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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041579
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】ミスト発生装置
(51)【国際特許分類】
   B05B 7/04 20060101AFI20240319BHJP
   B05B 12/12 20060101ALI20240319BHJP
   B01F 23/213 20220101ALI20240319BHJP
   B01F 23/232 20220101ALI20240319BHJP
   B01F 35/222 20220101ALI20240319BHJP
   B01F 35/71 20220101ALI20240319BHJP
   A61L 2/18 20060101ALI20240319BHJP
   A61L 2/26 20060101ALI20240319BHJP
   A61L 2/24 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
B05B7/04
B05B12/12
B01F23/213
B01F23/232
B01F35/222
B01F35/71
A61L2/18
A61L2/26
A61L2/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146470
(22)【出願日】2022-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】金 鎭▲チョル▼
(72)【発明者】
【氏名】後藤 潤
(72)【発明者】
【氏名】柳田 竜二
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 章文
【テーマコード(参考)】
4C058
4F033
4F035
4G035
4G037
【Fターム(参考)】
4C058AA30
4C058BB07
4C058DD11
4C058JJ06
4C058JJ24
4F033QA05
4F033QB02Y
4F033QB03X
4F033QB12Y
4F033QB17
4F033QD02
4F033QD04
4F033QD14
4F033QE09
4F033QE15
4F033QE22
4F033QE23
4F033QF01X
4F033QF07Y
4F033QF15Y
4F033QF21Y
4F033QF23
4F033QK01Y
4F033QK09Y
4F033QK12Y
4F033QK16Y
4F033QK23Y
4F033QK27Y
4F035AA02
4F035AA04
4F035BB03
4F035BB04
4G035AB04
4G035AB05
4G035AC37
4G035AE13
4G037AA01
4G037AA18
4G037EA01
(57)【要約】
【課題】簡単な構成によってミストを発生させることができるミスト発生装置を提供する。
【解決手段】ミスト発生装置は、エアを圧送するエア圧送部と、エア圧送部に接続され、エア圧送部から圧送されるエアが流通するエア通路と、エア通路に接続される内部通路27を有し、内部通路27の下流端に噴口45が設けられているノズルと、液体を貯留する貯留部と、貯留部の内部と内部通路27とを接続する液体通路52と、を備え、内部通路27における噴口45の上流側には、内部通路27の内径が部分的に小さくされた縮径部38が設けられており、液体通路52は、縮径部38に接続されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアを圧送するエア圧送部と、
前記エア圧送部に接続され、前記エア圧送部から圧送される前記エアが流通するエア通路と、
前記エア通路に接続される内部通路を有し、前記内部通路の下流端に噴口が設けられているノズルと、
液体を貯留する貯留部と、
前記貯留部の内部と前記内部通路とを接続する液体通路と、を備え、
前記内部通路における前記噴口の上流側には、前記内部通路の内径が部分的に小さくされた縮径部が設けられており、
前記液体通路は、前記縮径部に接続されている、
