(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041686
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】(10y+7)の倍数の判別用具
(51)【国際特許分類】
G09B 19/02 20060101AFI20240319BHJP
【FI】
G09B19/02 G
G09B19/02 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022160582
(22)【出願日】2022-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】592234425
【氏名又は名称】中元 恒
(71)【出願人】
【識別番号】593142204
【氏名又は名称】中元 保子
(72)【発明者】
【氏名】中元 恒
(72)【発明者】
【氏名】中元 保子
(57)【要約】 (修正有)
【課題】2桁以上の自然数(10a+b)について、(10y+7)で示される末尾が7である7若しくは17などの自然数の倍数を判別する用具を提供する。
【解決手段】2桁以上のある自然数(10a+b)について、(10y+7)の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=(10y+7)N(Nは1以上の自然数、以下同じ)ならば、ある自然数(10a+b)に対して、次の操作{a-(3y+2)b}をおこなうと、{a-(3y+2)b}=(10y+7){3a-(3y+2)N}となるので、この操作をすることにより、もとの自然数(10a+b)は(10y+7)の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数(10a+b)について、このような操作{a-(3y+2)b}をおこなうと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁少なくなるので、上記の操作で得られる数字に、次々とこのような操作{a-(3y+2)b}を繰り返す。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2桁以上のある自然数(10a+b)(aは1以上の自然数、bは、0又は1桁の自然数、以下同じ)について、(10y+7)(yは、1以上の自然数、以下同じ)の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=(10y+7)N(Nは1以上の自然数、以下同じ)ならば、ある自然数(10a+b)に対して、次の操作{a-(3y+2)b}をおこなうと、{a-(3y+2)b}=(10y+7){3a-(3y+2)N}となるので、この操作{a-(3y+2)b}をすることにより、もとの自然数(10a+b)は(10y+7)の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数(10a+b)について、このような操作{a-(3y+2)b}をおこなうと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁少なくなるので、上記の操作で得られる数字に、次々とこのような操作{a-(3y+2)b}を繰り返すと、最終的に(10y+7)の(プラス若しくはマイナスの)1桁の倍数(2倍若しくは3倍など)、(プラス若しくはマイナスの)1倍の(10y+7)又はゼロになる。そこで、もとの自然数(10a+b)について、上記の操作{a-(3y+2)b}の繰り返しを利用することによる(10y+7)の倍数を判別する用具。
【請求項2】
2桁以上のある自然数(10a+b)(aは1以上の自然数、bは、0又は1桁の自然数、以下同じ)について、(10y+7)(yは、1以上の自然数、以下同じ)の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=(10y+7)N(Nは1以上の自然数、以下同じ)ならば、ある自然数(10a+b)に対して、次の操作{a-(3y+2)b}をおこなうと、{a-(3y+2)b}=(10y+7){3a-(3y+2)N}となるので、この操作{a-(3y+2)b}をすることにより、もとの自然数(10a+b)は(10y+7)の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数(10a+b)について、このような操作{a-(3y+2)b}をおこなうと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁少なくなるので、上記の操作で得られる数字に、次々とこのような操作{a-(3y+2)b}を繰り返すと、最終的に(10y+7)の(プラス若しくはマイナスの)1桁の倍数(2倍若しくは3倍など)、1倍の(プラス若しくはマイナスの)(10y+7)又はゼロになる。そこで、もとの自然数(10a+b)について、上記の操作{a-(3y+2)b}の繰り返しを利用することによる(10y+7)の倍数を判別するカード、書類、書籍、メール、パソコン、スマートフォン、携帯電話、映像、画像、磁気媒体、記録媒体、電子媒体、印刷物、表示物、計算資料、教育資料、事務器具、計算機、電子機器又は電気機器などの用具。
【請求項3】
