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特開2024-41674メッセージを伝達するためのメッセージデータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041674
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】メッセージを伝達するためのメッセージデータ
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20240319BHJP
   G06F 3/04815 20220101ALI20240319BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240319BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20240319BHJP
   G10L 13/00 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
G06T19/00 600
G06F3/04815
G06F3/01 510
G06F3/16 690
G10L13/00 100Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146613
(22)【出願日】2022-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】521062309
【氏名又は名称】株式会社ベルマネジメントワイズ
(74)【代理人】
【識別番号】100124419
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 敬也
(74)【代理人】
【識別番号】100162293
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷 久生
(72)【発明者】
【氏名】野嵜 健
(72)【発明者】
【氏名】古川 智太
【テーマコード(参考)】
5B050
5E555
【Fターム(参考)】
5B050AA03
5B050BA06
5B050BA08
5B050BA09
5B050BA11
5B050BA13
5B050CA07
5B050CA08
5B050DA01
5B050EA04
5B050EA19
5B050EA24
5B050EA26
5B050FA02
5B050FA10
5B050FA14
5E555AA27
5E555AA76
5E555BA01
5E555BA06
5E555BB06
5E555BC17
5E555BD01
5E555BE17
5E555CA12
5E555CA42
5E555CB12
5E555CB34
5E555CB48
5E555CB74
5E555CC01
5E555CC03
5E555DA09
5E555DA23
5E555DB18
5E555DB31
5E555DB41
5E555DB53
5E555DC09
5E555DC13
5E555DC43
5E555DC63
5E555DC85
5E555DD08
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】プレゼントの贈呈に合わせてメッセージを伝達する際に、受取人の受ける印象をより強くする。
【解決手段】受取人RCPへのメッセージ伝達に使用される多機能携帯端末100は、プレゼントGFTに同梱されたメッセージカードMCDに記載され、メッセージデータMDTの格納場所を表すコード画像の読取に応じて当該データMDTを取得する機能と、当該データMDTの取得に応じて、実空間を撮影した実画像と、仮想オブジェクトを表す仮想画像と、を合成して表示する機能と、所定のトリガー条件の充足に応じて、仮想オブジェクトを変更するとともに、メッセージ音声を再生する機能とを有している。トリガー条件が充足された場合、仮想オブジェクトであるギフトボックスは開くように変形され、花束とメッセージ文とが仮想オブジェクトに追加されるとともに、メッセージ音声が贈り主PSTの声で再生される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多機能携帯端末にメッセージを伝達するためのメッセージデータであって、
前記多機能携帯端末は、
前記メッセージデータの取得先を表すコード画像の読取に応じて、前記メッセージデータを取得する機能と、
前記メッセージデータの取得に応じて、前記多機能携帯端末で実空間を撮影した実画像と、前記メッセージデータにより規定される仮想オブジェクトが前記実空間における前記受取人により指定された配置位置に配置されたとした場合に前記多機能携帯端末で撮影される前記仮想オブジェクトの画像である仮想画像と、を合成して表示する機能と、
