IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エムケー精工株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-表示装置および表示システム 図1
  • 特開-表示装置および表示システム 図2
  • 特開-表示装置および表示システム 図3
  • 特開-表示装置および表示システム 図4
  • 特開-表示装置および表示システム 図5
  • 特開-表示装置および表示システム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041606
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】表示装置および表示システム
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20240319BHJP
   H02J 50/00 20160101ALI20240319BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240319BHJP
   G09F 19/00 20060101ALI20240319BHJP
   B67D 7/22 20100101ALN20240319BHJP
【FI】
G09F9/00 304Z
H02J50/00
G09G5/00 555G
G09G5/00 555D
G09F9/00 347Z
G09F19/00 Z
B67D7/22 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146519
(22)【出願日】2022-09-14
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000103138
【氏名又は名称】エムケー精工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】神戸 直樹
(72)【発明者】
【氏名】徳竹 亮志
(72)【発明者】
【氏名】青木 徹夫
【テーマコード(参考)】
3E083
5C182
5G435
【Fターム(参考)】
3E083AC10
5C182AA03
5C182AB08
5C182AC02
5C182AC03
5C182BA03
5C182BC01
5C182BC25
5C182BC26
5G435AA12
5G435BB12
5G435BB13
5G435EE02
5G435EE41
5G435EE49
5G435GG43
5G435GG44
5G435HH02
5G435HH20
5G435LL18
(57)【要約】
【課題】
従来の表示装置よりも発火のおそれがなく、給油所内などにおいて従来の表示装置よりも自由に設置可能な表示装置を提供する。また、そのような表示装置を好適に用いることができる表示システムを提供する。
【解決手段】
室と、表示部を有する表示装置であって、前記室は、難燃性部材により形成され、前記室を形成する部材は、少なくとも一部が透光性を有し、前記表示部は、無線受信手段を有し、前記室に収容されることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室と、表示部を有する表示装置であって、
前記室は、難燃性部材により形成され、
前記室を形成する部材は、少なくとも一部が透光性を有し、
前記表示部は、無線受信手段を有し、前記室に収容される
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示部は、無線受電手段を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示部は、非受電状態において表示内容を保持する
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の表示装置と、端末装置を有し、
前記端末装置は、無線送信手段と、制御部を有し、
前記制御部は、前記表示装置の表示内容を設定する表示内容設定処理と、前記表示内容設定処理で設定した内容を前記表示装置に送信する通信処理を実行する
ことを特徴とする表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置および表示システムに関する。
【0002】