2桁以上のある自然数(10a+b)(aは1以上の自然数、bは、0又は1桁の自然数、以下同じ)について、(10y+7)(yは、1以上の自然数、以下同じ)の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=(10y+7)N(Nは1以上の自然数、以下同じ)ならば、ある自然数(10a+b)に対して、次の操作{a-(3y+2)b}をおこなうと、{a-(3y+2)b}=(10y+7){3a-(3y+2)N}となるので、この操作{a-(3y+2)b}をすることにより、もとの自然数(10a+b)は(10y+7)の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数(10a+b)について、このような操作{a-(3y+2)b}をおこなうと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁少なくなるので、上記の操作で得られる数字に、次々とこのような操作{a-(3y+2)b}を繰り返すと、最終的に(10y+7)の(プラス若しくはマイナスの)1桁の倍数(2倍若しくは3倍など)、(プラス若しくはマイナスの)1倍の(10y+7)又はゼロになる。そこで、もとの自然数(10a+b)について、上記の操作{a-(3y+2)b}の繰り返しを利用することによる(10y+7)の倍数を判別する講演、講義、情報、電子情報、放送又は放映などの用具。
【請求項4】
2桁以上のある自然数(10a+b)(aは1以上の自然数、bは、0又は1桁の自然数、以下同じ)について、(10y+7)のyを1とした17の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=17N(Nは1以上の自然数、以下同じ)ならば、ある自然数(10a+b)に対して、yを1とした次の操作{a-(3y+2)b}、すなわち(a-5b)をおこなうと、a-5b=17(3a-5N)となるので、この操作(a-5b)をすることにより、もとの自然数(10a+b)は17の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数(10a+b)について、このような操作(a-5b)をおこなうと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁少なくなるので、上記の操作で得られる数字に、次々とこのような操作(a-5b)を繰り返すと、最終的に(プラス若しくはマイナスの)17の倍数(2倍若しくは3倍など)、(プラス若しくはマイナスの)17又はゼロになる。そこで、もとの自然数(10a+b)について、上記の操作(a-5b)の繰り返しを利用することによる17の倍数を判別する用具。
【請求項5】
2桁以上のある自然数(10a+b)(aは1以上の自然数、bは、0又は1桁の自然数、以下同じ)について、(10y+7)のyを3とした37の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=37N(Nは1以上の自然数、以下同じ)ならば、ある自然数(10a+b)に対して、yを3とした次の操作{a-(3y+2)b}、すなわち(a-11b)をおこなうと、(a-11b)=37(3a-11N)となるので、この操作(a-11b)をすることにより、もとの自然数(10a+b)は37の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数(10a+b)について、このような操作(a-11b)をおこなうと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁少なくなるので、上記の操作で得られる数字に、次々とこのような操作(a-11b)を繰り返すと、最終的に(プラス若しくはマイナスの)37の倍数(2倍など)、(プラス若しくはマイナスの)37又はゼロになる。そこで、もとの自然数(10a+b)について、上記の操作(a-11b)の繰り返しを利用することによる37の倍数を判別する用具。
【請求項6】
2桁以上のある自然数(10a+b)(aは1以上の自然数、bは、0又は1桁の自然数、以下同じ)について、(10y+7)のyを4とした47の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=47N(Nは1以上の自然数、以下同じ)ならば、ある自然数(10a+b)に対して、yを4とした次の操作{a-(3y+2)b}、すなわち(a-14b)をおこなうと、(a-14b)=47(3a-14N)となるので、この操作(a-14b)をすることにより、もとの自然数(10a+b)は47の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数(10a+b)について、このような操作(a-14b)をおこなうと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁少なくなるので、上記の操作で得られる数字に、次々とこのような操作(a-14b)を繰り返すと、最終的に(プラス若しくはマイナスの)47の倍数(2倍など)、(プラス若しくはマイナスの)47又はゼロになる。そこで、もとの自然数(10a+b)について、上記の操作(a-14b)の繰り返しを利用することによる47の倍数を判別する用具。
【請求項7】
2桁以上のある自然数(10a+b)(aは1以上の自然数、bは、0又は1桁の自然数、以下同じ)について、(10+7)のyを6とした67の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=67N(Nは1以上の自然数、以下同じ)ならば、ある自然数(10a+b)に対して、yを6とした次の操作{a-(3y+2)b}、すなわち(a-20b)をおこなうと、(a-20b)=67(3a-20N)となるので、この操作(a-20b)をすることにより、もとの自然数(10a+b)は67の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数(10a+b)について、このような操作(a-20b)をおこなうと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁少なくなるので、上記の操作で得られる数字に、次々とこのような操作(a-20b)を繰り返すと、最終的に(プラス若しくはマイナスの)67の倍数(2倍など)、(プラス若しくはマイナスの)67又はゼロになる。そこで、もとの自然数(10a+b)について、上記の操作(a-20b)の繰り返しを利用することによる67の倍数を判別する用具。