ミスト発生装置。
【請求項2】
前記噴口から噴射されるミストの粒径は、1μm以上、10μm以下である、
請求項1に記載のミスト発生装置。
【請求項3】
前記液体は、機能性薬剤を含む、
請求項1または請求項2に記載のミスト発生装置。
【請求項4】
前記機能性薬剤は、除菌剤である、
請求項3に記載のミスト発生装置。
【請求項5】
前記エア圧送部は、車両に搭載されるコンプレッサであり、
前記噴口は、前記車両のシートを指向している、
請求項4に記載のミスト発生装置。
【請求項6】
前記エア通路に設けられ、前記エア通路を開閉可能に構成された弁と、
前記弁の開閉駆動を制御するように構成された制御部と、を備える、
請求項5に記載のミスト発生装置。
【請求項7】
前記制御部は、無線操作端末からの操作信号を受信したときに、前記弁が開駆動されるように前記弁を制御する、
請求項6に記載のミスト発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミスト発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ミスト発生装置としては、例えば特許文献1に記載の装置がある。
特許文献1に記載のミスト発生装置は、空気を供給する気体供給部と、水を供給する液体供給部と、空気と水とが合流・衝突する混合部と、混合部に連通するノズル部とを備える。
【0003】
気体供給部は、空気を圧送するエアーコンプレッサと、エアーコンプレッサと混合部とを接続する気体供給路と、気体供給路を開閉するバルブとを有する。
液体供給部は、水道水を貯留する水タンクと、水タンクと混合部とを接続する液体供給路と、水タンク内の水を混合部へ圧送する水ポンプと、液体供給路を開閉するバルブとを有する。
【0004】
エアーコンプレッサから圧送された空気と水タンクから圧送された水とが混合部で合流及び混合される。そして、混合流体がノズル部のノズル孔に流入することで気泡を含む液滴に微細化される。そして、ノズル部から噴射された液滴は、急激な圧力低下により内部の気泡が膨張することにより、分割され、更に微細化される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-176115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載のミスト発生装置では、水タンク内の水を混合部へ圧送する水ポンプを備えているので、構造が複雑となるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためのミスト発生装置は、エアを圧送するエア圧送部と、前記エア圧送部に接続され、前記エア圧送部から圧送される前記エアが流通するエア通路と、前記エア通路に接続される内部通路を有し、前記内部通路の下流端に噴口が設けられているノズルと、液体を貯留する貯留部と、前記貯留部の内部と前記内部通路とを接続する液体通路と、を備え、前記内部通路における前記噴口の上流側には、前記内部通路の内径が部分的に小さくされた縮径部が設けられており、前記液体通路は、前記縮径部に接続されている。
【0008】
同構成によれば、エア圧送部から圧送されるエアがノズルの内部通路の縮径部を通過する際に減圧されることで、貯留部に貯留されている液体が液体通路を通じて吸引されるようになる。内部通路においてエアと液体とが合流して混合されることで、気泡を含む微細な液滴が発生する。そして、ノズルの噴口から液滴が噴射される。このとき、噴射された液滴に含まれる気泡が急激な圧力低下により膨張することで、液滴が更に微細化されてミストが発生する。
【0009】
このように、上記構成によれば、縮径部によりエアを減圧することによって貯留部に貯留されている液体を内部通路に吸引するので、簡単な構成によってミストを発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、一実施形態に係るミスト発生装置について、ミスト発生装置が適用される車両の室内を示す斜視図である。
図2図2は、同実施形態に係るミスト発生装置を示すブロック図である。
図3図3は、同実施形態に係るノズルを示す断面図である。
図4図4は、同実施形態に係るノズルの要部を拡大した拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1図4を参照して、ミスト発生装置の一実施形態について説明する。