前記実空間における前記仮想オブジェクトと前記多機能携帯端末との位置関係によって判断される条件であって、前記メッセージデータにより規定されるトリガー条件の充足に応じて、前記メッセージデータにより規定される変更態様で前記仮想オブジェクトを変更する機能と、
前記トリガー条件の充足に応じて、前記メッセージデータにより規定されるメッセージ音声を再生する機能と、
を有していることを特徴とするメッセージデータ。
【請求項2】
前記多機能携帯端末が、プレゼントの受取人のものであり、
前記コード画像が、そのプレゼントに同梱されたメッセージカードに記載された画像であることを特徴とする請求項1に記載のメッセージデータ。
【請求項3】
前記メッセージ音声は、前記プレゼントの贈り手の声で再生されるものであることを特徴とする請求項1、または2に記載のメッセージデータ。
【請求項4】
前記仮想オブジェクトは、未開封のギフトボックスであり、
前記変更態様は、前記ギフトボックスを開くように変形するとともに、前記配置位置に配置される花束と、前記プレゼントの贈り手によって登録され、前記配置位置の上方に配置されるメッセージ文と、を追加する態様であることを特徴とする請求項1、または2に記載のメッセージデータ。
【請求項5】
前記ギフトボックスが変形する過程は、アニメーションとして表示される、請求項4に記載のメッセージデータ。
【請求項6】
前記メッセージ音声は、前記メッセージ文の文字列を読み上げる前記プレゼントの贈り手の声に基づいて音声合成された音声である、請求項3に記載のメッセージデータ。
【請求項7】
前記音声合成は、前記多機能携帯端末によって行われる、請求項6に記載のメッセージデータ。
【請求項8】
前記音声合成は、前記多機能携帯端末による前記メッセージデータの取得に先立って行われる、請求項6に記載のメッセージデータ。
【請求項9】
前記メッセージ音声は、前記プレゼントの贈り手による前記メッセージ文の文字列の登録に際して録音された前記贈り手の声である、請求項3に記載のメッセージデータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、メッセージを伝達するためのメッセージデータに関し、特に、プレゼントの贈呈に合わせてメッセージを伝達するメッセージデータに関する。
【背景技術】
【0002】
誕生日プレゼント等のプレゼントを贈る際に、贈り主からのメッセージを受取人に伝達するため、当該メッセージを記載したメッセージカードをプレゼントに同梱することが行われている。このメッセージカード等の紙媒体とともに、贈り主(依頼者)の肉声を送り届けることができれば、贈り主の気持ちをより効果的に相手に伝えることができる。
【0003】
そこで、贈り主の発声による音声データの書き込まれた音声メモリが組み込まれた音声チップと、音声メモリから音声データに対応した電気信号が印加される圧電振動素子とを、紙媒体に取り付けることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-074612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1で提案されている手段によっては、贈り主の肉声が伝えられるものの、メッセージを受け取る際の臨場感が高くないため、メッセージが受取人に与える印象を十分に強くすることができない。
【0006】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、プレゼントの贈呈に合わせてメッセージを伝達する際に、受取人の受ける印象をより強くすることを可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の内、請求項1に記載の発明は、多機能携帯端末にメッセージを伝達するためのメッセージデータであって、前記多機能携帯端末は、前記メッセージデータの取得先を表すコード画像の読取に応じて、前記メッセージデータを取得する機能と、前記メッセージデータの取得に応じて、前記多機能携帯端末で実空間を撮影した実画像と、前記メッセージデータにより規定される仮想オブジェクトが前記実空間における前記受取人により指定された配置位置に配置されたとした場合に前記多機能携帯端末で撮影される前記仮想オブジェクトの画像である仮想画像と、を合成して表示する機能と、前記実空間における前記仮想オブジェクトと前記多機能携帯端末との位置関係によって判断される条件であって、前記メッセージデータにより規定されるトリガー条件の充足に応じて、前記メッセージデータにより規定される変更態様で前記仮想オブジェクトを変更する機能と、前記トリガー条件の充足に応じて、前記メッセージデータにより規定されるメッセージ音声を再生する機能と、を有していることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のメッセージデータにおいて、前記多機能携帯端末が、プレゼントの受取人のものであり、前記コード画像が、そのプレゼントに同梱されたメッセージカードに記載された画像であることを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1、または2記載のメッセージデータにおいて、前記メッセージ音声は、前記プレゼントの贈り手の声で再生されるものであることを特徴とする。