【請求項8】
2桁以上のある自然数(10a+b)(aは1以上の自然数、bは、0又は1桁の自然数、以下同じ)について、(10y+7)のyを9とした97の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=97N(Nは1以上の自然数、以下同じ)ならば、ある自然数(10a+b)に対して、yを9とした次の操作{a-(3y+2)b}、すなわち(a-29b)をおこなうと、(a-29b)=97(3a-29N)となるので、この操作(a-29b)をすることにより、もとの自然数(10a+b)は97の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数(10a+b)について、このような操作(a-29b)をおこなうと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁少なくなるので、上記の操作で得られる数字に、次々とこのような操作(a-29b)を繰り返すと、最終的に(プラス若しくはマイナスの)97の倍数(2倍など)、(プラス若しくはマイナスの)97又はゼロになる。そこで、もとの自然数(10a+b)について、上記の操作(a-29b)の繰り返しを利用することによる97の倍数を判別する用具。
【請求項9】
3桁以上のある自然数(10a+b)(aは10以上の自然数、bは、0又は1桁の自然数、この項以下同じ)について、(10y+7)のyを10とした107の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=107N(Nは1以上の自然数、以下同じ)ならば、ある自然数(10a+b)に対して、yを10とした次の操作{a-(3y+2)b}、すなわち(a-32b)をおこなうと、(a-32b)=107(3a-32N)となるので、この操作(a-32b)をすることにより、もとの自然数(10a+b)は107の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数(10a+b)について、このような操作(a-32b)をおこなうと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁少なくなるので、上記の操作で得られる数字に、次々とこのような操作(a-32b)を繰り返すと、最終的に(プラス若しくはマイナスの)107の倍数(2倍など)、(プラス若しくはマイナスの)107又はゼロになる。そこで、もとの自然数(10a+b)について、上記の操作(a-32b)の繰り返しを利用することによる107の倍数を判別する用具。
【請求項10】
3桁以上のある自然数(10a+b)(aは10以上の自然数、bは、0又は1桁の自然数、この項以下同じ)について、(10y+7)のyを15とした157の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=157N(Nは1以上の自然数、以下同じ)ならば、ある自然数(10a+b)に対して、yを15とした次の操作{a-(3y+2)b}、すなわち(a-47b)をおこなうと、(a-47b)=157(3a-47N)となるので、この操作(a-47b)をすることにより、もとの自然数(10a+b)は157の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数(10a+b)について、このような操作(a-47b)をおこなうと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁少なくなるので、上記の操作で得られる数字に、次々とこのような操作(a-47b)を繰り返すと、最終的に(プラス若しくはマイナスの)157の倍数(2倍など)、(プラス若しくはマイナスの)157又はゼロになる。そこで、もとの自然数(10a+b)について、上記の操作(a-47b)の繰り返しを利用することによる157の倍数を判別する用具。
【請求項11】
3桁以上のある自然数(10a+b)(aは10以上の自然数、bは、0又は1桁の自然数、この項以下同じ)について、(10y+7)のyを78とした787の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=787N(Nは1以上の自然数、以下同じ)ならば、ある自然数(10a+b)に対して、yを78とした次の操作{a-(3y+2)b}、すなわち(a-236b)をおこなうと、(a-236b)=787(3a-236N)となるので、この操作(a-236b)をすることにより、もとの自然数(10a+b)は787の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数(10a+b)について、このような操作(a-236b)をおこなうと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁少なくなるので、上記の操作で得られる数字に、次々とこのような操作(a-236b)を繰り返すと、最終的に(プラス若しくはマイナスの)787の倍数(2倍など)、(プラス若しくはマイナスの)787又はゼロになる。そこで、もとの自然数(10a+b)について、上記の操作(a-236b)の繰り返しを利用することによる787の倍数を判別する用具。
【請求項12】