実用新案登録第3225025号(以下、特許文献1とする)には、主に給油所で用いられる表示装置が記載されている。特許文献1の表示装置は価格表示部を有し、例えば給油所が販売する商品の価格を表示することができる。給油所の運営者は、このような表示装置を視認しやすい場所に設置することで、付近を走行する車両などに対して燃料や洗車などの価格を宣伝することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3225025号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、こうした従来の表示装置は、給油所内などにおいて自由に設置することができない場合があった。国や自治体によっては、爆発性雰囲気における電気設備の使用が制限されるためである。例えば特許文献1の表示装置も、日本消防法の規定に従い、電装部の最低地上高を600mm以上の高さに保持した構成としており、その規定を満たす様態でしか設置することができなかった。このようにして、従来の表示装置は、給油所内などにおいて視認性を第一として設置場所を決めることができない場合があった。
【0005】
本発明の一目的は、従来の表示装置よりも発火のおそれがなく、給油所内などにおいて従来の表示装置よりも自由に設置可能な表示装置を提供することにある。また、本発明の一目的は、そのような表示装置を好適に用いることができる表示システムを提供することにある。
【0006】
本発明の一解決手段にかかる表示装置は、室と、表示部を有する表示装置であって、前記室は、難燃性部材により形成され、前記室を形成する部材は、少なくとも一部が透光性を有し、前記表示部は、無線受信手段を有し、前記室に収容されることを一特徴とする。
【0007】
前記表示部は、無線受電手段を有するすることが好ましい。
【0008】
前記表示部は、非受電状態において表示内容を保持するすることが好ましい。
【0009】
また、本発明の一解決手段にかかる表示システムは、前記表示装置と、端末装置を有し、前記端末装置は、無線送信手段と、制御部を有し、前記制御部は、前記表示装置の表示内容を設定する表示内容設定処理と、前記表示内容設定処理で設定した内容を前記表示装置に送信する通信処理を実行することを一特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一解決手段にかかる表示装置は、従来の表示装置よりも発火のおそれがなく、給油所内などにおいて従来の表示装置よりも自由に設置することができる。また、本発明の一解決手段にかかる表示システムは、そのような表示装置を給油所内などにおいて好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置10の正面概観図である。
図2図1に示す表示装置10の側面断面図である。
図3図1に示す表示装置10の制御系を示すブロック図である。
図4】本発明の他の実施形態に係る表示システム50の構成を示すブロック図である。
図5図4に示す端末装置51と、端末装置51が有するアプリケーション56の操作画面の一例を示す図である。
図6図4に示す表示システム50が有する表示装置10Aと、表示部11の表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下の本発明における実施形態では、必要な場合に複数のセクションなどに分けて説明するが、原則、それらは互いに無関係ではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細などの関係にある。このため、全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、構成要素の数(個数、数値、量、範囲などを含む)については、特に明示した場合や原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。また、構成要素などの形状に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合などを除き、実質的にその形状などに近似または類似するものなどを含むものとする。
【0013】
(第一実施形態)
図面をもとに本発明の一実施形態について説明する。図1は表示装置10の正面概観図、図2図1に示す表示装置10の中央断面図である。表示装置10は、表示部11と、筐体12を有している。
【0014】
表示部11は、文字や画像を表示することができる。表示部11の表示方式は特に限定されるものではなく、種々の公知の手法を用いることができる。本実施形態においては、表示部11の好適な形態の一つとして電子ペーパーを用いた場合について説明する。表示部11は、例えばプラスの電荷を有する粒子とマイナスの電荷を有する粒子を含む複数のマイクロカプセルを有する電気泳動式の電子ペーパーである。表示部11は、マイクロカプセルにプラスまたはマイナスの電界を印加することにより、カプセル中の粒子を移動させて文字や画像などの表示内容を形成することができる。
【0015】