なお、本発明における「プレゼントの贈り手」は、プレゼントの送り主本人に限定されず、プレゼントの送り主と関係を有する者が含まれる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1、または2に記載のメッセージデータにおいて、前記仮想オブジェクトは、未開封のギフトボックスであり、前記変更態様は、前記ギフトボックスを開くように変形するとともに、前記配置位置に配置される花束と、前記プレゼントの贈り手によって登録され、前記配置位置の上方に配置されるメッセージ文と、を追加する態様であることを特徴とするものである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のメッセージデータにおいて、前記ギフトボックスが変形する過程が、アニメーションとして表示されることを特徴とするものである。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項3に記載のメッセージデータにおいて、前記メッセージ音声が、前記メッセージ文の文字列を読み上げる前記プレゼントの贈り手の声に基づいて音声合成された音声であることを特徴とするものである。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のメッセージデータにおいて、前記音声合成が、前記多機能携帯端末によって行われることを特徴とするものである。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載のメッセージデータにおいて、前記音声合成が、前記多機能携帯端末による前記メッセージデータの取得に先立って行われることを特徴とするものである。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項3に記載のメッセージデータにおいて、前記メッセージ音声は、前記プレゼントの贈り手による前記メッセージ文の文字列の登録に際して録音された前記贈り手の声であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係るメッセージデータは、多機能携帯端末に、実空間を撮影した実画像に仮想画像を合成して表示し、所定のトリガー条件の充足に応じてその仮想画像を変化させる。したがって、請求項1に係るメッセージデータによれば、メッセージデータの受取人に、臨場感がある形でメッセージを伝達することで強い印象を与えることが可能となる。
【0017】
請求項2に係るメッセージデータは、受取人が多機能携帯端末を用いてプレゼントに同梱されたメッセージカードのコード画像を読み取ることによって、実空間を撮影した実画像に仮想画像が合成して表示され、所定のトリガー条件の充足に応じてその仮想画像が変化する。したがって、請求項1に係るメッセージデータによれば、プレゼントの受取人に、臨場感がある形でメッセージを伝達することが可能となり、受取人に強い印象を与えることが可能となる。
【0018】
請求項3に係るメッセージデータによれば、プレゼントに加えて、仮想画像とメッセージ文と贈り主の声のメッセージ音声とが伝達される。これにより、プレゼントの受取人には、あたかも贈り主がその場でメッセージを伝達したかのような非常に臨場感がある形でメッセージを伝達することが可能となり、受取人にきわめて強い印象を与えることが可能となる。
【0019】
請求項4に係るメッセージデータによれば、プレゼントに加えて、仮想現実で表わされた花束と、メッセージ文と、メッセージ音声とが伝達される。これにより、プレゼントの受取人には、あたかも贈り主がその場で花束を贈ってメッセージを伝達したように感じられるように、臨場感がある形でメッセージが伝達される。そのため、プレゼントの贈呈に合わせてメッセージを伝達する際に、受取人の受ける印象をより強くすることができる。
【0020】
請求項5に係るメッセージデータによれば、表示される画像に違和感が生じるのが抑制されるので、メッセージをより自然な形で伝達することができる。
【0021】
請求項6に係るメッセージデータによれば、直接声に出すのが容易でないメッセージであっても、メッセージ音声を伝達することが容易となる。
【0022】
請求項7に係るメッセージデータによれば、メッセ-ジデータのサイズをより小さくすることができる。
【0023】
請求項8に係るメッセージデータによれば、多機能携帯端末における演算処理量を低減することができる。
【0024】
請求項9に係るメッセージデータによれば、音声合成のための演算処理を省略することができる。
【0025】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、メッセージデータ、そのメッセージデータを使用したメッセージの伝達方法、そのメッセージデータやメッセージの伝達方法を利用したメッセージ伝達システム等の態様で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態としてのメッセージデータによりメッセージが伝達される様子を示す説明図である。