本実施形態のミスト発生装置は、車両に搭載され、シートに対してミストを供給するものである。
【0012】
なお、以降において、車両の前後方向を前後方向Lとするとともに、前後方向Lの前側及び後側をそれぞれ前側及び後側とする。また、車幅方向Wにおいて車両の中心へ向かう側を内側とし、中心から離れる側を外側とする。また、車両の上下方向を上下方向Zとするとともに、上下方向Zの上側及び下側をそれぞれを上側及び下側とする。
【0013】
図1に示すように、本実施形態のミスト発生装置10が適用される車両には、前後方向Lにスライド移動することで側部の乗降口を開閉可能に構成されたスライドドア70が設けられている。
【0014】
車室内には、車幅方向Wにおいてスライドドア70と隣り合う位置に、乗員が着座するシート60が設けられている。シート60は、シートクッション61及びシートバック62を備える。
【0015】
スライドドア70は、ドアトリム71、窓ガラス72、ドアトリム71の前側部分に設けられたドアハンドル73などを備える。
図2に示すように、ミスト発生装置10は、エアを圧送するエア圧送部としてのコンプレッサ11と、2つのミスト発生部20,120を備えている。
【0016】
<コンプレッサ11>
図2に示すように、コンプレッサ11は、車載バッテリ(図示略)により駆動される電動式のコンプレッサである。
【0017】
なお、以降において、コンプレッサ11から圧送されるエアの流れ方向における上流側及び下流側を上流側及び下流側とする。
<第1ミスト発生部20>
図2及び図3に示すように、第1ミスト発生部20は、共通ホース21と、上流側ホース22と、電磁弁23と、下流側ホース24とを備える。共通ホース21は、コンプレッサ11に接続されている。上流側ホース22は、共通ホース21の下流側に接続されている。電磁弁23は、上流側ホース22の下流側に接続されている。下流側ホース24は、電磁弁23の下流側に接続されている。
【0018】
第1ミスト発生部20は、下流側ホース24の下流側に接続される継手25、継手25の下流側に接続されるノズル26を備える。
また、第1ミスト発生部20は、機能性薬剤としての除菌剤を含む液体を貯留する貯留部51及び貯留部51とノズル26とを接続するホース52を備える。除菌剤を含む液体は、例えば次亜塩素酸ナトリウムの水溶液である。
【0019】
共通ホース21、上流側ホース22、下流側ホース24、及び継手25によりエア通路が構成されている。
電磁弁23は、エア通路を開閉可能に構成されている。
【0020】
ホース52により液体通路が構成されている。
ノズル26は、いずれも筒状の上流側部材30及び下流側部材40とを備える。上流側部材30の内部空間及び下流側部材40の内部空間により、ノズル26の内部通路27が形成されている。
【0021】
上流側部材30は、上流側から順に、ベース部31、第1突出部32、及び第2突出部33を有している。第1突出部32は、ベース部31から下流側に突出するとともに、ベース部31よりも小さい外径を有している。第2突出部33は、第1突出部32から下流側に突出するとともに、第1突出部32よりも小さい外径を有している。
【0022】
上流側部材30の内部には、上流側から順に、雌ねじ部34、大径部35、中径部36、小径部37、及び縮径部38が設けられている。
大径部35、中径部36、小径部37、及び縮径部38の内径は、順に小さくなる。
【0023】
大径部35と中径部36との間の部分の内径は、下流側に向かって徐々に小さくなっている。中径部36と小径部37との間の部分の内径は、下流側に向かって徐々に小さくなっている。
【0024】
縮径部38は、小径部37の下流側に隣り合っている。すなわち、小径部37と縮径部38との間は段付きになっている。
雌ねじ部34には、継手25がねじ込まれている。
【0025】
下流側部材40の内部には、上流側から順に、雌ねじ部41、大径部42、収容部43、小径部44、及び噴口45が設けられている。
小径部44の内径は、噴口45の内径よりも小さくされている。小径部44の内径は、縮径部38の内径と同一とされている。
【0026】
雌ねじ部41には、上流側部材30の第1突出部32がねじ込まれている。