4桁以上のある自然数(10a+b)(aは100以上の自然数、bは、0又は1桁の自然数、この項以下同じ)について、(10y+7)のyを369とした3697の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=3697N(Nは1以上の自然数、以下同じ)ならば、ある自然数(10a+b)に対して、yを369とした次の操作{a-(3y+2)b}、すなわち(a-1109b)をおこなうと、(a-1109b)=3697(3a-1109N)となるので、この操作(a-1109b)をすることにより、もとの自然数(10a+b)は3697の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数(10a+b)について、このような操作(a-1109b)をおこなうと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁少なくなるので、上記の操作で得られる数字に、次々とこのような操作(a-1109b)を繰り返すと、最終的に(プラス若しくはマイナスの)3697の倍数(2倍など)、(プラス若しくはマイナスの)3697又はゼロになる。そこで、もとの自然数(10a+b)について、上記の操作(a-1109b)の繰り返しを利用することによる3697の倍数を判別する用具。
【請求項13】
2桁以上のある自然数(10a+b)(aは1以上の自然数、bは、0又は1桁の自然数、以下同じ)について、(10y+7)のyを0とした7の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=7N(Nは1以上の自然数、以下同じ)ならば、ある自然数(10a+b)に対して、yを0とした次の操作{a-(3y+2)b}、すなわち(a-2b)をおこなうと、(a-2b)=7(3a-2N)となるので、この操作(a-2b)をすることにより、もとの自然数(10a+b)は7の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数(10a+b)について、このような操作(a-2b)をおこなうと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁少なくなるので、上記の操作で得られる数字に、次々とこのような操作(a-2b)を繰り返すと、最終的に(プラス若しくはマイナスの)7の倍数(2倍など)、(プラス若しくはマイナスの)7又はゼロになる。そこで、もとの自然数(10a+b)について、上記の操作(a-2b)の繰り返しを利用することによる7の倍数を判別する用具。
【請求項14】
倍数判別にカード、書類、書籍、メール、パソコン、スマートフォン、携帯電話、映像、画像、磁気媒体、記録媒体、電子媒体、印刷物、表示物、計算資料、教育資料、事務器具、計算機、電子機器又は電気機器などを利用する請求項4~請求項13の用具。
【請求項15】
倍数判別に講演、講義、情報、電子情報、放送又は放映などを利用する請求項4~請求項13の用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複雑な数字や桁数の多い数字(ある自然数)を因数分解したり、その約数を見つけたり、素数の判別や、事務処理、情報処理、計数処理又はデータ処理などに役立ち、17などの(10y+7)(yは、ゼロ又は1以上の自然数、以下同じ)の倍数か否かを判別することや、更に事務処理、情報処理、計数処理又はデータ処理などに利用・応用できるカード、書類、書籍、情報、電子情報、メール、パソコン、スマートフォン、携帯電話、電子媒体、磁気媒体、記録媒体、印刷物、表示物、計算資料、教育資料、事務器具、映像、画像、電子機器、電気機器、計算機、講演、講義、放送又は放映などの用具に関する。
【背景技術】
【0002】
大きい数字(ある自然数)を因数分解したり、約したりすることはよく行われることであり、従来より、2、3、4、5、6、8、9、11等の素数やその数倍の数字を判別することはよく知られている。
【0003】
また、(10y+7)で示される自然数の中の7及び/又は17等の倍数を判別することは、以下の特許文献に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平06-149149号公報
【特許文献2】特開平07-5802号公報
【特許文献3】特開平07-5803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来の先行技術文献よりも、7若しくは2桁以上の(10y+7)(yは1以上の自然数、以下同じ)で示される17などの倍数を簡単に判別することができるものであり、特に、桁数の多い自然数について、7若しくは17などの(10y+7)の倍数か否かを判別するのに役立てたり、事務処理、情報処理、計数処理又はデータ処理などに利用・応用したり、素数の判別や因数分解などに役立てるものである。
従来の先行技術文献でも7若しくは(10y+7)で示される17などの倍数を判別することができたが、さらに簡単に判別できるようにすることが課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、2桁以上のある自然数(10a+b)(aは1以上の自然数、bは、0または1桁の自然数、以下同じ)について、(10y+7)(yは、0若しくは1以上の自然数、以下同じ)の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=(10y+7)N(Nは1以上の自然数、以下同じ)ならば、次の操作{a-(3y+2)b}をすると、{a-(3y+2)b}=(10y+7){3a-(3y+2)N}となるので、この操作{a-(3y+2)b}をすることにより、もとの自然数(10a+b)は(10y+7)の倍数であることが判明する。
