかを、モード情報Q5に基づき自動で切り替えることができる。印刷装置1は、第一印刷データD1と、第二印刷データD2と、第三印刷データD30とをROM92に記憶させるかを判断するユーザの手間を省くことができる。
【0053】
CPU91は、S16の処理で特定された第一印刷データD1と第二印刷データD2と、第三印刷データD30との少なくとも何れかを編集対象データとして編集を受け付ける(S21:YES、S25、S26)。CPU91は、第一印刷データD1、第二印刷データD2、及び第三印刷データD30の何れかの編集が実行された場合、印刷ヘッド10を駆動して、第一印刷データD1に基づくラベルL1の印刷と第二印刷データD2に基づくラベルL2の印刷と第三印刷データD30に基づくラベルL3の印刷との少なくとも何れかに替えて、編集対象データに基づくラベルの印刷を実行する(S36)。印刷装置1は、コード情報J1から再構成された第一印刷データD1と第二印刷データD2と何れかを編集対象データとして、編集をすることができる。印刷装置1は、S26で編集処理が実行された場合、編集された編集対象データに基づくラベルを印刷できる。印刷装置1は、コード情報J1から再構成された第一印刷データD1と第二印刷データD2を編集できない場合に比べ、第一印刷データD1と第二印刷データD2と第三印刷データD30とを印刷する際の、ユーザの利便性を向上できる。例えば、印刷装置1は、ラベルに印刷された印刷内容に変更があった場合のラベルの貼り直し等、共通のフォーマットを用いた再印刷においても、コード情報J1から再構成された第一印刷データD1と第二印刷データD2をベースに編集を行うことで、容易に貼り直し用のラベルを生成することができる。
【0054】
印刷ヘッド10によるラベルに印刷が実行された第一印刷データD1と第二印刷データD2と第三印刷データD30とを特定する情報を含む識別コードC1を生成し(S68)、印刷ヘッド10を駆動して、ラベルに印刷する(S69)。印刷装置1は、第一印刷データD1と第二印刷データD2と第三印刷データD30とを特定する情報を含む識別コードC1を生成し、生成された識別コードC1をラベルに印刷できる。印刷装置1は、第一印刷データD1と第二印刷データD2と第三印刷データD30とを特定する情報を含む識別コードC1を印刷する際のユーザの手間を省くことができる。
【0055】
本発明の印刷装置は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更が加えられてもよい。例えば、以下の変形が適宜加えられてもよい。
【0056】
本発明は種々の態様で実行可能であり、例えば、印刷装置の制御部によって実行される印刷プログラム、印刷プログラムを記憶した非一時的コンピュータ可読媒体、及び印刷方法、並びに、編集装置及び印刷装置を備える印刷システム等の形態で実現されてもよい。
【0057】
(A)印刷装置1及び印刷装置101の構成は適宜変更されてよい。読取器Rは、カメラを備えたスマートフォン、携帯端末等であってもよい。記憶部は、読み書き可能な記憶装置であればよく、ROM92の他、HDD、SSD等の他の記憶装置でもよい。印刷装置1及び印刷装置101は、カセット装着部8に装着されたカセット30から供給される媒体50とは別の媒体に印刷することでラベルの印刷を実行する印刷装置でもよい。例えば、印刷装置1及び印刷装置101は、各々、ロール状に巻回されたテープに印刷してラベルを作成する印刷装置でもよいし、ファンフォールド紙に印刷してラベルを作成する印刷装置でもよい。印刷装置1及び印刷装置101の少なくとも何れかは、読取器R又はカメラを備え、読取器R又はカメラを介して、一個の識別コードを読み取ったコード情報を取得してもよい。
【0058】
(B)
図6及び
図7の第一印刷処理、並びに
図10の第二印刷処理を実行させるための指令を含むプログラムは、印刷装置1、101が有するCPU91が、プログラムを実行するまでに、ROM92に記憶されればよい。したがって、プログラムの取得方法、取得経路及びプログラムを記憶する機器の各々は、適宜変更してもよい。各装置が実行するプログラムは、ケーブル又は無線通信を介して、他の装置から受信し、記憶部等の記憶装置に記憶されてもよい。他の装置は、例えば、PC、及びネットワーク網を介して接続されるサーバを含む。