図2】メッセージの伝達に使用される多機能携帯端末の機能的な構成を示すブロック図である。
図3】メッセージデータによって多機能携帯端末のユーザーにメッセージが伝達される様子を示す説明図である。
図4】メッセージデータによって多機能携帯端末のユーザーにメッセージが伝達される様子を示す説明図である。
図5】メッセージデータによって多機能携帯端末のユーザーにメッセージが伝達される様子を示す説明図である。
図6】メッセージデータによって多機能携帯端末のユーザーにメッセージが伝達される様子を示す説明図である。
図7】メッセージデータによって多機能携帯端末のユーザーにメッセージが伝達される様子を示す説明図である。
図8】メッセージデータによって多機能携帯端末のユーザーにメッセージが伝達される様子を示す説明図である。
図9】メッセージデータによって多機能携帯端末のユーザーにメッセージが伝達される様子を示す説明図である。
図10】メッセージデータによって多機能携帯端末のユーザーにメッセージが伝達される様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための形態を以下の順序で説明する。
A.メッセージデータによるメッセージの伝達:
B.多機能携帯端末の機能的構成:
C.メッセージの伝達:
D.変形例:
【0028】
A.メッセージデータによるメッセージの伝達:
図1は、本発明の一実施形態としてのメッセージデータMDTによりメッセージが伝達される様子を示す説明図である。図1の例では、贈り主PSTが受取人RCPへの誕生日プレゼントGFTを贈るのに合わせて、受取人RCPにメッセージが伝達される様子を示している。
【0029】
具体的には、贈り主PSTは、自身が所有するスマートフォン等の多機能携帯端末を使用して図示しない電子商取引サイトにアクセスする。そして、電子商取引サイトにおいて、誕生日プレゼントGFT(以下、単に「プレゼントGFT」とも謂う)を注文する。このプレゼントGFTの注文に際し、電子商取引サイトでは、メッセージカードMCDに記載する挨拶文の指定を受け付けるとともに、受取人RCPにメッセージを伝達するためのメッセージサーバーMSVを案内する。メッセージサーバーMSVに案内された贈り主PSTは、メッセージサーバーMSVに、受取人RCP宛てのメッセージ文と、贈り主PST自身の声とを登録する。
【0030】
メッセージ文と贈り主PSTの音声との登録を受け付けたメッセージサーバーMSVは、メッセージ文と音声データとを含むメッセージデータMDTを生成する。生成されたメッセージデータMDTは、メッセージサーバーMSVに設けられた記憶装置STRに格納される。なお、メッセージデータMDTの詳細については、後述する。
【0031】
電子商取引サイトからは、挨拶文等が記載されたメッセージカードMCDが、プレゼントGFTに同梱された状態で、受取人RCPに発送される。図1に示すように、メッセージカードMCDには、電子商取引サイトにおいて指定を受け付けた挨拶文とともに、QRコード(登録商標)(株式会社デンソーウェーブ)等のコード画像が記載されている。
【0032】
本実施形態において、メッセージカードMCDに記載されたコード画像は、メッセージデータMDTの格納先を示すURLを表している。そのため、コード画像で表されるURLを参照することにより、メッセージサーバーMSVの記憶装置STRに格納されたメッセージデータMDTを取得することができる。
【0033】
プレゼントGFTを受け取った受取人RCPは、メッセージカードMCDに記載されたコード画像を用いて、自身が所有する多機能携帯端末100から、インターネットINETを介して接続されたメッセージサーバーMSVにアクセスする。これにより、受取人RCPは、多機能携帯端末100によってメッセージサーバーMSVの記憶装置STRに格納されたメッセージデータMDTを取得し、メッセージデータMDTで表される贈り主PSTからのメッセージを受け取ることができる。
【0034】
B:多機能携帯端末の機能的構成:
図2は、メッセージの伝達に使用される多機能携帯端末100(以下、単に「端末100」とも謂う)の機能的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、多機能携帯端末100は、メッセージの伝達に使用される機能ブロックとして、コード入力処理部110、データ伝送処理部120および拡張現実処理部130を有している。多機能携帯端末100は、CPU、ROM、RAM等(いずれも図示しない)を有するコンピューターとして構成されており、これらの機能ブロック110,120,130は、CPUがROMあるいはRAMに格納されたブログラムを実行することにより実現される。
【0035】