そこで、もとの自然数(10a+b)について、このような操作{a-(3y+2)b}をおこなうと、もとの自然数(10a+b)の桁数が操作1回で基本的に1桁少なくなるので、上記の操作で得られる数字に、次々とこのような操作{a-(3y+2)b}を繰り返すと、最終的に(プラス若しくはマイナスの)(10y+7)の倍数(2倍若しくは3倍など)、(プラス若しくはマイナスの)1倍の(10y+7)又はゼロになる。そこで、もとの自然数(10a+b)について、上記の操作{a-(3y+2)b}の繰り返しを利用することによる(10y+7)の倍数を判別する用具を提供する。
そして、最終の数字がマイナスになった場合は、絶対値で判断するとよい。
なお、操作前の数字に対して、操作1回で得られた数字の桁数が基本的に1桁少なくなるというのは、例外として、操作前の数字の末尾が0や00など0が続く場合は、その0を省いて操作すれば、操作回数の減少につながる場合がある。また、操作の最終段階で(10y+7)の1桁の倍数(2倍若しくは3倍など)になった時、得られた数字に操作しても操作前後で桁数が変化しない場合もあるためである。
上記の(10y+7)の例として、yを0にすると、7の倍数を判別する用具になる。yを1にすると、17の倍数を判別する用具になる。
また、yを3にすると、37の倍数を判別する用具になり、yを4にすると、47の倍数判別の用具、yを6にすると、67の倍数を判別する用具、yを9にすると、97の倍数判別の用具、yを10にすると、107の倍数判別の用具、yを15にすると、157の倍数判別する用具、yを25にすると257の倍数判別の用具、yを36にすると、367の倍数を判別する用具、yを58にすると、587の倍数を判別する用具、yを78にすると787の倍数判別用具、yを82にすると、827の倍数を判別する用具、yを99にすると、997の倍数を判別する用具、yを156にすると、1567の倍数を判別する用具、yを265にすると、2657の倍数を判別する用具、yを351にすると、3517の倍数を判別する用具、yを369にすると、3697の倍数を判別する用具、yを538にすると、5387の倍数を判別する用具、yを691にすると、6917の倍数を判別する用具、yを723にすると、7237の倍数を判別する用具、yを838にすると、8387の倍数を判別する用具になる。yの大きさはここでは3桁まで示したが、1桁、2桁、3桁の数字はあくまでも例示であり、他の1桁~3桁の数字も利用でき、4桁以上にしても同様に1000以上の数字が可能であり、yの上限は特に制限なく利用できる。特に末尾が7の(10y+7)の数字の桁数が大きい素数の判別に役立つ。このように(10a+b)で示される2桁以上の自然数に対して、yを、ゼロ又は1以上の自然数にすれば、2桁以上の(10y+7)の倍数を判別することが可能であることが判明した。
なお、操作{a-(3y+2)b}で得られる数字が末尾0や00など、0が続く場合は、これらの0を省いた残りの数字だけで続きの操作{a-(3y+2)b}をおこなっても、倍数判別が可能であり、操作回数の減少につながる。
また、操作の最終段階の数字が(プラス若しくはマイナスの)(10y+7)の倍数(例えば2倍若しくは3倍など)になり、この数字でも(10y+7)の倍数判別可能だが、続けて操作すると、最後には(プラス若しくはマイナスの)(10y+7)になり、桁数が操作の前後で同じになる場合があるほか、ゼロになる場合もある。
【0007】
本発明は上記の方法を応用した7若しくは2桁以上の(10y+7)の倍数を判別するカード、書類、書籍、メール、パソコン、携帯電話、スマートフォン、映像、画像、磁気媒体、記録媒体、電子媒体、印刷物、表示物、計算資料、教育資料、事務器具、計算機、電子機器又は電気機器など、用具として利用・応用するものであり、さらに、講演、講義、情報、電子情報、放送又は放映などを用具として利用・応用してもよい。その材料は特に制限はなく、公知のものが使用でき、その大きさも利用目的によって自由に設定することができる。
【0008】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は2桁以上の自然数(10a+b)(桁数の上限は特に制限なし)に利用できるものであり、本発明では、自然数の例示として、5~10桁の数字でおこなった。
【実施例0009】
自然数が5桁の31739について、(10y+7)のyを1として、17の倍数か否か検討する。(10a+b)で表した31739のaは3173、bは9なので、yを1として、{a-(3y+2)b}の操作、すなわち(a-5b)の操作を行うと、3173-5×9=3128となる。この3128について(10a+b)で表すと、aは312、bは8なので、前記と同様に(a-5b)の操作をおこなうと、312-5×8=272となる。続いて272について、(10a+b)で表すと、aは27、bは2なので、前記と同様な操作で27-5×2=17になる。そこで、31739は17の倍数であることが分かる。
8桁の自然数が13077613について、(10y+7)のyを3として、37の倍数か否かを判別する。ここでは、(10a+b)のaは1307761、bは3になる。yを3として{a-(3y+2)b}の操作、すなわち、(a-11b)の操作をすると(1307761-11×3=1307728)になる。この1307728について、前記と同様に(10a+b)で表すと、aは130772、bは8なので、前記と同様に(a-11b)の操作をすると、130772-11×8=130684になる。この数について(10a+b)で表すと、aは13068、bは4なので、前記と同様な操作(a-11b)をすると、13068=11×4=13024。この数について前記と同様に(10a+b)で表すと、aは1302、bは4なので、前記と同様な操作(a-11b)をすると、1302-11×4=1258。この数について前記と同様に(10a+b)で表すと、aは125、bは8なので、前記と同様な操作をすると、125-11×8=37になる。そこで、13077613は37の倍数であることがわかる。