筐体12は、主として例えばアルミニウムやガラスなどの難燃性(または不燃性)を有する部材により構成される。筐体12は内部に空間を有し、その空間において表示部11を収容することができる。表示部11が収容される空間は、例えば部材同士の溶接やシール材での封止により気密構造とされている。
【0016】
筐体12は、少なくとも一部がガラスなどの難燃性(または不燃性)および透光性を有する部材により構成されている。そのため、表示部11の表示内容は、表示部11を内部に収容した状態でも筐体12外部から視認することができる。
【0017】
筐体12は、複数のキャスタ13を有している。キャスタ13は筐体12を地面上に起立させ、さらに移動可能としている。
【0018】
図3は表示部11の制御系を示すブロック図である。表示部11はデータ受信手段20を有しており、外部のデータ送信手段Tから非接触で情報を受け取ることができる。通信には、例えばBluetooth、Wi-Fi、NFC(Near Field Communication)などの公知の無線通信規格と、それに対応するモジュールを用いることができる。
【0019】
表示部11は、無線受電手段21を有している。無線受電手段21は外部の無線給電手段Sから非接触で電力の供給を受けることができる。無線受給電の方式としては、例えば電磁誘導方式、磁界共鳴方式、電界結合方式、電波受信方式などの公知の方式と、それに対応するモジュールを用いることができる。
【0020】
表示部11は、制御部22を有している。制御部22は、無線受電手段21やデータ受信手段20で受け取った情報に基づき表示部11のマイクロカプセルに印加し、表示部11に例えば洗車料金や燃料の料金に関する文字や画像などを表示させることができる。
【0021】
表示部11は、記憶部23を有している。記憶部23は、データ受信手段20で受け取った情報を記憶することができる。
【0022】
以上の構成により、表示装置10は、外部と無線で通信することができる。また、その通信や表示内容の表示を行うための電力を無線で受け取ることができる。そのため、表示部11を収容する筐体12に端子接続用の穴などを設ける必要がなく、表示部11が収容される空間の気密性を高めることができる。
【0023】
表示部11が収容される空間の気密性が高いため、給油所などで放出されている爆発性ガスと電気機器である表示部11の接触を防ぐことができる。それにより、表示装置10は従来の表示装置よりも発火のおそれがなく、例えば給油所などにおいて従来の表示装置よりも自由に配置することができる。
【0024】
公知の無線給電方式は、概して有線での給電方式よりも給電効率で劣るため、表示部11の表示方式には省電力性に優れた方式が好適である。例えば電子ペーパーは表示内容を表示し続けるために電力を消費しないうえ、表示内容の書き換えに大量の電力を消費しないため、表示部11の表示方式として好適である。
【0025】
表示部11が収容される空間は気密性が高く、効率の良い排熱が困難である。そのため、表示内容を表示し続けるために電力を消費せず、例えば液晶表示素子や発光表示素子を用いた表示方式より発熱が少ない電子ペーパーは、表示部11の表示方式として好適である。なお、表示部11が収容される空間の気密性を保持したまま表示部11の排熱を処理する手段として、表示部11が収容される空間にヒートシンクなどの冷却装置を設けてもよい。
【0026】
省電力性に優れた他の表示方式としては、例えば磁気反転式が挙げられる。磁気反転式は磁力によって反転可能な表示素子をマトリクス状に並べた表示方式であり、表示素子を選択的に反転させることにより文字や図などを表示する。磁気反転式の表示装置は文字や図などを表示し続けるために電力を消費しないため、省電力性に優れ、表示部11の表示方式として好適である。そのほか、例えば砂鉄などの磁性を有する粉体により表示を行う磁気ボードを表示部11の表示方式として用いてもよい。
【0027】
電子ペーパーや磁気反転式などに限らず、表示内容を表示し続けるために電力を消費しない表示方式や、表示内容を書き換える時にのみ電力を消費する表示方式は、表示部11に好適に用いることができる。こうした表示方式を用いることで、表示部11に電力を供給する機会を減らしたり、表示中の表示部の発熱および発火を抑えたりすることができる。こうした表示方式を用いた表示装置10は従来の表示装置よりも発熱や発火のおそれがないため、例えば給油所などにおいて従来の表示装置よりも自由に配置することができる。
【0028】
省電力性に優れた表示方式を表示部11に用いた場合、無線受電手段21からの給電で表示部11を駆動可能となるため、表示部11が収容される空間にバッテリを設けなくてもよい。発熱および発火するおそれのあるモジュールを減らすことができるため、電子ペーパーなどの省電力性に優れた表示方式を用いた表示装置10は、従来の表示装置よりも発熱や発火のおそれがない。
【0029】