また、多機能携帯端末100は、図示しないが、インターネットINET(図1)等の外部との間でデータ伝送を行う機能を実現するための通信処理部、音声を入力するためのマイク、音声を出力するためのスピーカー、画像を表示するとともに接触による位置指定を受け付けるタッチスクリーン、および、画像を撮影するカメラ等を有している。これらの各部は、CPUによって制御可能となるように、所定のインターフェースを介してCPUに接続されている。
【0036】
コード入力処理部110は、カメラで撮影した画像からコード画像を抽出して取得するコード画像取得部111と、取得したコード画像からコードを解析するコード解析部112と、コード解析部112で解析されたコード解析結果をデータ伝送処理部120に転送する解析結果転送部113とを有している。
【0037】
なお、本実施形態では、読取対象となるコード画像がメッセージサーバーMSV(図1)の記憶装置STRに格納されたメッセージデータMDTのURLを表している。そのため、解析結果転送部113は、コード解析結果をデータ伝送処理部120に転送しているが、コード画像がURLを表すものでない場合、解析結果転送部113は、コード解析結果を、対応する処理を実行する機能ブロックに転送する。
【0038】
データ伝送処理部120は、通信処理部を介して伝送されるデータを取得する伝送データ取得部121と、取得されたデータのメディアタイプを判定するメディアタイプ判定部122と、取得したデータを転送する取得データ転送部123とを有している。
【0039】
伝送データ取得部121は、コード入力処理部110の解析結果転送部113から転送されてきたコード解析結果に応じて、インターネットINET(図1)を介して外部のサーバー(本実施形態では、メッセージサーバーMSV)に接続し、コード解析結果であるURLで表されるデータ(メッセージデータMDT)を取得する。
【0040】
このようにして、コード入力処理部110とデータ伝送処理部120を有する多機能携帯端末100は、メッセージデータMDTの取得先を表すコード画像の読取に応じて、メッセージデータMDTを取得することができる。
【0041】
メディアタイプ判定部122は、コード解析結果あるいは取得したデータに基づいて、取得したデータのメディアタイプを判定する。そして、メディアタイプ判定部122で判定されたメディアタイプに応じて、取得データ転送部123は、適切な機能ブロックに取得したデータを転送する。
【0042】
上述のように、メッセージカードMCD(図1)に記載されたコード画像は、メッセージサーバーMSVからメッセージデータMDTを取得するためのURLを表している。詳細については後述するが、本実施形態において、メッセージデータMDTは、拡張現実(AR:Augmented Reality)において表示される仮想オブジェクトを表すためのデータを含んでいる。そのため、取得データ転送部123は、取得したデータを拡張現実処理部130に転送する。
【0043】
そして、取得データ転送部123が、取得したデータ(すなわち、メッセージデータMDT)を拡張現実処理部130に転送することにより、端末100は、メッセージデータMDTの取得に応じて、拡張現実処理部130によって実現される各種機能を実行することとなる。
【0044】
拡張現実処理部130は、実画像取得部131と、オブジェクト操作部132と、端末配置取得部133と、位置関係算出部134と、トリガー条件判定部135と、仮想画像生成部136と、AR画像表示部137と、音声出力部138とを有している。
【0045】
実画像取得部131は、端末100に設けられたカメラ(図示しない)を用いて、現実の端末100周辺の空間(実空間)を撮影し、拡張現実において表示される実空間の画像である実画像を取得する。
【0046】
オブジェクト操作部132は、仮想オブジェクトの実空間への配置等、仮想オブジェクトに対する種々の操作を行う。オブジェクト操作部132は、また、仮想オブジェクトを変更する機能、すなわち、仮想オブジェクトの配置や形状を変更し、あるいは、配置される仮想オブジェクトの追加や削除を行う機能を有している。
【0047】
端末配置取得部133は、実空間における端末100の配置を取得する。位置関係算出部134は、オブジェクト操作部132で設定された仮想オブジェクトの配置と、端末配置取得部133で取得された端末100の配置とに基づいて、仮想オブジェクトと端末100との位置関係を算出する。トリガー条件判定部135は、仮想オブジェクトの変更や、音声出力を開始するトリガーとなる条件が満たされているか否かを判定する。
【0048】
仮想画像生成部136は、実空間に置かれた現実の物体、仮想オブジェクトおよび端末100の位置関係に基づいて、端末100のカメラから見えるであろう仮想オブジェクトの画像(仮想画像)を生成する。AR画像表示部137は、実画像取得部131で取得された実画像と、仮想画像生成部136で生成された仮想画像を合成して、タッチスクリーンの画像表示部に表示する。
【0049】
音声出力部138は、所定のトリガー条件が満たされた場合に、メッセージデータMDTに含まれる音声データに基づいてスピーカー等から出力する。
【0050】