上流側部材30の第2突出部33は、大径部42及び収容部43の内部に収容されている。
【0027】
第2突出部33の外周面の一部(図4の下部)と収容部43の内周面の一部(図4の下部)との間には、隙間S1が形成されている。
第2突出部33の端面と、同端面と対向する収容部43の端面との間には、隙間S2が形成されている。
【0028】
噴口45は、内部通路27の下流端に設けられている。
下流側部材40には、上記隙間S1に連通する連通孔46が設けられている。連通孔46は、下流側部材40の径方向に沿って延びるとともに下流側部材40の外周面に開口している。連通孔46には、液体通路として機能するホース52が嵌入されている。ホース52の下端部は、貯留部51の内部に接続されている。
【0029】
<第2ミスト発生部120>
図2に示すように、第2ミスト発生部120は、第1ミスト発生部20と基本的に同一の構成を備える。したがって、第2ミスト発生部120の構成のうち第1ミスト発生部20と同一の構成については第1ミスト発生部20の構成「**」に対して「100」を加算した符号「1**」を付すことにより、重複する説明を省略する。
【0030】
以下、第1ミスト発生部20との相違点を中心に説明する。
第2ミスト発生部120は、共通ホース21、共通ホース21の下流側に接続された上流側ホース122、上流側ホース122の下流側に接続された電磁弁123、電磁弁123の下流側に接続された下流側ホース124を備える。
【0031】
第2ミスト発生部120は、第1ミスト発生部20と共通ホース21を共有している。
第2ミスト発生部120は、第1ミスト発生部20と同一の構成の継手(図示略)及びノズル126を備える。
【0032】
第2ミスト発生部120は、芳香剤を含む液体を貯留する貯留部151を備える。
ここで、図1に示すように、2つのミスト発生部20,120の噴口45,145は、ドアトリム71のうち窓ガラス72の前側に位置する部分に設けられた開口部から露出している。2つの噴口45,145は、車幅方向Wの内側であり、且つ後側に位置するシート60を構成するシートバック62の前面を指向している。本実施形態では、2つの噴口45,145が上下方向Zに並んで配置されている。
【0033】
なお、2つのミスト発生部20,120のうち共通ホース21以外の構成は、スライドドア70の内部に配置されている。
ここで、2つのミスト発生部20,120により発生するミストMの粒径は1μm以上、10μm以下である。ミストMの粒径を1μm以上、10μm以下とするために、縮径部38,138の内径R1、ホース52,152の内径R2、及びコンプレッサ11の出口におけるエアの圧力Pcを以下のように設定することが好ましい。
【0034】
縮径部38,138の内径R1は、0.09mm以上、0.11mm以下であることが好ましい。
ホース52,152の内径R2は、0.4mm以上、0.7mm以下であることが好ましい。
【0035】
エアの圧力Pcは、0.3MPa以上、0.5MPa以下であることが好ましい。
<制御部12、スイッチ15、及び無線操作端末16>
図2に示すように、2つの電磁弁23,123には、制御部12が電気的に接続されている。
【0036】
制御部12には、第2ミスト発生部120を作動させるスイッチ15が電気的に接続されている。制御部12は、無線操作端末16からの操作信号を受信可能に構成されている。
【0037】
また、制御部12には、シート60を含む車両の各シートに乗員が着座しているか否かを検知する複数の着座センサ13、及び車両の各乗降口に設けられ、乗降口が閉鎖されているか否かを検知する複数のカーテシスイッチ14が電気的に接続されている。スイッチ15が操作されると、スイッチ15からの操作信号が制御部12に入力される。制御部12は、上記操作信号が入力されると、電磁弁123が開弁するように電磁弁123を制御する。
【0038】
なお、図1に示すように、スイッチ15は、例えばドアトリム71に取り付けられている。
図2に示すように、無線操作端末16は、第1ミスト発生部20及び第2ミスト発生部120を選択的に作動させる操作を行うものである。無線操作端末16は、例えばスマートフォンや、車両の電子キーである。無線操作端末16が操作されると、無線操作端末16からの操作信号が制御部12に入力される。制御部12は、上記操作信号がされると、電磁弁23または電磁弁123が開弁するように電磁弁23,123を制御する。