表示内容などを記憶する記憶部23には、例えばフラッシュROMやEEPROMなどの不揮発性メモリなど、電源供給を行わない状態においても情報を記憶可能な装置を用いるとよい。そのような記憶装置を用いることで、表示部11に電力を供給する機会を減らすことができる。記憶部23として不揮発性メモリを備えた表示装置10は頻繁な電力供給を必要としないため、従来の表示装置よりも発熱や発火のおそれがない。
【0030】
表示部11の表示方式として、反射型液晶を用いてもよい。外光を利用して表示部11の視認性を向上させることにより、表示部11自体に光源を設ける必要がなくなり、表示中の表示部11の発熱を抑えることができる。
【0031】
筐体12は必ずしも地面に起立可能でなくてもよく、その形状は表示装置10を使用する場所などに応じて適宜変更可能である。また、表示部11における表示による電力消費を減らすため、表示内容や宣伝する情報の一部をステッカーなどにより補ってもよい。
【0032】
表示部11を収容するための空間を形成する難燃性を有する部材の材質は、例えばアルミニウムやガラスのほか、耐熱性や耐燃性を向上させた合成繊維や合成樹脂(例えばポリカーボネート樹脂)などの防火材料であってもよい。
【0033】
(第二実施形態)
表示部11への給電やデータ送信には持ち運びが容易な端末装置を用いるとよい。そのような端末装置51を用いた表示システム50について、図面をもとに説明する。
【0034】
図4は表示システム50の構成を示すブロック図である。表示システム50は、端末装置51を有している。端末装置51は、データ送信手段52と、無線給電手段53と、制御部54と、記憶部55を有している。端末装置51には、例えばスマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、ノート型コンピュータなどを用いることができる。記憶部55は、アプリケーション56を記憶している。制御部54は、端末装置51の使用者の操作に基づき端末装置51が有する種々の機能や手段を実行することができる。データ送信手段52は、後述する表示装置10Aが有するデータ受信手段20に非接触で情報を送ることができる。無線給電手段53は、表示装置10Aが有する無線受電手段21に非接触で電力を送ることができる。
【0035】
無線受給電には、例えば電磁誘導方式、磁界共鳴方式、電界結合方式、電波受信方式などの公知の方式を用いることができる。本実施形態においては、端末装置51と表示装置10Aは電磁誘導方式で充電動作を行うものとして説明する。電磁誘導方式は、例えば送電側が有するコイルと受電側が有するコイルの間で発生する誘導磁束を利用して給電する方式である。端末装置51は送電コイルを有し、表示部11は受電コイルを有している。端末装置51の使用者は、端末装置51を表示部11へ近づけることで、送電コイルと受電コイルの間の距離を電力伝送可能距離まで小さくし、給電することができる。
【0036】
データ送信手段52は、例えば表示装置10Aに表示する文字や画像などの情報をデータ受信手段20に送ることができる。通信には、例えばBluetooth、Wi-Fi、NFC(Near Field Communication)などの公知の無線通信規格を用いることができる。特に近距離無線通信は、無線受給電のために端末装置51を表示部11Aへ近づける際に同時に通信も可能となるため好適である。
【0037】
記憶部55は、アプリケーション56を記憶している。図5はアプリケーション56の操作画面の一例である。端末装置51の使用者はアプリケーション56を操作することで、例えば表示装置10Aに給電したり、表示装置10Aの表示内容を決定したり、決定した表示内容に関する情報を表示装置10Aに送ったりすることができる。
【0038】
表示システム50は、表示装置10Aを有している。図6は表示装置10Aの正面概観図である。表示装置10Aは、表示部11と、保護剤57と、枠体58を有している。表示部11は電気泳動式の電子ペーパーである。保護剤57は透光性および難燃性(または不燃性)を有するガラスなどの板状の部材であり、例えば二枚で表示部11Aの前面と後面を挟み込んでいる。枠体58は例えばアルミニウムなどの難燃性(または不燃性)を有する部材からなり、保護剤57を嵌め込むことができる。表示部11は、保護剤57と枠体58により形成される空間に収容される。保護剤57をパッキンなどの封止材を介して枠体58に嵌め込むことで、表示部11が収容される空間を気密性の高い状態とすることができる。
【0039】
図6に示す通り、表示部11を収容した状態の表示装置10Aの形状はタブレット型である。持ち運びが容易であり、例えば給油所に設置する場合などにおいても、給油機付近などユーザの視線が集まりやすい場所に設置することができる。保護剤57と枠体58は難燃性を有する部材で構成されており、さらに表示部11が気密性の高い状態で収容されているため、表示装置10Aは従来の表示装置よりも発熱や発火のおそれがなく、爆発性雰囲気が生成されやすい給油機付近においても使用しやすい。