なお、実空間における端末100の配置は、ユーザー(本実施形態では、図1の受取人RCP)の動作に伴って時間とともに変化する可能性がある。また、仮想オブジェクトの実空間における配置は、ユーザーの操作に従って変化する可能性がある。そのため、拡張現実処理部130の各部131~138は、ユーザーの指示によって仮想現実の処理が開始してから、表示の停止や画面の切替等で拡張現実の処理が必要でなくなるまで、それぞれの機能を実行し続ける。
【0051】
C.メッセージの伝達:
図3ないし図10は、本実施形態のメッセージデータMDTによって端末100のユーザー(すなわち、図1の受取人RCP)にメッセージが伝達される様子を示す説明図である。
【0052】
図3は、端末100によって、メッセージカードMCDに記載されたコード画像IMQが読み取られる様子を示している。図3に示すように、端末100は、カメラ(図示しない)がメッセージカードMCD側を向くように配置される。そして、ユーザーがコード画像IMQの読取を指示する操作をすることにより、カメラは、メッセージカードMCDを撮影する。撮影された画像は、端末100の画像表示部101に表示されるとともに、コード入力処理部110(図2)に供給される。
【0053】
コード入力処理部110のコード画像取得部111は、供給されたメッセージカードMCDの画像から、コード画像IMQを抽出する。抽出されたコード画像IMQは、コード解析部112で解析され、コード解析結果として、メッセージサーバーMSV(図1)の記憶装置STRに格納されたメッセージデータMDTのURLが得られる。コード解析結果として得られたメッセージデータMDTのURLは、解析結果転送部113からデータ伝送処理部120に転送される。
【0054】
データ伝送処理部120の伝送データ取得部121は、コード入力処理部110の解析結果転送部113から転送されてきたメッセージデータMDT(図1)のURLに応じ、インターネットINETを介して、メッセージデータMDTが格納されているメッセージサーバーMSVとの接続を確立する。確立された接続を通して、伝送データ取得部121は、メッセージサーバーMSVにメッセージデータMDTを送信する要求を送出し、メッセージサーバーMSVは、当該要求に応じて、伝送データ取得部121に対して、記憶装置STRに格納されたメッセージデータMDTを送出する。これにより、伝送データ取得部121は、メッセージサーバーMSVから送出されたメッセージデータMDTを取得する。なお、伝送データ取得部121とメッセージサーバーMSVとの接続の確立とデータの伝送は、HTTP等の一般的なデータ伝送プロトコルに基づいて行うことができる。
【0055】
伝送データ取得部121により取得されたデータは、そのメディアタイプ(MIME-Type)がメディアタイプ判定部122において判定される。本実施形態では、メッセージサーバーMSVから送出されるメッセージデータMDTが、拡張現実における仮想オブジェクトの形状等を規定するデータを含んでいる。そのため、伝送データ取得部121が取得したデータ(メッセージデータMDT)は、拡張現実処理部130の処理対象となると判定され、拡張現実処理部130に転送される。
【0056】
なお、本実施形態において、メッセージサーバーMSVから送出されるメッセージデータMDTには、仮想オブジェクトの三次元的形状を規定する三次元モデルデータ(モデルデータ)、仮想オブジェクトが変更される際の変更態様を規定するデータ、仮想オブジェクトを変更するトリガー条件、および、再生される音声を表す音声データと音声再生のトリガー条件が含まれている。
【0057】
拡張現実処理部130にメッセージデータMDT(図1)が転送されることにより、拡張現実処理部130は、図4に示すように、メッセージデータMDTが含んでいるモデルデータに基づいて、仮想オブジェクト(図4の例では、未開封のギフトボックスGBX)を画像表示部101に表示するとともに、拡張現実処理部130が稼働を開始したことを表すアイコンICNを画像表示部101に表示する。そして、図5に示すように、ユーザーがアイコンICNの表示部分に指FNGを接触させる(アイコンICNをタップする)と、拡張現実処理部130の各部131~138は、それぞれの機能の実行を開始し、拡張現実の処理が開始される。
【0058】
拡張現実の処理が開始されると、実画像取得部131が実空間を撮影して実画像を取得する。一方、この状態においては、仮想オブジェクトの配置が決定されていないため、仮想オブジェクトが配置されていないものとして取り扱われる。そのため、仮想画像生成部136では、仮想オブジェクトの画像である仮想画像が生成されず、AR画像表示部137は、実画像のみを画像表示部101に表示する。
【0059】
これにより、図6に示すように、端末100の画像表示部101には、アイコンICNとともに、実空間を撮影した実画像が表示される。なお、図6の例では、実空間には、何も載せられていない1卓のダイニングテーブルTBLと、2脚のチェアーCHRとが置かれている。
【0060】