【0039】
ここで、制御部12は、ノズル26から液滴が1秒以上噴射されるように電磁弁23の開弁時間を制御する。また、制御部12は、ノズル126から液滴が0.1秒以上、0.2秒以下噴射されるように電磁弁123の開弁時間を制御する。
【0040】
ここで、制御部12は、各着座センサ13の検出信号を用いて車両のシート60に乗員が着座している、すなわち車室内に乗員がいると判断した場合には、電磁弁23の開弁を禁止する。
【0041】
また、制御部12は、各カーテシスイッチ14の検出信号を用いて少なくとも1つの乗降口が開放されていると判断した場合には、電磁弁23の開弁を禁止する。
本実施形態では、スイッチ15及び無線操作端末16が操作部として機能する。
【0042】
次に、本実施形態の作用について説明する。
スイッチ15、あるいは無線操作端末16が操作されると、制御部12により電磁弁23または電磁弁123が開弁される。
【0043】
そして、電磁弁23(123)が開駆動されると、コンプレッサ11からエア通路を通じて内部通路27(127)にエアが圧送される。そして、エアが縮径部38(138)を通過する際に減圧されることで、貯留部51(151)に貯留されている液体がホース52(152)を通じて吸引されるようになる。内部通路27(127)においてエアと液体とが合流して混合されることで気泡を含む液滴に微細化される。
【0044】
そして、図1の矢印Aに示すように、噴口45(145)からシートバック62に対して液滴が噴射される。このとき、噴射された液滴に含まれる気泡が急激な圧力低下により膨張することで、液滴が更に微細化されてミストMが発生する。
【0045】
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)ミスト発生装置10のノズル26(126)は、縮径部38(138)を備える。
【0046】
同構成によれば、縮径部38(138)によりエアを減圧することによって液体を内部通路27(127)に吸引するので、簡単な構成によってミストMを発生させることができる。
【0047】
(2)噴口45(145)から噴射されるミストMの粒径は、1μm以上、10μm以下である。
同構成によれば、ミストMの粒径が1μm以上であるので、ミストMが気化しにくい。また、ミストMの粒径が10μm以下であるので、ミストMが自重で落下しにくくなる。このため、ミストMが対象物まで到達しやすくなる。
【0048】
(3)液体は、機能性薬剤を含む。
同構成によれば、機能性薬剤を含むミストMを簡単な構成によって発生させることができる。
【0049】
(4)機能性薬剤は、除菌剤である。
同構成によれば、除菌剤を含むミストMを簡単な構成によって発生させることができる。
【0050】
(5)エア圧送部は、車両に搭載されるコンプレッサ11であり、噴口45は、車両のシート60を指向している。
同構成によれば、車両のシート60に対してノズル26からミストMが供給されることでシート60を除菌することができる。また、車両に搭載される既存のコンプレッサ11をエア圧送部として流用すれば、ミスト発生装置10のために別途エア圧送部を設けなくて済む。また、上記構成によれば、液体を吸引するポンプが不要となるので、車両への搭載性において優れている。
【0051】
(6)ミスト発生装置10は、電磁弁23(123)と、制御部12とを備える。
同構成によれば、エア通路に設けられた電磁弁23(123)の開閉駆動が制御部12を通じて制御されることでエア通路が開閉される。このため、ノズル26(126)に電磁弁23を設ける場合に比べて、ノズル26(126)の構成が簡単になる。これにより、ノズル26(126)の配置の自由度を高めることができる。したがって、ドアトリム71の内部などにノズル26(126)を容易に配置することができる。
【0052】
また、制御部12は、ノズル26から除菌剤を含むミストMが1秒以上噴射されるように電磁弁23の開駆動を制御するので、車両のシート60を除菌するのに必要な量のミストMを噴射できる。
【0053】
また、制御部12は、車両の室内に乗員がいる場合、及び車両の乗降口が開放されている場合の少なくとも一方の場合には、電磁弁23の開駆動を禁止する。したがって、シート60に着座している乗員や、車両に乗降する乗員に対して除菌剤を含むミストMが噴射されることを抑制できる。