【0040】
給油所の給油機付近に表示装置10Aを設置する場合には、例えば図6に示すように燃料ごとの価格をマトリクス図で表示部11に表示するとよい。レギュラーガソリンやハイオクガソリンのような燃料の価格は変動が激しく、給油所利用者の関心が高いためである。アプリケーション56により複数種類の燃料の価格を設定および表示可能とした場合における表示システムの動作について説明する。
【0041】
ユーザ(端末装置51の使用者)は、まず、端末装置51の画面でアプリケーション56を選択する。制御部54は記憶部55に記憶されたアプリケーション56を実行し、アプリケーション56の初期画面(例えば図5の操作画面)を表示する。ユーザは、次に、アプリケーション56の初期画面に表示される表示内容設定ボタン60を選択し、表示部11に表示させる情報を設定するステップ(表示内容設定ステップ)に移行する。
【0042】
表示内容設定ステップでは、ユーザは空白のマトリクス図に情報を設定する。この段階で設定した情報が表示部11に表示される情報となる。情報の設定には、例えば端末装置51のキー入力機能を用いて各マス目に任意の文字列を入力する方式を用いてもよいし、プルダウンリストなどからユーザが項目や数字を選択する方式を用いてもよい。マトリクス図で燃料の価格を示す場合、例えば縦1列目にレギュラーガソリン、ハイオクガソリン、軽油、灯油などの燃料の種類を設定するとよい。縦1列目に各種燃料を設定した場合、横1列目には、例えば現金、クレジットカード、電子決済などの支払い方法の種類を設定するとよい。
【0043】
表示内容設定ステップでマトリクス表を作成したら、ユーザは例えば画面上の保存ボタンを押し、設定した内容を記憶部55に記憶させる。その後、図5に示すアプリケーション56の初期画面で表示内容送信ボタン61を選択し、表示部11に表示させる情報を送信するステップ(表示内容送信ステップ)に移行する。
【0044】
表示内容送信ボタン61が選択されたら、制御部54はデータ送信手段52と無線給電手段53を制御し、表示部11に表示させる情報と表示部11の駆動のための電力を伝送可能とする。次に、ユーザは、アプリケーション56の指示に従い、表示装置10Aに端末装置51を近づけ、表示部11に表示させる情報と表示部11の駆動のための電力を伝送する。
【0045】
表示装置10Aは、電力を無線受電手段21で受け取り、表示部11の各機能を実行可能とする。データ受信手段20が表示内容に関する情報を受け取ったら、制御部54は表示画面にその情報を表示する。端末装置51での表示内容の設定と、表示装置10での表示内容の表示は以上で完了となる。
【0046】
このように、表示システム50は、表示装置10Aの防爆性を損なわずに表示部11の表示内容を簡単に設定することができる。給油所内の給油機ごとに表示装置10Aが設置されていても、端末装置51を各表示装置10Aに近づけるだけで各表示装置10Aの表示内容の設定や更新ができる。
【0047】
例えば端末装置51を他の端末やサーバなどと通信可能とし、表示内容に関する情報を端末装置51で取得可能にしてもよい。より具体的には、例えば複数の給油所に表示装置10Aと子端末としての端末装置51を配置し、各端末装置51をインターネットに接続可能とし、燃料種別や支払種別、さらにそれぞれに対応する料金の情報を親端末から各端末装置51に配信してもよい。
【0048】
以上、本発明を実施形態に基づき説明したが、本発明の具体的な構成は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。また、本発明に係る表示装置および表示システムは給油所に限らず、例えば工場内など、電子機器に防爆性が求められるあらゆる環境において使用可能である。
【0049】
また、これまで表示装置10および表示システム50の好適な形態として無線受給電手段を搭載した構成について説明したが、表示装置10が有する表示部11は、例えば電池など他の給電手段により供給される電力を用いて駆動してもよい。表示部11が収容される空間に電池を設けることで、表示装置10Aの防爆性を損なわずにより安定的に表示部11に電力を供給することができる。表示部11への電力供給手段として無線受給電手段と電池を併用してもよい。表示部11に蓄電池を設け、無線受電手段21で受けとる電力を貯蔵可能としてもよい。
【符号の説明】
【0050】
10 表示装置
11 表示部
12 筐体
13 キャスタ
20 データ受信手段
21 無線受電手段
22 制御部
23 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6