この状態で、ユーザーが、図7に示すように、表示された実画像におけるダイニングテーブルTBLの天板部分をタップする。これにより、オブジェクト操作部132は、仮想オブジェクト(ギフトボックスGBX)をユーザーにより指定された配置位置、すなわち、ダイニングテーブルTBLの天板上に配置する。そして、仮想画像生成部136により、端末100のカメラから見えるであろう仮想オブジェクト(ギフトボックスGBX)の仮想画像が生成される。この仮想画像がAR画像表示部137によって実画像に合成されて表示されることにより、図8に示すように、仮想オブジェクトであるギフトボックスGBXは、あたかもダイニングテーブルTBLの天板上に置かれたように表示される。
【0061】
仮想オブジェクトであるギフトボックスGBXが表示された状態で、ユーザーがダイニングテーブルTBLに近づいていくと、端末100とギフトボックスGBXの配置位置とが接近する。この接近に伴って、端末100の画像表示部101上には、図9に示すように、ギフトボックスGBXが大きく表示されるようになる。
【0062】
本実施形態において、仮想オブジェクトの変更および音声出力開始のトリガー条件は、いずれも、端末100と仮想オブジェクトとの距離が所定の間隔(例えば、1m)以下であるという条件に設定されている。
【0063】
そのため、図9に示すように、端末100が仮想オブジェクトであるギフトボックスGBXに接近し、トリガー条件判定部135により当該トリガー条件が満たされたと判断された場合、オブジェクト操作部132がメッセージデータMDTに規定された態様で仮想オブジェクトを変更する。
【0064】
本実施形態において、仮想オブジェクトの変更は、仮想オブジェクトである未開封のギフトボックスGBXを開くように変形するとともに、仮想オブジェクトとして、後述する花束とメッセージ文とを追加する態様で行われる。そして、仮想画像生成部136により開かれたギフトボックス、花束およびメッセージ文の仮想画像が生成される。
【0065】
これにより、図10に示すように、画像表示部101上には、開いたギフトボックスXBXと、花束BQTとがあたかもユーザーにより指定された配置位置(ダイニングテーブルTBLの天板上)に配置され、さらに、配置位置の上方にメッセージ文が配置された画像が表示される。
【0066】
なお、図9および図10の例では、未開封のギフトボックスGBXが表示された状態と、開いたギフトボックスXBXが表示された状態とを別個に示しているが、未開封のギフトボックスGBXが開いていく過程をアニメーションとして表示するのが好ましい。この場合、花束BQTおよびメッセージ文MSTは、図10に示すようにギフトボックスXBXが完全に開いた状態において表示される。このように、ギフトボックスGBXが開いていく変形の過程をアニメーションとして表示すれば、表示される画像に違和感が生じるのが抑制されるので、メッセージをより自然な形で伝達することができる。
【0067】
また、本実施形態では、音声の再生開始のトリガー条件も、仮想オブジェクトを変更するトリガー条件と同一に設定される。そのため、花束BQTが表示されるのに合わせて、メッセージデータMDTに含まれる音声データに基づいて音声が再生される。なお、音声データとしては、メッセージサーバーMSVに登録された贈り主PSTの音声を基にして、メッセージ文MSTを読み上げた音声を音声合成により生成したものを使用している。そのため、端末100のユーザーである受取人RCPには、仮想現実によって表される花束BQTに添えられたメッセージ文MSTと、贈り主PST本人の声と同質の声(贈り主PSTの声)でメッセージ文MSTを読み上げるメッセージ音声とが伝達される。
【0068】
なお、本実施形態では、音声の再生を開始するトリガー条件と、仮想オブジェクトを変更するトリガー条件と同一に設定しているが、これらのトリガー条件は、必ずしも同一に設定する必要はない。音声の再生開始は、仮想オブジェクト(ギフトボックスGBX)を変更するトリガー条件の充足に応じて行われていれば良く、例えば、仮想オブジェクトの変更状態をトリガー条件として音声の再生を開始するものとしても良い。
【0069】
このように、本実施形態によれば、プレゼントGFT(図1)の受取人RCPには、プレゼントGFTに加えて、仮想現実で表わされた花束BQTと、花束BQTに添えられたメッセージ文MSTと、メッセージ文MSTを表す贈り主PSTの声のメッセージ音声が伝達される。そのため、受取人RCPには、あたかも贈り主PSTがその場で花束BQTを贈ってメッセージを伝達したように感じられる。そして、このように臨場感があるメッセージの伝達が行われることにより、贈り主PSTは、受取人RCPに対して、より印象的な形でプレゼントGFTを贈ることが可能となる。
【0070】
さらに、本実施形態によれば、図8に示すように最初にギフトボックスGBXが表示され、受取人RCPがギフトボックスGBXに近づくことにより、ギフトボックスGBXから花束BQT(図10)が出てくる画像が提示される。これにより、受取人RCPは、花束BQTが出てくるまでの過程を、期待感を持ちつつ楽しむことができる。そのため、贈り主PSTは、受取人RCPに対して、好印象を与えるようにメッセージを伝達することができる。