【0054】
(7)制御部12は、無線操作端末16からの操作信号を受信したときに、電磁弁23(123)が開駆動されるように電磁弁23(123)を制御する。
同構成によれば、車外から無線操作端末16を操作することにより電磁弁23(123)を開駆動させることができるので、使用者は、車両に乗り込む前にシート60を除菌したり、シート60の周囲の匂いを変更できる。
【0055】
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0056】
・第2ミスト発生部120は、芳香剤を含むミストMを発生させるものに限定されず、ヒアルロン酸などのスキンケア用の化粧剤を含むミストMを発生させるものであってもよい。
【0057】
・電磁弁23,123を省略するとともに、コンプレッサ11の駆動を制御することで、ノズル26,126にエアを圧送してもよい。
・第1ミスト発生部20及び第2ミスト発生部120のいずれか一方を省略することもできる。
【0058】
・スイッチ15は、例えば車両のインストルメントパネルに設けることもできる。また、スイッチ15を省略してもよい。
・ミスト発生装置10は、車両のシート60にミストMを供給するものに限定されない。例えば、映画館などの屋内のシートにミストMを供給するものであってもよい。
【0059】
・機能性薬剤は、除菌剤に限定されず、例えば消臭剤でもよい。
・液体は、除菌剤や芳香剤などの機能性薬剤に限定されず、水でもよい。
・ミストMの粒径は、1μm以下、10μm以上であってもよい。
【0060】
上記実施形態は、以下の付記に記載する構成を含む。
[付記1]エアを圧送するエア圧送部と、前記エア圧送部に接続され、前記エア圧送部から圧送される前記エアが流通するエア通路と、前記エア通路に接続される内部通路を有し、前記内部通路の下流端に噴口が設けられているノズルと、液体を貯留する貯留部と、前記貯留部の内部と前記内部通路とを接続する液体通路と、を備え、前記内部通路における前記噴口の上流側には、前記内部通路の内径が部分的に小さくされた縮径部が設けられており、前記液体通路は、前記縮径部に接続されている、ミスト発生装置。
【0061】
[付記2]前記噴口から噴射されるミストの粒径は、1μm以上、10μm以下である、[付記1]に記載のミスト発生装置。
[付記3]前記液体は、機能性薬剤を含む、[付記1]または[付記2]に記載のミスト発生装置。
【0062】
[付記4]前記機能性薬剤は、除菌剤である、[付記3]に記載のミスト発生装置。
[付記5]前記エア圧送部は、車両に搭載されるコンプレッサであり、前記噴口は、前記車両のシートを指向している、[付記1]~[付記4]のいずれか1つに記載のミスト発生装置。
【0063】
[付記6]前記エア通路に設けられ、前記エア通路を開閉可能に構成された弁と、前記弁の開閉駆動を制御するように構成された制御部と、を備える、[付記1]~[付記5]のいずれか1つに記載のミスト発生装置。
【0064】
[付記7]前記制御部は、無線操作端末からの操作信号を受信したときに、前記弁が開駆動されるように前記弁を制御する、[付記6]に記載のミスト発生装置。
【符号の説明】
【0065】
10…ミスト発生装置
11…コンプレッサ(エア圧送部)
12…制御部
13…着座センサ
14…カーテシスイッチ
15…スイッチ
16…無線操作端末
20…第1ミスト発生部
120…第2ミスト発生部
21…共通ホース(エア通路)
22,122…上流側ホース(エア通路)
23,123…電磁弁
24,124…下流側ホース(エア通路)
25…継手(エア通路)
26,126…ノズル
27,127…内部通路
30…上流側部材
31…ベース部
32…第1突出部
33…第2突出部
34…雌ねじ部
35…大径部
36…中径部
37…小径部
38,138…縮径部
40…下流側部材
41…雌ねじ部
42…大径部
43…収容部
44…小径部
45,145…噴口
46…連通孔
51,151…貯留部
52,152…ホース(液体通路)
60…シート
61…シートクッション
62…シートバック
70…スライドドア
71…ドアトリム
72…窓ガラス
73…ドアハンドル
M…ミスト
S1,S2…隙間
図1
図2
図3
図4