【0059】
(C)第一印刷処理、第二印刷処理の各ステップは、CPU91によって実行される例に限定されず、一部又は全部が他の電子機器(例えば、ASIC)によって実行されてもよい。第一印刷処理、第二印刷処理の各ステップは、複数の電子機器(例えば、複数のCPU)によって分散処理されてもよい。第一印刷処理、第二印刷処理の各ステップは、必要に応じて順序の変更、ステップの省略、及び追加が可能である。第一印刷処理、第二印刷処理に、以下の変更が適宜加えられてもよい。
【0060】
コード情報は、印刷順序、第一情報及び第二情報、並びにモード情報の少なくとも何れかを含まなくてもよい。コード情報は、指定情報に変えて、第一組み合わせ情報を含んでもよい。この場合、印刷装置1、101は、S51、S52、S55、及びS58からS60の処理を適宜省略し、組み合わせ記憶エリア89を備えなくてもよい。S66からS68の処理は、コード情報に含まれる情報に応じて適宜変更されてよい。コード情報に含まれる情報の、コード情報内の挿入順序は、適宜変更されてよい。CPU91は、S62で計算されたデータサイズに応じて、コード情報に含めるデータの種類を決定してもよい。より具体的には、CPU91は、S62で計算されたデータサイズがS63で決定された規格の識別コードに含めることができる最大データサイズよりも大きい場合は、第一情報及び第二情報を含む印刷情報をコード情報に含めなくてもよい。組み合わせ記憶エリア89に記憶される情報は、第一印刷データ及び第二印刷データを含む複数の印刷データの組み合わせを特定する情報を含めばよく適宜変更されてよい。コード情報は、組み合わせ情報に基づき特定される複数の印刷データのうちの一部の印刷データについて、印刷データを再構成するための印刷情報を含んでいてもよい。識別コードは、組み合わせ情報のID等の文字列であってもよい。この場合読取器Rは、カメラであってもよく、印刷装置1は画像データをOCRして文字列を特定してもよい。
【0061】
コード情報が印刷順序を含まない場合、CPU91は、S33で第一印刷データの印刷順序及び部数と、第二印刷データの印刷順序及び部数との各々を、ユーザから取得してもよいし、印刷データのID順又は記憶順に印刷順序を自動で設定してもよい。S16でコード情報によって特定される印刷データの数は、複数であればよく、4以上であってもよい。コード情報が、第一情報及び第二情報を含む場合、CPU91は、第一組み合わせ情報によって指定される第一印刷データと第二印刷データとの各々が、ROM92に記憶されているか否かに関わらず、第一情報から第一印刷データを再構成し、第二情報から第二印刷データを再構成してもよい。コード情報が、モード情報を含まない場合、CPU91は、S39において、第一情報から再構成された第一印刷データと、第二情報から再構成された第二印刷データとの各々をROM92に記憶するかを一律に設定してもよいし、ユーザの指示を取得して設定してもよい。同様にCPU91は、S27において、編集後の第一印刷データ又は第二印刷データをROM92に上書きするか又は別名で記憶するかを一律に設定してもよいし、ユーザの指示を取得して設定してもよい。
【0062】
ROM92に第一印刷データ及び第二印刷データを記憶する十分な容量がない場合(S6:NO)、CPU91は表示部5にエラーを表示し、以降の処理を中止してもよいし、ユーザからROM92に記憶されているデータの中から削除するデータの指定を受け付けて処理を続行してもよい。CPU91は、S21、及びS25からS28の処理を省略し、第一印刷データ及び第二印刷データの何れかの編集を受け付けなくてもよい。
図10の第二印刷処理で実行される一個の識別コードを生成する処理及び印刷する処理は(S69、S70)、
図6及び
図7の第一印刷処理を実行する印刷装置とは別の印刷装置で実行されてもよい。この場合、CPU91は、第二印刷処理を実行しなくてもよい。CPU91は、S70で識別コードと共に、印刷日時及びユーザ名等の付加情報を印刷してもよい。
【符号の説明】
【0063】
1:印刷装置、10:印刷ヘッド、91:CPU、92:記憶部