【0071】
また、本実施形態では、受取人RCPが、多機能携帯端末100でメッセージデータMDTのURLが記載されたコード画像を読み取ることにより、多機能携帯端末100にメッセージデータMDTが伝送される。そのため、受取人RCPが煩雑な操作を行うことなく、多機能携帯端末100がメッセージデータMDTを取得することができるので、メッセージの伝達をより容易にすることができる。
【0072】
加えて、メッセージデータMDTによって規定される仮想オブジェクトの表示や変更、あるいは音声の再生は、多機能携帯端末100が有する機能を用いることにより実現される。そのため、受取人RCPが、メッセージを受け取るためのアプリケーションのインストール等の多機能携帯端末100を操作することなく、メッセージを受け取ることができるので、メッセージの伝達をさらに容易にすることができる。
【0073】
D.変形例:
本発明は上記実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0074】
D1.変形例1:
上記実施形態では、メッセージデータMDTに含まれる音声データとして、メッセージサーバーMSVに登録された贈り主PSTの音声を基にして、メッセージ文MSTを読み上げた音声を音声合成により生成したものを使用している。しかしながら、メッセージデータMDTに含まれる音声データとしては、贈り主PSTの声によるメッセージ音声を表すものであれば、種々変更することができる。
【0075】
例えば、メッセージデータMDTに含まれる音声データとしては、音声合成が可能となるように、贈り主PSTの声の特徴を表すデータと、読み上げる文章(上記実施形態では、メッセージ文MST)とからなるデータを使用することができる。この場合、多機能携帯端末100(図2)の音声出力部138は、音声合成を行って音声を出力する。このようにすれば、音声データのサイズをより小さくすることができるので、多機能携帯端末100と外部との間で伝送されるメッセージデータMDTのサイズをより小さくすることができる。但し、多機能携帯端末100における演算処理量を低減することができる点で、音声の合成は、多機能携帯端末100によるメッセージデータMDTの取得に先立って行われ、メッセージデータMDTには、音声合成で生成された音声データを含めるのが好ましい。
【0076】
また、メッセージデータMDTに含まれる音声データとして、贈り主PSTがメッセージサーバーMSVに登録した声をそのまま表すものを使用することもできる。このようにすれば、音声合成のための演算処理を省略することができる。但し、好意を伝えるようなメッセージ等、声に出すのに気恥ずかしさを覚えるようなメッセージを伝達し、あるいは、外国語でメッセージを伝達する場合のように、直接声に出すのが容易でないメッセージ音声を伝達することが容易となるので、音声データとしては、音声合成により生成したものを使用するのが好ましい。
【0077】
一方、多機能携帯端末に表示される仮想オブジェクトは、上記実施形態の如く、未開封のギフトボックスに限定されず、くす玉や卵等の他の画像に変更することも可能である。加えて、トリガー条件の充足により実行される変化態様は、上記実施形態の如く、ギフトボックスが開くように変形するとともに花束とメッセージ文とが追加される態様に限定されず、くす玉が割れてメッセージ入りの垂れ幕が現れる態様や、卵が割れてメッセージ入りのプラカードを持った動物が現れる態様等の他の態様に変更することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明のメッセージデータは、上述の通り優れた効果を奏するものであるから、プレゼントの贈呈に合わせてメッセージを伝達することに好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0079】
100・・多機能携帯端末
101・・画像表示部
110・・コード入力処理部
111・・コード画像取得部
112・・コード解析部
113・・解析結果転送部
120・・データ伝送処理部
121・・伝送データ取得部
122・・メディアタイプ判定部
123・・取得データ転送部
130・・拡張現実処理部
131・・実画像取得部
132・・オブジェクト操作部
133・・端末配置取得部
134・・位置関係算出部
135・・トリガー条件判定部
136・・仮想画像生成部
137・・AR画像表示部
138・・音声出力部
BQT・・花束
CHR・・チェアー
FNG・・指
GBX・・ギフトボックス
GFT・・プレゼント
ICN・・アイコン
IMQ・・コード画像
MCD・・メッセージカード
MDT・・メッセージデータ
MST・・メッセージ文
MSV・・メッセージサーバー
PST・・贈り主
RCP・・受取人
STR・・記憶装置
TBL・・ダイニングテーブル
XBX・・ギフトボックス
INET・・インターネット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10